(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】液体材料塗布装置および塗布方法
(51)【国際特許分類】
B05C 13/02 20060101AFI20220704BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20220704BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20220704BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20220704BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
B05C13/02
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D3/00 C
(21)【出願番号】P 2019550491
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(86)【国際出願番号】 JP2018040765
(87)【国際公開番号】W WO2019088237
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2017212998
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390026387
【氏名又は名称】武蔵エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(72)【発明者】
【氏名】生島 和正
【審査官】赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-228660(JP,A)
【文献】特開2011-62589(JP,A)
【文献】特開2015-202491(JP,A)
【文献】国際公開第2012/124253(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/060884(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/137271(WO,A1)
【文献】特開2015-145009(JP,A)
【文献】国際公開第2015/083722(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206567170(CN,U)
【文献】中国実用新案第205731824(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00- 21/00
B05D 1/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Z方向に開口する吐出口を有する吐出装置を備えた吐出ヘッドと、
ワークを保持するステージと、
前記吐出ヘッドと前記ステージとを相対移動させるXYZ相対移動装置と、
XY平面と平行なR軸を中心にステージを回動させるR軸回転装置と、
XY平面と平行かつR軸と異なる方向のP軸を中心にステージを回動させるP軸回転装置と、
制御装置と、
架台と、を備え、
前記P軸回転装置が、前記R軸回転装置の下方に配置されており、
前記P軸回転装置が、前記ステージと共に前記R軸回転装置を回転させることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記R軸回転装置により、前記ステージを±60°以上回転させることができ、
前記P軸回転装置により、前記ステージを±60°以上回転させることができることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記R軸回転装置により、前記ステージを±90°回転させることができ、
前記P軸回転装置により、前記ステージを±90°回転させることができることを特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記ステージのR軸と直交する方向の最大幅L1が、前記ステージのP軸と直交する方向の最大幅L2よりも短いことを特徴とする請求項2または3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記R軸回転装置の動作時に前記ステージの側辺の下方に位置する部材の上端からR回転軸までの高さH1が、前記L1の半分以上の距離となるように構成されており、
前記P軸回転装置の動作時に前記ステージの側辺の下方に位置する部材の上端からP回転軸までの高さH2が、前記L2の半分以上の距離となるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項6】
前記ステージをθ方向に回転させる回転機構を備えていないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項7】
前記架台が、前記ステージの可動範囲を開口した天板および前記ステージをR軸およびP軸を中心に回動可能とするステージ移動空間を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項8】
前記XYZ相対移動装置が、前記天板上に配置されることを特徴とする請求項7に記載の塗布装置。
【請求項9】
前記XYZ相対移動装置が、前記ステージを挟んで配置された2つの第1方向移動装置、2つの第1方向移動装置を架橋する第2方向移動装置、および、前記第2方向移動装置に取り付けられた第3方向移動装置により構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項10】
前記架台から上方に延びる複数本の支柱と、
前記架台上に設置されたテーブルと、を備え、
前記R軸回転装置および前記P軸回転装置が、前記テーブル上に設置されており、
前記XYZ相対移動装置が、前記テーブルを第1の方向に移動させる第1方向移動装置、前記複数本の支柱に支持された第2方向移動装置、および、前記第2方向移動装置に取り付けられた第3方向移動装置により構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項11】
前記吐出ヘッドが、前記第3方向移動装置に搭載されており、前記吐出装置を回転させる回転機構を備えていないことを特徴とする請求項9または10に記載の塗布装置。
【請求項12】
前記ステージが、面積の異なる複数のステージからなり、選択された一のステージによりワークを保持して塗布作業を行うことができることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項13】
前記吐出装置が、弁体を進出移動させ、次いで停止することで液体材料に慣性力を印加して飛翔吐出させるジェット式の吐出装置であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項14】
前記XYZ相対移動装置が、前記吐出ヘッドと前記ステージとをX方向の直線に沿って相対移動させるX方向移動装置と前記吐出ヘッドと前記ステージとをY方向の直線に沿って相対移動させるY方向移動装置、および、前記吐出ヘッドと前記ステージとをZ方向の直線に沿って相対移動させるZ方向移動装置から構成されており、
前記制御装置が、直線状または曲線状の塗布線を形成する際には、前記X方向移動装置および前記Y方向移動装置の少なくとも一方を動作させ、前記吐出ヘッドが常に相対移動動作を継続させることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の塗布装置。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載の塗布装置を用いてステージ上のワークに塗布する塗布方法。
【請求項16】
請求項1ないし14のいずれかに記載の塗布装置を用いてステージ上のワークに塗布する塗布方法であって、
前記R軸回転装置により前記ステージを回転させ、前記R軸回転装置および前記P軸回転装置を停止して前記吐出装置と前記ワークとのクリアランスを一定に保ったまま前記ワークの第1の側面を塗布する第1側面塗布工程、
前記P軸回転装置により前記ステージを回転させ、前記R軸回転装置および前記P軸回転装置を停止して前記吐出装置と前記ワークとのクリアランスを一定に保ったまま前記ワークの第1の側面と交わる第2の側面を塗布する第2側面塗布工程、を備え、
前記第1側面塗布工程の実施後、前記第2側面塗布工程を、或いは、前記第2側面塗布工程の実施後、前記第1側面塗布工程を実施する塗布方法。
【請求項17】
前記第1側面塗布工程の実施後、前記第2側面塗布工程の実施前に、或いは、前記第2側面塗布工程の実施後、前記第1側面塗布工程の実施前に実施されるコーナー部塗布工程を備え、
前記コーナー部塗布工程において、前記R軸回転装置および前記P軸回転装置を動作させながら、前記ワークの第1側面および第2側面と連続するアールを有するコーナー部を前記吐出装置と前記ワークとのクリアランスを一定に保ったまま塗布することを特徴とする請求項16に記載の塗布方法。
【請求項18】
前記ワークが、前記ステージを覆う大きさであることを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載の塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布対象物を保持するステージを傾けて塗布を行うことが可能な塗布装置および塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルから液体材料を吐出し、ステージに搭載したワーク上に吐出した液体材料を塗布する液体材料塗布装置が知られている。近年は、三次元的な立体物に対し塗布描画するニーズが増えており、特に三次元的な立体物の側面に塗布描画する技術が求められている。
例えば、特許文献1では、ステージを傾けることで、液体材料を吐出するワークの位置決めを簡略化した液体材料塗布装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高速塗布を行うためには、吐出ヘッドを軽量化することが重要であり、このことは三次元的な立体物に対し塗布描画する場合も同様である。三次元的な塗布描画を行うために吐出ヘッドに回転機構を設けると吐出ヘッドの重量が増し、吐出ヘッドを高速に移動することができなくなるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明では、吐出ヘッドに回転機構を設けることなく、三次元的な塗布描画を行うことを可能とする塗布装置および塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の塗布装置は、Z方向に開口する吐出口を有する吐出装置を備えた吐出ヘッドと、ワークを保持するステージと、前記吐出ヘッドと前記ステージとを相対移動させるXYZ相対移動装置と、XY平面と平行なR軸を中心にステージを回動させるR軸回転装置と、XY平面と平行かつR軸と異なる方向のP軸を中心にステージを回動させるP軸回転装置と、制御装置と、架台と、を備え、前記P軸回転装置が、前記R軸回転装置の下方に配置されており、前記P軸回転装置が、前記ステージと共に前記R軸回転装置を回転させることを特徴とする。ここで、吐出ヘッドは吐出装置を回転させるための回転機構を備えていないため、吐出ヘッドを軽量化することが可能である。
