(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】異なる工具に異なる電圧の電力を供給するために使用するバッテリーパックを含む電動工具システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220704BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20220704BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20220704BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
B25F5/00 H
H01M50/20
H02J7/00 302B
H02J7/00 K
(21)【出願番号】P 2018532254
(86)(22)【出願日】2017-12-15
(86)【国際出願番号】 GB2017053759
(87)【国際公開番号】W WO2018109488
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-11-06
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516267267
【氏名又は名称】7アールディーディー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】エンシング、ギールト
(72)【発明者】
【氏名】バッカー、リエンツ
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/132606(WO,A1)
【文献】特開2013-111673(JP,A)
【文献】特開2007-234264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
B25F 5/00
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーパック及び電動工具システムであって、該バッテリーパックは、
ハウジングと、
前記バッテリーパックとの間における電動工具の選択的な係合を許容するための機械的場所手段と、
前記ハウジング内において配置された複数の電力セルと、
を含み、
前記電力セルは、前記バッテリーパックの外部においてアクセス可能となるように配置された端子の組を介して電力を提供するためにグループとして接続されており、前記電
動工具への接続によりそれへの電力の供給を可能とし、前記端子は、前記電力セルのグループのそれぞれごとのグラウンド端子と、前記電力セルのグループのそれぞれごとの0ボルト超の電圧端子と、温度監視端子と、を含み、
前記端子の組は、1つのリレー制御信号端子と、4つの電圧計測端子と、を含む、システム。
【請求項2】
前記バッテリーパックに、電力セルの2つのグループと、2つのグラウンド端子と、2つの電圧端子と、が提供される請求項1に記載の
システム。
【請求項3】
システムであって、該システムは、
少なくとも第1及び第2電動工具を含み、前記第1電動工具は、第1電圧供給レベルによって作動自在であり、前記第2電動工具は、第2電圧供給レベルによって作動自在であり、前記バッテリーパックは、電力を提供するために、前記電動工具のそれぞれと選択的に機械的かつ電気的に接続可能であり、
同一のバッテリーパックが、個々の第1及び第2電圧供給レベルにおいて作動するように両方の電動工具用の電力を提供するために使用され得るように、前記第1電動工具は、前記第1電圧供給レベルにおいて前記第1電動工具を作動させるために前記バッテリーパックから受け取られた前記電力を提供するように、第1構成における電気接続手段を含み、前記第2電動工具は、前記第2電圧供給レベルにおいて前記第2電動工具を作動させるために前記バッテリーパックから受け取られた前記電力を提供するように、第2構成における電気接続手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記バッテリーパックに接続されている前記電動工具は、前記バッテリーパックとの前記電気接続手段の前記構成の結果として、その作動のために前記電動工具の内部のモーターに提供される前記電圧供給レベルを判定する請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記バッテリーパックの前記構成は、一定に保たれる請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記バッテリーパックは、前記バッテリーパックから前記バッテリーパックに接続される時点における前記電動工具への電力提供用の制御手段を含む請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記バッテリーパックの定格電圧は、前記バッテリーパックに接続される前記電動工具とは無関係に、同一であり、前記定格電圧は、前記システムにおいて前記電動工具によって必要とされる異なる電圧レベルのうちの小さいほうである請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記バッテリーパックに接続される電動工具が作動しうる少なくとも2つの電圧は、(N)Vである第1電圧及び、(2N)Vである第2電圧とする請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
前記電動工具の作動のために提供される特定の電圧レベルの選択は、前記電動工具の前記電気接続手段により、かつ、前記電動工具の内部において、選択される請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
前記電気接続手段の第1構成は、直列接続で前記バッテリーパックの電力セルのグループからの電力を利用し、前記電気接続手段の第2構成は、並列接続で前記バッテリーパック内の前記電力セルのグループを提供し、前記バッテリーパックが充電装置に接続される際に、前記バッテリーパック内の前記電力セルの前記構成は、予め定義された充電構成となるように選択される請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
前記電動工具内の前記電気接続手段は、前記バッテリーパック内の前記電力セルのグループに接続される前記バッテリーパック内の端子内に受け入れられるように配置される複数のプラグを含む請求項
3に記載のシステム。
【請求項12】
前記電動工具内の前記プラグの特定の場所は、前記電動工具用の前記電気接続手段の前記構成と共に、製造の時点において選択され、したがって、前記バッテリーパックから前記電動工具のモーターに供給される前記電力の前記特定の電圧レベルを判定する請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
