(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】情報取得装置および情報取得方法
(51)【国際特許分類】
G10L 19/018 20130101AFI20220705BHJP
【FI】
G10L19/018
(21)【出願番号】P 2018192418
(22)【出願日】2018-10-11
【審査請求日】2021-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 優樹
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-075890(JP,A)
【文献】特開2009-180893(JP,A)
【文献】特開2000-152217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G10L 13/00-25/93
H04N 21/00-21/858
H04R 27/00-27/04
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放音装置から放音される音響の収音により収音装置が生成する音響信号から、提供情報の取得の許可を示す許可情報と、前記提供情報に対応する識別情報とを抽出し、
前記音響信号から抽出した識別情報に対応する前記提供情報を取得する動作を、前記許可情報が抽出された場合に有効にし、
前記動作が有効にされた場合に当該動作により前記提供情報を取得する
コンピュータにより実現される情報取得方法。
【請求項2】
前記提供情報の取得においては、前記識別情報を配信装置に送信することで、当該識別情報に対応する提供情報を当該配信装置から取得する
請求項1の情報取得方法。
【請求項3】
前記許可情報を表す音響成分は、前記放音装置から周期的に放音され、
前記許可情報が所定期間にわたり抽出されなかった場合に、前記提供情報を取得する動作を無効にする
請求項1または請求項2の情報取得方法。
【請求項4】
前記音響信号から前記提供情報の取得の禁止を示す禁止情報を抽出し、
前記禁止情報を抽出した場合に、前記提供情報を取得する動作を無効にする
請求項1または請求項2の情報取得方法。
【請求項5】
放音装置から放音される音響の収音により収音装置が生成する音響信号から、提供情報の取得の許可を示す許可情報と、前記提供情報に対応する識別情報とを抽出する抽出部と、
前記音響信号から抽出した識別情報に対応する前記提供情報を取得する取得部と、
前記抽出部が前記許可情報を抽出した場合に、前記取得部による提供情報を取得する動作を有効にする取得制御部と
を具備する情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置の利用者に各種の情報を提供する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、放音装置から放音される音響に応じた関連情報を取得する端末装置が開示されている。収音装置から放音される音響の収音により生成された収音信号から識別情報を抽出し、当該識別情報を含む情報要求を情報管理システムに送信することで、当該情報管理システムから識別情報に対応する関連情報が取得される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、例えば、関連情報を取得する場合、関連情報を取得する動作を有効にするための操作を利用者が端末装置に対して行う必要がある。以上の事情を考慮して、本発明は、利用者の操作を必要とせずに情報を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る情報取得方法は、放音装置から放音される音響の収音により収音装置が生成する音響信号から、提供情報の取得の許可を示す許可情報と、前記提供情報に対応する識別情報とを抽出し、前記音響信号から抽出した識別情報に対応する前記提供情報を取得する動作を、前記許可情報が抽出された場合に有効にし、前記動作が有効にされた場合に当該動作により前記提供情報を取得する。
本発明の好適な態様に係る情報取得装置は、放音装置から放音される音響の収音により収音装置が生成する音響信号から、提供情報の取得の許可を示す許可情報と、前記提供情報に対応する識別情報とを抽出する抽出部と、前記音響信号から抽出した識別情報に対応する前記提供情報を取得する取得部と、前記抽出部が前記許可情報を抽出した場合に、前記取得部による提供情報を取得する動作を有効にする取得制御部とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態における情報提供システムの構成を例示するブロック図である。
【
図2】放音システムの構成を例示するブロック図である。
【