【0007】
上記塗布装置において、前記R軸回転装置により、前記ステージを±60°以上回転させることができ、前記P軸回転装置により、前記ステージを±60°以上回転させることができることを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記R軸回転装置により、前記ステージを±90°回転させることができ、前記P軸回転装置により、前記ステージを±90°回転させることができることを特徴としてもよい。ここでいう、±90°回転には、±90°を超えて回転させる態様も含まれる。
上記塗布装置において、前記ステージをθ方向に回転させる回転機構を備えていないことを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記ステージのR軸と直交する方向の最大幅L1が、前記ステージのP軸と直交する方向の最大幅L2よりも短いことを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記R軸回転装置の動作時に前記ステージの側辺の下方に位置する部材の上端からR回転軸までの高さH1が、前記L1の半分以上の距離となるように構成されており、前記P軸回転装置の動作時に前記ステージの側辺の下方に位置する部材の上端からP回転軸までの高さH2が、前記L2の半分以上の距離となるように構成されていることを特徴としてもよい。
【0008】
上記塗布装置において、前記架台が、前記ステージの可動範囲を開口した天板および前記ステージをR軸およびP軸を中心に回動可能とするステージ移動空間を備えることを特徴としてもよく、さらに、前記XYZ相対移動装置が、前記天板上に配置されることを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記XYZ相対移動装置が、前記ステージを挟んで配置された2つの第1方向移動装置、2つの第1方向移動装置を架橋する第2方向移動装置、および、前記第2方向移動装置に取り付けられた第3方向移動装置により構成されていることを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記架台から上方に延びる複数本の支柱と、前記架台上に設置されたテーブルと、を備え、前記R軸回転装置および前記P軸回転装置が、前記テーブル上に設置されており、前記XYZ相対移動装置が、前記テーブルを第1の方向に移動させる第1方向移動装置、前記複数本の支柱に支持された第2方向移動装置、および、前記第2方向移動装置に取り付けられた第3方向移動装置により構成されていることを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記吐出ヘッドが、前記第3方向移動装置に搭載されており、前記吐出装置を回転させる回転機構を備えていないことを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記ステージが、面積の異なる複数のステージからなり、選択された一のステージによりワークを保持して塗布作業を行うことができることを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記吐出装置が、弁体を進出移動させ、次いで停止することで液体材料に慣性力を印加して飛翔吐出させるジェット式の吐出装置であることを特徴としてもよい。
上記塗布装置において、前記XYZ相対移動装置が、前記吐出ヘッドと前記ステージとをX方向の直線に沿って相対移動させるX方向移動装置と前記吐出ヘッドと前記ステージとをY方向の直線に沿って相対移動させるY方向移動装置、および、前記吐出ヘッドと前記ステージとをZ方向の直線に沿って相対移動させるZ方向移動装置から構成されており、前記制御装置が、直線状または曲線状の塗布線を形成する際には、前記X方向移動装置および前記Y方向移動装置の少なくとも一方を動作させ、前記吐出ヘッドが常に相対移動動作を継続させることを特徴としてもよい。
【0009】
本発明の第1の観点の塗布方法は、上記塗布装置を用いてステージ上のワークに塗布する塗布方法である。
本発明の第2の観点の塗布方法は、上記塗布装置を用いてステージ上のワークに塗布する塗布方法であって、前記R軸回転装置により前記ステージを回転させ、前記R軸回転装置および前記P軸回転装置を停止して前記吐出装置と前記ワークとのクリアランスを一定に保ったまま前記ワークの第1の側面を塗布する第1側面塗布工程、前記P軸回転装置により前記ステージを回転させ、前記R軸回転装置および前記P軸回転装置を停止して前記吐出装置と前記ワークとのクリアランスを一定に保ったまま前記ワークの第1の側面と交わる第2の側面を塗布する第2側面塗布工程、を備え、前記第1側面塗布工程の実施後、前記第2側面塗布工程を、或いは、前記第2側面塗布工程の実施後、前記第1側面塗布工程を実施することを特徴とする。
