(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20220705BHJP
F24C 7/06 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
A47J37/06 321
F24C7/06 A
A47J37/06 306
(21)【出願番号】P 2018212125
(22)【出願日】2018-11-12
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 利弘
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 佳寛
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-169926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0070768(US,A1)
【文献】特開平07-184788(JP,A)
【文献】登録実用新案第3101402(JP,U)
【文献】特開2009-285038(JP,A)
【文献】特開昭49-052352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/07
F24C 7/00- 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置された被調理物に熱を放出して加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートの前記被調理物が置かれる面と反対側の面に接触する面状の加熱ヒーターと、
前記加熱ヒーターに、前記加熱プレートに向かって力を作用させる弾性部材と、
を備えた加熱調理器において、
前記加熱プレートは、略長方形の平面部を有し、前記平面部の長辺方向が中央に向かって凸になるとともに、短辺方向は略水平となるような曲率を有し、
前記加熱ヒーターは、下方から前記弾性部材による力を受けることで、前記加熱プレートの平面部で、前記被調理物が置かれる面と反対側の面に密着するように湾曲することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
載置された被調理物に熱を放出して加熱する加熱プレートと、
前記加熱プレートの前記被調理物が置かれる面と反対側の面に接触する面状の加熱ヒーターと、
前記加熱ヒーターに、前記加熱プレートに向かって力を作用させる弾性部材と、
を備えた加熱調理器において、
前記加熱プレートは、周辺に設けられた水平な縁部と、前記縁部につながり、前記被調理物が置かれる凹状部とを有し、前記凹状部の底面部は略長方形で、かつ、長辺方向が中央に向かって凸になるとともに、短辺方向は略水平となるような曲率を有し、
前記加熱ヒーターは、下方から前記弾性部材による力を受けることで、前記加熱プレートの底面部で、前記被調理物が置かれる面と反対側の面に密着するように湾曲することを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
被調理物が載置される下加熱プレートと、前記下加熱プレートの前記被調理物が置かれる面と反対側の面に接触する面状の下加熱ヒーターと、前記下加熱ヒーターに、前記下加熱プレートに向かって力を作用させる弾性部材と、蓋体が接続される
ヒンジ部と、を有する本体と、
前記蓋体の下面を形成する蓋体下枠の中央部分に、上面に上加熱ヒーターが接触するように配置された上加熱プレートと、前記上加熱プレートとつながり、前記上加熱プレートに対しほぼ垂直に位置する側壁が組み込まれ、前記本体と前記蓋体とを前記ヒンジ部を回動させて閉じたときに、前記本体の前記下加熱プレートとともに加熱室を構成する加熱調理器において、
前記下加熱プレートは、略長方形の平面部を有し、前記平面部の長辺方向が中央に向かって凸になるとともに、短辺方向は略水平となるような曲率を有し、
前記下加熱ヒーターは、下方から前記弾性部材による力を受けることで、前記下加熱プレートの平面部で、前記被調理物が置かれる面と反対側の面に密着するように湾曲することを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
被調理物が載置される下加熱プレートと、前記下加熱プレートの前記被調理物が置かれる面と反対側の面に接触する面状の下加熱ヒーターと、前記下加熱ヒーターに、前記下加熱プレートに向かって力を作用させる弾性部材と、蓋体が接続される
ヒンジ部と、を有する本体と、
前記蓋体の下面を形成する蓋体下枠の中央部分に、上面に上加熱ヒーターが接触するように配置された上加熱プレートと、前記上加熱プレートとつながり、前記上加熱プレートに対しほぼ垂直に位置する側壁が組み込まれ、前記本体と前記蓋体とを前記ヒンジ部を回動させて閉じたときに、前記本体の前記下加熱プレートとともに加熱室を構成する加熱調理器において、
