(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】保管システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/90 20060101AFI20220705BHJP
B65G 57/03 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
B65G47/90 A
B65G57/03 C
(21)【出願番号】P 2018210275
(22)【出願日】2018-11-08
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 康弘
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-030884(JP,A)
【文献】特開2005-330044(JP,A)
【文献】特開2000-355404(JP,A)
【文献】特開2008-290811(JP,A)
【文献】特開昭62-171898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0297023(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/90-47/92
B65G 57/00-57/32
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷を支持し外形が複数種類ある支持部材を、保管用の保管部材に載置して保管する保管システムにおいて、
前記支持部材を保持する一対の保持部を有し、前記支持部材の一対の開口部に対して一対の前記保持部をそれぞれ進退させる進退動作を行う保持装置と、
前記支持部材を前記保持装置に対して搬送する第1搬送装置と、
前記第1搬送装置により搬送される前記支持部材の外形情報を取得する取得部と、
昇降動作により、前記保持装置において前記支持部材又は前記保管部材が載置される載置部と、前記保持部により保持される前記支持部材とを接近、又は離間させる昇降部と、
前記取得部により取得される外形情報に基づき一対の前記保持部の間隔を変更するように制御し、
さらに前記保持部を進出させ、次に前記昇降部により前記載置部から前記支持部材を離間させるように制御する制御部と、
備える保管システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記取得部により取得される外形情報に基づき、前記一対の保持部を前記一対の開口部に対して進出させる前に、前記昇降部の昇降量を制御する、請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
外形が異なる第1保管部材及び第2保管部材を、前記保管部材として前記保持装置に対して供給する供給部をさらに備え、
前記取得部により取得される外形情報には、前記支持部材を前記第1保管部材と前記第2保管部材のいずれか一方に載置することを示す分類情報が関連付けられており、
前記制御部は、前記取得部により取得される外形情報に基づき、前記第1保管部材と前記第2保管部材のいずれか一方を前記保持装置に保持される前記支持部材の直下に搬送するように前記供給部を制御する、請求項1又は2に記載の保管システム。
【請求項4】
前記支持部材を載置した前記保管部材を第1方向における一方に搬送する第2搬送装置をさらに備え、
前記保持装置は、前記支持部材が前記第1搬送装置により前記第1方向における他方から搬送され、前記支持部材の前記一対の開口部に対して前記一対の保持部を第2方向に進退させる進退動作を行い、
前記供給部は、前記保持装置に対して第2方向から前記保管部材を搬送し、
前記制御部は、前記保持装置により前記支持部材を前記保管部材に積みつけるように制御するのと併行して、前記第1搬送装置及び前記供給部において前記支持部材及び前記保管部材を待機させるように制御する、請求項3に記載の保管システム。
【請求項5】
前記第1搬送装置により搬送された前記支持部材を前記保持装置において位置決めを行う際、前記制御部は、前記取得部により取得された外形情報に基づき、当該支持部材の第1方向の先端が前記載置部の所定の位置における前記第1方向の中心位置に到達後、さらに、当該支持部材を当該支持部材の前記第1方向における長さの半分の距離だけ移動するように前記保持装置を制御する、請求項1~4のいずれかに記載の保管システム。
【請求項6】
前記保持装置は、前記保持部により保持された前記支持部材を水平方向において90度回転させる回転部を有し、
前記制御部は、前記取得部により取得される外形情報に基づき、前記保持部により保持される前記支持部材を回転させるように前記回転部を制御する、請求項1~5のいずれかに記載の保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の異なる形状のパレットに載置された荷を保管/搬出するための保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷を載置したパレットを保管及び/又は搬出するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
パレットの保管/搬出のためにパレットの取り扱いをする場合、パレットに設けられた開口にフォークリフトのフォークを差し込んで、パレットを保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷を載置するパレットには一般的に様々な種類があり、種類毎にその形状が異なっている。また、パレットには、パレットをフォークで保持するために開口が設けられており、この開口の形態(例えば、開口のピッチ)もパレットの種類毎に異なっている。
上記のような他種類のパレットの保管方法として、保管対象のパレット(子パレットと呼ぶ)を、保管専用のパレット(親パレットと呼ぶ)に載置して保管する方法が知られている。
【0005】
子パレットを親パレットに載置して保管する方法において、保管のために親パレットに子パレットを載置する、または、子パレットの搬出のために親パレットから子パレットを離間させる際に、フォークにより子パレットを保持する必要がある。
【0006】
上記のように、子パレットの開口の形状は種類毎に異なっているため、子パレットを保持するフォークの形態(例えば、フォークのピッチ)が特定の子パレットにのみ対応するものであると、当該子パレットとは開口の形態が異なる他の子パレットを保持できなくなる。
つまり、フォークの形態が特定の子パレットにのみ対応するものである場合、親パレットに載置して保管できる子パレットの種類が限られる。
【0007】
本発明の目的は、子パレットを親パレットに載置して保管するシステムにおいて、多種類の子パレットを保管可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る保管システムは、荷を支持し外形が複数種類ある支持部材を、保管用の保管部材に載置して保管するシステムである。保管システムは、保持装置と、第1搬送装置と、取得部と、昇降部と、制御部と、を備える。
保持装置は、支持部材を保持する一対の保持部を有し、支持部材の一対の開口部に対して一対の保持部をそれぞれ進退させる進退動作を行う。
第1搬送装置は、支持部材を保持装置に対して搬送する。
取得部は、第1搬送装置により搬送される支持部材の外形情報を取得する。
昇降部は、昇降動作により、保持装置において支持部材又は保管部材が載置される載置部と、保持部により保持される支持部材とを接近、又は離間させる。
制御部は、取得部により取得される外形情報に基づき、一対の保持部の間隔を変更するように制御する。さらに、保持部を進出させ、次に昇降部により載置部から支持部材を離間させるように制御する。
【0009】
上記の保管システムでは、制御部が、取得部にて取得した各支持部材の外形情報に基づいて、一対の保持部の間隔を変更している。その結果、一対の保持部により一対の開口部の間隔が異なる複数種類の支持部材を保持可能となる。