上記第2の観点の塗布方法において、前記第1側面塗布工程の実施後、前記第2側面塗布工程の実施前に、或いは、前記第2側面塗布工程の実施後、前記第1側面塗布工程の実施前に実施されるコーナー部塗布工程を備え、前記コーナー部塗布工程において、前記R軸回転装置および前記P軸回転装置を動作させながら、前記ワークの第1側面および第2側面と連続するアールを有するコーナー部を前記吐出装置と前記ワークとのクリアランスを一定に保ったまま塗布することを特徴としてもよい。
上記第1および第2の観点の塗布方法において、前記ワークが、前記ステージを覆う大きさであることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、吐出ヘッドに回転機構を設けることなく、三次元的な塗布描画を行うことを可能とする塗布装置および塗布方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る塗布装置の斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るR軸回転装置およびP軸回転装置の斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係るR軸回転装置の動作を説明する図である。
【
図6】第1実施形態に係るP軸回転装置の動作を説明する図である。
【
図8】R軸回転装置によりステージを傾斜させて行う塗布動作を説明する図(
図2のD矢視図)である。
【
図9】P軸回転装置によりステージを傾斜させて行う塗布動作を説明する図(
図2のE矢視図)である。
【
図10】スマートフォンのカバーにおいて塗布作業を行う箇所を説明するための図である。
【
図12】スマートフォンのカバーにおいて塗布作業を行う手順を説明するための図である。
【
図13】第1実施形態に係る塗布装置に搭載することのできる、ジェット式の吐出装置の要部断面側面図である。
【
図14】第2実施形態に係る塗布装置の斜視図である。
【
図15】第3実施形態に係る塗布装置を説明するための図である。
【
図16】第3実施形態に係る塗布装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態例を説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る塗布装置100は、
図1に示すように、液体材料を吐出するための吐出装置1、塗布対象物(ワーク)20をその上面に載置するステージ21、ステージ21をR軸回転させるR軸回転装置22、ステージ21をP軸回転させるP軸回転装置23、吐出装置1とステージ21とを相対移動させるXYZ相対移動装置(105、106、107)、各装置の動作を制御する制御装置112、から主に構成される。
【0013】
ステージ21は、上面に塗布対象物20を載置する平面を有する平板状の部材であり、塗布対象物(ワーク)20をステージ21に固定する固定機構を備えている。この固定機構としては、例えば、ステージ21内部から上面へ通じる複数の孔を開け、その孔から空気を吸い込むことで塗布対象物20を吸着固定する機構、塗布対象物20を固定用部材で挟み込み、その部材をネジ等の固定手段でステージ21に固定することで塗布対象物20を固定する機構などを用いることができる。ステージ21は、X方向に長さL1の短辺を有し(
図5参照)、Y方向に長さL2の長辺を有している(
図6参照)。ステージ21に搭載するワークの面積は、ステージ21の面積よりも大きいことが好ましく、上面から視た際にステージ21の全面を覆う大きさであることがより好ましい。ステージ21をワークよりも小さく構成することにより、ステージ21を傾けてワークの側面に塗布する際に、吐出装置1がステージ21に干渉することを回避することが可能となる。なお、ステージ21の形状は長方形に限られず、正方形、多角形、円形などの形状であってもよい。
【0014】
XYZ相対移動装置は、架台101上に配置されたX方向駆動装置105、Y方向駆動装置106、Z方向駆動装置107から構成される。本実施例では、吐出装置1をステージ21に対してX方向(符号108)、Y方向(符号109)、Z方向(符号110)に、いずれも直線的に相対移動させる構成となっている。換言すれば、XYZ相対移動装置は、X方向の直線移動、Y方向の直線移動、および、Z方向の直線移動の組み合わせにより、吐出装置1のノズル2とステージ21上のワークとを相対移動させるよう構成されている。X方向駆動装置105は、2つのY方向駆動装置106a,106bを架橋するように搭載されており、Z方向駆動装置107は、X方向駆動装置105に搭載されている。XYZ相対移動装置(105、106、107)には、電動モータ(サーボモータ、ステッピングモータなど)とボールネジを組み合わせたものや、リニアモータなどを用いることができる。
なお、Z方向駆動装置107を、R軸回転装置22およびP軸回転装置23と支持板104の間に設けるようにしてもよい。
【0015】
制御装置112は、図示しない処理装置と、記憶装置とを備えており、吐出装置1、R軸回転装置22、P軸回転装置23およびXYZ相対移動装置(105、106、107)が接続されて、これら各装置の動作を制御する。処理装置、記憶装置として、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などを用いることができる。制御装置112と双方向通信が可能な入出力装置113としては、図示のタッチパネルの他、キーボードおよびマウスなどを用いることもできる。制御装置112の記憶装置には、本発明の塗布方法を実現するための塗布プログラムが格納されている。
