(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】中空糸膜モジュールの製造方法及びこれによって製造された中空糸膜モジュール
(51)【国際特許分類】
B01D 63/02 20060101AFI20220701BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20220701BHJP
H01M 8/10 20160101ALI20220701BHJP
【FI】
B01D63/02
H01M8/04 N
H01M8/10
(21)【出願番号】P 2020563935
(86)(22)【出願日】2018-06-18
(86)【国際出願番号】 KR2018006843
(87)【国際公開番号】W WO2019235676
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0066392
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】アン ウンジョン
(72)【発明者】
【氏名】オ ヨンソク
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンジュ
【審査官】富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104785110(CN,A)
【文献】特開2004-337845(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0019941(KR,A)
【文献】特表2013-519976(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0961039(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0077721(KR,A)
【文献】特開2007-283292(JP,A)
【文献】特開2003-126661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 61/00-71/82
B01D 53/22
C02F 1/44
H01M 8/04
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空糸膜カートリッジを準備する段階と、
前記中空糸膜カートリッジを開放する段階と、
前記開放した中空糸膜カートリッジに中空糸膜を配置する段階と、
前記中空糸膜が配置された中空糸膜カートリッジを閉鎖する段階と、
を含み、
前記中空糸膜カートリッジは、
上部と下部にそれぞれメッシュ部が形成されたボディー部と、
前記ボディー部をスライド型で締結するロッキング部と、
を含む、燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記ロッキング部は、
前記ボディー部の一側をスライドして開閉するロッキングカバーと、
前記ロッキングカバーがスライドすることができるように前記ボディー部の一側に形成されたスライド溝と、
を含む、請求項
1に記載の
燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記ボディー部は上面と下面に分離されて形成され、
前記ボディー部の上面と下面の少なくとも一面は他面をスライドして開閉するロッキングカバーであり、他面には前記ロッキングカバーがスライドすることができるように形成されたスライド溝を含む、請求項
1に記載の
燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記ボディー部の下面と前記ボディー部の両側面と前記ボディー部の上面の下側とは一体型に形成され、前記ボディー部の上面の上側は前記ボディー部の両側面から分離されて形成され、
前記ボディー部の上面の上側はスライドして開閉するロッキングカバーであり、前記ボディー部の下面には前記上面の上側がスライドすることができるように形成されたスライド溝を含む、請求項
1に記載の
燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記メッシュ部は、
流体の流れ方向を誘導する複数の節と、
前記複数の節によって取り囲まれて形成されるウィンドウと、
を含み、
前記節の角部の曲率は0.7以上である、請求項
1~4のいずれか一項に記載の
燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項6】
第1流体流入口及び第1流体流出口と第2流体流入口及び第2流体流出口を含むハウジング部と、
前記ハウジング部の内部に設けられ、複数の中空糸膜を収容する少なくとも一つ以上のオープン型カートリッジと、
を含み、
前記オープン型カートリッジは、
上部と下部にそれぞれメッシュ部が形成されたボディー部と、
前記ボディー部をスライド型で締結するロッキング部と、
を含む、燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュール。
【請求項7】
前記ロッキング部は、
前記ボディー部の一側をスライドして開閉するロッキングカバーと、
前記ロッキングカバーがスライドすることができるように前記ボディー部の一側に形成されたスライド溝と、
を含む、請求項
6に記載の
燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュール。
