(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-30
(45)【発行日】2022-07-08
(54)【発明の名称】運動装置用機器
(51)【国際特許分類】
A63B 21/002 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
A63B21/002
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021066731
(22)【出願日】2021-04-09
(62)【分割の表示】P 2018513314の分割
【原出願日】2016-09-16
【審査請求日】2021-04-30
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519295649
【氏名又は名称】ジャキッシュ バイオメディカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャキッシュ,ポール,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ジャキッシュ,ジョン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】アルカイア,ヘンリー,ディー.
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0248926(US,A1)
【文献】米国特許第05004230(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0094721(US,A1)
【文献】米国特許第08388499(US,B1)
【文献】米国特許第06872187(US,B1)
【文献】米国特許第07101327(US,B1)
【文献】米国特許第05103404(US,A)
【文献】特開2012-143434(JP,A)
【文献】特開2009-225845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 21/002
A63B 21/005
A63B 23/00
A63B 23/035
A63B 23/04
A63B 23/12
A63B 24/00
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動装置が運動を行うための負荷インターフェースと前記負荷インターフェースに連結されるフレームとを具備する、運動装置であって、前記運動装置が、
前記負荷インターフェースの初期位置を、前記負荷インターフェースの機能範囲の複数の機能位置のいずれか1つに調整するように構成されているリニア調整システムであって、前記機能範囲は、第1の末端機能位置、一つ以上の中間位置、及び第2の末端機能位置を含み、
前記リニア調整システムが第1端と第2端とを備え、前記第1端が前記負荷インターフェースと前記フレームのうちの一方に固定接続されるよう構成される、リニア調整システムと、
前記運動が可動域で対象者の筋肉群に作用し、前記可動域が前記対象者によって加えられ得る第1最大力によって特徴づけられる第1サブ範囲を具備し、
前記可動域が、前記対象者によって加えられ得る第2最大力によって特徴づけられる第2サブ範囲をさらに具備し、
前記第2最大力が前記第1最大力より大きく、
前記負荷インターフェースの前記初期位置は、前記筋肉群が前記第1サブ範囲を経る必要なく前記第2サブ範囲内にある前記可動域内の一点にある状態で、前記対象者が力を前記負荷インターフェースに加えることを可能にする、前記負荷インターフェースの前記機能範囲の位置であり、
前記負荷インターフェースは、前記
第1サブ範囲全体を通じてよりも、前記
第2サブ範囲全体を通じて前記第1の末端機能位置からより離れている、運動装置。
【請求項2】
前記運動装置は、レッグプレスマシン、調整可能ケーブルマシン、チェストプレスマシン、マシンベンチプレス、垂直リフトマシン、コアマシン、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の運動装置。
【請求項3】
前記リニア調整システムの前記第2端に固定連結される第1側と、前記負荷インターフェースと前記フレームのうちの他方に固定接続されるよう構成された第2側とを備えるセンサであって、前記センサが、前記リニア調整システムにかかる力を測定し、前記リニア調整システムに加えられる前記力に応じて信号を出力する、センサを更に備える、請求項1に記載の運動装置。
【請求項4】
前記リニア調整システム及び周辺装置に接続されるコントローラに提供される一つ以上の命令に基づいて前記負荷インターフェースの位置を調整する周辺装置を更に備える、請求項1に記載の運動装置。
【請求項5】
前記対象者は、前記運動装置の前記コントローラを通じて前記一つ以上の命令を提供することにより、前記負荷インターフェースの位置を手動で調整する、請求項4に記載の運動装置。
【請求項6】
前記対象者は、前記負荷インターフェースの位置を手動で調整する、請求項1に記載の運動装置。
【請求項7】
前記リニア調整システムは、前記負荷インターフェースの位置を調整する機構を備え、前記機構は、電気機構、空気圧機構、油圧機構、機械機構、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の運動装置。
【請求項8】
前記一つ以上の中間位置における各位置の間のそれぞれの距離は均一である、請求項1に記載の運動装置。
【請求項9】
それぞれの均一な距離は、0.7センチメートルから12.7センチメートルの間の範囲である、請求項8に記載の運動装置。
【請求項10】
運動を行うための運動装置から骨形成負荷を決定するための
コンピュータシステムであって、前記運動装置は、負荷インターフェースと、フレームと、前記負荷インターフェースと前記フレームとの間に介在し且つ前記負荷インターフェース及び前記フレームに固定接続するリニア調整システムと、前記リニア調整システムに接続されるセンサとを備え、前記
コンピュータシステムは、1つ又は複数のプロセッサ及び前記1つ又は複数のプロセッサによって実行するための1つ又は複数のプログラムを記憶するメモリを備え、前記1つ又は複数のプログラムは、単一的又は集合的に方法を実行し、
前記方法は、
(A)前記リニア調整システムの第1の長手方向における移動を通じて、前記運動装置の前記負荷インターフェースの位置を、前記負荷インターフェースの機能範囲の複数の機能位置の一つ以上の中間位置に調整することであって、前記機能範囲は、第1の末端機能位置、前記一つ以上の中間位置、及び第2の末端機能位置を含み、これにより、前記負荷インターフェースの前記一つ以上の中間位置の位置への移動を可能にする、ことと、
(B)調整すること(A)に応答して、対象者により前記一つ以上の中間位置の位置で前記負荷インターフェースに加えられる力を受け取ることと、
(C)受け取ること(B)に応答して、前記対象者により前記一つ以上の中間位置の位置で前記負荷インターフェースに加えられる力の測定を前記センサから取得することと、
(D)前記力の測定に基づいて、前記対象者により加えられる前記力についての対応する骨形成負荷を決定すること、
を含む、
コンピュータシステム。
【請求項11】
前記運動装置は、レッグプレスマシン、調整可能ケーブルマシン、チェストプレスマシン、マシンベンチプレス、垂直リフトマシン、コアマシン、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の運動装置。
