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  • 特許-抗癌活性を有するペプチド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】抗癌活性を有するペプチド
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/08 20060101AFI20220704BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20220704BHJP
   A61K 38/12 20060101ALI20220704BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220704BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
C07K7/08 ZNA
C07K19/00
A61K38/10
A61K38/12
A61P35/00
A61P35/02
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019500004
(86)(22)【出願日】2017-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2017056074
(87)【国際公開番号】W WO2017157990
(87)【国際公開日】2017-09-21
【審査請求日】2020-03-10
(31)【優先権主張番号】16382114.3
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518328508
【氏名又は名称】アイディーピー ディスカバリー ファーマ, エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エステバン マルティン サンティアゴ
(72)【発明者】
【氏名】ネヴォラ ラウラ
【審査官】田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2003/106491(WO,A2)
【文献】特表2012-510430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IVbis2)
【化1】
(式中、
「t」は1及び「u」は0であり、
「e」及び「f」は0又は1であり
は式(II):
-P-[(R-(R)-(R-Q- (II)
のビラジカルに相当し、
ここで、
「a」及び「b」は同じか又は異なり、0又は1であり、
「c」は1~10の整数値であり、
及びRは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキルからなる群から独立して選択されるビラジカルであり、
はO、C(=O)、C(=O)R、C(=O)NR、C(=O)O、S(=O)、S(=O)、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該既知の環系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
該既知の環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるビラジカルであり、
、R、R、R、R、R、R10、R13及びR14は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるモノラジカルであり、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはビラジカルであり、Rラジカルとは異なる意味を有し、該P及びQビラジカルは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、又は代替的には、
P及びQはC(=O)であり、Rは-O-、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該既知の環系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
該既知の環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、又は代替的には、
「a」及び「b」がどちらも1である場合、P及びQは-S-、(C~C10)アルキル-S-、-NR’10-、(C~C10)アルキル-NR’10-、-O-、(C~C10)-アルキル-O-、-C(=O)、(C~C10)アルキル-C(=O)-、-C(=O)O、(C~C10)アルキルC(=O)O-、C(=O)N-、(C~C10)アルキルC(=O)-、C(=O)S-及び(C~C10)アルキル-C(=O)S-からなる群から選択され、R’10は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるラジカルであり、
Lビラジカルはペプチド配列の骨格にX及びXビラジカルを介して結合し、
Lビラジカルに結合したXビラジカルは同じ又は異なる意味を有し、式(III):
【化2】
を有し、
ここで、
Lビラジカルは式(III)のXビラジカルにα炭素原子を介して結合し、
11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該既知の環系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
該既知の環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるモノラジカルであり、
はLeu、且つ、X10はAlaであるか、
はPhe、且つ、X10はAlaであるかのどちらかであり、
11及びX12は同じか又は異なり、アミノ酸を表し、
ここで、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルは非置換又は置換であり、
「置換(C~C10)アルキル」は、(C~C10)アルキルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルケニル」は、(C~C10)アルケニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルキニル」は、(C~C10)アルキニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択される)の癌細胞における細胞阻害活性を有するペプチド、又はその医薬塩。
【請求項2】
「a」及び「b」が0であり、「c」が1である、請求項1に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項3】
P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルが置換又は非置換である、請求項1又は2に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項4】
P及びQが(C~C10)アルキルラジカルを表す、請求項1~3のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項5】
が(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルが置換又は非置換である、請求項1~4のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項6】
が(C~C10)アルケニルラジカルを表す、請求項1~5のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項7】
「L」ビラジカルが式(VII):
-(CH-CH=CH-(CH- (VII)
(式中、x及びyは同じか又は異なり、1~10から選択される整数値である)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項8】
及びXが同じである、請求項1~7のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項9】
及びXが請求項1に規定される式(III)を有し、R11が(C~C10)アルキルラジカルを表す、請求項1~8のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項10】
及びXが請求項1に規定される式(III)を有し、R11がメチルラジカルを表す、請求項1~9のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項11】
11が非極性アミノ酸を表す、請求項1~10のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項12】
12が極性中性アミノ酸を表す、請求項1~11のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項13】
配列番号8の配列を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項14】
配列番号8の配列のものである、請求項13に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項15】
配列番号9のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項16】
配列番号9のアミノ酸配列のみからなる、請求項15に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項17】
標識にコンジュゲートした、請求項1~16のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のペプチドを含む融合タンパク質。
【請求項19】
治療有効量の請求項1~17のいずれか一項に記載のペプチド若しくはその医薬塩、又は請求項18に記載の融合タンパク質を、許容可能な動物用又は医薬添加剤及び/又は担体と共に含む動物用又は医薬組成物。
【請求項20】
請求項1~17のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩、又は請求項18に記載の融合タンパク質を含む、医薬。
【請求項21】
請求項1~17のいずれか一項に記載のペプチド、又はその医薬塩、又は請求項18に記載の融合タンパク質を含む、癌治療薬。
【請求項22】
前記癌が白血病、乳癌、肺癌、骨髄腫及びリンパ腫からなる群から選択される、請求項21に記載の癌治療薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2016年3月15日付けで出願された欧州特許出願第16382114.3号の利益を主張する。
【0002】
本発明は概して、抗新生物化合物の分野、より詳細には改善された抗癌活性を有するペプチドの設計及び合成に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞内で作用するタンパク質及びペプチドの治療的使用は、癌及び他の疾患の治療に極めて有望である。
【0004】
癌は多数の要因の発生の結果である。細胞増殖を増大させる突然変異がプロトオンコジーンに生じる可能性がある。細胞増殖を調節する正常機能を有する腫瘍抑制因子にも突然変異が生じる可能性がある。DNA修復酵素における突然変異により、増殖前に損傷を修復する細胞の能力が損なわれる。
【0005】
腫瘍抑制遺伝子は、その欠如(喪失又は不活性化)が癌につながり得る正常遺伝子である。腫瘍抑制遺伝子は、細胞の成長及び分裂を遅らせるタンパク質をコードする。腫瘍抑制遺伝子の野生型対立遺伝子は、異常な細胞増殖を抑制するタンパク質を発現する。腫瘍抑制タンパク質をコードする遺伝子が突然変異又は欠失すると、生じる突然変異タンパク質又は腫瘍抑制タンパク質発現の完全な喪失のために、特に既に細胞調節機構に損傷が生じている場合に、細胞増殖を正確に調節することができず、異常な細胞増殖が起こる可能性がある。多数のよく研究されたヒト腫瘍及び腫瘍細胞株が失われた又は非機能的な腫瘍抑制遺伝子を有することが示されている。
【0006】
現在、多くの一般的な癌型の治療に効果的な選択肢は僅かである。所与の個体の治療過程は診断、疾患の進行段階、並びに患者の年齢、性別及び全身健康状態等の要因によって決まる。癌治療の従来の選択肢の殆どが外科手術、放射線療法及び化学療法である。これらの療法はそれぞれ様々な副作用を伴い、有効性の程度は様々である。これらの副作用は、従来の化学療法について既に開示されている多剤耐性と共に、新規の抗癌剤又は治療アプローチの緊急の必要性を促している。
【0007】
抗癌ペプチドが、それらの独自の機構及び幾つかの並外れた特性のために新規の抗癌剤に有望な分子となっている。しかしながら、従来技術において既に開示さているペプチドによって示される特異性及び感受性等の特性には更なる改善が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このため、これまでの労力にもかかわらず、依然として適切な抗癌プロファイルを有する更なるポリペプチドを開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、抗癌活性を示す短ペプチドを開発した。
【0010】
下記に示すように、本発明のペプチドは、従来技術において既に開示されている他のペプチドと比較して改善された特異性及び感受性を示す。
【0011】
このため、本発明は第一に(in a first)、式(I):
【化1】
(式中、
m、n、p及びqは0又は1であり、
jは0又は1であり、
vは1~10で構成され、
ここで、
「m」、「n」、「p」及び「q」の1つが1である場合、他は0であり、Lは式(II):
-P-[(R-(R)-(R-Q- (II)
のビラジカルに相当し、
「a」及び「b」は同じか若しくは異なり、0若しくは1であり、
「c」は1~10で構成され、
及びRは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル及び(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキルからなる群から独立して選択されるビラジカルであり、
は-O-、C(=O)、C(=O)R、C(=O)NR、C(=O)O、S(=O)、S(=O)、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、並びに3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるビラジカルであり、
、R、R、R、R、R、R10、R13及びR14は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるモノラジカルであり、
P及びQはビラジカルであり、同じか若しくは異なるが、但し、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはRラジカルとは異なる意味を有し、該P及びQビラジカルは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、若しくは代替的には、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはC(=O)であり、Rは-O-、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、-NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、
「a」及び「b」がどちらも1である場合、P及びQは-S-、(C~C10)アルキル-S-、-NR’10-、(C~C10)アルキル-NR’10-、-O-、(C~C10)-アルキル-O-、-C(=O)、(C~C10)アルキル-C(=O)-、-C(=O)O、(C~C10)アルキルC(=O)O-、C(=O)N-、(C~C10)アルキルC(=O)-、C(=O)S-及び(C~C10)アルキル-C(=O)S-からなる群から選択され、R’10は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるラジカルであり、
Lビラジカルは式(I)のペプチド配列の骨格にX及びXビラジカル、若しくは代替的にはX及びXビラジカル、若しくは代替的にはX及びXビラジカル、若しくは代替的にはX及びXビラジカルを介して結合し、
Lビラジカルに結合したXビラジカルは同じ若しくは異なる意味を有し、式(III):
【化2】
を有し、
ここで、
Lビラジカルは式(III)のXビラジカルにα炭素原子を介して結合し、
11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるモノラジカルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列の他のXビラジカルは同じか若しくは異なり、アミノ酸を表し、
又は代替的には、
m、n、p及びqが0である場合、X~Xは同じか若しくは異なり、アミノ酸を表すが、但し、ラジカルX~Xの少なくとも3つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択され、
ここで、
(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルは非置換若しくは置換であり、
「置換(C~C10)アルキル」は、(C~C10)アルキルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか若しくは異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルケニル」は、(C~C10)アルケニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか若しくは異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルキニル」は、(C~C10)アルキニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか若しくは異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択される)の配列を含むペプチド又はその医薬塩を提供する。
【0012】
本発明者らは、位置X~X及び「L」ビラジカル(存在する場合)が抗癌活性をもたらす原因となることを見出した。さらに、本発明者らは、X~Xが高い腫瘍細胞特異性及び感受性をもたらし得ることを見出した。
【0013】
下記に提示するように、本発明のペプチドは高度に特異的であり、癌細胞と正常細胞とを区別することが可能である。この点で、下記表5から、EC50値が本発明のペプチドをJB健常細胞において試験した場合に腫瘍細胞において試験した場合よりも実質的に高かったことが示される。これらの実験データにより、腫瘍細胞に対する本発明のペプチドの高い特異性が支持されるだけでなく、腫瘍細胞が本発明のペプチドに高度に感受性であることも支持される。すなわち、ごく少量のペプチドを与えた場合にも腫瘍細胞成長の強い阻害効果が達成され、同じ阻害効果を達成するのに必要とされるペプチドの量は、腫瘍細胞よりも健常細胞で高い。
【0014】
加えて、本発明のペプチドは、従来技術において既に開示されている抗癌製品と比較して実質的に高い抗癌活性を有する(下記表5)。
【0015】
これらのデータにより、本発明の式(I)のペプチドが癌治療法として好適であることが結論付けられる。
【0016】
野生型配列Asn Glu Leu Lys Arg Ser Phe Phe Ala Leu Arg Asp Gln(配列番号18、「L10」とも称される)は、不活性である。本発明者らは、配列(a)Gln-Arg-Arg又は(b)Arg-Gln-Arg-Arg(配列番号20)を配列番号18のN末端領域に付加し、ステープル(staple)及び突然変異を更に生じさせた場合に、野生型ペプチドが著しく活性の高い抗癌剤となることを見出した。下記に示すように、ステープルのみを野生型配列に生じさせた場合(配列番号4、「S13」とも称される)、活性は検出されなかった。本発明者らは、下記に示すように、(a)配列番号20の配列のみを野生型配列のN末端に付加した場合、得られる配列番号33の配列のペプチドが不活性であったこと;(b)野生型配列中の1つ又は2つの突然変異と共に配列番号20をN末端に付加した場合、得られる配列番号19(「L12」とも称される)及び配列番号32(「L13」とも称される)の配列のペプチドがそれぞれ同様に不活性であったことから、顕著な抗癌効果が配列Gln-Arg-Arg又は配列番号20の組込み(及び突然変異)のみによるものではないことも見出した。したがって、本明細書中に提示するデータから、配列番号18の野生型配列におけるN末端領域中の配列の組込み、ステープル及び1つ以上の突然変異が、得られるペプチド(配列番号2)に相乗的な抗癌活性をもたらし、不活性なペプチドを強力な抗癌ペプチドへと変えることが支持される。
【0017】
したがって、「j」が1であり、m、n、p及びqの1つが1であり、他が0であり(すなわち、ペプチドが1つのステープルを含む)、「L」ビラジカルに結合していないXラジカルの1つ以上が、Glu以外のアミノ酸を表すX、Lys以外のアミノ酸を表すX、Ser以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、Ala以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXからなる群から選択され、式(Ibis4)を有する、式(I)のペプチド又はその医薬塩又はその活性代謝物も本発明の第1の態様の一部である。
【0018】
第2の態様では、本発明は、式(IV):
【化3】
(式中、
「t」及び「u」は0又は1であり、
「e」及び「f」は0~10で構成され、
zは1~10で構成され、
ここで、
「t」及び「u」の一方が1である場合、
他方は0であり、
Lは式(II):
-P-[(R-(R)-(R-Q- (II)
のビラジカルに相当し、
「a」及び「b」は同じか若しくは異なり、0若しくは1であり、
「c」は1~10で構成され、
及びRは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキルからなる群から独立して選択されるビラジカルであり、
はO、C(=O)、C(=O)R、C(=O)NR、C(=O)O、S(=O)、S(=O)、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるビラジカルであり、
、R、R、R、R、R、R13、R10及びR14は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるモノラジカルであり、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはRラジカルとは異なる意味を有し、該P及びQビラジカルは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、若しくは代替的には、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはC(=O)であり、Rは-O-、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、若しくは代替的には、
「a」及び「b」がどちらも1である場合、P及びQは-S-、(C~C10)アルキル-S-、-NR’10-、(C~C10)アルキル-NR’10-、-O-、(C~C10)-アルキル-O-、-C(=O)、(C~C10)アルキル-C(=O)-、-C(=O)O、(C~C10)アルキルC(=O)O-、C(=O)N-、(C~C10)アルキルC(=O)-、C(=O)S-及び(C~C10)アルキル-C(=O)S-からなる群から選択され、R’10は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるラジカルであり、
Lビラジカルは、式(IV)のペプチド配列の骨格にX及びXビラジカル、若しくは代替的にはX10及びX12ビラジカルを介して結合し、
Lビラジカルに結合したXビラジカルは同じ若しくは異なる意味を有し、式(III):
【化4】
を有し、
ここで、
Lビラジカルは式(III)のXビラジカルにα炭素原子を介して結合し、
11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるモノラジカルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列の他のXビラジカルは同じか若しくは異なり、アミノ酸を表し、
又は代替的には、
「t」及び「u」が0である場合、X~X12は同じか若しくは異なり、アミノ酸を表すが、但し、それらの少なくとも3つが、
Val以外のアミノ酸を表すX
Leu以外のアミノ酸を表すX
Thr以外のアミノ酸を表すX、及び、
Ala以外のアミノ酸を表すX10
からなる群から選択され、
ここで、
(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルは非置換又は置換であり、
「置換(C~C10)アルキル」は、(C~C10)アルキルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルケニル」は、(C~C10)アルケニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルキニル」は、(C~C10)アルキニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択される)の配列を含むペプチド又はその医薬塩を提供する。
【0019】
本発明者らは、位置X~X10及び「L」ビラジカル(存在する場合)が抗癌活性をもたらす原因となることを見出した。さらに、本発明者らは、X~X10及びLが高い腫瘍細胞特異性及び感受性をもたらし得ることを見出した。
【0020】
下記に提示するように、本発明のペプチドは高度に特異的であり、癌細胞と正常細胞とを区別することが可能である。この点で、下記表6から、EC50値が本発明のペプチドをJB健常細胞において試験した場合に腫瘍細胞において試験した場合よりも実質的に高かったことが示される。これらの実験データにより、腫瘍細胞に対する本発明のペプチドの高い特異性が支持されるだけでなく、腫瘍細胞が本発明のペプチドに高度に感受性であることも支持される。すなわち、ごく少量のペプチドを与えた場合にも腫瘍細胞成長の強い阻害効果が達成され、同じ阻害効果を達成するのに必要とされるペプチドの量は、腫瘍細胞よりも健常細胞で高い。
【0021】
加えて、本発明のペプチドは、従来技術において既に開示されている抗癌製品と比較して実質的に高い抗癌活性を有する(下記表6)。
【0022】
加えて、表11に提示されるデータにより、本発明のペプチドが血漿中で適切な半減期を示すことが結論付けられる。
【0023】
これらのデータにより、本発明の式(IV)のペプチドが癌治療法として好適であることが結論付けられる。
【0024】
式(IVbis3):
【化5】
(式中、「t」が1であり、「u」が0であり、XはLeuを表し、X10はAlaを表す)のペプチド又はその医薬塩も本発明の第2の態様の一部である。
【0025】