端子と同一の数のプラグが提供されており、前記プラグから延在する電気接続配線は、前記電動工具のモーターに対する前記電圧供給の前記構成及び電圧レベルを定義する請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システム内のいずれかの電動工具上に存在しているプラグよりも多くの数の端子が存在しており、前記バッテリーパックの前記端子との関係における前記電動工具上の前記プラグの場所は、前記電気接続手段の前記構成の少なくとも一部分と、前記電動工具に供給される電圧レベルと、を定義するために使用される請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記電動工具のうちのそれぞれの電動工具内に提供された前記電気接続手段の前記構成及び前記バッテリーパック内の前記電力セルの前記構成は、前記電動工具と前記バッテリーパックの製造の時点において判定及び固定され、ユーザー適応又は介入の要件を伴うことなしに、前記バッテリーパック及び電動工具の後続の使用の間に保持される請求項
3に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムは、前記バッテリーパック及び前記電動工具の中間に配置されるように提供されるモジュールを含み、前記モジュールは、前記モジュールが前記電動工具及びバッテリーパックと機械的に接続することを許容するために、前記電動工具との電気接続のための電気接点の第1の組と、前記バッテリーパックとの電気接続のための電気接点の第2の組と、機械的接続手段と、を有する請求項1乃至15のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願が関係する本発明は、少なくとも2つの異なる電圧レベルのうちの1つにおいて電力を提供するように、バッテリーパックが少なくとも部分的に充電された際に電動工具が作動可能とされることを許容するために、通常は、バッテリーパックと呼称される形態を有し、電動工具に着脱自在に装着され得る、共通的な携帯可能な電力供給を含む電動工具システムである。
【背景技術】
【0002】
工具を作動させるために特定の電圧レベルにおける電力の供給を許容するために電動工具に装着され得るバッテリーパックの提供は、周知であり、従来においては、ドリル、往復鋸、及びこれらに類似したものなどの工具の場合には、商用電源による電力供給接続を伴う第1のバージョンと、接続されたバッテリーパックから電力が供給されており、したがって、商用電源による電力供給が容易に接続可能ではない場所における工具の使用を許容する、第2のバージョンという、特定のモデルの2つのバージョンが、通常、購入のために利用可能となるというものになっている。
【0003】
バッテリーパックは、通常、電力をそれから提供するように相互接続された複数のセルを有する。セルは、通常、封止されたハウジング内において提供されており、ハウジングには、電力を電動工具に提供するために、バッテリーパックが配置され、電動工具と電気的に接続されることを許容するための場所手段及び電気接続が提供されており、これらのもの、又は更なる場所手段及び電気接続は、商用電源による電力供給に接続された充電器によるバッテリーパック内のバッテリーの充電を許容するために、バッテリーパックが充電器装置に電気的に接続されることを許容している。
【0004】
バッテリーパックが使用可能となるには、バッテリーパックは、定期的に充電される必要があり、充電の実施が必要とされる頻度は、電動工具の使用のレベル及び負荷、バッテリーパックの容量、バッテリーパックの使用年数、及び/又は、その内部において提供されるセルの形態を含み得るいくつかの要因に、単独又は組合せにおいて、依存し得る。また、バッテリーパックとの関連において作動し得る電動工具のタイプ、速度、及び電力も、上述の要因によって制限され得る。したがって、バッテリーパックの使用は、電動工具の使用の相対的に大きな柔軟性を許容するという点において、疑いのない利点を有してはいるものの、電動工具のユーザーは、作動の際の電動工具の電力の欠如及び/又はバッテリーパックを充電する必要性の間の時間の欠如において、不満を持つことになり得ることが明らかとなっている。
【0005】
以上に加えて、電動工具と共に使用されるために提供される従来のバッテリーパックは、通常、最も一般的には18ボルトである、特定の電圧において電力供給を提供するように構成される。電動工具及び/又はバッテリーパックの間の接続の手段は、通常、特定の電動工具及び/又は充電器要件に適するように選択することが可能であり、通常のケースにおいては、バッテリーパックは、1つの製造者によって製造された特定の電圧のいくつかの工具と共に使用されるために提供されており、別の製造者によって製造された電動工具においては使用することができない。但し、それぞれのケースにおいて、通常、接続は、18V及び0V接続端子を含むことになり、これらのそれぞれは、バッテリーパック又は電動工具のうちの一方の内部において提供されたメスソケットと、バッテリーパック又は電動工具のうちの他方の内部において提供されたオスプラグと、の形態において提供される。セルに加えて、バッテリーパックは、セルの制御された充電と、セルから電動工具への電力の放電と、を許容する電力供給制御手段を含むことができる。
【0006】
ただし、従来のバッテリーパックに伴う問題点は、それらが、現時点においては、固定された電圧を供給するように設計される一方で、チェーンソーなどの相対的に過酷な使用に耐え得る電動工具などの電動工具の適切な作動を許容するために、相対的に大きな電力ワット数値を提供するように、特定のタイプの電動工具に対して相対的に高い電圧の電力供給を提供する益々増大するニーズが存在しているという点にある。
【0007】
相対的に高い固定電圧を提供するバッテリーパックを提供するための試みは、これまでのところ、相対的に高い電圧を提供するためにその内部における収容が必要とされる、したがって、大きな重量を電動工具に追加する、相対的に大きな数のセルに起因して、相対的に大きくかつ嵩張るパックが提供されるという結果をもたらしている。別の選択肢は、2つの相対的に低い固定電圧のバッテリーパックを組合せにおいて使用するというものであるが、これは、更なる重量問題をもたらすと共に、電動工具の本体上において2つのパックを収容するという観点における問題のみならず、2つのバッテリーパックを同時に充電する必要性をも提起している。
【0008】
