(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20220704BHJP
F25B 41/31 20210101ALI20220704BHJP
【FI】
F16K31/04 A
F25B41/31
(21)【出願番号】P 2020545328
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2019079228
(87)【国際公開番号】W WO2019179516
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】201810243065.7
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517149748
【氏名又は名称】浙江三花智能控制股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang Sanhua Intelligent Controls CO., Ltd
【住所又は居所原語表記】Xialiquan, Qixing Street, Xinchang County, Shaoxing, Zhejiang 312500, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ユドン
【審査官】西井 香織
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203686165(CN,U)
【文献】特開2018-025302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00 - 31/04
F25B 41/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室を有するとともに弁口(101)を設けた弁ボディ(10)と、
ロータ(41)と雄ねじ部(44a)を設けたスクリュロッド(44)とを有するロータユニット(40)と、
前記弁ボディ(10)に直接または間接的に固定接続されて装着孔(54)を設けた支持フレーム(50)と、
前記ロータユニット(40)の前記スクリュロッド(44)に固定接続されて前記支持フレーム(50)の装着孔(54)と係合する軸受(80)と、
前記スクリュロッド(44)の雄ねじ部(44a)と係合する雌ねじ部(60a)を有するナット(61)を含み、前記スクリュロッド(44)の雄ねじ部(44a)と前記ナット(61)の雌ねじ部(60a)との螺合作用を介して前記弁室で軸方向に昇降運動することで前記弁口(101)に近接するかまたは前記弁口(101)から離れるコアユニット(60)とを備えた電子膨張弁であって、
前記支持フレーム(50)が、上支持フレーム(51)と下支持フレーム(52)とを有し、
前記ナット(61)が、前記下支持フレーム(52)の係合溝(53)と係合する係合部(613)を有し、
前記ナット(61)の前記係合部(613)が、前記下支持フレーム(52)の頂壁面(521)に当接可能になっていることを特徴とする電子膨張弁。
【請求項2】
前記弁ボディ(10)に固定接続される接続座(30)を有し、
前記支持フレーム(50)が、前記接続座(30)に固定接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項3】
前記弁室に圧入される前記接続座(30)が、第1段部(311)を有する接続座本体(31)と第2段部(331)を有する突起部(33)とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の電子膨張弁。
【請求項4】
前記第1段部(311)には、第1段階面(3111)が形成され、
前記第1段階面(3111)と前記支持フレーム(50)との間には、密閉部品(70)が収容され、
前記第2段部(331)が、ハウジング(90)に固定接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電子膨張弁。
【請求項5】
前記接続座(30)には、ガイド壁(32)及びガイド孔(321)が設けられ、
前記コアユニット(60)が、弁ニードル(62)を有し、
前記ナット(61)が、前記弁ニードル(62)に固定接続され、前記ガイド孔(321)と前記弁ニードル(62)とが係合し、
