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特許7098859金属表面上でのプラスチックオーバーモールドのためのプロセスおよびプラスチック-金属ハイブリット部品
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  • 特許-金属表面上でのプラスチックオーバーモールドのためのプロセスおよびプラスチック-金属ハイブリット部品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】金属表面上でのプラスチックオーバーモールドのためのプロセスおよびプラスチック-金属ハイブリット部品
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/14 20060101AFI20220705BHJP
   B32B 15/088 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
B29C45/14
B32B15/088
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018521250
(86)(22)【出願日】2016-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 EP2016081189
(87)【国際公開番号】W WO2017102943
(87)【国際公開日】2017-06-22
【審査請求日】2019-11-08
(31)【優先権主張番号】201610064815.5
(32)【優先日】2016-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】15200711.8
(32)【優先日】2015-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ブルト, フランク ピーター テオドルス ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】リアオ, ルオグ
(72)【発明者】
【氏名】ユ, ビン
(72)【発明者】
【氏名】パン, ウェイ
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/070654(WO,A1)
【文献】特表2013-542341(JP,A)
【文献】特開2010-064397(JP,A)
【文献】特表2012-522116(JP,A)
【文献】特開2007-182071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノモールド技術(NMT)による金属表面上でのプラスチックオーバーモールドによってプラスチック-金属ハイブリッド部品を製造する方法であって、
i)ナノサイズ寸法の表面不整を有する表面領域を有する金属基体を提供するステップ;
ii)ポリアミド組成物を提供するステップ;
iii)前記金属基体の前記表面不整を有する前記表面領域の少なくとも一部上に前記ポリアミド組成物を直接成形することにより、前記金属基体上にプラスチック構造を形成するステップ
を含み、前記ポリアミド組成物が、
a.半結晶質半芳香族ポリアミド(ただし、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンからのポリアミド樹脂(ナイロン6T)からなるものを除く)、および
b.非晶質半芳香族ポリアミド
のブレンドを含む、方法。
【請求項2】
前記金属基体が打ち抜きシート金属基体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属基体が、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、鉄、鋼、マグネシウムおよびマグネシウム合金からなる群から選択される材料から形成される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップi)の前に、クロム酸、リン酸、硫酸、シュウ酸およびホウ酸からなる群から選択される陽極酸化剤を使用して前記金属基体を陽極酸化するステップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリアミド組成物が、
a.30~90wt.%の前記半結晶質半芳香族ポリアミド、および
b.10~40wt.%の前記非晶質半芳香族ポリアミド
を含み、前記重量パーセント(wt.%)が前記ポリアミド組成物の全重量に対するものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリアミド組成物が、
a.30~60wt.%の前記半結晶質半芳香族ポリアミド;
b.10~30wt.%の前記非晶質半芳香族ポリアミド;および
