IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特許7099064表示制御装置、医用画像表示システム及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】表示制御装置、医用画像表示システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220705BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20220705BHJP
【FI】
A61B6/00 360Z
G06F3/04842
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018113255
(22)【出願日】2018-06-14
(65)【公開番号】P2019213747
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅ヶ谷 尚隼
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-057528(JP,A)
【文献】特開2017-202315(JP,A)
【文献】特開2009-011575(JP,A)
【文献】特開2013-128725(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0221204(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示された医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の切り替えを制御する制御手段を備える表示制御装置であって、
前記オーバーレイ情報は、予め表示優先度が設定された複数の項目を有し、
前記制御手段は、前記医用画像の画像表示領域と前記オーバーレイ情報の表示領域の重複率を算出し、算出した重複率と前記表示優先度に応じて、前記医用画像に重ねて表示する前記オーバーレイ情報の項目を多段階に切り替える表示制御装置。
【請求項2】
前記オーバーレイ情報は、患者情報、検査情報、シリーズ情報、若しくは画像情報を含むDICOM(DigitalImaging and Communication in Medicine)情報のテキスト情報、又は前記DICOM情報に基づいて算出された情報を示すテキスト情報である請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記医用画像の画像表示領域の大きさに変更があった場合に、前記重複率の算出を行う請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記医用画像全体の表示領域を前記画像表示領域と判断して前記重複率を算出する請求項1~3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記医用画像の被写体領域の表示領域を前記画像表示領域と判断して前記重複率を算出する請求項1~3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、さらに、ユーザー操作に応じて、前記医用画像に重ねて表示する前記オーバーレイ情報の項目の切り替えを行う請求項1~5のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記医用画像を表示する表示装置の機器情報を取得し、前記医用画像に重ねて表示する前記オーバーレイ情報の項目の切り替えを行う場合に、さらに前記表示装置の機器情報を加味して切り替えを行う請求項1~6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記オーバーレイ情報の各項目に対する表示優先度は、ユーザー又はグループごとに予
め設定されており、
前記制御手段は、前記医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目を、前記表示制御装置にログインしたユーザー又はそのユーザーが属するグループに対応する前記各項目の表示優先度に基づいて切り替える請求項1~のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の色を、表示優先度に応じた色で表示する請求項1~のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の色を、前記多段階のうちの表示されている段階に応じた色で表示する請求項1~のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
表示装置と、
請求項1~10のいずれか一項に記載の表示制御装置と、
を備える医用画像表示システム。
【請求項12】
表示装置に表示された医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の切り替えを制御する表示制御装置に用いられるコンピュータを、
予め表示優先度が設定された複数の項目を有する前記オーバーレイ情報を前記医用画像に重ねて表示する場合の、表示する前記オーバーレイ情報の項目を、前記表示優先度及び前記医用画像の画像表示領域と前記オーバーレイ情報の表示領域の重複率に基づいて多段階に切り替える制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、医用画像表示システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用画像の観察者ごとに予め表示するオーバーレイ情報を設定しておき、観察者に応じたオーバーレイ情報を医用画像に重ねて表示する技術が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3290683号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、観察者ごとに表示されるオーバーレイ情報が固定されるため、画像の表示数等のレイアウト変更時にオーバーレイ情報が画像に重なりすぎて読影の妨げになることがある。例えば、図6に示すように、1画面に1画像を表示しているような場合は、オーバーレイ情報はほとんど医用画像に重なっていないので読影に影響はないが、図12に示すように、1画面に複数画像を表示するように切り替えた場合は、医用画像に対してオーバーレイ情報が重なっている領域が大きくなり、医用画像が見づらくなってしまう。この問題は、オーバーレイ情報を非表示にすることで解消できるが、逆に、非表示にすると必要な情報まで見ることができなくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、医用画像の表示領域が狭いときであっても、オーバーレイ情報が読影の邪魔になることを防ぎ、かつ必要なオーバーレイ情報が確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