【0016】
第1実施形態の吐出装置1は、液体材料が吐出口から離間する前にワークに接触するタイプの吐出方式のもの、液体材料が吐出口から離間した後にワークに接触するタイプの吐出方式のものを採用することができる。
液体材料が吐出口から離間する前にワークに接触するタイプの吐出方式としては、先端にノズルを有するシリンジ内の液体材料に調圧されたエアを所望時間だけ印加するエア式、フラットチュービング機構またはロータリチュービング機構を有するチュービング式、先端にノズルを有する貯留容器の内面に密着摺動するプランジャーを所望量移動して吐出するプランジャー式、スクリューの回転により液体材料を吐出するスクリュー式、所望圧力が印加された液体材料をバルブの開閉により吐出制御するバルブ式などが例示される。
【0017】
液体材料が吐出口から離間した後にワークに接触するタイプの吐出方式としては、プランジャー(弁体)を進出移動させ、急激に停止して、液体材料に慣性力を印加してノズルの先端より飛翔吐出させるジェット式、連続噴射方式或いはデマンド方式のインクジェットタイプなどが例示される。
【0018】
吐出装置1は、撮像装置11および距離測定装置12と共にベース板10に取り付けられている。すなわち、XYZ相対移動装置により吐出装置1を塗布対象物20に対し相対移動させると、撮像装置11および距離測定装置12も吐出装置1と一体的に相対移動する。ベース板10に取り付けられた各装置(1,11~12)が吐出ヘッド4を構成する。吐出ヘッド4には、各装置(1,11~12)を回転させる回転機構を設けられていないため、回転機構を設けた吐出ヘッドと比べ軽量である。
【0019】
図13は、第1実施形態に係る塗布装置100に搭載することのできる、ジェット式の吐出装置1の要部断面側面図である。吐出装置1は、ノズル2と、液体貯留容器3と、吐出部13と、吐出駆動装置14とを備えている。
吐出装置1は、ノズル2の吐出口15に連通する吐出部13の液室内に、液室の側壁と非接触または一部接触するが液材の流動を妨げない、プランジャー16が設けられている。そして、このプランジャー16を高速で進退させることで、液材に慣性力を与え、ノズル2の吐出口15から液滴の状態で液体材料を飛滴吐出させることができる。
ノズル2の吐出口15は、Z方向(鉛直方向)に開口している。換言すれば、ノズル2の吐出口15は、XY平面と平行な端面を有している(
図13参照)。ノズル2は、その中心線がZ方向(鉛直方向)に伸びる真っ直ぐな管により構成することが好ましい。
【0020】
ジェット式の吐出装置1によれば、ノズル2の吐出口15とワークとの間に距離を設けて塗布作業が行われる(液滴を飛翔吐出させる)ため、R軸およびP軸の回転動作により生じる吐出口15とワーク間の距離のズレに対する許容性がある。また、ノズル2とワークの間に距離を設けて塗布作業が行われるため、ノズル2を上昇させなくとも、R軸およびP軸の回転動作を行うことができる。他の吐出方式の吐出装置では点塗布時にXYZ相対移動装置の動作を停止させるのに対し、ジェット式の吐出装置1はX方向駆動装置105およびY方向駆動装置106のいずれか一方を動作させながら連続点的に塗布を行うので、生産性に優れている。
【0021】
撮像装置11は、CCDカメラ等のデジタルカメラである。撮像装置11により撮像した塗布対象物20の画像を見ながら、塗布位置を指定するティーチング作業を行うことが可能である。
距離測定装置12は、レーザー光をワークに照射してワーク表面までの距離を計測するレーザー変位センサー等の非接触式計測装置である。これとは異なり、ワーク表面に接触してワーク表面までの距離を計測する接触式計測装置を採用してもよい。
【0022】
架台101は、開口103が形成された天板102を備えている。開口103は、ステージ21の可動範囲を確保した大きさとなっており、開口103内にステージ21、R軸回転装置22、P軸回転装置23およびユーティリティユニット24が配置されている。天板102の開口103の下方にはステージ21のR軸およびP軸を回転中心とする回転動作を可能とするためのステージ移動空間111が設けられている。なお、ステージ移動空間111が確保できるのであれば、天板102を設けずに、Y相対移動装置106を支持する支持部材を設けるようにしてもよい。また、架台101の天板102より上の部分を覆う扉付きカバーを設けるようにしてもよい。
【0023】
R軸回転装置22は、Y移動方向109と平行なR軸を中心にステージ21を回動することを可能とする装置である。別の言い方をすれば、R軸回転装置22は、R軸を中心にステージ21を左右(第1の方向)に傾けることを可能としている。
図2に示すように、R軸回転装置22は、R軸を中心に回転するR軸回転体22aと、電動モータ等により構成されるR軸回動装置(R軸駆動源)22bと、ベース板22cを備えて構成されている。
P軸回転装置23は、R軸と直交するP軸を中心にステージ21を回動することを可能とする装置である。別の言い方をすれば、P軸回転装置23は、P軸を中心にステージ21を前後(第1の方向と直交する第2の方向)に傾けることを可能としている。P軸回転装置23は、P軸を中心に回転するP軸回転体23aと、電動モータ等により構成されるP軸回動装置(P軸駆動源)23bを備えて構成されており、支持台25に固定されている。第1実施形態においては、R軸をY方向と一致させているが、R軸をY方向と一致させなくともよい。また、R軸とP軸を第1実施形態のように直交させなくともよく、例えばR軸とP軸が30°、45°または60°の角を構成するような位置関係となる場合もある。