下記に説明するように、野生型配列(配列番号21=Pro-Lys-Val-Val-Ile-Leu-Lys-Lys-Ala-Thr-Ala-Tyr-Ile、「L14a」とも称される)は不活性である。しかしながら、本発明者らは驚くべきことに、Ala残基をN末端に付加し、ステープル「L」を式(IVbis3)に示す特定の位置に付加し、2つの追加のアミノ酸残基をC末端に付加することで、ペプチドを抗癌剤として活性なものにすることができることを見出した。ステープルを3番目のアミノ酸と10番目のアミノ酸との間に付加することによって、配列番号21の配列を活性なものにすることができることを示す実験データが提示されるのは初めてである。
【0026】
本発明の更なる態様は、式(VIII):
【化6】
(式中、
「e」及び「f」は1であり、
zは1~10で構成され、
Lは式(II):
-P-[(R-(R)-(R-Q- (II)
のビラジカルに相当し、
「a」及び「b」は同じか又は異なり、0又は1であり、
「c」は1~10で構成され、
及びRは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキルからなる群から独立して選択されるビラジカルであり、
はO、C(=O)、C(=O)R、C(=O)NR、C(=O)O、S(=O)、S(=O)、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるビラジカルであり、
、R、R、R、R、R、R13、R10及びR14は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるモノラジカルであり、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはRラジカルとは異なる意味を有し、該P及びQビラジカルは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、又は代替的には、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはC(=O)であり、Rは-O-、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、又は代替的には、
「a」及び「b」がどちらも1である場合、P及びQは-S-、(C~C10)アルキル-S-、-NR’10-、(C~C10)アルキル-NR’10-、-O-、(C~C10)-アルキル-O-、-C(=O)、(C~C10)アルキル-C(=O)-、-C(=O)O、(C~C10)アルキルC(=O)O-、C(=O)N-、(C~C10)アルキルC(=O)-、C(=O)S-及び(C~C10)アルキル-C(=O)S-からなる群から選択され、R’10は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるラジカルであり、
Lビラジカルは、式(IV)のペプチド配列の骨格にX及びX13ビラジカルを介して結合し、
及びX13は同じ又は異なる意味を有し、式(III):
【化7】
を有し、
ここで、
Lビラジカルは、式(III)のXビラジカルにα炭素原子を介して結合し、
11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるモノラジカルであり、
はVal以外のアミノ酸を表し、
はThr以外のアミノ酸を表し、
11及びX12は任意のアミノ酸を表す)のペプチド又はその医薬塩である。
【0027】
更なる態様では、本発明は、本発明のペプチド(第1又は第2の態様のいずれか、及び式(VIII)のペプチド)のいずれかの加水分解によって生じる代謝物を提供する。
【0028】
本発明の代謝物は、本発明のペプチドのC末端領域の1つ~3つのアミノ酸及びN末端領域の1つのアミノ酸を欠いている。
【0029】
更なる態様では、本発明は、本発明のペプチドを含むタンパク質融合物(fusion)を提供する。
【0030】
第3の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の第1若しくは第2の態様において規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は式(VIII)のペプチド若しくはその医薬塩、又は本発明のペプチドのいずれかの代謝物、又は本発明の融合タンパク質を、許容可能な動物用又は医薬添加剤及び/又は担体と共に含む、動物用又は医薬組成物を提供する。
【0031】
第4の態様では、本発明は、薬剤として使用される本発明の第1若しくは第2の態様において規定されるペプチド若しくはその医薬塩、及び式(VIII)のペプチド若しくはその医薬塩、又は本発明のペプチドのいずれかの代謝物、又は本発明の融合タンパク質を提供する。本態様は代替的には、疾患の治療のための薬剤の製造における本発明の第1若しくは第2の態様において規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は式(VIII)に規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は本発明のペプチドの代謝物、又は本発明の融合タンパク質の使用として構築することができる。本態様は代替的には、疾患を治療する方法であって、効果的な治療量の本発明の第1若しくは第2の態様のいずれかに規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は式(VIII)に規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は本発明のペプチドの代謝物、又は本発明の融合タンパク質を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法としても構築することができる。
【0032】
第5の態様では、本発明は、癌の治療に使用される本発明の第1若しくは第2の態様において規定されるペプチド若しくはその医薬塩、式(VIII)のペプチド若しくはその医薬塩、又は本発明の代謝物、又は本発明の融合タンパク質を提供する。本態様は代替的には、癌の治療のための薬剤の製造における本発明の第1若しくは第2の態様において規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は式(VIII)のペプチド若しくはその医薬塩、又は本発明の代謝物、又は本発明の融合タンパク質の使用として構築することができる。本態様は代替的には、癌を治療する方法であって、効果的な治療量の本発明の第1若しくは第2の態様のいずれかに規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は式(VIII)のペプチド若しくはその医薬塩、又は本発明の代謝物、又は本発明の融合タンパク質を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法としても構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】2つの本発明のペプチド(いわゆる「S04」及び「S09」)による処理後のMM.1S細胞におけるカスパーゼ3-7活性化アッセイ後に蛍光データを得た棒グラフである。蛍光量を非処理細胞(対照)において検出されたものと比較する。報告されるp値は、値間の有意差について算出したt検定の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本願の明細書で使用される全ての用語は、特に記載のない限り、当該技術分野で既知の通常の意味で理解されるものとする。本願で使用される或る特定の用語の他のより具体的な定義を下記に説明するが、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して一様に適用されることが意図され、特に明白に説明されない限り、定義はより広い定義を与えるものである。
【0035】
本発明の目的上、所与の任意の範囲は、範囲の下端点及び上端点の両方を含む。
【0036】
本発明は、上記したように式(I)又は(IV)の配列を含むポリペプチドを提供する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で過度の毒性、刺激、アレルギー応答等なしにヒト及び下等動物の組織と接触させた使用に好適であり、適切なベネフィット/リスク比に見合う塩を指す。薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野で既知である。薬学的に許容可能な非毒性の酸付加塩の例は塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸等の無機酸、若しくは酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸等の有機酸により、又はイオン交換等の当該技術分野で用いられている他の方法を用いて形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、クロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。適切な塩基に由来する塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウムが挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。更なる薬学的に許容可能な塩としては、適切な場合にハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩等の対イオンを用いて形成される非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム及びアミンカチオンが挙げられる。
【0038】
(C~C10)アルキルという用語は、1個~10個の炭素原子を有する飽和直鎖又は分岐アルキル鎖を指す。例示的な非限定例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル及びn-ヘキシルである。
【0039】
(C~C20)アルキルという用語は、1個~20個の炭素原子を有する飽和直鎖又は分岐アルキル鎖を指す。
【0040】
(C~C10)アルケニルという用語は、2個~10個の炭素原子を含有し、更に1つ以上の二重結合を含有する飽和直鎖又は分岐アルキル鎖を指す。例示的な非限定例はエテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル等である。
【0041】
(C~C10)アルキニルという用語は、2個~20個の炭素原子を含有し、更に1つ以上の三重結合を含有する飽和直鎖又は分岐アルキル鎖を指す。例としては、特にエチニル、1-プロピニル、2-ブチニル、1,3-ブタジエニル、4-ペンチニル及び1-ヘキシニルが挙げられる。
【0042】
(C~C10)ハロアルキルという用語は、同じであっても又は異なっていてもよい1個以上の、好ましくは1個~6個のハロゲン原子による(C~C10)アルキル基の1個以上の水素原子の置換えによって生じる基を指す。例としては、特にトリフルオロメチル、フルオロメチル、1-クロロエチル、2-クロロエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2-ブロモエチル、2-ヨードエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3-フルオロプロピル、3-クロロプロピル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、4-フルオロブチル及びノナフルオロブチルが挙げられる。
【0043】
「ハロゲン」という用語は、5つの化学的に関連した元素:フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)及びアスタチン(At)からなる周期表中の群を指す。
【0044】
「アミノ酸」という用語は、アミノ基及びカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。特に明示的な記載のない限り、アミノ酸はL配置を有していても、又はD配置を有していてもよい。アミノ酸は側鎖基によって分類することができる。基本的には、異なる側鎖によって決まる4つの異なる種類のアミノ酸が存在する:(1)非極性、(2)極性及び中性(非荷電極性)、(3)酸性及び極性(以下、「酸」又は「酸性」アミノ酸とも称する)、(4)塩基性及び極性(以下、「塩基性」アミノ酸とも称する)。
【0045】
非極性アミノ酸は、炭化水素アルキル基(アルカン分岐)又は芳香族(ベンゼン環)又は複素環式芳香族(例えば、インドール環)である側鎖を有する。一般的な非極性アミノ酸の例示的な非限定例はAla、Val、Leu、Ile、Pro、Trp、Gly、Phe及びMetである。
【0046】
極性中性アミノ酸は、側鎖(ヒドロキシル、アミド又はチオール基等)に中性pHで極性であるが、荷電していない基を有する。極性中性アミノ酸の例示的な非限定例はSer、Thr、Cys、Tyr、Asn及びGlnである。
【0047】
或る特定の実施形態では、アミノ酸はαアミノ酸である。好適なアミノ酸としては、限定されるものではないが、20個の一般的な天然に存在するα-アミノ酸:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンのL-異性体等の天然α-アミノ酸、天然β-アミノ酸(例えば、β-アラニン)、並びに非天然アミノ酸が挙げられる。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
本発明のペプチドの構築に使用されるアミノ酸は有機合成によって調製するか、又は例えば天然源の分解若しくは天然源からの単離等の他の経路によって得ることができる。
【0051】
多くの既知の非天然アミノ酸が存在し、そのいずれも本発明のペプチドに含めることができる(その一部を上記表2に挙げる)。非天然アミノ酸の幾つかの例は4-ヒドロキシプロリン、デスモシン、γ-アミノ酪酸、β-シアノアラニン、ノルバリン、4-(E)-ブテニル-4(R)-メチル-N-メチル-L-トレオニン、N-メチル-L-ロイシン、1-アミノ-シクロプロパンカルボン酸、1-アミノ-2-フェニル-シクロプロパンカルボン酸、1-アミノ-シクロブタンカルボン酸、4-アミノ-シクロペンテンカルボン酸、3-アミノ-シクロヘキサンカルボン酸、4-ピペリジル酢酸、4-アミノ-1-メチルピロール-2-カルボン酸、2,4-ジアミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、2-アミノヘプタン二酸、4-(アミノメチル)安息香酸、4-アミノ安息香酸、オルト-、メタ-及びパラ-置換フェニルアラニン(例えば、-C(-O)C;-CF;-CN;-ハロ;-NO;-CHで置換される)、二置換フェニルアラニン、置換チロシン(例えば、-C(-O)C;-CF;-CN;-ハロ;-NO;-CHで更に置換される)、並びにスタチンである。付加的に、本発明への使用に好適なアミノ酸は、幾つか例を挙げると、ヒドロキシル化、リン酸化、スルホン化、アシル化、脂質化(lipidated)及びグリコシル化されたアミノ酸残基を含むように誘導体化することができる。
【0052】
本明細書で使用される「既知の」環系という用語は、化学的に実現可能であり、当該技術分野で既知である環系を指し、化学的に可能でない環系を除外することが意図される。
【0053】
本発明によると、環系が「独立した」環によって形成される場合、環系が2つ、3つ又は4つの環によって形成され、該環が1つの環の原子から他の環の原子への結合を介して結合することを意味する。「独立した」という用語は、環系が1つの環しか有しない実施形態も包含する。1つの環からなる既知の環系の例示的な非限定例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、フェニル及びシクロヘプテニルに由来するものである。
【0054】
本発明によると、環系が「完全に縮合した」環を有する場合、環系が2つ、3つ又は4つの環によって形成され、2個以上の原子が2つの隣接環に共通することを意味する。例示的な非限定例は1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1-ナフチル、2-ナフチル、アントリル又はフェナントリルである。
【0055】
本発明によると、環系が「部分的に縮合している」場合、環系が3つ又は4つの環によって形成され、該環の少なくとも2つが完全に縮合し(すなわち、2個以上の原子が2つの隣接環に共通する)、残りの環(複数の場合もある)が1つの環の原子から縮合環の1つの原子への結合を介して結合していることを意味する。
【0056】
本発明の第1の態様の一実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、vが1であるものである。
【0057】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、ペプチド又は医薬塩は、vが1である場合に、(a)ペプチドのC末端基が-C(O)R15に相当し、ここでR15は-OR16、-NR1718、-O(C~C20)アルキルC(O)OR19、-O(C~C20)アルキルC(O)R20、-O(C~C20)アルキルOR21、-O(C~C20)C(O)NR2223、又はポリマー、例えばポリオール、例えばポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択されるラジカルであり、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23が水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルケニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるラジカルであり、
(b)N末端基が-NR2425、-NHC(O)R26及びN-フルオロフォア部分から選択され、ここでR24及びR25は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から独立して選択され、
26は-OR27、-(C~C20)アルキルC(O)OR28、-(C~C20)アルキルC(O)R29、-(C~C20)アルキルOR30及び-O(C~C20)CONR3132から選択されるラジカルであり、ここでR27~R32は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルケニル、並びに3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系から独立して選択されるラジカルであるものである。
【0058】
一実施形態では、C末端基は-COOHであり、N末端基は-NHである。別の実施形態では、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26は上記で規定される通りである。別の実施形態では、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26はラジカル-(C~C20)アルキルC(O)OR28である。別の実施形態では、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26はラジカル-(CHC(O)OH(すなわち、スクシニル)である。一実施形態では、vは1であり、C末端基は-COOHであり、N末端基は-NHである。別の実施形態では、vは1であり、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26は上記で規定される通りである。別の実施形態では、vは1であり、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26はラジカル-(C~C20)アルキルC(O)OR28である。別の実施形態では、vは1であり、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26はラジカル-(CHC(O)OH(すなわち、スクシニル)である。
【0059】
したがって、遊離アミノ及び/又はカルボキシ末端基を有するか、又は上記に詳細に説明されるようにそれらが誘導体化されていてもよい、以下の実施形態のいずれかに提示されるペプチドも本発明の一部である。
【0060】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、ペプチド又は医薬塩は、jが1であり、式(Ibis1):
【化8】
を有するものである。
【0061】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、v及びjは1であり、このため本発明の第1の態様のペプチドは式(Ibis2):
【化9】
を有するものである。
【0062】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、v及びjは1であり、このため本発明の第1の態様のペプチドは式(Ibis3):
【化10】
を有するものである。
【0063】
式(I)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態の全てが、式(Ibis1)、(Ibis2)及び(Ibis3)のものについても当てはまる。
【0064】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)のペプチド又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」の1つが1であり、他が0であるものであり、L及びラジカルX~Xは上記又は下記で規定される通りである。
【0065】
上述したように、本発明者らは驚くべきことに、(1)(a)Gln-Arg-Arg又は(b)配列番号20から選択される配列をN末端に付加すること、(2)アミノ酸を別のものに変化させること、及び(3)Lビラジカル(ステープル)を含めることによって、不活性な配列番号18の野生型配列が顕著な抗癌ペプチドとなることを見出した。
【0066】
上記に鑑みると、本発明の第1の態様の好ましい実施形態において、式(I)のペプチド又はその医薬塩は、「m」、「n」及び「q」の1つが1であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)のペプチド又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」の1つが1であり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルがアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0067】
このように、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩において、「m」が1である場合、ペプチドの骨格に結合していないXビラジカルはX、X、X及びXであり、それらの少なくとも1つが群:Lys以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、Ala以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXから選択される。代替的には、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩において、「n」が1である場合、ペプチドの骨格に結合していないXビラジカルはX、X、X及びXであり、それらの少なくとも1つが群:Glu以外のアミノ酸を表すX、Lys以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すXから選択される。代替的には、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩において、「p」が1である場合、ペプチドの骨格に結合していないXビラジカルはX、X、X及びXであり、それらの少なくとも1つが群:Glu以外のアミノ酸を表すX、Ser以外のアミノ酸を表すX、Ala以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXから選択される。また、代替的には、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩において、「q」が1である場合、ペプチドの骨格に結合していないXビラジカルはX、X、X及びXであり、それらの少なくとも1つが群:Lys以外のアミノ酸を表すX、Ser以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXから選択される。
【0068】
本発明の第1の態様の別の実施形態において、式(I)のペプチド又はその医薬塩は、「m」、「n」及び「q」の1つが1であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)のペプチド又はその医薬塩は、「m」、「n」及び「q」の1つが1であり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルがD-アミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
D-Glu以外のD-アミノ酸を表すX
D-Lys以外のD-アミノ酸を表すX
D-Ser以外のD-アミノ酸を表すX
D-Phe以外のD-アミノ酸を表すX
D-Ala以外のD-アミノ酸を表すX、及び、
D-Gln以外のD-アミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0069】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」の一方が0である。本発明の第1の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」が0である。本発明の第1の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「c」は1~6で構成される。本発明の第1の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「c」は1である。本発明の第1の態様の別の実施形態では、Lは式(II)の化合物に相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1である。
【0070】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。本発明の第1の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。
【0071】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルケニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。本発明の第1の態様の別の実施形態では、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、Rはエチレンである。
【0072】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)、(Ibis3)のペプチド又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)、(Ibis3)のペプチド又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであるものである。
