(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】発光装置及び指針式計器
(51)【国際特許分類】
G01D 11/28 20060101AFI20220705BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
G01D11/28 D
G01D11/28 B
G01D11/28 L
B60K35/00 Z
(21)【出願番号】P 2019518799
(86)(22)【出願日】2018-05-15
(86)【国際出願番号】 JP2018018744
(87)【国際公開番号】W WO2018212173
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】P 2017098401
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】青野 賢司
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-147743(JP,A)
【文献】特開平11-101667(JP,A)
【文献】特開2010-48646(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10352933(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/28
G01D 7/00 - 7/12
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の円周方向に延びる帯状光を視認させる発光装置であって、
光源と、
前記光源から受けた光を前記回転軸の外径方向に出射する出射部を有する導光体と、
前記回転軸の径方向において前記出射部と対向する壁部を有し、前記回転軸を中心に回転可能な遮光部と、
前記遮光部を回転させる駆動部と、を備え、
前記壁部は、前記出射部から出射された光を通過させる窓部を有し、
前記遮光部の回転に応じて、前記出射部のうち前記窓部から覗く部分の大きさが変化することによって、前記帯状光の発光範囲が変化
し、
前記出射部は、第1出射部と、前記第1出射部と前記回転軸に沿う方向において異なる高さに位置する第2出射部と、を有し、
前記窓部は、前記第1出射部から出射された光を通過させる第1窓部と、前記第2出射部から出射された光を通過させる第2窓部と、を有し、
前記帯状光は、前記第1窓部を通過した光に対応して視認される第1帯状光と、前記第2窓部を通過した光に対応して視認される第2帯状光と、を含み、
前記遮光部の回転に応じて、前記第1出射部のうち前記第1窓部から覗く部分の大きさが変化することによって前記第1帯状光の発光範囲が変化し、前記第2出射部のうち前記第2窓部から覗く部分の大きさが変化することによって前記第2帯状光の発光範囲が変化する、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記遮光部における前記第1窓部と前記第2窓部とは互いに、前記円周方向において重ならない位置に設けられ、
前記遮光部が第1の方向に回転するに従って、前記第1出射部のうち前記第1窓部から覗く部分が大きくなることによって、前記第1帯状光の発光範囲が増加し、
前記遮光部が前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転するに従って、前記第2出射部のうち前記第2窓部から覗く部分が大きくなることによって、前記第2帯状光の発光範囲が増加する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1出射部と前記回転軸の径方向において対向し、前記第1窓部を通過した光を前記外径方向へと導く第1導光部と、
前記第2出射部と前記回転軸の径方向において対向し、前記第2窓部を通過した光を前記外径方向へと導く第2導光部と、を備え、
前記第1導光部から出射された光に対応して前記第1帯状光が視認され、前記第2導光部から出射された光に対応して前記第2帯状光が視認される、
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記円周方向において前記第1導光部と前記第2導光部とを隔てる遮光壁を備える、
ことを特徴とする請求項
3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1導光部及び前記第2導光部の各々は、前記円周方向に配列された複数の歯を有して櫛歯状に形成されている、
ことを特徴とする請求項
4に記載の発光装置。
【請求項6】
乗り物に搭載される指針式計器であって、
請求項
1~5のいずれか1項に記載の発光装置と、
指標部が形成された板部と、
前記遮光部とともに前記回転軸を中心として回転しつつ前記指標部を指示する指針と、を備える、
ことを特徴とする指針式計器。
【請求項7】
乗り物に搭載される指針式計器であって、
請求項
1~5のいずれか1項に記載の発光装置と、
指標部が形成された板部と、
前記遮光部とともに前記回転軸を中心として回転しつつ前記指標部を指示する指針と、を備え、
前記遮光部及び前記指針の回転に応じて、前記指針の回転方向における一方側に前記第1帯状光が視認され、前記指針の回転方向における他方側に前記第2帯状光が視認される、
ことを特徴とする指針式計器。
【請求項8】
前記板部は、前記円周方向に沿って形成された透過窓を有し、
前記第1帯状光は、前記透過窓のうち前記円周方向に沿う第1の範囲を透過して視認され、
前記第2帯状光は、前記透過窓のうち前記円周方向に沿う第2の範囲を透過して視認される、
ことを特徴とする請求項
