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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 3/04 20060101AFI20220704BHJP
【FI】
G04B3/04 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020077528
(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2021173640
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【弁理士】
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】細渕 博幸
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-274362(JP,A)
【文献】特開2015-158503(JP,A)
【文献】特開平07-270547(JP,A)
【文献】特開2017-142155(JP,A)
【文献】特開2017-161283(JP,A)
【文献】特開2001-343470(JP,A)
【文献】特開2005-265755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0061194(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸挿入孔が設けられたベース部材と、
前記ベース部材の前記軸挿入孔にスライドおよび回転可能に挿入され、かつ外周面に係合溝が設けられた操作部材と、
前記操作部材の前記係合溝内に配置されて前記操作部材のスライドに伴って移動する係合部を備えた抜止め部材と、
前記係合溝内から前記係合部を離脱させる解除部材と、
前記ベース部材の一面側に配置された文字板と、
を備え、
前記解除部材は、前記ベース部材の一面側から操作されて前記係合部を前記係合溝内から離脱させる押し部を備え
前記文字板は、前記押し部の少なくとも一部を前記一面側に露出させるための開口部が形成されている、
ことを特徴とする時計
【請求項2】
請求項1に記載の時計において、
前記押し部は、前記ベース部材の前記一面に設けられた解除レバーであり、前記ベース部材の前記一面側に露出して配置されている、
ことを特徴とする時計
【請求項3】
請求項2に記載の時計において、
前記解除レバーは、前記抜止め部材に向けてたわみ変形する板ばねであり、前記ベース部材の前記一面側から押圧操作される押圧操作部と、前記押圧操作部の押圧操作に応じて前記係合部の突起部を押圧させて前記係合部を前記係合溝内から離脱させる解除部と、を備えている、
ことを特徴とする時計
【請求項4】
請求項3に記載の時計において、
前記解除レバーの前記押圧操作部は、前記操作部材の近傍における前記ベース部材の外周に配置されて、前記ベース部材の前記一面側に露出されている、
ことを特徴とする時計
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれかに記載の時計において、
前記ベース部材の前記一面は、前記ベース部材の表面である、
ことを特徴とする時計
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに記載の時計において
前記ベース部材、前記操作部材、前記抜止め部材、前記解除部材及び前記文字板、を収容するケースを備えている、
ことを特徴とする時計。
【請求項7】
請求項6に記載された時計において、
前記ケースは、表面側が解放されて裏面側が塞がれた第1ケースと、時計ガラスが設けられて前記第1ケースの表面側に取り付けられる第2ケースと、を備えている、
ことを特徴とする時計。
【請求項8】
請求項6に記載された時計において、
前記ケースは、表面側に時計ガラスが設けられ、裏面に裏蓋が取り付けられている、
ことを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、時計のスイッチ装置においては、特許文献1に記載されているように、ベース部材の軸挿入孔に巻真と称する操作部材をスライドおよび回転可能に挿入させ、この操作部材の係合溝内におしどりと称する抜止め部材の係合部を配置させ、操作部材のスライドに応じて係合部を移動させて抜止め部材を回転させた際に、係合部の移動による抜止め部材の回転を回転規制部によって規制して、操作部材のスライド位置を規制する構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-10574号公報
【0004】
このような時計は、操作部材をベース部材から取り外すための解除部材を備えている。この解除部材は、ベース部材が収納された時計ケースの裏面側に設けられたガイド筒部と、このガイド筒部にスライド可能に設けられて抜止め部材を押し上げて抜止め部材の係合部を操作部材の係合溝内から離脱させる解除釦軸と、を備えている。
【0005】
