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特許7098618飲料注出デバイスの液体廃棄物を排出するための排出コネクタユニット及びアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】飲料注出デバイスの液体廃棄物を排出するための排出コネクタユニット及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/60 20060101AFI20220704BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
A47J31/60
A47J31/44 100
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2019533163
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 NL2017050850
(87)【国際公開番号】W WO2018117824
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】2018027
(32)【優先日】2016-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】サンフリート,ニコラス ヴィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】スタンダール,コーエン
(72)【発明者】
【氏名】ディース,ヘンドリック ヨハン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202184630(CN,U)
【文献】米国特許第05611261(US,A)
【文献】米国特許第05245915(US,A)
【文献】特表2015-502216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料注出デバイスの液体廃棄物を排出するためのドレンコネクタユニットであって、
ドレン容器の開口部と協働して、注出デバイスから液体廃棄物を回収するためのハウジングと、
前記注出デバイスの漏洩物受け部から前記ドレン容器まで延びるドレンチャネルと、
前記ハウジングの第1の開口部と第2の開口部との間にあり、前記第1の開口部は、前記ドレン容器のヘッドスペースと相互作用するように構成されており、前記第2の開口部は少なくとも、前記ドレン容器の外側の気体雰囲気と相互作用するように構成されている、第1のアロマバリアと、
を備える、ドレンコネクタユニット。
【請求項2】
前記ドレンチャネルはフレキシブルチューブを備える、請求項1に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項3】
回収された液体廃棄物が前記ドレン容器内の既定のレベルに到達したときに信号を提供するように構成された流体レベルセンサを更に備える、請求項1又は2に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項4】
前記流体レベルセンサは少なくとも第1の伝導要素及び第2の伝導要素を備え、前記ドレン容器内の前記既定のレベルは、伝導媒体を介した少なくとも前記第1の伝導要素と前記第2の伝導要素との間の電気の伝導によって検知される、請求項に記載のドレンコネクタ。
【請求項5】
少なくとも前記第1の伝導要素及び前記第2の伝導要素は、前記ハウジング内に少なくとも部分的に凹設されている、請求項4に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項6】
少なくとも前記第1の伝導要素及び前記第2の伝導要素は金属ロッドである、請求項4又は5に記載のドレンコネクタ。
【請求項7】
前記流体レベルセンサは導電性延長部を備え、前記導電性延長部は電気検出回路に接続可能であり、前記電気検出回路は、前記漏洩物受け部の導電性レベルコントローラによって形成される、請求項3~6のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項8】
前記導電性レベルコントローラは少なくとも第1のプローブ電極及び第2のプローブ電極を備え、前記流体レベルセンサは少なくとも第1の電極及び第2の電極を備え、前記導電性延長部は少なくとも第1の導電ケーブル及び第2の導電ケーブルを備え、少なくとも前記第1の導電ケーブル及び前記第2の導電ケーブルは、前記第1のプローブ電極を前記第1の電極に、かつ、前記第2のプローブ電極を前記第2の電極に接続するように構成されている、請求項7に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項9】