また、バッテリーパックが、2つの異なる電圧をバッテリーパックから提供するように適応され得る得るシステムを提供することも、米国特許出願公開第2016204475号明細書から知られており、この場合に、適応は、通常、異なる電圧レベルがバッテリーパックから電動工具に通過し、この電圧が、バッテリーパックが既定の形態にある際に提供される電圧よりも、その電動工具に相対的に適している、異なる形態において、バッテリーパックが電気的に作動するように、バッテリーパックが、第1電圧レベルがバッテリーパックから電動工具に通過し、かつ、電動工具のうちの他方が、バッテリーパックに接続された際に、バッテリーパックを機械的に適応させる、既定のフォーマットにおいて、電動工具のうちの一方が作動することを許容するように、2つの異なる電動工具のうちの一方がバッテリーパックに接続された際の機械的介入の結果としてのものである。別の既知のシステムは、2つの異なる電圧レベルにおける作動の間におけるバッテリーパックの切り替えを許容するスイッチメカニズムが、バッテリーパック上において提供されることを許容している。このシステムの欠点は、相対的に複雑な機械的かつ電気的接続システムをバッテリーパックに提供する必要があり、バッテリーパックに接続された電動工具に対して適切な電圧が提供されるためには、第1に、相対的に複雑かつ高価なバッテリーパックを購入しなければならず、第2に、安全に作動するように正しく作動させなければならない、即ち、機械的適応を使用のそれぞれの時点において正しく実行しなければならず、これは、特に、電動工具が、しばしば、相当の埃や木材屑が存在する環境において、かつ/又は、デブリ、土、泥、及びこれらに類似したものが存在し得る外部環境において、使用されることを考慮した際に、問題となり得る、という点にあり、これらは、いずれも、発生する機械的な適応を妨げ、かつ/又は、損傷し、したがって、潜在的に妨害し、したがって、バッテリーパックの電圧構成の変更が実現可能となることを妨げている。
【0009】
本出願人は、その同時係属中の出願において、必要とされる1つの電圧供給が一時点における電動工具及びバッテリーパックの機械的かつ電気的接続によって選択されるバッテリーパック及び電動工具組立体を開示している。
【0010】
本明細書における電動工具に対する参照は、電力供給が、少なくとも1つのバッテリーパックとの接続により、電動工具に対して提供された際に、作動する能力を有するようにされた任意の品目を参照していることに留意されたい。品目は、ドリル、チェーンソー、又はこれらに類似したものなどのハンドヘルド型の品目、電気自動車などのユーザーによって制御可能である品目、並びに、作動するためにバッテリーパックから電力供給が提供された際に望ましい動作の実行においてユーザーに対する支援として使用され得る全般的にすべての品目のうちのいずれかであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、電動工具との関連において使用することが可能であり、同一のバッテリーパックが、異なる電圧における作動のために電力提供を必要としている電動工具用の電源として使用され得る、バッテリーパックを提供するというものである。更なる目的は、バッテリーパック自体を適応又は変更する必要性を伴うことなしに、異なる電圧の電動工具と共に使用され得るバッテリーパックが提供されるように、電動工具を作動させるために供給される電圧レベルの選択が、電動工具によって実施及び制御されるようにするというものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様においては、バッテリーパック及び電動工具システムが提供され、該システムは、少なくとも第1及び第2電動工具を含み、第1電動工具は、第1電圧供給レベルによって作動自在であり、第2電動工具は、第2電圧供給レベルによって作動自在であり、前記バッテリーパックは、前記電動工具に対して電力を提供するために、前記電動工具のそれぞれと選択的に機械的かつ電気的に接続可能であり、この場合に、同一のバッテリーパックが、個々の第1及び第2電圧供給レベルにおいて作動するように両方の電動工具用の電力を供給するために使用され得るように、第1電動工具は、前記第1電圧供給レベルにおいて前記第1電動工具を作動させるためにバッテリーパックから受け取った電力を提供するように、第1構成における電気接続手段を含み、第2電動工具は、前記第2電圧供給レベルにおいて前記第2電動工具を作動させるためにバッテリーパックから受け取った電力を提供するように、第2構成における電気接続手段を含む。
【0013】
したがって、本発明によれば、一時点においてバッテリーパックに接続される電動工具は、バッテリーパックとの電気接続手段の構成の結果として、作動のためにその内部のモーターに提供される電圧供給レベルを判定している。
【0014】
通常、バッテリーパックの構成は、バッテリーパックに接続される電動工具とは無関係に、接続される時点において一定に保たれる。通常、システム内の特定の電動工具の電気接続手段の構成は、電動工具の使用の間に一定に保たれる。
【0015】
一実施形態においては、バッテリーパックは、複数の電力セルと、バッテリーパックからバッテリーパックに接続される時点における電動工具への電力提供用の制御手段と、を含む。
【0016】
一実施形態においては、バッテリーパックは、システムにおける電動工具の使用において共通しており、第1及び第2電動工具のいずれがバッテリーパックに接続されるのかとは無関係に、同一の電気接続形態において保たれる。通常、バッテリーパックの定格電圧は、全体を通じて同一であり、通常、定格電圧は、電動工具によって必要とされる異なる電圧のうちの小さいほうである。
【0017】
一実施形態においては、バッテリーパックに接続される電動工具が作動し得る少なくとも2つの電圧は、「n」Vである第1電圧と、「2n」Vである第2電圧である。一実施形態においては、nは、16~22Vの範囲の値を有する。
【0018】
一実施形態においては、選択的に提供され得る2つの電圧は、18V及び36Vである。別の実施形態においては、2つの電圧は、20V及び40Vであってもよいであろう。更なる電圧レベルも、バッテリーパックから取得され得ることに留意されたい。
【0019】
一実施形態においては、バッテリーパックとバッテリーパックに接続される電動工具の間の機械的かつ電気的インターフェースの間のインターフェースにおける電圧供給は、第1又は第2電動工具のいずれかがバッテリーパックに接続される際に、同一である。
【0020】
通常、電動工具の作動のために生成される特定の電圧供給は、電動工具内の、工具の電気インターフェースに接続される、電気接続手段の特定の構成により、選択及び定義される。
【0021】
したがって、通常、電動工具の作動のために提供される特定の電圧レベルの選択は、必要とされる電圧レベルにおける電力をその電動工具に提供するために、必要とされる構成において電気接続手段を提供することにより、電動工具の製造の時点において、電動工具により、かつ、その内部において選択され、インターフェースにおいて機械的かつ電気的接続を実施するために、必要とされる電動工具をバッテリーパックに接続する以外に、正しい電力供給を電動工具に提供するために、後続のユーザー介入、適応、又は選択は、システムの使用の間に、必要とされない。
