(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】スクラレオリドを含んでなる薬剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/365 20060101AFI20220704BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20220704BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220704BHJP
A61Q 19/02 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
A61K31/365
A61K8/49
A61P17/00
A61Q19/02
(21)【出願番号】P 2018562950
(86)(22)【出願日】2016-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2016062172
(87)【国際公開番号】W WO2017215729
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2019-02-04
【審判番号】
【審判請求日】2020-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】マリエル・ラ・メール
(72)【発明者】
【氏名】イムケ・マイアー
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル・フィールハーバー
【合議体】
【審判長】前田 佳与子
【審判官】藤原 浩子
【審判官】田中 耕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-205667(JP,A)
【文献】特開2002-47195(JP,A)
【文献】特表2004-532212(JP,A)
【文献】特表2013-532671(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0242020(US,A1)
【文献】「最近の洗浄剤原料の開発とその機能」,FRAGRANCE JOURNAL,2014年,Vol.42,No.7,「SymVital(R) AR 3040 表示名称 ショウガ根エキス INCI名:Zingiber Officinale(Ginger) Root Extract」の項目
【文献】Symrise社のホームページ,「Universal and Versatile Skin Beautifier for all Ages from Ginger Root Symrise Launches SymVital(R) AR」,Newsroom 08/12/2014 Scent & Care,検索日2021年9月29日, <URL:https://www.symrise.com/newsroom/article/universal-and-versatile-skin-beautifier-for-all-ages-from-ginger-root-symrise-launches-symvitalR-ar/>
【文献】香粧品科学,1997年,株式会社朝倉書店,p.29-30
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61P 17/00-17/18
A61K 8/00- 8/99
A61Q 19/02
REGISTRY/CAplus/BIOSIS/EMBASE/MEDLINE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
380nm~750nmの範囲の波長を有する可視光により誘発される色素沈着過度の治療、予防及び/又は改善に使用するためのスクラレオリドを含有する薬剤。
【請求項2】
前記薬剤は、少なくとも1つのUVフィルターをさらに含んでなり、該UVフィルターは、UV-Aフィルター、UV-Bフィルター及び光保護顔料からなる群から選択される、請求項
1に記載の薬剤。
【請求項3】
前記薬剤は、少なくとも1つの皮膚美白剤をさらに含んでなる、請求項1
又は2に記載の薬剤。
【請求項4】
スクラレオリドは、
前記可視光
により誘発される色素沈着過度を低減、防止、抑制及び/又は保護するための有効量で存在する、請求項1~
3のいずれかに記載の薬剤。
【請求項5】
(a)0.01重量%~10重量%、好ましくは0.02重量%~2重量%、特に好ましくは0.05重量%~0.2重量%のスクラレオリド又は薬学的に許容されるスクラレオリドの塩、及び
(b)(b1)、(b2)及び(b3)から選択される少なくとも1つの化合物:
(b1)0.05重量%~60重量%、好ましくは0.1~50重量%、特に好ましくは0.5重量%~40重量%のUVフィルター、
(b2)0.005重量%~20重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の皮膚美白剤、
(b3)0.0001重量%~30重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%の抗酸化剤、
並びに任意に、
(c)0.2重量%~99重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%、特に好ましくは1重量%~10重量%の担体、及び/又は
(d)0.1重量%~90重量%のさらなる添加剤
を含んでなり、ここで、化合物a)~d)の重量%は薬剤の総量に基づいており、全化合物の合計は100重量%である、請求項1に記載の薬剤。
【請求項6】
380nm~750nmの範囲の波長を有する可視光により誘発される色素沈着過度を扱うための非治療的方法であって、以下の工程:
(i)(a)少なくともスクラレオリド又はその薬学的に許容される塩、
及び(b1)、(b2)及び(b3)から選択される少なくとも1つの化合物:
(b1)少なくとも1つのUVフィルター、
(b2)少なくとも1つの皮膚美白剤、
(b3)少なくとも
1つの抗酸化剤、
及び(c1)、(c2)及び(c3)から選択される少なくとも1つの化合物:
(c1)担体、
(c2)オイル成分、
(c3)乳化剤
を含んでなる化粧品組成物を準備する工程、
(ii)工程(i)の該組成物をヒトの皮膚に適用する工程
を含んでなる、方法。
【請求項7】
前記化粧品組成物は、さらにショウガ根CO
2抽出物を含んでなり、スクラレオリドとショウガ根CO
2抽出物との重量比は、80:20~
40:
60である、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記化粧品組成物は、該化粧品組成物の総量に基づいて、0.01重量%~10重量%の量でスクラレオリドを含んでなる、請求項
6又は
7に記載の方法。
【請求項9】
前記化粧品組成物は、本質的に少なくとも1つのUVフィルターを含んでなり、該UVフィルターは、UV-Aフィルター、UV-Bフィルター及び光保護顔料からなる群から選択される、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記化粧品組成物は、本質的に少なくとも1つの皮膚美白剤を含んでなる、請求項
8又は
9に記載の方法。
【請求項11】
380nm~750nmの範囲の波長を有する可視光により誘発される色素沈着過度の治療、予防及び/又は改善のための、請求項1~
5のいずれかに記載の薬
剤の化粧品的使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品及び化粧品の分野に属し、一方では、特に太陽光線により誘発される、好ましくは可視光線により誘発される色素沈着過度(hyperpigmentation)を阻害するための薬剤に関する。また、該色素沈着過度を扱うための化粧品的、非治療的使用にも言及する。
【背景技術】
【0002】
多くの人々は、彼らの皮膚の色素沈着の程度に関心がある。例えば、シミやそばかすのある人は、そのような色素斑が目立たないようにしたいと望んでいるかもしれない。他の人は太陽光に黒子されることにより引き起こされる肌の黒化を減らすか、又は彼らの自然な肌の色を明るくすることを望むかもしれない。集中した場所では、皮膚は通常より明るく又は暗く見えるかもしれない。このような皮膚の色素沈着障害は、体が多すぎる又は少なすぎるメラニンを生成するために発生し、これは、皮膚のメラノサイトにより生成される色素である。
【0003】
ヒトの皮膚の色は、基底表皮層中の色素メラニンの含有量によって主に決定される。通常褐色から黒色までの色であるメラニン色素は、皮膚のメラノサイト(色素生成細胞)で形成され、それはケラチノサイトに移されて皮膚又は毛髪にその色を与える。哺乳動物では、褐色-黒色ユーメラニンは、主に、L-チロシン及びL-DOPAなどのヒドロキシ置換芳香族アミノ酸、さらに硫黄含有分子からの黄色から赤色のフェオメラニンから形成される(Cosmetics and Toiletries 1996、111(5)、43-51)。L-チロシンから出発して、L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-DOPA)は、銅含有鍵酵素チロシナーゼにより形成され、次にチロシナーゼにより、ドーパクロムに変換される。様々な酵素により触媒される一連の工程によって、後者は酸化されてメラニンを形成する。
【0004】
あまりに多いメラニンが、基底層のメラノソームの保持時間により皮膚の1つの領域又は部分に濃縮されると、皮膚は色素沈着過度になる。色素沈着過度は、また日光への過度の露出又は他の炎症性の刺激の結果起こり得る。メラニン生成の増加は、多くの場合、黒皮症、肝班、又は日光黒子(老齢しみ)、日光そばかす(小斑点)、及び色素性角化症と呼ばれる。黒皮症は、皮膚の黒化を表す一般的な用語である。肝班は一般的にホルモンによって引き起こされる皮膚の変色を説明するために使用される。これらのホルモンの変化は通常妊娠、経口避妊薬又はエストロゲン補充療法の結果である。日光黒子は、太陽によって引き起こされる皮膚上の濃い斑点を指す。これらの斑点は、保護されていない日光曝露の長い歴史を持つ成人には非常に一般的なものである。色素沈着過度はまた、しみ、創傷又は発疹などの皮膚の損傷によっても起こり得るが、皮膚の暗い領域、褐色の斑点又は変色の領域の最も一般的な原因は保護されていない日光曝露である。
【0005】
先行技術は、皮膚美白剤の適用によって色素沈着過度を治療する方法を開示している。代表的な皮膚美白剤には、ヒドロキノン及びビタミンCが含まれる。そのような薬剤は、典型的には、メラニン形成に関与するチロシナーゼ酵素の活性を阻害することにより皮膚を明るくする。
【0006】
例えば、欧州特許出願公開第1206241号明細書は、特定のオキシム化合物を含有する組成物により皮膚中のメラニンを調節することによって皮膚を明るくする、例えば皮膚の色素過剰領域を明るくする方法及び皮膚を明るくする方法に関する。
【0007】
国際公開第2012/020070号は、メチマゾール誘導体を含んでなる皮膚脱色素組成物に言及し、ここで、皮膚色素沈着障害は、色素沈着過度、肝班、炎症後色素沈着過度、黒子、そばかす、薬物誘発色素沈着過度、光誘発色素沈着過度、及び化学誘発色素沈着過度からなる群から選択される。
【0008】
Duteil L.ら、波長による可視光誘発色素沈着過度の差:UVB曝露と比較した臨床的及び組織学的研究、Pigment Cell Melanoma Res. 27; 822-826; 2014 John Wiley&Sons A / Sによれば、皮膚色素沈着過度に対する可視光の影響を研究するために実施された研究はわずかしかない。Duteilらは、太陽スペクトルの可視部分の様々な波長が皮膚の色素沈着過度に異なる効果を及ぼすことを実証している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許出願公開第1206241号明細書
【文献】国際公開第2012/020070号
【非特許文献】
【0010】
【文献】Cosmetics and Toiletries 1996、111(5)、43-51
【文献】Pigment Cell Melanoma Res. 27; 822-826; 2014 John Wiley&Sons A / S
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の主な目的は、皮膚領域、特にヒト皮膚の太陽光誘発、特に可視光誘発色素沈着過度を治療、予防及び/又は改善するための組成物及びそれに関する方法を提供することであった。この目的のための有効成分の相乗的混合物を提供すること、及び有効成分の目的適用のための特定の調製物を提供することが本発明の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の主題は、色素沈着過度の治療、予防及び/又は改善に使用するための少なくともスクラレオリドを含有する薬剤である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<スクラレオリド>
【0014】
スクラレオリド(CAS番号564-20-5)は、
【化1】
ラブダン型ジテルペンスクラレオールの化学修飾によって又は生体内変換によって製造される化合物である。スクラレオールは、クラリセージ(サルビア スクラエア エル)の茎、葉及び開花部分に存在し、この供給源からのその単離が記載されている(米国特許第3,060,172号明細書)。本発明によれば、スクラレオリドの供給源は、サルビア属のいずれかの種から天然に生成(抽出)することができ、又は実質的に純粋なスクラレオリドとして合成的に得ることができる。実質的に純粋なスクラレオリドは、本発明によれば、70%超のスクラレオリドを含有する。
【0015】
スクラレオリドの同義語は、(3aR,5aS,9aS,9bR)-デカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフタ[2,1-b]フラン-2(1H)-オン;3a,4,5,5aα,6,7,8,9,9a,9bα-デカヒドロ-3aβ,6,6,9aβ-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン-2(1H)-オン;[3aR-(3aα,5aβ,9aα,9bβ)]-デカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン-2(1H)-オン;ノルアンブレイノリド;(+)-ノルアンブレイノリド;(+)-スクラレオリド,(R)-(+)-スクラレオリド;13,14,15,16-テトラノルラブダノ-8α,12-ラクトン;ノルアンブレイノリド(Norambreinolid)である。
【0016】
スクラレオリドは、アンブロキサンの前駆体であり、香料に使用される価値あるアンバーグリス香料である。しかし、スクラレオリドはそれ自体が香料物質として使用されるため、しばしば化粧品調製物の成分である。
【0017】
スクラレオール及びスクラレオリドの抗炎症活性は、国際公開第2002/30385 A2号パンフレット(Henkel)に記載されている。抗炎症活性は5-リポキシゲナーゼ及びシクロオキシゲナーゼ-1活性の阻害によって証明される。ざ瘡を治療するための5つの成分の天然の組み合わせにおけるスクラレオリドの使用は、米国特許出願公開第2003/072777号明細書(Color Access)に示されている。とりわけ、スクラレオリド及びスクラレオールの抗菌活性は、スクラレオリド及びスクラレオールがざ瘡、皮膚炎及び望ましくない体臭を治療するために有用であると結論付けている国際公開第1999/063978 A1号パンフレット(Reynolds)に既に記載されている。国際公開第2001/074327 A2号パンフレット(Color Access)では、とりわけ、細胞分化促進剤としてのスクラレオリドの使用が開示されている。この特許によれば、スクラレオリドのような分化促進剤を用いて、表皮細胞からの脂質の生成を刺激し、同時にバリアの脂質含量を増加させる。記載された組成物の使用として、セルフタンニング製品の増強及び延長が挙げられる。ここでもまた、スクラレオリドのみの使用によるバリアの強化並びに白樺抽出物との組み合わせが、国際公開第2002/060381 A2号パンフレット(Color Access)に記載されている。角質層機能を増強するために使用される化粧品用調合物におけるスクラレオリドの使用が、米国特許出願公開第2010/247692 A1号明細書(Color Access)に記載されている。国際公開第2008/155048 A1号パンフレット(Cognis)の発明は、単独又はヘスペリジンメチルカルコンと組み合わせたスクラレオリドを含む化粧品組成物を開示している。前記化粧品組成物は皮膚の日焼け、毛の暗色化、又は毛の灰色化の防止のために使用されると記載されている。
