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特許7098818熱活性化マイクロ流体排出要素から流体組成物を送達する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】熱活性化マイクロ流体排出要素から流体組成物を送達する方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20220704BHJP
   B41J 2/05 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
B41J2/14 611
B41J2/14 201
B41J2/05
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021503569
(86)(22)【出願日】2019-07-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 US2019040457
(87)【国際公開番号】W WO2020023196
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】16/045,791
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ、ステファン・ギャリー
(72)【発明者】
【氏名】エデレン、ジョン・グレン
(72)【発明者】
【氏名】パテル、ヴィレン・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】マーラ、マイケル・アントニー・ザ・サード
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-159802(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0186265(US,A1)
【文献】特表2017-529109(JP,A)
【文献】特開平09-104111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/14
B41J 2/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱活性化マイクロ流体排出要素から流体組成物を送達する方法であって、前記熱活性化マイクロ流体排出要素が、複数のノズルと、各ノズルに関連付けられた熱アクチュエータと、を備え、前記方法が、
前記熱活性化マイクロ流体排出要素を電源に接続することと、
論理ベースカウンタ及びアドレスデコーダと通信する第1の入力に、第1の電気パルスを送達することであって、前記論理ベースカウンタ及び前記アドレスデコーダが所定のシーケンスで前記熱アクチュエータを選択する、送達することと、
前記選択された熱アクチュエータを作動させるために、第2の入力に、明確に画定された幅の第2の電気パルスを供給することと、
前記選択された熱アクチュエータに関連付けられた前記ノズルから流体組成物を排出することと、を含む、方法。
【請求項2】
メモリビットのシーケンスからメモリビットを読み出すステップを更に含み、前記メモリビットの値が、出力ピン上に提示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
メモリビットのシーケンスから現在選択されているメモリビットを書き込むステップを更に含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記メモリビットの数及び前記ノズルの数が、等しくない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記論理ベースカウンタは、リプルカウンタである請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
記シーケンスのノズルが、前記熱活性化マイクロ流体排出要素上に配置され、それにより、前記シーケンスにおいて数値的に隣接するノズルが、物理的に隣接していない、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第1の複数のノズルが、第1のリザーバ内に配設された第1の流体組成物と流体連通しており、第2の複数のノズルが、第2のリザーバ内に配設された第2の流体組成物と流体連通しており、前記第1の流体組成物と前記第2の流体組成物とが異なる、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第2の電気パルスの持続時間は、前記選択されたノズルに関連付けられた前記熱アクチュエータが作動する時間に対応する、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記第1の電気パルスが、所定のシーケンスから2つ以上の熱アクチュエータを選択し、前記第2の電気パルスが、前記2つ以上の熱アクチュエータを作動させ、前記熱アクチュエータに関連付けられた前記ノズルから流体組成物を排出することが、前記2つ以上の熱アクチュエータに関連付けられた前記ノズルから流体組成物を排出することを更に含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ノズルに関連付けられた前記熱アクチュエータとは別個である基板ヒータを用いて、前記熱活性化マイクロ流体排出要素全体にわたって温度を上昇させるステップを更に含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記熱活性化マイクロ流体排出要素の温度を測定するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1の入力に、第3の電気パルスを送達することであって、前記論理ベースカウンタ及び前記アドレスデコーダが前記シーケンスから第2の熱アクチュエータを選択し、
前記選択された第2の熱アクチュエータを作動させるために、前記第2の入力に、明確に画定された幅の第4の電気パルスを供給することと、
前記選択された第2の熱アクチュエータに関連付けられた第2のノズルから流体組成物を排出することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マイクロ流体排出要素及びマイクロ流体排出要素の動作方法を対象とし、より具体的には、マイクロ流体排出要素及び流体組成物を環境内に分配するために最適化された簡略化されたインターフェースを有するマイクロ流体排出要素の動作方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
民生用及び産業用インクジェット印刷は、周知である。このような用途では、適用時に排出チップ内の個々のノズルが、要求に応じて作動され得るように個別にアドレス指定可能であるべきことが知られている。排出ヘッドが印刷される媒体上を通過すると、画像が形成され、これは、ノズルの作動を制御する制御要素から特定のデータ速度を必要とする。このデータ速度は、多数の信号ラインと、デジタルデータが排出チップに渡されるシグナリング速度との組み合わせによって達成され得る。共に、信号ライン及びシグナリング速度は、排出ヘッドが必要な速度で走行している間に、必要な画像を形成するのに十分な情報を渡すことが可能でなければならない通信チャネルを形成する。
【0003】
信号ラインの数が過剰ではない印刷システムを設計する際、妥協が達成されなければならず、システムのサイズ及び複雑性を増加させる。信号ラインの数が少なく、排出チップとの通信プロトコルが効率的でない場合、チップ内へのシグナリング速度が非常に高くなる可能性があるため、許容可能な信号完全性を維持することが可能ではなくなる。以下の実施例は、このような印刷システムを設計する際に行われる選択肢を例示する。
【0004】
インクジェット印刷用途の場合、マイクロ流体排出要素は、全体的な印刷時間を最小限に抑えながら、高解像度画像を生成するように最適化される。これらの理由のために、排出チップ上の熱アクチュエータ(すなわち、ヒータ)は、典型的には、42.3μm(1/600インチ)又は21.2μm(1/1200インチ)の熱アクチュエータ間隔で、半インチ以上の印刷スワスを提供するように配列される。
【0005】
例示として、合計800個の熱アクチュエータを備えた16.9mm(3分の2インチ)、47.2滴/ミリメートル(1200滴/インチ)の印刷ヘッドのノズル配置及びアドレス指定アーキテクチャについて説明する。
【0006】
図1は、この先行技術実施例について熱アクチュエータ配置を示す。図示のように、流体ビアの一方の側の熱アクチュエータは、42.3μm(1/600インチ)で垂直方向に離間され、反対側の熱アクチュエータも1/600インチで離間しているが、21.2μm(1/1200インチ)だけ垂直方向にシフトされている。これにより、単一パス印刷が、21.2μm(1/1200インチ)の垂直ピッチ上の各点にインクの液滴を配置することが可能になる。
【0007】
所望の印刷パターン解像度が垂直21.2μm(1/1200インチ)及び水平42.3μm(1/600インチ)である場合、ヘッドが水平方向に移動するときに、熱アクチュエータをアドレス及び作動させる方法を考慮しなければならない。
【0008】
図2は、許容可能な先行技術の液滴配置パターンの一例を有する21.2μm×21.2μm(1/1200×1/1200インチ)の格子を示す。この例でHTR1を考慮した場合、これは、42.3μm(1/600インチ)の印刷ヘッド移動ごとに作動されることがわかる。印刷速度を最適化するために、流体カートリッジ特性によって許容される最高周波数で熱アクチュエータを作動させることが所望される。この例では、18kHz熱アクチュエータを想定する。以下の関係を考慮する。
