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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】減衰するシャトル弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/044 20060101AFI20220704BHJP
【FI】
F16K11/044 C
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018004673
(22)【出願日】2018-01-16
(65)【公開番号】P2018169042
(43)【公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-01-18
(31)【優先権主張番号】15/437,682
(32)【優先日】2017-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】メリル, イアン スチュアート
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0028864(US,A1)
【文献】実開平05-090061(JP,U)
【文献】特開平10-026241(JP,A)
【文献】実開平04-066473(JP,U)
【文献】実開平02-012572(JP,U)
【文献】米国特許第2651491(US,A)
【文献】米国特許第2654564(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00-11/24
F16K 47/02
F16K 31/56
F15B 11/00-13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャトル弁(112、200)であって、
内部で第1の長手方向ボアを画定する弁本体(202)であって、第1の入口(206)、第2の入口(208)、及び出口(210)を備える、弁本体(202)、
前記弁本体(202)と同軸の前記第1の長手方向ボア内に配置されたケージ(212)であって、内部で第2の長手方向ボアを画定し、前記ケージ(212)の外周面と前記弁本体(202)の内周面との間に形成された環状エリア(218)に前記出口(210)が流体結合された、ケージ(212)、
前記第1の入口(206)に隣接した前記ケージ(212)の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する、ピン(300)、並びに
前記第2の長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられたスプール(228)であって、(i)前記第1の入口(206)に隣接した第1の位置であって、前記第1の位置において前記スプール(228)が前記第1の入口(206)を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第2の入口(208)から前記環状エリア(218)と前記出口(210)へ流れることを可能にする、第1の位置と、(ii)前記第2の入口(208)に隣接した第2の位置であって、前記第2の位置において前記スプール(228)が前記第2の入口(208)を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第1の入口(206)から前記環状エリア(218)と前記出口(210)へ流れることを可能にする、第2の位置と、の間でシフトするために前記第2の長手方向ボアの内部で軸方向に移動するように構成され、前記スプール(228)が前記第2の位置から前記第1の位置へシフトする際に、前記ピンの一部分が前記スプール(228)の端に形成された止り穴(304)の範囲内に受容されるように、前記スプール(228)が前記止り穴(304)を含み、前記止り穴(304)が前記ピン(300)に対面し前記ピン(300)と同軸である、スプール(228)を備える、シャトル弁(112、200)。
【請求項2】
シャトル弁(112、200)であって、
内部で第1の長手方向ボアを画定する弁本体(202)であって、第1の入口(206)、第2の入口(208)、及び出口(210)を備える、弁本体(202)、
前記弁本体(202)と同軸の前記第1の長手方向ボア内に配置されたケージ(212)であって、内部で第2の長手方向ボアを画定し、前記ケージ(212)の外周面と前記弁本体(202)の内周面との間に形成された環状エリア(218)に前記出口(210)が流体結合された、ケージ(212)、
前記第1の入口(206)に隣接した前記ケージ(212)の第1の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する、第1のピン(300)、
前記第2の入口(208)に隣接した前記ケージ(212)の第2の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する、第2のピン(302)、並びに
前記第2の長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられたスプール(228)であって、(i)前記第1の入口(206)に隣接した第1の位置であって、前記第1の位置において前記スプール(228)が前記第1の入口(206)を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第2の入口(208)から前記出口(210)へ流れることを可能にする、第1の位置と、(ii)前記第2の入口(208)に隣接した第2の位置であって、前記第2の位置において前記スプール(228)が前記第2の入口(208)を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第1の入口(206)から前記出口(210)へ流れることを可能にする、第2の位置と、の間でシフトするために前記第2の長手方向ボアの内部で軸方向に移動するように構成され、前記スプール(228)が前記第2の位置から前記第1の位置へシフトする際に、前記第1のピン(300)の一部分が前記スプール(228)の第1の端に形成された第1の止り穴(304)の範囲内に受容されるように、前記スプール(228)が前記第1の止り穴(304)を含み、前記第1の止り穴(304)が前記第1のピン(300)に対面し前記第1のピン(300)と同軸であり、前記スプール(228)が前記第2の位置から前記第1の位置へシフトする際に、前記第2のピン(302)の一部分が前記スプール(228)の第2の端に形成された第2の止り穴(306)の範囲内に受容されるように、前記スプール(228)が前記第2の止り穴(306)を含み、前記第2の止り穴(306)が前記第2のピン(302)に対面し前記第2のピン(302)と同軸である、スプール(228)を備える、シャトル弁(112、200)。
【請求項3】
端キャップ(214)であって、前記端キャップ(214)と同軸の前記ケージ(212)の前記端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボア内で延在する、端キャップ(214)を更に備え、前記ピン(300)が前記端キャップ(214)に連結され、前記スプール(228)が、前記第1の位置へシフトしたときに前記端キャップ(214)上に乗る、請求項に記載のシャトル弁(112、200)。
【請求項4】
リテーナ(204)であって、前記端キャップ(214)が前記ケージ(212)の前記端と前記リテーナ(204)との間に保持されるように、前記弁本体(202)の前記第1の長手方向ボア内に取り付けられ且つ前記ケージ(212)の前記端と接触するように固定された、リテーナ(204)を更に備え、前記第1の入口(206)の中へ延在するインレットが前記リテーナ(204)内に形成されている、請求項に記載のシャトル弁(112、200)。
【請求項5】
第1の端キャップ(214)であって、前記第1の端キャップ(214)と同軸の前記ケージ(212)の前記第1の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボア内で延在する、第1の端キャップ(214)を更に備え、前記第1のピン(300)が前記第1の端キャップ(214)に連結され、前記スプール(228)が、前記第1の位置へシフトしたときに前記第1の端キャップ(214)上に乗り、
前記シャトル弁(112、200)が、更に、
第2の端キャップ(216)であって、前記第2の端キャップ(216)と同軸の前記ケージ(212)の前記第2の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボア内で延在する、第2の端キャップ(216)を備え、前記第2のピン(302)が前記第2の端キャップ(216)に連結され、前記スプール(228)が、前記第2の位置へシフトしたときに前記第2の端キャップ(216)上に乗る、請求項に記載のシャトル弁(112、200)。