前記第1のアロマバリアは複数のフィルタ部分を備え、前記複数のフィルタ部分のそれぞれは、同一組成のものである、請求項1~8のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項10】
前記第1のアロマバリアは、前記ドレン容器のヘッドスペースと前記ドレン容器の外側の前記気体雰囲気との間の圧力差を緩和するための、抵抗が最も小さい経路として提供される、請求項1~9のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項11】
前記ドレンチャネルは、第2のアロマバリアと流体接続するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項12】
前記ドレンチャネルの一部はサイフォンと関連付けられ、保持される液体の体積によって前記第2のアロマバリア前記サイフォンを形成するように構成されている、請求項11に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項13】
前記第1のアロマバリアは吸着フィルタとして提供される、請求項1~12のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項14】
前記第1のアロマバリアはカーボンフィルタである、請求項1~13のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項15】
前記ハウジングと前記ドレン容器の前記開口部との間に気密シールを設けるように構成されたユニオンナットを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項16】
前記ユニオンナットは、前記ハウジングの周囲に沿ったスカートとして設けられるねじ込みキャップ型ユニオンナットであり、前記ドレン容器のねじ山付き開口部に係合するように構成されている、請求項15に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項17】
前記ドレン容器の前記開口部と協働して、前記ハウジングを定位置に保持するように構成された保持要素を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項18】
前記ドレンチャネルは5~10mmの内径を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項19】
前記ドレンチャネルは7.5~8.5mmの内径を有する、請求項18に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項20】
回収された液体廃棄物が前記ドレン容器内の既定のレベルに到達したときに信号を提供するように構成された流体レベルセンサを更に備え、前記第1のアロマバリアには中心穴が設けられており、前記中心穴を通って、前記ドレンチャネル及び前記流体レベルセンサの一部が延びている、請求項1~19のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項21】
前記第1のアロマバリアは、5~20cmの体積を有するディスクを形成する、請求項1~20のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項22】
前記第1のアロマバリアは、14~15cmの体積を有するディスクを形成する、請求項21に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項23】
前記第1のアロマバリアには、前記ドレンチャネルの一部を案内する又は収容するための凹部が設けられている、請求項1~22のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項24】
前記ハウジングは、相互接続可能な第1及び第2の射出成形ハウジング部分を備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項25】
前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分とは、前記ハウジングの長手方向中心軸線に沿って対称である、請求項24に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項26】
前記ハウジングと前記漏洩物受け部との間で伸張する前記ドレンチャネルの少なくとも一部を保護するように構成された保護スリーブを更に備える、請求項1~25に記載のドレンコネクタユニット。
