(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】クランプ装置及び手持ち形電動工具
(51)【国際特許分類】
B24B 45/00 20060101AFI20220701BHJP
F16B 2/06 20060101ALI20220701BHJP
F16B 35/06 20060101ALI20220701BHJP
B24B 23/02 20060101ALI20220701BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
B24B45/00 Z
F16B2/06 A
F16B35/06 A
B24B23/02
B25F5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020521581
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(86)【国際出願番号】 EP2018078225
(87)【国際公開番号】W WO2019081275
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-04-16
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブラッツ, トマス
(72)【発明者】
【氏名】グロース, カリン
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03202533(EP,A1)
【文献】西独国実用新案公開第06909435(DE,U)
【文献】特開平07-299743(JP,A)
【文献】国際公開第2008/084636(WO,A1)
【文献】実開昭49-146591(JP,U)
【文献】実開昭61-024153(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B41/00-51/00
B24B3/00-3/60
B24B21/00-39/06
B25F1/00-5/02
F16B2/00-2/26
F16B35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち形電動工具(100)のドライブスピンドル(20)と連係されたフランジ(30)においてツールディスク(300)を軸方向(AR)にクランプするためのクランプ装置(10)であって、前記ツールディスク(300)を確実にクランプするために前記ドライブスピンドル(20)の雌ねじ(22)にねじ込まれるねじ(2)を有する、クランプ装置(10)において、前記ねじ(2)は、前記クランプ装置(10)の結合モジュール(1)に取り付けられ、前記結合モジュール(1)は、周方向(UR)に結合回転するために前記ドライブスピンドル(20)と確動式に組み合わされるか又は組み合わされ得る内部輪郭(16)を有すると共に、
前記ツールディスク(300)を前記フランジ(30)に対してクランプするために、前記結合モジュール(1)によって軸方向のクランプ力を受け得る
、前記結合モジュール(1)と前記ツールディスク(300)との間に配置されるクランプ部材を
有し、前記クランプ部材はスプリングプレート(4)の形態を有している、ことを特徴とするクランプ装置(10)。
【請求項2】
前記周方向(UR)に結合回転するために前記ねじ(2)に確動式にロックされるように設計されるノブ(3)を有することを特徴とする、請求項1に記載のクランプ装置(10)。
【請求項3】
前記ねじ(2)は、転がり軸受によって前記結合モジュール(1)に取り付けられることを特徴とする、
請求項1又は2に記載のクランプ装置(10)。
【請求項4】
前記転がり軸受は、アンギュラ玉軸受(5)として設計され、前記アンギュラ玉軸受は35度~45度の接触角(BW)を有することを特徴とする、
請求項3に記載のクランプ装置(10)。
【請求項5】
エラストマーリング(6)を有し、前記エラストマーリング(6)は前記ねじ(2)の頭(2’)と前記結合モジュール(1)のカラー(11)との間に配置されることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載のクランプ装置(10)。
【請求項6】
保持リング(7)を有し、前記保持リング(7)により、前記結合モジュール(1)は、前記ねじ(2)に保持されることを特徴とする、
請求項5に記載のクランプ装置(10)。
【請求項7】
