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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】水高圧噴射発電システム
(51)【国際特許分類】
   F03B 17/02 20060101AFI20220701BHJP
   H02J 15/00 20060101ALI20220701BHJP
   F03B 7/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
F03B17/02
H02J15/00 C
F03B7/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020544711
(86)(22)【出願日】2017-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 KR2017012532
(87)【国際公開番号】W WO2019093531
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】520154586
【氏名又は名称】チェ ジヨン
【氏名又は名称原語表記】CHOI,Ji Yeon
【住所又は居所原語表記】(Samcheonli Apts.,Oryu-dong)#104-404,75,Gyeongin-ro 8-gill Guro-gu Seoul 08357 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジヨン
【審査官】大屋 静男
(56)【参考文献】
【文献】特許第5567200(JP,B1)
【文献】特開昭63-032165(JP,A)
【文献】特開2008-255893(JP,A)
【文献】米国特許第04443707(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0003791(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0110714(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 7/00、17/02
H02J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電システムであって、
水を貯蔵する上部貯水槽と、
前記上部貯水槽から落下した水を貯蔵する下部貯水槽と、
前記上部貯水槽から落下する水を加圧して噴出させる圧力チャンバと、
前記噴出された水により回転する水車及び蓄電器によって駆動されるように形成される発電機と、
部からピット室の流入ラインを介して流入する水を前記下部貯水槽に供給するバイパスラインと、
前記バイパスラインを介して前記下部貯水槽へ供給される水用いて電力を生産して前記蓄電器を充電させる予備発電設備と、
前記蓄電器によって駆動され、前記下部貯水槽の水を前記上部貯水槽にポンピングするように形成されるポンプと、を含み、
前記発電機は、
生産された電力をシステムの内部装置に供給する内部電力発電機と、
生産された電力をシステムの外部に供給する外部電力発電機と、を含むことを特徴とする、発電システム。
【請求項2】
前記発電機は、
前記蓄電器から電力が供給されて駆動される回転モータと、
前記回転モータ及び前記水車によって駆動されるように形成され、前記内部電力発電機及び外部電力発電機の回転軸と噛み合って回転する出力軸とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記回転モータは、前記出力軸が一定の回転速度以下であるときに駆動されるように形成されることを特徴とする、請求項2に記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所及び産業体の地下ピット室に流入する水を浄化して川や河川に捨てられる水を上部槽に受け、水車の回転に必要な動力源として使用し、余分の水を蓄電池の充電の動力として使用する水高圧噴射発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近になって、世界的な異常気象により夏季と冬季の電力消費が急増することによって、電力の生産及び確保が非常に重要な問題として浮上しており、これにより、各国では、安定した電力確保の面で電気供給所の建設が進められている。
【0003】
しかし、原子力発電は、安全に対する危険性を有しており、石炭や石油を用いた火力発電には、環境汚染の規制強化に対する充足が要求され、ダムを用いた水力電気の供給には、大規模な環境破壊による対応策が要求されている。何よりも、原子力発電、火力発電、水力発電は、その規模が大きく、建設期間が非常に長いため、当座の電力要求の需要に合わせるのには当然困難が伴う。