これにより、この時計は、時計ケースの裏面側の外部から解除部材の解除釦軸を押圧操作すると、解除釦軸が抜止め部材を押し上げて、抜止め部材の回転軸を支点として抜止め部材を傾けることにより、抜止め部材の係合部を操作部材の係合溝内から離脱させるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような時計では、解除部材が時計ケースの裏面側に設けられているため、抜止め部材の係合部を操作部材の係合溝内から離脱させる際に、時計ケースの裏面側からしか離脱操作することができない。このため、時計ケースが制約を受けるばかりか、汎用性に乏しいという問題がある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、制約を与えずに、汎用性に優れた時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、軸挿入孔が設けられたベース部材と、前記ベース部材の前記軸挿入孔にスライドおよび回転可能に挿入され、かつ外周面に係合溝が設けられた操作部材と、前記操作部材の前記係合溝内に配置されて前記操作部材のスライドに伴って移動する係合部を備えた抜止め部材と、前記係合溝内から前記係合部を離脱させる解除部材と、前記ベース部材の一面側に配置された文字板と、を備え、前記解除部材は、前記ベース部材の一面側から操作されて前記係合部を前記係合溝内から離脱させる押し部を備え、前記文字板は、前記押し部の少なくとも一部を前記一面側に露出させるための開口部が形成されている、
ことを特徴とする時計である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、制約を与えずに、汎用性に優れたものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明を適用した腕時計の一実施形態を示した拡大正面図である。
図2図1に示された腕時計において第1の腕時計ケースのA-A矢視における要部の拡大断面図である。
図3図2に示された第1の腕時計ケースのB-B矢視において操作部材に対する抜止め部材と解除レバーとの対応関係を示した要部の拡大平面図である。
図4図3に示されたスイッチ装置のC-C矢視における要部の拡大断面図である。
図5図4に示されたスイッチ装置において解除レバーによって操作部材に対する抜止め部材の係合が解除された状態を示した要部の拡大断面図である。
図6図2に示されたスイッチ装置において操作部材に対する抜止め部材の係合が解除された状態を示した要部の拡大断面図である。
図7図1に示された腕時計において第2の腕時計ケースのA-A矢視における要部の拡大断面図である。
図8図7に示された第2の腕時計ケースのD-D矢視において操作部材に対する抜止め部材の対応関係を示した要部の拡大平面図である。
図9図8に示されたスイッチ装置のE-E矢視における要部の拡大断面図である。
図10図9に示されたスイッチ装置において操作部材に対する抜止め部材の係合が解除された状態を示した要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図10を参照して、この発明を腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、種類の異なる複数の腕時計ケース、例えば、図1および図2に示す第1の腕時計ケース1と、図1および図7に示す第2の腕時計ケース2と、を備えている。
【0012】
これら第1の腕時計ケース1と第2の腕時計ケース2との12時側と6時側との各外周部には、図1に示すように、時計バンド(図示せず)が取り付けられるバンド取付部3がそれぞれ設けられている。また、これら第1の腕時計ケース1と第2の腕時計ケース2との2時側、3時側、および4時側には、スイッチ装置4がそれぞれ設けられている。
【0013】
この場合、第1の腕時計ケース1は、図2に示すように、第1ケースである本体ケース5と第2ケースである上ケース6とを備えている。本体ケース5は、ほぼ円筒状の筒状部5aと、この筒状部5aの下部に一体に形成された底部5bと、を備えている。上ケース6は、ほぼリング状に形成され、本体ケース5の上端部つまり筒状部5aの上端部に配置されてビス止めによって取り付けられるように構成されている。
【0014】
また、この第1の腕時計ケース1の表面側の開口部、つまり上ケース6の内部には、図1および図2に示すように、時計ガラス7と見切り部材8とが設けられている。時計ガラス7は、上ケース6内の上部に嵌め込まれている。見切り部材8は、リング状に形成され、外周部が上ケース6の内周面の下部に設けられた第1切欠き凹部6aに配置され、内周部が上ケース6の内部に突出した状態で、時計ガラス7の下側に取り付けられている。
【0015】
この第1の腕時計ケース1の内部、つまり本体ケース5の内部には、図2に示すように、時計モジュール10が中枠11を介して収納されている。この時計モジュール10は、ベース部材であるハウジング12と、このハウジング12の上面に設けられた文字板13と、を備えている。ハウジング12には、図示しないが、指針を文字板13の上方で運針させて時刻を指示する時計ムーブメント、時刻などの情報を電気光学的に表示する表示部、これらを電気的に制御して駆動する回路部など、時計機能に必要な各種の部品が搭載されている。
【0016】
ところで、複数のスイッチ装置4のうち、3時側のスイッチ装置4は、図2および図3に示すように、第1の腕時計ケース1における本体ケース5の筒状部5aに設けられた貫通孔5cを通してハウジング12の軸挿入孔14にスライドおよび回転可能に挿入された操作部材15と、この操作部材15のスライド位置を規制するスライド規制機構16と、を備えている。この場合、ハウジング12の軸挿入孔14は、本体ケース5の3時側から本体ケース5に中心を結ぶ直線上に設けられている。
【0017】
