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特許7097821シャドーマスク堆積システム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】シャドーマスク堆積システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
C23C14/04 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018561623
(86)(22)【出願日】2017-05-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 US2017034203
(87)【国際公開番号】W WO2017205479
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】62/340,793
(32)【優先日】2016-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/602,939
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517381843
【氏名又は名称】イマジン・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アマルクマール・ピー・ゴーシュ
(72)【発明者】
【氏名】フリドリッヒ・ヴァザン
(72)【発明者】
【氏名】ムニサミー・アナンダン
(72)【発明者】
【氏名】エヴァン・ドノヒュー
(72)【発明者】
【氏名】イリヤス・アイ・カイルリン
(72)【発明者】
【氏名】タリク・アリ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・タイス
【審査官】篠原 法子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-183044(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0024831(US,A1)
【文献】特開2005-339858(JP,A)
【文献】特開平10-050584(JP,A)
【文献】特表2012-522891(JP,A)
【文献】特開2016-092316(JP,A)
【文献】特開平07-029814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00-14/58
H01J 37/00-37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャドーマスクの貫通孔の配列を介して基板の第1の領域に材料のパターンを堆積させるためのシステムであって、前記基板が、第1の主面、及び、前記第1の領域を含む第2の主面を含み、前記シャドーマスクが、第3の主面、及び、前記貫通孔を含む第4の主面を含み、
前記システムが、
前記基板を保持するための第1のチャックであって、前記第1の主面に第1の引力を選択的に与えるように寸法決めされて配置されている第1のチャックと、
前記シャドーマスクを保持するための第2のチャックであって、前記材料が前記貫通孔まで前記第2のチャックを通過することを可能にする第1の開口部を完全に囲む円形のフレームを備え、前記シャドーマスクが前記第3の主面で前記第2のチャックに装着されたとき、前記第4の主面内に引張歪みを誘導することによって前記シャドーマスクの重力によって生じる垂れ下がりを軽減するように構成される環状の装着面を前記フレームが有し、前記フレームが、前記第1の開口部に近接する第1の縁部と前記第1の開口部の遠位側にある第2の縁部との間に前記装着面が延びる断面を有し、前記装着面及び第1の縁部が、第1の平面内の第1の点で交わり、前記装着面及び前記第2の縁部が、第2の平面内の第2の点で交わり、前記シャドーマスクと基板とが位置合わせされたとき、前記第1の平面が、前記第2の平面より前記基板に近い、第2のチャックと、
前記シャドーマスクと前記基板とを位置合わせするために、前記第1のチャックと前記第2のチャックとの相対位置を制御するための位置合わせシステムと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1のチャック、第2のチャック及び位置合わせシステムが共同で、前記基板とシャドーマスクとの位置合わせを、それらの間の間隔が25ミクロン以下である状態で可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のチャック、第2のチャック及び位置合わせシステムが共同で、前記基板とシャドーマスクとの位置合わせを、それらの間の間隔が20ミクロン以下である状態で可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のチャック、第2のチャック及び位置合わせシステムが共同で、前記基板とシャドーマスクとの位置合わせを、それらの間の間隔が10ミクロン以下である状態で可能にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のチャック、第2のチャック及び位置合わせシステムが共同で、前記基板とシャドーマスクとの位置合わせを、それらの間の間隔が0ミクロンよりも大きい状態で可能にする、請求項2から4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記装着面が非線形である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のチャックが、前記第1の開口部内に支持格子をさらに含み、前記支持格子が、前記シャドーマスクの重力による垂れ下がりを軽減するように寸法決めされて配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2のチャックが、前記シャドーマスクの湾曲を生じさせるように寸法決めされて配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記シャドーマスクが、
(i)第1の厚さ、中央開口部及び前記第3の主面を有するハンドル基板、及び、
(ii)前記中央開口部に懸架され、前記第4の主面を含む膜
を備えるとき、
前記第2のチャックが、前記シャドーマスクを保持するように構成され、
前記第2のチャックが、前記第1の開口部内に位置する支持格子を含み、
前記支持格子が、複数の支持リブを含み、各々が、第3の平面に位置する第1の表面を有し、前記シャドーマスクが前記第2のチャックに保持されると、前記複数の支持リブが、前記ハンドル基板を通って延びて前記膜を支持するように、前記複数の支持リブが、前記第1の厚さに等しい距離だけ前記装着面を越えて延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
シャドーマスクの貫通孔の配列を介して基板の第1の領域に材料のパターンを堆積させるための方法であって、前記基板が、第1の横方向の長さを有する第1の主面及び第2の主面を含み、前記第2の主面が、前記第1の領域を含み、前記シャドーマスクが、第3の主面、及び、前記貫通孔を含む第4の主面を含み、
前記方法が、
前記第1の主面に選択的に第1の引力を与える第1のチャックに前記基板を保持する段階と、
前記第3の主面に選択的に第2の引力を与える第2のチャックに前記シャドーマスクを保持する段階であって、前記第2のチャックが、前記第2のチャックを介して前記貫通孔まで前記材料を含む粒子の移動を可能にする第1の開口部を完全に囲む円形のフレームを含み、前記シャドーマスクが前記第2のチャックに保持されたとき、前記第4の主面内に引張歪みを誘導するように構成される装着面を前記フレームが含み、前記フレームが、前記第1の開口部に近接する第1の縁部と前記第1の開口部の遠位側にある第2の縁部との間に前記装着面が延びる断面を有し、さらに、前記装着面及び第1の縁部が、第1の平面内の第1の点で交わり、前記装着面及び前記第2の縁部が、第2の平面内の第2の点で交わり、前記シャドーマスクと基板とが位置合わせされたとき、前記第1の平面が、前記第2の平面より前記基板に近い、段階と、
前記第2の主面及び前記第4の主面が10ミクロン以下の距離だけ離れるように、前記基板と前記シャドーマスクとを位置合わせする段階と、
前記材料を含む粒子の流れを前記第2のチャック及び前記シャドーマスクに通す段階と、
を含む、方法。
【請求項11】
前記第2の主面及び前記第4の主面が、0ミクロンより大きく、10ミクロン以下の距離だけ離れるように、前記基板とシャドーマスクとが位置合わせされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記貫通孔を含む前記シャドーマスクの領域に前記シャドーマスクを機械的に支持することによって、重力によって生じる垂れ下がりが軽減される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のチャックが、前記第1の開口部に位置する支持格子であって、前記シャドーマスクを物理的に支持するように寸法決めされて配置されている支持格子を含むように、前記第2のチャックを提供する段階をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記シャドーマスクが、
(i)第1の厚さ、中央開口部及び前記第3の主面を有するハンドル基板、及び、
(ii)前記中央開口部に懸架され、前記第4の主面を含む膜
を含むように、前記シャドーマスクを提供する段階と、
前記支持格子が、複数の支持リブを含み、各々が、第3の平面に位置する第1の表面を有し、前記ハンドル基板を通って延びて前記膜を支持するように前記第1の厚さに等しい距離だけ前記装着面を越えて延びるように、前記支持格子を提供する段階と、をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本件は、2016年5月24日に出願された米国仮特許出願第62/340,793号(代理人整理番号:6494-208PR1)に優先権を主張し、それは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般的には薄膜堆積に関し、より詳細には薄膜堆積装置に関する。
【背景技術】
【0003】
