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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】配線モジュール、及び蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20220705BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20220705BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20220705BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20220705BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20220705BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20220705BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20220705BHJP
【FI】
H01M50/507
H01G4/228 J
H01G11/10
H01G11/76
H01M50/209
H01M50/503
H01M50/569
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018103600
(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2019207824
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2020-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳田 泰次
(72)【発明者】
【氏名】下田 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良典
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0079447(US,A1)
【文献】特開2017-073398(JP,A)
【文献】特開2011-216400(JP,A)
【文献】特開2013-168260(JP,A)
【文献】特開2012-174457(JP,A)
【文献】特開2017-195056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/502 - 526
H01M 50/204 - 216
H01G 4/228
H01G 11/10
H01G 11/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子を有する複数の蓄電素子が並列方向に沿って並べられた蓄電素子群に配設される配線モジュールであって、
前記電極端子に接続されるバスバーと、
前記バスバーが収容されるバスバー収容部を有する合成樹脂製の絶縁プロテクタと、を備え、
前記バスバーは、前記電極端子と接触する複数の接触部と、前記接触部から離間する方向に屈曲すると共に前記並列方向と交差する交差方向に延びる屈曲部と、を有し、
前記屈曲部は、前記複数の接触部のうち一の接触部と前記一の接触部の隣に位置する他の接触部との間に設けられており、且つ、前記一の接触部と前記他の接触部との中間位置から、前記並列方向についてずれた位置に形成されており、
前記バスバー収容部には前記バスバーが載置される梁部が前記交差方向に延びて形成されており、前記梁部は、前記屈曲部と前記並列方向についてずれた位置に形成されており、
前記屈曲部は、前記梁部に向かって開口するように設けられており、
前記バスバーのうち前記複数の接触部の少なくとも一部が、前記梁部の一部に載置されている、配線モジュール。
【請求項2】
前記梁部は、前記バスバーが前記バスバー収容部に収容された状態において、前記一の接触部と前記他の接触部との前記中間位置に対応する位置に設けられている、請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記バスバーは複数の貫通孔を有し、
前記屈曲部は、前記複数の貫通孔のうち一の貫通孔の中心と前記一の貫通孔の隣に位置する他の貫通孔の中心との中間位置から、前記並列方向についてずれた位置に形成されている、請求項1または請求項2に記載の配線モジュール。
【請求項4】
前記バスバーのうち前記接触部が形成された面と反対側の面には、前記屈曲部と異なる領域に、第1領域と、前記第1領域よりも面積の広い第2領域と、が形成されており、
前記第2領域には、電圧検知端子が重ねられており、
前記電圧検知端子は、前記バスバーと電気的に接続されるバスバー接続部と、前記バスバー接続部の側縁から側方に延びると共に電圧検知線が接続される電線接続部と、有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【請求項5】
電極端子を有する複数の蓄電素子が並列方向に沿って並べられた蓄電素子群と、