c.5~60wt.%の繊維補強剤もしくは充てん剤またはそれらの組合せ
を含み、前記重量パーセント(wt.%)が前記ポリアミド組成物の全重量に対するものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリアミド組成物が、
a.30~60wt.%の前記半結晶質半芳香族ポリアミド;
b.10~30wt.%の前記非晶質半芳香族ポリアミド;
c.10~50wt.%の繊維補強剤もしくは充てん剤またはそれらの組合せ;および
d.0.1~20wt.%の少なくとも1種の他の成分
からなり、前記重量パーセント(wt.%)が前記ポリアミド組成物の全重量に対するものである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ナノサイズ寸法の表面不整を有する表面領域を有する金属部品に結合されたプラスチック材料を含むプラスチック-金属ハイブリッド部品であって、前記プラスチック材料が、
a.半結晶質半芳香族ポリアミド(ただし、テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンからのポリアミド樹脂(ナイロン6T)からなるものを除く)、および
b.非晶質半芳香族ポリアミド
のブレンドを含むポリアミド組成物である、プラスチック-金属ハイブリッド部品。
【請求項9】
前記ポリアミド組成物が、
a.30~90wt.%の前記半結晶質半芳香族ポリアミド、および
b.10~40wt.%の前記非晶質半芳香族ポリアミド
を含み、前記重量パーセント(wt.%)が前記ポリアミド組成物の全重量に対するものである、請求項8に記載のプラスチック-金属ハイブリッド部品。
【請求項10】
前記ポリアミド組成物が、
a.30~60wt.%の前記半結晶質半芳香族ポリアミド;
b.10~30wt.%の前記非晶質半芳香族ポリアミド;および
c.5~60wt.%の繊維補強剤もしくは充てん剤またはそれらの組合せ
を含み、前記重量パーセント(wt.%)が前記ポリアミド組成物の全重量に対するものである、請求項8に記載のプラスチック-金属ハイブリッド部品。
【請求項11】
前記ポリアミド組成物が、
a.30~60wt.%の前記半結晶質半芳香族ポリアミド;
b.10~30wt.%の前記非晶質半芳香族ポリアミド;
c.10~50wt.%の繊維補強剤もしくは充てん剤またはそれらの組合せ;および
d.0.1~20wt.%の少なくとも1種の他の成分
からなり、前記重量パーセント(wt.%)が前記ポリアミド組成物の全重量に対するものである、請求項8に記載のプラスチック-金属ハイブリッド部品。
【請求項12】
23℃および10mm/分の伸張速度においてISO19095による方法によって測定されて40~70MPaの範囲の前記金属部品および前記プラスチック材料間の結合力を有する、請求項8~11のいずれか一項に記載のプラスチック-金属ハイブリッド部品。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ナノモールド技術(NMT)による金属表面上でのプラスチックオーバーモールドによってプラスチック-金属ハイブリッド部品を製造するプロセスに関する。本発明は、ナノモールド技術(NMT)プロセスによって得られるプラスチック-金属ハイブリッド部品であって、ハイブリッド部品が、金属部品の表面領域に結合されたプラスチック材料を含む、プラスチック-金属ハイブリッド部品にも関する。
【0002】
ナノモールド技術は、いわゆるプラスチック-金属ハイブリッド部品を形成するためにプラスチック材料を金属部品に結合させる技術であり、金属プラスチック境界面における結合強さは、ナノサイズ寸法の表面不整を有する表面領域をもたらす金属の前処理から得られるか、またはそれによって強化される。このような不整は、約数ナノメートル~数百ナノメートルまでの範囲の寸法を有し、かつ好適には超微細隆起、凹部、突起、粒子および細孔の形状を有する。
【0003】
NMT金属前処理に関して、種々の技術および種々の処理ステップの組合せを適用することができる。主に使用されるNMTプロセスは、いわゆる「T処理」を含むプロセスである。タイセイプラス(Taisei Plas)によって開発された「T処理」において、金属は、アンモニアまたはヒドラジンなどの水溶性アミンの水溶液によってファインエッチングを受ける。一般に、このような溶液は、約11のpHで適用される。このようなプロセスは、例えば、米国特許出願公開第20060257624A1号明細書、中国特許出願公開第1717323A号明細書、中国特許出願公開第1492804A号明細書、中国特許出願公開第101341023A号明細書、中国特許出願公開第101631671A号明細書および米国特許出願公開第2014065472A1号明細書に記載される。後者の文献において、アンモニア水またはヒドラジン溶液中でのエッチングステップ後に得られるアルミ合金は、20~80nmの周期の超微細隆起、または20~80nmの超微細凹部もしくは突起によって特徴付けられる表面を有した。