シャドーマスクベースの堆積は、堆積プロセス自体の間に層の所望のパターンが画定されるように、材料の層が基板の表面上に堆積されるプロセスである。これは、「直接パターニング」とも呼ばれる成膜技術である。
【0004】
典型的なシャドーマスク堆積プロセスでは、所望の材料は、シャドーマスクが供給源と基板との間に配置された状態で、基板から離れたところにある供給源で気化される。材料の気化原子が基板に向かって移動すると、それらは、基板の表面に接触するか、その直前に配置されるシャドーマスクの一組の貫通孔を通過する。貫通孔(すなわち、開口部)は、基板上の材料に適したパターンで配置される。その結果、シャドーマスクは、貫通孔を通過する気化原子以外の全ての気化原子の通過を阻止し、貫通孔を通過する気化原子は、目的のパターンで基板表面に堆積する。シャドーマスクベースの堆積は、アートワークの開発に使用される衣料品やステンシル製品にパターン(例:背番号など)を形成するために使用されるシルクスクリーン技法に似ている。
【0005】
シャドーマスクベースの堆積は、部分的には、材料層が堆積された後に材料層をパターニングする必要性を回避するという事実により、基板に材料のパターンを堆積するために長年にわたって集積回路(IC)産業で使用されてきた。その結果、それを使用すると、堆積した材料をパターニングするために厳しい化学薬品(例えば、酸ベースのエッチング剤、腐食性のフォトリソグラフィ現像化学薬品など)に晒す必要がなくなる。さらに、シャドーマスクを使用した堆積では、基板の取り扱いや処理が少なくて済むため、基板が破損するリスクが減少し、製造歩留まりが向上する。さらに、有機材料のような多くの材料は、それらを損傷することなくフォトリソグラフィ化学薬品に晒されることができず、それは、シャドーマスクによってそのような材料を堆積することを必要とする。
【0006】
残念なことに、従来のシャドーマスク堆積によって得られる特徴分解能は、シャドーマスクを通過した後に堆積材料が横方向に広がる傾向があるために低下し、これは「フェザリング」と呼ばれる。フェザリングは、基板とシャドーマスクとの間隔が大きくなるにつれて大きくなる。その結果、この間隔は通常、基板及びシャドーマスクを保持するチャックの完全性を損なうことなく、できるだけ小さく保たれる。さらに、堆積領域全体にわたるこの間隔の不均一性は、フェザリング量の変動を引き起こす。このような不均一性は、例えば、基板とシャドーマスクとの間の平行性の欠如、基板及びシャドーマスクの一方または両方の湾曲または垂れ下がり等から生じ得る。
【0007】
残念ながら、かなりの量のフェザリングが発生するのを防ぐのに十分近くにシャドーマスク及び基板を保持するのは困難である。さらに、シャドーマスクは、気化原子が貫通孔パターンを通過するのを妨げないように、その周辺部でのみ支持されなければならない。その結果、シャドーマスクの中心が重力によって垂れ下がる可能性があり、それが、さらにフェザリングの問題を悪化させる。
【0008】
したがって、実際には、従来技術のシャドーマスクベースの堆積技術によって生成された重要な特徴は、フェザリングに対応するために、通常、比較的広い面積の解放空間によって分離され、それによって、得られるデバイス密度が制限される。例えば、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイの各画素は、通常、それぞれ異なる色の光を発する有機発光材料の複数の領域を含む。フェザリング問題のために、従来技術のAMOLEDディスプレイは、典型的には、約600ピクセル/インチ(ppi)以下に制限されており、これは、目に近い拡張現実および仮想現実用途などの多くの用途にとって不十分である。さらに、画素内及び画素間に大きな隙間が必要なため、画素フィルファクタが低下し、ディスプレイの輝度が低下する。結果として、有機層を通る電流密度は、ディスプレイの寿命に悪影響を及ぼす可能性がある所望の輝度を提供するために増加されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
高解像度の直接パターニングを可能にするプロセスの必要性は、従来技術において満たされていないままである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、従来技術のいくらかのコスト及び不利益なしに、基板にパターンニングされた材料の層を高解像度で直接堆積することを可能にする。本発明は、わずか数ミクロンだけ離れているシャドーマスクと基板との高精度な位置合わせを可能にする。本発明はまた、その周縁部でのみ支持されているシャドーマスクの重力による垂れ下がりの軽減を提供する。本発明の実施形態は、高密度画素ディスプレイ(DPD)、高精細ディスプレイなどの、基板に高密度パターンの材料を必要とする用途に特によく適している。
【0011】
本発明の例示的な実施形態は、基板を保持するための第1の装着面を有する第1のチャックと、貫通孔のパターンを含むシャドーマスクを保持するための第2の装着面を有する第2のチャックと、を備える直接パターニング堆積システムである。第2のチャックは、シャドーマスクの貫通孔のパターンを露出させる中央開口部を囲むフレームを含む。その結果、堆積中に、材料の気化原子が第2のチャック及び貫通孔を通過して、基板の前面の堆積領域に所望のパターンで堆積することが可能である。
【0012】
