(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】効果を提供するための布地処理組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
D06M 15/263 20060101AFI20220704BHJP
D06M 13/00 20060101ALI20220704BHJP
D06M 15/03 20060101ALI20220704BHJP
D06M 15/643 20060101ALI20220704BHJP
D06M 15/05 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
D06M15/263
D06M13/00
D06M15/03
D06M15/643
D06M15/05
(21)【出願番号】P 2019540316
(86)(22)【出願日】2017-11-14
(86)【国際出願番号】 US2017061493
(87)【国際公開番号】W WO2018093758
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2019-04-10
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】オニール、ジュリー・アン
(72)【発明者】
【氏名】フォッサム、ルネ・ダイアナ
(72)【発明者】
【氏名】フォンセカ、グレディソン
(72)【発明者】
【氏名】フローレス-フィゲロ、アーロン
【審査官】橋本 有佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-285737(JP,A)
【文献】国際公開第2015/130872(WO,A1)
【文献】特表2005-528538(JP,A)
【文献】特表2014-505799(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01375633(EP,A1)
【文献】特表2010-529269(JP,A)
【文献】特開昭59-065098(JP,A)
【文献】国際公開第2007/033731(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 15/263
D06M 13/00
D06M 15/03
D06M 15/643
D06M 15/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地処理組成物であって、前記組成物
の5重量%~15重量
%のカチオン性ポリマーと、前記組成物の0.1重量%~20重量%の香料と、前記組成物の1重量%~20重量%の界面活性剤系とを含み、前記界面活性剤系は、前記界面活性剤系の少なくとも60重量%のアルキルポリグルコシドを含み、前記組成物は、前記組成物の5重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む、布地処理組成物。
【請求項2】
前記カチオン性ポリマーが、カチオン性セルロース、カチオン性グアー、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリロアミドプロピル-ペンタメチル-1,3-プロピレン-2-オール-アンモニウムジクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-co-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(エチルメタクリレート-co-オレイルメタクリレート-co-ジエチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(エチルメタクリレート-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メチルアクリルアミド-co-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メタクリレート-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ビニルピロリドン-co-アクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-メタクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリエチレンイミン(及びその四級化誘導体を含む)、並びにこれらの混合物、からなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1に記載の布地処理組成物。
【請求項3】
前記カチオン性ポリマーが、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)である、請求項1に記載の布地処理組成物。
【請求項4】
前記カチオン性ポリマーが、2~8のpHで、0超~6meq/gのカチオン電荷密度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の布地処理組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーが、15,000~600,000ダルトン、好ましくは20,000~550,000ダルトン、より好ましくは50,000~500,000ダルトン、更に好ましくは100,000~500,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の布地処理組成物。
【請求項6】
前記香料が、メロナール、ジヒドロミルセノール、フレスコメント、テトラヒドロリナロール、リナロール、アニスアルデヒド、シトロネロール、β-イオノン、α-イオノン、ゲラニオール、δ-ダマスコン、チオ-ダマスコン、ブルゲオナール、サイマール、α-ダマスコン、エチルリナロール、リリアール、イオノンガンマメチル、ヘリオナール、カシュメラン、バニリン、アミルサリチレート、エチルバニリン、カロン、イソEスーパー、ヘキシルサリチレート、ガラクソリド、ネクタリル、ベンジルサリチレート、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート、β-ダマセノン、ジヒドロ-β-イオノン、リグストラール、トリプラール、β-ナフトールメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される原料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の布地処理組成物。
【請求項7】
前記組成物が、前記組成物の2重量%~15重量%、好ましくは、2重量%~8重量%の前記界面活性剤系を含み、前記界面活性剤系がアニオン性界面活性剤を実質的に含まない、請求項1~6のいずれか一項に記載の布地処理組成物。
【請求項8】
前記アルキルポリグルコシドのアルキル基が、平均して8~18個の炭素原子を含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の布地処理組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記組成物の0.01重量%~1重量%、好ましくは、0.05重量%~0.5重量%、より好ましくは、0.1重量%~0.5重量%の抑泡剤を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の布地処理組成物。
【請求項10】
前記抑泡剤がシリコーン系である、請求項9に記載の布地処理組成物。
【請求項11】
前記組成物が、前記組成物の0.03重量%~1重量%、好ましくは0.06重量%~1重量%の外部構造化系を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の布地処理組成物。
【請求項12】
前記外部構造化系が、植物又は木質由来のミクロフィブリル化セルロースを含み、植物由来の前記ミクロフィブリル化セルロースが、甜菜、チコリ根、食物表皮、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項11に記載の布地処理組成物。
【請求項13】
布地の処理方法であって、布地を請求項1~12のいずれか一項に記載の布地処理組成物と接触させる工程を含む、方法。
【請求項14】
前記布地を請求項1~12のいずれか一項に記載の布地処理組成物と接触させる工程の前に、前記布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程を更に含む、請求項13に記載の布地の処理方法。
【請求項15】
