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特許7098323獣鳥肉処理のための活性塩素系剤の再利用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】獣鳥肉処理のための活性塩素系剤の再利用
(51)【国際特許分類】
   A23B 4/027 20060101AFI20220704BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20220704BHJP
   A01N 59/08 20060101ALI20220704BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220704BHJP
   A23B 4/12 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
A23B4/027
A01N25/02
A01N59/08 A
A01P3/00
A23B4/12 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2017511604
(86)(22)【出願日】2015-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-09-14
(86)【国際出願番号】 US2015047591
(87)【国際公開番号】W WO2016033558
(87)【国際公開日】2016-03-03
【審査請求日】2018-08-27
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】62/043,579
(32)【優先日】2014-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アール.ミューレン
(72)【発明者】
【氏名】スコット ディー.ヘイグマン
(72)【発明者】
【氏名】スコット エー.マスグレイブ
(72)【発明者】
【氏名】デボラ クライン
(72)【発明者】
【氏名】ペトラ ボグト
【合議体】
【審判長】森井 隆信
【審判官】岡崎 美穂
【審判官】齋藤 恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-515309(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0096971(US,A1)
【文献】特表2009-524750(JP,A)
【文献】特表2004-517126(JP,A)
【文献】特表2009-518014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23B4/00-9/34
A23L3/00-3/54
A22B1/00-7/00
CAPlus/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE/FSTA/CABA/AGRICOLA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品上の微生物個体群を低減する方法であって、前記方法は:
(A)食品加工のための抗菌性溶液を食品に適用する適用装置に固定された混合装置内へ、水、及び抗菌性溶液を製造するために用いる一つ又は複数の化学成分を供給することであって、前記混合装置は、
(1)少なくとも一つの入口及び出口を含む第一の導管と、
(2)第一の入口及び第二の入口、及び少なくとも一つの出口を含む第二の導管であって、前記第一の導管は前記第二の導管に固定され前記第二の導管に交差する、第二の導管と、
(3)出口を含む混合チャンバーであって、前記第二の導管は前記混合チャンバーに固定され、前記第一の導管及び前記第二の導管の出口は、前記混合チャンバーと流体連結している、混合チャンバーと
を含み、
前記水及び一つ又は複数の化学成分は、前記混合装置の一つ又は複数の入口に導入される、供給することと;
(B)前記混合装置の前記混合チャンバー内の前記一つ又は複数の化学成分及び前記水を混合して、抗菌性溶液を形成することと;
(C)前記抗菌性溶液を前記適用装置に導入することと
含み、
前記混合は5マイクロ秒~500ミリ秒継続し、
前記化学成分は、金属亜塩素酸塩及び酸を含む、方法。
【請求項2】
前記混合装置は、アダプタを介して前記適用装置に接続されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記適用装置は、生肉スプレーチャンバー又は浸漬タンクの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記食品は、果物又は植物である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記食品は、肉以外の食品である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記食品は、農産物又は穀物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
使用済み抗菌性溶液を前記第一の導管の入口に導入することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記使用済み抗菌性溶液は、前記適用装置から集められたものである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記金属亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記水は前記第二の導管の前記第一の入口に導入され、前記一つ又は複数の化学成分は前記第二の導管の前記第二の入口に導入される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記混合チャンバー内で酸性亜塩素酸ナトリウム抗菌性溶液を形成することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記混合チャンバー内の前記酸性亜塩素酸ナトリウム抗菌性溶液は、0.01質量%~0.1質量%の前記亜塩素酸ナトリウムを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記酸のpKaは、2.0~4.4である、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記混合チャンバー内の前記酸性亜塩素酸ナトリウム抗菌性溶液のpHは、2.2~4.5である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
亜塩素酸の形態の亜塩素酸イオン濃度を、前記混合チャンバー内の前記酸性亜塩素酸ナトリウム抗菌性溶液内の亜塩素酸イオン濃度の合計で35質量%以下に維持するのに十分な量で、前記酸が存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記適用装置は獣鳥肉冷却用である、請求項3に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は複数の混合装置を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記使用済み抗菌性溶液の濁度、油量、脂肪量、粘度、pH、酸化還元電位、腐食量、金属イオン量、亜塩素酸量、一つ又は複数の塩素含有種量の一つ又は複数を測定するためのセンサと、前記センサと通信して、前記抗菌性溶液の濃度を調整するための制御装置とを更に含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
適用なし。
【0002】
連邦支援の研究又は開発に関する記載
適用なし。
【0003】
技術分野
本発明は、獣鳥肉解体処理施設における生の獣鳥肉を処理するために用いる抗菌性流体の製造及びリサイクルを改善するための、組成物、方法、及び装置に関する。生の獣鳥肉を含む生の食用動物製品は、処理の間に移動する可能性のある消化管内の微生物などの、解体及び内臓摘出後すぐに肉の表面に接触する微生物の混入に影響されやすい。混入する微生物としては、バクテリア、例えば、サルモネラ及びカンピロバクター種、リステリア菌、大腸菌、及びその他の大腸菌群、及び他の消化器官の微生物が挙げられる。バクテリア、例えばサルモネラが表面組織に一旦接触すると、それらは素早く付着し、鳥肉スプレー及び冷却タンクに使用することが許された塩素防感染剤でさえ除去するのが困難になる。牛肉処理において、例えば、O157:H7として示される大腸菌の特に毒性の強い菌株は、報告では1993年の米国においてファーストフードチェーンで売られるハンバーガー肉に混入し、何名かの死者を出した。
【背景技術】
【0004】
鳥肉製品におけるサルモネラ及びカンピロバクターバクテリアによって生じる問題は特に注目に値する。食品におけるこれらの微生物の存在は、著しいコスト及び危険性を課す重大な危機である。不適当な調理、並びに食品を取り扱う表面及びその後の他の食品に対するバクテリアの物理的な移動は、微生物の拡散につながり、胃腸障害、及び場合によっては死を引き起こすことがある。
【0005】
畜産家、孵化場、飼料成分供給元、農場、処理装置、及び配給業者は、鶏及びシチメンチョウへのサルモネラ混入の一因として、すべて関係している(Villarreal, M. E.他、「食品保護ジャーナル(J. Food Protection)」、53巻、465~467頁、1990年)。小数の鳥の汚染でも、他の鳥へのより広い範囲の汚染、及び死骸への相互汚染につながるおそれがある。細菌増殖及び他の損傷の兆候は冷却で遅らせることができるが、しかしながら、肉製品に課すことができる冷却の程度には限度があり、冷凍肉が不足しており、いくつかのバクテリア、例えば好冷菌は氷点に近い温度で生き残ることができ、増殖することさえある。したがって、処理の間の病原性及び他の微生物の混入を制御及び破壊して、肉上の微生物の数を低減することが好ましい。
【0006】
鳥肉処理は、他の肉用動物の処理と同様である。簡単に要約すれば、ケージに入れられた鳥がトラックで処理場に到着する。典型的には、鳥は解体前の少なくとも1~4時間給餌されず、鳥の腸管をきれいにして、それによってその後の処理の間に排せつ物が混入する危険性を低下させる。鳥は、ドレッシングライン上のシャックルにそれらの足で吊され、喉を切られて気絶し血を取られる。血抜きした後、まだ吊されながら、鳥は湯がかれ(scalded)、毛をむしられ(plucked)、内臓摘出ラインへと移動され、そこで手動又は機械的に内蔵を摘出され、検査及びスプレー洗浄される。スプレーは、塩素、又はその他の許可された消毒剤を含んでもよい。歴史的に、処理の最終工程は、塩素又は他の許可された抗菌剤を含む冷水の向流を通した動きによって冷やす、水冷タンク内での冷却であり、典型的な数千ガロンタンク内で通常45分~1時間かかる。
死骸は後冷却スプレーを更に通過し、抗菌処理剤に浸し若しくは浸漬され、その後再び吊され、包装され、又は、限定されないが、挽いた、機械的に分離した、及びその後冷蔵若しくは冷凍などした部分、他の付加価値製品へと更に処理してもよい。
【0007】
サルモネラ、カンピロバクター、及び他の微生物は、約50℃~58℃の温度を含む湯がき処理を生き残る可能性がある。相互汚染はあらゆる処理段階の間に発生するおそれがあるが、しかしながら、主要な問題は、微生物が腸管から開放されて他の組織表面へと移動する内臓摘出の間と後に生じる。例えば、肉からの有機物質及び細菌が水に混入し、他の有機物質は経時的に又は更なる使用をとおして微生物増殖のための栄養分を提供する。細菌は増えて、更なる肉、鳥肉、及び設備に混入するおそれがある。水中の微生物を除去し、不活性化し、又はそうでなくとも制御しなければ、処理水は、他の肉の死骸への汚染及び相互汚染の源になるおそれもある。
【0008】
この問題を解決するために多くの機構が試みられてきた。そのような機構としては、塩素、二酸化塩素、ペルオキシ酢酸、GRAS酸、有機酸、及びこれらの混合物、オクタン酸、酢酸、酸性亜塩素酸ナトリウム、カルノバクテリウムマルタロマチカムステインCB1;塩化セチルピリジニウム;クエン酸;1,3ジ-ブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン;クエン酸、リン酸、及び塩酸混合物;乳酸;ラクトフェリン;ラウラミドアルギニンエチルエステル;ナイシン、オゾン;過酸化水素;ペルオキシ酢酸;ペルオキシオクタン酸;二酢酸カリウム;乳酸と酸性硫酸カルシウムとの混合物;乳酸と酸性硫酸カルシウムとプロピオン酸との混合物;乳酸と硫酸カルシウムとリン酸ナトリウムとの混合物;メタケイ酸ナトリウム;リン酸三ナトリウム;又はこれらの組み合わせの適用が挙げられる。適切な商業的に入手可能な抗菌性溶液の例としては、限定されないが:照射、エコラボ(Ecolab)社、セントポール、ミネソタ州から入手可能な、酸性亜塩素酸ナトリウム、商標名SANOVA(登録商標);及び肉/鳥肉取扱い処理の様々な段階の間に適用される高圧低温殺菌が挙げられる。米国特許第7,887,850号明細書、米国特許第6,475,527号明細書、米国特許第6,761,911号明細書、米国特許第6,063,425号明細書、米国特許第5,830,511号明細書、及び米国特許第5,389,390号明細書に記載されているように、金属亜塩素酸塩/金属塩素酸塩の使用は、生の獣鳥肉の微生物学的な混入を低減又は排除するための特に有効な戦略である。
【0009】
しかしながら、そのような金属亜塩素酸塩/金属塩素酸塩の使用に対する障害は、それらを製造及び適用するコスト及び消費である。金属亜塩素酸塩/金属塩素酸塩は典型的に非常に狭いpH範囲に酸性化されて特定のpKa値を得て、どの塩素種を生じるかについて非常に選択的である。そのような条件を効果的にインサイチュで維持することは、本産業における現行の課題である。更に、この複雑さは、すでに使用された金属亜塩素酸塩/金属塩素酸塩溶液の再利用を極めて困難にしていることが分かった。その結果、金属亜塩素酸塩/金属塩素酸塩の抗菌性溶液を適用するコストは最適よりも非常に高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、獣鳥肉解体処理施設における生の獣鳥肉の処理に使用される抗菌性流体を製造及び再利用する、新規な方法、化学品、及び装置に明らかな有用性がある。本発明は、これらの要求を解決し、更に関連する利点を提供する。
【0011】
この節に記載されている技術は、具体的にそのように示さない限り、本明細書において参照するあらゆる特許、刊行物、又は他の情報が、本発明に関する「従来技術」であるとの容認を構成することを意図するものではない。更に、この節は、調査を行ったこと、又は米国特許施行規則第1.56条(a)に定められている他の関連情報が存在しないことを意味するものと解釈すべきでない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