操作部材15は、図2および図3に示すように、巻真と称する棒状の軸部17と竜頭18とを備えている。軸部17には、内端部側から順に、ガイド部17a、スプライン部17b、および軸本体17cが設けられている。ガイド部17aは、丸棒状に形成された小径部であり、軸方向の長さが操作部材15のスライド長さよりも少し長く形成されている。
【0018】
すなわち、このガイド部17aは、図2および図3に示すように、ハウジング12の軸挿入孔14における内端部に位置する断面形状が円形状の小径孔14aにスライドおよび回転可能に挿入されている。これにより、ガイド部17aは、操作部材15が引き出される方向にスライドしても小径孔14aから抜け出さないように構成されている。
【0019】
スプライン部17bは、図2および図3に示すように、ガイド部17aよりも大径で、断面形状が四角形などの多角形の非円形状に形成された非円形部であり、ガイド部17aと同様、軸方向の長さが操作部材15のスライド長さよりも長く形成されている。このスプライン部17bは、図示しないが、複数のスイッチ板をスイッチ動作させるためのカム筒がスライド可能に取り付けられるように構成されている。
【0020】
この場合、カム筒は、図示しないが、ほぼ円筒状に形成され、外周面に複数のカム部が軸方向に沿って設けられ、これら複数のカム部によって複数のスイッチ板をそれぞれスイッチ動作させるように構成されている。また、このカム筒は、内部がスプライン部17bと同じ非円形状の断面形状に形成されて、ハウジング12の所定位置に回転可能な状態で配置されている。これにより、カム筒は、操作部材15の回転と共に回転し、且つ操作部材15がスライドしても移動しないように構成されている。
【0021】
軸本体17cは、図2および図3に示すように、スプライン部17bよりも大径の断面形状が円形の丸棒状に形成されている。この軸本体17cは、軸方向の長さが第1の腕時計ケース1の本体ケース5における筒状部5aの肉厚と同じか、それよりも長く形成されている。これにより、軸本体17cは、内端部側がハウジングの10の軸挿入孔14に挿入された状態で、外端部が本体ケース5の貫通孔5cを通して本体ケース5の外周部に設けられた第2切欠き部5d内に突出し、この突出した外端部に竜頭18が取り付けられるように構成されている。
【0022】
この軸本体17cの内端部側つまりスプライン部17bの近傍には、図2および図3に示すように、係合溝20が円周方向に環状に設けられている。この係合溝20は、内径がスプライン部17bの外径とほぼ同じ大きさで、軸方向の長さが軸本体17cの外径とほぼ同じ長さに形成されている。また、この係合溝20の内端部側に位置する軸本体17cの端部には、ガイド傾斜部17dが設けられている。
【0023】
竜頭18は、図2および図3に示すように、操作部材15の操作部であり、取付部18aと頭部18bとを備えている。取付部18aは、その外径が軸部17の軸本体17cの外径よりも大きく形成され、軸方向の長さが本体ケース5の外周部に設けられた第2切欠き部5dの軸方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。これにより、取付部18aは、本体ケース5の第2切欠き部5d内に突出した外端部に取り付けられて第2切欠き部5d内に配置されるように構成されている。
【0024】
頭部18bは、図2図4に示すように、取付部18aの外端部に一体に設けられている。この頭部18bは、外径が取付部18aの外径よりも十分に大きく、且つ第1の腕時計ケース1の厚みのほぼ半分程度の大きさで、軸方向の長さが本体ケース5の筒状部5aの肉厚よりも短く、且つ取付部18aの軸方向の長さよりも長く形成されている。これにより、操作部材15は、竜頭18を回転させると、これに伴って軸部17が回転し、且つ竜頭18の引き出し操作に伴って軸部17がスライドするように構成されている。
【0025】
一方、スライド規制機構16は、図3図5に示すように、操作部材15の係合溝20内に配置される係合部22を備えたおしどりと称する抜止め部材21と、この抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20内に配置させた状態を維持させるために抜止め部材21を押える押え板23と、抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させる解除部材24と、抜止め部材21の回転位置を規制する位置規制部材(図示せず)と、を備えている。
【0026】
抜止め部材21は、図3図5に示すように、板状のものであり、ハウジング12の裏面である下面に設けられている。すなわち、この抜止め部材21は、ハウジング12の下面に設けられた固定軸25に回転可能に取り付けられている。この場合、抜止め部材21には、固定軸25が挿入する軸孔21aが操作部材15の軸方向と直交する方向に沿って固定軸25の外径よりも少し長い長孔状に形成されている。これにより、抜止め部材21は、固定軸25を支点として傾くように構成されている。
【0027】
この抜止め部材21は、図3に示すように、操作部材15の軸部17に接近する抜止め部材21の外周部から操作部材15に向けて係合部22が突出して設けられている。この係合部22は、操作部材15の係合溝20内にこれを横切って配置されて、抜止め部材21の固定軸25と反対側に向けて突出するように構成されている。
【0028】
これにより、この抜止め部材21は、図3に示すように、操作部材15のスライドに応じて係合部22が移動する際に、その係合部22の移動に追従して固定軸25を中心に回転するように構成されている。また、抜け止め部材21は、抜け止め部材21の外周部から係合部22の反対側に向けて突出する突出部39が設けられている。