【請求項27】
飲料注出デバイスの液体廃棄物を排出するための注出及び排出アセンブリであって、
漏洩物受け部を有する飲料注出デバイスと、
ドレン容器と、
請求項1~26のいずれか一項に記載のドレンコネクタユニットと、
を備える、注出及び排出アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設の排出可能性が制限されている又は存在しない場合に、飲料注出デバイスに排出オプションを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料注出デバイスは、一般に、流出物又は他の注出流体などの排出流体が施設の排出設備を通じて下水道に運ばれるように、施設の排出設備に接続されている。他の注出流体は、多くの場合、消費者が拒絶した飲料又は流出物、並びに飲料ディスペンサの部品の水洗又は清掃による流体である。コーヒーマシンにおいて、特に、衛生は最も重要なものである。コーヒーマシンは、マシン内部での細菌の増殖を防ぐために、水などの洗浄流体で注出部品を水洗することによって自身で清掃することが多い。このため、飲料注出デバイス及びコーヒーマシンは、デバイスの近辺に排出物が蓄積し、その衛生的な動作が損なわれることを阻止するために、施設の排出設備に接続されていることが必要である。
【0003】
飲料注出デバイスを施設の排出設備に接続するためには、飲料注出デバイスのために選択された場所に、そのような施設の排出設備へのアクセスを設ける必要があることが課題である。しかしながら、多くの場合、これには、既存の施設の排出ネットワークに対する不便な改修を必要とする。改修はまた、コストを大幅に増加させる。したがって、飲料注出デバイスの配置は、施設の排出設備の存在、又は施設の排出設備へのアクセスを設ける能力若しくは財政によって制限される。多くの場合、飲料注出デバイスは購入又はレンタルの前に試用される。このため、前述の改修コスト及び配置の制約によって、施設の排出設備へのアクセスのない飲料注出デバイスの配置に至ることが多い。多くの場合、そのような飲料注出デバイスには、ドリップトレイなどの保持用受け部が設けられている。ドリップトレイはかなり限られた体積を持つ。多くの場合、ドリップトレイは2回又は3回分の消費量の体積のみを保持する。このため、ドリップトレイを空にし、清掃することができるようにするために、注出を中断する必要があることが多い。多くの飲料注出デバイスでは、ドリップトレイを、多くの場合、手動により局所的に空にするために、近傍にバケツが用意されることがある。施設の排出設備がない場合、排出流体の局所的蓄積は不可避になる。これを怠った場合には、飲料注出デバイスの衛生的な使用が損なわれることが知られている。そのような排出流体が回収される領域では微生物の増殖が抑制されないことが多いため、微生物の拡散が問題となる。微生物の増殖は、更に、カビの胞子及び注出された製品の腐敗により生じる不快な臭いを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、デバイスの衛生的な使用を損なうことなく、かつ固定排出設備へのアクセスを有する必要なく、飲料注出デバイスの排出流体を局所的に格納する必要がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、液体廃棄物を排出するための排出コネクタユニット及びアセンブリを提案することである。したがって、より一般的な意味においては、本発明の目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服すること又は低減することである。また、本発明の目的は、組み立て及び動作がより煩雑でなく、更に比較的安価に作製することができる代替的な解決策を提供することである。あるいは、本発明の目的は少なくとも、現在の手法の有用な代替策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本発明は、添付の特許請求の範囲の1つ以上に定義されるドレンコネクタユニット、並びに注出及び排出アセンブリを提供する。本発明の第1の態様によれば、ハウジングを備える排出コネクタユニット。ハウジングは、ドレン容器の開口部と協働して、注出デバイスから排出物を回収するように構成されている。加えて、排出コネクタユニットはドレンチャネルを備え、流体を、ドレンチャネルを通して注出デバイスの漏洩物受け部からドレン容器に案内する。排出コネクタユニットはまた、少なくとも、ハウジングの第1の開口部と第2の開口部との間にある第1のアロマバリアを備える。第1の開口部は、ドレン容器のヘッドスペースと相互作用するように構成されており、第2の開口部は、ドレン容器の外側の気体雰囲気と相互作用するように構成されている。ドレン容器は、コネクタを配置することができる開口部を有するジェリカンであり得る。この場合、第1のアロマバリアはまた、胞子などの微生物の移動を、例えば、広い微視的表面積を有するフィルタにおいて一般的な吸着によって制限するように構成され得る。広い微視的表面は、500~3000m/グラムの活性炭に関連するような微視的表面であり得る。