【請求項8】
前記ボディー部は上面と下面に分離されて形成され、
前記ボディー部の上面と下面の少なくとも一面は他面をスライドして開閉するロッキングカバーであり、他面には前記ロッキングカバーがスライドすることができるように形成されたスライド溝を含む、請求項
6に記載の
燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュール。
【請求項9】
前記ボディー部の下面と前記ボディー部の両側面と前記ボディー部の上面の下側とは一体型に形成され、前記ボディー部の上面の上側は前記ボディー部の両側面から分離されて形成され、
前記ボディー部の上面の上側はスライドして開閉するロッキングカバーであり、前記ボディー部の下面には前記上面の上側がスライドすることができるように形成されたスライド溝を含む、請求項
6に記載の
燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュール。
【請求項10】
前記メッシュ部は、
流体の流れ方向を誘導する複数の節と、
前記複数の節によって取り囲まれて形成されるウィンドウとを含み、
前記節の角部の曲率は0.7以上である、請求項
6~9のいずれか一項に記載の
燃料電池の膜加湿器用中空糸膜モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオープン型中空糸膜カートリッジを用いた中空糸膜モジュールの製造方法及びこれによって製造された中空糸膜モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池とは水素と酸素を結合させて電気を生産する発電型電池である。燃料電池は、乾電池や蓄電池などの一般化学電池とは違い、水素と酸素が供給される限り、ずっと電気を生産することができ、熱損失がなくて内燃機関より効率が2倍程度高いという利点がある。
【0003】
また、水素と酸素の結合によって発生する化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換するから、公害物質の排出が少ない。よって、燃料電池は環境に優しいだけでなく、エネルギー消費増加による資源枯渇に対するおそれを減らすことができるという利点を有する。
【0004】
このような燃料電池は、使われる電解質の種類によって、大きくは、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell:PEMFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、及びアルカリ型燃料電池(AFC)などに分類することができる。
【0005】
これらの燃料電池のそれぞれは根本的に同じ原理によって作動するが、使われる燃料の種類、運転温度、触媒、電解質などが互いに異なる。このうち、高分子電解質型燃料電池は、他の燃料電池に比べ、低温で動作するという点、及び出力密度が高くて小型化が可能であるから、小規模据置型発電装備だけではなく輸送システムにおいても最も有望なものであると知られている。
【0006】
高分子電解質型燃料電池の性能を向上させることにおいて最も重要な要因の一つは、膜電極組立体(Membrane Electrode Assembly:MEA)の高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrane又はProton Exchange Membrane:PEM)に一定量以上の水分を供給することによって含水率を維持するようにすることである。高分子電解質膜が乾燥すれば、発電効率が急激に低下するからである。
【0007】
高分子電解質膜を加湿する方法としては、1)耐圧容器に水を満たした後、対象気体を拡散器(diffuser)に通過させて水分を供給するバブラー(bubbler)加湿方式、2)燃料電池反応に必要な供給水分量を計算し、ソレノイドバルブを通してガス流動管に直接水分を供給する直接噴射(direct injection)方式、及び3)高分子分離膜を用いてガス流動層に水分を供給する加湿膜方式などがある。
【0008】
これらの中でも、排気ガス中に含まれる水蒸気のみ選択的に透過させる膜を用いて水蒸気を、高分子電解質膜に供給されるガスに提供することによって高分子電解質膜を加湿する加湿膜方式が加湿器を軽量化及び小型化することができるという点で有利である。
【0009】
加湿膜方式に使われる選択的透過膜は、モジュールを形成する場合、単位体積当たり透過面積の大きい中空糸膜が好ましい。すなわち、中空糸膜を用いて加湿器を製造する場合、接触表面積の広い中空糸膜の高集積化が可能であり、小容量でも燃料電池を十分に加湿することができ、低価素材の使用が可能であり、燃料電池から高温で排出される未反応ガスに含まれた水分及び熱を回収して加湿器を通して再使用することができるという利点を有する。
【0010】
しかし、中空糸膜を用いた加湿器の場合、その容量を増やすために中空糸膜を多数集積することになる。この際、中空糸膜の外部に流れる気体の流れが高集積した中空糸膜による抵抗によって加湿器の内部全体に均一に形成されることができなくなる。
【0011】
これを改善するために、中空糸膜モジュールを多数のカートリッジ形態に具現し、これを膜加湿器ハウジング内に装着して均一な気体の流れとなるようにしている。すなわち、中空糸膜束を個々のカートリッジの内部に収容し、多数のカートリッジを膜加湿器ハウジング内に装着することにより、流入した気体がカートリッジの内部を流れるようにして気体の流れが均一になるようにしている。