長く残っていたが未解決であった上記で特定した要求を満たすために、本発明の少なくとも一つの実施形態は、生肉の微生物個体群を低減する方法に向けられる。方法は、抗菌性溶液の製造及び生肉への適用を本質的に同時に行うことを含む。
【0013】
製造は、迅速混合装置内で行ってもよい。抗菌性溶液の少なくとも一部は、生肉とすでに接触した再循環流体から形成してもよい。同時に製造及び適用しなければ、再循環流体中の材料は、亜塩素酸が生肉に適用される前に亜塩素酸の分解を引き起こすことがある。方法は、再循環流体の内容物を測定することと、適切な量の、酸、金属亜塩素酸塩、非金属亜塩素酸塩源、及びこれらの任意の組み合わせを加えることとを更に含んでもよい。溶液は少なくとも部分的に金属亜塩素酸塩から製造してもよく、金属は、ナトリウム、カリウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。溶液は少なくとも部分的に酸から製造してもよく、酸は、クエン酸、重硫酸ナトリウム、リン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、酢酸、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。溶液の製造開始から生肉への適用までの間に、約5マイクロ秒~約500ミリ秒が経過してもよい。製造は、溶液が生肉に適用される場所の0.01~50インチ以内で行ってもよい。
【0014】
製造は混合装置内で行ってもよい。混合装置は、一つ又は複数の入口及び出口を有する第一の導管と、一つ又は複数の入口及び出口を有する第二の導管と、混合チャンバーと、アダプタとを含んでもよい。第一の導管は第二の導管に固定され、第二の導管と交差している。混合チャンバーは、一つ又は複数の入口及び出口を有する。第二の導管は、混合チャンバーに固定されている。第一の導管の出口及び第二の導管の出口は混合チャンバーに連通していてもよい。アダプタは、混合チャンバーの出口に連通し、混合チャンバーに固定されている。混合装置は、溶液を生肉に適用するよう構成され及び配置された浸漬バット又はスプレーチャンバー内へと、アダプタを介して開口部に取り付けられていてもよい。
【0015】
方法は、溶液を製造するために用いる一つ又は複数の化学成分を、上記装置の上記第一の導管及び上記第二の導管の上記入口に導入することによって、溶液を形成するための1つの成分を上記装置の上記混合チャンバー内に導入することと、上記装置の上記混合チャンバー内で上記化学品を混合して溶液を形成することと、生肉に連通する上記装置の上記アダプタを通して溶液を分配することとを更に含んでもよい。化学品は、順番に、同時に、又は予めプログラムされた順番で導入してもよい。化学品は、一つ又は複数の出口へとポンピングしてもよい。抗菌性溶液は、生肉とすでに接触した再循環流体から形成してもよい。同時に製造及び適用しなければ、再循環流体中の材料は、亜塩素酸が生肉に適用される前に亜塩素酸の分解を引き起こすことがある。微生物個体群は、少なくとも部分的に病原性でもよい。
【0016】
方法は、溶液中0.01質量%~0.1質量%の金属亜塩素酸塩と、pH2.2~約4.5における第一のpKaが約2.0~約4.4である充分な量の酸との間の反応から形成される反応生成物に対して本質的に同一の特性及び組成を有する抗菌性溶液を使用して、亜塩素酸の形態の亜塩素酸イオン濃度を、抗菌性水溶液中に存在する亜塩素酸イオンの合計で約35質量%以下に維持してもよい。しかしながら、本質的に同一の特性及び組成は、金属亜塩素酸塩からの金属を必ずしも含まなくてもよい。
【0017】
方法は、酢酸、オクタン酸、過酸化水素、ペルオキシ酢酸、ペルオキシオクタン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、二酸化塩素、モノクロラミン、酸性亜塩素酸ナトリウム、非塩素ハロゲン化合物、有機酸、クエン酸、プロピオン酸、鉱酸、リン酸、塩酸、硫酸、GRAS酸、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、及びこれらの任意の組み合わせを含む、活性化亜塩素酸、過酢酸、ペルオキシ酸混合物からなる群から選択される少なくとも一つの品目を含む抗菌性組成物を使用してもよく、非塩素ハロゲン化合物としては、限定されないが、ヨウ素、ヨードフォア、臭素、臭素化化合物、第四級アンモニウム化合物が挙げられ、第四級アンモニウム化合物としては、限定されないが、第四級塩化アンモニウム、塩化セチルピリジニウムが挙げられる。抗菌性組成物は、肉加工操作の生肉にすでに適用された殺生物剤組成物材料の結果物から形成してもよい。
【0018】
更なる特徴及び利点は本明細書に記載されており、以下の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、図面を具体的に引用しながら、発明の詳細な説明を記載する。
【0020】
図1図1は、使用された抗菌性流体を再循環させるプロセスフロー図である。
図2図2は、試剤を混合する、及び/又は使用された抗菌性流体を再循環させるプロセスフロー図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による装置の側面立面図である。
図4図4は、図3の装置の断面図である。
図5図5は、図3の装置の第一の導管の側面立面図である。
図6図6は、図3の装置のアダプタの側面立面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態の第一の導管、第二の導管、混合チャンバー、及びアダプタの分解側面図である。
図8図8は、本発明の装置の模式図を表す。
図9図9は、本発明の一実施形態による装置の側面立面図である。
【0021】
本明細書において、図中の同じ符号は、特に明記しない限り同じ構成に関連する。図面は、本発明の原理を単に例示するものであり、示される特定の実施形態に本発明を制限することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の定義を提供して、本出願において用いられる用語、特に請求項をどのように解釈すべきかを定める。定義の体系は単に便宜上のためであり、いずれの定義も何らかの特定のカテゴリーに制限することを意図するものではない。
【0023】
「GRAS」は、一般的に安全であると認識されている(generally recognized as safe)ことを意味し、ひとつの定義は米国連邦規則集第21編に提供されている。
【0024】
「生肉」は、肉加工操作におけるいくつかの点で取り扱われる動物から導かれる動物の死骸又は材料のいくつか又は全てを意味し、そのような肉としては、限定されないが、鶏、ウシ、ブタ、ヤギ、蓄牛、シチメンチョウ、カモ、ウズラ、ガチョウ、ヒツジ、ウマ、蓄牛、魚、甲殻類、海洋動物、肉用爬虫類、虫、鳥肉用鳥、肉切れ、動物の部分、動物性脂肪、動物の切れはし、牛肉、子牛肉等からの、肉、皮膚、筋肉、髄、軟骨、臓器、組織、及び任意の他の部位が挙げられる。
【0025】
