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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】測定装置用の保護デバイス
(51)【国際特許分類】
   G12B 17/08 20060101AFI20220704BHJP
【FI】
G12B17/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021522127
(86)(22)【出願日】2019-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2019067549
(87)【国際公開番号】W WO2020011578
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】18182811.2
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シーグラー, ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ローナー, ラルフ
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108194805(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1474718(KR,B1)
【文献】特開2011-105186(JP,A)
【文献】特開2017-214015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16-21/33
G01C 1/00-15/14
G01Q 10/00
60/16
60/22
60/38
60/54
70/00
G12B 1/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三脚(12)上に配置することができる測定装置(11)用の保護デバイス(10)であって、
ねじ穴(25)及びねじピン(26)を有するハウジング(13)であって、前記ねじ穴(25)が、前記ハウジング(13)のハウジング下部側面(21)に設けられており、前記ねじピン(26)が、前記ハウジング(13)のハウジング上部側面(22)に設けられている、ハウジング(13)と、
膨張状態で円筒形の内部空間(31、58)を取り囲み、衝突時にエネルギーが導入される衝撃チャンバ(33、54)を有するエアバッグ(14、51)と、
少なくとも1つのガスが充填されたガスコンテナ(17)と、制御デバイス(18)と、エネルギー源(19)と、を有する充填デバイス(15)と、
ガス交換のために前記エアバッグ(14、51)と前記充填デバイス(15)とを接続する接続ライン(16)と、を有し、
前記エアバッグ(14、51)は、前記エアバッグ(14、51)の形状を安定化する第1の安定化チャンバ(32、53)と、前記エアバッグ(14、51)の形状を安定化する第2の安定化チャンバ(34、55)と、を有し、
前記第1の安定化チャンバ(32、53)及び前記衝撃チャンバ(33、54)がガス交換のために接続され、前記衝撃チャンバ(33、54)及び前記第2の安定化チャンバ(34、55)がガス交換のために接続され、
前記衝撃チャンバ(33、54)は、前記エアバッグ(14、51)の外側で、前記第1の安定化チャンバ(32、53)に対して及び前記第2の安定化チャンバ(34、55)に対して突出することを特徴とする、保護デバイス(10)。
【請求項2】
前記衝撃チャンバ(33)が、前記第1の安定化チャンバ(32)の第1の幅(b1)よりも大きく、且つ、前記第2の安定化チャンバ(34)の第2の幅(b2)よりも大きいリング幅(B)を有する、ことを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の安定化チャンバ(32)が、複数の第1のサブチャンバ(32A、32B、32C、32D)を有し、隣接する第1のサブチャンバが、ガス交換のために接続されている、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記衝撃チャンバ(33)が、複数の第1の衝撃サブチャンバ(33A、33B、33C、33D)を有し、隣接する第1の衝撃サブチャンバが、ガス交換のために接続されている、ことを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2の安定化チャンバ(34)が、複数の第2のサブチャンバ(34A、34B、34C)を有し、隣接する第2のサブチャンバが、ガス交換のために接続されている、ことを