表示装置に表示された医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の切り替えを制御する制御手段を備える表示制御装置であって、
前記オーバーレイ情報は、予め表示優先度が設定された複数の項目を有し、
前記制御手段は、前記医用画像の画像表示領域と前記オーバーレイ情報の表示領域の重複率を算出し、算出した重複率と前記表示優先度に応じて、前記医用画像に重ねて表示する前記オーバーレイ情報の項目を多段階に切り替える
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記オーバーレイ情報は、患者情報、検査情報、シリーズ情報、若しくは画像情報を含むDICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)情報のテキスト情報、又は前記DICOM情報に基づいて算出された情報を示すテキスト情報である。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記医用画像の画像表示領域の大きさに変更があった場合に、前記重複率の算出を行う。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記医用画像全体の表示領域を前記画像表示領域と判断して前記重複率を算出する。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記医用画像の被写体領域の表示領域を前記画像表示領域と判断して前記重複率を算出する。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、さらに、ユーザー操作に応じて、前記医用画像に重ねて表示する前記オーバーレイ情報の項目の切り替えを行う。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記医用画像を表示する表示装置の機器情報を取得し、前記医用画像に重ねて表示する前記オーバーレイ情報の項目の切り替えを行う場合に、さらに前記表示装置の機器情報を加味して切り替えを行う。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の発明において、
前記オーバーレイ情報の各項目に対する表示優先度は、ユーザー又はグループごとに予め設定されており、
前記制御手段は、前記医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目を、前記表示制御装置にログインしたユーザー又はそのユーザーが属するグループに対応する前記各項目の表示優先度に基づいて切り替える。
【0017】
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の色を、表示優先度に応じた色で表示する。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の色を、前記多段階のうちの表示されている段階に応じた色で表示する。
【0019】
請求項11に記載の発明の医用画像表示システムは、
表示装置と、
請求項1~10のいずれか一項に記載の表示制御装置と、
を備える。
【0020】
請求項12に記載の発明のプログラムは、
表示装置に表示された医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の切り替えを制御する表示制御装置に用いられるコンピュータを、
予め表示優先度が設定された複数の項目を有する前記オーバーレイ情報を前記医用画像に重ねて表示する場合の、表示する前記オーバーレイ情報の項目を、前記表示優先度及び前記医用画像の画像表示領域と前記オーバーレイ情報の表示領域の重複率に基づいて多段階に切り替える制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、医用画像の表示領域が狭いときであっても、オーバーレイ情報が読影の邪魔になることを防ぎ、かつ必要なオーバーレイ情報を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態における医用画像表示システムの全体構成例を示す図である。
図2図1のサーバー装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3図1の画像表示装置の機能的構成を示すブロック図である。
図4】オーバーレイ優先度設定画面一例を示す図である。
図5】第1の実施形態において図2の制御部により実行される表示制御処理Aを示すフローチャートである。
図6】全情報表示の場合のビューアー画面の一例を示す図である。
図7】必須情報表示の場合のビューアー画面の一例を示す図である。
図8】第2及び第3の実施形態において図2の制御部により実行される表示制御処理Bを示すフローチャートである。
図9A】第2の実施形態において画像表示領域が1つのビューアー画面における全情報表示の場合の画像表示領域とオーバーレイ表示領域の関係を示す図である。
図9B】画像表示領域とオーバーレイ領域との重複関係が図9Aに示す場合に表示されるオーバーレイ情報を示す図である。
図10A】第2の実施形態において画像表示領域が4つのビューアー画面における全情報表示の場合の画像表示領域とオーバーレイ表示領域の関係を示す図である。
図10B】画像表示領域とオーバーレイ領域との重複関係が図10Aに示す場合に表示されるオーバーレイ情報を示す図である。
図11A】画像表示領域が4つのビューアー画面における画像表示領域とオーバーレイ表示領域の関係を示す図である。
図11B】第3の実施形態において、図11Aに示す被写体領域を縮小処理した様子を示す図である。
図11C】第3の実施形態において、図11Aに示す被写体領域を図11Bに示すように縮小処理した場合に表示されるオーバーレイ情報を示す図である。
図12】従来技術において、1画面に複数画像を表示した場合のオーバーレイ情報の表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明に係る好適な実施形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0024】
<第1の実施形態>
(医用画像表示システム100の構成)
まず、本発明の第1の実施形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における医用画像表示システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医用画像表示システム100は、画像生成装置1、サーバー装置2、画像表示装置3を備えて構成されている。これら各装置1~3は、LAN(Local Area Network)等の医療施設内で構築された通信ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能に接続されている。通信ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格が適用されている。なお、各装置の台数は、特に限定されない。