前記蓄電素子群に配設される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の配線モジュールと、を備えた蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された技術は、配線モジュール、及び蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の蓄電素子を電気的に接続するための構造として、特開2016-207584号公報に記載のものが知られている。上記の技術によれば、それぞれが電極端子を有した複数の蓄電素子は、バスバーによって接続される。バスバーは、複数の蓄電素子のそれぞれの電極端子と接触する接触面を有した板状に構成され接触面に沿う方向に離れた複数の端子部と、接触面から接触面と交差する方向に離れた部分を有して屈曲した状態で2個の端子部の間を亘るブリッジ部と、を有する。
【0003】
上記の技術によれば、蓄電素子群に衝撃や振動等の外力が入力された場合に、
ブリッジ部の屈曲部によって応力が緩和されることにより、局所的な応力が低減されるようになっている。
【0004】
しかしながら、上記の技術では、複数の箇所の電極端子間をバスバーで個別に接続する必要があるため、電極端子間にバスバーを接続する作業を延々と繰り返すという、極めて煩雑な作業が必要になる。
【0005】
上記の課題を解決するための技術として、特開2011-8957号公報に記載のように、バスバーと、バスバーを個別に保持する複数のバスバー保持部を有する絶縁プロテクタと、を有する配線モジュールを、蓄電素子群に配設する技術が知られている
【0006】
上記の技術によれば、複数箇所の電極端子間を接続する際に、配線モジュールを蓄電素子群に取り付ければよいから、電極端子間を接続する際の取付作業を簡略化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-207584号公報
【文献】特開2011-8957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特開2016-207584号公報に開示された技術と、特開2011-8957号公報に開示された技術とを、単純に組み合わせると以下のような問題が生じる。
【0009】
特開2016-207584号公報に記載されたバスバーに形成されたブリッジ部は、バスバーに形成された隣り合う2個の貫通孔の中間位置に設けられている。一方、特開2011-8957号公報に記載された絶縁プロテクタに形成されたバスバー保持部には、バスバーに形成された隣り合う2個の貫通孔の中間位置に対応する位置に、バスバーが載置される梁部が設けられている。
【0010】
このため、特開2011-8957号公報に記載された絶縁プロテクタに形成されたバスバー保持部に、特開2016-207584号公報に記載されたバスバーを載置すると、バスバーのブリッジ部の内部に、バスバー保持部が入り込んでしまう。これでは、蓄電素子の電極端子に対する、バスバーの接触部の高さ位置を正確に設定することができない。このため、蓄電素子の電極端子と、バスバーとの電気的な接続信頼性が低下するという問題が生じる。
【0011】
本明細書に開示された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、蓄電素子の電極端子とバスバーとの電気的な接続信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に開示された技術は、電極端子を有する複数の蓄電素子が並列方向に沿って並べられた蓄電素子群に配設される配線モジュールであって、前記電極端子に接続されるバスバーと、前記バスバーが収容されるバスバー収容部を有する合成樹脂製の絶縁プロテクタと、を備え、前記バスバーは、前記電極端子と接触する複数の接触部と、前記接触部から離間する方向に屈曲すると共に前記並列方向と交差する交差方向に延びる屈曲部と、を有し、前記屈曲部は、前記複数の接触部のうち一の接触部と前記一の接触部の隣に位置する他の接触部との中間位置から、前記並列方向についてずれた位置に形成されており、前記バスバー収容部には前記バスバーが載置される梁部が前記交差方向に延びて形成されており、前記梁部は、前記屈曲部と前記並列方向についてずれた位置に形成されている。
【0013】
また、本明細書に開示された技術は、電極端子を有する複数の蓄電素子が並列方向に沿って並べられた蓄電素子群と、前記蓄電素子群に配設される配線モジュールと、を備えた蓄電モジュールである。
【0014】
上記の構成によれば、バスバーが梁部の上にバランスよく載置される。これにより、バスバーの接触部の高さ位置を梁部によって精度よく設定することができる。この結果、電極端子とバスバーとの電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0015】
本明細書に開示された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
【0016】
前記梁部は、前記バスバーが前記バスバー収容部に収容された状態において、前記一の接触部と前記他の接触部との前記中間位置に対応する位置に設けられている。
【0017】
上記の構成によれば、梁部の上にバスバーを更にバランス良く配置することができるので、電極端子とバスバーとの電気的な接続信頼性を更に向上させることができる。
【0018】