【0004】
また、現在運用中の揚水電気供給所は、電力生産コストにおいて競争力が劣り、建設時に莫大な建設コストと環境破壊の要因となり、これにより、当座の電力要求に合わせられる小規模の電気供給設備の必要性と利用性が大きく増加している傾向にある。
【0005】
通常、小規模の電気供給設備は、電気を多く消耗する産業施設の周辺に直接設置されることによって、原子力発電、火力発電、水力発電、揚水発電のような大規模な電力基盤施設が要求されず、特に、原子力発電所、火力発電所、水力発電所、揚水発電所が建設される前に当座の電力要求に合わせることができるようになる。
【0006】
このような小規模の電気供給設備として揚水電気供給システムがある。通常、揚水電気供給システムは、貯水池や川から水をポンピングし、ポンピングされた水を水車に落差を用いることによって電気が生産される方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0003791号(2012年01月11日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、発電所及び産業体から捨てられるピットの水をリサイクルして生産された電力を、システムの駆動のための自体電力として活用できる発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達成するために、本発明の一実施例に係る発電システムは、水を貯蔵する上部貯水槽と、前記上部貯水槽から落下した水を貯蔵する下部貯水槽と、前記上部貯水槽から落下する水を加圧して噴出させる圧力チャンバと、前記噴出された水により回転する水車及び蓄電器によって駆動されるように形成される発電機と、前記上部貯水槽からバイパスされる水及び外部から供給される水を用いて電力を生産して前記蓄電器を充電させる予備発電設備と、前記蓄電器によって駆動され、前記下部貯水槽の水を前記上部貯水槽にポンピングするように形成されるポンプとを含み、前記発電機は、生産された電力をシステムの内部装置に供給する内部電力発電機と、生産された電力をシステムの外部に供給する外部電力発電機とを含む。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記発電機は、前記蓄電器から電力が供給されて駆動される超回転モータと、前記超回転モータ及び前記水車によって駆動されるように形成され、前記内部電力発電機及び外部電力発電機の回転軸と噛み合って回転する出力軸と、を含む。
【0011】
本発明の他の一実施例によれば、前記超回転モータは、前記出力軸が一定の回転速度以下であるときに駆動されるように形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発電所及び産業体の地下ピットの捨てられる水をポンピングして上部貯水槽に流入させる設備と、上部貯水槽の水量が最大となるときにバイパスを切り替えて発電設備の動力源として使用する設備とを備えることで、システムから生産された余分の電気を再起動電源として使用することができる。
【0013】
また、安価な深夜電気で水をポンピングして、一定量の水が持続的に循環する滝としての美観を有するようにし、これを通じて蓄電器を充電して内部の電源供給源として使用することができる。
【0014】
また、本発明によれば、一部の発電機から出力される電気は、水車の回転速度制御ポンプなどのシステム内部装置の電源として使用され、他の一部の発電機から出力される電気は、外部電力供給器を介して外部にも提供することができる。これを通じて、発電システムの効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る水高圧噴射発電システムの概念図である。
図2】本発明に係る水高圧噴射発電システムの超回転モータ、ローダー、及びギヤに関する細部構成図である。
図3】本発明に係る水高圧噴射発電システムの速度制御ポンプ、水車、貯水槽、及び水中ポンプに関する細部構成図である。
図4】本発明に係る水高圧噴射発電システムの電気供給器に関する細部構成図である。
図5】本発明に係る水高圧噴射発電システムの初期のスタートアップ電気供給を説明する概念図である。
図6】本発明に係る水高圧噴射発電システムの揚水電気供給方法を説明する概念図である。
図7】本発明の一実施例に係る水高圧噴射発電システムの駆動メカニズムを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を添付の例示図面を参照して詳細に説明し、このような実施例は一例であって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0017】
図1は、本実施例に係る水高圧噴射発電システムの構成を示す。
【0018】
