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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】周波数チャネルを選択するための方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/00 20060101AFI20220704BHJP
【FI】
H04L27/00 A
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019531537
(86)(22)【出願日】2017-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2017000983
(87)【国際公開番号】W WO2018041392
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-02-28
(31)【優先権主張番号】102016010432.5
(32)【優先日】2016-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519068124
【氏名又は名称】ディール、メータリング、システムズ、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DIEHL METERING SYSTEMS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100206243
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貴士
(72)【発明者】
【氏名】フリスト、ペトコフ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、カオプペルト
【審査官】玉田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/114937(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0279634(US,A1)
【文献】特開2004-304267(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0013172(US,A1)
【文献】特開2001-358615(JP,A)
【文献】米国特許第06937582(US,B1)
【文献】国際公開第2015/047985(WO,A1)
【文献】Hanzo L et al,Burst-by-burst adaptive wideband wireless video telephony,IEEE Benelux Chapter on Vehicular Technology and Communications. Symposium on Communications and Vehicular Technology. SCVT-2000. Proceedings (Cat. No.00EX465),2002年08月06日,pp.215-232,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=923365
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 27/00-27/38
H04B 1/7143
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送信により送信機と受信機の間でデータが送信される通信システムにおいて周波数ホッピング方法を用いて周波数チャネル(K1‐Kn)を選択するため、特に消費量計測デバイスの消費量記録のため、の方法であって、
前記データは、一つの周波数/時間ブロックにおいて、複数ビットを備える複数のデータパケット(4)のそれぞれの部分において送信され、
複数の周波数チャネルパターン(8、8a‐8d)が提供され、それぞれの周波数チャネルパターンは前記周波数チャネル(K1‐Kn)の占有についての定義されたシーケンスを備えるものであり、
前記複数のデータパケット(4)の前記それぞれ部分は、前記複数の異なる周波数チャネルパターン(8、8a‐8d)を介して選択的に送信され、
データパケット(4)それぞれの前記部分は、前記送信機による送信の前に符号化され、前記受信機による受信の後に復号され、
前記周波数チャネル(K1‐Kn)の送信品質は評価され、前記周波数チャネル(K1‐Kn)の前記送信品質の評価に基づき、前記データを送信するために用いられる、前記複数の周波数チャネルパターン(8、8a‐8d)のうちの単数の周波数チャネルパターンについての選択に関する決定がなされる方法において、
前記受信機による復号の前に、正常な送信についての尤度に対する尤度比LRが決定され、
前記尤度比LRは、前記データパケット(4)それぞれの前記部分の干渉状態を判定するためのメトリックとして用いられ、
前記周波数チャネル(K1‐Kn)それぞれの前記送信品質は、前記データパケット(4)の前記部分の前記干渉状態に基づいて評価される、
ということを特徴とする方法。
【請求項2】
前記尤度比LRは、ビット単位で、または定義された数のビットに対して決定され、
ビットまたは定義された数のビットについての尤度比LRは、前記データパケット(4)またはそれの部分の前記干渉状態を判定するためのメトリックとして用いられる、
ということを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データパケット(4)それぞれの外側の周波数/時間ブロック(5a、5b、5c)における信号電力SL1および/または前記データパケット(4)それぞれの内側の周波数/時間ブロックにおける信号電力SL2は、関連する周波数チャネル(K1‐Kn)において判定されることを特徴とする
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
信号電力SL1およびSL2は、相互の関係で定められることを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記信号電力SL1および/もしくはSL2、ならびに/または前記信号電力SL1およびSL2の間の関係は、前記尤度比LRを微調整するために用いられることを特徴とする
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記ビットの尤度比LRの平均値は、前記データパケット(4)の前記干渉状態を判定するためのメトリックとしての役割を果たすことを特徴とする
請求項2から5の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項7】
前記データパケット(4)またはそれの部分の前記干渉状態は、パーセント値または二値表現として示されることを特徴とする
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
閾値TVは、前記データパケット(4)の前記干渉状態に対して定義され、前記周波数チャネル(K1‐Kn)それぞれの前記送信品質は、前記閾値TVに基づいて評価されることを特徴とする
請求項1から7の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項9】
現在の周波数チャネルパターン(8)から異なる周波数チャネルパターン(8a‐8d)への変更は、前記周波数チャネル(K1‐Kn)それぞれの前記送信品質の前記評価に基づいて実施されることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記データの送信の前にまたは一緒に前記受信機に伝えられる周波数チャネルパターン(8a‐8d)を前記送信機がアルゴリズムに基づいて選択するが、そのアルゴリズムが提供されることを特徴とする
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
