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特許7097997細長微細構造および光抽出機構を備えるガラス物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】細長微細構造および光抽出機構を備えるガラス物品
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220701BHJP
   C03C 3/076 20060101ALI20220701BHJP
   C03C 3/089 20060101ALI20220701BHJP
   C03C 3/083 20060101ALI20220701BHJP
   C03C 3/091 20060101ALI20220701BHJP
   C03C 15/00 20060101ALI20220701BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220701BHJP
【FI】
F21S2/00 433
F21S2/00 435
F21S2/00 431
C03C3/076
C03C3/089
C03C3/083
C03C3/091
C03C15/00 B
F21Y115:10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020565256
(86)(22)【出願日】2018-02-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 US2018018327
(87)【国際公開番号】W WO2019156692
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】62/629,358
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】カヌンゴ,マンダキーニ
(72)【発明者】
【氏名】リー,シェンピン
(72)【発明者】
【氏名】ミー,シアン-ドン
(72)【発明者】
【氏名】ケサダ,マーク アレハンドロ
(72)【発明者】
【氏名】セナーラットヌ,ワギーシャ
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-187230(JP,A)
【文献】国際公開第2015/141367(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/214482(WO,A1)
【文献】特開2014-228862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
C03C 3/076
C03C 3/089
C03C 3/083
C03C 3/091
C03C 15/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板を備えたガラス物品であって、前記ガラス板は、第1の主面を含み、前記第1の主面は、その中に形成された複数のチャネルを備え、前記複数のチャネルのうちの隣接するチャネルは、ゼロでない距離Wだけ離隔しており、前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、最大深さH、および前記最大深さの半分(H/2)において測定される幅Sを有し、かつ1~15の範囲内の比W/Hを有し、
前記ガラス板は、前記第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備え、前記第1の主面および前記第2の主面のうちの少なくとも1つは、前記ガラス板内に一体形成されている複数の離散凹形微細構造を具備する光抽出機構を備える、ガラス物品。
【請求項2】
W/Hが、2~10の範囲内である、請求項1記載のガラス物品。
【請求項3】
W/Sが、0.1~5の範囲内である、請求項2記載のガラス物品。
【請求項4】
前記光抽出機構が、複数のエッチングされた離散微細構造を備える、請求項1から3までのいずれか1項記載のガラス物品。
【請求項5】
前記ガラス板が、60モル%~80モル%の範囲内のSiO、0モル%~20モル%の範囲内のAl、0モル%~15モル%の範囲内のBを含み、かつ50ppm未満のFe濃度を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のガラス物品。
【請求項6】
前記ガラス板の最大厚さTに対する前記複数のチャネル中の前記少なくとも1つのチャネルの前記最大深さHの比(H/T)が、0.01~0.9の範囲である、請求項1から5までのいずれか1項記載のガラス物品。
【請求項7】
H/Sが、0.02~0.1の範囲である、請求項6記載のガラス物品。
【請求項8】
前記ガラス板が、前記第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備え、前記第2の主面が、複数のチャネルを備え、前記複数のチャネル中の隣接するチャネルが、ゼロでない間隔S’だけ離隔している、請求項1から7までのいずれか1項記載のガラス物品。
【請求項9】
前記複数のチャネル中の少なくとも1つのチャネルが、前記ガラス板の屈折率よりも少なくとも10%低い屈折率を有する材料で少なくとも部分的に満たされている、請求項1から8までのいずれか1項記載のガラス物品。
【請求項10】
前記複数のチャネル中の前記少なくとも1つのチャネルが、矩形、弧形または台形の断面形状を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載のガラス物品。
【請求項11】
前記少なくとも1つのチャネルが、90°超160°未満の範囲の壁角度Θを含む台形の断面形状を有する、請求項10記載のガラス物品。
【請求項12】
各離散凹形微細構造が、深さH2および幅W2を有し、H2に対するW2の比が、1~150の範囲内である、請求項1から11までのいずれか1項記載のガラス物品。
【請求項13】
隣接する離散凹形微細構造が、中心、および中心間の間隔S2を有し、S2に対するW2の比が、0.002~25の範囲内である、請求項12記載のガラス物品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、米国特許法第119条のもと、2018年2月12日に出願された米国仮特許出願第62/629358号明細書の優先権の利益を主張し、その内容が依拠され、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は概して、液晶表示装置を照明するためにバックライトユニット内で使用することができるガラス物品であって、特に、一次元調光および光抽出用に構成されたバックライトユニットとして使用することができるガラス物品に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード表示装置は人気が高まりつつあるが、コストは依然として高く、販売される表示装置、特にテレビ受像機などの大型パネル装置および商業用看板などの他の大型装置の大部分を、液晶表示(LCD)装置がなおも占めている。OLED表示パネルとは異なり、LCDパネルはそれ自体発光しないため、LCDパネルの後ろに位置してLCDパネルに透過光を供給する、導光板(LGP)を含むバックライトユニット(BLU)に依存する。BLUからの光はLCDパネルを照明し、LCDパネルは、選択的に光がLCDパネルの画素を通過するようにしたり、光が遮断されるようにしたりすることにより可視画像を生成するライトバルブとして機能する。
【0004】
増強しなければ、LCDディスプレイにより実現可能な本来のコントラスト比は、画像の最も暗い部分に対する画像の最も明るい部分の比となる。最も単純なコントラスト増強は、明るい画像については全体的な照明を明るくし、暗い画像については全体的な照明を暗くすることにより行われる。残念ながら、これにより、暗い画像の明るい部分が弱くなり、明るい画像の暗い部分が褪せることになる。この制約を克服するため、製造者は、画像の能動的局所調光を取り入れることができ、ディスプレイの事前に定められた領域内の照明を、表示されている画像に応じて、表示パネルの他の領域に対して局所的に暗くすることができる。そのような局所調光は、光源がLCDパネルの真後ろに位置する、例えばLEDの二次元アレイの場合には、比較的容易に取り入れることができる。局所調光を、BLUに組み込まれた導光板の端に沿ってLEDのアレイが配置されるエッジライト型BLUと組み合わせることは、比較的困難である。
【0005】
典型的な導光板には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのポリマー導光体が組み込まれる。PMMAは容易に生成され、局所調光が容易となるように成型または機械加工することができる。しかし、PMMAは熱劣化する恐れがあり、比較的大きい熱膨張係数を有し、吸湿する欠点があり、容易に変形する。一方、ガラスは寸法安定性があり(比較的低い熱膨張係数を有し)、大型薄型テレビの人気の高まりに適した大型薄板へと製造することができる。
【0006】
光は、その強度および色がLGP表面全体にわたって概して均一となるようにBLUのLGPから抽出される。光抽出は、典型的には、LGPの内部全反射(TIR)条件を破るようにLGPの表面を改質して光抽出機構を形成することにより実現される。ポリマーLGPまたはプラスチックLGPの表面を改質して光抽出機構を形成するための典型的な技術には、以下が含まれる:粒子を含む光学的に透明なインクのスクリーン印刷(スクリーン印刷);LGP表面上に屈折小型レンズを形成するインクのインクジェット印刷(インクジェット印刷);ポリマー内への機構の熱インプリント;およびLGPの表面内の屈折凹部のレーザ溶融/レーザアブレーション(レーザ加工)。一般に、表面改質の面積被覆率は、均一な光抽出を引き起こすためにLEDの近くでは低く、LEDから遠くでは高くあるべきである。しかし、ガラスLGP(GLGP)では、上述の技術の使用に課題がある。例えば、熱効果により導入される応力は、望ましくない微小亀裂の原因となる傾向があり、これは信頼性問題および制御できない光散乱を引き起こすため、レーザ加工はGLGPにおける光抽出パターンの形成にうまく利用されていない。さらに、より薄いLGPには、より小さい抽出ドットが必要であるため、スクリーン印刷技術およびインクジェット印刷技術は、薄型LCDディスプレイに望ましい薄いGLGP上に理想的な抽出パターンを印刷することがより困難になりつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、局所調光および光抽出を容易にすることができる薄いガラス導光板を含むBLUを製造することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、ガラス板を備えたガラス物品であって、ガラス板は、第1の主面を含み、第1の主面は、その中に形成された複数のチャネルを備え、複数のチャネルのうちの隣接するチャネルは、ゼロでない距離Wだけ離隔しており、複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、最大深さH、および最大深さの半分(H/2)において測定される幅Sを有し、かつ約1~約15の範囲内の比W/Hを有する、ガラス物品が開示される。ガラス板は、第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備え、第1の主面および第2の主面のうちの少なくとも1つは、その中に形成された光抽出機構を備える。
【0009】
別の態様は、本明細書に記載のガラス物品の実施形態のいずれかによるガラス物品を備え、かつガラス板の少なくとも1つの端面に沿ってアレイ状に配置された複数の発光ダイオードをさらに備えるバックライトユニットに関する。さらに別の態様は、本明細書に記載の様々な実施形態にしたがって記載されているバックライトユニットを備えるLCD表示装置に関する。
【0010】
本開示の別の態様は、導光板の製造方法において、第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備えるガラス板の第1の主面内に複数のチャネルを形成するステップであって、複数のチャネルのうちの隣接するチャネルは、ゼロでない距離Wだけ離隔しており、複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、最大深さH、および最大深さの半分(H/2)において測定される幅Sを有し、かつ約1~約15の範囲内の比W/Hを有するステップ、ならびに第1の主面内および第2の主面内のうちの少なくとも1つに複数の光抽出機構を形成するステップを含む方法に関する。
【0011】
本明細書に開示の実施形態の追加の特徴は、以下の詳細な説明に記載され、一部は、その説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲ならびに添付図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することにより認識されるであろう。
【0012】
添付図面は、さらなる理解を与えるために記載されており、本明細書に援用され、その一部を構成する。これらの図面は、本開示の様々な実施形態を示し、その説明と共に、その原理および作用の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例示的なLCD表示装置の断面図である。