第1のチャックは、基板の背面に選択的に加えられる第1の静電力を発生させる。第1のチャックも、基板の前面から突き出ないように寸法決めされて配置されている。同様に、第2のチャックは、シャドーマスクの背面に選択的に加えられる第2の静電力を生成する。第2のチャックもシャドーマスクの前面から突き出ないように寸法決めされて配置されている。シャドーマスク及び基板が堆積のために整列しているとき、第1及び第2のチャックのどちらの部分も、基板とシャドーマスクとの間の三次元空間に侵入することはない。結果として、基板及びシャドーマスクを堆積中に非常に接近させて配置することができ、それによってフェザリングを軽減することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の引力及び第2の引力のうちの少なくとも1つは、真空発生力、磁力などの静電気以外の力である。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2の装着面は、その中央領域の重力による垂れ下がりを軽減するシャドーマスクの前面に引張応力を生じさせるように寸法決めされて配置されている。いくつかのそのような実施形態において、第2のチャックのフレームは、その装着面がフレームの内周の上端から離れて傾斜するように形作られる。その結果、シャドーマスクを第2のチャックに取り付けると、シャドーマスクが僅かに曲がり、シャドーマスクの前面に引張応力が発生する。これらの実施形態のいくつかにおいて、装着面は、フレームの内周の上端から下方に湾曲している。
【0015】
本発明の一実施形態は、シャドーマスクの貫通孔の配列を介して基板の第1の領域に材料のパターンを堆積させるためのシステムであって、基板が、第1の領域を含む第1の主面及び第2の主面を含み、シャドーマスクが、貫通孔を含む第3の主面及び第4の主面を含み、このシステムが、基板を保持するための第1のチャックであって、第1の主面に第1の引力を選択的に与えるように寸法決めされて配置されている第1のチャックと、シャドーマスクを保持するための第2のチャックであって、材料が貫通孔まで第2のチャックを通過することを可能にする第1の開口部を囲むフレームを備え、第3の主面に第2の引力を選択的に与えるように寸法決めされて配置されている、第2のチャックと、シャドーマスクと基板とを位置合わせするために、第1のチャックと第2のチャックとの相対位置を制御するための位置合わせシステムと、を備える、システムである。
【0016】
本発明の別の実施形態は、シャドーマスクの貫通孔の配列を介して基板の第1の領域に材料のパターンを堆積させるためのシステムであって、基板が、第1の横方向の長さを有する第1の主面及び第2の主面を含み、第2の主面が、第1の領域を含み、シャドーマスクが、貫通孔を含む第3の主面及び第4の主面を含み、このシステムが、基板を保持するための第1のチャックと、シャドーマスクを保持するための第2のチャックであって、材料が貫通孔まで前記第2のチャックを通過することを可能にする第1の開口部を囲むフレームを備える第2のチャックと、を備え、シャドーマスクと基板とが位置合わせされるとき、シャドーマスクと基板とが共同で第2の領域を画定し、第2の領域が、(1)第1の横方向の長さ以上の第2の横方向の長さを有し、(2)基板とシャドーマスクとの間の間隔に等しい厚さを有し、(3)第1のチャック及び第2のチャックを除外し、第1のチャック及び第2のチャックが、その厚さが0ミクロンより大きく、25ミクロン以下になることを可能にするように寸法決めされて配置されている、システムである。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態は、シャドーマスクの貫通孔の配列を介して基板の第1の領域に材料のパターンを堆積させるための方法であって、基板が、第1の横方向の長さを有する第1の主面及び第2の主面を含み、第2の主面が、第1の領域を含み、シャドーマスクが、貫通孔を含む第3の主面及び第4の主面を含み、この方法が、第1の主面に選択的に第1の引力を与える第1のチャックに基板を保持する段階と、第3の主面に集約的に第2の引力を与える第2のチャックにシャドーマスクを保持する段階であって、第2のチャックが、第2のチャックを介して貫通孔まで材料を含む粒子の移動を可能にする、段階と、第2の主面及び第4の主面が、0ミクロンより大きく、25ミクロン以下の距離だけ離れるように、基板とシャドーマスクとを位置合わせする段階と、を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の例示的な実施形態による、高精度直接パターニング堆積システムの顕著な特徴の概略図を示す。
図2】本発明の例示的な実施形態による、基板にパターニングされた材料層を形成するための操作方法を示す。
図3A】例示的な実施形態によるマスクチャックの断面図の概略図を示す。
図3B】基板114を保持している間の基板チャック102の断面図の概略図を示す。
図4A】例示的な実施形態によるマスクチャックの上面図の概略図を示す。
図4B】例示的な実施形態によるマスクチャックの断面図の概略図を示す。
図5】マスクチャック104に取り付けられたシャドーマスク122の断面図を示す。
図6】材料118の堆積に対して位置合わせされた基板114及びシャドーマスク122を有するシステム100の一部の断面図の概略図を示す。
