(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】装飾物
(51)【国際特許分類】
A44C 25/00 20060101AFI20220704BHJP
A44B 1/04 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
A44C25/00 Z
A44B1/04 A
A44B1/04 R
(21)【出願番号】P 2021569289
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 JP2021042580
【審査請求日】2021-11-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511260551
【氏名又は名称】株式会社REAL-f
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】北川 修
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-030718(JP,U)
【文献】特開2002-199913(JP,A)
【文献】特開平10-071005(JP,A)
【文献】特開平07-278901(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0154832(US,A1)
【文献】特開2004-113261(JP,A)
【文献】登録実用新案第3094813(JP,U)
【文献】実開昭57-169108(JP,U)
【文献】特開2005-095228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 25/00
A44C 1/00
A44B 1/00-5/00
A41D 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類に設けられたスリットに装着される装飾物であって、
プレート状のベース部と、
前記ベース部の表面から第1方向に延びるシート状の装飾部と、を備え、
前記ベース部は前記スリットを挿通可能な寸法を有し、
前記装飾部は、前記第1方向に延びるシート状の装飾本体と、前記装飾本体と前記ベース部とを連結する連結部と、を備え、
前記連結部は、前記ベース部と一体に形成され、前記ベース部の前記表面に立設されて第1方向に向かって延び、
前記装飾本体は布製であり、前記第1方向において、前記ベース部の前記表面から前記装飾本体までの距離は2mm以下であり、
前記ベース部が前記衣類の内側に位置し前記装飾部が前記スリットを通して前記衣類の外側へ延出するように前記衣類に装着される装飾物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類に取り付けるための装飾物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類に取り付けるための装飾物として、安全ピンや金属ネジにより衣類に取り付けられるブローチやバッジがある。また、特許文献1では、衣類に設けられたスリットに取り付けられるアクセサリが提案されている。このアクセサリには係止部材が取り付けられており、当該係止部材に固着された係止要素をスリットに係止させることによって、アクセサリが衣類に着脱自在に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブローチやバッジを衣類に取り付けるために安全ピンを用いた場合、尖ったピンの先端により怪我をする虞があった。また、金属ネジを用いた場合には、金属ネジを構成する雌ネジが外れて落下したり、紛失したりするリスクがあった。更に、金属ネジは重量を伴うことから、Tシャツ等の柔らかい生地に取り付けると生地が垂れ下がって見栄えが悪くなるという問題があった。
【0005】
また、特許文献1に開示のアクセサリの場合には、係止部材や取付部材が衣類の外側から視認できることから見栄えが悪く、アクセサリによる装飾効果が損なわれてしまうという問題があった。更に、アクセサリは衣類からぶら下がった状態で装着されることから、衣類とのデザイン上の一体感がなく、お洒落感が損なわれてしまうという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、衣類と一体化して見える装飾物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る装飾物は、衣類に設けられたスリットに装着されるものであって、プレート状のベース部と、前記ベース部の表面から第1方向に延びるシート状の装飾部と、を備え、前記ベース部は前記スリットを挿通可能な寸法を有し、前記ベース部が前記衣類の内側に位置し前記装飾部が前記スリットを通して前記衣類の外側へ延出するように前記衣類に装着される。