【0025】
以下、各構成装置1~3について説明する。
画像生成装置1は、人体における被写体部位を撮影し、その撮影画像(医用画像)のデジタルデータを生成するモダリティーであり、例えば、CR(Computed Radiography)装置、FPD(Flat Panel Detector)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置等を適用可能である。
【0026】
なお、画像生成装置1は、上述したDICOM規格に準拠した装置であり、医用画像をDICOMファイル形式で生成する。DICOMファイルは画像部とヘッダ部から構成されている。画像部には医用画像の実データ、ヘッダ部には当該医用画像の付帯情報(DICOM情報)が書き込まれる。画像生成装置1は、撮影により得られた医用画像に上記付帯情報をヘッダ情報として付加して通信ネットワークNを介してサーバー装置2へ送信する。
【0027】
ここで、DICOM情報は、患者情報、検査情報、シリーズ情報、画像情報を含んで構成されている。
患者情報は、医用画像の患者(被検者)に関する各種情報であり、例えば、患者ID、患者氏名、生年月日、年齢、性別、身長、体重等の項目が含まれる。
検査情報は、検査に関する各種情報であり、例えば、検査ID、検査日、検査時刻、技師氏名、依頼医師、読影医師、検査記述、シリーズ数、画像枚数等の項目が含まれる。
シリーズ情報は、検査に含まれるシリーズに関する各種情報であり、例えば、モダリティー、部位、シリーズ記述、側性、シリーズ番号、画像枚数、AEタイトル等の項目が含まれる。
画像情報は、医用画像に関する各種情報であり、例えば、画像番号、患者方向、画像タイプ、ピクセル構造、縦幅、横幅、管電圧、mA、管電流、画素間隔、スライス厚、スライス位置、フレーム番号、フレーム数、TR、TE、WW/WC等の項目が含まれる。
【0028】
サーバー装置2は、画像生成装置1から送信された医用画像を画像DB(Data Base)251に格納するとともに、付帯情報を付帯情報DB252に格納し、医用画像を管理する。また、サーバー装置2は、ユーザーのログイン要求に応じて後述する表示制御処理Aを実行し、画像表示装置3に表示するビューアー画面331(図6等参照)の表示制御を行う。ビューアー画面331は、読影のために医用画像を表示する画面である。
【0029】
図2に、サーバー装置2の機能構成例を示す。
図2に示すように、サーバー装置2は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、記憶部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
【0030】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、記憶部25に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。制御部21は、後述する表示制御処理Aを実行することにより、制御手段として機能する。
【0031】
操作部22は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部21に出力する。
【0032】
表示部23は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0033】
通信部24は、LANカード等を備え、通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0034】
記憶部25は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成されている。記憶部25には、前述のように各種プログラムが記憶されている。記憶部25に記憶されているプログラムには、後述する表示制御処理Aを実行させるためのプログラムが記憶されている。
【0035】
また、記憶部25には、画像DB251、付帯情報DB252、ユーザー情報DB253が設けられている。
【0036】
画像DB251は、医用画像を格納するためのデータベースである。
付帯情報DB252は、画像DB251に格納されている医用画像に関する付帯情報を検索可能に格納するデータベースである。
ユーザー情報DB253は、医用画像表示システム100にアクセス可能なユーザー(医師)のユーザーID、パスワード、氏名、所属グループ(診療科等)、オーバーレイ情報の優先度設定情報等が記憶されている。ここでいうオーバーレイ情報とは、ビューアー画面331において医用画像に重ねて表示する医用画像の付帯情報(すなわちDICOM情報)又は付帯情報に基づいて算出した情報のテキスト情報である。医用画像に重ねて表示する情報であっても、アノテーションやスケールはオーバーレイ情報に含まれない。オーバーレイ情報の優先度設定情報は、上述の医用画像の付帯情報又は付帯情報に基づいて算出した情報のうち、オーバーレイ情報として表示する各項目の表示優先度(ここでは、必須、優先度高、又は優先度低)の設定情報である。なお、表示優先度は、必須>優先度高>優先度低である。
【0037】
画像表示装置3は、読影対象の検査を選択するための検査リスト画面、医用画像を表示するためのビューアー画面331(図6等参照)等を表示するための読影アプリケーションが搭載された端末装置である。画像表示装置3としては、パーソナルコンピューター、タブレット、スマートフォン等が適用可能である。
【0038】
図3に、画像表示装置3の機能構成例を示す。
図3に示すように、画像表示装置3は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
【0039】
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、記憶部35に記憶されているシステムプログラムや読影アプリケーションを始めとする各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0040】
操作部32は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザーにより押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部31に出力する。また、操作部32は、表示部33の表示画面にタッチパネルを備える構成として良く、この場合、タッチパネルを介してユーザー操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。
【0041】
表示部33は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0042】
