IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プラズマ − サーム エヌイーエス、エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】走査イオン・ビーム・エッチング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/302 20060101AFI20220701BHJP
   H01J 37/305 20060101ALI20220701BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20220701BHJP
【FI】
H01L21/302 201B
H01J37/305 A
H05H1/46 L
【請求項の数】 54
(21)【出願番号】P 2020561022
(86)(22)【出願日】2019-05-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019030255
(87)【国際公開番号】W WO2019213301
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】16/398,487
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/666,324
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520419430
【氏名又は名称】プラズマ - サーム エヌイーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘクデ 、サルパンガラ、エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】リー、ビンセント
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-134668(JP,A)
【文献】特開平04-012446(JP,A)
【文献】国際公開第2017/056138(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/093087(WO,A1)
【文献】特開2005-108472(JP,A)
【文献】特開2001-174421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/302
H01J 37/305
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハ・エッチング・プロセスの際に非対称性を補正する方法であって、
プラズマ発生源からプラズマを生成するステップであって、前記プラズマ発生源は、プラズマ・チャンバ及びイオン抽出グリッド・システムを備え、前記イオン抽出グリッド・システムは、前記プラズマによってイオン・ビームを生成するよう構成され、前記イオン・ビームは、中心軸を有する、ステップと、
台上でウェーハを支持するステップと、
スキャン経路に沿って、前記イオン・ビームに対して前記ウェーハを走査するステップであって、前記ウェーハが前記スキャン経路に沿って移動するにつれて、前記ウェーハのスキャン速度は変更され、前記スキャン速度は、前記イオン・ビームに露光される前記ウェーハの面積が減少するにつれて減少する、ステップと、
前記ウェーハの位置の関数としての、印加されるビーム束を修正するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、前記台を、前記中心軸を中心にして回転させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、前記台を前記イオン・ビームに対して傾斜させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、前記ウェーハを冷却するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記スキャン経路が線形である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スキャン経路の中心が前記イオン・ビームの中心と一致する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ウェーハの位置の関数としての、前記印加されるビーム束を修正するステップは、イオン・ビーム電流を調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェーハの位置の関数としての、前記印加されるビーム束を修正するステップは、開口を作成するために、前記スキャン経路に沿って複数の物理ブロックを挿入するステップと、印加される前記イオン・ビームを狭めるために、前記開口の位置を調整するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェーハの位置の関数としての、前記印加されるビーム束を修正するステップは、前記ウェーハが前記イオン・ビームに露光される時間を調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェーハの中心が前記スキャン経路の遠い側に沿って移動するにつれて、前記ウェーハの前記スキャン速度が遅くなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記スキャン速度は、前記ウェーハと前記イオン・ビームとの距離が前記走査の際に増加するにつれて減少する、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記スキャン速度は、前記イオン・ビームの前記中心軸に対して非対称である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記スキャン経路は、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト経路は、前記スキャン・バック経路と同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記スキャン経路は、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト経路の終点は、前記スキャン・バック経路の終点と異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数は、前記スキャン・バック速度関数と異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの一方は、時間の関数として変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数の両方が、時間の関数として変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの少なくとも一方は、1つのスキャン経路内で変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの少なくとも一方が、各スキャン経路を変更する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数の両方が、各スキャン経路を変更する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ウェーハ・エッチング・プロセスの際に非対称性を補正する方法であって、