速度=距離/時間、
計算された印刷ヘッド速度は、762mm/秒(30インチ/秒)であると判定される。
【0009】
これらのパラメータが定義されると、762mm/秒(30インチ/秒)で移動する印刷ヘッドの場合、全ての800個の熱アクチュエータは、42.3μm(1/600インチ)の走行でアドレス指定及び作動されなければならない。この例では、全てのアクチュエータにアドレスする時間は、55.55μsである。各熱アクチュエータが個別にアドレス指定された場合、各アクチュエータのタイムスライスは、55.55μs/800=69.4nsである。熱マイクロ流体排出要素の場合、この時間は、流体を核生成するために必要な時間が典型的に400ns超であるため、液滴を排出するのに不十分である。
【0010】
この理由で、かつ必要とされるデータ速度を低減するために、多数の熱アクチュエータを同じタイムスライスで作動させることを可能にするアドレス行列が定義される。アドレス行列は、典型的には、プリミティブ(P)及びアドレス(A)と称される熱アクチュエータの群として定義される。800個の熱アクチュエータの例では、許容可能なアドレス行列は、20P×40A=800であり得る。これにより、ここで、タイムスライスが55.55μs/40=1.39μsとして定義される。
【0011】
多くの用途では、これは、許容可能な核生成時間である。しかしながら、いくつかの熱印刷システムでは、排出された液滴の速度を改善するために、2つの別個のパルスに排出エネルギーを提供することが望ましい。この場合、タイムスライスを更に増加する必要がある。これは、P×Aアドレス行列の比率を変更することによって行うことができる。プリミティブP群の数が増加したかどうかを考慮する1つの態様は、これがまた、熱熱アクチュエータに必要とされる同時電流の量も増加させることである。この例では、アドレスAを20に減らすことによってアドレス行列が変更されるように、20で同時発射する数が固定される。
【0012】
エネルギーがアクチュエータに適用される方法(オーバーラップ、インターレースなど)の柔軟性を高めるために、第3の変数がアドレス行列に追加される、Fire(F)。この例では、アドレス行列は、ここで20P×20A×2F=800として定義される。
【0013】
図3は、最終的な先行技術のアドレスA行列のタイミング図に示す。示されているように、アドレスAの数は、第4の変数拡張アドレス(Extended Address、EA)の導入によって更に減少した。この場合、タイムスライスの持続時間を増加するために行われず、シリコンチップ上に必要とされるアドレスバスの幅を低減するために行われる。したがって、最終アドレス行列は、次の通りである。
20P×5A×2F×4EA=800。
【0014】
また、図3に示すように、熱アクチュエータが作動されない2サイクル、D1及びD2の追加がある。これは、移動する印刷ヘッドを使用する際に典型的に実施されるものである。プリンタからのフィードバックが、これらの期間に印刷ヘッドの移動が速すぎるか遅すぎることを示している場合、印刷ヘッドの位置補正及びタイミング同期を可能にするためにデッドサイクルが挿入される。
【0015】
図4は、熱アクチュエータアレイに沿ったプリミティブPの1つの可能な先行技術のグループ化を表す。各プリミティブPは、40個の熱アクチュエータを表す。40個のタイムスライスの各々において、作動される熱アクチュエータの数は、選択されたプリミティブPの数によって決定される。これは、0~20であり得る。
【0016】
図1図4に示される例示的な実施形態は、従来の先行技術の印刷ヘッドシステムを考慮したときの設計制約を実証する。印刷用途では、アドレス行列は、熱アクチュエータの空間パターン、所望の印刷解像度、印刷速度、及び熱アクチュエータの流体応答によって定義される。印刷用途では、プリミティブP及びアドレスAのデータは、2つ以上のシリアルデータ入力を使用して印刷ヘッド内にシフトされることが多い。
【0017】
図5は、印刷データを印刷ヘッドにシリアルでロードするための先行技術のタイミング図を示す。この構成は、クロック(CLK)、データ(ADATA/PDATA)、ロード(LOAD)及び発射(FIRE1、FIRE2)を必要とする。チップレジスタをクリアするために使用されるリセット(reset、RST)信号は、示されていない。この構成では、チップは、合計7つのデジタル入力を必要とする。
【0018】
各タイムスライスの間、プリンタは新しいADATA及びPDATA入力ストリームを送信する。データをチップ内にシフトさせるためには、データの各ビットに対して1つのクロックエッジが必要とされる。LOAD信号は、データストリームが完了した後に、データを内部レジスタ内にラッチするために使用される。現在のタイムスライスのADATA及びPDATAがラッチされると、FIRE1及びFIRE2信号が熱アクチュエータを作動させるために使用される。
【0019】
