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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】無線通信機
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20220705BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20220705BHJP
   H04B 1/38 20150101ALI20220705BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20220705BHJP
   G06F 3/04886 20220101ALI20220705BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20220705BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20220705BHJP
【FI】
H04B1/16 C
H04B1/04 Q
H04B1/38
G06F3/023 460
G06F3/04886
G06F3/0482
G06F3/04847
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019021619
(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公開番号】P2020129745
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】立儀 一臣
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-065136(JP,A)
【文献】特開2015-115635(JP,A)
【文献】実開平04-025336(JP,U)
【文献】特開2002-246938(JP,A)
【文献】特開2007-193465(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0177686(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04B 1/04
H04B 1/38
G06F 3/023
G06F 3/04886
G06F 3/0482
G06F 3/04847
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を送受信する送受信部と、
前記送受信部が送受信する無線信号の周波数を示す第1の複数桁の数値を周波数表示領域に表示するタッチパネル付きディスプレイと、
を備え、
前記周波数表示領域には、前記第1の複数桁の数値を分割した複数の分割領域ごとに触れられたことを検出するソフトウェアキーが設定されており、
前記複数の分割領域の各分割領域が前記ソフトウェアキーによって触れられたことが検出されたとき、前記第1の複数桁の数値のうち触れられた分割領域に含まれる桁の数値を、前記周波数表示領域に表示されている数値以外の数値に変更することによって前記周波数を変更するためのガイドを、前記周波数表示領域に隣接させて表示するよう制御する制御部をさらに備える
無線通信機。
【請求項2】
前記周波数表示領域は、前記複数の分割領域のうちの第1の分割領域として、前記第1の複数桁のうちの最上位側の第2の複数桁の数値である運用バンドを示す運用バンド選択領域を含み、
前記制御部は、前記運用バンド選択領域が前記ソフトウェアキーによって触れられたことが検出されたとき、前記周波数表示領域に表示されている運用バンド以外の複数の運用バンドのうちからいずれかの運用バンドを選択して前記周波数を変更するための運用バンド選択ガイドを、前記周波数表示領域に隣接させて表示するよう制御する
請求項1に記載の無線通信機。
【請求項3】
前記周波数表示領域は、前記複数の分割領域のうちの第2の分割領域として、前記第2の複数桁に続く下位側の第3の複数桁の数値であるバンドメモリを示すバンドメモリ選択領域を含み、
前記制御部は、前記バンドメモリ選択領域が前記ソフトウェアキーによって触れられたことが検出されたとき、前記周波数表示領域に表示されているバンドメモリ以外の、前記送受信部が過去に送受信した周波数における1または複数のバンドメモリのうちからいずれかのバンドメモリを選択して前記周波数を変更するためのバンドメモリ選択ガイドを、前記周波数表示領域に隣接させて表示するよう制御する
請求項2に記載の無線通信機。
【請求項4】
前記周波数表示領域は、前記複数の分割領域のうちの第3の分割領域として、前記第1の複数桁のうちの最下位側の第4の複数桁の数値を示す周波数微調整領域を含み、
前記制御部は、前記周波数微調整領域が前記ソフトウェアキーによって触れられたことが検出されたとき、前記第4の複数桁の数値を増加または減少させるための周波数微調整ガイドを、前記周波数表示領域に隣接させて表示するよう制御する
請求項3に記載の無線通信機。
【請求項5】
前記制御部は、前記第4の複数桁の数値の10の桁を増加または減少させるためのアップキーまたはダウンキーと、前記第4の複数桁の数値の1の桁を増加または減少させるためのファインアップキーまたはファインダウンキーとを含む周波数微調整ガイドを、前記周波数表示領域に隣接させて表示するよう制御する請求項4に記載の無線通信機。
【請求項6】