「官能特性」は、食品、特に肉及び肉製品の、感覚器によって知覚することができる特性の説明を意味し、評価される特性としては:外見、色、質感、及び濃度、臭い、及び味が挙げられ、官能特性の一つ又は複数の特性を測定する手順の代表的な例としては、教科書:「簡単な肉保存方法のマニュアル(Manual on Simple Methods of Meat Preservation)」、79版、1~87頁(特に、序章5、品質管理の基本的方法)、国連食糧農業機関(1990年)、ウェブサイト:BP Dey他による「微生物学研究所ガイドブック(Microbiology Laboratory Guidebook)」、第3版、第1~2巻、米国農務省食品安全検査サービス(1998年)、教科書:BP Dey他による「微生物学研究所ガイドブック(Microbiology Laboratory Guidebook)」第3版、第1~2巻、米国農務省食品安全検査サービス(1998年)、及び論文:VS Waskar他による「ハーブ毒素バインダー製品を添加したブロイラーの肉品質の特性(Meat Quality Attributes of broilers supplemented with Herbal Toxin binder Product)」第2巻(7)、274~277頁(2009年)の一つ又は複数に見ることができる。
【0026】
「肉加工操作」は、生きた動物又はその任意の部分を、消費者市場で販売又は使用する準備ができた肉製品に変換する過程の任意の点を意味し、限定されないが、解体前準備、解体、内蔵摘出、脱羽毛、皮剥ぎ、除骨、パーツ選別、臓器除去、精肉、脂肪溶解、切削、細断、機械的分離、粉砕、混合/回転、硬化、スパイスの添加、非肉添加剤の添加、包装材若しくは他の容器への詰込/充填、発酵、乾燥、チルド、冷凍、調理、照射、燻り、加塩、血抜き、ピクリング、加熱、浸漬、スプレー等、及び/又はこれらの工程の任意の一つ若しくは複数の前若しくは後に行われる任意の工程のような工程の一つ又は複数が挙げられる。
【0027】
「活性塩素系剤」は、亜塩素酸イオン(限定されないが、金属亜塩素酸塩によって放出されるイオンが挙げられる)と酸性条件下の酸との反応から生じる溶液と実質的に同じ組成及び特性を有する溶液を意味し、溶液としては、限定されないが、分子塩素も、二酸化塩素も、次亜塩素酸ナトリウムも実質的に含まない溶液が挙げられ、溶液としては、限定されないが、米国特許第5,389,390号明細書、米国特許第6,063,425号明細書、及び米国特許第7,887,850号明細書に記載されている組成物もまた挙げられ、また、それらがアニオン、金属、及び/又は金属イオンにおいて異なるか、又はこれらを全く含まないことを除いては、これらの特許に記載されているものと実質的に同じ組成及び特性を有する組成物が挙げられる。
【0028】
本出願に記載する上記の定義又は記載が、一般的に辞書で用いられている意味、又は引用によって本出願に含まれる出典に記載されている意味と(明確に又は暗に)矛盾する場合には、本出願及び特に請求項の用語は、本出願における定義又は記載に従うものであって、一般的な定義、辞書の定義、又は引用により含まれる定義に従うものではないことを理解されたい。上記に照らして、用語が辞書によって解釈される場合にのみ用語を理解することができる場合には、用語がKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第5版(2005年)(Wiley、John & Sons社出版)によって定義されていれば、この定義が、請求項において用語をどのように定義すべきかについて支配するものとする。また、示される全ての化学構造は、全ての可能性のある立体異性体の代替物を包含する。
【0029】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、活性塩素系剤を生成する方法に向けられる。方法は:a)その成分からの活性塩素系剤の形成と、b)肉加工操作への活性塩素系剤の供給とを実質的に同時に行うことを含む。形成は、金属亜塩素酸塩と酸とを迅速な混合条件で混合することを含んでもよい。方法は、かつて活性塩素系剤を含んでおり(そしてまだいくらかの活性塩素系剤を含んでいてもよく、又は含まなくてもよい)、生肉に既に接触した溶液を含む流体を再利用することを含んでもよい。
【0030】
活性塩素系剤の代表的な例としては、限定されないが、米国特許第5,389,390号明細書、米国特許第6,063,425号明細書、及び米国特許第7,887,850号明細書に記載されているものが挙げられ、また、特定の酸性亜塩素酸ナトリウム製品(例えば、エコラボ(Ecolab)社、セントポール、ミネソタ州によるSANOVA(登録商標))は、食品医薬局(F.D.A.)(21 C.F.R. 173.325)によって、鳥肉死骸、部分及び断片、赤身肉死骸、赤身肉の切り落とし、シーフード、及び生の農産物の前冷却処理のための抗菌物質スプレー及び/又は浸漬物として許可されている。一定量の前述の抗菌性活性塩素系剤水溶液を動物に経口投与することによって、生きた動物(例えば鶏)の消化管内の病原体を低減しうることが分かった。
【0031】
少なくとも一つの実施形態において、生成される抗菌性水溶液は、約0.01質量%~約0.1質量%の金属亜塩素酸塩と、第一のpKaが約2.0~約4.4である充分な量の酸とを含み、抗菌物質水溶液のpHを約2.2~約4.5に調整し、亜塩素酸の形態の亜塩素酸イオン濃度を、抗菌性水溶液中に存在する亜塩素酸イオンの合計で約35質量%以下に維持する。少なくとも一つの実施形態において、生肉に適用されるときの溶液のpHは2.3~2.9である。少なくとも一つの実施形態において、溶液は100~3000ppmの亜塩素酸種を含む。
【0032】
本発明において有用な金属亜塩素酸塩としては、アルカリ亜塩素酸塩、例えば、亜塩素酸ナトリウム若しくは亜塩素酸カリウムが挙げられ、又は本発明の実施においてこれらの混合物を用いてもよい。例えば、一実施形態において、アルカリ金属亜塩素酸塩は亜塩素酸ナトリウムである。
【0033】
本発明において有用な酸としては、限定されないが、第一のpKa値が約2以上である酸が挙げられるが、しかしながら、pKa値が約5より高い酸は本出願において多くの場合適切ではない。少なくとも一つの実施形態において、酸は水に溶解しても完全にはイオン化しない。少なくとも一つの実施形態において、酸は、水溶液中で解離する第一のイオン性酸性基が100分の約1以下である酸の群に更に限定される。少なくとも一つの実施形態において、酸は、重硫酸ナトリウム、リン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、及び酢酸、あらゆるGRAS酸、又はこれらの混合物、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0034】
活性塩素系剤溶液の同時の形成及び適用は、全く予想外な多くの利点につながる。まず、これは形成処理の効率を非常に助ける。
【0035】
一貫した濃度の活性塩素系剤の正確な混合及び供給を提供するために、亜塩素酸塩は、典型的には、まず水中に適切に希釈されるべきである。次に、希釈された酸及び希釈された塩基を組み合わせて、活性塩素系剤を生成する。完全に混合することなく水中に濃縮物を組み合わせることは、多くの場合、拡散的な上下のpHの個別領域(「ポケット」)を生じる。低いpHのポケットは、高い亜塩素酸濃度につながり、その後より高く望ましくない濃度の二酸化塩素を形成することがある。その理由は、亜塩素酸の形成は容易に起こり、溶液環境のpHによって駆動されるからである。したがって、適切な前希釈、特に酸成分の適切な前希釈を可能にすることは、一貫した充分な量の活性塩素系剤を形成するために重要である。
【0036】