【請求項6】
リテーナ(204)であって、前記第1の端キャップ(214)が前記ケージ(212)の前記第1の端と前記リテーナ(204)との間に保持されるように、前記弁本体(202)の前記第1の長手方向ボア内に取り付けられ且つ前記ケージ(212)の前記第1の端と接触するように固定された、リテーナ(204)を更に備え、前記第1の入口(206)の中へ延在するインレットが前記リテーナ(204)内に形成されている、請求項に記載のシャトル弁(112、200)。
【請求項7】
前記第2の入口(208)が、前記第1の入口(206)と同軸であり、前記第1の入口(206)の反対側に取り付けられ、前記出口(210)が、前記第1の入口(206)と前記第2の入口(208)を横切る方向に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のシャトル弁(112、200)。
【請求項8】
前記ケージ(212)の内周面内に配置された溝(230)内にそれぞれのバネを介して備え付けられた1以上のボール(232)を更に備え、前記スプール(228)が、前記スプール(228)が前記第1の位置又は前記第2の位置へシフトしたときに前記1以上のボール(232)と相互作用して前記スプール(228)を前記第1の位置又は前記第2の位置に保持する、円周突起部(234)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のシャトル弁(112、200)。
【請求項9】
シャトル弁を減衰させるための方法(800)であって、
ケージによって画定された長手方向ボアの範囲内でピンが延在するように、前記シャトル弁の第1の入口に隣接した前記ケージの端において前記ケージによって画定された前記長手方向ボアの範囲内に前記ピンを取り付けること(802)を含み、前記シャトル弁が、
内部で関連する長手方向ボアを画定する弁本体であって、第1の入口、第2の入口、及び出口を備え、前記ケージが、前記弁本体と同軸の前記関連する長手方向ボア内に配置された、弁本体、並びに
前記ケージの前記長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられたスプールであって、(i)前記第1の入口に隣接した第1の位置であって、前記第1の位置において前記スプールが前記第1の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第2の入口から前記出口へ流れることを可能にする、第1の位置と、(ii)前記第2の入口に隣接した第2の位置であって、前記第2の位置において前記スプールが前記第2の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第1の入口から前記出口へ流れることを可能にする、第2の位置と、の間でシフトするために前記長手方向ボアの内部で軸方向に移動するように構成された、スプールを備え、
前記方法が、更に、
前記スプールが前記第2の位置から前記第1の位置へシフトする際に、前記ピンの一部分が前記スプールの止り穴の範囲内に受容されるように、前記スプールの端に前記止り穴を形成すること(808)であって、前記止り穴が前記ピンに対面し前記ピンと同軸である、形成すること(808)を含む、方法(800)。
【請求項10】
前記ピンが第1のピンであり、前記止り穴が第1の止り穴であり、前記ケージの前記端が前記ケージの第1の端であり、前記スプールの前記端が前記スプールの第1の端であり、前記方法(800)が、更に、
前記ケージの前記第1の端とは反対側であり且つ前記第2の入口に隣接する前記ケージの第2の端において前記ケージの前記長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する第2のピンを取り付けること(810)、及び
前記スプールが前記第1の位置から前記第2の位置へシフトする際に、前記第2のピンの一部分が前記スプールの第2の止り穴の範囲内に受容されるように、前記スプールの前記第1の端とは反対側の第2の端に前記第2の止り穴を形成すること(812)であって、前記第2の止り穴が前記第2のピンに対面し前記第2のピンと同軸である、形成すること(812)を含む、請求項9に記載の方法(800)。
【請求項11】
前記ピンを取り付けることが、
前記長手方向ボア内で延在する端キャップを前記端キャップと同軸の前記ケージの前記端に取り付けること(804)を含み、前記ピンが前記端キャップに連結されている、請求項10に記載の方法(800)。
【請求項12】
リテーナを前記ケージの前記端に押し付けるように前記弁本体の前記関連する長手方向ボア内に取り付けること(806)であって、前記端キャップが前記ケージの前記端と前記リテーナとの間に保持されるように、取り付けること(806)を更に含む、請求項11に記載の方法(800)。
【請求項13】
前記ケージの内周面内に溝を形成すること(814)、及び
1以上のボールをそれぞれのバネを介して前記溝内に備え付けること(816)を更に含み、前記スプールが、前記スプールが前記第1の位置又は前記第2の位置へシフトしたときに前記1以上のボールと相互作用して前記スプールを前記第1の位置又は前記第2の位置に保持する、円周突起部を含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、広くは、減衰特徴を有するシャトル弁に関する。
【0002】
シャトル弁は、2つの流体源のうちの一方からシャトル弁を通って流体が流れることを可能にする弁の一種である。シャトル弁は、空気圧及び油圧システム内で使用される。
【0003】
シャトル弁は、第1の入口、第2の入口、及び出口を表す3つの開口部を画定する弁本体を有し得る。弁本体内で弁要素が自由に移動する。特定の入口を通る流体からの圧力が加えられたときに、その圧力は反対側の入口に向けて弁要素を押す。この動きは、反対側の入口を閉鎖すると共に、その特定の入口から出口へ流体が流れることを可能にする。このやり方で、2つの異なる流体源は、一方の源から他方の源への逆流なしに、出口に圧縮された流体を供給することができる。
【0004】
更に、特定の入口から圧力が加えられたことによって弁要素が押されたときに、弁要素は、他方の入口に向けて素早く移動し得る。そのような素早い動きは、短い期間に特定の入口から出口へ高圧流体を伝える場合があり、したがって、出口から下流へ移動する圧力のスパイク又は衝撃波をもたらし得る。その衝撃波は、ホース、圧力センサ、他の弁などの、出口から下流に配置された構成要素とラインに損傷をもたらし得る。
【0005】
したがって、出口から下流へ移動する圧力のスパイク又は衝撃波の強度を消去又は緩和するために、弁要素の動きを減衰させる特徴を有するシャトル弁を有することが望ましいだろう。シャトル弁の範囲内で弁要素の動きを減衰させることは、シャトル弁が一方の源から他方へ切り替わったときにもたらされる圧力のスパイクを低減させることによって、関連する油圧又は空気圧システムの運動状態を改良し得る。そのような減衰は、フィッティング、センサ、シールなどに対する損傷を妨げ、更に、特定のシステムの異常な動作も妨げ得る。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、減衰(ダンピング)するシャトル弁に関する実施態様を説明する。第1の例示的な実施態様では、本開示がシャトル弁を説明する。シャトル弁は、以下のものを含む。すなわち、(i)内部で第1の長手方向ボアを画定する弁本体であって、第1の入口、第2の入口、及び出口を含む、弁本体、(ii)弁本体と同軸の第1の長手方向ボア内に配置されたケージであって、内部で第2の長手方向ボアを画定し、ケージの外周面と弁本体の内周面との間に形成された環状エリアに出口が流体結合された、ケージ、(iii)第1の入口に隣接したケージの端に取り付けられ且つ第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在するピン、及び(iv)第2の長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられ且つ以下の2つの間でシフトするために内部で軸方向に移動するように構成された、スプールである。すなわち、その2つとは、(a)第1の入口に隣接した第1の位置であって、第1の位置においてスプールが第1の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が第2の入口から環状エリアと出口へ流れることを可能にする、第1の位置、及び(b)第2の入口に隣接した第2の位置であって、第2の位置においてスプールが第2の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が第1の入口から環状エリアと出口へ流れることを可能にする、第2の位置である。スプールは、スプールの端に形成された止り穴を含み、その止り穴はピンに対面しピンと同軸である。それによって、スプールが第2の位置から第1の位置へシフトする際に、ピンの一部分がスプールの止り穴の範囲内に受容される。