前記制御部は、前記送受信部における送信周波数を変更することなく、受信周波数のみを一時的に微調整するためのRITをオンするRITオンキーと、前記送受信部における受信周波数を変更することなく、送信周波数のみを一時的に微調整するためのXITオンキーとを含む周波数微調整ガイドを、前記周波数表示領域に隣接させて表示するよう制御する請求項4または5に記載の無線通信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを用いて、送受信する無線信号の周波数を設定する無線通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信機は、送受信する無線信号の周波数を設定する際に、運用バンドと称されている大まかな周波数帯を選択する機能を有している。無線通信機は、1.8MHz帯、3.5MHz帯、7MHz帯、10MHz帯等の複数の運用バンドの中からいずれかの運用バンドを選択する物理的なキー(ハードウェアキー)を備える。従来の無線通信機は、運用バンドだけでなく、運用バンドよりも細かい周波数を設定する際にも、ハードウェアキーを用いて周波数を設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-53736号公報
【文献】特開2016-72894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、タッチパネルにソフトウェアキーを表示して電子機器を操作することが多くなっており、無線通信機においてもソフトウェアキーを使用する頻度が増大している(特許文献1または2参照)。無線通信機において、送受信する無線信号の周波数を設定する際に用いられる、運用バンドを選択するためのハードウェアキー等の各種のハードウェアキーをタッチパネルによるソフトウェアキーに置換することが考えられる。
【0005】
ところが、既存のハードウェアキーを単にソフトウェアキーに置換しただけでは、操作性が向上するとは限らない。ソフトウェアキーを用いることによって、送受信する無線信号の周波数を設定する際の操作性を向上させることが求められる。
【0006】
本発明は、タッチパネルを用いて、送受信する無線信号の周波数を操作性よく設定することができる無線通信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、無線信号を送受信する送受信部と、前記送受信部が送受信する無線信号の周波数を示す第1の複数桁の数値を周波数表示領域に表示するタッチパネル付きディスプレイとを備え、前記周波数表示領域には、前記第1の複数桁の数値を分割した複数の分割領域ごとに触れられたことを検出するソフトウェアキーが設定されており、前記複数の分割領域の各分割領域が前記ソフトウェアキーによって触れられたことが検出されたとき、前記第1の複数桁の数値のうち触れられた分割領域に含まれる桁の数値を、前記周波数表示領域に表示されている数値以外の数値に変更することによって前記周波数を変更するためのガイドを、前記周波数表示領域に隣接させて表示するよう制御する制御部をさらに備える無線通信機を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の無線通信機によれば、タッチパネルを用いて、送受信する無線信号の周波数を操作性よく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態の無線通信機を示すブロック図である。
図2】一実施形態の無線通信機のタッチパネル付きディスプレイに設定されている周波数表示領域及びRIT/XIT表示領域を示す図である。
図3】ユーザが周波数表示領域の運用バンド選択領域に触れた場合に表示される運用バンド選択ガイドの一例を示す図である。
図4】ユーザが図3に示す状態からスワイプ操作によって指を運用バンド選択キー21Gaまで移動させた状態を示す図である。
図5】ユーザが図4の状態で指を離すことによって周波数表示領域に表示されている周波数が変更された状態を示す図である。
図6】ユーザが図3に示す状態からスワイプ操作によって指をエンターキー21Gjまで移動させて離した場合のタッチパネル付きディスプレイの表示例を示す図である。
図7A】ユーザが周波数表示領域のバンドメモリ選択領域に触れた場合に表示されるバンドメモリ選択ガイドの第1の例を示す図である。
図7B】ユーザが周波数表示領域のバンドメモリ選択領域に触れた場合に表示されるバンドメモリ選択ガイドの第2の例を示す図である。
図8】ユーザが周波数表示領域の周波数微調整領域に触れた場合に表示される周波数微調整ガイドの一例を示す図である。
図9図8に示す周波数微調整ガイドによって周波数が微調整される一例を示す図である。
図10図8に示す周波数微調整ガイドによってRITがオンされて、受信周波数のみが微調整される一例を示す図である。
図11図10に続けてRITがオフされた状態を示す図である。
図12】ユーザがRIT/XIT表示領域に触れた場合に表示されるRIT/XIT調整ガイドの一例を示す図である。
図13】一実施形態の無線通信機において運用バンド選択ガイドが表示されて操作された場合の動作を示すフローチャートである。
図14】一実施形態の無線通信機においてバンドメモリ選択ガイドが表示されて操作された場合の動作を示すフローチャートである。
図15】一実施形態の無線通信機において周波数微調整ガイドが表示されて操作された場合の動作を示すフローチャートである。
