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特許7097977一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法
<図1>
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図1
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図2
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図3
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図4
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図5
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図6
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図7
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図8
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図8A
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図8B
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図9
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図9A
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図9B
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図10
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図11
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図12
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図13
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図14
  • 特許-一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法 図15
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】一体型のスコアリング要素を有するバルーンおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20220701BHJP
【FI】
A61M25/10 510
A61M25/10 502
A61M25/10 550
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020536776
(86)(22)【出願日】2018-01-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2018012196
(87)【国際公開番号】W WO2019135741
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】ローナン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ジャイルズ,キーラン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0328440(US,A1)
【文献】特表2014-506140(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0261549(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0060127(US,A1)
【文献】特表2011-513031(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0264185(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0083821(US,A1)
【文献】特表2015-514450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用バルーンを製造する方法であって、
細長いスコアリング要素を有する前記医療用バルーンを形成するステップを含み、前記細長いスコアリング要素は、前記医療用バルーンの外面から突出し、前記スコアリング要素に形状が対応する溝を含むモールドキャビティ内に管状パリソンを拡張させることによって、少なくとも胴部に沿って長手方向に延在し、前記管状パリソンは、一定の外径を有し、表面突起がなく、
前記形成するステップは、前記溝を螺旋状に延在する溝として構成することにより前記スコアリング要素を形成することを含む、または、
前記形成するステップは、前記溝が長手方向に沿って徐々に深くまたは広くなるように構成することにより前記スコアリング要素を形成することを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記形成するステップは、前記医療用バルーンの前記胴部および少なくとも1つの端部に沿って前記スコアリング要素を形成することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記形成するステップは、前記スコアリング要素を単一のスコアリング要素として形成することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記形成するステップは、前記スコアリング要素を単一の長手方向に延在するスコアリング要素として形成することを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記形成するステップは、複数のスコアリング要素を形成することを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
線形の溝は、V字型のプロファイルを有する前記スコアリング要素を形成するために反転したV字型の輪郭を有する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
モールドキャビティに前記溝を形成することを更に含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記形成するステップは、前記管状パリソンの内部に圧力下で流体を与えることを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記形成するステップは、前記モールドキャビティに関連付けられたモールド部を加熱することを含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記形成するステップは、前記医療用バルーンをカテーテル軸に取り付けることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、血管内治療を提供するためのデバイス、特に、スコアリングバルーンおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]バルーン拡張カテーテルは、血管内の病変を治療するために用いられる。しかしながら、蛇行した解剖学的構造を進み、非常に狭い病変を安全に横断する際に困難に直面する。更に、いくつかの病変は、バルーンのみを用いて拡張させるのが困難であり、安全な膨張圧力で病変を拡張させるために集中した力を要する。
【0003】
[0003]Solar他に対する米国特許第6,394,995号は、バルーンに取り付けられたスコアリングワイヤを用いて、病変を治療するための大きい力を提供するのに用いられるシステムを開示している。通常、スコアリングワイヤは、カテーテル軸内の別個のルーメンを通じて延在する。スコアリングワイヤは、製造が困難であるのみでなく、いくつかの状況において、バルーンに沿って周方向に動く場合があり、これにより、所望の集中した力を提供することがより困難になる場合がある。
【0004】
[0004]この問題を緩和するために、表面の突出部の形態で一体型のスコアリング要素を含むバルーンを提案しているものもある(例えば、米国特許出願公開第2009/0234283号)。この既知の例では、突出部は、パリソンの押し出し中に形成され、これは次にブロー成形によりバルーンに形成しなければならず、複雑な2ステッププロセスを要する。
【0005】
[0005]更に、一体型のスコアリング要素または別個のスコアリングワイヤのいずれかを用いると、与えられるスコアリング力は、バルーンの長手方向軸と位置合わせされたワイヤまたは突出部の位置に従って線形となる。これは、特定の所望の結果の観点における臨床医の必要性に依拠して、提供される治療の効果に対する制限となる可能性がある。
【0006】
[0006]したがって、パリソンにブロー成形を施してバルーンにするプロセス中に、一体型のスコアリング要素を形成可能であることが望ましく、これにより、押し出し中または後の機械的取付け中にスコアリング要素を形成することに伴う問題が回避される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]本発明の目的は、一体型のスコアリング要素を有する医療用バルーンを形成するための方法を提供することであり、この方法により、別個のスコアリングワイヤを機械的に取り付けるか、またはブロー成形されたバルーンを作成するためにスコアリング要素をパリソン内に押し出し形成するといった複雑な作業を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]本開示の第1の態様によれば、医療用バルーンを製造する方法が提供される。本方法は、スコアリング要素を有する医療用バルーンを形成することを含み、スコアリング要素は、形状がスコアリング要素に対応する溝を含むモールド(金型)キャビティ内に管状パリソンを拡張させることによって、少なくとも胴部に沿ってバルーンの外面から突出する。