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記エアバッグ(51)が、充填チャンバ(52)を有し、前記第1の安定化チャンバ(53)及び前記充填チャンバ(52)が、ガス交換のために接続されている、ことを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記充填チャンバ(52)が、複数のサブチャンバを有する、ことを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記エアバッグ(51)が、更なる衝撃チャンバ(56)及び第3の安定化チャンバ(57)を更に有し、前記第2の安定化チャンバ(55)及び前記更なる衝撃チャンバ(56)が、ガス交換のために接続されており、前記更なる衝撃チャンバ(56)及び前記第3の安定化チャンバ(57)が、ガス交換のために接続されている、ことを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記更なる衝撃チャンバ(56)が、複数の第2の衝撃サブチャンバを有し、隣接する第2の衝撃サブチャンバが、ガス交換のために接続されている、ことを特徴とする、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第3の安定化チャンバ(57)が、複数の第3のサブチャンバを有し、隣接する第3のサブチャンバが、ガス交換のために接続されている、ことを特徴とする、請求項又はに記載のデバイス。
【請求項11】
前記制御デバイス(18)によって開状態と閉状態とを切り替えることができるバルブが、前記接続ライン(18)に設けられている、ことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る測定装置用の保護デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
トータルステーション、レーザスキャナ、2Dレイアウトデバイス、及び回転式レーザレベルなどの測定装置は、レベリング、マーキング、及び測定タスクのために内外で使用される。測定装置は、一般に、三脚に固定され、三脚は、所望の位置で内外に設置される。この文脈では、測定装置及び三脚が、下にある表面上、又は周囲の物体上に、転倒及び落下する事故が起こり得る。敏感な測定装置は、取り返しがつかないほどに損傷する場合がある。一方では、これにより、測定装置の修理又は交換の費用を生じさせ、更に、測定装置が修理又は交換されるまで、利用可能な測定装置がなくなってしまう。
【0003】
落下による測定装置の損傷を避けるために、エアバッグを備えた保護デバイスが知られている。KR101474718B1号明細書には、トータルステーションとして設計された測定装置用のこの種の保護デバイスが開示されている。装置が転倒した場合、クッションとして設計されたエアバッグが膨張し、下にある表面と測定装置との間にそれ自身が位置付けられ、それによって下にある表面上での測定装置の直接的な衝撃を防ぐ。保護デバイスは、測定装置と三脚との間に配置された別個のアクセサリとして設計されている。保護デバイスは、ハウジング、4つのエアバッグ、ガスが充填されたガスコンテナを有する充填デバイス、制御デバイス、及びエネルギー源、並びにエアバッグを充填デバイスに接続する接続ライン、を備える。4つのエアバッグは、保護デバイスのハウジング内に折り畳まれて配置され、4つのエアバッグのそれぞれは、1つの角度領域に割り当てられている。センサデバイスを用いて、測定装置及び関連付けられたエアバッグの転倒方向が決定される。エアバッグを充填するためのガスコンテナは、ラインを介してエアバッグに接続され、三脚の近くに設置されている。
【0004】
測定装置用に関するKR101474718B1号明細書から既知の保護デバイスには、4つのエアバッグが必要とされ、充填デバイスがハウジングの外側に配置されるという欠点がある。これにより、測定装置の操作時にユーザの邪魔をし得る保護デバイスがもたらされ、ユーザは、三脚の隣に設置されたガスコンテナにつまずいて、測定装置を転倒させる可能性がある。2つの隣接するエアバッグ間の移行領域で測定装置が衝撃を受けると、保護デバイスがあったとしても、測定装置がエアバッグを傾けたり転がしたりして、測定装置が損傷する危険性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、三脚に固定される測定装置用の保護デバイスを開発することである。保護デバイスは、測定装置の全ての構成要素を損傷から保護することを意図している。同時に、保護デバイスは、可能な限りコンパクトな設計であるべきであり、測定装置の操作時に、ユーザをできるだけ邪魔しない、理想的にはまったく邪魔しないようにする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、独立請求項1の特徴によって、測定装置について始めに述べた保護デバイスの場合に達成される。有利な展開については、従属クレームに明記されている。