【請求項12】
前記方法は、前記コンピュータシステムのディスプレイ上のユーザインタフェースを通じて、前記対応する骨形成負荷を提供すること(E)を更に含む、請求項10に記載の
コンピュータシステム。
【請求項13】
前記ユーザインタフェースは、前記対応する骨形成負荷を、数値、グラフ、又はその両方として提供する、請求項12に記載の
コンピュータシステム。
【請求項14】
提供すること(E)は、前記ユーザインタフェースを通じて、前記負荷インターフェースの前記一つ以上の中間位置の位置を提供することを含む、請求項12に記載の
コンピュータシステム。
【請求項15】
調整すること(A)は、前記負荷インターフェースを前記一つ以上の中間位置の位置に固定する、請求項10に記載の
コンピュータシステム。
【請求項16】
前記運動装置は、相関機構を更に備え、
決定すること(D)は、前記対象者により前記負荷インターフェースに加えられる力の第2の測定に基づいて、前記対応する骨形成負荷を決定することを更に含む、請求項10に記載の
コンピュータシステム。
【請求項17】
前記
相関機構は、前記対象者により前記負荷インターフェースに加えられる前記力の測定及び前記負荷インターフェースの位置に基づいて前記第2の測定を取得する、請求項16に記載の
コンピュータシステム。
【請求項18】
前記リニア調整システムは、調整すること(A)を促進する機構を更に備え、
前記機構は、電気機構、空気圧機構、油圧機構、機械機構、又はこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の
コンピュータシステム。
【請求項19】
運動を行うための運動装置から骨形成負荷を決定するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記運動装置は、負荷インターフェースと、フレームと、前記負荷インターフェースと前記フレームとの間に介在し且つ前記負荷インターフェース及び前記フレームに固定接続するリニア調整システムと、前記リニア調整システムに接続されるセンサとを備え、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、
コンピュータシステムにより実行されるときに、前記
コンピュータシステムに方法を実行させ、
前記方法は、
(A)前記リニア調整システムの第1の長手方向における移動を通じて、前記運動装置の前記負荷インターフェースの位置を、前記負荷インターフェースの機能範囲の複数の機能位置の一つ以上の中間位置に調整することであって、前記機能範囲は、第1の末端機能位置、前記一つ以上の中間位置、及び第2の末端機能位置を含み、これにより、前記負荷インターフェースの前記一つ以上の中間位置の位置への移動を可能にする、ことと、
(B)調整すること(A)に応答して、対象者により前記一つ以上の中間位置の位置で前記負荷インターフェースに加えられる力を受け取ることと、
(C)受け取ること(B)に応答して、前記対象者により前記一つ以上の中間位置の位置で前記負荷インターフェースに加えられる力の測定を前記センサから取得することと、
(D)前記力の測定に基づいて、前記対象者により加えられる前記力についての対応する骨形成負荷を決定すること、
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年9月18日出願の、「運動装置用機器」と題する米国特許出願第14/859,085号と、2016年4月29日出願の、「運動装置用機器」と題する米国仮特許出願第62/329,999号の優先権を主張し、それぞれが参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、運動装置用機器に関する。さらに特には、本開示は、運動する人が、運動装置の可動域全体にわたる複数の位置のうちのいずれか1つにおいて、筋肉と、関連する運動連鎖(kinetic chain)組織に、高強度の負荷をかけることができ、及び/又は、運動装置を使用する人の実際の負荷情報を提供することができる機器に関する。
【背景技術】
【0003】
研究により、骨格筋を発達させ、骨密度を増加させるには、最大負荷が重要であることがわかった。2004年には、Bone Health and OsteoporosisのSurgeon General‘s Reportにおいて、「骨粗鬆症を予防するため、又は、骨粗鬆症の影響を改善するための骨密度の増加は、筋骨格系にかかる最大負荷によって刺激される」と述べられている(9章参照)。ZatsiorskyとKraemerは、彼らの2006年の文献、Science and Practice of Strength Training (50頁)において、「筋繊維の筋形質性筋肥大(sarcoplasmic hypertrophy)は、筋形質(sarcoplasm)(半流動原繊維間物質(semifluid interfibrillar substance))と、筋力の生成に直接貢献しない非収縮性プロテインの成長によって特徴付けられる」と筋肉成長の異なる2つのタイプの違いについて説明している。つまり、負荷が印加された状態で人が物理的な動作に従事すると、筋形質性筋肥大が起こる。
【0004】
しかしながら、従来の運動又はフィットネス装置では、ユーザー対して決められた、又は、中等度の抵抗が提供されるだけである。この抵抗力は通常、1つ又は複数の質量に作用する重力の力、又はいくつかの事例では、粘性力によってシリンダ内の移動可能要素の移動が制限される油圧シリンダの力に由来する。そのような機器では、運動が働きかける対象となる筋肉群の可動域に印加される負荷量は、運動開始前に設定される。さらに、抵抗の大きさは、運動を行う前に決定されるため、その試み(endeavor)によってユーザーに提供されるフィードバックは、ただ2種類しかない。それらとは、その運動を完了させることができるか、又は、難しすぎて行えないか、のどちらかである。運動が成功した場合、ユーザーは、その運動に関わる筋肉群の可動域において最も弱い点が、選択した難易度設定を満たすのに必要な力を提供していることがわかる。運動が失敗した場合、ユーザーは、その運動に関わる筋肉群の可動域において最も弱い点が、選択した難易度設定を達成するのに必要な力を提供していないことがわかる。
【0005】
これらの結果のどちらからも、その運動のためにその運動に関わる筋肉群の可動域における最も弱い点にユーザーが加え得る実際の力の最大量、又は、さらに言えば、その運動に関わる可動域の、その他の点に加え得る力の量は明らかにならない。高負荷に応じて筋肉が疲労するため、小さい負荷から開始して、負荷を上げ続けながら運動を繰り返すことによって、自身の最も弱い可動域における自身の最大能力を確かめるのは不可能である。何度か試した後では、筋肉疲労のため、以前のその最大負荷に到達することができない。
【0006】
さらに、従来の運動又はフィットネス装置は、実際の負荷情報、特に、特定の運動に関わるユーザーの可動域の任意の点において加えられた最大の力の情報をユーザーに提供しない。
【0007】
よって、運動する人が、最初に可動域の弱い点を経ることなく高負荷(例、力)又は極力高い負荷を、運動装置に関するユーザーの可動域全体の複数の位置のうちのいずれか1つに加えることができ、運動する人にその運動についての実際の負荷情報を提供することができる機器が、本技術に必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、運動装置に設置され得、運動装置の負荷インターフェースを、負荷インターフェースの機能範囲の複数の機能位置のうちのいずれか1つに固定し、それによって運動する人が、高負荷又は極力高い負荷をその運動に関わる可動域全体の複数の位置のいずれか1つに加えることを可能にする機器を与えることによって、前述した、及び先行技術の欠点を解決する。