図2】例示的な導光板の上面図である。
図3A】その表面内に複数のチャネルを備え、かつ図2のガラス導光板との使用に適したガラス板の断面図である。
図3B】その表面内に複数のチャネルを備え、かつ図2のガラス導光板との使用に適した別のガラス板の断面図である。
図3C】その表面内に複数のチャネルを備え、かつ図2のガラス導光板との使用に適したさらに別のガラス板の断面図である。
図4A】ガラス板の1つの主面内に形成された単一チャネルの断面図である。
図4B】ガラス板の双方の主面内に形成された単一チャネルの断面図である。
図4C】ガラス板の双方の主面内に形成された単一チャネルであって、該チャネル内に低屈折率材料を有する単一チャネルの断面図である。
図5A】ガラス板の1つの主面上のガラス細長微細構造の断面図である。
図5B】ガラス板の1つの主面上のガラス細長微細構造の断面図である。
図5C】ガラス板の1つの主面上のガラス細長微細構造の断面図である。
図6A】ガラス板の双方の主面上のガラス細長微細構造の断面図である。
図6B】ガラス板の双方の主面上のガラス細長微細構造の断面図である。
図6C】ガラス板の双方の主面上のガラス細長微細構造の断面図である。
図7】LDIおよび真直度を計算するためのパラメータを示す図である。
図8】異なるチャネル深さについて、LDIをチャネル壁角度の関数として示すグラフプロットである。
図9A】単一の主面上にレンズ形の細長微細構造を備えるガラス板について、LDIを細長微細構造間隔の関数として示すグラフプロットである。
図9B】単一の主面上にレンズ形の細長微細構造を備えるガラス板について、真直度を細長微細構造間隔の関数として示すグラフプロットである。
図10A】双方の主面上にレンズ形の細長微細構造を備えるガラス板について、LDIを細長微細構造間隔の関数として示すグラフプロットである。
図10B】双方の主面上にレンズ形の細長微細構造を備えるガラス板について、真直度を細長微細構造間隔の関数として示すグラフプロットである。
図11A】例示的な導光板の上面図である。
図11B】例示的な導光板の下面図である。
図12A】例示的な導光板の上面図である。
図12B】例示的な導光板の下面図である。
図13A】例示的な導光板の上面図である。
図13B】例示的な導光板の下面図である。
図14A】例示的な導光板の上面図である。
図14B】例示的な導光板の下面図である。
図15A】例示的な導光板の上面図である。
図15B図15Aの領域「B」の拡大図である。
図15C】その中に複数の光抽出機構を備えるガラス板の断面図である。
図16】入力光に対するLGPを通る光の異なるパワー比(Pout/Pin)について、出力端に反射体がないLGPにおいて均一な光抽出を実現するための入力端からの抽出列距離に対する抽出係数を示すグラフプロットである。
図17】入力光に対するLGPを通る光の異なるパワー比(Pout/Pin)について、出力端に反射体があるLGPにおいて均一な光抽出を実現するための入力端からの抽出列距離に対する抽出係数を示すグラフプロットである。
図18】異なる厚さを有するLGPについて、穴幅に対する1本の抽出列の抽出係数を示すグラフプロットである。
図19】異なる厚さを有するLGPについて、穴幅に対する1本の抽出列の抽出係数を示すグラフプロットである。
図20A】異なる厚さを有するLGPについて、穴間隔に対する1本の抽出列の抽出係数を示すグラフプロットである。
図20B】異なる厚さを有するLGPについて、穴間隔に対する1本の抽出列の抽出係数を示すグラフプロットである。
図21】厚さに対する1本の抽出列の抽出係数を示すグラフプロットである。
図22A】例示的な導光板の上面図である。
図22B】例示的な導光板の上面図である。
図22C】例示的な導光板の上面図である。
図23A】実施例1にしたがって作製されたサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
図23B】実施例1にしたがって作製されたサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
図23C】実施例1にしたがって作製されたサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
図24A】実施例2にしたがって作製されたサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
図24B】実施例2にしたがって作製されたサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
図24C】実施例2にしたがって作製されたサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これより、本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。可能な場合は常に、同じ部品または同様の部品を指すために、図面全体にわたって同じ参照番号が使用される。しかし、本開示は、多くの様々な形態で実施されてよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0015】
LCDバックライト用途で使用される現在の導光板は、典型的にはPMMAを用いて形成されるが、これは、PMMAが示す光吸収が、多くの代替材料と比べて少ないからである。しかし、PMMAは、大型(例えば対角32インチ(約80cm)以上)ディスプレイの機械設計が困難になるある種の機械的な欠点を示すことがある。そのような欠点には、乏しい剛性、高い吸湿性および比較的大きい熱膨張係数(CTE)が含まれる。
【0016】
例えば、従来のLCDパネルは2枚の薄いガラス(カラーフィルタ基板およびTFTバックプレーン)でできており、BLUは、LCDパネルの後ろに位置するPMMA導光体および複数の薄いプラスチックフィルム(拡散板、dual brightness enhancement film(DBEF)フィルムなど)を備える。PMMAの弾性率が乏しいため、LCDパネルの全体構造は不十分な剛性を示し、LCDパネルに剛性を与えるために追加の機械構造が必要になることがあり、それによって表示装置の質量が増加する。PMMAのヤング率は一般に約2GPaであり、一方、ある例示的なガラスは、約60GPa~90GPaまたはそれ以上の範囲のヤング率を有し得ることに留意されたい。
【0017】
湿度試験から、PMMAが水分に対して敏感であり、その寸法が最大約0.5%変化し得ることが判明している。したがって、長さ1メートルのPMMAパネルの場合、0.5%の変化でパネルの長さが最大5mm長くなる可能性があり、これは有意であり、対応するBLUの機械設計が困難になる。この問題を解決するための従来のアプローチには、LEDとPMMA LGPとの間に空隙を残して、PMMA LGPが膨張できるようにすることが含まれる。しかし、LEDとLGPとの間の光結合は、LEDからLGPまでの距離に対して極めて敏感であり、距離が長くなると、ディスプレイの明るさが湿度に応じて変化する原因になり得る。さらに、LEDとLGPとの間の距離が長くなるほど、LEDとLGPとの間の光結合の効率は低下する。
【0018】
さらに、PMMAは、CTEが約75E-6/℃であり、比較的低い熱伝導率(およそ0.2W/m/K)を有する。それに比べて、LGPとしての使用に適した一部のガラスは、8E-6/℃未満のCTEおよび0.8W/m/K以上の熱伝導率を有することがある。したがって、BLU用の導光媒体としてのガラスは、ポリマー(例えばPMMA)LGPには見られない優れた品質を提供する。
【0019】
1つ以上の実施形態にしたがって記載されている、提案されているガラス物品、ガラス導光板、およびそれらの製造方法は、GLGP上のチャネルおよび光抽出機構の双方の直接形成および一体形成を可能にし、さらに、GLGP上の光抽出機構および局所調光光学系の同時形成も可能にする。インクジェット印刷もしくはスクリーン印刷された抽出パターンを有するGLGP、またはポリマーを付加したレンズ形の機構を備えるGLGPと比較して、光抽出機構および局所調光光学系を形成するために加えられる材料(特にポリマー材料)は存在しないため、これらのオールガラスベースのLGPは、本質的に環境的により安定で、より信頼性が高く、より小さいカラーシフトを示す。したがって、1つ以上の実施形態において、「オールガラス」物品が提供され、これは、オールガラス物品が、ガラス板の主平面内(X-Y平面内)に延在する細長構造および光抽出機構を有するガラス板を備え、細長構造および光抽出機構がガラスから作製されており、ポリマー材料から作製されていないことを意味する。そのようなガラス物品は、ディスプレイ用途で使用される導光板であり得る。
【0020】
例示的なLCD表示装置10が図1に示されており、これは、第1の基板14と第2の基板16との間かつそれらの周辺端部分の周りに位置する接着材料18により接合された第1の基板14および第2の基板16から形成されたLCD表示パネル12を備える。第1および第2の基板14、16ならびに接着材料18は、それらの間の液晶材料を含む間隙20を形成する。間隙の一定の間隔を保つために、スペーサー(図示せず)が間隙内の様々な位置で使用されてもよい。第1の基板14は、カラーフィルタ材料を含んでよい。したがって、第1の基板14は、カラーフィルタ基板と呼ばれることもある。一方、第2の基板16は、液晶材料の偏光状態を制御するための薄膜トランジスタ(TFT)を含み、バックプレーンと呼ばれることもある。LCDパネル12は、その表面上に位置する1つ以上の偏光フィルタ22をさらに含んでよい。
【0021】
LCD表示装置10は、LCDパネル12を後ろから、すなわち、LCDパネルのバックプレーン側から照明するように配置されたBLU24をさらに備える。いくつかの実施形態において、BLUはLCDパネルとの間隔が離隔していてよいが、さらなる実施形態において、BLUはLCDパネルと接触していても、例えば透明接着剤で結合されていてもよい。BLU24は、導光体としてガラス板28を用いて形成されたガラス導光板LGP26を備え、ガラス板28は、第1の主面30、第2の主面32、および第1の主面と第2の主面との間に延在する複数の端面を含む。実施形態において、ガラス板28は、X-Y-Z座標により示される、ガラス板28のX-Y平面を画定する第1の主面と第2の主面との間に延在する図2に示す4つの端面34a、34b、34cおよび34dを備える平行四辺形、例えば正方形または矩形であってよい。例えば、端面34aは端面34cの反対側であってよく、端面34bは端面34dの反対側に位置してよい。端面34aは反対側の端面34cと平行であってよく、端面34bは反対側の端面34dと平行であってよい。端面34aおよび34cは端面34bおよび34dと直交してよい。端面34a~34dは平坦で、かつ主面30、32と直交しても、実質的に直交(例えば90+/-1°、例えば90+/-0.1°)してもよいが、さらなる実施形態において、端面は、面取り部、例えば、主面30、32と直交または実質的に直交し、かつ2つの隣接する傾斜面部分により第1および第2の主面に接合された平坦な中央部分を含んでよい。
【0022】
第1の主面30および/または第2の主面32は、約0.1ナノメートル(nm)~約0.6nmの範囲内、例えば約0.6ナノメートル(nm)未満、約0.5nm未満、約0.4nm未満、約0.3nm未満、約0.2nm未満または約0.1nm未満の平均粗さ(Ra)を含んでよい。端面の平均粗さ(Ra)は、約0.05マイクロメートル(μm)以下、例えば約0.005μm~約0.05μmの範囲内であってよい。
【0023】
前述のレベルの主面粗さは、例えば、フュージョンドロープロセスまたはフロートガラスプロセスを使用し、続いて研磨することにより実現することができる。表面粗さは、例えば、原子間力顕微鏡法、Zygoにより製造されたものなどの市販のシステムを用いた白色光干渉法、またはKeyenceにより供給されたものなどの市販のシステムを用いたレーザ共焦点顕微鏡法により測定されてよい。表面からの散乱は、表面粗さを除いて同一である様々なサンプルを作製し、次いで、それぞれの内部透過率を測定することにより測定されてよい。サンプル間の内部透過の違いは、粗面によって誘発される散乱損失に起因し得る。端の粗さは、摩砕および/または研磨により実現することができる。
【0024】
ガラス板28は、第1の主面30および第2の主面32と直交する方向に最大厚さTをさらに備える。いくつかの実施形態において、厚さTは、約3mm以下、例えば約2mm以下または約1mm以下であってよいが、さらなる実施形態において、厚さTは、約0.1mm~約3mmの範囲内、例えば約0.1mm~約2.5mmの範囲内、約0.3mm~約2.1mmの範囲内、約0.5mm~約2.1mmの範囲内、約0.6mm~約2.1mmの範囲内または約0.6mm~約1.1mmの範囲内であってよく、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。
【0025】