図16】一実施形態の無線通信機における電源投入後の周波数表示領域の表示状態の遷移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態の無線通信機について、添付図面を参照して説明する。一実施形態の無線通信機100は、図1に示すように構成される。図1において、制御部1は、無線通信機100の全体を制御する。制御部1は、マイクロコンピュータによって構成することができる。制御部1は、中央処理装置(CPU)1aと、フラッシュROM1bとを有する。フラッシュROM1bは、制御部1に内蔵されていなくてもよく、制御部1に対して外付けされていてもよい。フラッシュROM1bには、後述する運用バンド情報が記憶されている。
【0011】
制御部1には、DSP(Digital Signal Processor)4が接続されている。DSP4には、送受信部2とマイクロホン5とスピーカ6が接続されている。送受信部2には、電波を送受信するためのアンテナ3が接続されている。送受信部2は、送信部と受信部とが一体的に構成された回路ブロックである。送受信部2は、半二重通信方式で他の無線通信機へと音声データを含む送信データを送信する。送受信部2は、半二重通信方式で他の無線通信機が送信した音声データを含む送信データを受信する。
【0012】
送受信部2が受信したデータはDSP4に供給される。DSP4は、受信したデータを復調及び復号する。DSP4は、受信したデータのうち音声データを復調及び復号することによって生成した音声信号をスピーカ6に供給する。マイクロホン5は、無線通信機100のユーザが発した音声を収音して音声信号に変換し、音声信号をDSP4に供給する。DSP4は、入力された音声信号に帯域制限等の各種の処理を施して変調波を生成して、送受信部2に供給する。送受信部2は、DSP4から供給された変調波により搬送波を変調して、アンテナ3を介して送信する。
【0013】
制御部1には、さらに、ROM7、タッチパネルコントローラ8、不揮発性メモリ10、PTT(Push To Talk)スイッチ11、操作部12が接続されている。タッチパネルコントローラ8には、タッチパネル付きディスプレイ9(以下、ディスプレイ9と略記する)が接続されている。タッチパネル付きディスプレイ9は、画像を表示する表示パネルの前面にタッチパネルが貼り合わされることによって構成されている。表示パネルの全面にタッチパネルが貼り合わされている必要はなく、表示パネルの前面のソフトウェアキーを表示する領域のみにタッチパネルが貼り合わされていてもよい。
【0014】
ROM7には、制御部1(CPU1a)が後述するようにディスプレイ9にソフトウェアキーを表示し、ソフトウェアキーの操作によって送受信する無線信号の周波数を設定するためのコンピュータプログラムが記憶されている。ROM7は、制御部1に内蔵されていてもよい。
【0015】
タッチパネルコントローラ8は、制御部1による制御に基づいて、ディスプレイ9に各種の画像を表示するよう制御する。即ち、タッチパネルコントローラ8は、ディスプレイ9に画像を表示する画像表示コントローラとしても機能する。ユーザが指等によってタッチパネルに触れたとき、タッチパネルコントローラ8は、指等が触れた接触位置を検出して接触位置を示す検出信号を制御部1に供給する。これによって、制御部1は、ソフトウェアキーにおける触れられた位置のキーに対応して無線通信機100を制御することができる。
【0016】
不揮発性メモリ10には、後述するバンドメモリ情報が記憶されている。バンドメモリ情報は、運用バンドよりも細かい周波数を設定する情報の1つである。不揮発性メモリ10は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。ユーザが発話して音声信号を送信するとき、ユーザはPTTスイッチ11を押す。制御部1は、PTTスイッチ11が押されていない状態では無線通信機100を受信待機状態とし、PTTスイッチ11が押されている状態では無線通信機100を送信状態とする。操作部12は、各種のハードウェアキーを含む。
【0017】
図1において、白抜きの矢印は、構成要素間を接続するバスを示している。バスの代わりに通常の信号接続線を用いることがあってもよい。
【0018】
図2に示すように、ディスプレイ9のソフトウェアキーを表示する領域における周波数表示領域20には、無線通信機100に現在設定されている、送受信部2が無線信号を送受信する周波数が表示されている。図2に示す例では、周波数表示領域20に、14.000000MHzであることを示す14.000.000と表示されている。周波数表示領域20は、ソフトウェアキーとして3つの分割領域に分割されている。3つの分割領域は、周波数の最上位桁側から、第1の分割領域である運用バンド選択領域21、第2の分割領域であるバンドメモリ選択領域22、第3の分割領域である周波数微調整領域23を含む。
【0019】
周波数表示領域20に表示されている周波数が第1の複数桁の数値であるとすると、運用バンド選択領域21は、第1の複数桁のうちの最上位側の第2の複数桁の数値である運用バンドを示す。バンドメモリ選択領域22は、第2の複数桁に続く下位側の第3の複数桁の数値であるバンドメモリを示す。周波数微調整領域23は、第1の複数桁のうちの最下位側の第4の複数桁の数値を示す。なお、運用バンド選択領域21、バンドメモリ選択領域22、周波数微調整領域23を囲む破線の枠は、領域を示すために便宜上記載しているものであり、ディスプレイ9に実際に表示されているわけではない。
【0020】