前記布地を有効量の柔軟剤組成物と接触させる工程を更に含み、前記柔軟剤組成物が布地柔軟化活性物質(FSA)を含む、請求項13に記載の布地の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、布地処理組成物及びこれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、衣類を洗浄する際、それがきれいになることを望んでいるだけでなく、布地が柔軟に感じられ、爽やかに匂っており、また初期の外観を同じく維持していることによって、新品のときのようになることを望んでいる。従来の洗剤は、望ましい洗浄及び染み除去効果を提供するが、洗浄された布地は、典型的には、消費者が堪能する「柔軟な感触」の効果を欠いている。洗浄された布地は、洗浄後に退色又はその元の強度がいくらか失われてしまうため、購入後の初期の外観がいくらか失われる場合がある。消費者は、柔軟性及び爽やかさの効果を得るために、典型的には、布地柔軟剤を洗濯処方に添加する。布地柔軟剤は、すすぎサイクルを経て、柔軟な感触を提供することが知られている。しかし、布地柔軟化活性物質は、時間の経過とともに、布地上に蓄積していくことがある。この蓄積は、布地に望ましくない重たい感触をもたらす可能性があり、又は白色度の低下につながる可能性がある。
【0003】
新しい布地の色は、洗浄プロセス中に生じる布地の磨耗が原因で、洗濯後に退色して又はくすんで見える場合がある。この摩耗による傷みは、繊維の緩みをもたらし、フィブリル化又は毛羽立ちを起こす。繊維の突出又はフィブリル化は、光を散乱させ、色度低下の光学的影響を与える場合がある。傷んだ布地の色を維持又は改善するための1つの方法は、コアセルベートを介してカチオン性ポリマー及びアニオン性界面活性剤から形成される、非水溶性の疎水性粒子によるものである。これらの疎水性粒子は、布地表面上に付着することで摩耗を防止し、更には、傷んだ布地上の繊維又はフィブリルを元に戻すことができる。繊維又はフィブリルを元に戻すことは、糸を滑らかにし、布地表面から突出する繊維又はフィブリルの数を低減すると考えられる。結果として、布地からの光散乱が減少し、消費者は、より強い色を知覚できる。
【0004】
洗浄添加組成物においては、カチオン性ポリマー及びアニオン性界面活性剤を組み合わせる組成物が報告されてきた。しかし、洗浄に必要なアニオン性界面活性剤が、カチオン性ポリマーとコアセルベートを形成し、洗浄プロセス中に形成されたそのコアセルベートが、衣類から除去された汚れを再付着させることがあるため、カチオン性ポリマーが洗浄を阻害し得ることが、これらの洗浄添加組成物の問題となっている。これらの問題に対する解決策は、洗浄プロセスにおけるすすぎサイクル中にカチオン性ポリマーを添加し、すすぎ水中のアニオン性界面活性剤のキャリーオーバーを利用することであるが、アニオン性界面活性剤のキャリーオーバーレベルは低い。驚くべきことに、すすぎ液中のアニオン性キャリーオーバーを超える高濃度のカチオン性ポリマーは、布地に望ましい外観の効果をもたらし得ることが見出された。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、過剰なカチオン性ポリマーは、乾燥時に粘着相を経る際、繊維又はフィブリルを元に戻すことができると考えられる。
【0005】
外観、柔軟性、及び爽やかさの効果を提供する組成物の配合は、製造業者にとって困難である。香料などの爽やかさ付与剤を利用し、高濃度のカチオン性ポリマーなどの外観効果剤を単に乳化すると、相分離又は安定性の問題を引き起こす場合がある。エマルジョンを安定化するために、製造業者は、アニオン性界面活性剤を組成物に添加してもよい。しかし、アニオン性界面活性剤及びカチオン性ポリマーは、ボトル内で複合体又は沈殿物を容易に形成し得ることが見出されている。この複合体又は沈殿物は、組成物のレオロジーを増加させることがあり、消費者が注ぎにくくなるか、又は相分離によって均一に分配させにくくなるため、消費者にとって望ましくない。更に、ボトル内で形成された複合体又は沈殿物は、衣類に付着せず、むしろすすぎ落されることができる。効果剤がすすぎで失われてしまうことにより、効果剤の使用が非効率的になる。製造業者は、アニオン性界面活性剤を使用してエマルジョンを安定化するのではなく、ノニオン性界面活性剤を使用してもよい。しかし、多くのノニオン性界面活性剤は、供給網及び流通網に関わる広範な温度において、組成物の相安定性を維持できない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、衣類の柔軟性及び爽やかさの効果を提供することに加え、その外観を維持又は更に改善する効果も提供する、単一のすすぎ添加製品を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
布地処理組成物であって、組成物の約2.5重量%~約20重量%のカチオン性ポリマーと、組成物の約0.1重量%~約20重量%の香料と、界面活性剤系とを含み、当該界面活性剤系は、アルキルポリグルコシドを含み、当該組成物は、当該組成物の5重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、布地処理組成物に関するものであり、この組成物は組成物の約2.5重量%~約20重量%のカチオン性ポリマーと、約0.1%~約20%の香料と、界面活性剤系とを含み、当該界面活性剤系は、アルキルポリグルコシドを含み、当該組成物は、当該組成物の5重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む。本開示の布地処理組成物は、すすぎサイクル中に使用して、柔軟性及び爽やかさの効果をもたらすことができ、また衣類の外観を維持するか、又は更に改善することができる。これらの効果は、特定のカチオン性付着ポリマー、特定の香料系、及び特定の界面活性剤系を選択することによって提供できる。これらの要素の各々について以下に詳細に記載する。組成物の重量残部は水によってもよい。
【0009】
カチオン性ポリマー
布地処理組成物は、組成物の約2.5重量%~約20重量%のカチオン性ポリマーを含んでもよい。布地処理組成物は、組成物の約5重量%~約15重量%のカチオン性ポリマーを含んでもよい。布地処理組成物は、組成物の約7重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーを含んでもよい。「カチオン性ポリマー」は、約2~約7のpHで正味カチオン電荷を有するポリマーを意味し得る。
【0010】
カチオン性ポリマーは、カチオン性セルロース、カチオン性グアー、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリロアミドプロピル-ペンタメチル-1,3-プロピレン-2-オール-アンモニウムジクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-co-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(エチルメタクリレート-co-オレイルメタクリレート-co-ジエチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(エチルメタクリレート-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メチルアクリルアミド-co-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メタクリレート-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ビニルピロリドン-co-アクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-メタクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリエチレンイミン(及びその四級化誘導体を含む)、並びにこれらの混合物、からなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0011】
カチオン性ポリマーは、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(メチルアクリルアミド-co-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ビニルピロリドン-co-アクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-メタクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、並びにこれらの混合物、からなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0012】