前記バスバーは複数の貫通孔を有し、前記屈曲部は、前記複数の貫通孔のうち一の貫通孔の中心と前記一の貫通孔の隣に位置する他の貫通孔の中心との中間位置から、前記並列方向についてずれた位置に形成されている。
【0019】
上記の構成によれば、貫通孔の中心の位置を基準として、バスバーにおける屈曲部の位置を設定できるので、屈曲部の位置精度を向上させることができる。これにより、バスバーと梁部との位置精度を向上させることができるので、電極端子とバスバーとの電気的な接続信頼性を更に向上させることができる。
【0020】
前記バスバーのうち前記接触部が形成された面と反対側の面には、前記屈曲部と異なる領域に、第1領域と、前記第1領域よりも面積の広い第2領域と、が形成されており、前記第2領域には、電圧検知端子が重ねられており、前記電圧検知端子は、前記バスバーと電気的に接続されるバスバー接続部と、前記バスバー接続部の側縁から側方に延びると共に電圧検知線が接続される電線接続部と、有する。
【0021】
上記の構成によれば、バスバーのうち接触部が形成された面と反対側の面は、屈曲部によって、第1領域と、この第1領域よりも面積が広い第2領域とに分割されている。この第2領域に、バスバー接続部の側縁から電線接続部が側方に延びた構成を有する電圧検知端子配置することができる。
【発明の効果】
【0022】
本明細書に開示された技術によれば、蓄電素子の電極端子とバスバーとの電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態1に係る蓄電モジュールを示す斜視図
図2】配線モジュールを示す斜視図
図3】配線モジュールを示す一部拡大平面図
図4図3におけるIV-IV線断面図
図5】バスバーを示す斜視図
図6】バスバーを示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
本明細書に開示された技術の実施形態1を、図1から図6を参照しつつ説明する。本実施形態に係る配線モジュール10は、複数(本実施形態では12個)の蓄電素子11を並べてなる蓄電素子群12に取り付けられて蓄電モジュール13を構成する。蓄電モジュール13は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、車両を駆動するための動力源として使用される。以下の説明においては、Z方向を上方とし、Y方向を前方とし、X方向を左方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
【0025】
蓄電素子11
本実施形態に係る蓄電素子11は二次電池である。蓄電素子11の内部には図示しない蓄電要素が収容されている。蓄電素子11は略直方体形状をなしている。蓄電素子11の上面には前後方向の両端部寄りの位置に、一対の電極端子14が形成されている。電極端子14の一方は正極端子であり、他方は負極端子である。電極端子14の上面には、外周面にねじ山が形成されたスタッドボルト42が上方に突出して形成されている。
【0026】
隣り合う電極端子14の極性が異なるようにして、複数の蓄電素子11が左右方向(並列方向の一例)に並べられることにより、蓄電素子群12が構成されている。
【0027】
蓄電素子群12の左右両端部には一対のエンドプレート47,47が配されている。一対のエンドプレート47,47は、蓄電素子群12の前側面及び後側面に配されると共にボルト49でエンドプレート47,47に固定された一対の挟持板48,48によって挟持されている。
【0028】
配線モジュール10
図1に示すように、蓄電素子群12の上面には配線モジュール10が取り付けられている。全体として、配線モジュール10は、左右方向に細長い形状をなしている。
【0029】
図1に示すように、配線モジュール10は、複数のバスバー37と、複数のバスバー37が収容される複数のバスバー収容部38を有する絶縁プロテクタ15と、を備える。
【0030】
バスバー37
図5及び図6に示すように、バスバー37は、金属板材を所定形状にプレス加工してなる。金属板材としては、銅、銅合金、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。バスバー37は上方から見て左右方向に細長く延びた形状をなしている。バスバー37の下面には、蓄電素子11の電極端子14と接触する複数(本実施形態では2個)の接触部61が設けられている。
【0031】
図1に示すように、バスバー37には、スタッドボルト42が挿通される複数(本実施形態では2個)の貫通孔23A,23Bがバスバー37を貫通して形成されている。貫通孔23A,23Bは、左右方向に細長い長円形状をなしている。
【0032】
貫通孔23A,23B内にスタッドボルト42がそれぞれ貫通された状態で、スタッドボルト42に図示しないナットが螺合されることにより、電極端子14とバスバー37とが電気的に接続される。貫通孔23A,23Bの周囲の領域が、上記の接触部61とされる。
【0033】
図5及び図6に示すように、バスバー37には、上方(接触部61から離間する方向)に屈曲すると共に、前後方向(並列方向と交差する方向)に延びる屈曲部60が形成されている。屈曲部60は、バスバー37の前縁部から後縁部に亘って延びている。屈曲部60の断面形状は、下方に開口するU字状をなしている。屈曲部60は、バスバー37をプレス加工する際に同一工程内で形成してもよいし、また、別工程で形成してもよい。