【0008】
本発明の他の側面に係る装飾物は、衣類に設けられたスリットに装着されるものであって、プレート状のベース部と、前記ベース部の表面に設けられた装飾部と、を備え、前記ベース部は前記スリットを挿通可能な寸法を有し、前記装飾部は、装飾本体と、前記装飾本体と前記ベース部とを連結する連結部と、を備え、前記連結部は前記ベース部の前記表面に立設されて第1方向に向かって延び、前記連結部は前記第1方向に垂直な第2方向に延出する板状部材又は前記第2方向に沿って配列された複数個の連結部材から構成したものであり、前記ベース部が前記衣類の内側に位置し前記装飾部が前記スリットを通して前記衣類の外側へ延出するように前記衣類に装着される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面及び他の側面に係る装飾物によれば、ベース部が衣類の内側に位置し装飾部がスリットを通して衣類の外側へ延出するようにして衣類に装着されるので、装飾部が衣類に付いているかのように見え、衣類と一体化しているような装飾的効果の高い装飾を衣類に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る装飾物が衣類に装着された状態を示す図。
【
図4】
図3の装飾物を衣類に取り付けた状態を示す断面図。
【
図6】
図3に示す装飾物の構成の一例を示す透視図。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る装飾物を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る装飾物を示す斜視図。
【
図10】
図9の装飾物を衣類に取り付けた状態で示す拡大断面図。
【
図11】
図11(a)は、
図10に示す状態から装飾部を上方に引っぱった状態を示す断面図、
図11(b)は、表面が平坦なベース部材を備えた装飾物において装飾部を上方に引っぱった状態を示す断面図。
【
図12】
図12(a)は、
図10に示す状態から装飾部を右上方向に引っぱった状態を示す図、
図12(b)は、表面が平坦なベース部材を備えた装飾物において装飾部を右上方に引っぱった状態を示す図。
【
図13】本発明の第4実施形態に係る装飾物を示す斜視図。
【
図14】
図13に示す装飾物を衣類に取り付けた状態を示す断面図。
【
図15】本発明の第5実施形態に装飾物を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〈第1実施形態〉
添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る装飾物について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る装飾物2は衣類に着脱自在に取り付けられるものであって、ここでは衣類としてTシャツ3を例に説明する。
【0012】
図2に示すように、Tシャツ3の袖部12にはスリット14が設けられ、装飾物2はこのスリット14に取り付けられる。スリット14は、その周囲をかがってボタン穴状に縫製処理されていることが好ましい。また、袖部12の内側に当て布(図示せず)を縫い付け、当て布が縫い付けられた部分にスリット14を設けることもできる。この場合にはスリット14の周囲部が補強されて装飾物2が意図せずスリット14から外れてしまうのを効果的に防止できる。
【0013】
図3を参照して、装飾物2は、第1方向D1に高さ、第1方向D1に垂直な第2方向D2に幅、第1及び第2方向D1,D2に垂直な第3方向D3に厚みを有し、以下、第1方向D1,第2方向D2,及び第3方向D3をそれぞれ高さ方向D1、幅方向D2,及び厚み方向D3という。
【0014】
図3及び
図4を参照して、装飾物2は、プレート状のベース部4と、ベース部4の表面41から高さ方向D1に延びるシート状の装飾部6と、を備える。ベース部4は、平面視円形状であるのが好ましいが、円形状に代えて、楕円形や五角形以上の多角形状であっても良い。
【0015】
装飾部6は、シート状の装飾本体8と、装飾本体8とベース部4とを連結する連結部10とを有し、連結部10はベース部4の表面41に立設された板状部材(シート状部材)であって、高さ方向D1及び幅方向D2に延びている。幅方向D2における装飾本体8の幅寸法(SW)は連結部10の幅寸法(RW)よりも大きく、装飾本体8は連結部10よりも幅方向D2両側に延出している。装飾本体8の外形は円形状、楕円形状、三角形等、任意の形状であってよく、その形状に制限はない。また、装飾本体8には図形、記号、各種図柄、スポーツチームなどの各種団体のマーク、キャラクタ、動物、植物、乗物などの装飾Aが施されている。