前記弁ニードル(62)が、前記ガイド壁(32)に沿って軸方向に昇降運動することを特徴とする請求項4に記載の電子膨張弁。
【請求項6】
前記軸受(80)が、前記支持フレーム(50)の装着孔(54)に収容されるとともに前記支持フレーム(50)の前記上支持フレーム(51)に設けた第3段部(512)に支持され、
前記スクリュロッド(44)と係合する軸受孔(81)が、前記軸受(80)に設けられ、
前記軸受(80)が、内輪部(801)と、外輪部(802)と、前記内輪部(801)と前記外輪部(802)との間に設けられる転動部材(803)とを有していることを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁。
【請求項7】
前記内輪部(801)が、スクリュロッド(44)に固定接続され、
前記外輪部(802)が、前記支持フレーム(50)に固定接続されていることを特徴とする請求項6に記載の電子膨張弁。
【請求項8】
前記外輪部(802)が、上支持フレーム(51)の内壁(511)に固定接続され、
前記スクリュロッド(44)が、前記内輪部(801)とともに前記外輪部(802)に対して回転自在になっていることを特徴とする請求項7に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年03月23日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201810243065.7であり、発明名称が「電子膨張弁」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容は、援用されることで本出願に結合される。
本発明は、冷凍制御という技術分野に関わり、具体的に、冷媒流量を調節するための電子膨張弁に関わる。
【背景技術】
【0002】
図1は、台座1と、弁ボディ2とハウジングユニットとを有する従来の電子膨張弁製品である。
台座1は、弁ボディ2に固定接続されおり、弁口11が開設され、ハウジングユニットは、固定接続される第1ハウジング31と第2ハウジング32とを含む。
そして、第1ハウジング31には、駆動部が収容された第1内室が形成され、第2ハウジング32には、伝動部品が収容された第2内室が形成されている。
さらに、駆動部は、ロータ41を含み、駆動部の中央には、回転軸42が貫通し、伝動部品は、減速歯車機構を有し、この減速歯車機構は、太陽歯車と、1段歯車と2段歯車とを含む多段歯車減速機構であり、2段歯車には、スクリュロッド43が固定接続され、スクリュロッド43と弁ニードル7とが螺合作用で弁ニードル7を弁口11に近接させ、または、弁口11から離れさせることで、弁口11を流れた冷媒の流量を調節している。
以下は、この電子膨張弁の作動原理を説明する。
電子膨張弁は、パルス作用を介して駆動部に伝達し、ロータ41が回転するように駆動され、回転軸42がロータの回転に追従して運動することで太陽歯車を回転させるように駆動し、伝動部品の各段歯車による伝達作用で2段歯車がスクリュロッド43を軸方向で回転させ、弁ニードル7がスクリュロッド43とナットとの螺合作用で軸方向に昇降することで弁口11に近接し、または、弁口11から離れて、流量を調節している。
精度及び開弁の駆動力を向上させるために、この電子膨張弁には、減速歯車機構が装着され、これによって、製品全体のサイズが大きくなり、スクリュロッド43を周方向のみで回転させるために、スクリュロッド43と2段歯車とを固定接続し、さらに、この2段歯車の外周部には、軸受部品が固定装着され、この軸受部品の上部がスナップリングによってストッパされ、スクリュロッド43の上下方向の位置での移動を阻止するように、下止め輪によってストッパされ、このような製品構成全体の取付部品が多くて、取付工程が複雑で、製造コストを余計に増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の電子膨張弁は、製品構成全体が簡単で、スクリュロッドに対して軸方向で位置制限を行う。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の電子膨張弁は、弁室を有するとともに弁口が設けられる弁ボディと、ロータと雄ねじ部が設けられるスクリュロッドとを有するロータユニットと、直接または間接的に弁ボディに固定接続され、装着孔が設けられた支持フレームと、スクリュロッドに固定接続され、装着孔と係合する軸受と、雄ねじ部と係合する雌ねじ部を有するナットを含むコアユニットであって、雄ねじ部と雌ねじ部との螺合作用を介して、弁室で弁口に近接しまたは弁口から離れるコアユニットとを備えている。
