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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】体内の画像化のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220701BHJP
   A61B 1/273 20060101ALI20220701BHJP
   A61B 1/005 20060101ALI20220701BHJP
   A61B 1/008 20060101ALI20220701BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
A61B1/00 632
A61B1/273
A61B1/005 523
A61B1/008 512
A61B1/00 552
G02B23/24 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019537756
(86)(22)【出願日】2017-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-05
(86)【国際出願番号】 US2017053133
(87)【国際公開番号】W WO2018058007
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】62/398,800
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519101133
【氏名又は名称】セイフビュー メディカル,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SAFEVIEW MEDICAL,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】ムルリック,タルン
(72)【発明者】
【氏名】アフジャ,マニッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウシエール,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ゴウダ,アショク
(72)【発明者】
【氏名】バユグンドラ,シバ プラニース
(72)【発明者】
【氏名】ジェイビック,アレクセイ
【審査官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/018256(WO,A1)
【文献】特開平03-030750(JP,A)
【文献】実開昭63-071003(JP,U)
【文献】国際公開第2007/034664(WO,A1)
【文献】特開平03-109020(JP,A)
【文献】特開2002-264048(JP,A)
【文献】特開2004-350866(JP,A)
【文献】国際公開第2012/014528(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00- 1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドピースと、
前記ハンドピースから近接端から延伸し、戻しばねを有する接続導管と、
前記接続導管の末端に接続された末端アセンブリと、
前記ハンドピース内のメカニカルアクチュエータから前記接続導管を通じて前記末端アセンブリまで延伸するプルワイヤの対のセットであって、上下及び左右の方向のセットのいずれかに対応する前記プルワイヤの対のセットのそれぞれで前記末端アセンブリの軌道を変更するように適合された、前記プルワイヤの対のセットを通じて前記末端アセンブリに接続された前記ハンドピースに結合された制御部のセットと、
前記ハンドピース上に入口点を有し、前記接続導管を通じて前記末端アセンブリ上の開口部まで延伸するワーキングチャネルと、
前記ハンドピース上のセンサポートと通信する、前記末端アセンブリ上に配置された少なくとも1つのセンサであって、前記末端アセンブリに含まれる側視カメラを有する前記少なくとも1つのセンサと
を含む、体腔を画像化するための装置。
【請求項2】
ハンドピースと、
前記ハンドピースから近接端から延伸し、戻しばねを有する接続導管と、
前記接続導管の末端に接続された末端アセンブリと、
前記ハンドピースから前記接続導管を通じて前記末端アセンブリまで延伸するプルワイヤの対のセットであって、上下及び左右の方向のセットのいずれかに対応する前記プルワイヤの対のセットのそれぞれで前記末端アセンブリの軌道を変更するように適合されている前記プルワイヤの対のセットを通じて前記末端アセンブリに接続された前記ハンドピース内の動力付きアクチュエータの対であって、前記プルワイヤ上に直線運動を伝えるために巻き付け及び巻き解くように適合されたリールに結合されたモータを備える前記動力付きアクチュエータにデジタルで結合された制御部のセットと、
前記ハンドピース上に入口点を有し、前記接続導管を通じて前記末端アセンブリ上の開口部まで延伸するワーキングチャネルと、
前記ハンドピース上のセンサポートと通信する、前記末端アセンブリ上に配置された少なくとも1つのセンサと
を含み、
前記プルワイヤの対のセットのそれぞれは、2つの別個のワイヤからなり、円弧上から45度以下の角度で離間した取り付け点で前記リールの1つに取り付けられ、
体腔を画像化するための装置。
【請求項3】
液体、気体、及び/又は真空を前記開口部へ供給するための、前記ハンドピース上の複数の流体接続部を更に含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記ハンドピース、前記接続導管、前記末端アセンブリ、及び前記複数の制御部の内の少なくとも1つは、除去可能及び交換可能であるモジュラー区画である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記ワーキングチャネルは、医療装置を受け取り、それを前記開口部へ運搬するように適合される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項6】
前記開口部に近接する医療装置を、前記末端アセンブリに対して前記医療装置の軌道を変更するように昇降用プルワイヤの作動によって押し進めるように適合された昇降機及び昇降機アクチュエータを更に含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のプルワイヤは、前記末端アセンブリの軌道を上下に変更するための第1のセットと、前記末端アセンブリの軌道を左右に変更するための第2のセットを少なくとも含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項8】
前記接続導管は、チャネルと、区画の第1のセット、及び区画の前記第1のセットから90度でずれた区画の第2のセットであって、少なくとも一方向での屈曲を一般的に可能にし得る屈曲ブリッジの対によって接続されている区画の前記第1のセット及び前記第2のセットを有する一連のずれた輪状の区画とを有する一体的支持構造体を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項9】
前記メカニカルアクチュエータは、前記複数のプルワイヤ上に直線運動を伝えるためのラック及びピニオンアクチュエータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ロック機構及びロック制御部を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のプルワイヤの位置を検出するように適合された位置検出機構を更に含み、
前記位置検出機構は、ホール効果センサ、光センサ、スイッチ、及び張力センサを含むグループから選択される、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
有線又は無線通信を通じて前記動力付きアクチュエータにデジタルで結合される前記複数の制御部は、コンピュータ、モバイルデバイス、遠隔制御部、及びタブレットを含むグループから選択された別個の制御装置から前記動力付きアクチュエータへ制御信号を送信することを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項13】
前記複数のプルワイヤを前記リール上に向け、及び前記リールから外すプルワイヤガイドを更に含む、請求項2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、特許協力条約国際出願であり、“DEVICES AND METHODS FOR GASTROINTESTINAL IMAGING”という名称で2016年9月23日出願の米国仮特許出願整理番号62/398,800の利益及び優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[著作権の表示]
本特許文献の開示の一部は、著作権の保護の対象である資料を含む。特許文献又は特許開示は、米国特許商標庁の特許の出願又は記録に現れるので、著作権者は、特許文献又は特許開示の何れかにより再現を容易にすることに何ら異議はないが、さもなければ、全ての著作権を一切留保する。
【0003】
[発明の分野]
発明は、体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、胃腸系及び/若しくは膵胆管系を視覚化し、並びに/又は胃腸系及び/若しくは膵胆管系と相互作用するための内視鏡的方法及び装置に関する。更に、本発明は、十二指腸内視鏡と共に等、胃腸系及び/若しくは膵胆管系を視覚化し、並びに/又は胃腸系及び/若しくは膵胆管系と相互作用するための一回使用の又は少なくとも部分的に使い捨ての装置に関する。
【背景技術】
【0004】
医療用の内視鏡は、様々な診断及び医療の処置に採用されている。内視鏡は、患者の解剖学的体内腔の曲がりくねった比較的小さい断面積への接近を医師にしばしば要求する幅広い病気及び不調の診断及び治療のために使用されている。(胆嚢、膵臓、及び胆樹の解剖学的領域を含む)患者の膵胆管系は、例えば、消化器系の幾つかの部分の不調の診断及び/又は治療のために接近される。
【0005】
消化器系の治療中、患者の膵胆管系に接近し、視覚化するために内視鏡がしばしば使用される。内視鏡が所望の身体部分に一旦位置付けられると、内視鏡のワーキングチャネルを通じて所望の身体部分へ治療器具が進められ得る。内視鏡及び治療器具は、視覚化及び治療に望まれるようにその後夫々操作され得る。
【0006】
内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)は、内視鏡を使用する医療処置の一例である。ERCPは、肝臓、胆嚢、胆管、及び膵臓内の問題を医師が診断することを可能にする。肝臓は、とりわけ、消化を助ける胆汁と称する液体を作る大きな器官である。胆嚢は、消化に必要とされるまで胆汁を蓄積する、小さな、洋ナシ形状の器官である。胆管は、肝臓から胆嚢及び小腸へ胆汁を運ぶ管である。これらの脈管は胆樹と称されることがある。膵臓は、消化を助ける化学物質及びインスリン等のホルモンを生み出す大きな腺である。
【0007】
胆管系は、肝臓によって生み出された胆汁を、食物の消化中の他の胃液を胆汁が支援する十二指腸へ運ぶ。胆管系は、肝臓と十二指腸との間に配置された身体の複数のチャネル及び器官と共に、肝臓を含む。肝小葉内には、肝細胞から分泌物を受け取る多数の細かい“毛細胆管(bile canal)”がある。隣接する小葉の細管は、より大きな脈管を形成するように結合し、これらは、“肝管”になるように収束する。それらは、次に、“総肝管”を形成するように合流する。“総胆管”は、総肝管と胆嚢管との結合によって形成される。それは、十二指腸につながり、その出口は、括約筋により保護される。この
括約筋は、胆汁が総胆管に集まり、胆嚢管へ後退するように、胆汁が必要とされるまで通常収縮されたままである。このことが発生すると、胆汁は、胆嚢に流れ込み、そこに蓄積される。
【0008】
ERCPは、胆石、炎症性狭窄、(外傷及び手術からの)漏出、及び癌を含む、胆管の状態を診断及び治療するために主に使用される。ERCPは、x線と内視鏡との使用を兼備する。内視鏡を通じて、医師は、胃及び十二指腸の内部を見ることができ、染料をx線で見ることができるように胆樹及び膵臓内の脈管に注入することができる。
【0009】
ECRPは、胆管又は膵臓内の問題を識別及び/又は正すために主に実施される。例えば、検査中に胆石が発見された場合、それは、治療器具を用いてしばしば除去され、大手術の必要性を取り除く。胆管内の閉塞が黄疸又は痛みをもたらす場合、それは、内視鏡を通じて挿入された治療器具の使用を通じて緩和され得る。