【0004】
別のNMT金属前処理法は、陽極酸化処理を含む。陽極酸化処理において、金属は、酸性溶液中で陽極酸化されて、腐食された層を形成し、多孔性金属酸化物の仕上げにより、プラスチック材料によってある種の浸透された構造を形成する。このようなプロセスは、例えば、米国特許出願公開第20140363660A1号明細書および欧州特許出願公開第2572876A1号明細書に記載される。後者の文献において、その開口部が電子顕微鏡による観察で測定される場合、10~80nmの数平均内径を有するホールを有する表面によって被覆された、陽極酸化によって形成されたアルミニウム合金の一例が記載される。
【0005】
これらのプロセスのそれぞれは、例えば、他のエッチング、中和およびすすぎステップとの組合せで複数のステップと組み合わせられ得、かつ/または金属基体がプラスチック材料によってオーバーモールドされる前に金属基体上に適用されるプライマーの使用と組み合わせられ得る。最終的に、金属部品は、樹脂が注入されるモールドに挿入されかつ処理表面上に直接結合される。
【0006】
タイセイプラスによって開発されたNMTプロセスにおいて、金属シートは、金属シートをアルカリ性溶液中に浸漬することによってエッチングされる。アルカリ性溶液はT溶液として示され、および浸漬ステップはT処理ステップとして示される。
【0007】
米国特許第8858854B1号明細書によれば、陽極酸化処理は、金属部品が、脱脂剤、酸性溶液、塩基溶液を含む複数の化学浴を受け、最後にT溶液中に沈められかつ希釈水中ですすがれる、多段の前処理ステップを含むNMTプロセスを上回る特定の利点を有する。米国特許第8858854B1号明細書の用語法において、NMTは、T処理ステップを含むプロセスに限定される。
【0008】
本発明において、「ナノモールド技術(NMT)」および「NMTプロセス」という用語により、金属において、ナノサイズ寸法の表面不整を有する金属表面が得られる前処理プロセスを受ける金属のいずれのオーバーモールドも理解され、したがって、米国特許第8858854B1号明細書の陽極酸化法およびタイセイプラスのT処理溶液の両方ならびに他の代替も含まれる。
【0009】
NMT技術によって製造されたプラスチック-金属ハイブリッド部品において最も広く使用されるポリマーは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリフェニレンスルフィド(PPS)である。米国特許出願公開第2014065472A1号明細書/米国特許第9166212B1号明細書において、「樹脂組成物が、異なるポリマーと任意選択的に配合されたPBTまたはPPSを主成分として含有し、10~40質量%のガラス繊維をさらに含有する場合、それは、アルミニウム合金との非常に強い結合強さを示した。アルミニウムおよび樹脂組成物が両方とも平板形状であり、かつ0.5~0.8cmの面積において互いに結合するという条件において、せん断破壊は25~30MPaであった。異なるポリアミドが配合された樹脂組成物に関して、せん断破壊は20~30MPaであった」と言及されている。米国特許出願公開第2014065472A1号明細書/米国特許第9166212B1号明細書のプラスチック-金属ハイブリッド部品の金属表面の調製のために、「T処理」ステップと、それに続いてさらにアミン吸着ステップとが適用された。
【0010】
本明細書において以前に言及された欧州特許出願公開第2572876A1号明細書では、PA-66/6T/6I(重量比で12/62/26)および30wt.%のガラス繊維を含むポリアミド組成物が異なるNMT金属表面上に適用された。金属処理がT処理を含んでいた場合、細孔サイズは25nmであった。陽極酸化処理の場合、細孔サイズは17nmであった。両方のハイブリッドシステムに関して、結合力は25.5MPaであると測定された。
【0011】
プロセスの小型化および自動化の重要性の増加から判断して、組み立てられた製品において部品の数を減少させること、異なる部品の機能を統合すること、およびこのような組立品における異なる部品間の連結を改善することが必要とされている。NMTプロセスは、ナノモールド技術によって同時に妥当な結合力に達しながら、金属表面上でのプラスチック材料のオーバーモールドによる1ステップでの成形および組立を含む総合プロセスによって組み立てられるプラスチック部品および金属部品を組み合わせるために非常に有用な技術を提供する。しかしながら、前記技術の活用をより広範囲にするために、結合力を改善することおよび他の材料へ技術を拡張することが必要とされている。
【0012】
したがって、本発明の目的は、プロセスおよびそれから得られるプラスチック-金属ハイブリッド部品であって、結合強さが増加される、プロセスおよびプラスチック-金属ハイブリッド部品を提供することである。
