(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】溝付けされた金属の帯状材料を網状のシート構造をなすように伸展およびフォーマット化する方法、ならびに方法を実行するための装置。
(51)【国際特許分類】
B21D 31/04 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
B21D31/04 A
(21)【出願番号】P 2020519438
(86)(22)【出願日】2018-08-18
(86)【国際出願番号】 DE2018000245
(87)【国際公開番号】W WO2019068274
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】102017009311.3
(32)【優先日】2017-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512037668
【氏名又は名称】ハカノカ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】HACANOKA GmbH
【住所又は居所原語表記】Pfaelzer Strasse 14 89269 Voehringen, Deutchland
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】シュタール, カール-ヘルマン
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-537851(JP,A)
【文献】特表2010-525949(JP,A)
【文献】特開昭50-63443(JP,A)
【文献】米国特許第4247970(US,A)
【文献】特開平11-10250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝付けされた金属の帯状材料(1)を、連続引き伸ばしプロセスによって予め定められた網目幅を有する網状のシート構造(2)をなすように伸展およびフォーマット化する方法であって、このために前記帯状材料(1)は、帯長手方向に延びていて長さが区切られ、かつ相互間に金属線(11)を形成する溝(3)を備えており、溝付けされない領域は、伸展およびフォーマット化後に網結節点(4)を形成し、前記金属線(11)は、溝底において隣り合うブリッジ部を介してまず互いに接続されており、さらに、前記ブリッジ部は、曲げ変形により疲労破壊によって形成された初期亀裂を有し、残りのブリッジ部は、分離ローラによって破断され、それにより前記溝領域において、前記金属線(11)が確実に互いに分離され、前記帯状材料(1)を、前記網状構造をなすよう引き伸ばし可能である、方法において、連続引き伸ばしの準備のために、前記帯状材料(1)が、いくつかの網目列が互いに直交するように方向合わせされ、かつ前記網目列の網目対角線が帯縁に対して直角に向けられるように、まず帯始端で予定された網目幅に引き伸ばされることと、さらに、前記準備された帯始端が、引き伸ばしユニットの回転駆動可能な第1ローラ対(5)に供給され、その際、スパイク(6)が網目に入るように、前記帯始端がスパイクローラ(5.1)として形成された、好ましくは下ローラ上に載置され、次いで、ブリッジ部と切欠部(7)とを備え、押圧ローラ(5.2)として形成された好ましくは上ローラが前記下ローラに対してセットされ、それにより2つのローラ(5)が相互間にローラ間隙を形成し、前記スパイク(6)の配置は、前記スパイクローラ(5.1)の前記スパイク(6)が前記押圧ローラ(5.2)の前記切欠部(7)に入り込むことにより、前記スパイク(6)によって両直交方向に1つおきの網目が成形されるように選定されていることと、を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記縁側の、帯長手方向に見てそれぞれ1つおきの網目が、前記スパイクローラ(5.1)の縁における制御リンク機構(10)により移動される軸方向に変位可能なスパイク(9)によって引き伸ばされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記引き伸ばされ、まず大まかに成形されたシート構造が、後成形のために別のローラ対に供給され、このローラ対は、その表面構造が実質的に前記第1ローラ対に相当するが、前記シート構造のスプリングバック力を補償するため、および良好な形状精度を達成するために、上ローラが2倍のスパイク数と相応に変更された形態とを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1ローラ対と前記第2ローラ対とは、下ローラの前記スパイク(6)がそれぞれすべての網目に入るように互いに方向合わせされていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1ローラ対および前記第2ローラ対の前記スパイク(6)は、位置によって対称または非対称に形成されている角錐形状または先端を切った角錐形状の形態を具備することを特徴とする、請求項1~4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2ローラ対に第3ローラ対が後置され、前記第3ローラ対の1つのローラ(14.1)が前記金属線(11)のためのガイド収容部を備え、それによって前記金属線(11)を接続する前記網結節点(4)が、前記ローラ上に正確に位置決めされ、かつ前記ガイド収容部において、下ローラ(14.2)上に設けられ軸方向に相互に距離を置いて配置されたディスク(12)によって押圧され、さらに、前記ディスク(12)間にパンチ(13)が配置されており、前記パンチは、前記網結節点(4)の中心に方向合わせされており、前記1つのローラ(14.1)の切断刃(15)に前記網結節点を押圧し、それによって前記網結節点(4)で終わり、前記金属線(11)の揉みおよび分離の後に残って突き出す裂け目が切り取られることを特徴とする、請求項1~5に記載の方法。
【請求項7】
前記切断装置は、前記網結節点でぶつかる金属線(11)によって具現化され、前記網結節点(4)に隣接する領域が小さい半径を備えるように形成されており、前記の工具は、圧縮応力発生によって前記切断プロセスの後になお表面の平滑化が達成されるように形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~7に記載の方法を実行する装置において、好ましくは下ローラがスパイクローラ(5.1)として形成されており、かつ好ましくは上ローラがブリッジ部および切欠部(7)を備えて押圧ローラ(5.2)として形成されており、前記上ローラを前記下ローラに対してセットすることができ、それにより2つのローラ(5)が相互間に、網状のシート構造の溝付けされた金属の帯状材料(1)のためのローラ間隙を形成し、前記スパイク(6)の配置は、前記スパイクローラ(5.1)の前記スパイク(6)が前記押圧ローラ(5.2)の前記切欠部(7)に入り込むことにより、前記スパイク(6)によって両直交方向にシート構造のそれぞれ1つおきの網目が成形されるように選定されている、回転駆動可能な第1ローラ対(5)を有する引き伸ばしユニットを特徴とする、装置。
【請求項9】
前記スパイクローラ(5.1)は、前記スパイクローラ(5.1)の縁における制御リンク機構(10)により移動される、かつ帯長手方向に見て、それぞれ1つおきの網目を引き伸ばす軸方向に変位可能なスパイク(9)を縁側に有することを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記引き伸ばしユニットは、前記帯状材料を後成形するための別のローラ対を有し、このローラ対は、その表面構造が実質的に前記第1ローラ対に相当するが、前記帯状材料の前記成形されたシート構造に存在するスプリングバック力を補償するため、および良好な形状精度を達成するために、上ローラが2倍のスパイク数と相応に変更された形態とを有することを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1ローラ対と前記第2ローラ対とは、下ローラの前記スパイクがそれぞれ前記シート構造のすべての網目に入るように互いに方向合わせされていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1ローラ対および前記第2ローラ対の前記スパイク(6)は、位置によって対称または非対称に形成されている角錐形状または先端を切った角錐形状の形態を具備することを特徴とする、請求項8~11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2ローラ対に第3ローラ対が後置され、下ローラ(14.1)が前記金属線(11)を接続する網結節点(4)を位置決めするためのガイド収容部を備えるのに対して、上ローラ(14.2)上に、相互に距離を置いて配置されたディスク(12)が設けられており、前記ディスクによって、前記網結節点(4)が軸方向に前記ガイド収容部に押し込まれ、前記ディスク(12)間にパンチ(13)が配置されており、前記パンチは、前記網結節点(4)の中心に方向合わせされており、前記下ローラ(14.1)の切断刃(15)に前記網結節点を押圧し、それによって前記網結節点(4)で終わり、前記金属線(11)の揉みおよび分離の後に残って突き出す裂け目が切り取られることを特徴とする、請求項8~12に記載の装置。
【請求項14】