【0016】
装飾物2は、例えば、一般的なプラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂)などを用いた一体成型により形成することができる。或いは、ベース部4と装飾部6とを別体に形成して相互に連結させたものであっても良い。
【0017】
更には、
図6に示すように、ベース部4と連結部10とを一体に構成し、連結部10の上方部位に装飾本体8を装着させる構成とすることもできる。この場合、装飾本体8を二つ折りにしたシート材から構成し、間に連結部10を挟むようにして連結部10の上方部位に貼り付けることもできる。また、当該シート材は布等の柔らかい素材で構成するのが好ましい。或いは、連結部10と装飾本体8とを着脱自在とすることも可能である。
【0018】
このように、装飾物2では金属部品を必要としないので、装飾物2を軽量化することができ、Tシャツ3に装着した際にTシャツ3の生地が垂れ下がることがない。
【0019】
装飾物2は、Tシャツ3に設けられたスリット14にベース部4を外側から内側に挿入することによってTシャツ3に
図1に示すように取り付けられる。このように装飾物2がTシャツ3に取り付けられた状態では、
図4及び
図5に示すように、ベース部4がTシャツ3の内側に位置し、装飾部6がスリット14を通してTシャツ3の外側へ延出する。より具体的には、ベース部4が袖部12の内側に位置し、装飾部6の連結部10がスリット14内に位置し、装飾本体8が袖部12の外側に位置する。また、装飾物2の幅方向D2がスリット14の長手方向D4に沿うようになり(D2=D4)、装飾部6に施された装飾Aが袖部12の外側に露出して周囲から視認可能に維持される。よって、周囲から見たときに、装飾部6があたかも袖部12と一体化して見える。
【0020】
なお、高さ方向D1における連結部10の高さ寸法(換言すると、ベース部4の表面41から装飾本体8までの距離)は2mm以下とするのが好ましく、このように2mm以下とすることによって、連結部10を外から見えにくくすることができる。
【0021】
ここで、幅方向D2におけるベース部4の幅寸法(BD)は、ベース部4がスリット14を挿通できる大きさであればよく、スリット14の長さ(SL)と実質同一であるのが好ましい。即ち、ベース部4の幅寸法(BD)は、スリット14の長さ(SL)と同一であるか、或いはスリットの長さ(SL)よりも若干大きい又は若干小さいのが好ましい。Tシャツ3の生地は伸縮するためベース部4の幅寸法(BD)がスリット14の長さ(SL)よりも若干大きくてもベース部4をスリット14に通すことができる。また、ベース部4の幅寸法(BD)がスリット14の長さ(SL)よりも小さければベース部4をスリット14に通し易くなるが、あまり小さ過ぎると、ベース部4が抜けやすくなるので好ましくない。よって、ベース部4の幅寸法(BD)とスリット14の長さ(SL)とを実質同一とすることによって、ベース部4をスリット14に通すことを可能にしつつ、装着物2をTシャツ3に装着した際にベース部4がスリット14から抜けにくくできる。
【0022】
また、幅方向D2における装飾本体8の幅寸法(装飾部6の最大幅)(SW)は、ベース部4の幅寸法(BD)よりも大きく設定されている(SW>BD)。このように構成することにより、装飾本体8が厚みの薄いシート状であっても、装飾物2がスリット14から袖部12の内側に外れ難くできる。
【0023】
更に、装飾部6の連結部10は幅方向D2に延びていることから、装飾物2がスリット14に対して回転するのを防止できる。なお、幅方向D2における連結部10の幅寸法(RW)は、連結部10をスリット14に挿入できる寸法であれば制限はないが、可及的に大きいのが好ましい。連結部10の幅寸法(RW)をスリット14の長さ(SL)とほぼ等しくすることによって、連結部10がスリット14内で幅方向D2(即ち、スリット14の長手方向D4)に移動するのが防止され、装飾物2をスリット14に安定的に装着することができるためである。
【0024】
このように、本実施形態では、ベース部4の厚み方向D3における厚み寸法(換言すると、ベース部4の外径)がスリット14の厚み方向D3の幅寸法よりも大きいので、ベース部4がスリット14をすり抜けて装飾物2が袖部12の外側に落下するのを防止できる。また、装飾本体8の幅寸法(SW)はスリット14の長さ(SL)よりも大きいので、装飾本体8がスリット14をすり抜けて装飾物2が袖部12の内側に落下するのを防止できる。