【0005】
本発明の電子膨張弁は、背景技術における減速歯車装置及び他の複雑な部品をなくして、軸受と支持フレームによるスクリュロッドに対する軸方向の位置制限という作用で、作動状態の際、スクリュロッドが軸方向の変位をしないで、常に周方向の回転を保持する。
製品全体の取付構成を簡単化し、製品の製造コストの低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】本発明の電子膨張弁における実施例の模式図。
【
図3】本発明の電子膨張弁におけるコアユニット、位置制限部材、及び、ロータユニットの構成全体の拡大模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明をよりよく理解するために、以下、本発明をさらに詳しく説明する。
明細書の実施例に対する説明は、全ての実施例に対する説明を含まなく、本発明の電子膨張弁の実施例の説明のみであり、他の実施例があれば、本発明の保護範囲に該当する。
【0008】
図2を参照し、本発明の電子膨張弁は、弁ボディ10を有し、弁ボディ10は、略筒状構成を呈しており、弁室が形成され、コアユニット60と係合する弁口101が開設されている。
弁ボディ10の側壁には、プレスなどの加工方式で第1接続口が開設され、弁ボディ10の下端部には、第2接続口が開設され、第1接続口には、第1接続管100が溶接固定され、第2接続口には、第2接続管200が溶接固定され、弁口101を介して第1接続管100と第2接続管200とを導通させ、冷媒が第1接続管100から弁室に入った後、弁口101を経て第2接続管200から流出し、または、第2接続管200から弁室に入った後、弁口101を経て第1接続管100から流出し、該電子膨張弁は、冷媒の双方向流通に対する調節機能を備えている。
【0009】
弁ボディ10の上端部位置には、接続座本体31とガイド壁32と突起部33とを有する接続座30が溶接固定されている。
ガイド壁32には、ガイド孔321が形成され、そして、接続座本体31が弁室に圧入された後に弁ボディ10に溶接固定されて、接続座30全体を弁ボディ10に固定装着させている。
具体的には、接続座本体31の外周壁が弁ボディ10の内周壁に溶接固定され、ガイド壁32が弁室に入り込み、コアユニット60の少なくとも一部が、ガイド孔321を介して弁室に入り込むとともに、ガイド孔321に沿って軸方向に昇降運動する。
接続座本体31には、
図3に示すように、第1段階面3111を形成した第1段部311が設けられ、突起部33には、ハウジング90が溶接固定される第2段部331が設けられている。
接続座30は、弁ボディ10と一体の構成であってもよい。
【0010】
ハウジング90は、接続座30とともにロータ室が形成され、このロータ室には、ロータ41と、このロータ41と一体に射出成形された固定台42と、スクリュロッド44とを含むロータユニット40が収容されている。
さらに、固定台42は、案内孔4211が形成される案内部421を有し、案内孔4211がスクリュロッド端部441に固定接続されている。
そして、ハウジング90の外周部に外嵌されるコイルによる駆動励起作用で、ロータ41を回転させるように駆動し、ロータ41の回転が固定台42を回転させることで、スクリュロッド44を追従して回転させ、さらに、スクリュロッド44には、軸受80が固定接続される。
【0011】
さらに、本発明の電子膨張弁は、上支持フレーム51と下支持フレーム52とを有して、この接続座30に溶接固定される支持フレーム50を備えている。
具体的には、下支持フレーム52の外周壁が突起部33の内周壁に溶接固定されることで、支持フレーム50全体を接続座30に固定装着させ、支持フレーム50は、接続座30を介して弁ボディ10に固定接続されている。
接続座30と弁ボディ10とが一体構成である場合に、支持フレーム50は、直接的に弁ボディ10に溶接固定され、支持フレーム50は、直接または間接的に弁ボディ10に溶接固定される。
また、下支持フレーム52の壁部には、係合溝53が開設され、この係合溝53がナット61と係合することで、コアユニット60の周方向での回転運動を防止するように、コアユニット60の周方向の位置に対して位置制限を行っている。
さらに、支持フレーム50には、装着孔54が設けられ、上支持フレーム51がスクリュロッド44の方向に突出する第3段部512を有している。