周波数チャネルパターン(8a‐8d)は、それが選択される前に検証されることを特徴とする
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記周波数チャネル(K1‐Kn)または周波数チャネルパターン(8a‐8d)の変更を可能にするために、前記送信機への肯定応答信号(7)によって、前記受信機により肯定応答される必要がある変更信号であって、前記変更信号(6)が前記送信機により生成されることを特徴とする
請求項1から11の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項13】
前記肯定応答信号(7)は、前記受信機によって提案された周波数チャネルパターン(8a、8b)を備えるか、または、前記提案された周波数チャネルパターン(8a、8b)において送信され、
前記提案された周波数チャネルパターン(8a、8b)がその後に前記送信機によって検証されて、前記検証に基づき、前記送信機によって拒否または承認される、
ということを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記周波数チャネル(K1‐Kn)は、前記データパケット(4)の第1の部分および/またはデータパケット(4)のビットの第1部分を、周波数チャネルの変更なしで特定の周波数チャネル(K1‐Kn)を介して送信することにより、サンプリングされ、
前記データパケット(4)の第2部分またはビットの第2部分は、これらの周波数チャネル(K1‐Kn)の前記送信品質を判定するために、その他の周波数チャネル(K1‐Kn)に移される、
ということを特徴とする請求項1から13の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項15】
一つの周波数チャネル(K1‐Kn)の送信品質は、その他の周波数チャネル(K1‐Kn)の送信品質、または、異なる周波数チャネル(K1‐Kn)を介して送信されたデータパケット(4)の干渉状態、に基づいて評価されることを特徴とする
請求項1から14の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項16】
前記送信機および/または前記受信機は、周波数を定義するための周波数基準デバイスを備え、
前記周波数基準デバイスは周波数偏差を有し、
前記周波数偏差は、単数の周波数チャネル(K1‐Kn)もしくは複数の周波数チャネル(K1‐Kn)および/または周波数チャネルパターン(8a‐8d)を選択および/または訂正するために用いられる、
ということを特徴とする請求項1から15の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項17】
無線送信により送信機と受信機の間でデータが送信される通信システムにおいて周波数ホッピング方法を用いて周波数チャネル(K1‐Kn)を選択するため、特に消費量計測デバイスの消費量記録のため、の方法であって、
前記データは、一つの周波数/時間ブロックにおいて、複数ビットを備える複数のデータパケット(4)のそれぞれの部分において送信され、
複数の周波数チャネルパターン(8、8a‐8d)が提供され、それぞれの周波数チャネルパターンは前記周波数チャネル(K1‐Kn)の占有についての定義されたシーケンスを備えるものであり、
前記複数のデータパケット(4)の前記それぞれの部分は、前記複数の異なる周波数チャネルパターン(8、8a‐8d)を介して選択的に送信され、
前記データパケット(4)それぞれの前記部分は、前記送信機による送信の前に符号化され、前記受信機による受信の後に復号され、
前記周波数チャネル(K1‐Kn)の送信品質は評価され、前記周波数チャネル(K1‐Kn)の前記送信品質の評価に基づき、前記データを送信するために用いられる、前記複数の周波数チャネルパターン(8、8a‐8d)のうちの単数の周波数チャネルパターンについての選択に関する決定がなされる、
特には、請求項1から16の少なくとも一項において特許請求された方法において、
波数チャネル(K1‐Kn)を介して、前記データパケット(4)の前記部分を前記送信機から前記受信機に送信するステップと、
前記受信機により、前記データパケット(4)を受信するステップと、
前記受信機により、前記データパケット(4)の尤度比LRを決定するステップと、
前記受信機により、前記送信機の周波数基準デバイスの周波数偏差を推定するステップと、
前記尤度比LRに基づき前記データパケット(4)それぞれの前記部分の干渉状態を判定するステップと、
前記データパケット(4)の前記部分の干渉状態に基づき、前記周波数チャネル(K1‐Kn)それぞれの前記送信品質を評価するステップと、
評価結果および/または前記周波数偏差に基づき、周波数チャネルパターン(8a‐8d)を選択および/または訂正するステップと、
選択および/または訂正された周波数チャネル(K1‐Kn)または周波数チャネルパターン(8a‐8d)を前記受信機から前記送信機に伝えるステップと、
を特徴とする方法。
【請求項18】
周波数チャネル(K1‐Kn)の送信品質の評価を格納するためのメモリが提供され、
前記周波数チャネル(K1‐Kn)および/または周波数チャネルパターン(8a‐8d)は、格納されている評価に基づいて追加的に選択される、
ということを特徴とする請求項1から17の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項19】
周波数チャネルパターン(8a‐8d)それぞれを評価するために用いられる品質インジケータQIが、前記周波数チャネル(K1‐Kn)の前記送信品質の評価および/または前記データパケット(4)の前記干渉状態に基づいて決定されることを特徴とする
請求項1から18の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項20】
前記送信機および/または前記受信機は、消費データを記録するための消費量計測デバイスまたは前記消費データを収集するためのデータコレクタであることを特徴とする
請求項1から19の少なくとも一項に記載の方法。
【請求項21】
前記送信機が、中身のレベルを判定するための装置であることを特徴とする
請求項1から20の少なくとも一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルにあるように、周波数ホッピング方法を用いて、通信システムにおいて周波数チャネルを選択するための方法、また、請求項18において請求されるような方法、請求項23において請求されるような方法、に関する。
【背景技術】
【0002】
無線リンクを用いてデータが送信される通信システムは、今日多くの領域において使用されている。例えば、スマートメーターとして知られている、インテリジェント消費量計測デバイスの分野においてである。これは、例えば、エネルギー、電力、ガス、水道などといった供給ネットワークに配置されていて、実際の消費量を接続ユーザそれぞれに示し、例えば記録された消費データをプロバイダに送信するために汎用の通信システムに組み込まれた、消費量計測デバイスに関する。インテリジェント消費量計測デバイスは、手動でメーターを読み取ることをもはや不要とするという利点をもたらし、短期間における課金が実際の消費量に従ってプロバイダにより実施され得る。それにより、短期の読み取り間隔は、エンドカスタマーの料金と、電気の取引価格の動向と、の間のより的確な連携を可能にする。供給ネットワークはまた、実質的にさらに効率的に利用され得る。
【0003】
