(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220705BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220705BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220705BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
B41J29/00 E
B41J29/38
G03G21/00 386
G03G21/00 396
(21)【出願番号】P 2018138957
(22)【出願日】2018-07-25
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝田 長生
(72)【発明者】
【氏名】藤本 奈緒美
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-091197(JP,A)
【文献】特開2016-112737(JP,A)
【文献】特開2007-001237(JP,A)
【文献】特開2018-058315(JP,A)
【文献】特開2008-187516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
ユーザーによって編集可能な情報を記憶する記憶部と、を備え
、
前記制御部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記編集可能な情報を用いる処理を当該画像処理装置に実行させる処理に分類する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて前記端末装置との間の距離を算出する距離算出部と、を備え、
前記判定部は、前記距離算出部によって算出された距離が所定の距離以上である場合に
、分担処理とすると判定する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立する第3の通信部と、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立されたか否かを監視する監視部と、を備え、
前記判定部は、前記監視部により近距離無線通信が確立されていないと判断された場合に、分担処理とすると判定する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、を備え、
前記UI提供部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記端末装置に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを提供するとともに、当該画像処理装置の表示部に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを表示させない
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、を備え、
前記UI提供部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記他の画
像処理装置に実行させる処理内容に基づいて、当該画像処理装置の状態情報を表示するユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するか否かを判断する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
前記UI提供部は、自己処理あるいは分担処理の何れであるかに係らず、前記端末装置に当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを提供する
ことを特徴とする請求項1
から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記他の画像処理装置の識別情報を取得する識別情報取得部を備える
ことを特徴とする請求項1
から6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、処理内容と、当該処理内容を実行すべき画像処理装置との対応関係を定めた処理分担テーブルに基づいて、前記端末装置から要求された処理を分類する
ことを特徴とする請求項1から
7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記端末装置から要求された処理が、他の画像処理装置が有しない機能を要する場合において、当該処理のうち、当該他の画像処理装置が有する機能によって実現可能なもののみを当該他の画像処理装置に実行させる
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
ユーザーによって編集可能な情報を記憶する記憶部と、を備え
、
前記制御部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記編集可能な情報を用いる処理を当該画像処理装置に実行させる処理に分類する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項11】
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末
装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて前記端末装置との間の距離を算出する距離算出部と、を備え、
前記判定部は、前記距離算出部によって算出された距離が所定の距離以上である場合に、分担処理とすると判定する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項12】
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立する第3の通信部と、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立されたか否かを監視する監視部と、を備え、
前記判定部は、前記監視部により近距離無線通信が確立されていないと判断された場合に、分担処理とすると判定する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項13】
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、を備え、
前記UI提供部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記端末装置に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを提供するとともに、当該画像処理装置の表示部に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを表示させない
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項14】
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、を備え、
前記UI提供部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記他の画像処理装置に実行させる処理内容に基づいて、当該画像処理装置の状態情報を表示するユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するか否かを判断する
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項15】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
ユーザーによって編集可能な情報を記憶する記憶部、
として機能させ
、
前記制御部に、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記編集可能な情報を用いる処理を当該画像処理装置に実行させる処理に分類させる