【0007】
第2の例示的な実施態様では、本開示が弁を説明する。弁は、以下のものを含む。すなわち、(i)内部で第1の長手方向ボアを画定する弁本体であって、第1の入口、第2の入口、及び出口を含む、弁本体、(ii)弁本体と同軸の第1の長手方向ボア内に配置されたケージであって、内部で第2の長手方向ボアを画定する、ケージ、(iii)第1の入口に隣接したケージの第1の端に取り付けられ且つ第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する第1のピン、(iv)第2の入口に隣接したケージの第2の端に取り付けられ且つ第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する第2のピン、及び(v)第2の長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられ且つ以下の2つの間でシフトするために内部で軸方向に移動するように構成された、スプールである。すなわち、その2つとは、(a)第1の入口に隣接した第1の位置であって、第1の位置においてスプールが第1の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が第2の入口から出口へ流れることを可能にする、第1の位置、及び(b)第2の入口に隣接した第2の位置であって、第2の位置においてスプールが第2の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が第1の入口から出口へ流れることを可能にする、第2の位置である。スプールは、スプールの第1の端に形成された第1の止り穴を含み、その第1の止り穴は第1のピンに対面し第1のピンと同軸である。それによって、スプールが第2の位置から第1の位置へシフトする際に、第1のピンの一部分がスプールの第1の止り穴の範囲内に受容される。スプールは、スプールの第2の端に形成された第2の止り穴も含み、その第2の止り穴は第2のピンに対面し第2のピンと同軸である。それによって、スプールが第1の位置から第2の位置へシフトする際に、第2のピンの一部分がスプールの第2の止り穴の範囲内に受容される。
【0008】
第3の例示的な実施態様では、本開示がシャトル弁を減衰させるための方法を説明する。該方法は、ケージによって画定された長手方向ボアの範囲内でピンが長手方向に延在するように、シャトル弁の第1の入口に隣接したケージの端においてケージによって画定された長手方向ボアの範囲内にピンを取り付けることを含む。シャトル弁は、内部に関連する長手方向ボアを画定する弁本体であって、第1の入口、第2の入口、及び出口を備え、ケージが、弁本体と同軸の関連する長手方向ボア内に配置された、弁本体を含む。シャトル弁は、ケージの長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられ且つ以下の2つの間でシフトするために内部で軸方向に移動するように構成された、スプールも含む。すなわち、その2つとは、(i)第1の入口に隣接した第1の位置であって、第1の位置においてスプールが第1の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が第2の入口から出口へ流れることを可能にする、第1の位置、及び(ii)第2の入口に隣接した第2の位置であって、第2の位置においてスプールが第2の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が第1の入口から出口へ流れることを可能にする、第2の位置である。該方法は、スプールの端に止り穴を形成することであって、その止り穴がピンに対面しピンと同軸である、形成することも含む。それによって、スプールが第2の位置から第1の位置へシフトする際に、ピンの一部分がスプールの止り穴の範囲内に受容される。
【0009】
これまでの概要は、例示目的のみであって、任意のやり方での限定を意図していない。上述の例示的な態様、実施態様、及び特徴に加えて、更なる、態様、実施態様、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかとなる。
【0010】
例示的な実施例の特徴と考えられる新規の特性は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかし、例示的な実施例、並びに好ましい使用モード、更なる目的、及びそれらの説明は、添付図面を参照して、本開示の例示的な実施例についての以下の詳細な説明を読むことにより、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な一実施態様による、航空機のブレーキシステムのための部分的な油圧システムのブロック図を示す。
図2】例示的な一実施態様による、弁の断面図を示す。
図3】別の例示的な一実施態様による、減衰特徴を有する図2で示された弁を示す。
図4】別の例示的な一実施態様による、端キャップの前面図を示す。
図5】例示的な一実施態様による、スプールが入口ポートを閉鎖している位置にある状態の図3で示された弁を示す。
図6】例示的な一実施態様による、スプールが図5で示された位置から別の位置へ移行する状態にある、図5で示された弁を示す。
図7】例示的な一実施態様による、スプールが他の位置にある状態の図6で示された弁を示す。
図8】例示的な一実施態様による、シャトル弁を減衰させるための方法のフローチャートを示す。
図9】例示的な一実施形態による、図8の方法と共に使用される方法のフローチャートを示す。
図10】例示的な一実施形態による、図8の方法と共に使用される方法のフローチャートを示す。
図11】例示的な一実施形態による、図8の方法と共に使用される方法のフローチャートを示す。
図12】例示的な一実施形態による、図8の方法と共に使用される方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的なシャトル弁は、2つの異なる源からの流れを受け、より高い圧力を有する流体を出口ポートへ流すように構成されている。シャトル弁は、負荷感知回路とブレーキ回路などの、多くのシステム及び回路において使用されている。シャトル弁の使用と動作を示すために、航空機のブレーキ回路が、一実施例として以下で説明される。しかし、本明細書で説明されるシャトル弁は、任意の他の油圧回路又は空気圧回路で使用され得る。
【0013】
図1は、例示的な一実施態様による、航空機のブレーキシステムのための部分的な油圧システム100のブロック図を示している。油圧システム100は、圧縮された流体の源102を含む。源102は、原動機(prime mover)、ポンプ、蓄圧タンク、又はそれらの組み合わせであり得る。実施例では、油圧システム100が、圧縮された流体の複数の源(例えば、ポンプと蓄圧タンク、又は複数のポンプ若しくは蓄圧タンク)を含み得る。油圧システム100のコントローラは、様々なセンサ入力に基づいて、複数の源のうちのどの源に圧縮された流体をブレーキシステムへ供給させるかを選択し得る。
【0014】
源102は、低圧の流体を含む容器又はタンクに連結され得る。源102は、容器から流体を引き出し、その流体を圧縮して、それを油圧システム100の他の構成要素へ供給するように構成され得る。図面における視覚的な散漫さを低減させるために、容器は示されていない。
【0015】
油圧システム100は、源102に流体結合されたブレーキ絞り弁104を含む。例えば、弁104の入口は、油圧ライン105を介して源102に連結され得る。
【0016】
弁104は、機械的、油圧的、又は電気的に作動可能であり得る。例示のための一実施例として、航空機のパイロットは、ブレーキペダル106を使用して、人力ブレーキを適用するための弁104を作動させるレバー機構108を作動させ得る。一実施例では、ブレーキペダル106が、レバー機構108を作動させるブレーキケーブルに連結され得る。別の一実施例では、ブレーキペダル106が、ブレーキシステムのコントローラにブレーキペダル106の位置を示す位置センサに接続され得る。状況に応じて、コントローラは、レバー機構108を動かし弁104を作動させるための電気モータを作動させ得る。他の作動機構も可能である。
【0017】
実施例では、弁104が、スプール弁又はポペット弁などの、何れかの種類の弁であってもよく、二方弁、三方弁、又は四方弁であってもよい。更に、弁104は、直接的に操作されるか又はパイロット操作され得る。例えば、弁104が直接的に操作されるならば、レバー機構108は、弁104のスプールを直接的に作動させ得る。別の一実施例では、弁104がパイロット操作されるならば、レバー機構108は、弁104の主たるスプールを作動させる少量の流体を制御するパイロット弁を作動させ得る。
【0018】