これにより、上記の保管システムにおいて、多種類の支持部材を保管部材に載置し、又は、保管部材から当該支持部材を離間可能となるので、多種類の支持部材を保管し搬出できる。
【0010】
制御部は、取得部により取得される外形情報に基づき、一対の保持部を一対の開口部に対して進出させる前に、昇降部の昇降量を制御してもよい。
これにより、一対の開口部の位置が高さ方向に異なる複数種類の支持部材を一対の保持部で支持できるので、多種類の支持部材を保管し搬出できる。
【0011】
上記の保管システムは、供給部をさらに備えてもよい。供給部は、外形が異なる第1保管部材及び第2保管部材を、保管部材として保持装置に対して供給する。
この場合、取得部により取得される外形情報には、支持部材を第1保管部材と第2保管部材のいずれか一方に載置することを示す分類情報が関連付けられている。
また、制御部は、取得部により取得される外形情報に基づき、第1保管部材と第2保管部材のいずれか一方を保持装置に保持される支持部材の直下に搬送するように供給部を制御する。
これにより、支持部材の大きさに基づいて保管部材を選択できるので、保管スペースの保管密度を向上できる。
【0012】
上記の保管システムは、第2搬送装置をさらに備えてもよい。第2搬送装置は、支持部材を載置した保管部材を第1方向における一方に搬送する。
この場合、保持装置は、支持部材が第1搬送装置により第1方向における他方から搬送され、支持部材の一対の開口部に対して一対の保持部を第2方向に進退させる進退動作を行う。
また、供給部は、保持装置に対して第2方向から保管部材を搬送する。
さらに、制御部は、保持装置により支持部材を保管部材に積みつけるように制御するのと併行して、第1搬送装置及び供給部において支持部材及び保管部材を待機させるように制御する。
このように、異なる箇所で次に積みつける支持部材と、当該支持部材を載置する保管部材とを準備することで、効率を向上できる。また、保管部材の供給方向を、支持部材及び支持部材を載置した保管部材の移動方向と異ならせることができる。
【0013】
第1搬送装置により搬送された支持部材を保持装置において位置決めを行う際、制御部は、取得部により取得された外形情報に基づき、当該支持部材の第1方向の先端が載置部の所定の位置における第1方向の中心位置に到達後、さらに、当該支持部材を当該支持部材の第1方向における長さの半分の距離だけ移動するように保持装置を制御してもよい。
これにより、支持部材の大きさによらず、支持部材の載置部に対する位置決めを適切に実行できる。
【0014】
保持装置は、回転部をさらに有してもよい。回転部は、保持部により保持された支持部材を水平方向において90度回転させる。
この場合、制御部は、取得部により取得される外形情報に基づき、保持部により保持される支持部材を回転させるように回転部を制御する。
これにより、一対の開口部に対して保持部が進退可能な方向が限られている支持部材を保管部材から離間させるときに、当該支持部材を保管システムから搬出する際にフォークリフトなどの搬出装置により支持部材を保持しやすい方向とできる。
【発明の効果】
【0015】
支持部材を保管部材に載置して保管するシステムにおいて、支持部材の一対の開口部に対して進退する一対の保持部の間隔を可変とすることで、一対の開口部の間隔が異なる複数種類の支持部材を一対の保持部により保持できる。その結果、上記の保管システムは、多種類の支持部材を保管部材に載置可能となるので、多種類の支持部材を保管できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】第1実施形態に係るセット装置の構成を示す図。
【
図4】子パレットを一対のフォークで保持した状態の一例を示す図。
【
図5】第3コンベヤにおける位置決め部材及びセンサの配置を示す図。
【
図7】第1実施形態に係るリセット装置の構成を示す図。
【
図8】子パレットの搬入動作を示すフローチャート。
【
図9】第3コンベヤによる子パレットの搬入動作を模式的に示す図。
【
図10A】子パレットを親パレットに載置する動作を模式的に示す図(その1)。
【
図10B】子パレットを親パレットに載置する動作を模式的に示す図(その2)。
【
図11】子パレットの搬出動作を示すフローチャート。
【
図12】リセット装置において、一対のフォークにて保持した子パレットを90度回転させる様子を模式的に示す図。
【
図13】第2実施形態に係る搬入設備の構成を示す図。
【
図14】第2実施形態に係る位置決め部材の配置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.第1実施形態
(1)保管システムの全体構成
以下、第1実施形態に係る保管システム100について説明する。まず、
図1を用いて、保管システム100の全体構成を説明する。
図1は、保管システム100の全体構成を示す図である。
保管システム100は、荷が載置(支持)されたパレットを保管するためのシステムである。荷が載置されたパレットには、大きさ、形状等が異なる複数種類(例えば、64種類)がある。そのため、保管システム100では、この多種類のパレットを共通の大きさのパレットに載置して保管する。
以後、荷が載置されたパレット(支持部材の一例)を「子パレットP1」と呼び、子パレットを載置するパレット(保管部材の一例)を「親パレットP2」と呼ぶことにする。
【0018】
子パレットP1又は子パレットP1に載置された荷には、子パレットP1に関する情報が記憶されたRFIDタグ、QRコード(登録商標)などが取り付けられている。当該子パレットP1に関する情報は、例えば、子パレットP1の識別番号である。
その他、子パレットP1に取り付けられた上記タグ(例えば、RFIDタグ)に、子パレットP1の外形情報が記憶されていてもよい。外形情報には、子パレットP1の大きさに関する情報、一対の開口Oの間隔に関する情報などが含まれる。
【0019】
子パレットP1には、保持装置46(
図3)の一対のフォーク48(
図4)が進退可能な一対の開口O(
図4)が設けられる。
なお、親パレットP2にも同様に、親パレットP2を搬送するスタッカクレーン又はフォークリフトなどのフォークを進退可能とする開口が設けられている。
【0020】
図1に示すように、保管システム100は、保管設備1と、搬入設備3と、搬出設備5と、制御部7と、を備える。
保管設備1は、子パレットP1を親パレットP2に載置して保管するための設備である。保管設備1は、例えば、親パレットP2を載置するラックと、搬入設備3から搬送されてきた親パレットP2を搬送しラックに移載し、及び、搬出設備5へ搬送するためにラックから親パレットを受け取って搬送するスタッカクレーンなどを有する自動倉庫である。
その他、保管設備1は、フォークリフトなどにより搬入設備3からラックへ親パレットP2を搬送/移載し、及び、ラックから親パレットP2を受け取り、搬出設備5へ搬送する設備であってもよい。この場合、保管設備1は、ラックに親パレットP2を載置して保管するものであってもよい。その他、保管設備1において、床面に親パレットP2を載置して保管してもよい。
【0021】
搬入設備3は、保管設備1にて保管する子パレットP1を親パレットP2に載置して、保管設備1へ搬入するための設備である。
搬出設備5は、保管設備1にて保管していた子パレットP1を載置した親パレットP2から、当該親パレットP2を取り外し、子パレットP1を搬出するための設備である。
搬入設備3及び搬出設備5の構成については、後ほど詳しく説明する。
【0022】
制御部7は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。
図1に示すように、制御部7には、搬入設備3及び搬出設備5が接続されている。
制御部7は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
【0023】
制御部7は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
制御部7の一部又は全ての機能が、制御部7を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、制御部7の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