プラズマ発生源からプラズマを生成するステップであって、前記プラズマ発生源は、プラズマ・チャンバ及びイオン抽出グリッド・システムを備え、前記イオン抽出グリッド・システムは、前記プラズマによってイオン・ビームを生成するよう構成され、前記イオン・ビームは、中心軸を有する、ステップと、
前記エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、台を、前記中心軸を中心にして回転させるステップ、及び前記台を前記イオン・ビームに対して傾斜させるステップのうちの少なくとも一方を含む、前記台上でウェーハを支持するステップと、
スキャン経路に沿って、スキャン速度の関数に従って、前記イオン・ビームに対して前記ウェーハを走査するステップであって、前記ウェーハが前記スキャン経路に沿って移動するにつれて、前記ウェーハのスキャン速度は変更され、前記スキャン速度は、前記イオン・ビームに露光される前記ウェーハの面積が減少するにつれて減少する、ステップと、
前記ウェーハが前記スキャン経路に沿って移動するにつれて、前記スキャン速度の関数を変更することにより、前記ウェーハの位置の関数として、印加されるビーム束を修正するステップと
を含む、方法。
【請求項22】
前記エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、前記台を、前記中心軸を中心にして回転させるステップと、
前記エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、前記台を前記イオン・ビームに対して傾斜させるステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
前記ウェーハの中心が前記スキャン経路の遠い側に沿って移動するにつれて、前記ウェーハの前記スキャン速度が遅くなる、請求項2に記載の方法。
【請求項24】
前記スキャン速度は、前記ウェーハと前記イオン・ビームとの距離が前記走査の際に増加するにつれて減少する、請求項2に記載の方法。
【請求項25】
前記スキャン速度は、前記イオン・ビームの前記中心軸に対して非対称である、請求項2に記載の方法。
【請求項26】
前記ウェーハの位置の関数としての、前記印加されるビーム束を修正するステップは、開口を作成するために、前記スキャン経路に沿って複数の物理ブロックを挿入するステップと、印加される前記イオン・ビームを狭めるために、前記開口の位置を調整するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項27】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数の両方が、時間の関数として変化する、請求項2に記載の方法。
【請求項28】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの少なくとも一方は、1つのスキャン経路内で変化する、請求項2に記載の方法。
【請求項29】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの少なくとも一方が、各スキャン経路を変更する、請求項2に記載の方法。
【請求項30】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数の両方が、各スキャン経路を変更する、請求項2に記載の方法。
【請求項31】
ウェーハ・エッチング・プロセスの際に非対称性を補正する方法であって、
プラズマ発生源からプラズマを生成するステップであって、前記プラズマ発生源は、プラズマ・チャンバ及びイオン抽出グリッド・システムを備え、前記イオン抽出グリッド・システムは、前記プラズマによってイオン・ビームを生成するよう構成され、前記イオン・ビームは、中心軸を有する、ステップと、
台上でウェーハを支持するステップと、
スキャン経路に沿って、前記イオン・ビームに対して前記ウェーハを走査するステップであって、前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路、及びスキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路を含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの一方は、時間の関数として変化し、前記ウェーハが前記スキャン経路に沿って移動するにつれて、前記ウェーハのスキャン速度は変更され、前記スキャン速度は、前記イオン・ビームに露光される前記ウェーハの面積が減少するにつれて減少する、ステップと、
前記ウェーハの位置の関数としての、印加されるビーム束を修正するステップと
を含む、方法。
【請求項32】
前記エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、前記台を、前記中心軸を中心にして回転させるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項33】
前記エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、前記台を前記イオン・ビームに対して傾斜させるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項34】
前記ウェーハの位置の関数としての、前記印加されるビーム束を修正するステップは、開口を作成するために、前記スキャン経路に沿って複数の物理ブロックを挿入するステップと、印加される前記イオン・ビームを狭めるために、前記開口の位置を調整するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項35】
ウェーハ成膜プロセスの際に非対称性を補正する方法であって、
プラズマ発生源からプラズマを生成するステップであって、前記プラズマ発生源は、プラズマ・チャンバ及びイオン抽出グリッド・システムを備え、前記イオン抽出グリッド・システムは、前記プラズマによってイオン・ビームを生成するよう構成され、前記イオン・ビームは、中心軸を有する、ステップと、
台上でウェーハを支持するステップと、
スキャン経路に沿って、前記イオン・ビームに対して前記ウェーハを走査するステップであって、前記ウェーハが前記スキャン経路に沿って移動するにつれて、前記ウェーハのスキャン速度は変更され、前記スキャン速度は、前記イオン・ビームに露光される前記ウェーハの面積が減少するにつれて減少する、ステップと、
前記ウェーハの位置の関数としての、印加されるビーム束を修正するステップと
を含む、方法。
【請求項36】