ためのプログラム。
【請求項16】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得部、
前記位置情報に基づいて前記端末装置との間の距離を算出する距離算出部、
として機能させ、
前記判定部に、前記距離算出部によって算出された距離が所定の距離以上である場合に、分担処理とすると判定させる
ためのプログラム。
【請求項17】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立する第3の通信部、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立されたか否かを監視する監視部、
として機能させ、
前記判定部に、前記監視部により近距離無線通信が確立されていないと判断された場合に、分担処理とすると判定させる
ためのプログラム。
【請求項18】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
として機能させ、
前記UI提供部に、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記端末装置に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを提供させるとともに、当該画像処理装置の表示部に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを表示させない
ためのプログラム。
【請求項19】
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
として機能させ、
前記UI提供部に、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記他の画像処理装置に実行させる処理内容に基づいて、当該画像処理装置の状態情報を表示するユ
ーザーインターフェースを前記端末装置に提供するか否かを判断させる
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー、スキャン、ファックス、ドキュメント管理など様々な機能が備わった、複合機あるいはMFP(Multi-Function Peripherals)と呼ばれる画像処理装置が知られている。
近年では、このような画像処理装置を、タブレット型コンピューターやスマートフォンなどの端末装置とネットワークを介して通信可能に接続し、端末装置からの遠隔操作に基づいて画像処理装置に所定の処理を実行させる技術が普及している。具体的には、画像処理装置はタッチパネルディスプレイに表示されるユーザーインターフェースを、ネットワークを通じて端末装置に提供し、端末装置は当該ユーザーインターフェースをディスプレイに表示させる。これにより、ユーザーは端末装置のディスプレイを介して、遠隔的に画像処理装置を操作することが可能となる。
【0003】
この場合、ユーザーは自身の近くに存在する画像処理装置を利用するのが便宜であるため、オフィスに設置された画像処理装置など、使用頻度の高いものと端末装置を常時接続させておくことが一般的である。しかし、出張などで遠く離れた地に移動した場合には、端末装置を出張先に設置された画像処理装置と接続して使用可能とする必要がある。
【0004】
これに関連して、特許文献1には、他の画像処理装置を用いて画像データを印刷できるようにするリモートコピー技術が開示されている。特許文献1に記載の技術は、リモートコピーからローカルコピーに切り換える際に、改めて動作モードを設定し直すことなくローカルコピーを利用可能とすることでユーザーの利便性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、端末装置が、普段用いていない画像処理装置(以降、他の画像処理装置と表記)と接続された場合において、ユーザーが要求する処理の全てを他の画像処理装置によって実行するよりも、普段用いている画像処理装置と分担して実行させた方が好ましい場合がある。例えば、スキャンやコピーなどの機能は、ユーザーの近傍に存在する他の画像処理装置によって実行させるのに対して、メール機能を用いて画像データを送信する場合などは、ユーザーが普段用いている画像処理装置が保有している宛先データを利用することが必要となる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、端末装置からの要求に基づいて処理を実行する画像処理装置において、当該処理の内容に基づいて、適した画像処理装置に分担して実行させることが可能な画像処理装置、画像処理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の画像処理装置は、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
ユーザーによって編集可能な情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記編集可能な情報を用いる処理を当該画像処理装置に実行させる処理に分類する
ことを特徴とする。
請求項2に記載の画像処理装置は、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて前記端末装置との間の距離を算出する距離算出部と、を備え、
前記判定部は、前記距離算出部によって算出された距離が所定の距離以上である場合に、分担処理とすると判定する
ことを特徴とする。
請求項3に記載の画像処理装置は、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立する第3の通信部と、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立されたか否かを監視する監視部と、を備え、
前記判定部は、前記監視部により近距離無線通信が確立されていないと判断された場合に、分担処理とすると判定する
ことを特徴とする。
請求項4に記載の画像処理装置は、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、を備え、
前記UI提供部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記端末装置に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを提供するとともに、当該画像処理装置の表示部に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを表示させない
ことを特徴とする。
請求項5に記載の画像処理装置は、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置であって、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、を備え、
前記UI提供部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記他の画像処理装置に実行させる処理内容に基づいて、当該画像処理装置の状態情報を表示するユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するか否かを判断する
ことを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記UI提供部は、自己処理あるいは分担処理の何れであるかに係らず、前記端末装置に当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを提供する
ことを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記他の画像処理装置の識別情報を取得する識別情報取得部を備える
ことを特徴とする。
【0011】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記制御部は、処理内容と、当該処理内容を実行すべき画像処理装置との対応関係を定めた処理分担テーブルに基づいて、前記端末装置から要求された処理を分類する
