(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】レーダシステム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/03 20060101AFI20220704BHJP
G01S 13/02 20060101ALI20220704BHJP
H01Q 25/00 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
G01S7/03 230
G01S13/02
H01Q25/00
(21)【出願番号】P 2020538555
(86)(22)【出願日】2019-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019050643
(87)【国際公開番号】W WO2019138041
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-07-31
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】306032578
【氏名又は名称】レオナルド・ユーケー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leonardo UK Ltd
【住所又は居所原語表記】1 Eagle Place,St.James’s,London,SW1Y 6AF,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】キングホーン、アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】マウントフォード、クリストファー
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-055577(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0048965(US,A1)
【文献】特開2010-256333(JP,A)
【文献】特開平06-249944(JP,A)
【文献】特開2012-251825(JP,A)
【文献】特開2017-096868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-7/42
G01S 13/00-13/95
H01Q 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空域監視のためのレーダシステムであって、前記レーダシステムは、
監視対象空間の角度領域と比べて比較的狭い角度領域を有する送信ビームを提供するための関連する送信開口部を有する送信機と、
監視対象空間の角度領域にわたって前記送信ビームを走査する手段と、
受信開口部から形成される受信ビームが前記送信ビームより狭くなるように前記送信開口部より大きい関連する受信開口部を有する受信機と、ここで、前記送信開口部及び前記受信開口部は、別個であり、前記送信機及び前記受信機の両方が同時に動作することを可能にするように構成されるものであり、
前記受信開口部から同時に複数の受信ビームを形成する手段と、ここで、前記複数の受信ビームは、それらが集合的に、前記送信ビームの角度領域と実質的に一致するように構成されるものであり、
前記送信ビームの前記走査と一致するように、監視対象空間の角度領域にわたって前記複数の受信ビームを走査する手段と、
更なる受信機と、を備え、
前記送信機及び前記更なる受信機は、前記送信開口部を共有するように配置され、
前記レーダシステムは、第1のモードと第2のモードとの間で切替可能なように構成され、前記第1のモードでは、前記送信機は、動作時、50パーセントより大きいデューティサイクルで信号を送信するように配置され、前記受信機は、ターゲットから反射した前記送信機からの信号を受信するように配置され、前記第2のモードでは、前記送信機は、パルス信号を送信するように配置され、前記更なる受信機は、前記ターゲットから反射した前記送信機からの信号を受信するように配置されている、レーダシステム。
【請求項2】
前記第1のモードでは、前記送信機は、動作時、実質的連続信号を送信するように配置されている、請求項1に記載のレーダシステム。
【請求項3】
前記送信機は、前記受信機に関連する受信アンテナより地表から上方に配置された送信アンテナを備える、請求項1又は2に記載のレーダシステム。
【請求項4】
前記送信アンテナは、前記受信アンテナより前記地表から少なくとも5メートル上方に配置されている、請求項3に記載のレーダシステム。
【請求項5】
更なる送信機を備え、ここで、前記送信機及び第2の送信機は、異なる周波数で動作するように配置され、前記受信機は、前記送信機及び前記更なる送信機の両方の送信周波数に敏感であるように配置されている、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のレーダシステム。