前記成膜プロセスの少なくとも一部の際に、前記台を、前記中心軸を中心にして回転させるステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記成膜プロセスの少なくとも一部の際に、前記台を前記イオン・ビームに対して傾斜させるステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記成膜プロセスの少なくとも一部の際に、前記ウェーハを冷却するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記スキャン経路が線形である、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記スキャン経路の中心が前記イオン・ビームの中心と一致する、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記ウェーハの位置の関数としての、前記印加されるビーム束を修正するステップは、イオン・ビーム電流を調整するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記ウェーハの位置の関数としての、前記印加されるビーム束を修正するステップは、開口を作成するために、前記スキャン経路に沿って複数の物理ブロックを挿入するステップと、印加される前記イオン・ビームを狭めるために、前記開口の位置を調整するステップとを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記ウェーハの位置の関数としての、前記印加されるビーム束を修正するステップは、前記ウェーハが前記イオン・ビームに露光される時間を調整するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記ウェーハの中心が前記スキャン経路の遠い側に沿って移動するにつれて、前記ウェーハの前記スキャン速度が遅くなる、請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記スキャン速度は、前記ウェーハと前記イオン・ビームとの距離が前記走査の際に増加するにつれて減少する、請求項35に記載の方法。
【請求項46】
前記スキャン速度は、前記イオン・ビームの前記中心軸に対して非対称である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記スキャン経路は、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト経路は、前記スキャン・バック経路と同じである、請求項35に記載の方法。
【請求項48】
前記スキャン経路は、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト経路の終点は、前記スキャン・バック経路の終点と異なる、請求項35に記載の方法。
【請求項49】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数は、前記スキャン・バック速度関数と異なる、請求項35に記載の方法。
【請求項50】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの一方は、時間の関数として変化する、請求項35に記載の方法。
【請求項51】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数の両方が、時間の関数として変化する、請求項35に記載の方法。
【請求項52】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの少なくとも一方は、1つのスキャン経路内で変化する、請求項35に記載の方法。
【請求項53】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数のうちの少なくとも一方が、各スキャン経路を変更する、請求項35に記載の方法。
【請求項54】
前記スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数による、前記イオン・ビームの第1の端から前記イオン・ビームの第2の端へのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数による、前記イオン・ビームの第2の端から前記イオン・ビームの第1の端へのスキャン・バック経路とを含み、前記スキャン・アウト速度関数及び前記スキャン・バック速度関数の両方が、各スキャン経路を変更する、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2018年5月3日に出願された米国特許出願第62/666,324号の利益を主張し、その内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究又は開発に関する記述
該当なし
【0003】
本開示は、直接エッチング及び成膜用のプラズマ発生源、イオン・ビームでの成膜及びエッチング用のブロードビーム・イオン発生源、並びに表面改質用の電子発生源を含む、荷電粒子発生源の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
図1は、イオン・ビーム・エッチング(IBE:ion beam etch)・システムを示す。IBEプロセスでは、ウェーハ180は、イオン発生源105の前に配置される。ウェーハ180の少なくとも1つの表面は、ビーム130に露光され得る。イオン発生源105は、プラズマ・チャンバ110、及びイオン抽出グリッド・システム150で構成され得る。イオン抽出グリッド・システム150は、プレートからプレートへと一直線に並べられた複数の穴をプレート内に有する、複数の導電性プレートから構成される。グリッド・システム150は、プレートの各穴から出てくる平行イオン・ビームレットを抽出及び促進し、実質的に平行にされたイオン・ビーム130を形成する。プラズマ発生源内のプラズマは、直流(DC:direct current)及び無線周波数(RF:radio frequency)誘導結合プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)コイル160を備える、当技術分野で既知の方法で生成できる。イオン発生源105から抽出されるイオンのエネルギーは、グリッド・システム150に印加される電圧によって定義される。
【0005】
電子発生源230は、イオン抽出グリッド・システム150とウェーハ台との間に配置され、ウェーハに衝突するイオンによるチャージ・ダメージを防止できる。ウェーハ180は、ウェーハ台140上に配置される。台140は、中心軸220を中心にウェーハを回転させ得る。台140は、エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、イオン・ビーム130に対してウェーハ180を傾け得る。ビーム130からのイオンは、ウェーハ180を傾けることにより、ウェーハ表面に対して任意の角度に向けられ得る。IBEプロセスによって、どんな固体材料もエッチングされ得る。ウェーハ180上のデバイスへの熱ダメージを防止するために、エッチング・プロセスの際に、ウェーハ台140上でウェーハ180を冷却するための準備が行われ得る。ウェーハ180はまた、イオン・ビーム・エッチング・プロセスを強化するために、特定の温度に加熱され得る。
【0006】