周波数微調整領域23の右上方には、RIT/XIT表示領域30が設定されている。RIT/XIT表示領域30には、送信周波数を変更することなく、受信周波数のみを一時的に微調整するためのRIT(Receiver Incremental Tuning)と称される機能の調整値、または、受信周波数を変更することなく、送信周波数のみを一時的に微調整するためのXIT(Transmission Incremental Tuning)と称される機能の調整値が表示される。RITまたはXITをオンしていない状態では、RIT/XIT表示領域30にはRITまたはXIT機能が非アクティブであることを示すグレーで調整値が表示されている。RITまたはXITをオンしている状態では、RIT/XIT表示領域30にはRITまたはXIT機能がアクティブであることを示すグレー以外の色(例えば黒)で調整値が表示される。
【0021】
RIT/XIT表示領域30は、ソフトウェアキーとして設定された領域でなくてもよい。後述するように、RIT/XIT表示領域30をソフトウェアキーとして設定された領域としてもよい。
【0022】
まず、ユーザが指で運用バンド選択領域21に触れたとき、CPU1aによる処理によって無線通信機100がどのように動作するかについて説明する。図3に示すように、ユーザが指で運用バンド選択領域21に触れると、CPU1aは、ディスプレイ9に、周波数表示領域20に隣接させて運用バンド選択ガイド21Gを表示させる。運用バンド選択ガイド21Gは、ソフトウェアキーとして設定された、運用バンド選択キー21Ga~21Gi及びエンターキー21Gjを含む。CPU1aは、フラッシュROM1bに記憶されている運用バンド情報に基づいて運用バンド選択キー21Ga~21Giを表示させる。
【0023】
図3に示す例では、周波数表示領域20に表示されている運用バンドが14MHz帯であるから、CPU1aは、運用バンド情報のうち14MHz帯以外の運用バンドを選択するための運用バンド選択キー21Ga~21Giをディスプレイ9に表示させている。図3に示すように、CPU1aは、14MHz帯よりも周波数が低い運用バンドの運用バンド選択キー21Ga~21Gdを運用バンド選択領域21の上方に表示させている。また、CPU1aは、14MHz帯よりも周波数が高い運用バンドの運用バンド選択キー21Ge~21Giを運用バンド選択領域21の下方に表示させている。
【0024】
周波数表示領域20に表示されている運用バンドが1.8MHz帯であれば、1.8MHz帯以外の運用バンドを選択するための全ての運用バンド選択キーが運用バンド選択領域21の下方に表示される。周波数表示領域20に表示されている運用バンドが50MHz帯であれば、50MHz帯以外の運用バンドを選択するための全ての運用バンド選択キーが運用バンド選択領域21の上方に表示される。
【0025】
CPU1aは、運用バンド選択領域21に触れた指を運用バンド選択領域21上で離したとき、または、指をタッチパネルに触れながら移動させるスワイプ操作によって運用バンド選択ガイド21G以外の領域に移動させたとき、運用バンド選択ガイド21Gの表示を消去する。
【0026】
図4に示すように、ユーザが、運用バンド選択領域21に触れた指をスワイプ操作によって運用バンド選択キー21Gaまで移動させて指を離したとする。すると、CPU1aは、図5に示すように、周波数表示領域20に表示されている周波数を、運用バンド選択キー21Gaに対応する1.8MHz帯の周波数に変更し、送受信する周波数を新たに周波数表示領域20に表示された周波数に変更する。
【0027】
不揮発性メモリ10には、各運用バンドに対応して、バンドメモリ選択領域22に表示される桁の数値の履歴であるバンドメモリ情報が記憶されている。例えば、1.8MHz帯の周波数として、過去に18.100000MHz、18.200000MHz、18.300000MHzの周波数が使用されたことがあり、不揮発性メモリ10には、バンドメモリ100、200、300がバンドメモリ情報として記憶されているとする。18.300000MHzが最も直近に使用された周波数であるとする。
【0028】
CPU1aは、最新のバンドメモリを選択して、周波数表示領域20に表示する周波数を変更し、送受信する周波数を変更する。
【0029】
図3または図4に示すエンターキー21Gjは、ユーザが周波数を直接的に入力するためのキーである。図6に示すように、ユーザがスワイプ操作によってエンターキー21Gjに触れて離すと、CPU1aは、周波数表示領域20における周波数の各桁の数値をハイフンに置換し、周波数表示領域20の近傍にテンキー40を表示させる。テンキー40は、0から9までの数字キーと、消去キー、確定キーとを備える。ユーザは、テンキー40によって周波数を直接的に入力することができる。入力した数字を修正したい場合、消去キーにより直前に入力した数字が消去される。数字の入力後、CPU1aは、テンキー40を消去してもよいし、所定時間の経過後にテンキー40を消去してもよいし、確定キーの操作によってテンキー40を消去してもよい。
【0030】
次に、ユーザが指でバンドメモリ選択領域22に触れたとき、CPU1aによる処理によって無線通信機100がどのように動作するかについて説明する。図7Aに示すように、ユーザが指でバンドメモリ選択領域22に触れると、CPU1aは、ディスプレイ9に、周波数表示領域20に隣接させてバンドメモリ選択ガイド22Gを表示させる。図7Aに示す例では、周波数表示領域20に現在設定されている周波数14.000000MHzに対応して14.000.000と表示されている。1.4MHz帯の周波数として、14.000000MHzの他に、過去に14.100000MHz及び14.150000MHzの周波数が使用されたことがあるとする。不揮発性メモリ10には、1.4MHz帯のバンドメモリ000、100、150がバンドメモリ情報として記憶されている。