【0073】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであるものである。
【0074】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。
【0075】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルケニルであるものである。
【0076】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
はエチレンであるものである。
【0077】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0078】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0079】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0080】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0081】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0082】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0083】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0084】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルケニルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0085】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
はエチレンであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0086】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、「L」ビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択される。
【0087】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであり、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0088】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであり、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0089】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0090】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであり、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0091】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであり、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0092】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、ここで、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、
「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0093】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルケニルであり、
「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0094】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
はエチレンであり、
「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるものである。
【0095】
本発明の第1の態様のペプチドの一実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、
「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、
がPhe以外のアミノ酸を表し、
、X及びXが任意のアミノ酸を表すか、又は代替的には、
「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、
がSer以外のアミノ酸を表し、
、X及びXが任意のアミノ酸を表すか、又は代替的には、
「q」が1であり、「n」、「m」及び「p」が0であり、
がPhe以外のアミノ酸を表し、
、X及びXが任意のアミノ酸を表すか、又は代替的には、
「q」が1であり、「n」、「m」及び「p」が0であり、
がSer以外のアミノ酸を表し、
がPhe以外のアミノ酸を表し、
及びXが任意のアミノ酸を表すものである。
【0096】
本発明の第1の態様の一実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「m」は1であり、「n」、「p」及び「q」は0であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「m」は1であり、「n」、「p」及び「q」は0であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「m」は1であり、「n」、「p」及び「q」は0であり、Rはエチレンである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rがエチレンであるものである。「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかにおいて、X及びXは同じである。
【0097】
「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルを表す。「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は、(C~C10)アルキル又は1つ以上のハロゲンラジカルで置換された(C~C10)アルキルを表す。「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11はメチルラジカルを表す:
【化11】
【0098】
「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X、X及びXはアミノ酸であるが、但し、これらのアミノ酸の少なくとも1つが、Lys以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、Ala以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXからなる群から選択される。「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはPhe以外のアミノ酸を表す。「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかにおいて、XはAlaである。別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、式(I1)(以下、配列番号1又は「S02」とも称する):
【化12】
のものである。
【0099】
本発明の第1の態様の一実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルが置換又は非置換であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでRは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルが置換又は非置換であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「n」は1であり、「m」、「p」及び「q」は0であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」が1であり、「n」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「n」は1であり、「m」、「p」及び「q」は0であり、Rはエチレンである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rがエチレンであるものである。上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0であり、Lが式(VII):
-(CH-CH=CH-(CH- (VII)
に相当し、ここでx及びyは同じか又は異なり、1~10から選択される整数値であるものである。
【0100】
「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じである。「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルを表す。「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は、(C~C10)アルキル又は1つ以上のハロゲンラジカルで置換された(C~C10)アルキルを表す。「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11はメチルラジカルを表す:
【化13】
【0101】
「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X及びXはアミノ酸であるが、但し、これらのアミノ酸の少なくとも1つが、Glu以外のアミノ酸を表すX、Lys以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すXからなる群から選択される。「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはPhe以外のアミノ酸を表す。「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XがD-Phe以外のD-アミノ酸を表す。
【0102】
下記に示すように、12位の天然(native)アミノ酸Pheを、Ala等の線状炭化水素側鎖を有する別の非極性アミノ酸に置き換えることで、野生型配列の驚くべき抗癌「活性化」が生じた。同じ驚くべき効果を、線状炭化水素側鎖を有する他の非極性アミノ酸でも期待することができる。このため、上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、XはAla、Ile、Leu、Val及びGlyから選択されるアミノ酸を表す。上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、「n」は1であり、「m」、「p」及び「q」は0であり、XはAla、Ile、Leu、Val及びGlyから選択されるアミノ酸を表し、X及びXは同じである。「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはAlaである。「n」が1であり、「m」、「p」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、Xは酸性アミノ酸であり、Xは塩基性アミノ酸を表し、XはAla、Ile、Leu、Val及びGlyから選択されるアミノ酸を表し、Xは非極性アミノ酸を表し、X及びXは同じである。
【0103】
別の実施形態では、式(I)のペプチドは式(I2)、(I3)又は(I4)(以下、それぞれ配列番号2(又は「S04」)、配列番号3(又は「S12」)及び配列番号4(又は「S13」)とも称する):
【化14】
のものである。
【0104】
本発明の第1の態様の一実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「p」は1であり、「m」、「n」及び「q」は0であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「p」は1であり、「m」、「n」及び「q」は0であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「p」は1であり、「m」、「n」及び「q」は0であり、Rはエチレンである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rがエチレンであるものである。「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態で、X及びXは同じである。「p」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルを表す。「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は、(C~C10)アルキル又は1つ以上のハロゲンラジカルで置換された(C~C10)アルキルを表す。「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11はメチルラジカルを表す:
【化15】
【0105】
「p」が1であり、「m」、「n」及び「q」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X、X及びXはアミノ酸であるが、但し、これらのアミノ酸の少なくとも1つが、Glu以外のアミノ酸を表すX、Ala以外のアミノ酸を表すX、Ala以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXからなる群から選択される。式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、式(I)のペプチドは、式(I5)(以下、配列番号5又は「S01」とも称する):
【化16】
のものである。
【0106】
本発明の第1の態様の一実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルが置換又は非置換であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表すものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「q」は1であり、「m」、「n」及び「p」は0であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「q」は1であり、「m」、「n」及び「p」は0であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、Rが(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルが置換又は非置換であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルが置換又は非置換であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、「q」は1であり、「m」、「n」及び「p」は0であり、Rはエチレンである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rがエチレンであるものである。上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0であり、Lが式(VII):
-(CH-CH=CH-(CH- (VII)
に相当し、ここでx及びyは同じか又は異なり、1~10から選択される整数値であるものである。
【0107】
「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じである。「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルを表す。「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は、(C~C10)アルキル又は1つ以上のハロゲンラジカルで置換された(C~C10)アルキルを表す。「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11はメチルラジカルを表す:
【化17】
【0108】
「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X、X及びXはアミノ酸であるが、但し、これらのアミノ酸の少なくとも1つが、Lys以外のアミノ酸を表すX、Ser以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXからなる群から選択される。「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X、X及びXはアミノ酸であるが、但し、XはSer以外のアミノ酸を表し、XはPhe以外のアミノ酸を表し、X及びXは上記で規定される任意のアミノ酸とすることができる。「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはSer以外のD-アミノ酸である。「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはAlaである。「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはPhe以外のD-アミノ酸である。「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、Xは非極性アミノ酸を表し、XはAla、Ile、Leu、Val及びGlyから選択される非極性アミノ酸を表す。「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた別の実施形態では、X及びXは同じである。「q」が1であり、「m」、「n」及び「p」が0である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはAlaである。「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた別の実施形態では、X及びXはAlaを表す。「q」が1である式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた別の実施形態では、Xは塩基性アミノ酸であり、Xは酸アミノ酸である。
【0109】
別の実施形態では、式(I)のペプチドは、式(I6)(以下、配列番号6又は「S03」とも称する):
【化18】
のものである。
【0110】
別の実施形態では、本発明は、配列番号6(「S03」)の配列に由来する以下の代謝物:
【化19】
を提供する。
【0111】
下記に示すように、これらの代謝物は抗癌活性を示す。
【0112】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、X~Xがアミノ酸であるが、但し、X~Xの少なくとも3つが、Glu以外のアミノ酸を表すX、Lys以外のアミノ酸を表すX、Ser以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、Ala以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXから選択されるアミノ酸であるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、ラジカルX~Xの3つが、Glu以外のアミノ酸を表すX、Lys以外のアミノ酸を表すX、Ser以外のアミノ酸を表すX、Phe以外のアミノ酸を表すX、Ala以外のアミノ酸を表すX、及びGln以外のアミノ酸を表すXから選択されるものである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、XがSer以外のアミノ酸を表し、XがAla以外のアミノ酸を表し、XがGln以外のアミノ酸を表すものである。0に等しいm、n、p及びqについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、XがSer以外のアミノ酸を表すものである。0に等しいm、n、p及びqについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、XがSer以外のD-アミノ酸を表すものである。0に等しいm、n、p及びqについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、XがLeuであるものである。0に等しいm、n、p及びqについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、XがAla以外のD-アミノ酸を表すものである。0に等しいm、n、p及びqについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、XがThrであるものである。0に等しいm、n、p及びqについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、XがGln以外のD-アミノ酸を表すものである。0に等しいm、n、p及びqについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であり、XがIleであるものである。0に等しいm、n、p及びqについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の第1の態様の別の実施形態では、式(I)、(Ibis1)、(Ibis2)若しくは(Ibis3)のペプチド、又はその医薬塩は、式(I7)(以下、配列番号7又は「L05」とも称する):
HO(O)C-(CH-C(O)NH-Arg Gln Arg Arg Asn Glu Leu Lys Arg Leu Phe Phe Thr Leu Arg Asp Ile-NH
を有する。
【0113】
このペプチドでは、N(t)残基のアミノ基(すなわち、Arg)は-NH-スクシニル基に相当し、C(t)残基のカルボン酸基(すなわち、Ile)はアミド-CO-NHに相当する。
【0114】
第2の態様では、本発明は式(IV)のペプチド又はその医薬塩を提供する。
【0115】
本発明の第2の態様の一実施形態では、zは1であり、ペプチド又はその塩は、式(IVbis1):
【化20】
を有する。
【0116】
本発明の第2の態様の更なる実施形態では、zは1であり、ペプチド又はその塩は、式(IVbis2):
【化21】
からなる。
【0117】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又は医薬塩は、vが1である場合に、(a)ペプチドのC末端基が-C(O)R15に相当し、ここでR15は-OR16、-NR1718、-O(C~C20)アルキルC(O)OR19、-O(C~C20)アルキルC(O)R20、-O(C~C20)アルキルOR21、-O(C~C20)C(O)NR2223、又はポリマー、例えばポリオール、例えばポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択されるラジカルであり、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23が水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルケニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるラジカルであり、
(b)N末端基が-NR2425、-NHC(O)R26及びN-フルオロフォア部分から選択され、ここでR24及びR25は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から独立して選択され、
26は-OR27、-(C~C20)アルキルC(O)OR28、-(C~C20)アルキルC(O)R29、-(C~C20)アルキルOR30及び-O(C~C20)CONR3132から選択されるラジカルであり、ここでR27~R32は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルケニル、並びに3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系から独立して選択されるラジカルであるものである。
【0118】
本発明の第2の態様の一実施形態では、C末端基は-COOHであり、N末端基は-NHである。別の実施形態では、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26は上記で規定される通りである。別の実施形態では、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26はラジカル-(C~C20)アルキルC(O)OR28である。別の実施形態では、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26はラジカル-(CHC(O)OH(すなわち、スクシニル)である。一実施形態では、vは1であり、C末端基は-COOHであり、N末端基は-NHである。別の実施形態では、vは1であり、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26は上記で規定される通りである。別の実施形態では、vは1であり、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26はラジカル-(C~C20)アルキルC(O)OR28である。別の実施形態では、vは1であり、C末端基は-CO-NHであり、N末端基は-NHC(O)R26であり、R26はラジカル-(CHC(O)OH(すなわち、スクシニル)である。
【0119】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)又は(IVbis2)のペプチド又はその医薬塩は、「t」及び「u」の一方が1であるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)又は(IVbis2)のペプチド又はその医薬塩は、「t」及び「u」の一方が1であり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)又は(IVbis)の骨格ペプチド配列のXビラジカルがアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0120】
このように、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩において、「t」が1であり、「u」が0である場合、ペプチドの骨格に結合していないXビラジカルはX、X10、X11及びX12であり、X及びX10の少なくとも一方が、Leu以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10から選択される。代替的には、式(IV)若しくは(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩において、「u」が1であり、「t」が0である場合、ペプチドの骨格に結合していないXビラジカルはX、X、X及びX11であり、X、X、Xの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択される。