通信部34は、LANカード等により構成され、有線又は無線により通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0043】
記憶部35は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成されている。記憶部35には、前述のようにシステムプログラムや読影アプリケーションを始めとする各種プログラムが記憶されている。
【0044】
(医用画像表示システム100の動作)
次に、医用画像表示システム100の動作について説明する。
【0045】
画像表示装置3の制御部31は、ユーザーが初めて読影アプリケーションにアクセスした際、読影アプリケーションに従って、新規ユーザー登録要求を通信部34によりサーバー装置2に送信する。サーバー装置2の制御部21は、新規ユーザー登録要求を受信すると、通信部24によりユーザー登録画面(図示せず)の画面情報を画像表示装置3に送信して表示部33に表示させ、ユーザーID、パスワード等のログイン情報、氏名、所属グループ等のユーザー情報の入力を受け付ける。また、制御部21は、オーバーレイ優先度設定画面330の画面情報を画像表示装置3に送信して表示部33に表示させ、オーバーレイ情報の優先度設定情報の入力を受け付ける。そして、サーバー装置2の制御部21は、入力されたユーザー情報及びオーバーレイ情報の優先度設定情報をユーザー情報DB253に登録(設定)する。
【0046】
図4に、オーバーレイ優先度設定画面330の一例を示す。図4に示すように、オーバーレイ優先度設定画面330には、「患者情報」タブT1、「検査情報」タブT2、「シリーズ情報」タブT3、「画像情報」タブT4を有し、オーバーレイ情報への表示候補となる項目を表示する領域330aと、「必須」タブT11、「優先度高」タブT12、「優先度低」タブT13を有する領域330bが設けられている。操作部32により領域330aのいずれかのタブを選択すると、選択されたタブに対応する情報の、オーバーレイ情報への表示候補となる項目が一覧表示される。領域330bにおいて、ユーザーが操作部32によりタブT11~T13のいずれかを選択して、選択したタブに対応する表示優先度に設定したい項目を領域330aから選択すると、選択された項目が領域330bに表示され、選択された項目が領域330bの選択されたタブに対応する表示優先度の項目として設定される。設定が完了し、完了ボタン330cが押下されると、設定された情報がオーバーレイ情報の優先度設定情報としてサーバー装置2に送信される。
【0047】
ここで、読影アプリケーションでは、医用画像表示システム100における動作モードとして読影モード又は設定モードを指定可能である。読影モードは、ユーザーが医用画像を読影するためのモードである。設定モードは、ユーザー情報やオーバーレイ情報の優先度設定情報を設定変更したりするためのモードである。サーバー装置2は、画像表示装置3の読影アプリケーションからアクセスがあると読影モードとして後述する表示制御処理Aを実行するが、読影アプリケーションにより設定モードでの動作が指示されると、ユーザー設定画面やオーバーレイ優先度設定画面330を表示部33に表示させ、設定内容の変更を受け付ける。
【0048】
図5に、画像表示装置3において読影アプリケーションが起動され、サーバー装置2に読影アプリケーションからのアクセスがあった場合に制御部21により実行される表示制御処理Aのフローチャートを示す。表示制御処理Aは、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0049】
まず、制御部21は、画像表示装置3の表示部33にログイン画面を表示させ、ログイン画面から入力された情報に基づいてログイン認証を行う(ステップS1)。
【0050】
ログインが認証されると、制御部21は、付帯情報DB252に記憶されている付帯情報に基づいて、読影すべき検査の一覧が表示された検査リスト画面の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信し、表示部33に検査リスト画面を表示させる(ステップS4)。
操作部32により検査リスト画面から読影対象の検査が選択されると、制御部31は、選択された検査の検査IDを通信部34によりサーバー装置2に送信する。
【0051】
通信部24により画像表示装置3から読影対象の検査の検査IDを受信すると(ステップS3;YES)、制御部21は、ユーザー情報DB253に記憶されている、ログインユーザーに対応するオーバーレイ情報の優先度設定情報を読み出す(ステップS4)。
【0052】
次いで、制御部21は、ステップS4で読み出したオーバーレイ情報の優先度設定情報を参照し、表示するオーバーレイ情報の全項目(必須~優先度低の全ての項目)の情報が表示されたビューアー画面331の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信し、表示部33にビューアー画面331を表示させる(ステップS5)。
【0053】
図6に、ステップS5において表示部33に表示されるビューアー画面331の一例を示す。図6に示すように、ビューアー画面331には、選択された検査の医用画像331aと、オーバーレイ情報331bと、が表示される。ステップS5においては、オーバーレイ情報の優先度設定情報において必須~優先度低に設定されている全項目がオーバーレイ情報331bとして表示される。また、ビューアー画面331には、ユーザー操作に応じてオーバーレイ情報331bの表示量(表示する項目数)を切り替えるためのオーバーレイ表示量変更アイコン331cが設けられている。本実施形態では、操作部32によるオーバーレイ表示量変更アイコン331cの押下により、オーバーレイ情報として表示する項目数を全情報表示(表示優先度が必須~優先度低の全項目の情報表示)→優先情報表示(表示優先度が必須~優先度高の項目の情報表示)→必須情報表示(表示優先度が必須の項目のみの情報表示)の3段階に切り替えることが可能である。必須情報表示の状態でオーバーレイ表示量変更アイコン331cを押下すると、全情報表示に戻すことが可能である。オーバーレイ表示量変更アイコン331cには、現在表示されているオーバーレイ情報331bの段階(全情報表示、優先情報表示、又は必須情報表示)を示す文字が併せて表示されている。
【0054】
操作部32によりオーバーレイ表示量変更アイコン331cが押下(クリック、タップ)されると、制御部31は、オーバーレイ表示量変更アイコン331cが押下されたことをサーバー装置2に通知する。
【0055】
通信部24によりオーバーレイ表示量変更アイコン331cが押下された旨が通知されると(ステップS6;YES)、制御部21は、ステップS4で読み出したオーバーレイ情報の優先度設定情報を参照し、優先度低の項目を非表示とした(優先情報表示の)ビューアー画面331の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信して、表示部33にビューアー画面331を表示させ(ステップS7)、ステップS8に移行する。