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、直前の群から選択されるポリマーは、例えば布地の湿潤感及び/又はべたつき感などの、布地の湿潤感又は乾燥した感触に悪影響を与えることなく、色再生及び維持の効果を提供する、効果を提供できる。直前のリストからなる群から選択されるカチオン性ポリマーは、一般的に、約15,000~約600,000ダルトンの重量平均分子量を有する。
【0013】
カチオン性ポリマーは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)を含んでもよい。ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)の使用は、優れた色再生及び維持効果を提供し得る。ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)は、約450,000ダルトンの重量平均分子量を有する。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)は、外部のアニオン性界面活性剤及び/又はカチオン性界面活性剤供給源と接触するように配置されると、例えば布地の湿潤感及び/又はべたつき感などの、布地の湿潤感又は乾燥した感触に悪影響を与えることなく、布地に色再生及び維持の効果を提供し得る、望ましいレオロジー、粒径及び熱特性を有し得る、分離相を形成し得ると考えられる。
【0014】
本開示のカチオン性ポリマーは、計算されたカチオン密度によって特徴付けることができる。カチオン性ポリマーは、約2~約8のpHで計算されるとき、0超~約6meq/gのカチオン電荷密度を有し得る。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、約2~約8のpHで計算されるとき、0超~約6meq/gのカチオン電荷密度を有する本開示のカチオン性ポリマーは、エマルジョンを生成するために香料などの他の成分と共に組成物に添加されるとき、ポリマーの安定性を維持することができると考えられる。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、カチオン電荷密度が高すぎるカチオン性ポリマーの粘度は、配合の困難をもたらすことから、約2~約8のpHで約6meq/gのカチオン電荷密度の上限が望ましい場合があると考えられる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「カチオン電荷密度」(CCD)という用語は、ポリマー1グラム当たりに存在する正味正電荷の量を意味する。CCD(ポリマー1グラム当たりの電荷の当量単位)は、下記の等式:
【0016】
【数1】
[式中、Qc及びQaはそれぞれ、カチオン性、ノニオン性及びアニオン性の繰り返し単位(存在する場合)の電荷のモル当量であり、mol%c、mol%n、及びmol%aはそれぞれ、カチオン性、ノニオン性、及びアニオン性の繰り返し単位(存在する場合)のモル比であり、MWc、MWn、及びMWaはそれぞれ、カチオン性、ノニオン性、及びアニオン性の繰り返し単位(存在する場合)の分子量である。]に従って計算することができる。1グラム当たりの電荷の当量を、1グラム当たりの電荷のミリ当量(meq/g)に換算するには、当量に1000を掛ける。ポリマーが、複数のタイプのカチオン性の繰り返し単位、複数のタイプのノニオン性の繰り返し単位、及び/又は複数のタイプのアニオン性の繰り返し単位を含む場合は、それに従って等式を調節することができる。本明細書で使用するとき、「mol%」とは、ポリマー中の特定のモノマー構造単位の相対モル比率(%)を指す。本開示の意味の範囲内では、カチオン性ポリマー中に存在する全てのモノマー構造単位の相対モル比率の総和は100mol%となる点が理解されよう。
【0017】
例として、カチオン性ホモポリマー(モル比=100%又は1.00)のモノマー分子量が161.67g/molの場合、CCDは、次のように計算される:ポリマー電荷密度=(1)×(1.00)/(161.67)×1000=6.19meq/g。分子量161.67のカチオン性モノマーと、分子量71.079の中性コモノマーとを、モル比1:1で有するコポリマーは、(1×0.50)/[(0.50×161.67)+(0.50×71.079)]×1000=4.3meq/gとして計算される。分子量161.67のカチオン性モノマーと、分子量71.079の中性コモノマーと、中和された分子量94.04g/molのアニオン性コモノマーとを、モル比80.8:15.4:3.8で有するターポリマーは、CCD5.3meq/gを有する。
【0018】
カチオン性ポリマーは、約15,000ダルトン~約600,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。カチオン性ポリマーは、約20,000ダルトン~約550,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。カチオン性ポリマーは、約50,000ダルトン~約500,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。カチオン性ポリマーは、約100,000ダルトン~約500,000ダルトンの重量平均分子量を有し得る。重量平均分子量は、RI検出を利用しポリエチレンオキシド標準試薬に対するサイズ排除クロマトグラフィーによって決定することができる。本明細書で使用するとき、「分子量」という用語は、ポリマー組成物中のポリマー鎖の重量平均分子量を指す。更に、本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」(「Mw」)は、以下の等式:
【0019】
【数2】
[式中、Niは、分子量Miを有する分子の数である。]を用いて計算される。
【0020】
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、約15,000~約600,000ダルトンの重量平均分子量を有するカチオン性ポリマーは、布地に色再生の効果をもたらし得ると考えられる。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、15,000ダルトン未満の重量平均分子量を有する水溶性カチオン性ポリマーは、約15,000ダルトン以上の重量平均分子量を有する本開示の水溶性カチオン性ポリマーと比較して、布地上に容易に付着することができないと考えられる。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、600,000ダルトン超の重量平均分子量を有する本開示の水溶性カチオン性ポリマーは、望ましくない蓄積をもたらし得ると考えられ、これは、高分子量ポリマーのより高いレオロジーに起因して、例えば、湿潤感及び/又はべたつき感を布地上に生じ得る。
【0021】
1つの態様では、カチオン性ポリマーは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)であってもよく、約450,000ダルトンの重量平均分子量を有してもよい。
【0022】
カチオン性ポリマーは、ポリマー全体が周囲条件下で中性になるように電荷中和アニオンを含んでもよい。好適な対イオンとしては、(使用中に生成したアニオン種の他に)クロライド、ブロバイド、サルフェート、メチルサルフェート、スルホネート、メチルスルホネート、カーボネート、バイカーボネート、ホルメート、アセテート、シトレート、ナイトレート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0023】
1つの態様では、カチオン性ポリマーは、0.01モル%未満の架橋剤を含んでもよい。
【0024】
香料及び香料送達技術
布地処理組成物は、組成物の約0.1重量%~約20重量%の香料を含んでもよい。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、カプセル化香料は、布地上に付着した後、破裂することによって香料の放出を改善することにより、布地処理履歴を強化することができ、より強い香り強度及び認識性をもたらす。本組成物及びプロセスにおいて有用な香料成分は、アルデヒド、ケトン、エステル等をはじめとするが、これらに限定されない多種多様の天然及び合成化学成分を含む。オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、サンダルウッド油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含んでもよい、様々な天然の抽出物及びエキスも挙げられる。仕上げた香料は、そのような成分の複雑な混合物を含んでもよい。布地処理組成物は、約3以下のClogPを有する香料原料を含んでもよい。