以下で、水高圧噴射発電システムの一実施例は、図示のように、1水車4起動発電機の発電システムで構成され得る。しかし、これは、本発明の一実施例に該当するだけで、本発明の概念が適用される発電システムであれば、水車や発電機の数に限定されずに本発明の権利範囲に含まれ得る。
【0019】
また、以下で説明する電力や回転数の値は、本発明を容易に理解できるように一実施例を示したものに過ぎず、このような数値に本発明の権利範囲が限定されるものではない。
【0020】
図示のように、水高圧噴射発電システムには、水の循環のための電力の生産が行われるスタートアップユニット10と、スタートアップユニット10の稼動で電気の生成のための回転力が発生するトランスミッションユニット20と、高圧噴射で回転し、分離されるスタートアップユニット10の回転力を代替する水車ユニット30と、水を移送させる水移送ユニット40と、トランスミッションユニット20の回転力で電気供給が行われて生産された電力が、水高圧噴射発電システム自体の電力需要を担当すると共に、外部設備に電力供給が行われる電気供給ユニット50と、地盤に設置され、スタートアップユニット10、トランスミッションユニット20、水車ユニット30、及び電気供給ユニット50がそれぞれ装着される設備フレーム100とが含まれる。
【0021】
後述する前記水高圧噴射発電システムは、約1400Kwの電気供給容量に合わせて説明される。特に、生成された約1400Kwの電力中の約350Kwは、水高圧噴射発電システム自体の電力需要に用いられ、約1050Kwは、外部設備の稼動のための電気として供給される。
【0022】
しかし、本実施例に係る水高圧噴射発電システムは、スタートアップユニット10の回転数、水車ユニット30の水噴射圧力、水循環ユニット40の水貯蔵容量、電気供給ユニット50の電気供給器の個数に応じて、1400Kw以上の電気供給容量に設計されてもよく、このような電気供給容量の拡張は、以下の技術内容から証明される。
【0023】
前記スタートアップユニット10には、スタートアップ(Start Up)及び稼動制御のための信号の操作が行われる制御パネル10-1が接続される。特に、前記スタートアップユニット10には、モータスタータをモータの保護装置として備えた超回転モータ11が使用され、前記超回転モータ11(Static Frequence Control Motor)は、徐々に回転数が増加した後、約1,750rpmまで上昇する。本実施例において、前記制御パネル10-1には、オン/オフ(On/Off)用パワースイッチ、稼動状態表示用モニタ、スタンバイ用外部電源接続とUPS(Uninterruptible Power Supply)/蓄電池が含まれ得る。
【0024】
前記トランスミッションユニット20には、回転力の伝達のための軸、及び回転方向の切り換えのためのギヤが使用される。しかし、回転方向の切り換えは、ギヤの代わりにベルトが適用されてもよい。
【0025】
前記水車ユニット30には、約30~60barの水噴射圧力を受けて回転する反曲線翼型水車が適用される。特に、前記水車の回転数は、約1,750rpmまで上昇する。
【0026】
前記水循環ユニット40は、循環する約25トンの水を貯蔵する。しかし、発電所及び産業体の地下ピットの貯蔵容量に応じてポンピングされる水の容量は、電気供給容量が約1400Kwを超える場合、さらに増加し得る。特に、水循環ユニット40には、氷点以下の気温で発生する凍破の防止のためのヒーティングシステムがさらに付加されてもよい。
【0027】
前記電気供給ユニット50は、トランスミッションユニット20の回転により約1400Kwの電気を生産する電気供給が行われる。特に、前記電気供給ユニット50は、約1400Kwの電力中、水高圧噴射発電システム自体の電力需要に用いられる約350Kwの電気供給容量を担当する内部電力発電機60と、外部設備の稼動のための電気として用いられる約1050Kwの電気供給容量を担当する外部電力発電機70とで構成される。
【0028】
前記内部電力発電機60は内蔵設備パワーパネル60-1を備え、前記内蔵設備パワーパネル60-1は、水高圧噴射発電システムの電力消費設備であって、電気回路を構成する。また、前記外部電力発電機70は外部設備パワーパネル70-1を備え、前記外部設備パワーパネル70-1は、電力供給が行われる外部設備であって、電気回路を構成する。本実施例において、前記内蔵設備パワーパネル70-1には、電源を断続するリレーが含まれ、前記外部設備パワーパネル70-1には、電力を貯蔵する集電器、及び電力を配分する配分器が含まれ得る。
【0029】
一方、図2は、スタートアップユニット10及びトランスミッションユニット20の細部構成を示す。
【0030】
図示のように、スタートアップユニット10は、超回転モータ11、スピードセンサ13、及びモータ支持フレーム15を含む。
【0031】