【0022】
したがって、通常、選択は、バッテリーパックが電動工具に接続されたら、その特定の電動工具を作動させるために必要とされる電圧供給を判定する電動工具内の固定された電気接続手段構成により、実施される。
【0023】
一実施形態においては、誤ったバッテリーパックが、電力を電動工具に提供するために電動工具に装着できないことを保証するために、「コード化」された装着などの機械的な安全手段を提供することができる。
【0024】
一実施形態においては、バッテリーパック内において提供されるセルは、いずれの電圧が提供されるのかとは無関係に、同一のフォーマットにおいて保たれ、ハウジングの内部又は電力セルに対してアクセスする必要はない。通常、接続構成は、電動工具に提供される特定の電圧との関係において電動工具内において構成される。
【0025】
一実施形態においては、電動工具内の電気接続手段の第1構成は、直列接続でバッテリーパックのセルのグループからの電力を利用し、別の電動工具用の電気接続手段の第2構成は、並列接続でバッテリーパックの電力セルのグループからの電力を利用している。通常、電力セルが第1の直列構成において提供される際には、2つの電圧のうちの高いほうが、その電動工具を作動させるために、提供される。
【0026】
一実施形態においては、バッテリーパックは、充電装置に対して選択的に接続可能であり、バッテリーパック内のセルの構成は、充電装置内において提供される電気接続手段により、予め定義された充電構成となるように選択される。通常、バッテリーパックは、バッテリーパックに接続されるように提供される電動工具の電圧レベル値のうちの1つにおいて充電される。一実施形態においては、バッテリーパックは、少なくとも2つの電圧値のうちの高いほうにおいて充電される。
【0027】
通常、電動工具内の電気接続手段は、電力セルのグループに接続されるバッテリーパック内の他方のプラグ又は端子ソケット内に受け入れられるように配置される複数のプラグ又は端子ソケットを含む。
【0028】
通常、電動工具内のプラグ又は端子ソケットの特定の場所は、その電動工具用の電気接続手段の特定の構成と、したがって、バッテリーパックから電動工具のモーターに供給される電力の特定の電圧レベルと、を定義するように、選択される。
一実施形態においては、電動工具内に提供されたプラグ又はソケットから電動工具のモーターに対する電力の途中の供給手段の配線接続の構成が、供給される特定の電圧レベルを決定している。これに加えて、又はこの代わりに、電動工具には、第1プラグ又は端子ソケット構成が提供されていてもよく、第2電圧レベルにおける電力を必要とする電動工具は、第2プラグ又はソケット構成を有することになる。
【0029】
一実施形態においては、電動工具には、プラグが提供され、バッテリーパックには、端子ソケットが提供されており、プラグからの電気接続手段配線構成が、電動工具のモーターに対する電力供給の電圧レベルを定義している。
【0030】
別の実施形態においては、システム内のいずれかの電動工具上に存在しているプラグよりも多くの数の端子ソケットが存在しており、バッテリーパックの端子ソケットとの関係における電動工具上のプラグの場所は、電気接続手段の構成の少なくとも一部分と、したがって、その電動工具に供給される電圧レベルと、を定義するために、使用される。
【0031】
一実施形態においては、それぞれの電動工具内に提供された電気接続手段の構成及びバッテリーパック内のセルの構成は、電動工具とバッテリーパックの製造の時点において判定及び固定され、ユーザー適応又は介入の要件を伴うことなしに、バッテリーパック及び電動工具の後続の使用の間に保持される。
【0032】
一実施形態においては、システムは、バッテリーパックと電動工具の中間に配置されるように提供されるモジュールを含み、前記モジュールは、モジュールが電動工具及びバッテリーパックと機械的に接続することを許容するために、電動工具との間の電気接続のための電気接点の第1の組と、バッテリーパックとの間の電気接続のための電気接点の第2の組と、機械的接続手段と、を有する。
【0033】
電気接点の第1及び第2の組は、モジュール内において電気的に接続されており、例えば、バッテリーパックと互換性を有してはいない機械的かつ/又は電気的接点を有する電動工具が、互換性を有するモジュールの1つの表面において第1の機械的かつ/又は電気的接点を介してモジュールと装着され、次いで、モジュールが、バッテリーパックと互換性を有する更なる機械的かつ/又は電気的接点を介してバッテリーパックに対して装着されることを許容し、これにより、予め互換性を有していない電動工具が、その結果、本発明によるシステムの一部分となり得ることを許容するように、モジュールがアダプタとして使用されることを許容している。
【0034】
一実施形態においては、電動工具の作動用の電力供給の電圧レベルを定義する電気接続手段は、モジュール内において提供されており、したがって、モジュールは、電動工具に装着される際に、通常は最初の装着の後に永久的に、電動工具の一体的な部分として機能する。
【0035】
一実施形態においては、モジュールは、電動工具又はバッテリーパックが、モジュールが共に使用されることになる電動工具又はバッテリーパックのうちの他方にマッチングした構成に適応することを許容し、これにより、モジュールが本発明によるシステムの一部分として使用されることを許容するために、提供される。
【0036】
一実施形態においては、モジュールは、電動工具を適応させるために提供されており、一実施形態においては、工具に装着されたら、工具及びモジュールが、組合せにおいて、電動工具の作動のために供給される電圧レベルの判定を許容するために、一体的な工具として、前記電気接続手段と共に、作動することを許容する機械的接続手段が提供されてもよい。したがって、この実施形態においては、バッテリーパックに準拠していない電気及び機械接続手段を有し得るオリジナルの電動工具は、モジュールが、バッテリーパックと共に使用される適切な機械的かつ電気的な構成を有し、電動工具の作動用の電力供給の電圧レベルが定義されることを許容するために電気接続手段を含むように、それとの間におけるモジュールの場所により、適応させることができる。
【0037】
本発明の更なる態様においては、電動工具が提供され、前記電動工具は、電動工具に対する電力提供によって作動する少なくとも1つの作業機能を含み、前記電力は、複数の端子が接続されることを許容するための電動工具に対するバッテリーパックの接続により、提供することが可能であり、この場合に、バッテリーパックから電動工具に供給される電圧は、電動工具に提供される電気接続手段の構成により、決定される。
【0038】
一実施形態においては、電気接続手段には、バッテリーパックと電動工具の間の機械的かつ電気的なやり取りの結果として、電力が供給される。
【0039】
したがって、特定の電動工具用の必要とされる、又は選択された電圧を提供するために、特定の電圧の選択のための制御手段は、そのすべてが電動工具上において提供される。