【0012】
しかし、従来のカートリッジ方式は次のような製造上の問題点がある。
従来のカートリッジ方式は、上下が開放し、側面が密閉した密閉型カートリッジを使う。よって、カートリッジを立てた状態で乾燥状態の中空糸膜をカートリッジの長手方向に挿入しなければならない。仮に、じめじめした状態の中空糸膜を挿入すれば、挿入途中に曲がることになる。
【0013】
乾燥した複数の中空糸膜をカートリッジの内部に挿入する過程で既に挿入された中空糸膜と挿入中の中空糸膜との間の摩擦、挿入中に発生する外乱などの多くの原因によって中空糸膜が破損される問題がある。
【0014】
また、乾燥した状態の中空糸膜をカートリッジ内に破損なしに挿入するために、ちょっとまばらに挿入しなければならないため、中空糸膜のパッキング密度(PD、Packing Density)が低下するという問題がある。
また、中空糸膜をカートリッジ内に破損なしに挿入するために、作業者は愼重を期さなければならなく、よって工程時間及び人力が多く必要となる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は前記の問題点を解決するために案出されたもので、カートリッジ内に中空糸膜束を挿入する工程で発生する中空糸膜束の破損、中空糸膜束のパッキング密度の低下を防止することができ、工程時間及び作業人力を低減することができる中空糸膜モジュールの製造方法及びこれによって製造された中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法は、中空糸膜カートリッジを準備する段階と、前記中空糸膜カートリッジを開放する段階と、前記開放した中空糸膜カートリッジに中空糸膜を配置する段階と、前記中空糸膜が配置された中空糸膜カートリッジを閉鎖する段階とを含む。
【0017】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記中空糸膜カートリッジは、上部と下部にそれぞれメッシュ部が形成されたボディー部と、前記ボディー部をヒンジ型で締結するロッキング部とを含むことができる。
【0018】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記ロッキング部は、前記ボディー部の一側に形成されたロッキングカバーと、前記ボディー部の他側に突設されたロッキング突起とを含むことができる。
【0019】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記ロッキング部は、前記ボディー部の一側全面を開放するロッキングカバーと、前記ボディー部に突設されたロッキング突起とを含むことができる。
【0020】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記ボディー部の下面と前記ボディー部の両側面と前記ボディー部の上面の下側とは一体型に形成され、前記ボディー部の上面の上側は前記ボディー部の一側面から分離されて一方向に開放することができる。
【0021】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記中空糸膜カートリッジは、上部と下部にそれぞれメッシュ部が形成されたボディー部と、前記ボディー部をスライド型で締結するロッキング部とを含むことができる。
【0022】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記ロッキング部は、前記ボディー部の一側をスライドして開閉するロッキングカバーと、前記ロッキングカバーがスライドすることができるように前記ボディー部の一側に形成されたスライド溝とを含むことができる。
【0023】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記ボディー部は上面と下面に分離されて形成され、前記ボディー部の上面と下面の少なくとも一面は他面をスライドして開閉するロッキングカバーであり、他面には前記ロッキングカバーがスライドすることができるように形成されたスライド溝を含むことができる。
【0024】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記ボディー部の下面と前記ボディー部の両側面と前記ボディー部の上面の下側とは一体型に形成され、前記ボディー部の上面の上側は前記ボディー部の両側面から分離されて形成され、前記ボディー部の上面の上側はスライドして開閉するロッキングカバーであり、前記ボディー部の下面には前記上面の上側がスライドすることができるように形成されたスライド溝を含むことができる。
【0025】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法において、前記メッシュ部は、流体の流れ方向を誘導する複数の節と、前記複数の節によって取り囲まれて形成されるウィンドウとを含み、前記節の角部の曲率は0.7以上であり得る。
【0026】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールは、第1流体流入口及び第1流体流出口と第2流体流入口及び第2流体流出口を含むハウジング部と、前記ハウジング部の内部に設けられ、複数の中空糸膜を収容する少なくとも一つ以上のオープン型カートリッジとを含む。
【0027】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記オープン型中空糸膜カートリッジは、上部と下部にそれぞれメッシュ部が形成されたボディー部と、前記ボディー部をヒンジ型で締結するロッキング部とを含むことができる。