【0009】
いくつかの態様では、機器は運動中、運動する人によって加えられる負荷を(直接又は間接的に)測定し、運動中又は運動後にその負荷情報を提供する。ある態様では、装置は様々な運動装置に設置されるよう構成され、その運動装置にはレッグプレスマシン、調整可能ケーブルマシン、チェストプレスマシン、マシンベンチプレス、垂直リフトマシン、及びコアマシンを含むがこれらに限らない。
【0010】
本開示の一態様は、運動を行うための負荷インターフェースと負荷インターフェースに連結されるフレームとを具備する、運動装置用機器を提供する。機器は、運動装置の負荷インターフェースを、負荷インターフェースの機能範囲の複数の機能位置のうちのいずれか1つに移動させるよう、機器の長さを変化させるリニア調整システムを具備する。リニア調整システムは、第1端と第2端とを有する。リニア調整システムの第1端は、運動装置の負荷インターフェースとフレームのうちの一方に固定接続されるよう構成される。機器はまた、第1側と第2側とを有するセンサを具備する。センサの第1側は、リニア調整システムの第2端に固定連結される。センサの第2側は、負荷インターフェースとフレームのうちの他方に固定接続されるよう構成される。例えば、リニア調整システムの第1端が負荷インターフェースに固定接続される場合、センサの第2側は運動装置のフレームに固定接続される。リニア調整システムの第1端がフレームに固定接続される場合、センサの第2側は負荷インターフェースに固定接続される。センサは、リニア調整システムに加えられる力を測定し、リニア調整システムに加えられる力に応じて信号を出力する。
【0011】
本開示の別態様は、運動を行うための、負荷インターフェースと負荷インターフェースに連結されるフレームとを具備する運動装置用機器を提供する。機器は、機器の長さを長手方向に変化させ、それによって運動装置の負荷インターフェースを、負荷インターフェースの機能範囲の複数の機能位置のうちのいずれか1つに固定するリニア調整システムを具備する。リニア調整システムは、第1端と第2端とを含む。機器はまた、リニア調整システムに連結されるセンサを具備する。センサは、リニア調整システムに加えられる力を測定するよう構成される。センサは第1側と第2側とを有し、第1側はリニア調整システムの第2端に固定連結されている。機器はさらに、第1コネクタと第2コネクタとを具備する。第1コネクタは、リニア調整システムの第1端を運動装置の負荷インターフェースとフレームのうちの一方に固定接続されるよう構成される。第2コネクタは、センサの第2側を運動装置の負荷インターフェースとフレームのうちの他方に固定接続されるよう構成される。例えば、第1コネクタが負荷インターフェースに固定接続される場合、第2コネクタは運動装置のフレームに固定接続される。第1コネクタがフレームに固定接続される場合、第2コネクタは負荷インターフェースに固定接続される。そのようないくつかの実施形態では、機器は、リニア調整システムに加えられる力を運動装置の負荷インターフェースに加えられる力に相関させる相関機構を具備する。運動装置は、複数の異なるタイプの運動装置のいずれか1つである。
【0012】
運動装置に設置される機器によって、運動は、その運動に関わる(その運動によって特徴付けられる)可動域で対象者の1つ又は複数の筋肉群に作用する。可動域は、対象者によって加えられ得る第1最大力によって特徴付けられる第1サブ範囲を具備する。可動域はさらに、対象者によって加えられ得る第2最大力によって特徴付けられる第2サブ範囲を具備する。第2最大力は、第1最大力より大きい。いくつかの実施形態では、可動域は、第1及び第2サブ範囲を上回るサブ範囲をいくつ具備してもよい。いくつかの実施形態では、機器は、又は具体的には機器のリニア調整システムは、筋肉群が第1サブ範囲を経る必要なしに第2サブ範囲にある可動域の一点にある状態で、対象者が負荷インターフェースに力を加えることを可能にする、負荷インターフェースの機能範囲の位置に負荷インターフェースを固定する。
【0013】
本開示の前述及びその他の特徴は、以下の詳細な説明からさらに明らかになるだろう。そのような説明には、一式の図面が添付される。図面の番号は、同一番号を有する記述説明の番号に対応し、記述説明及び図面の両方を通して同様の特徴について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】
図1Aは、本開示のある実施形態における第1運動装置に設置された機器を図示した斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示のある実施形態における第2運動装置に設置された機器を図示した斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態における
図2Aの機器の基本的システム構成要素の斜視図である。
【
図2C】
図2Cは、本開示のいくつかの実施形態における
図2A及び
図2Bに図示した機器に関するユーザーインターフェースの図である。
【
図2D】
図2Dは、本開示のある実施形態におけるコンピュータシステムを図示する。
【
図3】
図3は、本開示のある実施形態における第3運動装置に設置された機器を図示する斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示のある実施形態における第4運動装置に設置された機器を図示する斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示のある実施形態における第5運動装置に設置された機器を図示する斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示のある実施形態における機器を図示する斜視図である。
【
図7】
図7は、本開示の別の実施形態における機器を図示する斜視図である。
【
図8】
図8は、本開示のさらに別の実施形態における機器を図示する斜視図である。
【
図9】
図9は、本開示のある実施形態における機器のセンサを図示する略図である。
【
図10】
図10は、本開示のある実施形態における搭載型電気システムを図示した略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、運動装置用機器を提供する。機器は、運動装置を製造するときに運動装置内に組み込まれるか、又は、既存の運動装置に後付けされ得る。本開示の機器によって、運動する人は、最初に可動域の1つ又は複数の弱い位置を経ることなしに、運動に関わる可動域全体の複数の位置のうちのいずれか1つにおいて、筋肉に高強度の負荷をかけることができる。したがって、その機器によって、運動装置での運動に関わる可動域内の最も弱い位置における従来の制約なく、有益とみなされる多大な力を加えることが可能となる。いくつかの実施形態では、本開示の機器はまた、運動中又は運動後に負荷/力測定データ、及び/又は、表示又は収集用の情報を提供する。そのデータは、運動中に運動する人を導いて励ますか、又は、強度、健康、及びフィットネスを向上させるためのより良いプログラムを設計するのに使用され得る。本明細書で使用される「運動する人(exerciser)」、「ユーザー(user)」、「対象者(subject)」、「対象者(object)」は互いに置き換え可能である。