ことを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記制御部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記端末装置から要求された処理が、他の画像処理装置が有しない機能を要する場合において、当該処理のうち、当該他の画像処理装置が有する機能によって実現可能なもののみを当該他の画像処理装置に実行させる
ことを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の画像処理システムは、
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
ユーザーによって編集可能な情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記編集可能な情報を用いる処理を当該画像処理装置に実行させる処理に分類する
ことを特徴とする。
請求項11に記載の画像処理システムは、
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて前記端末装置との間の距離を算出する距離算出部と、を備え、
前記判定部は、前記距離算出部によって算出された距離が所定の距離以上である場合に、分担処理とすると判定する
ことを特徴とする。
請求項12に記載の画像処理システムは、
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立する第3の通信部と、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立されたか否かを監視する監視部と、を備え、
前記判定部は、前記監視部により近距離無線通信が確立されていないと判断された場合に、分担処理とすると判定する
ことを特徴とする。
請求項13に記載の画像処理システムは、
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、を備え、
前記UI提供部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記端末装置に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを提供するとともに、当該画像処理装置の表示部に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを表示させない
ことを特徴とする。
請求項14に記載の画像処理システムは、
端末装置と、前記端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有する画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、
一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部と、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部と、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部と、を備え、
前記UI提供部は、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記他の画像処理装置に実行させる処理内容に基づいて、当該画像処理装置の状態情報を表示するユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するか否かを判断する
ことを特徴とする。
【0019】
請求項15に記載のプログラムは、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
ユーザーによって編集可能な情報を記憶する記憶部、
として機能させ、
前記制御部に、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記編集可能な情報を用いる処理を当該画像処理装置に実行させる処理に分類させる。
請求項16に記載のプログラムは、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得部、
前記位置情報に基づいて前記端末装置との間の距離を算出する距離算出部、
として機能させ、
前記判定部に、前記距離算出部によって算出された距離が所定の距離以上である場合に、分担処理とすると判定させる。
請求項17に記載のプログラムは、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立する第3の通信部、
前記端末装置との間で近距離無線通信を確立されたか否かを監視する監視部、
として機能させ、
前記判定部に、前記監視部により近距離無線通信が確立されていないと判断された場合に、分担処理とすると判定させる。
請求項18に記載のプログラムは、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
として機能させ、
前記UI提供部に、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記端末装置に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを提供させるとともに、当該画像処理装置の表示部に前記他の画像処理装置を選択させるためのユーザーインターフェースを表示させない。
請求項19に記載のプログラムは、
端末装置からの要求に基づく処理を実行する機能を有し、前記端末装置との通信回線を介した通信を行う第1の通信部と、一又は複数の他の画像処理装置との通信回線を介した通信を行う第2の通信部と、備える画像処理装置のコンピューターを、
前記第1の通信部を介して、当該画像処理装置の表示部に表示されるユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するUI提供部、
前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置のみにより実行する自己処理とするか、当該画像処理装置及び/又は前記他の画像処理装置により実行する分担処理とするかを判定する判定部、
前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、処理内容に基づいて、前記端末装置から要求された処理を、当該画像処理装置に実行させる処理と、前記他の画像処理装置に実行させる処理と、に分類して実行させる制御部、
として機能させ、
前記UI提供部に、前記判定部により分担処理とすると判定された場合に、前記他の画像処理装置に実行させる処理内容に基づいて、当該画像処理装置の状態情報を表示するユーザーインターフェースを前記端末装置に提供するか否かを判断させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、端末装置からの要求に基づいて処理を実行する画像処理装置において、当該処理の内容に基づいて、適した画像処理装置に分担して実行させることが可能な画像処理装置、画像処理システム及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】画像処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】通常モード時の画像処理装置と端末装置との接続状態を示す図である。
【
図6】仲介モード時の画像処理装置と端末装置との接続状態を示す図である。
【
図7】モード設定処理における画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】実行処理における画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】通常モード時のHOME画面表示処理における各部の動作を示すラダーチャートである。
【
図10】仲介モード時のHOME画面表示処理における各部の動作を示すラダーチャートである。