【0029】
この場合、係合部22は、図3に示すように、細長いほぼ菱形状に形成され、操作部材15の係合溝20内に操作部材15の軸方向と交差する方向に横切って配置されている。この係合部22は、操作部材15がスライドする際に、係合溝20内の両側面に常に係合部22の両側部の一部が接触した状態を維持して、操作部材15と共に移動するように構成されている。
【0030】
押え板23は、図3図5に示すように、抜止め部材21をハウジング12の下面に押し付ける板ばね状のものである。この押え板23は、ハウジング12の下面に設けられた位置規制ピン26によって位置規制された状態で、ハウジング12の下面に第1ねじ部材27によって取り付けられている。この場合、押え板23は、抜止め部材21の係合部22の付け根部に向けて延び、この延びた部分に固定軸25が挿入する挿入孔23aが設けられた構造になっている。
【0031】
これにより、押え板23は、図3および図4に示すように、挿入孔23aに固定軸25が挿入されて位置規制ピン26によって位置規制された状態で、第1ねじ部材27によってハウジング12の下面に取り付けられることにより、抜止め部材21をハウジング12の下面に押し付けて、抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20内に押し付けるように構成されている。
【0032】
一方、解除部材24は、図3図5に示すように、ハウジング12の裏面側である下面側から操作されて抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させる第1の押し部である係合部22の突起部30と、ハウジング12の表面側である上面側から操作されて係合部22を係合溝20内から離脱させる第2の押し部である解除レバー31と、を備えている。
【0033】
第1の押し部である係合部22の突起部30は、図3図5に示すように、抜止め部材21の外周から操作部材15に向けて突出して操作部材15の係合溝20内にこれを横切って配置された係合部22の先端部に、抜止め部材21の固定軸25と反対側に向けて突出して設けられている。この突起部30は、押え板23の押え力に抗してハウジング12の下側に向けて押し下げられた際に、固定軸25を支点として抜止め部材21を傾けて、抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させるように構成されている。
【0034】
第2の押し部である解除レバー31は、図3図5に示すように、ハウジング12の上面に配置されて、一端部が第2ねじ部材32によってハウジング12の上面に取り付けられている。この解除レバー31は、細長い板状のレバー本体33と、ハウジング12の上面側から押圧操作される押圧操作部34と、この押圧操作部34の押圧操作に応じて係合部22の突起部30を押し下げて係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させる解除部35と、を備えている。
【0035】
レバー本体33は、図3図5に示すように、板ばねであり、第2ねじ部材32によってハウジング12の上面に取り付けられた箇所を支点として上下方向にたわみ変形するように構成されている。押圧操作部34は、レバー本体33の側縁部から操作部材15の近傍におけるハウジング12の外周に向けて突出して設けられている。この押圧操作部34の中心部には、ピン部材などの第1の工具36の先端が挿入して第1の工具36の先端を位置規制するための凹部34aが設けられている。
【0036】
この押圧操作部34は、図3に示すように、操作部材15の近傍におけるハウジング12の外周に配置されて、ハウジング12の上面側に露出されている。この場合、ハウジング12の上面に配置された文字板13には、押圧操作部34を上面側に露出させるための開口部13aが見切り部材8に対応して設けられている。
【0037】
解除部35は、図3図5に示すように、解除レバー31の先端、つまり操作部材15の軸部17に接近するレバー本体33の端部から抜止め部材21の係合部22の先端に設けられた突起部30に向けて延び、この延びた先端に当接部35aが突起部30に向けて折り曲げられて設けられている。この解除部35は、突起部30に向けて折り曲げられた当接部35aがハウジング12の開口孔12aを通して突起部30に上方から当接するように構成されている。
【0038】
これにより、解除レバー31は、図6に示すように、本体ケース5上から上ケース6が取り外されると、図3図5に示すように、ハウジング12の上面に設けられた文字板13が上側に露出し、この文字板13の開口部13aを通して押圧操作部34が上側に露出するように構成されている。
【0039】
このため、この解除レバー31は、図3図5に示すように、文字板13の開口部13aを通して挿入されたピン部材などの第1の工具36によって押圧操作部34がハウジング12の上側から押圧操作されるように構成されている。これにより、この解除レバー31は、押圧操作部34がハウジング12の上側から押圧操作されると、レバー本体33がたわみ変形して、解除部35が押し下げられるように構成されている。
【0040】
また、この解除レバー31は、図3図5に示すように、解除部35が押し下げられると、解除部35の当接部35aがハウジング12の開口孔12aを通して抜止め部材21の係合部22の先端に設けられた突起部30を押し下げるように構成されている。さらに、この解除レバー31は、解除部35の当接部35aが突起部30を押し下げると、抜止め部材21が固定軸25を支点として傾いて、係合部22を操作部材15の係合溝20から離脱させるように構成されている。