【0025】
布地処理組成物は、メロナール、ジヒドロミルセノール、フレスコメント、テトラヒドロリナロール、リナロール、アニスアルデヒド、シトロネロール、β-イオノン、α-イオノン、ゲラニオール、δ-ダマスコン、チオ-ダマスコン、ブルゲオナール、サイマール、α-ダマスコン、エチルリナロール、リリアール、イオノンガンマメチル、ヘリオナール、カシュメラン、バニリン、アミルサリチレート、エチルバニリン、カロン、イソEスーパー、ヘキシルサリチレート、ガラクソリド、ネクタリル、ベンジルサリチレート、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート、β-ダマセノン、ジヒドロ-β-イオノン、リグストラール、トリプラール、β-ナフトールメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群からなる選択される原料を含んでもよい。
【0026】
1つの態様では、布地処理組成物は、例えば、Firmenich(Geneva,Switzerland)製で入手可能なHALOSCENT(登録商標)Dなどの、チオ-ダマスコンを含む香料を含んでもよい。チオ-ダマスコンを含む香料は、布地上に容易に付着できる高効果アコード(HIA)香料成分の送達によって、持続的な香料放出を提供でき得る。
【0027】
本明細書に開示される布地処理組成物は、カプセル化香料、非カプセル化香料、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料を含んでもよい。
【0028】
用語「非カプセル化香料」は、本明細書において最も広い意味で使用され、遊離香料成分を含む組成物を意味し得るものであり、遊離香料成分は、香料担体に吸収されてもおらず(例えば、ゼオライト又は粘土又はシクロデキストリンに吸収されてもおらず)、封入されてもいない(例えば、香料封入体内に)。非カプセル化香料成分はまた、プロ香料を含んでもよく、ただし、プロ香料は、吸収も封入もされていない。好適な香料成分の非限定的な例としては、ブルーミング香料、香油、並びにアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリルアルケン、及びこれらの混合物を含む、香料の原料が挙げられる。本開示の製品において有用であり得るブルーミング香料成分の非限定的な例は、米国特許公開第2005/0192207(A1)号に記載されている。
【0029】
用語「カプセル化香料」は、本明細書においては最も広い意味で使用され、典型的には、約100マイクロメートル未満の直径を有する小さいカプセル(すなわち、封入体)への香料又は他の材料若しくは活性物質の封入を含んでもよい。これらの封入体は、典型的にはポリマー材料であり、香料などの活性物質が内部に含まれる、非水溶性又は少なくとも部分的に非水溶性の材料を含む、球形の中空の外殻を含んでもよい。
【0030】
カプセル化香料は、少なくとも部分的にコアを包むことができる殻を有してもよい。殻は、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、アクリル、アミノプラスト、ポリオレフィン、多糖類、例えば、アルギネート及び/若しくはキトサン、ゼラチン、セラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、非水溶性無機材料、シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択される殻材を含むことができる。殻材は、アミノプラスト、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0031】
殻材はアミノプラストを含んでもよい。アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン及び/又はポリ尿素/ウレタンを含んでもよい。アミノプラストは、アミノプラストコポリマー、例えば、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、及びこれらの混合物を含んでもよい。殻材は、メラミンホルムアルデヒドを含んでもよく、殻は、下記に述べるようなコーティングを更に含んでもよい。カプセル化香料は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む殻とを、有してもよい。カプセル化香料は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒド、ポリ(アクリル酸)及びポリ(アクリル酸-co-ブチルアクリレート)を含む殻とを、有してもよい。
【0032】
カプセル化香料の外側の膜は、コーティングを有してもよい。特定のコーティングは、布地などの対象面上へのカプセル化香料の付着を向上させ得る。カプセル化香料の、コーティングと膜との重量比は、約1:200~約1:2、又は約1:100~約1:4、又は更には約1:80~約1:10であってもよい。
【0033】
コーティングは、効能ポリマーを含んでもよい。コーティングは、カチオン性効率ポリマーを含んでもよい。カチオン性ポリマーは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。コーティングは、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0034】
コーティングは、ポリビニルホルムアミドを含んでもよい。ポリビニルホルムアミドは、約5%~約95%、約7%~約60%、又は更には約10%~約40%の加水分解度を有することができる。
【0035】
1つの態様では、香料は殻を有するカプセル化香料であってもよく、殻は、アミノプラストコポリマー、メラミンホルムアルデヒド又は尿素ホルムアルデヒド、又は架橋メラミンホルムアルデヒド、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでよい。1つの態様では、香料は、殻を有するカプセル化香料であってもよく、殻は、メラミンホルムアルデヒド、架橋ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよい。
【0036】
カプセル化香料は、脆砕性の香料封入体を含んでもよい。脆砕性は、外部からの直接的圧力又は剪断力を受けた際に、カプセルが破裂、又は破断して開く傾向を指す。本明細書で開示されたように、カプセルが処理した布地に付着している間、カプセル含有布地が着用又は取り扱いによって扱われるときに遭遇する力によってカプセルが破裂し得る(それによってカプセルの内容物を放出する)場合、カプセルは「脆砕性」である。脆砕性の香料封入体は、布地処理プロセス中にその初期の香りが布地上に容易に付着することを可能にするだけでなく、消費者が衣類を着用している間にその日にわたって、これらの香りの種類を体験することを可能にするので、布地処理組成物での使用に魅力的である。脆砕性香料封入体は、化学的手段(例えば、加水分解)ではなく、機械的手段(例えば、摩擦)によって破裂し、香料を放出する。典型的には、上着を脱ぐ、シャツを脱ぐ、又は靴下を脱ぐ/履くなどの通常の日常的な身体的運動など、構造を破断するための最小破壊圧力が必要である。カプセル化香料として好適な香料封入体の非限定的な例は、以下の参考文献:米国特許第6645479号、同第6200949号、同第4882220号、同第4917920号、同第4514461号、同第4234627号、米国特許公開第2003/215417(A1)号、同第2003/216488(A1)号、同第2003/158344(A1)号、同第2003/165692(A1)号、同第2004/071742(A1)号、同第2004/071746(A1)号、同第2004/072719(A1)号、同第2004/072720(A1)号、同第2003/203829(A1)号、同第2003/195133(A1)号、同第2004/087477(A1)号、同第2004/0106536(A1)号、及び欧州特許公開第1393706(A1)号で入手可能である。香料封入体は、ブルーミング香料の成分を含む、ブルーミング香料組成物を封入してもよい。
【0037】
香料を、エマルジョンとしてカチオン性ポリマーに添加してもよい。
【0038】
界面活性剤系
