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特許7098838モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムならびに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-01
(45)【発行日】2022-07-11
(54)【発明の名称】モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムならびに方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/348 20060101AFI20220704BHJP
   B66B 7/00 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
E04B1/348 G
E04B1/348 V
B66B7/00 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021525607
(86)(22)【出願日】2019-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 US2019031370
(87)【国際公開番号】W WO2020101735
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-05-26
(31)【優先権主張番号】62/767,339
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515273564
【氏名又は名称】イノベイティブ ビルディング テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ、アーラン
(72)【発明者】
【氏名】ウェールマン、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ダメント、ピーター
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第20002775(DE,U1)
【文献】特開平8-326158(JP,A)
【文献】特開2006-29064(JP,A)
【文献】特開2007-290810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/348
B66B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータドアとエレベータドアフレームとを有する第1サイドパネルであって、前記第1サイドパネルは第1ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡るように動作可能であり、前記第1サイドパネルは階段および手摺支持構成要素を備えている、前記第1サイドパネルと、
階段室ドアと階段室ドアフレームとを有する第2サイドパネルであって、前記第2サイドパネルは第2ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡るように動作可能であり、前記第2サイドパネルは階段および手摺支持構成要素を備えている、前記第2サイドパネルと、
第3ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡るように動作可能なエンドパネルと、
第1エレベータ構成要素を備えている第1エレベータシャフトパネルと、
第2エレベータ構成要素を備えている第2エレベータシャフトパネルと、
前記階段および手摺支持構成要素に取り付けるように構成された1つまたは複数の階段室踏面と、
前記階段および手摺支持構成要素に取り付けるように構成された1つまたは複数の階段室手摺と、および
前記階段および手摺支持構成要素に取り付けるように構成された1つまたは複数の階段室踊り場と
を備えている、モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項2】
前記第1サイドパネル、前記第2サイドパネル、および前記エンドパネルは第1高さであり、
前記第1エレベータシャフトパネルおよび前記第2エレベータシャフトパネルは、それぞれ前記第1高さよりも大きい第2高さである、
請求項1に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項3】
前記第1高さは1階建ての一部に渡り、
前記第2高さは2階建ての一部に渡る、
請求項2に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項4】
前記階段および手摺支持構成要素は、前記第1サイドパネル、前記第2サイドパネル、および前記エンドパネルを建物に設置する前に、前記第1サイドパネル、前記第2サイドパネル、および前記エンドパネルに取り付けられる、
請求項1に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項5】
前記第1エレベータシャフトパネルおよび前記第2エレベータシャフトパネルは、対応するコーベルビームに取り付けられたそれぞれのクリップに取り付けられるように動作可能であり、
前記第1エレベータシャフトパネルおよび前記第2エレベータシャフトパネルはそれぞれ、一緒に取り付けられて1つまたは複数の垂直フレーム部材および1つまたは複数の水平フレーム部材を形成する複数の軽量ゲージ部材を備えている、
請求項1に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項6】
前記エレベータドアフレームおよび前記エレベータドアは、建物への前記第1サイドパネルの設置前に、前記第1サイドパネルに設置されている、
請求項1に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項7】
前記階段室ドアフレームおよび前記階段室ドアは、建物への前記第2サイドパネルの設置前に、前記第2サイドパネルに設置されている、
請求項1に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項8】
前記1つまたは複数の階段室踏面、前記1つまたは複数の階段室手摺、および前記1つまたは複数の階段室踊り場は、建物の建設現場で設置される、
請求項1に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項9】
前記第1エレベータ構成要素は、1つまたは複数のカウンタウェイトレール、1つまたは複数のカウンタウェイトブラケット、および1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている、
請求項1のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項10】
前記第2エレベータ構成要素は、1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている、
請求項1に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項11】
前記モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムはさらに1つまたは複数のエレベータレールを備えており、