図3】情報取得装置の構成を例示するブロック図である。
【
図4】情報取得装置が実行する処理を例示するフローチャートである。
【
図5】配信装置の構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システム100の構成を例示するブロック図である。情報提供システム100は、特定の施設に所在する利用者Uに各種の情報を提供するためのコンピュータシステムである。施設は、例えば、電車またはバス等の交通施設、販売店または飲食店等の商業施設、旅館またはホテル等の宿泊施設、博物館または美術館等の展示施設、史跡または名所等の観光施設、競技場または体育館等の運動施設、等である。また、屋外の特定の空間(例えばイベント会場)を施設として例示してもよい。
【0008】
図1に例示される通り、第1実施形態の情報提供システム100は、情報取得装置10と放音システム20と配信装置30とを具備する。利用者Uは、情報取得装置10を携帯して施設内に所在する。例えば携帯電話機およびスマートフォン等の情報端末が情報取得装置10として好適である。情報取得装置10は、移動体通信網またはインターネット等の通信網70を介して配信装置30と通信可能である。なお、実際には複数の利用者Uが情報提供システム100のサービスを利用し得るが、以下の説明では便宜的に1個の情報取得装置10に着目する。
【0009】
<放音システム20>
図2は、放音システム20の構成を例示するブロック図である。放音システム20は、各種の音を放音する音響システムである。利用者Uが所在する施設内に放音システム20が設置される。例えば、各種の案内を施設内の利用者Uに報知するための音声(以下「案内音声」という)Gが放音システム20から放音される。例えば、電車またはバス等の交通機関に設置された放音システム20からは、電車の発着または遅延を報知する案内音声G等が放音される。第1実施形態では、案内音声Gに関連する情報(以下「提供情報」という)Rが利用者Uに提供される。第1実施形態の情報取得装置10は、放音システム20から放音される案内音声Gに対応する提供情報Rを配信装置30から取得する。
【0010】
図2に例示される通り、第1実施形態の放音システム20は、制御装置21と記憶装置23と放音装置25とを具備する。制御装置21は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の処理回路で構成され、放音システム20の各要素を統括的に制御する。制御装置21は、
図2に例示される通り、記憶装置23に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(変調処理部212および混合処理部214)を実現する。なお、制御装置21の一部の機能を専用の電子回路で実現してもよい。また、制御装置21の機能を複数の装置に搭載してもよい。
【0011】
記憶装置23は、制御装置21が実行するプログラムと、制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置23として任意に採用され得る。第1実施形態の記憶装置23は、音声テーブルTaを記憶する。
図2に例示される通り、音声テーブルTaは、複数の相異なる案内音声Gをそれぞれ表す複数の音声信号Wの各々に、識別情報Dが対応付けられたデータテーブルである。複数の音声信号Wは、事前に生成されて音声テーブルTaに登録される。各音声信号Wは、特定の文字列(例えば案内音声Gを表す文字列)に対して公知の音声合成処理を適用することで生成される。または、発話者による特定の文字列の発音を収音装置により収音することで音声信号Wが生成される。各案内音声Gの音声信号Wに対応する識別情報Dは、当該案内音声Gに対応する提供情報Rを識別するための情報である。放音システム20の管理者(例えば施設の従業員)は、例えば、複数の操作子により構成された操作装置(図示略)を操作することで、記憶装置23に記憶された複数の音声信号Wから任意の1個の音声信号Wを選択することが可能である。また、記憶装置23には、提供情報Rの取得を情報取得装置10に対して許可することを示す情報(以下「許可情報」という)Pが記憶される。
【0012】
変調処理部212は、変調信号Yを生成する。変調信号Yは、管理者により選択された音声信号Wに対応する識別情報Dと、許可情報Pとをそれぞれ音響成分として表す信号である。識別情報Dを表す音響成分と、許可情報Pを表す音響成分とは時間軸上で交互に変調信号Yに含まれる。具体的には、変調処理部212は、例えば所定の周波数の搬送波を識別情報Dおよび許可情報Pにより変調する振幅変調もしくは周波数変調、または、拡散符号を利用した識別情報Dおよび許可情報Pの拡散変調等の変調処理により変調信号Yを生成する。識別情報Dまたは許可情報Pを表す音響成分の周波数帯域は、例えば、放音装置25による再生が可能な周波数帯域であり、かつ、利用者Uが通常の環境で聴取する音の周波数帯域を上回る範囲(例えば18kHz以上かつ20kHz以下)である。