典型的なウェーハ180は、多くのデバイスを含むことができ、フォトレジスト・マスク又は他の種類のマスクで覆われ得る。デバイスはイオン・ビームへの露出によって処理され、ウェーハ180上のデバイスを所望の形状にエッチングできる。デバイスの所望の形状は、たとえば、エッチングの際のウェーハ傾斜角、エッチング継続時間、ビーム・エネルギー、ビーム電流、フォトレジスト・マスク側壁角、ウェーハ温度などを含む、プロセスのパラメータを調整することにより実現できる。デバイスが多層材料でできており、しばしば、所定の層でのエッチングの正確な終点生成(end pointing)が望まれる場合、終点検出器240がウェーハ180の見通しの効くところに配置され得る。
【0007】
エッチングされているウェーハ180上のデバイスは、同様の形状(たとえば、側壁プロファイルなど)を示すことが期待される。しかし、デバイスは、ウェーハ180上のデバイスの位置に応じて異なる形状を示す場合がある。特定の種類の形状の違いの1つの実例は、基板内側(inboard)と基板外側(outboard)との非対称性と呼ばれる。図2a~図2cは、イオン・ビーム・エッチング後のデバイスの基板内(IB:inboard)側面191及びデバイスの基板外(OB:outboard)側面192の非対称性の概略図を示す。非対称性は、一方の側面α対反対の側面βの、側壁角度の違いとして定量化され得る。図2aは、対称なエッチングを示す。図2b及び図2cは、非対称なエッチングを示す。
【0008】
イオン・ビーム・エッチングにおけるデバイスのIB側面191及びOB側面192の非対称性は、多くの場合、ウェーハ180の傾斜と特定の関係を有する。この関係を、図3a~図3bに示す。図3aは、エッチングされているウェーハ180の上面図である。傾斜軸は、ウェーハ上面図について示すように、ウェーハの対角線に沿って延びる。図3aでは、ウェーハ180は、紙面に垂直な方向からウェーハ180に衝突するイオン・ビームによってエッチングされている。図3bは、傾斜軸に垂直なウェーハの対角線に沿った図3aの断面図である。図3bのウェーハの断面において、傾斜軸の方向は、ウェーハの中央に沿って延び、紙面に垂直である。デバイスのIB側面191とデバイスのOB側面192との間の非対称性は、ウェーハ180の上部及び底部に向かって配置されたデバイス上に見られ得る。非対称性は、デバイスが傾斜軸から離れるほど、そして傾斜角が増すほど、たとえばウェーハ180が、入射ビームの垂直入射角からさらに傾斜するほどに、一層顕著になる。
【0009】
完全なイオン発生源及びグリッド・システムでは、意図された方向からのイオンの発散なしに、すべてのビームレットが完全に平行にされるであろう。かかるシステムでは、ウェーハ180上にエッチングされたすべての形体が完全に対称的であろう。実際上のイオン・ビーム・エッチング・システムでは、ビームの発散がゼロにはならない。
【0010】
実際には、イオン発生源は、図4に示すように、有限のゼロではないビーム発散を伴う、ビームレットの集合であるイオン・ビームを生成する。この図で、ビームレットの発散131を示す。ビームレットが発散した結果、ウェーハが、垂直のビーム入射から離れるように傾けられると、ウェーハ180のイオン発生源により近い側で、一層強いエッチングとなり、ウェーハ180のイオン発生源からより遠い側で、一層弱いエッチングになるであろう。ウェーハ180を、軸220を中心にして回転させることにより、エッチング深さは、ウェーハ180の形体がない領域でより均一にされ得る。しかし、ウェーハ180上のデバイスは、通常は、平面ではなく三次元の形体で作られている。ウェーハ180上の3次元形体に関して、垂直のビーム入射から離れたウェーハ180の傾斜の影響は、ビームの発散と共に、ウェーハ180上のデバイスの基板内側面191が、デバイスの基板外側面192とは異なる量のビームへの露出を受けることである。この基板内側と基板外側との非対称性は、デバイスの位置がウェーハ180の傾斜軸から離れるほど、また傾斜角が垂直のビーム入射から離れて増えるほど、一層顕著になる。
【0011】
ビームと交差してウェーハ180を平行移動(たとえば、走査)することにより、デバイスの基板内側面191とデバイスの基板外側面192との間の非対称性に対処できる。図5において、両矢印550でマークされた領域は、ウェーハのイオン・ビームへの露出が行われる領域である。ウェーハの平行移動の単一の段階、ウェーハのすべての領域が550で示す領域の外側にある任意の箇所で始まる平行移動、ウェーハが550で表される領域を通る平行移動経路は、1回のスキャンと見なされる。図7では、イオン・ビームへの露出が行われる領域550は、物理ビーム・ブロック171及び172の導入によって画定される。
【0012】
いくつかの実施例では、平行移動の際のウェーハ180の経路は、スキャン経路として定義される。スキャン経路は、少なくとも1回のスキャンについて、傾斜したウェーハ表面の平面に平行な(又はほぼ平行な)平面内にあり得る。ウェーハの平行移動のスキャン経路は、少なくとも1回のスキャンについて線形であり得る。ウェーハの平行移動の経路は、少なくとも1回のスキャンについて非線形(たとえば湾曲した)であり得る。スキャン経路は、少なくとも1回のスキャンについて、傾斜したウェーハ180に平行であり得る。ウェーハの傾斜は、少なくとも1回のスキャンのスキャン経路の間、一定であり得る。ウェーハの傾斜は、少なくとも1回のスキャンの、スキャン経路に沿って変化し得る。スキャン経路は、少なくとも1回のスキャンについて、スキャン中の少なくとも1箇所の間、ウェーハ180に平行であり得る。スキャン経路は、少なくとも1回のスキャンについて、スキャン中のすべての箇所で、ウェーハ180に平行であり得る。スキャン経路は、少なくとも1回のスキャンについて、ウェーハ180とは異なる平面にあり得る。スキャン経路は、すべてのスキャンについて、傾斜したウェーハ表面の平面に平行な(又はほぼ平行な)平面内にあり得る。ウェーハの平行移動のスキャン経路は、すべてのスキャンについて、線形であり得る。ウェーハの平行移動の経路は、すべてのスキャンについて、非線形(たとえば、湾曲した)であり得る。スキャン経路は、すべてのスキャンについて、傾斜したウェーハ180に平行であり得る。ウェーハの傾斜は、すべてのスキャンについて、スキャン経路の間、一定であり得る。ウェーハの傾斜は、すべてのスキャンについて、スキャン経路に沿って変化し得る。スキャン経路は、すべてのスキャンについて、スキャン中の少なくとも1箇所の間、ウェーハ180に平行であり得る。スキャン経路は、すべてのスキャンについて、スキャンの間のすべての箇所で、ウェーハ180に平行であり得る。スキャン経路は、すべてのスキャンについて、ウェーハ180とは異なる平面にあり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施例によれば、本開示は、イオン・ビーム・エッチング・プロセスで非対称の走査速度を使用して、ウェーハ全体にわたるエッチングの全体的な均一性を維持しながら、ウェーハ上のデバイス構造体の基板内側面と基板外側面との間のエッチングの非対称性を補正することに関する。
【0014】
別の実施例によれば、本開示は、イオン・ビーム・エッチング・プロセスで非対称の走査速度を使用して、ウェーハ全体にわたるエッチングの全体的な均一性を維持しながら、ウェーハ上のデバイスの基板内側面と基板外側面との間のエッチングの過大な非対称性を生成することに関する。