図7A】本発明の第1の代替的な実施形態によるマスクチャックの一部の断面図の概略図を示す。
図7B】本発明の第2の代替的な実施形態によるマスクチャックの一部の断面図の概略図を示す。
図8A】本発明の第3の代替的な実施形態によるマスクチャックの上面図の概略図を示す。
図8B】本発明の第3の代替的な実施形態によるマスクチャックの断面図の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、高精度直接パターニング堆積システムの顕著な特徴の概略図を示す。システム100は、基板チャック102、マスクチャック104、供給源106、位置合わせシステム108、真空チャンバ110及びコントローラ112を含む。システム100は、フォトリソグラフィ及びエッチングなどの後続の減法パターニング作業を必要とせずに、所望のパターンの材料を基板表面上に蒸着させるように動作する。
【0020】
システム100は、本明細書では、AMOLEDディスプレイの製造の一部としてのガラス基板への発光有機材料のパターンの堆積に関して説明される。しかしながら、本明細書を読んだ後、本発明が、半導体基板(シリコン、シリコンカーバイド、ゲルマニウムなど)、セラミック基板、金属基板、プラスチック基板などの幅広い基板のいずれかの上における、実質的に任意の薄膜及び厚膜材料(有機又は無機)の直接パターニング層の形成に向けられ得ることは、当業者にとって明らかである。さらに、例示的な実施形態は熱蒸着システムであるが、当業者は、本明細書を読んだ後に、本発明が電子ビーム蒸着、スパッタリングなどの実質的にあらゆる材料堆積プロセスに向けられ得ることを認識するであろう。さらにまた、図示の例は単一基板平面処理での使用に適した堆積システムであるが、本発明は、クラスタツール処理、トラック処理、ロールツーロール処理、リールツーリール処理などの他の製造方法での使用にも適している。結果として、本発明は、限定はしないが、パッケージング用途、集積回路製造、MEMS製造、ナノテクノロジーデバイス製造、ボールグリッドアレイ(BGA)製造などを含む無数の用途での使用に適している。
【0021】
基板チャック102は、その背面のみに作用する引力を介して基板114を保持するためのプラテンである。図示の例では、基板チャック102は、基板を保持するために静電力を発生する。しかしながら、いくつかの実施形態では、基板チャック102は、真空発生力、磁力などのような種々の引力を介して基板を保持する。添付の特許請求の範囲を含む本明細書の目的のために、用語「磁力」は、永久磁石及び/又は電磁石の使用から生じるあらゆる力を含む。基板チャック102については、図3Aから図3Bに関して以下でより詳細に説明する。
【0022】
図示の例では、基板114は、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイに使用するのに適したガラス基板である。基板114は、背面116及び前面118の2つの主面を含み、その上に表示要素が画定される。前面118は、平面120を画定する。
【0023】
マスクチャック104は、シャドーマスク122を背面のみに作用する引力で保持するための固定具である。図示の例では、マスクチャック104は、静電力を用いてシャドーマスク122を保持する。いくつかの実施形態では、マスクチャック104は、真空発生力、磁力などのような種々の引力を用いてシャドーマスクを保持する。マスクチャック104は、図4Aから図4Bに関して以下により詳細に説明される。
【0024】
図示の例では、シャドーマスク122は、ハンドル基板124と、ハンドル基板に形成された中央開口部の上に懸架された膜126とを含む高精度シャドーマスクである。膜126は、貫通孔パターン128を含む。シャドーマスク122は、前面130及び背面132の2つの主面を含む。前面130は、膜126の上面(すなわち、ハンドル基板124から遠位の膜面)であり、これは、平面134を画定する。背面132は、ハンドル基板124の表面である(すなわち、膜126に対して遠位の基板表面)。シャドーマスク122は高精度の膜ベースのシャドーマスクであるが、本発明によるマスクチャックは、事実上あらゆるタイプのシャドーマスクを保持するために使用できることに留意されたい。
【0025】
供給源106は、所望の波長の光を放射する有機材料である材料118を気化させるための坩堝である。図示の例では、供給源106は、基板114に対して中心にある単室坩堝である。しかしながら、いくつかの実施形態では、供給源106は、一次元及び/又は二次元の配置で配置された複数のチャンバを含む。材料118がチャンバ110の低圧雰囲気内で溶融又は昇華すると、材料118の気化原子が供給源から放出され、実質的に弾道的に基板114に向かって伝播する。
【0026】
位置合わせシステム108は、基板114とシャドーマスク122との間の相対位置を制御するための高精度位置合わせシステムである。図示の例では、位置合わせシステム108は、基板チャック102及びマスクチャック104のそれぞれの位置を6つの次元で独立して制御することができる。必要に応じて、基板/シャドーマスクの組合せに対して供給源を移動させて基板全体にわたる堆積均一性を向上させることができるように、供給源106の位置を制御することもできる。