【0041】
ところで、抜止め部材21は、位置規制部材(図示せず)によって回転位置が規制されている。この位置規制部材は、図示しないが、抜止め部材21の外周縁に対して接離方向にたわみ変形する板ばねである。この位置規制部材には、抜止め部材21の規制突起21bを係脱可能に係止して規制する複数の規制凹部が設けられている。
【0042】
これにより、抜止め部材21は、図3に示すように、操作部材15が第1の腕時計ケース1内に押し込まれた状態のときに、抜止め部材21の規制突起21bが位置規制部材の複数の規制凹部のいずれかに係止されて抜止め部材21の回転位置が規制されて、操作部材15を第1のスライド位置に規制するように構成されている。
【0043】
また、この抜止め部材21は、図3に示す状態で、操作部材15が第1の腕時計ケース1の外部に向けて引き出されると、操作部材15の係合溝20に係合している係合部22が操作部材15のスライドに応じて移動し、これに追従して抜止め部材21が固定軸25を中心に反時計回りに回転し、位置規制部材の規制凹部に係止されている規制突起21bが離脱して他の規制凹部に係止されて抜止め部材21の回転位置が規制されて、操作部材15を第2のスライド位置に規制するように構成されている。
【0044】
一方、種類の異なる第2の腕時計ケース2は、図1および図7に示すように、表面側の上部開口部に時計ガラス7が嵌め込まれ、この時計ガラス7の下側に見切り部材8が配置され、裏面側の下部に裏蓋37が取り付けられるように構成されている。この第2の腕時計ケース2の内部には、第1の腕時計ケース1の場合とほぼ同様の時計モジュール10が組み込まれている。
【0045】
この場合、第2の腕時計ケース2の2時側、3時側、4時側にそれぞれ設けられた複数のスイッチ装置4のうち、3時側のスイッチ装置4は、図7および図8に示すように、操作部材15の軸部17が第2の腕時計ケース2の貫通孔2aを通して第2の腕時計ケース2内に配置された時計モジュール10のハウジング12の軸挿入孔14に挿入されるように構成されている。
【0046】
また、この第2の腕時計ケース2のスイッチ装置4は、図7図10に示すように、第2の腕時計ケース2の下部から裏蓋37を取り外した際に、抜止め部材21の係合部22の先端に設けられた第1の押し部である突起部30が、第2の腕時計ケース2の下部側に露出するように構成されている。この場合、第2の腕時計ケース2のスイッチ装置4には、第2の押し部である解除レバー31が設けられていない。
【0047】
これにより、このスイッチ装置4は、図7図10に示すように、第2の腕時計ケース2からスイッチ装置4の操作部材15を取り外す際に、裏蓋37を取り外して下面側に露出した係合部22の突起部30にL字状部材などの第2の工具38を引っ掛けて、突起部30が押し下げられるように構成されている。すなわち、このスイッチ装置4は、ハウジング12の開口孔12aに第2の工具38を下側から挿入させ、この挿入した第2の工具38が係合部22の突起部30に引っ掛けられるように構成されている。
【0048】
このため、このスイッチ装置4は、図10に示すように、突起部30が第2の工具38によって押し下げられると、抜止め部材21が固定軸25を支点として傾くことにより、解除レバー31が設けられていなくても、係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させて、操作部材15の軸部17を竜頭18と共に第2の腕時計ケース2の外部に引き出せるように構成されている。
【0049】
次に、このような腕時計のスイッチ装置4の作用について説明する。
まず、第1の腕時計ケース1を備えた腕時計を組み立てる場合について説明する。この場合には、本体ケース5内に時計モジュール10を上側から収納させて、ハウジング12の軸挿入孔14を本体ケース5の貫通孔5cに同一軸上に対応させる。この状態で、第1の腕時計ケース1の外部から操作部材15の軸部17を本体ケース5の貫通孔5cに挿入させて、ハウジング12の軸挿入孔14内に挿入させる。
【0050】
このときには、抜止め部材21の係合部22が軸挿入孔14内に配置されていても、軸部17の軸本体17cの内端部にガイド傾斜部17dが設けられているので、このガイド傾斜部17dの傾斜に沿って係合部22が押し下げられる。そして、この係合部22がガイド傾斜部17dを乗り越えて軸本体17cの係合溝20内に係合する。
【0051】
これにより、抜止め部材21が操作部材15の引き出し操作に応じて回転すると共に、この抜止め部材21の規制突起21bが位置規制部材(図示せず)によって位置規制される。このため、抜止め部材21の回転が規制されて、操作部材15のスライド位置が規制される。この状態で、本体ケース5上に上ケース6をビス止めによって取り付けると、腕時計が組み立てられる。
【0052】
この腕時計の第1の腕時計ケース1における3時側のスイッチ装置4は、通常、操作部材15がハウジング12の内部に向けて押し込まれて、スライド規制機構16によって第1のスライド位置に規制されている。この状態では、操作部材15の係合溝20内に配置されている抜止め部材21の係合部22が操作部材15と共にハウジング12の内部に向けて移動する。
【0053】
このときには、係合部22の移動に追従して抜止め部材21が固定軸25を中心に図3において時計回りに回転する。この抜止め部材21の回転に伴って抜止め部材21の規制突起21bが位置規制部材(図示せず)の複数の規制凹部のいずれかに係止される。これにより、抜止め部材21の回転位置が規制されて、操作部材15が第1のスライド位置に規制される。