前記超回転モータ11(Static Frequence Control Motor)は、稼動が行われると、稼動の初期に回転数が徐々に増加し、最大約1,750rpmに到達した後、軸から分離停止される。したがって、超回転モータ11は、稼動または軸から分離停止のための信号が、制御パネル10-1のオン(On)又はオフ(Off)で行われ得る。また、超回転モータ11は、稼動時に制御パネル10-1を介して外部電源が供給され得、UPS/蓄電池の電源として使用することができる。
【0032】
前記スピードセンサ13は、超回転モータ11の回転数が約1,750rpmに到達することを検出する。したがって、スピードセンサ13は、超回転モータ11のモータ軸の部位に設置され得、スピードセンサ13の検出信号が制御パネル10-1でモニタされ得る。特に、作業者は、スピードセンサ13の検出信号で超回転モータ11を止めることができる。
【0033】
前記モータ支持フレーム15は、地盤(又は建物の床)に設置されることで、超回転モータ11の設置状態を安定に維持する。
【0034】
前記トランスミッションユニット20は、ローダー21、回転連結器22、回転切換器23、及び発電機連結器25で構成される。
【0035】
前記ローダー21は、屈曲のない直線軸からなり、特に、カプラー21Aで連結されることによって長軸タイプに転換される。本実施例において、ローダー21の一側端には水車ユニット30の水車35が連結されると共に、他側端には回転切換器23の第1ベベルギヤ23Aが連結される。
【0036】
前記回転連結器22は、第1ギヤ22Aと、これに噛み合って反対方向に回転する第2ギヤ22Bとからなる。前記第1ギヤ22Aは、超回転モータ11のモータ軸により回転し、前記第2ギヤ22Bは、第1ギヤ22Aの回転力をローダー21に伝達する。したがって、第1ギヤ22Aは超回転モータ11のモータ軸に固定され、第2ギヤ22Bはローダー21に固定される。本実施例において、回転連結器22は、プーリとベルトで構成され得る。
【0037】
前記回転切換器23は、第1ベベルギヤ23Aと、これに噛み合って回転方向を90°切り換える第2ベベルギヤ23Bとで構成される。前記第1ベベルギヤ23Aはローダー21の一側端に固定され、前記第2ベベルギヤ23Bは、地盤(又は建物の床)に設置されたギヤ支持フレーム24にマウントされる。特に、前記第2ベベルギヤ23Bには、ギヤ支持フレーム24にマウントされるベアリング結合されたマウンティング軸が含まれ、マウンティング軸の反対側には、外周面にギヤを備えた出力軸23B-1がさらに含まれる。本実施例において、回転切換器23は、プーリとベルトで構成され得る。
【0038】
前記発電機連結器25は、それぞれ回転する4つの第1、第2、第3及び第4回転軸26,27,28,29で構成される。特に、第1及び第2回転軸26,27は、第2ベベルギヤ23Bの出力軸23B-1にそれぞれ噛み合って回転し、第3回転軸28は第1回転軸26と噛み合い、第4回転軸29は第2回転軸27と噛み合う。したがって、第2ベベルギヤ23Bの回転力は、出力軸23B-1を媒介として第1及び第2回転軸26,27にそれぞれ伝達され、第1及び第2回転軸26,27の回転力は、それぞれ第3回転軸28と第4回転軸29に伝達される。
【0039】
本実施例において、第1回転軸26と第3回転軸28との間及び第2回転軸27と第4回転軸29との間には、回転力を伝達し、回転比を一致させる多数のギヤがさらに備えられてもよい。また、本実施例において、発電機連結器25は、プーリとベルトで構成され得る。
【0040】
一方、図3は、水車ユニット30及び水循環ユニット40の細部構成を示す。
【0041】
図示のように、前記水車ユニット30は、速度制御ポンプ31と水車35で構成される。
【0042】
前記速度制御ポンプ31は、1分当たり6100リットルの水をポンピングして約30~60Barで噴射する。このために、速度制御ポンプ31には、水を約30~50Barで加圧する圧力チャンバ32が接続され、前記圧力チャンバ32には、水流入ライン32-1及び高圧排出ライン32-2が接続され、前記水流入ライン32-1には、オン/オフ(On/Off)用遮断弁33が設置される。本実施例において、速度制御ポンプ31は設備フレーム100に設置される。
【0043】
前記水車35は、約30~60Barで噴射される高圧排出ライン32-2につながっている水車チャンバ35-1に設置され、水車チャンバ35-1の外側で地盤(又は建物の床)に設置された水車支持ポスト35Bにより支持される水車軸35Aを備える。前記水車軸35Aは、トランスミッションユニット20のローダー21に接続される。前記水車軸35Aと前記ローダー21との接続はカプラーを介して行われ得る。
【0044】
特に、前記水車35は反曲線翼を備え、反曲線翼にぶつかった約30~60barの水噴射圧力で約1,750rpmまで回転する。