【0028】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記ロッキング部は、前記ボディー部の一側に形成されたロッキングカバーと、前記ボディー部の他側に突設されたロッキング突起とを含むことができる。
【0029】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記ロッキング部は、前記ボディー部の一側全面を開放するロッキングカバーと、前記ボディー部に突設されたロッキング突起とを含むことができる。
【0030】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記ボディー部の下面と前記ボディー部の両側面と前記ボディー部の上面の下側とは一体型に形成され、前記ボディー部の上面の上側は前記ボディー部の一側面からは分離されて一方向に開放することができる。
【0031】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記オープン型中空糸膜カートリッジは、上部と下部にそれぞれメッシュ部が形成されたボディー部と、前記ボディー部をスライド型で締結するロッキング部とを含むことができる。
【0032】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記ロッキング部は、前記ボディー部の一側をスライドして開閉するロッキングカバーと、前記ロッキングカバーがスライドすることができるように前記ボディー部の一側に形成されたスライド溝とを含むことができる。
【0033】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記ボディー部は上面と下面に分離されて形成され、前記ボディー部の上面と下面の少なくとも一面は他面をスライドして開閉するロッキングカバーであり、他面には前記ロッキングカバーがスライドすることができるように形成されたスライド溝を含むことができる。
【0034】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記ボディー部の下面と前記ボディー部の両側面と前記ボディー部の上面の下側とは一体型に形成され、前記ボディー部の上面の上側は前記ボディー部の両側面から分離されて形成され、前記ボディー部の上面の上側はスライドして開閉するロッキングカバーであり、前記ボディー部の下面には前記上面の上側がスライドすることができるように形成されたスライド溝を含むことができる。
【0035】
本発明の実施例による中空糸膜モジュールにおいて、前記メッシュ部は、流体の流れ方向を誘導する複数の節と、前記複数の節によって取り囲まれて形成されるウィンドウとを含み、前記節の角部の曲率は0.7以上であい得る。
その他の本発明の多様な側面による具現例の具体的な事項は以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0036】
本発明の実施形態によれば、カートリッジが開放した状態で中空糸膜を配置するので、以前のように密閉型カートリッジに中空糸膜を挿入するときに発生する中空糸膜の破損を防止することができる。
【0037】
また、配置中に中空糸膜が破損されるおそれもないので、以前より高密度に中空糸膜をカートリッジに配置することができ、中空糸膜束のパッキング密度(PD、Packing Density)を向上させることができる。
【0038】
また、開放したカートリッジに中空糸膜を適切に配置するだけで良いので、密閉型カートリッジに挿入する場合よりは作業者の手数を軽減させることができ、それによって工程時間及び人力の消耗を防止することができる。
【0039】
また、以前の中空糸膜挿入工程は、密閉型カートリッジに中空糸膜を挿入するために必ず乾燥した中空糸膜を使わなければならないが、本発明の場合、中空糸膜を挿入するものではなく、開放した状態のカートリッジに中空糸膜を配置するものなので、乾燥させた状態の中空糸膜はもちろんのこと、乾燥させなかった状態の中空糸膜も配置することができる。
【0040】
また、従来には中空糸膜の断線を防止するために別途のメッシュ網が必要であったが、本発明のカートリッジはメッシュ部を備えて中空糸膜の断線を防止することができるので、別途のメッシュ網が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法を示すフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法に使われるオープン型中空糸膜カートリッジの一例を示す斜視図である。
【
図3】
図2のオープン型中空糸膜カートリッジが開放した状態(広がった状態)を示す平面図である。
【
図4】オープン型中空糸膜カートリッジの多様な実施例を示す斜視図である。
【
図5】オープン型中空糸膜カートリッジの多様な実施例を示す斜視図である。
【
図6】オープン型中空糸膜カートリッジの多様な実施例を示す斜視図である。
【
図7】オープン型中空糸膜カートリッジの多様な実施例を示す斜視図である。
【
図8】オープン型中空糸膜カートリッジの多様な実施例を示す斜視図である。
【
図9】オープン型中空糸膜カートリッジの多様な実施例を示す斜視図である。
【
図10】
図2のA-A’線についての断面図であって、メッシュ部を通して流入する流体の流れ方向を示す図である。
【