さらに、亜塩素酸イオンは、望ましくない多くの塩素含有種、例えば分子塩素、二酸化塩素、及び次亜塩素酸ナトリウム種を形成する可能性がある。これらの種は、健康、安全、規制、及び他の理由のために望ましくない。pH、pKa、及び化学量論比の特定の条件のみ、充分な量の活性塩素系剤につながるか、又は望ましくない種の数を低減することにつながる。さらに、活性塩素系剤は経時的に分解して、より更に多くの望ましくない種を生じることがあり、及び/又は亜塩素酸の濃度が低減するにつれて効力を失う。獣鳥肉及び処理に固有の有機物の屑は亜塩素酸の分解を早め、したがって、この処理工程で適用される殺生物剤溶液は、最適な有効性のために亜塩素酸濃度をより高くし、かつ亜塩素酸の割合をより高くしなければならない。亜塩素酸(亜塩素酸塩+酸)は、消毒処理によって消費される。
【0037】
これは、調製された溶液を好都合に入手可能にし、かつ即時に使用するために適用点に近接させることと、純粋/極めて強力な溶液を入手可能にすることとの間の望ましくないトレードオフにつながる。活性塩素系剤を同時に形成及び適用する能力がなく、肉取扱い処理と亜塩素酸形成処理との間の極度な調整のみによって、妥当な効率及び有効性を得ることができる。それでも、本当に同時でない限りいくらかの分解が起こり、適用される活性塩素系剤は最適よりも強力でなく、及び/又は最適よりも少量である。したがって、活性塩素系剤を同時に成形及び適用することは、同時に成形及び適用されない亜塩素酸よりも大きな効力を有する適用につながる。
【0038】
また、同時の形成及び用途は、よりロバストな溶液につながるので、そうでなければ使用に不適当であろう原料を効率的に利用することを可能にする。例えば、活性塩素系剤を形成する反応に競合する又はそうでなければ損なう他の材料又は混入物を含む原料を、ここでは用いることができる。その理由は、形成と適用との間に存在する時間が短く、亜塩素酸が分解する前に溶液がすでに適用され、その抗菌効果を与えるからである。
【0039】
そのような原料の1つの例は、生肉にすでに接触し、使用/回収された溶液流体である。生肉に活性塩素系剤を吹き付けるか、又は浸漬したとき、生肉は亜塩素酸と反応して多くの有機種を形成する。これらの種は更なる活性塩素系剤を再形成するのに必要な材料を含むが、しかしながら、それらはそのような反応を熱力学的に損なう。しかしながら、そのような使用された溶液を素早く混合すると、そうでなければ入手不可能な活性塩素系剤を少なくとも短時間成形することができる。少なくとも一つの実施形態において、回収された組成物は、すでに肉に適用され回収された抗菌性溶液の流れの中に充分な量の酸又は亜塩素酸塩化学物質を加えることによって処理され、理想的な濃度及びpHへ戻し、リサイクルされた酸性亜塩素酸ナトリウム抗菌性溶液を得る。
【0040】
これは、金属亜塩素酸塩とpKa2~5の酸との反応によって活性塩素系剤が形成される場合に特に当てはまる。そのような反応は、他の有機種と接触したとき非常に損なわれ又は素早く分解する。しかしながら、本質的に同時に形成及び適用する条件下では、所望の活性塩素系剤を使用することができる。
【0041】
少なくとも一つの実施形態において、活性塩素系剤は、金属亜塩素酸塩とpKa2~5の酸との反応によって形成され、金属亜塩素酸塩の少なくともいくらか及び/又は酸の少なくともいくらかは、生肉にすでに接触した流体中にある材料である。
【0042】
これは、再循環流を使用するよう構成及び配置された活性塩素系剤浸漬容器又はスプレーチャンバーを使用することを可能にし、浸漬容器又はスプレーチャンバーからの排水を回収し、再び混合し、及び/又は反応させ、そして次に浸漬容器又はスプレーチャンバー内へと再供給される。少なくとも一つの実施形態において、スプレーチャンバーは、米国特許出願公開第2007/10166441号明細書の一つ又は複数の開示に従って構成及び配置されたものである。実施形態は、米国特許出願公開第2007/0084802号明細書に記載されている構成の一つ又は複数を含み、又は更に含んでもよく、これは変更すべきところを変更して(mutatis mutandis)適用される再循環システムの構成又は配置を促進し、また、活性塩素系剤を同時に製造及び適用する装置は、微生物学的剤が分配される点の上流及び/又はすぐ上流にある(例えば符号36のディスペンサー)。少なくとも一つの実施形態において、更なる構成が存在して、生肉との接触によって溶液中に堆積する、脂肪、油、皮膚、骨、及び他の材料の除去に対処し、そうでなければ流体の再循環を詰まらせ又はそうでなければ損なうであろう。
【0043】
さらに、本発明は、活性塩素系剤を含む殺生物剤組成物に限定されないことが理解される。少なくとも一つの実施形態において、同時に製造及び適用される組成物は、活性塩素系剤以外の殺生物剤を含む。少なくとも一つの実施形態において、同時に製造及び適用される組成物は、活性塩素系剤以外の殺生物剤と活性塩素系剤との両方を含む。
【0044】
次に図1を参照すれば、使用済流体を集め再循環するよう構成及び配置されたシステム(100)の実施形態が示されている。生肉処理装置は、品目、例えば、活性塩素系剤を含有する溶液を適用する生肉浸漬部(9b)又は生肉スプレー(9a)の一つ又は複数を含む。図1は、浸漬部及びスプレーの両方を含む実施形態を示すが、本発明は、活性塩素系剤含有溶液を生肉に適用するのに適するこれらの装置及び/又は他の装置を一つだけ含む実施形態も包含することが理解される。あらゆる適切な洗浄剤、抗菌剤、洗剤、界面活性剤、キレート剤、消泡剤、ポリホスフェート、酸味料、アルカリ、又は水調製剤を、本発明と共に利用してもよいことが理解される。そのような適用の後、溶液を、すでに装置内にある任意の流体、及び生肉から除去されて使用済流体を形成した材料と、混合及び反応する。使用済流体は、例えば、排水(32)又は他の集水装置を介して収集/回収することができる。ポンプ(33)又は他の装置を任意に用いて、使用済流体の循環を促進してもよい。そのような一つ又は複数のポンプ/一つ又は複数の装置は、集水装置より下流かつ処理装置より上流の任意の一つ又は複数の場所に位置してもよい。
【0045】
システム(100)は、一つ又は複数の機構、装置、及び/又は方法、例えば、限定されないが、米国特許出願公開2007/0084802号明細書に記載されているものなどを利用するよう更に構成及び配置されて、詰まり、閉塞を防止し、並びに/又はそうでなければ使用済流体の適切な流れ及び/若しくは前調節を促進するように、再循環使用済流体を更に処理してもよい。同様に、システムは排水口を含んで、過剰な、溢れた、及び/又は望ましくない使用済流体を分離してもよい。回収された抗菌性溶液は、再適用プロセスの任意の段階の間に回収及び再利用することができる。
【0046】
使用済流体を一つ又は複数の潜在的な最終用途に向けるようシステムが構成及び配置されている場合、一つ又は複数の弁(34)が流体を適切に導いてもよい。流体は、次に迅速混合装置(12a、12b)内へと導入され、そこで本質的に同時に活性塩素系剤含有溶液を形成し、次に生肉へ適用する。一つ又は複数の更なる供給ラインは、一つ又は複数の更なる試剤(限定されないが、金属亜塩素酸塩、亜塩素酸イオンのいくつかの他の源、及び/又は酸が挙げられる)を迅速混合装置(12)に任意に供給して、所望の特性及び組成の活性塩素系剤含有溶液の形成を促進してもよい。
【0047】