タイミング図に示されるように、次のタイムスライスのデータは、前のタイムスライスのための熱アクチュエータが作動されている間にチップ内にクロックされる。
【0020】
単一のADATA又はPDATAレジスタは、40ビット以上である場合がある。妥当な印刷速度を達成するために、CLK速度は、典型的には16MHz~48MHzである。
【0021】
この例に示されるように、画像を印刷する能力を有するマイクロ流体排出要素は、かなりの複雑性を有し、著しい計算及び入力/出力速度を必要とし得る。
【0022】
上で説明されるような媒体上にインクを印刷すること以外の別の分配用途は、液体組成物を空気中に分散させるなど、流体が環境に分散されるものである。このような用途では、画像を形成する必要はなく、正確な時間及び場所で特定のノズルにアドレスする必要もない。
【0023】
このような分配用途では、重要な性能パラメータは、質量分配速度である。これは、ノズルの数及び発射され得る周波数によって決定される。印刷用途のように画像を形成する必要がないため、制御デバイスに対する計算要件は、はるかに要求が少ない。実際に、環境内に分配するとき、例えば、低コストの8ビットマイクロコントローラを備え得る非常に単純な制御デバイスを有することが望ましい。この構成では、コスト及び複雑さの理由から、排出チップへの単純なインターフェースが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
先行技術の停止のうちの1つ以上に対処するために、本発明は、以下の方法及びマイクロ流体排出要素を提供する。
A.熱活性化マイクロ流体排出要素から流体組成物を送達する方法であって、熱活性化マイクロ流体排出要素が、複数のノズルと、各ノズルに関連付けられた熱アクチュエータと、を備え、方法が、
熱活性化マイクロ流体デバイスを電源に接続することと、
所定のシーケンスから熱アクチュエータを選択する第1の入力に、第1の電気パルスを送達することであって、所定のシーケンスは、熱活性化マイクロ流体デバイスの物理的レイアウトによって画定される、送達することと、
選択された熱アクチュエータを作動させるために、第2の入力に、明確に画定された幅の第2の電気パルスを供給することと、
選択された熱アクチュエータに関連付けられたノズルから流体組成物を排出することと、を含む、方法。
B.メモリビットのシーケンスからメモリビットを読み出すステップを更に含み、メモリビットの値が、出力ピン上に提示される、パラグラフAに記載の方法。
C.メモリビットのシーケンスから現在選択されているメモリビットを書き込むステップを更に含む、パラグラフA又はパラグラフBに記載の方法。
D.メモリビットの数及びノズルの数が、等しくない、パラグラフCに記載の方法。
E.第1の電気パルスが、第1の入力によって送達され、第1の入力が、リプルカウンタ及びアドレスデコーダと電気通信する、パラグラフA~Dのいずれかに記載の方法。
F.所定のシーケンスのノズルが、熱活性化マイクロ流体排出要素上に配置され、それにより、所定のシーケンスにおいて数値的に隣接しているノズルが、物理的に隣接していない、パラグラフA~Eのいずれかに記載の方法。
G.第2の電気パルスの持続時間は、選択されたノズルに関連付けられた熱アクチュエータが作動される時間に対応する、パラグラフA~Fのいずれかに記載の方法。
H.第1の電気パルスが、所定のシーケンスから2つ以上の熱アクチュエータを選択し、第2の電気パルスが、2つ以上の熱アクチュエータを作動させ、熱アクチュエータに関連付けられたノズルから流体組成物を排出するステップが、2つ以上の熱アクチュエータに関連付けられたノズルから流体組成物を排出することを更に含む、パラグラフA~Gのいずれかに記載の方法。
I.ノズルに関連付けられた熱アクチュエータとは別個である基板ヒータを用いて、熱活性化マイクロ流体排出要素全体にわたって温度を上昇させることを更に含む、パラグラフA~Hのいずれかに記載の方法。
J.熱活性化マイクロ流体排出要素であって、熱活性化マイクロ流体排出要素が、複数のノズルと、各ノズルに関連付けられた熱アクチュエータと、制御回路と、を備え、制御回路が、
所定のシーケンスを通して増分する論理回路であって、所定のシーケンスが、熱活性化マイクロ流体排出要素の物理的レイアウトによって画定される、論理回路と、
論理回路と電気通信する第1の入力と、
各熱アクチュエータと電気通信する第2の入力と、を備え、
第1の入力及び第2の入力が、熱活性化マイクロ流体排出要素上の各熱アクチュエータを選択及び通電するために使用される、熱活性化マイクロ流体排出要素。
K.複数のメモリセルを更に備え、単一のメモリセルが、論理回路によって選択され、選択されたメモリセルのバイナリ状態が、出力を通じてアクセス可能である、パラグラフJに記載の熱活性化マイクロ流体排出要素。
L.メモリセルの数と、ノズルの数とが等しくない、パラグラフKの熱活性化マイクロ流体排出要素。
M.論理回路が、リプルカウンタ及びアドレスデコーダを備える、パラグラフJ~Lのいずれかに記載の熱活性化マイクロ流体排出要素。