図11】本発明の実施例による中空糸膜モジュールを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、ここでは特定の実施例を例示し、詳細な説明で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物乃至代替物を含むものに理解されなければならない。
【0043】
本発明で使用した用語はただ特定の実施例を説明するために使用したものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上で明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。本発明で、‘含む’又は‘有する’などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せの存在又は付加の可能性を予め排除しないものに理解されなければならない。以下、図面に基づいて本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法及びこれによって製造された中空糸膜モジュールを説明する。
【0044】
図1は本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法を示すフローチャート、
図2は本発明の実施例による中空糸膜モジュールの製造方法に使われるオープン型中空糸膜カートリッジの一例を示す斜視図、
図3は
図2のオープン型中空糸膜カートリッジが開放した状態(広がった状態)を示す平面図である。
図4~
図9はオープン型中空糸膜カートリッジの多様な実施例を示す斜視図である。
【0045】
図1に示すように、本発明の一実施例による中空糸膜モジュールの製造方法は、中空糸膜カートリッジを準備する段階(S100)、中空糸膜カートリッジを開放する段階(S200)、開放した中空糸膜カートリッジに中空糸膜を配置する段階(S300)、及び中空糸膜が配置された中空糸膜カートリッジを閉鎖する段階(S400)を含む。
【0046】
まず、中空糸膜カートリッジを準備する(S100)。
本発明で使われる中空糸膜カートリッジは、
図2~
図9に示すようなオープン型中空糸膜カートリッジ100(以下、‘カートリッジ’ともいう)である。前記カートリッジ100は、上部と下部にそれぞれメッシュ部130が形成されたボディー部110と、ボディー部110を締結するロッキング部120とを含む。
【0047】
図2~
図5に示すカートリッジ100はロッキング部120がヒンジ型でボディー部110を締結する場合であり、
図6~
図9に示すカートリッジ100はボディー部110の少なくとも一部が分離されてスライド方式でボディー部110を結合して締結するスライド型の場合である。
【0048】
まず、
図2~
図5を参照してヒンジ型のロッキング部120を備えたカートリッジについて説明する。
【0049】
図2及び
図3を参照すると、ボディー部110は両側面がラウンド処理された直方体形状、又は断面円形の円筒形状、断面楕円の楕円筒形状であり得る。これはボディー部110の形状の一例であり、これに限定されるものではない。
【0050】
ボディー部110は寸法安全性及び樹脂流れ性がよく、熱変形に強い素材であることが好ましい。このような素材としては、例えばPC(Polycarbonate)、ABS(acrylonitrile-butadiene-styrene resin)、ナイロンなどがある。ボディー部110は、ロッキング部120によるロック状態解除の際にカートリッジ100が広がるようにする折畳部111を含む。折畳部111はボディー部110の内側に形成された溝であり、例えばV字形溝、U字形溝からなることができる。
【0051】
ボディー部110は、カートリッジ100がハウジング部200(
図12参照)に挿入されたとき、カートリッジ100がハウジング部200から離脱することを防止する離脱防止フック112を含む。離脱防止フック112は、ボディー部110の上面又は下面の少なくとも一面に所定の長さに突出した突起の形態になることができる。
【0052】
ロッキング部120はボディー部110の一側面に形成されることができる。ロッキング部120は、ボディー部110の一側に連結されたロッキングカバー121と、ボディー部110の他側に突設されたロッキング突起122とを含む。これに限定されず、ロッキング部120は、ロッキングカバー121に形成されたロッキング突起(図示せず)と、ボディー部にロッキング突起が挿入されるロッキング溝(図示せず)とからなることができる。
【0053】
図4に示すように、ロッキング部120はボディー部110の一側全面を開放する方式で具現することができる。この場合、ロッキング部120は、ボディー部110の一側全面を開閉するロッキングカバー121と、ボディー部110に突設されたロッキング突起122とを含む。この場合、ボディー部110に折畳部111を形成する必要がなくてカートリッジ100の耐久性を向上させることができる。
【0054】
図5に示すように、ロッキング部120はボディー部110の上面一部を一方向に開放する方式で具現することができる。この場合、ボディー部110は下面と両側面が一体型に形成され、上面の下側113はボディー部110の両側面と一体に形成できるが、上面の上側114はボディー部110の一側面から分離されて一方向に開放するヒンジ型に形成される。すなわち、ボディー部110の上面の上側114はボディー部110の他側面を軸として所定の角度に回転可能に形成される。この場合、ボディー部110の上面の上側114はロッキングカバーの機能を果たし、ボディー部110の上面の上側114にはロッキング突起(図示せず)が形成され、これに対応する部分にロッキング溝(図示せず)が形成されることができる。もちろん、ボディー部110の上面の上側114にロッキング溝が形成され、これに対応する部分にロッキング突起が形成されることもできる。