【請求項6】
前記第
2のモードでは、前記送信機は、
50%未満のデューティサイクルでパルス信号を送信するように配置されている、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のレーダシステム。
【請求項7】
前記送信機及び前記更なる受信機は、前記レーダシステムが動作中であるとき、受信アンテナの上に取り付けられている、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載のレーダシステム。
【請求項8】
前記レーダシステムは、前記第1のモードで動作するときレーダ地平線
を超えるターゲットを走査し、前記第2のモードで動作するときレーダ地平線
内に在るターゲットを走査するように適合される、請求項
1乃至7のうちのいずれか一項に記載のレーダシステム。
【請求項9】
空域監視のためのレーダシステムを動作する方法であって、前記レーダシステムは、
送信開口部を有する送信機と、
受信開口部を有する受信機と、
更なる受信機とを備え、前記送信機及び前記更なる受信機は、前記送信開口部を共有するように配置され、
前記送信開口部及び前記受信開口部は、別個であり、前記送信機及び前記受信機の両方が同時に動作することを可能にするように構成されるものであり、
前記送信開口部は、監視対象空間の角度領域と比べて比較的狭い角度領域を有する送信ビームを提供し、
前記受信開口部は、この開口部から形成される受信ビームが前記送信ビームより狭くなるように、前記送信開口部より大きいものであり、
前記方法は、
送信ビームを提供するように前記送信機を動作することと、
監視対象空間の角度領域にわたって前記送信ビームを走査することと、
前記受信開口部から同時に複数の受信ビームを形成することと、ここで、前記複数の受信ビームは、それらが集合的に、前記送信ビームの角度領域と実質的に一致するように構成されるものであり、
前記送信ビームの前記走査と一致するように、監視対象空間の角度領域にわたって前記複数の受信ビームを走査することと、
前記レーダシステムを第1のモードと第2のモードの間で切替えることと、を備え、前記第1のモードでは、前記送信機は、50パーセントより大きいデューティサイクルで信号を送信し、前記受信機は、ターゲットから反射した前記送信機からの信号を受信するように配置され、前記第2のモードでは、前記送信機は、パルス信号を送信するように配置され、前記更なる受信機は、前記ターゲットから反射した前記送信機からの信号を受信するように配置される、方法。
【請求項10】
前記第1のモードでは、前記送信機は、実質的連続信号を送信するように動作される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記送信機及び前記更なる受信機は、受信アンテナの上に取り付けられている、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記レーダシステムは、前記第1のモードで動作するとき、レーダ地平線
を超えるターゲットを走査し、前記第2のモードで動作するとき、レーダ地平線
内に在るターゲットを走査する、請求項9、
10、又は11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダシステムと、レーダシステムを動作する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
大抵の従来のレーダシステムは、送信及び受信するために共通アンテナ及び/又は反射器(故に開口部)を共有する、同一場所に配置された送信機及び受信機を備える。パルス信号を送信し、このパルスが対象まで行って来るのにかかる時間で、対象の範囲を決定することができる。
【0003】
このようなレーダシステムは、様々なアプリケーション、例えば、ターゲット検出及び認識並びに空中捜索、で使用される。捜索レーダシステムの既知の設計は、2つの大きなクラスに分類される。これらのクラスは両方とも、パルス波形を送信及び受信する単一の共有送信/受信アンテナを使用する。
【0004】
第1のクラスの捜索レーダシステムは、全ての分野で用途を見出し、すなわち陸海空を問わず使用可能であり、典型的に、関心領域にわたってラスタ走査される電磁放射の単一ビームを捜索のために送信する。このクラスの捜索レーダシステムの欠点は、これが捜索対象の領域内の全ての位置にレーダビームをステアリングする必要があるため、通常、このシステムの使用を、物理的に小さい機械式走査アンテナか、物理的に大きいアンテナを用いて必要な高速ビームステアリングを提供することができる電子式走査アンテナを有するレーダのいずれかに制限することである。
【0005】
第2のクラスの捜索レーダシステムは、「多重ビーム(stacked beam)」アンテナを使用し、それは通常、地上及び海軍レーダでのみ見られる。このような既知のシステムでは、アンテナは典型的に、単一の広い、多くの場合成形されている、送信ビームで、高さ方向に積み重ねられたいくつかの同時受信ビームを提供する。この設計は、第1のクラスのレーダシステムが必要とする高速垂直ビームステアリングを不要にし、物理的に大きな機械式走査システムにより適している。