N.所定のシーケンスは、物理的に隣接するノズルが順番に発射されないように構成されている、パラグラフJ~Mのいずれかに記載の熱活性化マイクロ流体排出要素。
O.熱活性化マイクロ流体排出要素が、第1の複数のノズル及び第2の複数のノズルを備え、第1の複数が、第1のリザーバ内に配設された第1の流体組成物と流体連通しており、第2の複数が、第2のリザーバ内に配設された第2の流体組成物と流体連通しており、第1の流体組成物と第2の流体組成物とが異なる、パラグラフJ~Nのいずれかに記載の熱活性化マイクロ流体排出要素。
P.熱活性化マイクロ流体排出要素全体にわたって温度を上昇させるように構成された基板ヒータであって、基板ヒータが、ノズルに関連付けられた熱アクチュエータとは別個である、基板ヒータと、
温度センサと、を更に備える、パラグラフJ~Oのいずれかに記載の熱活性化マイクロ流体排出要素。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】熱アクチュエータの配置を示す、先行技術のマイクロ流体排出要素の一部分の概略平面図である。
図2】許容可能な先行技術の液滴配置パターンの一例を有する21.2μm×21.2μm(1/1200×1/1200インチ)の格子である。
図3】最終的な先行技術のアドレスA行列のタイミング図である。
図4】熱アクチュエータアレイに沿ったプリミティブPの1つの可能な先行技術のグループ化を示す図である。
図5】印刷データを印刷ヘッドにシリアルでロードするための先行技術のタイミング図である。
図6】例示的なマイクロ流体送達デバイスの前面斜視図である。
図7】例示的なマイクロ流体送達デバイスの背面斜視図である。
図8】例示的なカートリッジの斜視図である。
図9】線9-9に沿って見た、図8の断面図である。
図10】マイクロ流体排出要素を有する例示的なカートリッジの斜視図である。
図11】例示的なマイクロ流体排出要素の断面図である。
図12】マイクロ流体排出要素の一部分の平面図である。
図13】分配用途に最適化された簡略化されたインターフェースを実装する、その使用方法をサポートするマイクロ流体排出要素へのインターフェース(論理信号のみを示す)の図である。
図14】所定の発射シーケンスを示す、マイクロ流体排出要素の一部分の概略平面図である。
図15】例示的な論理回路図である。
図16】メモリセルのアドレス指定を含む例示的な論理回路図である。
図17】メモリセルのアドレス指定を含む例示的な論理回路図である。
図18】本開示の簡略化されたインターフェースのタイミング図である。
図19】マイクロ流体排出要素へのインターフェースの図である。
図20】基板ヒータ及びメモリセルのアドレス指定を含む、例示的な論理回路図である。
図21】2つの流体組成物リザーバを有するカートリッジの所定の発射シーケンスを示す、マイクロ流体排出要素の一部分の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書において説明される本発明は、空気などの環境内に流体組成物を分配するために最適化された簡略化されたインターフェースを実装する、マイクロ流体排出要素及びその使用方法を含む。流体組成物を空気中に分配するためには、ノズルアレイ内の別々の位置からノズルを個別に選択して発射する必要はない。したがって、本開示のマイクロ流体排出要素は、単一の時間サイクルにおいて特定のノズル又はノズル(複数)をアドレス指定する手段を提供しない。
【0027】
流体組成物は、例えば、インク、染料、顔料、接着剤、硬化性組成物、光学活性化化合物、金属酸化物、漂白剤、テクスチャ低減ポリマー、シリコーン、染色剤、塗料、界面活性剤、洗浄剤、悪臭低減剤、潤滑剤、充填剤、香水、香料、ポリマー、ポリマー添加剤、粒子、光学改質剤、光学マチュラ、並びに抗菌性及び抗菌剤などの他の活性物質、及びこれら又は他の材料の組み合わせ、を含むことができ、それらのいくつかは本明細書で更に説明される。
【0028】
図6図10を参照すると、マイクロ流体排出要素51は、カートリッジ10の一部であり得る。カートリッジ10は、マイクロ流体送達デバイス44と取り外し可能に接続可能であるように構成され得る。マイクロ流体送達デバイス44はまた、ハウジング46及び電源48を備え得る。ハウジング46は、カートリッジ10の全て又は一部分を受容し得る。レセプタクルは、カートリッジ10の一部分を受容し得るか、又はカートリッジ10は、レセプタクル内に完全に配設され得る。ハウジングのレセプタクルは、カートリッジ10の電気接点と電気的に接続するように構成された電気接点を含み得る。
【0029】
カートリッジ10は、流体組成物19を収容するためのリザーバ16を含み得る。カートリッジ10のリザーバ16は、約5mL~約50mLの流体組成物、代替的に約10mL~約30mLの流体組成物、代替的に約15mL~約20mLの流体組成物を収容し得る。リザーバ16は、流体組成物を収容するのに好適な任意の材料で製造され得る。容器に好適な材料としては、プラスチック、金属、セラミック、複合材などが挙げられるが、これらに限定されない。カートリッジは、各々が同じ又は異なる組成物を収容する多数のリザーバを有するように構成され得る。マイクロ流体送達デバイスは、各々が別個のリザーバを収容する1つ以上のカートリッジを利用し得る。