【0016】
本開示の例示的実施形態は、以下の段落で説明される。
図1Aから
図1Mを参照すると、運動装置に設置された(例、組み込まれた、又は、後付けされた)本開示の機器102が図示される。実例として、
図1Aから
図1Mまでの運動装置は、レッグプレスマシン104である。レッグプレスマシン104は、負荷インターフェース106(例、プレスプレート)と、負荷インターフェース106に連結されるフレーム108とを具備する。レッグプレス運動中、運動する人110は通常、シート150に位置し、ハンドグリップ152を使用する。運動する人110は、
図1C及び
図1Dに図示される通り、負荷インターフェース106上に自身の足を置き、負荷インターフェース106を押す。
【0017】
図示の通り、いくつかの実施形態では、機器102はリニア調整システム112を具備する。いくつかの実施形態では、機器112はまた、リニア調整システムの長さを調整するための、1つ又は複数のダイヤル、ハンドル、ノブ、グリップ、及びボタンといった、手動機構又は機械的機構を具備する。例として、
図1Aから
図1Mはダイヤル130を図示し、そのダイヤル130はリニア調整システムの長さを手動で調整するための、ダイヤル130から突出したハンドル132を有する。
【0018】
リニア調整システム112によって、機器102は、直線方向(例、長手方向)にその長さを調整し、様々な所望の長さでロックすることが可能となる。そういった様々な長さはそれぞれ、負荷インターフェース106の機能範囲の複数の機能位置の異なる機能位置に、運動装置の負荷インターフェース106を固定するように作用する。例えば、いくつかの実施形態では、リニア調整システム112が調整され、ロックされ得る10以上の異なる長さと、対応する負荷インターフェース106の10の、又は、異なる機能位置がある。したがって、一旦機器102がレッグプレスマシン104といった、選択した運動装置に設置されると、運動する人110は機器102によって、負荷インターフェース106に高負荷又は極力高い負荷を加えることができ、運動装置(例、レッグプレス装置)に関わる運動に関わる可動域全体の複数の位置のうちのいずれか1つにおいて、筋繊維を100%使用して限界まで行うことができる。
【0019】
例えば、
図1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、運動する人110は、可動域で筋肉群に作用する運動を行う。いくつかの実施形態では、可動域は、運動する人によって加えられ得る第1最大力によって特徴付けられる第1サブ範囲を具備する。可動域はさらに、運動する人によって加えられ得る第2最大力によって特徴付けられる第2サブ範囲を具備する。第2最大力は、第1最大力より大きい。機器又は機器のリニア調整システムは、負荷インターフェース106の機能範囲の機能位置で負荷インターフェース106を固定し得る。例えば、機器又はリニア調整システムは、第2サブ範囲内となるように負荷インターフェース106を固定し得、ユーザーは、第2サブ範囲に到達するのに第1サブ範囲を経る必要はない。運動する人はそのような位置で、筋肉群が第1サブ範囲を経る必要なしに第2サブ範囲内にある、可動域内の一点にある状態で、負荷インターフェース106に力を加え得る。
【0020】
図1Aを参照すると、負荷又は力が負荷インターフェース106に加えられると、負荷インターフェース106は次に、それに応じてリニア調整システム112に負荷又は力を加える。リニア調整システム112に加えられる力を測定するため、機器102は、リニア調整システム112に固定連結されるセンサ114を具備する。いくつかの実施形態では、センサ114は、リニア調整システム上に加えられる力に応じて信号(例、アナログ又はデジタル信号)を出力する。
【0021】
図1A及び
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、リニア調整システム112は、第1端116と第2端118とを有する。第1端116は、運動装置の負荷インターフェース106とフレーム108のうちの一方に固定接続されるよう構成される。センサ114は、第1側120と第2側122とを有する。いくつかの実施形態では、センサ114の第1側120は、
図1Bに図示する通り、リニア調整システム112の第2端118に固定連結される。センサ114の第2側122は、運動装置の負荷インターフェース106とフレーム108のうちの他方に固定接続されるよう構成される。例えば、
図1Aから
図1Mに図示される実施形態では、センサ114の第2側122が運動装置のフレーム108に固定接続され、リニア調整システム112の第1端116が運動装置の負荷インターフェース106に固定接続される。
【0022】
レッグプレスマシン104又は本開示におけるその他の運動装置に対する機器102の配置は、例示的なものであり、排他的なものではないことが理解されるだろう。機器102の長さは所望の通り調整され、ロックされ得るので、機器102が様々な機能位置で負荷インターフェース106を固定し得、負荷インターフェース106に加えられる負荷が(直接又は間接的に)測定され得る限り、機器102は様々な配置で運動装置に設置され、運動装置の様々な部品に接続され得る。例えば、リニア調整システムの第1端は、負荷インターフェース106ではなくフレームに固定接続され得るか、又は、様々なバー又はプレート、運動装置のその他の構造部品に接続され得る。
【0023】
リニア調整システムの第1端116及びセンサ114の第2側122は、直接又は間接的に、運動装置の負荷インターフェース106又はフレームに接続され得ることが理解されるだろう。例えば、リニア調整システムの第1端とセンサ114の第2端は、コネクタ、プレート、ブラケット、又はバーのような、その他の部品を介して、運動装置の負荷インターフェース106又はフレームに間接接続され得る。実例として、
図1Aから
図1Mは、1つ又は複数のプレート140及びバー142を介して運動装置の負荷インターフェース106に間接接続された、リニア調整システム112の第1端116を図示する。
【0024】
本開示の運動装置は例示的なものであり、排他的なものではないことがさらに理解されるだろう。リニア調整システム112によって、機器102は直線方向(例、長手方向)に装置の全体の寸法を調整できるため、機器102は様々な異なるタイプの運動装置に設置され得る。例として、
図2Aは、異なるレッグプレスマシンと使用される装置を図示しており、その運動はレッグプレス運動である。本実施形態では、機器102はリニアアクチュエータ502と力センサ114とを具備し、リニアアクチュエータ502はリニア調整システム112として作用し、負荷インターフェース106に対してユーザーが負荷をかける位置を調整できるよう、レッグプレスマシンシートアセンブリ150の移動を可能にする。いくつかの実施形態では、アクチュエータ502の動きは、タッチスクリーン電子装置212(モニター機器)上に表示されるユーザーインターフェースによって管理され、そのタッチスクリーン電子装置212はまた、ロードセルセンサ114から、加えられた力について、図及び/又は数字によりフィードバックを提供する。
【0025】
さらに明確にするため、
図2Aのレッグプレスマシンに設置された状態で図示された機器の実施形態が、分離して