前記切断装置が円形に形成され、それにより前記網結節点(4)に隣接し、前記網結節点でぶつかる金属線(11)によって形成された領域が小さい半径を備え、前記工具は、切断プロセスの後に、同時の圧縮応力発生によって前記表面の平滑化が達成されるように形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝付けされた金属の帯状材料を、連続引き伸ばしプロセスによって予め定められた網目幅を有する網状のシート構造をなすように伸展およびフォーマット化する方法であって、このために帯状材料は、帯長手方向に延びていて長さが区切られ、かつ相互間に金属線を形成する溝を備えており、溝付けされない領域は、伸展およびフォーマット化後に網結節点を形成し、金属線は、溝底において隣り合うブリッジ部を介してまず互いに接続されており、さらに、ブリッジ部は、曲げ変形により疲労破壊によって形成された初期亀裂を有し、残りのブリッジ部は、分離ローラによって破壊され、それにより溝領域において金属線が確実に互いに分離され、帯状材料が網状構造をなすよう引き伸ばし可能である、方法に関する。さらに、本発明は、方法を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願の請求項1の前提部の概要のように加工された帯状材料をシート構造に成形することを基本的に可能にする方法は、特許文献1にその基本的な手順がすでに記載されている。帯状材料の前処理についてのさらなる詳細は上記の特許文献1から明らかになる。
【0003】
実際には、明らかに良好な網状構造を達成するための先行技術に記載されるような帯状材料の引き伸ばしは、多大なコストをかけて可能であることがわかった。それゆえ、連続製造プロセスの範囲で求められるシート構造の形状精度をさらに向上させるために、特に、このシート構造のより一様な、かつより効率のよい成形を達成せしめる十分な措置が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、連続引き伸ばしプロセスによって後のシート構造の全幅および全長にわたって均一な成形、したがって一様な網の形成が達成されるように冒頭で述べた種類の方法を創出するという課題にもとづいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、方法に関して、本発明により、引き伸ばしの準備のために、帯状材料が、いくつかの網目列が互いに直交するように方向合わせされ、かつ網目列の網目対角線が帯縁に対して直角に向けられるように、まず帯始端で予定された網目幅に、例えば機械の支援により手作業的に引き伸ばされることと、さらに、準備された帯始端が、引き伸ばしユニットの回転駆動可能な第1ローラ対に供給され、その際、スパイクローラのスパイクが網目に入るように、帯始端がスパイクローラとして形成された、好ましくは下ローラ上に載置され、次いで、ブリッジ部と切欠部とを備え、押圧ローラとして形成された好ましくは上ローラが下ローラに対してセットされ、それにより2つのローラが相互間にローラ間隙を形成し、スパイクの配置は、スパイクローラのスパイクが押圧ローラの切欠部に入り込むことにより、スパイクによって両直交方向に1つおきの網目が成形されるように選定されていることと、により解決される。
【発明の効果】
【0007】
実質的に、本発明により達成される利点は、実質的にローラ間隙に入って初めて、最大網幅の領域においてスプリングバックを考慮して1つおきの網目に引き伸ばし力が加えられ、その際、最大網幅の領域の前にある引き伸ばされつつある網領域は自由に形成されてよいということである。それにより、一様な網形成が達成され、その際、引き伸ばし力が、網目構造の全幅にわたって比較的一様に作用する。
【0008】
その場合、本発明の好ましい実施形態では、縁側の、帯長手方向に見てそれぞれ1つおきの網目が、スパイクローラの縁における制御リンク機構により移動される軸方向に変位可能なスパイクによって引き伸ばされることが予定されている。それによって網目構造の略直線的に延びる縁が達成される。
【0009】
本発明の範囲内で、引き伸ばされ、まず大まかに成形されたシート構造が、後成形のために別のローラ対に供給され、ローラ対は、その表面構造が実質的に第1ローラ対に相当するが、シート構造のスプリングバック力を補償するため、および良好な形状精度を達成するために、上ローラが2倍のスパイク数と相応に変更された形態とを有していれば有利であることが明らかになった。それによって、さらに、後から巻き取るときに邪魔になり得る特に膨らみが少しの圧延成形によって平滑化されることが保証される。
【0010】
その際、第1ローラ対と第2ローラ対とは、下ローラのスパイクがそれぞれすべての網目に入るように互いに方向合わせされているならば有利である。
【0011】
網目を成形するために、第1ローラ対および第2ローラ対のスパイクが、位置によって対称または非対称に形成されている角錐形状または先端を切った角錐形状の形態を具備するならば有利であることが明らかになった。
【0012】