【0006】
上で説明した第1及び第2のクラスの両方のレーダの性能は、3つの重要な要因に依存する捜索レーダ距離方程式によって統制される:
・捜索ドウェル(又は「タイムオンターゲット」)中にターゲットに伝達されることができる総送信エネルギ
・(ターゲットからの反射エネルギを遮断するための)受信アンテナの総表面積
・(エネルギ浪費を回避するための)送信ビームパターンと受信ビームパターンとの空間的マッチング
【0007】
捜索ドウェル中にターゲットに伝達されることができる総送信エネルギは、レーダシステムの実効放射電力(ERP、ビームフォーミングを使用して送信及び方向付けされる電力)とドウェル時間との積である。
【0008】
ターゲットについて空間の領域を捜索するとき、より狭いビームを有するより大きいアンテナを使用することによって大きいERPが達成可能であるが、これが、同じ領域を同じ全体時間で捜索する場合には、より短いドウェル時間を必要とすることは、捜索レーダシステムの既知のアーチファクトである。より高いERP及びより短いドウェル時間は(一次的に(to first order))補償するため、ターゲットへの総送信エネルギは、ほぼ一定のままである。故に、高利得の送信ビームは、検出目的のためのこのクラスのレーダでは必ずしも有利ではない。
【0009】
原則として、可能な限り大きい受信アンテナ表面積を有することがシステム感度にとって常に有益である。しかしながら、周知のアンテナ回折理論は、より大きい受信アンテナが常により狭いビームを有することを要求する(一次的に、ビームの空間カバレッジ及びアンテナ面積は相互に関係している)。故に、より大きい受信アンテナは、そのより狭いビームが送信ビームのサイズと一致しなくなり、結果として、有用なエネルギの損失、ひいては感度の損失を招くため、必ずしも有益ではないことが分かっている(一次的に、送信ビーム及び受信ビームの空間カバレッジは、そのような損失をなくすために同じでなければならない)。
【0010】
送信ビームパターンと受信ビームパターンとの空間的マッチングのためのこの要件は、送信アンテナと同じ角度領域を全体でカバーする複数の同時受信ビームを形成することによって克服され得る。既知のシステムでは、これは、例えば、単一の反射器アンテナ上の複数のフィードホーンを使用することによって以前に達成されている。デジタルビームフォーミングと電子式走査アンテナを併用することによって、同じ結果を達成することができる。このような設計では、アンテナは、各々が個々のデジタル化受信機に供給される複数のサブアレイに細分される。次いで、この複数の受信機のデジタル出力は、複数のビームを同時に生成するために、異なる方法でデジタルに組み合わられ得る。これらのビームの各々は、(アンテナの全体のサイズによって決まる)同じビーム幅を有するが、異なる方向に向けられ得るため、単一ビームより大きい空間領域を全体としてカバーすることができる「扇形」のビームを形成する。
【0011】
これらのアプローチは、所与の領域をより迅速に捜索できるという重要な利点を有する領域捜索レーダを作るために使用されてきた。これは、広い送信ビーム(固定された「フラッドライト」又は広い走査ビームのいずれか)を、複数のビームが送信ビームと同じ空間領域を集合的にカバーするマルチビーム受信アンテナと併用することによって達成される。
【0012】
これらの技術は、当技術分野ではすでに周知であり、「マルチビームレーダ」、「ホログラフィックレーダ」、及び「MIMOレーダ」のような用語を使用して様々に説明されている。
【発明の概要】
【0013】
本発明の態様によると、空域監視のためのレーダシステムが提供され、このレーダシステムは、送信開口部を有する送信機と、ここで、送信機は、動作時、50パーセントより大きいデューティサイクルで信号を送信するように配置される、受信開口部を有する受信機と、ここで、送信開口部及び受信開口部は、別個であり、送信機及び受信機の両方が同時に動作することを可能にするように構成され、送信開口部は、監視対象空間の角度領域と比べて比較的狭い角度領域を有する送信ビームを提供する、監視対象空間の角度領域にわたって送信ビームを走査する手段と、ここで、受信開口部は、この開口部から形成される受信ビームが送信ビームより狭くなるように送信開口部より大きい、受信開口部から同時に複数の受信ビームを形成する手段と、ここで、複数の受信ビームは、それらが集合的に、送信ビームの角度領域と実質的に一致するように構成される、送信ビームの走査と一致するように、監視対象空間の角度領域にわたって複数の受信ビームを走査する手段とを備える。
【0014】