【0013】
図3の混合処理部214は、管理者により選択された音声信号Wと、変調処理部212が生成した変調信号Yとを混合(例えば加算)することで音響信号Vを生成する。以上の説明から理解される通り、音響信号Vは、管理者が選択した案内音声Gに、識別情報Dを表す音響成分と許可情報Pを表す音響成分とが時間軸上で交互に混合された混合音を表す信号である。なお、音響信号Vをデジタルからアナログに変換するD/A変換器の図示は便宜的に省略した。
【0014】
放音装置25(例えばスピーカ)は、混合処理部214が生成した音響信号Vが表す音響を再生する。具体的には、案内音声Gの放音に並行して、識別情報Dを表す音響成分と、許可情報Pを表す音響成分とが交互に放音される。すなわち、識別情報Dを表す音響成分と、許可情報Pを表す音響成分との各々は、放音装置25から周期的に放音される。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の放音装置25は、案内音声Gを再生する音響機器として機能するほか、空気振動としての音波を伝送媒体とした音響通信により識別情報Dまたは許可情報Pを周囲に送信する送信機としても機能する。すなわち、第1実施形態では、案内音声Gを放音する放音装置25から識別情報Dおよび許可情報Pの音響を放音する音響通信により、当該識別情報Dおよび当該許可情報Pが周囲に送信される。
【0015】
<情報取得装置10>
図3は、情報取得装置10の構成を例示するブロック図である。
図3に例示される通り、情報取得装置10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と収音装置14と再生装置15とを具備する。情報取得装置10は、典型的には前述の通り、利用者Uが所有する情報端末である。ただし、交通機関に設置された電光掲示板、または商業施設に設置される電子看板(デジタルサイネージ)等の案内用の表示端末を情報取得装置10として利用してもよい。
【0016】
収音装置14は、周囲の音を収音する音響機器(マイクロホン)である。具体的には、収音装置14は、放音システム20が放音した音響を収音することで、当該音響の波形を表す音響信号Xを生成する。音響信号Xには、識別情報Dの音響成分または許可情報Pの音響成分が含まれる。なお、収音装置14が生成した音響信号Xをアナログからデジタルに変換するA/D変換器の図示は便宜的に省略した。また、情報取得装置10と一体に構成された収音装置14に代えて、別体の収音装置14を有線または無線により情報取得装置10に接続してもよい。
【0017】
制御装置11(コンピュータの例示)は、例えばCPU等の処理回路で構成され、情報取得装置10の各要素を統括的に制御する。制御装置11は、
図3に例示される通り、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(抽出部113,取得制御部115,取得部117および再生制御部119)を実現する。なお、制御装置11の一部の機能を専用の電子回路で実現してもよい。また、制御装置11の機能を複数の装置に搭載してもよい。
【0018】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと、制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として任意に採用され得る。
【0019】
抽出部113は、収音装置14が生成した音響信号Xから、識別情報Dと許可情報Pとを抽出する処理(以下「抽出処理」という)を実行する。具体的には、抽出処理は、音響信号Xのうち識別情報Dの音響成分を含む周波数帯域を強調するフィルタ処理と、識別情報Dに対する変調処理に対応した復調処理とを含む。また、識別情報Dの抽出と同様の方法により、音響信号Xから許可情報Pが抽出される。
【0020】
放音システム20からの音響を収音装置14により収音可能な特定の範囲(以下「特定範囲」という)内に利用者Uが所在する場合は、抽出処理により識別情報Dおよび許可情報Pが抽出される。他方、利用者Uが特定範囲外に所在する場合は、抽出処理において識別情報Dおよび許可情報Pが抽出されない。すなわち、情報取得装置10が特定範囲外から特定範囲内に移動すると、識別情報Dおよび許可情報Pが抽出され、情報取得装置10が特定範囲内から特定範囲外に移動すると、識別情報Dおよび許可情報Pが抽出されなくなる。第1実施形態では、利用者Uが特定範囲内に所在する場合には許可情報Pと識別情報Dとが交互に抽出される。
【0021】