【0045】
前記水循環ユニット40は、上部貯水槽41、下部貯水槽43、及び水中ポンプ45で構成される。
【0046】
前記上部貯水槽41は、地盤(又は建物の床)に設置された第1及び第2貯水槽支持ポスト41-1,41-2により支持されることによって、地盤(又は建物の床)から所定の高さに位置する。本実施例において、上部貯水槽41の水貯蔵容量は約25トンを許容し、寒波による氷結を防止するヒーティングシステムがさらに備えられてもよい。
【0047】
ピット室の流入ラインを介して水が下部貯水槽43に流入し、下部貯水槽43に貯蔵された水は、水中ポンプ45を介して前記上部貯水槽41に供給される。上部貯水槽41の貯蔵容量が最大値になると、水がバイパスライン91を介してバイパスされて予備発電設備80の水車を回転させることで、UPS/蓄電池を充電させる。
【0048】
前記下部貯水槽43は、地盤(又は建物の床)の下方に形成されることによって、水車35を回転させて落ちる水が貯蔵される。本実施例において、下部貯水槽43の水貯蔵容量は約3トンを許容し、寒波による氷結を防止するヒーティングシステムがさらに備えられてもよい。
【0049】
前記予備設備である中ポンプ45は、1分当たり6100リットルの水をポンピングするように下部貯水槽43に設置されることによって、下部貯水槽43の水を上部貯水槽41にフィードバックさせ、これを通じて貯蔵された水が上部貯水槽41から下部貯水槽43に循環する。
【0050】
このために、予備設備である中ポンプ45には、下部貯水槽43から上部貯水槽41につながる復帰ライン47が設置される。特に、前記復帰ライン47には、上部貯水槽41の水が下部貯水槽43に降りてこないようにチェック弁47-1が設置される。
【0051】
本実施例において、水流入ライン32-1、高圧排出ライン32-2、水車チャンバ35-1、及び下部貯水槽43から上部貯水槽41につながる復帰ライン47は、水移送ラインを構成する。
【0052】
一方、図4は、電気発電ユニット50をなす内部電力発電機60と外部電力発電機70の細部構成を示す。
【0053】
図示のように、内部電力発電機60は、約350Kwの電気供給容量を有する第1発電機61からなり、電気供給のための動力は、トランスミッションユニット20の発電機連結器25中の第4回転軸29から伝達される。また、前記第1発電機61にはクーリングファン61Aが備えられることによって、内部の熱上昇が防止される。
【0054】
前記外部電力発電機70は、それぞれ約350Kwの電気供給容量を有する第2、第3及び第4発電機71,72,73からなり、電気供給のための動力は、トランスミッションユニット20の発電機連結器25中の第1、第2及び第3回転軸26,27,28から伝達される。また、前記第2、第3及び第4発電機71,72,73には、クーリングファン71A,72A,73Aがそれぞれ備えられることによって、内部の熱上昇が防止される。
【0055】
本実施例において、第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73は設備フレーム100に設置される。特に、前記第1発電機61が生成した電力は、速度制御ポンプ31、遮断弁33、水中ポンプ45、及びクーリングファン61A,71A,72A,73Aに供給される。第1発電機61の電力供給は、内蔵設備パワーパネル60-1を介して行われ得、内蔵設備パワーパネル60-1は、制御パネル10-1によって制御され、残る電気はUPS/蓄電池に充電され得る。また、前記第2、第3及び第4発電機71,72,73が生成した電力は、建物内の設備装置や外部電力設備に供給される。第2、第3及び第4電機71,72,73の電力供給は、外部設備パワーパネル70-1を介して行われ得、外部設備パワーパネル70-1は、制御パネル10-1によって制御され得る。上部貯水槽の消尽された水を満たすために、バイパスモジュールを解除して上部貯水槽に流入するようにする。
【0056】
一方、図5は、本実施例に係る水高圧噴射発電システムが初期に稼動されるスタートアップ電気供給状態を示し、スタートアップ電気供給のために稼動される設備はスタートアップ電気供給装置と称する。
【0057】
図示のように、スタートアップ電気供給状態に進入すると、超回転モータ11は、オン(On)信号で電源の供給が行われることによって、モータスタータによって低速回転から高速回転に徐々に進行した後、最大約1,750rpmまで到達する。このような超回転モータ11の回転はローダー21に伝達されることによって、ローダー21の回転数も超回転モータ11と同様に増加し、最大約1,750rpmまで到達する。
【0058】
このとき、超回転モータ11とローダー21の回転力の伝達は、これらの間をつなぐ第1及び第2ギヤ22A,22Bまたはベルトにより行われる。
【0059】
