(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】LED照明灯
(51)【国際特許分類】
F21S 8/08 20060101AFI20220705BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20220705BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20220705BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220705BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220705BHJP
F21K 9/23 20160101ALI20220705BHJP
F21K 9/00 20160101ALI20220705BHJP
F21W 111/02 20060101ALN20220705BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220705BHJP
【FI】
F21S8/08 110
F21V29/503
F21V29/76
F21V19/00 170
F21V19/00 230
F21V23/00 160
F21K9/23
F21K9/00 100
F21W111:02
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2018011758
(22)【出願日】2018-01-26
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴之
(72)【発明者】
【氏名】清水 政宏
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0085895(US,A1)
【文献】特開2017-054645(JP,A)
【文献】特開2014-011122(JP,A)
【文献】特開2015-032405(JP,A)
【文献】登録実用新案第3190186(JP,U)
【文献】特許第6154970(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21V 29/503
F21V 29/76
F21V 19/00
F21V 23/00
F21K 9/23
F21K 9/00
F21W 111/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、LEDを有する発光部と、
前記発光部を支持する支持部と、
前記発光部の前記LEDとは反対側に配置される放熱部と、
前記放熱部に取り付けられる口金と、を備え、
前記支持部は、
前記発光部に取り付けられる第一取付部と、
前記筐体に対して着脱可能に取り付けられる第二取付部と、を有し、
前記第一取付部は、
前記放熱部に前記口金とは反対側から前記口金に向けて挿入されることで、前記発光部に対してスライド可能に取り付けられる
LED照明灯。
【請求項2】
前記放熱部は、前記口金に向けて前記第一取付部に沿って延びるフィンを有し、
前記フィンは、前記第一取付部が挿入されるガイド部を有する
請求項1に記載のLED照明灯。
【請求項3】
前記ガイド部によって形成される、前記第一取付部が挿入される空間は、前記口金側の端部が前記口金に向けて開口している
請求項2に記載のLED照明灯。
【請求項4】
前記第一取付部は、上下方向と直交する方向に向けて反った形状を有する長尺状の部材である
請求項1
~3のいずれか1項に記載のLED照明灯。
【請求項5】
さらに
、前記口金及び前記LEDを接続する配
線を備え、
前記発光部は、さらに、前記LEDが設けられた複数の基板を有し、
前記複数の基板の間には、空間が形成され、
前記配線は、前記口金から前記放熱部を通って、前記空間から前記LED側に露出し、前記LEDに接続される
請求項
1~4のいずれか1項に記載のLED照明灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、HID(High-Intensity Discharge)ランプを用いた道路灯に代わるものとして、光源にLED(Light Emitting Diode)を用いたLED道路灯が望まれている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、LED道路灯のような高輝度のLED照明灯は、発光輝度の関係上、発光時に発生する熱をLEDから放熱する放熱部が必要になるため、LEDを有する発光部は、HIDランプよりも高重量化する場合がある。