【0018】
驚くべきことに、本明細書に記載のスクラレオリドは、特にその領域での色素沈着又はそれらが適用される皮膚部分を予防、治療及び/又は改善するために、特にそれらが適用される皮膚領域の太陽光誘発、特に可視光誘発色素沈着に影響を及ぼすことが観察された。
【0019】
好ましい実施形態において、本発明の薬剤は、色素沈着過度の治療、予防及び/又は改善で使用するためのものであり、色素沈着過度は、太陽光、好ましくは、100nm~1500nm、好ましくは280nm~750nmの範囲の波長を有する太陽光の照射により誘発され、より好ましくは色素沈着過度は、可視光、好ましくは380nm~750nm、より好ましくは400nm~700nmの範囲の波長を有する可視光の照射により誘発される。
【0020】
色素沈着過度の治療、予防及び/又は改善で使用するための本発明の薬剤も好ましく、ここで色素沈着過度は、UVB照射、好ましくは280nm~315nmの範囲の波長、より好ましくは約300nmからの範囲の波長を有するUVB照射により誘発される。
【0021】
したがって、本発明の意味において、「色素沈着過度」は、太陽光誘発、より特に可視光及び/又はUVB誘発色素沈着過度であることを意味する。
【0022】
有利には、本発明の薬剤は、前記好ましい波長、特に280nm~750nmの範囲内の照射、特に380nm~750nmの可視光波長内での照射、及び280nm~315nm、より好ましくは約300nmからの範囲のUVB波長内での照射について色素沈着過度を予防、治療及び/又は改善するのに非常に有効である。
【0023】
好ましい実施形態では、本発明の薬剤は、少なくとも1つのUVフィルターをさらに含んでなり、該UVフィルターは、UV-Aフィルター、UV-Bフィルター及び光保護顔料からなる群から選択される。
【0024】
スクラレオリドとUVフィルターとの組み合わせは、色素沈着過度の予防、治療及び/又は改善を相乗的に改善し、これにより予想外の方法で、スクラレオリド及び従来のUVフィルターの性能を改善する。
【0025】
<UVフィルター>
【0026】
スクラレオリドとUVフィルターとの混合物は、太陽光の有害な影響に対する皮膚及び毛髪の保護における相乗的な向上を与え、これにより、ヒトの皮膚の予防、保護及び/又は改善に有利である。
【0027】
さらに、スクラレオリドとUVフィルターとの組み合わせは十分に許容され、皮膚の発赤、漂白、又は日焼けを引き起こさず、非刺激性であり、皮膚を乾燥させず、湿った、鱗状、粉末状、又は粘着性の膜を形成せず、ヒトの皮膚に適用する場合に皮膚を荒れさせない。これらのUVフィルターは、以下にさらに説明するUV-Aフィルター、UV-Bフィルター、顔料、又はそれらの混合物であり得る。
【0028】
<UV-Aフィルター及びUV-Bフィルター>
【0029】
UVフィルターは、例えば、室温で液体又は結晶性であり、かつ、紫外線を吸収し、吸収したエネルギーをより長波長の照射、例えば熱の形態で再び放出することができる有機物質(光フィルター)に言及していると理解すべきである。UVフィルターは、通常、0.05重量%~50重量%、好ましくは0.5重量%~40重量%の量で含有される。UVBフィルターは、油溶性又は水溶性であり得る。適当な油溶性物質の例を以下に挙げる:
・3-ベンジリデンカンファー又は3-ベンジリデンノルカンファー及びその誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)カンファー;
・4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4-(ジメチルアミノ)安息香酸-2-エチルヘキシルエステル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸-2-オクチルエステル及び4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;
・ケイ皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシケイ皮酸プロピルエステル、4-メトキシケイ皮酸イソアミルエステル、2-シアノ-3,3-フェニルケイ皮酸-2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);
・サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸-2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸-4-イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル;
・ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
・ベンジルマロン酸のエステル、好ましくは4-メトキシベンジルマロン酸ジ-2-エチルヘキシルエステル;
・トリアジンの誘導体、例えば2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン及びオクチルトリアゾン又はジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB);
・プロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4’-メトキシフェニル)-プロパン-1,3-ジオン;及び
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体。
【0030】
適当な水溶性物質の例を以下に挙げる:
・2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルカモニウムの塩;
・1H-ベンズイミダゾール-4,6-ジスルホン酸、2,2’-(1,4-フェニレン)ビス-ジナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP);
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩;
・3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)-ベンゼンスルホン酸及び2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸及びその塩。
【0031】
特に適用なUV-Aフィルターの具体例としては、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1-(4’-tert-ブチルフェニル)-3-(4’-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)、1-フェニル-3-(4’-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、及びエナミン化合物が挙げられる。もちろん、UV-A及びUV-Bフィルターを、混合物で使用することもできる。特に好ましい組合せは、ケイ皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル及び/又は4-メトキシケイ皮酸プロピルエステル及び/又は4-メトキシケイ皮酸イソアミルエステルと組み合わせたベンゾイルメタンの誘導体、例えば4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)及び2-シアノ-3,3-フェニルケイ皮酸2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)からなる。そのような組合せは、水溶性フィルター、例えば2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルカンモニウムの塩と有利に組み合わせられる。
【0032】
好ましい実施態様では、本発明の(化粧品又は医薬品)調製物は、以下からなる群から選択される追加のUV吸収物質を少なくとも含んでなる:
・3-(4’-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オンメチルスルフェート
・サリチル酸ホモメンチル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸及び塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・3-(4’-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及び塩
・2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・2-エチルヘキシル p-メトキシシンナメート(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・エトキシル化(25モル)エチル p-アミノベンゾエート
・イソアミル p-メトキシシンナメート(Neo Heliopan(登録商標)E1000)
・2-フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)及びその塩
・2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・4,4’-[(6-[4-(1,1-ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)-ジイミノ]ビス(安息香酸2-エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・3-(4’-メチルベンジリデン)-d、l-カンファー(Neo Helipan(登録商標)MBC)
・サリチル酸2-エチルヘキシル(Neo Helipan(登録商標)OS)
・2-エチルヘキシル 4-ジメチルアミノベンゾエート(Padimate O)
・4-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート(ベンゾフェノン-4、スルイソベンゾン)及びその塩
・ベンジリデンマロネート-ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)又はそれらの混合物。
【0033】
好ましい実施態様において、本発明の(化粧品又は医薬品)調製物は、スクラレオリド及び1、2、3又はそれ以上のUVフィルターを含んでなる。
【0034】
より好ましい実施形態では、調製物は、0.05重量%~0.5重量%のスクラレオリド及び0.5重量%~40重量%のUVフィルター、並びに0.001重量%~98重量%の添加剤を含んでなり、すべての成分は、組成物の総量に基づき、合計100重量%である。
【0035】
<光保護顔料>
【0036】
上記の可溶性物質に加えて、不溶性の光保護顔料、具体的には微細分散金属酸化物又は塩も、この目的のために適当である。特に適当な金属酸化物の例は、酸化亜鉛及び二酸化チタン、並びに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウム及びセリウムの酸化物及びこれらの混合物である。ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウム又はステアリン酸亜鉛を適当な塩の例として使用し得る。酸化物及び塩を、皮膚ケア及び皮膚保護エマルジョン及び美容化粧品のための顔料の形態で使用する。この場合、粒子は、100nm未満、好ましくは5~50nm、特に好ましくは15~30nmの平均直径を有しているべきである。これらは球の形状を有していてよいが、楕円形の粒子又は球形からいくらかはずれた形状の粒子を使用することもできる。また、顔料を、表面処理すること、すなわち親水性化又は疎水性化することもできる。その典型例は、被覆した二酸化チタン、例えば、Titanium dioxide T 805(Degussa)、Eusolex(登録商標)T2000、Eusolex(登録商標)T、Eusolex(登録商標)T-ECO、Eusolex(登録商標)T-S、Eusolex(登録商標)T-Aqua、Eusolex(登録商標)T-45D(全てMerck製)、及びUvinul TiO2(BASF製)である。この場合、適当な疎水性被覆材料は、主にシリコーンであり、特にトリアルコキシオクチルシラン又はシメチコンである。日焼け止め剤において、いわゆるミクロ又はナノ顔料を使用することが好ましい。ミクロ化した酸化亜鉛、例えばZ-COTE(登録商標)又はZ-COTE HP1(登録商標)を使用することが好ましい。
【0037】
好ましい実施形態では、光保護顔料は、超微細二酸化チタン、酸化亜鉛、超微細酸化亜鉛から選択される。二酸化チタンが光保護顔料として選択されるとき、その総量は調合物の0.1重量%~10.0重量%の範囲であることが有利である。酸化亜鉛が光保護顔料として選択される場合、その総量は調合物の0.1重量%~10.0重量%の範囲であり、1以上のトリアジン有機顔料が選択される場合、その総量は調合物の総量に基づいて0.1重量%~10.0重量%の範囲であることが有利である。
【0038】
好ましい実施形態では、本発明の薬剤は、少なくとも1つの皮膚美白剤、好ましくはチロシナーゼ阻害剤、より好ましくはフェニルエチルレゾルシノールをさらに含んでなる。
【0039】
スクラレオリドと皮膚美白剤及び/又はUVフィルターとの組み合わせは、色素沈着過度の予防、治療及び/又は改善を相乗的に改善し、これにより、特に、280nm~750nmの範囲の照射、とりわけ380nm~750nmの可視光波長内にある照射及び280nm~315nm、より好ましくは約300nmからの範囲のUVB波長内にある照射について、予想外の方法でスクレオリド及び従来の皮膚美白剤の性能を改善する。
【0040】
<皮膚美白剤>
【0041】
適当な例は、以下を包含する。コウジ酸誘導体、好ましくはコウジ酸ジパルミテート、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、好ましくはマグネシウムリン酸アスコルビル、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、レゾルシノール、レゾルシノール誘導体、好ましくは4-アルキルレゾルシノール及び4-(1-フェニルエチル)1,3-ジヒドロキシベンゼン(フェニルエチルレゾルシノール)、シクロヘキシルカルバメート(好ましくは、国際公開第2010/122178号及び国際公開第2010/097480号各パンフレットに開示されている1以上のシクロヘキシルカルバメート)、硫黄含有分子、好ましくはグルタチオン又はシステイン、α-ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、それらの塩及びエステル、N-アセチルチロシン及び誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、クロモン誘導体、好ましくはアロエシン、フラボノイド、1-アミノエチルホスフィン酸、チオ尿素誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド(ナイアシンアミド)、亜鉛塩、好ましくは塩化亜鉛又はグルコン酸亜鉛、ツヤプリシン及び誘導体、トリテルペン、好ましくはマスリニン酸、ステロール、好ましくはエルゴステロール、ベンゾフラノン、好ましくはセンキュノリド、ビニルギアコール(vinyl guiacol)、エチルギアコール(ethyl guiacol)、ジオン酸(dionic acid)、好ましくはオクトデセンジオン酸及び/又はアゼライン酸、窒素酸化物合成の阻害剤、好ましくはL-ニトロアルギニン及びその誘導体、2,7-ジニトロインダゾール又はチオシトルリン、金属キレート化剤(好ましくはα-ヒドロキシ脂肪酸、フィチン酸、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、EDTA、EGTA及びそれらの誘導体)、レチノイド、豆乳及び抽出物、セリンプロテアーゼ阻害剤又はリポ酸又は皮膚及び毛の淡色化のための他の合成又は天然活性成分、後者は好ましくは植物由来の抽出物の形態で使用され、好ましくはベアベリー抽出物、コメ抽出物、パパイヤ抽出物、ターメリック抽出物、クワ抽出物、ブンコアン抽出物、ハマスゲ抽出物、カンゾウ根抽出物又はそれらから濃縮又は単離された成分、好ましくはグラブリジン又はリコカルコンA、アルトカルパス抽出物、ルメックス及びラムルス種の抽出物、パイン種(マツ属)の抽出物、ビチス種の抽出物、そこから単離又は濃縮されたスチルベン誘導体、ユキノシタ抽出物、スクテレリア抽出物、ブドウ抽出物及び/又は微細藻類抽出物、特にテトラセルミススーシカ抽出物。