【0031】
この場合、14.100000MHz及び14.150000MHzは周波数表示領域20に表示されている14.000000MHzよりも高い。そこで、CPU1aは、周波数表示領域20の下方に、1.4MHz帯の他の2つの周波数選択キー22Ga及び22Gbを表示させている。周波数選択キー22Ga及び22Gbは、ソフトウェアキーとして設定されている。周波数選択キー22Ga及び22Gbは、周波数を示す数値の他に通信モードの一例であるUSBなる文字を含む。通信モードを示す文字は表示されなくてもよい。
【0032】
図7Bに示す例は、現在設定されている周波数が14.150000MHzであって、ユーザが指でバンドメモリ選択領域22に触れた場合を示している。この場合、14.000000MHz及び14.100000MHzは周波数表示領域20に表示されている14.150000MHzよりも低いため、CPU1aは、周波数表示領域20の上方に、バンドメモリ選択ガイド22Gとして、1.4MHz帯の他の2つの周波数選択キー22Ga及び22Gcを表示させている。周波数選択キー22Ga及び22Gcは、ソフトウェアキーとして設定されている。
【0033】
なお、周波数選択キー22Ga、22Gb、及び22Gcは、周波数表示領域20に表示されているバンドメモリ以外のバンドメモリを含む周波数の選択肢であり、バンドメモリの数値だけでなく、周波数の全体の数値を含むことから、周波数選択キーと称している。周波数の全体の数値の代わりに、バンドメモリの数値のみの選択肢としてもよい。この場合は、周波数選択キーの代わりにバンドメモリ選択キーとなる。
【0034】
CPU1aは、バンドメモリ選択領域22に触れた指をバンドメモリ選択領域22上で離したとき、または、スワイプ操作によってバンドメモリ選択ガイド22G以外の領域に移動させたとき、バンドメモリ選択ガイド22Gの表示を消去する。ユーザがバンドメモリ選択ガイド22Gに触れた指をスワイプ操作によって周波数選択キー22Gaもしくは22Gb、または、22GaもしくはGcまで移動させて指を離したとする。すると、CPU1aは、周波数表示領域20に表示されている周波数及び送受信する周波数を、指を離した位置の周波数選択キーの周波数に変更する。
【0035】
さらに、ユーザが指で周波数微調整領域23に触れたとき、CPU1aによる処理によって無線通信機100がどのように動作するかについて説明する。図8に示すように、ユーザが指で周波数微調整領域23に触れると、CPU1aは、ディスプレイ9に、周波数表示領域20に隣接させて周波数微調整ガイド23Gを表示させる。周波数微調整ガイド23Gは、ソフトウェアキーとして設定された、アップキー23Ga、ダウンキー23Gb、ファインアップキー23Gc、ファインダウンキー23Gd、RITオンキー23Ge、XITオンキー23Gf、オフキー23Ggを含む。
【0036】
図8において、CPU1aは、周波数微調整領域23に触れた指を周波数微調整領域23上で離しても周波数微調整ガイド23Gの表示を消去せず、指を周波数微調整領域23から離した後に再び周波数微調整領域23に触れたら、周波数微調整ガイド23Gの表示を消去する。
【0037】
アップキー23Ga及びダウンキー23Gbは、周波数の10の桁を増加または減少させるためのソフトウェアキーである。即ち、アップキー23Ga及びダウンキー23Gbは、周波数を10Hz単位で増加または減少させるソフトウェアキーである。ファインアップキー23Gc及びファインダウンキー23Gdは、周波数の1の桁を増加または減少させるためのソフトウェアキーである。即ち、ファインアップキー23Gc及びファインダウンキー23Gdは、周波数を1Hz単位で増加または減少させるためのソフトウェアキーである。
【0038】
RITオンキー23GeはRITをオンするソフトウェアキーであり、XITオンキー23GfはXITをオンするソフトウェアキーである。オフキー23Ggは、RIT及びXITをオフするソフトウェアキーである。RITオンキー23Ge、XITオンキー23Gf、オフキー23Ggを設けることは必須ではないが、設けることが好ましい。
【0039】
図9に示すように、周波数表示領域20に14.000.000と表示されている状態でユーザがアップキー23Gaを1回操作すると、周波数が10Hz増加して14.000.010となる。1回操作とは1回触れるということである。続けて、ユーザがアップキー23Gaを1回操作すると、周波数が10Hz増加して14.000.020となる。
【0040】
さらに、ユーザがファインアップキー23Gcを1回操作すると、周波数が1Hz増加して14.000.021となる。続けて、ユーザがファインアップキー23Gcを1回操作すると、周波数が1Hz増加して14.000.022となる。ユーザがダウンキー23Gbまたはファインダウンキー23Gdを操作した場合には、周波数が10Hzまたは1Hz減少する。このように、ユーザは、アップキー23Ga、ダウンキー23Gb、ファインアップキー23Gc、またはファインダウンキー23Gdを必要回数だけ触れることによって、周波数を微調整して所望の周波数に設定することができる。
【0041】