ここで図2を参照すれば、使用済流体の収集及び再循環と新たな活性塩素系剤の製造との間を最適化するよう構成及び配置された、システム(100)の実施形態が示されている。システムは、活性塩素系剤-生肉適用サイト(9)を含む。図2は、これを浸漬の形態で示しているが、スプレーチャンバー又はあらゆる他の適用装置を使用してもよい。排水口又は集水装置(32)は、生肉に接触した後の使用済流体を集める。いくつかの点で、センサー装置(34)は、流体の少なくとも一つの特性を(分析的に)測定する。特性としては:濁度、油量、脂肪量、粘度、pH、酸化還元電位、腐食量、金属イオン量、亜塩素酸量、一つ又は複数の塩素含有種量、及びこれらの任意の組み合わせの任意の一つ又は複数であってよい。任意に、センサー装置(34)装置は、再循環流体の流れから進路変更された側流(37)の入力を受容し、側流はセンサーの分析の後に処分し又は戻すことができる。センサー装置の代表的な例としては、米国特許出願公開第2012/0142113号明細書、及び米国特許出願公開第2010/0108566号明細書、並びに米国特許第5,734,098号明細書に記載されている装置のいくつか又は全てが挙げられる。
【0048】
センサー装置(34)は、制御装置(35)と情報通信しており、制御装置(35)のプロセス論理が、1つ、2つ、又はそれより多くの亜塩素酸形成成分供給源(36a、36b)の迅速混合装置(12)への導入を制御する。プロセス論理は、再循環流体の様々な測定された特性に応答して、その量の一つ又は複数の剤が、一つ又は複数の供給源の一つ又は複数から迅速供給ミキサー(12)に供給されるようなものである。システムは、代替的に、更なる試剤のいずれか又は全ての非存在下で再循環流体を迅速供給ミキサー(12)に供給してもよく、再循環流体の非存在下で一つ又は複数の試剤を迅速供給ミキサー(12)に供給してもよく、又は任意の量の再循環流体と任意の一つ又は複数の試剤とを適切に組み合わせてもよい。
【0049】
図2は2つの試剤供給源を示しているが、しかしながら、任意の数を使用してもよい。更に、図2は、入口(2)を通過する再循環流、及び2つの垂直な入口(5a、5b)を通過する供給源を示すが、しかしながら、入口は、任意の数及び任意の配置の様々な入口であってよい。少なくとも一つの実施形態において、供給源の1つは、亜塩素酸イオン源、例えば金属亜塩素酸塩である。少なくとも一つの実施形態において、供給源の1つは酸性源である。少なくとも一つの実施形態において、供給源の1つは、希釈剤、例えば水、又は他の溶媒、又はキャリア流体である。図1及び2は、活性塩素系剤とは異なる殺生物剤に等しく適用することができる。
【0050】
少なくとも一つの実施形態において、活性塩素系剤(及び/又は他の一つ又は複数の殺生物剤)を製造するために用いる試剤の一部又は全部は、迅速混合装置を用いることにより混合及び導入される。そのような迅速混合装置の代表的な例としては、限定されないが、米国特許出願第13/645,671号明細書(米国特許出願公開第2014/0096971号として公開)、並びに米国特許第7,550,060号明細書、米国特許第7,785,442号明細書、米国特許第7,938,934号明細書、米国特許第8,440,052号明細書、及び米国特許第7,981,251号明細書に記載されているものが挙げられる。そのような迅速混合装置の代表例は、ナルコ(Nalco)社、ネイパービル、イリノイ州によって製造されている、PARETO(登録商標)装置である。そのような迅速混合装置は、活性塩素系剤を実質的に同時に製造及び適用するよう構成及び配置されていてもよい。
【0051】
ここで図3を参照すれば、迅速混合装置(12)を構成及び配置する態様の実施形態である。装置は、4つの主要部品:第一の導管(1)と;第二の導管(4)と;混合チャンバー(7)と;任意のアダプタ(8)とを含む。装置のそれぞれの部材の寸法及び幾何構造は、生肉加工操作に添加される抗微生物剤化学品をどれほど必要とするか、また、他の要因、例えば流体を1つの点から他(9)へ移動する一つ又は複数のプロセス流導管の構造にもよる。本発明の装置は、様々な種類の抗微生物剤化学品を取り扱うためのあらゆる適切な材料(例えば、ステンレス鋼)でできていてもよい。
【0052】
第一の導管(1)は、一つ又は複数の入口(2)及び出口(3)を有する。好ましくは、導管は、ヘッド部(10)と、円錐形状である部分(11)とを有する。第二の導管(4)は、一つ又は複数の入口(5)及び出口(6)を有する。第二の導管(4)は、当業者に認識されている任意の固定手段によって第一の導管のヘッド部(10)に固定されており、例えば、第一の導管のヘッド部(10)及び第二の導管(4)は、スクリューで一方の導管を他方に固定することができるように一つ又は複数の開口部を有してもよい。
【0053】
混合チャンバー(7)は、第一の導管(1)及び第二の導管(4)の両方の出口に連通する一つ又は複数の入口(17)及び出口(18)を有する。混合チャンバー(7)は第二の導管(4)に固定されている。混合チャンバー(7)は、当業者に認識されている任意の固定手段によって第二の導管(4)へと固定されていてもよく、例えば、スクリューで第二の導管を混合チャンバーに固定することができるように、第二の導管(4)及び混合チャンバー(7)の両方が一つ又は複数の開口部を有してもよく、又は混合チャンバー(7)の外面を第二の導管(4)の外面に融着することができる。
【0054】
アダプタ(8)が混合チャンバー(7)に固定されており、混合チャンバー(7)の出口に連通している。アダプタ(8)は、当業者に認識されている任意の固定手段によって、混合チャンバー(7)に固定されていてもよく、例えば、混合チャンバー(7)の一部をアダプタ(8)内に挿入してもよい。
【0055】
他の実施形態において、上記第二の導管(4)の入口(5)は、上記第二の導管(4)の上記出口に対して垂直である。他の実施形態において、第一の導管(1)は、上記第二の導管(4)の入口(5)に対して垂直に、上記第二の導管(4)と交差している。他の実施形態において、第一の導管(1)は、上記第二の導管(4)に交差しないヘッド部(10)と、上記第二の導管(4)に交差する部分とを有し、上記第二の導管(4)に交差する部分(11)は円錐形状であり、上記第一の導管(1)の当該点が上記混合チャンバー(7)に連通している。
【0056】
少なくとも一つの実施形態において、(12)アダプタ(8)は、単独で又は供給のための装置の一部として、生肉処理装置(9)の開口部(16)上に取り付けられ、アダプタ(8)は、当業者に認識されている任意の手段によって生肉処理装置(9)に固定されている。本発明の供給装置は、すでにそのように取り付けられていない場合、アダプタで接続されている。この構成を確立したあと、一つ又は複数の化学品及び供給液体が装置(12)に導入され、混合チャンバー(7)内で混合され、生肉処理装置(9)に供給される。
【0057】
他の実施形態において、生肉処理装置(9)内への異なる化学品の共供給は:いくつかの異なる化学品を装置(12)内に導入して、異なる化学品の混合物を形成し、混合物を生肉処理装置(9)内に分配すること;又は一連の装置(12)を並べて化学品を分配することによって達成することができる。化学品は、当業者によって定められた任意の順序で、システムに添加してもよい。例えば、化学品は、順番に、同時に、又は予めプログラムした順序で添加してもよい。
【0058】
他の実施形態において、混合は、生肉処理装置(9)へ化学品を導入する前の、化学品の段階的混合-混合である。段階的混合は、化学品の所望の反応速度で成分が混合装置へと供給される時間、継続する。更なる実施形態において、段階的混合は、約5マイクロ秒~約500ミリ秒まで継続する。
【0059】