前記下加熱プレートは、周辺に設けられた水平な縁部と、前記縁部につながり、前記被調理物が置かれる凹状部とを有し、前記凹状部の底面部は略長方形で、かつ、長辺方向が中央に向かって凸になるとともに、短辺方向は略水平となるような曲率を有し、
前記下加熱ヒーターは、下方から前記弾性部材による力を受けることで、前記下加熱プレートの底面部で、前記被調理物が置かれる面と反対側の面に密着するように湾曲することを特徴とする加熱調理器。
【請求項5】
下加熱プレートからの熱伝導で加熱室に収容された
被調理物を下方から加熱するとともに、上加熱プレートからの輻射熱により前記加熱室に収容された
前記被調理物を上方から加熱することを特徴とする請求項3又は4に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体とこの本体の上面を塞ぐ蓋体とで、被調理物を加熱する内部空間を形成する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器本体と、この加熱調理器本体に回動自在にヒンジ連結された蓋体と、を有する加熱調理器が知られている。例えば、特許文献1の加熱調理器では、ワッフルパターンのある上側型プレートの凹部と下側型プレートの凹部との間にワッフル生地を挟んで、これら型プレートをシーズヒーターで加熱することでワッフル生地を焼き上げている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された加熱調理器は、型プレートでワッフル生地を押し付けるものであるため、ダイカスト等の剛性の高いもので形成する必要があるが、材質上、加熱効率が悪く、加熱ムラが発生してしまう。
加熱効率からいうと、面状のヒーターを用い、加熱プレートを薄い板状にして、面状のヒーターを加熱プレートと面接触させて熱を伝える方法であれば効率が良いが、加熱プレートの熱膨張による変形で、面状のヒーターとの密着性が悪くなり、加熱プレートに温度ムラが発生して食材の出来上がりに影響を及ぼしてしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、薄い板状の加熱プレートが熱膨張により変形したとしても、面状のヒーターとの密着性を維持し、加熱効率を高く維持することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
被調理物に熱を放出して加熱する平面状の加熱プレートと、加熱プレートと接触し、加熱する加熱ヒーターとを有し、この加熱プレートは中央に向かって凸となるような曲率を有し、加熱ヒーターは弾性体で加熱プレートに押し付けられている。
【発明の効果】
【0007】
加熱プレートが熱膨張で変形したとしても、面状の加熱ヒーターを加熱プレートに密着させることでき、加熱プレートの温度ムラの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る加熱調理器のイ方向縦断面概略図である。
【
図3】実施の形態1に係る加熱調理器のロ方向縦断面概略図である。
【
図4】実施の形態1に係る加熱調理器のハ方向縦断面概略図である。
【
図5】実施の形態1に係る加熱プレートの斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る加熱調理器の加熱プレート、加熱ヒーター等を連結する流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における加熱調理器の外観斜視図である。
図1において、加熱調理器1は、本体100と蓋体200とで主に構成され、本体100と蓋体200とはヒンジ部300で接続され、ヒンジ部300を軸に開閉自在になっている。蓋体200の外郭は樹脂で形成されているが、内筐体が接触する部分は、フェノールやPBT、PET、ナイロン等の耐熱温度の高い樹脂が使われている。
なお、説明上、加熱調理器1をテーブル等に置いた場合の本体100と蓋体200との境界(本体100と蓋体200とを閉めた状態における接触面)を基準に、本体100の方向を下、蓋体200の方向を上、それ以外の側方向を、前、右、後、左とする。
【0011】
本体100の前面には、使用者が加熱調理器1を操作するための操作部101が設けられている。この操作部101には、各種加熱条件や調理条件を設定することができる複数の設定用スイッチ、具体的には、モード設定スイッチ101A、厚さ設定スイッチ101B、焼き色設定スイッチ101C、及び、加熱開始/停止スイッチ101Dが設けられている。
【0012】
モード設定スイッチ101Aは、調理条件を設定するもので、1回押すことによって、「常温パン」、「フレンチトースト」、「具材のせパン」、「冷凍パン」の順に切り替わり、何れか1つを選択するようになっている。