【0015】
別の実施例によれば、本開示は、イオン・ビーム・システムが小さなイオン発生源及び小さなグリッドで構成されている場合でさえも、対称な速度での走査を使用して、基板内側と基板外側との非対称性の制御を可能にすることに関する。非対称な速度での走査を使用しない場合、イオン発生源及びグリッドは、ウェーハ直径と、スキャン平面に投影されたビームレットの発散の2倍との合計よりも大きい横方向の寸法である必要があり、またイオン・ビーム密度は、横方向の寸法全体に極めて均一である必要があろう。
【0016】
別の実施例によれば、本開示は、非対称な速度でのスキャンを対称な速度でのスキャンと組み合わせて使用して、基板内側と基板外側との非対称性及びウェーハのエッチング均一性に対処することに関し、エッチング・プロセスを完了するために必要なスキャン数は、ただ1回のスキャン又は複数回のスキャンであり得る。
【0017】
別の実施例によれば、本開示は、スキャンの動きが、イオン・ビームと交差するウェーハの中心の直線的な線形運動であり得るか、又はイオン・ビームと交差するウェーハの中心の動きが湾曲した経路など、直線からのわずかなずれを含み得る、プロセスに関する。
【0018】
別の実施例によれば、本開示は、ウェーハがイオン・ビームと交差して移動するほどに、イオン・ビーム電流又はイオン・ビーム電圧が調節される、ウェーハの非対称な速度でのスキャンの動きの代替形態に関する。ウェーハの中心がイオン発生源の中間面を越えてスキャンの遠い側を走査しているとき、ウェーハはより大きなビーム電流又はより高いビーム電圧のいずれかに露光され得る。
【0019】
別の実施例によれば、本開示は、スキャン経路を調節することによる非対称速度プロファイルでのスキャンの代替形態に関し、それによりウェーハは、ウェーハがイオン発生源の中間面を通過した後に、スキャンの遠い側でより長い時間を費やしてイオン・ビームに露光される。
【0020】
別の実施例によれば、本開示は、イオン発生源及びグリッドの中間面に対して非対称にビーム・ブロックを配置することによる、イオン・ビームと交差するウェーハの非対称な速度でのスキャンの代替形態に関し、それによりウェーハは、スキャンの対称速度プロファイルを使用してさえも、スキャンの遠い側でより長い時間を費やしてイオン・ビームに露光される。
【0021】
本開示の実施例の一態様によれば、ウェーハ・エッチング・プロセスの際に非対称性を補正する方法が提供され、該方法は、プラズマ発生源からプラズマを生成するステップであって、プラズマ発生源は、プラズマ・チャンバ及びイオン抽出グリッド・システムを備え、イオン抽出グリッド・システムは、プラズマによってイオン・ビームを生成するよう構成され、イオン・ビームは中心軸を有する、ステップと、台上でウェーハを支持するステップと、スキャン経路に沿ってイオン・ビームに対してウェーハを走査するステップと、ウェーハの位置の関数としての、印加されるビーム束を修正するステップとを含む。
【0022】
本開示の実施例の別の態様によれば、ウェーハ・エッチング・プロセスの際に非対称性を補正する方法が提供され、該方法は、プラズマ発生源からプラズマを生成するステップであって、プラズマ発生源は、プラズマ・チャンバ及びイオン抽出グリッド・システムを備え、イオン抽出グリッド・システムは、プラズマによってイオン・ビームを生成するよう構成され、イオン・ビームは中心軸を有する、ステップと、エッチング・プロセスの少なくとも一部の際に、中心軸の周りで台を回転させるステップとイオン・ビームに対して台を傾斜させるステップとのうちの少なくとも一方を含む、台上でウェーハを支持するステップと、スキャン経路に沿ってスキャン速度の関数に従って、イオン・ビームに対してウェーハを走査するステップと、ウェーハがスキャン経路に沿って移動するにつれて、スキャン速度の関数を変えることにより、ウェーハの位置の関数としての、印加されるビーム束を修正するステップとを含む。
【0023】
本開示の実施例の別の態様によれば、ウェーハ・エッチング・プロセスの際に非対称性を補正する方法が提供され、該方法は、プラズマ発生源からプラズマを生成するステップであって、プラズマ発生源は、プラズマ・チャンバ及びイオン抽出グリッド・システムを備え、イオン抽出グリッド・システムは、プラズマによってイオン・ビームを生成するよう構成され、イオン・ビームは中心軸を有する、ステップと、台上でウェーハを支持するステップと、スキャン経路に沿ってイオン・ビームに対してウェーハを走査するステップであって、スキャン経路は、スキャン・アウト速度関数によるイオン・ビームの第1の端からイオン・ビームの第2の端までのスキャン・アウト経路と、スキャン・バック速度関数によるイオン・ビームの第2の端からイオン・ビームの第1の端までのスキャン・バック経路とを含み、スキャン・アウト速度関数及びスキャン・バック速度関数のうちの一方は、時間の関数として変化する、ステップと、ウェーハの位置の関数としての、印加されるビーム束を修正するステップとを含む。
【0024】
本開示の実施例の別の態様によれば、ウェーハ成膜プロセスの際に非対称性を補正する方法が提供され、該方法は、プラズマ発生源からプラズマを生成するステップであって、プラズマ発生源は、プラズマ・チャンバ及びイオン抽出グリッド・システムを備え、イオン抽出グリッド・システムは、プラズマによってイオン・ビームを生成するよう構成され、イオン・ビームは中心軸を有する、ステップと、台上でウェーハを支持するステップと、スキャン経路に沿ってイオン・ビームに対してウェーハを走査するステップと、ウェーハの位置の関数としての、印加されるビーム束を修正するステップとを含む。
【0025】
本開示のさらなる特徴及び利点は、以下の説明に記載することとし、その説明から部分的に明らかになるか、又は本明細書で開示された原理を実施することによって知ることができる。本開示の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲で具体的に指摘されている手段及び組合せを用いて実現され、得られ得る。本開示のこうした特徴及び他の特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲によって、より完全に明らかになるか、又は本明細書に記載された原理の実施によって知ることができる。
【0026】
本開示の上記で列挙した利点及び特徴並びに他の利点及び特徴を得ることができる手法を説明するために、添付図面に示す該手法の特定の実施例を参照することにより、上記で簡潔に説明した原理のより具体的な説明を行うことにする。これらの図面が、本開示の例示的な実施例のみを示し、したがって本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解して、本明細書の原理は、添付図面の使用を通じて、追加の特異性及び詳細と共に記載及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】イオン・ビーム・エッチング・システムを示す図である。
図2a】対称なエッチングを示す図である。
図2b】非対称なエッチングを示す図である。
図2c】非対称なエッチングを示す図である。
図3a】エッチングされているウェーハ180の上面図である。
図3b】傾斜軸に垂直なウェーハの対角線に沿った、図3aの断面図である。