【0010】
近年の注目は、十二指腸内視鏡等の再利用可能な内視鏡の汚染及び不適切な殺菌に起因する患者の症例に向けられている。現在再利用可能な十二指腸内視鏡に続発する高感染率は、患者、病院、及び医者にとって深刻な問題を引き起こしている。再処理の様々な方法及び再処理内の付加的ステップが実施されている。現在、これは、回避可能であるべき感染及び死亡に関係する医学における主問題である。
【発明の概要】
【0011】
発明は、体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、胃腸系及び/若しくは膵胆管系を視覚化し、並びに/又は胃腸系及び/若しくは膵胆管系と相互作用するための内視鏡的方法及び装置に関する。更に、本発明は、十二指腸内視鏡と共に等、胃腸系及び/若しくは膵胆管系を視覚化し、並びに/又は胃腸系及び/若しくは膵胆管系と相互作用するための一回使用の又は使い捨ての装置に関する。
【0012】
一般的に、体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置は、ハンドピース、末端アセンブリ、及び/又は接続導管を一般的に含む。装置は更に、例えば、胃腸系及び/又は膵胆管系の一部、更に例えば、それらの系の管状身体構造等の、関心のある体内組織に近接の場所に末端アセンブリを導くために一般的に使用され得る。幾つかの模範的実施形態では、複数の導管及び/又はチャネルは、ハンドピースから末端アセンブリまで接続導管を通じて及び得、例えば、液体/気体接続部、電気/センサ接続部、機械的接続部、及び/又は医療装置を、ワーキングチャネルを通じて運び得る。接続導管は、一般的に、柔軟及び/又は変形可能であり得、接続導管の末端を所望の方向に向けるためにプルワイヤの作動と相互作用し得る。装置はまた、一般的に、使い捨て及び/又は単一使用であり得る。使い捨て又は単一使用は、例えば、再利用可能な装置の不適切な処置又は殺菌からの感染又は汚染の発生を減少させることに役立つのに望ましくてもよく、メンテナンスの必要性を減少させ、繰り返しの使用/殺菌に対する耐久性を必ずしも必要としない異なる材料の選択を可能にし、より低費用の材料を可能にする。装置はまた、使い捨ての部分及び再利用可能な部分等、独立して交換可能な部分を含み得るモジュラーデザインを利用し得る。部分は、使用中に、故障等に起因する等の部分の交換に適応する等のために、ホットスワップ可能に設計され得る。
【0013】
一側面では、体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置は、身体の管及び/又は空洞を通じて挿入及び/又は操縦されているときに末端アセンブリの軌道をガイドするための複数のメカニカルディレクタを一般的に利用し得る。幾つかの模範的実施形態では、メカニカルディレクタは、末端アセンブリの方向/軌道を変更及び/又は接合する(articulate)ために、接続導管内に含まれつつ末端アセンブリを引き得、
及び/又は押し得る複数のプルワイヤを一般的に含み得る。例えば、末端アセンブリにおいて医療装置を操作するための昇降機及び/又はその他の機構を制御するために、更なるメカニカルディレクタも使用されてもよい。メカニカルディレクタは、手動の機構又はモータ等の動力付きの機構により制御され得る。制御部とメカニカルディレクタとの間のアナログインタフェース、デジタルインタフェース、又はそれらの組み合わせの何れかが利用され得る。デジタルインタフェースと共に、ハンドピース上の制御部、無線制御部(例えば、モバイルデバイス、タブレットからの制御部、遠隔制御部、コンピュータ、若しくは無線コントローラ)、有線コントローラ、及び/又はその他の適切なコントローラ等の様々な異なるコントローラが利用され得る。
【0014】
別の側面では、装置は、身体組織を視覚化するために、末端アセンブリ内にカメラを一般的に含み得る。幾つかの模範的実施形態では、カメラは、装置の挿入の軸に対して側視し得る。更に、カメラは、処置中のリアルタイムの観察及び/又はオンデマンドなビジュアルキャプチャのために、接続導管及び/又はハンドピースを通じて一般的に接続され得る。カメラ及び/又はカメラのための処理システムは、例えば、光センサ、パノラマ式画像キャプチャ/画像スティッチング、画像安定化、及び/又はその他の機構等の、動的な及び/又は指向性の輝度制御部をも含み得る。
【0015】
模範的実施形態では、体腔を画像化するための装置は、ハンドピースと、ハンドピースから近接端から延伸する接続導管と、接続導管の末端に接続された末端アセンブリと、ハンドピース内のメカニカルアクチュエータから接続導管を通じて末端アセンブリまで延伸する複数のプルワイヤであって、末端アセンブリの軌道を変更するように適合された該複数のプルワイヤを通じて末端アセンブリに接続されたハンドピースに結合された複数の制御部と、ハンドピース上に入口点を有し、接続導管を通じて末端アセンブリ上の開口部まで延伸するワーキングチャネルと、ハンドピース上のセンサポートと通信する、末端アセンブリ上に配置された少なくとも1つのセンサとを含む。
【0016】
模範的実施形態では、体腔を画像化するための装置は、ハンドピースと、ハンドピースから近接端から延伸する接続導管と、接続導管の末端に接続された末端アセンブリと、ハンドピースから接続導管を通じて末端アセンブリまで延伸する複数のプルワイヤであって、末端アセンブリの軌道を変更するように適合されている該複数のプルワイヤを通じて末端アセンブリに接続されたハンドピース内の動力付きアクチュエータにデジタルで結合された複数の制御部と、ハンドピース上に入口点を有し、接続導管を通じて末端アセンブリ上の開口部まで延伸するワーキングチャネルと、ハンドピース上のセンサポートと通信する、末端アセンブリ上に配置された少なくとも1つのセンサとを含む。
【0017】