図2Bに示される。ユーザーインターフェース及びデータディスプレイを具備するモニター機器212は、搭載型電子部品216に接続され、その搭載型電子部品216はアクチュエータを制御する電源切換回路を含む。いくつかの実施形態では、搭載型電子部品216はまた、リニアアクチュエータ502を駆動させて電子機器212に入電するのに適切な電圧を供給する電源変圧器を具備する。いくつかの実施形態では、搭載型電子部品216に接続する電力入力コード218が、アース設置された電源からシステム全体に電力を供給する。いくつかの実施形態では、力センサ114は、搭載型電子部品216に配線される。いくつかの実施形態では、力センサ信号は搭載型電子部品216によって処理され、配線接続によって電子機器212へ送信される。いくつかの実施形態では、電子機器212と搭載型電子部品516の間の通信はワイヤレスである。いくつかの実施形態では、電子機器212は、搭載型電子部品516から独立して入電される。
【0026】
図2Cは、
図2Bに示す電子機器212の、いくつかの実施形態において表示されるユーザーインターフェースの一例として提供される。
図2Cのユーザーインターフェースは、
図2A及び
図2Bに示すリニアアクチュエータ502の、延出を示すアフォーダンス814と、後退を示すアフォーダンス186とを具備する。いくつかの実施形態では、アフォーダンス814とアフォーダンス816は、
図2Cに図示の通り、1つのスライドバーである。したがって、いくつかの実施形態では、1つの図形要素又は物理的なスイッチ(physical switch)が、アクチュエータ502の後退及び延出の両方を担い得る。アクチュエータ位置818もまた、
図2Cの例示的インターフェースで示される。ユーザーの前回の、初回時、最良時、直近時の力発生820を示すデータが、ユーザーの力発生の瞬時値のグラフ822及び数値824の表示と共に提供される。本開示のいくつかの実施形態では、所定期間の任意の時間間隔(例、任意の連続5秒間、任意の連続10秒間、等)で現在の運動セッションにおける力発生の最高平均値を示すメトリック826が表示されるだろう。
【0027】
図2Dは、運動を行うための負荷インターフェースと負荷インターフェースに連結されるフレームとを具備する運動装置からの入力データを処理するためのコンピュータシステム250を図示する。
図2Dを参照すると、通常の実施形態では、コンピュータシステム250は、1つ又は複数の(CPUの)処理ユニット274と、ネットワーク又はその他の通信インターフェース284と、ユーザーインターフェース(例、いくつかの実施形態では、入力機器としての役割も果たすディスプレイ282を具備する)と、メモリ292(例、ランダムアクセスメモリ)と、上記部品を相互接続するための1つ又は複数の通信バス262と、上記部品に入電するための電源276と、を含む。メモリ292のデータは、キャッシングといった、既知のコンピューティング技術を使用して、不揮発性及び揮発性メモリ(図示なし)と途切れなく共有され得る。メモリ292は、中央処理ユニット274に対して離れて配置される大量記憶装置を具備し得る。つまり、メモリ292に記憶されたデータのいくつかは、実際にはコンピュータシステム250の外側にあるコンピュータに格納され得るが、インターネット、イントラネット、又は、ネットワークインターフェース284を使用するその他の形態のネットワーク又は電子ケーブルを介して、コンピュータシステムによって電子的にアクセスされ得る。分析コンピュータシステム250のメモリ92は、
・様々な基礎システムサービスを取扱う手順を具備するオペレーティングシステム290と、
・負荷インターフェースの機能範囲の複数の機能位置のうちのいずれか1つに運動装置の負荷インターフェース106を固定するリニア調整システム112に、ステップ関数命令を送るための機器コントローラモジュール292であって、リニア調整システム112が第1端116と第2端118とを含み、第1端116が運動装置の負荷インターフェース106とフレーム108のうちの一方に固定接続されるよう構成され、運動が可動域で対象者の筋肉群に作用し、可動域が対象者によって加えられ得る第1最大力によって特徴付けられる第1サブ範囲を具備し、可動域がさらに、対象者によって加えられ得る第2最大力によって特徴付けられる第2サブ範囲を具備し、第2最大力が第1最大力より大きく、リニア調整システムが、ステップ関数命令に応じて、筋肉群が、第1サブ範囲を経る必要なく、第2サブ範囲の可動域の一点にある状態で対象者が負荷インターフェースに力を加えることを可能にする、負荷インターフェースの機能範囲の位置に負荷インターフェースを固定する機器コントローラモジュール292と、
・センサ114からリニア調整システムに加えられる力の測定を得るための測定モジュール294であって、センサ114が、リニア調整システム112の第2端118に固定連結される第1側120と、負荷インターフェース106とフレーム108のうちの他方に固定接続されるよう構成される第2側122を含む測定モジュール294と、
・リニア調整システムにかかる測定力、又は、リニア調整システムにかかる測定力から算出される運動装置の負荷インターフェースに加えられる力、及び/又は、
図2Cに図示する情報のいずれかをモニター機器に出力するためのディスプレイモジュール296と、を記憶する。
【0028】
いくつかの実装態様では、コンピュータシステム250の上記のデータ要素又はモジュールのうちの1つ又は複数が、先に開示されたメモリ機器のうちの1つ又は複数に記憶され、上記の機能を行うための一式の命令に対応する。上述のデータ、モジュール、又はプログラム(例、命令の集合)は、別個のソフトウェアプログラム、手順、又はモジュールとして実装される必要はなく、よって、これらのモジュールの様々なサブ集合は、様々な実装において組み合わされるか、あるいは再配置され得る。いくつかの実装態様では、メモリ92は、上記のモジュール及びデータ構造のサブ集合を選択的に記憶する。さらに、いくつかの実施形態では、メモリ92は、上述されていない、さらに別のモジュール及びデータ構造を記憶する。
【0029】
いくつかの実施形態では、リニア調整システム112はリニアアクチュエータを含み、そのリニアアクチュエータの延出と後退は電力切換回路又はサーボモーターコントローラを含む周辺電子機器によって制御され、それによってリニア調整システムは、機器コントローラモジュール292によって提供されるステップ関数命令に応じて、リニア調整システムが負荷インターフェースを固定する、複数の機能位置における1つの機能位置に負荷インターフェースを移動させる。
【0030】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム250は、リニア調整システムにかかる測定力、又は、リニア調整システムにかかる測定力から算出される負荷インターフェースに加えられる力に基づいて、骨形成負荷(osteogenic loading)を決定する命令を記憶する。
【0031】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム250は、負荷インターフェースのための複数の機能位置の中の1つの機能位置をユーザーが選択することを可能にする、ディスプレイ上のアフォーダンス(例、
図2Cの814/816)を与える命令を記憶する。さらに、そのアフォーダンスとのユーザー相互作用に応じて、機器コントローラモジュール292は、リニア調整システム112にステップ関数命令を送る。
【0032】
いくつかの実施形態では、ディスプレイモジュール296は、負荷インターフェース106の複数の機能位置の中の現在の機能位置を表示する。
【0033】