前記1つまたは複数のエレベータレールは、建物の建設現場において前記第1エレベータシャフトパネルおよび前記第2エレベータシャフトパネルを建物に設置する前に、建物の建設現場において前記第1エレベータシャフトパネルおよび前記第2エレベータシャフトパネルに設置されたそれぞれのエレベータレールブラケットに設置される、
請求項1に記載のモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム。
【請求項12】
エレベータドアとエレベータドアフレームとを有する第1サイドパネルを形成する工程であって、前記第1サイドパネルは第1ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡るように構成される、工程と、
前記第1サイドパネルに第1階段および手摺支持構成要素を設置する工程と、
階段室ドアと階段室ドアフレームとを有する第2サイドパネルを形成する工程であって、前記第2サイドパネルは第2ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡るように構成される、工程と、
第2階段および手摺支持構成要素を前記第2サイドパネルに設置する工程と、
第3ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡るように構成されたエンドパネルを形成する工程と、
第1エレベータシャフトパネルを形成する工程と、
前記第1エレベータシャフトパネルに第1エレベータ構成要素を設置する工程と、
第2エレベータシャフトパネルを形成する工程と、
前記第2エレベータシャフトパネルに第2エレベータ構成要素を設置する工程と
を備えている方法であって、
前記形成する工程および前記設置する工程は、前記第1サイドパネル、前記第2サイドパネル、前記エンドパネル、前記第1エレベータシャフトパネル、および前記第2エレベータシャフトパネルが建物に設置される前に行われる、
方法。
【請求項13】
前記第1サイドパネル、前記第2サイドパネル、および前記エンドパネルは、それぞれ第1高さを有するように形成され、
前記第1エレベータシャフトパネルおよび前記第2エレベータシャフトパネルは、それぞれ前記第1高さよりも大きい第2高さを有するように形成される、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1高さは1階建ての一部に渡り、
前記第2高さは2階建ての一部に渡る、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1エレベータシャフトパネルと前記第2エレベータシャフトパネルとは、対応するコーベルビームに取り付けられたそれぞれのクリップに取り付けるように構成されている、
請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第1エレベータ構成要素は、1つまたは複数のカウンタウェイトレール、1つまたは複数のカウンタウェイトブラケット、および1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている、
請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第2エレベータ構成要素は、1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている、
請求項12に記載の方法。
【請求項18】
建物内に、第1ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡る第1サイドパネルを設置する工程であって、前記第1サイドパネルはエレベータドア、エレベータドアフレーム、および階段および手摺支持構成要素を備えている、工程と、
前記建物内に、第2ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡る第2サイドパネルを設置する工程で、前記第2サイドパネルは階段室ドアフレーム、階段室ドア、および階段および手摺支持構成要素とを備えている、工程と、
前記建物内に、第3ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡るように構成されたエンドパネルを設置する工程と、
第1エレベータシャフトパネルが前記建物に設置される前に前記第1エレベータシャフトパネルに取り付けられた第1エレベータ構成要素を有する前記第1エレベータシャフトパネルを、前記建物に設置する工程であって、前記第1エレベータシャフトパネルは対応するコーベルビームクリップを介して1つまたは複数のコーベルビームに取り付けられる、工程と、
第2エレベータシャフトパネルが前記建物に設置される前に前記第2エレベータシャフトパネルに取り付けられた第2エレベータ構成要素を有する前記第2エレベータシャフトパネルを、前記建物に設置する工程であって、前記第2エレベータシャフトパネルは対応するコーベルビームクリップを介して1つまたは複数のコーベルビームに取り付けられる、工程と、
1つまたは複数の階段室踏面を、前記階段および手摺支持構成要素に取り付ける工程と、
1つまたは複数の階段室手摺を、前記階段および手摺支持構成要素に取り付ける工程と、
1つまたは複数の階段室踊り場を、前記階段および手摺支持構成要素に取り付ける工程と
を備えている、方法。
【請求項19】
前記方法はさらに、建物内で、前記第1エレベータシャフトパネルおよび前記第2エレベータシャフトパネル上のそれぞれのエレベータレールブラケット上に、1つまたは複数のエレベータレールを設置する工程を備えている、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1エレベータ構成要素は、1つまたは複数のカウンタウェイトレール、1つまたは複数のカウンタウェイトブラケット、および1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えており、
前記第2エレベータ構成要素は、1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムならびに方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設業界では、効率を向上させるためにモジュール式の建設技術を利用するケースが増えている。しかし、伝統的な階段室(吹き抜け、stairwell)やエレベータシャフトの建設など、建設のいくつかの側面は、建設効率を向上させるための課題を依然として提示している可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国実用新案第20002775号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
職場の安全規制、他の規則、または業界の慣行は、未完成の階段室またはエレベータシャフトが設置(インストール)されている建物(または建設中の建物のエリア)のすべての人員に安全ハーネスを着用させることを要求する場合があり、これは、人件費を増加させ、時間効率を低下させる可能性がある。さらに、ビルの建設現場で従来の階段室やエレベータの構成要素を設置するには、時間がかかり、熟練した職人や特殊な機器が必要となる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施態様は、プレハブ型モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム、ならびにそれを製造および設置する方法を含むことができる。