【0007】
任意選択的に、ドレンチャネルはフレキシブルチューブによって形成されている。また、この例とは別のドレンチャネルはハウジング内に延び、フレキシブルチューブがハウジング内の全体に延びない場合、実際にはまた部分的に、ハウジングの一部によって形成され得ることは理解されよう。
【0008】
任意選択的に、ドレンは、回収された排出流体がドレン容器内の既定のレベルに到達したときに信号を提供するように構成された流体レベルセンサを更に備える。ジェリカンなどのドレン容器は、多くの場合、戸棚の内部、そうでなければ見えないところに配置される。加えて、ドレン容器内に集められた流体の量の確認を一般に怠ると、ドレン容器の溢れにつながる可能性がある。ドレン容器の溢れは流体レベルセンサによって防止することができる。
【0009】
任意選択的に、流体レベルセンサは、第1の伝導要素及び第2の伝導要素を備える。ドレン容器内の既定のレベルは、伝導媒体を介した少なくとも第1の伝導要素と第2の伝導要素との間の電気の伝導によって検知される。伝導媒体は、液体自体、又は十分に伝導性の浮遊物要素であり得る。この選択肢の利点は、これには可動部品がほとんど必要ないことである。このことは信頼性を高め、ドレン材の蓄積によるセンサの妨害を防止する。
【0010】
任意選択的に、第1の伝導要素及び第2の伝導要素は、ハウジング内に部分的に又は完全に凹設されている。この選択肢の利点は、ハウジングがセンサ要素の周囲の保護ケーシングとしての役割を果たし、センサ要素上に、その機能的長さ全体に沿って堆積物が沈殿することを防止し、腐食を低減することである。腐食の低減によって、より長期間にわたる検知の信頼性が高まる。加えて、ハウジングは、コネクタユニットの誤操作又は落下により起こり得る破損からセンサを保護する。
【0011】
任意選択的に、第1の伝導要素及び第2の伝導要素は、ステンレス鋼合金などの金属ロッドである。この利点は、第1の伝導要素及び第2の伝導要素の長さにわたる伝導性及び頑丈性が保証されることである。頑丈性は、センサ及びその構成要素が破損し易いことの多い、コネクタユニットの落下の場合に有用である。更に、ステンレス鋼金属ロッドは、ドレン容器内のしばしば過酷な状況下で起こり得る腐食に耐える。
【0012】
任意選択的に、流体レベルセンサは、漏洩物受け部内の導電性レベルコントローラによって形成される電気検出回路の延長部を形成するように構成されている。このために、流体レベルセンサは導電性延長部を備える。導電性延長部は、電気検出回路に通信可能に接続可能である。電気検出回路は、漏洩物受け部の導電性レベルコントローラによって形成される。この選択肢の利点は、飲料注出デバイスに固有のものであることが多い既存の電子インフラストラクチャを利用してドリップトレイが一杯であるかどうかを検知する、センサ内のセンサとしての役割を流体レベルセンサが果たすことである。
【0013】
任意選択的に、導電性レベルコントローラは、少なくとも第1のプローブ電極及び第2のプローブ電極を備える。流体レベルセンサは、少なくとも第1の電極及び第2の電極を備える。導電性延長部は、第1のプローブ電極を第1の電極に、かつ、第2のプローブ電極を第2の電極に接続するように構成されている、少なくとも第1の導電ケーブル及び第2の導電ケーブルを備える。この場合、漏洩物受け部内の各プローブ電極は、ドレン容器内の電極と電気通信することは理解されよう。一例では、そのような導電性延長部は導電性ワイヤによって形成されており、この導電性ワイヤはその長さに沿って絶縁され、ケーブルを形成している。導電性ワイヤは、銅又はその合金などの金属であり得る。導電性ワイヤの一端には、導電性ワイヤを導電性レベルコントローラの第1の電極に接続するための磁石又は導電性クリップが設けられ得る。この利点は、これにより、満杯のドレン容器及び満杯の漏洩物受け部両方の検知が可能になることである。これにより、排出物が詰まった場合又はドレン容器が満杯の場合に飲料注出デバイスが注出しないようにすることが可能になる。
【0014】
任意選択的に、第1のアロマバリア又はフィルタは、複数のフィルタ部分を備える。複数のフィルタ部分のそれぞれは、同一組成のものである。この利点は、これにより、フィルタの各部分を別々に交換することが可能になることである。また、取り外しの際、フィルタの各部分の交換のためにフィルタの各部分にアクセス可能であることのみを必要とするので、ファイラ(filer)をハウジングからより容易に取り外すことができる。