【0024】
制御部7は、上記の子パレットP1を識別するための識別番号と、対応する子パレットP1の外形に関する情報(外形情報と呼ぶ)と、を結びつけて記憶装置に記憶している。識別番号は、例えば、子パレットP1のID番号である。
制御部7は、第1取得部34(後述)により読み取った子パレットP1の識別情報を受信し、受信した識別情報に基づいて、搬入設備3にて搬入しようとしている、及び、搬出設備5にて搬出しようとしている子パレットP1の外形情報を検索する。
制御部7は、受信した識別情報に関連付けられた外形情報に基づいて、搬入設備3及び搬出設備5の制御方法を決定する。
なお、第1取得部34及び第2取得部54が外形情報を読み取って送信した場合には、上記の外形情報の検索は省略される。
【0025】
(2)搬入設備の構造
以下、
図2を用いて、保管システム100に備わる搬入設備3の構成を説明する。
図2は、第1実施形態に係る搬入設備3の概略平面図である。なお、
図2の左右方向が、第1水平方向であり矢印Xで示されている。また、
図2の上下方向が、第2水平方向であり矢印Yで示されている。以後、特記しない限り、図における方向の定義は、上記に従うものとする
【0026】
搬入設備3は、外部から搬送されてきた荷を載置した子パレットP1に、親パレットP2を載置し、子パレットP1を載置した親パレットP2を、保管設備1に向けて搬送する設備である。
図2に示すように、搬入設備3は、第1コンベヤ31(第1搬送装置の一例)と、第2コンベヤ32(第2搬送装置の一例)と、パレット供給装置33(供給部の一例)と、第1取得部34と、セット装置35と、を備える。
【0027】
第1コンベヤ31は、搬入設備3において、セット装置35に対して第1水平方向(第1方向の一例)上流側(図左側)(第1方向の他方の一例)に配置されている。また、第1コンベヤ31は、例えば、保管システム100外の図示しないステーションなどに接続されており、荷を載置した子パレットP1を当該第1水平方向の下流方向(図右方向)に移動させることで、子パレットP1をステーションからセット装置35に向けて搬送する。なお、第1コンベヤ31は、ローラコンベヤであるが、他のコンベヤであってもよい。
【0028】
また、第1コンベヤ31にて子パレットP1を搬送する際、子パレットP1は、その中心が第1コンベヤ31のY方向(第2水平方向)の所定位置に位置合わせされた状態となる。本実施形態においては、子パレットP1の中心と第1コンベヤ31の第2水平方向の中心とが一致するよう位置合わせされる。
この位置合わせは、例えば、第1コンベヤ31の搬送面から突出する位置決め部材により実現されてもよいし、センサによる測定結果に基づき第1コンベヤ31の搬送方向を変化させ調整させてもよいし、さらに、側方から子パレットP1を押し出す押出部材により実現されてもよい。
【0029】
第2コンベヤ32は、搬入設備3において、セット装置35に対して第1水平方向下流側(図右側)(第1方向における一方の一例)に配置されている。また、第2コンベヤ32は、保管設備1に接続されており、子パレットP1を載置した親パレットP2を、第1水平方向の下流方向に移動させることで、セット装置35から保管設備1に向けて搬送する。なお、第2コンベヤ32は、ローラコンベヤであるが、他のコンベヤであってもよい。
【0030】
パレット供給装置33は、搬入設備3において、セット装置35に対して第2水平方向の片側(
図2の上側)に設けられる。パレット供給装置33は、空の親パレットP2をセット装置35に供給する装置である。
【0031】
図2に示すように、パレット供給装置33は、パレット供給コンベヤ41と、パレット搬送コンベヤ42と、を有する。
パレット供給コンベヤ41は、パレット搬送コンベヤ42と接続され、パレット搬送コンベヤ42近傍にストックした親パレットP2を、パレット搬送コンベヤ42に供給する。
なお、パレット供給コンベヤ41は、ローラコンベヤであるが、他のコンベヤであってもよい。
【0032】
パレット搬送コンベヤ42は、親パレットP2を、第2水平方向(第2方向の一例)に搬送することで、セット装置35に搬送する。本実施形態において、パレット搬送コンベヤ42により搬送された親パレットP2は、セット装置35のフォーク48の下方を通過してセット装置35中に搬送される。また、フォーク48が子パレットP1を支持して上昇することにより、セット装置35に搬送された親パレットP2とフォーク48とは干渉しない。
パレット搬送コンベヤ42は、例えばローラコンベヤである。なお、パレット搬送コンベヤ42の一部には、転換機が設けられていてもよい。
【0033】
パレット搬送コンベヤ42のパレット供給コンベヤ41と接続された側とは第1水平方向の反対側には、ストッパ43が設けられている。ストッパ43は、パレット供給コンベヤ41から供給された親パレットP2と当接することで、親パレットP2の中心を、パレット搬送コンベヤ42の第1水平方向の中心に位置合わせするとともに、セット装置35において親パレットP2が載置されるべき位置の中心に位置合わせする部材である。
【0034】
第1取得部34は、子パレットP1又は荷に取り付けられたRFIDタグ、QRコード(登録商標)などに示される情報を読み取って、制御部7に送信する装置である。このRFIDタグ、QRコード(登録商標)などは、子パレットP1を識別するための識別情報を表すものである。
第1取得部34は、第1コンベヤ31の第1水平方向の上流側に配置される。第1取得部34は作業端末であり、例えば、RFIDタグのリーダー、QRコード(登録商標)のリーダーなどである。その他、第1取得部34は、ハンドヘルド型の携帯端末であってもよい。
【0035】
作業端末である第1取得部34のユーザは、第1取得部34を用いて、子パレットP1の搬送を搬入設備3に対して指示する。セット装置35は、当該指示により動作を開始する。
【0036】
(3)セット装置
セット装置35は、パレット搬送コンベヤ42にて搬送された親パレットP2に、第1コンベヤ31により搬送された子パレットP1を積み付ける装置である。
以下、
図2~
図5を用いて、セット装置35の具体的な構成を説明する。
図3は、第1実施形態に係るセット装置35の構成を示す図である。
図4は、子パレットP1を一対のフォーク48で保持した状態の一例を示す図である。
図5は、第3コンベヤ47における位置決め部材及びセンサの配置を示す図である。
なお、
図3の左右方向が、第2水平方向であり矢印Yで示されている。また、
図3の上下方向が、高さ方向であり矢印Zで示されている。
【0037】
セット装置35は、本体フレーム44と、昇降部45と、一対の保持装置46と、第3コンベヤ47(載置部の一例)と、を主に有する。
本体フレーム44は、セット装置35の本体である。本体フレーム44には、内部空間SP1が形成されている。また、本体フレーム44の第1水平方向及び第2水平方向の側面は逆U字形状となっており、第1コンベヤ31にてセット装置35近傍まで搬送された子パレットP1、及び、パレット搬送コンベヤ42にてセット装置35近傍まで搬送された親パレットP2を、本体フレーム44の内部に導入可能となっている。
【0038】
昇降部45は、本体フレーム44の内部空間SP1内に入れ子状に収容された、逆U字形の部材である。逆U字形状を有することで、昇降部45は、第1コンベヤ31により搬送されてきた荷を載置した子パレットP1を収納する内部空間SP2を形成する。
また昇降部45は、モータ49の駆動により、本体フレーム44の内部空間SP1内において、高さ方向に昇降可能となっている。
【0039】
一対の保持装置46のそれぞれは、一対のフォーク48(保持部の一例)を有し、このフォーク48により子パレットP1を保持する装置である。具体的には、一つの保持装置46において、X方向(第1水平方向)に所定の間隔を空けてフォーク48が2つ並んで設けられている。
図4に示すように、保持装置46は、Y方向(第2水平方向)に移動することで、子パレットP1の一対の開口Oに対して一対のフォーク48を進入させることで、子パレットP1を保持できる。