いくつかの実装形態はモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムを備えていることができる。モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムは、エレベータドアおよびエレベータドアフレームを有する第1サイドパネルであって、第1サイドパネルは第1ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡る(span)ように動作可能であり、第1サイドパネルは階段および手摺支持構成要素を備えている、第1サイドパネルと、階段室ドアおよび階段室ドアフレームを有する第2サイドパネルであって、第2サイドパネルは第2ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡るように動作可能であり、第2サイドパネルは階段および手摺支持構成要素を備えている、第2サイドパネルとを備えている。本システムはさらに、第3ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡るように動作可能なエンドパネルを備えていることができる。システムはさらに、第1エレベータ構成要素を備えている第1エレベータシャフトパネルと、第2エレベータ構成要素を備えている第2エレベータシャフトパネルとを備えていることができる。
【0006】
システムはさらに、階段および手摺支持構成要素に取り付ける(attach)ように構成された1つまたは複数の階段室踏面(treads)と、階段および手摺支持構成要素に取り付けるように構成された1つまたは複数の階段室手摺と、階段および手摺支持構成要素に取り付けるように構成された1つまたは複数の階段室踊り場(landings)とを備えていることができる。
【0007】
いくつかの実装形態では、第1サイドパネル、第2サイドパネル、およびエンドパネルは第1高さを有することができ、第1エレベータシャフトパネルおよび第2エレベータシャフトパネルはそれぞれ、第1高さよりも大きい第2高さを有することができる。いくつかの実施態様において、第1高さは1階建て(one story)の一部におよび、第2高さは2階建て(two stories)の一部に渡る。
【0008】
いくつかの実施態様では、階段および手摺支持部材は、第1サイドパネル、第2サイドパネル、およびエンドパネルを建物に設置(インストール)する前に、第1サイドパネル、第2サイドパネル、およびエンドパネルに設置される。いくつかの実装形態では、第1エレベータシャフトパネルおよび第2エレベータシャフトパネルは、対応するコーベルビームに取り付けられたそれぞれのクリップに取り付けるように動作可能である。そして第1エレベータシャフトパネルおよび第2エレベータシャフトパネルはそれぞれ、1つまたは複数の垂直フレーム部材および1つまたは複数の水平フレーム部材を形成するように一緒に設置された複数の軽量ゲージ部材を備えている。
【0009】
いくつかの実施態様では、エレベータドアフレームおよびエレベータドアは、第1サイドパネルを建物に設置する前に、第1サイドパネルに設置される。
いくつかの実施態様において、階段室ドアフレームおよび階段室ドアは、建物内の第2サイドパネルの設置前に、第2サイドパネルに設置される。
【0010】
いくつかの実施態様では、1つまたは複数の階段室踏面、1つまたは複数の階段室手摺、および1つまたは複数の階段室踊り場は、建物の建設現場で設置される。
いくつかの実施態様において、第1エレベータ構成要素は、1つまたは複数のカウンタウェイトレール、1つまたは複数のカウンタウェイトブラケット、および1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている。
【0011】
いくつかの実装では、第2エレベータ構成要素は、1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている。
システムは、1つまたは複数のエレベータレールを備えていることもできる。1つまたは複数のエレベータレールは、第1エレベータシャフトパネルおよび第2エレベータシャフトパネルを建物の建設現場において建物に設置する前に、第1エレベータシャフトパネルおよび第2エレベータシャフトパネルに設置されたそれぞれのエレベータレールブラケットに建物の建設現場において設置される。
【0012】
いくつかの実施態様は、方法を備えていることができる。本方法は、エレベータドアおよびエレベータドアフレームを有する第1サイドパネルを形成する工程であって、第1サイドパネルは第1ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡るように構成されている、工程と、第1サイドパネルに第1階段および手摺支持部材を設置する工程とを備えていることができる。本方法は、階段室ドアと階段室ドアフレームを有する第2サイドパネルを形成する工程であって、第2サイドパネルは第2ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡るように構成される、工程と、第2階段および手摺支持部材を第2サイドパネルに設置する工程とを備えていることができる。本方法はさらに、第3ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直方向に渡るように構成されたエンドパネルを形成する工程を備えていることができる。
【0013】
本方法は、第1エレベータシャフトパネルを形成する工程と、第1エレベータシャフトパネルに第1エレベータ構成要素を設置する工程と、を備えていることもできる。本方法は、第2エレベータシャフトパネルを形成する工程と、第2エレベータシャフトパネルに第2エレベータ構成要素を設置する工程と、を備えていることもできる。いくつかの実施態様では、形成する工程および設置する工程は、第1サイドパネル、第2サイドパネル、エンドパネル、第1エレベータシャフトパネル、および第2エレベータシャフトパネルが建物に設置される前に実行される。
【0014】
いくつかの実施態様では、第1サイドパネル、第2サイドパネル、およびエンドパネルは、それぞれ第1高さを有するように形成され、第1エレベータシャフトパネルおよび第2エレベータシャフトパネルは、それぞれ第1高さよりも大きい第2高さを有するように形成される。
【0015】
いくつかの実施態様において、第1高さは、1階建ての一部におよび、第2高さは、2階建ての一部におよぶ。いくつかの実施態様では、第1エレベータシャフトパネルおよび第2エレベータシャフトパネルは、対応するコーベルビームに取り付けられたそれぞれのクリップに取り付けるように構成されている。いくつかの実装では、第1エレベータ構成要素は、1つまたは複数のカウンタウェイトレール、1つまたは複数のカウンタウェイトブラケット、および1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている。いくつかの実施態様では、第2エレベータ構成要素は、1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えている。
【0016】