本発明のさらに別の非常に有利な一実施形態は、第2ローラ対に第3ローラ対が後置され、下ローラが金属線のためのガイド収容部を備え、それによって金属線を接続する網結節点がこのローラ上に正確に位置決めされ、かつガイド収容部において、上ローラ上に設けられ軸方向に互いに距離を置いて配置されたディスクによって押圧され、さらに、ディスク間にパンチが配置されており、パンチは、網結節点の中心に方向合わせされており、下ローラの切断刃に網結節点を押圧し、それによって網結節点で終わり、金属線の揉みおよび分離の後に残って突き出す裂け目が切り取られることを予定する。
【0013】
切断装置は、網結節点でぶつかる金属線によって具現化され、網結節点に隣接する領域、すなわち金属線間の突き出す分離クラックが小さい半径を備えるように形成されており、工具は、切断プロセスの後に、圧縮応力発生によってなお表面の平滑化が達成されるように形成されていることが特に有利であり、それゆえ本発明の範囲内で好ましい。
【0014】
本発明による課題を解決する装置は、好ましくは下ローラがスパイクローラとして形成されており、かつ好ましくは上ローラがブリッジ部および切欠部を備えて押圧ローラとして形成されており、上ローラを下ローラに対してセットすることができ、それにより2つのローラが相互間に、網状のシート構造の溝付けされた金属の帯状材料のためのローラ間隙を形成し、スパイクの配置は、スパイクローラのスパイクが押圧ローラの切欠部に入り込むことにより、スパイクによって両直交方向にシート構造のそれぞれ1つおきの網目が成形されるように選定されている、回転駆動可能な第1ローラ対を有する引き伸ばしユニットを特徴とする。
【0015】
その際、引き伸ばし工程は、スパイクローラが、スパイクローラの縁における制御リンク機構により移動される、かつ帯長手方向に見てそれぞれ1つおきの網目を引き伸ばす軸方向に変位可能なスパイクを縁側に有するならば実質的に容易になるとともに改善される。
【0016】
さらに、引き伸ばしユニットが、帯状材料を後成形するための別のローラ対を有するならば有利であることがわかった。この場合、このローラ対は、その表面構造が実質的に第1ローラ対に相当するが、帯状材料の成形されたシート構造に存在するスプリングバック力を補償するため、および良好な形状精度を達成するために、上ローラが2倍のスパイク数と相応に変更された形態とを有する。
【0017】
この場合、本発明の範囲内で、第1ローラ対と第2ローラ対とが、下ローラのスパイクがそれぞれシート構造のすべての網目に入るように互いに方向合わせされていることが望ましい。
【0018】
詳細には、好ましい形態において、第1ローラ対および第2ローラ対のスパイクは、位置によって対称または非対称に形成されている角錐形状または先端を切った角錐形状の形態を具備してもよい。
【0019】
さらには、本発明の範囲内で、第2ローラ対に第3ローラ対が後置され、下ローラが金属線を接続する網結節点を位置決めするためのガイド収容部を備えるのに対して、上ローラ上には、相互に距離を置いて配置されたディスクが設けられており、ディスクによって、網結節点が軸方向にガイド収容部に押し込まれ、ディスク間にパンチが配置されており、パンチは、網結節点の中心に方向合わせされており、第1ローラの切断刃に網結節点を押圧し、それによって網結節点で終わり、金属線の揉みおよび分離の後に残って突き出す裂け目が切り取られることが合目的的であることが明らかになった。
【0020】
この場合、切断装置が円形に形成されていれば有利であることがわかった。それにより網結節点に隣接し、網結節点でぶつかる金属線によって形成された領域が小さい半径を備え、工具は、切断プロセスの後に、同時の圧縮応力発生によって表面の平滑化が達成されるように形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】
図1による対象物の線A-Aに沿う断面図である。
【
図4】
図1による対象物の
図2による線B-Bに沿う断面図である。
【
図7】
図1による対象物の
図6に相当する斜視図であるが、帯状材料および軸方向に変位可能なスパイクのない図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を図面に示された実施例をもとにして詳しく説明する。
【0023】
図面に示された装置は、溝付けされた金属の帯状材料1を、連続引き伸ばしプロセスによって予め定められた網目幅を有する網状のシート構造2をなすように伸展およびフォーマット化する方法の実行を可能にする。このために、帯状材料1は、
図2の左側に示され見て取れるように、帯長手方向に延びていて長さが区切られ、かつ相互間に金属線11を形成する溝3を備えている。同様に
図2において右側の領域に見て取れるように、溝付けされていない領域が伸展およびフォーマット化された後に網結節点4をなす。
【0024】