また、保持装置46は、制御部7の制御により、一対のフォーク48のX方向における間隔を可変である。制御部7の制御により一対のフォーク48のX方向における間隔が可変であることにより、外形及び開口Oの間隔が異なる多種類の子パレットP1を保持できる。
【0040】
さらに、各保持装置46は、昇降部45の第1水平方向の両端下部に固定され、昇降部45の昇降動作により、高さ方向に昇降可能である。これにより、昇降部45は、昇降動作により、保持装置46が一対のフォーク48を用いて保持した子パレットP1を、第3コンベヤ47に対して接近又は離間できる。
【0041】
第3コンベヤ47は、本体フレーム44の内部空間SP1の下部に配置されており、第1コンベヤ31にてセット装置35近傍に搬送された子パレットP1、及び、パレット搬送コンベヤ42にてセット装置35近傍に搬送された親パレットP2を、本体フレーム44の内部空間SP1に導き入れるコンベヤである。
また、セット装置35にて子パレットP1を親パレットP2に載置後、第3コンベヤ47は、子パレットP1を載置した親パレットP2を、第2コンベヤ32に送出する。第3コンベヤ47は、例えば、ローラコンベヤである。なお、第3コンベヤ47の一部に転換機が設けられていてもよい。
【0042】
なお、第1コンベヤ31/第2コンベヤ32の搬送面の高さと、パレット供給装置33のパレット搬送コンベヤ42の搬送面の高さが異なっている場合、第3コンベヤ47は、搬送面を昇降し、子パレットP1をセット装置35に搬入する際には、第3コンベヤ47のX方向の搬送面を第1コンベヤ31の搬送面と一致させ、親パレットP2をセット装置35に搬入する際には、第3コンベヤ47のY方向の搬送面をパレット搬送コンベヤ42の搬送面と一致させるようにしてもよい。
また、この場合、子パレットP1を載置した親パレットP2を第2コンベヤ32にて搬送するとき、第3コンベヤ47のX方向の搬送面を第2コンベヤ32の搬送面と一致させる。
【0043】
図5に示すように、第3コンベヤ47には、親パレットP2が第3コンベヤ47に搬送されてきたときに第3コンベヤ47の搬送面から突出する、第1位置決め部材61と第2位置決め部材62が設けられている。
【0044】
第1位置決め部材61は、第3コンベヤ47の第2水平方向の所定位置(
図5に示す例では、中心位置C2)から、親パレットP2の第2水平方向の長さd
2の半分の距離(d
2/2)だけ第2水平方向の一方にずれた位置に2つ、他方にずれた位置に2つ設けられる。
本実施形態においては、第1位置決め部材61は、第3コンベヤ47の第2水平方向の中心位置C2から、長さd
2の半分の距離だけ第2水平方向にずれた位置に設けられている。
【0045】
一方、第2位置決め部材62は、第3コンベヤ47の第1水平方向の所定位置(
図5に示す例では、中心位置C1)から、親パレットP2の第1水平方向の長さd
1の半分の距離(d
1/2)だけ第1水平方向に一方にずれた位置に1つ、他方のずれた位置に1つ設けられる。
【0046】
第1位置決め部材61及び第2位置決め部材62が上記のように配置されることにより、パレット搬送コンベヤ42により搬送されてきた親パレットP2が、これらの位置決め部材に当接して停止し、第1水平方向においては親パレットP2の中心と第3コンベヤ47の所定位置とが一致した状態で位置決めされ、第2水平方向においては親パレットP2の中心と第3コンベヤ47の所定位置とが一致した状態で位置決めされる。
本実施形態では、親パレットP2の中心と第3コンベヤ47の第2水平方向の中心位置C2とが一致した状態で、親パレットP2が第3コンベヤ47に対して位置決めされる。
【0047】
なお、親パレットP2が第3コンベヤ47の壁などに当接することで親パレットP2の中心を第2水平方向において第3コンベヤ47の所定位置に位置決めできるのであれば、第1位置決め部材61はなくてもよい。
また、ストッパ43により親パレットP2の中心を第1水平方向において第3コンベヤ47の所定位置と一致するよう位置決めできるのであれば、第2位置決め部材62はなくてもよい。
【0048】
また、後述するように、子パレットP1も、第2水平方向においてはその中心が第3コンベヤ47の上記と同じ所定位置(例えば、第3コンベヤ47の中心位置C2)に位置決めされ、第1水平方向においてはその中心が第3コンベヤ47の所定位置(例えば、中心位置C1)と一致するよう位置決めされた状態でセット装置35に搬入される。
これにより、親パレットP2に子パレットP1を載置する際に、親パレットP2の中心と子パレットP1の中心とを一致させて載置できる。その結果、子パレットP1を載置した親パレットP2の重心がその中心に存在するようになるので、子パレットP1を親パレットP2に安定して載置できる。
【0049】
さらに、第3コンベヤ47には、センサ63が設けられている。センサ63は、子パレットP1の第1水平方向の先端が第3コンベヤ47の第1水平方向の中心位置C1を通過したか否か検知する装置である。従って、センサ63は、第3コンベヤ47の第1水平方向の中心位置C1であり、かつ、第2水平方向外側に離れて設けられている。
具体的には、センサ63は、第3コンベヤ47の第1水平方向の中心位置C1に設けられ、第2水平方向に離れた投光部と受光部を有する透過型光電センサである。
上記投光部及び受光部は、第3コンベヤ47のX方向の搬送面から高さ方向にわずかに上の位置に設けられ、子パレットP1が第3コンベヤ47の上記所定位置を通過するときに、投光部から出力される光が受光部にて受光されなくなる。
【0050】
また、子パレットP1をセット装置35に搬入するとき、第3コンベヤ47のX方向の搬送面は、パレット搬送コンベヤ42の搬送面よりも下に位置しており、センサ63が第3コンベヤ47のX方向の搬送面よりも上方向において露出されている。
その一方、親パレットP2をセット装置35に搬入するときには、第3コンベヤ47のY方向の搬送面がX方向の搬送面よりも上昇することにより、パレット搬送コンベヤ42の搬送面と第3コンベヤ47のY方向の搬送面とがほぼ一致し、かつ、センサ63が第3コンベヤ47のY方向の搬送面よりも下に配置される状態となる。
【0051】
これにより、第3コンベヤ47のX方向の搬送面をパレット搬送コンベヤ42の搬送面よりも下に位置させた状態で子パレットP1をセット装置35に搬入する際に、センサ63は、例えば、子パレットP1が第3コンベヤ47の所定位置に存在しないときにON状態(投光部からの光を受光部が受光している状態)になり、子パレットP1が第3コンベヤ47の所定位置を通過中にOFF状態(投光部からの光を受光部が受光していない状態)になる。
その一方、親パレットP2をセット装置35に搬入する際には、親パレットP2とセンサ63とが干渉することがなくなる。
なお、センサ63の種類は特に限定されない。
【0052】
(4)搬出設備の構成
次に、
図6を用いて、子パレットP1を保管設備1から保管システム100外に排出する搬出設備5の構成を説明する。
図6は、第1実施形態に係る搬出設備5の概略平面図である。
搬出設備5は、保管設備1から搬送されてきた子パレットP1を載置した親パレットP2から、親パレットP2を取り外し、子パレットP1のみを保管システム100外に向けて搬出する設備である。
図6に示すように、搬出設備5は、第4コンベヤ51A(第1搬送装置の一例)と、第5コンベヤ51B(第1搬送装置の一例)と、第6コンベヤ52(第2搬送装置の一例)と、パレット排出装置53と、第2取得部54と、リセット装置55と、を備える。
【0053】
第4コンベヤ51Aは、搬出設備5において、リセット装置55に対して第1水平方向上流側に配置され、保管設備1に接続されている。
第4コンベヤ51Aは、保管設備1に保管されていた子パレットP1を載置した親パレットP2を、第1水平方向の下流方向(図右方向)に移動させることで、当該親パレットP2を、保管設備1から第5コンベヤ51Bに向けて搬送する。なお、第4コンベヤ51Aは、ローラコンベヤであるが、他のコンベヤであってもよい。
【0054】