インテリジェント消費量計測デバイスは、通常、いずれの場合も住居単位または住宅建物に割り当てられる。そこで生成される消費データは、例えば、データパケットまたはデータパケットの部分(ホップとして知られている)の形態において、無線リンク、例えばISM(産業、科学、医療)またはSRD(短距離デバイス)のバンド周波数範囲内における、を介して、送信され得る。これらの周波数範囲は、周波数管理のための一般的な免許しかオペレータは要求しないという利点をもたらす。しかし、例えば、ガレージドア制御、警報システム、WLAN、ブルートゥース、煙探知器などといった広範囲にわたる技術的デバイスがこのタイプの周波数範囲を用いる頻度により、しばしば干渉が起き得るという問題がある。消費データは、通常、無線リンクを介して、データコレクタまたはデータコンセントレータと称され、消費量計測デバイスによって提供される消費データが送信される先である、固定のまたは移動する受信機群のいずれかによって収集される。そして、データコレクタは、例えばプロバイダの中央制御室のような、より上位レベルの中央ユニットに、データを転送することができる。
【0004】
データパケットは、データパケットの送信品質を高めるために、通信システムにおいて、ある周波数範囲内の複数の周波数または周波数チャネルで(周波数ホッピング方法)送信され得る。ここに、対象とされた方法で周波数チャネルを選択するために、つまり、干渉の影響を受ける周波数チャネルを外し、干渉の影響を受けていないかまたはあまり影響を受けていない周波数チャネルを介して送信するために、機能が存在する。周波数チャネルの切り替えは、一つの周波数チャネルにおけるデータ送信が干渉により影響を受ける場合に、周波数ホッピング方法に従って実行される。
【0005】
他の周波数チャネルへの切り替えは、好ましくは、適応周波数ホッピング方法を用いて自動的に実行される。適応周波数ホッピング方法は、干渉により影響を受けた周波数チャネルへの迅速な対応を可能にする。さらに、干渉により影響を受けた周波数チャネルから、干渉により影響を受けていない新しい周波数チャネルへの周波数チャネル切り替えの場合、新しい周波数チャネルは疑似乱数によって決定される。しかし、新しい周波数チャネルに対するこのランダムな選択により、同様に干渉の影響を受ける、または、送信品質が元の周波数チャネルの送信品質よりもさらに劣っている周波数チャネルが選択されることが起こり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
データ送信システムの周波数チャネルを選択するための方法は、ドイツ特許公報第103 20 176 B3号から知られている。その方法において、周波数チャネルの送信品質は、送信機と受信機との間のデータパケットの送信中に、データパケットエラー率および/またはビットエラー率、ならびに受信信号の界強度を測定することによって判定される。判定された界強度は、周波数チャネルに関する選択決定のための定義可能な閾値の界強度と比較される。データパケットエラー率および/またはビットエラー率、ならびに受信信号の界強度は、ここでは、各ケースにおいて一つの送信機のみがデータパケットを送信する、測定ユニット(送信機または受信機)に対する定義済みの送信タイムスロットにおいて測定される。送信タイムスロットが全ての送信機および受信機に対して協調的でなければならないとするならば、その方法は、複雑であり、干渉の影響を受けやすい。
【0007】
通信ネットワークを操作するための方法は、米国特許出願公開公報第2002/0136268 A1号から知られている。通信ネットワークは、通信チャネルの選択を行なうために、異なる方法を用いて通信チャネルまたは周波数チャネルのパフォーマンスが評価されるという周波数ホッピング方法を用いる。例えば、通信チャネルのパフォーマンスをテストするために、内容が知られている特定のテストパケットが通信チャネルを介して送信され、受信信号強度インジケータ(RSSI)が決定され、プリアンブル相関がデータパケットの先頭にあるプリアンブルに基づいて実施され、パケット損失率(PLR)が決定されるか、または、特定のチェック、例えばヘッダエラーチェック(HEC)、巡回冗長検査(CRC)もしくは前方誤り訂正(FEC)が実施される。
【0008】
米国特許出願公開公報第2006/0133543 A1号は、周波数チャネルが受信信号強度インジケータ(RSSI)またはパケットエラー率(PER)に基づいて評価され選択されるという周波数ホッピング方法を用いる無線通信システムを開示する。
【0009】
無線通信チャネルを介して通信するための装置は、さらに、米国特許出願公開公報第2006/0013172 A1号から知られており、当該装置は、周波数ホッピング方法を用い、ここでは周波数チャネルで受信されるデータパケットの受信信号強度インジケータ(RSSI)に基づき、周波数チャネル測定および周波数チャネル選択を実施する。
【0010】
符号化データパケットを復号するための方法は、ドイツ特許出願公開公報第10 2013 008 253 A1号から知られている。データパケットは、それらがエラー検出ビット(巡回冗長検査(CRC)ビット)および/またはエラー訂正ビット(前方誤り訂正(FEC)ビット)を含むような方法で、ここでは復号される。受信機は、符号化データパケットを受信するための受信機モジュールと、データパケットを復号するためのデコーダと、データパケットの符号化データビットのLLR値、対数尤度比として知られている、を定義するためのLLRモジュールと、を備える。ここでは、LLR値は、干渉により影響を受けているまたは受けていない符号化データビットそれぞれの尤度を示す。デコーダがデータビットを復号するかどうかを決定する事前選択は、最終的にこれらのLLR値に基づいて行われ得る。そして、デコーダは、エラー検出ビットおよびエラー訂正ビットに基づき、復号中に、復号されていないデータビットを検出して訂正することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術に基づき、本発明の目的は、改善された送信品質および送信信頼性を実現する周波数チャネルを選択する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的は、請求項1およびその従属項の教示全体によって達成される。本発明の適切な設計は、下位請求項において請求される。
【0013】
本発明によれば、尤度比(LR)は、正常な送信についての尤度として、受信機による復号の前に、決定される。これを行なうため、受信機は、例えば、データパケットのLLR値を決定するためのLLRモジュールを有してもよい。尤度比LRは、ここでは、データパケットの干渉状態を判定するためのメトリック、つまり、データパケットサービスの尤度比LRとして、例えばデータパケットの干渉状態を判定するための数値測度として、用いられる。実際の方法では、周波数チャネルそれぞれの送信品質は、このように、データパケットの判定された干渉状態またはLLR値に基づいて評価され得る。これにより、周波数チャネルの選択は、それらの送信品質に関しては、特定の程度まで改善されることができ、結果として、通信システムの送信品質および送信信頼性が大幅に増加され得る。
【0014】
尤度比LRは、ビット単位ベースで、または、データパケットもしくはデータパケットの部分の定義された数のビットに対して、決定され得る。LLRモジュールは、例えば、送信されたビットごとにLLR値を決定することができる。そして、このようにして決定されたビット、または定義された数のビットの尤度比LRは、データパケットそれぞれまたはデータパケットの部分それぞれについての干渉状態を判定するためのメトリックとして用いられ得る。
【0015】
信号電力SL1は、関与する周波数チャネルにおいて、データパケットそれぞれの送信外の周波数/時間ブロックにおいて、つまり、データパケットの送信外の信号雑音において、適切に判定される。データパケットそれぞれの送信外の周波数/時間ブロックにおいて判定される信号電力SL1は、例えば、外部信号(干渉信号)により、および/またはフェーディングにより、および/またはバックグラウンドノイズにより、定義され得る。さらに、送信側通信モジュールの信号電力SL2もまた、関与する周波数チャネルにおいて、データパケットそれぞれの送信内の周波数/時間ブロックにおいて判定され得る。信号電力SL1がデータパケットの送信外で判定されるので、関与する周波数チャネルに、干渉源つまり例えば外部信号送信が、存在するか否かが定義され得る。ここでは、周波数チャネルにおける高い信号雑音はまた、干渉により影響を受ける周波数チャネルを示す。逆に、周波数チャネルにおける低い信号雑音は通常、干渉により影響を受けていない周波数チャネルを示す。このことは、周波数チャネルにおける信号電力SL1の検出により、この周波数チャネルにおいてデータパケットの正常な送信が起こり得るかどうかを追加的にチェックする機能を送信機および/または受信機が有するという、結果的な利点をもたらす。データコレクタは、例えば、周波数チャネルに影響を与える干渉を識別することができ、そして、関与する周波数チャネルが干渉により影響を受けるか否かを示す情報を消費量計測デバイスに送信することができる。