前記クランプ部材は、リテーニングリング(8)によって前記結合モジュール(1)に保持されることを特徴とする、請求項1に記載のクランプ装置(10)。
【請求項8】
止め具(9)を有し、前記止め具(9)により、前記クランプ部材の撓みは、直接的又は間接的に制限されることを特徴とする、
請求項1または7に記載のクランプ装置(10)。
【請求項9】
好ましくは切断用グラインダの形態であり、端部に雌ねじ(22)を有するドライブスピンドル(20)を有し、且つ
請求項1~8のいずれか一項に記載のクランプ装置を有する手持ち形電動工具(100)であって、前記ドライブスピンドル(20)は、前記周方向(UR)に結合回転するために前記結合モジュール(1)の前記内部輪郭(16)と確動式に組み合わされる外部輪郭(26)を有する、手持ち形電動工具(100)。
【請求項10】
回転防止セーフガード(24)により、前記周方向(UR)に結合回転するために前記ドライブスピンドル(20)に確動式に接続されるか又は接続され得る前記フランジ(30)を含む、
請求項9に記載の手持ち形電動工具(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち形電動工具のドライブスピンドルと連係されたフランジにおいてツールディスクを軸方向にクランプするためのクランプ装置に関する。クランプ装置は、ツールディスクを確実にクランプするためにドライブスピンドルの雌ねじにねじ込まれるねじを有する。
【背景技術】
【0002】
この種のクランプ装置は、従来技術から原理上知られている。対応するツールによってドライブスピンドルに固定され得る、特にツーホールナットとして設計されたクランプナットを有するクランプ装置が同様に従来技術から知られている。しかしながら、本発明は、異なる種類のクランプ装置、すなわちドライブスピンドルの端部において雌ねじにねじ込まれ得るねじを有するクランプ装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、クランプ装置が自然に解除されることを防ぎ、したがって手持ち形電動工具の動作中にツールディスクが緩むことを防ぐクランプ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的は、ねじがクランプ装置の結合モジュールに取り付けられ、結合モジュールが、周方向に結合回転するためにドライブスピンドルと確動式に組み合わされるか又は組み合わされ得る内部輪郭を有するという事実によって達成される。
【0005】
本発明によるクランプ装置は、クランプ装置の一部としての結合モジュールが結合回転のためにドライブスピンドルと確動式に組み合わされるため、手持ち形電動工具の動作中に締まったり緩んだりし得ないという利点を有する。これは、好ましくは結合回転のためにドライブスピンドルと確動式に組み合わされるフランジに対応するものとしてである。
【0006】
結合モジュールの内部輪郭が六角形の輪郭として設計される場合に有利であることがわかっている。ドライブスピンドルの対応する外部輪郭は、好ましくは、外部六角形として設計される。結合回転のために確動式に例えば確動シャフト-ハブ接続の形態でインターロックする代替的な組み合わせを使用することもできる。
【0007】
ドライブスピンドルの雌ねじは、好ましくは、端部における雌ねじである。雌ねじは、ドライブスピンドルの頭部表面に対して軸方向に後退され得る。ねじは、好ましくは、特に結合モジュールの円筒状サブセクションに対して結合モジュールを越えて軸方向に突出する。結合モジュールは、好ましくは、円筒状の設計のものである。結合モジュールは、好ましくは、ツールディスクの中央開口部を貫通して突出し得る円筒状サブセクションを有する。結合モジュールの円筒状サブセクションは、フランジの中央開口部中に突出し得る。
【0008】
好ましい実施形態では、クランプ装置は、周方向に結合回転するためにねじに確動式にロックされるように設計されるノブを有する。これにより、クランプ装置の取り扱いが特に簡単になり得る。追加の組み立て用工具、例えば組み立て用レンチを必要とせずにすむ。
【0009】
特に好ましい実施形態では、クランプ装置は、このようにツールディスクをフランジに対してクランプするために、結合モジュールによって軸方向のクランプ力を受け得るクランプ部材を有する。特に好ましくは、クランプ部材は、スプリングプレートとして設計される。スプリングプレートは、円盤状の設計のものであり得る。
【0010】
好ましい実施形態では、ねじは、転がり軸受によって結合モジュールに取り付けられる。転がり軸受を用いてクランプ要素の頭部の摩擦が低減され得るという事実に起因して、クランプ装置のクランプ力を増加させ得る。