取得部117は、音響信号Xから抽出した識別情報Dに対応する提供情報Rを取得する動作(以下「取得動作」という)を実行する。具体的には、取得部117は、取得動作を有効に実行する状態(取得部117が起動している状態)と、取得動作を実行しない無効の状態(取得部117が起動していない状態)とに切り替わる。取得動作が有効である状態は、例えば取得部117として機能するプログラムモジュールが実行されている状態である。すなわち、識別情報Dに対応する提供情報Rが取得動作により有効に取得される。他方、取得動作が無効である状態は、取得部117として機能するプログラムモジュールが停止している状態である。すなわち、識別情報Dが抽出されても提供情報Rは取得されない。
【0022】
第1実施形態の取得部117は、識別情報Dを配信装置30に送信することで、当該識別情報Dに対応する提供情報Rを当該配信装置30から取得する。具体的には、取得部117は、取得動作が有効である場合に、通信装置13により識別情報Dを配信装置30に送信し、当該配信装置30から通信装置13により提供情報Rを受信する。なお、取得動作が無効である場合には、抽出処理により識別情報Dが抽出されても、当該識別情報Dが配信装置30に送信されない。
【0023】
取得制御部115は、取得部117における有効と無効とを切り換える。具体的には、取得制御部115は、抽出部113が許可情報Pを抽出した場合に、取得動作を無効から有効に切り換える。また、取得制御部115は、抽出部113が許可情報Pを所定期間にわたり抽出しなかった場合に、取得動作を有効から無効に切り換える。
【0024】
通信装置13は、制御装置11による制御のもとで通信網70を介して配信装置30と通信する通信機器である。具体的には、通信装置13は、取得部117による制御のもとで、抽出部113が抽出した識別情報Dを配信装置30に送信する。また、通信装置13は、取得部117による制御のもとで、配信装置30から送信された提供情報Rを受信する。
【0025】
再生制御部119は、通信装置13が受信した提供情報Rを再生装置15に再生させる。第1実施形態の提供情報Rは、上述した通り、放音システム20から放音される案内音声Gに関連する情報である。例えば、案内音声Gを表す文字列、または、当該文字列を他言語に翻訳した文字列等が提供情報Rとして例示される。
【0026】
再生装置15は、提供情報Rを再生する出力機器である。第1実施形態の再生装置15は、提供情報Rが表す画像を表示する表示装置(例えば液晶表示パネル)を含む。
【0027】
図4は、情報取得装置10の制御装置21が実行する処理を例示するフローチャートである。例えば所定の周期で
図4の処理が反復的に実行される。なお、
図4の処理に並行して、収音装置14が生成する音響信号Xに対して抽出処理が周期的に実行される。すなわち、
図4の処理が実行されている期間において複数回の抽出処理が実行される。
図4の処理の開始前は、取得動作が無効である場合を想定する。
【0028】
図4の処理を開始すると、取得制御部115は、抽出部113の抽出処理により許可情報Pが抽出されたか否かを判定する(Sa1)。すなわち、許可情報Pの抽出を待機する(Sa1:NO)。許可情報Pが抽出された場合(Sa1:YES)、取得制御部115は、取得動作を無効から有効に切り換える(Sa2)。取得制御部115は、抽出処理により抽出された識別情報Dが未処理であるか否かを判定する(Sa3)。すなわち、抽出処理により抽出された識別情報Dに対応する提供情報Rが取得されているか否かが判定される。例えば、利用者Uが特定範囲内に進入した直後に抽出処理により抽出される識別情報Dは、未処理であると判定される。識別情報Dが未処理であると判定された場合(Sa3:YES)、取得部117は、配信装置30に対して識別情報Dを通信装置13により送信する(Sa4)。配信装置30は、情報取得装置10から送信された識別情報Dに対応する提供情報Rを特定し、当該情報取得装置10に当該提供情報Rを送信する。取得部117は、配信装置30から提供情報Rを通信装置13により受信する(Sa5)。再生制御部119は、再生装置15に提供情報Rを再生させる(Sa6)。すなわち、未処理の新たな識別情報Dが抽出されるたびに(Sa3:YES)、識別情報Dの送信(Sa4)と、提供情報Rの受信(Sa5)および再生(Sa6)とが実行される。ステップSa4およびステップSa5の処理が取得動作である。
【0029】
識別情報Dは複数回にわたり反復的に抽出される。1つの識別情報Dに対応する提供情報Rの取得および再生が完了すると、以降に抽出された同じ識別情報Dについては処理済(Sa3:NO)と判定される。識別情報Dが処理済であると判定された場合(Sa3:NO)、または、提供情報Rの取得(Sa4,Sa5)および再生(Sa6)が完了した場合、取得制御部115は、許可情報Pが所定期間にわたり抽出されていないか否かを判定する(Sa7)。所定期間は、直前に許可情報Pが抽出された時点から所定の時間長にわたる期間である。情報取得装置10が特定範囲に継続的に所在する場合には、許可情報Pの周期的な抽出が継続される。したがって、所定期間の経過前に許可情報Pを再受信する。許可情報Pを所定期間内に抽出した場合(Sa7:NO)、取得制御部115は、処理をステップSa3に移行する。すなわち、未処理の識別情報Dの抽出を条件として、識別情報Dの送信(Sa4)と、提供情報Rの受信(Sa5)および再生(Sa6)とを実行する。