【0055】
次に、
図6~
図9を参照してスライド型のロッキング部120を備えたカートリッジについて説明する。
図6~
図9に示すように、ロッキング部120はボディー部110の少なくとも一部分をスライドする方式で具現することができる。
図6に示すカートリッジ100はロッキング部120がボディー部110の一側でスライドしてボディー部110を開閉する。ロッキング部120はボディー部110の一側面が分離されて形成されることができる。ロッキング部120は、ボディー部110の一側を上下方向にスライドして開閉するロッキングカバー121と、このロッキングカバーがスライドすることができるようにボディー部の一側に形成されたスライド溝123とからなることができる。ロッキングカバー121は、図示のように、曲面形状に形成されることができるが、これに限定されない。この場合には、ボディー部110に折畳部111を形成する必要がなくてカートリッジ100の耐久性を向上させることができる。
【0056】
図7に示すカートリッジ100は、ボディー部110が上面110aと下面110bとに分離されて形成される。上面110aと下面110bの少なくとも一つはロッキングカバーの機能を果たす。例えば、ボディー部の上面110aがロッキングカバーになることができる。この場合、ボディー部の下面110bにはボディー部の上面110aのスライドすることができるようにするスライド溝123が形成されることができる。ここで、ロッキング部120は、ボディー部の上面110aと、スライド溝123とからなることができる。この場合にも、ボディー部110に折畳部111を形成する必要がなくてカートリッジ100の耐久性を向上させることができる。特に、
図7のカートリッジ100はじめじめした状態の中空糸膜をカートリッジ100に挿入させるときに有用である。
【0057】
図8に示すカートリッジ100は、
図5と同様に、ロッキング部120がボディー部110の上面一部を開放する方式で具現される。ボディー部110は下面と両側面が一体型に形成され、上面の下側113はボディー部110の両側面と一体に形成されるが、上面の上側114はボディー部110の両側面から分離されてスライド方式で開放する。上面の上側114はロッキングカバーの機能を果たす。ボディー部の下面110bの一部には上面の上側114がスライドすることができるようにするスライド溝123が形成されることができる。ここで、ロッキング部120は、ボディー部の上面の上側114とスライド溝123とから構成されることができる。この場合にも、ボディー部110に折畳部111を形成する必要がなくてカートリッジ100の耐久性を向上させることができる。
【0058】
図7のカートリッジに乾燥状態の中空糸膜を挿入させる場合、下面110bの高さ以上に挿入させるとき、乾燥状態の中空糸膜を支持する構造物がなくてカートリッジ容量の半分程度にだけ挿入させることになる欠点がある。一方、
図8のカートリッジに乾燥状態の中空糸膜を挿入させる場合、下面110bと一体に形成された上面の下側113が乾燥状態の中空糸膜を支持する構造物になり、カートリッジ容量の分だけ乾燥状態の中空糸膜を挿入させることができる。じめじめした状態の中空糸膜は水分によって互いに凝集している状態であるので、
図7のカートリッジを使ってもカートリッジ容量の分だけ挿入させることができる。
【0059】
図9はカートリッジ100のボディー部110が全体的に円筒形状に形成された場合を例示するものであり、
図6~
図8と同様に、円筒の一部を分離してロッキングカバーとするか、円筒の半分を分離してロッキングカバーとするか、円筒の一部は一体に形成し、残りは分離してロッキングカバーとし、このロッキングカバーに対応する位置にスライド溝を形成することができる。このロッキングカバーとスライド溝はロッキング部を構成することができる。もちろん、これは一例示であるだけ、カートリッジ100のボディー部110の形状がこれに限定されるものではない。
【0060】
メッシュ部130はボディー部110の上部と下部にそれぞれ形成される。メッシュ部130は、後述する第2流体流入口231から流入した第2流体がウィンドウ132を通してカートリッジ100の内部に流入し、カートリッジ100の内部で第1流体流入口231から流入した第1流体と水分を交換するようにする。メッシュ部130は、流入した第2流体の一部がカートリッジ100の内部に配置された中空糸膜に直接衝突することを防止して、中空糸膜が損傷されることを防止することができる。
【0061】
図10に示すように、メッシュ部130を成すそれぞれの節131は流入した第2流体の流れ方向を誘導し、節131の直下部に位置する中空糸膜束の損傷を防止することができる。ここで、それぞれの節131の角部の曲率Rによって中空糸膜束が損傷される程度は互いに異なり、テスト結果として下記の[表1]のような結果を得た。
【0062】
【0063】
前記[表1]を参照すると、節131の角部の曲率Rは0.7以上であることが好ましい。角部の曲率Rが0.5以下の場合、中空糸膜束の総数の1%以上の断線が発生して全体的な加湿効率に悪影響を及ぼすことができるが、0.7以上の場合、極めて一部の中空糸膜のみの断線が発生して全体的な加湿効率に及ぶ影響は小さい。