【0121】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)又は(IVbis2)のペプチド又はその医薬塩は、「t」及び「u」の一方が1であるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)又は(IVbis2)のペプチド又はその医薬塩は、「t」及び「u」の一方が1であり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルがD-アミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0122】
本発明の第2の態様の一実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」の一方が0である。本発明の第2の態様の別の実施形態では、「a」及び「b」が0である。本発明の第2の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「c」は1~6で構成される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「c」は1である。本発明の第2の態様の別の実施形態では、Lは式(II)の化合物に相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1である。
【0123】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。本発明の第2の態様の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。
【0124】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第1の態様の別の実施形態では、Rはエチレンである。
【0125】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであるものである。
【0126】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであるものである。
【0127】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。
【0128】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルケニルであるものである。
【0129】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
はエチレンであるものである。
【0130】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0131】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0132】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)若しくは(IVbis1)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0133】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、
「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0134】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルケニルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0135】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
はエチレンであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0136】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであり、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0137】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであり、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0138】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであり、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであり、「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0139】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、
「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、R11は(C~C10)アルキルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0140】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
は(C~C10)アルケニルであり、
「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0141】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで、
「a」及び「b」は0であり、
「c」は1であり、
P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、
はエチレンであり、
「L」ビラジカルに結合しているXビラジカルは式(III)の化合物であり、ここでR11は(C~C10)アルキルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(IV)の骨格ペプチド配列のXビラジカルはアミノ酸であるが、但し、それらの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択されるものである。
【0142】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「e」及び「f」が1であるものである。
【0143】
本発明の第2の態様の一実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が1であり、「u」が0であるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、式(IVbis3):
【化22】
のものである。
【0144】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、式(IVbis4):
【化23】
のものである。
【0145】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1である。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1である。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)又は(IVbis3)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1である。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルは置換又は非置換である。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表す。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」が0であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」が0あり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。
【0146】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルからなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択される。本発明の第2の態様の別の実施形態では、「t」が1であり、「u」が0であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)のものであり、ここで「t」が1であり、「u」が0であり、「e」及び「f」は1であり、「L」ビラジカルは、式(VII):
-(CH-CH=CH-(CH
を有し、ここでx及びyは同じか又は異なり、1~10から選択される整数値である。
【0147】
「t」が1であり、「u」が0である本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかにおいて、X及びXは同じであってもよい。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)、(IVbis4)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じである。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)、(IVbis4)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルを表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)、(IVbis4)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は、(C~C10)アルキル又は1つ以上のハロゲンラジカルで置換された(C~C10)アルキルを表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)、(IVbis4)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びXは同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11はメチルラジカルを表す:
【化24】
【0148】
「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X10、X11及びX12はアミノ酸であるが、但し、X及びX10の少なくとも一方が、Leu以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択される。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X10、X11及びX12はアミノ酸であるが、但し、XはLeu以外のアミノ酸を表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IVbis4)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはLeu以外のアミノ酸を表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X10、X11及びX12はアミノ酸であるが、但し、XはLeu以外のD-アミノ酸を表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IVbis4)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはLeu以外のアミノ酸を表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)若しくは(IVbis2)のペプチド、又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X10、X11及びX12はアミノ酸であるが、但し、XはD-Pheを表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IVbis4)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはD-Pheを表す。
【0149】
「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)の本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、「e」は1であり、X11は非極性アミノ酸を表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)の本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、「f」は1であり、X12は極性中性アミノ酸を表す。「t」が1であり、「u」が0である式(IV)、(IVbis1)、(IVbis2)、(IVbis3)又は(IVbis4)の本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、「e」及び「f」は1であり、X11は非極性アミノ酸を表し、X12は極性中性アミノ酸を表す。「t」が1であり、「u」が0である本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、「e」及び「f」は1であり、X11はLeuを表し、X12はSerを表す。
【0150】
別の実施形態では、本発明の2の態様のペプチドのは、配列番号8(以下、「S09」)及び配列番号9(以下、「S14」とも称する):
【化25】
のものである。
【0151】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1であり、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択されるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、「t」は0であり、「u」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、「t」は0であり、「u」は1であり、「e」及び「f」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1であり、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rが(C~C10)アルケニルであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、「t」は0であり、「u」は1であり、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、「t」は0であり、「u」は1であり、「e」及び「f」は1であり、Rはエチレンである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1であり、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rがエチレンであるものである。本発明の第2の態様の別の実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1であり、「a」及び「b」が0であり、「c」が1であり、P及びQが同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rがエチレンであるものである。「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1である本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X10及びX12は同じである。「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1である本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X10及びX12は同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルを表す。「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1である本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X10及びX12は同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は、(C~C10)アルキル又は1つ以上のハロゲンラジカルで置換された(C~C10)アルキルを表す。「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1である本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X10及びX12は同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11はメチルラジカルを表す:
【化26】
【0152】
一実施形態では、本発明の第2の態様のペプチドは、式(IV3)(以下、配列番号10又は「S08」とも称する):
【化27】
を有する。
【0153】
「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1である本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X、X及びX11及びX12はアミノ酸であるが、但し、X、X及びXの少なくとも1つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、及びThr以外のアミノ酸を表すXからなる群から選択される。「t」が0であり、「u」が1であり、「e」及び「f」が1である本発明の第2の態様のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X、X、X及びX11はアミノ酸であるが、但し、X、X及びXの少なくとも1つが、Val以外のd-アミノ酸を表すX、Leu以外のD-アミノ酸を表すX、及びThr以外のD-アミノ酸を表すXからなる群から選択される。
【0154】
本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「t」及び「u」は0であり、X~X12は同じか又は異なり、アミノ酸を表すが、但し、ラジカルX~X10の少なくとも3つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択される。本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「t」及び「u」は0であり、「e」及び「f」は0であり、X~X12は同じか又は異なり、アミノ酸を表すが、但し、ラジカルX~X10の少なくとも3つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択される。本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「t」及び「u」は0であり、X~X12はアミノ酸であるが、但し、X~X10の3つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択される。本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「t」及び「u」は0であり、「e」及び「f」は0であり、X~X12はアミノ酸であるが、但し、ラジカルX~X10の3つが、Val以外のアミノ酸を表すX、Leu以外のアミノ酸を表すX、Thr以外のアミノ酸を表すX、及びAla以外のアミノ酸を表すX10からなる群から選択される。本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「t」及び「u」は0であり、X~X12はアミノ酸であり、ここでXはVal以外のアミノ酸を表し、XはLeu以外のアミノ酸を表し、XはThr以外のアミノ酸を表し、X10~X12は任意のアミノ酸を表す。本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「t」及び「u」は0であり、「e」及び「f」は0であり、X~X12はアミノ酸であるが、但し、XはVal以外のアミノ酸を表し、XはLeu以外のアミノ酸を表し、XはThr以外のアミノ酸を表し、X10は任意のアミノ酸を表す。
【0155】
「t」及び「u」が0である本発明の第2の態様のペプチド又は医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはVal以外のD-アミノ酸であり、XはLeu以外のアミノ酸を表し、XはThr以外のアミノ酸を表す。「t」及び「u」が0である本発明の第2の態様のペプチド又は医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはLeuであり、XはIle以外のアミノ酸を表し、XはThr以外のアミノ酸を表す。「t」及び「u」が0である本発明の第2の態様のペプチド又は医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはVal以外のアミノ酸であり、XはLeu以外のD-アミノ酸を表し、XはThr以外のアミノ酸を表す。「t」及び「u」が0である本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはVal以外のアミノ酸であり、XはPhe又はSerであり、XはThr以外のアミノ酸を表す。「t」及び「u」が0である本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた別の実施形態では、XはVal以外のアミノ酸であり、XはLeu以外のアミノ酸を表し、XはThr以外のD-アミノ酸を表す。「t」及び「u」が0である本発明の第2の態様のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた本発明の一態様では、XはVal以外のアミノ酸であり、XはLeu以外のアミノ酸であり、XはLeuである。
【0156】
本発明の第2の態様の別の実施形態では、第2の態様のペプチドは、式IV5(以下、配列番号11(又は「L15」)とも称する):
配列番号11 Succ-Ala-Pro-Lys-Ile-Val-Ile-Phe-Lys-Lys-Ala-Leu-Ala-Tyr-Ile-NH
のものである。
【0157】
このペプチドでは、N(t)残基(すなわち、Ala)のアミノ基が-NH-スクシニル基に相当し、C(t)残基(すなわち、Ile)のカルボン酸基がアミド基-CO-NHに相当する。
【0158】
更なる態様では、本発明は、式(VIII)のペプチド又はその医薬塩を提供する。
【0159】
一実施形態では、式(VIII)のペプチド又はその医薬塩は、「e」及び「f」が1であるものである。別の実施形態では、式(VIII)のペプチド又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であるものである。別の実施形態では、式(VIII)のペプチド又はその医薬塩は、Lが式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であるものである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、該ラジカルが置換又は非置換である。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表す。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。
【0160】
式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択される。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルラジカルからなる群から選択される。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択される。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニルからなる群から選択される。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Rは(C~C10)アルケニルである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rは(C~C10)アルケニルである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Rはエチレンである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Rはエチレンである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rはエチレンである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、Lは式(II)のビラジカルに相当し、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、P及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表し、Rはエチレンである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩の別の実施形態では、「e」及び「f」は1であり、「L」ビラジカルは、式(VII):
-(CH-CH=CH-(CH
を有し、ここでx及びyは同じか又は異なり、1~10から選択される整数値である。
【0161】
式(VIII)のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかにおいて、X及びX13は同じであってもよい。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びX13は同じである。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びX13は同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル又は(C~C10)アルキニルを表す。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びX13は同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11は、(C~C10)アルキル又は1つ以上のハロゲンラジカルで置換された(C~C10)アルキルを表す。式(VIII)のペプチド又はその医薬塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、X及びX13は同じであり、式(III)の化合物に相当し、ここでR11はメチルラジカルを表す:
【化28】
【0162】
式(VIII)のペプチド又は薬学的に許容可能なその塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、XはVal以外の非極性アミノ酸である。別の実施形態では、XはIleである。
【0163】
式(VIII)のペプチド又は薬学的に許容可能なその塩について上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた別の実施形態では、XはThr以外の非極性アミノ酸である。別の実施形態では、XはLeuである。
【0164】
式(VIII)のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、「e」は1であり、X11は非極性アミノ酸を表す。式(VIII)のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、「f」は1であり、X12は極性中性アミノ酸を表す。式(VIII)のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、「e」及び「f」は1であり、X11は非極性アミノ酸を表し、X12は非荷電極性アミノ酸を表す。式(VIII)のペプチドについて上記又は下記に提示する実施形態のいずれかと任意に組み合わせた一実施形態では、「e」及び「f」は1であり、X11はLeuを表し、X12はSerを表す。
【0165】
一実施形態では、ペプチド又はその医薬塩は、配列番号28(以下、「S25」とも称する):
【化29】
の配列のものである。
【0166】
一実施形態では、本発明の先の態様のいずれかに規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は代替的には、
配列番号12:
Ala-Pro-Lys-Val-Val-Ile-Leu-Lys-Lys-Ala-Thr-Ala-Tyr-Ile
の配列を含むペプチド、若しくは配列番号12と少なくとも85%の同一性を有するその変異体、若しくはその医薬塩を標識にコンジュゲートする。
【0167】
本発明において、「同一性」という用語は、配列を最適にアラインメントした場合に2つの配列中で同一の残基又は塩基のパーセンテージを指す。最適アラインメントにおいて、第1の配列中の位置が第2の配列中の対応する位置と同じアミノ酸残基又はヌクレオチドによって占められる場合、配列はその位置に関して同一性を示す。2つの配列間の同一性のレベル(又は「パーセント配列同一性」)は、配列のサイズに対する配列に共通する同一位置の数の比率として測定される(すなわち、パーセント配列同一性=(同一位置の数/位置の総数)×100)。
【0168】
2つ以上の配列間で最適アラインメントを迅速に得て、同一性を算出するための多数の数学アルゴリズムが既知であり、多数の利用可能なソフトウェアプログラムに組み込まれている。かかるプログラムの例としては、特にアミノ酸配列分析のためのMATCH-BOX、MULTAIN、GCG、FASTA及びROBUSTプログラムが挙げられる。好ましいソフトウェア分析プログラムとしては、ALIGN、CLUSTAL W及びBLASTプログラム(例えば、BLAST 2.1、BL2SEQ及びそれ以降のバージョン)が挙げられる。アミノ酸配列分析については、ウェイトマトリックス(weight matrix)、例えばBLOSUMマトリックス(例えば、BLOSUM45、BLOSUM50、BLOSUM62及びBLOSUM80マトリックス)、Gonnetマトリックス又はPAMマトリックス(例えば、PAM30、PAM70、PAM120、PAM160、PAM250及びPAM350マトリックス)が同一性の決定に用いられる。
【0169】
BLASTプログラムは、選択配列をデータベース(例えば、GenSeq)中の複数の配列に対してアラインメントするか、又はBL2SEQを用いて2つの選択配列間でアラインメントすることによって少なくとも2つのアミノ酸配列の分析をもたらす。BLASTプログラムは、好ましくはBLASTプログラム動作に組み込まれる、DUST又はSEGプログラム等の低複雑性フィルタリング(low complexity filtering)プログラムによって修正するのが好ましい。ギャップ存在コスト(又はギャップスコア)を用いる場合、ギャップ存在コストは約-5~-15に設定するのが好ましい。同様のギャップパラメーターを必要に応じて他のプログラムと共に用いることができる。BLASTプログラム及びその基本原理は、例えばAltschul et al., "Basic local alignment search tool", 1990, J. Mol. Biol, v. 215, pages 403-410に更に記載されている。
【0170】
多重配列分析については、CLUSTAL Wプログラムを用いることができる。CLUSTAL Wプログラムは、望ましくは「ダイナミック(dynamic)」(対「ファスト(fast)」)設定を用いて実行される。アミノ酸配列は、配列間の同一性のレベルに応じてBLOSUMマトリックスの可変セットを用いて評価される。CLUSTAL Wプログラム及び操作の基本原理は、例えばHiggins et al., "CLUSTAL V: improved software for multiple sequence alignment", 1992, CABIOS, 8(2), pages 189-191に更に記載されている。
【0171】
本明細書で使用される「標識」は蛍光、電気伝導性、放射能、サイズ等を含む様々な方法によって検出することができる分子又は化合物である。標識は、例えば別のより低い特徴的な波長の光の励起に続いて特定の波長の光を発する蛍光標識のように、シグナルを発することが本質的に可能であり得る。代替的には、標識は本質的にシグナルを発することが可能ではなく、シグナルを発する別の化合物が結合することが可能なものであってもよい。この後者の状況の一例は、それ自体がシグナルを発しないが、標識されたアビジン又はストレプトアビジン分子に結合した場合に検出することができるビオチン等の標識である。この後者の種類の標識の他の例は、特定の受容体に特異的に結合するリガンドである。検出可能に標識された受容体をリガンドで標識された単位特異的マーカーに結合させ、かかるマーカーを可視化することが可能である。
【0172】
本発明に従って使用することができる標識としては、電子スピン共鳴分子、蛍光分子、化学発光分子、放射性同位体、酵素基質、酵素、ビオチン分子、アビジン分子、電荷移動分子、半導体ナノ結晶、半導体ナノ粒子、コロイド金ナノ結晶、リガンド、マイクロビーズ、磁性ビーズ、常磁性分子、量子ドット、色素原基質、親和性分子、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、ハプテン、抗原、抗体、抗体フラグメント及び脂質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
放射性同位体はフィルム又は電荷結合素子(CCD)を用いて検出することができ、リガンドは蛍光、化学発光又は酵素タグを有する受容体の結合によって検出することができ、マイクロビーズは電子又は原子間力顕微鏡検査を用いて検出することができる。
【0174】
標識とペプチドとのコンジュゲーションは、当業者に既知の日常プロトコルに従って行うことができる。
【0175】
一実施形態では、先の態様のいずれかに規定されるペプチド若しくはその医薬塩、又は代替的には、
配列番号12:
Ala-Pro-Lys-Val-Val-Ile-Leu-Lys-Lys-Ala-Thr-Ala-Tyr-Ile
の配列を含むペプチド、若しくは配列番号12と少なくとも85%の同一性を有するその変異体、若しくはその医薬塩を細胞膜透過ペプチドにコンジュゲートする。
【0176】
本発明において、「細胞膜透過ペプチド」(「CPP」)という用語は、様々な分子カーゴ(ナノサイズの粒子から小化学分子及びDNAの大フラグメントまで)の細胞取込みを容易にする短ペプチドを指す。「カーゴ」をC(t)又はN(t)末端を介して、共有結合による化学的連結又は非共有結合的相互作用のいずれかによりペプチドに会合する。CPPの機能はカーゴを細胞内に送達することであり、このプロセスは一般に、研究及び医学において用いられる送達ベクターに送達されるカーゴのエンドサイトーシスによって生じる。現在の使用は、CPPを介したカーゴ送達における細胞特異性の欠如及びそれらの取込み様式の不十分な理解のために制限されている。CPPは通例、高い相対存在量のリシン若しくはアルギニン等の正荷電アミノ酸を含有するか、又は極性/荷電アミノ酸及び非極性疎水性アミノ酸の交互パターンを含有する配列を有するアミノ酸組成を有する。これら2つのタイプの構造は、それぞれポリカチオン性又は両親媒性と称される。第3のCPP群は、正味電荷の低い無極性残基のみを含有する疎水性ペプチドであるか、又は細胞取込みに不可欠な疎水性アミノ酸基を有する。CPPと本発明において提供されるペプチドとのコンジュゲーションは、固相合成又は溶液選択的キャッピング等の既知の日常プロトコルに従って行うことができる(Copolovici D. M. et al., "Cell-Penetrating Peptides: Design, Synthesis, and Applications", 2014, ACS Nano, 2014, 8 (3), pp 1972-1994を参照されたい)。
【0177】
一実施形態では、CPPにコンジュゲートする本発明のペプチドは、以下からなる群から選択される:
配列番号13
HO(O)C-(CHC(O)NH-Arg Arg Arg Arg Arg Arg Arg Ala Pro Lys Val Val Ile Leu Lys Lys Ala Thr Ala Tyr-IleNH
配列番号14
HO(O)C-(CHC(O)NH-Arg Arg Arg Arg Arg Arg Arg Ala Pro Lys Ile Val Ile Ser Lys Lys Ala Leu Ala Tyr IleNH
配列番号15
HO(O)C-(CHC(O)NH-Arg Arg Arg Arg Arg Arg Arg Ala Pro Lys Ile Val Ile Phe Lys Lys Ala Leu Ala Tyr IleNH
配列番号16
HO(O)C-(CHC(O)NH-Arg Gln Ile Lys Ile Trp Phe Gln Asn Arg Arg Met Lys Trp Lys Lys Ala Pro Lys Val Val Ile Leu Lys Lys Ala Thr Ala Tyr IleNH
配列番号17
HO(O)C-(CHC(O)NH-Arg Gln Ile Lys Ile Trp Phe Gln Asn Arg Arg Met Lys Trp Lys Lys Ala Pro Lys Ile Val Ile Phe Lys Lys Ala Leu Ala Tyr IleNH
【0178】
これらのペプチドでは、N(t)残基(すなわち、Arg)のアミノ基が-NH-スクシニル基に相当し、C(t)残基(すなわち、Ile)のカルボン酸基がアミド-CO-NHに相当する。
【0179】
本発明によるペプチドを調製するプロセスは、以下のようなものである:
(1)ペプチド若しくはその医薬塩が式(I)のものであり、「m」、「n」、「p」及び「q」が0であるか、又はペプチド若しくはその医薬塩が式(IV)のものであり、「t」及び「u」が0である場合、プロセスは1つのアミノ酸のカルボン酸基又はC末端と別のアミノ酸のアミノ基又はN末端との縮合によるカップリングを含み、このカップリング反応を所望のペプチドが得られるまで必要とされる回数繰り返す;又は代替的には、
(2)ペプチド若しくはその医薬塩が式(I)のものであり、ここで「m」、「n」、「p」及び「q」の1つが1であるか、又はペプチド若しくはその医薬塩が式(IV)のものであり、ここで「t」及び「u」の一方が1であるか、若しくは式(VIII)のものである場合、プロセスは、
(2.a)ペプチドの対応するアミノ酸と、後続の環化工程に供される(このため、「L」ビラジカルの生成に寄与する)ものである式(Va)の化合物及び式(Vb)の化合物:
【化30】
(式中、R11は上記で規定される通りであり、Z及びZは-SH、-NHR33、-OH、(C~C10)アルキル-SH、(C~C10)アルキル-OH、(C~C10)アルキル-NHR34、C(=O)OH、(C~C10)C(=O)OH、C(=O)NHR35、(C~C10)アルキルC(=O)NHR36、C(=O)SH及び(C~C10)C(=O)SHからなる群から選択され、ここでR33、R34、R35及びR36は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるモノラジカルである)との縮合によるカップリング、並びに、
(2.b)Z及びZラジカルと一般式(VI):
S-[(R-(R)-(R-T (VI)
(式中、
、R、R及び「c」は上記で規定される通りであり、「a」及び「b」は1であり、
S及びTはラジカルであり、同じか又は異なり、ハロゲン、OS(=O)37、OR38、ON(=O)、C(=O)-ハロゲン、C(=O)-OS(=O)39及びC(=O)-OR40からなる群から選択され、ここでR37、R38、R39及びR40は水素、(C~C10)アルキル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和又は芳香族であり、
環が独立しているか、部分的又は完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から独立して選択されるモノラジカルである)のリンカーとの求核反応を含む環化工程を含む;又は代替的には、
(3)ペプチド若しくはその医薬塩が式(I)のものであり、ここで「m」、「n」、「p」及び「q」の1つが1であるか、又はペプチド若しくはその医薬塩が式(IV)のものであり、ここで「t」及び「u」の一方が1である場合、プロセスは、
(3.a)ペプチドの対応するアミノ酸と、後続の環化工程に供される(このため、「L」ビラジカルの生成に寄与する)ものである式(Va)の化合物及び式(Vb)の化合物:
【化31】
(式中、R11は上記で規定される通りであり、Z及びZの一方が(C~C10)アルキニルであり、他方が(C~C10)アルキルNである)との縮合によるカップリング、並びに、
(3.b)1,4置換1,2,3-トリアゾール架橋を生成するCu(I)媒介ヒュスゲン1,3-双極子環付加反応(別名「クリック」反応)等の既知のプロトコルによるR12及びR’12ラジカルの縮合を含む環化工程(Kolb H.C. et al., "The growing impact of click chemistry on drug discovery.", 2003, Drug Discov Today, 8(24):1128-1137を参照されたい)を含む;又は代替的には、
(4)ペプチドが式(I)のものであり、ここで「m」、「n」、「p」及び「q」の1つが1であるか、又は式(IV)のものであり、ここで「t」及び「u」が1である場合、プロセスは、
(4.a)ペプチドの対応するアミノ酸と、後続の環化工程に供される(このため、「L」ビラジカルの生成に寄与する)ものである式(Va)の化合物及び式(Vb)の化合物:
【化32】
(式中、R11は上記で規定される通りであり、Z及びZは同じか又は異なり、(C~C10)アルケニルを表す)との縮合によるカップリング、並びに、
(4.b)グラブス(第1又は第2世代)触媒を用いて溶液中で行われるR12及びR’12の閉環メタセシスを含む環化工程(Kim Young-Woo et al., "Synthesis of all-hydrocarbon stapled a-helical peptides by ring-closing olefin metathesis", Nature Protocols, 2011, 6(6), p. 761-771、Scott J. M. et al., "Application of Ring-Closing Metathesis to the Synthesis of Rigidified Amino Acids and Peptides", J. Am. Chem. Soc., 1996, v.118 (40), pp 9606-9614を参照されたい)を含む。
【0180】
式(Va)及び(Vb)の化合物は市販されており、既に形成されたペプチド配列の部分に縮合によってカップリングされる。これらの式(Va)及び(Vb)の化合物は、ペプチドの適切な固相合成のためのビーズ、並びにカルボキシ、アミノ又は側鎖の保護基を保有し得る。式(Va)及び(Vb)の化合物の例示的な非限定例は、特に2-(2’-プロペニル)アラニン、2-(3’-ブテニル)グリシン、2-(4’-ペンテニル)アラニン、2-(6’-ヘプテニル)アラニン、2-(7’-オクテニル)アラニン、アリル-グリシンである。
【0181】
プロセスの工程(a)は、固相中でプロトコル「脱保護-洗浄-カップリング-洗浄」に従い、上記で規定されるアミノ酸並びに式(Va)及び(Vb)のα-α二置換(di-substituted)アミノ酸を、所望のペプチドを得るために対象の順序で使用して行うことができる。
【0182】
1つのアミノ酸のカルボン酸基と別のアミノ酸残基のアミノ基との縮合によるアミノ酸カップリングは、固相中(すなわち、樹脂上)で行うことができる。
【0183】
固相ペプチド合成の一般原理は、脱保護-洗浄-カップリング-洗浄の繰り返しサイクルのものである。固相に付着させたペプチドの遊離N末端アミンを、単一のN保護アミノ酸単位にカップリングする。次いで、この単位を脱保護し、新たなN末端アミンを露出させ、これに更なるアミノ酸を付着させることができる。アミノ酸はN末端及びC末端に反応性部分を有し、これにより合成時のアミノ酸カップリングが容易となる。多くのアミノ酸は、合成及びペプチド伸長の際に遊離末端又は他の側鎖基と相互作用し、収率及び純度に悪影響を及ぼす可能性がある反応性側鎖官能基も有する。側鎖反応性を最小限にして適当なアミノ酸合成を容易にするために、特異的なアミノ酸官能基に結合し、官能基の非特異的反応を阻止する、又は官能基を保護する化学基が開発されている。これらの保護基は天然に膨大に見られるが、以下の3つの基:N末端保護基、C末端保護基(主として液相合成に用いられる)及び側鎖保護基に分けることができる。
【0184】
ペプチドのカップリングのために、カルボキシル基が通常は活性化される。これは反応を加速するために重要である。2つの主な種類の活性化基:カルボジイミド及びトリアゾールが存在する。しかしながら、ペンタフルオロフェニルエステル(FDPP、PFPOH])及びBOP-Clの使用がペプチドの環化に有用である。
【0185】
精製した個々のアミノ酸を合成前にこれらの保護基と反応させ、その後ペプチド合成の特定の工程において選択的に除去する。
【0186】
本発明に用いることができる例示的な樹脂としては、(1)アルケニル樹脂(例えば、REM樹脂、ビニルスルホンポリマー結合樹脂、ビニル-ポリスチレン樹脂);(2)アミン官能化樹脂(例えば、アミジン樹脂、ポリマー結合型N-(4-ベンジルオキシベンジル)ヒドロキシルアミン、(アミノメチル)ポリスチレン、ポリマー結合型(R)-(+)-a-メチルベンジルアミン、2-クロロトリチルKnorr樹脂、2-N-Fmoc-アミノ-ジベンゾシクロヘプタ-1,4-ジエンポリマー結合樹脂、4-[4-(1-Fmoc-アミノエチル)-2-メトキシ-5-ニトロフェノキシ]ブチルアミドメチル-ポリスチレン樹脂、ポリマー結合型4-ベンジルオキシベンジルアミン、ポリマー結合型4-カルボキシベンゼンスルホンアミド、ポリマー結合型ビス(tert-ブトキシカルボニル)チオプソイド尿素、ジメチルアミノメチル-ポリスチレン、ポリマー結合型Fmoc-3-アミノ-3-(2-ニトロフェニル)プロピオン酸、N-メチルアミノメチル化ポリスチレン、PAL樹脂、Sieberアミド樹脂、ポリマー結合型tert-ブチルN-(2-メルカプトエチル)カルバメート、ポリマー結合型トリフェニルクロロメタン-4-カルボキサミド);(3)ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂(例えば、ポリマー結合型2-クロロベンズヒドリルクロリド、ポリマー結合型HMPB-ベンズヒドリルアミン、ポリマー結合型4-メチルベンズヒドロール、ポリマー結合型ベンズヒドリルクロリド、ポリマー結合型ベンズヒドリルアミン);(4)Br官能化樹脂(例えば、ポリマー結合型4-(ベンジルオキシ)ベンジルブロミド、4-ブロモポリスチレン、臭素化PPOA樹脂、臭素化Wang樹脂、ポリマー結合型ブロモアセタール、ブロモポリスチレン、HypoGel(商標) 200 Br、ペプチド合成用のポリスチレンA-Br、ポリマー結合型臭化セレン、TentaGel HL-Br、TentaGel MB-Br、TentaGel S-Br、TentaGel S-Br);(5)クロロメチル樹脂(例えば、ポリマー結合型5-[4-(クロロメチル)フェニル]ペンチル]スチレン、ポリマー結合型4-(ベンジルオキシ)ベンジルクロリド、ポリマー結合型4-メトキシベンズヒドリルクロリド);(6)CHO官能化樹脂(例えば、(4-ホルミル-3-メトキシフェノキシメチル)ポリスチレン、(4-ホルミル-3-メトキシフェノキシメチル)ポリスチレン、ポリマー結合型3-ベンジルオキシベンズアルデヒド、ポリマー結合型4-ベンジルオキシ-2,6-ジメトキシベンズアルデヒド、ホルミルポリスチレン、HypoGel(商標) 200 CHO、インドール樹脂、ポリスチレンA-CH(OEt)、TentaGel HL-CH(OEt));(7)Cl官能化樹脂(例えば、ポリマー結合型ベンゾイルクロリド、(クロロメチル)ポリスチレン、Merrifield樹脂);N(8)COH官能化樹脂(例えば、カルボキシエチルポリスチレン、HypoGel(商標) 200 COOH、ポリスチレンAM-COOH、TentaGel HL-COOH、TentaGel MB-COOH、TentaGel S-COOH);(9)Hypo-Gel樹脂(例えば、HypoGel(商標) 200 FMP、HypoGel(商標) 200 PHB、HypoGel(商標) 200 Trt-OH、HypoGel(商標) 200 HMB);(10)I官能化樹脂(例えば、ポリマー結合型4-ヨードフェノール、ヨードポリスチレン);Janda-Jel(商標)(JandaJel<au>-Rinkアミド、JandaJel-NH、JandaJel-Cl、JandaJel-4-メルカプトフェノール、JandaJel-OH、JandaJel-1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド、JandaJel-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-ピリミド-[1,2-a]ピリミジン、JandaJel-モルホリン、JandaJel-ポリピリジン、JandaJel-トリフェニルホスフィン、JandaJel-Wang);(11)MBHA樹脂(3[4’-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]プロピオン酸-4-メチルベンズヒドリルアミン樹脂、MBHA樹脂に結合させた4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ酢酸ポリマー、ポリマー結合型HMBA-4-メチルベンズヒドリルアミン、ポリマー結合型4-メチルベンズヒドリルアミン塩酸塩Capacity(アミン));(12)NH官能化樹脂((アミノメチル)ポリスチレン、(アミノメチル)ポリスチレン、HypoGel(商標) 200 NH、ポリスチレンAM-NH、2-アミノエチル化ポリスチレンミクロスフェア、2-ブロモエチル化ポリスチロールミクロスフェア、2-ヒドロキシエチル化ポリスチロールミクロスフェア、TentaGel HL-NH、Tentagel M Br、Tentagel M NH、Tentagel M OH、TentaGel MB-NH、TentaGel S-NH、TentaGel S-NH);(13)OH官能化樹脂(例えば、ポリマー結合型4-ヒドロキシメチル安息香酸、ヒドロキシメチル樹脂、OH官能化Wang樹脂);(14)オキシム樹脂(例えば、ポリマー結合型4-クロロベンゾフェノンオキシム、ポリマー結合型ベンゾフェノンオキシム、ポリマー結合型4-メトキシベンゾフェノンオキシム);(15)PEG樹脂(例えば、ポリマー結合型エチレングリコール);(16)Boc-/Blzペプチド合成樹脂(例えば、Boc-Lys(Boc)-Lys[Boc-Lys(Boc)]-Cys(Acm)-b-Ala-O-PAM樹脂、Boc-Lys(Fmoc)-Lys[Boc-Lys(Fmoc)]-b-Ala-O-Pam樹脂、Boc-Lys(Boc)-Lys[Boc-Lys(Boc)]-Lys{Boc-Lys(Boc)-Lys[Boc-Lys(Boc)]}-b-Ala-O-PAM樹脂、Boc-Lys(Fmoc)-Lys[Boc-Lys(Fmoc)]-Lys[Boc-Lys(Fmoc)-Lys{Boc-Lys(Fmoc)]}-b-Ala-O-PAM樹脂、Boc-Lys(Boc)-Lys[Boc-Lys(Boc)]-Lys{Boc-Lys(Boc)-Lys[Boc-Lys(Boc)]}-Cys(Acm)-b-Ala-O-PAM樹脂、プレロード型PAM樹脂);(17)Fmoc-/t-Buペプチド合成樹脂(例えば、Fmoc-Lys(Fmoc)-Lys[Fmoc-Lys(Fmoc)]-b-Ala-O-Wang樹脂、Fmoc-Lys(Fmoc)-Lys[Fmoc-Lys(Fmoc)]-Lys{Fmoc-Lys(Fmoc)-Lys[Fmoc-Lys(Fmoc)]}-b-Ala-O-Wang樹脂、プレロード型TentaGel(商標) Sトリチル樹脂、プレロード型TentaGel(商標)樹脂、プレロード型トリチル樹脂、プレロード型Wang樹脂、アミノアルコールプレロード型トリチル樹脂);(19)チオール官能化樹脂(例えば、HypoGel(商標) 200 S-Trt、ポリスチレンAM-S-トリチル、TentaGel HL-S-トリチル、TentaGel MB-S-トリチル、TentaGel S-S-トリチル);及び(20)Wang樹脂(例えば、Fmoc-Ala-Wang樹脂、Fmoc-Arg(Pbf)-Wang樹脂、Fmoc-Arg(Pmc)-Wang樹脂、Fmoc-Asn(Trt)-Wang樹脂、Fmoc-Asp(OtBu)-Wang樹脂、Fmoc-Cys(Acm)-Wang樹脂、Fmoc-Cys(StBu)-Wang樹脂、Fmoc-Cys(Trt)Wang樹脂、Fmoc-Gln(Trt)-Wang樹脂、Fmoc-Glu(OtBu)-Wang樹脂、Fmoc-Gly-Wang樹脂、Fmoc-His(Trt)-Wang樹脂、Fmoc-Ile-Wang樹脂、Fmoc-Leu-Wang樹脂、Fmoc-Lys(Boc)-Wang樹脂、Fmoc-Met-Wang樹脂、Fmoc-D-Met-Wang樹脂、Fmoc-Phe-Wang樹脂、Fmoc-Pro-Wang樹脂、Fmoc-Ser(tBu)-Wang樹脂、Fmoc-Ser(Trt)-Wang樹脂、Fmoc-Thr(tBu)-Wang樹脂、Fmoc-Trp(Boc)Wang樹脂、Fmoc-Trp-Wang樹脂、Fmoc-Tyr(tBu)-Wang樹脂、Fmoc-Val-Wang樹脂)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0187】