実施例では、弁104が比例弁であり得る。比例弁では、作動部材又は信号が、弁104の範囲内で絞り部分にわたり可動要素(例えば、スプール)のストロークを制御する。可動要素のストロークを変更することは、弁104の出口での流体の可変流量及び可変圧力を生み出す。そのような可変流量及び可変圧力は、ブレーキペダル106の動きの範囲に基づいて、変化するブレーキの程度を適用することを可能にする。
【0019】
油圧システム100は、源102に流体結合されたオートブレーキ弁110も含む。例えば、弁110の入口は、油圧ライン111を介して源102に連結され得る。
【0020】
弁110は、機械的、油圧的、又は電気的に作動可能であり、任意の種類のスプール、ポペット、二方、三方、又は四方弁を含み得る。弁110は、比例弁又はオンオフ弁であってもよい。弁110は、特定の条件下で、ブレーキシステムのコントローラによって自動的に作動され得る。例えば、弁110は、通常は閉じられていてもよく、コントローラは、航空機の着陸に際して、着陸を検出し、弁110を作動させるための信号を送信するように構成され得る。
【0021】
油圧システム100は、シャトル弁112も含む。弁104の出口は、油圧ライン113を介してシャトル弁112の第1の入口と流体結合され得る。更に、弁110の出口は、油圧ライン114を介してシャトル弁112の第2の入口と流体結合され得る。実施例では、シャトル弁112が、内部に可動要素(例えば、スプール)を含み得る。その可動要素は、シャトル弁112の第1と第2の入口においてどちらの圧力レベルがより高いかに基づいて、2つの位置の間でシフトする。その後、シャトル弁112は、シャトル弁112の第1と第2の入口におけるそれぞれの圧力レベルに基づいて、弁104又は弁110の何れかによって供給された流体が、シャトル弁112の出口へ流れることを可能にし得る。
【0022】
一実施例では、油圧ライン113を介して弁104によって供給される流体の圧力レベルが、油圧ライン114を介して弁110によって供給される流体の関連する圧力レベルよりも高くなり得る。この実施例では、油圧ライン113を介して受け入れられた流体が、シャトル弁112の出口へ流れ、その後、シャトル弁112から下流へ流れることを可能にするように、シャトル弁112の範囲内で可動要素がシフトする。
【0023】
別の一実施例では、油圧ライン113を介して弁104によって供給される流体の圧力レベルが、油圧ライン114を介して弁110によって供給される流体の関連する圧力レベル未満であり得る。この実施例では、油圧ライン114を介して受け入れられた流体が、シャトル弁112の出口へ流れ、その後、シャトル弁112から下流へ流れることを可能にするように、シャトル弁112の範囲内で可動要素がシフトする。したがって、シャトル弁112は、弁104からの流体又は弁110からの流体の何れをシャトル弁112から下流へ供給するかの選択器として効果的に動作し得る。
【0024】
その後、シャトル弁112の出口から流れる流体は、滑走防止弁116などの他の弁に供給される。弁116から、流体がブレーキアクチュエータ118に供給される。ブレーキアクチュエータ118は、例えば、油圧シリンダー及びピストンを含み得る。ピストンは、航空機の車輪120に隣接して配置されたブレーキパッドに連結され得る。ブレーキアクチュエータ118において圧縮された流体が受けられたときに、ピストンが移動し、それによって、航空機の速度を低減させるために、ブレーキパッドを押して航空機の車輪120と摩擦的に相互作用させ得る。航空機の車輪120が滑走していることをコントローラが検出したときに、滑走防止弁116は、シャトル弁112から流れる流体の圧力を一時的に解放するように構成され得る。
【0025】
実施例では、通常の動作の間に、ブレーキが作動するように指示命令されないときに、弁104と弁110の両方は閉じていてもよい。他の実施例では、弁110が閉じている間にブレーキペダル106を介して弁104が作動して人力ブレーキが適用されたときに、シャトル弁112は、弁104からシャトル弁112の下流へ流れる油圧ライン113によって供給される流体を選択するように構成され得る。
【0026】
しかし、ある場合には、弁110が作動し得る。例えば、航空機が着陸したときに、コントローラは、パイロットがブレーキペダル106を作動させることなしに着陸したことを検出するや否や自動的に、ブレーキアクチュエータ118を航空機の車輪120と係合させるように弁110を作動させてもよい。弁110を作動させた結果として、高圧流体が、シャトル弁112に突然供給される。その後、高圧流体は、シャトル弁112内の可動要素が、弁104からの流体を遮断するように素早くシフトし、弁110からの流体が下流に流れることを可能にする。可動要素の素早いシフトは、圧力における対応する急上昇をもたらし、シャトル弁112から下流へ衝撃波をもたらす可能性もあり得る。
【0027】
圧力における急上昇と衝撃波は、フィッティング、シール、センサ、他の弁などの、シャトル弁112から下流の構成要素に損傷を与え得る。更に、圧力における急上昇と衝撃波は、短期間に生じる場合があり、したがって、コントローラはそれを検出することができないかもしれない。圧力における急上昇又は衝撃波の検出が行われないために、コントローラは、シャトル弁112から下流に配置された構成要素を保護するために反応することができない場合がある。
【0028】
可動要素がシャトル弁の一方の側から他方の側へ移動する際に、シャトル弁の範囲内での可動要素の動きを減衰(制動)させる構成を有する例示的なシャトル弁が、本明細書で開示される。本開示の減衰特徴は、可動要素の素早い動きの結果として生成される圧力の急上昇と可動要素の下流に伝達される関連する衝撃波を緩和し得る。したがって、減衰特徴は、シャトル弁から下流に配置された構成要素が損傷及び劣化することを防御し得る。
【0029】
図2は、例示的な一実施態様による、弁200の断面図を示している。弁200は、例えば、シャトル弁112を表し得る。弁200は、内部で長手方向円筒状空洞又はボアを画定する弁本体202を有する。長手方向円筒状ボアは、内部に弁構成要素を受容するための幾つかの階段状面を画定し、支持面を提供し得る。
【0030】
例えば、弁本体202の長手方向円筒状ボアは、弁本体202と同軸であり且つ弁本体202の第1の端に位置付けられた第1の入口206において配置された、リテーナ204を受容するように構成され得る。この第1の入口206は、時々、本明細書で第1の入口ポート206と称される。リテーナ204は、圧縮された流体の第1の源からの圧縮された流体(例えば、弁104の出口からの流体)を受け入れるように構成され得る第1の入口ポート206内で延在するインレットを含む。弁本体の第2の端は、本明細書で時々第2の入口ポート208と称される第2の入口208を含み得る。第2の入口ポート208は、圧縮された流体の第2の源からの圧縮された流体(例えば、弁110の出口からの流体)を受け入れるように構成され得る。
【0031】
図2で示されている実施例では、第2の入口ポート208が、第1の入口ポート206と同軸であり、第1の入口ポート206の反対側に取り付けられ得る。しかし、第1と第2の入口ポート206と208は、同軸ではなくてもよく又は互いに反対側に取り付けられなくてもよい。弁本体202は、本明細書で時々出口ポート210と称される出口210を更に画定する。図2で示されている実施例では、出口ポート210が、第1と第2の入口ポート206と208の両方に対して側方であり得る。しかし、他の実施例では、出口ポート210が、入口ポート206と208の側方でなくてもよい。したがって、入口ポート206と208、及び出口ポート210は、異なるように構成され得る。また、図2で示されている構成は、例示目的のみの一実施例である。
【0032】
弁200は、弁本体202の長手方向円筒状ボア内に配置されたケージ212も含む。ケージ212は、弁本体202及びリテーナ204と同軸に取り付けられ、弁本体202の範囲内で長手方向円筒状ボア内のリテーナ204と長手方向に隣接して配置される。
【0033】
第1の端キャップ214が、ケージ212の第1の端において、ケージ212及びリテーナ204と同軸に配置されている。示されているように、第1の端キャップ214は、リテーナ204とケージ212の両方に連結し、それらの間に保持されている。実施例では、図2で示されているように、第1の端キャップ214が、階段状の外面と内面を有する円筒形状である。この構成では、ケージ212が、ケージ212の第1の端において、リテーナ204及び第1の端キャップ214と接触するように固定されている。
【0034】
第2の端キャップ216は、ケージ212の第1の端とは反対側のケージ212の第2の端に配置されている。第2の端キャップ216は、ケージ212及び弁本体202と同軸である。示されているように、第2の端キャップ216は、弁本体202の内面とケージ212の第2の端に連結し、それらの間に保持されている。実施例では、図2で示されているように、第2の端キャップ216が、階段状の外面と内面を有する円筒形状である。この構成では、ケージ212が、ケージ212の第2の端において、第2の端キャップ216と接触するように固定されている。