【0013】
この目的は、本発明によるプロセスにより、および本発明によるこのようなプロセスによって得ることができるプラスチック-金属ハイブリッド部品により達成される。
【0014】
本発明によるプロセスは、ナノモールド技術(NMT)によって金属表面上で成形可能なプラスチック材料をオーバーモールドすることによるプラスチック-金属ハイブリッド部品の製造であって、
i)ナノサイズ寸法の表面不整を有する表面領域を有する金属基体を提供するステップ;
ii)ポリアミド組成物を提供するステップ;
iii)金属基体の表面不整を有する表面領域の少なくとも一部上に前記ポリアミド組成物を直接成形することにより、金属基体上にプラスチック構造を形成するステップ
を含み、ポリアミド組成物が、
a.半結晶質半芳香族ポリアミド、および
b.非晶質半芳香族ポリアミド
を含む、製造に関する。
【0015】
半結晶質半芳香族ポリアミド(sc-PPA)および非晶質半芳香族ポリアミド(am-PPA)のブレンドが使用される本発明によるプロセスの効果は、金属部品およびプラスチック部品間の境界面における結合力が増加することである。実際に、結合力は、上記において本明細書中に報告されたポリアミドベースの系よりも良好であるのみならず、上記において本明細書中に報告されたPBTおよびPPSベースの系に関して報告された値よりも良好である。
【0016】
ここで、ポリアミド組成物は、好適には、ナノサイズ寸法の表面不整を有する少なくとも一部の表面領域において成形される。金属基体は、少なくとも1つの表面領域、または少なくともその一部がポリアミド組成物でオーバーモールドされるナノサイズ寸法の表面不整を有する複数の表面領域も有し得る。
【0017】
ナノサイズ寸法の表面不整を有する表面領域を有する金属基体に関して、NMT技術のために好適ないずれの金属基体も本発明において利用され得る。
【0018】
本発明によるプロセスにおいて使用される金属基体を調製するために適用される前処理プロセスは、ナノサイズ寸法の表面不整を有する表面領域を調製するために好適な任意のプロセスであり得る。好適には、このようなプロセスは、複数の前処理ステップを含む。好適には、NMTプロセスで適用される前処理ステップは、
- 脱脂剤による処理;
- アルカリ性エッチング材料による処理;
- 酸中和剤による処理;
- 水溶性アミンの水溶液による処理;
- 酸化成分による処理;
- 陽極酸化ステップ;および
- プライマー材料による処理
からなる群から選択される1つ以上の前処理ステップを含む。
【0019】
NMTプロセスが、水溶性アミンの水溶液による処理(いわゆるT処理)を含むステップを含む実施形態において、水溶液は、好ましくはアンモニウム水またはヒドラジン溶液である。
【0020】
NMTプロセスが、金属基体を陽極酸化する前処理ステップを含む実施形態において、この目的に好適ないずれの陽極酸化剤も使用することができる。好ましくは、陽極酸化剤は、クロム酸、リン酸、硫酸、シュウ酸およびホウ酸からなる群から選択される。プライマー材料が使用される場合、前記プライマー材料は、好適には、オルガノシラン、チタネート、アルミネート、ホスフェートおよびジルコネートからなる群から選択される。
【0021】
前処理プロセスは、好適には、その後の前処理ステップ中に1回以上のすすぎステップを含む。
【0022】
ナノサイズの表面不整は、好適には、隆起、凹部、突起、粒もしくは細孔、またはそのいずれかの組合せを含む。好適には、ナノサイズの表面不整は、10~100nmの範囲の寸法も有する。寸法には、不規則の部分の幅、長さ、深さ、高さ、直径が含まれる。
【0023】
プロセスの好ましい実施形態によれば、金属基体上でのプラスチック構造の形成ステップ後、そのように形成されたプラスチック-金属ハイブリッド部品は、焼き鈍しステップを受け、ここで、プラスチック-金属ハイブリッド部品は、ポリアミド組成物のガラス転移温度と融解温度との間の温度で少なくとも30分間保持される。
【0024】
プロセスの別の好ましい実施形態によれば、金属基体上でのプラスチック構造の形成ステップ後、そのように形成されたプラスチック-金属ハイブリッド部品は、焼き鈍しステップを受け、ここで、プラスチック-金属ハイブリッド部品は、140℃~270℃、好ましくは、150℃~250℃、または160℃~230℃の温度で少なくとも30分間保持される。
【0025】
焼き鈍しステップの利点は、結合強さがいくらか増加することおよび十分な強い結合強さの持続時間が長期になることである。しかしながら、本発明によるプロセスは、焼き鈍しステップを行わずに結合の増加をもたらす。これは、焼き鈍しステップを必要とする他のプロセスを上回る経済的利点を有する。
【0026】