【0009】
[0009]形成するステップは、バルーンの胴部および少なくとも1つの端部に沿ってスコアリング要素を形成することを含んでもよい。代替的に、形成するステップは、スコアリング要素を、単一の長手方向に延在するスコアリング要素等の単一のスコアリング要素として形成することを含んでもよい。形成するステップは、複数のスコアリング要素を形成することを含んでもよい。形成するステップは、スコアリング要素を、螺旋状に延在するスコアリング要素、周方向に延在するスコアリング要素、または上記の任意の組合せとして形成することを更に含んでもよい。
【0010】
[0010]本方法は、モールドキャビティ内に溝を形成するステップを更に含んでもよい。医療用バルーンを形成するステップは、パリソンの内部に圧力下で流体を与える(作用させる)ことも含んでもよい。形成するステップは、モールドキャビティに関連付けられたモールド部を加熱することも含んでもよい。
【0011】
[0011]本開示の更なる態様は、医療用バルーンに関する。医療用バルーンは、作動面から突出する一体型のスコアリング要素を有する作動面を含む本体を備える。一体型のスコアリング要素は、本体の周りに周方向に延在してもよい。作動面は、周方向に沿って細長い複数の一体型のスコアリング要素を含んでもよい。
【0012】
[0012]本開示のまた更なる態様は、作動面から突出する一体型のスコアリング要素を有する作動面を含む本体を備える医療用バルーンに関する。一体型のスコアリング要素は、本体の周りに螺旋状に延在する。作動面は、バルーンの周りに螺旋方向に延在する複数の一体型のスコアリング要素を含んでもよい。
【0013】
[0013]本開示は、更に、先細(テーパー状)の端部、胴部および少なくとも1つのスコアリング要素を有する医療用バルーンを形成するためのモールドに関する。モールドは、形状が医療用バルーンに対応するモールドキャビティを形成する複数のモールド部を備え、モールド部のうちの少なくとも1つは、スコアリング要素に対応する空洞内の溝を含む。溝は空洞に沿って長手方向に、空洞の周りに周方向に、または空洞に沿って螺旋状に延在してもよい。
【0014】
[0014]本発明の上記の利点および更なる利点は、以下の説明を添付の図面と併せて参照することによって、より良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[0015]バルーンを有する部分カテーテルの斜視図である。
図2】[0016]図1の線2-2に沿って見た断面図である。
図3】[0017]バルーンカテーテルの上面斜視図である。
図4】[0018]バルーンカテーテルの側面図である。
図5】[0019]医療用バルーンを形成するための管状パリソンの斜視図である。
図6】[0020]医療用バルーンを形成するためのモールドの側面断面図である。
図7】[0021]図6に従って形成された医療用バルーンの斜視図である。
図8】[0022]図8は、バルーンの胴部に関連付けられた作動面に沿った、複数の長手方向に延在するスコアリング要素を有する医療用バルーンを形成するためのモールドの側面断面図である。 [0023]図8aは、一体型のスコアリング要素を有するバルーンを形成するための1つのモールド部の断面図である。図8bは、一体型のスコアリング要素を有するバルーンを形成するための1つのモールド部の断面図である。
図9】[0024]図9は、図8に従って形成された医療用バルーンの斜視図である。 [0025]図9aは、異なる形状の一体型のスコアリング要素を有するバルーンの部分的に切り取られた部分断面図である。図9bは、異なる形状の一体型のスコアリング要素を有するバルーンの部分的に切り取られた部分断面図である。
図10】[0026]バルーンの胴部に関連付けられた作動面に沿った、かつバルーンの先細の端部に沿った、複数の長手方向に延在するスコアリング要素を有する医療用バルーンを形成するためのモールドの側面断面図である。
図11】[0027]図10に従って形成された医療用バルーンの斜視図である。
図12】[0028]バルーンの胴部に関連付けられた作動面に沿った複数の螺旋状に延在するスコアリング要素を有する医療用バルーンを形成するためのモールド部の平面図である。
図13】[0029]図12に従って形成された医療用バルーンの側面図である。
図14】[0030]バルーンの胴部に関連付けられた作動面に沿った、複数の周方向に延在するスコアリング要素を有する医療用バルーンを形成するためのモールド部の平面図である。