【0056】
ステップS8において、通信部24によりオーバーレイ表示量変更アイコン331cが押下された旨が通知されると(ステップS8;YES)、制御部21は、ステップS4で読み出したオーバーレイ情報の優先度設定情報を参照し、必須以外のオーバーレイ情報を非表示とした(必須情報表示の)ビューアー画面331の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信して、表示部33にビューアー画面331を表示させ(ステップS9)、ステップS10に移行する。図7に、ステップS9において表示部33に表示されるビューアー画面331の一例を示す。
【0057】
ステップS10において、通信部24によりオーバーレイ表示量変更アイコン331cが押下された旨が通知されると(ステップS10;YES)、制御部21は、ステップS5に戻る。
画像表示装置3からビューアー画面331が閉じられた旨が通知されるまで、制御部21は、ステップS5~ステップS10の処理を繰り返し実行する。
【0058】
なお、図5に示す表示制御処理Aでは、一例として、表示するオーバーレイ情報331bの項目(項目数)を3段階に切り替える場合を示しているが、オーバーレイ情報331bを表示する場合の、表示するオーバーレイ情報331bの項目が多段階に切り替えられるのであれば、その段階数は特に限定されない。例えば、制御部21は、全情報表示→必須情報表示のように、操作部32によるオーバーレイ表示量変更アイコン331cの押下に応じて、表示するオーバーレイ情報331bの項目を2段階に切り替えることとしてもよい。また、オーバーレイ情報を非表示に切り替えられるようにしてもよい。例えば、全情報表示→必須情報表示→全情報非表示のように、操作部32によるオーバーレイ表示量変更アイコン331cの押下に応じて、表示するオーバーレイ情報331bの項目を全情報表示、必須情報表示の2段階に切り替え、その後、さらに非表示に切り替えることとしてもよい。表示するオーバーレイ情報331bの項目を何段階に切り替え可能とするか、非表示にも切替られるようにするかは、ユーザーが設定可能な構成としてもよい。
【0059】
このように、第1の実施形態では、オーバーレイ情報として表示する項目に表示優先度を設定しておき、ユーザーによるオーバーレイ表示量変更アイコン331cの操作に応じて、オーバーレイ情報を表示する場合のオーバーレイ情報の表示量(表示する項目数)を各項目に設定された表示優先度に基づいて多段階に切り替える。したがって、医用画像の表示領域が小さく全オーバーレイ情報を表示するのに十分な領域が確保できない場合は、オーバーレイ情報の表示量を必要最低限に切り替えることが可能となるので、オーバーレイ情報が読影の妨げになることを防止することができ、かつ必要最低限のオーバーレイ情報については確認することができ、読影効率を向上させることができる。
なお図示しない表示切替設定により、スクロールマウスの回転によって表示が自由に切り替えられても良い。
【0060】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、ユーザー操作に応じてオーバーレイ情報の表示量(表示する項目数)を切り替える例について説明したが、第2の実施形態では、医用画像の表示領域(画像表示領域)におけるオーバーレイ情報の表示領域(オーバーレイ領域)の重複率に応じて自動的にオーバーレイ情報の表示量を切り替える例について説明する。
【0061】
第2の実施形態において、記憶部25には、後述する表示制御処理Bを実行するためのプログラムが記憶されている。
【0062】
第2の実施形態におけるその他の構成は、第1の実施形態において図1図3を用いて説明したものと同様であるので説明を援用する。また、第2の実施形態における医用画像表示システム100の動作は、設定モードについては第1の実施形態と同様であり、読影モードにおいて実行される処理(表示制御処理B)が第1の実施形態と異なるので、以下、表示制御処理Bについて説明する。
【0063】
図8に、画像表示装置3において読影アプリケーションが起動され、サーバー装置2に読影アプリケーションからのアクセスがあった場合に制御部21により実行される表示制御処理Bのフローチャートを示す。表示制御処理Bは、制御部21と記憶部25に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0064】
まず、制御部21は、画像表示装置3の表示部33にログイン画面を表示させ、ログイン画面から入力された情報に基づいてログイン認証を行う(ステップS21)。
【0065】
ログインが認証されると、制御部21は、付帯情報DB252に記憶されている付帯情報に基づいて、読影すべき検査の一覧が表示された検査リスト画面の画面情報を生成して通信部24により送信し、画像表示装置3の表示部33に検査リスト画面を表示させる(ステップS22)。
検査リスト画面から読影対象の検査が選択されると、制御部31は、選択された検査の検査IDを通信部34によりサーバー装置2に送信する。
【0066】
通信部24により画像表示装置3から選択された読影対象の検査の検査IDを受信すると(ステップS23;YES)、制御部21は、ユーザー情報DB253に記憶されている、ログインユーザーに対応するオーバーレイ情報の優先度設定情報を読み出す(ステップS24)。
【0067】
次いで、制御部21は、ステップS24で読み出したオーバーレイ情報の優先度設定情報を参照し、オーバーレイ情報の全項目の情報を表示した場合(全情報表示の場合)の、画像表示領域におけるオーバーレイ領域の重複率を算出し、算出した重複率が所定の閾値Th以上であるか所定の閾値Th未満であるかを判断する(ステップS25)。
なお、重複率の閾値thは、例えば25%であり、より好ましくは20%である。
【0068】
ここで、本実施形態において、制御部21は、図9Aに示すように、医用画像全体が表示された領域(図9Aにおいて一点鎖線で囲まれた矩形領域331A)を画像表示領域と判断する。また、オーバーレイ情報331bを囲んだ矩形領域(図9Aにおいて点線で囲まれた矩形領域331B)をオーバーレイ領域と判断する。オーバーレイ領域は、表示するオーバーレイ情報の項目数が多いほど大きくなる。また、図9Aに示すように、オーバーレイ領域が複数個所に点在している場合は、それぞれのオーバーレイ領域の合計をオーバーレイ領域と判断する。
例えば、画像表示領域とオーバーレイ領域の重複率は、以下のようにして求めることができる。
重複率=オーバーレイ領域の画素数(面積)/画像表示領域の画素数(面積)
【0069】
算出した重複率が所定の閾値Th未満であると判断した場合(ステップS25;Th未満)、制御部21は、オーバーレイ情報が全情報表示されたビューアー画面331の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信し、表示部33にビューアー画面331を表示させ(ステップS26)、ステップS32に移行する。
