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  • 特許-強化構造を有する折り畳みコップ 図1
  • 特許-強化構造を有する折り畳みコップ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】強化構造を有する折り畳みコップ
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/20 20060101AFI20220701BHJP
   A47G 19/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
A45F3/20
A47G19/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019530132
(86)(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 CN2018113057
(87)【国際公開番号】W WO2019096007
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2019-06-06
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】201711159830.9
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516077253
【氏名又は名称】段 睿紘
【氏名又は名称原語表記】Ronald TUAN
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】段 睿紘
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】田合 弘幸
【審判官】佐々木 芳枝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0083736(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0041478(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0217238(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0205371(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/00-19/34
A45F 3/20
B65D 8/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化構造を有する折り畳みコップであって、
コップ口と、側壁上から間隔をおいて且つ環状に設けられた少なくとも2つの折り畳み領域とを有し、少なくとも2つの前記折り畳み領域によって折り畳むことができるコップ本体であって、前記コップ本体は側壁と底壁とを含み、前記側壁の一端は前記底壁に連結し、前記コップ本体が伸長されると、前記底壁と連結する前記側壁の前記一端から前記側壁の反対側の一端までが直線状に伸びる、コップ本体と、
前記コップ本体に結合され、前記コップ口の内側壁に嵌設された定形リングと、
前記定形リングと結合されるコップ蓋と、を含み、
前記定形リングの内側壁には、間隔をおいて複数の位置決め凸縁が設けられており、
前記少なくとも2つの折り畳み領域は、第1の折り畳み領域と第2の折り畳み領域であり、
前記第1の折り畳み領域は、前記コップ本体の外側壁から環状に凹設することで形成され、
前記第1の折り畳み領域は、前記コップ本体の中央部より上方に位置し、
前記第1の折り畳み領域以上の前記コップ本体内に前記第1の折り畳み領域以下の前記コップ本体を上向きに折り畳むことができ、
前記第1の折り畳み領域の上下両側の前記コップ本体は、内側壁の一面にて対面でき、
前記第2の折り畳み領域は、前記コップ本体の内側壁から環状に凹設することで形成され、
前記第2の折り畳み領域は、前記コップ本体の中央部より下方に位置し、
前記第2の折り畳み領域の上下両側の前記コップ本体は、折り畳むことができ、
前記第2の折り畳み領域の上下両側の前記コップ本体は、外側壁の一面にて対面でき
前記コップ蓋は、前記定形リングと結合し、上下間隔をおいて環状に設けられた2つの凸リブを有し、
前記定形リングが前記コップ蓋と結合するとき、前記複数の位置決め凸縁は前記2つの凸リブの間に拘束され、且つ前記2つの凸リブは前記定形リングの内側壁に当接することを特徴とする、
強化構造を有する折り畳みコップ。
【請求項2】
前記定形リングは、前記コップ口の上縁を覆うように上向きに延伸することを特徴とする請求項1に記載の強化構造を有する折り畳みコップ。
【請求項3】
前記コップ本体が折り畳みの状態を呈するとき、前記定形リングの下縁が前記2つの折り畳み領域の位置よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の強化構造を有する折り畳みコップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折り畳みコップに関し、特に強化構造を有する折り畳みコップに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なコップは持ち運びに不便であるので、コップを便利に収納して持ち運ぶというユーザのニーズを満たすために、コップを便利に収納するための一種の構造が慣用されている。このコップの構造は、ベースと複数の框体フレームとを含み、ベース上に複数の框体を設置し、且つ各框体は底部内縁が隣接する框体の上部外縁と互いに係止でき、ユーザーは各框体を展開して互いに係止した後に使用することができる。さらに、前記框体は硬質材料で形成される。プラスチック製であれば、熱いときに毒素を放出しやすく、使用上の制約があり、金属製の場合、熱いと火傷しやすい。それ故、このようなコップの構造は使用上限界がある。