次いで、ローダー21の回転は第1ベベルギヤ23Aに伝達され、第1ベベルギヤ23Aの回転は、これに噛み合った第2ベベルギヤ23Bに伝達されることによって、回転方向が90°切り換わる。前記第2ベベルギヤ23Bの回転力は、第2ベベルギヤ23Bの出力軸23B-1に噛み合った第1及び第2回転軸26,27にそれぞれ伝達されることによって、第1及び第2回転軸26,27の回転に切り換わり、第3及び第4回転軸28,29は、第1及び第2回転軸26,27の回転によりそれぞれ回転する。
【0060】
すると、第4回転軸29は第1発電機61を回転させ、同時に第1、第2及び第3回転軸26,27,28はそれぞれ第2、第3及び第4発電機71,72,73を回転させることによって、第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73では、それぞれ電気供給が行われる。
【0061】
前記のようなスタートアップ電気供給では、超回転モータ11の回転→第1及び第2ギヤ22A,22Bの回転→ローダー21の回転→第1及び第2ベベルギヤ23A,23Bの回転及び方向切換→第1及び第2回転軸26,27の回転→第3及び第4回転軸28,29の回転→第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73の電気供給の過程からなり、このような過程は、超回転モータ11を介して行われる。
【0062】
このようなスタートアップ電気供給は、超回転モータ11の回転数が約1,750rpmに到達するまで続けられた後、第1発電機61による水循環で回転する水車35の回転力が超回転モータ11の回転力に取って代わることによって、超回転モータ11の停止が行われた後、中断される。本実施例において、スタートアップ電気供給後に行われる電気供給の過程は、水高圧噴射発電システムとして定義する。
【0063】
このために、超回転モータ11の約1,750rpmの検出は、スピードセンサ13により検出され、スピードセンサ13の検出信号は制御パネル10-1に提供されることによって、作業者による超回転モータ11の稼動中断が行われ得る。
【0064】
しかし、超回転モータ11の停止は、約1,750rpmへの到達を独自に感知した超回転モータ11自体で行われてもよい。
【0065】
図6は、本実施例に係る水高圧噴射発電システムが、スタートアップ電気供給後、水の移送を用いた電気供給状態を示し、電気供給のために稼動される設備は移送電気供給装置と称する。
【0066】
図示のように、移送電気供給が行われると、第1発電機61では、クーリングファン61A,71A,72A,73Aの稼動のための第1電源a、速度制御ポンプ31の稼動のための第2電源b、水中ポンプ45の稼動のための第3電源c、遮断弁33の開放(Open)のための第4電源dが供給され、このような自体電力の利用により、水が上部貯水槽41と下部貯水槽43に移送され、上部貯水槽の水を水車35に加える約30~60barの圧力で回転することによって、水車35は、超回転モータ11が提供していた約1,750rpmの回転力に取って代わるようになる。
【0067】
一例として、遮断弁33が開放されることによって、上部貯水槽41の水が水流入ライン32-1を経て圧力チャンバ32に流入し、圧力チャンバ32では、速度制御ポンプ31の稼動で水に約30~50barの圧力が加えられ、約30~60barの圧力を受けた水は、高圧排出ライン32-2に通り抜けた後、水車チャンバ35-1に設置された水車35を強く打ちながら下部貯水槽43に落ちる。
【0068】
このような過程において、約30~60barの圧力を有して上部貯水槽41から下部貯水槽43に下降する水は、持続的に水車35を強く打つようになり、これにより、水車35の回転数は持続的に上昇することによって約1,750rpmまで上がる。
【0069】
すると、水車35に連結されたローダー21は、水車35を介して約1,750rpmで回転することによって、超回転モータ11の稼動中断状態でも、水車35を介した回転が持続される。
【0070】
次いで、ローダー21の回転は、第1ベベルギヤ23Aを持続的に回転させ、第1ベベルギヤ23Aの回転は、これに噛み合った第2ベベルギヤ23Bに持続的に伝達されることによって、第1、第2、第3及び第4回転軸26,27,28,29も持続的に回転し、第1、第2、第3及び第4回転軸26,27,28,29の回転は、第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73の電気供給を持続することによって、超回転モータ11の稼動中断状態で水車の回転速度制御ポンプは起動が持続されてUPS/蓄電池の電気供給に切り換わる。
【0071】