【
図11】仲介モード時のコピー実行時における各部の動作を示すラダーチャートである。
【
図12】仲介モード時のScanToEmail実行時における各部の動作を示すラダーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像処理装置の実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0023】
[画像処理システムの構成]
図1は、画像処理システム100の全体的な構成の例を示す図である。
画像処理システム100は、
図1に示すように、画像処理装置1A、画像処理装置1B、端末装置2、及び通信回線3などによって構成される。なお、画像処理システム100を構成する画像処理装置1は二以上であれば特に限定されず、端末装置2の数は一以上であれば特に限定されない。本実施形態においては、二台の画像処理装置1A及び画像処理装置1B、並びに一台の端末装置2によって構成されるものとする。
【0024】
画像処理装置1A及び画像処理装置1Bは、通信回線3を介して通信することができる。通信回線3として、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆回線、または専用線などが用いられ、ハブ31、ルーター32、及び無線基地局33等を備えて構成される。
ルーター32は、LANをインターネットなどの他のネットワークに接続する。
各画像処理装置1は、ツイストペアケーブルによってハブ31につながれている。ハブ31は、ツイストペアケーブルによってルーター32につながれている。ハブ31及び無線基地局33は、複数台あってもよい。
なお、遠隔地に存在する画像処理装置1A及び画像処理装置1Bは、それぞれ異なる通信回線(ハブ31A及びルーター32A、あるいはハブ31B及びルーター32B)によってインターネットに接続され、インターネットを介して通信することができる。
無線基地局33は、無線LANのBS(Base Station)であって、端末装置2の無線LAN通信装置20fと通信を行う。端末装置2は、ハブ31C、ルーター32C及び無線基地局33を介してインターネットに接続され、インターネットを介して画像処理装置1と通信することができる。
なお、各画像処理装置1と端末装置2とは、後述する近距離無線通信装置10及び近距離無線通信装置20を用いて接続されることも可能である。
【0025】
画像処理装置1は、スキャン、コピー、PCプリント、メール、ファックス、及びボックスなどのサービスを提供する。このような機能を有する画像処理装置は、一般に、複合機あるいはMFP(Multi-Function Peripherals)などと呼ばれる。
【0026】
スキャンサービスは、後述するスキャンユニット10iによって用紙上の画像を読み取って画像データを生成するサービスである。
コピーサービスは、スキャンユニット10iによって読み取って得られた画像データに基づいて、画像を用紙に印刷するサービスである。
PCプリントサービスは、パーソナルコンピューターまたはスマートフォンなどの端末装置2から受信した画像データに基づいて、画像を用紙に印刷するサービスである。ネットワークプリンティングあるいはネットワークプリントなどと呼ばれることもある。
メールサービスは、スキャンユニット10iによって読み取って得られた画像データを、指定された電子メールアドレス宛に送信するサービスである。
ファックスサービスは、スキャンユニット10iによって読み取って得られた画像データを、外部のファクシミリ端末に送信するサービスである。
ボックスサービスは、ユーザーごとにボックスあるいはパーソナルボックスなどと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザーが自分の記憶領域によって画像データなどを保存し管理するためのサービスである。ボックスは、パーソナルコンピューターにおけるフォルダ又はディレクトリに相当する。
【0027】
図2は、画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像処理装置1は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、タッチパネルディスプレイ10e、操作キーパネル10f、NIC(Network Interface Card)10g、モデム10h、スキャンユニット10i、プリントユニット10j、及び近距離無線通信装置10kなどによって構成される。
なお、CPU10aは、UI提供部、判定部、制御部、識別情報取得部、位置情報取得部、距離算出部及び監視部として機能する。
【0028】
補助記憶装置10dは、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)などによって構成された記憶装置であり、画像処理装置1の各部の動作を制御するためのプログラムや、Webブラウザーを実現するためのWebブラウザープログラム等が記憶されている。
さらに、補助記憶装置10dには、端末装置2に搭載されたWebブラウザーとHTTPプロトコルによる通信を行ってWebブラウザーにUI(User Interface)を提供するWebサーバーとしての機能を実現させるためのWebサーバープログラムや、Webサーバー上で動作し、Webブラウザーを介してユーザーにWebUI(Web User Interface)機能を提供するためのアプリケーションプログラム等が記憶されている。
なお、WebUIとは、タッチパネルディスプレイ10eに表示される表示画面を端末装置2に表示させることで、端末装置2を介してユーザーが画像処理装置1を遠隔的に操作可能とするサービスである。
また、補助記憶装置10dには、後述する仲介モードにおける各機能の処理分担テーブルが記憶されている。
なお、各プログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。
また、補助記憶装置10dは、記憶部として機能する。
【0029】
タッチパネルディスプレイ10eは、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、ユーザーに対するメッセージを示す画面、ユーザーがコマンドまたは情報を入力するための画面、及びCPU10aが実行した処理の結果を示す画面などを表示する。また、タッチパネルディスプレイ10eは、タッチされた位置を示す信号をCPU10aへ送る。
なお、タッチパネルディスプレイ10eは、表示部として機能する。
【0030】
操作キーパネル10fは、いわゆるハードウェアキーボードであって、テンキー、スタートキー、ストップキー、およびファンクションキーなどによって構成される。
【0031】
NIC10gは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルによって、他の画像処理装置1や通信回線3との通信を行う。
なお、NIC10gは、第1の通信部及び第2の通信部として機能する。
【0032】
モデム10hは、外部のファクシミリ端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りする。
【0033】
スキャンユニット10iは、CCD(Charge Coupled Device)、プラテンガラス等を備えて構成され、プラテンガラスの上にセットされたシートに記されている画像をCCDにより読み取って画像データを生成する。
【0034】
プリントユニット10jは、スキャンユニット10iにより読み取られた画像のほか、NIC10gまたはモデム10hによって他の装置から受信した画像を用紙に印刷する。
【0035】
近距離無線通信装置10kは、近距離無線通信の規格に基づいて通信を行うものであり、端末装置2との通信に用いられる。本実施形態においては、近距離無線通信装置10kとして、Bluetooth(登録商標)の規格に対応する装置が用いられるものとする。
なお、近距離無線通信装置10kは、第3の通信部として機能する。
【0036】
続いて、端末装置2について説明する。
端末装置2は、画像処理装置1の上述の機能を遠隔的に使用するためのクライアントである。ユーザーは、上述した種々の画像処理装置1の機能を、端末装置2を用いて遠隔的に操作することができる。