【0013】
ここで、「常温パン」とは、常温で保存された状態の食パンである。
「フレンチトースト」とは、食パン内部に溶き卵、牛乳などの単一の液体または複数食材を混合した液体をしみこませた後、加熱して仕上げる料理である。なお、必ずしも液体をパンの中心まで染みこませる必要はなく、一部でもよい。また、染みこませる液体の量も問わないが、加熱前の水分量は加熱前のパン単体よりも多くなる。
「具材のせパン」とは、食パンの上にチーズなどパン以外の具材がのせられたものである。なお、具材については、マヨネーズなどの調味料、野菜、肉、魚、果物などでもよく、または、それらを複数組み合わせたものでもよい。
「冷凍パン」とは、冷凍庫内で保存され、凍った状態の食パンである。なお、冷凍庫内での保管方法、保管期間などは問わない。
【0014】
厚さ設定スイッチ101Bは、パンの厚さを設定するものであり、1回押すことによって、「4枚切」、「5枚切」、「6枚切」、「8枚切」の順に切り替わり、何れか1つを選択するようになっている。ここでいう「厚さ」とは、食パン一斤を切り分けるときに、4枚、5枚、6枚、8枚の何れかで切り分けられ、食パン一斤をその枚数で切り分けたときの厚さのことを言っている。例えば4枚切の厚さは約30mm/枚、6枚切の厚さは約20mm/枚となっている。
【0015】
焼き色設定スイッチ101Cは、使用者が調理する被調理物である食パンなどの「焼き色」を設定する、言い換えると仕上がりを設定するものであり、1回押すことによって、「薄い」、「普通」、「濃い」の3種類の焼き色、及び焼き色を付けるために加熱時間を延長する「延長」の順に切り替わり、何れか1つを選択するようになっている。
【0016】
なお、使用者が、モード設定スイッチ101A、厚さ設定スイッチ101B、焼き色設定スイッチ101Cで、条件設定した後、加熱開始/停止スイッチ101Dを押すと、加熱調理器1は加熱を開始、また、次に、押すことで加熱を停止させることができる。
【0017】
モード設定スイッチ101A、厚さ設定スイッチ101B、焼き色設定スイッチ101Cの上方向には、それぞれ、横方向に4つ並んだLEDで構成されたモード設定表示部102A、厚さ設定表示部102B、焼き色設定表示部102Cがあり、各スイッチを1回押す毎に、点灯が横に移るようになっている。これにより、設定操作している使用者は、いま、どのような設定になっているかを把握することができる。
また、加熱開始/停止スイッチ101Dの上方向には、1つのLEDである加熱開始/停止表示部102Dがあり、加熱中は点灯、停止中は消灯することで、使用者は加熱中か、否かを知ることができる。
【0018】
本体100の上面を形成する本体上枠103の中央部分には、被調理物が置かれる下加熱プレート104が下シール部材105を介してはまりこんでいる。この下加熱プレート104は、外周に水平な面の縁部104Aと、縁部104Aから一段低くなるような構成の凹状部104Bとを有し、アルミ等の熱伝導率の高い金属板のプレス成型品からなり、さらに、耐熱性が高く、放射率の高い塗料、例えば、シリコーン系やフッ素系の耐熱塗料やセラミック塗料、によりコーティングされている。
【0019】
下シール部材105は、被調理物から出るカスや油等が本体内部に侵入、落下することを防止するためのものであり、耐熱性の高いシリコーンゴムやフッ素ゴムで形成され、下加熱プレート104の熱膨張による変形を吸収するために、複数の溝が形成されている。
【0020】
蓋体200には、本体100に対して、使用者が蓋体200を開けたり、閉めたりするために指を掛けるための持ち手201が設けられている。
また、蓋体200の下面を形成する蓋体下枠202の中央部分には、ほぼ正方形状の上加熱プレート203、上加熱プレート203とつながり、上加熱プレート203に対しほぼ垂直に位置する側壁204が組み込まれており、本体100と蓋体200とをヒンジ部300を回動させて閉じたときに、本体100の下加熱プレート104とともに加熱室を構成するようになっている。また、蓋体200の側壁203を囲うように上シール部材205が配置され、蓋体200を閉じたときに、下シール部材105と接するようになっている。なお、上加熱プレート203も、下加熱プレート104と同じように、アルミ等の熱伝導率の高い金属板のプレス成型品からなり、さらに、耐熱性が高く、放射率の高い塗料、例えば、シリコーン系やフッ素系の耐熱塗料やセラミック塗料、によりコーティングされている。
【0021】
次に、加熱調理器1の内部構成に関し、
図2の方向イ縦断面概略図(前面から後面に向けて、中央からずれた位置における断面図)、
図3の方向ロ縦断面概略図(前面から後面に向けて、中央における断面図)、
図4の方向ハ縦断面概略図(右面から左面に向けて、中央における断面図)に基づいて説明する。なお、これら断面図は、本体100に対し、蓋体200を閉じた状態におけるものである。