【0040】
本発明の更なる態様においては、バッテリーパック及び電動工具システムが提供され、前記システムは、少なくとも第1及び第2電動工具を含み、前記第1電動工具は、第1電圧供給レベルによって作動自在であり、前記第2電動工具は、第2電圧供給レベルによって作動自在であり、前記バッテリーパックは、電動工具に電力を提供するために、前記電動工具のそれぞれと選択的に機械的かつ電気的に接続可能であり、この場合に、特定の時点においてバッテリーパックに接続される電動工具は、前記電動工具内に提供される電気接続手段の構成の結果として、その作動のために使用される電力供給の電圧レベルを判定している。
【0041】
本発明の更なる態様においては、バッテリーパックとの関連において使用される電動工具が提供され、電動工具を作動させるためのバッテリーパックからの電力は、電動工具が機械的かつ電気的に接続される際に、供給され、この場合に、電動工具の作動のために提供される特定の電圧レベルの選択は、電動工具により、その内部において、選択される。
【0042】
通常、選択は、電動工具内に提供される電気接続手段の構成により、これとの関係において、実施される。
【0043】
本発明の更なる態様によれば、ハウジングと、バッテリーパックとの間の電動工具の選択的な係合を許容するための機械的場所手段と、ハウジング内において配置された複数の電力セルと、を含むバッテリーパックが提供され、前記電力セルは、バッテリーパックの外部においてアクセス可能となるように配置された端子の組を介して電力を提供するためにグループとして接続されており、この場合に、前記端子は、電力セルのグループのそれぞれごとのグラウンド端子と、電力セルのグループのそれぞれごとの0V超の電圧端子と、温度監視端子と、を含む。
【0044】
一実施形態においては、2つのグラウンド端子及び2つの電圧端子が提供されるように、電力セルの2つのグループが提供される。
【0045】
一実施形態においては、端子の組は、1つのリレー制御信号端子と、4つの電圧計測端子と、を含む。
【0046】
一実施形態においては、バッテリーパックに選択的に接続される電動工具のそれぞれは、グラウンド端子のそれぞれ、電圧端子のそれぞれ、及び温度端子と接続するための端子を含む。
【0047】
一実施形態においては、バッテリーパック充電器は、バッテリーパックのグラウンド端子のそれぞれ、電圧端子のそれぞれ、温度端子、計量制御信号端子、及び4つの電圧計測端子に接続するための端子を含む。
【0048】
一実施形態においては、計量制御信号は、リレーによって提供される。
【0049】
バッテリーパック及び電動工具を本明細書において記述される形態において提供することにより、バッテリーパックが接続される時点における電動工具に最も適した少なくとも2つの電圧のうちの1つをバッテリーパックによって電動工具に提供することができる。したがって、これは、適切な電圧供給の提供により、特定の電動工具の電力又は引き出しに対する需要を相対的に効率的かつ安全に提供することが可能であり、したがって、提供される電流の制御に対する需要が低減されることから、バッテリーパックの作動を制御するために必要とされる制御手段が大幅に低減されることを意味している。その結果、これは、制御手段の一部分としてバッテリーパック内において提供されることが従来必要とされるハードウェアを除去することが可能であり、依然として、バッテリーパックが、安全に、その製造費用が低減された状態において、作動し得ることを意味している。したがって、バッテリーパックからの電力出力は、損失が低減されると共に熱生成が低減された状態において、選択的に相対的に高度なものになり得る。
【0050】
また、異なる電圧を必要としている別の電動工具によって使用される同一のバッテリーパックからその電動工具への少なくとも2つの可能な電圧のうちの1つの電圧の選択的な供給を許容するための電動工具内における電気接続手段の提供は、バッテリーパックの重量又は場所要件に悪影響を及ぼすことなしに、相対的に高度な電力柔軟性が同一の共通バッテリーパックから提供されることをも許容している。
【0051】
通常、バッテリーパックは、直列に接続されたセルによって充電されることになることから、電動工具の作動及びバッテリーパックの充電の両方における電流要件が格段に低減される。電力は、電流×電圧であることから、提供される電力を少なくとも維持することが可能であるが、これを実行するための費用は、相対的に小さな電流が必要とされることから、相対的に小さくなる。
【0052】
また、この結果、例えば、接続された本発明によるバッテリーパックによって供給される電力によるベンチ電動工具の作動などのように、バッテリーパックに対する装着によって作動させることができる電動工具の範囲を拡大することでもきる。
【0053】
本発明の更なる態様においては、少なくとも第1及び第2電動工具を含むシステムが提供され、バッテリーパックは、第1電圧レベルにおける電力供給を第1電動工具に提供すると共に第1電圧レベルとは異なる第2電圧レベルにおける電力供給を第2電動工具に提供するために、使用され、前記バッテリーパックは、電動工具に電力を提供するために前記電動工具のそれぞれと選択的に機械的かつ電気的に接続可能であり、この場合に、第1電動工具は、バッテリーパックに対して接続するために第1構成における電気接続手段を含み、第2電動工具は、バッテリーパックに対して接続するために第2構成における電気接続手段を含み、同一の機械的接続構成が、個々の電動工具とバッテリーパックの間において使用され、個々の電動工具に供給される特定の電圧レベルを選択するために、ユーザー介入が必要とされてはいない。
【0054】
以下、添付図面を参照し、本発明の特定の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本発明によるバッテリーパックが電力を提供するために使用され得る電動工具の範囲を示す。
【
図2】本発明のバッテリーパックが提供され得る形態のバッテリーパックを示す。
【
図3】本発明の一実施形態による使用法のためのバッテリーパックセルのレイアウトを示す。
【
図4】電動工具とバッテリーパックの間の接続インターフェースを概略的に示す。
【
図5】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの接続端子を示す。
【
図6a】一実施形態によるバッテリーパック及び第1電動工具のインターフェース接続及び端子機能を示す。
【
図6b】一実施形態によるバッテリーパック及び第2電動工具のインターフェース接続及び端子機能を示す。
【
図7a】本発明の一実施形態によるデュアル電圧バッテリーパック充電器の接続及び端子機能を示す。
【
図7b】本発明の一実施形態によるバッテリーパック及び充電器のインターフェース接続及び端子機能を示す。
【