「保護基」(PG)は、分子中の反応性基に付着して、その反応性を遮断、低減又は阻止する原子団を指す。
【0188】
好適なアミノ保護基としては、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバメート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバメート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバメート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバメート(t-Bumeoc)、2-(2’-及び4’-ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t-ブチルカルバメート(BOC)、1-アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8-キノリルカルバメート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p-ニトロベンジルカルバメート、p-ブロモベンジルカルバメート、p-クロロベンジルカルバメート、2,4-ジクロロベンジルカルバメート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9-アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2-メチルチオエチルカルバメート、2-メチルスルホニルエチルカルバメート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバメート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバメート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5-ベンズイソオキサゾリルメチルカルバメート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバメート、3,5-ジメトキシベンジルカルバメート、o-ニトロベンジルカルバメート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル-(10)-カルボニル誘導体、N’-p-トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’-フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t-アミルカルバメート、S-ベンジルチオカルバメート、p-シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p-デシルオキシベンジルカルバメート、2,2-ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1-ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバメート、2-フラニルメチルカルバメート、2-ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p-(p’-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1-メチルシクロブチルカルバメート、1-メチルシクロヘキシルカルバメート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバメート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバメート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバメート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6-トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトロフェニルアセトアミド、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’-ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロシンナミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミド、o-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロリン-3-イル)アミン、第四級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、Nトリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN’-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N’,N’-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボリン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタカルボニルクロム-又はタングステン)カルボニル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,-トリチメル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4’,8’-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド及びフェナシルスルホンアミドが挙げられる。
【0189】
適切に保護されたカルボン酸の例としては、シリル、アルキル、アルケニル、アリール及びアリールアルキルで保護されたカルボン酸が更に挙げられるが、これらに限定されない。好適なシリル基の例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリル等が挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、トリチル、t-ブチル、テトラヒドロピラン-2-イルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、アリルが挙げられる。好適なアリール基の例としては、任意に置換されたフェニル、ビフェニル又はナフチルが挙げられる。好適なアリールアルキル基の例としては、任意に置換されたベンジル(例えば、p-メトキシベンジル(MPM)、3,4-ジメトキシベンジル、O-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル)、並びに2-及び4-ピコリルが挙げられる。
【0190】
式(I)のペプチドについて「m」、「n」、「p」及び「q」が0である場合、又は式(IV)のペプチドについて「t」及び「u」が0である場合に、ペプチドは上記に開示するように固相中で合成する。
【0191】
本発明は、本明細書に提示されるペプチドのいずれかを含む融合タンパク質も提供する。融合タンパク質は、上記に提示する態様及び実施形態のいずれかのペプチドによって示される活性を示す。本発明のペプチドを対象の別のペプチドに融合する日常技法がある。
【0192】
第4の態様では、本発明は、医薬又は動物用組成物を提供する。
【0193】
本明細書で使用される「治療有効量」という表現は、投与した場合に、対処される疾患の1つ以上の症状の発症を予防するか、又は或る程度軽減するのに十分な化合物の量を指す。本発明に従って投与される化合物の特定の用量は当然ながら、投与される化合物、投与の経路、治療される特定の病態及び同様の考慮事項を含む、その事例を取り巻く特定の状況によって決まる。
【0194】
「薬学的に許容可能な添加剤又は担体」という表現は、薬学的に許容可能な材料、組成物又はビヒクルを指す。各構成成分は、医薬組成物の他の成分に適合するという意味で薬学的に許容可能でなくてはならない。各構成成分はまた、過大な毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性又は他の問題若しくは合併症なしにヒト及び動物の組織又は器官と接触させた使用に好適であり、適切なベネフィット/リスク比に見合う必要がある。同様に、「獣医学的に許容可能な」という用語は、非ヒト動物と接触させた使用に好適であることを意味する。好適な薬学的に許容可能な添加剤の例は溶媒、分散媒、希釈剤、又は他の液体ビヒクル、分散助剤若しくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤若しくは乳化剤、防腐剤、固体結合剤、滑沢剤等である。任意の従来の添加剤媒体が、例えば任意の望ましくない生物学的作用を生じるか、又は医薬組成物の任意の他の構成成分(複数の場合もある)と他の形で有害に相互作用することによって物質又はその誘導体と適合しない場合を除き、その使用は本発明の範囲内であることが企図される。
【0195】
本明細書に記載の医薬組成物の配合物は、薬理学の技術分野で既知の又は将来開発される任意の方法によって調製することができる。概して、かかる調製方法は、活性成分を添加剤及び/又は1つ以上の他の副成分と合わせる工程と、次いで必要及び/又は所望に応じて、生成物を所望の単回又は複数回投与単位に成形及び/又は包装する工程とを含む。
【0196】
本発明の医薬組成物は、単回単位用量及び/又は複数の単回単位用量として大量に調製、包装及び/又は販売することができる。本明細書で使用される場合、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む医薬組成物の個々の量である。活性成分の量は概して、被験体に投与される活性成分の投与量、及び/又はかかる投与量の好都合な一部分、例えばかかる投与量の2分の1又は3分の1に等しい。
【0197】
本発明の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容可能な添加剤及び/又は任意の付加的な成分の相対量は、治療される被験体の個性、大きさ及び/又は状態に応じ、更には組成物を投与する経路に応じて異なる。
【0198】
医薬組成物の製造に使用される薬学的又は獣医学的に許容可能な添加剤としては、不活性希釈剤、分散剤及び/又は造粒剤、界面活性剤及び/又は乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、滑剤、及び/又は油が挙げられるが、これらに限定されない。かかる添加剤は、本発明の配合物に任意に含まれ得る。ココアバター及び坐剤蝋、着色料、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び着香剤等の添加剤が配合者の判断に従って組成物中に存在していてもよい。
【0199】
例示的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉糖及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
例示的な造粒剤及び/又は分散剤としては、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、柑橘類果肉(citrus pulp)、寒天、ベントナイト、セルロース及び木製品、天然海綿、陽イオン交換樹脂、炭酸カルシウム、シリケート、炭酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン)(クロスポビドン)、ナトリウムカルボキシメチルデンプン(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微結晶性デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、並びにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
例示的な界面活性剤及び/又は乳化剤としては、天然乳化剤(例えば、アラビアゴム、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、蝋及びレシチン)、コロイド粘土(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)及びVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル及びモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー及びカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 80)、モノパルミチン酸ソルビタン(Span 40)、モノステアリン酸ソルビタン(Span 60)、トリステアリン酸ソルビタン(Span 65)、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン(Span 80))、ポリオキシエチレンエステル(例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj 45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシ化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシメチレン及びSolutol)、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij 30))、ポリ(ビニル-ピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F 68、ポロキサマー188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム等、及び/又はそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0202】
例示的な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ及びデンプン糊);ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、モラセス、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);天然及び合成ゴム(例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワールゴム(panwar gum)、ガッチゴム、イサポール(isapol)外皮の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)及びカラマツアラビノガラクタン;アルギネート;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリレート;蝋;水;アルコール;並びにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0203】
例示的な防腐剤としては、酸化防止剤、キレート剤、抗微生物性防腐剤、抗真菌性防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤及び他の防腐剤を挙げることができる。例示的な酸化防止剤としては、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸及びエデト酸三ナトリウムが挙げられる。例示的な抗微生物性防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール及びチメロサールが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な抗真菌性防腐剤としては、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム及びソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアルコール防腐剤としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート及びフェニルエチルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な酸性防腐剤としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸及びフィチン酸が挙げられるが、これらに限定されない。他の防腐剤としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon及びEuxylが挙げられるが、これらに限定されない。或る特定の実施形態では、防腐剤は酸化防止剤である。他の実施形態では、防腐剤はキレート剤である。
【0204】
例示的な緩衝剤としては、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、第二リン酸カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、リン酸水酸化カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、第二リン酸カリウム、第一リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱性物質除去水、等張食塩水、リンガー液、エチルアルコール及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0205】
例示的な滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、硬化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0206】
例示的な油としては、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、クロフサスグリ種子、ルリチシャ、カデ、カモミール、キャノーラ、カラウェー、カルナウバ、ヒマシ、桂皮、ココアバター、ヤシ、タラ肝、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヒョウタン(gourd)、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、アオモジ、マカデミアナッツ、マロー、マンゴー種子、メドウフォーム種子、ミンク、ニクズク、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、モモ核、ピーナッツ、ケシ種子、カボチャ種子、ナタネ、ぬか、ローズマリー、ベニバナ、ビャクダン、サザンカ(sasquana)、セイバリー(savoury)、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、ダイズ、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチバー、クルミ及び小麦胚芽の油が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な油としては、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0207】
経口投与及び非経口投与用の液体投薬形態としては、薬学的又は獣医学的に許容可能なリポソームエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが挙げられるが、これらに限定されない。活性成分に加えて、液体投薬形態は当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物を含んでいてもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、並びに着香剤等の補助剤を含んでいてもよい。非経口投与のための或る特定の実施形態では、本発明のコンジュゲートを可溶化剤、例えばポリエトキシ化ヒマシ油(例えば、CREMOPHOR(商標))、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー及びそれらの組合せと混合する。
【0208】
注射用調製物、例えば滅菌注射用水性又は油性懸濁液は、既知の技術に従い、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて配合することができる。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中の、例えば1,3-ブタンジオール溶液としての滅菌注射用溶液、懸濁液又はエマルションであり得る。用いることができる許容可能なビヒクル及び溶媒には、水、リンガー液、U.S.P.及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌不揮発性油が溶媒又は懸濁媒体として従来用いられている。この目的で、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油を用いることができる。加えて、オレイン酸等の脂肪酸が注射剤の調製に使用される。代替的には、調製物はリポソームの形態であってもよい。
【0209】
注射用配合物は、例えば細菌保持フィルターを通した濾過、又は使用前に滅菌水若しくは他の滅菌注射用媒体に溶解若しくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
【0210】
薬物の効果を持続させるために、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましいことが多い。これは、水溶性が低い結晶性又は非晶質物質の液体懸濁液を使用することによって達成することができる。この場合、薬物の吸収速度はその溶解速度に応じて異なり、溶解速度は結晶サイズ及び結晶形態によって異なり得る。代替的には、非経口的に投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解又は懸濁させることによって達成される。
【0211】
経口投与用の固体投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、粉末及び顆粒が挙げられる。かかる固体投薬形態では、活性成分をクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム等の少なくとも1つの不活性の薬学的に許容可能な添加剤、及び/又はa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸等の充填剤又は増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース及びアラビアゴム等の結合剤、c)グリセロール等の保湿剤(humectants)、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン、アルギン酸、或る特定のケイ酸塩及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶解遅延剤(solution retarding agents)、f)第四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)例えばセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール等の湿潤剤、h)カオリン及びベントナイト粘土等の吸収剤、並びにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物等の滑沢剤と混合する。カプセル、錠剤及び丸剤の場合、投薬形態は緩衝剤を含んでいてもよい。
【0212】
同様のタイプの固体組成物を、ラクトースすなわち乳糖及び高分子量ポリエチレングリコール等のような添加剤を用いる軟及び硬ゼラチンカプセルに充填剤として用いることができる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤及び顆粒の固体投薬形態は腸溶コーティング及び医薬配合技術分野で既知の他のコーティング等のコーティング及びシェルを用いて調製することができる。これらは任意に乳白剤を含んでいてもよく、活性成分(複数の場合もある)を腸管の或る特定の部分でのみ又はそこで優先的に、任意に遅延させて放出する組成であってもよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質及び蝋が挙げられる。同様のタイプの固体組成物を、ラクトースすなわち乳糖及び高分子量ポリエチレングリコール等のような添加剤を用いる軟及び硬ゼラチンカプセルに充填剤として用いることができる。
【0213】
本発明のペプチドは、上記の1つ以上の添加剤とのマイクロカプセル化形態であってもよい。一実施形態では、本発明のペプチドはリポソーム中に配合される。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤及び顆粒の固体投薬形態は腸溶コーティング、放出制御コーティング及び医薬配合技術分野で既知の他のコーティング等のコーティング及びシェルを用いて調製することができる。かかる固体投薬形態では、活性成分をスクロース、ラクトース又はデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混和させることができる。かかる投薬形態は、通常の慣行として、不活性希釈剤以外の付加的な物質、例えばステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロース等の錠剤化滑沢剤(tableting lubricants)及び他の錠剤化助剤(tableting aids)を含んでいてもよい。カプセル、錠剤及び丸剤の場合、投薬形態は緩衝剤を含んでいてもよい。これらは任意に乳白剤を含んでいてもよく、活性成分(複数の場合もある)を腸管の或る特定の部分でのみ又はそこで優先的に、任意に遅延させて放出する組成であってもよい。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質及び蝋が挙げられる。
【0214】
本発明のペプチド及び医薬組成物を併用療法に用いることができることが理解されよう。併用レジメンに用いられる療法(治療法又は処置)の特定の組合せには、所望の治療法及び/又は処置の適合性、並びに達成すべき所望の治療効果が考慮に入れられる。用いられる療法は、同じ目的で所望の効果を達成するものであっても(例えば、腫瘍の検出に有用な本発明のコンジュゲートを、腫瘍を検出するのに有用な別の作用物質と同時に投与することができる)、又は異なる効果(例えば、任意の有害作用の制御)を達成するものであってもよいことが理解されよう。
【0215】
本発明の医薬組成物は、単独で又は1つ以上の他の治療剤と組み合わせて投与することができる。「と組み合わせて」とは、作用物質を同時に投与するか、及び/又は共に送達されるように配合しなければならないことを意味することを意図するものではないが、これらの送達方法は本発明の範囲内である。組成物は1つ以上の他の所望の治療法又は医療処置と同時に、その前に又はその後に投与することができる。概して、各作用物質は、その作用物質について決定された用量及び/又はタイムスケジュールで投与される。付加的に、本発明は、本発明の医薬組成物のバイオアベイラビリティを改善する、それらの代謝を低減及び/又は変更する、それらの排出を阻害する、及び/又はそれらの体内での分布を変更することができる作用物質と組み合わせた本発明の医薬組成物の送達を包含する。