端末装置2として、スマートフォン、またはタブレット型コンピューターなどの可搬型の装置が用いられる。以下、端末装置2としてスマートフォンが用いられるものとして説明する。
【0037】
図3は、端末装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。
端末装置2は、
図3に示すように、CPU20a、RAM20b、フラッシュメモリ10c、タッチパネルディスプレイ20d、操作ボタン群20e、無線LAN通信装置20f、近距離無線通信装置20g及び携帯電話通信装置20hなどによって構成される。また、端末装置2には、Webブラウザーや写真撮影ソフトウェアといったアプリケーションソフトウェアが搭載されている。
【0038】
フラッシュメモリ20cには、文書作成用のアプリケーション(例えば、ワープロソフト)、メーラー及びスケジューラー等のアプリケーションプログラムが記憶されている。
また、フラッシュメモリ20cには、Webブラウザーを実現するためのWebブラウザープログラム等が記憶されている。
さらに、フラッシュメモリ20cには、WebUI機能の提供を受けるためのアプリケーションプログラム等が記憶されている。
なお、各プログラムは、必要に応じてRAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。
【0039】
タッチパネルディスプレイ20dは、画像処理装置1のタッチパネルディスプレイ10eと同様に、種々の画面を表示し、タッチされた位置を検知してCPU20aにその位置を通知する。なお、上述の通り、WebUI機能の提供を受けることにより、端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dをタッチパネルディスプレイ10eの代わりに使用することができる。
【0040】
操作ボタン群20eは、いわゆるホーム画面に戻るためのボタン、音量を調整するためのボタン、及び電源のON/OFFを切り替えるためのボタンなどによって構成される。
【0041】
無線LAN通信装置20fは、無線LANの規格、即ちIEEE(Institute of Electrical Engineers)802.11の規格に基づいて通信を行う。
【0042】
近距離無線通信装置20gは、画像処理装置1の近距離無線通信装置10kと同様の規格に基づいて通信を行うものであり、画像処理装置1との近距離無線通信に用いられる。本実施形態においては、近距離無線通信装置20gは、Bluetoothの規格に対応した装置を用いるものとする。
【0043】
携帯電話通信装置20hは、CMDA(Code Division Multiple Access)2000、W-CMDA(Wideband-CMDA)、又はLTE(Long Term Evolution)などの規格に基づいて、いわゆる携帯電話網を介して通信を行う。
【0044】
[仲介モード]
仲介モードとは、端末装置2と接続された画像処理装置1が、端末装置2から他の画像処理装置1へのジョブの実行指示の仲介を行うことで、端末装置2からの要求を他の画像処理装置1に実行させることが可能としたモードであって、端末装置2からの要求を、画像処理装置1A及び他の画像処理装置1とによる分担処理を行うモードである。
なお、これに対して、画像処理装置1との仲介を行わず、端末装置2と接続された画像処理装置1自身が処理を行うモードを通常モードとし、端末装置2からの要求を、画像処理装置1Aのみによる自己処理とする。
【0045】
以下、画像処理装置1における仲介モードの設定方法について、図面を参照しながら説明する。
画像処理装置1と端末装置2とは、上述したように、通信回線3を介して接続される。端末装置2は画像処理装置1のいずれとも接続されることが可能であるが、ユーザーのオフィス内に設置された画像処理装置1など、ユーザーが頻繁に利用する特定の画像処理装置1と接続されているものとする。
【0046】
図4は、通常モード時の画像処理装置1と端末装置2との接続状態を示す図である。
図4に示すように、ユーザー4が利用する端末装置2は、頻繁に利用する画像処理装置1Aと常時接続されている。
ユーザー4が端末装置2を操作して画像処理装置1Aの機能を利用する場合、画像処理装置1Aは、WebUIの機能により、画像処理装置1Aのタッチパネルディスプレイ10eに表示される表示画面200を端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dに表示させる。ユーザー4は、端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dを操作することによって、スキャンサービスやコピーサービスなど、画像処理装置1Aの各種機能を実行させる。
【0047】
ここで、ユーザーが出張先など画像処理装置1Aから遠く離れた地に移動した場合、スキャンサービスやコピーサービスなどの機能は、画像処理装置1Aではなく、ユーザーの近傍に存在する画像処理装置1のものを利用する。画像処理装置1Aは、ユーザーの近傍に存在する他の画像処理装置1を特定し、仲介モードに設定する。
【0048】
仲介モードに設定するか否かは、画像処理装置1AのCPU10aは、端末装置2と画像処理装置1Aとの距離が所定の距離以上であるか否かに基づいて判断する。所定の距離とは、画像処理装置1Aと端末装置2とが近距離無線通信を確立可能な距離であり、本実施形態においてはBluetoothの規格に対応した距離としての固定値である。
【0049】
画像処理装置1Aと端末装置2との距離は、公知の方法によって検知することができる。例えば、画像処理装置1Aが端末装置2に対して位置情報の要求を行うと、端末装置2のCPU20aは、モバイルネットワークからの位置情報やGPS(Global Positioning System)などの測位システムによって端末装置2自身の位置を測位し、当該位置情報を画像処理装置1Aに送信する。画像処理装置1Aは、位置情報を受信すると、当該位置情報と自身の位置とに基づいて、端末装置2との距離を算出する。
なお、各画像処理装置1は所定の場所に設置されているため、各画像処理装置1の位置は、予め端末装置2に記憶させておけばよい。
【0050】
そして、画像処理装置1Aは、算出された距離が所定の距離以上であると場合に、仲介モードに設定する。一方で、所定の距離未満である場合には、通常モードに設定する。
【0051】
仲介モードに設定されると、画像処理装置は、通信回線3上に配置され、画像処理装置1Aと通信可能な画像処理装置1のうち、端末装置2の位置情報に基づいて端末情報2の近傍に設置された画像処理装置1を仲介先候補として特定する。続いて、画像処理装置1は、これら仲介先候補のうちの、一の画像処理装置1を選択させるための表示画面200作成し、WebUIの機能により端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dに表示させ、ユーザーが利用する画像処理装置1をユーザー自身によって選択させる。
【0052】
図5は、タッチパネルディスプレイ20dに表示される表示画面200の一例を示す図である。
図5に示すように、画像処理装置1Aは、表示画面200端末装置2が利用可能な画像処理装置1として画像処理装置1Bを示した選択部210を表示する。ユーザー4は、タッチパネルディスプレイ20d上を操作して、利用する画像処理装置1として画像処理装置1Bを選択する。そして、画像処理装置1Aは、画像処理装置1BのIPアドレスや装置名などの識別情報を取得する。具体的には、画像処理装置1Aは通信可能な他の画像処理装置1と、当該画像処理装置1との識別情報とを対応付けたテーブルを予め保持しており、ユーザーにより指定された画像処理装置1Bの識別情報を、テーブルを参照して特定することが可能である。
なお、
図5に示すように、ユーザー4が画像処理装置1に付与されたIPアドレスを、選択部210に入力することによって、任意の画像処理装置1を選択させるものとしてもよい。
【0053】