【0016】
データパケット外の信号電力SL1と、データパケットの送信中における信号電力SL2は、例えば、信号対騒音比または信号対干渉比を定義するために、好ましくは相互の関係で定められる。データパケットの送信に対する信号雑音の干渉の影響は、例えば信号対騒音比に基づき、判定され得るし、関与する周波数チャネルにおける送信品質がこうして定義され得る。さらに、周波数チャネルが、送信の問題もしくはフェーディングに起因する低信号雑音を有するかどうか、または、ノイズ信号が生じたかどうか、がそれにより判定され得る。
【0017】
信号電力SL1および/もしくはSL2、ならびに/または、信号電力SL1とSL2との関係は、尤度比LRを微調整するために用いられ得る。LLR値は、例えば、周波数チャネルそれぞれにおける信号対騒音比および/または信号対干渉比も、周波数チャネルそれぞれの送信品質の評価に組み入れるために、例えば、信号電力SL1とSL2との認定された関係により、増減され得る。それにより、周波数チャネル選択は、かなりの程度まで改善される。
【0018】
データパケットの、ビットまたは定義された数のビットの尤度比LRの平均値が、好ましくは、データパケットそれぞれの干渉の状態を判定するためのメトリックとしての役割を果たす。このように、データパケットの干渉状態に関する提示は、簡単な方法で行われ得る。
【0019】
データパケットまたはその部分の干渉状態は、ここでは、パーセント値として、10進表示として、または、二値表現として、例えば2進数値表現「0」もしくは「1」として、または判定表現「はい」もしくは「いいえ」として、示され得る。
【0020】
閾値TVは、データパケットの干渉状態に対する選択基準または品質特徴として適宜に定義され得るし、周波数チャネルそれぞれの送信品質は、閾値TVに基づいて評価される。12ビットを備え、そのうち、3ビットが良好とレーティング(ビット1)されていて、9ビットがダウンレーティング(ビット0)されているといったデータパケットは、25% ビット1 / 75% ビット0という表現でレーティングされ得るし、データパケットの干渉状態は25%である。閾値TV=50%の場合、データパケットの干渉状態は、したがって、「なし」、「干渉により影響を受ける」、または「0」と示されてもよい。したがって、周波数チャネルの送信品質の評価はまた、このデータパケットに基づき、例えば「なし」、「干渉により影響を受ける」、または「0」と示されるであろう。一つの周波数チャネルを介して送信されたデータパケットの複数の干渉状態は、この周波数チャネルの送信品質を評価するための基準としてさらにまた用いられてもよい。これは、データパケットの干渉状態を平均化することによって簡単な方法で行われ得る。
【0021】
周波数チャネルの占有についての、それぞれに定義されたシーケンスを含む複数の周波数チャネルパターンが、好ましくは、提供される。ここでは周波数チャネルパターンは、ここでは、全ての周波数チャネルにわたり拡張され得るか、つまり全ての周波数チャネルがデータパケットの送信のために用いられ得る(フルダイバーシティ)か、または、特定の周波数チャネルを除外するために提供され得る。例えば、中央に重きを置いた周波数チャネルパターンは、データパケットの送信のために、全ての周辺周波数チャネル(高周波数範囲および低周波数範囲)を除外することができる。あるいは、全ての周辺周波数チャネルはまた、データパケットの送信のために、周波数チャネルパターンにおいて用いられてもよい。さらに、片側の周波数範囲のみが、つまり高周波数範囲または低周波数範囲が、データパケットの送信のために用いられ得る。複数のデータパケットから成るメッセージの送信に関しては、データパケットは、例えば、周波数チャネル1を介してデータパケット1、周波数チャネル2を介してデータパケット2、周波数チャネル4を介してデータパケット3、周波数チャネル3を介してデータパケット4、周波数チャネル1を介してデータパケット5など、常に特定の周波数チャネルシーケンスで送信され得る。ここでは、周波数チャネルパターンは、要求に応じて、頻繁に繰り返されてもよい。
【0022】
現在の周波数チャネルパターンから異なる周波数チャネルパターンへの変更は、周波数チャネルそれぞれの送信品質の評価に基づき、適宜に実行され得る。
【0023】
データの送信の前にまたは一緒に受信機に伝えられる周波数チャネルパターンを送信機が選択する際に用いられるアルゴリズムが、さらに提供されてもよい。アルゴリズムは、例えば、ランダム値またはイベントベースの計算であってもよい。
【0024】
周波数チャネルパターンは、好ましくは、新しい周波数チャネルパターンの送信品質が検証されている場合に限って変更される。検証は、例えば周波数チャネルのサンプリングまたは較正機能という手段により実行され得る。これは、不十分な送信品質を有する周波数チャネルまたは周波数チャネルパターンが選択されないという結果的な利点をもたらす。
【0025】
変更信号は、周波数チャネルパターンの直前の変更を信号伝達するために、送信機により適宜に生成され得る。変更信号は、周波数チャネルまたは周波数チャネルパターンの変更を可能にするために、ここでは、受信機によって送信機への肯定応答信号を用いて確認される必要がある。肯定応答信号は、受信機により生成され、周波数チャネルパターンの変更を許可するために、送信機に送信される。送信機と受信機との間の通信は、ここでは、双方向で行なわれる。これは、新しい周波数チャネルパターンの合意なくしては、送信機と受信機との間の周波数チャネルパターンの変更が行なわれないという結果的な利点をもたらす。その結果、周波数チャネルの送信状況または評価もまた、周波数チャネルパターンの選択のために、送信機および受信機により考慮される。周波数チャネルの選択における送信信頼性は、これによりかなりの程度まで増加される。ここでは、送信機の変更信号が、送信機によって提案される周波数チャネルパターンをすでに含むことが適切である。
【0026】
あるいは、または、それに加えて、肯定応答信号は、受信機により提案された周波数チャネルパターンを含むこともでき、または、提案された周波数チャネルパターンにおいて送信されて、これにより受信機により提案された周波数チャネルパターンは、そして送信機によって検証され、検証に基づいて送信機により拒否または承認される。
【0027】
周波数チャネルパターンは、周波数チャネルを変更することなく特定の周波数チャネルを介して、データパケットの第1の部分および/またはデータパケットのビットの第1の部分を送信することにより、割りよくサンプリングされ得る。データパケットの第2の部分および/またはデータパケットのビットの第2の部分は、これらの周波数チャネルの送信品質を判定するために、データパケット送信に用いられないその他の周波数チャネルにさらに移動される。データパケットの第2の部分が送信される周波数チャネルの送信品質は、これにより評価されてもよい。この周波数チャネルのこの段階的な評価または周波数チャネルのサンプリング(較正機能)を通じて、スペクトルギャップがさらに識別されてもよく、したがって周波数帯域全体の送信品質が評定されてもよい。これらの周波数チャネルの評価はまた、周波数チャネルまたは周波数チャネルパターンの選択に組み入れられてもよい。これは、結果として、周波数チャネルの幅広い範囲が、周波数チャネルの選択のために評定され得るという利点をもたらす。周波数帯域内の最適な送信品質を判定するために、好ましくは、周波数帯域の全ての周波数チャネルが、周波数チャネルのサンプリングにおいてサンプリングされる。
【0028】