第5コンベヤ51Bは、第4コンベヤ51Aに対して第1水平方向下流側に配置されることで、第4コンベヤ51Aと接続されている。第5コンベヤ51Bは、第4コンベヤ51Aにより搬送されてきた親パレットP2を、リセット装置55に向けて搬送する。なお、第5コンベヤ51Bは、一部が転換機となったローラコンベヤであるが、他のコンベヤであってもよい。
【0055】
また、第5コンベヤ51Bは、第2水平方向に移動可能となっている位置決めストッパ511と、ガイド513(後述)と、を有する。
位置決めストッパ511は、当該ストッパに当接した親パレットP2の中心を、第6コンベヤ52の第2水平方向の所定位置に位置合わせする。その後、この親パレットP2が第5コンベヤ51Bにより第1水平方向に搬送されることで、親パレットP2が第6コンベヤ52に対して適切に位置合わせされた状態で、リセット装置55に搬入される。
本実施形態では、位置決めストッパ511により、親パレットP2の中心と第5コンベヤ51Bの第2水平方向の中心位置C2とが一致するよう位置合わせされる。
位置決めストッパ511に親パレットP2を当接させる際には、第5コンベヤ51Bが、親パレットP2を、これらのストッパ又はガイドに向けて第2水平方向に移動させる。
【0056】
上記の位置合わせは、上記の位置決めストッパ511以外にも、例えば、センサによる測定結果に基づき第5コンベヤ51Bの搬送方向を変化させ調整させてもよいし、さらに、側方から子パレットP1を押し出す押出部材により実現されてもよい。
【0057】
上記のように、位置決めストッパ511が第2水平方向に移動可能となっていることにより、任意の大きさの親パレットP2の第2水平方向の位置決めをすることができる。
【0058】
第6コンベヤ52は、その始端が第5コンベヤ51Bの終端に近接し、リセット装置55を貫通して第1水平方向下流側に延びるコンベヤである。第6コンベヤ52は、保管システム100外のステーションなどに接続され、親パレットP2を取り外した子パレットP1を、第1水平方向の下流方向に移動させて、リセット装置55から保管システム100外のステーションなどに向けて搬出する。なお、第6コンベヤ52は、ローラコンベヤであるが、他のコンベヤであってもよい。
【0059】
パレット排出装置53は、搬出設備5において、リセット装置55に対して第2水平方向の片側(
図6の上側)に設けられる。パレット排出装置53は、子パレットP1を取り外した空の親パレットP2を、リセット装置55から排出する装置である。
なお、パレット排出装置53は、ローラコンベヤであるが、他のコンベヤであってもよい。
【0060】
第2取得部54は、子パレットP1又は荷に取り付けられたRFIDタグ、QRコード(登録商標)などに示される情報を読み取って、制御部7に送信する装置である。第2取得部54は、第4コンベヤ51Aの第1水平方向の上流側に配置される。第2取得部54は、例えば、作業端末であり、RFIDタグのリーダー、QRコード(登録商標)のリーダーなどである。その他、第2取得部54は、ハンドヘルド型の携帯端末であってもよい。
【0061】
(5)リセット装置
リセット装置55は、第5コンベヤ51Bにより搬送された子パレットP1を載置した親パレットP2から親パレットP2を取り外す装置である。
以下、
図7を用いて、リセット装置55の具体的な構成を説明する。
図7は、第1実施形態に係るリセット装置55の構成を示す図である。
なお、
図7の左右方向が、第2水平方向であり矢印Yで示されている。また、
図7の上下方向が、高さ方向であり矢印Zで示されている。
【0062】
リセット装置55は、本体フレーム71と、昇降部72と、一対の保持装置73と、回転機構75(回転部の一例)と、を主に有する。
本体フレーム71、昇降部72、及び、保持装置73は、それぞれ、上記にて説明したセット装置35の本体フレーム44、昇降部45、及び、保持装置46と実質的に同一の構成及び機能を有する。従って、これらの構成要素の説明は、ここでは省略する。
【0063】
回転機構75は、その下部において昇降部72をZ軸回りに回動可能に支持している。回転機構75は、図示しないモータなどの駆動手段により、昇降部72を本体フレーム71に対して回転させる。
一方、回転機構75の上部は、高さ方向に延びる昇降軸76に支持されている。回転機構75は、例えばモータ77の駆動により、昇降軸76に沿って昇降可能となっている。回転機構75の昇降に従って、回転機構75に支持された昇降部72が高さ方向に昇降する。
【0064】
(6)保管システムの動作
上記の構成を有する保管システム100では、外部から搬入された子パレットP1を親パレットP2に載置して保管設備1に搬送することで、子パレットP1(に載置された荷)を親パレットP2に載置した状態で、保管設備1に保管できる。また、保管設備1に保管されていた親パレットP2に載置された子パレットP1から親パレットP2を取り外し、当該子パレットP1を外部に搬出できる。
以下、本実施形態に係る保管システム100における、子パレットP1を保管設備1に保管するために搬入する具体的な動作、及び、保管設備1に保管されていた(親パレットP2に載置された)子パレットP1を搬出する具体的な動作について説明する。
【0065】
(6-1)子パレットの搬入動作
まず、
図8~
図10Bを用いて、保管システム100外から搬送されてきた子パレットP1を親パレットP2に載置して、保管設備1に搬入するまでの動作を説明する。
図8は、子パレットP1の搬入動作を示すフローチャートである。
図9は、第3コンベヤ47による子パレットP1の搬入動作を模式的に示す図である。
図10A~
図10Bは、子パレットP1を親パレットP2に載置する動作を模式的に示す図である。
【0066】
第1コンベヤ31により荷を載置した子パレットP1が外部から搬送されると、ステップS11において、第1取得部34が、搬送されてきた子パレットP1の識別情報を取得する。例えば、作業者が、第1取得部34を用いて、子パレットP1に取り付けられたRFIDタグ、QRコード(登録商標)などを読み取ることで、識別情報が取得される。取得された識別情報は、制御部7に送信される。
【0067】
子パレットP1の識別情報を受信した制御部7は、受信した識別情報に関連付けられた子パレットP1の外形情報を検索する。外形情報には、対応する子パレットP1の大きさに関する情報、一対の開口Oの間隔に関する情報などが含まれる。これにより、制御部7は、保管設備1に搬入しようとしている子パレットP1の外形を知ることができる。
なお、例えば、子パレットP1に取り付けられたタグに外形情報が記憶されている場合には、制御部7において外形情報を探索することなく、当該タグから読み取られた情報を外形情報として制御部7に送信してもよい。
外形情報が取得された子パレットP1は、第1コンベヤ31の待機位置まで搬送される。
【0068】
その後、ステップS12において、制御部7が第1コンベヤ31及び第3コンベヤ47を制御して、待機位置に存在する子パレットP1をセット装置35の昇降部45に搬入する。このステップでは、制御部7は、第1水平方向において、子パレットP1の中心と第3コンベヤ47の第1水平方向の所定位置とが一致するよう、子パレットP1の搬送を制御する。
具体的には、子パレットP1を内部空間SP2に搬入する間、制御部7は、子パレットP1の通過をセンサ63が検出したか否かを監視する。
図9の(1)に示すように、センサ63が子パレットP1の第1水平方向の先端の通過(センサ63がON状態からOFF状態へ変化したタイミング)を検出したら、制御部7は、子パレットP1を、子パレットP1の第1水平方向の辺の長さd
3の半分(d
3/2)の距離だけさらに移動させる。なお、子パレットP1の第1水平方向の辺の長さd
3は、ステップS11にて取得した外形情報に示されている。
【0069】
上記のような子パレットP1の搬送を行うことで、
図9の(2)に示すように、子パレットP1の大きさによらず、子パレットP1の中心を第3コンベヤ47の所定位置(
図9に示す例では、中心位置C1)に位置決めできる。その結果、子パレットP1の大きさによらず、一対のフォーク48にて子パレットP1を適切に保持できる。