なお、ユーザー4が端末装置2と画像処理装置1Bとを接続させるとともに、画像処理装置1AのWebUI機能を利用することを指定してもよい。この場合、ユーザー4に、画像処理装置1BのIPアドレスを入力させるとこで、画像処理装置1Aは画像処理装置1Bの識別情報を取得することができる。
なお、画像処理装置1Aから端末装置2へのWebUI機能を、画像処理装置1Bが仲介する。
【0054】
画像処理装置1Bが選択されると、画像処理装置1Aは画像処理装置1Bを仲介先として設定し、画像処理装置1Bの機能を利用可能となる。
【0055】
続いて、仲介モードにおける分担処理について説明する。
図6は、仲介モード時の画像処理装置1と端末装置2の接続状態を示す図である。
仲介モードにおいては、まず、画像処理装置1Aは、通常の利用時と同様に、画像処理装置1AのWebUIの機能により、画像処理装置1Aのタッチパネルディスプレイ10eに表示される表示画面200を、通信回線3を介して端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dに表示させる。このとき表示される表示画面200は、その画面要素(各種機能や設定条件を指定するためのボタンなど)の種類やレイアウトなどは、通常モードと共通している。
ユーザー4は、端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dを操作し、スキャンサービスやコピーサービスなど、各種機能の実行を指示する。
【0056】
続いて、画像処理装置1Aは、端末装置2からの要求を受け付けると、当該要求に係る処理を画像処理装置1Bに実行させるか、あるいは画像処理装置1A自身が実行するかを分類する。具体的には、画像処理装置1Aは、各機能をいずれの画像処理装置1によって実行するかを定めた処理分担テーブルに基づいて上記分類を行う。
【0057】
例えば、ユーザー4がスキャンユニット10iによって読み取った画像データを、指定した電子メールアドレス宛に送信する、ScanToEmail機能を利用する場合においては、画像処理装置1Aは、端末装置2に表示させるための宛先一覧を表示した表示画面200を生成するが、ユーザー4は普段から利用している画像処理装置1Aの補助記憶装置10d(記憶部)に記憶されている宛先一覧の利用を希望していると考えられる。したがって、宛先一覧の表示は画像処理装置1A自身が実行する処理に分類される。
一方で、スキャンは、ユーザー4の近傍に存在する画像処理装置1Bのスキャンユニット10iを用いて実行するべきであるため、画像処理装置1Bが実行する処理に分類される。
【0058】
その他、画像処理装置1Aが実行する処理に分類される例としては、ボックスサービスを実行する際に、画像データを画像処理装置1Aの記憶領域に保存する場合、FAXサービス利用時に画像処理装置1Aが保有する宛先一覧を表示した表示画面200を生成する場合などが想定される。
また、画像処理装置1Bが実行する処理に分類される例としては、コピーサービス、PCプリントサービス等のほか、HOLD、セキュアプリント、蓄積プリント等のように画像処理装置1Bの処理が不要な処理が挙げられ、この場合画像処理装置1Aから画像処理装置1Bに向けて選択されたファイルのプリント指示を行い、画像処理装置1Bが当該機能を実行することが想定される。
【0059】
[画像処理装置1Aの動作]
続いて、図面を参照して画像処理装置1Aの具体的な動作を説明する。
図7は、モード設定処理を示すフローチャートである。モード設定処理は、端末装置2と画像処理装置1Aとの距離に基づいて、仲介モードあるいは通常モードの何れかに設定する処理である。なお、モード設定処理は、画像処理装置1AのCPU10aと補助記憶装置10dに記憶されたプログラムとの協働により実現する。
【0060】
モード設定処理においては、まず、画像処理装置1AのCPU10a(位置情報取得部)は、端末装置2からの接続を確認すると(ステップS11)、端末装置2の位置情報を取得する(ステップS12)。
【0061】
続いて、CPU10a(距離算出部)は、端末装置2の位置情報に基づいて当該端末装置2との距離を算出し、所定の距離以内であるか否かを判断する(ステップS13)。CPU10aは、所定の距離以内であると判断すると(ステップS13:Yes)、ステップS14へと移行するが、所定の距離以内ではないと判断すると、ステップS15へと移行する。
【0062】
ステップS14では、CPU10a(判定部)は、端末装置2が画像処理装置1Aの自己処理のみとする通常モードに設定し、モード設定処理を終了する。
【0063】
ステップS15では、CPU10aは、仲介先の画像処理装置1の選択部を示した表示画面200(仲介先選択UI)を生成する。
続いて、CPU10a(識別情報取得部)は、仲介先情報を取得したか否かを判断する(ステップS16)。仲介先情報とは、仲介先が選択されたことを示す情報と、当該仲介先の画像処理装置1の識別情報と、を含む情報である。CPU10a(判定部)は、取得していないと判断すると(ステップS16:NO)、ステップS16の処理を繰り返すが、取得したと判断すると(ステップS16:YES)、仲介先の画像処理装置1に接続し(ステップS17)、仲介モードに設定し(ステップS18)、モード設定処理を終了する。
【0064】
続いて、端末装置2から要求された処理の実行時における、画像処理装置1Aの動作について説明する。
図8は、画像処理装置1Aの実行処理を示すフローチャートである。なお、実行処理は、画像処理装置1AのCPU10aと補助記憶装置10dに記憶されたプログラムとの協働により実現する。
【0065】
まず、画像処理装置1AのCPU10a(UI提供部)は、表示画面200を表示するためのデータを生成するとともに、端末装置2に当該データを送信してタッチパネルディスプレイ20dに表示させる(ステップS21)。
続いて、CPU10aは、ユーザー4により処理の要求がされたか否かを判断する(ステップS22)。CPU10aは、要求がされていないと判断すると(ステップS22:NO)、ステップS22の処理を繰り返すが、要求がされたと判断すると(ステップS22:YES)、ステップS23へと移行する。
【0066】
ステップS23では、CPU10aは、仲介モードであるか否かを判断する。CPU10aは、仲介モードではない、即ち通常モードであると判断すると(ステップS23:NO)、要求された処理を全て自己処理し、実行処理を終了する。
一方で、CPU10aは、仲介モードであると判断すると(ステップS23:YES)、ステップS25へ移行する。
【0067】
ステップS25では、CPU10a(制御部)は、処理分担判定を実行する。処理分担判定とは、上述したように、処理分担テーブルを参照して処理の分類を行う動作である。
CPU10aは、処理分担判定の結果、仲介先の画像処理装置1に実行させる処理が存在するか否かを判断する(ステップS26)。CPU10aは、仲介先の画像処理装置1が実行する処理が存在すると判断すると(ステップS26:YES)、ステップS27へと移行するが、存在しないと判断すると(ステップS26:NO)、自己処理を実行し(ステップS24)、機能実行処理を終了する。
【0068】
ステップS27においては、CPU10aは、自己処理を実行し、続いて仲介先の画像処理装置1に処理を実行させる(ステップS28)。なお、ステップS27の処理とステップS28の処理とは、逆の順であってもよい。
CPU10aは、処理を終了したか否かを判断し(ステップS29)、終了していないと判断すると(ステップS29:NO)、ステップS27へと戻るが、終了したと判断すると(ステップS29:YES)、実行処理を終了する。
【0069】
[画像処理システム100の動作]
以下、図面を参照して画像処理システム100を構成する各部の動作を説明する。
図9及び
図10は、画像処理装置1Aが端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dに、HOME画面を表示させる、HOME画面表示処理における画像処理システム100を構成する各部の動作を示すラダーチャートである。
【0070】
図9は、画像処理装置1Aが通常モードに設定された場合の動作を表す。
まず、ユーザー4が端末装置2を操作してWebブラウザーを開くと(ステップS101)、端末装置2は、画像処理装置1AのWebUIにアクセスする(ステップS102)。