【0011】
特に好ましくは、転がり軸受は、アンギュラ玉軸受として設計される。アンギュラ玉軸受は、好ましくは、35°~45°の接触角を有する。接触角は、40°であり得る。特にアンギュラ玉軸受では、転動体の対角圧力角に起因して、クランプ装置は、クランプする過程の終わりに向かって半径方向に割り込む。これにより、意図的でない解除に対する安全が強化される。
【0012】
クランプ装置は、スプリングプレートの形態のクランプ部材を有することが好ましく、この場合、スプリングプレートは、ツールディスクと非確動式に係合し、それにより熱膨張が補償されるため、クランプ装置は、熱へたり性の影響を受けにくくなる。
【0013】
別の実施形態では、クランプ装置は、エラストマーリングを有し、エラストマーリングは、好ましくは、ねじの頭と結合モジュールのカラーとの間に配置される。代替的に又は追加的に、クランプ装置は、保持リングを有することができ、保持リングにより、結合モジュールは、ねじに保持される。
【0014】
本発明の有利な実施形態によれば、エラストマーリングの代わりにダイヤフラムスプリングを設けることも可能である。この場合、ダイヤフラムスプリングは、ねじ頭と結合モジュールのカラーとの間のグリース溜を密閉する役割を果たし得る。さらに、ダイヤフラムスプリングは、ノブに軸方向の予圧を与えることもできる。
【0015】
別の有利な実施形態によれば、エラストマーリングの代わりに、エラストマー要素と機械的ばねとの組み合わせを使用することがさらに可能である。
【0016】
クランプ部材がリテーニングリングによって結合モジュールに保持される場合に有利であることがわかっている。
【0017】
別の好ましい実施形態では、クランプ装置は、止め具を有し、止め具により、クランプ部材の撓みは、直接的又は間接的に制限される。止め具は、好ましくは、環状のカラーとして設計され、スプリングプレートと、受け入れるツールディスクとの間に配置される。クランプする過程でツールディスクが止め具と接触すると、ばね要素の軸方向の撓みが制限される。
【0018】
同様に、上記の目的は、好ましくはグラインダ又は切断用グラインダの形態であり、好ましくは端部に雌ねじを有するドライブスピンドルを有し、且つ上記のタイプのクランプ装置を有する手持ち形電動工具によって達成される。ドライブスピンドルは、周方向に結合回転するために結合モジュールの内部輪郭と確動式に組み合わされるか又は組み合わされ得る外部輪郭を有する。
【0019】
手持ち形電動工具は、回転防止セーフガードにより、周方向に結合回転するためにドライブスピンドルに確動式に接続されるか又は接続され得るフランジを含む場合に有利であることがわかっている。
【0020】
本発明による手持ち形電動工具は、有利には、クランプ装置に関連して説明された特徴によって対応する方式で開発され得る。
【0021】
さらなる利点は、以下の図の説明から明らかになる。図には、本発明の様々な例示的な実施形態が示されている。図、説明及び特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。当業者も、好都合なさらなる組み合わせをもたらすために、適宜、特徴を個別に検討し且つそれらを組み合わせるであろう。
【0022】
図では、同一の構成要素及び同一のタイプの構成要素は、同一の参照符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】ツールディスク及び手持ち形電動工具と共に、本発明によるクランプ装置の好ましい例示的な実施形態を示す。
【
図2】前方及び後方から見た
図1のクランプ装置を示す。
【
図5】本発明によるクランプ装置の第2の例示的な実施形態を部分断面図で示す。
【
図5a】本発明によるクランプ装置の第3の例示的な実施形態を部分断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明によるクランプ装置10の好ましい例示的な実施形態を
図1に示す。クランプ装置10は、ツールディスク300を軸方向ARにクランプするために使用される。ツールディスク300は、クランプ装置10とフランジ30との間にクランプされ得、フランジ30は、手持ち形電動工具100のドライブスピンドル20と連係される。
【0025】
フランジ30は、横方向の凹部の形態の回転防止セーフガード24を有し、ドライブスピンドル20に配置されたフランジが、周方向URに結合回転するためにドライブスピンドル20に確動式に接続されることを確保する。