本体100には、操作部101の後側に、操作部101の操作を検出する操作基板106、操作基板106からの信号により加熱調理器1の動作を制御する制御基板107が設けられている。
【0022】
また、本体上枠103の下面には、四角枠状の下加熱プレート取付板108が固定され、その上に下加熱ヒーター取付板109が固定されている。下加熱ヒーター取付板109の上面には、下断熱部材110、下加熱ヒーター111、下加熱プレート104が順に配置されている。また、下断熱部材110には複数の第一穴部110Aが設けられており、下加熱ヒーター取付板109上面に配置された弾性体112の一端が、穴部110Aを通って、下加熱ヒーター111に接し、下加熱ヒーター111を上方に押し上げるような力を作用させている。すなわち、弾性体112は縮められた状態であるため、伸びようとする力が働いている。
【0023】
また、下加熱ヒーター取付板109は、中央部分に上に突出した凸状部109Aがあり、下断熱部材110の中央部分に設けた第二穴部110B内に、この凸状部109Aが入り込んでいる。
この凸状部109Aの下面には、温度検知器113が取付けられている。
温度検知器113は、筒状の内ホルダー113Aと、内ホルダー113Aを囲む筒状の外ホルダー113Bと、内ホルダー113Aの先端に設けられた温度センサー113Cで主に構成されている。また、内ホルダー113aの内側段部の下面に接するように、温度検知器用弾性体114が設けられている。温度検知器用弾性体114の下端は、本体100内に固定されたバネ押え115に固定されている。このような構成では、温度検知器用弾性体114は、内ホルダー113Aに上方へ向かって力を作用させるため、内ホルダー113A先端に設けられた温度センサー113Cは、下加熱ヒーター111の穴部111Aを通って、常に下加熱プレート104の下面に接することになる。
【0024】
なお、下加熱プレート104は、網やパンチングメタル等のような通気性のある物体ではなく、通気性の無い物で形成されており、1例として、金属製薄板から全体が形成されているので、空気や食パンの細かい破片、屑等を全く通過させない。
【0025】
下加熱ヒーター111は下加熱プレート104を裏面から加熱するので、下加熱ヒーター111の加熱により下加熱プレート104の温度が上がると、その下加熱プレート104からの熱伝導により、下加熱プレート104上におかれた被調理物は下方から加熱される。また、下加熱プレート104は、下加熱ヒーター111からの熱を受けて全体が高温になるので、上面の全体から輻射熱も放射する。
【0026】
下加熱ヒーター111は、面状ヒーターであり、面状ヒーターとしては、電気絶縁性を確保するためのマイカ板に、電熱帯を巻いた面状ヒーター、および、電熱帯をセラミックで挟んで形成したセラミックヒーターなどがある。なお、面状ヒーターは、発熱する電熱線を、マイカ板を介在させて格子状に配置した形態や、横にある間隔で多数並べてマイカ板に敷き詰めた形態など色々なものがある。面状ヒーターは厚みの薄い加熱手段であるため、下加熱ヒーター111を面状ヒーターとすることで、本体100を小型化することができる
【0027】
また、面状ヒーターは発熱する電熱帯が隣り合う電熱帯と近い距離で巻くことができるので、取り付けられた加熱面を均一加熱することができる。そのため、鋼管を折り曲げて製造するシーズヒーターなどに比べ、被加熱物の焼きムラを少なくすることができる。
【0028】
下断熱部材110は、例えばグラスウールで形成され、下加熱ヒーター111の熱伝達により、下加熱ヒーター取付板109が高温になることを防ぎ、さらに、下加熱ヒーター取付板109と制御基板107等の間に、反射率が高く、耐熱温度の高い、アルミメッキ鋼板等で形成された下遮熱板116を配置することにより、下加熱ヒーター取付板109からの輻射熱を反射し、制御基板107等が配置される空間が高温になることを防止している。
【0029】
温度センサー113Cは、サーミスタセンサーであり、接触部の保護管にはセラミックが使用されている。
【0030】
蓋体200は、上加熱プレート203の上面に接触するように配置された上加熱ヒーター206、上加熱ヒーター206の上方に位置する上断熱部材207、上断熱材207の上部に配置され、蓋体200内に固定された上加熱ヒータ取付板208、及び上加熱プレート取付板208を固定する四角枠状の上加熱プレート取付板209を備え、上加熱ヒーター取付板208の下面に設置され、上断熱部材207に設けられた穴部207Aを通って下加熱ヒーター206を下方に向けて力作用させる複数の弾性体210が配置されている。上加熱プレート203には、被調理物を直接接触させずに、上加熱プレート203からの輻射熱により、被調理物を加熱している。
【0031】
なお、上加熱プレート206は、網やパンチングメタル等のような通気性のある物体ではなく、通気性の無い物で形成されており、1例として、金属製薄板から全体が形成されている。