【0035】
図2で示されているように、ケージ212の外周面と弁本体202の内周面との間に、環状エリア218が形成されている。この構成では、環状エリア218が出口ポート210と流体結合されている。
【0036】
更に、リテーナ204は、リテーナ204の外周面上に環状溝220を含み得る。第1の入口ポート206に供給される圧縮された流体は、リテーナ204内の孔222を通して環状溝220へ伝えられ得る。環状溝220は、圧縮された流体を、チャネル又はオリフィス224を通してポート226へ伝えるように構成され得る。圧力センサが、例えば、第1の入口ポート206における圧力レベルを測定するために、ポート226に接続され得る。オリフィス224が、ポート226に接続された圧力センサを保護するために、第1の入口ポート206における任意の圧力のスパイクを減衰させ得る。
【0037】
ケージ212は、端キャップ214と216を受け入れる長手方向円筒状ボアを画定し、端キャップ214と216の両方は、ケージ212の長手方向円筒状ボアの範囲内で延在する。スプール228が、ケージ212の範囲内で画定された長手方向円筒状ボア内に配置され、スプール228は、弁本体202及びケージ212と同軸である。スプール228は、ケージ212の範囲内でシフト可能に取り付けられ、ケージ212の範囲内で画定された長手方向円筒状ボア内で軸方向に移動するように構成されている。
【0038】
第2の源から第2の入口ポート208に供給される圧縮された流体の圧力レベルが、第1の源によって第1の入口ポート206に供給される圧縮された流体の関連する圧力レベルよりも高いならば、スプール228は、第1の入口ポート206へ向けて(例えば、図2の右へ)シフトする。スプール228が第1の端キャップ214と接触する位置に、スプール228が到達するまで、ケージ212によって画定された長手方向円筒状ボアの範囲内で、スプール228が軸方向に移動する。この位置で、第1の入口ポート206に供給される流体は、第2の入口ポート208又は出口ポート210の何れかに流れることを遮断される。しかし、第2の入口ポート208に供給される圧縮された流体は、環状エリア218へ、環状エリア218から出口ポート210へ伝えられる。スプール228のこの位置は、第1の位置と称され得る。
【0039】
第1の源から第1の入口ポート206に供給される圧縮された流体の圧力レベルが、第2の源によって第2の入口208に供給される圧縮された流体の関連する圧力レベルよりも高いならば、スプール228は、第2の入口ポート208へ向けてシフトする。したがって、スプール228が第2の端キャップ216と接触する位置に、スプール228が到達するまで、ケージ212によって画定された長手方向円筒状ボアの範囲内で、スプール228が軸方向に移動し得る。この位置で、第2の入口ポート208に供給される流体は、第1の入口ポート206又は出口ポート210の何れかに流れることを遮断される。しかし、第1の入口ポート206に供給される圧縮された流体は、環状エリア218へ、環状エリア218から出口ポート210へ伝えられる。このやり方では、スプール228が、第1と第2の入口ポート206と208における圧力レベルに基づいて、第1と第2の位置の間でシフトし得る。
【0040】
実施例では、ケージ212が、ケージ212の内周面上に配置された溝230を含み得る。ボール232などの複数のボール232が、溝230内に配置され得る。ボール232は、溝230の範囲内に備え付けられ、それぞれのバネ又は他の種類の弾性要素を介して溝230に結合され又は取り付けられ得る。例示のための実施例として図2では2つのボール232が示されているが、より多い又は少ないボールが使用されてもよい。
【0041】
スプール228は、スプール228の外周面上に配置され且つボール232と相互作用するように構成された、円周突起部234を含み得る。特に、バネによって負荷がかけられたボール232と円周突起部234との間の相互作用が、第1又は第2の位置の何れかにスプール228を保持することを容易にする。例えば、図2では、スプール228が、第1の端キャップ214に接触する第1の位置にあるように示されている。円周突起部234は、スプール228を第1の位置に固定するように、ボール232に対して接触する。
【0042】
弁200を含む油圧システムの動作の間に、第1の入口ポート206に供給される圧縮された流体の圧力レベルが、第2の入口ポート208における関連する圧力レベルよりも高い圧力レベルへ上昇することがある。圧力レベルにおける差異が、ボール232に対して押すバネの力に打ち勝つために十分高い(例えば、平方インチ当たり40~50ポンドの圧力差)ならば、スプール228の円周突起部234は、ボール232を溝230内に押し、スプール228は、第2の位置へシフトすることが可能となる。
【0043】
この構成では、スプール228が、入口ポート206と208における圧力レベルに応じて、第1と第2の位置の間でシフトし得る。何れかの入口での圧力のスパイクは、スプール228が素早く一方の端から他方へシフトすることをもたらし得る。その圧力のスパイクは、その後、出口ポート210へ伝えられ、衝撃波が出口ポート210から下流へ生成し得る。圧力のスパイク又は衝撃波は、したがって、出口ポート210の下流に配置された構成要素(例えば、弁、センサ、シール、フィッティング、ホース、パイプなど)に伝達される。結果として、これらの下流の構成要素は、損傷を受け得る。したがって、衝撃波を緩和又は消去するために、スプール228が第1の位置から第2の位置へ、その逆へ、シフトする際に、スプール228の動きを減衰させることが望ましいだろう。
【0044】
図3は、例示的な一実施態様による、減衰特徴を有する弁200を示している。図3で示されているように、ケージ212の長手方向円筒状ボアの範囲内で、第1のピン300と第2のピン302が取り付けられ長手方向に延在する。ピン300は、端キャップ214が第1の入口ポート206に隣接して取り付けられたケージ212の第1の端に取り付けられ、一方、ピン302は、端キャップ216が第2の入口ポート208に隣接して取り付けられたケージ212の第2の端に取り付けられている。ピン300と302は、ポスト、ロッド、ペグ、又は合わせくぎ(dowel)とも称され得る。
【0045】
実施例では、ピン300と302が、それらのそれぞれの端キャップ214と216に連結されてもよい。例えば、ピン300は、端キャップ214の統合された部分であり得る。図4は、例示的な一実施態様による、端キャップ214の前面図を示している。図4で示されているように、ピン300は、端キャップ214に統合され、端キャップ214を通る流体の流れを可能にする孔400などの、孔に取り囲まれている。端キャップ216とピン302は、同様に構成され得る。しかし、他の実施例では、ピン300と302が、弁200の他の構成要素に取り付けられてもよい。例えば、ピン300と302は、弁本体202又はケージ212に取り付けられ、又はそれらと統合されてもよい。
【0046】
スプール228は、スプール228の第1の端に第1の止り穴304を有し、第1の止り穴はピン300に対面し、スプール228の第1の端の反対側の第2の端に第2の止り穴306を有し、第2の止り穴はピン302に対面し得る。第1の止り穴304は、ピン300よりも大きいように構成され、同様に、第2の止り穴306は、ピン302よりも大きいように構成されている。
【0047】
例えば、ピン300は、特定の外側直径を有する円筒形状であり、止まり穴304も、ピン300の特定の外側直径よりも大きい内側直径を有する円筒形状穴であり得る。ピン302と止り穴306は、同様に構成され得る。しかし、他の実施例では、ピン300と302が四角い形状であってもよく、又は任意の他の幾何学的形状を有し得る。対応する止り穴304と306は、対応する幾何学的形状を有し得るが、ピン300と302を受け入れるために、ピン300と302よりも大きい。他の実施例では、ピン300と302が、スプール228に取り付けられ得るが、一方で、止まり穴304と306は、端キャップ214と216に配置され得る。
【0048】
弁200の動作の間に、ケージ212の長手方向円筒状ボアが流体で満たされる。したがって、止まり穴304と306は、内部に流体を含み得る。スプール228が、一方の位置から他方へシフトするときに、ピン300と302のうちのピンが、対応する止り穴に長手方向に徐々に係合する。
【0049】
例示のための一実施例として、スプール228は、第2の入口ポート208を閉鎖する第2の位置にあり得る。その後、第2の入口ポート208における圧力レベルが増加し、スプール228が第2の位置から図3で示されている第1の位置へシフトすることをもたらす。スプール228が第2の位置から図3で示されている第1の位置へシフトする際に、スプール228は、先ず、ピン302から係合解除し、ピン300に向けて図3の右へ移動する。
【0050】