図9】電動工具又はバッテリー充電器のいずれもが接続されていないバッテリーパックの端子機能を示す。
【
図10】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを示す。
【
図11】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの他の接続端子を示す。
【
図12】本発明の一実施形態によるデュアル電圧バッテリーパック充電器の他の接続及び端子機能を示す。
【
図13】本発明の一実施形態によるバッテリーパックのセルのグループの電流監視方法を示す。
【
図14】本発明の一実施形態によるバッテリーパックのセルのグループの温度監視方法を示す。
【
図15a】本発明の一実施形態によるバッテリーパックのセルのグループの電圧監視方法を示す。
【
図15b】本発明の一実施形態によるバッテリーパックのセルのグループの他の電圧監視方法を示す。
【
図16】本発明の一実施形態によるバッテリーパックセル監視方法を示す。
【
図17】本発明の一実施形態による他のバッテリーパックセル監視方法を示す。
【
図18】本発明の一実施形態による他のバッテリーパックセル監視方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
まず、
図1を参照すれば、本発明による携帯型バッテリーパックが利用され得る電動工具のタイプの例として、電動工具1の範囲が示される。付与される例は、ドリル2及びトーチ6などの軽微な使用法の電圧工具と、チェーンソー4などの過酷な使用法の電圧工具と、を有する。それぞれのケースにおいて、電動工具は、作動するために電力が提供される作業部8を有する。チェーンソー及びドリルのケースにおいては、これらには、ハウジング10内において、作業部8の運動を生成するモーターが提供されており、トーチライト内においては、光がトーチライトの表面14から放出されることを許容するために、バルブ12が提供される。それぞれのケースにおいて、本体には、電動工具とバッテリーパックの間のインターフェース19において破線によって示されるように、電動工具ハウジングと共に機械的に配置され得るバッテリーパック18内において提供されたマッチングスロット内において受け入れられるように位置決めされる、通常は、プラグ16の形態を有する、電気接続手段が提供される。通常は、インターフェース19における電動工具ハウジングとの間のバッテリーパックの正しい機械的な配置の際に自動的な方式によって実行される、電気接続が実施された際に、電動工具が使用され得るように、電力がバッテリーパックから電動工具に供給される。
【0057】
図2及び
図10は、一実施形態によるバッテリーパック18の一例を更に詳細に示しており、これらは、一連のバッテリー又はセルが、その内部において、固定され、相互接続された位置において配置される、ハウジング20を有する。バッテリーパック18の使用の間には、電力セルに対してアクセスを実施する必要はなく、セルの定期的な充電は、最も一般的には、電動工具のマッチングした接続手段との接続を許容する同一の電気端子スロット22及び機械的接続手段24を使用することにより、バッテリー充電器との接続を介して、実現することができる。バッテリーパック18が電動工具上において配置されると共にロックされることを許容するために、ロック手段を提供することができる。機械的接続手段の係合解除を許容するために、取外しボタン25がユーザーによる作動のために提供される。
【0058】
図3は、本発明によるバッテリーパック内の一連のバッテリー又は電力セル26のレイアウトを示しており、セルの2つの「バンク」又は「グループ」28、30が提供されることがわかる。それぞれのグループ内のセル26は、直列状態に相互接続されており、
図4a及び
図4bとの関連において更に詳しく説明する接続端子に至る、18Vを提供し得る接続が提供される。通常、セルのそれぞれは、同一である。
【0059】
バッテリーパックから取得された電力は、電動工具がバッテリーパックに接続される際に、提供され、電動工具によって利用される特定の電圧は、電動工具内に提供される電気接続手段に依存している。電動工具1(ボックス21によって示される)とバッテリーパック18の間のインターフェース19における電気接続は、バッテリーパックによって提供される電圧の選択用の制御手段が、通常はバッテリーパックよりも長い寿命を有する電動工具上において提供されるように、実現することができる。
【0060】
図4に示される実施形態においては、電動工具1には、0ボルトであるグラウンドに接続されたプラグ32’、32’’、それぞれセルのグループ28、30用の端子ソケット22、’、22’’、温度検知端子ソケット22’’’に接続されたプラグ32’’’、並びに、それぞれ、セルのグループ28、30用の18ボルト端子ソケット22’’’’及び22’’’’’内において接続されたプラグ32’’’’及び32’’’’’を有する端子プラグの組32が提供される。プラグ32は、最も一般的には、実際には、工具1とバッテリーパック18のインターフェース19が完全に係合した際にソケット22と平行に位置するように、矢印34によって示されるように回転することになる。
【0061】
図5は、一実施形態におけるバッテリーパック18の、通常は、ソケット22の形態を有する、端子を更に詳細に示している。このケースにおいては、ソケット22’は、電力セルグループ28用のグラウンド接続(0ボルト)であり、端子22’’は、電力セルグループ30用のグラウンド接続である。端子22’’’は、安全を目的として接続の間にバッテリーパックの内部から温度を電動工具に対して通知する温度検知端子である。端子22’’’’は、電力セルグループ28用の+18ボルト端子接続であり、端子22’’’’’は、バッテリーパック内の電力セルグループ30用の+18ボルト端子接続である。
【0062】
図6a及び
図6bは、電動工具1とバッテリーパック18の間のインターフェース19を示しており、電動工具1に接続されるバッテリーパックの端子22’~22’’’’’を示している。
【0063】
図6aは、作動のために36ボルトの電力供給を必要としている電動工具1がバッテリーパックに接続される実施形態を示し、
図6bは、作動するために18ボルトの電力供給を必要とする電動工具が、
図6aにおけると同一のバッテリーパック18に接続される実施形態を示している。両方の実施形態において、同一のバッテリーパック端子ソケット22’~22’’’’’が、端子プラグ32’~32’’’’’を介して電動工具に接続される。但し、必要とされる電圧レベルが特定の電動工具の作動のために提供されるように、それぞれの電動工具は、その内部に、端子プラグ32’~32’’’’’を含む電気接続手段を含んでおり、したがって、バッテリーパック18の端子ソケット22’~22’’’’への接続を許容している。
図6aには、その電動工具内において第1構成40において提供される一つ及び/又は複数のプラグからの接続を有する第1電動工具電気接続手段が示されており、かつ、