【0003】
以上に鑑み、一種の折り畳みコップが提案されている。これは、シリコーン製容器の外側壁に間隔をおいて複数の凹溝を環状に設け、前記複数の凹溝によって前記折り畳みコップを折り畳むことができ、しかも洗浄が容易で変形しにくく、繰り返し使用が可能である。より好ましくは、シリコーンは、ユーザーを傷つけずに高温の内容物を保持するために使用することができる。
【0004】
しかしながら、既存の折り畳みコップはシリコーン製であるため、外力で押圧されると依然として変形が発生する。そして、コップ本体が力で変形すると、コップ口が変形した後にコップ本体がさらにねじり変形し、転倒し易くなり、コップの中に収容されている液体が飛び出しやすいという問題を引き起こす。若しユーザーがこの折り畳みカップでホットドリンクを飲む場合、怪我をする可能性が高くなる。
以上を総合すると、既存の折り畳みコップは、コップ口が変形すると容易にねじり変形するため、さらに改良する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の折り畳みコップが、コップ口が変形すると容易にねじり変形し、転倒し易く、収容されている液体が飛び出しやすいという問題を解決するために、本発明は、コップ口に定形リングを設置し、前記定形リングを利用することによってコップ口の形状を維持し、既存の折り畳みコップのねじり変形の問題を有効に改善する。以下にさらに説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が公開する一種の強化構造を有する折り畳みコップは、コップ本体と定形リングとを含む。
【0007】
前記コップ本体は、コップ口を有し、しかも側壁上から間隔をおいて且つ環状に設けられた少なくとも2つの折り畳み領域を有し、少なくとも2つの前記折り畳み領域によって折り畳むことができる。
【0008】
前記定形リングは、前記コップ本体に結合され、前記コップ口の内側壁に嵌設されている。
【0009】
さらに、上記の強化構造を有する折り畳みコップは、前記定形リングの内側壁には、間隔をおいて複数の位置決め凸縁が設けられている。
【0010】
さらに、上記の強化構造を有する折り畳みコップは、前記定形リングは、前記コップ口の上縁を覆うように上向きに延伸する。
【0011】
さらに、上記の強化構造を有する折り畳みコップは、前記少なくとも2つの折り畳み領域は、第1の折り畳み領域と第2の折り畳み領域とし、前記第1の折り畳み領域は、コップ本体の外側壁から環状に凹設することで形成され、且つ前記第1の折り畳み領域は、前記コップ本体の中央部より上半部に偏って位置し、前記第1の折り畳み領域以上のコップ本体内に前記第1の折り畳み領域以下のコップ本体を上向きに折り畳めることができ、前記第1の折り畳み領域の上、下両側のコップ本体は、内側壁の一面にて対面させ、前記第2の折り畳み領域は、コップ本体の内側壁から環状に凹設することで形成され、且つ前記第2の折り畳み領域は、前記コップ本体の中央部より下半部に偏って位置し、前記第2の折り畳み領域の上、下両側のコップ本体は折り畳むことができ、しかも外側壁の一面にて対面させる。
【0012】
より好ましくは、上記の強化構造を有する折り畳みコップは、前記コップ本体が折り畳みの状態を呈するとき、前記定形リングの下縁が前記2つの折り畳み領域の位置よりも高い。
【0013】
より好ましくは、上記の強化構造を有する折り畳みコップは、コップ蓋をさらに含み、前記コップ蓋は、前記定形リングと結合し、上下間隔をおいて環状に設けられた2つの凸リブを有し、前記定形リングが前記コップ蓋と結合するとき、前記複数の位置決め凸縁は前記2つの凸リブの間に拘束され、且つ前記2つの凸リブは前記定形リングの内側壁に当接する。
【0014】
以下に添付の図面と具体的な実施例を用いて本発明について詳細に説明する。但し、それは本発明を限定するものでない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の好適な実施例の全体斜視図である。
図2】本発明の好適な実施例の一部断面を示す全体斜視図である。
図3】本発明の好適な実施例の側面図である。
図4】本発明の好適な実施例の一部拡大側面図である。
図5】本発明の好適な実施例の一部側面の折り畳み状態を示す全体斜視図である。
図6】本発明の好適な実施例の折り畳み状態を示す側面図である。
図7】本発明の好適な実施例の折り畳み状態を示す一部拡大側面図である。
図8】本発明の好適な実施例の使用状態を示す一部拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の技術的特徴および実用的な効果を詳細に理解するため、そして明細書の内容に従って実施することができるように、図面に示された好適な実施例の詳細な説明を以下の通り示す。
【0017】
本発明は強化構造を有する折り畳みコップであり、その好適な実施例は、図1乃至図4に示すように、コップ本体10と定形リング20とを含む。
【0018】
前記コップ本体10は、シリコーン材質で製作されており、コップ口11を有し、少なくとも2つの折り畳み領域が設けられている。本発明の好適な実施例では、前記少なくとも2つの折り畳み領域は、第1の折り畳み領域12と第2の折り畳み領域13とする。