なお、第2水平方向においては、子パレットP1の中心は、親パレットP2の中心が第2水平方向において位置決めされた所定位置(例えば、第3コンベヤ47の第2水平方向の中心位置C2)と同じ位置に位置決めされる。この位置決めは、子パレットP1を搬送する第1コンベヤ31において実行される。
【0070】
子パレットP1を内部空間SP2に搬入後、ステップS13において、制御部7は、ステップS11にて取得した外形情報に基づいて、一対のフォーク48の第1水平方向(X方向)における間隔を、内部空間SP2に搬入された子パレットP1の開口Oの間隔と一致させる。
また、制御部7は、外形情報に基づいて、昇降部45の高さ(昇降量)を調整して、一対のフォーク48の高さ方向の位置を、内部空間SP2に搬入された子パレットP1の開口Oの高さ方向の位置と一致させる。
【0071】
なお、上記のステップS12とステップS13は、同時に実行されてもよいし、ステップS12とステップS13との処理の順番が逆であってもよい。
【0072】
一対のフォーク48の間隔及び高さ位置を調整後、ステップS14において、制御部7は、一対のフォーク48を子パレットP1の一対の開口Oに挿入して、一対のフォーク48にて子パレットP1を保持する。
具体的には、最初に、
図10Aの(1)に示すように、制御部7は、保持装置46を駆動して、一対のフォーク48を第2水平方向(第2方向の一例)(Y方向)に移動させ、子パレットP1の一対の開口Oに進出させる。
次に、
図10Aの(2)に示すように、制御部7は、昇降部45を上昇させて、子パレットP1を第3コンベヤ47のX方向の搬送面から離間させる。
これにより、子パレットP1は、第3コンベヤ47のX方向の搬送面から離間した状態で、一対のフォーク48により保持された状態となる。
【0073】
子パレットP1を第3コンベヤ47のX方向の搬送面から離間して保持した状態で、制御部7は、ステップS15において、第3コンベヤ47のY方向の搬送面をX方向の搬送面よりも上昇させて、Y方向の搬送面とパレット搬送コンベヤ42の搬送面とを一致させ、セット装置35及びパレット供給装置33を制御して、この子パレットP1を載置するための親パレットP2を、第3コンベヤ47(セット装置35)に搬入させる(
図10Bの(3))。
このとき、第3コンベヤ47に設けられた第1位置決め部材61及び第2位置決め部材62が、第3コンベヤ47のY方向の搬送面から突出し、第1水平方向においては親パレットP2の中心と第3コンベヤ47の第1水平方向の所定位置が一致し、第2水平方向においては親パレットP2の中心が上記の所定位置と一致するよう、親パレットP2が位置決めされる。
【0074】
親パレットP2を第3コンベヤ47に載置後、制御部7は、ステップS16において、子パレットP1を一対のフォーク48にて保持した昇降部45を下降させ、第3コンベヤ47のX方向の搬送面をY方向の搬送面よりも下降させ、保持した子パレットP1を第3コンベヤ47のX方向の搬送面に接近させる。
当該子パレットP1が親パレットP2の載置面に到達したら、制御部7は、昇降部45の下降を停止し(
図10Bの(4))、一対のフォーク48を子パレットP1の開口Oから退出させる。このようにして、子パレットP1を親パレットP2に載置できる。
【0075】
上記のステップS13~S16を実行して子パレットP1を親パレットP2に積み付けるのに併行して、制御部7は、新たな子パレットP1を第1コンベヤ31により外部から搬送し、第1取得部34が当該新たな子パレットP1の外形情報を取得し、この新たな子パレットP1を第1コンベヤ31の待機位置まで搬送し当該位置で待機させる。
また、制御部7は、新たな親パレットP2を、パレット搬送コンベヤ42の第2水平方向の予め決められた位置(待機位置)に搬送し待機させる。
【0076】
このように、異なる箇所(第1コンベヤ31、パレット搬送コンベヤ42)で、次に積みつける子パレットP1と、当該子パレットP1を載置する新たな親パレットP2とを準備することで、効率を向上できる。
【0077】
セット装置35の内部で子パレットP1を親パレットP2に載置後、制御部7は、ステップS17において、第2コンベヤ32及び第3コンベヤ47を駆動して、子パレットP1を載置した親パレットP2を、保管設備1に向けて搬送する。
【0078】
子パレットP1を載置した親パレットP2を保管設備1に向けて搬送すると同時に、制御部7は、第1コンベヤ31及び第3コンベヤ47を駆動して、第1コンベヤ31の待機位置に存在する新たな子パレットP1を、昇降部45の内部空間SP2に搬入する。その後、子パレットP1の搬入を継続する間、上記ステップS11~S17が繰り返し実行される。
【0079】
上記の保管システム100では、制御部7が、第1取得部34にて取得した各子パレットP1の外形情報に基づいて、一対のフォーク48の間隔を変更している。その結果、保管システム100では、一対のフォーク48により、一対の開口Oの間隔が異なる複数種類の子パレットP1を保持可能となる。
これにより、子パレットP1を親パレットP2に載置して保管する保管システム100において、多種類の子パレットP1を親パレットP2に載置可能となるので、多種類の子パレットP1を保管設備1に保管できる。
【0080】
(6-2)子パレットの搬出動作
次に、
図11及び
図12を用いて、保管設備1に保管されていた親パレットP2から子パレットP1を積み降ろし、保管システム100外のステーションなどに搬出する動作について説明する。
図11は、子パレットP1の搬出動作を示すフローチャートである。
図12は、リセット装置55において、一対のフォーク78にて保持した子パレットP1を90度回転させる様子を模式的に示す図である。
【0081】
子パレットP1を載置した親パレットP2が、保管設備1から第4コンベヤ51Aにより搬送されると、ステップS21において、第2取得部54が、子パレットP1の識別情報又は外形情報を取得し、制御部7に送信する。
【0082】
その後、ステップS22において、制御部7が第4コンベヤ51A、第5コンベヤ51B、及び、第6コンベヤ52を制御して、親パレットP2をリセット装置55の昇降部72内に搬入する。
具体的には、まず、第4コンベヤ51Aが、外形情報を取得した子パレットP1を載置した親パレットP2を、第5コンベヤ51Bの待機位置に向けて搬送する。その後、第5コンベヤ51Bが、上記親パレットP2を第2水平方向に移動させることで、この親パレットP2を位置決めストッパ511又はガイド513に当接させる。
さらにその後、第5コンベヤ51Bにおいて待機位置に存在し、かつ、位置決めストッパ511又はガイド513に当接した親パレットP2が、第5コンベヤ51B及び第6コンベヤ52により昇降部72内に搬入される。
これにより、上記の親パレットP2は、その中心が第6コンベヤ52の第2水平方向の所定位置に位置合わせされた状態で、昇降部72内に搬入される。
【0083】
子パレットP1を載置した親パレットP2を昇降部72内に搬入後、ステップS23において、制御部7は、ステップS21にて取得した外形情報に基づいて、保持装置73の一対のフォーク78の間隔を子パレットP1の一対の開口Oの間隔と一致させ、昇降部72の高さ(昇降量)を調整し、一対のフォーク78の高さ方向の位置を子パレットP1の開口Oの高さ方向の位置と一致させる。
【0084】
一対のフォーク78の間隔及び高さ位置を調整後、ステップS24において、一対のフォーク78を一対の開口Oに対して進出させて子パレットP1を保持する。
その後、制御部7は、ステップS25において、昇降部72を上昇させることで、子パレットP1を親パレットP2から離間させる。
【0085】
子パレットP1を親パレットP2から離間後、制御部7は、ステップS26において、ステップS21にて取得した子パレットP1の外形情報に基づいて、一対のフォーク78にて保持した子パレットP1を90度回転させるか否かを判定する。
本実施形態の子パレットP1の種類には、フォークを進退可能な開口Oがその4つの側面に設けられ2方向からフォークを進退できる子パレットP1と、フォークを進退可能な開口Oがその2つの側面に設けられ1方向からのみフォークを進退できる子パレットP1と、が存在する。