いくつかの実装形態は、方法を備えていることができる。本方法は、建物内に、第1ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡るように第1サイドパネルを設置する工程を備えていることができ、第1サイドパネルは、エレベータドア、エレベータドアフレーム、および階段および手摺支持構成要素を備えている。本方法はさらに、建物内に、第2ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡るように第2サイドパネルを設置する工程を備えていることができ、第1サイドパネルは階段室ドアフレーム、階段室ドア、および階段および手摺支持構成要素を備えていることを特徴とする。
【0017】
本方法はさらに、建物内に、第3ペアの隣接するコーベルビーム同士の間に垂直に渡るように構成されたエンドパネルを設置する工程と、建物内に、第1エレベータシャフトパネルが建物内に設置される前に第1エレベータシャフトパネルに取り付けられていた第1エレベータ構成要素を有する第1エレベータシャフトパネルを設置する工程と、を備えていることができる。第1エレベータシャフトパネルは、対応するコーベルビームクリップを介して1つまたは複数のコーベルビームに取り付けられる。
【0018】
本方法はさらに、第2エレベータシャフトパネルが建物に設置される前に第2エレベータシャフトパネルに取り付けられていた第2エレベータ構成要素を有する第2エレベータシャフトパネルを、建物に設置する工程を備えていることができる。第2エレベータシャフトパネルは、対応するコーベルビームクリップを介して1つまたは複数のコーベルビームに取り付けられている。本方法は、1つまたは複数の階段室踏面を階段および手摺支持構成要素に取り付ける工程と、1つまたは複数の階段室手摺を階段および手摺支持構成要素に取り付ける工程とを備えていることもできる。本方法は、1つまたは複数の階段室踊り場を階段および手摺支持構成要素に取り付ける工程も備えていることができる。
【0019】
本方法は、建物内で、第1エレベータシャフトパネルおよび第2エレベータシャフトパネル上のそれぞれのエレベータレールブラケットに、1つまたは複数のエレベータレールを設置する工程も備えていることができる。いくつかの実施態様において、第1エレベータ構成要素は、1つまたは複数のカウンタウェイトレール、1つまたは複数のカウンタウェイトブラケット、および1つまたは複数のエレベータレールブラケットを備えており、第2エレベータ構成要素は、1つまたは複数のエレベータレールブラケットを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムの上面平面図の図。
図2】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式エレベータシャフトパネルの側面図を示す図。
図3】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式エレベータシャフトパネルの側面図を示す図。
図4】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムの側部断面図を示す図。
図5】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムの側部断面図を示す図。
図6】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式階段室およびエレベータシステムの角度付き透視図。
図7】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式階段室およびエレベータシステムの角度付き透視図。
図8】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式階段室およびエレベータシステムの角度付き透視図。
図9】いくつかの実施形態に従った、例示的なモジュール式階段室およびエレベータシステムの角度付き透視図。
図10】いくつかの実施形態に従った、モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムを作成および設置するための例示的な方法のフローチャート。
図11】いくつかの実施形態に従った、例示的なサイドパネルの図。
図12】いくつかの実施形態に従った、例示的なエレベータシャフトパネルの図。
図13】いくつかの実施態様に従った、例示的なエレベータのみの構成の図。
図14】いくつかの実施態様に従った、例示的なエレベータのみの構成の図。
図15】いくつかの実装形態に従った、例示的な階段室のみの構成の図。
図16】いくつかの実装形態に従った、例示的な階段室のみの構成の図。
図17】いくつかの実装に従った、例示的な階段室およびエレベータの構成の図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照する。図面では、同様の記号は、文脈上そうでない場合を除き、典型的には同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書に提示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用し、他の変更を行ってもよい。本開示の側面は、本明細書で一般的に説明され、図に示されているように、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、および設計することができ、これらのすべてが本明細書で企図されている。
【0022】
本開示は、特に、一般にモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムに関連する方法、システム、製品、デバイス、および/または装置に引き寄せられる。
いくつかの実施形態において、建物は、モジュール式階段室およびエレベータシャフトを有することができる。いくつかの実施形態では、建物が建設されているときに、モジュール式階段室およびエレベータシャフトのプレハブ部(セクション)が設置されてもよい。プレハブのモジュール式階段室およびエレベータシャフト部(セクション)は、建物の内部の一部を提供してもよい。いくつかの実施形態では、プレハブのモジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、建物の1つまたは複数の構造フレーム部材に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、外壁パネルまたは内壁パネルが設置される前に構造フレーム部材同士を整列させるのに役立つように、構造フレーム部材に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、建物の耐荷重構造(耐力構造)に結合される。例えば、耐荷重構造は、外部または内部構造の鉄骨であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部の材料組成は、鋼を含んでもよい。いくつかの実施形態では、材料組成は、アルミニウムを含んでもよい。さらに他の実施形態では、モジュール式階段室およびエレベータシャフトの構成要素は、金属および/または金属合金から、木材および木材ポリマー複合材(WPC)、木質系製品(リグニン)、他の有機建築材料(竹)、有機ポリマー(プラスチック)、ハイブリッド材料、セラミックなどの土質材料に至る、様々な建築に適した材料から作られてもよい。いくつかの実施形態では、セメントまたは他の注型可能または成形可能な建築材料も使用することができる。