一つの周波数チャネルの送信品質は、その他の周波数チャネルの評価された送信品質、または異なる周波数チャネルを介して送信されたデータパケットの干渉状態に基づき、特に有利な方法で評価もされ得る。この評価は、補間を通じて実行されてもよく、例えば評価されていない周波数チャネルの近接した周波数チャネルの既に実行された評価は、例えば近接した周波数チャネルで送信されたデータパケットの干渉状態を平均化することによって、評価されていない周波数チャネルの送信品質がいかに良好であるかの指標となる。これにより周波数チャネルは、それらの周波数チャネルを介して送信されたデータパケットまたはデータパケットの部分がなくても評価され得るし、評価された周波数チャネルの数は、不変の評価努力に伴って増加する。周波数チャネルの評価に必要とされる時間は、結果としてさらに短縮され得る。
【0029】
送信機および/または受信機は、好ましくは、周波数を定義するための周波数基準デバイスを備え、周波数基準デバイスは、通常、周波数偏差を有し、周波数偏差は、周波数チャネルおよび/または周波数チャネルパターンを選択および/または訂正するために用いられる。
【0030】
副次的に、本発明は、以下の方法ステップ、
データパケットを、周波数チャネルを介して、送信機から受信機に送信するステップと、
受信機によりデータパケットを受信するステップと、
データパケットまたはデータパケットの定義済みの部分の尤度比LRの特定のビットを、好ましくはビット単位またはグループ単位で、受信機により決定するステップと、
送信機の周波数基準デバイスの周波数偏差を受信機により推定するステップと、
尤度比LRに基づき、データパケットの干渉状態を判定するステップと、
データパケットの干渉状態に基づき、周波数チャネルそれぞれの送信品質を評価するステップと、
評価結果に基づき、周波数チャネルまたは周波数チャネルパターンを選択および/または訂正するステップと、
選択された周波数チャネルおよび/または選択された周波数チャネルパターンを受信機から送信機に通信するステップと、
を備える方法を特許請求する。
【0031】
メモリは、周波数チャネルの送信品質の評価を格納するために適宜提供され得る。周波数チャネルおよび/または周波数チャネルパターンは、格納されている評価に基づき、追加的に選択される。
【0032】
周波数チャネルパターンそれぞれの評価のために用いられる品質インジケータQIが、周波数チャネルの評価および/またはデータパケットもしくはデータパケットの部分の干渉状態に基づいて決定され、周波数チャネルパターンが品質インジケータQIに基づいて選択されることが特に適切である。
【0033】
当該方法についての一つの特定の設計変形によれば、送信機および/または受信機は、消費データを記録するための消費量計測デバイスまたは消費データを収集するためのデータコレクタであってもよい。通信システムは、ここでは、複数の消費量計測デバイスから一つ以上のデータコレクタに消費データを送信する役割を果たす。そして、データコレクタは、これらの消費データを、プロバイダの上位レベルの中央ユニットに送信することができる。さらに、例えばファームウェアアップデートといった運用データもまた、通信システムを介して消費量計測デバイスに配信されてもよい。
【0034】
較正機能は、好ましくは、ダウンリンクの方法を用いて実行される、つまり、データコレクタは、周波数チャネルの評価のために消費量計測デバイスにデータパケットを送信する。送信周波数および受信周波数は、ここでは、これらの2つの送信機および受信機の通信モジュール間の送信のためにのみ用いられる。あるいは、しかしながら、較正機能はまた、例えば消費量計測デバイスそれぞれがデータパケットをデータコレクタに送信するといった、アップリンクの方法を用いて実行されてもよい。この目的のために、データコレクタは、一つの周波数チャネルにおける全ての消費量計測デバイスの送信を記録しなければならない。特に、アップリンクの方法にとっては、データパケットの送信の時分割を実施するために、特定の周波数チャネルにおける消費量計測デバイスからデータコレクタへのデータパケットの送信のための、タイムスロットと称される、特定の時間を定義することが、相応にして都合がよい。これにより、複数の消費量計測デバイスの同時送信に起因して起こるかもしれない干渉は、回避され得る。
【0035】
当該方法の代替的な設計変形においては、送信機は、中身のレベルを判定するための装置である。このタイプの装置は、例えばごみ容器の中身のレベルを判定するためにごみ容器に、水位を判定するために貯水槽(例えば、飲料水の貯水槽、排水システム、もしくは暴風雨の排水管)に、貯蔵数量を判定するために棚(例えば日用品、文書、もしくは薬品を格納する)に、または貯蔵コンテナに貯蔵されている物品の中身のレベルを判定するために異なる貯蔵コンテナ(例えば、冷蔵庫など)に設けられてもよい。
【0036】
副次的に、本発明は、周波数チャネルおよび/または周波数チャネルパターンがランダム値に基づいて選択される方法を特許請求する。ここでは、ランダム値は、例えば、ランダムに、疑似ランダムに、または定義可能なアルゴリズムによって、定義されてもよい。送信機は、例えば、特定の暗号化メカニズムによってランダム値を取得するために「さいころを振り」、それにより、特には既に肯定的に評価されている周波数チャネルから、ランダムに選択された周波数チャネルに基づき、ランダム周波数チャネルパターンを生成する。ランダム値は、その都度、データ送信の前に受信機に送信され、その結果、受信機が、ランダム値に基づき、送信機による周波数チャネルまたは周波数チャネルパターンの選択を決定または算出することができる。
【0037】
選択は、その後のデータ送信の度に、または特定の時間間隔で、ランダム値に基づき、再度適宜に行われ得る。その結果、新しい周波数または周波数チャネルパターンが常に選択され、送信品質が特定の程度まで改善される。さらに、驚くべきことに、周波数チャネルまたは周波数チャネルパターンのランダムかつ頻繁に実行される変更の結果、例えばサードパーティによる通信システムへの攻撃が大幅に妨げられるので、送信の信頼性が改善されることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の適切な設計は、図面の図を参照して、下記において詳細に説明される。
【0039】
図1】通信モジュールにより、データパケットをデータコレクタに都度送信する複数の消費量計測デバイスの大幅に簡略化された概略図を示す図。
図2】データパケットの前および後に低信号雑音を伴うデータパケットの送信の時間シーケンスの簡略図を示す図。
図3】データパケットの前および後に顕著な信号雑音を伴うデータパケットの送信の時間シーケンスの簡略図を示す図。
図4】データパケットの前の信号雑音内に干渉信号を伴うデータパケットの送信の時間シーケンスの簡略図を示す図。
図5】本発明に係る方法を用いる通信モジュールにより、データパケットをデータコレクタに送信する消費量計測デバイスの大幅に簡略化された概略図を示す図。
図6】周波数ホッピング方法を用いる周波数チャネルパターンの例の簡略図を示す図。
図7】干渉による影響を受けた周波数チャネルで周波数ホッピング方法を用いる図6からの周波数チャネルパターンの簡略図を示す図。
図8】周波数ホッピング方法を用いる複数の可能な周波数チャネルパターンの簡略図を示す図。
図9図7からの干渉の影響を受けた周波数チャネルパターンの周波数チャネルにおけるデータパケットエラー率曲線および尤度比曲線の簡略図を示す図。
図10】周波数チャネルの送信品質を検証するための第1のフロー図の概略図を示す図。
図11】周波数チャネルパターンの変更のための第2のフロー図の概略図を示す図。