【0070】
算出した重複率が所定の閾値Th以上であると判断した場合(ステップS25;Th以上)、制御部21は、ステップS24で読み出したオーバーレイ情報の優先度設定情報を参照し、オーバーレイ情報として優先度が高い項目(表示優先度が必須及び優先度高の項目)の情報のみを表示した場合(優先情報表示の場合)の、画像表示領域におけるオーバーレイ領域の重複率を算出し、算出した重複率が所定の閾値Th1以上であるか所定の閾値Th1未満であるかを判断する(ステップS27)。
なお、重複率の閾値th1は、例えば25%であり、より好ましくは20%である。
【0071】
算出した重複率が所定の閾値Th1未満であると判断した場合(ステップS27;Th1未満)、制御部21は、オーバーレイ情報が優先情報表示されたビューアー画面331の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信して表示部33にビューアー画面331を表示させ(ステップS28)、ステップS32に移行する。
【0072】
算出した重複率が所定の閾値Th1以上であると判断した場合(ステップS27;Th1以上)、制御部21は、ステップS24で読み出したオーバーレイ情報の優先度設定情報を参照し、オーバーレイ情報として必須項目(表示優先度が必須)のみを表示した場合(必須情報表示の場合)の、画像表示領域におけるオーバーレイ領域の重複率を算出し、算出した重複率が所定の閾値Th2以上であるか所定の閾値Th2未満であるかを判断する(ステップS29)。
なお、重複率の閾値th2は、例えば35%であり、より好ましくは30%である。
【0073】
算出した重複率が所定の閾値Th2未満であると判断した場合(ステップS29;Th2未満)、制御部21は、オーバーレイ情報が必須情報表示されたビューアー画面331の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信して表示部33にビューアー画面331を表示させ(ステップS30)、ステップS32に移行する。
【0074】
算出した重複率が所定の閾値Th2以上であると判断した場合(ステップS29;Th2以上)、制御部21は、オーバーレイ情報を非表示としたビューアー画面331の画面情報を生成して通信部24により画像表示装置3に送信して表示部33にビューアー画面331を表示させ(ステップS31)、ステップS32に移行する。
【0075】
ステップS32において、制御部21は、画像表示領域の変更が指示されたか否かを判断する(ステップS32)。
ここで、ビューアー画面331には、グリッドボタン331dが設けられている。グリッドボタン331dが押下されると、画像表示領域をビューアー画面331上にいくつ表示するか(例えば、1×1、2×2、3×3、・・・)の選択肢が表示される。画像表示領域の数が増えるほど、各画像表示領域のサイズは小さくなる。画像表示領域の数が選択されると、制御部31は、通信部34によりサーバー装置2に選択された画像表示領域の数を送信して画像表示領域の変更(画像表示領域の数の変更)を指示する。
【0076】
画像表示領域の変更が指示されたと判断した場合(ステップS32;YES)、制御部21は、指示に応じて画像表示領域を変更し(ステップS33)、ステップS25に戻り、変更した画像表示領域に対してステップS25以降の処理を実行する。
画像表示装置3からビューアー画面331が閉じられた旨が通知されるまで、制御部21は、ステップS25~ステップS33の処理を繰り返し実行する。
【0077】
ここで、オーバーレイ情報の文字サイズは画像表示領域のサイズに応じて多少変更されるが、画像表示領域と同じだけ拡縮すると、画像表示領域が小さい場合に文字が小さくて見づらくなってしまう。そのため、オーバーレイ情報の文字サイズはある一定のサイズ以上となるように縮小が制限されており、画像表示領域が小さくなるほど、画像表示領域におけるオーバーレイ領域の重複率は大きくなる。
【0078】
図9Aは、画像表示領域が1つのビューアー画面331の画像表示領域331Aに、オーバーレイ情報の全項目の情報を表示した場合(全情報表示の場合)の、画像表示領域331Aとオーバーレイ領域331Bとの重複関係を示す図である。画像表示領域が1つの場合、図9Aに示すように、画像表示領域331Aにおけるオーバーレイ領域331Bの重複率が低い(閾値Th未満)のため、図9Bに示すように、オーバーレイ情報331bとして全項目の情報が表示される。
【0079】
図10Aは、画像表示領域が4つのビューアー画面331の画像表示領域331Aに、オーバーレイ情報の全項目の情報を表示した場合(全情報表示の場合)の、画像表示領域331Aとオーバーレイ領域331Bとの重複関係を示す図である。画像表示領域を4つとした場合、図10Aに示すように、画像表示領域331Aにおけるオーバーレイ領域331Bの重複率が高い(閾値Th以上)のため、図10Bに示すように、オーバーレイ情報331bとして表示する項目が表示優先度の高い情報のみに制限される。
【0080】
なお、図8に示す表示制御処理Bでは、一例として、オーバーレイ情報331bを表示する場合の(すなわち、オーバーレイ情報331bの非表示は含まない)、表示するオーバーレイ情報331bの項目(項目数)を、重複率に応じて3段階に切り替える場合を示しているが、表示するオーバーレイ情報331bの項目が多段階に切り替えられるのであれば、その段階数は特に限定されない。例えば、制御部21は、画像表示領域とオーバーレイ情報領域の重複率によって、表示するオーバーレイ情報331bの項目を全情報表示、必須情報表示の2段階に切り替えることとしてもよい。表示するオーバーレイ情報331bの項目を何段階に切り替え可能とするかは、ユーザーが設定可能な構成としてもよい。
【0081】
このように、第2の実施形態では、オーバーレイ情報の各項目に表示優先度を設定しておき、画像表示領域におけるオーバーレイ領域の重複率に応じて、オーバーレイ情報を表示する場合の、表示するオーバーレイ情報の項目数を各項目に設定された表示優先度に基づき多段階に切り替える。したがって、全オーバーレイ情報を表示すると画像表示領域に対するオーバーレイ情報の重なりが大きくなる場合は、オーバーレイ情報の表示する項目数を表示優先度に従って自動的に減らすので、オーバーレイ情報が読影の妨げになることを防止することが可能となり、かつ読影の妨げにならない範囲で必要最低限のオーバーレイ情報については確認することが可能となり、読影効率を向上させることができる。
【0082】
なお、複数の画像表示領域をビューアー画面331に表示する場合は、画像表示領域ごとにオーバーレイ領域の重複率を算出して、画像表示領域ごとにオーバーレイ情報の表示する項目数を切り替えることとしてもよいし、代表とする画像表示領域(例えば、左上の画像表示領域)において重複率を算出し、その算出結果に基づいて、全画像表示領域のオーバーレイ情報の表示する項目数を切り替える(一律に切り替える)こととしてもよい。