【0054】
この状態では、図示しないスイッチがオンせずにオフ状態になる。このため、操作部材15の竜頭18を回転させて、軸部17を回転させると、軸部17のスプライン部17bと共にカム筒(図示せず)が回転し、このカム筒の回転に伴って複数のスイッチ板(図示せず)がスイッチ動作しても、時計モジュール10が駆動されずに、時刻修正などの動作が行われることはない。
【0055】
また、このスイッチ装置4によって時計モジュール10を駆動させて時刻修正などの動作を行う際には、操作部材15の竜頭18を第1の腕時計ケース1の外部に向けて引き出す。すると、操作部材15の軸部17がスライドして操作部材15の係合溝20内に配置されている抜止め部材21の係合部22が操作部材15と共にハウジング12の外部に向けて移動し、この係合部22の移動に追従して抜止め部材21が固定軸25を中心に図3において反時計回りに回転する。
【0056】
これにより、抜止め部材21の規制突起21bが係止されている位置規制部材の規制凹部から離脱して他の規制凹部に係止されて、抜止め部材21の回転位置が規制され、操作部材15が第2のスライド位置に規制される。このときには、スイッチ(図示せず)がオン状態になり、時刻修正モードに切り替わり、時計モジュール10の駆動が可能な状態になる。
【0057】
この状態では、操作部材15の竜頭18を回転させると、これに伴って操作部材15の軸部17が回転し、この軸部17のスプライン部17bの回転と共にカム筒(図示せず)が回転する。すると、このカム筒の回転に伴って複数のスイッチ板(図示せず)がスイッチ動作し、このスイッチ信号に基づいて時計モジュール10が選択されたモードにおいて時刻修正などの動作をする。
【0058】
また、メンテナンスなどのときに、操作部材15をハウジング12の軸挿入孔14から取り外す場合には、まず、操作部材15をハウジング12の内部に向けて押し込んで第1のスライド位置に位置規制する。この状態で、図6に示すように、第1の腕時計ケース1の上ケース6を本体ケース5から取り外し、本体ケース5内の時計モジュール10を上側に露出させる。
【0059】
このときには、ハウジング12の上面に設けられた文字板13が上側に露出すると共に、この文字板13に設けられた開口部13aを通して解除レバー31の押圧操作部34が上側に露出する。この状態で、押圧操作部34をピン部材などの第1の工具36で押圧操作する。このときには、第1の工具36の先端を文字板13の開口部13aに挿入させて押圧操作部34の凹部34aに差し込むと、第1の工具36の先端が位置規制される。
【0060】
この状態で、第1の工具36によって押圧操作部34を押圧操作すると、解除レバー31のレバー本体33がたわみ変形して、解除レバー31の解除部35が押し下げられる。このときには、解除部35の当接部35aがハウジング12の開口孔12aを通して抜止め部材21の係合部22の先端に設けられた突起部30を押し下げる。
【0061】
すると、抜止め部材21が固定軸25を支点として傾き、係合部22が操作部材15の係合溝20から下側に離脱される。この状態で、操作部材15を第1の腕時計ケース1の外部に抜き出すことができる。これにより、時計モジュール10を本体ケース5内から取り出すことができる。
【0062】
次に、第2の腕時計ケース2を備えた腕時計を組み立てる場合について説明する。
この場合には、まず、第2の腕時計ケース2の上部開口部に見切り部材8を上方から挿入させて配置させると共に、時計ガラス7を嵌め込む。この状態で、第2の腕時計ケース2内に時計モジュール10を下側から収納させる。この場合、時計モジュール10は、ハウジング12の上面に第2の押し部である解除レバー31を設ける必要がないため、解除レバー31が設けられていない。
【0063】
また、第2の腕時計ケース2内に時計モジュール10を収納する際には、ハウジング12の軸挿入孔14を第2の腕時計ケース2の貫通孔2aに同一軸上に対応させる。この状態で、第2の腕時計ケース2の外部から操作部材15の軸部17を第2の腕時計ケース2の貫通孔2aに挿入させて、ハウジング12の軸挿入孔14内に挿入させる。
【0064】
このときには、抜止め部材21の係合部22が軸挿入孔14内に配置されていても、軸部17の軸本体17cの内端部にガイド傾斜部17dが設けられているので、このガイド傾斜部17dの傾斜に沿って係合部22が押し下げられる。そして、この係合部22がガイド傾斜部17dを乗り越えて軸本体17cの係合溝20内に係合する。
【0065】
これにより、抜止め部材21が操作部材15の引き出し操作に応じて回転すると共に、この抜止め部材21の規制突起21bが位置規制部材(図示せず)によって位置規制される。このため、抜止め部材21の回転が規制されて、操作部材15のスライド位置が規制される。この状態で、第2の腕時計ケース2の下部に裏蓋37を取り付けると、腕時計が組み立てられる。
【0066】
この腕時計の第2の腕時計ケース2における3時側のスイッチ装置4は、通常、第1の腕時計ケース1のスイッチ装置4と同様に動作する。また、この第2の腕時計ケース2におけるスイッチ装置4の操作部材15を取り外す場合には、まず、第2の腕時計ケース2の下部から裏蓋37を取り外す。すると、第2の腕時計ケース2の下部側に時計モジュール10の下面側が露出する。
【0067】