【0030】
一方、情報取得装置10が特定範囲の内側から外側に移動した場合、抽出部113が許可情報Pを抽出できなくなる。許可情報Pを所定期間内に抽出できない場合(Sa7:YES)、取得制御部115は、取得動作を有効から無効に切り換える(Sa8)。したがって、識別情報Dが抽出された場合でも、提供情報Rが取得できない状態になる。取得動作が有効から無効に切り替わると、取得制御部115は、処理をステップSa1に移行して、許可情報Pの抽出を待機する。
【0031】
<配信装置30>
図5は、配信装置30の構成を例示するブロック図である。配信装置30は、識別情報Dを取得した情報取得装置10に提供情報Rを提供するためのコンピュータシステムである。
図5に例示される通り、第1実施形態の配信装置30は、制御装置31と記憶装置33と通信装置35とを具備する。
【0032】
制御装置31は、例えばCPU等の処理回路で構成され、配信装置30の各要素を統括的に制御する。制御装置31は、
図5に例示される通り、記憶装置33に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(通信制御部312および特定部314)を実現する。なお、制御装置31の一部の機能を専用の電子回路で実現してもよい。また、制御装置31の機能を複数の装置に搭載してもよい。
【0033】
通信装置35は、制御装置31による制御のもとで通信網70を介して情報取得装置10と通信する通信機器である。第1実施形態の通信装置35は、情報取得装置10から送信された識別情報Dを受信し、当該識別情報Dに対応した提供情報Rを情報取得装置10に送信する。
【0034】
記憶装置33は、制御装置31が実行するプログラムと、制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置33として任意に採用され得る。
図5に例示される通り、第1実施形態の記憶装置33は、提供テーブルTbを記憶する。提供テーブルTbは、複数の識別情報D(D_1,D_2,…)の各々に相異なる提供情報Rが対応付けられたデータテーブルである。
【0035】
通信制御部312は、情報取得装置10から識別情報Dを受信する動作と、当該識別情報Dに対応する提供情報Rを送信元の情報取得装置10に送信する動作とを通信装置35に実行させる。
【0036】
特定部314は、情報取得装置10から送信された識別情報Dに対応する提供情報Rを特定する。具体的には、提供テーブルTbに登録された複数の提供情報R(R_1,R_2,…)のうち、情報取得装置10から送信された識別情報Dに対応する提供情報Rを特定する。特定部314が特定した提供情報Rは、情報取得装置10に送信される。情報取得装置10は、前述の通り、配信装置30から送信された提供情報Rを再生する。
【0037】
例えば、取得動作を有効にするための操作を利用者Uが情報取得装置10に対して行う構成(以下「対比例」という)では、例えば提供情報Rの取得のたびに利用者Uによる操作が必要になり手間がかかるという問題がある。それに対して、第1実施形態では、音響信号Xから許可情報Pが抽出された場合に取得動作が有効になる。したがって、取得動作を有効にするための操作を利用者Uが情報取得装置10に対して行わずに、提供情報Rを取得することができる。すなわち、対比例と比較して、利用者Uにとって利便性が高いという利点がある。また、識別情報Dが抽出されるまでは、取得動作が無効であるから、例えば取得動作が常に有効である構成と比較して、消費電力が低減される。
【0038】
第1実施形態では、識別情報Dを送信することで配信装置30から提供情報Rを取得する構成を採用する。以上の構成において、識別情報Dを抽出するたびに当該識別情報Dを配信装置30に送信することは、送信元(情報取得装置10)の情報漏洩等のセキュリティが問題になる。許可情報Pが抽出された場合に識別情報Dを配信装置30に送信する第1実施形態の構成によれば、送信元のセキュリティが担保される。
【0039】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0040】
第1実施形態では、許可情報Pが所定期間にわたり抽出されなかった場合に、取得動作を無効にした。第2実施形態では、提供情報Rの取得を禁止する情報(以下「禁止情報」という)を抽出部113が抽出した場合に取得動作を無効にする。