本発明によるプロセスにおける金属基体は、原則として、前処理プロセスによって変性され得、かつプラスチック材料によってオーバーモールドされ得るいずれの金属基体でもあり得る。金属基体は、典型的に、計画された使用の必要条件によって選択および形成されるであろう。好適には、金属基体は、打ち抜きシート金属基体である。また、金属基体を構成する金属は自由に選択され得る。好ましくは、金属基体は、アルミニウム、アルミニウム合金(例えば、5052アルミニウム)、チタン、チタン合金、鉄、鋼(例えば、ステンレス鋼)、マグネシウムおよびマグネシウム合金からなる群から選択される材料から形成されるかまたはそれからなる。
【0027】
本発明によるプロセスおよび本発明によるプラスチック-金属ハイブリッド部品において使用される組成物は、半結晶質半芳香族ポリアミド(sc-PPA)および非晶質半芳香族ポリアミド(am-PPA)のブレンドを含む。本明細書中、sc-PPAおよびam-PPAは、広範囲で異なる量で使用され得る。
【0028】
半結晶質ポリアミドという用語は、本明細書中、少なくとも5J/gの融解エンタルピーを有する融解ピークの存在によって示される結晶質領域を有するポリアミドとして理解される。非晶質ポリアミドという用語は、本明細書中、融解ピークの不在または5J/g未満の融解エンタルピーを有する融解ピークの存在によって示される結晶質領域を有さないかまたは本質的に有さないポリアミドとして理解される。ここで、融解エンタルピーは、ポリアミドの重量と比較して表される。
【0029】
半芳香族ポリアミドという用語は、本明細書中、芳香族基を含有する少なくとも1種のモノマーおよび少なくとも1種の脂肪族または脂環族モノマーを含むモノマーから誘導されたポリアミドとして理解される。
【0030】
半結晶質半芳香族ポリアミドは、好適には、約270℃以上の融解温度を有する。好ましくは、融解温度(Tm)は、少なくとも280℃であり、より好ましくは280~350℃の範囲内であり、さらに良好には、300~340℃の範囲内である。より高い融解温度は、一般に、芳香族モノマー、例えば、テレフタル酸のより高い含有量、および/またはポリアミドにおけるより短い連鎖のジアミンを使用することによって達成することができる。ポリアミド成形組成物を製造する技術分野の当業者は、このようなポリアミドを製造および選択することができるであろう。
【0031】
好適には、半結晶質半芳香族ポリアミドは、少なくとも15J/g、好ましくは少なくとも25J/g、より好ましくは少なくとも35J/gの融解エンタルピーを有する。ここで、融解エンタルピーは、半結晶質半芳香族ポリアミドの重量と比較して表される。
【0032】
融解温度という用語は、本明細書中、10℃/分の加熱および冷却速度においてN雰囲気中で予備乾燥された試料において、ISO-11357-1/3,2011によるDSC方法によって測定された温度として理解される。ここで、Tmは、第2の加熱サイクルにおいて最も高い融解ピークのピーク値から計算された。融解エンタルピーという用語は、本明細書中、10℃/分の加熱および冷却速度においてN雰囲気中で予備乾燥された試料において、ISO-11357-1/3,2011によるDSC方法によって測定された融解エンタルピーとして理解される。ここで、融解エンタルピーは、第2の加熱サイクルにおける融解ピーク未満の集積表面から測定される。ガラス転移温度(Tg)という用語は、本明細書中、10℃/分の加熱および冷却速度においてN雰囲気中で予備乾燥された試料において、ISO-11357-1/3,2011によるDSC方法によって測定された温度として理解される。ここで、Tgは、第2の加熱サイクルに関する親熱曲線の変曲点と一致する親熱曲線の(時間に対する)一次導関数のピークにおける値から計算する。好適には、本発明で使用される半芳香族ポリアミドは、約10~約75モル%の、芳香族基を含有するモノマーから誘導される。したがって、好ましくは、約25~約90モル%の残りのモノマーは、脂肪族および/または脂環族モノマーである。
【0033】
好適な芳香族基を含有するモノマーの例は、テレフタル酸およびその誘導体、イソフタル酸およびその誘導体、ナフタレンジカルボン酸およびその誘導体、C~C20芳香族ジアミン、p-キシレンジアミンならびにm-キシレンジアミンである。
【0034】
好ましくは、本発明による組成物は、テレフタル酸またはその誘導体の1つを含むモノマーから誘導される半結晶質半芳香族ポリアミドを含む。
【0035】
半結晶質半芳香族ポリアミドは、芳香族、脂肪族または脂環族のいずれかの1種以上の異なるモノマーをさらに含有し得る。半芳香族ポリアミドがさらに誘導され得る脂肪族または脂環族化合物の例としては、脂肪族および脂環族ジカルボン酸およびその誘導体、脂肪族C~C20アルキレンジアミンおよび/またはC~C20脂環族ジアミンならびにアミノ酸およびラクタムが含まれる。好適な脂肪族ジカルボン酸は、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸および/またはドデカンジオン酸である。好適なジアミンとしては、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン;2-メチルペンタメチレンジアミン;2-メチルオクタメチレンジアミン;トリメチルヘキサメチレン-ジアミン;1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン;1,10-ジアミノデカンおよび1,12-ジアミノドデカンが含まれる。好適なラクタムおよびアミノ酸の例は、11-アミノドデカン酸、カプロラクタムおよびラウロラクタムである。