【0083】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、画像表示領域を医用画像全体の表示領域として、画像表示領域におけるオーバーレイ領域の重複率に応じて自動的にオーバーレイ情報の表示量(表示する項目数)を切り替える例について説明したが、第3の実施形態では、画像表示領域を医用画像の被写体領域の表示領域として、画像表示領域におけるオーバーレイ領域の重複率に応じて自動的にオーバーレイ情報の表示量を切り替える例について説明する。
【0084】
第3の実施形態の構成は、第2の実施形態と同様であるので説明を援用する。また、第3の実施形態における医用画像表示システム100の動作は、設定モードについては第1の実施形態と同様であるため、説明を援用する。読影モードにおいて実行される処理の流れについては、図8に示す表示制御処理Bと同様であるが、ステップS25、S27、S29における画像表示領域の算出及びステップS32における画像表示領域の変更の判断が異なるので、異なる点について説明する。
【0085】
ステップS25、S27、S29において、制御部21は、医用画像における被写体領域を認識し、被写体領域の表示領域(図11A図11Cにおいてハッチングで示す領域331A´)を画像表示領域として認識する。そして、認識した画像表示領域(331A´)におけるオーバーレイ領域(331B)の重複率を算出し、算出した重複率が所定の閾値Th(Th1、Th2)以上であるか所定の閾値Th(Th1、Th2)未満であるかを判断する。
【0086】
ここで、画像表示領域を被写体領域とした場合、画像表示領域の数の変更だけでなく、医用画像の拡大縮小等の処理によっても画像表示領域の大きさが変化する。
そこで、ステップS32において、制御部21は、画像表示領域の数の変更の指示だけでなく、画像の拡大縮小処理の指示が画像表示装置3から受信された場合についても、画像表示領域の大きさの変更が生じたと判断し、大きさ変更後の画像表示領域と段階ごとのオーバーレイ領域の重複率に基づいて、オーバーレイ情報の表示量を自動的に変更する。
【0087】
例えば、図11Aに示すように、オーバーレイ情報の表示する項目数が制限されていた場合において、図11Bに示すように医用画像を縮小処理し、オーバーレイ情報として表示する項目を増やしても画像表示領域331A´におけるオーバーレイ領域331Bの重複率が閾値Thより低くなるようにすると、図11Cに示すように、縮小前には表示されていなかった項目についても表示することができる。
【0088】
このように、第3の実施形態においては、画像表示領域を被写体領域の表示部分としてオーバーレイ領域との重複率を判断するので、医用画像の拡大縮小処理等により画像表示領域とオーバーレイ領域との重なりに変化が出た場合に、その重なりの変化に対応してオーバーレイ情報の表示する項目を変化させることができる。
【0089】
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、オーバーレイ情報を表示する際、項目の表示優先度や表示している段階に応じて項目ごとに色を付けて表示する例について説明する。
【0090】
制御部21は、第1の実施形態で説明した表示制御処理AのステップS5、S7、S9でオーバーレイ情報を表示したビューアー画面331の画面情報を生成する際、または、第2~第3の実施形態で説明した表示制御処理BのステップS26、S28、S30でオーバーレイ情報を表示したビューアー画面331の画面情報を生成する際、表示するオーバーレイ情報の項目に、表示優先度に応じた色を付加する。これにより、ユーザーは、表示されているオーバーレイ情報の各項目の表示優先度を容易に認識することが可能となる。または、優先度が基準より高い(例えば、必須)の項目のみに色を付加して目立たせることとしてもよい。これにより、表示優先度の高い項目の情報を見やすく表示することができる。
【0091】
また、制御部21は、第1の実施形態で説明した表示制御処理AのステップS5、S7、S9でオーバーレイ情報を表示したビューアー画面331の画面情報を生成する際、または、第2~第3の実施形態で説明した表示制御処理BのステップS26、S28、S30でオーバーレイ情報を表示したビューアー画面331の画面情報を生成する際、表示するオーバーレイ情報に、オーバーレイ情報の表示段階(例えば、全情報表示、優先情報表示、必須情報表示)に応じた色を付加することとしてもよい。これにより、ユーザーは、現在どの段階のオーバーレイ情報の表示が行われているのかを直感的に認識することが可能となる。
【0092】
以上説明したように、医用画像表示システム100のサーバー装置2によれば、制御部21は、オーバーレイ情報を医用画像に重ねて表示する場合の、表示するオーバーレイ情報の項目を、オーバーレイ情報の各項目に予め設定された表示優先度に基づいて多段階に切り替える。
したがって、医用画像の表示領域が小さく全オーバーレイ情報を表示するのに十分な領域が確保できない場合は、オーバーレイ情報の表示項目を必要最低限に切り替えることが可能となるので、オーバーレイ情報が読影の妨げになることを防止することができ、かつユーザーは必要最低限のオーバーレイ情報については確認することができ、読影効率を向上させることができる。
【0093】
例えば、制御部21は、ユーザー操作に応じて、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の切り替えを行うことで、ユーザーが切り替えたいタイミングでオーバーレイ情報の項目の切り替えを行うことが可能となる。
【0094】
また、例えば、制御部21は、医用画像の画像表示領域とオーバーレイ情報の表示領域の重複率を算出し、算出した重複率に応じて、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の切り替えを行うことで、医用画像の画像表示領域とオーバーレイ情報の表示領域の重なりに応じて自動的にオーバーレイ情報の項目の切り替えを行うことが可能となる。
また、例えば、制御部21は、医用画像の画像表示領域の大きさに変更があった場合に、重複率の算出を行い、算出した重複率に応じて、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の切り替えを行うことで、医用画像の画像表示領域の大きさに変更があった場合に、ただちに、医用画像の画像表示領域とオーバーレイ情報の表示領域の重なりに応じて自動的にオーバーレイ情報の項目の切り替えを行うことが可能となる。
【0095】
また、例えば、制御部21は、医用画像全体の表示領域を画像表示領域と判断して重複率を算出することで、例えば、表示する医用画像の数を変更する等によりそれぞれの医用画像全体の表示領域の大きさが変わった場合に、自動的にオーバーレイ情報の表示項目の切り替えを行うことが可能となる。
【0096】