【0030】
リザーバ16はまた、マイクロ流体排出要素が動作していないときに流体組成物がマイクロ流体排出要素から漏出することを防止するために背圧を生成する、スポンジなどの多孔質材料17を含み得る。流体組成物は、流体組成物に作用する重力及び/又は毛細管力を介して、多孔質材料を通ってマイクロ流体排出要素へ移動し得る。多孔質材料は、流体通路を形成する多数の相互接続された連続気泡を含有する、金属若しくは布地メッシュ、連続気泡ポリマー発泡体、繊維性ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、又は繊維若しくは多孔質ウィックの二成分を含み得る。スポンジは、ポリウレタン発泡体を含まなくてもよい。
【0031】
図10図12を参照すると、カートリッジ10は、マイクロ流体排出要素51を含み得る。マイクロ流体排出要素51は、リザーバ内に配設された流体組成物と流体連通し得る。
【0032】
マイクロ流体排出要素の主要な構成要素は、半導体基板、流動機能層、及びノズルプレート層である。流動機能層及びノズルプレート層は、2つの別個の層又は1つの連続した層から形成され得る。半導体基板は、好ましくはシリコンから作製され、様々なパッシベーション層、導電性金属層、抵抗層、絶縁層、及びそのデバイス表面上に堆積された保護層を含む。半導体基板内の流体排出アクチュエータは、急速な圧力インパルスを発生させて、ノズルから流体組成物を排出する。流体排出アクチュエータは、圧電アクチュエータ又は熱アクチュエータであってもよい。急速圧力パルスは、高周波(例えば、マイクロメカニカル作動)で振動する圧電デバイスによって、又は流体組成物内の流体組成物の一部分を急速加熱サイクル(例えば、マイクロ熱核生成)によって揮発させる熱アクチュエータ抵抗器(すなわち、ヒータ)によって生成され得る。熱アクチュエータの場合、個々の熱アクチュエータ抵抗器は、抵抗層内に画定され、各熱アクチュエータ抵抗器は、流体組成物を加熱してノズルから排出するためのノズルプレート内のノズルに対応する。
【0033】
図11及び図12を参照すると、マイクロ流体排出要素110の一部分の簡略化された表示が示される。マイクロ流体排出要素は、図11の簡略化された図に示されるように、基板112のデバイス側116上に形成された圧電デバイス又は熱アクチュエータ抵抗器などの複数の流体排出アクチュエータ114を含むシリコン半導体基板112であり得る半導体基板112を含む。流体排出アクチュエータ114として圧電アクチュエータを有するマイクロ流体排出要素では、圧電アクチュエータは、図11に示されるようにノズルに隣接して配設され得るか、又はノズルから離れて配設され、なおも圧力パルスをノズルから排出される流体組成物に伝達し得る。流体排出アクチュエータ114が起動されると、半導体基板112内の1つ以上の流体供給ビア118を通じて供給される流体が、流体供給チャネル120を通って、厚膜層124内の流体チャンバ122に流れ、そこで流体が、ノズルプレート128内のノズル126を通じて排出させられる。流体排出アクチュエータは、周知の半導体製造技術によって、半導体基板112のデバイス側116上に形成される。厚膜層124及びノズルプレート128は、別個の層であってもよく、又は1つの連続した層であってもよい。
【0034】
ノズルプレート128は、約4~200個のノズル126、約6~120個のノズル、又は約8~64個のノズルを含み得る。各ノズル126は、1つの電気発射パルスごとに、約0.5~約35ピコリットル、約1~約20ピコリットル、又は約2~約10ピコリットルの流体組成物を送達し得る。個々のノズル126は、典型的には約23マイクロメートル(5~50マイクロメートル)の直径を有し得る。マイクロ流体排出要素51から放出される流体組成物の流速は、約5~約70mg/時の範囲内であり得るか、又は任意の他の好適な速度若しくは範囲であり得る。
【0035】
図13を参照すると、分配用途に最適化された簡略化されたインターフェースを実装する、その使用方法をサポートするマイクロ流体排出要素への論理的インターフェースが示される。物理的インターフェースを完成させるために必要な追加のインターフェース要素(例えば、電力及び/又はアナログ信号接続)は、わかりやすくする目的のみのために省略されている。流体組成物を空気中に分配するためには、ノズルアレイ内の別々の位置からノズルを個別に選択して発射させる必要はない。したがって、本開示のマイクロ流体排出要素は、単一の時間サイクルにおいて特定のノズル又はノズル(複数)をアドレス指定する手段を提供しない。代わりに、設計時に決定される所定の発射シーケンスが提供される。以下、論理入力/出力の及び他の接続(電力及びアナログ)の集合体は、インターフェースと称される。