【0216】
併用レジメンに用いられる療法の特定の組合せには、所望の治療法及び/又は処置の適合性、及び/又は達成すべき所望の治療効果が考慮に入れられる。用いられる療法は、同じ障害に対する所望の効果を達成するものであっても(例えば、本発明のポリペプチドを同じ障害の治療に使用される別の生物活性物質と同時に投与することができる)、及び/又は異なる効果(例えば、任意の有害作用の制御)を達成するものであってもよいことが理解されよう。この組合せで利用される生物活性物質を単一の組成物中で共に投与しても、又は異なる組成物中で別個に投与してもよいことが更に理解されよう。
【0217】
「と組み合わせて」という表現は、本発明のペプチドと、特に治療剤又はペプチドのプロファイル(バイオアベイラビリティ等)を改善する作用物質であり得る上述及び下述の更なる作用物質のいずれかとを(化学的-物理的相互作用により)コンジュゲートする可能性も包含する。
【0218】
一実施形態では、本発明のペプチドを1つ以上の抗癌剤と組み合わせて投与する。抗癌剤は、例えばメトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、糖不含クロロエチルニトロソウレア、5-フルオロウラシル、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、タキソール、フラジリン(fragyline)、メグラミン(Meglamine)GLA、バルルビシン、カルムスチン及びポリフェプロザン、MMI270、BAY 12-9566、RASファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメテキソール(Lometexol)、グラモレク(Glamolec)、CI-994、TNP-470、ハイカムチン/トポテカン、PKC412、バルスポダル/PSC833、ノバントロン/ミトロキサントロン(Mitroxantrone)、メタレット(Metaret)/スラミン、バチマスタット、E7070、BCH-4556、CS-682、9-AC、AG3340、AG3433、インセル(Incel)/VX-710、VX-853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マルミスタット(Marmistat)、BB2516/マルミスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX895 if、Lemonal DP 2202、FK 317、ピシバニール/OK-432、AD 32/バルルビシン、メタストロン/ストロンチウム誘導体、テモダール/テモゾロミド、エバセット(Evacet)/リポソームドキソルビシン、イエウタキサン/パクリタキセル、タキソール/パクリタキセル、キセロード(Xeload)/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス(Cyclopax)/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU-077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP-358(774)/EGFR、CP-609(754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS-182751/経口白金、UFT(テガフール/ウラシル)、エルガミソール(Ergamisol)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FUエンハンサー、カンプト/レバミゾール、カンプトサル(Camptosar)/イリノテカン、ツモデクス(Tumodex)/ラリトレキセド、ロイスタチン/クラドリビン、パキセクス(Paxex)/パクリタキセル、ドキシル/リポソームドキソルビシン、カエリックス(Caelyx)/リポソームドキソルビシン、フルダラ/フルダラビン、ファルマルビシン(Pharmarubicin)/エピルビシン、DepoCyt、ZD1839、LU 79553/ビス-ナフタルイミド、LU 103793/ドラスタイン(Dolastain)、カエチクス(Caetyx)/リポソームドキソルビシン、ジェムザール/ゲムシタビン、ZD 0473/アノルメド(Anormed)、YM 116、ヨウ素シード、CDK4及びCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォサミド(Dexifosamide)、イフェス(Ifes)/メスネクス(Mesnex)/イホスファミド、ブモン(Vumon)/テニポシド、パラプラチン/カルボプラチン、プランチノール(Plantinol)/シスプラチン、ベペシド/エトポシド、ZD 9331、タキソテール/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサン類似体、ニトロソウレア、メルファラン及びシクロフォスファミド等のアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブシル、シタラビンHCl、ダクチノマイシン、ダウノルビシンHCl、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エトポシド(VP16-213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5-FU)、フルタミド、ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)、イホスファミド、インターフェロンα-2a、α-2b、酢酸ロイプロリド(LHRH放出因子類似体)、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミンHCl(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ、ミトタン(o.p-DDD)、ミトキサントロンHCl、オクトレオチド、プリカマイシン、プロカルバジンHCl、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m-AMSA)、アザシチジン、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(メチル-GAG;メチルグリオキサールビス-グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(2’-デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル-CCNU)、テニポシド(VM-26)又は硫酸ビンデシン、シグナル伝達阻害剤(MEK、BRAF、AKT、her2、mTOR及びPI3K阻害剤等)であり得るが、そのように限定されない。
【0219】
下記に説明するように、本発明のペプチドは白血病、乳癌、肺癌、骨髄腫及びリンパ腫からなる群から選択される癌の治療に有用である。
【0220】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」という単語及びこの単語の変化形は他の技術的特徴、添加物、構成成分又は工程を除外することを意図したものではない。さらに、「含む」という単語は、「からなる(consisting of)」という場合も包含する。本発明の付加的な目的、利点及び特徴が本明細書を検討することで当業者に明らかとなるか、又は本発明の実施によって理解され得る。以下の実施例は実例として提示され、本発明を限定することを意図したものではない。さらに、本発明は本明細書に記載される特定の好ましい実施形態の考え得る全ての組合せを包含する。
【実施例
【0221】
1. 材料及び方法
合成基本手順
化合物IDP-L05、IDP-L06、IDP-L08、IDP-L09、IDP-L10、IDP-L11、IDP-L12、IDP-L13、IDP-L14a、IDP-L15、IDP-L16、IDP-L17
材料は以下のように購入した:Fmoc保護α-アミノ酸(---);RinkアミドMBHA樹脂(Tianjin Nankai HECHENG S&T Co., Ltd);HBTU((2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、GL Biochem);N-メチルモルホリン(Sinopharm Chemical Reagent Co., Ltd.);無水コハク酸(Aladdin);アセトニトリル(Xingke Chemical);ニンヒドリン(Sinopharm Chemical Reagent Co., Ltd.);ピペリジン(Vertellus);ジメチルホルムアミド、DMF(Zhejiang jiangshan chemical co., Ltd);トリフルオロ酢酸、TFA(トリフルオロ酢酸、Solvay)、TIS(チオアニソール、Solvay)。
【0222】
簡潔に述べると、線状ポリペプチドを支持体としてのRinkアミドMBHA樹脂上でFmocベースSPPS(固相ペプチド合成)を用いて手動合成した。
【0223】
以下のプロトコルを用いた:
1. Fmoc保護基をDMF中の20%ピペリジンにより除去した。
2. 樹脂をDMFで5回洗浄した。
3. その後のFmoc保護アミノ酸をFmoc-AA(3当量)、HBTU(3当量)及びN-メチルモルホリン(6当量)を用いて45分間カップリングした。
4. 樹脂をDMFで5回洗浄した。カップリングをニンヒドリン試験によって確認した。
5. 工程1から繰り返す。
6. N末端を、無水コハク酸(10当量)及びN-メチルモルホリン(10当量)と反応させることによってキャッピングした。
【0224】
ペプチドを樹脂から切断し、溶液F(95%TFA、2.5%水、2.5%TIS)に曝露することによって脱保護し、凍結乾燥した。
【0225】
凍結乾燥したペプチドを、C18カラムを用いた逆相HPLCによって精製した(詳細については化合物の特性評価を参照されたい)。ペプチドをLC-MS-ESIによって同定した。全化合物の全質量スペクトルデータを下記表3に示す。
【0226】
化合物IDP-S01、IDP-S02、IDP-S03、IDP-S04、IDP-S08、IDP-S09、IDP-S12、IDP-S13、IDP-S14、IDP-S311、IDP-S-312及びIDP-S313
材料は以下のように購入した:Fmoc保護α-アミノ酸(オレフィンアミノ酸Fmoc-[(S)-2-(4ペンテニル)アラニン]OH、Fmoc-[(R)-2-(4ペンテニル)アラニン]OH、Fmoc-[(S)-2-(7オクテニル)アラニン]OH、Fmoc-[(R)-2-(4ペンテニル)アラニン]OHを含む)、2-(6-クロロ-1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(TBTU)、樹脂、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,2-ジクロロエタン(DCE)、グラブスRu(IV)触媒及びピペリジンは種々の供給業者から購入した。
【0227】
簡潔に述べると、線状ポリペプチドを、Fmoc固相ペプチド化学を用いて自動合成装置により合成した。オレフィンアミノ酸とのカップリングのみを、樹脂を反応器から取り出した後に前項に開示されるように手動で行った。
【0228】
閉環メタセシス反応を、Scott J. M.ら(Scott J. M. et al., "Application of Ring-Closing Metathesis to the Synthesis of Rigidified Amino Acids and Peptides", 1996, J. Am. Chem. Soc., 1996, 118 (40), pp 9606-9614)によって開示されるように、線状ペプチドを樹脂から切断した後に第1世代グラブス触媒により溶液中で行った。
【0229】
脱保護されたペプチドを、メチル-tert-ブチルエーテルにより4℃で沈殿させ、凍結乾燥した。
【0230】
凍結乾燥したペプチドを、C18カラムを用いた逆相HPLCによって精製した(詳細については化合物の特性評価を参照されたい)。ペプチドをLC-MS-ESIによって同定した。全化合物の全質量スペクトルデータを下記表3に示す。
【0231】
HPLC条件:
IDP-L05。化合物を、20分間で20%→40%のBの線形勾配(R.T.=8.84)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード96.67%;
IDP-L06。化合物を、30分間で18%→38%のBの線形勾配(R.T.=21.35)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.62%;
IDP-L08。化合物を、30分間で22%→42%のBの線形勾配(R.T.=22.43)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード98.66%;
IDP-L09。化合物を、20分間で22%→42%のBの線形勾配(R.T.=13.07)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.4%;
IDP-L10。化合物を、30分間で18%→38%のBの線形勾配(R.T.=23.35)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.62%;
IDP-L11。化合物を、30分間で18%→38%のBの線形勾配(R.T.=21.35)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.62%;
IDP-L12。化合物を、30分間で18%→38%のBの線形勾配(R.T.=21.35)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.62%;
IDP-L13。化合物を、30分間で18%→38%のBの線形勾配(R.T.=21.35)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.62%;
IDP-L14a。化合物を、20分間で23%→33%のBの線形勾配(R.T.=5.97)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード96.49%;
IDP-L15。化合物を、20分間で24%→34%のBの線形勾配(R.T.=14.52)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード99.75%;
IDP-L16。化合物を、20分間で25%→35%のBの線形勾配(R.T.=8.02)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード99.03%;
IDP-L17。化合物を、20分間で25%→35%のBの線形勾配(R.T.=13.68)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード98.14%;
IDP-S01。化合物を、8分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=5.01)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.41%;
IDP-S02。化合物を、20分間で0%→100%のBの線形勾配(R.T.=11.48)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード94.9%;
IDP-S03。化合物を、8分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=5.62)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード94.56%;
IDP-S04。化合物を、20分間で5%→100%のBの線形勾配(R.T.=11.08)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.5%;
IDP-S08。化合物を、8分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=5.57)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード96.66%;
IDP-S09。化合物を、12分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=6.55)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.05%;
IDP-S12。化合物を、12分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=6,81,48)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード97.3%;
IDP-S13。化合物を、12分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=7.18)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.32%;
IDP-S14。化合物を、12分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=7.63)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード96.67%;
IDP-S311。化合物を、12分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=6.58)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード96.48%;
IDP-S312。化合物を、12分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=6.81)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.6%;及び、
IDP-S313。化合物を、20分間で36%→46%のBの線形勾配(R.T.=9.98)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード98.20%。
【0232】
【表3】
【0233】
細胞株:
A549、上皮(肺癌)、ATCC:CCL-185
HL-60、前骨髄芽球(promyeloblast)(急性骨髄性白血病、AML)、ECACC:98070106
MCF-7、上皮(乳癌)、ECACC:86012803
MM.1S、Bリンパ芽球(多発性骨髄腫)、ATCC:CRL-2974
RAMOS、Bリンパ球(バーキットリンパ腫)、ATCC:CRL-1596
BJ、線維芽細胞(正常皮膚)、ATCC(商標) CRL-2522(商標)
【0234】
細胞培養
細胞株A549、MCF-7及びRAMOSは、インキュベーターにおいて10%不活性化ウシ胎仔血清(FBS)(Gibco-BRL 10106-169)を含むDMEM高グルコース(ダルベッコ変法イーグル溶液、Gibco-BRL 31966-21)培地中、CO(6%)下、37℃で培養した。細胞株HL-60及びMM.1Sは、インキュベーターにおいて10%不活性化ウシ胎仔血清(FBS)及び2mMグルタミン(Sigma G7513)を含むRPMI-1640(Sigma R8758)培地中、37℃で培養した。細胞株BJは、インキュベーターにおいて10%不活性化ウシ胎仔血清(FBS)(Gibco-BRL 10106-169)を含むイーグル最小必須培地(Sigma、M-2279)中、CO(6%)下、37℃で培養した。
【0235】
増幅工程及びアッセイの際に、接着細胞をDPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、Sigma D1283)で3回すすぎ、その後、37℃で5分間トリプシン((0.5g/ml)/EDTA(0.2g/ml))(Gibco-BRL、15400054)のDPBS溶液により処理し、分離した後、培養培地に移した。非接着細胞を遠心分離し、培養培地に移した。細胞をトリパンブルーで標識した後にノイバウエルチャンバ内で計数した。生存性が90%を上回る場合にのみ各アッセイを行った。
【0236】
生存性アッセイ
A549、MCF-7及びJB細胞は96ウェルプレートにおいて100μlの培地中5000細胞/ウェルの密度、HL-60、MM.1S及びRamosは10000細胞/ウェルの密度で播種した。24時間後に、試験対象の化合物を添加し、用量/応答曲線を100μMの出発濃度で段階希釈(1:1)により算出した。対照は非処理細胞である。各実験を三連で行った。
【0237】
細胞をインキュベーターにおいてCO雰囲気下、37℃で72時間インキュベートした。細胞生存性をMTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイ、Alamar Blue(商標)(Biosource DAL1100)及びヘキソサミニダーゼ活性試験を用い、製造業者の説明書に従って連続的に測定した。
【0238】
アッセイ手順は以下の通りである:
【0239】
MTT:1. MTTのストック溶液(475989 Calbiochem)は、1倍PBS中5mg/mlであった。陰性対照(実験ノイズ)として、3つのウェルを20μl/ウェルの10%SDSのHO溶液で処理した。同じ対照をAlamar Blue/ヘキソサミニダーゼについても使用した。10μl/ウェルのMTT溶液を添加し、プレートを3時間~4時間インキュベートした。培地を捨て、100μlの抽出バッファー(1倍PBS、15%SDS、50%Na N,N-ジメチルホルムアミド、pH4.7)を各ウェルに添加した。プレートを室温で16時間、軌道振盪(orbital shaking)下でインキュベートした。570nmでの吸光度を最後に測定した。
【0240】
Alamar Blue:10μlのAlamar Blue溶液を各ウェルに添加し、
プレートを4時間インキュベーターにおいてインキュベートした。535/590(励起/発光)での蛍光比をCytofluor(Millipore)蛍光光度計で測定した。ブランク対照を、Alamar Blue溶液を添加する直前に濃度2%のTriton X100による非処理細胞の溶解によって測定した。
【0241】
ヘキソサミニダーゼ活性試験:Alamar Blueレクチャー後に、培地を捨て、プレートをPBSで1回すすいだ。60μlのヘキソサミニダーゼ基質(7.5mM p-ニトロフェノール-N-アセチル-β-D-グルコサミド(Sigma N-9376)、0.1Mクエン酸ナトリウム(pH5.0)、0.25%Triton X-100)を各ウェルに添加し、細胞型に応じてプレートを37℃で2時間~5時間インキュベートした(ヘキソサミニダーゼ活性は細胞型に応じて変化する)。インキュベーション時間後に、90μlの発色(revealing)溶液(50mMグリシン(pH10.4);5mM EDTA)を各ウェルに添加し、410nMでの吸光度を測定した。ブランク対照は上記と同じにした。
【0242】
統計
データ分析を行い、100%に等しいとみなした陰性対照の値に対して正規化した細胞生存性のパーセンテージを算出した。用量/応答曲線をS字方程式用量応答(可変傾斜)によりフィッティングし、EC50値を以下のように算出した:
Y=最小(Bottom)+(最大(Top)-最小)/(1+10^{[(LogEC50-X)ヒル勾配(HillSlope)]}
(式中、Xは化合物濃度(対数スケール)であり、Yは応答である)
【0243】
算出及びグラフは、GraphPad Prism(Windows用Prism 6)を用いて行った。
【0244】
作用機構 - APO-One(商標) Caspase 3/7
PromegaのApo-ONE(商標) Homogeneous Caspase-3/7 Assay Kitを使用した。細胞株HL-60、MM.1Sを、底面が透明の96ウェル不透明黒色プレートにおいて50μlの培地中15000細胞/ウェルの密度で播種した。24時間後に、表4に報告した濃度の化合物をウェルに添加した。
【0245】
【表4】
【0246】
非処理細胞を陰性対照として使用し、スタウロスポリン(1μM)で処理した細胞を陽性対照として使用した。ブランクは、細胞を含まない細胞培養培地を含むApo-ONE(商標) Caspase-3/7試薬とした。各実験を三連で行った。
【0247】
細胞をインキュベーターにおいてCO雰囲気下、37℃で4時間、8時間及び(y)16時間インキュベートした。その後、50μlのApo-ONE(商標) Caspase-3/7試薬(ローダミン110、ビス-(N-CBZ-L-アスパルチル-L-グルタミル-L-バリル-L-アスパラギン酸アミド;Z-DEVD-R110)を添加した。サンプルを、プレートシェーカーを用いて300rpm~500rpmで読み取り時間まで穏やかに混合した。プレートをインキュベートし、1時間~24時間分析し、最適なインキュベーション期間を決定した。各ウェルの蛍光を測定した(励起/発光、499nm/521nm)。
【0248】
統計
報告したデータは、各条件の3回の実験の平均を表す。エラーバーは標準偏差を表す。対応のない両側スチューデントt検定を適用し、データセット間の有意差(p値)をGraphPad Prism(Windows用Prism 6)を用いて評価した。
【0249】
フローサイトメトリーによるアネキシンVアッセイ
Miltenyi BiotecのアネキシンV-FITC Kitを使用した。早期のアポトーシスを検出するために、原形質膜局在におけるホスファチジルセリンをアネキシンVとのカルシウム依存性反応により測定した。アネキシンV分子を種々のフルオロフォア(FITC)で標識し、FACSによって分析した。後期のアポトーシスを検出するために、ヨウ化プロピジウム(PI)等のDNA挿入剤を使用した。
【0250】
細胞を12ウェルプレートにおいて150000細胞/ウェル~30000細胞/ウェルの密度範囲で播種し、インキュベーターにおいてCO雰囲気下、37℃でインキュベートした。24時間後に、4時間、8時間、18時間、48時間及び72時間の時点での処理を細胞株A549、HL-60及びMM.1SではIC30及び/又はIC80で化合物IDP-S09及びIL-09を用い、細胞株HL-60及びMM.1Sでは化合物IDP-S04を用い、細胞株A549では化合物IDP-S02及びIDP-S03を用いて行った。スタウロスポリン及び化合物100258-F4(Sigma)を、それぞれ陽性対照及び参照化合物として使用した。
【0251】
安定性試験
試薬:ACN LC-MS(Scharlab AC03712500);MeOH LC-MS(Scharlab ME03262500);IPA LC-MS(Scharlab ALO3262500);HCOOH(Carlo Erba 405792);DPBS(Lonza BE17-512F);抗凝血剤としてEDTAK2を含むヒト血漿は、Hospital de la Santa Creu i Sant Pau, C/. Sant Antoni Maria Claret 167, Pavello Sant Frederic, 08025 BarcelonaにあるCentre d’Investigacio de Medicamentsによって供給された。血漿は2015年2月1日に健常患者から抽出した。これを実験日まで-20℃で維持した。