本発明の別の態様によると、空域監視のためのレーダシステムを動作する方法が提供され、このレーダシステムは、送信開口部を有する送信機と、受信開口部を有する受信機と、ここで、送信開口部及び受信開口部は、別個であり、送信機及び受信機の両方が同時に動作することを可能にするように構成され、送信開口部は、監視対象空間の角度領域と比べて比較的狭い角度領域を有する送信ビームを提供し、受信開口部は、この開口部から形成される受信ビームが送信ビームより狭くなるように、送信開口部より大きい、を備え、この方法は、50パーセントより大きいデューティサイクルで送信ビームを提供するように送信機を動作することと、監視対象空間の角度領域にわたって送信ビームを走査することと、受信開口部から同時に複数の受信ビームを形成することと、ここで、複数の受信ビームは、それらが集合的に、送信ビームの角度領域と実質的に一致するように構成される、送信ビームの走査と一致するように、監視対象空間の角度領域にわたって複数の受信ビームを走査することとを備える。下記は、本発明の両方の態様に関する。
【0015】
送信機及び受信機が別個の開口部を有するため、各々のためのアンテナは、開口部を共有するデュプレックス送信/受信アンテナを用いる従来のレーダと比べてより単純な構造であり得る。これにより、受信機を保護するために必要な損失の多い二重化部品を除去することができ、これは更に、システムの感度を高め、自由空間に送信される電力を増加させ、受信感度を高める。これらの単純化は、レーダ性能の向上及びコストの削減という二重の利点を有する。
【0016】
更に、広い帯域幅にわたって動作することができる受信専用アンテナを構築することは比較的容易である。
【0017】
別個の開口部の使用は、従来の時分割送信/受信アンテナで通常実現可能なデューティサイクルより高いデューティサイクルでの送信機の動作を可能にする。送信機は、動作中、より高い性能が達成されることを可能にする実質的連続信号(substantially continuous signal)を送信するように配置され得る。
【0018】
例として、領域Aを有する送信/受信のための共通開口部を使用し、送信デューティサイクルD1及び電力密度ρで動作する従来のレーダを考察し、例えば、領域A/N、ここでNは1より大きい、の送信開口部、同じ電力密度ρ、デューティサイクルD2、及び領域Aの受信開口部を有する本発明のシステムと比較する。これらの2つのシステムを使用して、同時に空間の同じ角度領域を調査する場合、D2=N×D1を条件として、これら2つのシステムの性能は同じになることが示され得る。
【0019】
受信機は連続的に動作することができるため、デュプレックスアンテナを使用する従来のレーダシステムの送信中の受信機のブランキングに関連した性能上のペナルティを回避することが可能である。
【0020】
デュプレックスアンテナを用いる従来のレーダシステムでは、5%~33%の送信デューティサイクルが一般に用いられる。本システムが同等の性能を提供するためには、受信アンテナ開口部が送信アンテナ開口部の3~20倍のサイズであることを必要とするであろう。そのため、受信アンテナ開口部が、送信アンテナ開口部のサイズの少なくとも3倍であることが好ましい。
【0021】
送信機の開口部は受信機より小さいため、送信アンテナは、受信アンテナより物理的に小さいかつ軽量であり得る。いくつかのアプリケーションでは、送信アンテナは、受信アンテナの上(必ずしも真上である必要はないが)に取り付けられ得る。この場合、それは、レーダシステムの上部重量を減らし、これは、アンテナを支持するのに必要なタワー/マストのサイズ及びコストを大幅に減らす。レーダシステムが船舶又は陸上車両によって運ばれる場合、これは、実質的により小さい車両設計が採用されることも可能にし得る。
【0022】
非常に実質的な利益を得るために、送信機の開口部(故に送信アンテナ)が、受信機の開口部(故に受信アンテナ)より地表から少なくとも5m上方に配置されていることが好ましい。
【0023】
1つの配置では、レーダシステム(例えば、海軍レーダシステム)が提供され、ここにおいて、送信機は、受信アンテナより物理的に小さいアンテナを備え、送信アンテナは、送信アンテナ、故に送信機の開口部、が受信アンテナより高くなるように、(例えば、船(船舶、ボート、又は水上を移動する他の船)の)タワー及び/又はマストによって支持される。
【0024】
受信アンテナは、必ずしもマスト/タワーによって支持される必要はないが、マスト/タワーの基部の周りに取り付けられ得る。
【0025】
受信機は、電子式走査アレイアンテナを備え得る。
【0026】
送信機は、電子式走査アレイアンテナを備え得る。
【0027】
送信ビームの走査と、受信開口部からの同時の複数の受信ビームの形成及び走査とは、適切にプログラムされたビームフォーミングプロセッサを使用して、当業者に知られているデジタルビームフォーミング技法を使用して実行され得る。
【0028】
レーダシステムは、第1及び第2の送信機を備え得、第1及び第2の送信機は、異なる周波数で動作するように配置され、受信機は、第1及び第2の送信機の両方の送信周波数に敏感であるように構成される。2つの別個の送信機を使用することによって、各々が、それらの特定の動作帯域に対して最適化されることができる(例えば、アンテナ設計、電力付加効率)。
【0029】