【0034】
図6に示すように、屈曲部60は、バスバー37の一方の貫通孔23Aと、他方の貫通孔23Bとの中間位置よりも左右方向についてずれた位置に形成されている。バスバー37の上面(接触部61が形成された面と反対側の面)には、屈曲部60によって区切られた第1領域63と、この第1領域63よりも面積の広い第2領域64とが、形成されている。図6においては、第1領域63はバスバー37の左側に位置し、第2領域64はバスバー37の右側に位置している。第1領域63及び第2領域64には屈曲部60は含まれないものとする。
【0035】
図4に示すように、貫通孔23Aの中心と屈曲部60の頂部との間隔Kは、貫通孔23Bの中心と屈曲部60の頂部との間隔Lよりも大きく設定されている。
【0036】
図6に示すように、バスバー37の第2領域64には、バスバー37とバスバー収容部38との相対的な位置決めを行うための複数(本実施形態では3個)の位置決め凹部39が形成されている。この位置決め凹部39内に、バスバー収容部38に形成された位置決め凸部41が嵌入することにより、バスバー収容部38内において、バスバー37が位置決めされるようになっている(図3参照)。位置決め凹部39は、バスバー37の第2領域64における後縁部に1個と、前縁部に2個形成されている。
【0037】
絶縁プロテクタ15
絶縁プロテクタ15は、絶縁性の合成樹脂からなり、左右方向の細長く延びて形成されている。絶縁プロテクタ15には、複数のバスバー収容部38が形成されている。図2に示すように、複数のバスバー収容部38は、絶縁プロテクタ15の前部と後部において、それぞれ、左右方向に一列に並んで形成されている。
【0038】
バスバー収容部38
図3に示すように、バスバー収容部38は上方から見て略長方形状をなしている。バスバー収容部38は上方に開口した箱状に形成されており、このバスバー収容部38内にバスバー37が収容される。バスバー収容部38内には、電圧検知端子22が、バスバー37の上に重ねられた状態で、収容されている。バスバー37及び電圧検知端子22は、バスバー収容部38に設けられた係止爪50によって、上方へ抜け止め状態で保持されている。
【0039】
電圧検知端子22
電圧検知端子22は、金属板材を所定形状にプレス加工してなる。金属板材としては銅、銅合金、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。電圧検知端子22は、板状をなすバスバー接続部26と、バスバー接続部26から延出された電線接続部27と、を備える。
【0040】
バスバー接続部26には、スタッドボルト42が挿通される貫通孔40が形成されている。バスバー接続部26が、ナットと、バスバー37と、の間に挟まれることにより、電圧検知端子22と電極端子14とが電気的に接続されるようになっている。
【0041】
図3に示すように、バスバー接続部26の前縁部は前方に突出しており、バスバー収容部38の2個の位置決め凸部41に左右から係合されるようになっている。また、バスバー接続部26の左後縁部は、バスバー収容部38の1個の位置決め凸部41に右方から係合するようになっている。このように、バスバー接続部26と、バスバー収容部38の位置決め凸部41とが係合することにより、バスバー収容部38内において、バスバー接続部26が回り止めされるようになっている。
【0042】
電線接続部27は、電圧検知線16の一方の端部に圧着されている。電圧検知線16は、絶縁プロテクタ15に設けられた溝状をなす配索部17内に配索されている。電圧検知線16の他方の端部は、例えばECU(Electronic Contrl Unit)のような外部接続機器(図示せず)に接続されている。
【0043】
なお、ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、蓄電素子11の電圧・電流・温度等の検知、各蓄電素子11の充放電コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0044】
梁部62
図4に示すように、バスバー収容部38には、バスバー37の下方の位置に、前後方向(交差方向の一例)に延びる板状をなす梁部62が形成されている。梁部62は、バスバー収容部38を構成する前壁と後壁とに架け渡されるように形成されている。
【0045】
梁部62は、バスバー収容部38にバスバー37が収容された状態において、バスバー37に形成された一方の貫通孔23Aの中心と、他方の貫通孔23Bの中心との中間位置に対応する位置に設けられている。これにより、梁部62と、屈曲部60とは、左右方向(並列方向)についてずれた位置に配されるようになっている。梁部62の上面には、バスバー37の接触部61が載置されるようになっている。
【0046】
図4に示すように、貫通孔23Aの中心と梁部62の左右方向の中心との間隔Mと、貫通孔23Bの中心と梁部62の左右方向の中心との間隔Nとは、同じに設定されている。
【0047】
本実施形態の作用、効果