【0007】
本発明によれば、エアバッグは、膨張状態で円筒形の内部空間を取り囲むことが想定されている。本発明による保護デバイスは、三脚に固定された測定装置を保護するために使用される。測定器が三脚に固定されている事実により、三脚及び/又は測定装置に衝撃を与えることで三脚の転倒につながる。一般に、三脚及び測定装置を含む全体の配置が、1つの三脚の脚又は2つの三脚の脚の上で傾いて、測定装置は、弧を描いて下にある表面に近づく。下にある表面に最初にぶつかる測定装置の領域は、エアバッグを用いて簡単に識別及び保護することができる。
【0008】
エアバッグは、膨張状態で、測定装置が配置されている円筒形の内部空間を取り囲むように設計されている。三脚が転倒すると、測定装置はその側面に衝撃を受けるため、エアバッグは十分な保護を提供する。エアバッグは測定装置を取り囲み、衝撃時に導入されるエネルギーを分配するため、このプロセスの間、測定装置に伝達されるエネルギーは可能な限り少なくなる。円筒形の内部空間は、複数の円筒形セクションから構成することができ、円筒形の内部空間の形状は、測定装置の形状に一致する。
【0009】
エアバッグは、好ましくは、第1の安定化チャンバ、衝撃チャンバ、及び第2の安定化チャンバを有し、第1の安定化チャンバ及び衝撃チャンバは、ガス交換のために接続され、衝撃チャンバ及び第2の安定化チャンバは、ガス交換のために接続されている。衝撃チャンバという用語は、下にある表面との衝突時にエネルギーが導入されるエアバッグのチャンバを示すために使用され、安定化チャンバという用語は、エアバッグの形状を安定化するエアバッグのチャンバを示すために使用される。転倒の間、エネルギーは衝撃チャンバを介して導入され、次いで、導入されたエネルギーは、エアバッグ内で分配及び放散される。このプロセスの間、エアバッグの円筒形の内部空間に配置された測定装置に伝達されるエネルギーは可能な限り少なくなる。衝撃チャンバは環状設計であり、測定装置による衝撃の間に下にある表面に最初に接触する測定装置の領域を保護する。衝撃チャンバは、エアバッグの外側で、第1の安定化チャンバに対して及び第2の安定化チャンバに対して突出するように構成されている。
【0010】
特に好ましいものとして、衝撃チャンバは、第1の安定化チャンバの第1の幅よりも大きく、且つ、第2の安定化チャンバの第2の幅よりも大きいリング幅を有する。衝撃チャンバのリング幅により、衝撃チャンバが、エアバッグの外側で、第1の安定化チャンバに対して及び第2の安定化チャンバに対して突出するのを確実にすることが可能である。
【0011】
第1の安定化チャンバは、好ましくは、複数の第1のサブチャンバを有し、隣接する第1のサブチャンバは、ガス交換のために接続されている。第1の安定化チャンバを形成する第1のサブチャンバの数及び形状により、衝撃の間に導入されるエネルギーのエネルギー伝達がエアバッグ内でどのように行われるかに影響を与えることが可能である。このプロセスの間、エアバッグの円筒形の内部空間に配置された測定装置に伝達されるエネルギーは可能な限り少なくなる。
【0012】
衝撃チャンバは、好ましくは、複数の第1の衝撃サブチャンバを有し、隣接する第1の衝撃サブチャンバは、ガス交換のために接続されている。衝撃チャンバを形成する第1の衝撃サブチャンバの数及び形状により、衝撃の間に導入されるエネルギーのエネルギー伝達がエアバッグ内でどのように行われるかに影響を与えることが可能である。このプロセスの間、エアバッグの円筒形の内部空間に配置された測定装置に伝達されるエネルギーは可能な限り少なくなる。
【0013】
第2の安定化チャンバは、好ましくは、複数の第2のサブチャンバを有し、隣接する第2のサブチャンバは、ガス交換のために接続されている。第2の安定化チャンバを形成する第2のサブチャンバの数及び形状により、衝撃の間に導入されるエネルギーのエネルギー伝達がエアバッグ内でどのように行われるかに影響を与えることが可能である。このプロセスの間、エアバッグの円筒形の内部空間に配置された測定装置に伝達されるエネルギーは可能な限り少なくなる。
【0014】
エアバッグは、好ましくは、充填チャンバを有し、第1の安定化チャンバ及び充填チャンバは、ガス交換のために接続されている。ガスは、第1の安定化チャンバに直接流入するのではなく、最初に充填チャンバに流入し、そこから、第1の安定化チャンバに流入する。充填チャンバは、ガスを第1の安定化チャンバ内に均一に分配し、保護デバイスのハウジングと、エアバッグの第1の安定化チャンバとの間の通路をブリッジする。