スプール228が、ピン302から係合解除すると、流体が止まり穴306を満たし得る。更に、スプール228がピン300に接近すると、ピン300は、徐々に止り穴304の範囲内に挿入され、それによって、内部に配置された流体を絞り出す。ピン300の外面と止り穴304の内面との間の空間又は間隙内の流体の流れが、スプール228の第1の端キャップ214に向かう急速な動きに抵抗し得る。スプール228の急速な動きに対するこの抵抗は、スプール228を減衰させ又は減速させる。
【0051】
この構成では、スプール228が第1の端キャップ214の中へ叩き付けられることが避けられ、対照的に、スプール228が、第1の端キャップ214に軟らかくぶつかる。更に、スプール228の徐々に減速し又は減衰した動きが、圧力のスパイク又は衝撃波が出口ポート210及び出口ポート210から下流の構成要素に伝達されることを排除し又は緩和し得る。
【0052】
図5図6、及び図7は、例示的な一実施態様による、スプール228が第2の位置から第1の位置へシフトする際の弁200の動作を示している。特に、図5は、例示的な一実施態様による、スプール228が第2の位置で第2の入口ポート208を閉鎖している状態の弁200を示している。第1の入口ポート206における圧縮された流体の圧力レベルが、第2の入口ポート208における圧縮された流体の圧力レベルよりも高いときに、図5の構成がもたらされる。図5で示されているように、ピン302は、止り穴306内に挿入され、第2の入口ポート208に供給される圧縮された流体は、スプール228によって遮断されている。しかし、ピン300は、止まり穴304から係合解除しており、第1の入口ポート206において受け入れられた圧縮された流体は、環状エリア218へ流れ、その後に、出口ポート210へ流れることが可能である。
【0053】
第2の入口ポート208における圧力レベルが、第1の入口ポート206における圧力レベルよりも高くなり、圧力における差異(例えば、30~40psi)がボール232の抵抗に打ち勝つならば、スプール228は第1の位置へ向けてシフトし得る。図6は、例示的な一実施態様による、スプール228が第2の位置から第1の位置へ移行する状態にある弁200を示している。図6で示されているように、入口ポート206と208の間の圧力の差異は、スプール228がボール232の抵抗に打ち勝つことをもたらし、円周突起部234が溝230内にあるボール232を押す。
【0054】
図6で示されている位置では、スプール228、及び特に止り穴306が、ピン302から係合解除しており、ケージ212内の流体は止り穴306を再び満たす。環状エリア218の一部分は、次に、第2の入口ポート208において受け入れられた流体に晒される。晒された部分の範囲は、環状エリア218の端部とスプール228の端部との間で、図6において示されている距離「d」によって表されている。環状エリア218の晒された部分は、第2の入口ポート208において受け入れられた流体が、出口ポート210に到達する前に流れて通る抑制部分を表している。スプール228が第1の位置へ向けて移動し続ける際に、出口ポート210における圧力レベルが、第2の入口ポート208における流体の圧力レベルまで徐々に増加するように、その抑制部分は圧力降下をもたらす。
【0055】
図6で示されているように、ピン300は、流体で満たされた止り穴304と係合し始める。スプール228が第1の位置へ向けてシフト又は移動を続ける際に、ピン300は、止り穴304から流体を絞り出す。止り穴304内の流体とピン300との間の相互作用は、スプール228が第1の位置へ向けて移動する際にスプール228を減速する。言い換えると、ピン300は、徐々に、止り穴304と長手方向に係合し、流体は、ピン300の外周面の周りで止り穴304から絞り出される。
【0056】
そのようなピン300と止り穴304との間の漸進的な係合、及びスプール228の減速された動きは、図2の構成と比較して、距離「d」がより遅い速度で増加することをもたらす。したがって、環状エリア218の晒されている部分が増加すると、出口ポート210の圧力レベルは、短期間に急上昇するよりもむしろ徐々に増加する。結果として、衝撃波は生じることがなく、出口ポート210から下流の構成要素への損傷は起きないだろう。
【0057】
スプール228が、第1の端キャップ214上に据え付けられ又は位置付けられた第1の位置へ到達するまで、スプール228は、ケージ212の範囲内でのその軸方向の移動を続ける。図7は、例示的な一実施態様による、スプール228が第1の位置にある状態の弁200を示している。図7で示されているように、スプール228は、第2の位置から第1の位置へのそのシフトを完了した。したがって、第1の入口ポート206は閉鎖され、一方で、第2の入口ポート208において受け入れられた流体が、環状エリア218を通って出口ポート210へ流れることを許容される。図7で示されているように、距離「d」は最大値まで増加し、出口ポート210における圧力レベルは、第2の入口ポート208における圧力レベルと(例えば、閾値すなわち2~5%などの割合の範囲内で)実質的に等しくなり得る。
【0058】
ピン300は、止まり穴304から流体を絞り出し、止り穴304内に挿入されている。流体は、スプール228の動きを減速する粘性減衰流体として作用する。止り穴304の容積は、ピン300が止り穴304の内側に進む際に絞り出される流体の容積を決定する。したがって、減衰率は、止り穴304の容積に応じ得る。
【0059】
スプール228がシフトする際の減衰率及びスプール228を減速する程度は、ピン300の外周面と止り穴304の内周面との間の間隔にも応じ得る。間隔をより狭くすれば、減衰率及び抵抗がより大きくなり、一方、ピン300と止り穴304との間のフィットをより緩くすれば、減衰率が減少し得る。例示のための一実施例として、ピン300の外周面と止り穴304の内周面との間の径方向の間隔は、0.010インチと0.050インチとの間の範囲内にあり、特定の用途のための結果としての減衰率を調整し得る。
【0060】
更に、スプール228が移動する距離に対するピン300の長さは、スプールの移動のどの部分が減衰されるかを決定し得る。言い換えると、ピン300が長くなり止り穴304が深くなるならば、第2の位置から第1の位置へのスプールの移行においてより早く、ピン300が止り穴304に係合し始める。実施例では、スプール228がシフトする際に、係合長さが、スプール228の動きの全体の範囲にわたってもよく、又は他の実施例では、係合長さが、スプール228の動きの全体の範囲未満であってもよい。例示のための一実施例として、係合長さは、0.100インチと0.500インチとの間の範囲内にあり、特定の用途のための結果としての減衰率を調整し得る。
【0061】
図5図7は、スプール228が第2の位置から第1の位置へシフトすることを示した。スプール228が第1の位置から第2の位置へシフトするときに、ピン302は止まり穴306と相互作用する。それは、図5図7に関して上述されたピン300と止り穴304との間の相互作用と類似する。
【0062】
図8は、例示的な一実施態様による、シャトル弁を減衰させるための方法800のフローチャートを示している。方法800は、ブロック802~816のうちの1以上によって示される1以上の工程又は作用を含み得る。ブロックは連続的順序で示されているが、幾つかの例では、これらのブロックは、並行して、及び/又は明細書に記載された順序とは異なる順序で実行されてもよい。また、種々のブロックがより少ないブロックに組み合わされても、追加的なブロックに分割されても、及び/又は所望の実施態様に基づき除去されてもよい。
【0063】
ブロック802で、方法800は、ケージによって画定された長手方向ボアの範囲内でピンが延在するように、シャトル弁の第1の入口に隣接したケージの端においてケージによって画定された長手方向ボアの範囲内にピンを取り付けることを含む。図2図7との関連で上述されたように、例示的なシャトル弁は、内部で長手方向ボアを画定する弁本体を含み得る。弁本体は、第1の入口、第2の入口、及び出口を含み、ケージは、ケージと同軸の弁本体の長手方向ボア内に配置されている。
【0064】
ケージは、内部で長手方向ボアを画定し得る。ピン(例えば、ピン300)は、第1の入口に隣接したケージの端に配置され得る。図9は、例示的な一実施態様による、方法800と共に使用される方法のフローチャートである。ブロック804で、該方法は、端キャップと同軸のケージの端において長手方向ボア内で延在するように端キャップを取り付けることを含み、ピンは端キャップに連結されている。一実施例では、ピンが、端キャップに連結され若しくは取り付けられ、又は端キャップと一体的に作られ得る。他の実施例では、ピンが、弁の他の構成要素(例えば、ケージ)に連結され、又はそれらと一体的に作られ得る。
【0065】