図12】送信機側および受信機側に周波数偏差を伴う特定の周波数チャネルパターンにおける送信機から受信機へのデータ送信の送信シーケンスの簡略図を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、相互通信モジュール20を伴う複数の消費量計測デバイス2が、都度、無線リンクを介して、データコレクタ1の通信モジュール10と通信する通信システムを示す。ここでは、消費量計測デバイス2それぞれは、通信モジュール20を介して、データパケット4またはデータパケット4の部分を、データコレクタ1の通信モジュール10に送信する。データパケット4の十分な受信を保証するために、データコレクタ1の通信モジュール10は、アンテナ3を備える。例えば、データパケット4は、例えば、メーター示度、現在の消費量、気温などといった、消費量計測デバイス2それぞれの消費量計測データを含む。データパケット4は、ここでは、周波数ホッピング方法を用いて無線リンクを介して通信モジュール10と20の間で送信される。消費量計測デバイス2および/またはデータコレクタ1それぞれが現在送信中または受信中であるかどうかに応じて、消費量計測デバイス2および/またはデータコレクタ1は、送信機または受信機になり得る。
【0041】
データパケット4は、複数の異なる周波数チャネルK1‐Knを介して選択的に周波数ホッピング方法に従って送信される。データパケット4またはそれの定義済みの部分はそれぞれ、送信機、例えば消費量計測デバイス2それぞれ、による送信の前に符号化され、受信機、例えばデータコレクタ1、による受信に続いて復号される。周波数チャネルK1‐Knの送信品質は評価され、周波数チャネルK1‐Knの送信品質の評価に基づき、データを送信するために用いられる単数の周波数チャネルK1‐Knまたは複数の周波数チャネルK1‐Knの選択に関する決定がなされる。本発明によれば、正常な送信についての尤度に関する尤度比LRは、好ましくは、受信機による復号の前に、データパケット4またはそれの部分に対してビット単位で決定される。尤度比LRは、さらに、ビットの定義可能なグループに対しても決定され得る。そして、データパケット4についての、それの部分についての、ビットについての、または、ビットのグループについての尤度比LRはそれぞれ、データパケット4の干渉状態を判定するためのメトリックとして用いられ、周波数チャネルK1‐Knそれぞれの送信品質は、データパケット4またはデータパケット4の部分の干渉状態に基づいて評価される。
【0042】
尤度比LRは、尤度比テストに基づいて算出される。受信機を訂正できるようにする前方誤り訂正(FEC)は、通常、無線通信システムにおいて実施される。その結果、例えば、無線通信システムの範囲が増大される。例えば、LLRモジュール(図には示されていない)によって記録され得る尤度比(LRs)は、受信機またはデコーダの入力において送り込まれる。例えば、ビットから成るデータパケット4またはデータパケット4の部分が干渉によって深刻な影響を受ける場合、データパケット4または当該部分は、例えば最悪の場合50%ビット1/50%ビット0(つまり、ビットの50%が干渉により影響を受け、ビットの50%が干渉により影響を受けていない)までダウンレーティングされる。したがって、このようなデータパケット4は、何の情報も、または、何ら信頼できる情報を供給しない。逆に、干渉により影響を受けていないデータパケット4は、例えば99%ビット1/1%ビット0のように、適宜、良好にレーティングされてもよい。この尤度比LRは、データパケット4、データパケット4の部分、または、データパケット4の各ビットもしくはビットのグループに対して決定されてもよい。例えば12ビットを備えるデータパケットの尤度比LRは、例えば4ビットがLR=50%/50%を有し、4ビットがLR=100%/0%で、4ビットがLR=75%/25%であるというビットの尤度比LRに基づいて決定されてもよい。対応して、そのデータパケット4の尤度比LRは、LR=(0.33*0.5)+(0.33*1.0)+(0.33*0.85)=0.78(=78%)の通りに、算出されてもよい。
【0043】
例えば50%の値は、ここでは、ダウンレーティングに相応する、つまり不十分または干渉の影響を受けた送信であり、例えば99%の値は、肯定的なレーティングに相当する、つまり、干渉による影響を受けていない非常に良好な送信である。尤度比LRは、さらに、周波数チャネルK1‐K6全体の送信品質を評価するための数値測度(メトリック)としても用いられ得る。データは、ここでは、複数の周波数または周波数チャネルK1‐K6において、データパケット4またはその部分(ホップ)に分散され、尤度比LRは、各データパケット4またはデータパケットの部分に対して、算出される。同じ周波数を介して送信された複数のデータパケット4は、周波数メトリック(周波数評価)を作成するために用いられる。特定の周波数においてデータパケット4が送信されていない場合、これらの周波数の品質は、代替として補間を通じて推定されてもよい。
【0044】
周波数チャネルを選択するため、信号電力SL1は、例えば、関連する周波数チャネルK1‐Knにおけるデータパケット4それぞれの外側の周波数/時間ブロック5aにおいて判定されてもよい。図2は、データパケット4の送信の時間シーケンスと、データパケット4の送信の前および後の信号電力SL1または信号雑音と、を示す。信号電力SL1を定義するため、前記信号電力は、例えば、全周波数/時間ブロック5aにわたって、平均化され得るし、周波数/時間ブロック5a内の最大および最小信号電力を介して定義され得る。データパケット4の送信外の信号電力SL1は、データパケット4の送信中の信号電力SL2よりも、ここでは、大幅に低い。
【0045】
図3は、データパケット4の送信の時間シーケンスを同様に示す。しかし、データパケット4の送信外、または周波数/時間ブロック5a内における、信号電力SL1は、データパケット4の送信中の信号電力SL2とはもはや大きく異なってはいないという著しい偏差を示す。このように、周波数/時間ブロック5b内の信号電力SL1または信号雑音は、図2の周波数/時間ブロック5a内の信号電力SL1よりも大幅に高い。
【0046】
周波数/時間ブロック5aの信号電力SL1は、この時間tにおける対応する周波数チャネルK1‐K6において、干渉がごくわずかにもしくは全く生じなかったか、または、外部送信がわずかしかもしくは全く行なわれなかったことを示す。したがって、周波数チャネルK1‐Knは、ほとんどまたは全く干渉により影響されていないように見える。対照的に、周波数/時間ブロック5bは、著しくより大きい信号電力SL1を示し、それにより干渉の高い割合および/または低い送信品質を示している。同様に、図4によれば、限られた時間および/または時折に生じる干渉が、データパケット4それぞれの送信外の周波数/時間ブロック5cにおいて、それを測定することにより識別され得る。
【0047】
このタイプの検出事項は、周波数チャネルK1‐Knの送信品質の評価に適切に組み入れられ得る。例えば、信号電力SL1の限界値は、また、関連する周波数チャネルK1‐Knのデータパケット4それぞれの外側の周波数/時間ブロック5a、5b、5cにおいて定義され得る。データパケット4それぞれの外側の周波数/時間ブロック5a、5b、5c内の判定済みの現在の信号電力SL1は、この事前定義済みの限界値と定期的に比較される。限界値を超えている場合は、データパケット4それぞれおよび/または周波数チャネルK1‐Knそれぞれが、干渉により影響を受けたと評価される。データパケット4の送信外の均一に増加した信号電力SL1(例えば、図3の信号電力SL1における増加した信号雑音)のみならず、時折生じる干渉信号(例えば、図4の信号電力SL1における干渉)も、対象とされた方法における異なる種類の干渉を検出するために、ここでは考慮される。
【0048】
あるいは、または加えて、データパケット4の送信中の信号電力SL2と、データパケット4の送信外の信号電力SL1とは、また、相互の関係で定められ得る、つまり、信号対雑音比および/または信号対干渉比が決定される。それぞれに決定された比率は、とりわけ、周波数チャネルK1‐Knそれぞれにおけるデータパケット4の送信品質を示すものを提供することができる。決定要因は、ここでは、必ずしも、データパケット4の送信外の信号雑音SL1がいかに大きいまたは小さいかということではなく、むしろデータパケット4の送信中の信号電力SL2がデータパケット4の送信外の信号電力SL1と比較してどの程度大きいかである。例えば、現場の劣悪な送信コンディションにより生じた(例えば、シャドーイングにより生じた)フェーディングといった、送信品質に対する異なる影響もまた、これにより判定されて区別され得る。これにより、周波数チャネルK1‐Knは、データパケット4の干渉状態または尤度比LRをデータパケット4それぞれの信号対雑音および/または信号対干渉比で基準化することによって、つまり信号対雑音比または信号対干渉比は、尤度比の計算において考慮されることによって、さらに高い信頼性で評価される。