いくつかの実施形態では、ディスプレイモジュール296は、リニア調整システムによって固定される運動装置を使用した現在のセッションにおけるユーザーの現在の力出力と、(i)ユーザーが運動装置を使用した現在のセッション直前に運動装置を使用したセッションにおいて、同一ユーザーが生成した力の大きさ、(ii)運動装置を使用した以前のセッションで、ユーザーによって最高の力が達成されたセッション、及び(iii)運動装置を使用してユーザーが行った初回セッション、のうちのいずれかとの数値又はグラフによる比較を提供する。
【0034】
別の例として、
図3は、チェストプレスマシン304と使用される機器102を図示し、運動はチェストプレス運動である。さらなる例として、
図4は、コアマシン404と使用される機器102を図示し、運動は腹筋運動である。さらに別の例として、
図5は、垂直リフトマシン504と使用される機器102を図示し、運動は垂直リフト運動である。
【0035】
図3を参照すると、
図1Aから
図1Mのレッグプレスマシン104と同様、チェストプレスマシン304(
図3)、コアマシン404(
図4)、又は垂直リフトマシン504(
図5)に対する機器102の配置は、例示的なものであり、排他的なものではない。さらに、
図1Aから
図1Mのレッグプレスマシン104と同様、機器102は任意の適切な位置に配置され得、チェストプレスマシン304、コアマシン404、又は垂直リフトマシン504の様々な部品に接続され得る。いくつかの実施形態では、機器102は、
図2及び
図3に図示する通り、運動装置内の油圧シリンダ又はウェイトスタックに置き換わる。いくつかの実施形態では、機器102は、
図4に図示される運動装置の負荷インターフェース106のレバーアーム又は移動可能要素を固定する剛性ビームとして機能する。
【0036】
いくつかの実施形態では、運動装置は調整可能なケーブルマシンであり、運動は、片腕ケーブルロウ、Vグリップケーブルロウ、クローズグリップ水平プルダウン、ニーリング水平プルダウン、フェイスプル外旋(face pule external rotation)、直立ローテーションチョップ、ケーブルクランチ、ハーフニーリングローテーションチョップ、ケーブルオーバーヘッドトライセプスエクステンション、片腕ケーブル水平上げ、30度水平プルダウン、ローププレスダウン、90度ケーブル外旋、背面片腕ケーブルカール、ニーリングローテーションチョップ、ケーブル外旋、ニーリングスタビリティリバースチョップ、ケーブルコアプレス、腕伸ばしプルダウン、ケーブルプレスダウン、直立ケーブルプルオーバー、着席ケーブルロウ、ハーフニーリングスタビリティチョップ、片腕ケーブルチェストプレス、直立サイドクランチ、フェイスプル、ケーブルフロント上げ、ニーリングオブリークケーブルクランチ、リバースグリップである。
【0037】
負荷インターフェース106は、様々は形態をとり得る。例えば、負荷インターフェース106は、
図1Aから
図1Mに図示する通り1つ又は複数のレッグプレスプレート106と、
図3に図示する通り1つ又は複数のチェストプレス負荷インターフェース306と、
図3に図示する通り1つ又は複数のコアプル(core-pull)負荷インターフェース306と、
図5に図示する通り1つ又は複数の垂直リフト負荷インターフェース506とを具備する。
【0038】
いくつかの実施形態では、機器102はさらに、リニア調整システムにかかる測定力を、運動によって負荷インターフェース上に加えられる実際の力に相関させる相関機構を具備する。いくつかの実施形態では、相関機構は、表、チャート、曲線(curves)、多項式(polynomials)を含むがこれらに限らず、その2つの動作変数(operating variables)は、(i)センサ114によって検知される力の量と、(ii)リニア調整システム112の位置である。ある実施形態では、相関機構は、
図9に図示される所定マスター表808のような、運動装置用の所定マスター表を具備する。所定マスター表808は、センサによって測定される力と、複数の機能位置の各機能位置及び測定した複数のウェイト力における各測定力の、負荷インターフェースに加えられる対応する実際の力との一式を具備する。いくつかの実施形態では、相関機構はセンサ114内に搭載される。例えば、いくつかの実施形態では、マスター表808は複数のセルを有し、各セルは、(i)センサ上の測定力と、(ii)機能位置、によってインデックスされる。さらに、セルは値を有し、この値はインデックス(i)及び(ii)に与えられる実際の力を表わす。
【0039】
次に
図6から
図8を参照すると、本開示のいくつかの実施形態における機器102の例示的リニア調整システムが図示される。これらの実施形態は図示のためのものであり、限定するためのものではないことが理解されるだろう。その他のシステム、機構、構造は、そういったシステム、機構、構造によって運動装置の負荷インターフェースを調整しやすくし、負荷インターフェースの機能範囲において様々な機能位置で運動装置の負荷インターフェースをロックしやすくすることを条件として使用され得る。
【0040】
図6に示す通り、いくつかの実施形態では、リニア調整システムはリニアアクチュエータ502である。リニアアクチュエータ502は、固定部分504と、その固定部分に軸方向に整列した延出可能部分506とを具備する。延出可能部分506は、リニアアクチュエータ502の長手方向に、固定部分504に対して移動可能である。ある実施形態では、固定部分504と延出可能部分506は同心である。別の実施形態では、固定部分504と延出可能部分506は同心であり、実質的に同一の断面形状を有する。いくつかの実施形態では、延出可能部分は、固定部分よりも小さい呼び径を有する。一実施形態では、固定部分は中空であり、延出可能部分は固定部分内に摺動可能に配置される。
【0041】
リニアアクチュエータ502はさらに、固定部分に対して選択した位置で延出可能部分をロックするロック機構508を具備する。ロック機構508は、電気、空気圧、油圧によって、又は機械的に作動される。
【0042】
いくつかの実施形態では、機器102は、1つ又は複数のコネクタを具備する。例えば、
図6は、第1コネクタ510と第2コネクタ512とを具備する機器102を図示する。第1コネクタ510は、リニア調整システムの第1端又は第2端を運動装置の負荷インターフェース又はフレームに固定接続するため、リニア調整システム(例、リニアアクチュエータ502)のその端に配置される。実例として、
図5は、リニア調整システムの第2端118に配置された第1コネクタ510を示し、
図1Aから
図1Mは、リニア調整システムの第1端116に配置された第1コネクタを示す。第2コネクタ512は、センサ114の第2側122を運動装置の負荷インターフェース又はフレームに固定接続するため、センサ114の第2側122上に配置される。いくつかの実施形態では、第1コネクタ510及び/又は第2コネクタ512は、タング(tang)、クレビス(clevis)、クランプ、締め具、ピン、ネジ、ボルト、リング、等である。いくつかの実施形態では、機器102はさらに、リニア調整システムとセンサとの間に配置される第3コネクタ514具備する。第3コネクタ514は、リニア調整システムの他方端をセンサ114の第1側120に固定接続する。
【0043】
図1Aから
図5に戻って参照すると、いくつかの実施形態では、リニア調整システム112の第1端116の、負荷インターフェース106又はフレーム108への接続は、負荷インターフェース106又はフレーム108から延出する運動装置内の1つ又は複数の部品にリニア調整システムの第1端を接続させることによって達成される。例えば、