【0015】
特に好ましいものとして、充填チャンバは、複数のサブチャンバを有する。エアバッグへのガスの充填を加速するために、ガスコンテナは、ガスコンテナを充填チャンバのサブチャンバに接続する複数の接続ラインを有することができる。
【0016】
特に好ましいものとして、エアバッグは、更なる衝撃チャンバ及び第3の安定化チャンバを更に有し、第2の安定化チャンバ及び更なる衝撃チャンバは、ガス交換のために接続され、更なる衝撃チャンバ及び第3の安定化チャンバはガス交換のために接続されている。大型の測定装置又は不規則な形状の測定装置の場合、更なる衝撃チャンバ及び第3の安定化チャンバを備えたエアバッグにより、複数の衝撃チャンバを介して衝撃の間にエアバッグにエネルギーを導入し、それをより均一に分配する可能性を提供する。衝撃チャンバ及び更なる衝撃チャンバに導入されたエネルギーは、エアバッグ内のガスを用いて分配される。
【0017】
特に好ましいものとして、更なる衝撃チャンバは、複数の第2の衝撃サブチャンバを有し、隣接する第2の衝撃サブチャンバは、ガス交換のために接続されている。衝撃チャンバを形成する第2の衝撃サブチャンバの数及び形状により、衝撃の間に導入されるエネルギーのエネルギー伝達がエアバッグ内でどのように行われるかに影響を与えることが可能である。このプロセスの間、エアバッグの円筒形の内部空間に配置された測定装置に伝達されるエネルギーは可能な限り少なくなる。
【0018】
特に好ましいものとして、第3の安定化チャンバは、複数の第3のサブチャンバを有し、隣接する第3のサブチャンバは、ガス交換のために接続されている。第3の安定化チャンバを形成する第3のサブチャンバの数及び形状により、衝撃の間に導入されるエネルギーのエネルギー伝達がエアバッグ内でどのように行われるかに影響を与えることが可能である。このプロセスの間、エアバッグの円筒形の内部空間に配置された測定装置に伝達されるエネルギーは可能な限り少なくなる。
【0019】
好ましい実施形態では、制御デバイスによって開状態と閉状態とを切り替えることができるバルブが、接続ラインに設けられている。エアバッグに導入されたガスは、エアバッグのトリガ後、バルブを介してゆっくりと排出させることができる。代替として、保護デバイスからガスコンテナを取り外すことによってエアバッグを空にすることができ、それによって、エアバッグからより迅速にガスを排出させることができる。エアバッグに使用される材料は、一般に、ガスに対して完全に不浸透性ではなく、ガスのごく一部が、エアバッグを通って外部に拡散し得る。
【0020】
例示的な実施形態
本発明の例示的な実施形態を、図面を参照して以下に説明する。これらが例示的な実施形態をスケーリングすることを示すことは必ずしも意図されておらず、代わりに、説明に助けとなる図面が、概略的に及び/又はわずかに歪んだ形態で表されている。ここでは、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、実施形態の形態及び詳細に関連する様々な修正及び変更を行うことができることを考慮に入れるべきである。本発明の一般的な概念は、以下に示され、説明される好ましい実施形態の正確な形態又は詳細に限定されず、又は特許請求の範囲で請求される主題と比較して限定され得る主題に限定されない。所与の設計範囲に対して、言及された制限内の値もまた制限値として開示され、所望に応じて使用可能であり、請求可能でなければならない。簡単にするために、以下では、同一若しくは類似の部品、又は同一若しくは類似の機能を有する部品に対して同一の参照番号を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】測定装置と三脚との間に配置された保護デバイスについて示す図である。
図2A図1の保護デバイスについて示す図である。
図2B図1の保護デバイスについて示す図である。
図3A】上方からの図であり、膨張したエアバッグを備えた図1の保護デバイスについて示す図である。
図3B】側面図であり、膨張したエアバッグを備えた図1の保護デバイスについて示す図である。
図4A】複数のチャンバから構成される、図3A及び図3Bのエアバッグを示しており、第1の安定化チャンバと衝撃チャンバとの間の接続について示す図である。
図4B】複数のチャンバから構成される、図3A及び図3Bのエアバッグを示しており、衝撃チャンバと第2の安定化チャンバ34との間の接続について示す図である。
図5A図1の保護デバイス用の代替的なエアバッグについて示す図である。
図5B図1の保護デバイス用の代替的なエアバッグについて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、測定装置11と三脚12との間に配置された保護デバイス10を示している。通常、測定装置は、三脚上に直接固定されている。この目的のために、測定装置には標準化されたねじ穴があり、そこに三脚の標準化されたねじピンがねじ込まれている。