【0041】
第2実施形態の放音システム20は、第1実施形態と同様の案内音声Gと、識別情報Dを表す音響と、許可情報Pを表す音響との他に、禁止情報を表す音響を放音する。具体的には、第2実施形態の変調処理部212は、識別情報Dと許可情報Pと禁止情報とをそれぞれ音響成分として表す変調信号Yを生成し、混合処理部214は、当該変調信号Yと音声信号Wとを混合して音響信号Vを生成する。放音装置25は、混合処理部214が生成した音響信号Vが表す音響を放音する。
【0042】
許可情報Pの音響と禁止情報の音響とは、相異なる時点に放音される。禁止情報の音響を放音する時点は放音システム20の管理者が任意に設定できる。例えば特定のイベントが開催される期間内に許可情報Pを送信し、当該期間の終点において禁止情報を送信すれば、提供情報Rの提供を当該期間に限定することができる。すなわち、提供情報Rの提供を時間的に制限できる。識別情報Dの音響は、例えば、イベントの期間中に案内音声Gに並行して放音される。なお、許可情報Pの音響と禁止情報の音響とを案内音声Gに並行して放音するか否かは任意である。
【0043】
第2実施形態の情報取得装置10の収音装置14は、第1実施形態と同様に放音システム20が放音した音響を収音することで、音響信号Xを生成する。音響信号Xには、識別情報Dの音響成分、許可情報Pの音響成分、または、禁止情報の音響成分が含まれる。
【0044】
第2実施形態の抽出部113による抽出処理では、収音装置14が生成した音響信号Xから、識別情報Dと許可情報Pと禁止情報とが抽出される。第2実施形態の取得制御部115は、第1実施形態と同様に、取得動作の無効と有効とを切り換える。具体的には、取得制御部115は、抽出処理により許可情報Pが抽出された場合には、取得動作を無効から有効に切り換え、抽出処理により禁止情報が抽出された場合には、取得動作を有効から無効に切り換える。第2実施形態の取得部117は、第1実施形態と同様に、取得動作が有効である場合に、識別情報Dを配信装置30に送信することで、提供情報Rを取得する。第2実施形態の再生制御部119は、第1実施形態と同様に、配信装置30から取得した提供情報Rを再生装置15に再生させる。なお、取得動作が無効である場合には、抽出処理により識別情報Dが抽出されても、当該識別情報Dが配信装置30に送信されない。
【0045】
第2実施形態に係る情報取得装置10の制御装置11が実行する処理は、
図4のステップSa7の処理が、禁止情報が抽出されたか否かを判定する処理に置換される。具体的には、取禁止情報が抽出された場合(Sa7:YES)、取得制御部115は、取得動作を有効から無効に切り換える(Sa8)。他方、禁止情報が抽出されなかった場合(Sa7:NO)、取得制御部115は、ステップSa3に移行する。
【0046】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第1実施形態では、許可情報Pが所定期間にわたり抽出されなかった場合に取得動作が無効になり、第2実施形態では、禁止情報を抽出した場合に取得動作が無効になる。したがって、取得動作を無効にする操作を利用者Uが情報取得装置10に対して行うことが不要になる。なお、第2実施形態においては、取得動作を無効にする時点を管理者が任意に設定できるという利点がある。
【0047】
<変形例>
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された複数の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0048】
(1)前述の各形態では、案内音声Gに関連する情報を提供情報Rとして例示したが、提供情報Rは以上の例示に限定されない。案内音声Gとは無関係の情報を提供情報Rとしてもよい。例えば、利用者Uが所在する施設を案内する情報、施設内で提供されるサービスまたは商品の情報、施設で利用できるクーポン、施設に関する広告、および、施設に関する情報の所在を表す情報(例えばURL)等が提供情報Rとして利用される。なお、利用者Uが所在する施設とは無関係の情報を提供情報Rとしてもよい。
【0049】
(2)前述の各形態では、放音システム20が案内音声Gを放音したが、放音システム20が案内音声G(すなわち可聴帯域の音)を放音することは本発明において必須ではない。例えば、案内音声Gを放音せずに、識別情報Dの音響および許可情報Pの音響(すなわち非可聴帯域の音)を放音する構成も採用される。
【0050】
(3)前述の各形態では、放音システム20から案内音声Gを放音したが、放音システム20が放音する音は案内音声Gに限定されない。案内音声Gとは異なる各種の音声、または、楽曲を放音装置25が放音してもよい。
【0051】