他の実施形態において、上記化学品の活性は、上記装置に導入される上記化学品及び上記供給液体の流速を調整することによって制御される。上記装置に連通する一つ又は複数のポンプは、本発明の装置に導入される化学品及び供給液体の流速を調整してもよい。段階的混合は、混合チャンバー内への化学品及び供給液体の流速を制御することによって、混合チャンバー内で達成することができる。
【0060】
他の実施形態において、上記化学品の活性は、上記生肉処理装置(9)へそれらを導入する前に、上記混合チャンバー内に導入される上記化学品及び上記供給液体の流速を調整することによって制御される。
【0061】
他の実施形態において、化学品は、上記第一の導管(1)又は上記第二の導管(4)内へそれらを導入する前に、希釈液で希釈される。更なる実施形態において、希釈液は水を含む。
【0062】
少なくとも一つの実施形態において、適用される組成物は、酢酸、オクタン酸、過酸化水素、ペルオキシ酢酸、ペルオキシオクタン酸、及び1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、又はこれらの任意の組み合わせを含むペルオキシ酸混合物を含むか、又は更に含む。そのような材料の代表的な例としては、商品名INSPEXX 100、INSPEXX 200、及びINSPEXX 150(エコラボ(Ecolab)社、セントポール、ミネソタ州による。)を有する製品の一つ又は複数が挙げられる。
【0063】
少なくとも一つの実施形態において、抗菌性溶液は、限定されないが、二酸化塩素、モノクロラミン、酸性亜塩素酸ナトリウム、及びこれらの混合物を含む塩素化化合物の群から選択される少なくとも一つの品目を含むか、又は更に含む。少なくとも一つの実施形態において、抗菌性溶液は、限定されないが、ヨウ素、ヨードフォア、臭素、臭素化化合物、及びこれらの混合物を含む非塩素ハロゲン化合物の群から選択される品目を含むか、又は更に含む。少なくとも一つの実施形態において、抗菌性溶液は、限定されないが、第四級塩化アンモニウム、塩化セチルピリジニウム、及びこれらの混合物を含む第四級アンモニウム化合物の群から選択される品目を含むか、又は更に含む。少なくとも一つの実施形態において、抗菌性溶液は、有機酸(例えば、乳酸、クエン酸、プロピオン酸)、鉱酸(例えば、リン酸、塩酸、硫酸)、GRAS酸、及びこれらの混合物を含む群から選択された品目を含むか、又は更に含む。代替の実施形態において、抗菌性溶液は、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、及びこれらの混合物を含むか、又は更に含む。
【0064】
少なくとも一つの実施形態において、かつて活性塩素系剤を含んでおり(そしてまだいくらかの活性塩素系剤を含んでいてもよく、又は含んでいなくてもよい)、生肉にすでに接触し、迅速混合装置を通過した溶液を含む流体の再利用は、予測できない結果を表す多くの効率向上につながる。これらは、いくつかは新しい組成物(再利用されていない活性塩素系剤を含む組成物)のみで処理され、いくつかは再利用された組成物(再使用済流体が組成物の0.01%~99.99%を構成し、新しい組成物が組成物の0.01%~99.99%を構成する、組成物)で処理された、一連の標的の生肉サンプルを比較したときに認めることができる。これらの利点は、(新しい組成物で処理されるサンプルと比較して)以下の一つ又は複数を示す、再利用された組成物によって処理されたサンプルを含んでもよい:
●処理される生肉上で得られる微生物個体群を実質的に増加させずに、使用される酸の1%~99%(50%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群の増加が比例的に少なく、使用される酸の1%~99%(50%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群を実質的に増加させずに、使用される亜塩素酸塩の1%~99%(50%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群の増加が比例的に少なく、使用される亜塩素酸塩の1%~99%(50%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群を実質的に増加させずに、使用される水の1%~99%(50%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群の増加が比例的に少なく、使用される水の1%~99%(50%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群を実質的に増加させずに、使用されるエネルギー(例えばキロワット時で測定される)の1%~99%(50%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群の増加が比例的に少なく、使用されるエネルギー(例えばキロワット時で測定される)の1%~99%(50%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群を実質的に増加させずに、肉加工操作から放出される廃水の1体積%~99体積%(50体積%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群の増加が比例的に少なく、肉加工操作から放出される廃水の1体積%~99体積%(50体積%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群を実質的に増加させずに、肉加工操作から放出される気体放出の1体積%~99体積%(50体積%以上を含む)を低減すること。
●処理される生肉上で得られる微生物個体群の増加が比例的に少なく、肉加工操作から放出される気体放出の1体積%~99体積%(50体積%以上を含む)を低減すること。
●上記のいずれか一つにおいて、測定される特定の微生物個体群がサルモネラであること。
●上記のいずれか一つにおいて、測定される特定の微生物個体群がカンピロバクターであること。
●上記のいずれか一つにおいて、測定される特定の微生物個体群が、一種より多い微生物学的有機体であること。
●上記のいずれか一つが、生肉の任意の官能特性又は特徴の0%から99%超(>99%)の変化にも対応すること。
【0065】
少なくとも一つの実施形態において、上述の実施形態の任意の一つ又は複数は、必要な変更を加えて適用される肉以外の食品の処理活動、及び肉の処理活動と肉以外の食品の処理活動とを組み合わせた方法に向けられる。そのような肉以外の食品の処理活動の例としては、限定されないが、生の農産物処理、果物処理、植物処理、穀物処理、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0066】
本発明は多くの異なる形態で実施してもよく、本発明の特定の好ましい実施形態は本明細書に詳細に記載されている。本開示は、本発明の原理の例示であって、本発明を例示されている特定の実施形態に限定することを意図するものではない。言及した全ての特許、特許出願、学術論文、及び他の引用した資料は、引用によりその全体が本明細書中に含まれる。更に、本発明は、本明細書に言及され、本明細書に記載され、及び/又は本明細書に取り入れられる様々な実施形態の一部又は全部のあらゆる可能な組み合わせを包含する。更に、本発明は、本明細書に言及され、本明細書に記載され、及び/又は本明細書に取り入れられる様々な実施形態の任意の一つ又はいくつかを具体的に除外した、あらゆる可能な組み合わせを包含する。