図1Aから
図5は、負荷インターフェース106又はフレーム108から延出する、運動装置内の1つ又は複数のプレート及び/又はバー(例、140、142、410、510)を介した接続を図示する。同様に、いくつかの実施形態では、センサ114の第2側122の、負荷インターフェース又はフレームへの接続は、センサ114の第2側122を、負荷インターフェース又はフレームから延出する、運動装置内の1つ又は複数の部品に接続することによって達成される。例えば、
図3から
図5は、負荷インターフェース又はフレームから延出する、運動装置内の1つ又は複数のバー又はプレート(例、308、408、508)を介した接続を図示する。
【0044】
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、リニア調整システムは、クランク駆動機構システム702である。リニアアクチュエータ502と同様、クランク駆動機構システム702は、固定部分704と、固定部分704に軸方向に整列した延出可能部分706とを具備する。延出可能部分706は、固定部分704に対してクランク駆動機構システム702の長手方向に移動可能である。一実施形態では、固定部分704は中空であり、延出可能部分は固定部分に摺動可能に配置される。
【0045】
駆動機構システム702はさらに、延出可能部分706を固定部分704に対して選択した位置にロックするロック機構708を具備する。いくつかの実施形態では、ロック機構708は、リニア調整システムの長手方向に沿って固定部分704に対して延出可能部分706を手動で移動させ、それによってクランク駆動機構システム702の長さを調整するハンドル、ノブ、ダイヤル、等710を具備する。
【0046】
図8を参照すると、いくつかの実施形態では、リニア調整システムは、手動調整可能ピンシステム850である。リニアアクチュエータ502及びクランク駆動機構システム702と同様、手動調整可能ピンシステム850は、固定部分852と、固定部分に軸方向に沿って整列した延出可能部分856とを具備する。延出可能部分856は、手動調整可能ピンシステム850の長手方向に、固定部分852に対して移動可能である。一実施形態では、固定部分852は中空であり、延出可能部分856は固定部分852内で摺動可能に配置される。
【0047】
いくつかの実施形態では、手動調整可能ピンシステム850はさらに、固定部分852に対して選択した位置で延出可能部分856をロックするロック機構を具備する。ロック機構は、固定部分856の壁部に形成された穴部860と、延出部分856の壁部に形成され、リニア調整システムの長手方向に互いに離間した複数の穴部862とを具備する。ロック機構はさらに、固定部分852上の穴部860を延出可能部分856上の複数の穴部862のうちのいずれか1つに係合させ、固定部分852に対して延出可能部分856をロックするよう構成された締め具864を具備する。
【0048】
実例として、
図8は、固定部分に形成された1つの実質的に円形の穴部と、延出可能部分上の7つの実質的に円形の穴部を示す。固定部分及び延出可能部分上の穴部の構成(例、サイズ、形状、穴の数、固定部分又は延出可能部分上の穴の位置)は容易に変更可能であることが理解されるだろう。例えば、固定部分及び延出可能部分上の穴部は、円形、楕円形、四角形、多角形、細長形、又は任意の好適な形状を様々なサイズで有し得る。別の例として、固定部分は、2つ以上の穴を有して形成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、リニア調整システム(例、リニアアクチュエータ502、クランク駆動機構システム602、又は手動調整可能ピンシステム702)の長さは、5センチメートルから1200センチメートル、10センチメートルから1000センチメートル、30センチメートルから500センチメートルまで延出可能な長さを有する。この範囲は、運動マシンの特徴によって変わることが理解されるだろう。
【0050】
いくつかの実施形態では、リニア調整システム(例、リニアアクチュエータ502、クランク駆動機構システム702、又は手動調整可能ピンシステム850)は、リニア調整システムの長さ、さらには機器102の長さが継続的に調整可能となるように構成される。いくつかの実施形態では、リニア調整システムは、リニア調整システムの長さ、さらには機器の長さが、増加量毎に段階的に調節可能となるよう構成される。いくつかの実施形態では、増加量は固定量であり、0.3インチから0.5インチの間、0.5インチから1.0インチの間、1.0インチから1.5インチの間、1.5インチから2.0インチの間、2.0インチから2.5インチの間、2.5インチから3.0インチの間、3.0インチから3.5インチの間、3.5インチから4.0インチの間、4.0インチから4.5インチの間、4.5インチから5.0インチの間、又はそれらのSI単位系同等量である。いくつかの実施形態では、増加量は固定量であり、1センチメートルから2センチメートルの間、2センチメートルから3センチメートルの間、3センチメートルから4センチメートルの間、4センチメートルから5センチメートルの間、5センチメートルから6センチメートルの間、6センチメートルから7センチメートルの間、7センチメートルから8センチメートルの間、8センチメートルから9センチメートルの間、9センチメートルから10センチメートルの間、10センチメートルから11センチメートルの間である。
【0051】
次に
図9を見ると、本開示のいくつかの実施形態における機器102のセンサ114を図示した略図が示される。図示の通り、いくつかの実施形態では、センサ114は、リニア調整システムに加えられる力に従ってアナログ信号を出力するロードセル902を具備する。ある実施形態では、ロードセル902は、歪みゲージロードセルを具備する。いくつかの実施形態では、センサ114はまた、アナログ信号をデジタル信号に変換する電子回路904を具備する。いくつかの実施形態では、センサ114はさらに、デジタル信号を出力するポートを具備する。いくつかの実施形態では、電子回路はアナログ信号をUSB対応型デジタル信号に変換し、ポートはUSBポートである。
【0052】
いくつかの実施形態では、相関機構は、リニア調整システムにかかる測定力を運動によって負荷インターフェースに加えられる実際の力に相関させるマスター表を具備する。マスター表は、その運動装置、又は様々な運動装置用に予め定められている。いくつかの実施形態では、マスター表908のようなマスター表は、
図9に図示の通り、センサ114内に記憶又は搭載される。いくつかの実施形態では、所定マスター表908は、センサ114によって測定される力と、複数の機能位置の各機能位置と複数のウェイト中の各ウェイトに対して負荷インターフェースに加えられる、対応する力との一式を具備する。
【0053】
いくつかの実施形態では、所定マスター表908では、負荷インターフェースの複数の機能位置は、固定の増加量で機器の長さ又はリニア調整システムの長さに対応しており、その固定の増加量とは、0.3インチから0.5インチの間、0.5インチから1.0インチの間、1.0インチから1.5インチの間、1.5インチから2.0インチの間、2.0インチから2.5インチの間、2.5インチから3.0インチの間、3.0インチから3.5インチの間、3.5インチから4.0インチの間、4.0インチから4.5インチの間、又は、4.5インチから5.0インチの間である。
【0054】