【0064】
メッシュ部130の長さ(L2+L3)はカートリッジの全長L1の10~70%となるようにし、節131によって取り囲まれて形成されるウィンドウ132の総面積はカートリッジの全体面積の30~70%となるようにする。ウィンドウ132の総面積が70%を超えれば、第2流体流入口231から流入した第2流体が中空糸膜を通して水分を伝達することができる空間が小さくなって全体的な加湿効率に悪影響を及ぼすことになる。
【0065】
一方、従来は、中空糸膜の断線を防止するために、別途のメッシュ網が必要であったが、本発明のカートリッジ100はメッシュ部130を備えて中空糸膜の断線を防止することができるので、別途のメッシュ網が不要になる。
【0066】
ついで、前記のように準備したカートリッジ100を開放する(S200)。
図2~
図5に示すようなヒンジ型のロッキング部を備えたカートリッジの場合、ボディー部110の側面に形成されたロッキング部120を引っ張ってロッキングカバー121とロッキング突起122の結合状態を解除してボディー部110を開放する。
【0067】
図6~
図9に示すようなスライド型のロッキング部を備えたカートリッジの場合、ロッキングカバーを一方向にスライドしてボディー部110の側面を開放する。
【0068】
ついで、中空糸膜カートリッジ100が開放した状態で、カートリッジ100の内部に中空糸膜を配置する(S300)。ここで、乾燥状態の中空糸膜を配置することもできるが、じめじめした状態の中空糸膜を配置することもできる。
【0069】
中空糸膜を洗浄した後、これを充分に乾燥し、乾燥状態の中空糸膜をカートリッジ100に配置する。
図3に示す開放状態のボディー部110の右側ボディー部(ロッキングカバーが形成された部分)に中空糸膜を配置する。
【0070】
一方、
図4のようにロッキング部120がボディー部110の一側全面を開放する方式で具現された場合、又は
図6とのようにロッキング部120がボディー部110の一側をスライドする方式で具現された場合、ボディー部110の一側全面を開放し、開放したボディー部の一側全面が上方に向かうようにカートリッジ100を位置させ、中空糸膜Hの長手方向が開放したボディー部の一側に平行な状態で挿入(
図4の矢印方向)することによりカートリッジ100の内部に中空糸膜を容易に配置することができる。
【0071】
一方、
図5又は
図8のように、ボディー部110の上面一部を一方向に開放する方式で具現された場合、ボディー部110の上面の上側114を開放し、開放した部分に乾燥状態又はじめじめした状態の中空糸膜を配置する。
【0072】
一方、
図7のようにボディー部の上面110aをスライドして開放する場合、ボディー部の上面110aを開放し、開放した部分にじめじめした状態の中空糸膜を配置する。
【0073】
本発明の多様な実施例によれば、カートリッジが開放した状態で中空糸膜を配置するものであるので、以前のように密閉型カートリッジに中空糸膜を挿入するときに発生する中空糸膜の破損が発生しない。
【0074】
また、配置中に中空糸膜が破損されるおそれもないので、以前より高密度に中空糸膜をカートリッジに配置することができ、中空糸膜束のパッキング密度(PD、Packing Density)を向上させることができる。
【0075】
また、開放したカートリッジに中空糸膜を適切に配置するだけで良いので、密閉型カートリッジに挿入する場合よりは作業者の手数を軽減させることができ、よって工程時間及び人力の消耗を防止することができる。
【0076】
一方、本発明のようにオープン型カートリッジを使う場合、洗浄の後にじめじめした状態の中空糸膜を乾燥させずにカートリッジ100の内部に配置することができる。すなわち、以前の中空糸膜の挿入工程は、密閉型カートリッジに中空糸膜を挿入するために必ず乾燥した中空糸膜を使わなければならないが、本発明の場合、中空糸膜を挿入するものではなく、開放した状態のカートリッジに中空糸膜を配置するものであるので、乾燥させた状態の中空糸膜はもちろんのこと、乾燥させなかった状態の中空糸膜も配置することができる。
【0077】
ついで、中空糸膜が配置された中空糸膜カートリッジを閉鎖する(S400)。
図2~
図5に示すようなヒンジ型のロッキング部を備えたカートリッジの場合、ロッキングカバー121とロッキング突起122を締結してカートリッジを閉鎖する。
【0078】
図6~
図9に示すようなスライド型のロッキング部を備えたカートリッジの場合、ロッキングカバー121を他方向にスライドしてボディー部110を閉鎖する。
【0079】
カートリッジを閉鎖した後、中空糸膜の端部を結束してポッティングを行う。ポッティング過程によって中空糸膜間の空隙を埋める。
【0080】
一方、ポッティング過程は、前記のようにカートリッジを閉鎖した後に行うことができるが、カートリッジに中空糸膜を配置する段階(S300)でも行うことができる。すなわち、多数の中空糸膜で中空糸膜束を形成し、中空糸膜束の端部を結束してポッティングを行った後、カートリッジの内部にポッティングされた中空糸膜束を配置することもできる。
【0081】
前記のような過程でオープン型中空糸膜カートリッジの内部に中空糸膜を配置してから閉鎖することでカートリッジ100を製造する。カートリッジ100を少なくとも一つ以上製造した後、
図11に示すようなハウジング部200内に配置する。
【0082】
次に、