【0015】
一例では、フィルタは、ドレンチャネルの一部の周囲に配置され得る。フィルタは、しばしば汚染されているドレンチャネルの端部の周囲に配置されて、ハウジング内のその動作位置に移動させねばならないというのではなく、別個の半部又は部品に取り入れることができる場合、よりも(than)より容易に交換される又は取り外される。
【0016】
任意選択的に、ドレンチャネルは、第2のアロマバリアと流体接続するように構成されている。ドレンチャネル内部の流体は、この場合、ドレンチャネルと流体接続しているとも考えられることは理解されよう。この利点は、ドレンチャネルを通じた臭気の移動が防止されることである。
【0017】
任意選択的に、第1のアロマバリア又はフィルタは、ドレン容器のヘッドスペースとドレン容器の外側の気体雰囲気との間の圧力差を緩和するための、抵抗が最も小さい経路として提供される。第2のアロマバリアが存在しない場合、これにより、ドレンチャネルを通じた臭気及び微生物の移動が低減された状態でドレン容器と漏洩物受け部との間の開放接続が可能になることが利点である。特に、小規模オフィスでは、コーヒーマシンが休日期間中ずっと使用されないことが考えられる。このような期間中、サイフォン内の液体などの第2のアロマバリアは、ドレンチャネル内に組み込まれる場合、干上がり、効果がなくなることが考えられる。この場合、利点は、長い不使用期間においても衛生状態を維持できることである。
【0018】
第2のアロマバリアの場合、第2のアロマバリアに影響を及ぼすことなく、第1のアロマバリア又はフィルタによってドレン容器と周囲環境との間の圧力差自体を均一化することができることが利点である。第1のアロマバリアと第2のアロマバリアとを併用することで、各バリアの有効性を更に高める。加えて、第2のアロマバリアを通る気体の泡立ちが防止される。これにより、騒音及び臭気が低減される。
【0019】
任意選択的に、第1のアロマバリアを形成するフィルタはこのため、低空気抵抗カーボンフィルタとして提供され得る。これは、調理場のフードに使用されるような活性炭フィルタの名称である。
【0020】
任意選択的に、保持された液体によって第2のアロマバリアがサイフォン形状に形成されるように、ドレンチャネルの一部には、サイフォン形状が設けられる又はサイフォン形状として提供される。この利点は、第2のアロマバリアを、より最近に注出された液体によって新しくすることができることである。
【0021】
任意選択的に、アロマバリアは吸着フィルタとして提供される。この利点は、このようにして、揮発性成分が保持され、フィルタとともに除去され得ることである。加えて更に、フィルタは再利用のために再生されてもよい。
【0022】
任意選択的に、第1のアロマバリアはカーボンフィルタである。カーボンフィルタは活性炭フィルタであることは理解されよう。この利点は、活性炭フィルタが、戸棚など閉鎖空間内の温暖かつ高湿度の条件であっても揮発性成分を濾過するための機能を維持することである。
【0023】
任意選択的に、ドレンコネクタユニットは、ハウジングとドレン容器の開口部との間に気密シールを設けるためのユニオンナットを備える。この利点は、これにより、ドレン容器内の気体が周囲環境に漏れることが防止されることである。
【0024】
任意選択的に、ユニオンナットは、ハウジングの周囲に沿ったスカートとして設けられるねじ込みキャップ型ユニオンナットであり、ドレン容器のねじ山付き開口部に係合するように構成されている。この利点は、これにより、ドレン容器にドレンコネクタユニットを急速かつ直感的に手動で位置決め及び締結することが可能になることである。
【0025】
任意選択的に、ドレンコネクタユニットは、ドレン容器の開口部と協働して、ハウジングを定位置に保持するように構成された保持要素を備える。保持要素は保持リングであり得る。これにより、ドレン容器からドレンコネクタユニットが、いずれかが移動又は変位されたときに、偶発的に分離されることが防止される。ユニオンナットと協働して、保持要素は、ユニオンナットが忘れられたときのためのフェイルセーフを提供することができる。
【0026】
任意選択的に、ドレンチャネルは5~10mmの内径を有する。この利点は、これにより、第2のアロマバリアを形成することになる任意の液体以外の液体がドレンチャネル内に留まったままにならないように、毛管活性を阻止することである。これにより、ドレンチャネル内の細菌の移動を阻止する。加えて、内径は、ドレンチャネル内を流れる液体が層流であり、また、泡が流れに逆らってドレンチャネル内を移動するのを阻止するようなものである。これは、排出を比較的静かにする。