また、詳細は図示していないが、本体100の温度検知器113と同様なものが設置されており、上加熱プレート206の温度を検知している。
【0032】
図5は、下加熱プレート104の斜視図である。
下加熱プレート104の凹状部104Bの底面は、長辺方向において中央が少し上に盛り上がり、短辺方向は略水平になるような曲率を有する湾曲面となっている。これは、下加熱プレート104が加熱されて膨張したときに、その方向づけをするためであり、湾曲面の場合には、湾曲がより大きくなり(底面の中央が上方に向かって少し盛り上がる)形状に膨張する。
また、ネジ穴を有する脚部104Cが縁部104Aから側方に設けられている。
【0033】
なお、下加熱ヒーター111も湾曲可能であり、下面に下方から弾性体112による力を受けることで、下加熱プレート104の底面の下面に密着するように、湾曲する。
また、下加熱プレート104の底面の湾曲が大きくなっても、温度検知器113は温度検知器弾性体114により上方に押される力がかかっているので、加熱プレート104の下面から離れることはない。
【0034】
次に、本体100への下加熱ヒーター111、温度検知器113等の取付けに関し、
図6に基づいて説明する。
まず、温度検知器113を下加熱ヒーター取付板109の凸状部109Aに下面から挿入し、外ホルダー113Bの取付部(水平に伸びた板状の部材)をネジ等で下加熱ヒーター取付板109に取り付ける。
次に、下断熱部材110を下加熱ヒーター取付板109上に、第二穴部110Bに凸状部109Aが入るように置く。
次に、下断熱部材110の4つの第一穴部110Aに4つの弾性体112を挿入する。
次に、下断熱部材110の上に下加熱ヒーター111を、温度検知器113が穴部111Aを通るように置き、爪等で固定する。この時、下加熱ヒーター111は、応力を加えた時に湾曲に変形可能な範囲の自由度を有した状態で、固定されている。
本体上枠103に四角枠状の下シール部材105を取付け、下加熱ヒーター取付板109を、下シール部材105を挟み込んだ状態で、本体上枠103にネジで固定する。
次に、下加熱プレート取付板108の下方から下加熱プレート104を下シール部材105に当節させながら挿入し、さらにその下から、下加熱ヒーター取付板109を、下加熱ヒーター取付板109に取り付けられた下加熱ヒーター111を、下加熱プレート104に押付けながら下加熱プレート取付板108の下方から挿入し、下加熱プレート104の脚部104Cを下加熱ヒーター取付板の脚部109Bで挟み込んだ状態で、ネジ穴にネジを通し、下加熱プレート取付板108に組み付けることで全体を一体化する。
【0035】
以上のように、下加熱ヒーター111の下面から弾性体112で上方に力を作用させ、下加熱プレート104に下加熱ヒーター111を押し付けているので、下加熱プレート104が熱膨張で変形しても、下加熱ヒーター111と下加熱プレート104との密着性を維持することができ、熱伝導効率を維持することでできる。
【0036】
なお、蓋体200も同様に、すなわち、上加熱プレート203は、下加熱プレート104と同様な構成である。よって、上加熱プレート203が熱膨張により湾曲がより大きくなっても、弾性体209により、上加熱ヒーター206が上加熱プレート203に押し付けられ密着することになる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る加熱調理器は、一般住宅の台所だけではなく、公共施設や店舗等の調理場でも広く利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 加熱調理器、100 本体、101 操作部、101A モード設定スイッチ、101B 厚さ設定スイッチ、101C 焼き色設定スイッチ、101D 加熱開始/停止スイッチ、102A モード設定表示部、102B 厚さ設定表示部、102C 焼き色設定表示部、101D 加熱開始/停止表示部、103 本体上枠、104 下加熱プレート、104A 縁部、104B 凹状部、104C 脚部、105 下シール部材、106 操作基板、207 制御基板、108 下加熱プレート取付板、109 下加熱ヒーター取付板、109A 凸状部、109B 脚部、110 下断熱部材、110A 第一穴部、110B 第二穴部、111 下加熱ヒーター、111A 穴部、112 弾性体、113 温度検知器、113A 内ホルダー、113B 外ホルダー、113C 温度センサー、114 温度検知器用弾性体、115 バネ押え、116 下遮熱板、200 蓋体、201 持ち手、202 蓋体下枠、204 上加熱プレート、204 側壁、205 上シール部材、206 上加熱ヒーター、207 上断熱部材、207A 穴部、208 上加熱ヒーター取付板、209 上加熱プレート取付板、210 弾性体、300 ヒンジ部