いくつかの実施形態では、所定マスター表908では、複数のウェイトにおけるウェイトの増加は変化する。いくつかの実施形態では、所定マスター表908では、複数のウェイトにおけるウェイト増加は固定量であり、その固定量は、1ポンドから5ポンドの間、5ポンドから10ポンドの間、10ポンドから20ポンドの間、20ポンドから30ポンドの間、30ポンドから40ポンドの間、又は、40ポンドから50ポンドの間である。いくつかの実施形態では、所定マスター表908では、複数のウェイトにおけるウェイト増加は固定量であり、その固定量は、1キログラムから5キログラムの間、5キログラムから10キログラムの間、10キログラムから20キログラムの間、20キログラムから30キログラムの間、30キログラムから40キログラムの間、又は、40キログラムから50キログラムの間である。
【0055】
いくつかの実施形態では、センサ114はさらに、所定マスター表908を使用して、運動する人によってリニア調整システムに加えられる力と負荷インターフェースの機能位置に基づいて、負荷インターフェースに加えられる力を決定するプロセッサ910を具備する。
【0056】
いくつかの実施形態では、センサ114は電子機器912に電気的に、又はワイヤレスに接続される。センサ114は、測定したリニア調整システムにかかる力と、運動装置の負荷インターフェースにかかる力と、又はその両方を電子機器912に出力する。いくつかの実施形態では、電子機器912は、ディスプレイ、スマートフォン、コンピュータ、サーバー、レシーバー、又はその他の電子機器やシステムである。実例として、
図1Eは、ケーブル134を介して電子機器136(例、ディスプレイ、モニター、又はスクリーン)に接続されたセンサ114を図示する。いくつかの実施形態では、電子機器は以下の、 (i)リニア調整システムにかかる測定力、負荷インターフェースに加えられる力、又は両方の力を表示し、(ii)リニア調整システムにかかる測定力及び負荷インターフェースに加えられる力のうちの1つ又は複数に基づいて骨形成負荷を決定することのうちの一つ以上を行う。本明細書で使用される用語「骨形成負荷(osteogenic loading )」は、最適な機能位置と最適な機能位置に印加される極力高い負荷のことである。
【0057】
リニア調整システムがリニアアクチュエータである実施形態のような、リニア調整機構が電気制御されるいくつかの実施形態では、請求項に関わる発明は、
図2A、
図2B、
図3、
図4、
図5に図示される通り、アクチュエータ502を制御する、
図10にあるようなシステムを具備する。いくつかの実施形態では、そのコントロールシステムは、アナログ又はデジタル出力ピン1022を使用して電流を直接管理し、1つ又は複数の電流制御電源切換機構1024を作動又は作動解除させる、マイクロコントローラ、プロセッサ、システムオンチップ(System On a Chip)、コンピュータ1020を具備し、その電流制御電源切換機構1024は、電気機械式リレー、ソリッドステートリレー、MOSFETS、HブリッジMOSFET、パワートランジスタ、ダーリントントランジスタ、サイリスタ、もしくは、前述又は同様の機器の任意の組み合わせから成る。いくつかの実施形態では、電力切換部品1024を変調させるのに使用する信号出力1022は、電流制限抵抗器1026を発揮させ、過度の電流引き込みからプロセッサ1020のデジタル又はアナログ出力を保護する。
【0058】
リニア調整機構がリニアアクチュエータ502である本開示のいくつかの実施形態では、そのアクチュエータは、延出の程度を示すアナログ信号を提供するようにアクチュエータ内に組み込まれた電位差計1028を有する。いくつかの実施形態では、プロセッサ1020は、ポテンショメータからのアナログ入力1030を受容し、正確な調整と、アクチュエータ502の位置の表示を可能にする。いくつかの実施形態は、第1指令ローパスフィルタ1032などにより、この信号のハードウェアフィルタリング又は任意の同様の機能ハードウェア信号条件付け技術を組み込む。
【0059】
いくつかの実施形態では、プロセッサ1020は、アクチュエータの動きを管理し、ロードセルの出力を読み込み、必要データをスクリーンに映し、タッチスクリーン、ハードウェアボタン、他を介してユーザーからのコマンドを受容する能力のある、搭載型のコンピュータ又は高性能なマイクロコントローラを具備する。
【0060】
いくつかの実施形態では、プロセッサ1020は、
図2Bに図示される812のようなマスター電子機器に対してスレーブ機器又は周辺機器として動作するローパワーマイクロコントローラである。いくつかの実施形態では、
図10に図示されるプロセッサ1020は、ケーブルによってマスター機器に接続される。その他の実施形態では、プロセッサ1020は、ワイヤレストランシーバ1034に接続されるか、ワイヤレストランシーバ1034を組み込み、そのワイヤレストランシーバ1034は、ブルートゥース、RF、WiFi、又は同様のワイヤレスプロトコルを使用して、マスター機器と通信する。いくつかの実施形態では、マスター機器は運動マシンの部品であり、いくつかの実施形態では、ユーザーが所有し、プロセッサ1020に一時的にペアリングされ、プロセッサ1020を制御するのに使用されるタブレット、スマートフォン、ノートパソコンのような、多目的電子機器であってもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ1020はアクチュエータを制御し、力センサによって生成されるデジタル又はアナログ信号を受容する。いくつかの実施形態では、プロセッサ1020は、力センサからの信号を増幅させ、フィルタリングし、翻訳し、マスター電子機器に提供する。
【0061】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ502とその電位差計1028以外の、
図10で説明される回路全体は、
図2Bに示す搭載型電子機器筐体516に記憶される。
【引用文献と代替実施形態】
【0062】
本明細書の引用文献は全て、まるで、各刊行物、特許、又は特許出願が、具体的に及び個々に示され、全ての目的のためにその全体が参照として組み込まれるかのように、同じ程度までその全体が参照として、全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0063】
本発明は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に搭載されるコンピュータプログラム機構を含むコンピュータプログラム製品として実装され得る。例えば、コンピュータプログラム製品は、
図2Dに示されるプログラムモジュールを含み得る。これらのプログラムモジュールは、CD-ROM、DVD、磁気ディスク記憶製品、又はその他の任意の非一時的コンピュータ可読データ又はプログラム記憶製品に記憶され得る。
【0064】
本発明の多くの修正及び変形は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく成され得ることが当業者には明らかであろう。本明細書に記載の特定の実施形態は、例示のためにのみ提供される。実施形態は、本発明の原理とその実際的な用途を最良に説明し、それによって当業者が本発明と様々な実施形態を、企図される特定の用途に適するように様々な修正を行って利用できるように、選択され、説明された。本発明は、このような特許請求の範囲が権利を持つ等価物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ制限されるべきである。