このような過程において、上部貯水槽41の水が消尽されると、発電所及び産業体のピットからポンピングされる水を流入ラインの遮断弁を開放して上部貯水槽41に満たす。また、上部貯水槽41を満たしてからバイパスされる水を用いて予備発電設備80を稼動させ、ここで発生する電気を用いてUPS/蓄電池を充電させる。UPS/蓄電池に充電された電気を使用して下部貯水槽43の水中ポンプ45を稼動させることで、下部貯水槽43に集まった水を再び上部貯水槽41に復帰させる。また、クーリングファン61A,71A,72A,73Aの稼動は、それぞれ第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73を冷却させることによって、第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73が、過熱に対する危険性なしに安定的に電気供給を行うことができる。
【0072】
したがって、前記のような電気供給では、水高圧噴射→水車35の回転→ローダー21の回転→第1及び第2ベベルギヤ23A,23Bの回転及び方向切換→第1及び第2回転軸26,27の回転→第3及び第4回転軸28,29の回転→第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73の電気供給→水移送の過程からなり、このような過程は、超回転モータ11の稼動中止と共に、第1発電機61を介した電源供給により行われる。
【0073】
したがって、第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73では、スタートアップ電気供給時や揚水電気供給時の両方で電力の生成が行われ得る。
【0074】
前記第1発電機61が生成した電力は、速度制御ポンプ31、遮断弁33、水中ポンプ45、及びクーリングファン61A,71A,72A,73Aに供給される。第1発電機61の電力供給は、内蔵設備パワーパネル60-1を介して行われ得、内蔵設備パワーパネル60-1は、制御パネル10-1によって制御され、残る電気はUPS/蓄電池に充電し、予備設備である水中ポンプ45の稼動電源及び内部電力の予備電力として使用できるようにする。また、前記第2、第3及び第4発電機71,72,73が生成した電力は、建物内の設備装置や外部電力設備に供給される。第2、第3及び第4発電機71,72,73の電力供給は、外部設備パワーパネル70-1を介して行われ得、外部設備パワーパネル70-1は、制御パネル10-1によって制御され得る。
【0075】
前述したように、本実施例に係る水高圧噴射発電システムには、電気供給された電力を自体設備の電力として供給する第1発電機61、及び電気供給された電力を外部設備の電力として供給する第2、第3及び第4発電機71,72,73と;超回転モータ11の回転力が第1,2,3,4発電機61,71,72,73の電気供給に用いられ、超回転モータ11の稼動が第1発電機61による電力供給時に中断されるスタートアップ電気供給装置と;第1発電機61の電力によって稼動された速度制御ポンプ31で自体移送される水の噴射圧力が高くなった高圧噴射が行われ、高圧噴射で回転する水車35の回転力が、超回転モータ11の代わりに第1、第2、第3及び第4発電機61,71,72,73の電気供給に用いられる電気供給装置と;が含まれることによって、大規模の貯水池や川との非連係性により、自家電気供給設備の枝葉的な制約なしに解消され、特に、発電設備と共に一定の容量の水を移送して電気の供給が持続されることによって、発電設備の小型化も可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 スタートアップユニット
10-1 制御パネル
11 超回転モータ
13 スピードセンサ
15 モータ支持フレーム
20 トランスミッションユニット
21 ローダー
21A カプラー
22 回転連結器
22A 第1ギヤ
22B 第2ギヤ
23 回転切換器
23A 第1ベベルギヤ
23B 第2ベベルギヤ
23B-1 出力軸
24 ギヤ支持フレーム
25 発電機連結器
26 第1回転軸
27 第2回転軸
28 第3回転軸
29 第4回転軸
30 水車ユニット
31 速度制御ポンプ
32 圧力チャンバ
32-1 水流入ライン
32-2 高圧排出ライン
33 遮断弁
35 水車
35A 水車軸
35B 水車支持ポスト
35-1 水車チャンバ
40 水移送ユニット
41 上部貯水槽
41-1 第1貯水槽支持ポスト
41-2 第2貯水槽支持ポスト
43 下部貯水槽
45 水中ポンプ
47 復帰ライン
47-1 チェック弁
50 電気供給ユニット
60 内部電力発電機
60-1 内蔵設備パワーパネル
61 第1発電機
61A,71A,72A,73A クーリングファン
70 外部電力発電機
70-1 外部設備パワーパネル
71 第2発電機
72 第3発電機
73 第4発電機
100 設備フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7