他の実施形態では、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部の一部の要素に1つの建築材料を使用し、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部の他の要素に他の建築材料を使用することによって、適切な建築材料の任意の組み合わせを行うことができる。任意の材料の選択は、(国際建築基準法で規定されているような)材料オプションの参照から行われてもよいし、建設される構造物の耐荷重要件を決定する際に、当業者の知識に基づいて選択されてもよい。大きいおよび/または高い構造物は、小さいおよび/または短い建物よりも大きな物理的強度が要求される場合がある。構造物のサイズ、荷重、および環境ストレスに対応するための建築材料の調整によって、本明細書に記載されたモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムの構成要素に使用される建築材料の最適な経済的選択を決定することができる。世界のさまざまな地域でのさまざまな建築材料の入手可能性も、本明細書に記載されたシステムを構築するための材料の選択に影響を与える可能性がある。また、国際建築基準法または同様のコードの採用も、材料の選択に影響を与える可能性がある。
【0024】
本明細書で「金属」と言及しているものは、本明細書に記載されているモジュール式の階段室およびエレベータシャフト部および構成要素の製作および/または建設に適している可能性がある、あらゆる建設グレードの金属または金属合金を含む。「木材」とは、木材、木材ラミネート製品、木材プレス製品、木材ポリマー複合材(WPC)、竹または竹関連製品、リグニン製品、および化学的に処理されているか、精製されているか、加工されているか、または単に植物から収穫されているかにかかわらず、植物由来の製品を含むものである。本明細書で言及されている「コンクリート」には、セメント、水、および粒状の骨材を含む、あらゆる建設グレードの硬化性複合材料が含まれる。粒状の骨材は、砂、砂利、ポリマー、灰および/または他の鉱物を含むことができる。
【0025】
次に図面に目を向けると、図1図9は、プレハブ型モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム100の1つまたは複数の例示的な実施例の図である。図1の上平面図に示すように、プレハブ型モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム100は、エンドパネル102、第1サイドパネル104、第2エレベータシャフトパネル106、第2サイドパネル108、および第1エレベータシャフトパネル110を備えている。また、プレハブ型モジュール式階段室およびエレベータシャフトシステム100は、エレベータカー112、階段室構成要素114(1つまたは複数の踏面、1つまたは複数の踊り場、および1つまたは複数の手摺を備えている)、1つまたは複数のカウンタウェイトレール116、1つまたは複数のカウンタウェイトブラケット118、階段室ドア120、および階段室ドアフレーム122を備えている。
【0026】
図2は、例示的なモジュール式エレベータシャフトパネル、具体的にはいくつかの実施形態に従った第2エレベータシャフトパネルの側面図を示す図である。特に、図2は、建物内に設置され、コーベルビームクリップ(230、232、234、反対側に対応するクリップがある)を介してコーベルビーム(202、204、206、208、210、212)に取り付けられた第2エレベータシャフトパネル106を示す。また、図2には、エレベータドア236、238とエレベータドアフレーム(240、242、244、246)が示されている。エレベータドア236および238は、それぞれドアフレーム240~242および244~246に設置される。いくつかの実装では、エレベータドア236および238は、建築現場で建物にサイドパネルが設置された後での対応するサイドパネル(例えば、104)への配送および対応するサイドパネルへの設置に先立って、工場で対応するサイドパネル(例えば、104)に設置することができる。いくつかの実施形態では、エレベータドア236および238は、建築現場の建物に設置することができる。第2エレベータシャフトパネル106の上には、別の第2エレベータシャフトパネル214があり、第2エレベータシャフトパネル106の下には、別の第2エレベータシャフトパネル216がある。
【0027】
第2エレベータシャフトパネル106は、工場で製造または形成することができ、工場でエレベータレールブラケット218、220、および222などの第2エレベータ構成要素とともに構成することができる。建物の建設現場に入ると、エレベータレール224をエレベータレールブラケット218~222に取り付けることができる。エレベータレール224のセクション同士は、フィッシュプレート226および228を介して一緒に結合することができる。
【0028】
図3は、例示的なモジュール式エレベータシャフトパネル、具体的にはいくつかの実施形態に従った第1エレベータシャフトパネルの側面図を示す図である。図3に示すように、第1エレベータシャフトパネル110は、コーベルビームクリップ(306、308、310、312、314、316)を介してコーベルビーム(202、204、206、208、201、212)に設置されて取り付けられている様子が示されている。
【0029】
また、第1エレベータシャフトパネル110は、第2エレベータシャフトパネルが建物に設置される前に、工場で設置することができるカウンタウェイトレール116、カウンタウェイトブラケット118、エレベータレール302、およびエレベータレールブラケット304などの第1エレベータ構成要素を備えていることができる。
【0030】
図4は、いくつかの実施形態に従った例示的なモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムの側断面図を示す図である。図4に示すように、第1サイドパネル104は、(例えば、隣接するコーベルビーム202~206同士に垂直に渡るように)構造部材に設置されて取り付けられている様子が示されている。また、図4に示すように、第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106の高さは、第1サイドパネル104の高さよりも大きい。例えば、第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106は、約2階分の高さを有していてもよく、一方、第1サイドパネル104は、第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106の高さの約半分または約1階分の高さを有していてもよい。
【0031】
エンドパネル102は、隣接する構造部材(例えば、コーベルビーム402、404、および406)同士の間に垂直に渡るように設置され、取り付けられた状態で示されている。
【0032】
図5は、いくつかの実施形態に従った例示的なモジュール式階段室およびエレベータシャフトシステムの側断面図を示す図である。図5に示すように、第2サイドパネル108は、建物内に設置され、構造部材に取り付けられている様子が示されている(例えば、隣接するコーベルビーム208、210、212に渡るようにして)。また、図5に示すように、第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106の高さは、第2サイドパネル108の高さよりも大きい。例えば、第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106は、約2階分の高さを有していてもよく、第2サイドパネル108は、第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106の高さの約半分、または約1階分の高さを有していてもよい。