異なる周波数の使用は、いくつかの利点を有する。例えば、それは:
レーダが、ターゲット認識の重要な助けとなる周波数依存型のターゲット特性を検出することを可能にする;
レーダが、シグネチャが周波数依存型であるターゲットをより良好に検出することを可能にする;
ダクティング、マルチパス、及び大気減衰のような周波数依存型の現象に対処するためにより良い能力を提供する;
2つの送信機を分離可能なソースとして使用して多入力多出力(MIMO)構成でレーダシステムが用いられることを可能にする。これにより、相応に改善された角度測定の角度精度を伴ったはるかに大きな受信アンテナの統合が可能になる;
改善された対妨信能力を提供する。
【0030】
第1の送信機は、第1の送信アンテナを備え得、第2の送信機は、第2の送信アンテナを備え得る。第1及び第2の送信アンテナは両方とも、使用中、受信アンテナより地表から少なくとも5m上方に位置し得る。
【0031】
レーダシステムは、更なる受信機を備え得、送信機及び更なる受信機は、送信開口部を共有し、レーダシステムは、第1のモードと第2のモードとの間で切替可能なように構成され、第1のモードでは、送信機は、動作時、50パーセントより大きいデューティサイクルで信号、有利には実質的連続信号、を送信するように配置され、受信機は、ターゲットから反射した送信機からの信号を受信するように配置され、第2のモードでは、送信機は、(例えば、50%未満のデューティサイクルで)パルス信号を送信するように配置され、更なる受信機は、ターゲットから反射した送信機からの信号を受信するように配置される。
【0032】
送信機及び更なる受信機のアンテナは、受信アンテナの上に有利に取り付けられる。
【0033】
第1のモードでは、小さい送信開口部と大きい受信開口部との組合せが、レーダ地平線より上での長距離ターゲット検出を提供するが、第2のモードでは、高く取り付けられた送信/受信開口部が、送信/受信開口部の高さによって決定されるレーダ地平線までの(out to)短距離検出を提供する。
【0034】
そのため、システムは、第1のモードで動作するとき(例えば、適切な方向の送信ビームによって)、レーダ地平線を超えるターゲットを走査し、第2のモードで動作するとき、レーダ地平線内に在るターゲットを走査するように有利に適合される。
【0035】
レーダシステムは、陸海空及び宇宙を問わず、広範囲のプラットフォーム上で使用するための捜索レーダとして使用され得る。
【0036】
本発明は、添付の図面を参照して例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】別個の送信アンテナ及び受信アンテナを備えるレーダシステムの概略図である。
【
図2】2つの送信アンテナ及び単一の受信アンテナを有するレーダシステムの概略図である。
【
図3】送信/受信アンテナと、2つの動作モード間で切替可能なように適合された単一の受信アンテナとを有するレーダシステムの概略図である。
【
図4A】
図3と同様であるが、単一の送信アンテナが船舶に取り付けられているレーダシステムの概略図であり、レーダ地平線より上の及びそれを越えた長距離監視のための第1のモードでのレーダシステムの動作を例示する。
【
図4B】
図3と同様であるが、単一の送信アンテナが船舶に取り付けられているレーダシステムの概略図であり、レーダ地平線までの短距離使用のための第2のモードでの使用を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照すると、送信機1及び受信機2と、制御及び処理手段3とを有する、空中ボリューム監視のためのレーダシステムが概略的に示されている。レーダシステムは、コマンド及び制御システム並びに/又はディスプレイに接続さているか又はそれらを更に備え得、一方又は両方は、従来の形式であり得る。制御及び処理手段3は、当業者によって適切にプログラムされたデジタルコンピューティングハードウェアを使用して実装される。
【0039】
送信機1は、領域α1の電子式走査送信専用アレイアンテナTを備える。受信機2は、電子式走査受信アレイアンテナRを備える。受信アンテナは、領域βを有し、ここでα<βである。受信アンテナRは、N個(ここでN>1である)のサブアレイ(S)から構成されており、領域の各々は、α1にほぼ等しい。アンテナT及びRは、別個のアンテナ開口部を有するために、物理的に別個である。アンテナTは、使用中、物理的にアンテナRの上になるように配置され得る。
【0040】
純粋に例として、送信アンテナTは、10GHzで動作する0.25m×0.25mの正方形の開口部を有することができ、これは、約70の送信ビーム幅を発生させ、受信アンテナRは、64個のサブアレイに細分される1m×4mの長方形であり得る。完全な受信アンテナのおおよそのビーム幅は1.70°×0.40°であるが、各サブアレイのビーム幅は、送信アンテナTとほぼ同じである。
【0041】
送信アンテナTは、実質的連続波信号を提供するように動作するように配置され、典型的に、比較的狭帯域、約10%未満の部分帯域幅、であるが、この帯域幅が異なり得ることは認識されるであろう。