図15】[0031]図14に従って形成された医療用バルーンの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0032]図面は、必ずしも比例的にまたは縮尺通りに描かれていない。例えば、要素の一部の寸法が、明確にするために他の要素より誇張されている場合があるか、または、いくつかの物理的構成要素が、1つの機能ブロックもしくは要素内に含まれている場合がある。更に、対応する要素または類似の要素を示すために、参照番号が複数の図の中で繰り返されることがある。
【0017】
[0033]以下の詳細な説明では、開示された概念の完全な理解を可能にするために、数多くの特定の詳細が記載される。当業者は、開示される本発明をこれらの特定の詳細なしで実施できることを知るであろう。他の場合、周知の方法、手順、構成要素または構造は、本発明を分かりにくくしないために、詳細には説明されていない。
【0018】
[0034]図面に関連して以下で行われる説明は、特に明記しない限り、全ての実施形態に当てはまり、各実施形態に共通した特徴は、同様に図示され、同様の参照番号が付される。
【0019】
[0035]最初に図1図2図3および図4を参照すると、通常の血管内カテーテル10が示され、この血管内カテーテル10は、バルーン12を有する遠位部分11を含み、このバルーン12がカテーテルチューブ14に取り付けられ、このカテーテルチューブ14は、例えば、細長い管状体であり、このような細長い管状体は、バルーンを選択的に膨張させる際に用いるための流体を受けるための少なくとも1つの開口端を有する。バルーン12は本体を有し、この本体は中間部16及び端部18、20を備え、中間体16は、作動面Wを有する「胴」である。1つの可能な実施形態において、端部18、20は、中間部16をカテーテルチューブ14につなぐために、縮径するかまたは先細になる(このため、端部18、20は一般的に、円錐または円錐部と呼ばれる)。バルーン12は端部18、20におけるバルーン端(近位端15aおよび遠位端15b)において封止され、バルーン12が1つまたは複数の膨張ルーメン17を介して膨張できるようになっている。この1つまたは複数の膨張ルーメン17はカテーテルチューブ14内を延在し、バルーン12の内部と連通する。
【0020】
[0036]カテーテルチューブ14は、ガイドワイヤルーメン23を形成する細長い管状シャフト24も含み、ガイドワイヤルーメン23は、カテーテル10を通してガイドワイヤ26を導くようになっている。図3に示すように、このガイドワイヤ26は、ハブ27等のコネクタの第1のポート25を通じて、ルーメン23内に挿入され、「オーバーザワイヤ」(OTW)配置を達成することができるが、「高速交換」構成で設けられてもよい。高速交換構成では、ガイドワイヤ26は、遠位端により近い横方向の開口部14aを通ってルーメンに入る(図4を参照)。第2のポート29が、流体(例えば、生理食塩水、造影剤または双方)を、膨張ルーメン17を介してバルーン12内部に導入するためにコネクタ(例えば、ハブ27)等によってカテーテル10に関連付けられてもよい。
【0021】
[0037]図5図6および図7から、バルーン12が、ブロー成形プロセス中に別個のコンポーネントとして形成されてもよいことを理解することができる。この場合、パリソンは通常、管状構造またはチューブ50の形態をとる。このため、チューブ50は、一定の外径を有し、このため、例示される実施形態において表面突起がない。チューブ50は拡張ポリマー材料から形成されてもよく、この拡張ポリマー材料は、熱および(矢印Pによって示すように、チューブ50内に通される流体を介して供給することができる)圧力の下で別個のモールド部56、58から構成されるモールド54のモールドキャビティ内で拡張され、上記の形状を有するバルーンを形成するようになっている。図6および図7を比較することによって理解することができるように、これにより、モールドキャビティ52の形状は、結果として得られるバルーン12の形状および外面特性を決定する。これは、(端部15a、15bをトリミングすることによって調整され得る)バルーン12の長さ全体Lに対する作動面Wの長さを含む。
【0022】
[0038]本開示の1つの態様によれば、図8および図9を更に参照すると、バルーン12には、1つまたは複数の一体型のスコアリング要素60を設けることができる(例示のために3つが示されているが、1よりも大きい任意の数が設けられてもよい)。「スコアリング要素」とは、一般的に、血管内の病変等のものを切断するように適合された構造であり、この構造は、細い周縁の形態をとり、このため作動面Wから突出し、このためバルーンの公称直径Dの部分的増大を示す場合がある。これは、溝52a、52b(2つが示されるが、1つまたは3つ以上が設けられてもよい)を有する1つまたは複数のモールド部56、58を設けることによって達成することができ、溝内に、ブロー成形プロセスの結果としてチューブ50の一部が拡張することができる(ただし、溝内に延在しないチューブの残りの部分は当然、バルーンの外面を形成し、この外面からスコアリング要素が突出して、バルーンが拡張すると治療効果を与える)。単数または複数の溝52a、52bは、モールド部56、58の材料内に形成された細長く狭い線形の溝の形態をとってもよく、それらのモールド部56、58自体が成形により、または形成された対応する部分からの材料除去により形成されてもよい。