【0036】
本発明の例示的な実施形態を説明する。マイクロ流体送達要素は、インターフェースを備える制御回路を有する半導体チップを備え得る。インターフェースは、アサートされると、チップの論理を既知の開始条件にリセットする信号(NRST)を含む。インターフェースは、マイクロ流体排出要素内の論理回路に所定のシーケンスから次のノズルを選択させる、信号(INCR)を更に含む。所定のシーケンスは、設計時にチップ内にエンコードされる。インターフェースはまた、選択されたノズルに関連付けられた熱アクチュエータを作動させる信号(FIRE)も含む。
【0037】
ノズルの所定の発射シーケンスは、例えば、隣接するノズルが連続して発射することを回避するように選択され得る。このようにして、1つのノズルから隣接するノズルへの干渉(流体クロストークと称されることもある)が回避され得る。このような配置の例が、図14に示される。単に例示的な例として、図14は、それらの間に物理的に挿入された6つの未発射ノズルを有する順番に発射されるノズルを示す。
【0038】
マイクロ流体排出要素は、シーケンスからノズルを選択するための論理回路を更に備える制御回路と、追加のアナログ回路と、を備える。例示的な論理回路を図15に示す。外部INCR信号は、6ビットリプルカウンタを駆動する。リプルカウンタは、ターミナルカウントに達するとカウント1(1)にリセットされるように構成され、例えば、ターミナルカウントは、2-1未満であり得る。ターミナルカウントは、チップ上に物理的に存在するノズルの数と等しいように選択され得る。リプルカウンタは、アドレスデコーダに結合されており、アドレスデコーダは、アドレスライン(Ax)及び拡張アドレスライン(EAx)のセットを出力することができる。デコードされたアドレス及び拡張アドレスは、特定のヒータを選択するように構成され得る。図15は、物理的にアドレス指定され得る32個の熱アクチュエータ114を有し、追加のアドレスが使用されていない、例示的なマイクロ流体排出要素を示す。
【0039】
図16を参照すると、マイクロ流体排出要素の通常動作では、2つの信号、INCR及びFIRE、のみが流体の分配を実行するために使用される。INCR信号及びFIRE信号は、交互のシーケンスで使用されて、所定のシーケンスで次のノズルに前進し、熱アクチュエータを作動させる。これにより、小型、かつ洗練されていないコントローラの使用、又はコントローラ上の計算負荷の低減が可能になる。
【0040】
アドレスデコーダは、一度に1つのノズルのみを作動させるように構成され得る。又は、アドレスデコーダは、多くのノズルを同時に作動させて、より高い分配速度を可能にし得る。
【0041】
説明されるインターフェースは、ノズルの数に依存しない。存在するノズルの数の知識を有することは、流体チャンバ122を再補充するのに十分な時間を提供するのに有用であるが、カートリッジが異なる数のノズルで再構成されるとき、インターフェースを変更する必要はない。実際、カートリッジ挿入時にノズルの数がコントローラに供給される場合、コントローラは、アップグレードを必要とせずに、異なる数のノズルを有する将来のカートリッジと互換性があり得る。
【0042】
熱アクチュエータによって消費されるエネルギーは、FIRE信号に適用されるパルスの持続時間によって決定され得る。この場合、FIRE信号の駆動源は、正確なタイミングを有する必要がある。代替的に、熱アクチュエータに適用されるパルスのタイミングは、チップの構成によって決定され得、それにより、FIRE信号の駆動源のタイミングは重要ではない。
【0043】
マイクロ流体排出要素は、製造中又は最終使用中に情報が記憶され得るように、埋め込みメモリセルを付加的に備え得る。例えば、図16及び図17に示されるような論理回路を使用して、メモリビットのシーケンス並びに熱アクチュエータから個々のメモリビットにアクセスすることができる。この例では、デコードされたアドレスは、メモリの48ビット全てをアドレスするのに十分である。この例では、図13のMEMR信号を監視しながら、INCR信号を繰り返しトグルすることによって、排出チップ内に埋め込まれたメモリの全内容が読み出され得る。個々のメモリセルが内部論理によって順次アドレス指定されると、対応するデータのビットがMEMR上に提示される。データのメモリビットの値は、信号MEMRに対応する出力ピン上に提示される。メモリセルは、可融性金属合金などのワンタイムプログラマブルメモリビットであってもよい。ヒューズの伝導状態をオープンドレイン電気出力に変換する電気インターフェースが提供され得る。インターフェースからのデータの読み取りを表す例示的な波形を図18に示す。
【0044】
同様に、所望のメモリビットが選択されるまでINCR信号をトグルし、次いでMEMW信号をアサートすることによって、メモリの特定のビットを書き込むことができる。メモリビットに書き込まれる値は、MEMW信号に対応する入力ピンに適用される。