図10に示すように、ユーザがRITオンキー23Geを操作すると、CPU1aは、RITをオンに設定し、グレーで表示されていたRIT/XIT表示領域30の調整値をアクティブであることを示す黒に変更する。これに併せて、CPU1aは、RIT/XIT表示領域30の近傍に、RITがオンされていることを示す“RIT”の文字よりなるインジケータ30rを表示する。周波数表示領域20に表示されている周波数は14.000000MHzであり、RIT/XIT表示領域30の調整値は、0.000であるとする。
【0042】
なお、操作部12がRIT/XIT調整値設定用のエンコーダを操作するためのつまみ等の操作キーを備える場合には、RITまたはXIT機能が非アクティブであっても、その操作キーを操作することによってRIT/XIT表示領域30の調整値を変更可能としてもよい。
【0043】
この状態でユーザがファインアップキー23Gcを1回操作すると、RIT/XIT表示領域30の調整値が1Hz増加して0.001となり、周波数表示領域20に表示されている周波数に1Hzが加算される。CPU1aは、送信周波数を変えることなく、受信周波数のみを1Hz増加させて、14.000001Hzとする。続けて、ユーザがファインアップキー23Gcを1回操作すると、RIT/XIT表示領域30の調整値がさらに1Hz増加して0.002となり、周波数表示領域20に表示されている周波数にさらに1Hzが加算される。CPU1aは、受信周波数のみをさらに1Hz増加させて、14.000002Hzとする。
【0044】
図11に示すように、ユーザがオフキー23Ggを操作すると、CPU1aは、RITをオフに設定し、黒で表示されていたRIT/XIT表示領域30の調整値をグレーに変更し、インジケータ30rを消去する。これに併せて、CPU1aは、周波数表示領域20に表示されている受信周波数を元の14.000000MHzに戻す。
【0045】
図10において、RITがオンに設定されている状態でファインダウンキー23Gdが操作されれば、CPU1aは受信周波数を1Hz単位で減少させる。RITがオンに設定されている状態でアップキー23Gaが操作されれば、CPU1aは受信周波数を10Hz単位で増加させ、RITがオンに設定されている状態でダウンキー23Gbが操作されれば、CPU1aは受信周波数を10Hz単位で減少させる。
【0046】
同様に、ユーザがXITオンキー23Gfを操作すると、CPU1aは、XITをオンに設定し、RIT/XIT表示領域30の近傍に、XITがオンされていることを示す“XIT”の文字よりなるインジケータを表示する。XITがオンに設定されている状態でファインアップキー23Gcまたはファインダウンキー23Gdが操作されれば、CPU1aは、受信周波数を変えることなく送信周波数のみを1Hz単位で増加または減少させる。XITがオンに設定されている状態でアップキー23Gaまたはダウンキー23Gbが操作されれば、CPU1aは、送信周波数のみを10Hz単位で増加または減少させる。
【0047】
ユーザは、RITオンキー23Geを操作してRITをオンし、かつ、XITオンキー23Gfを操作してXITをオンすることができる。この場合には、“RIT”の文字よりなるインジケータ30r及び“XIT”の文字よりなるインジケータが同時に表示される。CPU1aは、受信周波数及び送信周波数を同時に一時的に微調整する。
【0048】
RIT/XIT表示領域30がソフトウェアキーとして設定された領域である場合、ユーザが指でRIT/XIT表示領域30に触れたとき、図12に示すように、RIT/XIT調整ガイド30Gが表示されるように構成されていてもよい。RIT/XIT調整ガイド30Gは、ソフトウェアキーとして設定された、アップキー30Ga、ダウンキー30Gb、ファインアップキー30Gc、ファインダウンキー30Gd、RITオンキー30Ge、XITオンキー30Gf、オフキー30Ggを含む。
【0049】
アップキー30Ga、ダウンキー30Gb、ファインアップキー30Gc、ファインダウンキー30Gd、RITオンキー30Ge、XITオンキー30Gf、オフキー30Ggの役割は、周波数微調整ガイド23Gのアップキー23Ga、ダウンキー23Gb、ファインアップキー23Gc、ファインダウンキー23Gd、RITオンキー23Ge、XITオンキー23Gf、オフキー23Ggと同様である。
【0050】
RIT/XIT表示領域30に触れることによるRITまたはXITの調整を、周波数表示領域20に触れることによる周波数の変更または調整から独立させることによって、周波数表示領域20に表示された周波数に影響を与えることなく、RITまたはXITの調整値を増加または減少させることができる。図12においては、RITまたはXIT機能が非アクティブであっても、RITまたはXITの調整値は変更可能とされる。
【0051】
図13を用いて、図3で説明したように運用バンド選択ガイド21Gが表示されて操作された場合の無線通信機100の動作を説明する。図13においては、エンターキー21Gjが触れられた場合の動作を省略している。
【0052】
図13において、無線通信機100が動作を開始すると、制御部1(CPU1a)は、ステップS1にて、運用バンド選択領域21が触れられたか否かを判定する。運用バンド選択領域21が触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS2にて、運用バンド選択ガイド21Gを表示する。制御部1は、ステップS3にて、運用バンド選択領域21への接触が解除されたか否かを判定する。運用バンド選択領域21への接触が解除されれば(YES)、制御部1は処理をステップS7に移行させる。制御部1は、ステップS7にて、運用バンド選択ガイド21Gの表示を消去して、処理をステップS1に戻す。
【0053】