また、例えば、制御部21は、医用画像の被写体領域の表示領域を画像表示領域と判断して重複率を算出することで、例えば、表示する医用画像を拡大/縮小処理する等により被写体領域の表示領域の大きさが変わった場合に、自動的にオーバーレイ情報の表示項目の切り替えを行うことが可能となる。
【0097】
また、例えば、オーバーレイ情報の各項目に対する表示優先度は、ユーザーごとに予め設定されており、制御部21は、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目を、ログインしたユーザーに対応する各項目の表示優先度に基づいて切り替える。したがって、ユーザーが設定した表示優先度に基づいて医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目を切り替えることができる。
【0098】
また、制御部21は、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の色を、表示優先度に応じた色で表示することで、ユーザーは、表示されているオーバーレイ情報の各項目の表示優先度を容易に認識することが可能となる。
【0099】
また、制御部21は、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の色を、前記多段階のうちの表示されている段階に応じた色で表示することで、ユーザーは、どの段階のオーバーレイ情報の表示が行われているのかを直感的に認識することが可能となる。
【0100】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0101】
例えば、上記実施形態においては、ユーザーごとにオーバーレイ情報の各項目に表示優先度を設定する構成としたが、これに限定されない。例えば、グループ(例えば、診療科、診療科内のグループ、又は施設等)単位でオーバーレイ情報の各項目に表示優先度を設定して記憶部25にグループごとのオーバーレイ情報の優先度設定情報を記憶しておき、オーバーレイ情報として表示する項目を、ログインユーザーの属するグループに対応する表示優先度に基づいて切り替えてもよい。また、表示優先度は、プリセットされたものであってもよい。
【0102】
また、上記第1の実施形態においては、ユーザーがオーバーレイ表示量変更アイコン331cを押下するごとに、オーバーレイ情報の表示項目を切り替えることとしたが、オーバーレイ情報として表示する項目を切り替えるためのユーザーインターフェースとしては、これに限らず、例えば、スライドバー等としてもよい。
【0103】
また、第2及び第3の実施形態においては、医用画像の画像表示領域とオーバーレイ情報の表示領域の重複率に基づいて自動的にオーバーレイ情報の表示項目を切り替えたが、自動的にオーバーレイ情報の項目の切り替えを行ったとしても、ユーザーの知りたい情報が表示されていない場合もある。そこで、さらに情報を知るために、自動的に表示された項目をさらにユーザーによるオーバーレイ表示量変更アイコン331cの操作等により切り替えられることとしてもよい。また、医用画像の画像表示領域とオーバーレイ情報の表示領域の重複率に基づいて自動的にオーバーレイ情報の表示項目の切り替えを行うか否かをユーザーが設定できるようにしてもよい。
【0104】
また、制御部21は、医用画像の画像表示領域とオーバーレイ情報の表示領域の重なりに応じて自動的にオーバーレイ情報の項目の切り替えを行う際に、医用画像を表示する画像表示装置3における機器情報、例えば、画面サイズ、解像度、ディスプレイの台数等を取得し、取得した機器情報を加味して、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の切り替えを行うこととしてもよい。これにより単に重複領域の比率だけでなく、実際に文字の大きさと解像度の比較、ディプレイの台数や表示の大きさなどを鑑みて、実際にユーザーが各項目を読み取り可能な情報量となっているかを推測して表示することが可能となる。
【0105】
また、第2及び第3の実施形態においては、医用画像の画像表示領域とオーバーレイ情報の表示領域の重複率に基づいて自動的にオーバーレイ情報の表示項目を切り替えたが、医用画像の被写体領域が表示されている被写体表示領域又は医用画像の被写体外領域が表示されている被写体外表示領域のいずれかに基づいて、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の自動切り替えを行っても良い。これは、例えばオーバーレイ情報を表示する際に、視認性が良い領域としては医用画像の被写体外表示領域があげられ、この被写体外表示領域に十分な情報量を設定することにより表示量を最大化することができる。つまり、被写体外表示領域の面積(例えばピクセルサイズ)と、一般的に文字が視認できるフォントの大きさを勘案して、最大の表示量になるようにオーバーレイ情報の項目を調節してもよい。このとき、更にディスプレイのサイズとの比較で決定してもよい。この場合においても、自動的に表示された項目をさらにユーザーによるオーバーレイ表示量変更アイコン331cの操作等により切り替えられることとしてもよい。また、医用画像を表示する画像表示装置3における機器情報、例えば、画面サイズ、解像度、ディスプレイの台数等を取得し、取得した機器情報を加味して、医用画像に重ねて表示するオーバーレイ情報の項目の切り替えを行うこととしてもよい。
【0106】
また、上記実施形態においては、サーバー装置2の制御部21とプログラムとの協働により表示制御処理Aや表示制御処理Bを実行し、医用画像に表示するオーバーレイ情報の切り替え制御を行うこととして説明したが、画像表示装置3の制御部31とプログラムとの協働により表示制御処理Aや表示制御処理Bを実行する構成としてもよい。この場合、処理に必要なデータ(例えば、画像DB251、付帯情報DB252、ユーザー情報DB253)は画像表示装置3に備えられていることとしてもよいし、一部又は全部のDBをサーバー装置2に備える構成とし、処理に必要なデータの検索をサーバー装置2に要求して取得することとしてもよい。
【0107】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0108】
その他、医用画像表示システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0109】
100 医用画像表示システム
1 画像生成装置
2 サーバー装置
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信部
25 記憶部
251 画像DB
252 付帯情報DB
253 ユーザー情報DB
26 バス
3 画像表示装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
36 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12