【0005】
その場合、発光部と口金とを連結する連結部材にかかる重量負荷が増加するため、長期間の使用により当該連結部材が変形し、LEDの照射方向にずれが生じる課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、発光部が高重量化した場合でもLEDの照射方向にずれが生じるのを抑制できるLED照明灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るLED照明灯は、筐体と、前記筐体に収容され、LEDを有する発光部と、前記発光部を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、前記発光部に取り付けられる第一取付部と、前記筐体に対して着脱可能に取り付けられる第二取付部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るLED照明灯によれば、発光部が高重量化した場合でもLEDの照射方向にずれが生じるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係るLED照明灯を備える照明柱の外観を示す概念図である。
【
図2】
図1のLED照明灯の構成を示す概念図である。
【
図3】
図2のLED照明灯の内部構成の各構成要素を示す斜視図である。
【
図4】
図3のLED照明灯の内部構成のうち着脱可能な構成要素を取り外した場合の構成を示す斜視図である。
【
図5】
図4の発光部と放熱部材とを分離した場合の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係るLED照明灯について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、同一又は同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0011】
(実施の形態)
[1.LED照明灯10の概略構成の説明]
まず、本実施の形態に係るLED照明灯10を備える照明柱1の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るLED照明灯10を備える照明柱1の外観を示す概念図である。
【0012】
なお、以下の説明及び図面中において、LED照明灯10の前後方向をX軸方向と定義する。また、LED照明灯10の左右方向をY軸方向と定義する。また、LED照明灯10の上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
【0013】
図1に示すように、照明柱1は、その最上部に設けられ且つ照明用の光を発するLED照明灯10と、地面等から立設する支柱2と、LED照明灯10及び支柱2を連結するアーム3とを備えている。つまり、LED照明灯10は、光源にLED(Light Emitting Diode)を用いて道路を照らすLED照明灯であり、アーム3及び支柱2によって支持されている。また、商用電源等の電力系統に電気的に接続された電線が、支柱2内及びアーム3内に通されて、LED照明灯10に電気的に接続されることで、LED照明灯10に電力が供給される。なお、LED照明灯10は、地面に据え付けられるのではなく、アーム3を介して構造物に取り付けられるように構成されていてもよい。また、LED照明灯10の設置場所は、道路(歩道や車道)脇には限定されず、例えば、公園等の広場内、工場の敷地内、ガソリンスタンドのサービスステーション内等、どのような場所にでも設置可能である。
【0014】
次に、LED照明灯10の構成について、詳細に説明する。
図2は、
図1のLED照明灯10の構成を示す概念図である。具体的には、
図2の(a)は、
図1のLED照明灯10の筐体11を透過して、LED照明灯10を側方から見た場合の内部構成を破線で示す側面図である。また、
図2の(b)は、
図1のLED照明灯10の筐体11及びカバー12を透過して、LED照明灯10をカバー12側から見た場合の内部構成を破線で示す底面図である。
【0015】
なお、説明の便宜のため、
図2の(a)では、
図1に示したLED照明灯10を上下逆にして図示している。つまり、
図2の(a)では、Z軸方向マイナス側(矢印と反対側)を上方として図示しており、以下では、Z軸方向マイナス側を上方として説明する。
図3以降の図及びその説明においても、同様である。