【0027】
真空チャンバ110は、材料118の蒸発に必要な低圧雰囲気を収容するための従来の圧力容器である。図示の例では、真空チャンバ110は、独立型ユニットである。しかしながら、それは、本発明の範囲から逸脱することなく、クラスタ堆積システム又はトラック堆積システムの一部として実現することもできる。いくつかの実施形態では、真空チャンバ110は、例えば異なる色(例えば、赤、緑及び青)で発光する複数の発光サブ画素など、基板114上に種々の材料の種々のパターンの形成を可能にするいくつかの蒸発源/シャドーマスクの組合せを含む。
【0028】
コントローラ112は、とりわけ制御信号136及び138を基板チャック102及びマスクチャック104にそれぞれ提供する従来の機器コントローラである。
【0029】
図2は、本発明の例示的な実施形態による、基板にパターニングされた材料の層を形成するための操作方法を示す図である。方法200は、操作201から始まり、ここで基板114は、基板チャック102に装着される。
【0030】
図3Aは、例示的な実施形態によるマスクチャックの断面図の概略図を示す。マスクチャック102は、プラテン302と電極304-1及び304-2とを含む。
【0031】
プラテン302は、基板306及び誘電体層308を含む構造的に硬質のプラットフォームである。基板306及び誘電体層308のそれぞれは、ガラス、セラミック、陽極酸化アルミニウム、複合材料、ベークライトなどの電気絶縁材料を含み、電極304-1及び304-2を互いに、及び、それが基板チャックに取り付けられるときに基板114から電気的に絶縁する。
【0032】
電極304-1及び304-2は、基板306の表面上に形成され、それらをプラテン302内に埋め込むために誘電体層308によってオーバーコートされた導電性要素である。電極304-1及び304-2は、コントローラ112と電気的に結合されている。電極304-1及び304-2は単純なプレートとして描かれていることに留意されたい。しかしながら、実際には、マスクチャック102は、インターデジタルな櫛形フィンガー、同心円状リング、不規則な形状などのような任意の形状の電極を有することができる。
【0033】
誘電体層308は、装着面310を生じさせるために電極304-1及び304-2の上に配置されたガラスの構造的に硬い層である。
【0034】
図3Bは、基板114を保持している間の基板チャック102の断面図の概略図を示す。
【0035】
基板112を基板チャック102に保持するために、制御信号136は、電極304-1と304-2との間に電位差を生成する。背面116が装着面310(すなわち、誘電体層308の上面)と接触すると、図示のように、共鳴電荷領域が基板114内に発生する。その結果、静電力が背面116に選択的に与えられ、それによってそれを装着面310に引き付ける。
【0036】
例示的な実施形態は静電力を用いて基板114を保持する基板チャックを含むが、本明細書を読んだ後、真空発生力、磁力などの静電力以外の引力を用いて基板が基板チャックに保持される代替の実施形態を特定、作成及び使用する方法は当業者には明らかであろう。
【0037】
操作202において、シャドーマスク122は、マスクチャック104に装着される。
【0038】
図4Aから図4Bは、例示的な実施形態によるマスクチャックの上面図及び断面図の概略図を示す。図4Bに示される断面図は、図4Aに示される線a-aから見た図である。マスクチャック104は、フレーム402、電極404-1及び404-2、並びにパッド406を含む。
【0039】
フレーム402は、電気絶縁材料の構造的に剛性のある円形リングである。フレーム402は、貫通孔パターン128全体を露出させるのに十分な大きさの開口部408を囲む。いくつかの実施形態では、フレーム402は、正方形、長方形、不規則形状など、円形以外の形状を有する。いくつかの実施形態において、フレーム402は、電気絶縁材料で被覆されている導電性材料を含む。
【0040】
電極404-1及び404-2は、フレーム402の表面に形成された導電性要素である。電極404-1及び404-2は、コントローラ112と電気的に結合されている。
【0041】
パッド406は、電極404-1及び404-2上に配置された電気的絶縁材料の構造的に剛性のプレートである。パッド406のそれぞれは、マスクチャックに装着されたときにシャドーマスク122が保持される装着面410を含む。
【0042】
図5は、マスクチャック104に装着されたシャドーマスク122の断面図を示す。
【0043】
シャドーマスク122は、装着面410と背面132との間に加えられる静電力によってマスクチャック104内に保持される。静電力は、制御信号138によって生成される電極404-1と電極404-2の間の電位に応じて発生する。背面132が装着面410と接触すると、図示のように、共鳴電荷領域がハンドル基板124内に発生する。結果として、静電力は、背面132と装着面410との間に選択的に付与される。
【0044】
工程203において、位置合わせシステム108は、基板チャック102の位置を制御することによって基板114とシャドーマスク122とを位置合わせする。いくつかの実施形態において、位置合わせシステムは、マスクチャック104の位置を制御することによって基板とシャドーマスクとを位置合わせする。いくつかの実施形態では、両方のチャックの位置は、基板とシャドーマスクとを整列させるように制御される。