ステップS3にて運用バンド選択領域21への接触が解除されなければ(NO)、制御部1は、ステップS4にて、スワイプ操作によっていずれかのバンド選択キーが触れられたか否かを判定する。いずれかのバンド選択キーが触れられなければ(NO)、制御部1は、ステップS3及びS4の処理を繰り返す。いずれかのバンド選択キーが触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS5にて、接触が解除されたか否かを判定する。接触が解除されなければ(NO)、制御部1は、ステップS4及びS5の処理を繰り返す。
【0054】
ステップS5にて接触が解除されれば(YES)、制御部1は、ステップS6にて、周波数表示領域20に表示されている周波数を、接触を解除した位置のバンド選択キーに対応する周波数に変更し、送受信部2が送受信する無線信号の周波数を変更する。続けて、制御部1は、ステップS7にて、運用バンド選択ガイド21Gの表示を消去して、処理をステップS1に戻す。
【0055】
一方、ステップS1にて運用バンド選択領域21が触れられなければ(NO)、制御部1は、処理を図14のステップS11に移行させる。図14において、制御部1は、ステップS11にて、バンドメモリ選択領域22が触れられたか否かを判定する。バンドメモリ選択領域22が触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS12にて、バンドメモリ選択ガイド22Gを表示する。制御部1は、ステップS13にて、バンドメモリ選択領域22への接触が解除されたか否かを判定する。バンドメモリ選択領域22への接触が解除されれば(YES)、制御部1は処理をステップS17に移行させる。制御部1は、ステップS17にて、バンドメモリ選択ガイド22Gの表示を消去して、処理をステップS11に戻す。
【0056】
ステップS13にてバンドメモリ選択領域22への接触が解除されなければ(NO)、制御部1は、ステップS14にて、スワイプ操作によっていずれかの周波数選択キーが触れられたか否かを判定する。いずれかの周波数選択キーが触れられなければ(NO)、制御部1は、ステップS13及びS14の処理を繰り返す。いずれかの周波数選択キーが触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS15にて、接触が解除されたか否かを判定する。接触が解除されなければ(NO)、制御部1は、ステップS14及びS15の処理を繰り返す。
【0057】
ステップS15にて接触が解除されれば(YES)、制御部1は、ステップS16にて、周波数表示領域20に表示されている周波数を、接触を解除した位置の周波数選択キーに対応する周波数に変更し、送受信部2が送受信する無線信号の周波数を変更する。続けて、制御部1は、ステップS17にて、バンドメモリ選択ガイド22Gの表示を消去して、処理をステップS11に戻す。
【0058】
一方、ステップS11にてバンドメモリ選択領域22が触れられなければ(NO)、制御部1は、処理を図15のステップS201に移行させる。
【0059】
図15において、制御部1は、ステップS201にて、周波数微調整領域23が触れられたか否かを判定する。周波数微調整領域23が触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS202にて、周波数微調整ガイド23Gを表示する。制御部1は、ステップS203にて、周波数微調整領域23が再び触れられたか否かを判定する。周波数微調整領域23が再び触れられれば(YES)、制御部1は処理をステップS214に移行させる。制御部1は、ステップS214にて、周波数微調整ガイド23Gの表示を消去して、処理を図13のステップS1に戻す。
【0060】
ステップS203にて周波数微調整領域23が再び触れられなければ(NO)、制御部1は、ステップS204にて、アップキー23Gaまたはダウンキー23Gbが触れられたか否かを判定する。アップキー23Gaまたはダウンキー23Gbが触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS205にて、触れられた回数ごとに10Hzだけ周波数を増加または減少させ、処理をステップS203に戻す。
【0061】
ステップS204にてアップキー23Gaまたはダウンキー23Gbが触れられなければ(NO)、制御部1は、ステップS206にて、ファインアップキー23Gcまたはファインダウンキー23Gdが触れられたか否かを判定する。ファインアップキー23Gcまたはファインダウンキー23Gdが触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS207にて、触れられた回数ごとに1Hzだけ周波数を増加または減少させ、処理をステップS203に戻す。
【0062】
ステップS206にてファインアップキー23Gcまたはファインダウンキー23Gdが触れられなければ(NO)、制御部1は、ステップS208にて、RITオンキー23Geが触れられたか否かを判定する。RITオンキー23Geが触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS209にて、RITをオンに設定して、処理をステップS203に戻す。
【0063】