【0016】
図2に示すように、LED照明灯10は、筐体11と、照明用の光を外部に放射するためのカバー12とを備えている。筐体11及びカバー12は、内部に種々の構成要素を収容する閉じた空間を形成している。具体的には、筐体11は、アーム3が接続される第一筐体11aと、カバー12が接続される第二筐体11bとを有している。筐体11(第一筐体11a及び第二筐体11b)の材質は、特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミナ、またはマグネシウム合金等の高い熱伝導性を有する金属材料から形成されている。カバー12は、透光性を有する平板状かつ平面視略楕円状の部材である。また、カバー12は、例えば、ガラスまたは樹脂等によって形成されている。なお、カバー12の形状は平面視略楕円状には限定されず、平面視で円形状や多角形状等でもよく、また、平板状にも限定されず、半楕円球状、半球状、半円柱状、半楕円柱状等でもよい。また、カバー12の材質も特に限定されない。
【0017】
また、LED照明灯10は、筐体11及びカバー12の内部に、電力によって光を発する発光部20と、発光部20から発せられる熱を放熱する放熱部材30と、発光部20を支持する支持部40と、発光部20に電力を供給するための口金50とを備えている。これらの具体的な構成について、以下に詳細に説明する。
【0018】
[2.LED照明灯10の内部構成の説明]
LED照明灯10の内部構成について、
図2に加え、
図3及び
図4も参照して、詳細に説明する。
図3は、
図2のLED照明灯10の内部構成の各構成要素を示す斜視図である。また、
図4は、
図3のLED照明灯10の内部構成のうち着脱可能な構成要素を取り外した場合の構成を示す斜視図である。具体的には、
図4の(a)は、当該斜視図であり、
図4の(b)は、
図4の(a)の点線内を拡大して示す拡大斜視図である。なお、
図4の(b)では、ガイド部34bのY軸方向プラス側で切断し、ガイド部34bの形状を示している。
【0019】
[2-1.発光部20の構成の説明]
これらの図に示すように、発光部20は、筐体11に収容され、かつ、カバー12の内側(Z軸方向プラス側)に配置された部位であり、複数のLED21と、X軸方向(以下、第一方向ともいう)に並ぶ複数(本実施の形態では3枚)の基板22とを有している。
【0020】
複数のLED21は、複数の基板22のZ軸方向マイナス側(以下、第二方向側ともいう)の表面に設けられた発光素子である。具体的には、X軸方向及びY軸方向に並べられた複数のLED21が、それぞれの基板22の表面上に配置(実装)されて、矩形状の発光領域を形成している。基板22は、矩形状かつ平板状の基板であり、放熱部材30側に熱を放出できるように、放熱部材30に直接、または、熱伝導部材を介して取り付けられている。基板22の材質は特に限定されないが、例えばアルミニウム等によって形成されている。
【0021】
また、発光部20は、複数のLED21の全体を覆うように、基板22の上方に配置されたレンズ体も有している。具体的には、レンズ体は、透光性を有する樹脂またはガラス等の材料から形成されており、複数のLED21が発する光を、放射状に拡散するように配光する。なお、発光部20の形状、LED21の個数や配置位置、基板22の枚数や形状等は、特に限定されない。また、発光部20は、レンズ体を有していない構成でもよい。また、LED21は、SMD(Surface Mount Device)型のLEDであってもよいし、COB(Chip On Board)型のLEDであってもよい。
【0022】
[2-2.放熱部材30の構成の説明]
放熱部材30は、発光部20のLED21とは反対側、つまり、発光部20のZ軸方向プラス側(第二方向とは反対側)に配置され、発光部20が発する熱を放熱する部材である。放熱部材30は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミナ、マグネシウム合金等の高い熱伝導性を有する金属材料から形成されるのが好ましい。
【0023】
具体的には、
図4に示すように、放熱部材30は、基板22が載置される載置台31と、放熱部32とを有している。本実施の形態では、複数(3枚)の基板22に対応して、複数(3つ)の載置台31が配置されている(
図5参照)。つまり、それぞれの載置台31は、それぞれの基板22と対向して配置される、それぞれの基板22と同じまたは当該基板22よりも少し大きな矩形状かつ平板状の部位である。これにより、それぞれの載置台31は、Z軸方向プラス側に、それぞれの基板22に対向する平坦面を有することとなり、当該平坦面に基板22がネジ等で固定される。