前記第1の折り畳み領域12は、図2図3に示すように、コップ本体10の外側壁から環状に凹設することで形成され、且つ前記第1の折り畳み領域12は、前記コップ本体10の中央部より上半部に偏って位置する。
図5に示すように、前記第1の折り畳み領域12以上のコップ本体10内に、前記第1の折り畳み領域12以下のコップ本体10を上向きに折り畳めることができ、前記第1の折り畳み領域12の上、下両側のコップ本体10は、内側壁の一面にて互いに対面している。
【0019】
前記第2の折り畳み領域13は、コップ本体10の内側壁から環状に凹設することで形成され、且つ前記第2の折り畳み領域13は、前記コップ本体10の中央部より下半部に偏って位置し、しかも前記第1の折り畳み領域12と間隔をおいて設置されている。
図5に示すように、前記第2の折り畳み領域13の上、下両側のコップ本体10は折り畳むことができ、しかも外側壁の一面にて互いに対面している。前記コップ本体10は、前記第1の折り畳み領域12を介して上向き且つ内側に折り畳まれ、さらに第2の折り畳み領域13を介して下向き且つ内側に折り畳まれるので、前記コップ本体10は前記2つの折り畳み領域12、13に沿って折り畳んだ後、図5に示す形態が得られ、コップ本体10は体積が小さくなり、収納が便利になるという利点を有する。
【0020】
図2図4に示すように、定形リング20は、コップ本体10と結合された金属リングであり、前記定形リング20は、前記コップ口11の内側壁上に嵌設され、しかも前記コップ口11の上縁を環状に覆うように上向きに延伸している。
図5図6に示すように、前記コップ本体10が折り畳みの状態を呈するとき、前記定形リング20の下縁が前記2つの折り畳み領域13の位置よりも高い。これにより、折り畳まれた前記コップ本体10によってブロックされることなく、前記定形リング20をコップ蓋50と結合させることができる。
【0021】
図6図7に示すように、前記定形リング20の内側壁には、均等的に間隔をおいて複数の位置決め凸縁21が設けられており、前記複数の位置決め凸縁21は、同じ水平面上にあり、しかも同じ高さを有し、且つ前記コップ蓋50は、上、下間隔をおいて環状に設けられた2つの凸リブ51を有する。
前記定形リング20が前記コップ蓋50と結合するとき、図7に示すように、前記複数の位置決め凸縁21は前記2つの凸リブ51の間に拘束され、これにより、前記定形リング20を前記コップ蓋50にしっかりと結合させ、且つ前記2つの凸リブ51を前記定形リング20の内側壁に当接することで、前記コップ本体10内の液体が前記定形リング20とコップ蓋50の結合部から流出することはない。
【0022】
好ましくは、図8に示すように、前記コップ本体10は飲料を入れるために使用される。しかも支持面70上に置かれるとき、前記コップ本体10はシリコーン材質で製作されているので、前記コップ本体10の底部が力を受けて変形し、内向きに曲げられて前記支持面70上に付着して平らになり、真空のような吸着効果を形成する。
さらに、前記コップ本体10と前記支持面70との間の摩擦力は良好な滑り止め効果を提供することができ、前記コップ本体10の底部寄りの側壁の位置は外方へ拡張する変形が発生するので、前記コップ本体10が前記支持面70上により安定してしっかりと立つことができ、前記コップ本体10が前記支持面70に対して滑ることを効果的に防止し、且つ前記コップ本体10がより転倒しにくくなる。
【0023】
上記の技術的特徴によれば、本発明は、定形リング20を設けることによって前記コップ本体10の前記コップ口11の一端に定形の効果を有するので、本発明の前記コップ本体10が力を受けて変形するとき、前記コップ口11の変形によって、前記コップ本体10の側壁が大きな変形量で変形することを引き起こすことはない。このため、コップ口の変形によって容易に引き起こされる既存の折り畳みカップのひどいねじり変形、転倒し易いこと、コップの中に収容されている液体が飛び出しやすいという欠点を効果的に改善する。さらに、定形リング20と、前記定形リング20と安定して緊密に結合することができるコップ蓋50とによって、前記コップ本体10の側壁が押圧を受けるとき、収容された液体が前記定形リング20と前記コップ蓋50との結合部から流出することがなくなり、折り畳みコップの実用性が向上し、それによって強化構造を有する折り畳みコップを提供する。
【0024】
勿論、本発明は他の様々な実施形態もある。当業者は本発明の精神および実質的事情から逸脱することなく、本発明に基づいて様々な対応する均等な変更と変形を行うことができるが、これらの均等な変更と変形は本発明の特許請求の保護範囲に属するものとすべきである。
【0025】
本発明は、定形リングを設けることによって前記コップ本体の前記コップ口の一端に定形の効果を有するので、本発明の前記コップ本体が力を受けて変形するとき、前記コップ口の変形によって、前記コップ本体の側壁が大きな変形量で変形することを引き起こすことはない。このため、コップ口の変形によって容易に引き起こされる既存の折り畳みカップのひどいねじり変形、転倒し易いこと、コップの中に収容されている液体が飛び出しやすいという欠点を効果的に改善する。さらに、定形リングと、前記定形リングと安定して緊密に結合することができるコップ蓋とによって、前記コップ本体の側壁が押圧を受けるとき、収容された液体が前記定形リングと前記コップ蓋との結合部から流出することがなくなり、折り畳みコップの実用性が向上し、それによって強化構造を有する折り畳みコップを提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8