上述又はその他の利点と共に、本発明は、以下の発明の実施形態の詳細の説明と図面の説明とから最も良く理解され得る。以下の説明は、発明の様々な実施形態とそれらの多くの具体的詳細を示すが、限定ではなく例示として与えられる。本発明の範囲内で多くの置換、変更、追加、又は組み換えがなされ得、発明は、そうした全ての置換、変更、追加、又は組み換えを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に添付され、本明細書の一部を形成する図面は、発明の幾つかの側面を図示するために含まれる。発明と、該発明で提供されるシステムのコンポーネント及び動作のより明確な考えは、図面で説明される模範的な、それ故非限定的な実施形態を参照することによって、より容易に明らかになるであろう。図面で説明される機構は縮尺通りに必ずしも図示されていないことに留意されたい。
【0019】
図1】本発明の幾つかの模範的実施形態における体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置の外部の機構を説明する。
図1a】本発明の幾つかの模範的実施形態における体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置の外部の機構を説明する。
図1b図1の装置の内部の導管及びメカニカル機構の実施形態を説明する。
図1c図1の装置の別の外部の機構を説明する。
図1d図1の装置の別の外部の機構を説明する。
図2図1の装置の内部の導管及びメカニカル機構の実施形態を説明する。
図2a】プルワイヤ押し/引きすることからの接続導管の屈曲を説明する。
図2b】プルワイヤ押し/引きすることからの接続導管の屈曲を説明する。
図2c】圧縮及び復元作用に対する耐性を提供するための支持構造体のピン留めを説明する。
図3図1図1c、及び図1dの装置の末端アセンブリの実施形態を説明する。
図4】相互接続断片を含む、接続導管に対する支持構造体の一例を説明する。
図4a】相互接続断片を含む、接続導管に対する支持構造体の一例を説明する。
図5】一体的柔軟構造体を含む、接続導管に対する支持構造体の一例を説明する。
図5a】一体的柔軟構造体を含む、接続導管に対する支持構造体の一例を説明する。
図6図1図1c、又は図1dの装置に対する動力付きアクチュエータ及びリールの一例を説明する。
図6a図1図1c、又は図1dの装置に対する動力付きアクチュエータ及びリールの一例を説明する。
図6b図1図1c、又は図1dの装置に対する動力付きアクチュエータ及びリールの一例を説明する。
図6c図1図1c、又は図1dの装置に対する動力付きアクチュエータ及びリールの一例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に記述される詳細な説明は、本発明の側面に従って提供されるここで例示される方法、装置、及びシステムを説明することを意図し、本発明が実行又は利用され得る唯一の形式を表すことを意図しない。しかしながら、本発明の精神及び範囲内に含まれることをも意図する異なる実施形態によって、同様又は同等の機構及びコンポーネントが実現されることを理解すべきである。
【0021】
別段に定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記述される方法、装置、及びシステムと同様又は同等の何れかの方法、装置、システムも発明の実施又は試験に使用可能であるが、例示の方法、装置、及びシステムがここでは説明される。
【0022】
発明は、体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、胃腸系及び/若しくは膵胆管系を視覚化し、並びに/又は胃腸系及び/若しくは膵胆管系と相互作用するための内視鏡的方法及び装置に関する。更に、本発明は、十二指腸内視鏡と共に等、胃腸系及び/若しくは膵胆管系を視覚化し、並びに/又は胃腸系及び/若しくは膵胆管系と相互作用するための一回使用の又は使い捨ての装置に関する。
【0023】
一般的に、体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置は、ハンドピース、末端アセンブリ、及び/又は接続導管を一般的に含む。装置は更に、例えば、胃腸系及び/又は膵胆管系の一部、更に例えば、それらの系の管状身体構造等の、関心のある体内組織に近接の場所に末端アセンブリを導くために一般的に使用され得る。幾つかの模範的実施形態では、複数の導管及び/又はチャネルは、ハンドピースから末端アセ
ンブリまで接続導管を通じて及び得、例えば、液体/気体接続部、電気/センサ接続部、機械的接続部、及び/又は医療装置を、1つのワーキングチャネル若しくは複数のワーキングチャネルを通じて運び得る。検査されている身体構造からのデータ、及び/又は身体内の末端アセンブリの状態についてのデータを収集するために、カメラ、pHセンサ、圧力センサ、酸素センサ、温度センサ、位置/方位センサ、加速度計、化学組成センサ、組織若しくは流体分析センサ、画像センサ、及び/又はその他の適切な検知装置等の検知装置が末端アセンブリにおいて利用される。ワーキングチャネル内のセンサからの情報の送信は、例えば、信号プロセッサ、コンピュータ、若しくはモバイルデバイス等の外部装置へワーキングチャネルを通じて運ばれる有線接続を通じて、又は、専用の信号送信若しくはWiFi、Ant+、若しくはBluetooth等の標準的な接続性を介する等、無線通信をも通じて実現され得る。
【0024】
装置はまた、一般的に、使い捨て及び/又は一回使用であり得る。使い捨て又は一回使用の装置は、例えば、再利用可能なデバイスの不適切な処置又は殺菌からの感染又は汚染の発生を減少させることに役立つのに望ましくてもよく、メンテナンスの必要性を減少させ、繰り返しの使用/殺菌に対する耐久性を必ずしも必要としない異なる材料の選択を可能にし、より低費用の材料を可能にする。使い捨て及び/又は一回使用の装置では、より低費用のための、並びに/又は複数回使用の装置での繰り返しの殺菌及び/若しくはその他の洗浄処置に必要であり得るようなより高い耐久性/寿命を必要としない、材料及びコンポーネントが選択され得る。
【0025】
図1及び図1aは、ハンドピース主要部100a、複数のメカニカル制御部101、102、103、104、液体/気体制御部105、106、ワーキングチャネルポート107、接続導管110、末端アセンブリ120.電力/用水コネクタ111、空気接続部109、及び真空接続部108を有する、体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置100の一例の外面を説明する。
【0026】