(4)前述の各形態では、取得動作を無効にする処理を実行したが、本発明において取得動作を無効にする処理を実行することは必須ではない。
【0052】
(5)前述の各形態では、配信装置30から提供情報Rを取得したが、提供情報Rの取得先は配信装置30に限定されない。例えば、情報取得装置10は、内部の記憶装置12から識別情報Dに対応する提供情報Rを取得してもよい。記憶装置12には、
図5の提供テーブルTbが記憶される。特に、緊急事態(例えば火災および地震等の災害)を報知する提供情報Rの場合には、利用者Uに確実に当該提供情報Rを提供する必要がある。したがって、配信装置30と通信することなく、情報取得装置10の内部から提供情報Rを取得する構成が好適である。以上の構成では、許可情報Pが抽出された場合に、取得動作において、記憶装置12から識別情報Dに対応する提供情報Rを特定する。
【0053】
(6)第2実施形態では、提供情報の提供を時間的に制限したが、提供情報の提供を位置的に制限してもよい。例えば、特定の施設の入口において許可情報Pを送信し、当該施設の出口において禁止情報を送信すれば、提供情報Rの提供を当該施設の内部に限定することができる。すなわち、提供情報Rの提供を位置的に制限できる。
【0054】
(7)前述の各形態では、識別情報Dの音響を放音する放音装置25から許可情報Pを送信したが、放音装置25とは異なる放音装置から許可情報Pを送信してもよい。例えば、案内音声Gが施設内の全体にわたり放音されている場合において、施設内のうち提供情報Rの取得を許可する範囲に設置された放音装置から許可情報Pの音響を放音してもよい。第2実施形態においても同様に、禁止情報を放音装置25とは異なる放音装置から送信してもよい。例えば、案内音声Gが施設内の全体にわたり放音されている場合において、施設内のうち提供情報Rの取得を禁止する範囲に設置された放音装置から禁止情報の音響を放音してもよい。
【0055】
(8)前述の各形態では、許可情報Pの音響と識別情報Dの音響とを案内音声Gに並行して交互に放音したが、許可情報Pの音響の放音と識別情報Dの音響の放音との時間的な関係は以上の例示に限定されない。例えば、許可情報Pの音響を放音した後に、識別情報Dの音響を案内音声Gに並行して放音してもよい。また、例えば、案内音声Gの前半部分に並行して許可情報Pの音響を放音して、案内音声Gの後半部分に並行して識別情報Dの音響を放音してもよい。
【0056】
(9)前述の各形態では、識別情報Dおよび許可情報Pが放音システム20から送信されたが、識別情報Dおよび許可情報Pとは異なる情報を放音システム20から送信してもよい。例えば、放音システム20の正当性を認証するための情報(以下「認証情報」という)を当該放音システム20が送信してもよい。例えば、識別情報Dに付帯して認証情報が情報取得装置10に送信される。情報取得装置10の記憶装置12は、正当な放音システム20から送信される可能性がある認証情報を事前に記憶する。放音システム20から認証情報を受信した情報取得装置10は、例えば当該認証情報と記憶装置12に記憶された認証情報とが一致する場合に、当該認証情報とともに受信した識別情報Dを配信装置30に送信して提供情報Rを取得する。一方、認証情報が一致しない場合には、識別情報Dは配信装置30に送信されない。以上の構成によれば、放音システム20および配信装置30の正当性を認証することが可能である。
【0057】
また、放音システム20は、例えば、提供情報Rの取得を許可する位置または時間等を示す情報を許可情報Pに付帯して送信してもよい。
【0058】
(10)前述の各形態において、識別情報D毎に相異なる許可情報Pを使用してもよいし、複数の識別情報Dにおいて共通の許可情報Pを使用してもよい。また、第2実施形態では、識別情報D毎に相異なる禁止情報を使用してもよいし、複数の識別情報Dにおいて共通の禁止情報を使用してもよい。
【0059】
(11)前述の各形態では、放音システム20の記憶装置23に事前に記憶された音声信号Wに応じた音響を放音したが、管理者が発音した案内音声Gの収音で生成された音響信号に識別情報Dを含有させて実時間的に放音してもよい。例えば、管理者が案内音声Gの発音の際に選択した識別情報Dが音響信号に含有される。
【0060】
また、案内音声Gの放音のたびに、例えば当該案内音声Gを表す文字列に対する音声合成処理により音声信号Wを生成してもよい。例えば、記憶装置20は、相異なる案内音声Gをそれぞれ表す複数の文字列の各々に識別情報Dを対応付けて登録したデータテーブルを記憶する。当該複数の文字列のうち管理者により選択された任意の文字列に対する音声合成処理により、音声信号Wが生成される。管理者により選択された文字列に対応する識別情報Dの音響成分が、当該音声信号Wが表す案内音声Gとともに放音される。
【0061】