1方向からのみフォークを進退できる子パレットP1の場合には特に、保管システム100から搬出後にコンテナ、トラック等に積み込む際、又は、コンテナ、トラック等から積み降ろす際に、子パレットP1のどの方向からフォークを挿入するかが異なっている。
【0086】
従って、本実施形態では、子パレットP1を保管システム100から搬出する際に、リセット装置55を用いて、子パレットP1の種類(特に、フォークを1方向からしか進退できない種類の子パレットP1)に応じて一対の開口Oの向きを予め決めておいて、その状態で子パレットP1を外部に搬出する。
なお、子パレットP1を90度回転させるか否かを示す情報は、外形情報に含まれる。
【0087】
具体的には、搬出する子パレットP1が開口Oの向きを変えて搬出すべきものと外形情報から認識されれば(ステップS26で「Yes」)、制御部7は、ステップS27において、
図12に示すように、回転機構75を駆動して昇降部72を90度回転させることで、一対のフォーク78にて保持した子パレットP1を90度回転させる。
その一方、子パレットP1を90度回転させる必要がないと外形情報から認識すれば(ステップS26で「No」)、子パレットP1を回転させることなく、子パレットP1の搬出動作は、ステップS28に進む。
【0088】
このようにして、本実施形態の保管システム100は、一対の開口Oに対してフォークが進退可能な方向が限られている子パレットP1を親パレットP2から離間させるときに、当該子パレットP1を保管システム100から搬出する際にフォークリフトなどの搬出装置により子パレットP1を保持しやすい方向とできる。
【0089】
その後、ステップS28において、制御部7は、第6コンベヤ52及びパレット排出装置53を駆動して、子パレットP1が載置されていない空の親パレットP2を、第6コンベヤ52の搬送面から排出する。
【0090】
空の親パレットP2を排出後、制御部7は、ステップS29において、昇降部72を下降して、一対のフォーク78にて保持している子パレットP1を、第6コンベヤ52の搬送面に載置する。
【0091】
なお、上記のステップS23~S29を実行して子パレットP1を親パレットP2から積み降ろすのと併行して、第4コンベヤ51A及び第5コンベヤ51Bにより新たな子パレットP1を載置した親パレットP2を保管設備1から搬送し、第2取得部54が当該新たな子パレットP1の外形に関する情報(外形情報)を読み取り、その後、この新たな子パレットP1を載置した親パレットP2を、第5コンベヤ51Bの待機位置まで搬送し、位置決めストッパ511又はガイド513によりこの親パレットP2の位置決めをした状態で、当該待機位置で待機させる。
【0092】
子パレットP1を第6コンベヤ52の搬送面に載置後、制御部7は、ステップS30において、第6コンベヤ52を駆動して、子パレットP1を保管システム100外に搬出する。
【0093】
子パレットP1を外部に搬出すると同時に、制御部7は、第5コンベヤ51Bを駆動して、第5コンベヤ51Bの待機位置に存在する新たな親パレットP2を、昇降部72の内部に搬入する。その後、子パレットP1の搬出を継続する間、上記ステップS21~S30が繰り返し実行される。
【0094】
2.第2実施形態
上記の第1実施形態においては、保管システム100にて使用される親パレットP2は1種類に限られていたが、これに限られず、子パレットP1を載置するために複数種類の親パレットP2を使用してもよい。
第2実施形態に係る保管システム200では、例えば、外形が異なる2種類の親パレットP2として、平面視で長方形の第1親パレットP21(第1保管部材の一例)と、平面視で正方形であり第1親パレットP21よりも小さい第2親パレットP22(第2保管部材の一例)とを使用する。
【0095】
以下、第2実施形態に係る保管システム200の構成を説明する。保管システム200は、搬入設備(第2実施形態の搬入設備を「搬入設備3’」と呼ぶ)の構成が異なるのみで、他の構成要素の構成及び機能は、第1実施形態と同じである。
従って、以下、
図13及び
図14を用いて、第2実施形態に係る搬入設備3’の構成を説明する。
図13は、第2実施形態に係る搬入設備3’の構成を示す図である。
図14は、第2実施形態に係る位置決め部材の配置を示す図である。
【0096】
図13に示すように、搬入設備3’は、親パレットP2毎に、対応する2つのパレット供給コンベヤ41A、41Bと、対応する2つのストッパ43A、43Bと、を有する。また、
図14に示すように、第3コンベヤ47には、親パレットP2毎に、対応する2種類の第1位置決め部材61A、61B、及び、第2位置決め部材62A、62Bが設けられる。
なお、外形が大きい第1親パレットP21については、第3コンベヤ47の壁などに当接することで第1親パレットP21の中心を第2水平方向において第3コンベヤ47の所定位置に位置決めできるのであれば、第1親パレットP21用の第1位置決め部材61Aはなくてもよい。
また、ストッパ43Aにより第1親パレットP21の中心を第1水平方向において第3コンベヤ47の所定位置と一致するよう位置決めできるのであれば、第2位置決め部材62Aはなくてもよい。
【0097】
また、ストッパ43Bにより第2親パレットP22の中心を第1水平方向において第3コンベヤ47の所定位置と一致するよう位置決めできるのであれば、第2親パレットP22用の第2位置決め部材62Bはなくてもよい。
【0098】
さらに、第2実施形態においては、第1取得部34(及び第2取得部54)にて取得される外形情報には、子パレットP1の外形に関する情報のみでなく、子パレットP1を第1親パレットP21と第2親パレットP22のいずれか一方に載置することを示す分類情報が含まれる。
【0099】
また、搬出設備5において、子パレットP1を載置した第1親パレットP21又は第2親パレットP22を保管設備1からリセット装置55に搬入する際には、外形の大きい第1親パレットP21は、第5コンベヤ51Bのガイド513に当接することで、第2水平方向において位置決めされる。一方、外形が小さい第2親パレットP22は、位置決めストッパ511に当接することで、第2水平方向において位置決めされる。
【0100】
なお、保管システム200のその他の構成及び機能は、第1実施形態の対応する構成要素の構成及び機能と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0101】
次に、上記の構成を有する第2実施形態に係る保管システム200の動作を簡単に説明する。
上記の第1実施形態において説明したステップS15の実行時、すなわち、第3コンベヤ47(セット装置35)に親パレットP2を搬入するときに、制御部7は、第1取得部34により取得された識別情報に関連付けられた分類情報に基づき、第1親パレットP21と第2親パレットP22のいずれかを決定し、搬送すると決定した親パレットP2に対応するパレット供給コンベヤ41A、41Bを駆動する。
これにより、子パレットP1の種類(外形)に基づいて決定した第1親パレットP21又は第2親パレットP22のいずれかが、第3コンベヤ47(セット装置35)に搬入される。
【0102】
上記の構成及び機能を有することにより、第2実施形態に係る保管システム200では、子パレットP1の大きさに基づいて親パレットP2(第1親パレットP21、第2親パレットP22)を選択できるので、保管設備1の保管スペースの保管密度を向上できる。
例えば、小さな子パレットP1を無駄に大きな親パレットP2ではなく、小さな子パレットP1を十分に載置できる大きさの小さな親パレットP2に載置することで、保管密度を向上できる。
【0103】
3.実施形態の共通事項
上記第1~第2実施形態は、下記の構成及び機能を共通に有している。
第1実施形態及び第2実施形態に係る保管システム(例えば、保管システム100、200)は、荷を支持し外形が複数種類ある支持部材(例えば、子パレットP1)を、保管用の保管部材(例えば、親パレットP2、第1親パレットP21、第2親パレットP22)に載置して保管するシステムである。保管システムは、保持装置(例えば、保持装置46、73)と、第1搬送装置(例えば、第1コンベヤ31、第4コンベヤ51A、第5コンベヤ51B)と、取得部(例えば、第1取得部34、第2取得部54)と、昇降部(例えば、昇降部45、72)と、制御部(例えば、制御部7)と、を備える。