【0042】
好ましい皮膚美白剤は、コクジ酸及びフェニルエチルレゾルシノール、β-及びα-アルブチン、ヒドロキノン、ニコチンアミド、ジオイック酸(dioic acid)、Mgリン酸アスコルビル及びビタミンC並びにその誘導体、クワ抽出物、ブンコアン抽出物、パパイヤ抽出物、ターメリック抽出物、ハマスゲ抽出物、カンゾウ抽出物(グリシルリジンを含む)、α-ヒドロキシ酸、4-アルキルレゾルシノール、4-ヒドロキシアニソール、ラリキソールである。
【0043】
特に好ましくはスクラレオリド:ショウガ根CO2の場合に、約80:20~約20:90、好ましくは約60:40~約40:60の重量比で使用するときに、メラノサイトにおけるメラニン形成に対し、最も強い相乗的阻害活性を示した、スクラレオリドとフェニルエチルレゾルシノール(SymWhite 377(登録商標))及び/又はショウガ根CO2抽出物との組み合わせが特に好ましい。スクラレオリドとフェニルエチルレゾルシノールとの比は、好ましくは10:90~80:20、より好ましくは20:80~50:50である。好ましくは、スクラレオリド、フェニルエチルレゾルシノール(SymWhite 377(登録商標))及びショウガ根CO2抽出物の混合物の場合、ショウガ根CO2抽出物とフェニルエチルレゾルシノールとの比は、メラノサイトにおけるメラニン形成に対する相乗的阻害活性が強い、5:95~75:25、好ましくは20:80~50:50である。スクラレオリド、ショウガ根CO2抽出物及びUVフィルターを含んでなる調製物も好ましい。
【0044】
<ショウガ根CO2>
【0045】
高含量の辛味成分を有するショウガ根抽出物は食品及び飲料の香味料としてよく知られている。HPLC、GC及び他の分析法によるショウガ根抽出物の特性評価はよく説明されている。ジンジェロール、ショウガオール及びジンゲロンのような辛味成分の定量化は優良試験所基準である。しかし、42~50重量%の高含量の辛味成分によって特徴づけられるショウガ抽出物は、以前に化粧品用途について記載されていない。
【0046】
組成がわかっていないショウガ根の水及び/又はエタノール及び/又は水/エタノール抽出物は、抗酸化剤及び老化防止剤として記載され、度々、これらの用途に好ましい抽出物として開示されることが多い。これらの抽出物の使用は、とりわけ、しわの改善については日本国特許出願公開第2009-073777(A1)号で、エラスターゼ阻害剤として日本国特許出願公開第2000-319189(A1)号で、エラスターゼ活性の阻害によるしわの改善についてはFujimuraら(Fragrance Journal(2002),30(6),38-42)に記載されている。日本国特許出願公開第2007-008847号において、請求される抽出物は、20%エタノールで調製し、結果として有効成分としてフルクトシルジペプチドの濃度が得られる。
【0047】
毛髪及び頭皮への塗布については、ショウガチンキ、ショウガ汁及びショウガ根の前記水及び/又はエタノール及び/又は水/エタノール抽出物がよく知られている。毛髪及び頭皮に対するこれら抽出物の活性として、とりわけ増強された微小循環が記載されている。例えば、中国特許出願公開第102451128(A1)号は、脱毛を予防するとされるシャンプーが5%ショウガ汁を含有することを示唆している。日本国特許出願公開第63-091315(A1)号は、育毛刺激のためのシャンプー配合物中の微小循環を増強するショウガ汁を記載している。欧州特許第1281402(B1)号(Kao)は、育毛阻害のジンジェロールが実質的にないショウガ抽出物について言及している。
【0048】
国際公開第2009/087578(A1)号(Foamix)において、化粧品調合物中で鎮静剤、緩和剤又は温化剤としてショウガ油を使用した。しかしながら、この文献はショウガ油の組成を開示していなかった。ショウガの精油は、揮発性構成要素に起因する強い刺激臭及び味で知られ、本発明によるショウガ刺激性抽出物とは比べものにならない。
【0049】
ショウガの辛味成分の単離は様々な文献で記載されている。Fickerら(Phytotherapy Research(2003),17(8),897-902)はショウガ構成要素の抗真菌活性を評価した。
【0050】
ショウガの辛味成分の抗炎症活性の評価は様々な文献で、とりわけLantzら(Phytomedicine(2007),14(2-3),123-128)によって提示されている。さらに、腫瘍細胞に対する抗腫瘍活性及び増殖阻害活性は、様々なグループ、とりわけSangら(Journal of Agricultural及びFood Chemistry(2009),57(22),10645-10650)によって評価された。
【0051】
中国特許出願公開第1840162(A1)号において、ショウガ根CO2抽出物は、ジンジェロール及びショウガオールのような辛味成分の含有量を特定することなく記載されている。抽出物は抗炎症抽出物として開示されている。適用例は、経口消費用錠剤、ピル及びカプセルである。皮膚上への局所適用例は記載されていない。
【0052】
本発明に関して特に好ましいショウガ根CO2抽出物は、
(a)15~30重量%[6]-ジンジェロール
(b)3~10重量%[8]-ジンジェロール
(c)3~10重量%[10]-ジンジェロール
(d)0.5~4重量%[6]-ショウガオール
(e)0.03~1.3重量%[8]-ショウガオール;
(f)0.03~1重量%[10]-ショウガオール;
(g)0.01~1重量%ジンゲロン
を含んでなり、ただし、ジンジェロールの量は合計すると24~50重量%であり、ショウガオールの量は合計すると0.5~6重量%である。
【0053】
第1に、好ましいショウガ根CO2抽出物は、
(a)25~30重量%[6]-ジンジェロール
(b)5~10重量%[8]-ジンジェロール
(c)5~10重量%[10]-ジンジェロール
(d)1.5~4重量%[6]-ショウガオール
(e)0.3~1.3重量%[8]-ショウガオール;
(f)0.03~1重量%[10]-ショウガオール;
(g)0.01~1重量%ジンゲロン
を含んでなり、ただし、ジンジェロールの量は合計すると35~50重量%であり、ショウガオールの量は合計すると1.5~6重量%である。この種類の抽出物は、欧州特許出願公開第2772245(A1)号(SYMRISE)の対象であり、これは、抽出物の性質及びそれらを得る方法に関して参照により本明細書に組み込まれる。製品は商標SymVital(登録商標)AgeRepair 3040でSymrise AG, Holzminden(DE)から入手可能である。
【0054】
第2に、好ましいショウガ根CO2抽出物は、
(a)15~25重量%[6]-ジンジェロール
(b)3~5重量%[8]-ジンジェロール
(c)3~8重量%[10]-ジンジェロール
(d)0.5~3重量%[6]-ショウガオール
(e)0.03~1重量%[8]-ショウガオール;
(f)0.03~1重量%[10]-ショウガオール;
(g)0.01~1重量%ジンゲロン
を含んでなり、ただし、ジンジェロールの量は合計すると24~35重量%であり、ショウガオールの量は合計すると0.5~5重量%である。
【0055】
<担体>
【0056】
以下に記載される薬剤と化粧品調製物の両方は、成分(c)として、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10~C13アルカン、C14~C17アルカン、C11~C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチン、ジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル及びこれらの混合物からなる群から選択される担体又は溶媒を含有することができる。
【0057】
本発明の事項は、特に日焼け防止剤としての、薬剤と化粧品との間の境界領域にある。従って、以下の薬剤並びに化粧品調製物が記述される。
【0058】
<薬剤>
【0059】
本発明の好ましい薬剤は、
(a)0.01重量%~10重量%、好ましくは0.02重量%~2重量%、特に好ましくは0.05重量%~0.2重量%のスクラレオリド又は薬学的に許容されるスクラレオリドの塩、
(b)及び(b1)、(b2)及び(b3)から選択される少なくとも1つの化合物、
(b1)0.05~60重量%、好ましくは0.1~50重量%、特に好ましくは0.5~40重量%のUVフィルター、
(b2)0.005重量%~20重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の皮膚美白剤、
(b3)0.0001重量%~30重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の抗酸化剤、
並びに任意に、
(c)0.2重量%~99重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%、特に好ましくは1重量%~10重量%の担体、及び/又は
(d)0.1重量%~90重量%のさらなる添加剤
を含んでなり、ここで、化合物a)~d)の重量%は、調製物の総量に基づいており、全化合物の合計は100重量%である。
【0060】
本発明の薬剤は、好ましくは0.02:99.98~99.5:0.5、特に0.04:99.96~95:5、特に好ましくは0.2:99.8~25:75の重量比で成分(a)及び(b1)を含有する。2つの成分が1:80の重量比で使用されるときに相乗効果が最も顕著である。
【0061】
本発明の薬剤は、好ましくは、成分(a)と(b2)を0.05:99.95~99.95:0.05、特に好ましくは1:99~95:5の重量比で含有する。相乗効果は、2つの成分が1:1~1:5の重量比で使用されるときに最も顕著である。
【0062】
本発明の薬剤は、好ましくは0.05:99.95~99.95:0.05、特に好ましくは1:99~95:5の重量比で成分(a)及び(b3)を含有する。相乗効果は、2つの成分が5:1~1:5の重量比で使用されるときに最も顕著である。
【0063】
(a)0.01重量%~10重量%、好ましくは0.02重量%~2重量%、特に好ましくは0.05重量%~0.2重量%のスクラレオリド又は薬学的に許容されるスクラレオリドの塩;及び
(b1)0.05~60重量%、好ましくは0.1~50重量%、特に好ましくは0.5重量%~40重量%のUVフィルター、及び
(b3)0.0001重量%~30重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の抗酸化剤、及び
(c)0.2~99重量%、好ましくは0.5~20重量%、特に好ましくは1~10重量%の担体であって、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10~C13アルカン、C14~C17アルカン、C11~C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル及びこれらの混合物から構成される群から選択される担体、及び
(d)0.1~90重量%のさらなる添加剤を含んでなり、ここで、化合物a)~d)の重量%は調製物の総量に基づいており、全化合物の合計は100重量%である、薬剤が好ましい。
【0064】
さらなる好ましい薬剤は、
(a)0.01重量%~10重量%、好ましくは0.02重量%~2重量%、特に好ましくは0.05重量%~0.2重量%のスクラレオリド又は薬学的に許容されるスクラレオリドの塩、及び
(b1)0.05重量%~60重量%、好ましくは0.1~50重量%、特に好ましくは0.5重量%~40重量%のUVフィルター、及び
(b2)0.005重量%~20重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の皮膚美白剤、及び
(c)0.2重量%~99重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%、特に好ましくは1重量%~10重量%の担体であって、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10~C13アルカン、C14~C17アルカン、C11~C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル及びこれらの混合物から構成される群から選択され、最も好ましくはグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングリコール及びこれらの混合物である担体、及び
(d)0.1~90重量%のさらなる添加剤を含んでなり、ここで、化合物a)~d)の重量%は調製物の総量に基づいており、全化合物の合計は100重量%である。
【0065】
さらなる好ましい薬剤は、
(a)0.01重量%~10重量%、好ましくは0.02重量%~2重量%、特に好ましくは0.05重量%~0.2重量%のスクラレオリド又は薬学的に許容されるスクラレオリドの塩;及び
(b1)0.05重量%~60重量%、好ましくは0.1~50重量%、特に好ましくは0.5重量%~40重量%のUVフィルター、ここで、UVフィルターは、
・3-(4’-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オンメチルスルフェート
・サリチル酸ホモメンチル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸及び塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・3-(4’-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及び塩
・2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・2-エチルヘキシル p-メトキシシンナメート(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・エトキシル化(25モル)エチル p-アミノベンゾエート
・イソアミル p-メトキシシンナメート(Neo Heliopan(登録商標)E1000)
・2-フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)及びその塩
・2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・4,4’-[(6-[4-(1,1-ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)-ジイミノ]ビス(安息香酸2-エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・3-(4’-メチルベンジリデン)-d、l-カンファー(Neo Helipan(登録商標)MBC)
・サリチル酸2-エチルヘキシル(Neo Helipan(登録商標)OS)
・2-エチルヘキシル 4-ジメチルアミノベンゾエート(Padimate O)
・4-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート(ベンゾフェノン-4、スルイソベンゾン)及びその塩
・ベンジリデンマロネート-ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)