一側面では、体内組織を視覚化し、及び/又は体内組織と相互作用するための装置は、身体の管及び/又は空洞を通じて挿入及び/又は操縦されるときに末端アセンブリの軌道をガイドするための複数のメカニカルディレクタを一般的に利用し得る。図1b及び図2に説明されるように、幾つかの模範的実施形態では、メカニカルディレクタは、末端アセンブリの方向/軌道を変更及び/又は接合するために、接続導管内に含まれつつ末端アセンブリを引き得、及び/又は押し得る複数のプルワイヤを一般的に含み得る。プルワイヤは、金属及び金属合金、炭素繊維、繊維ガラス、ポリマーストランド、天然繊維、及び/若しくはその他の適切な材料、又はそれらの組み合わせ等、任意の適切な材料から作られてもよい。幾つかの模範的実施形態では、説明されるような操縦輪102、103等の操縦輪又はその他のアクチュエータ制御部は、説明されるように操縦輪102が左右に向け、制御輪103が上下に向けることで、末端アセンブリの右、左、上、及び下の方位に向けるためにプルワイヤを一般的に接合し得る。ロックスイッチ101を用いて説明されるように、機構を所定位置でロックするためにロック機構も含まれ得る。図1c及び図1dでハンドピース主要部100aを用いて説明されるように、プルワイヤがロックしないで位置を維持し得る場合等、幾つかの実施形態では、ロック機構は用いられなくてもよい。操縦輪102、103は、アクチュエータにメカニカルに結合され得、又はそれらはデジタルで結合され得る。デジタルで結合される実施形態では、操縦輪102、104の移動及び応答性は、調節可能であり得、及び/又は自然な若しくは予測可能な制御をユーザに提供するように調整され得る。更に、デジタル制御は、装置100のメカニカル部分の変動に起因する等して、アクチュエータへの制御信号を自動的に変更することによって、より一定の又は円滑な動作を提供するように適合され得る。デジタルインタフェースでは、ハンドピース上の制御部、無線制御部(例えば、モバイルデバイス、タブレットからの制御部、遠隔制御部、コンピュータ、若しくは無線コントローラ)、有線コントローラ、及
び/又はその他の適切なコントローラ等の様々な異なるコントローラが利用され得る。
【0027】
一般的に、図2a及び図2bに説明されるように、プルワイヤ102c、10dに対する方向A/C及び/又はプルワイヤ103c、103dに対する方向B/D等、プルワイヤの対応する対を引くこと/押すことは、図2bに示されるように、接続導管110の少なくとも一部の屈曲を生じさせ得る。
【0028】
昇降機122を制御する昇降機アクチュエータ104を用いて説明されるように、末端アセンブリにおいて医療装置を操作するための昇降機及び/又はその他の機構を制御するための、更なるメカニカルディレクタも使用されてもよい。昇降機122は、例えば、サンプルを収集するため、及び/又は組織壁に近接して医療装置を設置するため等、医療装置を所望の場所に昇降及び/又は接合するために、ワーキングチャネル開口部121に存在する医療装置を一般的に押し進め得る。
【0029】
一般的に、末端アセンブリの方向/軌道を変更するため、及び/又は昇降機を制御するために、プルワイヤを制御するための任意の適切なメカニカルアクチュエータが利用されてもよい。図1b及び図2は、シース113a、113b、113c、113d、113e内に一般的に夫々収容され得るプルワイヤ102c、103c、102d、103d、104bに夫々接続されたプルワイヤロッド102a、103a、102b、103b、104aに接続されたラック102-1上で作動する(操縦輪及び/又はアクチュエータに接続された)ピニオン102-2を用いて示すように、接続導管110内での運搬のために、プルワイヤの動きを制御するためのラック及びピニオン類似の機構の使用を説明する。接続導管110に通じる様々なシース及び導管を配置するために、シース/導管ガイド112も利用され得る。接続導管110は、末端アセンブリ120の軌道/方向の変更をもたらすためのプルワイヤの引張力/押力に応じて変形し得るように、一般的に、柔軟であり得、及び/又は圧縮可能/伸縮自在であり得る。エラストマー若しくはその他の柔軟な材料が利用されてもよく、又は例えば、屈曲及び圧縮を実現し得る織布材料が利用されてもよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、プルワイヤを制御するために、電動又は動力付きメカニカルアクチュエータが利用され得る。図6及び図6aは、例示的モータ130、140で示されるように、動力付きアクチュエータの使用を説明する。幾つかの実施形態では、モータ130、140は、接続導管110の少なくとも一部の屈曲によって末端アセンブリの右、左、上、又は下の方位に向けるために、プルワイヤ102c、102d、103c、103dをリール132、142上に巻き付け、及びリール132、142から巻き解くために利用され得る。プルワイヤ102c、102d、103c、103dは更に、入口151、152を有するワイヤガイド150を通じて接続導管110中を通過し得る。これは、リール132、142に対する巻き付き/巻き解きから、接続導管110に沿った直線方向へ方向の変化を伴ってプルワイヤ102c、102d、103c、103dをガイドすることに役立つのに望ましくてもよい。リール132、142はまた、方向の変化が存在しないその他の方位に位置付けられてもよい。一般的に、プルワイヤ102c、102d、103c、103dは、図6a、図6b、及び図6cに説明されるような取り付け点131/141、133/143で等、リール132、142に取り付けられ得る。図6図6との回転間で示されるように、リール132、142の回転中に、プルワイヤ102c、102d、103c、103dにおいて最少のたるみで張力がより良く維持されるように、リール132、142の円弧上から90度より少ない角度で離れる、より具体的には、45度以下の角度で離れる等、円弧の近くに取り付け点131/141、133/143を位置付けることが望ましいことがある。幾つかの実施形態では、リール132、142は、使用中に接続導管110の損傷又は過屈曲を防止するため等、回転の一方向又は両方向での過回転を防ぐための機構を含み得る。幾つかの実施形態では、リール132、142は、過回転を防止するためにメカニカルな停止を特徴とし得る。他の実施形態では、リール132、142は、過回転を防ぐためにモータ130、140が停止するようにする位置検知を特徴とし得る。