布地処理組成物は、界面活性剤系を含んでもよい。布地処理組成物は、組成物の約1重量%~約20重量%の界面活性剤系を含んでもよく、界面活性剤系はアニオン性界面活性剤を実質的に含まない。1つの態様では、布地処理組成物は、組成物の約2重量%~約15重量%の界面活性剤系を含んでもよい。1つの態様では、布地処理組成物は、組成物の約2重量%~約8重量%の界面活性剤系を含んでもよい。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、香料がカチオン性ポリマーにエマルジョンとして添加されるとき、香料は、水性高濃度カチオン性ポリマー溶液内で安定であることができない。エマルジョンを安定化するために、界面活性剤系を布地処理組成物に添加してもよい。
【0039】
布地処理組成物は、ノニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも90重量%のノニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも80重量%のノニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも70重量%のノニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも60重量%のノニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも50重量%のノニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも40重量%のノニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の約40重量%~約100重量%のノニオン性界面活性剤を含んでもよく、具体的には、指定された範囲内及びその中に又はそれによって形成される全ての範囲内のものが全て1%刻みで示される。本開示の目的のために、ノニオン性界面活性剤は、親水性及び疎水性部分による分子構造を有する物質として定義され得る。疎水性部分は炭化水素からなり、親水性部分は、強い極性基からなる。本開示のノニオン性界面活性剤は、水に可溶性であり得る。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、ノニオン性界面活性剤は、高度のカチオン性ポリマー布地処理組成物内で香料を乳化し得る。
【0040】
界面活性剤系は、アルキルポリグルコシドを含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも90重量%のアルキルポリグルコシドを含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも80重量%のアルキルポリグルコシドを含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも70重量%のアルキルポリグルコシドを含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも60重量%のアルキルポリグルコシドを含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも50重量%のアルキルポリグルコシドを含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも40重量%のアルキルポリグルコシドを含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の約40重量%~約90重量%のアルキルポリグルコシドを含んでもよく、具体的には、指定された範囲内及びその中に又はそれによって形成される全ての範囲内のものが全て1%刻みで示される。本明細書で使用するとき、界面活性剤系は、一般式R3/4O3/4(CH2CH2O)n3/4Gx[式中、Rは8~18個の炭素原子を有するアルキル基を表し、Gは5~6個の炭素原子を有する糖残基であり、nは0~10の数であり、xは1.2~2.5の数である。]のアルキルポリグルコシドを含んでもよい。1つの態様では、アルキルポリグルコシドのアルキル基は、平均して約8~約18個の炭素原子を含有してもよい。そのようなアルキルポリグルコシドの1つは、BASF(Florham Park,New Jersey,United States)製の商品名GLUCOPON(登録商標)225DKでとして入手可能である。GLUCOPON(登録商標)225DKは、汚れ除去及びエマルジョンの増加のための良好な湿潤、分散、及び表面張力低下特性を有するノニオン性界面活性剤である。GLUCOPON(登録商標)225DKは、他のノニオン性物質とは異なり、濃アルカリ/電解質溶液における可溶性が高く、他の可溶性のより低い成分のためのヒドロトロープとして効果的に作用できる。GLUCOPON(登録商標)225DKの更なる効果は、トウモロコシ由来のグルコース、並びにココナッツ油及びパーム核油由来の脂肪アルコールをはじめとする再生可能原料から作製されることであるが、これに限定されない。GLUCOPON(登録商標)225DKは、マイルドであり、毒性が低く、容易に生分解される。
【0041】
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、アルキルポリグルコシドは、n-アルカン炭化水素により低い界面張力を生じることが可能であり、これらのアルキルポリグルコシド配合物の界面張力は、温度及び塩分濃度の両方にほとんど依存しないと考えられる。したがって、アルキルポリグルコシドは、高度のカチオン性ポリマー布地処理組成物内の香料を乳化し得る一方で、供給網及び流通網に関わる広範な温度において、組成物の相安定性を実現し得る。
【0042】
更に、布地処理組成物は、任意選択的に、アルキルポリグルコシドに加え、ノニオン性界面活性剤を含んでもよい。より好ましくない場合があるこのようなノニオン性界面活性剤には、アルコキシル化化合物、エトキシル化化合物、及び/又は炭水化物化合物がある。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、このようなアルコキシル化化合物、エトキシル化化合物、及び炭水化物化合物は、高度のカチオン性ポリマーを含む布地処理組成物内の香料を乳化し得ると考えられる。しかし、このような化合物は、供給網及び流通網に関わる広範な温度において組成物の相安定性を実現するものではない。
【0043】
布地処理組成物は、カチオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。本明細書で使用するとき、「成分を実質的に含まない」とは、成分が完全に存在しないことか、又は別の成分の不純物若しくは意図しない副生成物としてのみのその最小量のいずれかを指し、その成分の量は組成物中に意図的に組み込まれるものではない。
【0044】
布地処理組成物は、組成物の5重量%未満のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。布地処理組成物は、組成物の1.5重量%未満のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。布地処理組成物は、アニオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。
【0045】
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、布地の色は、洗浄プロセス中に生じる布地と布地との磨耗に起因して、洗濯後に退色又はくすんで見える場合がある。この摩耗による傷みは、繊維の緩みをもたらし、フィブリル化又は毛羽立ちを起こす。突出する繊維又はフィブリルは、光を散乱させ、色度低下の光学的影響を与えることが可能である。傷んだ布地の色を維持又は改善するための1つの方法は、コアセルベートを介してカチオン性ポリマー及びアニオン性界面活性剤から形成される、非水溶性の疎水性粒子によるものである。本明細書で使用するとき、用語「コアセルベート」は、水性環境下でカチオン性ポリマー及びアニオン性界面活性剤の会合によって形成される粒子を意味する。これらの疎水性粒子は、布地表面上に付着することで摩擦を防止し、更には、傷んだ布地上の繊維又はフィブリルを元に戻すことができる。繊維又はフィブリルを元に戻すことは、糸を滑らかにし、これにより布地表面から突出する繊維又はフィブリルの数を低減すると考えられる。結果として、布地からの光散乱が減少し、消費者は、より強い色を知覚できる。
【0046】
コアセルベート形成を介して色の効果を提供することに加えて、すすぎ液中のアニオン性キャリーオーバーを超える高濃度のカチオン性ポリマーは、乾燥時に繊維上で粘着相を経る際、繊維又はフィブリルを元に戻すことによって布地に望ましい外観の効果をもたらす。
【0047】
抑泡剤