【0023】
[0039]図9から理解することができるように、この技法により、スコアリング要素60にはバルーン12の作動面Wにおいてモールドキャビティ52に対応した形状が設けられ、また、モールドキャビティ52において設けられる複数の溝にそれらの数および位置が対応するスコアリング要素60になる。バルーン12は、形成されると、当然ながらモールド54から除去され、図1図4のうちの任意のもののカテーテルとして用いるために、チューブ14等のシャフトに固定され得る。
【0024】
[0040]1つのモールドの半分または部分56(他方は同一であり得るが反転している)を示す図8aおよび図8bから理解することができるように、各溝52a、52bの外方端は、モールドキャビティ52内に拡張したときにパリソン材料と係合するための当接面を設けるように径方向において閉じられ、それによってバルーン12の壁28に形成されるスコアリング要素60の形状を画定する。この端部は、輪郭を形成され、一体型のスコアリング要素60の所望の形状に応じて様々な形状を有することができる。例えば、図8aに示すように、各溝52a、52bは、図9aに示すような丸い輪郭を有するスコアリング要素60を形成するための湾曲した輪郭を有することができる。代替的に、図9aに示すように、各溝52a、52bの閉じた端部は、図9bに示すようなV字型の輪郭を有するスコアリング要素を形成するために反転したV字型の輪郭を有することができる。
【0025】
[0041]各溝52a、52bの相対的高さH(すなわち、開放端から閉鎖端までの距離)も、スコアリング要素60の所望の高さに応じて変えることができる。例として、高さは、約1000分の1インチ~約100分の1インチ(0.0254~0.254mm)の範囲をとることができる。この結果、材料の厚みを考慮に入れると、形成されたスコアリング要素60の高さhが僅かに小さめになるが、公差を除けば同じような範囲の寸法となる。相対的に、各スコアリング要素60の高さhは、バルーン12の壁28の厚み全体の約2%とすることができる(すなわち、スコアリング要素の高さが0.0254mmである場合、バルーン壁の厚みは約1.27mmとなる)。
【0026】
[0042]図9は、作動面W(およびその全範囲)のみに沿って延在するスコアリング要素60を示すが、他の構成も可能であることを理解することができる。例えば、図10および図11に示すように、溝52a、52bは、バルーン12の胴部16、および先細のまたは円錐形の端部18、20に沿って設けられてもよい。これは、単に、モールドキャビティ52の対応する部分に沿って溝52a、52bを設けることによって達成される。同様に、スコアリング要素は、単に所望の位置決めに従って溝52a、52bを形成することによって、作動面Wの全体ではなく1つの部分に沿って延在することができる。
【0027】
[0043]スコアリングバルーン12の上記の実施形態は、線形スコアリング要素60を有するが、理解することができるように、より複雑な形状を設けることもできる。例えば、図12および図13に示すように、モールド部56には、バルーン12の作動面W上に非線形スコアリング要素62を形成する溝52aが設けられてもよい。溝52aは、図示すように単一または二重の螺旋とすることができ、バルーン表面に対する所望の変更に応じて、複数のモールド部56、58においてまたは1つのみで設けられてもよい。更に、全体的に対称的な構成が示されているが、モールドキャビティ52の異なる部分において異なるパターンにしてもよい。
【0028】
[0044]図14および図15は更に別の例であり、溝52a...52nが、モールド部56(他のモールド部(図示せず)は構造が同一であるかまたは異なる)によって形成されるモールドキャビティ52の周りを概ね円周方向に延在する。結果として得られるバルーン12は、複数の周方向に配置されたスコアリング要素64を有する。設けられるスコアリング要素64の数は、当然ながら、モールドキャビティ52において設けられる溝52aの数に依拠する。溝52a...52nは、バルーン12の所望の形状に依拠して、近接して並置されてもよく、または離間されてもよい。
【0029】
[0045]更に、長手方向に沿って徐々に大きく(深くまたは広く)なる溝52a...52nを設けることが可能である。これにより、或る部分(例えば、中央)において他の部分(端部)よりも著しいスコアリング効果を有するバルーンを作成することができ、このため、より標的を絞った効果的な治療計画を可能にすることができる。これとは逆の構成にすることも同様に可能である。すなわち、溝52a...52nが端部から中央に向かって(深さまたは幅が)小さくなるようにすることもできる。バルーンの全てまたは任意の部分(すなわち、作動面上のみ)にわたって延在する周方向の溝を設けることも可能である。
【0030】