【0067】
上記の開示は、説明的であって、網羅的ではないことを意図する。この記載は、多くの変形及び代替を当業者に示唆している。これらの代替及び変形の全ては、請求項の範囲に含まれることを意図しており、ここで、用語「含む」は、「含むが、これに限定されるものではない」ことを意味する。当業者であれば、本明細書中に記載されている特定の実施形態に対する他の均等物を認識することがあり、均等物は請求項にも含まれることが意図されている。
【0068】
本明細書中に開示されている全ての範囲及びパラメータは、そこに包含されるありとあらゆる全てのサブレンジ、及びエンドポイントの間のあらゆる数を包含するものと解する。例えば、「1~10」と定められた範囲は、最小値である1と最大値である10との間(並びに最小値である1及び最大値である10を含む)の、全てのサブレンジ;すなわち、1以上の最小値(例えば1~6.1)から始まり、10以下の最大値(例えば2.3~9.4、3~8、4~7)で終わる全てのサブレンジ、並びに範囲内に含まれる1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10のそれぞれの数をも含むと考えるべきである。本明細書中で用いるすべてのパーセント、比、および比率は、特に示さない限り、重量に基づくものである。
【0069】
ここで、本発明の好ましい及び代替の実施形態の記載を終了する。当業者であれば、本明細書中に記載されている特定の実施形態に対する他の均等物を認識してもよく、均等物は、本願明細書に添付した請求項に含まれることが意図されている。以下、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
生肉の微生物個体群を低減する方法であって、前記方法は:
抗菌性溶液の製造及び生肉への適用を本質的に同時に行うことを含み、
前記抗菌性溶液は、溶液の0.01質量%~0.1質量%の金属亜塩素酸塩と、pH2.2~約4.5における第一のpKaが約2.0~約4.4である充分な量の酸との反応から形成される反応生成物に対して、一つの可能性のある例外を除いて、本質的に同一の特性及び組成を有して、亜塩素酸の形態の亜塩素酸イオン濃度を、抗菌性水溶液中に存在する亜塩素酸イオンの合計で約35質量%以下に維持し、
前記可能性のある例外とは、前記金属亜塩素酸塩からの金属の存在又は特性である、
方法。
[2]
前記本質的に同一の特性及び組成は、前記金属亜塩素酸塩からの金属の量を含む、項目1に記載の方法。
[3]
前記製造を迅速混合装置内で行う、項目1に記載の方法。
[4]
前記抗菌性溶液の少なくともいくらかは、生肉とすでに接触した再循環流体から形成される、項目1に記載の方法。
[5]
同時に製造及び適用しなければ、前記亜塩素酸を生肉に適用する前に前記再循環流体中の材料が前記亜塩素酸の分解を引き起こすであろう、項目4に記載の方法。
[6]
前記再循環流体の内容物を測定することと、適切な量の、酸、金属亜塩素酸塩、非金属亜塩素酸塩、亜塩素酸塩源、及びこれらの任意の組み合わせを添加することとを更に含む、項目4に記載の方法。
[7]
前記溶液は少なくとも部分的に前記金属亜塩素酸塩から製造され、前記金属は、ナトリウム、カリウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
[8]
前記溶液は少なくとも部分的に酸から製造され、前記酸は、クエン酸、重硫酸ナトリウム、リン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、酢酸、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
[9]
前記溶液の製造開始から生肉に適用されるまでの間に約5マイクロ秒~約500ミリ秒が経過する、項目1に記載の方法。
[10]
前記製造は、前記溶液が生肉に適用される場所の5インチ以内で行われる、項目1に記載の方法。
[11]
前記製造は混合装置内で行われ、前記混合装置は、
一つ又は複数の入口及び出口を有する第一の導管と;
一つ又は複数の入口及び出口を有する第二の導管であって、前記第一の導管は前記第二の導管に固定され前記第二の導管に交差している、第二の導管と;
一つ又は複数の入口及び出口を有する混合チャンバーであって、前記第二の導管は前記混合チャンバーに固定され、前記第一の導管の前記出口及び前記第二の導管の前記出口は前記混合チャンバーに連通している、混合チャンバーと;
前記混合チャンバーの前記出口に連通し、前記混合チャンバーに固定された、アダプタとを含み、
前記混合装置は、前記溶液を生肉に適用するよう構成及び配置された浸漬バット又はスプレーチャンバー内へと、前記アダプタを介して開口部に取り付けられており、
前記方法は、前記溶液を製造するために用いる一つ又は複数の化学成分を、前記装置の前記第一の導管及び前記第二の導管の前記入口に導入することによって、上記装置の前記混合チャンバー内に前記溶液を形成するための一つの成分を導入することと、
前記装置の前記混合チャンバー内で化学品を混合して前記溶液を形成することと、
生肉へと連通する前記装置の前記アダプタを通して前記溶液を分配することとを更に含む、項目1に記載の方法。
[12]
前記化学品が、順番に、同時に、又は予めプログラムされた順序で導入される、項目11に記載の方法。
[13]
前記化学品の一つ又は複数を、前記出口の一つ又は複数へとポンピングすることを更に含む、項目11に記載の方法。
[14]
前記抗菌性溶液の少なくともいくらかは、生肉とすでに接触した再循環流体から形成される、項目11に記載の方法。
[15]
同時に製造及び適用しなければ、前記亜塩素酸を生肉に適用する前に前記再循環流体中の材料が前記亜塩素酸の分解を引き起こすであろう、項目14に記載の方法。
[16]
前記微生物個体群は少なくとも部分的に病原性である、項目1に記載の方法。
[17]
生肉の微生物個体群を低減する方法であって、前記方法は、抗菌性組成物の製造及び生肉への適用を本質的に同時に行うことを含む、方法。
[18]
前記抗菌性組成物は、酢酸、オクタン酸、過酸化水素、ペルオキシ酢酸、ペルオキシオクタン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、二酸化塩素、モノクロラミン、酸性亜塩素酸ナトリウム、非塩素ハロゲン化合物、有機酸、クエン酸、プロピオン酸、鉱酸、リン酸、塩酸、硫酸、GRAS酸、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、及びこれらの任意の組み合わせを含む、活性化亜塩素酸、過酢酸、ペルオキシ酸混合物からなる群から選択される一つである少なくとも一つの品目を含み、前記非塩素ハロゲン化合物としては、限定されないが、ヨウ素、ヨードフォア、臭素、臭素化化合物、第四級アンモニウム化合物が挙げられ、前記第四級アンモニウム化合物としては、限定されないが、第四級塩化アンモニウム、塩化セチルピリジニウムが挙げられる、項目17に記載の方法。
[19]
前記抗菌性組成物の少なくとも一部は、肉加工操作の生肉にすでに適用された殺生物剤組成物材料の結果物から形成される、項目18に記載の方法。
[20]
前記組成物を本質的に同時に製造及び適用しなければ、以前の適用からの破片と前記組成物との間の反応が、微生物個体群を低減する前記組成物の能力を損なうであろう、項目19に記載の方法。
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図9