布地処理組成物は、組成物の約0.01重量%~約1重量%の抑泡剤を含んでもよい。1つの態様では、布地処理組成物は、組成物の約0.05重量%~約0.5重量%の抑泡剤を含んでもよい。1つの態様では、布地処理組成物は、組成物の約0.1重量%~約0.5重量%の抑泡剤を含んでもよい。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、カチオン性ポリマー及び香料を有する布地処理組成物に添加されるとき、アルキルポリグルコシドは、布地処理組成物を安定化するように作用し得る。しかし、これは、安定した泡又は泡立ちを生じさせ得る。泡又は泡立ちは、完全にすすぐことができず、いくらかの泡又は泡立ちが衣類上に残る場合があるため、洗濯機内のすすぎ添加剤において消費者にとっては望ましくない。したがって、布地処理組成物は、抑泡剤を含んでもよい。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、組成物の約0.05重量%超の抑泡剤を有する組成物は、使用中に製品の発泡を減少させる効果を提供し得ると考えられる。
【0048】
抑泡剤はシリコーン系であってもよい。1つの態様では、布地処理組成物は、組成物の約0.01重量%~約1重量%のオルガノシリコーンを含んでもよい。布地処理組成物は、組成物の約0.05重量%~約0.5重量%のオルガノシリコーンを含んでもよい。布地処理組成物は、組成物の約0.1重量%~約0.5重量%のオルガノシリコーンを含んでもよい。好適なオルガノシリコーンは、Si-O部分を含み、(a)非官能化シロキサンポリマー、(b)官能化シロキサンポリマー、及びそれらの組み合わせから選択することができる。オルガノシリコーンの分子量は、通常、物質の粘度を参照することにより示される。1つの態様では、オルガノシリコーンは、25℃で約10~約2,000,000センチストークスの粘度を含んでよい。1つの態様では、好適なオルガノシリコーンは、25℃で約10~約800,000センチストークスの粘度を有してよい。好適なオルガノシリコーンは、直鎖状であっても、分枝状であっても、又は架橋されていてもよい。1つの態様では、オルガノシリコーンは、直鎖状であり得る。布地処理組成物に使用される従来の抑泡剤系は、ポリジメチルシロキサン及び疎水化シリカに基づくものであってもよい。
【0049】
1つの態様では、オルガノシリコーンは、ジメチコン(及び)トリメチルシロキシシリケート/ジメチコンクロスポリマー(及び)グリセリルステアレート(及びPEG-20ステアレートであってもよい。例としては、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,United States)製の商品名XIAMETER(登録商標)AFE-0020消泡エマルジョンとして入手可能なものが挙げられる。XIAMETER(登録商標)AFE-0020消泡エマルジョンは、低濃度で高効率の抑泡剤かつ消泡剤である。XIAMETER(登録商標)AFE-0020消泡エマルジョンは、本開示の布地処理組成物内などの水性系内に容易に分散される。XIAMETER(登録商標)AFE-0020消泡エマルジョンは、多くの液体洗剤及び液体布地強化剤製品の用途において、泡立ちを抑制し、消泡するために一般的に使用されている。
【0050】
構造化系
本開示の布地処理組成物は、外部構造化系を含んでもよい。外部構造化剤は、組成物中の界面活性剤のいずれの構造化の効果からも独立して、又は無関係に、構造化の効果を提供する。抑泡剤として使用される場合、オルガノシリコーンなどのシリコーンは水溶性ではない。シリコーン系抑泡剤は、布地処理組成物内に懸濁される必要があり得る。そのため、外部構造化系は、例えば、好適な注ぎ粘度、相安定性、及び/又は懸濁能力を提供するために、十分なずり減粘粘度を組成物に与えるために使用されてもよい。外部構造化系は、オルガノシリコーン系抑泡剤及び/又は封入体を懸濁するのに特に有用であり得る。
【0051】
布地処理組成物は、組成物の約0.03重量%~約1重量%の外部構造化系を含んでもよい。布地処理組成物は、組成物の約0.06重量%~約1重量%の外部構造化系を含んでもよい。
【0052】
外部構造化系は、ノニオン性の性質であっても、アニオン性の性質であっても、又はカチオン性の性質であってもよい。ノニオン性の性質の外部構造化系は、ノニオン性の性質の外部構造化系が布地処理組成物中の活性物質とほとんど相互作用しないものとして、アニオン性及び/又はカチオン性の性質の外部構造化系による望ましくない相互作用を回避することができる。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、アニオン性の性質の外部構造化系は、布地処理組成物の物理的安定性を低下させる本開示の布地処理組成物中のカチオン性ポリマーと沈殿物又は複合体を形成し得る。例えば、外部構造化系は、キサンタンガムを含んでもよい。しかし、特定の理論に束縛されることを望むものではないが、キサンタンガムは本質的にわずかにアニオン性であり、安定ではない沈殿物又は複合体を形成し得るため、広範な温度範囲にわたって長期間安定であることができないため、理想的になり得ない。例えば、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート及びアルキルエトキシル化サルフェートなどのアニオン性界面活性剤混合物中の水素添加ヒマシ油などの、本質的に非常にアニオン性である構造化剤もまた、本開示の布地処理組成物中のカチオン性ポリマーとの沈殿物又は複合体をより容易に形成することがあるため、理想的ではない。例えば、架橋カチオン性ポリマーなどのカチオン性の性質の外部構造化剤は、構造化剤であることが当該技術分野において公知である。しかし、特定の理論に束縛されることを望むものではないが、カチオン性の性質のこのような外部構造化剤は、本開示の布地処理組成物のものなど、他の直鎖カチオン性ポリマーの存在下で相分離し得ると考えられる。ノニオン性の性質の外部構造化剤は、本開示の布地処理組成物中の活性物質とほとんど相互作用しないことによって、そのような相不安定性を回避するのに役立ち得る。
【0053】
布地処理組成物は、組成物の約0.03重量%~1重量%の天然由来及び/又は合成のポリマー構造化剤を含んでもよい。好適なセルロース繊維は、アスペクト比(長さ対幅比)が約50~約100,000、任意選択的に、約300~約10,000の繊維を含んでもよく、鉱物繊維、発酵由来セルロース繊維、植物、果実、種子、茎、葉等の単子葉若しくは双子葉由来の繊維、及び/又は木質由来セルロース繊維、並びにこれらの混合物、からなる群から選択することができる。
【0054】
1つの態様では、外部構造化系は、植物又は木質由来のミクロフィブリル化セルロースを含んでもよい。1つの態様では、ミクロフィブリル化セルロースは、甜菜、チコリ根、食物表皮、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよい。ミクロフィブリル化セルロースは、発酵由来セルロースであってもよい。
【0055】
植物又は木質に由来するミクロフィブリル化セルロース(MFC)は、少なくとも1つの界面活性剤を含む液体に対して、外部構造化剤としての使用に好適であることが見出されている。MFCの由来となり得る好適な植物としては、甜菜、チコリ根、ジャガイモ、ニンジン、及び他のそのような炭水化物に富む植物を挙げることができるが、これらに限定されない。植物又は木質は、甜菜、チコリ根、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。植物及び木質繊維は、柑橘類の果実をはじめとする果実に由来する、繊維よりも高い割合の不溶性繊維を含む。好ましいMFCは、全繊維の割合として約10%未満の可溶性繊維を含む植物及び木質に由来する。植物及び木質からMFCを得るための好適なプロセスとしては、米国特許第5,964,983号に説明されるプロセスが挙げられる。
【0056】
MFCは、典型的には、高いアスペクト比(長さ対断面寸法の比)を有する、ナノサイズのセルロースフィブリルから構成される材料である。典型的な横方向寸法は、約1~約100ナノメートル又は約5~約20ナノメートルであり、長手方向寸法は、ナノメートルの範囲から数マイクロメートルの範囲まで広範囲にわたる。構造化の改善のために、MFCは、好ましくは、約50~約200,000、任意選択的に、約100~約10,000の平均アスペクト比(l/d)を有する。
【0057】
甜菜パルプ(SBP)は、ビート糖産業からの副産物である。乾燥重量ベースで、SBPは、典型的には、おおよそ40%のセルロース、30%のヘミセルロース、及び30%のペクチンからなる65~80%の多糖類を含有する。
【0058】