【0071】
続いて、画像処理装置1Aは、通常モードに設定する(ステップS103)。なお、通常モードの設定は、
図7のモード設定処理にしたがって実行される。
【0072】
ステップS104では、画像処理装置1Aは表示画面200としてのHOME画面を表示するためのデータを生成し、当該データを端末装置2に送信する。
端末装置2は、HOME画面を表示するためのデータを受信すると、タッチパネルディスプレイ20dにHOME画面を表示させる(ステップS105)。
以上により、通常モード設定時のHOME画面表示処理を終了する。
【0073】
一方で、
図10は、仲介モードに設定した場合の動作を表す。
ステップS201及びステップS202の処理は、
図9のステップS101及びステップS102の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS203では、画像処理装置1Aは、仲介モードに設定する。なお、仲介モードの設定は、
図7のモード設定処理にしたがって実行される。
【0074】
ステップS204では、画像処理装置1は、仲介先候補となる画像処理装置1を特定する。
続いて、画像処理装置1Aは、仲介先候補の画像処理装置1をユーザー4に選択させるための選択画面のデータを生成し、当該データを端末装置2に送信する(ステップS205)。
【0075】
端末装置2は、選択画面のデータを受信すると、タッチパネルディスプレイ20dに選択画面を表示させる(ステップS206)。
続いて、ユーザー4は、選択画面を参照し、タッチパネルディスプレイ20dを操作して画像処理装置1Bを選択する(ステップS207)。端末装置2は、画像処理装置1Bの選択を受け付けると、画像処理装置1Bの選択を画像処理装置1Aに送信する(ステップS208)。
【0076】
画像処理装置1Aは、画像処理装置1Bの選択を受け付けると、画像処理装置1Bに接続する(ステップS209)。
画像処理装置1Bは、画像処理装置1Aに接続されると、画像処理装置1Aに装置情報を送信する(ステップS210)。装置情報とは、画像処理装置1Bの状態情報や、ユーザー4が利用可能な画像処理装置1Bが保有する機能等の情報を指す。
【0077】
画像処理装置1Aは、装置情報を受信すると、表示画面200としてのHOME画面のデータを生成し、当該データを端末装置2に送信する(ステップS211)。
端末装置2は、HOME画面を表示するためのデータを受信すると、タッチパネルディスプレイ20dにHOME画面を表示させる(ステップS212)。
以上により、仲介モード設定時のHOME画面表示処理を終了する。
【0078】
続いて、仲介モードにおける、画像処理システム100を構成する各部の動作を説明する。
図11及び
図12は、画像処理装置1Aが仲介モードに設定された場合において、ユーザーから指定された機能を実行する際の各部の動作を示すラダーチャートである。
【0079】
図11は、ユーザーによりコピーの実行が指定された場合の動作を示す。
まず、
図10のHOME画面表示処理により、端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dにHOME画面を表示すると(ステップS301)、ユーザーはHOME画面からコピー機能を選択し、ボタンを押下する(ステップS302)。
端末装置2は、選択を受け付けると、当該選択を画像処理装置1Aに送信する(ステップS303)。
【0080】
画像処理装置1Aは、選択を受け付けると、処理分担判定を行い、コピー機能を画像処理装置1Bで実行することを決定する(ステップS304)。
続いて、画像処理装置1Aは、実行指示画面を表示するためのデータを生成し、当該データを端末装置2に送信する(ステップS305)。実行指示画面には、選択された送信先を表示されるほか、例えば画質や用紙サイズ、モノクロ/カラー、両面/片面等の印刷条件を設定するためのボタン等が表示される。
端末装置2は、実行指示画面を表示するためのデータを受信すると、タッチパネルディスプレイ20dに実行指示画面を表示させる(ステップS306)。
【0081】
ユーザー4は、実行指示画面を操作して、印刷条件等を設定のうえスタートキーを押下して、コピー機能の実行を指示する(ステップS307)。
端末装置2は、実行指示を受け付けると、当該実行指示を画像処理装置1Aに送信する(ステップS308)。
【0082】
続いて、画像処理装置1Aは、画像処理装置1Bに対して実行指示を行う(ステップS309)。実行指示とは、画像処理装置1Bのコピー機能によって印刷を実行するようにコマンドを送る処理である。具体的には、画像処理装置1Aから画像処理装置1BのWebUIへのアクセスは、例えばhttp:///<IPアドレス>/<COPY>…といった形式で行う。
【0083】
画像処理装置1Bは、送信設定指示及び実行指示を受け付けると、コピー機能を実行する(ステップS310)。即ち、ユーザーが画像処理装置1Bのスキャンユニット10iに設置した用紙上の画像の読み取り、用紙に出力する。
一方で、端末装置2は、タッチパネルディスプレイ20dに、コピー機能を実行中である旨を表示した表示画面200を表示させる(ステップS311)。
【0084】
画像処理装置1Bは、コピー機能の実行を完了すると、完了した旨の通知を画像処理装置1Aに送信する(ステップS312)。
画像処理装置1Aは、完了通知を受信すると、コピー機能の実行を完了した旨を表示する完了画面を表示するためのデータを生成し、端末装置2に送信する(ステップS313)。
端末装置2は、完了画面を表示するためのデータを受信すると、タッチパネルディスプレイ20dに完了画面を表示させ(ステップS314)、制御を終了する。
【0085】
続いて、
図12は、ユーザーによりScanToEmailの実行が指定された場合の動作を示す。
まず、
図10のHOME画面表示処理により、端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dにHOME画面を表示すると(ステップS401)、ユーザーはHOME画面からScanToEmail機能を選択し、ボタンを押下する(ステップS402)。
端末装置2は、選択を受け付けると、当該選択を画像処理装置1Aに送信する(ステップS403)。
【0086】
画像処理装置1Aは、選択を受け付けると、処理分担判定を行い、ScanToEmail機能において行われる各処理をいずれの画像処理装置1Aで実行するかを決定する(ステップS404)。これにより、ScanToEmail機能のうちスキャン機能は画像処理装置1Bにおいて実行し、ScanToEmail画面に表示する宛先一覧は、画像処理装置1Aが保有する宛先データを利用するものとして決定する。
続いて、画像処理装置1Aは、画像処理装置1Aが保有する宛先一覧等を表示したScanToEmail画面を表示するためのデータを生成し、当該データを端末装置2に送信する(ステップS405)。
【0087】
端末装置2は、ScanToEmail画面を表示するためのデータを受信すると、タッチパネルディスプレイ20dにScanToEmail画面を表示させる(ステップS406)。
続いて、ユーザー4は、ScanToEmail画面に表示された宛先一覧から、送信先等を選択して、送信設定を実行する(ステップS407)。端末装置2は、送信設定を受け付けると、画像処理装置1Aに当該設定を送信する(ステップS408)。
【0088】
続いて、画像処理装置1Aは、実行指示画面を表示するためのデータを生成し、当該データを端末装置2に送信する(ステップS409)。実行指示画面には、選択された送信先を表示されるほか、例えば画質やモノクロ/カラー等のスキャン条件を設定するためのボタン等が表示される。
端末装置2は、実行指示画面を表示するためのデータを受信すると、タッチパネルディスプレイ20dに実行指示画面を表示させる(ステップS410)。
【0089】
ユーザー4は、実行指示画面を操作して、スキャン条件等を設定のうえスタートキーを押下して、ScanToEmail機能の実行を指示する(ステップS411)。
端末装置2は、実行指示を受け付けると、当該実行指示を画像処理装置1Aに送信する(ステップS412)。
【0090】