[0046]理解することができるように、上記の技法を用いると、バルーンの異なる部分またはセクションに沿って、異なる方向に延在する、複数の異なる形状およびサイズのスコアリング要素を有する単一のバルーンを設けることが可能であり得る。これは、医療用バルーンに対しスコアリング要素を設けるための既知の手法による一般的な機械的ワイヤまたは押出パリソンを用いては可能であるとは考えられていない。
【0031】
[0047]開示された方法を用いて形成されるバルーン12は、(パリソンとして多層チューブを用いること等により)単層または多層バルーン壁28を含むことができ、そのような単層または多層バルーン壁28はポリアミド(特にナイロン)等のポリマーから形成することができる。バルーン12は、バルーンが膨張されるときに1つまたは複数の方向においてそのサイズおよび形状を維持するバルーン壁28を有するノンコンプライアント(non-compliant)・バルーンであってもよい。そのようなバルーン12は、膨張中および膨張後に一定のままである所定の表面エリアも有し、所定の長さおよび所定の円周も有し、そのような所定の長さおよび所定の円周が、それぞれまたは共に、膨張中または膨張後に一定のままである。しかしながら、バルーン12は、特定の使用によっては、代わりに、セミコンプライアント(semi-compliant)またはコンプライアントであってもよい。カテーテル10はまた、様々な治療との関係で、ステント、ステントグラフト、スコアリングバルーン等を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
[0048]モールド54は金属材料から形成され得る。材料は、良好な熱伝達特性を有することができ、空洞内に1つまたは複数の溝52aを形成するように機械加工に対し容易に適応可能である。真鍮は、モールド54が製造され得る材料の例であり、結果としてバルーン形成の観点から予期される良好な結果が達成される。
【0033】
[0049]単数の文法的形態:「a」、「an」および「the」で記載された以下の用語のそれぞれは、本明細書で用いられるとき、「少なくとも1つ」、または「1つまたは複数」を意味する。本明細書における語句「1つまたは複数」を使用することは、「a」、「an」および「the」のこの意図する意味を変えるものではない。したがって本明細書で用いられる用語「a」、「an」および「the」はまた、本明細書に他に具体的に定義もしくは言及されない限り、または他に文脈により明確に指示されない限り、複数の言及されたものまたは対象を指し、それらを包含することができる。例えば、本明細書で用いられる語句「ユニット」、「デバイス」、「アセンブリ」、「メカニズム」、「コンポーネント」、「要素」、および「ステップまたは手順」もまた、それぞれ複数のユニット、複数のデバイス、複数のアセンブリ、複数のメカニズム、複数のコンポーネント、複数の要素、および複数のステップまたは手順を指し、それらを包含することができる。
【0034】
[0050]以下の用語「含む」、「有する」、「備える」およびそれらの言語的/文法的変形、派生語、または/および活用の各々は、本明細書で用いられるとき、「含むがそれらに限定されないこと」を意味し、言及されたコンポーネント、特徴、特性、パラメータ、整数、またはステップを指定するものと捉えられるべきであり、1つまたは複数の追加的特徴、特性、パラメータ、整数、ステップ、またはそれらの群の追加を排除するものではない。これらの用語のそれぞれは、語句「本質的に~からなる」の意味と同一とみなされる。語句「~からなっている」および「~からなる」の各々は、本明細書で用いられるとき、「~を含んでおり~に限定される」を意味する。語句「本質的に~からなる」は、開示される本発明の例示的な実施形態の全体もしくは一部である、または/および開示される本発明の例示的な実施形態を実施するために用いられる、言及されたものまたは事項(システム、システムユニット、システムサブユニット、デバイス、アセンブリ、サブアセンブリ、メカニズム、構造、コンポーネント、要素、または周辺機器、ユーティリティ、付属部品、または材料、方法もしくは工程、ステップもしくは手順、サブステップもしくは部分的手順)が、システムユニット、システムサブユニット、デバイス、アセンブリ、サブアセンブリ、メカニズム、構造、コンポーネント、または要素、または周辺機器、ユーティリティ、付属部品、または材料、ステップもしくは手順、サブステップもしくは部分的手順という少なくとも1つの追加的特徴または特性を含むことができるが、ただし、そのような追加的特徴または特性のそれぞれが、請求される事項の基本的で新規かつ発明的な特性または特別な技術的特徴を実質的に改変しない場合に限ることを意味する。
【0035】
[0051]用語「方法」は、本明細書で用いられるとき、限定ではないが、開示された発明の関連分野の実践者に知られている、または該実践者によって既知のステップ、手順、手法、手段、または/および技法から即座に開発される、それらのステップ、手順、手法、手段、または/および技法を含む、所与の職務を遂行するためのステップ、手順、手法、手段、または/および技法を指す。