軸受80は、内輪部801と、外輪部802と、内輪部801と外輪部802との間に設けられる転動部材803とを有し、軸受80全体が装着孔512に収容されるとともに第3段部512に支持され、装着孔54が軸受80に適応している。
さらに、軸受80には、スクリュロッド44が貫通するための軸受孔81が設けられ、軸受80の外輪部802が上支持フレーム51の内壁511に溶接固定され、軸受80の内輪部801がスクリュロッド44に溶接固定されている。
具体的には、内輪部801の内壁がスクリュロッド44の外周部に溶接固定され、電子膨張弁がコイルによる励起作用を受けると、スクリュロッド44と固定台42とロータ41という三者は、固定接続される全体手段としてともに回転し、軸受80の内輪部801とスクリュロッド44とがともに周方向の回転をして、軸受80の内輪部801とスクリュロッド44とがともに軸受80の外輪部802に対して回転運動をして、スクリュロッド44は、軸受80との係合作用で軸方向で下向きまたは上向きの変位をすることができず、電子膨張弁が作動している際、スクリュロッド44が常に周方向の回転を保持し、ロータ41とスクリュロッド44とが同じように、軸受80の作用で軸方向で上下の変位をすることができず、製品構成全体の軸方向でのサイズを小さくして、製品の小型化の実現を便利にしている。
そして、ロータ41が常に周方向の回転位置に保持され、その中心軸と、ハウジング90の外周部に装着されるコイル駆動部品の中心軸とが一致するため、ロータ41の磁力作用を十分に発揮し、製品の必要な駆動力に対する要求を低減させ、コイル部品のサイズを大きくすることで駆動力を確保する必要がなくなり、背景技術の電子膨張弁に比べると、複雑な減速歯車装置及び波形管などの構成をなくして、製品構成全体が簡単で、軸受80を介してスクリュロッド44に対する軸方向での位置制限という作用を実現し、製品の製造コストを低減させる。
【0012】
さらに、本発明の電子膨張弁は、ナット61と弁ニードル62とを有するコアユニット60を備えている。
そして、ナット61が、弁ニードル室621に圧入されるナット本体611と接続片612とを含み、ナット本体611と接続片612とがともに金属材質であってもよく、ともに金属材質である場合に、接続片612がナット本体611に溶接固定され、ナット本体611がプラスチック材質であり、接続片612が金属材質である場合に、この接続片612とナット本体611とが一体として射出成形され、
ここで、ナット61または接続片612の具体的な材質を限定せず、ナット61は、ナット本体611から外部に延伸し突出する係合部613を有し、ナット61は、接続片612の下端面が弁ニードル62の端面部に溶接固定されることで、全体が弁ニードル62に固定接続され、ナット本体611には、スクリュロッド44が貫通するためのナット装着孔614が開設され、ナット61には、スクリュロッド44の雄ねじ部44aとねじ接続するための雌ねじ部60aが設けられ、スクリュロッド44とナット61との螺合作用でスクリュロッド44の回転運動をコアユニット60の軸方向の昇降運動に変換し、係合部613が係合溝53に係止され、支持フレーム50の係止作用でコアユニット60全体は、周方向の回転運動をすることができず、軸方向の昇降のみをしている。
弁ニードル62全体は、中空且つ略等径の筒状構成を呈しており、弁ヘッド622と弁ニードル本体623とを有している。
そして、弁ヘッド622がコアユニット60の軸方向での昇降運動によって弁口101に近接し、または、弁口101から離れることで、弁口101を流れた冷媒の流量を調節し、弁ニードル本体623の外壁とガイド壁32との間が隙間嵌め、弁ニードル本体623が、ガイド孔321を介して弁室に入り込むとともに、ガイド壁32に沿って軸方向に移動する。
接続座30のガイド壁32は、弁ニードル62にガイド作用を提供することで、弁ニードル62と弁口101の中心軸線とが同軸度を保持し、電子膨張弁の作動際の安定性及び確実性を向上させる。
【0013】
本発明の電子膨張弁が作動する際、弁ニードル室621、弁室及びロータ室という三者の圧力をバランスにするために、さらに密閉部品70が設けられている。
図1に示す閉弁状態の場合に、弁ヘッド622が弁口101に当接され、冷媒が第2接続管200から弁ボディ10の内部に入ると、コアユニット60とスクリュロッド44などの部品とが一定の冷媒圧力による衝撃を受けており、この密閉部品70を配置していないと、高い圧力の冷媒が、直接的に弁口部101を潰して弁ヘッド622を弁口101から離脱させ、閉弁効果を果たしていなく、その同時にスクリュロッド44に対しても同じように一定の衝撃力を有している。