図4】イオン・ビームの発散を示す図である。
図5】本開示の実施例による改良された走査イオン・ビーム・エッチング・システムを示す図である。
図6】本開示の実施例による改良された走査イオン・ビーム・エッチング・システムを示す図である。
図7】本開示の実施例による改良された走査イオン・ビーム・エッチング・システムを示す図である。
図8】本開示の実施例による可変スキャン速度を示す図である。
図9】本開示の実施例による、一定スキャン速度及び可変スキャン速度を使った、ウェーハ中心からの相対的なエッチングを示す図である。
図10a】本開示の実施例による、ビームレットの発散、及びウェーハがビームと交差して走査されるときの、ウェーハの基板内側面対ウェーハの基板外側面についての発散の影響を示す図である。
図10b】本開示の実施例による、ビームレットの発散、及びウェーハがビームと交差して走査されるときの、ウェーハの基板内側面対ウェーハの基板外側面についての発散の影響を示す図である。
図11a】ビームの中心で、より大きい束を有するビームを示す図である。
図11b】束が、ビームの位置とは無関係に均一なビームを示す図である。
図12】デバイスの基板外側面の優先的なエッチングが生じる、発生源の中間面及びスキャンの遠い側を示す図である。
図13】対称な速度(破線)でのスキャンと比較して、スキャンの遠い側の基板外側面を優先的にエッチングする、1つの種類の非対称速度プロファイル(実線)を示す図である。
図14】発生源の中間面、及びデバイスの基板内側面の優先的なエッチングが生じる、スキャンの近い側を示す図である。
図15】滑らかに変化する種類の(破線)スキャンである非対称速度プロファイルと比較して、スキャンの遠い側の基板外側面を優先的にエッチングする、階段型(実線)である1つの種類の非対称速度プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面のいくつかの図を通して、類似の参照符号は類似の要素を指す。
【0029】
図5は、本開示の改良された走査イオン・ビーム・エッチング(IBE)・システムの図を示す。ウェーハ180は、イオン・ビームに対して垂直の入射からはずれて傾斜され、一方の端のビームの外側から始まり反対側の端のビームの外側まで、ビームと交差して走査され得る。
【0030】
いくつかの実施例では、不均一なビーム束を補償するために、ウェーハのスキャンの間にウェーハのスキャン速度が変更され得る。図5に示すように、ウェーハ180は、通常、ビーム130内を、且つ/又はビーム130を通って前後に走査される。典型的なウェーハのスキャンは、ウェーハ180が位置500にある状態から開始できる。ウェーハ180は、ビームを通って位置510まで走査(たとえば、平行移動)される。次いで、ウェーハ180は、位置510から位置500までビームを通って戻り、走査(たとえば、平行移動)され得る。ウェーハ180は、スキャン間に(位置500及び510のいずれか又は両方で)停止できる(たとえば、ゼロ速度)。位置500から位置510への経路、及び再び位置500へ戻る経路は、連続した経路であり得る。ウェーハ180が位置500から位置510までの走査をたどる経路は、ウェーハ180が位置510から位置500までの走査をたどる経路と同じであり得る。ウェーハ180が位置510から500までの走査をたどる経路は、ウェーハ180が位置500から位置510までの走査をたどる経路と異なり得る。
【0031】
位置500及び/又は位置510にあるウェーハ180は、ビームに対して少なくとも部分的に露光され得る。位置500及び/又は位置510にあるウェーハ180は、ビームに対して完全に露光され得る。位置500及び/又は位置510にあるウェーハ180は、少なくとも部分的にビームの外側に(たとえば、露光されない)あり得る。位置500及び/又は位置510にあるウェーハ180は、完全にビームの外側に(たとえば、露光されない)あり得る。500及び/又は510の位置は、少なくとも2回のスキャン間で不変であり得る。位置500及び/又は510は、3回以上のスキャンについて不変であり得る。位置500及び/又は510は、すべてのスキャンについて不変であり得る。500及び/又は510の位置は、少なくとも2回のスキャン間で変更され得る。位置500及び/又は位置510は、3回以上のスキャン間で変更され得る。位置500及び/又は位置510は、すべてのスキャン間で変更され得る。ウェーハのスキャンの長さ(たとえば、箇所500と510との間の距離)は、少なくとも2回のスキャンについて一定であり得る。ウェーハのスキャンの長さは、すべてのスキャンについて一定である。ウェーハのスキャンの長さは、少なくとも2回のスキャン間で異なり得る。ウェーハのスキャンの長さは、3回以上のスキャンで異なり得る。ウェーハのスキャンの長さは、すべてのウェーハのスキャンについて異なり得る。
【0032】
いくつかの実施例では、ウェーハ180の少なくとも一部は、イオン・ビームの外側でスキャンを開始できる。ウェーハ180のすべては、イオン・ビームの外側でスキャンを開始できる。ウェーハ180の一部は、スキャン中にビームに露光され得る。ウェーハ180のすべては、スキャン中にビームに露光され得る。ウェーハ180の一部は、スキャン終了時に、ビームの外側にあり(たとえば、ビームに露光されていない)得る。ウェーハ180のすべては、スキャン終了時に、ビームの外側にあり(たとえば、ビームに露光されていない)得る。一実施例では、ウェーハ180は、スキャン開始時にビームに露光されておらず、ウェーハ180の一部は、スキャン中にビームに露光され、ウェーハ180は、スキャン終了時にビームに露光されない。ウェーハ180は、イオン・ビームに対して所望の傾斜角で前後に走査され得る。ウェーハ180は、ビームと交差して走査されるときに、軸220を中心に回転し得る。スキャン中の回転スピードは、一定であり得る。スキャン中に、回転スピードは変わり得る。一定のスキャン速度で走査するプロセスは、所望のエッチング深さが達成されるまで繰り返され得る。スキャン経路は、ビームの中心に位置し得る(たとえば、スキャンの中間点は、ビームの中心とほぼ一致する)。スキャン経路は、イオン・ビーム内でずらされ得る(たとえば、スキャンの中間点は、ビームの中心と一致しない)。
【0033】
この走査方法は、従来のイオン・ビーム・エッチング(IBE)機において、ウェーハ180の近い側がウェーハ180の遠い側よりも高速でエッチングされる状態をもたらす、ウェーハ180の傾斜及びビームレットの発散によって生じる、基板内側と基板外側との非対称性に対処する。
【0034】
イオン・ビームの平滑化、側壁エッチング、及び側壁洗浄などの多くのイオン・ビーム操作は、イオン・ビームに対する大きな傾斜角を必要とする。ウェーハ180は、イオン・ビームの垂直入射から約10度を超えてはずれ、傾斜され得る。ウェーハ180は、イオン・ビームの垂直入射から30度を超えてはずれ、傾斜され得る。図6に示すような大きな傾斜角で走査することにより、スキャンの中間点がイオン発生源からさらに離れて移動し、またイオン・ビームと交差するウェーハ180を走査可能にするために、スキャン長が増加するという結果になり得る。スキャン長が増加し、またウェーハ180と発生源との間の距離がより長くなると、高真空/超高真空チャンバ内に収容することが困難になる可能性がある。
【0035】