【0024】
図3および
図4に示すように、R軸回転装置22は、天板102と実質的に同じ高さに配置されており、天板102の開口103の下方にはステージ移動空間111が設けられているので、R軸回転装置22を駆動させた際にステージ21の側辺21a,21bがベース板22cの付近に到達するまで回動させることができる(
図5参照)。換言すれば、R軸回転装置22を駆動させた際に、水平位置にあるステージ21をR軸を中心に±60°以上(好ましくは±75°以上、より好ましくは±90°)回転させることができる。ここで、R軸を中心に±90°の回転を実現するためには、R軸回転時にステージ21の側辺の下方に位置するP軸回転装置23(すなわち、P軸回動装置(P軸駆動源)23b)の上端からR回転軸22dまでの高さH1が、ステージ21の短辺の長さL1の半分以上の距離となるように構成することが必要である(
図5参照)。なお、ステージ21が矩形でない場合、長さL1はステージ21のP軸方向(R軸と直交する方向)の最大幅となる。
第1実施形態では、R軸回転装置22を天板102に埋設する高さに設置することにより、Y方向移動装置106a,106bの高さを低くすることができる。これにより、ノズル2とステージ21との距離を短くし、液滴の着弾位置の精度を高めることを可能としている。
【0025】
R軸回転装置22およびP軸回転装置23は、架台101内の支持板104上に配置された支持台25により支持されている。支持板104上にはステージ移動空間111が設けられているので、P軸回転装置23を駆動させた際にステージ21の側辺21c,21dが支持台25の付近に到達するまで回動させることができる(
図6参照)。換言すれば、P軸回転装置23を駆動させた際に、水平位置にあるステージ21(またはR軸回転装置22)をP軸を中心に±60°以上(好ましくは±75°以上、より好ましくは±90°)回転させることができる。ここで、P軸を中心に±90°の回転を実現するためには、P軸回転時にステージ21の側辺の下方に位置する部材(すなわち、支持板104)の上端からP回転軸23dまでの高さH2が、ステージ21の長辺の長さL2の半分以上の距離となるように構成することが必要である(
図6参照)。なお、ステージ21が矩形でない場合、長さL2はステージ21のR軸方向(P軸と直交する方向)の最大幅となる。
図7に示すように、支持板104上には、ユーティリティユニット24が設置されている。ユーティリティユニット24は、ノズルクリーニング機構、捨て打ちステージ、クリアランス調整機構等を備えている。
図1を見ると分かるように、ユーティリティユニット24とステージ21とは、P軸回転装置23によりステージ21を回転させるために必要なクリアランスが設けられている。
【0026】
図8は、R軸回転装置22によりステージ21を傾けた状態で塗布を行っている様子を説明するための側面図である。R軸回転装置22によりステージ21を傾けることにより、塗布対象物20の第1の側面に液体材料を塗布することが可能となる。
図9は、P軸回転装置23によりステージ21を傾けた状態で塗布を行っている様子を説明するための側面図である。P軸回転装置23によりステージ21を傾けることにより、塗布対象物20の第1の側面と直交する第2の側面に液体材料を塗布することが可能となる。
第1実施形態の塗布装置100は、制御装置112がXYZ相対移動装置(105、106、107)の座標変換を行う機能を備えているので、ステージ21をθ軸回転させるθ軸回転装置が不要である。XY平面がθ回転面となるから、座標変換作業でθ補正を行うことができるからである。もっとも、ステージ21をθ軸回転させるθ軸回転装置を設けても、本発明の塗布方法を実施することは可能である。
【0027】
図10は、スマートフォンのカバーであるワーク20において塗布作業を行う箇所を説明するための図である。同図を見ると分かるように、ワーク20はステージ21を覆う大きさである。スマートフォンのカバーにおいて塗布作業を行う際には、(a)から順に(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)と描画し、(a)に戻って、塗布描画が終了する。(a)~(h)の各点を通過する一本の切れ目のない線を塗布描画する方法としては、ノズルから吐出された液体材料が分断されないように連続的に吐出して塗布描画する方法と、点を重ねて線を形成する方法があるが、いずれの方法も本発明に適用可能である。
【0028】
図11は、
図10のスマートフォンのカバーの側面である塗布領域6を説明するための拡大図である。このカバーの塗布領域6は、外側下向きに傾斜している線状の面(面取りされているかのような面)である。
図12は、スマートフォンのカバーにおいて塗布作業を行う手順を説明するための図である。
図12の(a)~(h)は、
図10の(a)~(h)に対応している。なお、
図12においては、説明の便宜上、ノズル2を通常よりも大きく描画している。以下の(a)~(h)における上下左右方向は、
図10における上下左右方向の意味である。
【0029】
(a)塗布開始時(ワーク左側側面の下方)