【0033】
図6は、いくつかの実施形態に従った例示的なモジュール式階段室およびエレベータシステムの角度付き透視図である。図6に示すように、第2サイドパネル108および階段室構成要素114の配置は、構造部材、例えば、コーベルビーム502、504、506および208、210、212との関係で示されている。また、エンドパネル102は、隣接するコーベルビーム502と504、および504と506に渡って示されている。
【0034】
第2サイドパネル108は、第2サイドパネル108の上端で上側コーベルビーム(例えば、208または210)に取り付けられ、第2サイドパネル108の下端で下側コーベルビーム(例えば、210または212)に取り付けられる。エンドパネル102は、エンドパネル102の上端で上側のコーベルビーム504に取り付けられ、エンドパネル102の下端で下側のコーベルビーム506に取り付けられる。
【0035】
図7は、いくつかの実施形態に従った例示的なモジュール式階段室およびエレベータシステムの角度付き透視図である。図7は、コーベルビーム202、204、206および502、504、506などの構造部材との関係における第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106を示す。また、エレベータドア238およびエレベータドアフレーム244/246も示されている。
【0036】
第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106は、3つのコーベルビーム(例えば、202、204、および206)に取り付けられており、垂直方向に2つのフロア(または、第2サイドパネル108によって渡る垂直方向の距離よりも大きい距離)に渡っている。階段室構成要素114は、フロア同士の間に渡る階段を形成するための踏面および踊り場を備えている。
【0037】
図8は、第2サイドパネル108が設置される構造フレームワークを形成する構造部材402~406および202~212を示す、いくつかの実施形態に従った例示的なモジュール式階段室およびエレベータシステムの角度付き透視図である。階段室の踊り場802も示されている。建物の次のフロアは、後続の各フロアが設置されるときに、階段が既に完成して下のフロアに使用可能であり、完成したフロア同士の間を移動するために作業員のための安全な経路を提供するように、階段室踊り場802を有するフロアの上に設置することができる。
【0038】
図9は、第2エレベータシャフトパネル106(および第1エレベータシャフトパネル110)を接続することができる構造部材402~406および202~212によって提供される構造フレームワークを示す、いくつかの実施形態に従った例示的なモジュール式階段室およびエレベータシステムの角度付き透視図である。例えば、第2エレベータシャフトパネル106は、コーベルビーム202、204、および206の間に接続されており、第2エレベータシャフトパネルは、コーベルビーム202、204、および206を備えている2つのフロアに垂直に渡っている。
【0039】
図10は、いくつかの実施形態に従ったモジュール式階段室およびエレベータシャフトを作成および設置するための例示的な方法のフローチャートである。本方法は1002から始まり、第1サイドパネルおよび第2サイドパネルが形成される。例えば、第1サイドパネル104および第2サイドパネル108は、軽量ゲージフレームから形成することができ、階段室および手摺支持構成要素をサイドパネルに設置することができる。サイドパネルは、サイドパネルを建物に設置する前に、建物の建設現場から離れた工場で形成することができる。本方法は、1004に続く。
【0040】
1004では、エンドパネルが形成される。例えば、エンドパネル102は軽量ゲージフレームから形成され、階段室および手摺支持部材はエンドパネル上に設置することができる。サイドパネルは、サイドパネルを建物に設置する前に、建物の建設現場から離れた(オフサイト)工場で形成することができる。本方法は、1006に続く。
【0041】
1006では、階段踏面と踊り場とが形成される。また、この段階で階段手摺を形成することができる。階段室踏面、踊り場、および手摺は、第1サイドパネルおよび第2サイドパネルまたはエンドパネルの1つまたは複数に設置された階段室および手摺支持構成要素に取り付けられるように形成することができる。本方法は1008に続く。
【0042】
1008では、第1エレベータシャフトパネルが形成される。例えば、第1エレベータシャフトパネル110は、工場で形成することができ、一緒に設置された軽量ゲージ部材(例えば、サイドパネルに使用されるフレーム部材と同じまたは類似の軽量ゲージフレーム部材)の1つまたは複数のグループ(例えば、互いに隣接して配置された複数の単一の軽量ゲージフレーム部材)を備えていることができる。本方法は1010に続く。
【0043】
1010では、第2エレベータシャフトパネルが形成される。例えば、第2エレベータシャフトパネル106は、工場で形成することができ、一緒に設置された軽量ゲージ部材(例えば、サイドパネルで使用されるフレーム部材と同じまたは類似の軽量ゲージフレーム部材)の1つまたは複数のグループ(例えば、互いに隣接して配置された複数の単一の軽量ゲージフレーム部材)を備えていることができる。本方法は、1012に続く。
【0044】
1012では、第1および第2エレベータシャフトパネル(110/106)にエレベータ構成要素が取り付けられる。例えば、第1エレベータ構成要素(例えば、カウンタウェイトレール116、カウンタウェイトブラケット118、およびエレベータレールブラケット218~222)は、工場で(例えば、エレベータシャフトパネルが建設現場に設置される前に)第1エレベータシャフトパネル110に取り付けられることができる。例えば、エレベータ構成要素は、軽量ゲージ部材のグループによって形成された垂直フレーム部材および水平フレーム部材においてまたはその近傍で、第1エレベータシャフトパネルおよび/または第2エレベータシャフトパネルに取り付けられることができる。本方法は1014に続く。
【0045】
1014では、建物の建設現場で、第1サイドパネルおよび第2サイドパネルが設置され、建物の構造部材に接続される。例えば、第1サイドパネル104および第2サイドパネル108は、隣接するコーベルビーム同士のペアに垂直に渡るように設置することができる。本方法は、1016に続く。
【0046】
1016では、建築現場において、第1および第2エレベータシャフトパネルが設置され、建物の構造部材に取り付けられる。例えば、第1エレベータシャフトパネル110および第2エレベータシャフトパネル106は、コーベルビームクリップを介して、隣接するコーベルビーム同士に設置および取り付けられることができる。本方法は1018に続く。
【0047】
1018において、エレベータレールは、建物の建設現場で第1および第2エレベータシャフトパネルに設置される。方法は、1020に続く。