【0049】
図5は、消費量計測デバイス2と、消費量計測デバイス2の付近の干渉5と、を伴う図1からの通信システムを示す。干渉5が、消費量計測デバイス2の通信モジュール20からデータコレクタ1の通信モジュール10へのデータパケット4の送信に用いられる周波数チャネルK1‐Knの付近で起こった場合、消費量計測デバイス2またはその通信モジュール20は、例えば、干渉検出に基づき、干渉5が存在するということを確認することができる。例えば、尤度比LRに基づく干渉検出もまた用いられ得る。そして、周波数チャネル切り替えを達成するために、一つの適切な設計によれば、消費量計測デバイス2が、通信モジュール20によって生成される変更信号6を、通信チャネル20を介してデータコレクタ1の通信モジュール10に送信する場合に有利である。通信モジュール10が変更信号6を通信モジュール20から受信した後、通信モジュール10は、通信モジュール20からの周波数チャネルK1‐Knの変更要求を検証する。周波数チャネルK1‐Knの変更を達成するために、データコレクタ1の通信モジュール10は、通信モジュール10が通信モジュール20に送信する肯定応答信号7を生成する。そして、周波数チャネルK1‐Knまたは全体の周波数チャネルパターン8、8a‐8dは、通信モジュール20または10によって変更され得る。これにより、周波数チャネルパターン8、8a‐8dの変更は、これが送信品質に関して検証されている場合に限って新しい周波数チャネルパターン8、8a‐8dが選択されるような方法において、制御され得る。送信品質は、例えば、周波数チャネルのサンプリングにより、または較正機能により、検証され得る。
【0050】
図6は、周波数ホッピング方法を用いる周波数チャネルパターン8の簡略図を示す。データパケット4は、ここでは、通信モジュール10、20の間において、周波数チャネルK1‐K6を介して、時間遅延を伴って送信される。周波数チャネルパターン8内の全ての周波数チャネルK1‐K6は、データパケット4の送信のために用いられる(フルダイバーシティ)。図7によれば、干渉5が周波数チャネルK3およびK4において起きた場合、周波数チャネルK3およびK4を介して送信されるデータパケット4は、もはや干渉なしで送信されない。これらのデータパケット4の損失または部分的損失という結果になるであろう。本発明における方法において、この干渉は、例えば既に説明されている干渉検出といった時間的な方法において、検出され得る。送信予定の周波数チャネルK1‐K6または全周波数チャネルパターン8の変更により、干渉により影響を受けたデータパケット4またはそれらの干渉の影響を受けた部分であっても、それらがその他の周波数チャネルK1、K2、K5、およびK6を介して送信される場合、干渉なしで同様に送信され得ることが保証される。
【0051】
図6および図7における周波数チャネルパターン8は、図8に示される周波数チャネルパターンに変更され得る。周波数チャネルパターン8aは、周波数チャネルK1‐K6の周辺重み付けを示す。周波数チャネルK3およびK4は、ここでは、除外されている。周波数チャネルパターン8aは、中間周波数範囲K3およびK4が干渉により影響を受ける場合に、適宜に用いられ得る。あるいは、周辺干渉が、例えば周波数チャネルK1、K2、K5、K6に影響を及ぼす場合、周波数チャネルパターン8bが用いられ、そこにおいて、周波数範囲または周波数帯域の中央重点測定が、周波数K3およびK4を介して、実行される。単方向の周辺干渉、つまり周波数範囲の上部または下部どちらかにおいての干渉の場合、干渉の影響を受ける周波数範囲それぞれが除外される。周波数チャネルパターン8cによれば、周波数チャネルK1‐K3がある低周波数範囲が、対応して除外される。データパケット4は、ここでは、高周波数範囲の周波数チャネルK4‐K6を介してのみ送信される。周波数チャネルパターン8dもまた、周波数チャネルK1‐K3を介する、低周波数範囲のデータパケット4の送信を示し、高周波数範囲内にある周波数チャネルK4‐K6が、データパケット4の送信に対して除外される。
【0052】
周波数チャネルK1‐K6の尤度比LRは、好ましくは、周波数チャネルK1‐K6にわたる尤度比曲線11としてプロットされ得る。図7における、干渉の影響を受けた周波数チャネルパターン8の周波数チャネルK1‐K6に対する尤度比LRについての尤度比曲線11は、図9においてグラフで表されている。図9によれば、尤度比LRは、チャネルK1およびK6において最高であり、チャネルK3およびK4において最低である。したがって、周波数チャネルK3およびK4は、干渉により影響を受けたと評価されることになる。
【0053】
データパケットエラー率(ホップエラー率)は、例えば周波数チャネルK1‐Knそれぞれにおける干渉検出および信号対雑音比に基づき、さらに、各周波数チャネルK1‐Knに対して定義され得る。図7の干渉の影響を受けた周波数チャネルパターン8における周波数チャネルK1‐K6に対するデータパケットエラー率曲線12は、図9において同様に示されている。ここでは、高いデータパケットエラー率を有する周波数チャネルK3およびK4がデータパケット4の送信に不適切であることが、同様に明らかである。低いデータパケットエラー率を有する周波数チャネルK1およびK6は、さらに、データパケット4の送信に極めて適している。ここではまた、データパケット4のデータ送信に適している周辺周波数チャネルK1、K2、K5、およびK6がデータパケット4の送信に用いられるような方法において、周波数チャネルの切り替えが行なわれたほうがよいことも明らかである。周波数チャネルK1‐K6についてのこの評価は、ここでは、データパケットエラー率および尤度比LRによって定義される。周波数チャネルK1‐K6の選択の信頼性は、この二重の評価により、かなりの程度まで高められる。
【0054】
データパケット4の尤度比LRは、データパケット4が干渉によって影響されているか否かを示すものにより、または、数値またはパーセント表現として、高精度に表現され得る。尤度比LRが、二値表現、例えば「0」と「1」、として示される場合において、周波数チャネルK1‐K6は、尤度比の合計がLR>0(例えば、ビットの3分の2が良好な状態にある)であれば直ちに、良好な状態にあるものと分類される。
【0055】
周波数チャネルパターン(「ホップメトリック」)の選択は、データパケット4もしくはその部分の干渉状態または尤度比LRの平均化を通じたパーセント表現に基づいて行われてもよい。品質インジケータQIは、好ましくは、周波数チャネルパターン8、8a‐8dそれぞれの評価のために定義されるか、または算出される。算出は、例えば、データパケット4またはそれらの干渉状態の平均重み付けを介して行なわれる。例えば、データパケット4の25%が50%で重み付けされ得るし(干渉により完全に影響を受けた)、25%が60%で(わずかな傾向)、そして50%が98%で(実質的に干渉により影響されていない)、とされ得る。周波数チャネルの品質インジケータQIは、ここでは、QI=(0.25*0.5)+(0.25*0.6)+(0.5*0.98)=0.765(=76.5%)のように算出される。
【0056】
品質インジケータQIの限界値LVは、例えば70%、好ましくは75%、特に好ましくは80%など、周波数チャネルパターン8、8a‐8dが用いられるか否かについての決定に対してさらに定義され得る。そして、周波数チャネルパターン8、8a‐8dそれぞれについての算出された現在の品質インジケータQIは、品質インジケータQIの限界値と比較され得るし、品質インジケータQIの限界値が超えられていない場合、現在の周波数チャネルパターン8、8a‐8dは、最も可能性が高い品質インジケータQIを有している異なる周波数チャネルパターン8、8a‐8dに変更される。