【0026】
図1から確認されるように、クランプ装置10は、ツールディスク300を確実にクランプするために、ドライブスピンドル20の端部における雌ねじ22にねじ込まれるねじ2を有する。本発明により提供され、ねじ2が中央に取り付けられたクランプ装置10の結合モジュール1は、初期形態でクランプ装置10の下側に既に見ることができる。本発明による内部輪郭について、
図2を参照して以下により詳細に説明する。
【0027】
図1からわかり得るように、クランプ装置10は、ノブ3を有する。ノブ3は、手動でねじ2を雌ねじ22にねじ込むために、したがってツールディスク300をクランプ装置10とフランジ30との間に軸方向にクランプするために使用される。ノブ3は、周方向URに結合回転するためにねじ2に確動式にロックされるように設計される。この目的のために、ねじ12の頭は、例えば、ノブ3の対応する六角形の内部輪郭に埋め込まれた外部六角形の輪郭を有する。ただし、六角形の輪郭の代わりに、ほぼあらゆる他の適切な輪郭を使用することもできる。
【0028】
図1の下部に見ることができるように、ドライブスピンドル20は、外部輪郭を有し、この場合、例として六角形の輪郭として設計されている。結合モジュール1の内部輪郭(ここには図示せず)は、この外部輪郭26と確動式に組み合わされ得る。結合モジュール1と外部輪郭26との間を結合回転のために確動式に組み合わせることは、クランプ装置10がクランプされると達成され、結合モジュール1は、ツールディスク300の中央開口部301を貫通して少なくとも部分的に突出する。
【0029】
【0030】
図2Aには、既に説明したノブ3が明確に示され、このノブ3には、ねじ2が、ねじの頭12により、周方向に結合回転するように確動式に埋め込まれている。同様に、クランプ装置10は、クランプ部材を有し、クランプ部材は、ここでは例として皿形のスプリングプレート4の形態である。スプリングプレート4により、実際のクランプ力がツールディスク300に加えられる。
【0031】
クランプ装置10の中央のねじ2は、
図2Bにおいて明瞭に認識できる。ねじは、クランプ装置10の結合モジュール1に取り付けられるか、又はより正確には、ねじ2は、結合モジュール1に同軸に取り付けられる。結合モジュール1の円筒状サブセクション13が明瞭に認識でき、円筒状サブセクション13は、ツールディスク300(
図1を参照されたい)がクランプされると、ツールディスク300の中央開口部301を少なくとも部分的に貫通して延びる。
【0032】
本発明によれば、結合モジュール1は、内部輪郭16を有し、内部輪郭16は、周方向UR(
図1を参照されたい)に結合回転するためにドライブスピンドル20と確動式に組み合わされ得る。図示の好ましい実施形態によれば、内部輪郭16は、六角形の輪郭として設計される。
【0033】
次に、
図3は、上記の図のクランプ装置10の好ましい例示的な実施形態を分解図で示す。
図3の上部に見えているのは、ねじ頭12を備えたねじ2であり、ねじ頭12は、例として外部六角形の輪郭を有する。下部に見えているのは、ねじ2のねじ山14であり、ねじ2は、雌ねじにねじ込まれる(
図1の雌ねじ22を参照されたい)。ねじ2は、転がり軸受、好ましくはアンギュラ玉軸受5によって結合モジュール1に取り付けられる。
【0034】
ノブ3の下に示されているエラストマーリング6は、とりわけ、ねじ頭12の外部輪郭をノブ3の対応する内部輪郭内に保持するために使用される。これは、特に
図4から明らかである。エラストマーリング6の下に見えているのは、結合モジュール1であり、結合モジュール1は、既に説明した円筒状サブセクション13及び六角形の設計の内部輪郭16の他にカラー11も有する。カラー11は、ノブ3及びねじ2を介して加えられたクランプ力をスプリングプレート4に伝達するために設計され、設けられている。
【0035】
結合モジュール1は、周方向URに結合回転するために、組み立てられた状態で組み合わされるスプリングプレート4と確動式に組み合わされ得る。これは、好ましくは、すべての例示的な実施形態に適用される。この目的のために、結合モジュール1は、結合モジュール1のカラー11の下に、スプリングプレート4の内部輪郭に対応するモジュール輪郭19を有する。例として、モジュール輪郭19は、外部正方形として設計される。結合モジュール1の下に見えているのは、保持リング7であり、保持リング7により、結合モジュール1がねじ2に保持される。
【0036】
ここではスプリングプレート4の形態であるクランプ部材は、リテーニングリング8によって結合モジュール1に保持される。ここで、