【0024】
放熱部32は、載置台31から下方(Z軸方向プラス側)に延設される部位(放熱フィン)であり、第一フィン33と、第一フィン33よりも厚みが厚い部分を有する第二フィン34とを有している。具体的には、Y軸方向に複数の第一フィン33が並んで配置され、かつ、Y軸方向の両側に2つの第二フィン34が配置されている。
【0025】
第一フィン33は、Z軸方向かつX軸方向に延設される矩形状かつ平板状の部位である。具体的には、第一フィン33は、複数の載置台31を跨いで、当該複数の載置台31のX軸方向プラス側の端縁からX軸方向マイナス側の端縁まで延設されて配置されている。これにより、第一フィン33は、複数の基板22を跨いで配置されることとなる。
【0026】
第二フィン34は、Z軸方向かつX軸方向に延設される角筒形状の部位である。具体的には、第二フィン34は、第一フィン33と同様に、複数の載置台31を跨いで、当該複数の載置台31のX軸方向プラス側の端縁からX軸方向マイナス側の端縁まで延設されて配置されている。これにより、第二フィン34も、複数の基板22を跨いで配置されることとなる。
【0027】
ここで、第二フィン34は、第一フィン33よりもY軸方向の厚みが厚い部材中に、X軸方向に延びる角柱状の空間が形成されたような形状を有しており、当該空間の対向する2つの角部のそれぞれに、口金50が取り付けられる厚肉部34aが形成されている。このように、第二フィン34は、第一フィン33よりも厚みが厚い部分を有することで、第一フィン33よりも放熱性を向上させることができる。また、厚肉部34aには、口金50が取り付けられる際に、ネジ52(
図3参照)が挿入される円柱状のネジ孔が形成されている。なお、本実施の形態では、厚肉部34aは、第二フィン34のX軸方向プラス側の端縁からX軸方向マイナス側の端縁まで延設されて配置されているが、X軸方向プラス側の端部にのみ配置されていてもよい。
【0028】
また、第二フィン34は、Y軸方向の側面(
図4の(b)では、Y軸方向プラス側の側面)に、支持部40が取り付けられるガイド部34bを有している。ガイド部34bは、支持部40を上下で挟んでX軸方向に移動可能に案内するレールである。なお、本実施の形態では、ガイド部34bは、第二フィン34のX軸方向プラス側の端縁からX軸方向マイナス側の端縁まで延設されて配置されているが、支持部40が移動する範囲にのみ配置されていてもよい。
【0029】
[2-3.支持部40の構成の説明]
支持部40は、X軸方向に延設されたアルミニウムやステンレスなどの金属製の部材であり、発光部20を支持する。なお、支持部40の材質は特に限定されないが、強度の高い材料で形成されているのが好ましい。ここで、支持部40は、発光部20に取り付けられる第一取付部41と、筐体11に対して着脱可能に取り付けられる第二取付部42とを有している。
【0030】
第一取付部41は、X軸方向に延設された平板状かつ長尺状の部材であり、Y軸方向に2つの第一取付部41が並んで配置されている。また、それぞれの第一取付部41は、Y軸方向プラス側またはY軸方向マイナス側に反った形状を有している。また、第一取付部41は、発光部20に対して移動可能に取り付けられている。つまり、上述の通り、第一取付部41は、放熱部材30の第二フィン34のガイド部34bに、口金50とは反対側であるX軸方向マイナス側から挿入されることで、ガイド部34b内でX軸方向に移動可能(スライド可能)に配置される。さらに、第一取付部41は、ガイド部34bから取り外すことも可能であるため、発光部20に対して着脱可能に取り付けられているとも言える。これにより、第一取付部41は、発光部20及び放熱部材30に対して、X軸方向に移動可能(伸縮可能)かつ着脱可能な構成となる。
【0031】
なお、第一取付部41を発光部20に対して移動可能に取り付ける構成は、上記には限定されず、例えば、第一取付部41をネジ留め等で段階的に移動可能とした構成や、第一取付部41を伸縮可能な蛇腹形状で形成した構成等であってもよい。
【0032】
このように、支持部40は、発光部20に取り付けられる第一取付部41と、筐体11に対して着脱可能に取り付けられる第二取付部42とを有している、すなわち、発光部20を第二取付部42でも筐体11に支持するため、発光部20が高重量化した場合でも、発光部20と口金50とを連結する連結部材にかかる重量負荷を低減することができる。また、地面の振動等の揺れによる当該連結部材の劣化を抑制することができる。