このときには、時計モジュール10のハウジング12の下面および解除部材24の第1の押し部である係合部22の突起部30が第2の腕時計ケース2の下部側に露出する。この状態で、ハウジング12の開口孔12aにL字状部材などの第2の工具38を下側から差し込み、この第2の工具38を係合部22の突起部30に引っ掛けて、突起部30を押し下げる。
【0068】
このように、突起部30が押し下げられると、抜止め部材21が固定軸25を支点として傾く。このため、解除レバー31が設けられていなくても、係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させて、操作部材15の軸部17を竜頭18と共に第2の腕時計ケース2の外部に引き出せる。
【0069】
このように、この腕時計のスイッチ装置4によれば、ベース部材であるハウジング12の軸挿入孔14にスライドおよび回転可能に挿入された操作部材15の係合溝20内に抜止め部材21の係合部22を離脱させる解除部材24を備え、この解除部材24は、ハウジング12の下面側から操作されて係合部22を係合溝20内から離脱させる第1の押し部である突起部30と、ハウジング12の上面側から操作されて係合部22を係合溝20内から離脱させる第2の押し部である解除レバー31と、を備えていることにより、制約を与えずに、汎用性に優れたものを提供することができる。
【0070】
すなわち、このスイッチ装置4では、操作部材15をハウジング12から取り外す際に、解除部材24の突起部30をハウジング12の下面側から操作して、抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させることができ、また解除部材24の解除レバー31をハウジング12の上面側から操作して、抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させることができる。
【0071】
このため、このスイッチ装置4では、時計モジュール10に解除レバー31を追加するだけで、種類の異なる第1、第2の腕時計ケース1、2がスイッチ装置4によって制約を受けず、種類の異なる第1、第2の腕時計ケース1、2に時計モジュール10を共用することができるので、汎用性に優れたものを提供することができる。
【0072】
この場合、このスイッチ装置4では、第1の押し部である突起部30が抜止め部材21の係合部22の先端部に設けられて、ハウジング12の下面側に露出して配置されており、第2の押し部である解除レバー31は、ハウジング12の上面に設けられて、ハウジング12の上面側に露出して配置されていることにより、突起部30をハウジング12の下面側から操作することができ、また解除レバー31をハウジング12の上面側から操作することができ、これによりハウジング12の上下両面におけるいずれか一方側から操作して係合部22を係合溝20から離脱させることができる。
【0073】
また、このスイッチ装置では、解除レバー31が、抜止め部材21に向けてたわみ変形する板ばねであり、ハウジング12の上面側から押圧操作される押圧操作部34と、この押圧操作部34の押圧操作に応じて係合部22の突起部30を押圧させて係合部22を係合溝20内から離脱させる解除部35と、を備えていることにより、押圧操作部34をハウジング12の上側から押圧操作するだけで、解除レバー31が抜止め部材21に向けてたわみ変形し、このたわみ変形によって解除部35が係合部22の突起部30を押圧させるので、簡単に且つ良好に係合部22を係合溝20内から離脱させることができる。
【0074】
この場合、このスイッチ装置4では、解除レバー31の押圧操作部34が、操作部材15の近傍におけるハウジング12の外周に配置されて、ハウジング12の上面側に露出されていることにより、押圧操作部34をハウジング12の上側から確実に且つ良好に押圧操作することができる。この場合、押圧操作部34の中心部には凹部34aが設けられているので、ピン部材などの第1の工具36で押圧操作部34を押圧操作する際に、第1の工具36の先端を凹部34aによって位置規制することができ、これにより押圧操作部34を確実に且つ良好に押圧操作することができる。
【0075】
さらに、この腕時計では、スイッチ装置4を収納する第1の腕時計ケース1を備え、この第1の腕時計ケース1は、表面側である上面側が解放されて裏面側である下面側が塞がれた第1ケースである本体ケース5と、時計ガラス7が設けられて本体ケース5の上面側に取り付けられる第2ケースである上ケース6と、を備えていることにより、本体ケース5内にスイッチ装置4およびハウジング12を配置させた状態で、本体ケース5から上ケース6を取り外して、本体ケース5の上側から解除レバー31を操作することができるので、抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20から良好に離脱させることができる。
【0076】
また、この腕時計では、スイッチ装置4を収納する第2の腕時計ケース2を備え、この第2の腕時計ケース2は、表面側である上面側に時計ガラス7が設けられ、裏面側である下面に裏蓋37が取り付けられていることにより、第2の腕時計ケース2内にスイッチ装置4およびハウジング12を配置させた状態で、裏蓋37を取り外して、第2の腕時計ケース2の下側から係合部22の先端に設けられた突起部30を操作することができるので、抜止め部材21の係合部22を操作部材15の係合溝20から良好に離脱させることができる。
【0077】
なお、上述した実施形態では、第1、第2の腕時計ケース1、2の3時側に位置するスイッチ装置4について述べたが、この発明は、これに限らず、2時側、4時側のスイッチ装置4にも適用することができる。