様々な実施形態において、ガラス板28のガラス組成物は、60~80モル%の間のSiO、0~20モル%の間のAlおよび0~15モル%の間のBを含んでよく、約50ppm未満の鉄(Fe)濃度を有してよい。いくつかの実施形態において、25ppm未満のFeが存在してよく、またはいくつかの実施形態において、Fe濃度は約20ppm以下であってよい。様々な実施形態において、ガラス板28の熱伝導率は、0.5W/m/K超、例えば約0.5~約0.8W/m/Kの範囲内であってよい。追加の実施形態において、ガラス板28は、研磨フロートガラス、フュージョンドロープロセス、スロットドロープロセス、リドロープロセス、または別の適したガラス板形成プロセスにより形成されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、ガラス板28は、約65.79モル%~約78.17モル%の範囲内のSiO、約2.94モル%~約12.12モル%の範囲内のAl、0モル%~約11.16モル%の範囲内のB、0モル%~約2.06モル%の範囲内のLiO、約3.52モル%~約13.25モル%の範囲内のNaO、0モル%~約4.83モル%の範囲内のKO、0モル%~約3.01モル%の範囲内のZnO、約0モル%~約8.72モル%の範囲内のMgO、約0モル%~約4.24モル%の範囲内のCaO、約0モル%~約6.17モル%の範囲内のSrO、約0モル%~約4.3モル%の範囲内のBaOおよび約0.07モル%~約0.11モル%の範囲内のSnOを含む。いくつかの実施形態において、ガラス板は、約0.008未満、例えば約0.005未満のカラーシフトを示し得る。いくつかの実施形態において、ガラス板は、約0.95~約3.23の範囲内のRO/Al(式中、Rは、Li、Na、K、RbおよびCsのいずれか1つ以上であり、xは2である)を有する。いくつかの実施形態において、ガラス板は、1.18~5.68の間のRO/Al(式中、Rは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれか1つ以上であり、xは2であり、またはRは、Zn、Mg、Ca、SrもしくはBaのいずれか1つ以上であり、xは1である)を有する。いくつかの実施形態において、ガラス板は、約-4.25~約4.0の範囲内のRO-Al-MgO(式中、Rは、Li、Na、K、RbおよびCsのいずれか1つ以上であり、xは2である)を有する。
【0027】
さらなる実施形態において、ガラス板は、約0.1モル%~約3.0モル%の範囲内のZnO、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のTiO、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のV、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のNb、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のMnO、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のZrO、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のAs、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のSnO、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のMoO、約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のSbまたは約0.1モル%~約1.0モル%の範囲内のCeOを含んでよい。追加の実施形態において、ガラス板は、0.1モル%~約3.0モル%以下の間のZnO、TiO、V、Nb、MnO、ZrO、As、SnO、MoO、SbおよびCeOのいずれか1つまたは組合せを含んでよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、ガラス板は、約522℃~約590℃の範囲内の歪点を有する。いくつかの実施形態において、ガラス板は、約566℃~約641℃の範囲内の徐冷点を有する。いくつかの実施形態において、ガラス板は、約800℃~約914℃の範囲内の軟化点を有する。いくつかの実施形態において、ガラス板は、約49.6×10-7/℃~約80×10-7/℃の範囲内のCTEを有する。いくつかの実施形態において、ガラス板は、20℃で約2.34gm/cc(約2.34g/cm)~20℃で約2.53gm/cc(約2.53g/cm)の間の密度を有する。いくつかの実施形態において、ガラス板は、Co、NiおよびCrのそれぞれを1ppm未満含む。いくつかの実施形態において、Feの濃度は、約50ppm未満、約20ppm未満または約10ppm未満である。いくつかの実施形態において、Fe+30Cr+35Niは、約60ppm以下、約40ppm以下、約20ppm以下または約10ppm以下である。いくつかの実施形態において、少なくとも500mmの距離にわたる450nmにおけるガラス板の透過率は85%以上であり、少なくとも500mmの距離にわたる550nmにおける透過率は90%以上であり、または少なくとも500mmの距離にわたる630nmにおける透過率は85%以上である。いくつかの実施形態において、ガラス板は化学強化ガラス板である。
【0029】
しかし、本明細書に記載の実施形態はガラス組成によって限定されず、前述の組成の実施形態は、その点において限定的ではないと理解されるべきである。
【0030】
本明細書に記載の実施形態によれば、BLU24は、ガラス板28の少なくとも1つの端面(光注入端面)、例えば端面34aに沿って配置された発光ダイオード(LED)36のアレイをさらに備える。図1に示した実施形態は、光が注入される単一の端面34aを示しているが、例示的なガラス板28の端のいずれか1つまたはいくつかに光を注入することができるので、特許請求される主題はそのように限定されるべきではないことに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態において、端面34aおよびその反対側の端面34cのいずれにも光を注入することができる。追加の実施形態では、端面34aおよび/もしくはその反対側の端面34cではなく、またはそれに加えて、端面34bおよびその反対側の端面34dで光が注入されてよい。(1つ以上の)光注入面は、透過において半値全幅(FWHM)12.8°未満の角度内で光を散乱させるように構成されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、LED36は、光注入端面、例えば、端面34aから約0.5mm未満の距離δに位置してよい。1つ以上の実施形態によれば、LED36は、効率的な光結合をガラス板内に実現するために、ガラス板28の厚さT以下の厚さまたは高さを有してよい。
【0032】
LEDのアレイにより発せられた光は、少なくとも1つの端面34aを通じて注入され、内部全反射によりガラス板を通じて導かれ、例えばガラス板28の主面30、32上の一方または双方の抽出機構により抽出されて、LCDパネル12を照明する。そのような抽出機構は内部全反射を乱し、ガラス板28内を伝搬する光を主面30、32のうちの一方または双方を通じてガラス板の外に向けさせる。したがって、BLU24は、ガラス板の裏側、例えば主面32から抽出された光を順方向に(LCDパネル12に向かって)向け直すために、LCDパネル12とは反対側の、ガラス板28の後ろに位置する反射板38をさらに含んでよい。適した光抽出機構は、ガラス板の表面を直接粗面化することにより、または適した被覆、例えば拡散フィルムでガラス板を被覆することにより生成された粗面をガラス板上に含むことができる。光抽出機構は、いくつかの実施形態において、例えば、離散した反射領域(例えば白ドット)をUV硬化インクなどの適したインクで印刷し、インクを乾燥および/または硬化させることにより得ることができる。いくつかの実施形態において、前述の抽出機構の組合せが使用されてよく、または当技術分野において既知である他の抽出機構が使用されてよい。
【0033】
BLUは、ガラス板の主面上に堆積された1つ以上のフィルムまたは被覆(図示せず)、例えば量子ドットフィルム、拡散フィルムおよび反射偏光フィルムまたはそれらの組合せをさらに含んでよい。
【0034】
局所調光、例えば一次元(1D)調光は、ガラス板28の少なくとも1つの端面34aに沿った第1の領域を照明する選択されたLED36をオンにし、隣接する領域を照明する他のLED36をオフにすることによって実現することができる。逆に、1D局所調光は、第1の領域を照明する選択されたLEDをオフにし、隣接する領域を照明するLEDをオンにすることによって実現することができる。図2は、ガラス板28の端面34aに沿って配置されたLEDの第1のサブアレイ40a、ガラス板28の端面34aに沿って配置されたLEDの第2のサブアレイ40b、およびガラス板28の端面34aに沿って配置されたLED36の第3のサブアレイ40cを備える例示的なLGP26の一部を示す。3つのサブアレイにより照明されるガラス板の3つの別個の領域をA、BおよびCと呼び、A領域は中央の領域であり、BおよびC領域はA領域に隣接する。領域A、BおよびCは、それぞれLEDサブアレイ40a、40bおよび40cにより照明される。サブアレイ40aのLEDが「オン」状態で、他のサブアレイ、例えばサブアレイ40bおよび40cの他のLEDがすべて「オフ」状態のとき、局所調光指数LDIは、1-(B、C領域の平均輝度)/(A領域の輝度)と定義することができる。LDIの決定に関するより完全な説明は、例えば、”Local Dimming Design and Optimization for Edge-Type LED Backlight Unit”:Jung,et al.,SID 2011 Digest,2011,pp.1430-1432に見出すことができ、その内容全体を参照により本明細書に援用する。いずれか1つのアレイ内もしくはサブアレイ内のLEDの数、またはさらにサブアレイの数は、少なくとも表示装置のサイズに応じること、および図2に示したLEDの数は例示のためだけであり、限定的ではないことに留意されたい。したがって、各サブアレイは単一のLED、もしくは1つを超えるLEDを含むことができ、または特定のLCDパネルを照明するのに必要な数の複数のサブアレイ、例えば3つのサブアレイ、4つのサブアレイ、5つのサブアレイなどを提供することができる。例えば、典型的な1D局所調光が可能な55インチ(139.7cm)LCD TVは、8~12のゾーンを有することがある。ゾーン幅は、典型的には、約100mm~約150mmの範囲内であるが、いくつかの実施形態において、ゾーン幅をより小さくすることができる。ゾーン長さは、ガラス板28の長さとほぼ同じである。
【0035】
ガラス板28は、本明細書の1つ以上の実施形態にしたがって記載されたガラス物品、例えば図3A図6Cおよび図11A図15Cに示すガラス板を備える非限定的な例示的なガラス物品を含むことができる。ガラス板を備えるガラス物品の実施形態をこれから説明する。
【0036】
ここで図3A図3Cを参照すると、ガラス板28は、ガラス板の表面内、例えば第1の主面30内に位置する複数のチャネル60を含むように加工されてよいが、さらなる実施形態において、複数のチャネルは、第2の主面32内、または第1の主面30内および第2の主面32内の双方に形成されてよい。図11A図24Cに関して以下で説明するいくつかの実施形態において、光抽出機構は、第1の主面30内および第2の主面32内のうちの一方または双方に形成されてよい。実施形態において、複数のチャネル60の各チャネル60は、複数のチャネル60のうちの隣接するチャネルと実質的に平行であり、最大深さH、および図3A図3Cの線H/2で示されているH/2(チャネルの深さHの半分)において定義される幅Sを有する。隣接するチャネルは、H/2において(チャネルの最大深さHの半分において)距離Wだけ離隔している。1つ以上のチャネル60は、ゼロでない最大深さHを有する。例えば、Hは、約5μm~約300μm、例えば約10μm~約250μm、約15μm~約200μm、約20μm~約150μm、約30μm~約100μm、約20μm~約90μmの範囲であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれるが、ガラス板の厚さTおよびチャネルの断面形状に応じて他の深さも企図される。いくつかの実施形態において、幅Wは、約10μm~約3mm、例えば約50μm~約2mm、約100μm~約1mm、約100μm~約900μm、約100μm~約800μm、約100μm~約700μm、約100μm~約600μm、約10μm~約500μm、約25μm~約250μmまたは約50μm~約200μmの範囲であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれるが、ガラス板の厚さTおよびチャネルの断面形状に応じて他の幅も企図される。チャネル60は、H/2において(各チャネルの最大深さHの半分において)断面寸法Sを有してよい。
【0037】