【0025】
このように、本実施形態に係る装飾物2は、ボタンをかけるのと同様にベース部4をスリット14に外側から内側へ通すだけでTシャツ3に装着できるので、装飾物2のTシャツ3への着脱を容易にできる。また、ネジを使用しないため、雌ネジなどの部品が落下して紛失してしまうことがなく、ピンを使用しないため取扱時の安全性を向上できる。
【0026】
なお、
図3に示す例では連結部10は幅方向D2に延出する板状に形成されているが、このような構成に代えて、連結部10を
図7に示すように幅方向D2に配列された複数個(
図7の例では2個)の連結部材10aから構成することもできる。このような構成であっても装飾物2がスリット14に対して回転してしまうのを防止できる。
〈第2実施形態〉
【0027】
次に、
図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る装飾物について説明する。なお、以下の各実施形態において、上述の第1実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0028】
上記第1実施形態では、装飾部6が装飾本体8と連結部10とを有するが、本実施形態では連結部10が省略されている。即ち、
図8に示す本実施形態の装飾物2Aは、第1実施形態の装飾物2と略同一であるが、装飾部6に代えて装飾部6Aを備える点で異なる。装飾部6Aは装飾本体8を有し、装飾本体8はベース部4の表面41に立設されている。
【0029】
Tシャツ3は伸縮性を有することから、装飾本体8(装飾部6A全体)が薄いシート状である場合には、連結部10を有しない構成であっても装飾物2をスリット14に装着することができる。
〈第3実施形態〉
【0030】
次に、本発明の第3実施形態に係る装飾物について説明する。
図9に示す本実施形態の装飾物2Bは、第1実施形態の装飾物2と略同一であるが、ベース部4に代えてベース部4Bを備える点において異なる。
【0031】
ベース部4Bは平面視略円形状であり、その表面41Bは、装飾部6に向けて(高さ方向D1へ向けて)円弧状に湾曲して突出している。より具体的に、ベース部4Bの表面41Bは、幅方向D2においては直線状に延び、厚み方向D3においては中央部から両側に向かうに従い下方に向かって湾曲している(
図10参照)。
【0032】
このようにベース部4Bが円弧突状の表面41Bを有することによって、装飾物2Bが外側に引っ張られた際にTシャツ3の生地に対するダメージを防止できると共に、装飾物2Bをスリット14から抜けにくくできる。より具体的に、装飾物2Bが
図10に示す矢印Y方向に引っ張られると、
図11(a)に示すように、スリット14の両側縁14aが表面41Bの円弧に沿って厚み方向D3(スリット14の幅方向)両側に移動してスリット14が開き、それ故に、Tシャツ3の生地に無理な力が働かず、生地が傷むのを防止できる。これに対して、ベース部4Bの表面41Bが平坦であると、
図11(b)に示すように、厚み方向D3において、袖部12のスリット14の両側部がベース部4Bの両側端部に引っ掛かって引っ張られるために、生地が傷みやすくなる。
【0033】
また、装飾物2Bが
図10に示す矢印B方向に斜め外側に引っ張られたときには、
図12(a)に示すように、ベース部4Bの表面41Bが引っ張り方向Bに傾き、厚み方向D3においてスリット14の両側部が装飾物2Bを中心として表面41Bの円弧に沿って両側に均等に移動してスリット14が開く。それ故に、厚み方向D3において、装飾物2Bはスリット14の中央位置に維持され、ベース部4Bがスリット14から外れ難く、またTシャツ3の生地に無理な力が作用することもない。これに対して、
図12(b)に示すように表面41Bが平坦であると、引っ張り方向B側のベース部4Bの側端部(
図12(b)における右側の側端部)が袖部12に食い込み、この食込み部を支点としてベース部4Bが傾くと共に装飾物2Bがスリット14内において片側(
図12(b)の例では右側)に寄ってしまう。この状態でベース部4Bの他側端部(
図12(b)における左側の側端部)が持ち上げられ、ベース部4Bの当該他側端部がスリット14から外れやすく、即ち装飾物2Bが袖部12から外れやすくなる。また、上述の様にベース部4Bの側端部が袖部12に食い込むことによって、Tシャツ3の生地が傷みやすくなる。
【0034】