【0036】
[0052]用語「約」、「実質的に」、「概ね」等の概算の用語は、本明細書で用いられるとき、言及された数値の±10%を指す。
[0053]明瞭にするために、複数の別個の実施形態の文脈または形式で例示的に記載および表現された本発明の特定の態様、特性および特徴もまた、単一の実施形態の文脈または形式における任意の適切な組合せまたは部分的組合せで例示的に記載および表現され得ることが、全て理解されなければならない。反対に、単一の実施形態の文脈または形式における組合せまたは部分的組合せで例示的に記載および表現された本発明の様々な態様、特性および特徴もまた、複数の別個の実施形態の文脈または形式で例示的に記載および表現され得る。
【0037】
[0054]本発明を、その具体的な例示的実施形態によって例示的に説明および提示したが、その多くの改変、修正または/および変更が当業者に明白になることは、明らかである。したがって、そのような改変、修正または/および変更の全てが添付の特許請求の範囲の広い範囲の趣旨内にあり、この範囲に包含されることが意図される。
【0038】
[0055]以下の事項も本発明に属する。
1.医療用バルーンを製造する方法であって、
スコアリング要素を有する医療用バルーンを形成するステップを含み、スコアリング要素は、形状がスコアリング要素に対応する溝を含むモールドキャビティ内に管状パリソンを拡張させることによって、少なくとも胴部に沿ってバルーンの外面から突出する、方法。
【0039】
2.形成するステップは、医療用バルーンの胴部および少なくとも1つの端部に沿ってスコアリング要素を形成することを含む、事項1に記載の方法。
3.形成するステップは、スコアリング要素を単一のスコアリング要素として形成することを含む、事項1または2に記載の方法。
【0040】
4.形成するステップは、スコアリング要素を単一の長手方向に延在するスコアリング要素として形成することを含む、事項3に記載の方法。
5.形成するステップは、複数のスコアリング要素を形成することを含む、事項1および2に記載の方法。
【0041】
6.形成するステップは、スコアリング要素を螺旋状に延在するスコアリング要素として形成することを含む、事項1~5のいずれかに記載の方法。
7.形成するステップは、スコアリング要素を、周方向に延在するスコアリング要素として形成することを含む、事項1~6のいずれかに記載の方法。
【0042】
8.モールドキャビティ内に溝を形成するステップを更に含む、事項1~7のいずれかに記載の方法。
9.形成するステップは、管状パリソンの内部に圧力下で流体を与えることを含む、事項1~8のいずれかに記載の方法。
【0043】
10.形成するステップは、モールドキャビティに関連付けられたモールド部を加熱することを含む、事項1~9のいずれかに記載の方法。
11.形成するステップは、医療用バルーンをカテーテル軸に取り付けることを含む、事項1~10のいずれかに記載の方法。
【0044】
12.事項1~11のいずれかに記載の方法によって形成される医療用バルーン。
13.作動面から突出する一体型のスコアリング要素を有する作動面を含む膨張可能な本体を備え、一体型のスコアリング要素は、膨張可能な本体の周りに周方向に、長手方向に、および/または螺旋状に延在する、医療用バルーン。
【0045】
14.作動面は、周方向において細長い、および/または医療用バルーンの周りを螺旋状に延在する、および/または長手方向に延在する、複数の一体型のスコアリング要素を含む、事項13に記載の医療用バルーン。
【0046】
15.作動面に単一のスコアリング要素が設けられる、事項13に記載の医療用バルーン。
16.バルーンは2つの端部を含み、作動面は端部間にあり、医療用バルーンの端部のうちの少なくとも一方はスコアリング要素を含む、事項13、14または15に記載の医療用バルーン。
【0047】
17.先細の端部、胴部および少なくとも1つのスコアリング要素を有する医療用バルーンを形成するためのモールドであって、
形状が医療用バルーンに対応するモールドキャビティを形成する複数のモールド部を備え、モールド部のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのスコアリング要素に対応する形状の溝を有する、モールド。
【0048】
18.溝は、少なくとも1つのモールド部に沿って長手方向に延在する、事項17に記載のモールド。
19.溝は、少なくとも1つのモールド部の周りに周方向に延在する、事項17または18に記載のモールド。
【0049】
20.溝は、少なくとも1つのモールド部に沿って螺旋状に延在する、事項17、18または19に記載のモールド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A
図8B
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図9A
図9B
図10
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