【0027】
好ましくは、ドレンチャネルは7.5~8.5mmの内径を有する。この利点は、この直径により、カップ満杯のコーヒーなどのより大きな体積の液体の静かな、ほぼ瞬時の排出が可能になることである。これにより、漏洩物受け部内にこぼれた液体が泡立つこと又は一時的に留まることによる溢れ又は騒音の問題なしに、ユーザがコーヒーをこぼすことが可能になる。
【0028】
任意選択的に、第1のアロマバリア又はフィルタには中心穴が設けられ、この中心穴を通って、ドレンチャネル及び流体レベルセンサの一部が延びている。この利点は、流体センサ部分に沿って通過していたはずの又はドレンチャネルを迂回していたはずの排出気体がアロマバリア又はフィルタに常に遭遇することである。結果として得られるドレンコネクタは気体漏れに対処するのにより適しており、更に、その構造はより小型である。これにより、ドレンコネクタはより小型化し、その減少した大きさのおかげで、より容易に取り扱うことが可能になる。
【0029】
任意選択的に、第1のアロマバリア又はフィルタは、5~20cmの体積を有するディスクを形成する。
【0030】
任意選択的に、第1のアロマバリア又はフィルタは、14~15cmの体積を有するディスクを形成する。
【0031】
任意選択的に、第1のアロマバリア又はフィルタはディスクを形成し、ディスクには、ドレンチャネルを収容する又は案内するための凹部が設けられている。凹部は中心穴を形成することができること、又は凹部はディスクの表面に沿って伸張させることができることは理解されよう。この利点は、これにより、ハウジング内のドレンチャネルの締め付けを防止することである。
【0032】
任意選択的に、ハウジングは、相互接続可能な第1及び第2の射出成形ハウジング部分を備える。これにより、ドレンコネクタの組み立て、解体を容易にし、ハウジング内部の構成要素へのアクセスを容易にすることができる。
【0033】
任意選択的に、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とは、ハウジングの長手方向中心軸線に沿って対称である。この利点は、ユーザがドレンコネクタの形状を容易に予測することができることであり、これにより接続自体及び取り扱いが容易になる。
【0034】
任意選択的に、ドレンコネクタユニットは保護スリーブを備える。保護スリーブは、ハウジングと漏洩物受け部との間で伸張するドレンチャネルの少なくとも一部を保護するように構成されている。保護スリーブの利点はまた、ドレンチャネルのあらゆる漏れを、保護スリーブとドレンチャネルとの間に存在する更なる空間に閉じ込めることである。
【0035】
本発明の更なる態様によれば、飲料注出デバイスの液体廃棄物を排出するための排出アセンブリが提供される。アセンブリは、漏洩物受け部を有する飲料注出デバイスを備える。アセンブリは、ドレン容器を更に備える。アセンブリは、ドレンコネクタユニットも更に備える。ドレンコネクタユニットは、ドレン容器の開口部と協働して、飲料注出デバイスから排出物を回収するためのハウジングを備える。ドレンコネクタユニットは、ハウジング内に延び、流体を、ドレンチャネルを通して注出デバイスの漏洩物受け部からドレン容器に案内するドレンチャネルを更に備える。加えて、ドレンコネクタユニットは、ハウジングの第1の開口部と第2の開口部との間にある第1のアロマバリアを備える。第1の開口部は、ドレン容器のヘッドスペースと相互作用するように構成されており、第2の開口部は、ドレン容器の外側の気体雰囲気と相互作用するように構成されている。
【0036】
任意選択的に、排出アセンブリには、本発明の第1の態様によるドレンコネクタが設けられている。
【0037】
本発明の更なる有利な態様は、添付の説明から、及び添付の図面を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】排出アセンブリの概略図である。
図2】排出コネクタユニットの部分側面図である。
図3】排出コネクタユニットの分解図である。
図4】排出コネクタの部分底面図である。
図5】排出コネクタの部分上面図である。