チャネル60は周期P=W+Sで周期的であってよいが、さらなる実施形態において、チャネルは非周期的であってよい。チャネル60は様々な断面形状のものであってよい。例えば、図3Aの実施形態において、チャネル60は、X-Y平面内の各チャネルの長軸に対して垂直な断面が矩形のものである。図3Bの実施形態において、各チャネル60は弧形の断面形状、例えば半円形などの円形の断面のものであるが、図3Cの実施形態において、各チャネル60は台形の断面形状を有する。しかし、図3A図3Cの断面形状は限定的ではなく、チャネル60は、他の形状、または断面形状の組合せを有してよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、複数のチャネルの各チャネル60の比W/Hは、約1~約15の範囲内、例えば約2~約10の範囲内または約2.5~約5の範囲内であり、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。W/Hが約15超であると、チャネル60は、1D局所調光に効果的でなくなる可能性がある。W/Hが約1未満であると、チャネル60は作製が困難になる可能性があり、ガラスが破損しやすくなる。
【0039】
加えて、複数のチャネルの各チャネル60は、H/2において(最大深さHの半分において)距離Wだけ複数のチャネルのうちの隣接するチャネルから離隔している。H/2における隣接するチャネル間の距離Wは、様々な実施形態において、バックライトユニットの局所調光ゾーンの幅に対応してよい。距離Wは、ガラス板の厚さTおよびチャネル60の幾何形状に応じて、例えば、約10μm以上、約25μm以上、約75μm以上、約100μm以上、約150μm以上、約300μm以上、約450μm以上、約600μm以上、約750μm以上、約900μm以上、約1200μm以上、約1350μm以上、約1500μm以上、約1650μm以上、約1800μm以上、例えば約75μm~約1800μmの範囲内であり得る。いくつかの実施形態において、比W/Sは、約0.1~約30の範囲内、例えば約0.25~約10の範囲内、例えば約0.5~約2の範囲内であり、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。
【0040】
図4Aは、ガラス板28の第1の主面30内に形成された台形形状を有する単一チャネル60の拡大図を示す。示した通り、各チャネルのH/2(最大深さHの半分)におけるチャネル60の幅Sは、第1の主面30の最も低い場所にある台形の下面61の最小幅S’より大きい。もちろん、図4Aに示した向きは任意の方向に回転させることができ、したがって、用語「上」および「下」は、本明細書において互換的に使用され得る。図4Bは、ガラス板28の対向する主面30、32上の2つの単一チャネル60、60’の拡大図を示す。主面30上のチャネル60は、第1の主面30の最も低い場所において、下面61を有する。主面32上のチャネル60’は、第2の主面32の最も高い場所において、上面61’を有する。もちろん、61’がチャネル60’の下面になり、61がチャネル60の上面になるようにガラス板28を180°回転させることもできる。チャネル最大深さHは、いくつかの実施形態において、ガラス板厚さTの約5%~約90%の範囲であり得る。例えば、図4Aに示した実施形態、例えば、ただ1つの主面上に形成されたチャネルを備えるガラス板において、最大チャネル深さHは、ガラス板厚さTの約1%~約90%(0.01≦H/T≦0.9)の範囲、例えばH/T≦0.9、H/T≦0.8、H/T≦0.7、H/T≦0.6、H/T≦0.5、H/T≦0.4、H/T≦0.3、H/T≦0.2またはH/T=0.1であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。図4Bに示した実施形態、例えば、双方の主面上に形成されたチャネルを備えるガラス板において、最大チャネル深さHは、ガラス板厚さTの約5%~約45%(0.05≦H/T≦0.45)の範囲、例えばH/T≦0.45、H/T≦0.4、H/T≦0.35、H/T≦0.3、H/T≦0.25、H/T≦0.2、H/T≦0.15、H/T≦0.1またはH/T=0.05であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。上述の比H/Tは、非台形形状を有する実施形態、例えば図3A図3Bに示した矩形および弧形のチャネルにも適用され得ると理解されるべきである。特定の実施形態において、H/Tは、0.01~約0.5、例えば、0.015~約0.3、および例えば、および0.02~約0.1の範囲内であり得る。
【0041】
図4A図4Bを再び参照すると、H/2(最大深さHの半分)におけるチャネルの幅Sは、約10μm~約3mm、例えば約50μm~約2mm、約100μm~約1mm、約200μm~約900μm、約300μm~約800μm、約400μm~約700μm、約500μm~約600μm、約10μm~約1mm、約50μm~約500μmまたは約100μm~約250μmの範囲であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。最小幅S’も同様に、約5μm~約2mm、例えば約10μm~約1mm、約50μm~約900μm、約100μm~約800μm、約200μm~約700μm、約300μm~約600μm、約400μm~約500μm、約5μm~約500μm、約25μm~約250μmまたは約50μm~約125μmの範囲であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。様々な実施形態によれば、チャネル深さHは、約5μm~約300μm、例えば約10μm~約250μm、約15μm~約200μm、約20μm~約150μm、約30μm~約100μm、約40μm~約90μm、約50μm~約80μmまたは約60μm~約70μmの範囲であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。チャネル深さHを有するガラス板は、図4Aに示す通り、第1の主面30と第2の主面32との間の厚さT、および第2の主面32からチャネル60の最下面61まで延在する減じられた厚さtを有することになる。第1の主面上のチャネル60および第2の主面32上のチャネル60’を備える実施形態において、減じられた厚さtは、チャネル60の最下面と第2の主面32の間に延在する。
【0042】
所望の局所調光効果を実現するために台形のチャネルの壁角度Θを変化させることもできる。壁角度Θは、例えば、90°超約180°未満、例えば約95°~約160°、約100°~約150°、約110°~約140°または約120°~約130°の範囲であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。
【0043】
ここで図4Cを参照すると、様々な実施形態において、1つ以上のチャネル60は、少なくとも1種の低屈折率材料63、例えばガラス板の屈折率よりも少なくとも10%低い屈折率を有する任意の光学的に透明な材料で完全にまたは部分的に満たすことができる。例示的な低屈折率材料は、ポリマー、ガラス、無機酸化物および他の同様の材料から選択することができる。低屈折率材料を使用して、図3A図3Cおよび図4A図4Bに示した実施形態を含む任意の形状および/またはサイズのチャネルを満たすまたは部分的に満たすことができる。
【0044】
ここで図5A図5Cを参照すると、ガラス板28は、ガラス板の表面上、例えば、(示した)第1の主面30上に複数のガラス細長微細構造70が形成されるように加工されてよいが、さらなる実施形態において、複数の細長微細構造は、第2の主面32上、または(図6A図6Cに示すように)第1の主面30上および第2の主面32上の双方に形成されてよい。実施形態において、複数の細長微細構造の各細長微細構造70は最大高さHを有し、これは各チャネル60の最大深さと一致する。したがって、図3A図3Cおよび図4A図4Cに関して上述の実施形態について、最大深さHを有するチャネル60を形成すると、チャネルの最大深さHに等しい最大高さを有する細長微細構造70が生じる。しかし、図5A図5Cおよび図6A図6Cに示したものなどのいくつかの実施形態において、最大高さHを有する細長微細構造70がガラス板上に形成されるようにガラス板は加工され、2つの細長微細構造間に、各細長微細構造70の最大高さHに等しい最大深さを有するチャネル60が形成される。各細長微細構造70は、図5A図5CにH/2で示されるH/2において(各微細構造の最大高さHの半分において)定義される幅Wを有する。各細長微細構造70は、ガラス板の主面上に(例えば第1の主面30上または第2の主面32上に)形成される。1つ以上の実施形態において、「細長」は、対向する端面間、例えば端面34aと端面34cとの間をガラス板28のX-Y平面内の第1の主面30および第2の主面32のうちの少なくとも1つに沿って延在する長さを有する細長微細構造を指す。細長微細構造70は、第1の主面30および第2の主面32のうちの少なくとも1つにわたって部分的にまたは完全に延在してよい。それぞれレンズ形および角柱形の細長微細構造を示す図5A図5Bに示す通り、間隔Sが隣接する細長微細構造70を分離してよい。間隔Sは、細長微細構造70の最大高さH/2の半分において定義される。細長微細構造70は周期P=W+S(WおよびSのいずれもH/2において測られる)で周期的であってよいが、さらなる実施形態において、細長微細構造は非周期的であってよい。
【0045】
1つ以上の細長微細構造70は、ゼロでない高さHを有することができる。例えば、Hは、約5μm~約300μm、例えば約10μm~約250μm、約15μm~約200μm、約20μm~約150μm、約30μm~約100μm、約20μm~約90μmの範囲であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。ガラス板の厚さTおよび細長微細構造の断面形状に応じて他の高さも企図される。いくつかの実施形態において、幅Wは、約10μm~約3mm、例えば約50μm~約2mm、約100μm~約1mm、約100μm~約900μm、約100μm~約800μm、約100μm~約700μm、約100μm~約600μm、約10μm~約500μm、約25μm~約250μmまたは約50μm~約200μmの範囲であり得、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる。ガラス板の厚さTおよび細長微細構造の断面形状に応じて他の幅も企図される。
【0046】
いくつかの実施形態において、複数の細長微細構造中の各細長微細構造70の比W/Hは、約1~約15、例えば約2~約10または約2.5~約5の範囲であり、その間のすべての範囲および部分範囲が含まれる
隣接するガラス細長微細構造70が、ある間隔だけ離隔しているとき、ゼロでない間隔Sは、H/2における細長微細構造幅Wの約4倍未満であり得る。加えて、複数のチャネルの各チャネル60は、H/2において(最大深さHの半分において)距離Sだけ複数のチャネルのうちの隣接するチャネルから離隔している。H/2における隣接するチャネル間の距離Sは、様々な実施形態において、バックライトユニットの局所調光ゾーンの幅に対応してよい。距離Sは、ガラス板の厚さTおよびチャネル60の幾何形状に応じて、例えば、約10μm以上、約25μm以上、約75μm以上、約100μm以上、約150μm以上、約300μm以上、約450μm以上、約600μm以上、約750μm以上、約900μm以上、約1200μm以上、約1350μm以上、約1500μm以上、約1650μm以上、約1800μm以上、例えば約75μm~約1800μmの範囲内であり得る。
【0047】
図6A図6Cに示す第2の主面上の隣接するガラス細長微細構造70’が、ある間隔だけ離隔しているとき、ゼロでない間隔S’は、H’/2における細長微細構造幅W’の約4倍未満であり得る。図6A図6Cに示した実施形態において、例えば、第1および第2の主面のいずれも複数のレンズ形または角柱形の細長微細構造を備えるとき、チャネル60および細長微細構造70は、例えばエッチングにより形成されてよく、第1の主面30および/または第2の主面32の一部は、例えばレジスト材料を印刷することにより適した耐酸材料で被覆され、チャネルが形成されるべき第1の主面30および/または第2の主面32の一部は、耐酸材料がないまま保たれる。次いで、ガラス板を酸溶液に浸漬することによる、または酸溶液を用いるスプレーエッチングによるなどしてガラス板の表面をエッチングして、所望の深さまたは高さおよび幅を有するチャネルまたは細長微細構造を形成するのに必要な時間および温度で、被覆された表面を適した酸溶液に曝してよい。ガラス板の単一の主面のみがエッチングされる実施形態において、反対側の主面は、耐酸材料または適した耐エッチング性保護フィルムで完全に覆われてよい。加えて、端面も耐酸材料で被覆されてよい。酸溶液は、例えばHF、HSO、HClおよびそれらの組合せを含んでよい。エッチング法は、特定の実施形態において、η/E<0.5秒である粘度ηおよびヤング弾性率Eを有するガラス組成物に適用可能であり得る。エッチング法を、例えば、図3図6に示したチャネル60または細長微細構造70のいずれかを作製するために使用することができる。
【0048】