【0042】
受信機2は、各サブアレイに対して1つずつ、N個のサブアレイ受信機のセットを備え、N個のサブアレイ受信機のセットの各サブアレイ受信機は、離散デジタル出力を提供する。受信機からの出力は、アンテナRでの受信時における複数の同時ビームの計算を可能にする処理手段3によって処理される。各ビームは、送信アンテナTによって照射される空間のサブセットをカバーし、ビームの完全なセットは、送信アンテナTによって照射される空間全体をカバーする。
【0043】
使用時、連続波信号が送信アンテナT1から送信される。受信アンテナRは、送信アンテナによって照射されたターゲットからのエコーを検出する。サブアレイのN個のサブアレイ受信機のセットからの出力は、デジタルビームフォーミングを使用して単一の(比較的狭い)ビームを生成するために、当業者に知られている技法を使用して組み合わせされ、このプロセスは、比較的広い送信ビームをカバーする狭いビームの空間的扇形を生成するために、わずかに異なる方向に複数の比較的狭いビームを同時に生成するために使用される。
【0044】
上のステップは、受信アンテナRの全領域を利用しながら、空間的にマッチングされた送信及び受信ビームを提供し、それによって最大感度を提供する。
【0045】
本発明の利点を更に例示するために、以下の例を考察する:
1.領域Aの送信/受信アンテナを使用し、単位領域あたりPのピーク電力及び1/8の送信デューティサイクルで動作する従来のシングルバンドレーダ
2.各々がその関連受信機を有する、8つのサブアレイに分割される同じく領域Aの受信専用アレイと、単位領域あたりPのピーク電力でCWを送信する、領域A/8の単一の送信アンテナとを用いる、上で説明したシングルバンドレーダシステム
【0046】
これらの2つのシステムが、同時に同じ角度領域を捜索するためにほぼ同じレーダ性能を提供し、同様の総電力要件を有することは、当業者によって認識されるであろう。
【0047】
しかしながら、上で説明した新規のレーダシステムは、主にその低コスト/単位領域の受信アレイを理由に、従来のシステムの25%~50%のシステムコストを有し得る。
【0048】
連続波送信を提供するように動作する送信アンテナTは、最大レーダ感度を提供するが、送信アンテナTが低減されたデューティサイクルで動作されても、システムが依然として動作することは認識されるであろう。システムが、送信/受信アンテナを使用する従来のソリューションに匹敵する性能を提供するために、送信機は、50%を超えるデューティサイクルで動作する。
【0049】
図2は、レーダシステムのためのアンテナの代替構成を例示する。領域α
1の電子式走査送信専用アンテナT1を備える第1の送信機1と、領域α
2の第2の電子式走査送信専用アンテナT2を備える第2の送信機1’と、比較的大きい領域βの電子式走査受信専用アンテナRを有する受信機2とが示されており、ここでα
1<β及びα
2<βである。受信アンテナRは、N個のサブアレイ(S)に細分され、それぞれの領域は、α
1又はα
2(異なる場合)の小さい方にほぼ等しい。受信アンテナRは、送信アンテナT1,T2によって使用される任意の周波数を同時に受信することができる。
【0050】
送信アンテナT1,T2は、異なる広い間隔の周波数で動作するように配置される。これらは、異なるターゲット又は環境現象が、検出を改善するために活用されることを確実にするように選ばれることができる。例えば、T1はX帯域(約10GHz)で動作し、T2はS帯域(約3GHz)で動作し得る。X帯域は、より狭いビーム幅を提供するため、空間精度及び分解能が約3倍低いS帯域よりも、ターゲットロケーション及び追跡のためのより正確なデータを提供することができる。しかしながら、S帯域は、雨天時の減衰がX帯域の場合よりほぼ1桁(dB/km)低いため、悪天候時における性能の劣化の影響をはるかに受けにくい。ターゲット特性はまた、帯域間で著しく異なる傾向があり、これは、ターゲット検出を増強すること及びターゲット認識を支援することの両方にとって有益であり得る。
【0051】
比較的狭帯域の送信アンテナT1,T2は、デュアルバンド送信/受信アンテナでは達成できない方法で、最大効率で動作するように個々に最適化されることができる。
【0052】
更なる利点は、このアンテナ配置により、2つの送信機T1及びT2を分離可能なソースとして使用して多入力多出力(MIMO)構成でレーダシステムが用いられることができることである。これにより、相応に改善された角度測定精度を伴ったはるかに大きな受信アンテナの統合が可能になる。
【0053】
別の利点は、広い間隔の周波数を展開することによってかなりの対妨信能力を提供することである。
【0054】