【0036】
好適な半結晶質半芳香族ポリアミドの例としては、ポリ(m-キシリレンアジパミド)(ポリアミドMXD,6)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド12,T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド10,T)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド9,T)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/6,6)、ヘキサメチレンテレフタルアミド/2-メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/D,T)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,6/6,T/6,I)、ポリ(カプロラクタム-ヘキサメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド6/6,T)、ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド(6,T/6,I)コポリマー、ポリアミド10,T/10,12、ポリアミド10T/10,10などが含まれる。
【0037】
好ましくは、半結晶質半芳香族ポリアミドは、PA-XTまたはPA-XT/YTという表記によって表されるポリフタルアミドであり、ポリアミドは、テレフタル酸(T)および1種以上の線形脂肪族ジアミンから誘導される繰返し単位から形成される。その好適な例は、PA-8T、PA-9T、PA-10T、PA-11T、PA5T/6T、PA4T/6Tおよびそのいずれかのコポリマーである。
【0038】
本発明の好ましい実施形態において、半結晶質半芳香族ポリアミドは、5,000g/モルより高い、好ましくは7,500~50,000g/モルの範囲、より好ましくは10,000~25,000g/モルの範囲の数平均分子量(Mn)を有する。これは、組成物が機械的性質および流動特性の良好なバランスを有するという利点を有する。
【0039】
好適な非晶質半芳香族ポリアミドの例は、PA-6IおよびPA-8IならびにPA-6I/6TまたはPA-8I/8T(例えば、PA-6I/6T 70/30)など、Xが脂肪族ジアミンであるPA-XI、ならびにその非晶質コポリアミド(PA-XI/YT)である。
【0040】
好ましくは、非晶質半芳香族ポリアミドは、非晶質PA-6I/6Tを含むかまたはそれからなる。
【0041】
好適には、sc-PPAおよびam-PPAは、以下の量のポリアミド組成物によって構成される:
a.30~90wt.%の半結晶質半芳香族ポリアミド、および
b.10~40wt.%の非晶質半芳香族ポリアミド。
【0042】
ここで、重量パーセントwt,%、は、組成物の全重量に対するものであり、かつa.およびb.の合計は最大で100wt.%である。
【0043】
sc-PPAおよびam-PPAの次に、組成物は他の成分を含み得る。
【0044】
本発明の好ましい実施形態において、熱可塑性ポリマー組成物は、補強剤(成分a)を含む。ここで、好適な補強剤は、繊維(c.1)もしくは充てん剤(c.2)またはそれらの組合せを含む。より特に、繊維および充てん剤は、好ましくは無機材料からなる材料から選択される。その例としては、次の繊維補強材料:ガラス繊維、炭素繊維およびそれらの混合物が含まれる。組成物が含み得る好適な無機充てん剤の例としては、ガラスビーズ、ガラスフレーク、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、シリカおよびチタン酸カリウムの1種以上が含まれる。
【0045】
繊維は、本明細書中、少なくとも10のアスペクト比L/D(長さ/直径)を有する材料であると理解される。好適には、繊維補強剤は、少なくとも20のL/Dを有する。充てん剤は、本明細書中、10未満のアスペクト比L/Dを有する材料であると理解される。好適には、無機充てん剤は、5未満のL/Dを有する。アスペクト比L/Dにおいて、Lは、個々の繊維または粒子の長さであり、およびDは、個々の繊維または粒子の直径または幅である。
【0046】