1020において、階段室踏面、階段室踊り場、および階段室手摺を備えている階段構成要素は、サイドパネルまたはエンドパネルでの1つまたは複数の階段および手摺支持構成要素に設置され取り付けられる。階段室は、建物のレベルが次の上階に上昇するときに、階段室を構築し、下の階から次の上階にアクセスするために使用する準備ができるように、建物が建設されているときに組み立てることができる。ステップ1002~1020は、上述とは異なる順序で実行することができ、いくつかのステップを省略または繰り返してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態は、サイドパネルおよびエレベータシャフトパネルの両方に比較的軽いゲージのフレームを使用することを備えていることができる。地震荷重要件および/またはエレベータシャフトが遭遇するエレベータ荷重のために、エレベータシャフトは、典型的には、より重いゲージのフレームからオンサイトで構築される。開示されたシステムおよび方法は、エレベータシャフトパネルのためのより軽いゲージのフレームの使用を提供し、これはオフサイト(例えば、建物の建設現場からオフサイト)で製造することができる。さらに、1つまたは複数のエレベータ構成要素は、エレベータパネルが建物の建設現場で建物に配送されて設置される前に、エレベータパネルに設置または取り付けられることができる。
【0049】
図11は、いくつかの実装形態による例示的なサイドパネル(例えば、104および108)の図である。図11では、サイドパネルは、軽量ゲージフレーム部材1102から構成されていることが示されている。サイドパネル用の軽量ゲージフレーム部材は、企図された設計に従って間隔を空けて配置された単一のフレーム部材(例えば、1102)を備えていることができる。
【0050】
図12は、いくつかの実施態様に従った例示的なエレベータシャフトパネル(例えば、106および110)の図である。エレベータシャフトパネルは、エレベータによって及ぼされる荷重および/または地震荷重に耐えるために、1つまたは複数の垂直フレーム部材1202および1つまたは複数の水平フレーム部材1204を形成するために、(隣接して配置された複数の単一軽量ゲージフレーム部材などと)一緒に設置された1つまたは複数の軽量ゲージ部材グループ(例えば、サイドパネルで使用されるフレーム部材1102と同じまたは類似のもの)を備えている。エレベータ構成要素(例えば、エレベータレールブラケット、エレベータレール、カウンタウェイトブラケット、カウンタウェイトレールなど)は、垂直フレーム部材1202および水平フレーム部材1204の位置またはその近傍でエレベータシャフトパネル(例えば、106、110)に取り付けられるか、または他の方法で結合される。したがって、エレベータシャフトおよび階段室は、単一および/またはグループ化された軽量ゲージ部材から形成されたエレベータシャフトパネルおよびサイドパネルを使用して形成することができる。
【0051】
いくつかの実装は、1つまたは複数のエレベータのみ、1つまたは複数の階段室のみ、または1つまたは複数のエレベータおよび階段室の組み合わせを備えていることができる。例えば、図13は、いくつかの実装に従った例示的な単一のエレベータのみの構成(1302)を示す。図14は、いくつかの実装に従った例示的な複数のエレベータのみの構成(1402および1404)を示しており、2つが示されているが、より多くが実装に含まれ得る。
【0052】
図15は、いくつかの実施形態に従った例示的な単一の階段室のみの構成(1502)を示す。図16は、いくつかの実装に従った例示的な複数の階段室のみの構成(1602および1604)を示し、2つが示されているが、より多くのものが実装に含まれ得る。
【0053】
図17は、いくつかの実装に従った例示的な複数の階段室(1702および1708)および複数のエレベータ(1704および1706)の構成を示しており、ここではそれぞれのうちの2つが示されているが、より多くのエレベータ、階段室、またはその両方が実装に含まれ得る。
【0054】
モジュール式階段室およびエレベータシャフト部(セクション)は、コーベルビームなどの構造部材にボルト止めされた1つまたは複数のプレートを介して、建物のフレームに例えば内部または外部の構造フレームに取り付けられてもよい。例えば、床と天井のパネルは、建物の構造的支持を提供する外部鋼構造に取り付けられてもよい。一般に、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部分を、コーベルビームなどの建物フレームに取り付けるために、任意の機構を使用してもよい。一般に、任意のタイプのファスナ(留め具)が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、建物のフレームに含まれる垂直または水平のコーベルビームに結合されてもよい。
【0055】
本明細書に記載されたモジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、工場またはショップにおいてオフサイトで製造され、建物の構造フレームに取り付けるためにプロジェクトの現場に輸送されてもよい。建築現場では、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、構造フレーム部材、床および天井パネル、端壁、解体壁(demising walls)、ユーティリティパネル、建築ユーティリティ、またはそれらの任意の組み合わせに取り付けられてもよい。構造フレーム部材は、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部の支持を提供してもよい。いくつかの実施形態では、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、構造フレーム部材に荷重を伝達する。いくつかの実施形態では、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、建物の鉄骨構造に直接荷重を伝達し、モジュール式階段室およびエレベータシャフト部は、床および天井パネルから構造に荷重を伝達しない。
【0056】
本明細書で提供される例は、説明のためだけのものであり、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。各例示的な実施形態は、都市の複合用途開発、低層住宅、および/または遠隔地のコミュニティなどの特定の環境に実用的であり得る。個々の要素の材料および寸法は、本開示の原則の範囲を逸脱することなく、火災、エネルギー、ハンディキャップ、生命の安全、および音響(衝撃および周囲の騒音の伝達)という建築基準のうちの1つまたは複数に準拠するように構成されてもよい。また、要素および/またはシステムは、所望に応じて、社会的および/または宗教的なコードに準拠するように構成されてもよい。例えば、材料、システム、方法、および/または装置は、管轄区域で採用されている国際建築基準法に準拠するように構成されてもよい。
【0057】
本開示は、様々な側面の例示として意図されている本出願に記載された特定の実施形態の観点から限定されるものではない。その精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正および実施形態を行うことができる。本明細書で列挙したものに加えて、本開示の範囲内で機能的に同等の方法および装置が、前述の説明から可能である。そのような変更および実施形態は、添付の請求項の範囲内に入ることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるものであり、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の完全な範囲とともに、添付の特許請求の範囲の条件によってのみ限定されるものである。本開示は、特定の方法に限定されるものではなく、様々な方法があり得る。本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図していない。