【0045】
いくつかの実施形態において、基板チャック102もマスクチャック104もそのそれぞれの装着面を越えて突出する如何なる構造要素も含まないことが本発明の一態様である。その結果、基板及びシャドーマスクは、堆積時のフェザリングを軽減するためにそれらの間をほとんど又は全く分離することなく整列させることができる。当業者は、従来の直接堆積システムでは、基板とシャドーマスクとの間の間隔が少なくとも数十ミクロン、さらには数百ミクロンでなければならないことを理解するであろう。
【0046】
図6は、材料118の堆積に対して位置合わせされた基板114及びシャドーマスク122を有するシステム100の一部の断面図の概略図を示す。
【0047】
基板及びシャドーマスクが位置合わせされると、それらは、それらの間の領域602を共同で画定する。領域602は、横方向の長さL1を有し、これは、前面118のそれと等しい。領域602はまた、平面120と134との間の間隔s1(すなわち、基板とシャドーマスクとの間の間隔)に等しい厚さを有する。
【0048】
基板チャック102のどの部分も平面120を越えて領域602内に延びていないので、基板とシャドーマスクとの間に障害物はない。その結果、基板114とシャドーマスク122との間の間隔s1は、極めて小さくなり得る(≦25ミクロン)。実際、必要に応じて、基板及びシャドーマスクを互いに接触させることができる。25ミクロン以下の基板/シャドーマスク分離で直接パターニングを実行する能力は、フェザリングを大幅に減少させるか、さらには無くすことさえも可能にするので、従来技術の直接パターニング堆積システムを超えて本発明の実施形態に特に利点を与える。いくつかの実施形態では、基板/シャドーマスク間隔は、20ミクロン以下に制御可能に保持される。さらに他の実施形態では、基板/シャドーマスク間隔は、10ミクロン以下に制御可能に保持される。
【0049】
操作204において、供給源106を加熱して材料118を気化させ、基板114の前面118上に材料のパターン層を形成する。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明によるマスクチャックは、シャドーマスクが装着されたときにシャドーマスクの重力による垂れ下がりを軽減又は排除する1つ又は複数の特徴を含む。参照により本明細書に組み込まれる、2017年5月17日に出願された米国仮特許出願第15/597,645号(代理人整理番号:6494-208US1)で詳細に検討されているように、シャドーマスクは、それ自体の質量及び重力の影響により中心で数ミクロンだけ垂れることがある。この重力による垂れ下がりは、フェザリングを悪化させるいくつかの重要な問題を引き起こす。第1に、それは、シャドーマスクと、通常シャドーマスクを中心とした堆積領域の中央部にある基板との間隔を広げることである。上述のように、フェザリングは、基板/シャドーマスクの分離距離と共に増加する。第2に、それは、基板とシャドーマスクとの間の不均一な分離をもたらし、それは、基板表面を横切って発生するフェザリングの程度における変動を生じさせる。不均一性のために、独創的なマスクレイアウトを用いてフェザリングを補正することは不可能ではないにしても困難である。
【0051】
本発明のさらに別の態様は、マスクチャックがシャドーマスクの重力による垂れ下がりを軽減する特徴を含むことができることである。
【0052】
図7Aは、本発明の第1の代替的な実施形態によるマスクチャックの一部の断面図の概略図を示す。図7Aに示される断面は、図4Aに示される線a-aから見た図である。マスクチャック700は、フレーム402、電極404-1及び404-2、並びにパッド702を含む。
【0053】
パッド702は、上述のパッド406に類似している。しかしながら、各パッド702は、それがマスクチャックに装着されたときにシャドーマスクに引張歪みを誘起又は増大させるように設計された装着面を有する。パッド702は、装着面704を有し、これは、内縁706(すなわち、開口部408に近い方の縁)から外縁708まで下方に直線的に先細りになっている。言い換えれば、装着面704は、図示のように、点714から点716(すなわち、平面710で内縁706に交わるところから、平面712で内縁708と交わるところまで)、負のz方向に先細りになっている。したがって、内縁706が平面710に対して垂直である実施形態では、内縁706及び装着面704は、それが鋭角であるように内角θをなす。
【0054】
シャドーマスク122がマスクチャック700内に保持されると、背面132が装着面704に引き寄せられ、それによってシャドーマスクの前面130の横方向の張力を増加させるシャドーマスク内の湾曲が引き起こされる。その結果、膜は、より強く引っ張られ、重力による垂れ下がりは、減少又は排除される。
【0055】
図7Bは、本発明の第2の代替的な実施形態によるマスクチャックの一部の断面図の概略図である。図7Bに示される断面は、図4Aに示される線a-aから見た図である。マスクチャック718は、フレーム402、電極404-1及び404-2、並びにパッド720を含む。
【0056】