図10は、例示的な一実施態様による、方法800と共に使用される方法のフローチャートである。ブロック806で、該方法は、端キャップがケージの端とリテーナとの間に保持されるように、リテーナをケージの端と接触するように弁本体の関連する長手方向ボア内に取り付けることを含む。図2図7で示されているように、リテーナ(リテーナ204)は、弁本体の端に配置され、第1の入口がリテーナ内に形成され得る。端キャップは、リテーナとケージとの間で固定され得る。
【0066】
図8に戻って参照すると、ブロック808で、方法800は、スプールの端に止り穴を形成することであって、その止り穴がピンに対面しピンと同軸である、形成することも含む。それによって、スプールが第2の位置から第1の位置へシフトする際に、ピンの一部分がスプールの止り穴の範囲内に受容される。止り穴304などの止り穴は、スプール(例えば、スプール228)内で任意の製造技術によって形成され得る。止り穴は、ケージの長手方向ボア内に取り付けられたピンを内部に受け入れるように構成されている。第1の入口に向かってスプールがシフトする際に、ピンは、止り穴と徐々に係合し、それによって、止り穴内の流体を絞り出しスプールを減速させる。結果として、スプールの動きは減衰する。
【0067】
スプールが第2の位置から第1の位置へシフトするときに、ピンと止り穴は、スプールの動きを減衰させるために使用され得る。スプールが第1の位置から第2の位置へシフトする際に、別のピンと別の止り穴が、スプールの動きを減衰させるために使用され得る。
【0068】
図11は、例示的な一実施態様による、方法800と共に使用される方法のフローチャートである。ブロック810で、該方法は、ケージの長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する第2のピンを、ケージの第1の端とは反対側の且つ第2の入口と隣接したケージの第2の端に取り付けることを含む。ブロック812で、該方法は、スプールの第1の端とは反対側の第2の端に第2の止り穴を形成することであって、第2の止り穴は第2のピンに対面し第2のピンと同軸である、形成することを含む。それによって、スプールが第1の位置から第2の位置へシフトする際に、第2のピンの一部分がスプールの第2の止り穴の範囲内に受容される。スプールが第1の位置から第2の位置へシフトする際に、第2のピンと第2の止り穴が、スプールの動きを減衰させるように相互作用する。
【0069】
図12は、例示的な一実施態様による、方法800と共に使用される方法のフローチャートである。ブロック814で、該方法は、ケージの内周面内に溝を形成することを含み、ブロック816で、該方法は、1以上のボールをそれぞれのバネを介して溝内に備え付けることを含み、スプールは、スプールが第1の位置又は第2の位置へシフトしたときに1以上のボールと相互作用してスプールを第1の位置又は第2の位置に保持する、円周突起部を含む。図2図7に関連して示され説明されたように、スプールは、ケージの内周面内に形成された溝内に配置されたバネによって負荷がかけられたボールと相互作用する突起部を含み得る。突起部とバネによって負荷がかけられたボールとの間の相互作用は、第1と第2の入口の間の流体圧力差が、ボールにかけられたバネの力に打ち勝ちスプールがシフトするのに十分(30~40psi)であるまで、スプールを第1の位置又は第2の位置の何れかにおいて保持する。
【0070】
上述の詳細な説明は、添付の図面を参照しながら本開示のシステムの様々な特徴と動作を説明してきた。本明細書で説明される例示的な実施態様は、限定的であることを意図しない。本開示のシステムの特定の態様は、それらのうちの全てが本明細書で熟慮されたところの、幅広い様々な異なる構成内に配置され、それらと組み合わせることができる。
【0071】
更に、文脈が逆のことを示唆しないならば、図面の各々内で示された特徴は、互いに組み合わせて使用され得る。したがって、図面は、1以上の全体の実施態様のうちの構成要素の態様として広く見られるべきであり、各実施態様には、必ずしも全ての示された特徴が必要とされるわけではないことが理解される。
【0072】
更に、本明細書又は特許請求の範囲における要素、ブロック、又はステップの列挙は、明瞭さを目的とするものである。したがって、そのような列挙は、これらの要素、ブロック、又はステップが、特定の配置に固執し特定の順序で実行されることを要求し又は意図するように解釈されるべきではない。
【0073】
更に、図面で提示された機能を実行するために、デバイス又はシステムが使用され又は構成され得る。ある場合では、装置及び/又はシステムの構成要素が、機能を実行するように構成されてよい。このような実行を可能にするために、構成要素は、(ハードウェア及び/又はソフトウェア付きで)実際に構成及び構築されてよい。他の実施例では、デバイス及び/又はシステムの構成要素が、特定のやり方で操作されたときなどに、この機能の実行に適合するように構成されてもよく、この機能の実行が可能であるように構成されてもよく、この機能の実行に適切であるように構成されてもよい。
【0074】
「実質的に」という語は、言及される特徴、パラメータ、又は値が正確に実現される必要はないが、例えば、許容範囲、測定誤差、測定精度限界、及び当業者にとって既知の要因などを含む偏差又は変動が、特徴によってもたらされる影響を排除できない大きさで起こり得ることを意味する。
【0075】
本明細書で説明された配置は、例示のみを目的とするものである。そのようにして、当業者は、他の配置及び他の要素(例えば、機械、インターフェース、動作、順序、及び動作の群など)が、代わりに使用され、一部の要素は所望の結果に従って完全に省略され得ることを理解するだろう。更に、説明された要素の多くが、任意の適切な組み合わせ及び場所において、別個の若しくは分配された構成要素として又は他の構成要素と併せて実施され得る、機能的エンティティーである。
【0076】
更に、本開示は下記の条項に係る実施例を含む。
条項1
シャトル弁であって、
内部で第1の長手方向ボアを画定する弁本体であって、第1の入口、第2の入口、及び出口を備える、弁本体、
前記弁本体と同軸の前記第1の長手方向ボア内に配置されたケージであって、内部で第2の長手方向ボアを画定し、前記ケージの外周面と前記弁本体の内周面との間に形成された環状エリアに前記出口が流体結合された、ケージ、
前記第1の入口に隣接した前記ケージの端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する、ピン、並びに
前記第2の長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられたスプールであって、(i)前記第1の入口に隣接した第1の位置であって、前記第1の位置において前記スプールが前記第1の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第2の入口から前記環状エリアと前記出口へ流れることを可能にする、第1の位置と、(ii)前記第2の入口に隣接した第2の位置であって、前記第2の位置において前記スプールが前記第2の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第1の入口から前記環状エリアと前記出口へ流れることを可能にする、第2の位置と、の間でシフトするために前記第2の長手方向ボアの内部で軸方向に移動するように構成され、前記スプールが前記第2の位置から前記第1の位置へシフトする際に、前記ピンの一部分が前記スプールの端に形成された止り穴の範囲内に受容されるように、前記スプールが前記止り穴を含み、前記止り穴が前記ピンに対面し前記ピンと同軸である、スプールを備える、シャトル弁。
条項2
前記第2の入口が、前記第1の入口と同軸であり、前記第1の入口の反対側に取り付けられ、前記出口が、前記第1の入口と前記第2の入口の側方に配置されている、条項1に記載のシャトル弁。
条項3
前記第1の入口が、圧縮された流体の第1の源と流体結合され、前記第2の入口が、圧縮された流体の第2の源と流体結合されている、条項1に記載のシャトル弁。
条項4
端キャップであって、前記端キャップと同軸の前記ケージの前記端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボア内で延在する、端キャップを更に備え、前記ピンが前記端キャップに連結され、前記スプールが、前記第1の位置へシフトしたときに前記端キャップ上に位置付けられる、条項1に記載のシャトル弁。
条項5
リテーナであって、前記端キャップが前記ケージの前記端と前記リテーナとの間に保持されるように、前記弁本体の前記第1の長手方向ボア内に取り付けられ且つ前記ケージの前記端と接触するように固定された、リテーナを更に備え、前記第1の入口が前記リテーナ内に形成されている、条項4に記載のシャトル弁。
条項6
前記ピンが第1のピンであり、前記止り穴が第1の止り穴であり、前記ケージの前記端が前記ケージの第1の端であり、前記スプールの前記端が前記スプールの第1の端であり、前記シャトル弁が、