必要なスキャン長は、図7に示すように、スキャンの末端の方に物理ブロック171及び172を挿入することによって減少され得る。ブロック171及び172は、ビーム130を狭める開口を形成し、それによって、ウェーハ180がそれを通って走査されるイオン・ビームの一部又は「スリット」を作成する。ブロック171及び172は、図7に示すように、イオン発生源105及びイオン抽出グリッド・システム150の中間面310に対して対称に挿入され得る。ブロック171及び172は、中間面310に対して非対称に挿入され得る。スリットの幅は、上部ブロック171若しくは下部ブロック172、又はその両方の位置を調整することで、調整可能となり得る。しかし、スリットの範囲にわたって大きな傾斜角でウェーハ180を走査することが必要な場合、ウェーハ180のスキャン中間点でのイオン抽出グリッド・システム150からウェーハ180までの距離は、従来のイオン・ビーム・エッチング(IBE)・システムにおける距離よりもはるかに長くなり得る。
【0036】
実際上のIBEシステムでは、ビーム130のビーム密度は、空間的に不均一であり得る。この不均一性は、ビームレットの発散に起因する場合がある。この影響は、多くの場合、発生源からウェーハまでの距離が長くなるにつれて大きくなり、ウェーハのスキャンの中間点との間の距離が長くなることで拡大され得る。ビーム130によって一定のスキャン速度でウェーハ180を走査すると、極めて不均一なエッチングが生じる可能性があり、ウェーハの中心は、ウェーハの縁部よりもはるかに速くエッチングされる。図8の概略図に示すように、可変スキャン速度を展開することで、ウェーハ180全体にわたるエッチングの均一性が劇的に改善され得る。ウェーハ180がスキャンの中間点から離れているときにスキャンの速度を遅くすることで、ウェーハ180の中心から離れた箇所でのエッチングが改善され得る。
【0037】
いくつかの実施例では、ウェーハ速度は、ウェーハのスキャン中に変更され得る。ウェーハのスキャン速度は、スキャン中に連続的に変化し得る。ウェーハのスキャン速度は、スキャンのある一部の間、一定であり得る。ウェーハ速度プロファイルは、少なくとも2回のスキャンについて同一であり得る。ウェーハのスキャン速度プロファイルは、すべてのスキャンについて同一であり得る。ウェーハのスキャン速度は、少なくとも2回のスキャン間で変化し得る。ウェーハのスキャン速度プロファイルは、スキャンごとに変化し得る。ウェーハのスキャン速度は、スキャン中の少なくとも1箇所の際に、ゼロであり得る。ウェーハ速度プロファイルは、対称であり得る(たとえば、図8参照)。スキャン速度プロファイルは、単調であり得る。スキャン速度プロファイルは、不連続であり得る。
【0038】
ウェーハ180全体にわたって、極めて均一なエッチングを実現するための対称可変速度の実例を、図8に示す。スキャンの中間点は、X=0で表される。スキャンの方向は、x軸に沿っている。負のx軸位置は、正のx軸位置よりもイオン発生源105に近い。図8の実例では、スキャンの中間点を中心にして対称な可変速度を示している。スキャンの対称可変速度は、ウェーハ180全体に均一なエッチングを得るために使用され得る。図8の実例に示すように、対称可変速度プロファイルは、階段関数又は滑らかな関数であり得る。図9に示すように、ここで実例に示す対称可変速度を使用して、ウェーハ180全体にわたる均一なエッチングが得られる。
【0039】
ビーム130と交差してウェーハ180を走査することは、デバイスの基板内側と基板外側との非対称性の第2の原因に対処していない。この非対称性の第2の原因は、ビーム130と交差する傾斜したウェーハ180の走査を可能にするために必要な長い距離、イオン発生源105及びイオン抽出グリッド・システム150の有限のサイズ、並びにビームレットの発散によってもたらされる。この影響を、図10a~図10bに示す。長い距離では、イオン発生源105の有限の横方向サイズ、及びビームレットの発散により、デバイスの基板内側面191が、デバイスの基板外側面と比較してより大量のイオンに露光される。この非対称性は、すべての傾斜角度で存在する。これを、図10a~図10bに示す。図10a~図10bに見られるように、回転するウェーハ180は、ビーム130と交差して走査されているときに、ウェーハ180の外縁部において、デバイスの基板外側面192が、デバイスの基板内側面191よりもはるかにエッチングが少ない状況を引き起こす。デバイスの基板内側面191及びデバイスの基板外側面192からイオン抽出グリッド・システム150の平面まで投影された立体角は、ウェーハ180がビーム130を交差して走査されるときの、基板内側面191及び基板外側面192それぞれのビームへの露出量を表す。デバイスの基板内側面191及び基板外側面192のビームへの露出の不均衡は、図10a及び図10bで明確に見ることができる。
【0040】
イオン発生源105の有限の寸法及びビームレットの発散に伴う、基板内側及び基板外側のエッチングの非対称性は、図11a~図11bに示すように、イオン発生源105及びイオン抽出グリッド・システム150のグリッドを、Y軸方向に大幅により大きくすることによって対処され得る。図11aは、ビーム130の中心で、より大きい束を有するビーム130を示す。ビーム130の中心よりもビーム130の縁部において、より大きい束を持つビーム130を有することが可能である(図示せず)。図11bは、束が、ビーム130内の位置とは無関係に均一なビーム130を示す。Y軸方向は、スキャンの方向である。図11bに示すように、イオン発生源105及びイオン抽出グリッド・システム150のグリッドの横方向の寸法を、少なくとも、ウェーハの直径とビームレットの発散の2倍との合計に等しくなるよう増加させ、且つ横方向の寸法全体にイオン束を均一にすることで、デバイスの基板内側面191と基板外側面192との両方を同じ量のイオン・ビームへの露出に露光されることを可能にし、デバイスの基板内側面191と基板外側面192との間の非対称性をなくすることができる。
【0041】
図11aで示す理想的でないイオン・ビームは、イオン・ビーム130の束が、ビーム130の縁部と比較してビーム130の中心においてより大きい場合の実例を示している。イオン・ビーム130の束が、ビーム130の中心と比較してビーム130の縁部でより大きいイオン・ビーム130を有することは可能である(たとえば、ビームの磁気閉じ込め、不均一なグリッド・システムなどによる)。この場合、スキャンの際に、ウェーハ180の縁部と比較してウェーハ180の中心の線量を増加させることが望ましいことがある。スキャンの末端におけるスキャン速度は、スキャンの中心でのスキャン速度よりも速くなり得る(たとえば、スキャンの末端の方の少なくとも1箇所のスキャン速度は、スキャンの中心の方の箇所よりも速い)。
【0042】
大きなイオン発生源105全体に均一なプラズマの分布を確立して維持することは、実際上は困難な可能性がある。プラズマ発生源の横方向の寸法にわたるプラズマ密度の大きなばらつきは、対処が困難な可能性がある。グリッドの横方向の寸法が大きいと、イオン発生源の動作の熱膨張及び収縮サイクルに関連する機械的不安定性に起因して、故障が発生する可能性がある。イオン発生源の大きな寸法及び大きなサイズのグリッドに関連する特別大きな課題により、非対称の問題には、より小さなイオン発生源及びより小さなグリッドで対処することが望ましい。