パッド720は、上述のパッド406に類似している。しかしながら、パッド702と同様に、各パッド720は、シャドーマスクがマスクチャックに装着されたときにシャドーマスクに引張歪みを誘起又は増大させるように設計された装着面を有する。パッド720は、装着面722を有し、それは、内縁706から外縁708まで下方に(すなわち、図示のように負のz方向に)湾曲する。言い換えれば、装着面722は、図示のように、点714から点716まで負のz方向に先細りになっている。
【0057】
シャドーマスク122がマスクチャック718に保持されると、背面132が装着面722に引き寄せられ、それによってシャドーマスクの前面130の横方向の張力を増加させるシャドーマスクの湾曲が引き起こされる。その結果、膜がより強く引っ張られ、重力による垂れ下がりが減少又は解消される。いくつかの実施形態において、前面130に誘起される追加の張力の量は、電極404-1及び404-2に印加される電圧差の大きさを制御することによって制御され得る。
【0058】
本明細書を読んだ後、当業者には明らかなように、マスクが、図1に示されるその配向と比べて逆さまに取り付けられた堆積システムでは、装着面704及び722が傾斜(または湾曲)する方向が逆になるであろう。さらに、このような構成では、通常、基板114が開口部408内に存在し、25ミクロン以下、好ましくは10ミクロン以下の基板/シャドーマスク分離を可能にするように基板チャック102を設計することが必要であろう。
【0059】
図8Aから図8Bは、それぞれ本発明の第3の代替的な実施形態によるマスクチャックの上面図及び断面図の概略図である。マスクチャック800は、マスクチャック104及び支持格子802を含む。
【0060】
支持格子802は、プレート804及び支持リブ806を含む。
【0061】
プレート804は、そこから支持リブ806が延びる剛性プレートである。いくつかの実施形態において、プレート804及び支持リブ806は、構造材料の中実体から機械加工される。プレート804及び支持リブ806に使用するのに適した材料には、これらに限定されないが、金属、プラスチック、セラミック、複合材料、ガラスなどが含まれる。プレート804は、開口部408内に支持格子802を配置するようにフレーム402に取り付けるように設計されており、それは、シャドーマスク122がマスクチャック800に装着されたときに、膜126を機械的に支持するようになる。
【0062】
支持リブ806は、貫通孔配置128の貫通孔の間にある領域においてシャドーマスク122を支持するように配置されている。通常、シャドーマスクの貫通孔は、基板の異なるダイ領域に対応するクラスタに配置される。これらのダイ領域は通常、ダイシングソーによる除去を目的とした「レーン」によって分離されているので、支持リブ806は、これらのレーンの配置と一致するように配置されることが好ましい。しかしながら、支持リブ802には支持リブの任意の適切な配置を使用できることに留意されたい。
【0063】
支持格子802は、それらの上面808が同一平面上にあり、平面810を画定するように形成されている。平面810は、フレーム124の厚さに等しい距離だけ装着面410の上にある。その結果、フレーム124が装着面410と接触すると、支持リブ806は、膜126と接触する。
【0064】
いくつかの実施形態において、シャドーマスク122は、膜126が装着面410と接触するように、マスクチャック800で上下逆さまに保持される。そのような実施形態では、支持格子802は、平面810が装着面410と同一平面上にあるように開口部408内に嵌合するように設計されている。結果として、膜126は、それが開口部408を横切って完全に水平になるように支持格子802によって支持される。
【0065】
本明細書は、本発明によるいくつかの実施形態を教示しているだけであり、本明細書を読んだ後に当業者によって本発明の多くの変形例が容易に考案され得ること、及び本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定されることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0066】
100 システム
102 基板チャック
104 マスクチャック
106 供給源
108 位置合わせシステム
110 真空チャンバ
112 コントローラ
114 基板
116 背面
118 前面
120 平面
122 シャドーマスク
124 ハンドル基板
126 膜
128 貫通孔パターン
130 前面
132 背面
134 平面
136 制御信号
138 制御信号
302 プラテン
304-1 電極
304-2 電極
306 基板
308 誘電体層
402 フレーム
404-1 電極
404-2 電極
406 パッド
408 開口部
410 装着面
602 領域
700 マスクチャック
702 パッド
704 装着面
706 内縁
708 外縁
710 平面
712 平面
714 点
716 点
718 マスクチャック
720 パッド
722 装着面
800 マスクチャック
802 支持格子
804 プレート
806 支持リブ
808 上面
810 平面
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B