図11を参照して本発明の実施例による中空糸膜モジュールを説明する。本発明の実施例による中空糸膜モジュールは、ハウジング部200内に少なくとも一つ以上のカートリッジ100が配置され、中空糸膜はカートリッジ内に収容される。ここで、前記カートリッジ100は前述した方法で製造され、上部と下部にそれぞれメッシュ部130が形成されたボディー部110とボディー部110をロッキングするロッキング部120とを含む。
【0083】
図11に示すように、本発明の実施例による中空糸膜モジュールは、ハウジング部200、及びハウジング部200の内部に設けられ、多数の中空糸膜を収容する少なくとも一つ以上のカートリッジ100を含む。
【0084】
ハウジング部200は中空糸膜モジュールの外形を成す。ハウジング部200はハウジング胴体210とハウジングキャップ220とを含むことができ、これらが結合された一体型であり得る。ハウジング胴体210とハウジングキャップ220は、PP5(PolyPropylene5)、PPS(PolyPhenyleneSulfide)、PA6(PolyAmide6)、PA66(PolyAmide66)、PPA(PolyPhthalAmide)、ポリカーボネートなどの硬質プラスチック又は金属からなることができる。
【0085】
また、ハウジング胴体210とハウジングキャップ220は、幅方向の断面形状が多角形又は円形であり得る。前記多角形は、方形、正方形、台形、平行四辺形、五角形、六角形などであり得、前記多角形は、角部がラウンド状になった形態であり得る。また、前記円形は楕円形であり得る。
【0086】
ハウジング胴体210の両端にはそれぞれ第2流体が供給される第2流体流入口231と第2流体が排出される第2流体流出口232とが形成されている。
【0087】
ハウジング部200の内部には、水分を選択的に通過させる複数の中空糸膜を収容する少なくとも一つ以上のカートリッジ100が配置される。ここで、前記中空糸膜の素材は公知のものであるので、この明細書で詳細な説明は省略する。
カートリッジ100の両端部には、中空糸膜を結束しながら中空糸膜間の空隙を埋めるポッティング部(図示せず)が形成される。したがって、カートリッジ100の両端部がポッティング部で塞がり、その内部には第2流体が通過する流路が形成される。ポッティング部の素材は公知のものであるので、この明細書で詳細な説明は省略する。
【0088】
一方、ハウジングキャップ220はハウジング胴体210の両端にそれぞれ結合される。それぞれのハウジングキャップ220には第1流体流入口221及び第1流体流出口222が形成されている。一方のハウジングキャップ220の第1流体流入口221に流入した第1流体はカートリッジの内部に流入して中空糸膜の内部管路を通過し、カートリッジの外部に流出した後、他方のハウジングキャップ220の第1流体流出口222を通して排出される。
【0089】
ハウジング部200内には、カートリッジ100が装着できる少なくとも一つ以上の挿入口240が形成され、それぞれの挿入口240にはカートリッジ100が挿入される。この際、カートリッジ100に形成された離脱防止フック112の突出した突起が挿入口240の端部から突出することによりカートリッジ100の装着が完了し、離脱防止フック112の突出した突起によって逆方向への引出が防止されるので、挿入口240に装着されたカートリッジ100が逆方向に離脱することを防止することができる。
【0090】
修理、洗浄の理由でカートリッジ100を挿入口240から引き出そうとする場合、強い力で突出した突起を押した状態でカートリッジ100を挿入方向の反対方向に押して引き出すことができる。
【0091】
次に、前記のように構成される中空糸膜モジュールにおいて第1流体及び第2流体の水分交換過程について説明する。以下の説明で、第1流体は低湿の流体、第2流体は高湿の流体であり得る。もしくは、第2流体が低湿の流体、第1流体が高湿の流体でもあり得る。
【0092】
第1流体は一方のハウジングキャップ220の第1流体流入口221を通してハウジング部200及びカートリッジ100内に供給され、中空糸膜の内部に流れ、他方のハウジングキャップ220の第1流体流出口222を通して中空糸膜モジュールの外部に排出される。一方、第1流体は第1流体流出口222に流入して第1流体流入口221から排出されるように流れることも可能である。
【0093】
第2流体は、ハウジング胴体210の第2流体流入口231を通して前記ハウジング胴体210に供給された後、カートリッジ100のメッシュ部130aを通して中空糸膜の外部に流れ、カートリッジ100のメッシュ部130bを通してハウジング胴体210に排出された後、ハウジング胴体210の第2流体流出口232を通して外部に排出される。
【0094】
一方、第2流体は第2流体流出口232に流入して第2流体流入口231から排出されるように流れることも可能である。すなわち、前記第1流体と第2流体は互いに反対方向に流れることもでき、同じ方向に流れることもできる。
第1流体と第2流体はそれぞれ中空糸膜の内部と外部で流れながら中空糸膜を通して水分などの物質又は熱などを交換する。
【0095】
以上では本発明の実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範疇内で、構成要素の付加、変更、削除又は追加などによって本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲に含まれると言える。
【符号の説明】
【0096】
100 中空糸膜カートリッジ
110 ボディー部
120 ロッキング部
130 メッシュ部
200 ハウジング部
210 ハウジング胴体
220 ハウジングキャップ
240 挿入口