チコリ(Cichorium intybus L)は、キク科に属し、食品産業において多くの用途を有する二年生植物である。乾燥及び焙煎された根は、コーヒーの香り付けに使用される。若葉はサラダ及び野菜料理に加えることができ、チコリ抽出物を食品、飲料などに使用できる。チコリ根に存在するチコリ繊維は、ペクチン、セルロース、ヘミセルロース、及びイヌリンを含むことが知られている。イヌリンは、末端グルコース単位を有する、フルクトース単位の鎖から構成される多糖類である。チコリ根は、それらを、長いグルコース及びフルクトース鎖を含むイヌリンの製造のために使用することができるため、イヌリン源として特に好ましい。MFCを作製するために使用されるチコリ繊維は、イヌリンの抽出中に副産物として得ることができる。イヌリンの抽出後、チコリ繊維は、典型的には、残りの残留物の大部分を形成する。
【0059】
甜菜パルプ及びチコリに由来する繊維は、ヘミセルロースを含む。ヘミセルロースは、典型的には、α-1,5-結合l-アラビノースから構成される主鎖、及びα-1,3-結合l-アラビノースによる側鎖を有する、分枝状化合物の群を含む構造を有する。ヘミセルロースはまた、アラビノース及びガラクトースの他に、キシロース及びグルコースを含んでもよい。構造化目的の使用の前に、繊維を酵素処理し、分枝化を低減するにすることができる。
【0060】
植物又は木質に由来するミクロフィブリルは、高い割合の、柔細胞セルロース(PCC)とも呼ばれる一次壁セルロースを含む。そのような一次壁セルロースから形成されるそのようなミクロフィブリルは、構造化の改善を提供すると考えられる。加えて、一次壁セルロース内のミクロフィブリルは、無秩序に堆積され、機械的手段を介して、残りの細胞残留物から容易に解離及び分離する。
【0061】
MFCは、パルプ化された、及び水中の高強度混合の工程を含む機械的処理を受けた、植物又は木質に由来し得ることで、植物又は木質が、それを膨潤させるために、それ自体の乾燥重量の少なくとも15倍の水、又は少なくとも20倍の水を吸収する。それは、甜菜又はチコリ根の廃液流から環境に優しいプロセスによって得ることができる。これは、先行技術の外部構造化剤より持続可能性がある。更に、それは、その分散を支援するための追加の化学物質を必要とせず、かつプロセスの柔軟性を可能にするように構造化プレミックスとして作製することができる。植物又は木質、特に甜菜又はチコリ根に由来するMFCを作製するプロセスはまた、バクテリアセルロースについてのものよりも単純かつ安価である。
【0062】
植物又は木質に由来するMFCは、米国特許第5,964,983号に説明されるプロセスなどの任意の好適なプロセスを使用して得ることができる。例えば、甜菜又はチコリ根などの原料は、ペクチン及びヘミセルロースを抽出するために、最初にパルプ化した後、酸性又は塩基性のいずれかの加水分解を使用して部分的に加水分解することができる。次に固体残留物を懸濁液から回収することができ、アルカリ加水分解条件下で第2の抽出が行われた後に、第2の抽出後の懸濁液を分離することによってセルロース系材料残留物を回収することができる。1つ以上の加水分解工程が、典型的には、60℃~100℃、より典型的には70℃~95℃の温度で行われ、加水分解工程のうちの少なくとも1つは、好ましくは塩基性条件下のものである。苛性ソーダ、カリ、及びこれらの混合物は、典型的には、塩基性加水分解に対して、混合物の9重量%未満、より好ましくは1重量%~6重量%の濃度で使用される。次いで、残留物は、典型的には、洗浄され、任意選択的に漂白され、着色が低減又は除去される。次いで、残留物は、典型的には、水性懸濁液に作製され、通常、0.5重量%~15重量%の固形分を含み、次いで、均質化される。均質化は、任意の好適な機器を使用して行うことができ、混合若しくは粉砕、又は任意の他の機械的高剪断動作、続いて、典型的には、懸濁液を小さい直径のオリフィスに通すこと、並びに好ましくは、懸濁液を少なくとも20MPaの圧力降下、及び高速剪断作用、続いて、高速減速衝突に供することによって、実行することができる。
【0063】
任意選択的成分
1つの態様では、組成物は、1つ以上の補助添加剤成分を含んでもよい。以下に図示する、本組成物に使用するために好適であり、かつ特定の態様において望ましくは組み込んでもよい補助添加剤の非限定的なリストを下記に記載する。前述の補助添加剤成分の他にも、他の補助添加剤の好適な例及び使用レベルは、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号、及び同第6,326,348(B1)号に見出される。
【0064】
使用方法
1つの態様では、布地の処理方法であって、布地を布地処理組成物と接触させる工程を含み、布地処理組成物は、組成物の約2.5重量%~約20重量%のカチオン性ポリマーと、約0.1%~約20%の香料と、界面活性剤系とを含み、当該界面活性剤系は、アルキルポリグルコシドを含み、当該組成物は、当該組成物の5重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む、方法を開示する。
【0065】
布地の処理方法は、布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程を更に含んでもよい。あるいは、布地の処理方法は、布地を布地処理組成物と接触させる工程の後に、布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程を更に含んでもよい。1つの態様では、本方法は、布地を有効量の柔軟剤組成物と接触させる工程を更に含んでもよく、柔軟剤組成物は布地柔軟化活性物質(FSA)を含んでもよい。布地柔軟剤組成物を含有する製品の例としては、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio,USA)製の商品名DOWNY FWABRIC SOFTENERで販売されているもの、及びThe Sun Products Corporation(Wilton,Connecticut,USA)製のSNUGGLE FABRIC SOFTENERで販売されているものなどの、布地柔軟剤組成物を挙げることができるが、これらに限定されない。布地を有効量の柔軟剤組成物と接触させる工程は、布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程の前に行い得る。布地を有効量の柔軟剤組成物と接触させる工程は、布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程の後に行い得る。1つの態様では、布地の処理方法は、布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、布地を外部のアニオン性界面活性剤供給源と接触させる工程を含んでもよい。布地の処理方法は、布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程の前に、布地を外部のアニオン性界面活性剤供給源と接触させる工程を更に含んでもよい。布地を布地処理組成物と接触させる工程の前又は後の、布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程の前に、布地を外部のアニオン性界面活性剤供給源と接触させることにより、工程でアニオン性界面活性剤を布地上に存在させ、外部供給源からのアニオン性界面活性剤が布地処理組成物とコアセルベートを形成することを可能にし得るという、より大きな色再生の効果をもたらすことができる。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、アニオン性界面活性剤がすでに布地上に存在する場合、次いで、布地処理組成物内のカチオン性ポリマーは、アニオン性界面活性剤と相互作用することにより、布地上に付着し、コアセルベートを形成すると考えられ、この付着は、布地処理組成物中のカチオン性ポリマーが、布地上にない遊離した浮遊アニオン性界面活性剤と相互作用してコアセルベートを形成し、布地上に付着する場合よりもより容易であると考えられる。
【0066】
布地は、自動乾燥機などで能動的に乾燥させてもよい。布地は、ロープ干し乾燥、又はラジエータ上に配置されたときに乾燥させるなど、受動的に乾燥させてもよい。本方法は、布地を布地処理組成物と接触させる工程の前に、布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程を含んでもよく、布地を能動的に乾燥、又は受動的に乾燥させる。
【0067】
1つの態様では、布地処理組成物及びアニオン性界面活性剤供給源は、処理容器内で組み合わせてもよい。処理容器は、布地処理組成物及びアニオン性界面活性剤源が相互作用するのに十分な任意の好適なリザーバであり得、上蓋洗濯機、前蓋洗濯機、及び/又は商業用洗濯機を含んでもよい。1つの態様では、処理容器には、布地処理組成物を添加する前に、水又は他の溶媒を入れてもよい。1つの態様では、布地処理組成物及びアニオン性界面活性剤源は、水の存在下で組み合わせてもよい。
【0068】