からなる群から選択されるUV吸収物質であり、及び
(b2)0.005重量%~20重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の皮膚美白剤であって、コウジ酸、フェニルエチルレゾルシノール、β-及びα-アルブチン、ヒドロキノン、ニコチンアミド、ジオイック酸(dioic acid)、Mgリン酸アスコルビル及びビタミンC並びにその誘導体、クワ抽出物、ブンコアン抽出物、パパイヤ抽出物、ターメリック抽出物、ハマスゲ抽出物、カンゾウ抽出物(グリシルリジンを含む)、α-ヒドロキシ酸、4-アルキルレゾルシノール、4-ヒドロキシアニソール、スクラレオリド、ラリキソールから好ましくは選択され、最も好ましくはスクラレオリド及び/又はフェニルエチルレゾルシノールである皮膚美白剤;及び
(b3)0.0001重量%~30重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の抗酸化剤であって、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)、イミダゾール(例えばウロカニン酸)、カロテノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコペン)、クロロゲン酸、リポ酸(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びそのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)及びスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキイシイミン)、及び(金属)キレート化剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、及びラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸及びリンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸及びオレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン、ユビキノール及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、マグネシウムアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロール及びその誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンA及びその誘導体(ビタミンAパルミテート)及びベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレチン樹脂酸(nordihydroguaiac resin acid)、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びそれらの誘導体、[6]-パラドール(INCI:ヒドロキシメトキシフェニルデカノン)、カルノシン、L-カルノシン、D-カルノシン、D/L-カルノシン、カルシニン、カルシニン*HCl(INCI:デカルボキシカルノシン*HCl)、アンセリン、D-アンセリン、L-アンセリン、並びにL-アンセリン*HNO3及びそれらの混合物から好ましくは選択される抗酸化剤;及び
(c)0.2重量%~99重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%、特に好ましくは1重量%~10重%の担体であって、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10~C13アルカン、C14~C17アルカン、C11~C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル及びこれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくはグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングリコール及びこれらの混合物である担体;及び
(d)0.1~90重量%のさらなる添加剤
を含んでなり、ここで、化合物a)~d)の重量%は調製物の総量に基づいており、全化合物の合計は100重量%である。
【0066】
さらに好ましい薬剤は、
(a)0.01重量%~10重量%、好ましくは0.02重量%~2重量%、特に好ましくは0.05重量%~0.2重量%のスクラレオリド又は薬学的に許容されるスクラレオリドの塩;及び
(b1)0.05重量%~60重量%、好ましくは0.1~50重量%、特に好ましくは0.5重量%~40重量%のUVフィルター、ここで、UVフィルターは、
・3-(4’-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オンメチルスルフェート
・サリチル酸ホモメンチル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸及び塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・3-(4’-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及び塩
・2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・2-エチルヘキシル p-メトキシシンナメート(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・エトキシル化(25モル)エチル p-アミノベンゾエート
・イソアミル p-メトキシシンナメート(Neo Heliopan(登録商標)E1000)
・2-フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)及びその塩
・2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・4,4’-[(6-[4-(1,1-ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)-ジイミノ]ビス(安息香酸2-エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・3-(4’-メチルベンジリデン)-d、l-カンファー(Neo Helipan(登録商標)MBC)
・サリチル酸2-エチルヘキシル(Neo Helipan(登録商標)OS)
・2-エチルヘキシル 4-ジメチルアミノベンゾエート(Padimate O)
・4-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート(ベンゾフェノン-4、スルイソベンゾン)及びその塩
・ベンジリデンマロネート-ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)からなる群から選択されるUV吸収物質であり、及び
(b2)0.005重量%~20重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の皮膚美白剤であって、コウジ酸、フェニルエチルレゾルシノール、β-及びα-アルブチン、ヒドロキノン、ニコチンアミド、ジオイック酸(dioic acid)、Mgリン酸アスコルビル及びビタミンC並びにその誘導体、クワ抽出物、ブンコアン抽出物、パパイヤ抽出物、ターメリック抽出物、ハマスゲ抽出物、カンゾウ抽出物(グリシルリジンを含む)、α-ヒドロキシ酸、4-アルキルレゾルシノール、4-ヒドロキシアニソール、スクラレオリド、ラリキソールから好ましくは選択され、最も好ましくはスクラレオリド及び/又はフェニルエチルレゾルシノールである皮膚美白剤;及び
(b3)0.0001重量%~30重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の抗酸化剤であって、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)、イミダゾール(例えばウロカニン酸)、カロテノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコペン)、クロロゲン酸、リポ酸(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)及びスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキイシイミン)、クエン酸、乳酸及びリンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、γ-リノレン酸、リノール酸及びオレイン酸、葉酸 ユビキノン、ユビキノール ビタミンC アスコルビルパルミテート、マグネシウムアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロール ビタミンEアセテート、ビタミンA、ビタミンAパルミテート、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレチン樹脂酸(nordihydroguaiac resin acid)、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びそれらの誘導体、[6]-パラドール(INCI:ヒドロキシメトキシフェニルデカノン)、カルノシン、L-カルノシン、D-カルノシン、D/L-カルノシン、カルシニン、カルシニン*HCl(INCI:デカルボキシカルノシン*HCl)、アンセリン、D-アンセリン、L-アンセリン、並びにL-アンセリン*HNO3及びそれらの混合物から好ましくは選択される抗酸化剤;及び
(c)0.2重量%~99重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%、特に好ましくは1重量%~10重%の担体であって、水、アルコール、エステル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、エトキシジグリコール、酢酸エチル、グリセロール、プロパノール、イソプロパノール、マクロゴール、プロピルプロピレングリコール(2)メチルエーテル、プロピルプロピレングリコール(3)メチルエーテル、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、イソパラフィン、酢酸アミル、安息香酸アミル、酢酸ベンジル、酢酸ブチル、ブチレングリコール、乳酸ブチル、安息香酸ブトオクチル、サリチル酸ブトオクチル、C10~C13アルカン、C14~C17アルカン、C11~C15シクロアルカン、酪酸カプリリル、イソパラフィン、ジアセチン、トリアセチンジカプリリルエーテル、マレイン酸ジカプリリル及びこれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくはグリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、デシレングリコール及びこれらの混合物である担体;及び
(d)0.05重量%~5重量%の多機能物質であって、1,3-プロパンジオール、メチルプロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ヘキソキシ-プロパン-1,2-ジオール、ヘプトキシ-プロパン-1,2-ジオール、オクトキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-フェノキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-ベンジルオキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-フェニルエチルオキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-フェニルプロピルオキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-メチルベンジルオキシ-プロパン-1,2-ジオール、カプリル酸ソルビタン、トリクロサン、クリンバゾール、オクトピロックス(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリドン、2-アミノエタノール)、キトサン、ファルネソール、2-ブチルオクタン酸、2-ベンジルヘプタン-1-オール、グリセロールモノラウレート、ビス(2-ピリジルチオ)亜鉛 1,1’-ジオキシド、N,N’-(デカン-1,10-ジイルジピリジン-1-イル-4-イリデン)-ジオクタン-1-アミン二塩酸塩(オクテニジン二塩酸塩)、チモール、オイゲノール、4-イソプロピル-3-メチルフェノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、1-フェノキシ-プロパン-2-オール、3-フェノキシプロパノール、ベンジルオキシメタノール、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ヒドロキシアセトフェノン、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、ヒドロキシアセトフェノン、及びそれらの混合物から選択される多機能物質
を含んでなり、ここで、化合物a)~d)の重量%は調製物の総量に基づいており、全化合物の合計は100重量%である。
【0067】
最も好ましいものは、スクラレオリドと、少なくともショウガ根CO2抽出物、カルノシン、L-カルノシン、D-カルノシン、D/L-カルノシン、カルシニン、カルシニン*HCl(INCI:デカルボキシカルノシン*HCl)、アンセリン、D-アンセリン、L-アンセリン、並びにL-アンセリン*HNO3、フェニルエチルレゾルシノール(SymWhite 377(登録商標))から好ましくは選択されるさらなる化合物(b1)、(b2)又は(b3)との組み合わせを含んでなる薬剤である。好ましくは、2、3又はそれ以上の上記化合物が本発明の薬剤中に存在する。
【0068】
最も好ましいものは、スクラレオリド及びショウガ根CO2抽出物を含んでなる二成分混合物であり、ここで、これらの有効成分の各量は、組成物中、好ましくは20重量%~80重量%であり、ただし、全ての有効成分は合わせて100重量%である。
【0069】
別の好ましい混合物は、スクラレオリドとカルノシンとを含んでなる二成分混合物であり、ここで、これらの有効成分の各量は、組成物中、好ましくは20重量%~80重量%であり、ただし、全ての有効成分は合わせて100重量%である。
【0070】
別の好ましい混合物は、スクラレオリド、ショウガ根CO2抽出物及びフェニルエチルレゾルシノール(SymWhite 377(登録商標))を含んでなる三成分混合物である。
【0071】
好ましくは、そのような3成分混合物において、ショウガ根CO2抽出物は5重量%~60重量%の量で存在し、フェニルエチルレゾルシノールは好ましくは20重量%~90重量%の量で存在し、スクラレオリドは好ましくは5重量%~60重量%の量で存在し、ただし、3つの化合物すべては合わせて100重量%である。
【0072】
他の好ましい混合物は、スクラレオリド、ショウガ根CO2抽出物及びカルノシンを含んでなる3成分混合物である。
【0073】
好ましくは、そのような三成分混合物において、ショウガ根CO2抽出物は、12.5重量%~75重量%の量で存在し、スクラレオリドは、好ましくは12.5重量%~75重量%の量で存在し、カルノシンは、好ましくは12.5重量%~75重量%の量で存在し、ただし、3つの化合物すべてを合わせて100重量%である。
【0074】
<化粧品調製物>
【0075】
本発明の好ましい化粧品調製物は:
(a)少なくともスクラレオリド又はその薬学的に許容される塩、
及び(b1)、(b2)及び(b3)から選択される少なくとも1つの化合物:
(b1)少なくとも1つのUVフィルター、
(b2)少なくとも1つの皮膚美白剤、
(b3)少なくとも抗酸化剤、
及び(c1)、(c2)及び(c3)から選択される少なくとも1つの化合物:
(c1)担体、
(c2)オイル成分
(c3)乳化剤
を含んでなり、好ましくは色素沈着過度の治療、予防及び/又は改善に使用するためのものである。
【0076】
UVフィルター、皮膚美白剤、抗酸化剤及び担体に関しては、薬剤下における前述の開示及び好ましいものもまた、化粧品調製物及び使用のためにここで適用され、したがって、これと共に組み込まれる。
【0077】
好ましい化粧品調製物は、
(a)0.01重量%~10重量%、好ましくは0.02重量%~2重量%、特に好ましくは0.05重量%~0.2重量%のスクラレオリド又は化粧品的に許容されるスクラレオリドの塩;
及び(b1)、(b2)及び(b3)から選択される少なくとも1つの化合物:
(b1)0.05重量%~60重量%、好ましくは0.1~50重量%、特に好ましくは0.5重量%~40重量%のUVフィルター、
(b2)0.005重量%~20重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の皮膚美白剤、
(b3)0.0001重量%~30重量%、好ましくは0.5重量%~20重量%の抗酸化剤、
及び(c1)、(c2)及び(c3)から選択される少なくとも1つの化合物:
(c1)担体、
(c2)オイル成分、
(c3)乳化剤
を含んでなり、ここで、化合物(c1)~(c3)の総量は、調製物に対して、合計で1重量%~50重量%、好ましくは5重量%~40重量%であり、化合物(a)~(c1~c3)の総重量%は調製物の総量に基づいており、全ての化合物(a)、(b)、(c)の合計は100重量%である。
【0078】
本発明の調製物は、好ましくはクリーム、ローション、ゲル、ペースト、又はカプセルの形態であり、特にスキンケア剤、日焼け止め剤、又はヘアケア剤を構成する。
【0079】
成分(a+b1)が全組成物に対して0.1重量%~40重量%の量で存在することがさらに好ましい。この場合、上記と同じ好ましい重量比が適用される。
【0080】
成分(a+b2)が全組成物に対して0.1重量%~10重量%の量で存在することがさらに好ましい。この場合、上記と同じ好ましい重量比が適用される。
【0081】
成分(a+b3)が全組成物に対して0.05重量%~10重量%の量で存在することがさらに好ましい。この場合、上記と同じ好ましい重量比が適用される。
【0082】
スクラレオリドは、太陽光誘発色素沈着過度、特に可視光誘発色素沈着過度及び/又はUVB誘発色素沈着過度を低減、防止、抑制及び/又は保護するための有効量で薬剤、各用途の化粧品調製物に存在する。
【0083】
皮膚領域、好ましくはヒトの皮膚の色素沈着過度を治療、予防及び/又は改善するために、色素沈着過度をそれぞれ低減、防止及び/又は抑制するためのスクラレオリドの「有効量」という用語は、色素沈着の変化が望まれる皮膚表面の領域を覆うために十分な平均量を意味し、特に好ましくは、可視光線の場合には380nm~750nmの範囲、より好ましくは400nm~700nmの範囲の照射波長、UVB光線の場合には280nm~315nm、より好ましくは約300nmからの照射波長のために使用される。
【0084】
色素沈着過度の化粧的及び/又は治療的低減、防止及び/又は抑制、色素沈着過度の各治療、予防及び/又は改善のための好適な方法において、スクラレオリドが本発明の「有効量」で使用される濃度は、各場合において化粧品又は医薬品生成物の総量に基づき、0.01重量%~10重量%の範囲、好ましくは0.02重量%~2重量%の範囲、特に好ましくは0.05重量%~0.2重量%の範囲である。
【0085】
最も好ましいものは、スクラレオリドと、ショウガ根CO2抽出物、カルノシン、L-カルノシン、D-カルノシン、D/L-カルノシン、カルシニン、カルシニン*HCl(INCI:デカルボキシカルノシン*HCl)、アンセリン、D-アンセリン、L-アンセリン、並びにL-アンセリン*HNO3、フェニルエチルレゾルシノール(SymWhite 377(登録商標))から好ましくは選択される少なくともさらなる化合物(b1)、(b2)又は(b3)との組み合わせを含んでなる化粧品組成物である。
【0086】
<化粧品及び医薬品組成物>
【0087】
本発明の化粧品及び医薬品調製物(薬剤)は、例えばオイル体又は乳化剤などの類似の添加剤を含んでいてよい。従って、化粧品調製物と医薬品調製物との間の境界は流動的であり、一つの用途のために引用された成分は文字通りの繰り返しなしに他の準用のために推奨されると理解すべきである。
【0088】
本発明の化粧品及び薬剤は、上記のように典型的な補助剤及びさらなる添加剤を含んでいてよい。典型的な補助剤及びさらなる添加剤は、例えば、穏やかな界面活性剤、オイル成分、乳化剤、真珠光沢ワックス、稠度調節剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、保湿剤、生物起源剤、抗酸化剤、フィルム形成剤、膨張剤、防虫剤、自己日焼け剤、チロシン阻害剤(脱色素剤)、ヒドロトロープ、可溶化剤、保存剤、香油、染料である。
【0089】
<界面活性剤>
【0090】
含み得る適当な界面活性物質の例は、約1~70重量%、好ましくは5~50重量%、特に10~30重量%の量で、通常、剤に含有されるアニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は両性又は双性イオン性界面活性剤である。アニオン性界面活性剤の典型的な例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、グリセロールエーテルサルフェート、脂肪酸エーテルサルフェート、ヒドロキシ混合エーテルサルフェート、モノグリセリド(エーテル)サルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)サルフェート、モノ-及びジ-アルキルスルホサクシネート、モノ-及びジ-アルキルスルホサクシネート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸(例えば、アシルラクチレート、アシルタルトレート、アシルグルタメート及びアシルアスパルテートなど)、アルキルオリゴグルコシドサルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦ベースの植物生成物)並びにアルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来の同族体分布ではなく、好ましくは狭い範囲の同族体分布を示し得る。非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテル又は混合ホルマール、任意に部分的に酸化されたアルキ(ケニ)ルオリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸N-アルキル-グルカミド、タンパク質加水分解物(特に小麦ベースの植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート及びアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来の同族体分布ではなく、好ましくは狭い範囲の同族体分布を示し得る。カチオン性界面活性剤の典型例は、第四級アンモニウム化合物、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドなど、及びエステルクアット、特に四級化脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。両性又は双性イオン性界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン及びスルホベタインである。上述の界面活性剤は全て既知の化合物である。特に適当な穏やかな界面活性剤、すなわち特に皮膚によって十分耐容される界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、モノ-及び/又はジ-アルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンホアセタール(amphoacetal)及び/又はタンパク質脂肪酸縮合物であり、後者は、好ましくは小麦タンパク質に基づくものである。
【0091】
<オイル成分>
【0092】
適当なオイル成分は、例えば、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖状C6-C22脂肪酸と直鎖状若しくは分枝状C6-C22脂肪アルコールとのエステル、又は分枝状C6-C13カルボン酸と直鎖状若しくは分枝状C6-C22脂肪アルコールとのエステル、例えばミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシル及びエルカ酸エルシルである。直鎖状C6-C22脂肪酸と分枝状アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステル、C18-C38-アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分枝状C6-C22脂肪アルコールとのエステル、特にリンゴ酸ジオクチル、直鎖状及び/又は分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール又はトリメトリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、C6-C10-脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6-C18脂肪酸に基づく液状モノ/ジ/トリグリセリド混合物、C6-C22脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸のエステル、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルコール又は2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル、植物油、分枝状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分枝状C6-C22脂肪アルコールカーボネート、例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖状及び/又は分枝状C6-C22-アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN)、アルキル基1個当たり6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の対称の又は非対照のジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールの開環生成物、シリコーン油(シクロメチコン、シリコンメチコン等)並びに/或いは脂肪族又はナフテン系炭化水素、例えばスクアラン、スクアレン又はジアルキルシクロヘキサンも適している。
【0093】
<乳化剤>
【0094】
適当な乳化剤の例としては、以下の群の少なくとも1つの非イオン性界面活性が挙げられる:
・2~30モルのエチレンオキシド及び/又は0~5モルのプロピレンオキシドと、8~22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコール、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸、アルキル基に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノール並びにアルキル部分に8~22個の炭素原子を有するアルキルアミンとの、付加生成物;
・アル(ケニ)ル部分に8~22個の炭素原子を有するアルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシド並びにそのエトキシル化類似体;
・1~15モルのエチレンオキシドとヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油との付加生成物;
・15~60モルのエチレンオキシドとヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油との付加生成物;
・グリセロール及び/又はソルビタンと、12~22個の炭素原子を有する不飽和、直鎖状又は飽和、分枝状の脂肪酸及び/又は3~18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、並びにそれらの1~30モルのエチレンオキシドとの付加物;
・ポリグリセロール(平均自己縮合度2~8)、ポリエチレングリコール(分子量400~5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)並びに12~22個の炭素原子を有する飽和及び/又は不飽和の直鎖状又は分枝状脂肪酸及び/又は3~18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸とのポリグルコシド(例えばセルロース)並びにその1~30モルのエチレンオキシドによる付加物;
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪アルコールの混合エステル及び/又は6~22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース及びポリオール、好ましくはグリセロール又はポリグリセロールの混合エステル;
・モノ-、ジ-及びトリ-アルキルホスフェート並びにモノ-、ジ-及び/又はトリ-PEG-アルキルホスフェート並びにその塩;
・ウールワックスアルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー又は対応する誘導体;
・ブロックコポリマー、例えばポリエチレングリコール-30ジポリヒドロキシステアレート;
・ポリマー乳化剤、例えばGoodrich製のPemulenポリマー(TR-1、TR-2)又はCognis製のCosmedia(登録商標)SP;
・ポリアルキレングリコール;及び
・グリセロールカーボネート。
【0095】
以下に、特に適当な乳化剤をより詳細に説明する。
【0096】
(アルコキシレート)エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノールとの、又は、ヒマシ油との付加生成物は、商業的に入手可能な既知の製品である。これらは、平均アルコキシル化度が、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと付加反応が行われる基質の量の比に対応する同族体混合物である。エチレンオキシドとグリセロールの付加生成物のC12/18-脂肪酸モノ-及びジ-エステルは、化粧品調製物のための加脂剤(refatting agent)として知られている。
【0097】
(アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシド)アルキル及び/又はアルケニルオリゴグリコシド、それらの調製並びにそれらの使用は、先行技術から既知である。特に、これらは、グルコース又はオリゴ糖と8~18個の炭素原子を有する第一級アルコールの反応によって調製される。グリコシド基に関しては、環状糖残基が脂肪アルコールにグリコシド結合しているモノグリコシドと、好ましくは約8のオリゴマー度を有するオリゴマーグリコシドの両方が適している。オリゴマー度は、このような市販製品のための従来の同族体分布に基づく統計的平均である。
【0098】
(部分グリセリド)適当な部分グリセリドの典型例は、調製方法から、少量のトリグリセリドを補助的に含み得る、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド及びこれらの市販混合物である。上述の部分グリセリドの、1~30モル、好ましくは5~10モルのエチレンオキシド付加生成物も適している。
【0099】