図6】排出コネクタユニットの別の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1に、漏洩物受け部5が接続された飲料注出デバイス3を有する注出及び排出アセンブリ1が示される。この例の飲料注出デバイス3はコーヒーマシンである。溢れた流体は漏洩物受け部5内に回収される。漏洩物受け部5は、既知のコーヒーマシンに一般に存在するような漏れ防止トレイである。漏洩物受け部5は、ここでは、単一の溢れた飲料、又は最良でも非常に限られた数の飲料溢出物のいずれかを保持することができる限られた流体容量を提供する。漏洩物受け部5には、漏洩物受け部5内のセンサとして、漏洩物受け部5内に第1及び第2のプローブ電極9、11を有する導電性レベルコントローラ7が設けられている。飲料注出デバイス3が排出アセンブリ1の一部ではない場合、導電性レベルコントローラ7は満杯の漏洩物受け部5を検知するように構成されており、満杯の漏洩物受け部5が検知された場合に注出を阻止するために、注出デバイス3に通信可能に接続されている。ドレンコネクタユニット13は、図2に示されるドレンチャネル15によって漏洩物受け部5に接続されている。ドレンチャネル15は重力下で流体をドレン容器17に誘導し、プラスチックドレンチューブである。ドレン容器17は、ここでは、注出デバイス3とは別個の、戸棚19の内部に保持されたジェリカンである。アセンブリ内において、ドレン容器17は、ねじ山付き口金(図示しないが慣例的)以外の開口部は有しない。飲料注出デバイス3が排出アセンブリ1の一部である場合、液体はドレン容器17に排出されるため、導電性レベルコントローラ7は一般に、満杯の漏洩物受け部5を検知するためには使用されない。したがって、漏洩物受け部は満杯にならない。しかしながら、この例外は、ドレンチャネル15が詰まった場合など、漏洩物受け部5の排出が妨げられる任意の状況であることは理解されよう。
【0040】
図2に、ドレンコネクタユニット13の部分側面図が示される。ここでは、ねじ込みキャップ型ユニオンナット21が示され得る。ユニオンナット21はハウジング23を縁取り、これを取り囲む。ユニオンナット21はハウジング23の所定の部分の周りを自由に回転可能である。アセンブリ1において、ユニオンナット21はジェリカン17の口金に係合して、ハウジング23と口金との間に気密シールを提供する。これはゴム又はエラストマーシールリング24によって容易になる。口金はまた、ドレン容器17の開口部を形成する。この例では、ドレンチャネル15は、漏洩物受け部5の一部であるドレンノズル(図示しないが慣例的)などのドレンユニットに直接接続されている。ドレンチャネル15はその接続端部がドレンノズルの周囲に嵌合され、タイラップ等で固定されている。
【0041】
図3に、ドレンコネクタユニット13の分解図が示される。ここでは、ハウジング23が第1及び第2の軸対称ハウジング半部23.1、23.2を備えることが分かる。第1のハウジング半部と第2のハウジング半部とは、ねじなどの締結手段によって互いに締結され得る。ハウジング半部23.1とハウジング半部23.2とは、ハウジング半部23.1とハウジング半部23.2との間に気密シールを確立するために締結される。ハウジング23は、対称なハウジング半部のそれぞれに第1の開口部25及び第2の開口部27を有する。アセンブリ1において、第1の開口部25はドレン容器17と流体連通しており、第2の開口部27は戸棚19の内部の空気と流体連通している。第1の開口部25と第2の開口部27との間にはアロマフィルタ29がある。アロマフィルタは2つの対称部分29.1、29.2を有し、これらはハウジング半部23.1、23.2のそれぞれに存在する。フィルタ29はその全体がディスクを形成し、その中心に中心穴穴を有する。ドレンチャネル15は、ハウジング23の第3の開口部31から第4の開口部33まで、フィルタ29の中心穴を通って延びる。ハウジングは、流体レベルセンサ35の第1及び第2の電極37.1、37.2を収容する。電極37.1、37.2のそれぞれに導電ケーブル(図示しないが慣例的)が導電接続され、このケーブルはその端部を除いて、その長さにわたり電気的に絶縁される。導電ケーブルのそれぞれは、ドレンチャネル15に沿って漏洩物受け部5まで延びる。導電ケーブルのそれぞれは、金属クリップ又は同様の電気接続手段によって、異なるプローブ電極9、11に接続される。これにより、第1及び第2の電極37.1、37.2は、飲料注出デバイス3のプローブ電極9、11の導電性延長部を形成する。これにより、導電性レベルコントローラ7は、満杯のドレン容器17を満杯の漏洩物受け部5であるかのように検知するように構成されている。導電性レベルコントローラ7は、ドレン容器17が満杯であることが検知されると注出デバイス3がそれ以上注出しないようにする。
【0042】
図4では、排出コネクタユニット13の部分底面図が示される。ユニオンナット21並びに第1及び第2の電極37.1、37.2は明確にするために削除されていることに留意されたい。第1の開口部25はドレンチャネル15と同心である。第1の開口部25及び第2の開口部27は、この例とは異なり、複数のサブ開口部が存在するハウジングの領域としても理解され得ることは理解されよう。
【0043】