【0078】
また、上述した実施形態では、図9図10に示すように、第2の腕時計ケース2からスイッチ装置4の操作部材15を取り外す際に、L字状部材などの第2の工具38を下側から差し込み、係合部22の突起部30を押し下げて、係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させる場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば、ピン部材などの第1の工具36で抜け止め部材21の突出部39を押し上げて、係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させるようにしても良い。
【0079】
この場合も、抜け止め部材21の突出部39が押し上げられると、抜止め部材21が固定軸25を支点として傾く。このため、解除レバー31が設けられていなくても、係合部22を操作部材15の係合溝20内から離脱させて、操作部材15の軸部17を竜頭18と共に第2の腕時計ケース2の外部に引き出すことができる。
【0080】
また、上述した実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、この発明は、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、この発明は、必ずしも時計である必要はなく、携帯電話や携帯端末などの電子機器にも適用することができる。
【0081】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0082】
(付記)
請求項1に記載の発明は、軸挿入孔が設けられたベース部材と、前記ベース部材の前記軸挿入孔にスライドおよび回転可能に挿入され、かつ外周面に係合溝が設けられた操作部材と、前記操作部材の前記係合溝内に配置されて前記操作部材のスライドに伴って移動する係合部を備えた抜止め部材と、前記係合溝内から前記係合部を離脱させる解除部材と、を備え、前記解除部材は、前記ベース部材の一面側から操作されて前記係合部を前記係合溝内から離脱させる第1の押し部と、前記ベース部材の前記一面と反対側の他面側から操作されて前記係合部を前記係合溝内から離脱させる第2の押し部と、を備えている、ことを特徴とするスイッチ装置である。
【0083】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ装置において、前記第1の押し部は、前記抜止め部材の前記係合部の先端部に設けられた突起部であり、前記ベース部材の前記一面側に露出して配置されており、前記第2の押し部は、前記ベース部材の前記他面に設けられた解除レバーであり、前記ベース部材の前記他面側に露出して配置されている、ことを特徴とするスイッチ装置である。
【0084】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスイッチ装置において、前記解除レバーは、前記抜止め部材に向けてたわみ変形する板ばねであり、前記ベース部材の前記他面側から押圧操作される押圧操作部と、前記押圧操作部の押圧操作に応じて前記係合部の前記突起部を押圧させて前記係合部を前記係合溝内から離脱させる解除部と、を備えている、ことを特徴とするスイッチ装置である。
【0085】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスイッチ装置において、前記解除レバーの前記押圧操作部は、前記操作部材の近傍における前記ベース部材の外周に配置されて、前記ベース部材の前記他面側に露出されている、ことを特徴とするスイッチ装置である。
【0086】
請求項5に記載の発明は、請求項1~請求項4のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記ベース部材の前記一面は、前記ベース部材の裏面であり、前記ベース部材の前記他面は、前記ベース部材の表面である、ことを特徴とするスイッチ装置である。
【0087】
請求項6に記載の発明は、請求項1~請求項5のいずれかに記載されたスイッチ装置と、前記スイッチ装置を収容するケースと、を備えている、ことを特徴とする時計である。
【0088】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載された時計において、前記ケースは、表面側が解放されて裏面側が塞がれた第1ケースと、時計ガラスが設けられて前記第1ケースの表面側に取り付けられる第2ケースと、を備えている、ことを特徴とする時計である。
【0089】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載された時計において、前記ケースは、表面側に時計ガラスが設けられ、裏面に裏蓋が取り付けられている、ことを特徴とする時計である。
【符号の説明】
【0090】
1 第1の腕時計ケース
2 第2の腕時計ケース
2a 貫通孔
4 スイッチ装置
5 本体ケース
5c 貫通孔
6 上ケース
10 時計モジュール
12 ハウジング
13 文字板
14 軸挿入孔
15 操作部材
16 スライド規制機構
17 軸部
18 竜頭
20 係合溝
21 抜止め部材
22 係合部
23 押え板
24 解除部材
25 固定軸
30 突起部
31 解除レバー
33 レバー本体
34 押圧操作部
34a 凹部
35 解除部
35a 当接部
37 裏蓋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10