チャネル60および細長微細構造70は、ガラス形成プロセス中、例えば、ガラスリボンの形成後であるが、ガラス板を形成するためにガラスリボンを冷却する前に形成されてもよい。冷却前のガラスリボンは、所望の機構が作製されるように取扱うのに十分な粘性があることがある。例えば、チャネル60または細長微細構造70は、直接接触力を操作することにより、例えばエンボス加工ロールを使用して形成することができる。このロールは、ガラスリボンに押し付けられたとき所望のチャネルまたは細長微細構造が作製されるように機械加工することができる。ガラス形成プロセスの粘性領域において、ガラスリボンは、所望のチャネルまたは細長微細構造が作製されるようにこのロールに通されてよい。変換関数を使用して、機械加工された機構と、その結果得られるガラスパターンとの間の比を記述することができ、これにより、例えば、接触力、引張力、および粘性伸長または熱膨張を説明することができる。接触法は、様々な実施形態において、0.0005秒<η/E<0.2秒である粘度ηおよびヤング弾性率Eを有するガラス組成物に適用可能であり得る。接触法は、例えば、図3図6に示したチャネル60または細長微細構造70のいずれかを作製するために使用することができる。
【0049】
細長微細構造70は、加えて、残りのガラスリボンに対して局所加熱および局所冷却の領域を与えることによりガラスリボンの表面上に形成されてよい。そのような領域は、いくつかの実施形態において、ガラスリボンに高温および/または低温ガス、例えば空気を当てることにより生成されてよい。細長微細構造のアスペクト比(W/H)は、加熱もしくは冷却(例えば直接的または間接的)の方法により、ガスが内部を流れるオリフィスを変化させることにより、かつ/またはガス流速を変化させることにより制御することができる。ガラスリボンを局所的に加熱または冷却するための例示的な方法では、例えば、ホットシンクツール、lapinskiチューブ、スライドゲート位置に位置するdoctariシステム、または他の類似の設備を使用してよい。局所加熱法および/または局所冷却法は、特定の実施形態において、3.3×10-7秒<η/E<1.6×10-5秒である粘度ηおよびヤング弾性率Eを有するガラス組成物に適用可能であり得る。いくつかの実施形態において、局所加熱法/局所冷却法を使用して、図5図6に示した細長微細構造70を作製することができる。
【0050】
1D光閉じ込めの局所調光光学系の性能は、2つのパラメータ:LDIおよび真直度により評価することができる。図7に示す通り、LED入力端Eからの距離ZにおけるLDIおよび真直度は、それぞれ以下の通り定義することができる:
【0051】
【数1】
【0052】
【数2】
【0053】
式中、Lは、LED入力端からの距離Zにおけるゾーンm(m=n-2、n-1、n、n+1、n+2)の面積Aの輝度である。各面積Aは、幅Wおよび高さHにより定義することができる。
【0054】
表1は、W/H値は様々に異なるがW/S値は同じである厚さ1.1mmおよび2.1mmの2種のガラス板について、様々な構成のモデル化されたチャネルの計算されたLDIを示す。H値、W値およびS値はすべてマイクロメートル(μm)で記載されている。0.70超のLDIを有するガラス板を合格(許容される)と見なし、0.70以下のLDIを有するガラス板を不合格と見なした。しかし、合格と不合格との間のカットオフとして0.70は幾分主観的であり、特定の用途および必要に応じて変わることがあることに留意されたい。例えば、一部の用途では、LDIは0.70未満であり得る。
【0055】
段状の断面形状のデータは表1Aに示されており、弧形の断面形状(例えば円形断面チャネル)のデータは表1Bに示されている。データは、チャネルの深さ(H)が深くなるとLDIも増加することを示す。データは、ガラス板厚さが薄くなると、より小さいH/S比を有するチャネルは、1D局所調光に関する要件(LDI値>0.7)を満たすのに十分効果的になるが、より厚いガラス上に作製された同じH/S比を有するチャネルは、1D局所調光に十分効果的でないことを示す。この利点は、PMMAまたは他のプラスチックベースの導光体では容易に得られないが、それは、薄いPMMAは、大型TV用途には機械的強度が低く、熱膨張係数が高いからである。表1A~表4BのH値、S値およびW値はすべてマイクロメートルで記載されている。
【0056】
【表1A】
【0057】
【表1B】
【0058】
以下の表2A(段状)および表2B(弧形)は、チャネル間のピーク幅Wを変化させることにより得られる厚さ1.1mmおよび2.1mmのガラス板について、W/S比は異なるがH/S比は同じであるチャネルを備えるガラス板の計算されたLDIを示す。チャネル自体に変更はなかった。幅に対する深さの比H/Sは同じだがピーク幅Wが様々である、したがってW/S比が様々であるチャネルについて、厚さ1.1mmのガラス板は、厚さ2.1mmのガラス板より良いLDIを示す。データはさらに、ガラス板厚さがより薄くなると、より大きいW/S比を有するチャネルは、1D局所調光に十分効果的(LDI>0.7)になることを示す。
【0059】
【表2A】
【0060】
【表2B】
【0061】
以下の表3A(段状)および表3B(弧形)ならびに表4A(段状)および表4B(弧形)は、厚さ0.6mmのガラス板について、チャネル深さを変化させた結果としてチャネルを備えるガラス板の計算されたLDIを示す。チャネル深さHを変化させた結果としてW/S比は同じだがH/S比が様々であるチャネルについて、厚さ0.6mmのガラス板は、同じH値、S値およびW値に対して、表1A、表1Bおよび表2A、表2Bに示した厚さ1.1mmまたは2.1mmのガラス板のうちのいずれか1つより良いLDIを示す。H値、S値およびW値はすべてマイクロメートルで記載されている。
【0062】
表4Aおよび表4Bは、表3A、表3Bと同じガラス板のモデル化されたデータを示すが、表3Aおよび表3Bにおいて仮定されたピーク幅Wおよびチャネル幅Sの半分であるピーク幅Wおよびチャネル幅Sを仮定している。表3A、表3Bを表4A、表4Bと比較すると、減少した周期Pは、同様の挙動を示す。H値、S値およびW値はすべてマイクロメートルで記載されている。
【0063】
【表3A】
【0064】
【表3B】
【0065】
【表4A】
【0066】
【表4B】
【0067】
以下の表5は、単一の主面内に形成された台形のチャネルを備えるガラス板(図3C図4A参照)を備えるバックライトユニットのLGP、LEDおよびチャネルのパラメータを示す。
【0068】
【表5】
【0069】
図8は、異なるチャネル深さ(A=0.8001mm、B=0.7001mm、C=0.6001mm、D=0.5001mm、E=0.4001mm、F=0.3001mm、G=0.2001mm、H=0.1001mm、J=0.0001mm)について、光入力端からの距離300mmにおけるLDIをチャネル壁角度Θの関数としてプロットしたものである。このプロットにより示される通り、チャネル深さが深くなるとLDIは増加する。壁角度Θが大きくなるとLDIは同じく増加する。壁角度Θの影響は、チャネル深さが深くなるにつれてより大きくなる。上述のパラメータの場合、75%以上のLDIは、少なくとも約0.4mmのチャネル深さ(プロットE)および少なくとも約150°の壁角度を使用して実現することができる。同様のLDI値は、より深いチャネル深さを使用して、より小さい壁角度で実現することができる(プロットA~D参照)。
【0070】
以下の表6は、単一の主面上にレンズ形の細長微細構造を備えるガラス板(図5A参照)を備えるバックライトユニットのLGP、LEDおよび細長微細構造のパラメータを示す。
【0071】
【表6】
【0072】
図9A図9Bは、隣接するレンズ形の細長微細構造間の間隔の関数として入力端からの距離300mmおよび450mmにおけるLDIおよび真直度をそれぞれ示す。図9Aに示す通り、隣接する細長微細構造間の間隙が大きくなるとLDIは減少する。逆に、図9Bに示す通り、隣接する細長微細構造間の間隙が大きくなると真直度は大きくなる。上述のパラメータの場合、80%超のLDIおよび0.2%未満の真直度によって示される良好な局所調光性能は、隣接するレンズ形の細長微細構造間で0.2mm以下の間隔が使用されるとき、距離450mmにおいて実現することができる。
【0073】
図10A図10Bは、双方の主面上にレンズ形の細長微細構造を備えるガラス板(図6A参照)を備えるバックライトユニットのLDIおよび真直度をそれぞれ示す。入力端からの距離300mmおよび450mmにおけるLDIおよび真直度を、隣接するレンズ形の細長微細構造間の間隙距離の関数として計算した。LDIおよび真直度は、ただ1つの主面上にレンズ形の構造を備えるガラス板(図9A図9B参照)と比べて、両側にレンズ形の構造を備えるガラス板(図10A図10B参照)の場合、いずれも改善される。光入力端からの距離450mmおよび間隙0.22mmでは、LDIは91%、真直度は0.1%であり、優れた局所調光性能を示す。加えて、片側のみにレンズ形の細長微細構造を備えるガラス板と比べて、双方の主面上にレンズ形の細長微細構造を備えるガラス板の場合、レンズ形の細長微細構造間のはるかに幅広い間隙範囲(0~0.9mm)内で80%超のLDIを実現することができる。
【0074】
様々な実施形態によれば、ここで図11A図15Cを参照すると、ガラス板の第1の主面30もしくは第2の主面32または第1の主面30および第2の主面32の双方が複数の光抽出機構80、82を備えてよい。いくつかの実施形態において、光抽出機構はパターン化される。いくつかの実施形態にしたがって本明細書において用いられるとき、「パターン化される」という用語は、複数の光抽出機構80がガラスの表面上または表面内に、例えば、配置された、繰返しまたは非繰返しの、均一または不均一なものであってよい任意の所与のパターンまたは設計で存在することを表すことが意図される。いくつかの実施形態において、光抽出機構80、82は、表面に隣接する、例えば表面の下のLGPのマトリックス内に位置してよい。例えば、光抽出機構は、表面全体にわたって、例えば、粗面化された表面または隆起した表面を構成するテクスチャ機構として分布してよく、またはLGP内に全体にわたって、もしくはその一部に分布してよい。そのような光抽出機構の作製に適した方法には、印刷、例えばインクジェット印刷、スクリーン印刷、マイクロ印刷など、テクスチャリング、機械的粗面化、エッチング、射出成形、被覆、レーザ損傷またはそれらの任意の組合せが含まれ得る。そのような方法の非限定的な例には、例えば、表面の酸エッチング、TiOによる表面の被覆、およびLGPの表面上またはLGPのマトリックス内にレーザの焦点を合わせることによるLGPのレーザ損傷が含まれる。
【0075】
1つ以上の実施形態において、光抽出機構80、82は、例えばエッチングにより形成されてよく、第1の主面30および/または第2の主面32の一部は、例えば印刷により適した耐酸材料で被覆され、光抽出機構が形成されるべき第1の主面30および/または第2の主面32の一部は、耐酸材料がないまま保たれる。次いで、ガラス板を酸溶液に浸漬することによるなどしてガラス板の表面をエッチングして、所望の深さまたは高さおよび幅を有するチャネルまたは細長微細構造を形成するのに必要な時間および温度で、そのように被覆された表面を適した酸溶液に曝してよい。ガラス板の単一の主面のみがエッチングされる実施形態において、反対側の主面は、耐酸材料で完全に覆われてよい。加えて、端面も耐酸材料で被覆されてよい。酸溶液は、例えばHF、HSO、HClおよびそれらの組合せを含んでよい。エッチング法は、特定の実施形態において、η/E<0.5秒である粘度ηおよびヤング弾性率Eを有するガラス組成物に適用可能であり得る。
【0076】
1つ以上の実施形態において、光抽出機構80、82は、ガラス形成プロセス中、例えば、ガラスリボンの形成後であるが、ガラス板を形成するためにガラスリボンを冷却する前に形成されてもよい。冷却前のガラスリボンは、所望の機構を作製するように扱うのに十分な粘性があることがある。例えば、光抽出機構80、82は、直接接触力を操作することにより、例えばエンボス加工ロールを使用して形成することができる。このロールは、ガラスリボンに押し付けられたとき所望の光抽出機構80、82が作製されるように機械加工することができる。ガラス形成プロセスの粘性領域において、ガラスリボンは、所望のチャネルまたは細長微細構造が作製されるようにこのロールに通されてよい。変換関数を使用して、機械加工された機構と、その結果得られるガラスパターンとの間の比を記述することができ、これにより、例えば、接触力、引張力、および粘性伸長または熱膨張を説明することができる。接触法は、様々な実施形態において、0.0005秒<η/E<0.2秒である粘度ηおよびヤング弾性率Eを有するガラス組成物に適用可能であり得る。
【0077】
1つ以上の実施形態において、光抽出機構80、82は、加えて、残りのガラスリボンに対して局所加熱および局所冷却の領域を与えることによりガラスリボンの表面上に形成されてよい。そのような領域は、いくつかの実施形態において、ガラスリボンに高温および/または低温ガス、例えば空気を当てることにより生成されてよい。細長微細構造のアスペクト比(H/W)(H’/W’)は、加熱もしくは冷却(例えば直接的または間接的)の方法により、ガスが内部を流れるオリフィスを変化させることにより、かつ/またはガス流速を変化させることにより制御することができる。ガラスリボンを局所的に加熱または冷却するための例示的な方法では、例えば、ホットシンクツール、lapinskiチューブ、スライドゲート位置に位置するdoctariシステム、または他の類似の設備を使用してよい。局所加熱法/局所冷却法は、特定の実施形態において、3.3×10-7秒<η/E<1.6×10-5秒である粘度ηおよびヤング弾性率Eを有するガラス組成物に適用可能であり得る。
【0078】
図11Aおよび図11Bは、第1の主面30上に細長微細構造を与えるチャネル60および反対側の第2の主面32上の光抽出機構80、82を備えるガラス板28を備える導光板の2つの主面の上面図を示す。