補強剤は、好適には、組成物の全重量に対して5~60wt.%の範囲の量で存在する。好適には、成分c.の量は、組成物の全重量に対して10~50wt.%、より特に20~40wt.%のより限定された範囲にある。
【0047】
本発明の特別な実施形態において、組成物中の成分c.は、5~60wt.%の、少なくとも20のL/Dを有する繊維補強剤(c.1)と、0~55wt.%の、5未満のL/Dを有する無機充てん剤(c.2)とを含み、(c.1)および(c.2)の合計量は60wt.%以下であり、かつ重量パーセントは、組成物の全重量に対するものである。
【0048】
好ましくは、成分c.は、繊維補強剤(c.1)および任意選択的に無機充てん剤(c.2)を含み、その重量比(c.1):(c.2)は、50:50~100:0の範囲にある。
【0049】
また好ましくは、補強剤は、ガラス繊維を含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、組成物は、組成物の全重量に対して5~60wt.%、より特に10~50wt.%、さらにより特に20~40wt.%のガラス繊維を含む。
【0050】
好ましい実施形態において、ポリアミド組成物は、
a.30~60wt.%の半結晶質半芳香族ポリアミド;
b.10~30wt.%の非晶質半芳香族ポリアミド;および
c.5~60wt.%の繊維補強剤もしくは充てん剤またはそれらの組合せ
を含む。
【0051】
ここで、重量パーセントwt,%は、組成物の全重量に対するものであり、かつa、bおよびcの合計は最大で100wt.%である。
【0052】
組成物は、成分a.、b.およびc.の次に1種以上のさらなる成分を含み得る。このような成分は、プラスチック-金属ハイブリッド部品での使用に好適である補助添加剤および他のいずれかの成分から選択され得る。また、その量は広範囲で変動し得る。1種以上のさらなる成分は、合わせて成分d.と呼ばれる。
【0053】
これに関して、組成物は、好適には、他の性質を改善することが当業者に知られている熱可塑性成形組成物のための燃焼抑制相乗剤および補助添加剤から選択される少なくとも1種の成分を含む。好適な補助添加剤としては、酸掃去剤、可塑剤、(例えば、熱安定剤、酸化安定剤または抗酸化剤、光安定剤、紫外線吸収剤および化学安定剤などの)安定剤、(例えば、離型剤、核剤、潤滑油、発泡剤などの)加工助剤、顔料および(例えば、カーボンブラック、他の顔料、染料などの)着色剤ならびに帯電防止剤が含まれる。
【0054】
好適な燃焼抑制剤相乗剤の一例は、ホウ酸亜鉛である。「ホウ酸亜鉛」という用語は、式(ZnO)(B(H0)を有する1種以上の化合物を意味する。
【0055】
好適には、成分d.の量は0~30wt.%の範囲にある。相応して、a.、b.およびc.の合計量は、好適には、少なくとも70wt.%である。ここで、全ての重量パーセント(wt.%)は、組成物の全重量に対するものである。
【0056】
他の成分d.の全量は、例えば、約1~2wt.%、約5wt.%、約10wt.%または約20wt.%であり得る。好ましくは、組成物は、少なくとも1種のさらなる成分を含み、およびd.の量は、0.1~20wt.%、より好ましくは、0.5~10wt.%または1~5wt.%の範囲である。相応して、a.、b.およびc.は、それぞれ80~99.9wt.%、90~99.5wt.%、95~99wt.%の範囲の合計量で存在する。
【0057】
好ましい実施形態において、ポリアミド組成物は、
a.30~60wt.%の半結晶質半芳香族ポリアミド;
b.10~30wt.%の非晶質半芳香族ポリアミド;
c.10~60wt.%の繊維補強剤もしくは充てん剤またはそれらの組合せ;
d.0.1~20wt.%の少なくとも1種の他の成分
からなる。
【0058】
ここで、重量パーセントwt,%は、組成物の全重量に対するものであり、かつa.、b.、c.およびd.の合計は100wt.%である。
【0059】
本発明は、ナノモールド技術(NMT)プロセスによって得られる、金属部品の表面領域に結合されたプラスチック材料を含むプラスチック-金属ハイブリッド部品にも関する。本発明によるプラスチック-金属ハイブリッド部品において、プラスチック材料は、
a.半結晶質半芳香族ポリアミド、および
b.非晶質半芳香族ポリアミド
のブレンドを含むポリアミド組成物である。
【0060】
本発明によるプラスチック-金属ハイブリッド部品は、本発明によるプロセスによって得ることができるいずれかの金属ハイブリッド部品、または本明細書中に上記で記載されたいずれかの特定のもしくは好ましい実施形態もしくは変形形態であり得る。
【0061】
本発明によるプラスチック-金属ハイブリッド部品におけるポリアミド組成物は、前記ブレンドを含むいずれかのポリアミド組成物、および本明細書中に上記で記載されたいずれかの特定のまたは好ましい実施形態または変形形態であり得る。
【0062】