【0045】
チップに格納されたデータの例には、カートリッジ内に配設された流体組成物の識別情報、マイクロ流体排出要素を適切に動作させるために制御論理によって必要とされる発射パラメータ、又は使用中にカートリッジ内に残っている流体組成物の推定量が含まれ得る。チップ上に存在するノズルの数がメモリに記録されている場合、コントローラ要素は、マイクロ流体排出要素の構造について更なる詳細を埋め込む必要はなく、より多い又はより少ないノズルを有する将来のバージョンを可能にする。
【0046】
図11図19、及び図20を参照して、排出チップの温度を制御することが望ましい用途では、基板ヒータ(複数可)130は、流体組成物の加熱に使用される熱アクチュエータ114とは異なるマイクロ流体排出要素内に組み込まれ得る。基板ヒータ(複数可)130は、所定の時間内にマイクロ流体排出要素全体の温度を上昇させるように設計されている。基板ヒータ(複数可)は、図19及び図20においてSUBHと標識されているデジタル信号によって制御され得る。
【0047】
正確な温度制御のために、マイクロ流体排出要素上に温度感知要素を含むことが望ましい場合がある。温度感知要素は、例えば、抵抗率の温度係数が十分に特徴付けられている金属合金抵抗ストリップであり得る。感知要素を介した温度の測定は、図19のTSR信号で利用可能なアナログ信号を介して行われ得る。温度センサとして金属合金抵抗ストリップの例を続けると、抵抗の温度依存性をアナログ電圧に変換するために、ホイートストンブリッジなどの外部回路が提供され得る。
【0048】
図19はまた、マイクロ流体分配要素への物理的インターフェースを完成させるために使用され得る追加の接続も示す。図19において、HPWRは、熱アクチュエータを作動させ、メモリヒューズを開放するための電力入力である。要素の構造に応じて、HPWRは、6V~18Vの範囲であり得る。LPWRは、カウント及びデコード回路の電力入力であり、3.3V~5Vの範囲であり得る。GNDは、電源用の共通の電流リターンパスである。
【0049】
2つの流体組成物リザーバを有するマイクロ流体分配カートリッジを構築することが望ましい場合がある。これにより、2つの流体組成物を同時に又は異なる時間に送達することが可能になる。本明細書において説明される簡略化されたインターフェースは、この構成に容易に適合され得る。図21は、ノズルのアレイを、2チャネル排出チップにおいて多数の流体経路の周りにグループ化し得る方法を示す。この例では、第1の流体は、第1の16のノズルのみを順番に発射することによって分配され得る。これに続いて、第2の流体が、第2の流体経路の周りに配列されている後続の16のノズルを発射することによって分配され得る。代替的に、第1の流体の分配に続いて、NRST信号を介して、チップをリセットすることができ、それにより、その後の発射では、第1の流体が再び分配される。第2の流体のみを分配する場合、コントローラは、INCR信号を16回(FIRE信号をアクティブにせずに)トグルして、第2のノズル群に進む。その後、INCR信号及びFIRE信号を交互に使用して、第2の流体を含有するノズルをインクリメントして発射する。
【0050】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0051】
本明細書全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、全てのより低い数値限定を、かかるより低い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含することを理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、全てのより高い数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に収まる全てのより狭い数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0052】
相互参照される又は関連するいかなる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張するいかなる特許出願又は特許を含む、本出願に引用される全ての文書も、除外又は限定することを明言しない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は任意の他の参考文献(単数又は複数)との組み合わせで、いかなるそのような発明も、教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0053】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。
図1
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