【0079】
図12Aおよび図12Bは、第1の主面30上に細長微細構造を与えるチャネル60ならびに第1の主面30上および反対側の第2の主面32上の光抽出機構80、82を備えるガラス板28を備える導光板の2つの主面の上面図を示す。
【0080】
図13A図13Bは、導光体の2つの表面図、第1の主面30上および第2の主面32上に細長微細構造を与えるチャネル60ならびに第2の主面32上の光抽出機構80、82を備えるガラス板28を備える導光板の2つの主面の上面図を示す。
【0081】
図14A図14Bは、第1の主面30上および第2の主面32上に細長微細構造を与えるチャネル60ならびに第1の主面30上および第2の主面32上の光抽出機構80、82を備えるガラス板28を備える導光板の2つの主面の上面図を示す。
【0082】
1つ以上の実施形態によれば、光抽出機構80、82を形成するための様々なプロセス、特に化学エッチングまたはレーザ支援化学エッチングを使用して、適切に成形、サイズ化およびパターン化された光抽出機構をガラス板の第1の主面30上および/または第2の主面32上に形成することができる。いくつかの実施形態において、光抽出機構は、複数の離散凹形微細構造を備える。特定の実施形態において、光抽出機構は、エッチングされた離散微細構造を備える。
【0083】
1つ以上の実施形態において、ガラス板28を備えるガラス物品を導光板として使用することができ、これは、本明細書に記載の様々な実施形態によるバックライトユニット(BLU)の一部を含むことができる。いくつかの実施形態において、光抽出機構は、あるパターンで配置された複数の離散凹形微細構造を備える。いくつかの実施形態において、光抽出機構はランダムに配置されており(またはランダムな配置をとり)、パターンで配置されていない。図11A図14Bは、光抽出機構80、82のパターンの例を示す。離散凹形微細構造は、1つ以上の実施形態によるエッチングされた微細構造であり得る。いくつかの実施形態において、光抽出機構80、82は、少なくとも1つの導光板の第1の主面全体にわたって実質的に均一な光出力強度を発生するパターンで配置されている。いくつかの実施形態において、複数の離散凹形微細構造の形態の光抽出機構は、球形、楕円形、円柱形、角柱形、円錐形または角錐形からなる群から選択される形状を含む。
【0084】
ここで図15A図15Cを参照すると、均一な光抽出を実現する目的で光抽出機構、凹形微細構造抽出パターンの光抽出を最適化するために使用することができるパラメータは、幅W2、間隔S2、深さH2、ならびに/または幅、間隔および深さのうちの任意の2つもしくは3つの組合せである。いくつかの実施形態において、H2に対するW2の比は、約1~約150の範囲内である。いくつかの実施形態において、H2に対するW2の比は、約2~約100の範囲内である。いくつかの実施形態において、S2に対するW2の比は、約0.002~25、0.01~10、0.02~5の範囲内である。図11B図14Bに示した実施形態は、異なる幅W2値、間隔S2値および深さH2値を有する光抽出機構80、82を示す。間隔S2は、抽出パターン設計に応じて固定したり、変化させたりすることができる。例えば、図15A図15Cにおいて、発光ダイオード(LED)36に隣接する光抽出機構82は、発光ダイオード36からさらに遠い光抽出機構80の幅および間隔より狭い幅W2および間隔S2を有する。凹形微細構造サイズの形態であり得る光抽出機構80、82は、同じものにしたり、中心から2つの側端へとわずかに変化させたりすることができる。図15A図15Cに示す通り、抽出パターンは通常、列状の複数の水平な凹形微細構造からなる。1つ以上の実施形態において、均一な光抽出を得るために、LEDに最も近い光結合端からのその距離が長くなるにつれて、水平な凹形微細構造列の抽出強度が高くなる。図15Cに示す通り、抽出係数は、水平な凹形微細構造列nの抽出強度を記述するために使用され、これは、列nへの全入射パワー(Pin,n)に対する列nにより抽出された全光パワー(Pf,n+Pb,n)の比と定義され、ここで、第1の主面30が装置の表、第2の主面32が装置の裏である。
【0085】
図16は、入力端における全光パワーに対するLGPを透過した光の異なるパワー比(Pout=入力端における全光パワー、Pin=LGPを通る全光パワー、Pout/Pin)について、出力端に反射体がないLGPにおいて均一な光抽出を実現するための入力端からの抽出列距離の関数として抽出係数のモデル化曲線を示す。LGPの光減衰係数は0.3/mである。Pout/Pinの比がより小さいので、光の損失はより少ない。図16に示す通り、Pout/Pinの比を小さくするには、出力端における抽出係数をより大きくする必要がある。Pout/Pin=10.5%(LGP光損失)を実現するためには、最後の列の抽出係数が0.007でなければならない。
【0086】
図17は、入力光に対するLGPを通る光の異なるパワー比(Pout/Pin)について、出力端に反射体があるLGPにおいて均一な光抽出を実現するための入力端からの抽出列距離の関数として抽出係数の曲線を示す。出力端は、反射率95%の鏡面反射体である。出力端反射体の使用による光リサイクリングのために、LGPの光損失はおよそ(Pout/Pinになる。(図16に示した)最初の例と比較して、出力端反射体を使用すると、同じ量の光損失の場合、出力端付近で必要な抽出係数の値を大幅に小さくすることができる。例えば、7.7%のLGP光損失を実現するために(Pout/Pin=0.277の場合)、最後の列の必要な抽出係数はわずか約0.002である。これにより、抽出機構を作製するための操作可能な余地がはるかに大きくなる。
【0087】
図18は、異なる厚さ(1.1、1.5または1.8mm)を有するLGPについて、穴幅の関数として1本の抽出列の抽出係数の曲線を示す。穴は球形状を有する。穴深さは20μmであり、2つの穴の中心間の間隔は1.0mmである。抽出係数は、穴幅が大きくなるにつれて大きくなり、穴幅が約250μmのとき最大になる。より強力な光抽出は、より薄いLGP内で実現されることにも留意されたい。
【0088】
図19は、異なる厚さ(1.1、1.5または1.8mm)を有するLGPについて、穴深さの関数として1本の抽出列の抽出係数の曲線を示す。穴は球形を有する。穴幅は100μmであり、2つの穴の中心間の間隔は1.0mmである。抽出係数は、穴深さが深くなるにつれて大きくなる。やはり、より強力な光抽出は、より薄いLGP内で実現される。
【0089】
図20A図20Bは、図20Aでは穴深さ20μm、図20Bでは穴深さ40μmの異なる厚さ(1.1、1.5または1.8mm)を有するLGPについて、穴間隔の関数として1本の抽出列の抽出係数の曲線を示す。穴幅は100μmである。抽出係数は、穴間隔が大きくなるにつれて小さくなる。より強力な光抽出は、より薄いLGP内で実現される。穴間隔が0.2mmであるとき、穴深さ40μmでは、LGP厚さ1.8、1.5および1.1mmにおける抽出係数は、それぞれ0.0038、0.0045および0.0062である。4%未満のLGP光損失は、上述の抽出係数で、3つの異なる厚さのLGPすべてについて、列間間隔1mmを有する長さ700mmのLGP内で実現することができる(図17参照)。
【0090】
図21は、穴深さ、幅および間隔がそれぞれ20μm、100μmおよび1.0mmである場合の、LGP厚さの関数として1本の抽出列の抽出係数の曲線を示す。抽出係数は、LGP厚さが薄くなるにつれて大きくなった。
【0091】
光抽出機構を形成するための様々な方法は上述した。図22A図22Cは、図22Aに示した抽出パターンを有するレンチキュラーレンズ機構を含む、光抽出機構80の3つの例示的な実施形態を示し、これらは球形であり、走査電子顕微鏡(SEM)により測定された幅W2 250μm、高さH2 45μm、ならびに約5~500μmの範囲内のW2および約10μm~10mmの範囲内のS2ピッチを有する。図22Bは、約200μmの開口81および約450μmのピッチ(ピッチは、穴/凹部の中心間の間隔を指す)を有する非連続的なレンズ形の構造としての抽出機構80を示す。図22C図22Bの反転像である。
【0092】
1つ以上の実施形態は、ガラス物品または導光板の製造方法において、第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備えるガラス板の第1の主面内に複数のチャネルを形成するステップであって、複数のチャネルのうちの隣接するチャネルは、ゼロでない間隔Sだけ離隔しており、複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、最大深さH、および最大高さの半分(H/2)において測定される幅Wを有し、かつ約1~約15の範囲内の比W/Hを有するステップを含む方法を提供する。本方法は、第1の主面内および第2の主面内のうちの少なくとも1つに光抽出機構を形成するステップをさらに含む。
【0093】
本方法のある実施形態において、複数のチャネルを形成するステップおよび光抽出機構を形成するステップは、第1の主面および第2の主面のうちの少なくとも1つをマスキングおよびエッチングするステップを含む。本方法の実施形態において、本方法は、複数のチャネルおよび複数の光抽出機構を同時に形成するステップを含むことができる。
【0094】
1つ以上の実施形態において、エッチングは、酸エッチング、スプレーエッチング、HF酸エッチング、反応性イオンエッチングおよびウェットエッチングからなる群から選択される。本方法の1つ以上の実施形態において、複数のチャネルのうちの少なくとも1つを形成するステップおよび光抽出機構を形成するステップは、マスキングするステップ、ならびにサンドブラスト加工、エアブラシ加工、エンボス加工およびウォータージェット加工からなる群から選択されるプロセスを含む。
【0095】
本方法の1つ以上の実施形態において、W/Hは、約2~約10の範囲内または約2.5~約10の範囲内または約0.1~約5の範囲内である。1つ以上の実施形態において、W/Sは、約0.1~約30の範囲内または約0.25~約10、0.5~2の範囲内である。1つ以上の実施形態において、ガラス板の最大厚さTは、約0.1mm~約2.1mmの範囲内である。
【0096】
本方法の1つ以上の実施形態において、ガラス板の最大厚さTに対する複数のチャネル中の少なくとも1つのチャネルの最大深さHの比(H/T)は、約0.01~約0.9または約0.01~約0.5または約0.0125~約0.3または約0.02~約0.1の範囲である。
【0097】
本方法の1つ以上の実施形態によれば、ガラス板は、約60モル%~約80モル%の範囲内のSiO、約0モル%~約20モル%の範囲内のAl、約0モル%~約15モル%の範囲内のBを含み、かつ約50ppm未満のFe濃度を有する。
【0098】
いくつかの実施形態において、複数のチャネルを形成するステップおよび光抽出機構を形成するステップは、第1の主面および第2の主面のうちの少なくとも1つをマスキングおよびエッチングするステップを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、複数のチャネルおよび複数の光抽出機構を同時に形成するステップを含む。特定の実施形態において、複数のチャネルおよび複数の光抽出機構は、主面上のガラス板の片側に単一のエッチングステップで形成される。
【0099】
エッチングには、酸エッチング、HF酸エッチング、反応性イオンエッチングおよびウェットエッチングのうちの1つ以上が含まれ得る。いくつかの実施形態において、複数のチャネルのうちの少なくとも1つを形成するステップおよび光抽出機構を形成するステップは、マスキングするステップ、ならびにサンドブラスト加工、エアブラシ加工、エンボス加工およびウォータージェット加工からなる群から選択されるプロセスを含む。
【実施例
【0100】
2枚のサンプル基板を製造した。厚さ1.1mmを有する8.5インチ×11インチ(約21.6cm×約27.9cm)のIRIS(商標)ガラス(Corning,Incorporatedから入手可能)片の同じ主面上にレンズ形の列および均一な抽出機構(球形の穴)を有する各基板を作製した。エッチングレジストをマスクとして使用して、抽出パターンを有する列をスクリーン印刷した。印刷に使用されたスクリーンは、150×150μmの列および250μmのドットパターンを有する360メッシュステンレス鋼スクリーンであった。
【0101】
実施例1
第1のサンプルにはESTS-3000(Sun Chemical(www.sunchemical.comから入手可能)をエッチングレジストとして使用し、これをスクリーン印刷した。IRIS(商標)ガラスのベアガラス基板を200℃でプリベークし、室温まで冷却し、スクリーン印刷機内に置き、Sun Chemicalから入手可能な芳香族溶媒(ER-Solv18)で5%(質量)に希釈したESTS-3000スクリーンインクを使用し、スキージ速度5~50cm/sおよびスクリーン-基板間隙2mmを使用して印刷した。パターンを140℃で1時間ポストベークした後、浴エッチャーに供し、ここでは基板を水平に置き、その後、穏やかに撹拌した(30~70分間)。10% HF-30% HSO酸溶液をエッチングマスク上でスプレーエッチングすることによりエッチングを実施し、脱イオン水ですすぎ、マスクを除去した
実施例2