前記ケージの前記第1の端の反対側であり且つ前記第2の入口に隣接した前記ケージの第2の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する、第2のピンを更に備え、前記スプールが前記第1の位置から前記第2の位置へシフトする際に、前記第2のピンの一部分が前記スプールの前記第1の端の反対側の第2の端に形成された第2の止り穴の範囲内に受容されるように、前記スプールが前記第2の止り穴を含み、前記第2の止り穴が前記第2のピンに対面し前記第2のピンと同軸である、条項1に記載のシャトル弁。
条項7
前記ケージの内周面内に配置された溝内にそれぞれのバネを介して備え付けられた1以上のボールを更に備え、前記スプールが、前記スプールが前記第1の位置又は前記第2の位置へシフトしたときに前記1以上のボールと相互作用して前記スプールを前記第1の位置又は前記第2の位置に保持する、円周突起部を含む、条項1に記載のシャトル弁。
条項8
前記ピンが円筒形状であり、前記止り穴が円筒形状穴であり、前記ピンの外側直径が前記止り穴の内側直径よりも小さい、条項1に記載のシャトル弁。
条項9
弁であって、
内部で第1の長手方向ボアを画定する弁本体であって、第1の入口、第2の入口、及び出口を備える、弁本体、
前記弁本体と同軸の前記第1の長手方向ボア内に配置されたケージであって、内部で第2の長手方向ボアを画定する、ケージ、
前記第1の入口に隣接した前記ケージの第1の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する、第1のピン、
前記第2の入口に隣接した前記ケージの第2の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する、第2のピン、並びに
前記第2の長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられたスプールであって、(i)前記第1の入口に隣接した第1の位置であって、前記第1の位置において前記スプールが前記第1の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第2の入口から前記出口へ流れることを可能にする、第1の位置と、(ii)前記第2の入口に隣接した第2の位置であって、前記第2の位置において前記スプールが前記第2の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第1の入口から前記出口へ流れることを可能にする、第2の位置と、の間でシフトするために前記第2の長手方向ボアの内部で軸方向に移動するように構成され、前記スプールが前記第2の位置から前記第1の位置へシフトする際に、前記第1のピンの一部分が前記スプールの第1の端に形成された第1の止り穴の範囲内に受容されるように、前記スプールが前記第1の止り穴を含み、前記第1の止り穴が前記第1のピンに対面し前記第1のピンと同軸であり、前記スプールが前記第1の位置から前記第2の位置へシフトする際に、前記第2のピンの一部分が前記スプールの第2の端に形成された第2の止り穴の範囲内に受容されるように、前記スプールが第2の止り穴を含み、前記第2の止り穴が前記第2のピンに対面し前記第2のピンと同軸である、スプールを備える、弁。
条項10
前記第2の入口が、前記第1の入口と同軸であり、前記第1の入口の反対側に取り付けられ、前記出口が、前記第1の入口と前記第2の入口の側方に配置されている、条項9に記載の弁。
条項11
第1の端キャップであって、前記第1の端キャップと同軸の前記ケージの前記第1の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボア内で延在する、第1の端キャップを更に備え、前記第1のピンが前記第1の端キャップに連結され、前記スプールが、前記第1の位置へシフトしたときに前記第1の端キャップ上に位置付けられ、
前記弁が、更に、
第2の端キャップであって、前記第2の端キャップと同軸の前記ケージの前記第2の端に取り付けられ、前記第2の長手方向ボア内で延在する、第2の端キャップを備え、前記第2のピンが前記第2の端キャップに連結され、前記スプールが、前記第2の位置へシフトしたときに前記第2の端キャップ上に位置付けられる、条項9に記載の弁。
条項12
リテーナであって、前記第1の端キャップが前記ケージの前記第1の端と前記リテーナとの間に保持されるように、前記弁本体の前記第1の長手方向ボア内に取り付けられ且つ前記ケージの前記端と接触するように固定された、リテーナを更に備え、前記第1の入口が前記リテーナ内に形成されている、条項11に記載の弁。
条項13
前記第1のピンが円筒形状であり、前記第1の止り穴が円筒形状穴であり、前記第1のピンの外側直径が前記第1の止り穴の内側直径よりも小さい、条項9に記載の弁。
条項14
前記第1の入口が、圧縮された流体の第1の源と流体結合され、前記第2の入口が、圧縮された流体の第2の源と流体結合されている、条項9に記載の弁。
条項15
前記ケージの内周面内に配置された溝内にそれぞれのバネを介して備え付けられた1以上のボールを更に備え、前記スプールが、前記スプールが前記第1の位置又は前記第2の位置へシフトしたときに前記1以上のボールと相互作用して前記スプールを前記第1の位置又は前記第2の位置に保持する、円周突起部を含む、条項9に記載の弁。
条項16
シャトル弁を減衰させるための方法であって、
ケージによって画定された長手方向ボアの範囲内でピンが延在するように、前記シャトル弁の第1の入口に隣接した前記ケージの端において前記ケージによって画定された前記長手方向ボアの範囲内に前記ピンを取り付けることを含み、前記シャトル弁が、
内部で関連する長手方向ボアを画定する弁本体であって、第1の入口、第2の入口、及び出口を備え、前記ケージが、前記弁本体と同軸の前記関連する長手方向ボア内に配置されている、弁本体、並びに
前記長手方向ボアの範囲内にシフト可能に取り付けられたスプールであって、(i)前記第1の入口に隣接した第1の位置であって、前記第1の位置において前記スプールが前記第1の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第2の入口から前記出口へ流れることを可能にする、第1の位置と、(ii)前記第2の入口に隣接した第2の位置であって、前記第2の位置において前記スプールが前記第2の入口を閉鎖している間に、圧縮された流体が前記第1の入口から前記出口へ流れることを可能にする、第2の位置と、の間でシフトするために前記長手方向ボアの内部で軸方向に移動するように構成された、スプールを備え、
前記方法が、更に、
前記スプールが前記第2の位置から前記第1の位置へシフトする際に、前記ピンの一部分が前記スプールの止り穴の範囲内に受容されるように、前記スプールの端に前記止り穴を形成することであって、前記止り穴が前記ピンに対面し前記ピンと同軸である、形成することを含む、方法。
条項17
前記ピンが第1のピンであり、前記止り穴が第1の止り穴であり、前記ケージの前記端が前記ケージの第1の端であり、前記スプールの前記端が前記スプールの第1の端であり、
前記方法が、更に、
前記ケージの前記第1の端とは反対側であり且つ前記第2の入口に隣接する前記ケージの第2の端に前記ケージの前記長手方向ボアの範囲内で長手方向に延在する第2のピンを取り付けること、及び
前記スプールが前記第1の位置から前記第2の位置へシフトする際に、前記第2のピンの一部分が前記スプールの第2の止り穴の範囲内に受容されるように、前記スプールの前記第1の端とは反対側の第2の端に前記第2の止り穴を形成することであって、前記第2の止り穴が前記第2のピンに対面し前記第2のピンと同軸である、形成することを含む、条項16に記載の方法。
条項18
前記ピンを取り付けることが、
前記長手方向ボア内で延在する端キャップを前記端キャップと同軸の前記ケージの前記端に取り付けることを含み、前記ピンが前記端キャップに連結されている、条項16に記載の方法。
条項19
リテーナを前記ケージの前記端と接触するように前記弁本体の前記関連する長手方向ボア内に取り付けることであって、前記端キャップが前記ケージの前記端と前記リテーナとの間に保持されるように、取り付けることを更に含む、条項18に記載の方法。
条項20
前記ケージの内周面内に溝を形成すること、及び
1以上のボールをそれぞれのバネを介して前記溝内に備え付けることを更に含み、前記スプールが、前記スプールが前記第1の位置又は前記第2の位置へシフトしたときに前記1以上のボールと相互作用して前記スプールを前記第1の位置又は前記第2の位置に保持する、円周突起部を含む、条項16に記載の方法。
【0077】
本明細書では様々な態様及び実施態様が開示されてきたが、他の態様及び実施態様も、当業者には自明となろう。本明細書で開示された様々な態様及び実施態様は、例示を目的とするものであり、限定的であることを意図しない。真の範囲は以下の特許請求の範囲で示され、その範囲には、特許請求の範囲に認められるべき均等物が含まれる。更に、本明細書で使用される用語は、特定の実施態様を説明することのみが目的であり、限定することを意図しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12