図6bには、第1工具とは異なる電圧レベルにおける電力を必要としているその電動工具内において第2構成において提供される一つ及び/又は複数のプラグからの接続を有する第2電動工具電気接続手段が示される。これらの電気接続手段構成は、電動工具内の、又は電動工具内に配置された適切な回路基板を介した配線により、及び/又はプラグのいずれがバッテリーパックの端子ソケットに電気的に接続されるかの選択により、実現することができる。第1及び第2電動工具用の特定の電気接続手段構成は、端子プラグ32’、32’’、及び32’’’’、32’’’’’からのラインにより、示される。
図6aにおいては、電気接続手段の構成40は、結果的に、このケースにおいては36ボルトである、相対的に高い電圧電力レベルを提供するために、事実上、バッテリーパック内の電力セルから電動工具に向かって供給される電力がセルのグループ28、30の直列接続で提供されることを結果的にもたらしている。
図6bの構成42においては、バッテリーパック内の電力セルのグループ28、30からその電動工具に向かって供給される電力は、並列で提供され、その結果、このケースにおいては18ボルトである、相対的に低い電圧供給レベルがもたらされる。個々の構成は、通常は、電動工具の製造の時点において、個々の電動工具内に実装され、したがって、インターフェース19及びバッテリーパック18と、その後に、機械的接続手段と、は、両方の電動工具バージョンについて、両方の電圧要件について、同一のフォーマットにおいて保たれていることに留意されたい。
【0064】
図7aは、バッテリー充電器44の端子の組46を示している。端子46c1~46c4は、バッテリーパックがバッテリー充電器に接続された際に、接続され、後述するように、バッテリーパック内の電力セルのグループ28又はグループ30の個々のセルの間の電圧を計測するために、使用することができる。選択される特定のグループは、充電器端子46RCとバッテリーパック端子22RCの間の信号に依存しており、これに基づいて、どのグループ28又は30内において、個々のセルの間の電圧が計測されるのかについての決定が下される。
【0065】
電動工具におけると同様に、充電器の端子46’は、電力セルグループ28用のグラウンド接続(0ボルト)の端子に接続されており、端子46’’は、電力セルグループ30用のグラウンド接続用のバッテリーパック端子に接続される。端子46’’’は、安全を目的として接続の間に充電器にバッテリーパックの内部から温度を通知する温度検知用のバッテリーパックの端子22’’’に接続される。端子46’’’’は、端子ソケット22’’’’を介して電力セルグループ28用の+18ボルト端子接続に接続されており、端子46’’’’’は、端子ソケット22’’’’を介してバッテリーパック内の電力セルグループ30用の+18ボルト端子接続に接続される。
【0066】
図7bは、バッテリー充電器44に接続されたバッテリーパックを示しており、バッテリーパック18の充電の安全かつ効率的な実現を許容するために、個々の端子をバッテリー充電構成48において電気接続手段内において接続する方式を示している。
【0067】
充電作動の間には、バッテリーパック内のセル26を監視するニーズが存在するが、従来においては、それぞれのセルを監視するには、8つの端子の提供が必要とされ、これは、相対的に費用を所要すると共に、サイズ制約に起因し、収容することが困難であり得る。本発明の一実施形態によれば、充電器44が、両方のグループ内の電力セルではなく、任意の所与の時点において間欠的にグループ28又はグループ30内の電力セルを計測及び監視するスイッチングの提供により、端子の数を4つ(C1~C4)に低減することができる。
図8a及び
図8bを参照し、これについて説明する。即ち、本発明によれば、リレー回路信号が端子22RC及び46RCを介してロー(RCオフ)である際には、C1(22C1、46C1)は、信号が電力セルのグループ30から到来していることを通知し、RCがハイである(RCオン)際には、C1は、電力セル信号が電力セルのグループ28から到来していることを通知している。これは、一時点において監視される必要がある電力セルが、グループ28のものであるのか又はグループ30のものであるのかを判定するには、充電の間にRC及びC1の組合せのみを監視する必要があることを意味している。リレー回路は、半導体スイッチングによって置換され得ることに留意されたい。
【0068】
図8aに示される配線順序に起因し、電力セルc1、c2、c3、及びc4の信号は、RC信号に依存して選択される接続されたグループ28又は30に応じて、異なる電圧を受け取っている。
【0069】
グループ内の個々のセルの間の接続の観点において、接続C1.1、C2.1、C3.1、及びC4.1は、セルの電圧の計測を許容するために、接続C1.2、2.2、3.2、及び4.2とは反対方向において接続されるが、いずれのセルがいずれのグループ内において計測されるのかをも通知している。RC端子の電流ループが検出され得るが、電流フローが存在していない場合には、障害状態が通知される。
【0070】
したがって、これは、1つのグループ内の電力セルのみが任意の所与の時点において監視されることに伴って、グループのうちの1つのグループ内の電力セルについて、充電器44とバッテリーパック18の間のインターフェースにおいて提供される必要があるのは、4つ端子のみで十分であることを意味している。
【0071】
上述のように、バッテリーグループ28、30は、2×nボルトを生成するために、直列状態において、nボルトを生成するために、並列状態において、接続することができる。
【0072】
図11に示されるバッテリーパック端子22C1、22C2、22C3、及び22C4は、バッテリーパックが充電している際には、
図12に示される充電器44の充電器端子46C1、46C2、46C3、及び46C4に接続されており、したがって、グループ28又はグループ30の個々のセルの間の電圧の計測を実行することができる。端子46’’’は、バッテリーパック18の内部から温度を充電器44に通知している。
【0073】
電圧の計測を要するのがセルのグループ28、30のいずれであるのかについての決定は、充電器44からバッテリーパック18の22RC(リレー制御)端子に送信される信号に依存しており、
図11には、これらの端子のみが示されており、
図12には、バッテリーパック充電器端子が示される。
【0074】
端子22’’’は、バッテリーパック18の内部からバッテリーパックに接続される充電器44又は工具1に温度を通知している。
【0075】
一実施形態においては、リレーの使用は、バッテリーパック18の22RC端子の電流ループが検出され得るように、半導体スイッチングによって置換することが可能であり、電流フローが検出されない場合には、これは、バッテリーパックと充電器の間の接続障害などの障害を通知している。22RC信号がオン又はオフである場合には、その結果、グループ28又は30が端子22c1、22c2、22c3、及び22c4上において通知していることに関する決定を下すことができる。