【0252】
8つの非ゼロ濃度レベル(P1~P8)の検量線を、S09について5μM~100μMの濃度間隔で作成した。1つのDPBSのブランクサンプルも含めた。全ての較正サンプルを二連で分析した。較正標準サンプルは、30μLの各較正溶液(P1~P8及びブランク)を270μLのヒト血漿に添加することによって調製した。インキュベーション用のサンプルは、15μLのS09の1mM溶液を135μLのヒト血漿(最終濃度100μM)に添加して調製した。15個のサンプルを調製した。サンプルを0時間、0.5時間、2時間、6時間及び24時間にわたって37℃でインキュベートした(3つの反復試験片を各インキュベーション時間について調製した)。
【0253】
ヒト血漿サンプル(ブランク、較正標準及びインキュベーションサンプル)の125μLアリコートを、Sirocco(商標) Protein Precipitationプレート(Waters)を用いて処理した。375μLのACNをSiroccoプレートの各ウェルに添加した。次いで、サンプルを約5分間、真空(8mm Hg~10mm Hg)を適用して濾過した。濾液を窒素定常流(40℃)下で蒸発させ、分析のために150μLのMeOH:HO 0.1%HCOOHで再構成した。サンプルをUPLC(ACQUITY Ultra Performance LC-MS/MS(API 3000))によって分析した。
【0254】
8分間で5%→95%のBの線形勾配(R.T.=5.95)を用いたUPLC条件(X-Bridge C18カラム;ポンプA:0.1%ギ酸を含むHO;ポンプB:0.1%ギ酸を含むアセトニトリル)。異なる時点でのS09のピークに対応する正規化パーセンテージ積分面積の平均(3回の実験による)を下記表11に報告する。
【0255】
2. 結果
2.1 有効性の結果
実験データを下記表5及び表6にまとめる。
【0256】
【表5】
【0257】
【表6】
【0258】
【表7】
【0259】
参照化合物:陽性対照としてのInt-HI-S6A-F8阻害剤(化合物はEnzo Technologyから購入した);活性参照化合物としての10058-F4(Sigmaから購入した)。
【0260】
これらのデータから導き出すことができるように、本発明のペプチドは、より良好な特異性及び感受性を示す。
【0261】
上記の点に加えて、ペプチドL10(配列番号18)、L11(配列番号33)、L12(配列番号19)、L13(配列番号32)及びS13(配列番号4)が不活性であることが見出された。しかしながら、正確なL12の突然変異及びS13と同じ位置のステープルを含むS04を合成した場合、得られるペプチドは驚くべきことに、幾つかの腫瘍細胞株に対して活性であった:
【0262】
【表8】
【0263】
2.2 APO-One(商標) Caspase 3/7の結果
領域A及びB:HL60及びMM.1S細胞を、以下の表7に示すようにIC80に対応する濃度の化合物IDP-S04及びIDP-S09とインキュベートした。
【0264】
【表9】
【0265】
応答を3つのインキュベーション時間(4時間、8時間及び16時間)で測定した。最良の条件は、8時間での測定であった。図1に示されるように、IDP-S04は両方の細胞株でアポトーシスを誘導し、IDP-S09はMM.1Sにおいて顕著な効果を示す。
【0266】
2.3 FACSによるアネキシンVの結果
IDP-S04を、HL-60(表8を参照されたい)及びMM.1S(表9を参照されたい)細胞株に対して試験した。アポトーシスの誘導が両方の細胞株において48時間及び72時間後に観察された。HL-60は、アポトーシスがより低い濃度(IC30)で誘導されたことから、より感受性が高かった。MM.1Sでは、より高濃度で誘導がより速い(4時間~8時間)。
【0267】
IDP-L09をHL-60(表8)、MM.1S(表9)及びA459(表10)細胞株に対して試験した。細胞株に応じて異なる挙動が示される。HL-60においては、アポトーシス誘導は低濃度(IC30)では48時間及び72時間後に顕著であり、MM.1Sにおいては、アポトーシスは低濃度(IC30)では8時間、48時間及び72時間の時点、高濃度(IC80)では8時間の時点で誘導される。A549においては、より速い誘導(4時間及び16時間)が観察される。
【0268】
IDP-S09をHL-60(表8)、MM.1S(表9)及びA459(表10)細胞株に対して試験した。HL-60においては、アポトーシス誘導は低濃度(IC30)では48時間及び72時間後に顕著であり、MM.1Sにおいては、IDP-S09はアポトーシスが低濃度(IC30)では48時間及び72時間の時点、高濃度(IC80)では4時間及び8時間の時点で誘導される。最後に、A549においては、より速い誘導(4時間)が観察され、試験した両方の濃度で16時間、48時間及び72時間の時点で高レベルに保持される。
【0269】
また、IDP-S02及びIDP-S03をA549細胞株において試験した。この場合、アポトーシス誘導を4時間後にIC30及びIC80の両方で検出する。
【0270】
【表10】
【0271】
【表11】
【0272】
【表12】
【0273】
本明細書に報告した結果は、本発明のペプチドの活性に関与する主要機構がアポトーシスプロセスの誘導であることを示す。或る特定の実験条件でのアポトーシスの迅速な高活性化から、例えばMM.1S細胞株において応答を増幅する第2の機構は除外されない。
【0274】
2.4. 安定性の結果
【0275】
【表13】
【0276】
上記のデータから、本発明のペプチドが血漿中で高い半減期及び安定性を有すると結論付けることができる。
【0277】
3. ステープルの特定の位置が式(IV)のペプチドの活性に重要であることを示す比較試験
式(IVbis3)のペプチドにおけるステープルの特定の位置が活性に重要であったことを実証するために、本発明者らは、ペプチドS09(配列番号8)の活性をステープルの位置が異なるそのバージョンと比較した。
【0278】
表12に比較目的で合成したペプチドを挙げる。
【0279】
【表14】
【0280】
Xビラジカルは、いずれの場合も式:
【化33】
の化合物を表し、-(CH-CH=CH-(CH-に相当するLビラジカルが各配列中の両方のXラジカルを連結する。
【0281】
従うプロトコルは、上記で既に開示したものと実質的に同じであった。
【0282】
HPLC条件:
IDP-S19。化合物を、20分間で47%→57%のBの線形勾配(R.T.=8.59)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.11%;
IDP-S20。化合物を、20分間で53%→63%のBの線形勾配(R.T.=11.75)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード97.56%;
IDP-S21。化合物を、20分間で35%→45%のBの線形勾配(R.T.=12.04)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.12%;
IDP-S22。化合物を、20分間で40%→50%のBの線形勾配(R.T.=14.11)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード95.09%;
IDP-S23。化合物を、20分間で50%→60%のBの線形勾配(R.T.=8.80)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード98.60%;
IDP-S17。化合物を、12分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=7.01)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード99.11;及び、
IDP-S18。化合物を、12分間で5%→60%のBの線形勾配(R.T.=8.2)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード97.8%。
【0283】
【表15】
【0284】
前項に開示したものと同じプロトコルに従い、以下の活性データを得た。
【0285】
【表16】
【0286】
野生型配列は、驚くべきことに、配列の3位及び10位にステープルを作製した場合にのみ顕著に活性となったが、異なる位置にステープルを生じさせることに基づく他のバージョンは、配列を抗癌剤として適切な候補とする顕著な活性を配列に与えなかった。これは、これまでステープルがペプチドの安定性をもたらすと開示されていたために驚くべきことである。従来技術では、本来不活性な配列番号21の野生型ペプチド配列の活性化におけるステープルの考え得る効果についての手がかりは見られなかった。
【0287】
4. 式(VIII)の抗癌ペプチド
配列番号28の配列のペプチド(S25)を、上記に開示したプロトコルと同様に合成した。化合物を、20分間で45%→55%のBの線形勾配(R.T.=8.39)を用いたHPLC-RP(C-18カラム;ポンプA:0.1%TFAを含むHO;ポンプB:0.1%TFAを含むアセトニトリル)によって精製した。HPLCによる純度グレード96.04%。質量特性評価:実測値904.8(M+2H)、603.8(M+3H)、(計算値1807.39)。
【0288】
このペプチドを幾つかの癌細胞株に対して試験した(前項で使用したものと同じ、また同じプロトコルを使用する)。
【0289】
結果を表14にまとめる。
【0290】
【表17】
【0291】
5. in vivo研究
動物:
6週齢~7週齢のCB17-SCID免疫抑制マウス(雌性)を、病原体除去領域に収容し、取り扱った。これらのマウスはJanvier Labsから購入した。全ての実験をサラマンカ大学の施設内で行った。
【0292】
研究した群:
対照:培地(PBS) i.p. 月曜日から金曜日まで12時間毎
S03 i.p. 月曜日から金曜日まで12時間毎(PBS中、エンドポイントまで)
S04 15mg/kg i.p. 月曜日から金曜日まで12時間毎(PBS中、エンドポイントまで)
S09 5mg/kg i.p. 月曜日から金曜日まで12時間毎(PBS中、エンドポイントまで)
【0293】
研究の方法及び追跡:
皮下異種移植片モデル:マウスの右脇腹を剃毛し、動きを抑制するために吸入麻酔し、50μlのRPMI-1640培地及び50μlのCorning(商標) Matrigel(商標) Basement Membrane Matrix中の3×10個のMM1S細胞を皮下接種した。腫瘍が触診可能となった時点で(30日目)、マウスを腫瘍体積に従って異なる群(対照群では5匹、残りの群では4匹のマウス)に無作為化した。腫瘍体積は、2箇所の腫瘍径をノギスで測定することにより、以下の楕円体の式:V=(a・b^2・π)/6(式中、a及びbはそれぞれ最長径及び最短径に相当する)を用いて推定した。腫瘍体積を週3回モニタリングした。
【0294】
生存評価:腫瘍径が2cmに達した時点でマウスを屠殺した。エンドポイント基準に達するまでの時間を治療開始日から推定した。統計学的差異をログランク検定によるカプラン-マイヤー曲線を用いて評価した。SPSS-17.0プログラムを用いて統計分析を行った。
【0295】
表15に見られるように、S03、S04及びS09は対照に対して顕著に腫瘍成長を低減した。特に、終了時(対照を屠殺した時点)に、腫瘍の低減はS03及びS04の場合に50%、S09の場合に70%に相当する。
【0296】
【表18】
【0297】
生存に関して、表16及び表17に生存の平均及び種々の群間の比較を示す。観察することができるように、生存の差はS03については9.5、S04については5.5、S09については10.5であり、S03及びS09については対照に対して統計的有意性に達した。
【0298】
【表19】
【0299】
【表20】
【0300】
引用文献
Altschul et al., "Basic local alignment search tool", 1990, J. Mol. Biol, v.215, pages 403-410;
Copolovici D. M. et al., "Cell-Penetrating Peptides: Design, Synthesis, and Applications", 2014, ACS Nano, 2014, 8 (3), pp 1972-1994);
Higgins et al., "CLUSTAL V: improved software for multiple sequence alignment", 1992, CABIOS, 8(2), pages 189-191;
Kim Young-Woo et al., "Synthesis of all-hydrocarbon stapled a-helical peptides by ring-closing olefin metathesis", Nature Protocols, 2011, 6(6), p. 761-771;
Kolb H.C. et al., "The growing impact of click chemistry on drug discovery.", 2003, Drug Discov Today, 8(24):1128-1137); and
Scott J. M. et al., "Application of Ring-Closing Metathesis to the Synthesis of Rigidified Amino Acids and Peptides", J. Am. Chem. Soc., 1996, v.118 (40), pp 9606-9614.
【0301】
条項(Clauses)
完全性のために、本発明の様々な態様を以下の番号付けされた条項に提示する:
条項1. 式(I):
【化34】
(式中、
m、n、p及びqは0又は1であり、
jは0又は1であり、
vは1~10で構成され、
ここで、
「m」、「n」、「p」及び「q」の1つが1である場合、他は0であり、Lは式(II):
-P-[(R-(R)-(R-Q- (II)
のジラジカルに相当し、
「a」及び「b」は同じか若しくは異なり、0若しくは1であり、
「c」は1~10で構成され、
及びRは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル及び(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキルからなる群から独立して選択されるジラジカルであり、
は-O-、C(=O)、C(=O)R、C(=O)NR、C(=O)O、S(=O)、S(=O)、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、並びに3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるジラジカルであり、
、R、R、R、R、R、R10、R13及びR14は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるモノラジカルであり、
P及びQはジラジカルであり、同じか若しくは異なるが、但し、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはRラジカルとは異なる意味を有し、該P及びQジラジカルは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、若しくは代替的には、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはC(=O)であり、Rは-O-、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、-NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、
「a」及び「b」がどちらも1である場合、P及びQは-S-、(C~C10)アルキル-S-、-NR’10-、(C~C10)アルキル-NR’10-、-O-、(C~C10)-アルキル-O-、-C(=O)、(C~C10)アルキル-C(=O)-、-C(=O)O、(C~C10)アルキルC(=O)O-、C(=O)N-、(C~C10)アルキルC(=O)-、C(=O)S-及び(C~C10)アルキル-C(=O)S-からなる群から選択され、R’10は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるラジカルであり、
Lビラジカルは式(I)のペプチド配列の骨格にX及びXビラジカル、若しくは代替的にはX及びXビラジカル、若しくは代替的にはX及びXビラジカル、若しくは代替的にはX及びXビラジカルを介して結合し、
Lビラジカルに結合したXビラジカルは同じ若しくは異なる意味を有し、式(III):
【化35】
を有し、
ここで、
Lビラジカルは式(III)のXビラジカルにα炭素原子を介して結合し、
11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるモノラジカルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列の他のXビラジカルは同じか若しくは異なり、アミノ酸を表し、
又は代替的には、
m、n、p及びqが0である場合、X~Xは同じか若しくは異なり、アミノ酸を表すが、但し、ラジカルX~Xの少なくとも3つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択され、
ここで、
(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルは非置換若しくは置換であり、
「置換(C~C10)アルキル」は、(C~C10)アルキルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか若しくは異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルケニル」は、(C~C10)アルケニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか若しくは異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルキニル」は、(C~C10)アルキニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか若しくは異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択される)の配列を含むペプチド又はその医薬塩。
条項2. 式(IV):
【化36】
(式中、
「t」及び「u」は0又は1であり、
「e」及び「f」は0~10で構成され、
zは1~10で構成され、
ここで、
「t」及び「u」の一方が1である場合、
他方は0であり、
Lは式(II):
-P-[(R-(R)-(R-Q- (II)
のジラジカルに相当し、
「a」及び「b」は同じか若しくは異なり、0若しくは1であり、
「c」は1~10で構成され、
及びRは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキルからなる群から独立して選択されるジラジカルであり、
はO、C(=O)、C(=O)R、C(=O)NR、C(=O)O、S(=O)、S(=O)、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるジラジカルであり、
、R、R、R、R、R、R10、R13及びR14は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるモノラジカルであり、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはRラジカルとは異なる意味を有し、該P及びQジラジカルは(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、若しくは代替的には、
「a」及び「b」が0であるか、若しくは代替的には「a」及び「b」の一方が0である場合、P及びQはC(=O)であり、Rは-O-、S(R)、N(R)、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、NR1314、-NH-NH-、-N=N-、-S-S-、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択され、若しくは代替的には、
「a」及び「b」がどちらも1である場合、P及びQは-S-、(C~C10)アルキル-S-、-NR’10-、(C~C10)アルキル-NR’10-、-O-、(C~C10)-アルキル-O-、-C(=O)、(C~C10)アルキル-C(=O)-、-C(=O)O、(C~C10)アルキルC(=O)O-、C(=O)N-、(C~C10)アルキルC(=O)-、C(=O)S-及び(C~C10)アルキル-C(=O)S-からなる群から選択され、R’10は水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択されるラジカルであり、
Lビラジカルは、式(IV)のペプチド配列の骨格にX及びXビラジカル、若しくは代替的にはX10及びX12ビラジカルを介して結合し、
Lビラジカルに結合したXビラジカルは同じ若しくは異なる意味を有し、式(III):
【化37】
を有し、
ここで、
Lビラジカルは式(III)のXビラジカルにα炭素原子を介して結合し、
11は(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル、(C~C10)アルキニル、(C~C10)アルキル-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-C(O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-C(O)-NR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-SR-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-S(=O)-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-O-S(=O)-O-(C~C10)アルキル、(C~C10)アルキル-NR10-(C~C10)アルキル、及び3個~14個の炭素原子を含む既知の環系であって、該系が1つ~3つの環を含み、
環のそれぞれが飽和、部分不飽和若しくは芳香族であり、
環が独立しているか、部分的若しくは完全に縮合しており、
既知の環系を形成する成員のそれぞれが-CH-、-CH-、-NH-、-N-、-SH-、-S-及び-O-からなる群から選択され、
環系がハロゲン、-OH、-NO、(C~C10)アルキル、(C~C10)ハロアルキル及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から独立して選択される1つ以上のラジカルによって任意に置換される、既知の環系からなる群から選択されるモノラジカルであり、
「L」ビラジカルに結合していない式(I)の骨格ペプチド配列の他のXビラジカルは同じか若しくは異なり、アミノ酸を表し、
又は代替的には、
「t」及び「u」が0である場合、X~X12は同じか若しくは異なり、アミノ酸を表すが、但し、それらの少なくとも3つが、
Val以外のアミノ酸を表すX
Leu以外のアミノ酸を表すX
Thr以外のアミノ酸を表すX、及び、
Ala以外のアミノ酸を表すX10
からなる群から選択され、
ここで、
(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルは非置換又は置換であり、
「置換(C~C10)アルキル」は、(C~C10)アルキルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルケニル」は、(C~C10)アルケニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択され、
「置換(C~C10)アルキニル」は、(C~C10)アルキニルがハロゲン、-OR’11、-NO、-NR’1112、-SR’11、-SOR’11、-COR’11及び(C~C10)アルキル-O-からなる群から選択される1つ以上のラジカルによって置換されていることを意味し、R’11及びR12は同じか又は異なり、-H、(C~C10)アルキル、(C~C10)アルケニル及び(C~C10)アルキニルからなる群から選択される)の配列を含むペプチド又はその医薬塩。
条項3. ペプチドが式(I)のものである場合に、「m」、「n」、「p」及び「q」の1つが1であり、「L」ビラジカルに結合していないXビラジカルの少なくとも1つが、
Glu以外のアミノ酸を表すX
Lys以外のアミノ酸を表すX
Ser以外のアミノ酸を表すX
Phe以外のアミノ酸を表すX
Ala以外のアミノ酸を表すX、及び、
Gln以外のアミノ酸を表すX
からなる群から選択されるか、又は代替的には、
ペプチドが式(IV)のものである場合に、「t」及び「u」の一方が1であり、「L」ビラジカルに結合していないXビラジカルの少なくとも1つが、
Val以外のアミノ酸を表すX
Leu以外のアミノ酸を表すX
Thr以外のアミノ酸を表すX、及び、
Ala以外のアミノ酸を表すX10
からなる群から選択される、先の条項のいずれかによるペプチド。
条項4. 式(I)のペプチドが「m」、「n」、「p」及び「q」が0であるものであるか、又は代替的には、式(IV)のペプチドが「t」及び「u」が0であるものである、条項1又は2に規定されるペプチド。
条項5. 式(I)のペプチドにおいてvが1であるか、又は代替的には式(IV)のペプチドにおいてzが1である、先の条項のいずれかに規定されるペプチド。
条項6. Lが式(II)のビラジカルであり、ここで「a」及び「b」は0であり、「c」は1であり、Rは(C~C10)アルケニルである、先の条項のいずれかに規定されるペプチド。
条項7. Lがビラジカルであり、ここでP及びQは同じか又は異なり、(C~C10)アルキルを表す、先の条項のいずれかに規定されるペプチド。
条項8. R11が(C~C10)アルキルである、先の条項のいずれかに規定されるペプチド。
条項9. 標識にコンジュゲートした、条項1~8のいずれかのペプチド若しくはその医薬塩、又は代替的には、
配列番号12:
Ala-Pro-Lys-Val-Val-Ile-Leu-Lys-Lys-Ala-Thr-Ala-Tyr-Ile
の配列を含むペプチド、若しくは配列番号12と少なくとも85%の同一性を有するその変異体、若しくはその医薬塩。
条項10. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16及び配列番号17からなる群から選択される、先の条項のいずれかのペプチド。
条項11. 治療有効量の条項1~10のいずれかに規定されるペプチド又はその医薬塩を、許容可能な動物用又は医薬添加剤及び/又は担体と共に含む動物用又は医薬組成物。
条項12. 薬剤として使用される、条項1~10のいずれかに規定されるペプチド又はその医薬塩。
条項13. 癌の治療に使用される、条項1~10のいずれかに規定されるペプチド又はその医薬塩。
条項14. 前記癌が白血病、乳癌、肺癌、骨髄腫及びリンパ腫からなる群から選択される、条項13に規定される使用のためのペプチド又はその医薬塩。
図1
【配列表】
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