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態に係る配線モジュール10は、電極端子14を有する複数の蓄電素子11が左右方向(並列方向)に沿って並べられた蓄電素子群12に配設される配線モジュール10であって、電極端子14に接続されるバスバー37と、バスバー37が収容されるバスバー収容部38を有する合成樹脂製の絶縁プロテクタ15と、を備え、バスバー37は、電極端子14と接触する複数の接触部61と、接触部61から離間する方向に屈曲すると共に前後方向(並列方向と交差する交差方向)に延びる屈曲部60と、を有し、屈曲部60は、複数の接触部61のうち一の接触部61と一の接触部61の隣に位置する他の接触部61との中間位置から、左右方向(並列方向)についてずれた位置に形成されており、バスバー収容部38にはバスバー37が載置される梁部62が前後方向(交差方向)に延びて形成されており、梁部62は、屈曲部60と左右方向についてずれた位置に形成されている。
【0048】
また、本実施形態に係る蓄電モジュール13は、複数の蓄電素子11が左右方向に沿って並べられた蓄電素子群12と、蓄電素子群12に配設される配線モジュール10と、を備える。
【0049】
上記の構成によれば、バスバー37が梁部62の上にバランスよく載置される。これにより、バスバー37の接触部61の、電極端子14に対する高さ位置を梁部62によって精度よく設定することができる。この結果、電極端子14とバスバー37との電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、梁部62は、バスバー37がバスバー収容部38に収容された状態において、一の接触部61と他の接触部61との中間位置に対応する位置に設けられている。
【0051】
上記の構成によれば、梁部62の上にバスバー37を更にバランス良く配置することができるので、電極端子14とバスバー37との電気的な接続信頼性を更に向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、バスバー37は複数の貫通孔23A,23Bを有し、屈曲部60は、一の貫通孔23Aの中心と一の貫通孔23Aの隣に位置する他の貫通孔23Bの中心との中間位置から、左右方向についてずれた位置に形成されている。
【0053】
上記の構成によれば、貫通孔23A,23Bの中心の位置を基準として、バスバー37における屈曲部60の位置を設定できるので、屈曲部60の位置精度を向上させることができる。これにより、バスバー37と梁部62との位置精度を向上させることができるので、電極端子14とバスバーと37の電気的な接続信頼性を更に向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、バスバー37の上面(接触部61が形成された面と反対側の面)には、屈曲部60と異なる領域に、第1領域63と、第1領域63よりも面積の広い第2領域64と、が形成されており、第2領域64には、電圧検知端子22が重ねられており、電圧検知端子22は、バスバー37と電気的に接続されるバスバー接続部26と、バスバー接続部26の側縁から側方に延びると共に電圧検知線16が接続される電線接続部27と、有する。
【0055】
上記の構成によれば、バスバー37の上面(接触部が形成された面と反対側の面)は、屈曲部60によって、第1領域63と、この第1領域63よりも面積が広い第2領域64とに分割されている。この第2領域64に、バスバー接続部26の側縁から電線接続部27が側方に延びた構成を有する電圧検知端子22を配置することができる。
【0056】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
【0057】
(1)上記実施形態では、バスバー37は、異極の電極端子14を接続(蓄電素子11を直列接続)するものとしたが、これに限られず、同極の電極端子14を接続(蓄電素子11を並列接続)するものでもよい。例えば、上記実施形態の電池モジュールに更に別の蓄電素子11を並列接続し、この並列接続における同極の電極端子14を電気的に接続するようにしたものでもよい。
【0058】
(2)第1領域63に電圧検知端子22を重ねてもよい。
【0059】
(3)蓄電素子11はキャパシタであってもよい。
【0060】
(4)蓄電素子11の個数は任意に選択することができる。
【0061】
(5)本実施形態においてはバスバー37には2個の貫通孔23A、23Bが形成される構成としたが、これに限られず、3個以上の貫通孔が形成される構成としてもよい。
【0062】
(6)本実施形態においては、バスバー37は貫通孔23A,23Bを有し、この貫通孔23A,23B内に電極端子14に設けられたスタッドボルト42が挿通され、ナットによってネジ止めされる構成としたが、これに限られず、バスバー37は、貫通孔23A,23Bを有さず、バスバー37と電極端子14とが、溶接、ロウ接等により電気的に接続される構成としてもよい。溶接としては、レーザー溶接、超音波溶接、抵抗溶接等、公知の手法を用いることができる。また、ロウ接としては、半田付け、ロウ付け等の公知の手法を用いることができる。
【符号の説明】
【0063】
10:配線モジュール
11:蓄電素子
12:蓄電素子群
13:蓄電モジュール
14:電極端子
15:絶縁プロテクタ
16:電圧検知線
22:電圧検知端子
23A,23B:貫通孔
26:バスバー接続部
27:電線接続部
37:バスバー
38:バスバー収容部
61:接触部
60:屈曲部
62:梁部
63:第1領域
64:第2領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6