【0023】
「測定装置」という用語は、アクセスできない現象及び特性を測定するための全ての装置を含む。測定装置の例には、トータルステーション、レーザスキャナ、2Dレイアウトデバイス、ロータリレーザレベルが挙げられる。
【0024】
図2A及び図2Bは、図1の保護デバイス10を示している。保護デバイス10は、ハウジング13、エアバッグ14、充填デバイス15、及びエアバッグ14と充填デバイス15を互いに接続する接続ライン16を備える。充填デバイス15は、ガスで充填されたガスコンテナ17、充填デバイス15及び接続ライン16を制御する制御デバイス18、及び充填デバイス15によってエアバッグ14を膨張させるのに必要なエネルギーを供給するエネルギー源19を備える。「制御デバイス」という用語は、開ループ制御、閉ループ制御、及び/又は保護デバイス10の動作の監視を実行する全ての構成要素を含む。制御デバイス18は、例えば、マイクロコントローラ、及び測定装置11の転倒を検出する加速度センサを備える。
【0025】
ハウジング13は、ハウジング下部側面21として、ハウジング上部側面22として、下部横側面23として、及び上部横側面24として設計された、複数のハウジングセクションからなる。ハウジング下部側面21には、三脚12のねじピンにねじ込まれるねじ穴25が設けられており、ハウジング上部側面22には、測定装置12のねじ穴にねじ込まれるねじピン26が設けられている。区別するために、保護デバイス10のねじ穴25及びねじピン26は、以下では第1のねじ穴及び第1のねじピンと示され、測定装置12のねじ穴は、第2のねじ穴として示され、三脚のねじピンは、第2のねじピンとして示される。
【0026】
ハウジング13は、下部内部空間と上部内部空間とに分割されている。下部内部空間は、ハウジング下部側面21、下部横側面23、及び仕切り面27によって境界を定められ、上部内部空間は、仕切り面27、上部横側面24、及びハウジング上部側面22によって境界が定められている。下部内部空間は、ガスコンテナ17を備えた充填デバイス15、制御デバイス18、及びエネルギー源19を収容する。例示的な実施形態では、ガスコンテナ17は、外側からハウジング13内に挿入され、新しいガスコンテナと簡単に交換することができ、代替として、ガスコンテナをハウジングに固定して設置することができる。上部内部空間は、折り畳まれた状態でエアバッグ14を収容する。上部横側面24は、使用時に取り出され、したがって、充填デバイス15によってエアバッグ14を膨張させることを可能にする折り畳み面として設計されている。保護デバイス10は、スイッチ28によってオン及びオフに切り替えることができる。
【0027】
図3A及び図3Bは、膨張状態の保護デバイス10のエアバッグ14を示している。この場合、図3Aは、上方から見たエアバッグ14を示し、図3Bは、側面から見たエアバッグ14を示している。
【0028】
図3Aは、測定装置11と三脚12との間に配置された保護デバイス10を示している。保護デバイス10の膨張したエアバッグ14は、測定装置11が配置され、損傷から保護されている円筒形の内部空間31を取り囲んでいる。内部空間31の形状は、測定装置11の外部形状に可能な限り一致している。
【0029】
エアバッグ14は、第1の安定化チャンバ32として、衝撃チャンバ33として、及び第2の安定化チャンバ34として設計された、複数の環状チャンバを備える。エアバッグ14が充填されるとき、ガスは、第1の安定化チャンバ32内に流入し、そこから衝撃チャンバ33内に流入し、次いで第2の安定化チャンバ34内に流入する。第1の安定化チャンバ32は、ガス交換のために衝撃チャンバ33に接続され、衝撃チャンバ33は、ガス交換のために第2の安定化チャンバ34に接続されている。
【0030】
衝撃チャンバという用語は、下にある表面との衝突時にエネルギー/力が導入されるエアバッグ14のチャンバを示すために使用され、安定化チャンバという用語は、エアバッグ14の形状を安定化するエアバッグ14のチャンバを示すために使用されている。この文脈では、第1の安定化チャンバと第2の安定化チャンバとの間で区別がなされる。エアバッグ14が充填されるとき、第1の安定化チャンバは、第2の安定化チャンバの前に、一度にガスで充填される。
【0031】