【0058】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、それらの用語は、文脈および/または用途に応じて、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へと翻訳することができる。様々な単数/複数の順列は、明確にするために本明細書に明示的に記載することができる。
【0059】
一般的に、本明細書、特に添付の請求項(例えば、添付の請求項の本体)で使用される用語は、一般的に「オープン」な用語として意図されている(例えば、「including」(備えており(含んでおり))という用語は、「備えている(含んでいる)がこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「having」(有する)という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「includes」(備えている(含んでいる))という用語は、「を備えている(含んでいる)がこれに限定されない」と解釈されるべきであるなど)。
【0060】
導入された請求項の記載の特定の数が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合にはそのような意図は存在しない。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項は、請求項の記載を導入するために「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」という導入フレーズの使用を含むことができる。しかし、このようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項を含む特定の請求項を、そのような記載を1つだけ含む実施形態に限定することを意味するように解釈されるべきではない。同じ請求項が導入フレーズ「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、(例えば、「a」および「an」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)、クレームの記載の導入に使用される定冠詞の使用についても同様である。さらに、導入された請求項の記載の特定の数が明示的に記載されている場合であっても、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきである(例えば、他の修飾語を伴わない「2つの記載」の裸の記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。
【0061】
さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類する慣例が使用される場合、一般に、そのような構造は、当業者が慣例を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、および/またはA、B、およびCが一緒に、などを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した慣例が使用される場合、一般に、そのような構造は、当業者が慣例を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AとBが一緒、AとCが一緒、BとCが一緒、および/またはA、B、およびCが一緒などを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、2つ以上の代替用語を提示する任意の分離語および/またはフレーズは、複数の用語のうちの1つ、いずれかの用語、または両方の用語を含む可能性を企図している。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含む。
【0062】
さらに、本開示の特徴または側面がマーカッシュグループの観点から説明される場合、本開示はそれによってマーカッシュグループのメンバーの任意の個々のメンバーまたはサブグループの観点からも説明される。
【0063】
本明細書に開示されている範囲はまた、あらゆる可能なサブレンジおよびそのサブレンジの組み合わせを包含する。リストアップされた任意の範囲は、十分に記述され、同じ範囲を少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解することを可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書に記載されている各範囲は、下位3分の1、中間3分の1、上位3分の1などに分解することができる。「最大で」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などの言葉は、記載された数を含み、上述したように、後にサブレンジに分解できる範囲を指す。最後に、範囲には個々のメンバーが含まれる。例えば、1個~3個のアイテムを持つグループは、1個、2個、または3個のアイテムを持つ各グループを意味する。同様に、1個~5個のアイテムを有するグループは、1個、2個、3個、4個、または5個のアイテムを有する各グループを指す、などである。
【0064】
本明細書に記載されている主題は、時に、異なる構成要素に含まれるかまたは異なる他の構成要素に接続される、異なる構成要素を図示する。描かれているアーキテクチャは単なる実施形態であり、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャを実装することができる。概念的には、同じ機能を実現するために構成要素を任意に配置することは、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付ける」ことになる。したがって、本明細書では、特定の機能を実現するために組み合わされた2つの構成要素は、アーキテクチャや中間メディア間の構成要素に関係なく、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられている」と見なすことができる。同様に、このように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されていると見なすこともでき、このように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために互いに「動作可能に結合」されていると見なすこともできる。操作可能に結合可能の具体的な実施形態には、物理的に嵌合可能な構成要素および/または物理的に相互作用する構成要素が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
本明細書では様々な側面および実施形態を開示してきたが、他の側面および実施形態も可能である。本明細書に開示された様々な態様および実施形態は、説明のためのものであり、限定することを意図していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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