【0057】
特定の周波数または周波数チャネルK1‐K6が干渉により影響を受ける場合、新しい周波数チャネルパターン8、8a‐8dは、このように選択され得る。受信機が周波数チャネルパターン8、8a‐8dを変更したい場合、受信機は、どの周波数チャネルパターン8、8a‐8dを設定するかを自身で決定するか、設定用の周波数チャネルパターン8、8a‐8dのどれを送信機に通知するか、または決定を送信機に任せるか、のいずれかができる。ここでは、「合意」は、好ましくは送信機と受信機との間で行なわれる(「ピンポン」)。
【0058】
あるいは、または加えて、干渉により影響を受けていない受信されたデータパケット4の数は、周波数チャネルパターン8、8a‐8dの評価のためにも用いられ得る。これを行なうため、データメッセージ全体を正常に復号するために、干渉の影響を受けていないデータパケット4の必要とされる数が、受信された干渉の影響を受けていないデータパケット4の数と比較される。受信された干渉の影響を受けていないデータパケット4の数が、必要とされるデータパケット4の数よりも少ない場合、周波数チャネルK1‐Knまたは周波数チャネルパターン8、8a‐8dは、干渉により影響を受けたと評価される。これは、例えば、データパケット4の送信におけるエラー率を低減させる役割を果たす順方向誤り訂正(FEC)により、自動的に行われ得る。送信側通信モジュール10または20によって送信予定のデータパケット4は、受信する通信モジュール10または20が、送信する通信モジュール10または20への問い合わせなしで、送信エラーを検出して訂正することができるように、送信システムにおいて冗長の方式で暗号化される。
【0059】
図10は、周波数チャネルK1‐Knの送信品質を検証するためのフロー図の一つの設計を示す。信号対雑音比または信号対干渉比が、好ましくは、受信機に到達するデータパケット4に対して最初に決定される。データパケット4の干渉状態を識別するために、尤度比LRが、さらに好ましくはビット単位で決定される。そして、閾値TV(例えば、75%)が、干渉状態に対して定義される。信号対雑音比または信号対干渉比は、尤度比LRを決定するためにさらに用いられ得る、つまり尤度比LRは、信号対雑音比または信号対干渉比を用いて定義されて基準化される。そして、品質インジケータQIは、上述のように、ビットまたはデータパケット4の尤度比LRに基づき、周波数チャネルパターン8、8a‐8dそれぞれに対して決定され得る。そして、周波数チャネルパターン8、8a‐8dは、品質インジケータQIが限界値LVよりも大きい場合、干渉より影響を受けていないと評価される。
【0060】
図10におけるフロー図は、特定のデータパケット4について無作為に、または周波数チャネルサンプリングもしくは較正機能の部分として、各データパケット4またはそれの部分について継続的に実行されてもよい。周波数チャネルパターン8、8a‐8dの送信品質は、ここでは、周波数チャネルパターン8、8a‐8dのデータパケット4の全て(例えば、図6図8における8つのデータパケット4)を、対応する周波数チャネルK1‐K6において少なくとも1度は送信して検証することにより、判定され得る。データパケット4またはホップのいくつかは、例えば、その他のデータパケット4が、代替の周波数またはその他の周波数チャネルにおいて、これらの周波数または周波数チャネルをテストするために送信されている間、自身の周波数チャネルに留まっている。これにより、周波数帯域全体がサンプリングし得るし、その結果、スペクトルのギャップが識別され得るし、そして、例えば補間を通じて、クローズされ得る。
【0061】
図11は、周波数チャネルパターン8、8a‐8dの変更に対するフロー図の一つの設計を示す。フロー図の第1のステップは、データパケット4を正常に復号できるようにするために、干渉の影響を受けていない送信されたデータパケット4の必要とされる数に対する限界値LV、または、品質インジケータQIに対する限界値LV、例えば10%、を決定することまたは定義することを伴う。実際に受信されたデータパケット4の数または品質インジケータQIが限界値LVを上回る場合、周波数チャネルパターン8、8a‐8dの変更は要求されない。実際に受信されたデータパケット4の数または品質インジケータQIが限界値LVを下回る場合、周波数チャネルパターン8、8a‐8dの変更が要求される。このために、設定予定の周波数チャネルパターン8、8a‐8dの対応する周波数チャネルK1‐Knにおけるデータパケット4の送信品質の検証は、図10のフロー図に従って最初に実施される。周波数チャネルパターン8、8a‐8dは、したがって、この周波数チャネルパターン8、8a‐8dへの変更が行なわれる前に検証される。ここで判定される、干渉の影響を受けていないと予想されるデータパケット4の数が、限界値LV(例えば、99%/ビット1で、1%/ビット0)を超える場合、周波数チャネルパターン8、8a‐8dそれぞれが、例えば送信機および/または受信機によって選択され得る。干渉の影響を受けていないと予想されるデータパケット4の判定された数が、限界値LV(例えば、50%/ビット1で、50%/ビット0)を下回る場合、新しい周波数チャネルパターン8、8a‐8dは、図10におけるフロー図により検証され、対応する送信品質の場合にはもう一度選択される。図11におけるフロー図は、好ましくは、少なくとも十分に良好な送信品質を有する周波数チャネルパターン8、8a‐8dが決定されるまで繰り返される。
【0062】
図12は、図12において黒いデータパケット4を用いて示されている周波数チャネルパターンにおいて、送信機および受信機が最初に合意した時間t(現在)でのデータ送信を示し、データパケット4(またはその部分のみ)は、示されている時間シーケンスにおいて、周波数チャネルK1‐Knを介して送信される。しかし、図12に白のデータパケットに基づいて示されるように、例えば消費量計測デバイス2およびデータコレクタ1のような、送信機および受信機の周波数基準デバイスの偏差により、時間tにおける特定の時間間隔後(その後)に、送信機側と受信機側において、セット周波数チャネルパターンまたはセット周波数チャネルは異なるかもしれない。例えば、送信周波数が5kHz程度にシフトするかもしれず、その結果データ送信がもはや正常ではなくなるかもしれない。
【0063】
この問題を回避するために、例えば、データコレクタ1はまた、周波数チャネルK1‐Knまたは周波数チャネルパターン8、8a‐8dの選択において消費量計測デバイス2の周波数基準デバイスのエラーを考慮することができる。例えば、データコレクタ1は、消費量計測デバイス2の周波数基準デバイスのエラー(例えば、5ppm、5kHzほどのクリスタルエラー)を推定して、それを周波数チャネルに事前に組み入れることができる。
【0064】
個々の特徴の組合せ(部分的な組み合わせ)、および、図面の図に示されていない異なる設計形態での個々の特徴の可能な組み合わせも、本開示の内容に明白に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 データコレクタ
2 消費量計測デバイス
3 アンテナ
4 データパケット
5 干渉
5a 周波数/時間ブロック
5b 周波数/時間ブロック
5c 周波数/時間ブロック
6 変更信号
7 肯定応答信号
8 周波数チャネルパターン(フルダイバーシティ)
8b 周波数チャネルパターン(中央重点)
8a 周波数チャネルパターン(周辺重点)
8c 周波数チャネルパターン(高周波数範囲内)
8d 周波数チャネルパターン(低周波数範囲内)
10 通信モジュール
11 尤度比曲線
12 データパケットエラー率曲線
20 通信モジュール
K1-Kn 周波数チャネル
LR 尤度比
QI 品質インジケータ
SL1 データパケットの送信外の信号電力
SL2 データパケットの送信中の信号電力
t 時間
LV 限界値
TV 閾値
DR データパケット信頼性
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図9
図10
図11
図12