具体的に、この密閉部品70は、ワッシャーと、Oゴムリングと、押圧片とを有している。
そして、この密閉部品70は、Oゴムリングと押圧片とを有してもよい。
そして、密閉部品70は、第2段階面3111と下支持フレーム52の下端部との間に位置し、ワッシャーまたはOゴムリングが第2段階面3111と当接し係合し、押圧片が突起部30の内部に圧入されることでOゴムリングを固定する。
【0014】
以下は、図面を結合し、本発明の電子膨張弁の作動原理を簡単に説明し、ロータユニット40は、励起作用を介してロータ41を回転させるように駆動し、固定台42とロータ41とが同時に回転し、スクリュロッド44が追従し周方向の回転をし、スクリュロッド44と軸受80との間の係合作用でスクリュロッド44とロータ41とがいずれも軸方向の昇降運動をせずに周方向の回転のみをしており、スクリュロッド44の雄ねじ部44aとナット61の雌ねじ部60aとの螺合作用で、コアユニット60は、軸方向の昇降運動をして、係合部613も係合溝53に沿って軸方向の昇降運動をすることで、弁ヘッド622を弁口101に近接させ、または、弁口101から離れさせ、弁口101を流れた冷媒の流量を調節している。
弁ヘッド622と弁口101とが係合し当接する場合に、係合部613が相対的に係合溝53の下方に近接し、弁ヘッド622が弁口101から離れる場合に、係合部613が相対的に係合溝53の上方に近接し、弁ヘッド622から弁口101までの距離が最も遠い場合に、係合部613が下支持フレーム52の頂壁面521に当接される。
本発明の電子膨張弁は、背景技術における歯車減速機構及び軸受などの他の複雑な部品構造をなくして、支持フレーム50及び軸受80のみを導入すれば、スクリュロッド44の上下の移動位置に対する位置制限を実現し、製品全体の取付構成を簡単化している。
本発明の電子膨張弁が作動している際、ロータ41とスクリュロッド44とが変位していなく、常に周方向の回転運動を保持することで、製品の軸方向でのサイズを小さくして、製品構成全体の小型化の実現を便利にして、製造コストをさらに低減させ、また、ロータ41の中心軸がコイル駆動部の中心軸に合わせたままにするから、ロータ41の磁力作用を十分に発揮し、作動過程中の必要な駆動力をさらに低減させる。
スクリュロッド44の下方にあるコアユニット60は、支持フレーム50の係合溝53と係合部613との係止作用で周方向の回転をすることができず、スクリュロッド44によって軸方向に昇降運動する。
そして、本発明の電子膨張弁は、コイルによる励起作用を受けると、雄ねじ部44aと雌ねじ部60aとの螺合作用でスクリュロッド44の回転運動を直接的にコアユニット60のガイド壁32に沿う昇降運動に変換することで、弁口101を流れた冷媒の流量を調節している。
そして、本発明の電子膨張弁は、直動式の駆動方式であり、背景技術に比べると、複雑な減速歯車機構によって減速比を大きくすることで流量調節の精度及び弁の開閉を制御する必要がなく、小さい駆動力でも、開弁と閉弁を順調に実現するとともに、流量調節の精度を保持することができる。
【0015】
本発明に関わる「第1、第2、第3」などの序数詞の記載、及び、「上、下、中、内、外」などの方位用語の記載は、本発明に記載の各部品の順序に対する限定として理解されていなく、ただ説明を便利にするために導入される。
【0016】
本発明の電子膨張弁は、係合部と支持フレームによってスクリュロッド及びロータに対する位置制限という作用を実現し、電子膨張弁が作動している際、スクリュロッドとロータとが上下の遊動をしていなく、常に、周方向の回転を保持し、且つ、螺合作用でスクリュロッドの回転運動を直接的にコアユニットの軸方向での昇降運動に変換している。
この電子膨張弁は、減速歯車機構及び他の複雑な部品構造をなくして、構成全体が相対に簡単で、ロータとスクリュロッドとが変位し得なく、周方向の回転を保持するため、製品の軸方向でのサイズを小さくして、ハウジング外部の駆動コイル装置に対しても、小さい駆動力のサイズになるように縮小されることで、構成全体の小型化をさらに実現し、製品の製造コストを低減させる。
【0017】
以上は、本発明の好適な実施形態のみであり、本発明の原理から逸脱していない前提で若干の改良及び修飾をしてもよく、これらの改良及び修飾も、本出願の保護範囲に該当する。