R軸回転装置22によりステージ21を右方向に回転させ、ワーク20の塗布領域6をノズル2に対向させる。ワーク左側の下方に設定された塗布開始位置から吐出装置1に吐出を開始させ、XYZ相対移動装置(105、106、107)によりノズル2とワーク20とを相対移動させ(この場合はY方向(
図10の上方向))、ワーク左側側面(第1の側面)である塗布領域6に液体材料を塗布する。この際、R軸回転装置22およびP軸回転装置23は、いずれも停止しており、ノズル2の先端の吐出口とワーク20とのクリアランスは一定に保たれる。
【0030】
(b)ワーク左側上方コーナー部(第1のコーナー部)
ワーク左側上方コーナー部は、第1の側面および第2の側面と連続するアールを有するコーナー部である。R軸回転装置22によりステージを左に回転させつつP軸回転装置23によりステージを手前側に回転させる。このR軸回転装置22およびP軸回転装置23によるステージ21の回転と、ノズル2の位置を制御するXYZ相対移動装置の動作を制御装置112が同期させることにより、ワーク20のコーナー部を塗布描画することができる。
図11に示すように、ワーク20のコーナー部も外側に向かって傾斜しているので、この塗布面が常にノズル側に向かうようR軸回転装置22およびP軸回転装置23によりステージ21を同時に二方向に回転させる。この際も上記(a)と同様、ノズル2の先端の吐出口とワーク20とのクリアランスは一定に保たれる。
コーナー部の描画速度を上記(a)の直線部の描画速度と異なる速度で描画することも可能である。ステージ21の回転速度、XYZ相対移動装置によるノズル2の移動速度および吐出装置1の吐出動作(吐出量)をコントロールすることで、例えば、直線部と比べコーナー部を低速で描画することができる。ここで、コーナー部において低速で描画する際には、単位時間あたりの吐出量を減少させる。
【0031】
(c)ワーク上側の直線部(第2の側面)
上記(a)と同様に、XYZ相対移動装置によりノズル2を移動させ(この場合はX方向)、ワーク上側の塗布領域6を塗布描画する。この際、R軸回転装置22およびP軸回転装置23は、いずれも停止している。
【0032】
(d)ワーク右側上方コーナー部(第2のコーナー部)
ワーク右側上方コーナー部は、第2の側面および第3の側面と連続するアールを有するコーナー部である。P軸回転装置23によりステージ21を奥側へ回転させつつ、R軸回転装置22によりステージを左側へ回転させる。この際、上記(b)と同様、R軸回転装置22およびP軸回転装置23によるステージ21の回転と、ノズル2の位置を制御するXYZ相対移動装置の動作を制御装置112が同期させる。
【0033】
(e)ワーク右側の直線部(第3の側面)
上記(a)と同様、XYZ相対移動装置によりノズル2を移動させ(この場合はY方向)、ワーク右側の塗布領域6を塗布描画する。この際、R軸回転装置22およびP軸回転装置23は、いずれも停止している。
【0034】
(f)ワーク右側下方コーナー部(第3のコーナー部)
ワーク右側下方コーナー部は、第3の側面および第4の側面と連続するアールを有するコーナー部である。P軸回転装置23によりステージ21を奥側へ回転させつつ、R軸回転装置22によりステージ21を右側へ回転させる。この際、上記(b)と同様、R軸回転装置22およびP軸回転装置23によるステージ21の回転と、ノズル2の位置を制御するXYZ相対移動装置の動作を制御装置112が同期させる。
【0035】
(g)ワーク下側の直線部(第4の側面)
上記(a)と同様、XYZ相対移動装置によりノズル2を移動させ(この場合はX方向)、ワーク下側の塗布領域6を塗布描画する。この際、R軸回転装置22およびP軸回転装置23は、いずれも停止している。
【0036】
(h)ワーク左側下方コーナー部(第4のコーナー部)
ワーク左側下方コーナー部は、第4の側面および第1の側面と連続するアールを有するコーナー部である。P軸回転装置23によりステージ21を手前側へ回転させつつ、R軸回転装置22によりステージ21を右側へ回転させる。この際、上記(b)と同様、R軸回転装置22およびP軸回転装置23によるステージ21の回転と、ノズル2の位置を制御するXYZ相対移動装置の動作を制御装置112が同期させる。
ワーク左側下方コーナー部を描画し終わると、R軸回転装置22およびP軸回転装置23は、上記(a)と同じ位置となる。塗布開始位置まで描画したら一のワーク20に対する塗布作業は終了である。
【0037】
以上に説明した第1実施形態の塗布装置100は、スマートフォンのケース(本体)の接着や、3DMID(3D Molded Interconnected Device)などの塗布作業に利用することができる。また、二つの板状体を貼り合わせた際の辺縁(端面)に保護材を塗布することにも利用される。本装置ではこの様な周面を塗布するにあたっても、その周面がノズルの吐出口方面へ向かうようステージを回転させることができるため、ワークを立てた状態で塗布するための治具等が不要である。また、ワークのステージに面する以外の部分は全て塗布対象となることから、ワークの側周面についてもワークの体勢を変えることなく塗布することが可能となる。
【0038】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る塗布装置200は、
図14に示すように、液体材料を吐出するための吐出装置1、塗布対象物をその上面に載置するステージ21、ステージ21をR軸回転させるR軸回転装置22、ステージ21をP軸回転させるP軸回転装置23、吐出装置1とステージ21とを相対移動させるXYZ相対移動装置(205、206、207)、各装置の動作を制御する制御装置112、から主に構成される。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0039】