図4を参照して、本発明によるクランプ装置10の機能をより詳細に説明する。
【0037】
まず、フランジ30(
図1を参照されたい)が手持ち形電動工具100のドライブスピンドル20に配置され得る。フランジ30は、回転防止セーフガード24により、周方向URに結合回転するためにドライブスピンドル20に確動式に接続される。次に、切断用ディスク300が挿入される。クランプ要素10を用いると、まず内部輪郭16(この場合には内部六角形)が結合回転のためにドライブスピンドル20の外部輪郭26と確動式に係合する。これは、好ましくは、ねじ2のねじ山14がドライブスピンドル20の雌ねじ22に入る前に行われる。
【0038】
クランプ装置10がねじ込まれると、手動の力が、例としてノブ3として設計されている動作要素を介してねじ2に伝達される。これは、ねじ2の頭12が周方向に結合回転するためにノブ3に確動式に埋め込まれているという事実によって確保される。遅くともスプリングプレート4がツールディスク300に載ったとき、ねじ2の頭12は、スプリングプレート4の撓みの終わりで半径方向にクランプされるまで、アンギュラ玉軸受5を介して結合モジュール1に対して摺動する。結果として、ねじ2の頭12と結合モジュール1との間に軸方向及び半径方向の両方のクランプがなされ、特に、半径方向のクランプは、より大きい保持効果をもたらす。半径方向のクランプは、好ましくは設けられる転がり軸受が、例として40°の接触角BW(
図5も参照されたい)を有するアンギュラ玉軸受5として設計されているという事実によって達成される。これにより、ねじ頭2での頭部摩擦が増加し、クランプ装置10が意図せずに解除されることが回避される。
【0039】
一方では、結合モジュール1とねじ2の頭12との間に置かれるエラストマーリング6は、ノブ3の一部をねじ頭12に対して押し付ける。それは、これにより、転動体の空間からの潤滑剤のいかなる漏れも防ぐ役割を果たす。他方では、エラストマーリング6は、保持リング7と併せて、ねじ2に対して結合モジュール1を保持する。スプリングプレート4の下に示されているリテーニングリング8は、結合モジュール1でクランププレート4を保持する役割を果たす。
【0040】
図4からわかり得るように、軸方向ARのクランプ力は、結合モジュール1のカラー11を介してスプリングプレート4に伝達され、スプリングプレート4からツールディスク300に伝達される。周方向URに対して、スプリングプレート4と結合モジュール1とは、結合回転のために互いに確動式に結合される。
【0041】
最後に、
図5は、本発明によるクランプ装置10の別の好ましい例示的な実施形態を示す。ここでも、(例として)40°の接触角BWを有するアンギュラ玉軸受5の形態の転がり軸受が結合モジュール1とねじ2との間に設けられる。
図4を参照して説明した例示的な実施形態とは対照的に、
図5の例示的な実施形態は、ここではスプリングプレート4として設計されているクランプ部材の撓みを制限し得る止め具9を有する。
【0042】
本発明によるクランプ装置10の別の好ましい例示的な実施形態を
図5aに示す。ここでも、(例として)40°の接触角BWを有するアンギュラ玉軸受5の形態の転がり軸受が結合モジュール1とねじ2との間に設けられる。
図4を参照して説明した例示的な実施形態とは対照的に、密閉し且つノブ3に予圧を与えるために、エラストマーリング6の代わりにダイヤフラムスプリング6aが設けられる。
図5aからわかり得るように、ここで、ダイヤフラムスプリング6aは、ノブ3の下側と結合モジュール11のカラーの上側との間に配置され、その結果、ダイヤフラムスプリング6aのばね力がノブ3の下側及び結合モジュール11のカラーの上側に作用する。このように配置されたダイヤフラムスプリング6aは、とりわけ、ねじ頭12の外部輪郭をノブ3の対応する内部輪郭内に保持するために使用される。
【符号の説明】
【0043】
1 結合モジュール
2 ねじ
3 ノブ
4 スプリングプレート
5 アンギュラ玉軸受
6 エラストマーリング
6a ダイヤフラムスプリング
7 保持リング
8 リテーニングリング
9 止め具
10 クランプ装置
11 結合モジュールのカラー
12 ねじの頭
13 円筒状サブセクション
14 ねじ山
16 内部輪郭
19 モジュール輪郭
20 ドライブスピンドル
22 雌ねじ
24 回転防止セーフガード
26 外部輪郭
30 フランジ
100 手持ち形電動工具
300 ツールディスク
301 中央貫通開口部
AR 軸方向
BW 接触角
UR 周方向