特に好ましい実施形態において、プラスチック-金属ハイブリッド部品は、23℃および10mm/分の伸張速度においてISO19095による方法によって測定されて40~70MPaの範囲、例えば、45~65MPaの範囲の金属部品およびプラスチック材料間の結合力を有する。結合力は、例えば、約50MPaまたは約55MPa、または上記の前記値未満、もしくはその間、もしくはそれを超え得る。結合力が高いほど、製品デザイナーは、より汎用的にかつ柔軟にプラスチック-金属ハイブリッド部品を設計することができる。
【0063】
本発明は、次の実施例および比較実験によってさらに説明される。
【0064】
[材料]
sc-PPA-A 半結晶質半芳香族ポリアミド、PA6T/4T/66ベース、融解温度325℃、ガラス転移温度125℃;
sc-PPA-B 半結晶質半芳香族ポリアミド、PA6T/4Tベース、融解温度335℃、ガラス転移温度150℃;
APA 半結晶質脂肪族ポリアミド、PA-46、融解温度295℃;
am-PPA-A 非晶質半芳香族ポリアミド、PA6I6T、ガラス転移温度150℃;
am-PPA-B PA 3426Rは、非晶質ポリアミド、ガラス転移温度125℃;
GF ガラス繊維、熱可塑性ポリアミドの標準グレード;
MRA Acrawax C、離型剤;
耐衝撃性改良剤 Fusabond A560;
その他:任意の添加剤:熱安定剤(HS)および色マスターバッチCabot PA3785(カーボンブラック)(MB);
金属プレートA:アルミニウムプレート、グレードAl6063、測定18mm×45mm×1.6mm:エタノールによる脱脂、アルカリ性溶液によるエッチング、酸性溶液による中和およびアンモニア水溶液によるファインエッチング(いわゆるT処理)を含むプロセスによって前処理された。
金属プレートB:ステンレス鋼プレート、グレードSUS 304(オーステナイト系ステンレス鋼材料)、測定18mm×45mm×1.6mm;約60℃において5分間の金属清浄剤による脱脂、約60℃において約3分間の10%硫酸によるエッチング、40℃において約3分間の3%の過酸化水素による硬化および90℃において5分間の15分間の乾燥を含むプロセスによって前処理された。
【0065】
[組成物の調製]
sc-PPA-Aをベースとする8種のポリアミド組成物を表1の比較実験A~Cおよび実施例I~Vの配合に従って調製した。sc-PPA-Bをベースとする2種のポリアミド組成物を表2の比較実験Dおよび実施例VIの配合に従って調製した。調製は、標準的な配合状態を使用する二軸押出機で実行された。
【0066】
[比較実験A~Cおよび実施例I~Vによる組成物を用いる金属プレートAのオーバーモールド]
140℃においてモールドセット中に金属プレートを入れ、ポリアミド組成物の融解温度より20℃高い融解温度において射出成形機からポリアミド組成物を注入した後、金属プレートをオーバーモールドすることにより、試験サンプルを調製した。
【0067】
ポリアミド組成物の射出成形および金属ハイブリッド部品の形成後、得られる金属-プラスチックハイブリッド部品を離型した。いくつかのプレートには、170℃において1時間の焼き鈍しステップをさらに受けさせた。
【0068】
試験サンプルは次の寸法を有した:プレートのサイズは、18mm×45mm×1.6mmであった。プラスチック部品のサイズは、10mm×45mm×3mmであった。重なり合った結合領域は、0.482cmであった。金属部品およびプラスチック部品の形状および相対位置を概略的に図1に示す。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】黒色部分(A)がプラスチック部品であり、かつ灰色部分(B)が金属部品である試験サンプルの概略図である。
【0070】
[比較実験Dおよび実施例VIによる組成物を用いる金属プレートBのオーバーモールド]
170℃においてモールドセット中に金属プレートを入れ、360℃の融解温度において射出成形機からポリアミド組成物を注入した後、金属プレートをオーバーモールドすることにより、試験サンプルを調製した。
【0071】
ポリアミド組成物の射出成形および金属ハイブリッド部品の形成後、得られる金属-プラスチックハイブリッド部品を離型した。
【0072】
試験サンプルの寸法、プラスチック部品のサイズ、重なり合った結合領域、金属部品およびプラスチック部品の形状および相対位置は、比較実験A~Cおよび実施例I~Vに関して上記された通りであった。
【0073】
[結合強さ試験法]
プラスチック-金属アセンブリ中の接着境界面の結合強さ法は、23℃および10mm/分の伸張速度においてISO19095による方法によって測定された。結果を表1および2に含める。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
この結果は、非晶質半芳香族ポリアミドを含む本発明による組成物(実施例I~VI)に関する結合強さの値が、対応する比較実験A~Dに関するものよりもはるかに高いことを示す。
図1