図6aは、リール132、142の回転中に基準136/146及び135/145の整列を検出するリミットセンサ137/147及び138/148を用いた位置検知の一例を説明する。位置検知は、例えば、磁気ホール効果センサ、電気接点スイッチ、光センサ/スイッチ、プルワイヤ上の張力センサ、物理スイッチ、及び/又はその他の適切な位置センサ若しくはリミットセンサ等の任意の適切な検知又はスイッチング技法を用い得る。例えば、基準136/146及び135/145は、リミットセンサ137/147及び138/148と整列した場合に、リミットセンサ内のホール効果センサがモータを停止させることを磁界が誘発するように、磁石を含み得る。これは、制御部とモータ/リールとの間に直接のメカニカル結合がないデジタル制御システムにおいて特に望ましいことがある。位置検知はまた、リール132、142の回転の一部においてモータの速度を調節するために用いられ得る。例えば、プルワイヤの形状及び巻き取り/巻き解しに起因して、モータが一定速度で維持されている場合に応答して“不感帯”又は観測可能な減速を生成し得る付加的なたるみ又は張力の欠如がプルワイヤに存在する回転の幾つかの部分があり得る。位置検知は、より一定の応答を使用中に提供するためにモータを加速するように、これらの不感帯を検出するために利用され得る。
【0031】
ギアモータ等のモータは、リール132、142の動力付きの回転を提供するために利用され得る。一般的に、モータがオフ状態である場合にリール132、142の更なる回転又は逆回転を防止するための別個のロック機構の必要性を高いギア比率は取り除き得るので、モータがオン状態でない場合に回転ロックの形式としての機能を高いギア比率が果たし得るように、高いギア比率を有するギアモータは利用され得る。例えば、ロック効果を生成するために500:1以上の高いギア比率のモータが利用され得る。
【0032】
幾つかの実施形態では、接続導管110又はその一部は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、シリコン、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、その他の生体適合性ポリマー、又はそれらの任意の組み合わせ等の医療グレードのプラスチックチューブ等任意の適切な材料で構成され得る。
【0033】
幾つかの模範的実施形態では、接続導菅110は、外側の被覆材料内の又は被覆材料に統合されている等の、柔軟又は変形可能な支持構造体を含み得る。支持構造体は、例えば、被覆材料に対する挟み込み/押しつぶしへの増加した剛性又は耐久性を提供することに加えて、接続導管110の末端アセンブリ120を所望の方向又は方位に向けるためにプルワイヤと一般的に相互作用し得る。一般的に、接続導管110又はその一部の湾曲を生じさせるためにプルワイヤが引っ張られる場合に、屈曲中の接続導管110の一部の湾曲及び短縮に起因して、対応するプルワイヤに最少のたるみが生成されるように、プルワイヤは、例えば、ワーキングチャネル内に、又は接続導管110の中心近くに等、接続導管110内で運ばれ得る。
【0034】
幾つかの実施形態では、相互に接続及び接合する複数の相互接続断片が利用される。図4は、以下で論じるように、導管又は接続部を内部で運ぶためのその長さに沿って、接続導管110に対する支持構造体200をチャネル201と共に形成する相互接続断片202の一例を説明する。説明されるように、(複数の)相互接続断片202は、実質的に同じであり得、リング202aの形であり得、ノード拡張部204aから延伸するノードリング204内に置かれて自由に回転するリベット拡張部203aから延伸するリベット203を介して相互に連結し得る。更に、連続する相互接続断片202間の接続は、2つの隣接する相互接続断片202が1つの軸で旋回し得るように、例えば、説明されるように90度等でずらされ得、連続する対は、適切なプルワイヤを押す及び/又は引くことによって支持構造体200が2次元で操舵され得るように、垂直旋回軸A及び水平旋回軸Bを用いる等、異なる軸で旋回し得、該プルワイヤは、ワイヤキャリア205内に置かれ、図4の支持構造体200の末端部分の末端部207での固定点206で示されるように、末端のプレートで取り付けられ又は固定される。異なる角度のずれ、及びプルワイヤの対の追加又は削減等、その他のバリエーションも利用され得る。相互接続断片の更なる例は、米国特許公開US20090209819で開示され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0035】
他の模範的実施形態では、接続導管110は、接続導管110の末端アセンブリ120を所望の方向又は方位に向けるようにプルワイヤと相互作用し得る柔軟又は変形可能な一体的支持構造体を含み得る。図5及び図5aは、第1のセット302と第1のセット302から90度ずれた第2のセット303とを有する一連のずれた輪状の区画でチャネル301を特徴づける一体的支持構造体300の一例を説明する。第1のセット302は、屈曲ブリッジ304a、304bの対で第2のセット303に一般的に接続され、該対の各々は、少なくとも一方向での屈曲を一般的に可能にし得る。第1のセット302及び第2のセット303は、扇形の切り欠き部302a、303a等、扇形の又はその他の切り欠き部を更に含み得、それらは、構造体の間隙を一般的に形成し得、又は一体的支持構造体300が屈曲した場合に相互に一致し得る。更に、例えば、説明されるように90度等、連続するセット302、303間のブリッジ304a、304bにおける接続は、1つの軸で旋回が可能であり得、この連続するセットは、適切なプルワイヤを押す及び/又は引くことによって支持構造体300が2次元で操舵され得るように、垂直旋回軸A及び水平旋回軸Bを用いる等、異なる軸で旋回し得、該プルワイヤは、ワイヤキャリア305内に置かれ、図5aの支持構造体300の末端部分の末端部307での固定点306で示されるように、末端のプレートで取り付けられ又は固定される。異なる角度のずれ、及びプルワイヤの対の追加又は削減等、その他のバリエーションも利用され得る。
【0036】