エアバッグ14を構成する際には、転倒の間に測定装置11を保護するために、エアバッグを短時間で完全に膨張させなければならないという事実を考慮しなければならない。その一方で、エアバッグ14は、エアバッグ内のガスを介して圧力を均等化することによって、落下中に衝撃チャンバ33に導入されたエネルギーを分配する形状を有しなければならない。エアバッグ14の形状の適合は、第1の安定化チャンバ32、衝撃チャンバ33、及び/又は第2の安定化チャンバ34をサブチャンバに分割することによって達成される。この細分化は、例えば、隣接するサブチャンバ間の移行部における断面積を減少させるタックを用いて達成することができる。
【0032】
例示的な実施形態では、第1の安定化チャンバ32は、4つの第1のサブチャンバ32A、32B、32C、32Dを含み、隣接する第1のサブチャンバは、ガス交換のために接続されている。例示的な実施形態では、衝撃チャンバ33は、4つの衝撃サブチャンバ33A、33B、33C、33Dを含み、隣接する衝撃サブチャンバは、ガス交換のために接続されている。例示的な実施形態では、第2の安定化チャンバ34は、3つの第2のサブチャンバ34A、34B、34Cを含み、隣接する第2のサブチャンバは、ガス交換のために接続されている。それらの部分に対して、第2のサブチャンバ34A、34B、34Cを、再び第2のサブチャンバに分割することができる。
【0033】
エアバッグ14が充填されるとき、ガスは、第1の安定化チャンバ32内に流入し、そこから衝撃チャンバ33内に流入し、次いで第2の安定化チャンバ34内に流入する。エアバッグ14の急速膨張を可能にするために、第1の安定化チャンバ32、衝撃チャンバ33、及び第2の安定化チャンバ34は、接続通路35A、35B、35C、35Dによって接続されている。接続通路の断面積は、使用するガスの量に一致する。
【0034】
図3A及び図3Bの例示的な実施形態は、衝撃チャンバを有するエアバッグを示している。代替として、エアバッグは、2つ以上の衝撃チャンバを有することができる。エアバッグが有する衝撃チャンバの数は、エアバッグによって保護される測定装置のサイズ、重量、落下高さ、及び形状に依存する。
【0035】
図4A及び図4Bは、第1の安定化チャンバ32と衝撃チャンバ33との間の接続(図4A)を示し、衝撃チャンバ33と第2の安定化チャンバ34との間の接続(図4B)を示す。
【0036】
エアバッグ51の充填は、第1の安定化チャンバ32と衝撃チャンバ33を接続し、衝撃チャンバ33と第2の安定化チャンバ34を接続する接続通路35A、35B、35C、35Dを介して行われる。更に、接続通路35A、35B、35C、35Dは、衝撃チャンバ33と、第1及び第2の安定化チャンバ32、34との間のガス交換を可能にする。衝撃の間に衝撃チャンバ33を介して導入されたエネルギーは、エアバッグ14内のガスを介して分配される。
【0037】
図5A及び図5Bは、保護デバイス10内のエアバッグ14を置き換えることができるエアバッグ51を示している。エアバッグ51は、充填チャンバ52、第1の安定化チャンバ53、衝撃チャンバ54、第2の安定化チャンバ55、更なる衝撃チャンバ56、及び第3の安定化チャンバ57として設計された、複数の環状チャンバを備える。区別するために、衝撃チャンバ54は第1の衝撃チャンバと呼ばれ、更なる衝撃チャンバ56は第2の衝撃チャンバと呼ばれる。エアバッグ51は、円筒形の内部空間58を取り囲んでいる。
【0038】
大型の測定装置又は不規則な形状の測定装置の場合、衝撃チャンバ54及び更なる衝撃チャンバ56を備えたエアバッグ51により、2つの衝撃チャンバ54、56を介して衝撃の間にエアバッグ51内にエネルギーを導入し、それをエアバッグ51内により均一に分配する可能性を提供する。衝撃チャンバ54及び更なる衝撃チャンバ56内に導入されたエネルギーは、エアバッグ51内のガスを用いて分配される。第1の安定化チャンバ53、第2の安定化チャンバ55、及び第3の安定化チャンバ57は、エアバッグ51を安定化させるのに役立つ。
【0039】
エアバッグ51が充填されるとき、ガスは、最初にガスコンテナ17から充填チャンバ52内に流入し、そこから第1の安定化チャンバ53に、そこから衝撃チャンバ54に、そこから第2の安定化チャンバ55に、そこから更なる衝撃チャンバ56に、及びそこから第3の安定化チャンバ57に流入する。第1の安定化チャンバ53は、ガス交換のために衝撃チャンバ54に接続され、衝撃チャンバ54は、ガス交換のために第2の安定化チャンバ55に接続され、第2の安定化チャンバ55は、ガス交換のために更なる衝撃チャンバ56に接続され、及び更なる衝撃チャンバ56は、ガス交換のために第3の安定化チャンバ57に接続されている。
【符号の説明】
【0040】
10 保護デバイス
11 測定装置
12 三脚
13 ハウジング
14 エアバッグ
15 充填デバイス
16 接続ライン
17 ガスコンテナ
18 制御デバイス
19 エネルギー源
25 ねじ穴
26 ねじピン
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B