図5では、排出コネクタユニット13の部分頂面図が示される。導電ケーブルは明確にするために削除されていることに留意されたい。しかしながら、導電ケーブルは、保護スリーブ39内部のドレンチャネル15に沿って延びる。保護スリーブ39は、ハーモニカ形状(harmonica profile)を有するフレキシブルプラスチックチューブである。また、第1の開口部25はアロマフィルタ29を介して、保護スリーブ39とドレンチャネル15との間に形成された長尺状の通路と連通する。これにより、保護スリーブ39を所望のとおりに短縮及び延長し、ドレンチャネルをその全長に沿って被覆することを可能にする。
【0044】
図6では、排出コネクタユニット13の部分側面図が示される。ここでは、ドレンチャネル15を湾曲させてサイフォン41を形成している。ドレンチャネルの湾曲は、ケーブルバインダ、タイラップ、チューブクランプなどの固定要素45によって維持される。スリーブ39がサイフォン41に沿って延びることも可能である。そのような場合、固定要素は、スリーブを湾曲形状で固定する。ここでは、使用中、液体廃棄物がドレンチャネル15内に第2のアロマバリア43を形成する。
【0045】
したがって、飲料注出デバイスの液体廃棄物を排出するための、注出及び排出アセンブリ1並びに排出コネクタユニット13が開示される。アセンブリ1は、漏洩物受け部5を有する飲料注出デバイス3と、ドレン容器17と、ドレンコネクタユニット13と、を備える。ドレンコネクタユニット13は、ドレン容器の開口部と協働して、注出デバイスから液体廃棄物を回収するためのハウジング23を備える。加えて、ドレンコネクタユニット13はドレンチャネル15を備える。ドレンチャネル15はハウジング23内に延び、液体廃棄物を、ドレンチャネル15を通して注出デバイス3の漏洩物受け部5からドレン容器17に案内する。ドレンコネクタユニット13は更に、少なくとも、ハウジング23の第1の開口部25と第2の開口部27との間にある第1のアロマバリア29も備える。第1の開口部25は、ドレン容器17のヘッドスペースと相互作用するように構成されており、第2の開口部27は、ドレン容器17の外側の気体雰囲気と相互作用するように構成されている。
【0046】
したがって、本発明の動作及び構造は、前述の説明及びこれに添付図面から明らかになると考えられる。明瞭性及び簡潔な説明を目的として、本明細書では、記載した特徴について同じ又は別個の実施形態の一部として説明するが、本発明の範囲は、記載した特徴の全部又は一部の組み合わせを含み得ることが理解される。本発明が本明細書に記載されているいかなる実施形態にも限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲内であると考えられ得る修正が可能であることは当業者には明らかであろう。また、運動学的反転は本質的に開示されており、本発明の範囲内であり得ると考えられる。特許請求の範囲では、いかなる参照符号も、請求項を限定するものとして解釈されない。用語「備える(comprising)」及び「含む(including)」は、本明細書又は添付の特許請求の範囲で使用される場合、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではなく、むしろ包括的な意味で解釈されるべきである。したがって、本明細書で使用する場合、「含む(including)」又は「備える(comprising)」の表現は、列挙したものに加えて、他の要素、追加の構造、又は追加の行為若しくは工程の存在を除外しない。更に、単語「1つの(「a」及び「an」)は、「ただ1つ(only one)に限定するものと解釈されず、「少なくとも1つ(at least one)」を意味するために使用され、複数を除外しない。具体的に若しくは明示的に記載又は特許請求されない特徴も、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構造に含まれてよい。「~するための手段(means for...)」などの表現は、「~するように構成された構成要素(component configured for...)」又は「~するように構築された部材(member constructed to...)」と解釈すべきであり、開示される構造の均等物を含むものと解釈すべきである。「重要な(critical)」、「好ましい(preferred)」、「特に好ましい(especially preferred)」等のような表現の使用は、本発明を限定することを意図するものではない。これらは、構造、材料、又は行為が必須であると考えられる程度に、そのように明示的に示される。当業者の意図の範囲内での追加、削除、及び修正は、一般に、特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6