支持構造体200、300等の支持構造体は、ポリマー、金属、複合物、及び/若しくは任意のその他の適切な材料、又はそれらの組み合わせ等、任意の適切な材料から作られてもよい。一体的支持構造体300及び同様の実施形態に対して、選択された材料は、一般的に、繰り返しの屈曲に対して確実に柔軟且つ丈夫であり得る。適切なポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリルポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン若しくはデルリン(DuPont社から入手可能)等のアセタールポリマー、天然ゴム若しくは合成ゴム、ポリアミド若しくは、ULTEM(登録商標)のようなポリエーテルイミド、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートとの複合体であるXenoy(登録商標)樹脂、ポリカーボネートとイソフタルテレフタレートレソルシノール樹脂とのコポリマーであるLesxan(登録商標)プラスチック(GE Plasticsから全て入手可能)等のポリマーアロイ等のその他の高温ポリマー、芳香族ポリエステル、若しくは成分として、芳香族ヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシベンゾエート(硬質性モノマー)、ヒドロキシナフトエート(柔軟性モノマー)、芳香族ヒドロキシルアミン、及び芳香族ジアミン)(その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許番号6,242,063、6,274,242、6,643,552及び6,797,198で例示されている)、末端無水物基若しくは側無水物を有するポリエステルイミド無水物(その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許番号6,730,377で例示されている)を含むグループから選択された少なくとも1つの化合物を含む芳香族ポリエステルアミド等の液晶ポリマー、又はそれらの組み合わせを一般的に含み得るが、それらに限定されない。これらの材料のいくつかは再利用可能であるか、または再利用可能にすることが
できる。堆肥化可能な又は生物分解性の材料も使用され、ポリ乳酸樹脂(L乳酸及びD乳酸を含む)及びポリグリコール酸(PGA)と、ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシブチレート樹脂(PHBV)(3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシペンタン酸(3-ヒドロキシ吉草酸)とのコポリマー)及びポリヒドロキシアルカノエート(PHA)コポリマーと、ポリエステル/ウレタン樹脂等の生分解性の又は生堆肥化可能な任意のポリエステルとを含み得る。堆肥化可能ではない又は生分解性ではない幾つかの材料も、幾つかの添加物、例えば、英国ボアハムウッドのSymphony Environmentalにより供給されるD2W(登録商標)、及び加国ブリティッシュコロンビア州バンクーバーのEPI Environmental Products株式会社により製造されるTDPA(登録商標)等の任意の酸素型生分解性添加物の添加によって堆肥化可能又は生分解性に作られ得る。
【0037】
また、顔料、炭素粒子、シリカ、ガラス繊維、又はそれらの混合物で充填されたポリマーである、工学的プリプレグ又は複合物等の任意のポリマー複合物も使用され得る。例えば、ポリカーボネート及びABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)の混合物が筐体用に使用され得る。更なる例として、炭素繊維及び/又はガラス繊維強化プラスチックも使用され得る。
【0038】
有用な金属又は金属材料は、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金、及び形状記憶合金等の金属及び金属合金を含み得る。
【0039】
幾つかの実施形態では、支持構造体200、300は、不要な圧縮を防ぐのに役立つように、又は戻り力を与えるのに役立つように、戻しばねを用いる等、補足され得る。例えば、使用中に支持構造体200、300が曲げられ又は変形された場合に、支持構造体200、300をそれらの元の状態に戻すために該補足物が利用され得る。例えば、導管チューブは、ワーキングチャネル等に提供され得、それは、付加的な剛性を提供し得、戻りばねとして作動し得る。導管の管は、接続導管110内の完全には剛性ではない導管チューブ110bに支持構造体200、300の終端をピン留めするピン114、115を用いた図2cで説明されるように、例えば、支持構造体200、300の終端にピン留めされ得、さもなければ取り付けられ得る。
【0040】
幾つかの実施形態では、支持構造体200又は300を形成するために、材料の一部を切断又は除去することによる等、接続導管の材料又はその一部の変更によって支持構造体200又は300を形成することによって等、支持構造体200又は300は接続導管110に統合され得る。接続導管110は、変更された部分を覆うための外側シースを更に含んでもよい。
【0041】
幾つかの模範的実施形態では、図1図1a、図1bに説明されるように、末端アセンブリへの流体連通のために流体/気体/真空の供給を提供するための接続が利用され得る。一般的に、身体の管、例えば、腸及び/又は接続構造等の体腔内に装置100を挿入及び/又はガイドするために、液体、気体、又は真空は、装置100の接近及び/又は方向付けを容易にするために、体腔を滑らかにし、開き、及び/又は操ることに役立つように使用される。説明されるように、液体/気体/真空は、液体ライン109bに流し込むために、真空ライン108a、108b用のバルブを作動させ得る制御バルブ105と、用水ライン111a、空気ライン109a用のバルブを作動させ得る制御バルブ106とを用いて制御される。液体/気体/真空は、体腔に作用するために、末端アセンブリ120のワーキングチャネル開口部121上で作動するように更に接続され得る。
【0042】
末端アセンブリ120はまた、図3に説明されるように、円形の及び/又は曲線状の先端124を用いる等して、身体内に容易に接近するように適合され得る。一般的に、末端
アセンブリ120は、使用中に身体組織への損傷を最小限にし及び/又は防止するために、円形の及び/又は鋭角ではない機構をも特徴にし得る。
【0043】
別の側面では、装置は、身体組織を視覚化するために、末端アセンブリ内にカメラを一般的に含む。幾つかの模範的実施形態では、カメラは、装置の挿入の軸に対して側視し得る。図3は、側視カメラ123、ワーキングチャネル121、昇降機122を有する装置100の末端アセンブリ120を説明する。