RITがオンに設定されている状態で、アップキー23Gaまたはダウンキー23Gbが触れられれば、制御部1は、ステップS205にて、RITの調整値を触れられた回数ごとに10Hzだけ周波数を増加または減少させ、処理をステップS203に戻す。RITがオンに設定されている状態で、ファインアップキー23Gcまたはファインダウンキー23Gdが触れられれば、制御部1は、ステップS207にて、RITの調整値を触れられた回数ごとに1Hzだけ周波数を増加または減少させ、処理をステップS203に戻す。
【0064】
ステップS208にてRITオンキー23Geが触れられなければ(NO)、制御部1は、ステップS210にて、XITオンキー23Gfが触れられたか否かを判定する。XITオンキー23Gfが触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS211にて、XITをオンに設定して、処理をステップS203に戻す。
【0065】
XITがオンに設定されている状態で、アップキー23Gaまたはダウンキー23Gbが触れられれば、制御部1は、ステップS205にて、XITの調整値を触れられた回数ごとに10Hzだけ周波数を増加または減少させ、処理をステップS203に戻す。XITがオンに設定されている状態で、ファインアップキー23Gcまたはファインダウンキー23Gdが触れられれば、制御部1は、ステップS207にて、XITの調整値を触れられた回数ごとに1Hzだけ周波数を増加または減少させ、処理をステップS203に戻す。
【0066】
ステップS210にてXITオンキー23Gfが触れられなければ(NO)、制御部1は、ステップS212にて、オフキー23Ggが触れられたか否かを判定する。オフキー23Ggが触れられれば(YES)、制御部1は、ステップS213にて、RIT及びXITをオフに設定して、処理をステップS203に戻す。オフキー23Ggが触れられなければ(NO)、制御部1は、処理をステップS203に戻す。
【0067】
図13図15に示す処理は、無線通信機100の電源が切断されない限り繰り返される。図13図15に示す処理によって、運用バンド選択ガイド21G、バンドメモリ選択ガイド22G、または周波数微調整ガイド23Gを操作して、周波数表示領域20に表示されている数値以外の数値に変更して周波数を変更することができる。本実施形態の無線通信機100によれば、タッチパネルを用いて、送受信する無線信号の周波数を操作性よく設定することができる。
【0068】
前述のように、周波数表示領域20には、運用バンド選択領域21、バンドメモリ選択領域22、周波数微調整領域23を囲む枠は表示されていない。これは、運用バンド選択領域21、バンドメモリ選択領域22、周波数微調整領域23を囲む枠を表示すると、ユーザが周波数表示領域20に表示された周波数を視認する際の妨げとなる可能性があるからである。一方で、運用バンド選択領域21、バンドメモリ選択領域22、周波数微調整領域23にソフトウェアキーが設定されていて、ユーザが各領域に触れることによって、運用バンドを選択したり、バンドメモリを選択したり、周波数を微調整したりすることができることを認識しやすい方がよい。
【0069】
そこで、図16に示すように、無線通信機100の電源投入後の所定の短時間だけ、制御部1は、運用バンド選択領域21、バンドメモリ選択領域22、周波数微調整領域23をそれぞれ囲む枠210、220、230を表示するのがよい。また、制御部1は、枠210、220、230内に、“周波数バンド”、“バンドメモリ”、“周波数微調整”のような文字を表示するのがよい。枠210、220、230の表示時間は例えば3秒である。
【0070】
図16に示すように、制御部1は、枠210、220、230及び文字を電源投入後の短時間表示した後に枠210、220、230及び文字を消去して、周波数表示領域20に周波数を表示させる。
【0071】
このようにすれば、ユーザは、周波数表示領域20が3つの領域に分割されていることを認識でき、各領域の意味を理解できる。また、ユーザは、周波数表示領域20に表示された周波数を良好に視認できる。
【0072】
枠210、220、230及び文字を消去した後に、周波数に代えて枠210、220、230及び文字を表示させるソフトウェアキーを設けてもよい。このようなソフトウェアキーを設ければ、ユーザは、いつでも、周波数表示領域20がどのように分割されていて、各分割領域がどのような意味を有するかを確認することができる。
【0073】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。図3及び図4に示す運用バンド選択ガイド21G、図7A及び図7Bに示すバンドメモリ選択ガイド22Gの操作においては、スワイプ操作させた指を離すことを決定の操作としている。1回目に触れたときに運用バンド選択ガイド21Gまたはバンドメモリ選択ガイド22Gを表示させ、2回目に触れることを決定の操作としてもよい。タッチパネルの操作の仕方は種々考えられ、タッチパネルの操作の仕方は限定されるものではない。
【符号の説明】
【0074】
1 制御部
1a 中央処理装置(CPU)
1b フラッシュROM
2 送受信部
3 アンテナ
4 DSP
5 マイクロホン
6 スピーカ
7 ROM
8 タッチパネルコントローラ
9 タッチパネル付きディスプレイ
10 不揮発性メモリ
11 PTTスイッチ
12 操作部
20 周波数表示領域
21 運用バンド選択領域
21G 運用バンド選択ガイド
22 バンドメモリ選択領域
22G バンドメモリ選択ガイド
23 周波数微調整領域
23G 周波数微調整ガイド
30 RIT/XIT表示領域
30G RIT/XIT調整ガイド
100 無線通信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16