吐出装置1は、Z方向駆動装置207に搭載されており、Z方向駆動装置207はX方向駆動装置205に搭載されている。吐出装置1の下方に位置するステージ21は、Y方向駆動装置206に搭載されている。これにより、吐出装置1とステージ21とをXYZ方向(108、109、110)に相対移動させることができる。第2実施形態では、Z方向駆動装置207に撮像装置11および距離測定装置12を搭載していないが、これらを搭載するようにしてもよい。
【0040】
X方向駆動装置205は、架台201から上方に延びる2本の支柱202a,202bにより支持されており、架台201上面の2本の支柱202a,202bの間にはY方向駆動装置206が配置されている。Y方向駆動装置206にはテーブル221が搭載されており、テーブル221には第1実施形態と同様のステージ21、R軸回転装置22およびP軸回転装置23が支持台25を介して設置されている。
第2実施形態に係る塗布装置200においても、R軸回転装置22を駆動させることにより、水平位置にあるステージ21をR軸を中心に±60°以上(好ましくは±75°以上、より好ましくは±90°)回転させることができる。また、P軸回転装置23を駆動させることにより、水平位置にあるステージ21(またはR軸回転装置22)をP軸を中心に±60°以上(好ましくは±75°以上、より好ましくは±90°)回転させることができる。
【0041】
XYZ相対移動装置(205、206、207)等の動作を制御する制御装置112は、架台201の内部に配置されている。吐出装置1の吐出動作を制御するディスペンスコントローラ(吐出制御装置)114は、架台201の外部に配置されており、信号ケーブルを介して制御装置112および吐出装置1と電気的に接続されている。
以上に説明した第2実施形態の塗布装置200も、スマートフォンのケース(本体)の接着や、3DMID(3D Molded Interconnected Device)などの塗布作業に利用することができ、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
【0042】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る塗布装置は、
図15および
図16に示すように、ステージ21上に設けられた第2のステージ121を備えている。第2のステージ121は、ステージ21と比べ小面積に構成されており、小型のワークへの塗布作業を行う際に適している。
第2のステージ121は、連結部材122を介してステージ21に連結されている。連結部材122は、第2のステージ121を着脱自在に連結する連結機構を備えており、第2のステージ121を第2のステージ121と異なる面積の第3以降のステージに交換することを可能としている。すなわち、第3実施形態に係る塗布装置は、異なる面積を有する複数のステージの中から、選択された一のステージを連結部材122に連結することが可能である。なお、第2のステージ121および第3以降のステージも、ステージ21と同様、ワーク20を固定する固定機構を備えている。
【0043】
連結部材122の下端部は、ステージ21と着脱自在に連結されており、連結部材122をステージ21から取り外せば、ステージ21によりワーク20を保持して塗布作業を行うこともできる。
第3実施形態に係る塗布装置のその他の構成は、第1実施形態に係る塗布装置100と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
以上に説明した第3実施形態に係る塗布装置によれば、ワーク20が多品種である場合でも、ワーク20よりも小面積のステージにワーク20を保持させることにより、塗布作業時に吐出装置1がステージ21に干渉することを防ぐことができる。
第3実施形態の塗布装置も、スマートフォンのケース(本体)の接着や、3DMID(3D Molded Interconnected Device)などの塗布作業に利用することができ、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
【符号の説明】
【0045】
1:吐出装置
2:ノズル
3:液体貯留容器
4:吐出ヘッド
5:液滴
6:塗布領域
10:ベース板
11:撮像装置
12:距離測定装置
13:吐出部
14:吐出駆動装置
15:吐出口
16:プランジャー
20:塗布対象物(ワーク)
21:ステージ
22:R軸回転装置
23:P軸回転装置
24:ユーティリティユニット
25:支持台
100:(第1実施形態の)塗布装置
101:架台
102:天板
103:開口
104:支持板
105:X方向駆動装置(X方向移動装置)
106:Y方向駆動装置(Y方向移動装置)
107:Z方向駆動装置(Z方向移動装置)
108:X移動方向
109:Y移動方向
110:Z移動方向
111:ステージ移動空間
112:制御装置
113:入出力装置
114:ディスペンスコントローラ(吐出制御装置)
121:第2のステージ
122:支持部材
200:(第2実施形態の)塗布装置
201:架台
202:支柱
205:X方向駆動装置(X方向移動装置)
206:Y方向駆動装置(Y方向移動装置)
207:Z方向駆動装置(Z方向移動装置)
221:テーブル