【0076】
実際には、22c1、22c2、22c3、及び22c4信号は、配線順序に起因して異なっており、この結果、受け取られる22RC信号によって決定される接続されたグループ28又は20に応じて、異なる電圧レベルが受け取られることになる。
【0077】
個々の電力セルの間の接続c1.1、c2.1、c3.1、及びc4.1は、セルの電圧を計測するために、c1.2、2.2、3.2、及び4.2とは反対の方向において接続されるが、これも、いずれのグループ28、30のいずれのセルが計測されるのかを通知している。
【0078】
電流監視のシャント法、温度監視のNTC法、及び/又は電圧監視のうちのいずれか又はこれらの任意の組合せを使用したグループ又はストリング均衡検出などの代替監視方法を使用することができよう。
【0079】
グループ均衡検出を実行する際に、これは、セルのグループ28、30が均衡状態にあるかどうかの検出を伴っている。バッテリーパックのコネクタがきちんと接続されていない場合には、或いは、異なる接触抵抗値を有する場合には、その結果、通常、2つのグループが不均衡状態となり、これは、望ましいものではなく、この問題を防止し得るように、検出することができる。不均衡状態は、工具がスイッチオフされる際に、均衡状態となるが、不均衡状態が過大である際には、逆電流がセルの最大電流を超過する場合がある。
図13に示されるように、電流監視方法が使用される際には、グループ28、30当たりの電流レベルが個々のシャント1及びシャント2によって計測される。次いで、比較器COMPがシャント1及びシャント2からの電流値を比較し、2つの値の間において不均衡が検出される場合には、工具に送信される信号により、工具の制御手段が工具の作動をシャットダウンすることになる。
【0080】
温度監視を実行する際には、
図14に示されるように、それぞれ、セルのグループ28及びセルのグループ30の検出された温度NTC1及びNTC2の任意の差が判定され、不均衡状態にある放電の通知として使用される。これは、工具制御手段内において実行することが可能であり、充電の間のみならず、バッテリーパックの放電の際の両方において、相対的に正確な温度計測を許容している。
【0081】
図15a及び
図15bは、グループ28、30の均衡状態の電圧監視が実行され、セルの2つのグループ28、30の電圧の間に差が存在する際に、セル監視ロジックが、信号を提供する方式を示している。検出された電圧レベルに差が存在する際には、信号が、工具用の制御手段に送信されることになり、この制御手段は、差が過大である場合には、工具の作動を停止させることができる。
【0082】
更には、セルの監視のために、上述のように、充電器内における十分な監視及び均衡化を使用することが可能であり、或いは、この代わりに、セル監視をバッテリーパック18自体内において実行することも可能であり、これから、組み合わせられた信号を生成することもできる。この方法は、バッテリーパックの内部の個々のセル電圧を監視し、監視信号をバッテリーパックの状態を通知する1つの組み合わせられた出力信号として組み合わせている。例えば、状態は、その上限又は下限電圧に早期に到達した単一のセルがパック内に存在していることを通知し得るであろう。この組み合わせられた信号は、バッテリーパックに接続される時点においていずれのものがバッテリーパックに接続されるのかに応じて、充電器44又は工具1によって受け取られ、次いで、充電器又は工具用の制御手段は、相応して充電器又は工具の作動を変更するかどうかを判定することが可能であり、これは、一実施形態においては、その特定の状態の生成をもたらしている問題が是正される時点まで、充電又は放電を停止するというものであってもよい。
【0083】
図16は、充電器44がバッテリーパック18に接続され、最大充電又は放電電流に直接的に対応する予め設定された値が充電器とバッテリーパックの間において送信され、状態インジケータがバッテリーパックから充電器に対して生成される構成を示している。
図17は、工具1がバッテリーパック18に接続され、最大充電又は放電電流に直接的に対応する予め設定された値が充電器とバッテリーパックの間において送信され、状態インジケータがバッテリーパックから工具用の制御手段に対して生成される構成を示している。
図18は、バッテリーパックの内部セル構成を示しており、セルの監視を個別のコンポーネント又は標準的なICによって実行することにより、結果的に、接続される時点において組み合わせられた状態信号をパック18から適切である工具又は充電器に対して生成することができる。
【0084】
図9は、電動工具又は充電器装置のいずれもが接続されてはいないバッテリーパック18を示しており、この実施形態においては、バッテリーパック内の電力セルの2つのグループ28、30は、接続されてはおらず、したがって、パックは、2×1P5Sパックとして構成されており、これは、バッテリーパックが安全な輸送のための100Whという限度を超過しておらず、したがって、使用の前に、安全上の懸念を伴うことなしに、或いは、その耐用年限内における輸送のための適応を必要とすることなしに、小売りパックの一部分として、安全に搬送され得るように、個々のバッテリーグループが接続されていないという利点を有する。
【0085】
したがって、本発明によれば、同一のバッテリーパック16を異なる作動電圧を必要とする異なる電動工具と共に使用することができる。例えば、バッテリーパックが20ボルトを提供するように構成される場合に、電動工具のモーターを作動させるために20ボルトという必要とされる供給を提供するためにその内部において電気接続手段が提供される電動工具に接続される際には、電動工具は、バッテリーパックから20v電力のみを取得することになり、電動工具は、所定の期間にわたって作動可能となる。
【0086】
但し、本発明によれば、例えば、
図10に示されるものなどのように、バッテリーパックが、作動するために40ボルト供給を必要としている電動工具に接続される際には、電動工具内の電気接続手段は、バッテリーパックの2×20v供給を40ボルトに組み合わせることにより、必要とされる40ボルトがバッテリーパックから電動工具モーターに供給されるように、構成される。この結果、40ボルトにおいて稼働する電動工具は、過酷な使用状態のタスクに適した非常に高度な性能を供給することができる。
【0087】
したがって、従来技術のマルチボルトバッテリーシステムとは異なり、電圧を判定しているのが、その電動工具のモーターに提供される電圧を判定する電動工具の内部配線であり、パックの定格電力出力は変化していない。これは、通常は機械的適応組立体により、バッテリーパック自体及びその内部の電力セルを再構成しなければならない従来のシステムとは対照的である。