各送信アンテナT1,T2は、各々が、典型的に比較的狭帯域、約10%未満の部分帯域幅、である実質的連続波(CW)信号を用いて空間の共通の(及び同じ角度の)領域を照射するように配置されるが、帯域幅が異なリ得ることは認識されるであろう。送信アンテナT1及びT2は、受信アンテナRへの任意の結合を最小化するように、物理的に及び電子的に配置される。これは、レーダ装置(radar installation)に応じて様々な方法で達成され得る。例えば、空間が許す場合、それらは単に大きく分離され得、よりコンパクトな配置が必要とされる場合(例えば、船舶又は航空機上では)、典型的に、レーダ吸収材を用いる何らかの形式の遮蔽が用いられ得る。
【0055】
信号は、送信アンテナT1,T2のうちの1つ又は複数から送信される。1つよりも多くの送信アンテナT1,T2が使用される場合、送信が、有利に、異なる周波数上で実行され、各周波数は、相互干渉が制御及び軽減され得ることを確実にするために、他のすべての周波数から十分に分離されていることは認識されるであろう。代わりに、何らかの形式の時間多重化が使用され得るが、不利なことに、これは、レーダシステムの平均電力(故に感度)を低下させる。
【0056】
受信機2は、各サブアレイSに対して1つずつ、各々が離散デジタル出力を有するN個のサブアレイ受信機のセットを備える。サブアレイ受信機のこのセットは、アンテナRでの受信時における複数の同時ビームの計算を可能にする。各ビームは、送信アンテナによって照明される空間のサブセットをカバーし、ビームの完全なセットは、送信アンテナによって照射される空間全体をカバーする。
【0057】
受信アンテナRは、送信アンテナによって照射されたターゲットからのエコーを検出する。全てのサブアレイ受信機からの出力は、デジタルビームフォーミングを使用して単一の(比較的狭い)ビームを生成するために組み合わせされ、このプロセスは、比較的広い送信ビームをカバーする狭いビームの空間的扇形を生成するために、わずかに異なる方向に複数回同時に実行される。
【0058】
受信アンテナRは、全ての予想される送信周波数を包含する広帯域にわたって動作することができる。デジタルビームフォーミングは、送信周波数ごとに繰り返されるため、送信周波数ごとに独立した出力を提供する。
【0059】
各々が他のすべての送信アンテナとは異なる周波数帯域で送信するように配置された2つよりも多い送信アンテナT1,T2が使用され得ることは認識されるであろう。
【0060】
代替構成では、単一の送信アンテナが、2つの周波数帯域で信号を送信するように配置され得る。この配置は、2つのアンテナの場合に各々が最大効率で動作するように別々に最適化されることができるため、あまり好ましくない。追加的に、2つのアンテナの使用は、単一のアンテナにおける同時のマルチ周波数動作によって必要とされる効率の大きな低下を回避する。
【0061】
図3は、2つの送信/受信アンテナT3,T4と、比較的大きい受信専用アンテナRとを備える更なる変形アンテナ構成を有するレーダシステムを例示する。
【0062】
レーダシステムは、システムが2つの動作モード間で切り替えられることを可能にする(例えば、レーダシステムコントローラの機能として実装される)モードセレクタ5を有する。第1のモードでは、システムは上で説明したように動作し、ここにおいて、2つの送信/受信アンテナT3,T4は、送信専用アンテナとして用いられる。第2のモードでは、送信/受信アンテナT3,T4は、従来の共通開口部アンテナとして用いられる。第2のモードの1つの配置では、受信アンテナは使用されない。第2のモードの変形配置では、受信アンテナは、送信/受信アンテナT3,T4の受信機能を高めるために使用される。この構成の利点は、アンテナが、実質的に異なる空間カバレッジを提供するように配設され得ることであり、例えば、アンテナT3,T4は、レーダ地平線を延長するために、受信アンテナRから高さ方向に広く分離され得る。
【0063】
図4A及び
図4Bは、船舶搭載空域監視レーダとして用いられる
図3で説明された変形アンテナ配置の実装形態を例示する。
【0064】
レーダシステムは、船舶VのマストMの頂部の周りに取り付けられた比較的小さい送信/受信アンテナT3(2つ以上であり得る)と、船舶Vの上部構造上で下の方に又はマストMの基部の周りに取り付けられた1つ又は複数の物理的にはるかに大きい受信専用アンテナRとを備える。送信/受信アンテナT3は、より大きな受信アンテナRより5メートル以上高くなるように有利に取り付けられる。より大きな船舶では、送信/受信アンテナは、受信アンテナより10メートル以上高いであろう。送信/受信アンテナT3の比較的小さいサイズ及び重量は、マストの上部重量を最小にする。
【0065】
レーダシステムは、所望の機能に応じて2つの動作モード間で切り替わることができる。
図4Aに例示されるようなレーダ地平線より上での監視の場合、レーダシステムは、比較的小さい送信/受信アンテナが、CW信号を提供するために送信専用モードで動作し、低めに取り付けられた大きいアンテナRが受信するように動作する、
図1に関連して説明したような第1のモードで動作する。このモードは、より優れた感度及び範囲を提供するため、レーダ地平線を超えてターゲットを検出するために使用されることができる。
【0066】