【0044】
更に、カメラは、処置中のリアルタイムの観察及び/又はオンデマンドなビジュアルキャプチャのために、接続導管及び/又はハンドピースを通じて一般的に接続され得る。カメラ及び/又はカメラのための処理システムは、例えば、光センサ、パノラマ式画像キャプチャ/画像スティッチング、画像安定化、及び/又はその他の機能等の動的な及び/又は方向性の輝度制御部をも含み得る。
【0045】
装置はまた、使い捨ての部分及び再利用可能な部分等、独立して交換可能な部分を含み得るモジュラーデザインを利用し得る。部分は、使用中に、故障に起因する等して部分の交換に適応する等のために、ホットスワップ可能に設計され得る。例えば、装置100の一部は、コンポーネントの交換及び幾つかの部分の廃棄を可能にするために、相互に分離可能であり得る。幾つかの実施形態では、ハンドピース100a、接続導管110、末端アセンブリ120、及び/又は制御部101、102、103、104は、独立して置き換えられ得る部品に分離され得る。
【0046】
発明は、その特定の実施例に関して説明されたが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、発明を制限するものではない。要約及び発明の概要の記述を含む、発明の例示された実施形態の本明細書での説明は、網羅的であること、又は本明細書で開示された正確な形式に発明を限定することを意図するものではない(また、特に、要約又は発明の概要内の任意の特定の実施形態、機構、又は機能の包含は、そうした実施形態、機構、又は機能に発明の範囲を限定すること意図するものではない)。むしろ、要約または発明の概要に記載されている任意のそのような実施形態の特徴または機能を含む、具体的に説明された任意の実施形態、機構、機能に発明を限定することなく発明を理解するための内容を当業者に提供するために、説明は、例示的な実施形態、機構、及び機能を説明することを意図する。発明の特定の実施形態及び発明の実施例は、例示目的のためのみで本明細書に説明されたが、当業者に認識及び理解されるように、発明の精神及び範囲内で様々な同等の変更が可能である。示されたように、発明の例示された実施形態の前述の説明を考慮すれば、これらの変更が発明になされ得る。したがって、発明は、その特定の実施形態を参照して本明細書で説明されているが、許容される範囲の変更、様々な変換、及び置換が前述の開示には意図されており、幾つかの実例では、発明の実施形態の幾つかの機構は、説明されたような発明の範囲及び精神から逸脱することなく、その他の機構を対応して使用することなく用いられ得ることが理解されるであろう。したがって、特定の状況または材料を発明の本質的な範囲及び精神に適合させるために多くの変更を加えることができる。
【0047】
本明細書全体を通じて“一実施形態”、“実施形態”、若しくは“特定の実施形態”、又は同様の術語への言及は、実施形態と組み合わせて記述される特定の機構、構造、若しく特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれ、全ての実施形態に必ずしも存在しなくてもよいことを意味する。したがって、本明細書全体を通じて表現“一実施形態では”、“実施形態では”、若しくは“特定の実施形態では”、又は同様の術語は、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。更に、任意の特定の実施形態の特定の機構、構造、又は特徴は、任意の適切な方法で1つ以上のその他の実施形態と組み合わされてもよい。本明細書で説明及び例示される実施形態のその他の変形及び変更は、本明細書の教示を考慮すれば可能であり、発明の精神及び範囲の一部として考慮されると理解すべきである。
【0048】
本明細書の説明では、発明の実施形態の完全な理解を提供するために、コンポーネント及び/又は方法等の多くの具体的詳細が提供されている。しかしながら、具体的詳細の内の1つ以上なしに、又はその他の装置、システム、アセンブリ、方法、コンポーネント、材料、及び部品等を用いて実施形態が実行可能であり得ることを当業者は理解するであろう。他の実例では、発明の実施形態の側面を不明確にすることを避けるために、周知の構造体、コンポーネント、システム、材料又は動作は詳細には特に図示又は説明されていない。発明は特定の実施形態を用いて例示されているが、このことは、発明を任意の特定の実施形態に限定せず、追加の実施形態が容易に理解可能であり本明細書の一部をなすことを当業者は理解するであろう。
【0049】
本明細書で使用されるように、用語“含む(comprise)”、“含む(comprising)”、“含む(include)”、“含む(including)”、“有する(have)”、“有する(having)”、又はそれらの変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含むプロセス、製品、物品、又は装置は、要素のリストは、それらの要素のみに必ずしも限定されないが、こうしたプロセス、製品、物品、又は装置に明確には載せられない又は内在しないその他の要素を含み得る。
【0050】
更に、本明細書で使用されるような用語“又は(or)”は、特に示されない限り“及び/又は(and/or)”を意味することを意図する。例えば、条件A又はBは、次の内の何れかを満足する。Aは真であり(又は存在し)、Bは偽である(又は存在しない)。Aは偽であり(又は存在せず)、Bは真である(又は存在する)。A及びBの両方は真である(又は存在する)。以下の特許請求の範囲を含む本明細書で使用されるように、“a”又は“an”(及び先行詞が“a”又は“an”である場合の“the”)が先行する用語は、特許請求の範囲内に別段に明確に示される(すなわち、言及“a”又は“an”が単数形のみ又は複数形のみを明確に示す)ことがない限り、こうした用語の単数形及び複数形の両方を含む。また、本明細書の説明で使用されるように、“内に(in)”の意味は、内容が別段に明確に指定しない限り、“内に(in)”及び“上に(on)”を含む。
図1
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図2a
図2b
図2c
図3
図4-4a】
図5-5a】
図6
図6a
図6b
図6c