(ソルビタンエステル)適当なソルビタンエステルの例としては、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノエルカ酸ソルビタン、セスキエルカ酸ソルビタン、ジエルカ酸ソルビタン、トリエルカ酸ソルビタン、モノリシノール酸ソルビタン、セスキリシノール酸ソルビタン、ジリシノール酸ソルビタン、トリリシノール酸ソルビタン、モノヒドロキシステアリン酸ソルビタン、セスキヒドロキシステアリン酸ソルビタン、ジヒドロキシステアリン酸ソルビタン、トリヒドロキシステアリン酸ソルビタン、モノ酒石酸ソルビタン、セスキ酒石酸ソルビタン、ジ酒石酸ソルビタン、トリ酒石酸ソルビタン、モノクエン酸ソルビタン、セスキクエン酸ソルビタン、ジクエン酸ソルビタン、トリクエン酸ソルビタン、モノマレイン酸ソルビタン、セスキマレイン酸ソルビタン、ジマレイン酸ソルビタン、トリマレイン酸ソルビタン及びこれらの市販の混合物が挙げられる。上述のソルビタンエステルの、1~30モル、好ましくは5~10モルのエチレンオキシド付加生成物も適している。
【0100】
(ポリグリセロールエステル)適当なポリグリセロールエステルの典型例は、ポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセロール-3-ジイソステアレート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル-4 イソステアレート(Isolan(登録商標)GI34)、ポリグリセリル-3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3 ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル-3 メチルグルコースジステアレート(Tego Care(登録商標)450)、ポリグリセリル-3 ミツロウ(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル-4 カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル-3-セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル-3 ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS 32)、ポリグリセリルポリリシノレエート(Admul(登録商標)WOL1403)、ポリグリセリルダイメレートイソステアレート、及びこれらの混合物である。さらに適当なポリオールエステルの例は、任意に1~30モルのエチレンオキシドと反応させた、トリメチロールプロパン又はペンタエリスリトールとラウリン酸、ヤシ脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等とのモノ-、ジ-及びトリ-エステルである。
【0101】
(アニオン性乳化剤)典型的なアニオン性乳化剤は、12~22個の炭素原子を有する脂肪族脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸並びに12~22個の炭素原子を有するジカルボン酸、例えばアゼライン酸又はセバシン酸等である。
【0102】
(両性及びカチオン性乳化剤)双性イオン性界面活性剤を乳化剤として使用することもできる。双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1つの第四級アンモニウム基及び少なくとも1つのカルボキシレート基及び1つのスルホネート基を有する表面活性化合物である。特に適した双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシル-アミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシル-アミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及びそのアルキル又はアシル基中に8~18個の炭素原子を含有する2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。CTFA名コカミドプロピルベタインによって知られている脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。両性界面活性剤も適当な乳化剤である。両性界面活性剤は、分子中に、C8/18-アルキル又はアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの-COOH-又はSO3H基を含み、内部塩を形成することができる界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例としては、それらのアルキル基中に約8~18個の炭素原子を有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びC12/18アシルサルコシンである。最後に、カチオン性界面活性剤も乳化剤として適当であり、エステルクアット(esterquat)型のもの、好ましくはメチル四級化二脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
【0103】
<脂肪及びワックス>
【0104】
脂肪の典型例は、グリセリド、すなわち、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから実質的になる固体又は液体の植物又は動物製品であり、適当なワックスの例としては、天然ワックス、例えばキャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、エスパルトワックス、コルクワックス、グアルマワックス(guaruma wax)、米胚芽油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリワックス(ouricury wax)、モンタンワックス、ミツロウ、シェラックワックス、マッコウクジラ油、ラノリン(羊毛蝋)、尾脂腺から出る油、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ワセリン、パラフィンワックス、マイクロワックス;化学修飾ワックス(硬蝋)、例えばモンタンエステルワックス、サゾールワックス、水素添加ホホバワックス、並びに合成ワックス、例えばポリアルキレンワックス及びポリエチレングリコールワックスが適している。脂肪に加えて、レシチン及びリン脂質などの脂肪状物質も添加剤として適している。当業者であれば、レシチンという用語が、エステル化によって脂肪酸、グリセロール、リン酸及びコリンから形成されるグリセロ-リン脂質を意味すると理解する。そのため、レシチンはしばしば、専門家の間では、ホスファチジルコリン(PC)と呼ばれる。適当な天然レシチンの例としては、ホスファチジン酸とも呼ばれ、1,2-ジアシル-sn-グリセロール-3-リン酸の誘導体であるケファリンが挙げられる。対照的に、リン脂質は、通常、一般的に脂肪として分類されるリン酸とグリセロール(グリセロールホスフェート)のモノエステル及び好ましくはジエステルであると理解される。さらに、スフィンゴシン又はスフィンゴ脂質もまた適している。
【0105】
適当な真珠光沢ワックスの例としては、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にココナツ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多価の任意にヒドロキシ置換されたカルボン酸と6~22個の炭素原子を含有する脂肪アルコールのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば合計で少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル及び脂肪カーボネート、特にラウロン及びジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸又はベヘン酸、12~22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと12~22個の炭素原子を有する脂肪アルコール及び/又は2~15個の炭素原子と2~10個のヒドロキシル基を有するポリオールの開環生成物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0106】
<冷却物質>
【0107】
冷却物質は、皮膚に清涼感をもたらす化合物である。一般に、これらはメントール化合物であり、これは基本構造メントールに加えて、メントールメチルエーテル、メントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807)、メントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)、乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748)、メントールエチレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3805)、メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3806)、メンチル-N-エチルオキサメート、モノメチルスクシネート(FEMA GRAS 3810)、モノメンチルグルタメート(FEMA GRAS 4006)、メントキシ-1,2-プロパンジオール(FEMA GRAS 3784)、メントキシ-2-メチル-1,2,-プロパンジオール(FEMA GRAS 3849)並びにメンタンカルボン酸エステル及びアミドWS-3、WS-4、WS-5、WS-12、WS-14及びWS-30並びにこれらの混合物を含んでなる群から選択されるメントール化合物含有物質である。
【0108】
これらの物質の第一の重要な代表は、モノメンチルスクシネート(FEMA GRAS 3810)である。スクシネートと類似のモノメンチルグルタレート(FEMA GRAS 4006)の両方が、ジカルボン酸及びポリカルボン酸に基づくモノメンチルエステルの重要な代表である:
【化2】
【0109】
これらの物質の使用例は、例えば、国際公開第2003/043431号パンフレット(Unilever)又は欧州特許出願公開第1332772号明細書(IFF)で見つけることができる。
【0110】
本発明の意味において好ましいメントール化合物の次の重要な群は、グリコール、グリセロール又は炭水化物、例えばメントールエチレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3805=Frescolat(登録商標)MGC)、メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3784=Frescolat(登録商標)MPC)、メントール 2-メチル-1,2-プロパンジオールカーボネート(FEMA GRAS 3849)又は対応する糖誘導体を含む、メントール及びポリオールの炭酸エステルを含んでなる。メントール化合物である乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748=Frescolat(登録商標)ML)、及び特にメントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807)又はFrescolat(登録商標)MGAの名称で市販されているメントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)も同様に好ましい。これらの物質の中で、Frescolat(登録商標)MGA、Frescolat(登録商標)ML、Frecolat(登録商標)MGC、Frescolat(登録商標)X-cool及びFrescolat(登録商標)MPCの名称で本出願人により市販されているメントングリセリルアセタール/ケタール、乳酸メンチル、メントールエチレングリコールカーボネート、メンチルエチルアミドオキサレート又はメントールプロピレングリコールカーボネートが、特に有利であることが判明している。
【0111】
1970年代には、3位にC-C結合を有するメントール化合物が初めて開発され、これらの化合物のいくつかの代表も同様に使用することができる。これらの物質は、一般にWS型と呼ばれる。基本構造は、ヒドロキシル基がカルボキシル基で置換されたメントール誘導体である(WS-1)。例えば、好ましい種WS-3、WS-4、WS-5、WS-12、WS-14及びWS-30などの全ての他のWS型は、その構造から誘導される。
【0112】
<稠度調節剤及び増粘剤>
【0113】
適当な稠度調節剤は、主に12~22個、好ましくは16~18個の炭素原子を有する脂肪アルコール又はヒドロキシ脂肪アルコール、並びに部分グリセリド、脂肪酸又はヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシド及び/又は等しい鎖長の脂肪酸-N-メチルグルカミド及び/又はポリグリセリル ポリ-12-ヒドロキシステアレートの組み合わせが好ましい。適当な増粘剤の例は、Aerosil型(親水性シリカ)、多糖類、特にキサンタンガム、グアー-グアー、寒天、アルギン酸塩及びチロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース、並びに脂肪酸の高分子量ポリエチレングリコールモノー及びジエステル、ポリアクリレート(例えば、Goodrich製のCarbopols(登録商標)及びPemulen型;Sigma製のSynthalens(登録商標);Kelco製のKeltrol型;Seppic製のSepigel型;Allied Colloids製のSalcare型)、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコール並びにポリビニルピロリドンである。シクロペンタシロキサン、ジステアルジモニウムヘクトライト及びプロピレンカーボネートの混合物を含んでなるBentone(登録商標)ゲルVS-5PC(Rheox)などのベントナイトも特に有効であることが判明している。例えば、エトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール、例えばペンタエリスリトール又はトリメチロールプロパンのエステル、狭い範囲の同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレート又はアルキルオリゴグルコシド、並びに電解質、例えば塩化ナトリウム及び塩化アンモニウムなどの適当な界面活性剤も存在する。
【0114】
<過脂肪剤及び安定剤>
【0115】
適当な過脂肪剤の例は、ラノリン及びレシチン並びにポリエトキシル化又はアシル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド及び脂肪酸アルカノールアミドなどの物質であり、後者は同時に泡安定剤として働く。
【0116】
安定剤として、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸或いはリシノール酸マグネシウム、アルミニウム及び/又は亜鉛を使用することができる。
【0117】
<ポリマー>
【0118】
適当なカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えばAmercholからPolymer JR 400(登録商標)の名称で入手可能な四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)、四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアモジメチコン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ポリアミノポリアミド及びその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば任意に微結晶形態で分布した四級化キトサン、ジハロアルキル、例えばジブロモブタンとビスジアルキルアミン、例えばビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパンの縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えばCelanese製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMiranol製のMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1が挙げられる。