金属線11は、溝底において隣接するブリッジ部を介してまず互いに接続されている。しかしこれらのブリッジ部は、曲げ変形による疲労破壊によって形成される初期亀裂を有し、それにより残りのブリッジ部が最終的に分離ローラによって破壊される。それによって金属線11は、溝領域において確実に互いに分離され、それにより帯状材料1を、網状構造をなすように引き伸ばすことができる。
【0025】
本発明による方法において重要なのは、連続製造プロセスの範囲で間違いなく良好な網状構造を達成することであり、この方法で、後のシート構造2が全幅および全長にわたって均一に成形されるとともに、したがって一様な網目が形成される。このために帯状材料1は、引き伸ばしの準備のために、まず帯の始端が予定された網目幅に引き伸ばされ、それによりいくつかの網目列が互いに直交するように方向合わせされ、それらの網目列の網目対角線が帯縁に対して直角に向けられる。これは機械の支援により手作業的に行われる。
【0026】
次いで、準備された帯始端が引き伸ばしユニットの回転駆動可能な第1ローラ対5に供給され、その際、帯始端は、好ましくはスパイクローラ5.1として形成された下ローラ上に、スパイクローラ5.1のスパイク6が網目に入るように載置される。次いで、好ましくは、ブリッジ部と切欠部とを備えた押圧ローラ5.2として形成された上ローラが下ローラに対してセットされ、それにより2つのローラ間にローラ間隙が形成される。その際、スパイク6の配置は、スパイクローラ5.1のスパイク6が押圧ローラ5.2の切欠部7に入り込むことにより、スパイク6によって両直交方向に1つおきの網目が成形されるように選定されている。
【0027】
それによって、実質的ローラ間隙に入って初めて、最大網幅の領域においてスプリングバックを考慮して1つおきの網目に引き伸ばし力が加えられることが達成される。その際、最大網幅の領域の前にある引き伸ばされつつある網領域8は、その空間的形状に関して自由に形成されてよく、このことが特に
図1、
図4、および
図6に上向きの湾曲の形態で見て取れる。こうして一様な網の形成が達成され、引き伸ばし力は、網目構造の全幅にわたって比較的均等に作用する。
【0028】
縁側の、帯長手方向に見てそれぞれ1つおきの網目は、特に
図2、
図3、および
図5に、しかし
図6にも見えるように、スパイクローラ5.1の縁における制御リンク機構10により移動される軸方向に変位可能なスパイク9によって引き伸ばされる。それにより、網目構造の略直線的に延びる縁が達成される。
【0029】
本発明の有利な実施形態と考えられるが図面には詳しく示されていない、引き伸ばされ、最初は粗く成形されたシート構造2が、後成形のためにさらなるローラ対に供給される。このローラ対は、その表面構造が、実質的に第1ローラ対に相当するが、シート構造のスプリングバック力を補償するため、および良好な形状精度を達成するために、上ローラが2倍の数のスパイクと、したがって変更された形態とを備えていてもよい。これに加えて、それによって、後から巻き取られる際に邪魔になり得る特に膨らみを少しの圧延成形によって平滑化することが保証される。
【0030】
その際、図面に詳しく示されないが、第1ローラ対と第2ローラ対とは、下ローラのスパイク9がそれぞれすべての網目に入るように互いに方向合わせされているならば有利である。
【0031】
網目を成形するためのスパイク9は、第1ローラ対および第2ローラ対において、位置によって対称または非対称に形成される角錐形の、または先端を切った角錐形の形態を具備する。
【0032】
さらに本発明は、第2ローラ対に第3ローラ対が後置されていることを予定している。その際、
図8~
図10に示されるように、このローラ対の1つのローラ14.1は、金属線のためのガイド収容部を備えている。それによって金属線11を接続する網節結点4は、このローラ上に正確に位置決めされる。これに加えて、このローラは、もう一方のローラ14.2上に設けられた、軸方向で相互の距離を置いて配置されたディスク12によってガイド収容部に押し込まれる。さらに、ディスク12間にパンチ13が配置されており、このパンチは、網結節点4の中心に方向合わせされており、これを第1ローラ14.1の切断刃15に押し付ける。それにより網結節点4において終わり、金属線11の揉みおよび分離により残って突き出す裂け目が切り取られる。
【0033】
この場合、切断装置は、網結節点でぶつかる金属線によって具現化され、網結節点4に隣接する領域、すなわち金属線間の突き出す分離クラックが小さい半径を備えるように形成されている。そのために、工具は、切断プロセスの後に、圧縮応力発生によってなお表面の平滑化が達成されるようにさらに形成されている。
【符号の説明】
【0034】
1 帯状材料
2 網状のシート構造
3 溝
4 網結節点
5 ローラ対
5.1 スパイクローラ
5.2 押圧ローラ
6 スパイク
7 切欠部
9 スパイク
10 制御リンク機構
11 金属線
12 ディスク
13 パンチ
14 別のローラ対
14.1 1つのローラ
14.2 もう一方のローラ
15 切断刃