第2のサンプルにはSun Chemicalから入手可能なCGSN-XG77インクを使用し、これを以下の通りスクリーン印刷した。IRIS(商標)ガラスのベアガラス基板を200℃でプリベークし、室温まで冷却し、スクリーン印刷機内に置き、CGSN-XG77インクを使用し、スキージ速度10cm/sおよびスクリーン-基板間隙2mmを使用して印刷した。パターンを140℃で1時間ポストベークした後、浴エッチャーにかけ、ここでは基板を水平に置き、その後、穏やかに撹拌した(30~70分間)。10% HF-30% HSO酸溶液をエッチングマスク上でスプレーエッチングすることによりエッチングを実施し、脱イオン水ですすぎ、マスクを除去した
KLA-Tencor P011触針式表面形状測定器により、約2μmの触針および先端角60°を有するダイヤモンド触針、一定力2mg、サンプリングレート100Hz、走査速度50μm/秒ならびに走査距離最大8mmを使用して、ESTS-3000インクを使用したプロセスによるエッチングされたレンズ形の列を測定した。表面形状測定器により、基板上のエッチングされたレンズ形の列の深さは58μmと測定された。CGSN-XG77インクを使用して形成されたサンプルから得られたエッチングされたレンズ形の列の測定は深さ80μmを示した。
【0102】
走査電子顕微鏡を使用して、細長微細構造間のガラス基板上に形成されたレンズ形のチャネルを調べた。図23Aは、実施例1にしたがって形成された細長微細構造間に形成されたレンズ形のチャネル内に埋め込まれた光抽出機構を示す倍率25倍の走査電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図23Bは、2つの細長微細構造間に形成されたチャネル内に埋め込まれた光抽出機構の倍率200倍のSEM写真を示す。図23Cは、図23Bの倍率200倍の断面である。
【0103】
図24Aは、実施例2にしたがって作製されたレンズ形の機構のSEM写真を示し、細長微細構造、ならびに細長微細構造間のチャネルおよびチャネル内に埋め込まれた光抽出機構を示す。図24Bは、チャネル内に埋め込まれた光抽出機構の倍率200倍のSEM写真である。チャネルは、幅が約264μmと測定され、光抽出機構は、直径が339μmと測定された。図24C図24Bの断面であり、細長微細構造が約81.4μmの深さを有していたことを示す。
【0104】
したがって、本開示の実施形態は、ガラス板を備えるガラス物品であって、オールガラス導光板として使用することができ、かつ本明細書に記載のバックライトユニットの一部であり得るガラス物品に関する。バックライトユニットは、表示装置の一部であり得る。1つ以上の実施形態によれば、オールガラス導光板は、局所調光を実現する細長微細構造および光抽出機構がガラスから作製されている導光板を指し、いくつかの実施形態において、細長微細構造および光抽出機構は、ガラス物品、ガラス基板またはガラス板と一体形成されている。言い換えれば、1つ以上の実施形態において、局所調光を実現する細長微細構造および光抽出機構を備える導光板は単一のモノリシックガラス物品であり、光抽出機構および細長微細構造はガラス以外の材料から作製されていない。
【0105】
第1の実施形態は、ガラス板を備えたガラス物品であって、ガラス板は、第1の主面を含み、第1の主面は、その中に形成された複数のチャネルを備え、複数のチャネルのうちの隣接するチャネルは、ゼロでない距離Wだけ離隔しており、複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、最大深さH、および最大深さの半分(H/2)において測定される幅Sを有し、かつ約1~約15の範囲内の比W/Hを有し、ガラス板は、第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備え、第1の主面および第2の主面のうちの少なくとも1つは、その中に形成された光抽出機構を備える、ガラス物品に関する。
【0106】
第2の実施形態において、W/Hは、約2~約10の範囲内である。第3の実施形態において、W/Hは、約2.5~約10の範囲内である。第4の実施形態において、第1から第3の実施形態は、約0.1~約5の範囲内のW/Sを備える。第5の実施形態において、第1から第3の実施形態は、約0.2~約3の範囲内のW/Sを備える。第6の実施形態において、第1から第3の実施形態は、約0.3~約1の範囲内のW/Sを備える。第7の実施形態において、第1から第6の実施形態は、約0.1mm~約2.5mmの範囲内のガラス板の最大厚さTを備える。第8の実施形態において、第7の実施形態は、約0.6~約2.1mmの範囲内のTを備える。第9の実施形態において、第1から第8の実施形態は、光抽出機構が、複数のエッチングされた離散微細構造を備えるようなものである。
【0107】
第10の実施形態において、第1から第9の実施形態は、ガラス板が、約60モル%~約80モル%の範囲内のSiO、約0モル%~約20モル%の範囲内のAl、約0モル%~約15モル%の範囲内のBを含み、かつ約50ppm未満のFe濃度を有するようなものである。第11の実施形態において、第1から第10の実施形態は、ガラス板の最大厚さTに対する複数のチャネル中の少なくとも1つのチャネルの最大深さHの比(H/T)が、約0.01~約0.9の範囲であるようなものである。第12の実施形態において、第11の実施形態は、H/Tが、約0.01~約0.5の範囲であるようなものである。
【0108】
第13の実施形態において、第11の実施形態は、H/Tが、約0.0125~約0.3の範囲であるようなものである。第14の実施形態において、第11の実施形態は、H/Tが、約0.02~約0.1の範囲であるようなものである。第15の実施形態において、第1から第14の実施形態は、ガラス板が、第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備え、第2の主面が、複数のチャネルを備え、複数のチャネル中の隣接するチャネルが、ゼロでない間隔S’だけ離隔しているようなものである。第16の実施形態において、第1から第15の実施形態は、複数のチャネル中の少なくとも1つのチャネルが、ガラス板の屈折率よりも少なくとも約10%低い屈折率を有する材料で少なくとも部分的に満たされているようなものである。第17の実施形態において、第1から第16の実施形態は、複数のチャネル中の少なくとも1つのチャネルが、矩形、弧形または台形の断面形状を有するようなものである。
【0109】
第18の実施形態において、第17の実施形態は、少なくとも1つのチャネルが、約90°超約160°未満の範囲の壁角度Θを含む台形の断面形状を有するようなものである。第19の実施形態において、第1から第18の実施形態は、光抽出機構が、あるパターンで配置された複数の離散凹形微細構造を備えるようなものである。第20の実施形態において、第1から第19の実施形態は、光抽出機構が、ランダムな配置をとるようなものである。第21の実施形態において、第19または第20の実施形態は、離散凹形微細構造が、ガラス板内に一体形成されているようなものである。第22の実施形態において、第21の実施形態は、離散凹形微細構造が、エッチングされた微細構造であるようなものである。第23の実施形態において、第1から第22の実施形態は、複数の離散凹形微細構造が、球形、楕円形、円柱形、角柱形、円錐形または角錐形からなる群から選択される形状を含むようなものである。
【0110】
第24の実施形態において、第19から第23の実施形態は、各離散凹形微細構造が、深さH2および幅W2を有し、H2に対するW2の比が、約1~約150の範囲内であるようなものである。第25の実施形態において、第1から第24の実施形態は、各離散凹形微細構造が、深さH2および幅W2を有し、H2に対するW2の比が、約2~約100の範囲内であるようなものである。第26の実施形態において、第19から第23の実施形態は、隣接する離散凹形微細構造が、中心、および中心間の間隔S2を有し、S2に対するW2の比が、約0.002~25の範囲内であるようなものである。第27の実施形態において、第1から第26の実施形態は、チャネルが、第1の主面上にあり、光抽出機構が、第2の主面上にあるようなものである。第28の実施形態において、第1から第26の実施形態は、チャネルが、第1の主面上または第2の主面上にあり、光抽出機構が、チャネルを備える主面上にあるようなものである。
【0111】
第29の実施形態において、第1から第26の実施形態は、チャネルが、第1の主面上および第2の主面上にあり、光抽出機構が、第1の主面上および第2の主面上にあるようなものである。第30の実施形態において、第1から第29の実施形態は、光抽出機構が、ガラス板の第1の主面全体にわたって実質的に均一な光出力強度を発生するパターンで配置されているようなものである。第31の実施形態において、第1から第30の実施形態は、ガラス物品が導光板を備えるようなものである。第32の実施形態において、第1から第30の実施形態は、ガラス物品がバックライトユニットを備えるようなものである。第33の実施形態において、第1から第32の実施形態のいずれか1つは、ガラス物品が表示装置を備えるようなものである。
【0112】
第34の実施形態は、第1から第31の実施形態のいずれかによるガラス物品、およびガラス板の少なくとも1つの端面に沿ってアレイ状に配置された複数の発光ダイオードを備えるバックライトユニットに関する。第35の実施形態は、第34の実施形態に記載のバックライトユニットを備えるLCD表示装置に関する。
【0113】
第36の実施形態は、導光板の製造方法において、第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備えるガラス板の第1の主面内に複数のチャネルを形成するステップであって、複数のチャネルのうちの隣接するチャネルは、ゼロでない距離Wだけ離隔しており、複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、最大深さH、および最大深さの半分(H/2)において測定される幅Sを有し、かつ約1~約15の範囲内の比W/Hを有するステップ、ならびに第1の主面内および第2の主面内のうちの少なくとも1つに複数の光抽出機構を形成するステップを含む方法に関する。第37の実施形態において、第36の実施形態は、複数のチャネルを形成するステップおよび光抽出機構を形成するステップが、第1の主面および第2の主面のうちの少なくとも1つをマスキングおよびエッチングするステップを含むようなものである。第38の実施形態において、第36または第37の実施形態は、複数のチャネルおよび複数の光抽出機構を同時に形成するステップを含む。第39の実施形態において、第37または第38の実施形態は、酸エッチング、HF酸エッチング、反応性イオンエッチングおよびウェットエッチングからなる群から選択されるエッチングを含む。
【0114】
第40の実施形態において、第36から第39の実施形態は、マスキングするステップ、ならびにサンドブラスト加工、エアブラシ加工、エンボス加工およびウォータージェット加工からなる群から選択されるプロセスを含む、複数のチャネルのうちの少なくとも1つを形成するステップおよび光抽出機構を形成するステップを含む。第41の実施形態において、第36から第40の実施形態は、W/Hが、約1~約15の範囲内であるようなものである。第42の実施形態において、第36から第40の実施形態は、W/Sが、約0.1~約30の範囲内であるようなものである。第43の実施形態において、第36から第42の実施形態は、ガラス板の最大厚さTが、約0.1mm~約2.5mmの範囲内であるようなものである。第44の実施形態において、第43の実施形態は、ガラス板の最大厚さTに対する複数のチャネル中の少なくとも1つのチャネルの最大深さHの比(H/T)が、約0.01~約0.9の範囲であるようなものである。第45の実施形態において、第44の実施形態は、H/Tが、約0.01~約0.5の範囲であるようなものである。第46の実施形態において、第44の実施形態は、H/Tが、約0.0125~約0.3の範囲であるようなものである。第47の実施形態において、第44の実施形態は、H/Tが、約0.02~約0.1の範囲であるようなものである。第48の実施形態において、第36から第47の実施形態のいずれかは、ガラス板が、約60モル%~約80モル%の範囲内のSiO、約0モル%~約20モル%の範囲内のAl、約0モル%~約15モル%の範囲内のBを含み、かつ約50ppm未満のFe濃度を有するようなものである。
【0115】
範囲は、本明細書において、「約」ある特定の値から、かつ/または「約」別の特定の値までと表される。そのような範囲が表された場合、別の実施形態は、そのある特定の値から、かつ/またはその別の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用により値が近似値として表されている場合、その特定の値は別の実施形態を形成すると理解されたい。さらに、それぞれの範囲の終点は、他の終点と関係していても、他の終点と無関係でも有意であると理解されたい。
【0116】
本明細書において用いられる方向を示す用語、例えば上、下、右、左、表、裏、上、下は、描かれている図を参照して記載されているにすぎず、絶対的な向きを意味するものではない。
【0117】