第2のモードでは、比較的小さい送信/受信アンテナT3は、送信/受信アンテナの高さによって決定される距離であるレーダ地平線の外までの監視を提供するために、下方に向けられたビームを用いて従来のデュプレックス送信/受信方式で動作する。このモードでは、より大きな受信アンテナRは使用されないが、レーダ地平線までの距離が比較的短いため、比較的小さい送信/受信アンテナT3のより低い感度でも、依然として、満足な性能を提供するのに十分である。レーダシステムが、他のプラットフォームにも同様に実装され得ること、例えば地上車両搭載レーダシステム又は固定位置レーダシステム、は認識されるであろう。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま付記しておく。
[1] 空域監視のためのレーダシステムであって、
監視対象空間の角度領域と比べて比較的狭い角度領域を有する送信ビームを提供するための関連する送信開口部を有する送信機と、ここで、前記送信機は、動作時、50パーセントより大きいデューティサイクルで信号を送信するように配置されるものであり、
監視対象空間の角度領域にわたって前記送信ビームを走査する手段と、
受信開口部から形成される受信ビームが前記送信ビームより狭くなるように前記送信開口部より大きい関連する受信開口部を有する受信機と、ここで、前記送信開口部及び前記受信開口部は、別個であり、前記送信機及び前記受信機の両方が同時に動作することを可能にするように構成されるものであり、
前記受信開口部から同時に複数の受信ビームを形成する手段と、ここで、前記複数の受信ビームは、それらが集合的に、前記送信ビームの角度領域と実質的に一致するように構成されるものであり、
前記送信ビームの前記走査と一致するように、監視対象空間の角度領域にわたって前記複数の受信ビームを走査する手段と、
を備えるレーダシステム。
[2] 前記送信機は、動作時、実質的連続信号を送信するように配置されている、[1]に記載のレーダシステム。
[3] 前記送信機は、前記受信機に関連する受信アンテナより地表から上方に配置された送信アンテナを備える、[1]又は[2]に記載のレーダシステム。
[4] 前記送信アンテナは、前記受信アンテナより前記地表から少なくとも5メートル上方に配置されている、[3]に記載のレーダシステム。
[5] 更なる送信機を備え、ここで、前記送信機及び第2の送信機は、異なる周波数で動作するように配置され、前記受信機は、前記送信機及び前記更なる送信機の両方の前記送信周波数に敏感であるように配置されている、[1]乃至[4]のうちのいずれか一項に記載のレーダシステム。
[6] 更なる受信機を備え、ここで、前記送信機及び前記更なる受信機は、前記送信開口部を共有し、前記レーダシステムは、第1のモードと第2のモードとの間で切替可能なように構成され、前記第1のモードでは、前記送信機は、動作時、50パーセントより大きいデューティサイクルで信号を送信するように配置され、前記受信機は、ターゲットから反射した前記送信機からの信号を受信するように配置され、第2のモードでは、前記送信機は、パルス信号を送信するように配置され、前記更なる受信機は、前記ターゲットから反射した前記送信機からの前記信号を受信するように配置されている、[1]乃至[5]のうちのいずれか一項に記載のレーダシステム。
[7] 前記第1のモードでは、前記送信機は、実質的連続信号を送信するように配置されている、[6]に記載のレーダシステム。
[8] 前記送信機及び前記更なる受信機は、前記レーダシステムが動作中であるとき、前記受信アンテナの上に取り付けられている、[6]又は[7]に記載のレーダシステム。
[9] レーダシステムは、前記第1のモードで動作するときレーダ地平線内でターゲットを走査し、前記第2のモードで動作するときレーダ地平線を越えてターゲットを走査するように適合される、[7]又は[8]に記載のレーダシステム。
[10] 空域監視のためのレーダシステムを動作する方法であって、前記レーダシステムは、
送信開口部を有する送信機と、
受信開口部を有する受信機と、ここで、前記送信開口部及び前記受信開口部は、別個であり、前記送信機及び前記受信機の両方が同時に動作することを可能にするように構成されるものであり、
前記送信開口部は、監視対象空間の角度領域と比べて比較的狭い角度領域を有する送信ビームを提供し、
前記受信開口部は、この開口部から形成される受信ビームが前記送信ビームより狭くなるように、前記送信開口部より大きいものであり、を備え、
前記方法は、
50パーセントより大きいデューティサイクルで送信ビームを提供するように前記送信機を動作することと、
監視対象空間の角度領域にわたって前記送信ビームを走査することと、
前記受信開口部から同時に複数の受信ビームを形成することと、ここで、前記複数の受信ビームは、それらが集合的に、前記送信ビームの角度領域と実質的に一致するように構成されるものであり、
前記送信ビームの前記走査と一致するように、監視対象空間の角度領域にわたって前記複数の受信ビームを走査することと、
を備える方法。
[11] 前記送信機は、実質的連続信号を送信するように動作される、[10]に記載の方法。