【0033】
また、このように、第一取付部41は、反った形状を有していることで補強されるため、発光部20を支持する力を向上することができている。また、第一取付部41を、第二フィン34を利用して放熱部32に取り付けることで、第一取付部41を取り付けるための別部品を配置する必要がなく部品点数を低減することができる。
【0034】
さらに、第一取付部41が、発光部20に対して移動可能に取り付けられることで、第二取付部42を移動させることができる。このため、筐体11の発光部20を収容する寸法(以下、内部寸法という)の大きさにかかわらず、第二取付部42を筐体11に対して容易に取り付けることができるため、汎用性を高めることができる。
【0035】
第二取付部42は、第一取付部41のX軸方向マイナス側の端部からZ軸方向マイナス側へ延び、次に、X軸方向マイナス側へ延び、さらに、Z軸方向プラス側に延びる逆U字形状の部位であり、Y軸方向に2つの第二取付部42が並んで配置されている。本実施の形態では、第二取付部42は、筐体11の第一筐体11aと第二筐体11bとの間に挟まれることで、筐体11に固定される。このため、第一筐体11aと第二筐体11bとを分離すれば、筐体11から第二取付部42を取り外すことができる。このように、第二取付部42は、筐体11に着脱可能に固定される。
【0036】
なお、第二取付部42は、筐体11に固定されるのではなく、例えば筐体11に係合し、または第二筐体11b上に載置されることで、筐体11に取り付けられることにしてもよい。また、第二取付部42は、筐体11以外の他の部材に着脱可能に取り付けられることで、筐体11に間接的に取り付けられることにしてもよい。
【0037】
このように、第二取付部42が、筐体11に対して着脱可能に取り付けられていることで、発光部20を交換する際に、容易に発光部20を取り外して、また、取り付けることができるため、発光部20を容易に交換することができる。
【0038】
[2-4.口金50の構成の説明]
口金50は、照明柱1のアーム3内を通る配線と接続されて、発光部20に電力を供給する部材であり、発光部20に対して着脱可能に取り付けられている。具体的には、口金50は、放熱部材30に固定される固定部51(上述した連結部材に相当)を有している。固定部51は、アルミニウムやステンレスなどの金属製の板状部材であり、放熱部32の第二フィン34の厚肉部34aに、ネジ52によって固定される。つまり、固定部51には、Y軸方向両側及びZ軸方向両側の4箇所に円形状の貫通孔51aが設けられており、これらの貫通孔51aのそれぞれにネジ52が挿入されて、放熱部32の第二フィン34の厚肉部34aに固定部51が固定される。このように、口金50は、第二フィン34の厚みが厚い部分に取り付けられる。
【0039】
なお、固定部51の材質は特に限定されないが、強度の高い材料で形成されているのが好ましい。また、固定部51の固定方法は、ネジ52によるネジ留めには限定されず、係合や嵌合による固定など、固定部51を発光部20に対して着脱可能に取り付けられる方法であれば、特に限定されない。
【0040】
[3.口金50と発光部20とを接続する配線60の配置位置の説明]
ここで、口金50は、口金50とLED21とを接続する配線60によって、発光部20に電力を供給している。この配線の配置位置(配線ルート)について、以下に詳細に説明する。
図5は、
図4の発光部20と放熱部材30とを分離した場合の構成を示す斜視図である。
【0041】
図5に示すように、発光部20の複数の基板22は、X軸方向に離間して配置されており、これにより、複数の基板22の間には、第一空間S1が形成されている。つまり、第一空間S1は、Y軸方向に延びる長尺な空間(隙間)である。また、放熱部材30の複数の載置台31は、それぞれが複数の基板22に対応する位置に配置されており、これにより、複数の載置台31の間には、第一空間S1と連続する第二空間S2が形成されている。つまり、第二空間S2は、Y軸方向に延びる長尺な空間(隙間)であり、Z軸方向から見て、第一空間S1と重なる位置に配置されている。
【0042】
このような構成において、放熱部32は、複数の載置台31を跨いでX軸方向に延設されているため、放熱部32は、第一空間S1及び第二空間S2から、LED21側、つまりZ軸方向マイナス側(第二方向側)に露出して配置されている。つまり、第一フィン33及び第二フィン34は、第一空間S1及び第二空間S2から第二方向側に露出して配置されている。言い換えれば、放熱部32(第一フィン33及び第二フィン34)は、第一空間S1及び第二空間S2からなる発光部20の上部空間と連なる空間に隣接して配置されている。