保持装置は、支持部材を保持する一対の保持部(例えば、一対のフォーク48、78)を有し、支持部材の一対の開口部(例えば、一対の開口O)に対して一対の保持部をそれぞれ進退させる進退動作を行う。
第1搬送装置は、支持部材を保持装置に対して搬送する。
取得部は、第1搬送装置により搬送される支持部材の外形情報を取得する。
昇降部は、昇降動作により、保持装置において支持部材又は保管部材が載置される載置部(例えば、第3コンベヤ47、第6コンベヤ52)と、保持部により保持される支持部材とを接近、又は離間させる。
制御部は、取得部により取得される外形情報に基づき、一対の保持部の間隔を変更するように制御する。さらに、保持部を進出させ、次に昇降部により載置部から支持部材を離間させるように制御する。
【0104】
上記の保管システムでは、制御部が、取得部にて取得した各支持部材の外形情報に基づいて、一対の保持部の間隔を変更している。その結果、一対の保持部により一対の開口部の間隔が異なる複数種類の支持部材を保持可能となる。
これにより、上記の保管システムにおいて、多種類の支持部材を保管部材に載置し、又は、保管部材から当該支持部材を離間可能となるので、多種類の支持部材を保管し搬出できる。
【0105】
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
図8及び
図11を用いて説明した子パレットP1の搬入動作及び搬出動作における各ステップについて、発明の要旨を逸脱しない範囲で処理内容を適宜変更してもよいし、各ステップの実行の順番を適宜変更してもよい。
(A)外形情報を取得する取得部(第1取得部34、第2取得部54)は、作業端末に限られず、自動で外形情報を取得する装置であってもよい。
また、第1取得部34及び/又は第2取得部54は、RFIDタグのリーダー、QRコード(登録商標)のリーダー以外であってもよい。例えば、これら取得部は、表示装置であってもよい。この場合、取得部としての表示装置は、当該表示装置の制御部から、指定の子パレットP1に荷を載置する指示を出力する。
荷を子パレットP1に載置後、ユーザが、表示装置に出力されている「完了ボタン」を押すことで、子パレットP1の搬送が開始される。この「完了ボタン」が押されたときに、セット装置35の動作が開始される。
【0106】
(B)親パレットP2の種類は、1種類又は2種類に限られず、任意の数の種類が存在していてもよい。
(C)親パレットP2(第1親パレットP21、第2親パレットP22)のセット装置35への供給、及び/又は、リセット装置55からの排出を、作業者が実行してもよい。この場合、パレット供給装置33、及び/又は、パレット排出装置53は特に必要ではなくなる。
【0107】
(D)搬入設備3、3’において、子パレットP1の中心と第3コンベヤ47の中心とを一致させる方法として、第1コンベヤ31で子パレットP1の中心を第1コンベヤ31(第3コンベヤ47)の第2水平方向の中心と一致させつつ、子パレットP1を、子パレットP1の待機位置から決まった距離だけ移動させる方法を採用してもよい。
例えば、第1コンベヤ31及び第3コンベヤ47を駆動するモータの回転数から、待機位置からの移動距離を算出できる。
この方法を採用した場合、第3コンベヤ47にセンサ63を設ける必要がなくなる。
【0108】
(E)第3コンベヤ47、及び/又は、第6コンベヤ52を昇降可能としてもよい。この場合に、昇降部45、72を昇降させる代わりに、第3コンベヤ47、第6コンベヤ52を昇降させることで、子パレットP1をこれらのコンベヤの搬送面から離間/接近させてもよい。
または、コンベヤの搬送面から子パレットP1を離間/接近させるために、昇降部とコンベヤの両方を昇降させてもよい。
【0109】
(F)また、リセット装置55において、子パレットP1を親パレットP2から離間(リセット)後に子パレットP1を90度回転させる際に、昇降部72が回転するのではなく、例えば、子パレットP1を第6コンベヤ52に載置後、第6コンベヤ52の子パレットP1を載置した部分を回転させてもよい。
【0110】
(G)第1取得部34、及び/又は、第2取得部54は、子パレットP1(と子パレットP1に載置された荷)の寸法を測定するセンサ又はカメラであってもよい。
この場合、制御部7は、子パレットP1の識別情報の代わりに、子パレットP1の寸法の実測値に基づいて、第1親パレットP21又は第2親パレットP22のいずれに子パレットP1を載置するかを決定してもよい。
また、制御部7は、子パレットP1の寸法の実測値に基づいて、一対のフォーク48、78の間隔及び高さ位置の調整、及び/又は、リセット装置55にて子パレットP1を90度回転するか否かの決定を実行してもよい。
【0111】
(H)第1実施形態及び第2実施形態では、異なる水平方向(第1水平方向、第2水平方向)から子パレットP1及び空の親パレットP2が搬送されていたが、これに限られず、同一の水平方向から子パレットP1及び空の親パレットP2を搬送してもよい。
この場合、例えば、搬入設備3、3’の第1コンベヤ31又は第2コンベヤ32のいずれかが、子パレットP1の搬送と空の親パレットP2の搬送とで共通に使用される。
また、例えば、搬出設備5の第4コンベヤ51A、第5コンベヤ51B、又は、第6コンベヤ52のいずれかが、子パレットP1の搬送と空の親パレットP2の搬送とで共通に使用される。
【0112】
(I)上記の第1実施形態及び第2実施形態では、昇降部45、72のY方向(第2水平方向)の両端に保持装置46、73が設けられていたが、これに限られず、Y方向のいずれかの端部にのみ保持装置46、73が設けられていてもよい。
【0113】
(J)各保持装置46、73に設けられるフォーク48、78の数は2つに限られない。例えば、昇降部45のY方向の両端に保持装置46、73が設けられる場合に、保持装置46、73毎に1本のフォーク48、78が設けられていてもよい。この場合、当該フォーク48、78のX方向(第1水平方向)の存在位置は、子パレットP1の開口Oの位置に応じて異ならせておく。
その他、1つの保持装置46、73において、3本以上のフォーク48、78がX方向(第1水平方向)に並んで設けられていてもよい。
【0114】
(K)親パレットP2を第3コンベヤ47に搬入するときに、当該親パレットP2の搬送方向を制御することにより、親パレットP2を第3コンベヤ47の所定位置に位置決めしてもよい。これにより、第1位置決め部材61のうち上流側の部材と、第2位置決め部材62のうち上流側の部材と、を省略できる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、複数種類の異なる形状のパレットに載置された荷を保管/搬出するための保管システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0116】
100、200 保管システム
1 保管設備
3、3’ 搬入設備
7 制御部
31 第1コンベヤ
32 第2コンベヤ
33 パレット供給装置
34 第1取得部
35 セット装置
41 パレット供給コンベヤ
41A、41B パレット供給コンベヤ
42 パレット搬送コンベヤ
43 ストッパ
43A、43B ストッパ
44 本体フレーム
45 昇降部
46 保持装置
47 第3コンベヤ
48 フォーク
49 モータ
5 搬出設備
51A 第4コンベヤ
51B 第5コンベヤ
511 位置決めストッパ
513 ガイド
52 第6コンベヤ
53 パレット排出装置
54 第2取得部
55 リセット装置
61 第1位置決め部材
61A、61B 第1位置決め部材
62 第2位置決め部材
62A、62B 第2位置決め部材
63 センサ
71 本体フレーム
72 昇降部
73 保持装置
75 回転機構
76 昇降軸
77 モータ
78 フォーク
7 制御部
C1、C2 中心位置
O 開口
P1 子パレット
P2 親パレット
P21 第1親パレット
P22 第2親パレット
SP1、SP2 内部空間