(12)前述の各形態では、再生装置15による表示により提供情報Rを提示したが、例えば提供情報Rを表す音響を再生装置15により放音することで提供情報Rを提示してもよい。すなわち、再生装置15は、画像の表示により提供情報Rを提示する表示装置と、音響の放音により提供情報Rを提示する放音装置との何れか一方または双方を含む。
【0062】
(13)前述の各形態において、取得動作が有効である場合には、利用者Uに取得動作が有効であることを通知する構成が好適に採用される。例えば、取得動作が有効であることを表す画像や音声を再生装置15に再生させる。
【0063】
(14)前述の各形態では、許可情報Pが抽出された場合に取得動作を有効にしたが、例えば緊急事態の発生を知らせる提供情報Rを提供する場合には、当該提供情報Rを表す識別情報Dの抽出を契機として取得動作を有効にしてもよい。すなわち、許可情報Pの抽出の有無に関わらず提供情報Rを取得することが可能である。
【0064】
(15)前述の各形態に係る情報取得装置10の機能は、各形態での例示の通り、CPU等の処理回路とプログラムとの協働により実現される。前述の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、通信網を介した配信の形態でプログラムをコンピュータに提供してもよい。
【0065】
<付記>
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0066】
本発明の好適な態様(第1態様)に係る情報取得方法は、放音装置から放音される音響の収音により収音装置が生成する音響信号から、提供情報の取得の許可を示す許可情報と、前記提供情報に対応する識別情報とを抽出し、前記音響信号から抽出した識別情報に対応する前記提供情報を取得する動作を、前記許可情報が抽出された場合に有効にし、前記動作が有効にされた場合に当該動作により前記提供情報を取得する。以上の態様によれば、収音装置による音響の収音により生成された音響信号から許可情報が抽出された場合に、当該音響信号から抽出された識別情報に対応する提供情報を取得する動作が有効になる。したがって、提供情報を取得する動作を有効にするための操作を利用者が行わずに、提供情報を取得することができる。
【0067】
第1態様の好適例(第2態様)では、前記提供情報の取得においては、前記識別情報を配信装置に送信することで、当該識別情報に対応する提供情報を当該配信装置から取得する。識別情報を送信することで配信装置から提供情報を取得する構成では、識別情報を抽出するたびに当該識別情報を配信装置に送信することは、送信元の情報漏洩等のセキュリティが問題になる。以上の態様によれば、許可情報が抽出された場合に識別情報が配信装置に送信されるから、送信元のセキュリティが担保される。
【0068】
第1態様または第2態様の好適例(第3態様)では、前記許可情報を表す音響成分は、前記放音装置から周期的に放音され、前記許可情報が所定期間にわたり抽出されなかった場合に、前記提供情報を取得する動作を無効にする。以上の態様によれば、許可情報が所定期間にわたり抽出されなかった場合に、提供情報を取得する動作が無効になるから、提供情報を取得する動作を無効にする操作が不要になる。
【0069】
第1態様または第2態様の好適例(第4態様)では、前記音響信号から前記提供情報の取得の禁止を示す禁止情報を抽出し、前記禁止情報を抽出した場合に、前記提供情報を取得する動作を無効にする。以上の態様によれば、禁止情報を抽出した場合に、提供情報を取得する動作が無効になるから、提供情報を取得する動作を無効にする操作が不要になる。
【0070】
本発明の好適な態様(態様5)に係る情報取得装置は、放音装置から放音される音響の収音により収音装置が生成する音響信号から、提供情報の取得の許可を示す許可情報と、前記提供情報に対応する識別情報とを抽出する抽出部と、前記音響信号から抽出した識別情報に対応する前記提供情報を取得する取得部と、前記抽出部が前記許可情報を抽出した場合に、前記取得部による提供情報を取得する動作を有効にする取得制御部とを具備する。以上の態様によれば、収音装置による音響の収音により生成された音響信号から許可情報が抽出された場合に、当該音響信号から抽出された識別情報に対応する提供情報を取得する動作が有効になる。したがって、提供情報を取得する動作を有効にするための操作を利用者が行わずに、提供情報を取得することができる。
【符号の説明】
【0071】
100…情報提供システム、10…情報取得装置、11…制御装置、113…抽出部、115…取得制御部、117…取得部、119…再生制御部、12…記憶装置、13…通信装置、14…収音装置、15…再生装置、20…放音システム、21…制御装置、212…変調処理部、214…混合処理部、23…記憶装置、25…放音装置、30…配信装置、31…制御装置、312…通信制御部、314…特定部、33…記憶装置、35…通信装置、70…通信網。