特に明記されていない限り、本明細書に記載の任意の方法について、そのステップがある特定の順序で実施される必要があると解釈されることも、任意の器具に対して特定の向きが必要であることも決して意図されない。したがって、そのステップがしたがうべき順序が方法の請求項に実際に記載されていない場合、または個々の構成要素に対して順序もしくは向きが任意の器具の請求項に実際に記載されていない場合、またはある特定の順序にステップが限定されるべきであることが特許請求の範囲もしくは説明に特に具体的に記載されていない場合、または器具の構成要素に対してある特定の順序もしくは向きが記載されていない場合、いかなる点においても順序または向きが推論されることは決して意図されない。これは、解釈のための可能性のある任意の非明示的な根拠に当てはまり、この根拠には、ステップの配置に関する論理の問題、操作の流れ、構成要素の順序または構成要素の向き、文法構成または句読法から導かれる明白な意味、および本明細書に記載の実施形態の数またはタイプが含まれる。
【0118】
本明細書において用いられるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈により特に明確に定められていない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「a」構成要素への言及は、文脈により特に明確に示されていない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0119】
本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく本開示の実施形態に対して様々な修正および変形を行うことができることが当業者には明らかになるであろう。したがって、そのような修正および変形が添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内であるならば、本開示がそれらを包含することが意図される。
【0120】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0121】
実施形態1
ガラス板を備えたガラス物品であって、前記ガラス板は、第1の主面を含み、前記第1の主面は、その中に形成された複数のチャネルを備え、前記複数のチャネルのうちの隣接するチャネルは、ゼロでない距離Wだけ離隔しており、前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、最大深さH、および前記最大深さの半分(H/2)において測定される幅Sを有し、かつ約1~約15の範囲内の比W/Hを有し、
前記ガラス板は、前記第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備え、前記第1の主面および前記第2の主面のうちの少なくとも1つは、その中に形成された光抽出機構を備える、ガラス物品。
【0122】
実施形態2
W/Hが、約2~約10の範囲内である、実施形態1記載のガラス物品。
【0123】
実施形態3
W/Hが、約2.5~約10の範囲内である、実施形態1記載のガラス物品。
【0124】
実施形態4
W/Sが、約0.1~約5の範囲内である、実施形態2記載のガラス物品。
【0125】
実施形態5
W/Sが、約0.2~約3の範囲内である、実施形態2記載のガラス物品。
【0126】
実施形態6
W/Sが、約0.3~約1の範囲内である、実施形態3記載のガラス物品。
【0127】
実施形態7
前記ガラス板の最大厚さTが、約0.1mm~約2.5mmの範囲内である、実施形態1から6までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0128】
実施形態8
Tが、約0.6~約2.1mmの範囲内である、実施形態7記載のガラス物品。
【0129】
実施形態9
前記光抽出機構が、複数のエッチングされた離散微細構造を備える、実施形態1から8までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0130】
実施形態10
前記ガラス板が、約60モル%~約80モル%の範囲内のSiO、約0モル%~約20モル%の範囲内のAl、約0モル%~約15モル%の範囲内のBを含み、かつ約50ppm未満のFe濃度を有する、実施形態1から9までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0131】
実施形態11
前記ガラス板の最大厚さTに対する前記複数のチャネル中の前記少なくとも1つのチャネルの前記最大深さHの比(H/T)が、約0.01~約0.9の範囲である、実施形態1から10までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0132】
実施形態12
H/Tが、約0.01~約0.5の範囲である、実施形態11記載のガラス物品。
【0133】
実施形態13
H/Tが、約0.0125~約0.3の範囲である、実施形態11記載のガラス物品。
【0134】
実施形態14
H/Sが、約0.02~約0.1の範囲である、実施形態11記載のガラス物品。
【0135】
実施形態15
前記ガラス板が、前記第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備え、前記第2の主面が、複数のチャネルを備え、前記複数のチャネル中の隣接するチャネルが、ゼロでない間隔S’だけ離隔している、実施形態1から14までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0136】
実施形態16
前記複数のチャネル中の少なくとも1つのチャネルが、前記ガラス板の屈折率よりも少なくとも約10%低い屈折率を有する材料で少なくとも部分的に満たされている、実施形態1から15までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0137】
実施形態17
前記複数のチャネル中の前記少なくとも1つのチャネルが、矩形、弧形または台形の断面形状を有する、実施形態1から16までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0138】
実施形態18
前記少なくとも1つのチャネルが、約90°超約160°未満の範囲の壁角度Θを含む台形の断面形状を有する、実施形態17記載のガラス物品。
【0139】
実施形態19
前記光抽出機構が、あるパターンで配置された複数の離散凹形微細構造を備える、実施形態1から18までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0140】
実施形態20
前記光抽出機構が、ランダムな配置をとる、実施形態1から18までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0141】
実施形態21
前記離散凹形微細構造が、前記ガラス板内に一体形成されている、実施形態19または20記載のガラス物品。
【0142】
実施形態22
前記離散凹形微細構造が、エッチングされた微細構造である、実施形態21記載のガラス物品。
【0143】
実施形態23
前記複数の離散凹形微細構造が、球形、楕円形、円柱形、角柱形、円錐形または角錐形からなる群から選択される形状を含む、実施形態19から22までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0144】
実施形態24
各離散凹形微細構造が、深さH2および幅W2を有し、H2に対するW2の比が、約1~約150の範囲内である、実施形態19から23までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0145】
実施形態25
各離散凹形微細構造が、深さH2および幅W2を有し、H2に対するW2の比が、約2~約100の範囲内である、実施形態19から23までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0146】
実施形態26
隣接する離散凹形微細構造が、中心、および中心間の間隔S2を有し、S2に対するW2の比が、約0.002~25の範囲内である、実施形態19から23までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0147】
実施形態27
前記チャネルが、前記第1の主面上にあり、前記光抽出機構が、前記第2の主面上にある、実施形態1から26までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0148】
実施形態28
前記チャネルが、前記第1の主面上または前記第2の主面上にあり、前記光抽出機構が、前記チャネルを備える主面上にある、実施形態1から26までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0149】
実施形態29
前記チャネルが、前記第1の主面上および前記第2の主面上にあり、前記光抽出機構が、前記第1の主面上および前記第2の主面上にある、実施形態1から26までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0150】
実施形態30
前記光抽出機構が、前記ガラス板の前記第1の主面全体にわたって実質的に均一な光出力強度を発生するパターンで配置されている、実施形態1から29までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0151】
実施形態31
導光板を備える、実施形態1から30までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0152】
実施形態32
バックライトユニットを備える、実施形態1から30までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0153】
実施形態33
表示装置を備える、実施形態1から32までのいずれか1つ記載のガラス物品。
【0154】
実施形態34
実施形態1から31までのいずれか1つ記載のガラス物品、および
前記ガラス板の少なくとも1つの端面に沿ってアレイ状に配置された複数の発光ダイオード
を備える、バックライトユニット。
【0155】
実施形態35
実施形態34記載のバックライトユニットを備える、LCD表示装置。
【0156】
実施形態36
導光板の製造方法において、
第1の主面とは反対側の第2の主面をさらに備えるガラス板の前記第1の主面内に複数のチャネルを形成するステップであって、前記複数のチャネルのうちの隣接するチャネルは、ゼロでない距離Wだけ離隔しており、前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは、最大深さH、および前記最大深さの半分(H/2)において測定される幅Sを有し、かつ約1~約15の範囲内の比W/Hを有するステップ、ならびに
前記第1の主面内および前記第2の主面内のうちの少なくとも1つに複数の光抽出機構を形成するステップ
を含む、方法。
【0157】
実施形態37
前記複数のチャネルを形成するステップおよび前記光抽出機構を形成するステップが、前記第1の主面および前記第2の主面のうちの少なくとも1つをマスキングおよびエッチングするステップを含む、実施形態36記載の方法。
【0158】
実施形態38
前記複数のチャネルおよび前記複数の光抽出機構を同時に形成するステップをさらに含む、実施形態36または37記載の方法。
【0159】
実施形態39
エッチングが、酸エッチング、HF酸エッチング、反応性イオンエッチングおよびウェットエッチングからなる群から選択される、実施形態37または38記載の方法。
【0160】
実施形態40
前記複数のチャネルのうちの少なくとも1つを形成するステップおよび前記光抽出機構を形成するステップが、マスキングするステップ、ならびにサンドブラスト加工、エアブラシ加工、エンボス加工およびウォータージェット加工からなる群から選択されるプロセスを含む、実施形態36から39までのいずれか1つ記載の方法。
【0161】
実施形態41
W/Hが、約1~約15の範囲内である、実施形態36から40までのいずれか1つ記載の方法。
【0162】
実施形態42
W/Sが、約0.1~約30の範囲内である、実施形態36から40までのいずれか1つ記載の方法。
【0163】
実施形態43
前記ガラス板の最大厚さTが、約0.1mm~約2.5mmの範囲内である、実施形態36から42までのいずれか1つ記載の方法。
【0164】
実施形態44
前記ガラス板の最大厚さTに対する前記複数のチャネル中の前記少なくとも1つのチャネルの前記最大深さHの比(H/T)が、約0.01~約0.9の範囲である、実施形態43記載の方法。
【0165】
実施形態45
H/Tが、約0.01~約0.5の範囲である、実施形態44記載の方法。
【0166】
実施形態46
H/Tが、約0.0125~約0.3の範囲である、実施形態44記載の方法。
【0167】
実施形態47
H/Tが、約0.02~約0.1の範囲である、実施形態44記載の方法。
【0168】
実施形態48
前記ガラス板が、約60モル%~約80モル%の範囲内のSiO、約0モル%~約20モル%の範囲内のAl、約0モル%~約15モル%の範囲内のBを含み、かつ約50ppm未満のFe濃度を有する、実施形態36から47までのいずれか1つ記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A-15B】
図15C
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図24C