【0119】
適用なアニオン性、双性イオン性、両性及び非イオン性ポリマーの例は、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びそのエステル、非架橋ポリアクリル酸及びポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー並びに任意に誘導体化されたセルロースエーテル及びシリコーンである。
【0120】
<シリコーン化合物>
【0121】
適当なシリコーン化合物は、例えば、室温で液状と樹脂状の両方の形態で存在し得る、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン並びにアミノ、脂肪酸-、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシド及び/又はアルキル変性シリコーン化合物である。ジメチルシロキサン単位200~300の平均鎖長を有するジメチコンと水素化ケイ酸塩との混合物であるシメチコンである。
【0122】
<湿潤剤>
【0123】
湿潤剤は、組成物の感覚特性をさらに最適化すると同時に皮膚の水分を調節するのに使用される。同時に、特にエマルジョンの場合に、本発明の調製物の低温安定性が増加する。湿潤剤は、通常、0.1~15重量%、好ましくは1~10重量%、特に5~10重量%の量で含有される。
【0124】
本発明の適当な湿潤剤としては、例えばアミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸及びその塩、ラクチトール、尿素及び尿素誘導体、尿酸、グルコサミン、クレアチニン、コラーゲンの切断生成物、キトサン又はキトサン塩誘導体、特にポリオール及びポリオール誘導体(例えば、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エリスリトール、1,2,6-ヘキサントリオール、ポリエチレングリコール、例えばPEG-4、PEG-6、PEG-7、PEG-8、PEG-9、PEG-10、PEG-12、PEG-14、PEG-16、PEG-18、PEG-20)、糖及び糖誘導体(フルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンニトール、イノシトール、ソルビトール、ソルビチルシランジオール、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリトール、グルクロン酸及びその塩)、エトキシル化ソルビトール(sorbeth-6、sorbeth-20、sorbeth-30、sorbeth-40)、蜂蜜及び硬化蜂蜜、硬化デンプン加水分解物並びに硬化小麦タンパク質とPEG-20/アセテートコポリマーの混合物が挙げられる。本発明の好ましい適当な湿潤剤は、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール及びブチレングリコールである。
【0125】
<生体有効成分及び抗酸化剤>
【0126】
生体有効成分は、例えばトコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸及びその断片化物、β-グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド(pseudoceramide)、精油及び植物抽出物、例えば、Zingiber Officinale(ショウガ)根抽出物、エキナセアプルプレア抽出物、プラム抽出物、バンバラ抽出物、ビタミン複合体、及びベンジリデンジメトキシジメチリンダノンであると理解される。
【0127】
抗酸化剤は、UV照射が皮膚に浸透すると開始される光化学反応連鎖を中断させる。その典型的な例は、非常に少ない耐容量(例えば、pmol~μmol/kg)のアミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)及びその誘導体、カロチノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコピン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン並びにそのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)並びにその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)並びにスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ、ヘキサ、ヘプタチオニンスルホキシイミン);並びに(金属)キレーター(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸及びラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸及びリンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸及びオレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、Mgアスコルビルホスフェート、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及びその誘導体(例えば、酢酸ビタミンE)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸ビタミンA)並びにベンゾインのコニフェリルベンゾエート、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレシン酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレン及びその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)、並びに本発明に適した言及される有効成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)である。
【0128】
<フィルム形成剤、抗フケ剤及び膨張剤>
【0129】
一般的なフィルム形成剤としては、例えばキトサン、微結晶キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体、アクリル酸系ポリマー、四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸又はそれらの塩、及び類似の化合物が挙げられる。
【0130】
適当な抗ふけ活性成分としては、例えばピロクトンオラミン(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(クリムバゾール)、Ketoconazol(登録商標)、(4-アセチル-1-{4-[2-(2,4-ジクロロフェニル)r-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキシラン-C-4-イルメトキシフェニル]}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレン、コロイド状硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リジノールポリエトキシレート、硫黄タリ蒸留物、サリチル酸(又はヘキサクロロフェンと組み合わせ)、ウンデシレン酸モノエタノールアミドスルホコハク酸Na塩、Lamepon(登録商標)UD(タンパク質-ウンデシレン酸縮合物)、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオン、及びマグネシウムピリチオン/ジピリチオンマグネシウム硫酸塩が挙げられる。
【0131】
水相に適した膨張剤(expanding agents)の例は、モンモリロナイト、粘土鉱物物質、ペムレン、並びにアルキル変性カルボポール製品(Goodrich)である。さらなる適当なポリマー又は膨張剤は、Cosm. Toil. 108, 95 (1993)におけるR. Lochheadの概要で見られ得る。
【0132】
<昆虫忌避剤>
【0133】
適当な昆虫忌避剤としては、例えばN,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオール又はエチルブチルアセチルアミノプロピオネートが挙げられる。セルフタンニング剤としてジヒドロキシアセトンが適している。メラニンの形成を防止し、脱色素剤に使用される適当なチロシン阻害剤としては、例えばアルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、クマル酸及びアスコルビン酸(ビタミンC)が挙げられる。
【0134】
<ヒドロトロープ>
流動挙動を改善するために、例えばエタノール、イソプロピルアルコール又はポリオールなどのヒドロトロープも使用することができる。これらの物質は主に、最初に記載された担体に相当する。この場合、適当なポリオールは、好ましくは2~15個の炭素原子及び少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。ポリオールは、さらなる官能基、特にアミノ基を含有することができる、又は窒素で修飾することができる。典型的な例は以下である:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール並びに平均分子量100~1000ダルトンのポリエチレングリコール;
・1.5~10の自己縮合度を有する市販のオリゴグリセロール混合物、例えば40~50重量%のジグリセロール含量を有する市販のジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル部分に1~8個の炭素原子を有するもの、例えばメチル及びブチルグルコシド;
・5~12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトール又はマンニトール;
・5~12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコース又はスクロース;
・アミノ糖、例えば、グルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミン又は2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
【0135】
<保存剤>
【0136】
適当な保存剤としては、例えばフェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール又はソルビン酸並びにSurfacine(登録商標)という名称で知られている銀錯体及び化粧品指令の別表6、パートA及びBに列挙されているさらなる物質クラスが挙げられる。
【0137】
o-シメン-5-オール、安息香酸及びパラ-ヒドロキシ安息香酸、それらのエステル及び塩、ベンジルベンゾエート、プロピオン酸及びその塩、サリチル酸及びその塩、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸)及びその塩、レブリン酸及びその塩、アニス酸及びその塩、ペリリン酸及びその塩、ケイ皮酸及びその塩、ホルムアルデヒド及びパラホルムアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、オルト-、メタ-、パラ-アニスアルデヒド、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮アルコール、2-ヒドロキシビフェニルエーテル及びその塩、2-亜鉛-スルフィドピリジン N-オキシド、無機亜硫酸塩及び重亜硫酸塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノール、4-エチル水銀(II)5-アミノ-1,3-ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)、その塩及びエステル、デヒドロ酢酸、ギ酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサン及びその塩、エチル水銀(II)チオサリチル酸のナトリウム塩、フェニル水銀及びその塩、10-ウンデシレン酸及びその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチル-ヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-尿素、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキシイミダゾリジン-5-イル)尿素)、ポリ-(ヘキサメチレンジグアニド)塩酸塩、(ベンジルオキシメトキシ)-メタノールヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア-アダマンタンクロリド、1-(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス-(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2’-メチレン-ビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、5-クロロ-2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノン、2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノンと塩化マグネシウム及び硝酸マグネシウムとの混合物、2-オクチル-2H-イソチアゾール-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール(クロルフェネシン)、2-クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、臭化及び塩化N-アルキル(C12-C22)トリメチルアンモニウム、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシ-メチルウレア、1,6-ビス(4-アミジノ-フェノキシ)-N-ヘキサン及びその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、ヒアミン、アルキル-(C8-C18)-ジメチル-ベンジル-アンモニウムクロリド、アルキル-(C8-C18)-ジメチル-ベンジルアンモニウムブロミド、アルキル-(C8-C18)-ジメチル-ベンジル-アンモニウム-サッカリナート、ベンジルヘミホルマール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ナトリウムヒドロキシメチル-アミノアセテート又はヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、イミダゾリジニルウレア、ジアゾリジニルウレア、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、DMDMヒダントイン、トロポロン、(エチレンジオキシ)ジメタノール、2-ブロム-2-(ブロムメチル)ペンタンジニトリル、N-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン、α、α’、α”-トリメチル-1,3,5-トリアジン-1,3,5(2H、4H、6H)-トリエタノール、ピリジン-2-チオール-1-オキシド、ナトリウム塩、テトラヒドロ-1,3,4,6-テトラキス(ヒドロキシメチル)イミダゾ[4,5-d]イミダゾール-2,5(1H、3H)-ジオン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-1-(1,3,4-トリス(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)ウレア(ジアゾリジニルウレア)、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン、3-アセチル-2-ヒドロキシ-6-メチル-4H-ピラン-4-オン、塩化セチルピリジウム、エチル-N-α-ドデカノイル-L-アルギネートハイドロクロリド、カプリルヒドロキサム酸、ソルボヒドロキシアミド酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される保存剤が好ましい。