【0043】
このように、放熱部32(第一フィン33及び第二フィン34)が、第一空間S1及び第二空間S2から露出して配置されていることで、第一空間S1及び第二空間S2から放熱することができるため、放熱性を向上させることができる。これにより、後述する配線60への熱の影響も抑制することができる。
【0044】
そして、上記のような構成において、口金50に接続された配線60は、放熱部32を通り、かつ、第一空間S1及び第二空間S2からなる空間を通って、発光部20に接続される。つまり、配線60は、第一空間S1及び第二空間S2から、LED21側、つまりZ軸方向マイナス側(第二方向側)に露出し、かつ、第一空間S1及び第二空間S2に沿って延設されて配置されている。具体的には、配線60は、口金50から載置台31の裏側を通り、第二空間S2のY軸方向中央位置において第二空間S2に侵入し、第二空間S2内をY軸方向プラス側へ延びて、発光部20の基板22のY軸方向プラス側の端部に接続される。
【0045】
これにより、配線60は、第二空間S2から露出した放熱部32を横切るため、放熱部32(第一フィン33及び第二フィン34)と隣り合う位置に配置されることとなる。つまり、配線60は、第一フィン33及び第二フィン34を跨いで、第一フィン33及び第二フィン34の上方を通過するように配置される。なお、
図5では、第二空間S2を通る配線60だけを図示しており、その他の配線は省略している。
【0046】
このように、配線60が、第一空間S1及び第二空間S2から露出し、かつ、第一空間S1及び第二空間S2に沿って延設されて配置されていることで、配線60が熱で熱せられるのを抑制することができる。また、配線60が、放熱部32(第一フィン33及び第二フィン34)と隣り合う位置に配置されることで、配線60が熱せられても放熱部32によって放熱することができる。特に、配線60は、第一フィン33よりも放熱性が高い第二フィン34と隣り合う位置に配置されているため、配線60が熱せられた際の放熱性を向上させることができる。これらにより、配線60への熱の影響を抑制することができる。
【0047】
[4.変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係るLED照明灯10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0048】
例えば、上記実施の形態では、支持部40の第一取付部41は、発光部20に対して移動可能及び着脱可能に取り付けられていることとしたが、第一取付部41は、発光部20に対して移動不能または着脱不能に取り付けられていることにしてもよい。また、第一取付部41は、反った形状を有していなくてもよい。さらに、第一取付部41は、放熱部32ではなく載置台31に取り付けられていることにしてもよいし、放熱部材30以外の部材に取り付けられていることにしてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態では、口金50は、発光部20に対して着脱可能に取り付けられていることとしたが、口金50は、発光部20に対して着脱不能に取り付けられていることにしてもよい。また、口金50は、放熱部32ではなく載置台31に取り付けられていることにしてもよいし、放熱部材30以外の部材に取り付けられていることにしてもよい。
【0050】
また、上記実施の形態では、放熱部32は、第一空間S1及び第二空間S2から露出して配置されていることとしたが、放熱部32は、これらの空間から露出していないことにしてもよい。また、配線60は、これらの空間から露出し、かつ、これらの空間に沿って延設されて配置されていることとしたが、配線60は、これらの空間から露出せず、または、これらの空間に沿って延設されていないことにしてもよい。または、第一空間S1及び第二空間S2自体が形成されていないことにしてもよい。
【0051】
なお、上記実施の形態及びその変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 照明柱
2 支柱
3 アーム
10 LED照明灯
11 筐体
11a 第一筐体
11b 第二筐体
12 カバー
20 発光部
21 LED
22 基板
30 放熱部材
31 載置台
32 放熱部
33 第一フィン
34 第二フィン
34a 厚肉部
34b ガイド部
40 支持部
41 第一取付部
42 第二取付部
50 口金
51 固定部
51a 貫通孔
52 ネジ
60 配線