【0043】
図12を参照すると、ウェーハの中心がスキャン301の遠い側(たとえば、イオン・ビーム発生源105からより遠いウェーハのスキャン位置)にある場合、スキャン速度を遅くすることにより、やはり均一性が改善され得る。図12に示すように、スキャン速度は、イオン発生源105及びイオン抽出グリッド・システム150の中間面310より下の箇所の少なくとも一部に対して、低減され得る。スキャンのスピードが低下すると、デバイスの基板外側面192のエッチングが向上する。ウェーハの中心がスキャンの遠い側にある場合、スキャンのスピードを遅くすることにより、対称な速度でのスキャンにおいて存在する可能性のある、基板内側と基板外側との非対称性を改善できる。
【0044】
図13は、本開示のシステムで説明されるスキャン速度プロファイルの実例を示す。図13に示す概略図では、正のx位置は、ウェーハの中心の遠い側の位置301であり、ここでデバイスの基板外側面192のエッチングを増加させるためにスキャンのスピードが遅くなる。スキャンの、負のXの側のスキャン速度を、(たとえば、ウェーハ180がイオン発生源105により近いとき)対称可変スキャン・プロファイル303が良好な均一性のために必要とする速度よりも上げることによって、ウェーハ180全体にわたるエッチングの全体的に優れた均一性が維持される。
【0045】
スキャン速度は、スキャン中のイオン・ビーム105からのウェーハの距離の関数であり得る。スキャン中にウェーハ180とイオン・ビーム130との間の距離が増加するにつれて、スキャン速度は減少し得る。ビーム130に露光されるウェーハ180の面積が増加するにつれて、スキャン速度は増加し得る。ビーム130に露光されるウェーハ180の面積が減少するにつれて、スキャン速度は減少し得る。
【0046】
いくつかの実施例では、スキャン加速度はスキャン中に変化し得る。スキャン加速プロファイルは、非対称であり得る。スキャン加速度は、少なくとも2回のスキャン間で同一であり得る。スキャン加速度曲線は、ウェーハ加速度対スキャン経路に沿ったウェーハ180の位置のグラフである。スキャン加速度曲線は、3回以上のスキャンについて同一であり得る。スキャン加速度曲線は、すべてのスキャンについて同一であり得る。スキャン加速度曲線は、少なくとも2回のスキャン間で異なり得る。スキャン加速度曲線は、3回以上のスキャンについて異なり得る。スキャン加速度曲線は、すべてのスキャンについて異なり得る。スキャン加速度は、スキャンの少なくとも一部の間、一定であり得る。スキャン速度は、スキャン中にウェーハ180の少なくとも1つの領域にわたって、イオンの線量を一定に維持するよう選択され得る。スキャン速度は、スキャン中にウェーハ180のすべての露光領域にわたって、イオンの線量を一定に維持するよう選択され得る。
【0047】
たとえば図14に示すように、ウェーハの中心が、イオン発生源105及びグリッド・システム150の中間面310よりの上の箇所である、スキャンの近い側302にあるとき、スキャン速度を上げると、デバイスの基板内側面191のエッチングが減少する。図8図13図14、及び図15に示す概略図では、負のX位置は、スキャンの近い側302にある。ウェーハの中心が近い側302にある場合、スキャンのスピードを上げると、デバイスの基板内側面191のエッチングが減少する。スキャンの、正のXの側でスキャン速度を下げることにより、ウェーハ180全体にわたるエッチングの全体的に優れた均一性が維持される。ウェーハ180全体の良好な膜の均一性のために必要とされる、対称速度プロファイル303に対する、かかる速度プロファイルの関係を図13に示す。
【0048】
いくつかの実施例では、速度対位置の形状は、図15の304で表される、階段状の速度の形態又は滑らかに変化する形態であり得る。非対称の速度プロファイルにより、ウェーハ180は、負のx側よりも正のx側で(たとえば、イオン発生源105から一層離れて)より多くの時間を費やし、デバイスの基板内側面191に比較して、確実にデバイスの基板外側面192上でより多くエッチングする。スキャンの非対称速度のこのプロセスは、エッチング・システムがウェーハ直径と、ウェーハのスキャン面上のビームレットの発散の投影の2倍との合計よりも小さい横方向の寸法を有するイオン発生源105で構成されている場合でさえも、基板内側と基板外側との非対称制御を可能にする。
【0049】
発生源の中心における密度が、発生源の中心から離れた密度と比較してより低いビームを有する発生源を使った、システムで生じる非対称性を補正するために、近い側のスキャンのスピードを遅くすることにより、デバイスの基板内側面191が優先的にエッチングされ得る。
【0050】
例示的なイオン・ビーム・エッチング・プロセスのパラメータは、以下の通りである。
- 約100W~5kWの範囲のプラズマ発生源電力。
- 1E-3トルから1E-5トルの範囲のプロセス・チャンバ圧力。
- ガス組成物は、不活性ガス(たとえば、Ar、Kr、Xe、Heなど、又はこれらの混合物)を含み得る。
- ガス組成物は、反応性ガス(たとえば、ハロゲン含有ガス、C、Cl、酸素含有ガス、O、窒素含有ガス、N、NF、炭素含有ガス、CH、CO、CO、硫黄含有ガス、SF、水素含有ガス、H、HO、又はこれらの混合物)を含み得る。
- ガス組成物は、不活性ガスと反応性ガスとの混合物を含み得る。
- ウェーハ温度は、約-40℃から400℃の範囲であり得る。
- ウェーハのスキャンのスピードは、約0.01mm/秒から1cm/秒の範囲であり得る。一実施例では、ウェーハのスキャンのスピードは、1mm/秒から100mm/秒の範囲である。
- ウェーハ回転スピードは、約0.5RPMから1000RPMの範囲である。
- イオン・ビーム電圧は、通常、約500eV未満である。
- ウェーハ傾斜角は、約1度(たとえば、イオン・ビーム105に対して垂直に1度ずれている)から約85度(たとえば、イオン・ビーム105に対する視斜角)の範囲である。
【0051】
上記のステップ及び手順のいずれも、本明細書ではエッチング・プロセスに含まれるものとして言及されているが、成膜プロセスにも適用され得る。
【0052】
添付の特許請求の範囲内の態様を説明するために様々な実例及び他の情報を使用したが、当業者がこれらの実例を使用して多種多様な実施態様を導き出し得るような、かかる実例における個々の特徴又は配置構成に基づいて、特許請求の範囲への制限が含意されるべきではない。さらに、いくつかの主題が、構造的特徴及び/又は方法ステップの実例に固有の用語で説明されていることがあるが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしもこれらの説明された特徴又は行為に限定されないことを理解されたい。たとえば、かかる機能は、本明細書で特定された以外の構成要素で、別様に分散されるか、又は特定された以外の構成要素で実行され得る。むしろ、説明された特徴及びステップは、添付の特許請求の範囲内のシステムの構成要素及び方法の実例として開示されている。さらに、セットの「少なくとも1つ」を引用する請求項の用語は、セットの1つの要素又はセットの複数の要素が、請求項の意を満たすことを示す。
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
図12
図13
図14
図15