【0138】
<多機能物質>
【0139】
本発明の化粧品又は医薬品調製物は、特に、少なくとも1つの式(I)で表される化合物又は化合物(I)の化粧的に受け入れられる塩又は2つ以上のこれらの化合物を含有する混合物又はそれらの塩をいわゆる多機能物質と組み合わせて含有し、多機能物質は、1,3-プロパンジオール、メチルプロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ヘキソキシ-プロパン-1,2-ジオール、ヘプトキシ-プロパン-1,2-ジオール、オクトキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-フェノキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-ベンジルオキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-フェニルエチルオキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-フェニルプロピルオキシ-プロパン-1,2-ジオール、3-メチルベンジルオキシ-プロパン-1,2-ジオール、カプリル酸ソルビタン、トリクロサン、クリンバゾール、オクトピロックス(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリドン、2-アミノエタノール)、キトサン、ファルネソール、2-ブチルオクタン酸、2-ベンジルヘプタン-1-オール、グリセロールモノラウレート、ビス(2-ピリジルチオ)亜鉛 1,1’-ジオキシド、N,N’-(デカン-1,10-ジイルジピリジン-1-イル-4-イリデン)-ジオクタン-1-アミン二塩酸塩(オクテニジン二塩酸塩)、チモール、オイゲノール、4-イソプロピル-3-メチルフェノール、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、1-フェノキシ-プロパン-2-オール、3-フェノキシプロパノール、ベンジルオキシメタノール、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ヒドロキシアセトフェノン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0140】
本発明の好ましい化粧品又は医薬品調製物は、好ましくは、スクラレオリドと、2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、ヒドロキシアセトフェノン、及びそれらの混合物から選択される多官能物質との組み合わせを含んでなる。スクラレオリドと多官能物質との組み合わせは、太陽光、好ましくは可視光誘導及び/又はUVB誘導色素沈着過度の治療に特に有利である。
【0141】
<香油及び香味剤>
【0142】
適当な香油としては、例えば天然香料と合成香料の混合物が挙げられる。天然香料は、花抽出物(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン・イラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ジュニパー)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、ショウブ)、木(松材、サンダルウッド、グアヤック、セダーウッド、ローズウッド)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び枝(スプルース、モミ、松、女松)、樹脂及びバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナックス)である。動物の原料、例えばシベット及び海狸香も使用し得る。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素型の生成物である。エステル型の香料化合物は、例えば、酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチレート、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル及びサリチル酸ベンジルである。エーテルにはベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには、8~18個の炭素原子を含有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルゲオナールが含まれ、適当なケトンの例は、イオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンであり、適当なアルコールはアネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールである。炭化水素には、主としてテルペン類及びバルサムが含まれる。しかしながら、魅力的な香料特色を一緒に生み出す様々な香料の混合物が好ましい。大部分が香味成分として使用される揮発性の低い精油、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ハッカ油、シナモン葉油、ライムブロッサム油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油、ラブダナム油及びラバンジン油も香油として適している。単独で又は混合物でのベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボアザンブレンフォルト(boisambrene forte)、アンブロキサン(ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル(cyclovertal)、ラバンジン油、クラリセージ油、β-ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックスクール(Vertofix coeur)、イソ-E-スーパー、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデイン(iraldein)ガンマ、酢酸フェニル、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート(romilat)、イロチル(irotyl)及びフロラメート(floramat)の使用が好ましい。
【0143】
適当な香味剤としては、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、スターアニス油、キャラウェー油、ユーカリ油、フェンネル油、レモン油、ウィンターグリーン油、クローブ油、メントールが挙げられる。
【0144】
<染料>
【0145】
使用することができる染料は、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaftの刊行物「化粧品染料」([Dyes Commission of the German Research Foundation], Verlag Chemie, Weinheim、1984年、81から106頁)に列挙されているもののような、化粧目的に適しかつ承認されているものである。その例は、コチニールレッドA(C.I.16255)、パテントブルーV(C.I.42051)、インジゴチン(C.I.73015)、クロロフィリン(C.I.75810)、キノリンイエロー(C.I.47005)、二酸化チタン(C.I.77891)、インダンスレンブルーRS(C.I.69800)及びアリザリンレッド(C.I.58000)がある。ルミノールも発光染料として含み得る。これらの染料は、慣習的に、全混合物基準で0.001~0.1重量%の濃度で使用される。
【0146】
補助物質及び添加剤の総量は、組成物基準で1~50重量%、好ましくは5~40重量%とすることができる。組成物の調製は、慣用的なコールド法又はホット法によって行うことができ、好ましくは転相温度法に従う。
【0147】
<産業上利用性>
本発明の重要な態様は、太陽光誘発、好ましくは可視光誘発及び/又はUVB誘発色素沈着過度において、該色素沈着過度を扱うための非治療的方法に関するものであり、以下の工程:
(i)スクラレオリドを含んでなる上述の好ましい(医薬品又は化粧品)組成物を準備する工程、及び
(ii)前記組成物をヒトの皮膚に適用する工程
を含んでなる。
【0148】
特に前記方法は、好ましくは、
(a)25~30重量%[6]-ジンジェロール
(b)5~10重量%[8]-ジンジェロール
(c)5~10重量%[10]-ジンジェロール
(d)1.5~4重量%[6]-ショウガオール
(e)0.3~1.3重量%[8]-ショウガオール;
(f)0.03~1重量%[10]-ショウガオール;
(g)0.01~1重量%ジンゲロン
を含んでなり、ジンジェロールの量は合計すると35~50重量%であり、ショウガオールの量は合計すると1.5~6重量%であるショウガ根CO2抽出物含有物を対象とする。
【0149】
前記方法は、化粧品/医薬品調製物が少なくとも1つのUVフィルターをさらに含んでなり、該UVフィルターがUV-Aフィルター、UV-Bフィルター及び光保護顔料からなる群から選択されることが好ましい。
【0150】
また好ましくは、化粧品/医薬品調製物が少なくとも1つの皮膚美白剤をさらに含んでなる方法である。好ましい実施態様では、調製物は、スキンケア又は日焼け止め組成物を表すクリーム、ローション、ゲル、ペースト、又はカプセルの形態である。
【0151】
スクラレオリドは、太陽光誘発、好ましくは可視光誘発色素沈着過度及び/又はUVB誘発色素沈着過度を低減、防止、抑制及び/又は保護するための有効量で存在する。
【0152】
本発明のさらなる態様は、哺乳動物を化粧的、非治療的に扱う別の方法であり、該方法は、スクラレオリドの色素沈着変化有効量を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物の皮膚色素沈着、好ましくはヒトの皮膚色素沈着を有効に変化させることを含む。
【0153】
好ましくは、スクラレオリドの色素沈着変化有効量を局所的に投与する。
【0154】
本発明の別のさらなる態様は、色素沈着過度を低減、防止及び/又は抑制する方法、皮膚の色素沈着過度の形成をそれぞれ治療、予防及び/又は改善する方法であり、該方法は、スクラレオリド、及びヒトの太陽光誘発、好ましくは可視光誘導及び/又はUVB誘導色素沈着過度組織に対するさらなる添加剤を含有する上述のような好ましい(医薬品又は化粧品)調製物を局所的に適用することを含んでなる。
【0155】
必要に応じて、本発明の調製物には、さらなる化合物(b1)0.05重量%~60重量%、好ましくは0.1~50重量%、特に好ましくは0.5重量%~40重量%のUVフィルター、及び/又は(b2)0.005重量%~20重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の皮膚美白剤、及び/又は(b3)0.0001重量%~30重量%、好ましくは0.01重量%~10重量%の抗酸化剤が存在し、化合物a)~d)の重量%は、調製物の総量に基づき、全ての合計は100重量%であり、より好ましくは化合物(b1)、(b2)又は(b3)のうち1つは、本発明の好ましい組成物中に本質的に含有される。さらなる実施態様において、化合物(b1)及び(b2)は、本発明の好ましい組成物に本質的に含有される。別の実施態様において、化合物(b1)、(b2)及び(b3)は、本発明の好ましい組成物中に本質的に含有される。
【0156】
最後に本発明は、色素沈着過度の治療、予防及び/又は改善のための、特に太陽光誘発、好ましくは可視光誘発及び/又はUVB誘発色素沈着過度を低減、防止、抑制及び/又は保護するためのスクラレオリドの使用を対象とする。
【0157】
本発明のさらなる態様は、色素沈着過度を低減、防止及び/又は抑制するための、皮膚の色素沈着過度の形成をそれぞれ治療、予防及び/又は改善するためのスクラレオリドの使用であって、スクラレオリド及びさらなる添加剤を含んでなる上述のような好ましい(医薬品又は化粧品)調製物を、ヒトの太陽光誘発、好ましくは可視光誘発及び/又はUVB誘発色素沈着過度組織に局所的に適用する使用である。
【実施例】
【0158】
実施例1
【0159】
ヒト表皮メラノーマ細胞A375を6ウェルプレート中で培養した。KG1フィルターを備えたHydrosun750を用いて該細胞を可視光(480J/cm2)に曝露した。照射の48時間前及び後に、細胞を非細胞毒性濃度の試験化合物で処理した。メラノサイトをNaOH溶液に溶解した。メラニンは、405nmでの吸光度の測定及びメラニン標準曲線に基づく計算により定量した。
【0160】
【0161】
【表2】
重要:
### p<0.001 対 未処理;
* P<0.05 対 可視光照射
【0162】
驚くべきことに、スクラレオリドは可視光誘発色素沈着過度を有意に阻害する一方、基底メラニン形成には影響がないことが示された。
【0163】
実施例2
【0164】
以下の調合物を、フォトタイプIV(Fitzpatrick尺度)を有するドナーの腹部手術からのエクスビボのヒト皮膚外植片に適用した。48時間後、調合物をコットンパッドで取り除いた。KG1フィルターを備えたHydrosun750を用いて皮膚外植片を可視光(480J/cm2)に曝露した。その後、調合物を再適用した。48時間後、皮膚切片を調製し、メラニンをフォンタナマッソン染色により染色した。メラニンの定量化は画像分析によって行った。
【0165】
【0166】
【0167】
実施例3
UVB誘発遺伝子発現(RTq PCR)
HaCaT細胞を2.0×105セル/ウェルの12ウェルプレートに播種する。一晩インキュベートした後、試験化合物(50μM スクラレオリド)を細胞に添加し、プレートをさらに2時間インキュベートする。次いで細胞をPBSで洗浄し、20mJ/cm2のUVB(UVITEC Cambridge、312nm)で照射する。PBSを除去し、培地(medium)(制御及び試験化合物を含む)を添加する。細胞を24時間インキュベートする。RNeasyキット(Qiagen)を製造元の指示に従って使用してRNAを抽出及び精製する。RNA濃度を光度計(Eppendorf)を用いて測定し、2μgを逆転写に使用し、それはユーザーマニュアルに記載されるようにTaqMan(登録商標)MicroRNACell-to-CT(商標)キット(Ambion)を用いて実施される。以下のプライマー:ハウスキーピング遺伝子としてのHPRT1(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1)、EDN1(エンドセリン1)、CXCL1(C-X-Cモチーフケモカインリガンド1)、IL6(インターロイキン6)及びIL8(C-X-Cモチーフケモカインリガンド8)でカスタマイズされたTaqMan(登録商標)Array Fast PlatesとともにApplied Biosystems StepOne(商標)を用いて定量的リアルタイムPCRを実施する。標的遺伝子転写物レベルをHPRT1転写物レベルに対して正規化し、相対的転写物変化をRQ=2-ΔΔCt法を用いて計算する。
【0168】
【0169】
驚くべきことに、スクラレオリドが色素沈着過度の誘発についてよく知られる遺伝子のUVB誘発発現上昇を阻害することが示される。
【0170】
以下の実施例は、本発明の調製物を含有する様々な日焼け止め製品のための調合物を示す。全ての量は重量%を示すものとして理解すべきである。
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】