画像処理装置1Aは、実行指示を受け付けると、画像処理装置1Bに対して送信設定指示を行う(ステップS413)。送信設定指示とは、画像処理装置1Bのスキャン機能によってスキャンを実行するとともに、当該画像データをユーザー4が選択した宛先に送信するようにコマンドを送る処理である。具体的には、画像処理装置1Aから画像処理装置1BのWebUIへのアクセスは、例えばhttp:///<IPアドレス>/<ScanTo><宛先>…といった形式で行う。
さらに、画像処理装置1Aは、画像処理装置1Bに対してScanToEmail機能の実行指示を行う(ステップS414)。
【0091】
画像処理装置1Bは、送信設定指示及び実行指示を受け付けると、ScanToEmail機能を実行する(ステップS415)。即ち、ユーザーが画像処理装置1Bのスキャンユニット10iに設置した用紙上の画像の読み取りを開始し、画像データを生成するとともに、設定された送信先に当該画像データを送信する。
一方で、端末装置2は、タッチパネルディスプレイ20dに、ScanToEmailを実行中である旨を表示した表示画面200を表示させる(ステップS416)。
【0092】
画像処理装置1Bは、ScanToEmail機能の実行を完了すると、完了した旨の通知を画像処理装置1Aに送信する(ステップS417)。
画像処理装置1Aは、完了通知を受信すると、ScanToEmail機能の実行を完了した旨を表示する完了画面を表示するためのデータを生成し、端末装置2に送信する(ステップS418)。
端末装置2は、完了画面を表示するためのデータを受信すると、タッチパネルディスプレイ20dに完了画面を表示させ(ステップS419)、制御を終了する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、端末装置にユーザーインターフェースを提供して画像処理装置1Aの遠隔操作を可能とするとともに、自己処理を行う通常モードとするか、他の画像処理装置1Bと分担処理を行う仲介モードとするかを判定し、仲介モードに設定した場合に、更にユーザーから要求された処理を、その内容に基づいていずれの画像処理装置1によって実行するかを分類して、各画像処理装置1に実行させる。したがって、仲介モードに設定された場合であっても、処理内容に基づいて当該処理を実行するのに適した画像処理装置1に処理を分担させることで、ユーザーにとっての利便性が向上する。
【0094】
また、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、通常モード(自己処理)あるいは仲介モード(分担処理)の何れであるかによらず、WebUIにより共通の表示画面200を提供する。したがって、ユーザーがいずれのモードにおいても同一の表示画面200を操作することが可能であるため、ユーザーにとって利便性が高い。
【0095】
また、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、機能を分担することを決定した画像処理装置1Bの識別情報を取得する。したがって、画像処理装置1Aは画像処理装置1Bにアクセス可能となり、画像処理装置1Bを操作して処理を実行させることができる。
【0096】
また、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、処理分担テーブルに基づいて、端末装置2から要求された処理を、自身で処理するか、あるいは画像処理装置1Bに処理させるかを決定する。したがって、予め設定された好適な条件下で分担処理を実行することができる。
【0097】
また、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、宛先一覧などユーザーが編集可能な情報を補助記憶装置10d(記憶部)に記憶させ、当該編集可能な情報を用いた処理を自身で実行する。したがって、ユーザーが普段から利用している画像処理装置1Aが有する情報を用いて処理を行うことができ、ユーザーにとって便宜である。
【0098】
また、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、端末装置2の位置情報を取得し、端末装置2と画像処理装置1Aとの距離が所定の距離以上である場合には、仲介モード(分担処理)を実行するとして決定する。
したがって、ユーザーが画像処理装置1Aではなく、他の画像処理装置1を利用する方が望ましい状況であることを確実に検出して、仲介モードに設定することができる。
【0099】
なお、仲介モード(分担処理)を実行するか否かは、画像処理装置1Aの近距離無線通信装置10k(第3の通信部)と端末装置2の近距離無線通信装置20gとの間で近距離無線通信が確立されているか否かを監視し、確立されていない場合には、端末装置2と画像処理装置1Aとの距離が所定の距離以上になったと判断して、仲介モードに設定するものとしてもよい。
このとき、画像処理装置1AのCPU10aは、監視部として機能する。
【0100】
また、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、仲介モードの際、端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dに提供する表示画面200に選択部210を表示させる場合において、自身のタッチパネルディスプレイ10eには当該選択部210を表示させないように制御するものとしてもよい。
即ち、画像処理装置1Aのタッチパネルディスプレイ10eと、端末装置2のタッチパネルディスプレイ20dには、WebUIにより共通の表示画面200が表示されるが、画像処理装置1Aにおいては、選択部210を表示する必要がない。また、当該ユーザーが画像処理装置1Aを遠隔操作している最中であっても、他のユーザーが画像処理装置1Aのタッチパネルディスプレイ10eを操作することも想定されるため、選択部210を表示させない方が便宜である。
【0101】
また、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、仲介モードの際、処理内容に応じて、画像処理装置1Aの状態情報をWebUIにより端末装置2の表示画面200に表示するか否かを判断するものとしてもよい。
例えば、ユーザーが画像処理装置1Aを遠隔操作している最中に画像処理装置1Aにペーパーエンプティが発生しても、コピー等を行うのは画像処理装置1Bであるため、その旨を端末装置2に通知する必要はないためである。
【0102】
また、本実施形態に係る画像処理装置1Aは、仲介モードの際、端末装置2から要求された処理が、画像処理装置1Bが有しない機能を要するものを含む場合、当該処理のうち画像処理装置1Bが有する機能によって実現可能なもののみを、画像処理装置1Bに実行させるものとしてもよい。
例えば、端末装置2からFAXサービスを指定されたとき、画像処理装置1BがFAX送信機能を有していない場合には、スキャンのみを画像処理装置1Bが,FAX送信を画像処理装置1Aが実行するものとすることが可能である。
【0103】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、画像処理システムを構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0104】
例えば、上記実施形態においては、画像処理装置1Aは単一の画像処理装置1Bとの間で分担処理を実行するものとしたが、これに限らず、複数の他の画像処理装置1にとの間で分担処理を実行するものとしても構わない。
【0105】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてHDDや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0106】
1 画像処理装置
10a CPU(UI提供部、判定部、制御部、識別情報取得部、位置情報取得部、距離算出部、監視部)
10d 補助記憶装置(記憶部)
10e タッチパネルディスプレイ(表示部)
10g NIC(第1の通信部、第2の通信部)
10k 近距離無線通信装置(第3の通信部)
2 端末装置
3 通信回線
100 画像処理システム