本方法の接触させる工程は、処理容器内で組み合わせるとき、約15℃~約40℃の温度で実施してもよい。本方法の接触させる工程は、処理容器の外側で混合されるとき、周囲温度で実施してもよい。
【0069】
一態様では、本方法は、消費者への役務として実施される場合がある。この態様では、本方法は、消費者の要望に応じて商業施設で実施される場合がある。本方法は、消費者によって家庭で実施される場合がある。
【0070】
効果は、色維持及び/又は再生、耐磨耗性、しわ除去、毛玉防止、縮み防止、静電気防止、折り目防止、布地の柔軟性、布地の形状保持、抑泡、洗浄又はすすぎ中の残留物の減少、手触り又は質感の向上、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される効果を含んでもよい。
【0071】
この効果は、布地に対する色維持及び/又は再生という外観の効果を含んでもよい。この態様では、本明細書の試験方法に従って乾燥させて測定したときの処理された布地上の外観の効果は、傷んだ布地上に約-0.3~約-2、又は約-0.5~約-1.5のΔL値を有してもよく、負のΔL値により黒色の黒化を示すことができる。本発明の組成物はまた、新しい衣類上の黒色衣類の色を維持してもよく、これは、変化なしを意味する約0から約+0.75、又は変化なしを意味する約0から約+0.5のΔLTREATED-NEWを有し得る。いくつかの態様では、本方法は、約-0.3~約-2、又は約-0.5~約-2.0のΔL値が達成されるまで処理され得る。
【0072】
1つの態様では、布地処理組成物を形成する方法が開示され、この方法は、カチオン性ポリマー、香料、及びアルキルポリグルコシドを含むエマルジョン組成物を形成する工程と、次に抑泡剤を組成物に添加する工程と、次いで、組成物に外部構造化系を添加する工程と、を含む。
【0073】
組み合わせ:
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下のアルファベットを付した段落に記載する。これらの組み合わせは、例示的であることを意図するものであり、制限的であることを意図したものではない。
A.布地処理組成物であって、組成物の約2.5重量%~約20重量%のカチオン性ポリマーと、約0.1重量%~約20重量%の香料と、界面活性剤系とを含み、当該界面活性剤系は、アルキルポリグルコシドを含み、当該組成物は、当該組成物の5重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む、布地処理組成物。
B.カチオン性ポリマーが、カチオン性セルロース、カチオン性グアー、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリロアミドプロピル-ペンタメチル-1,3-プロピレン-2-オール-アンモニウムジクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-co-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(アクリルアミド-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(エチルメタクリレート-co-オレイルメタクリレート-co-ジエチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(エチルメタクリレート-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メチルアクリルアミド-co-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メタクリレート-co-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)、ポリ(ビニルホルムアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ビニルピロリドン-co-アクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-メタクリルアミド-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-co-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリエチレンイミン(及びその四級化誘導体を含む)、並びにこれらの混合物、からなる群から選択されるポリマーを含む、段落Aに記載の布地処理組成物。
C.カチオン性ポリマーが、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド-co-アクリル酸)である、段落Aに記載の布地処理組成物。
D.カチオン性ポリマーが、約2~約8のpHで、0超~約6meq/gのカチオン電荷密度を有する、段落A~Cのいずれか1つに記載の布地処理組成物。
E.カチオン性ポリマーが、約15,000~約600,000ダルトン、好ましくは約20,000~約550,000ダルトン、より好ましくは約50,000~約500,000ダルトン、より好ましくは約100,000~約500,000ダルトンの重量平均分子量を有する、段落A~Dのいずれか1つに記載の布地処理組成物。
F.香料が、メロナール、ジヒドロミルセノール、フレスコメント、テトラヒドロリナロール、リナロール、アニスアルデヒド、シトロネロール、β-イオノン、α-イオノン、ゲラニオール、δ-ダマスコン、チオ-ダマスコン、ブルゲオナール、サイマール、α-ダマスコン、エチルリナロール、リリアール、イオノンガンマメチル、ヘリオナール、カシュメラン、バニリン、アミルサリチレート、エチルバニリン、カロン、イソEスーパー、ヘキシルサリチレート、ガラクソリド、ネクタリル、ベンジルサリチレート、トリクロロメチルフェニルカルビニルアセテート、β-ダマセノン、ジヒドロ-β-イオノン、リグストラール、トリプラール、β-ナフトールメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される原料を含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の布地処理組成物。
G.組成物が、組成物の約1重量%~約20重量%の界面活性剤系を含み、界面活性剤系がアニオン性界面活性剤を実質的に含まない、段落A~Fのいずれか1つに記載の布地処理組成物。
H.アルキルポリグルコシドのアルキル基が、平均して約8~約18個の炭素原子を含有する、段落A~Gのいずれか1つに記載の布地処理組成物。
I.組成物が、組成物の約0.01重量%~約1重量%の抑泡剤を更に含む、段落A~Hのいずれか1つに記載の布地処理組成物。
J.抑泡剤がシリコーン系である、段落Iに記載の布地処理組成物。
K.組成物が、組成物の約0.03重量%~約1重量%、好ましくは約0.06重量%~約1重量%の外部構造化系を更に含む、段落A~Jのいずれか1つに記載の布地処理組成物。
L.外部構造化系が、植物又は木質由来のミクロフィブリル化セルロースを含み、植物由来のミクロフィブリル化セルロースが、甜菜、チコリ根、食物表皮、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、段落Kに記載の布地処理組成物。
M.布地の処理方法であって、当該方法が、布地を段落A~Lのいずれか1つに記載の布地処理組成物と接触させる工程を含む、方法。
N.布地を段落A~Lのいずれか1つに記載の布地処理組成物と接触させる工程の前に、布地を洗浄する工程、すすぐ工程、及び/又は乾燥させる工程を更に含む、段落Mに記載の布地の処理方法。
O.布地を有効量の柔軟剤組成物と接触させる工程を更に含み、柔軟剤組成物が布地柔軟化活性物質(FSA)を含む、段落Mに記載の布地の処理方法。
【0074】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して記載される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0075】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0076】
相互参照される又は関連特許若しくは出願のいずれをも含めた、本明細書に引用されている全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、その全容が本明細書に参照により組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、又はそれを単独で若しくは他の任意の参考文献と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0077】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。