このように、ベース部4Bの表面41Bを円弧突状にすることによって、装飾物2Bが外側に引っ張られたときに生地が傷むのを防ぐとともに、特に斜め外側に引っ張られたときの装飾物2B(ベース部4B)のスリット14からの外れを防止することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、ベース部4B全体を円弧突状に形成しているが、少なくとも表面41Bが円弧突状であれば良く、ベース部4Bの裏面は平坦形状であってもよい。
【0036】
また、ベース部4Bの表面41Bを球帯状又は円錐状とすることもできる。この場合であっても表面41Bを円弧突状とした場合と同様の効果を得ることができる。
〈第4実施形態〉
【0037】
次に、本発明の第4実施形態に係る装飾物について説明する。
図13及び
図14を参照して、本実施形態に係る装飾物2Cは、
図3に示す装飾物2と略同一であるが、装飾部6に代えて装飾部6Cを有する点において異なる。装飾部6Cは装飾本体8Cと、装飾本体8Cとベース部4を連結する連結部10と、を有する。装飾本体8Cはシート状であって、厚み方向D3における装飾本体8Cの厚み寸法(SD)は3mm以上であり、連結部10の厚み寸法よりも大きくなっている。一方、幅方向D2における装飾本体8Cの幅寸法(SW)はスリット14の長さ(SL)よりも小さくなっている。
【0038】
このように、装飾本体8Cの厚み寸法(SD)が一定程度(より具体的には3mm以上)ある場合には、その幅寸法(SW)がスリット14の長さ(SL)よりも小さくても、スリット14の両側縁14aは
図14(b)に示すようにベース部4の表面41と装飾本体8Cの下端部に挟まれた状態となることから、装飾本体8Cがスリット14をすり抜けそうになっても側縁14aに引っかかり、スリット14をすり抜けるのが防止される。これにより、装飾物2Cがスリット14の内側に落下するのが防止される。
〈第5実施形態〉
【0039】
次に、本発明の第5実施形態に係る装飾物について説明する。
図15を参照して、本実施形態に係る装飾物2Dは、
図3に示す装飾物2と略同一であるが、装飾部6に代えて装飾部6Dを備える点で異なる。装飾部6Dは、装飾本体8Dと、連結部10と、を備え、装飾本体8Dは連結部10により支持されている。
【0040】
装飾本体8Dは立体造形物であって、スリット14を挿通不能な大きさを有する。なお、
図15に示す装飾本体8Dはパンダの形状を有するが、装飾本体8Dの形状はこれに限定されず、円柱状、多角柱状、円錐状、多角錐状、球状等の幾何学形状や、他の動物や昆虫、乗物、食物等の形状を模したものであっても良い。
【0041】
そして、このような装飾物2Dをスリット14に装着すると、
図16に示すように、あたかもパンダが袖部12に乗っているように見える。
【0042】
なお、本実施形態において、連結部10の高さ寸法は装飾本体8Dの形状に応じて適宜設定すれば良い。また、装飾物2Dは、ベース部4に代えて
図9に示すベース部4Bを備えても良い。即ち、ベース部4の表面を湾曲突状、球帯状又は円錐状とすることもできる。
【0043】
以上、本発明の実施形態に係る装飾物について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更、修正が可能である。
【0044】
例えば、ベース部4(4B)の表面41(41B)に小さな多数の凹凸を施すことにより、表面41(41B)の摩擦抵抗を増やすこともできる。これにより、装飾物2(2A~2D)のスリット14からの外れを防止することができる。
【0045】
また、スリット14の位置や向きは
図1に示すものに限定されず、任意の場所に任意の向きで設けることができ、例えば衣類の肩部に設けることもできる。
【0046】
更に、上記実施形態では、衣類の例としてTシャツ3を用いたが、衣類はTシャツ3に限定されず、例えばトレーナ、Yシャツ、パーカー、ポロシャツ、スポーツウエア、帽子等にも同様に適用することができる。即ち、本発明において衣類と言うときは、Tシャツ、トレーナ、Yシャツ、パーカー、ポロシャツ、スポーツウエア、コート、帽子等を含む。
【符号の説明】
【0047】
2,2A,2B,2C,2D 装飾物
3 衣類(Tシャツ)
4,4B ベース部
6,6C,6D 装飾部
8,8C,8D 装飾本体
10 連結部
12 袖部
14 スリット
【要約】
【課題】 衣類と一体化したように見える装飾物を提供する。
【解決手段】 装飾物2は、衣類3に設けられたスリット14に装着されるものであって、プレート状のベース部2と、ベース部2の表面41から高さ方向に延びるシート状の装飾部6と、を備える。ベース部2はスリット14を挿通可能な寸法を有し、装飾物2は、ベース部2が衣類3の内側に位置し、装飾部6がスリット14を通して衣類3の外側へ延出するように衣類3に装着される。
【選択図】
図1