7に記載の指針式計器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び指針式計器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の発光装置として、例えば特許文献1には、指針の近傍を帯状の光によって発光させる指針式計器が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている指針式計器は、光源からの光を受けて指針の先端に向かって光を出射する出射部と、指針の回転方向における一方側から他方側に向かう光を遮蔽する遮蔽部とを備えていることによって、指針の回転方向における一方側に帯状の光を出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている指針式計器としての発光装置は、帯状に視認される光が指針とともに回転移動することで見栄えの良い表示を実現している。しかしながら、当該装置の構造では、指針などの所定部材の回転に応じて、帯状の光それ自体の発光範囲を変化させるといったことが難しい。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、所定部材の回転に応じた斬新な発光表現を行うことができる発光装置及び指針式計器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る発光装置は、
回転軸の円周方向に延びる帯状光を視認させる発光装置であって、
光源と、
前記光源から受けた光を前記回転軸の外径方向に出射する出射部を有する導光体と、
前記回転軸の径方向において前記出射部と対向する壁部を有し、前記回転軸を中心に回転可能な遮光部と、
前記遮光部を回転させる駆動部と、を備え、
前記壁部は、前記出射部から出射された光を通過させる窓部を有し、
前記遮光部の回転に応じて、前記出射部のうち前記窓部から覗く部分の大きさが変化することによって、前記帯状光の発光範囲が変化し、
前記出射部は、第1出射部と、前記第1出射部と前記回転軸に沿う方向において異なる高さに位置する第2出射部と、を有し、
前記窓部は、前記第1出射部から出射された光を通過させる第1窓部と、前記第2出射部から出射された光を通過させる第2窓部と、を有し、
前記帯状光は、前記第1窓部を通過した光に対応して視認される第1帯状光と、前記第2窓部を通過した光に対応して視認される第2帯状光と、を含み、
前記遮光部の回転に応じて、前記第1出射部のうち前記第1窓部から覗く部分の大きさが変化することによって前記第1帯状光の発光範囲が変化し、前記第2出射部のうち前記第2窓部から覗く部分の大きさが変化することによって前記第2帯状光の発光範囲が変化する、
ことを特徴とする。
【0008】
(削除)
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る指針式計器は、
乗り物に搭載される指針式計器であって、
前記発光装置と、
指標部が形成された板部と、
前記遮光部とともに前記回転軸を中心として回転しつつ前記指標部を指示する指針と、を備える、
ことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る指針式計器は、
乗り物に搭載される指針式計器であって、
前記発光装置と、
指標部が形成された板部と、
前記遮光部とともに前記回転軸を中心として回転しつつ前記指標部を指示する指針と、を備え、
前記遮光部及び前記指針の回転に応じて、前記指針の回転方向における一方側に前記第1帯状光が視認され、前記指針の回転方向における他方側に前記第2帯状光が視認される、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定部材の回転に応じた斬新な発光表現を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る複合計器の概略正面図である。
【
図5】
図4に示すA-A線に沿った複合計器の概略断面図である。
【
図6】
図4に示すB-B線に沿った複合計器の概略断面図である。
【
図7】(a)及び(b)は、第1導光部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係る発光装置を、図面を参照して説明する。
【0014】
本発明の一実施形態に係る発光装置は、
図1に示す複合計器1に含まれる。複合計器1は、例えばハイブリット車などの車両に搭載され、車両に関する計測量をユーザ(主に運転者)に報知する。複合計器1は、例えば、車両のハンドル前方に配設される。
【0015】
以下では、構成の理解を容易にするために、複合計器1を正面視したときの手前側を「表」とし、奥側を「裏」として各部を説明する。
【0016】
複合計器1は、
図1に示すように、指針式計器2と、スピードメータ3と、ディスプレイ4とを備える。
【0017】
指針式計器2は、指針2aの指示箇所に応じて、車両のモータによるチャージ量及びアシスト量を報知するチャージ/アシストゲージとして機能する。指針2a、後述の指標部31を指示する指示部2bと、指針2aの回転中心部に設けられた指針キャップ2cと、を有する。指示部2bは、導光材からなり、後述の指針用光源13からの光により発光可能となっている。指針キャップ2cは、遮光性を有し、指示部2bの回転中心部を表側から覆う。指針2aは、軸線AXを中心に、第1の範囲R1及び第2の範囲R2に渡って回転可能に構成されている。指針式計器2は、指針2aが第1の範囲R1と第2の範囲R2の境界であるゲージ中間位置Nにあるときは、チャージ量とアシスト量がともに無い(ゼロである)状態を示す。
【0018】
指針2aがゲージ中間位置Nよりも反時計回りに振れた場合は、第1の範囲R1におけるゲージ中間位置Nからの指針2aの指示位置の割合によって、指針式計器2はアシスト量を報知する。つまり、指針2aがゲージ中間位置Nよりも反時計回りに移動すればするほど、報知対象のアシスト量が増加する。一方、指針2aがゲージ中間位置Nよりも時計回りに振れた場合は、第2の範囲R2におけるゲージ中間位置Nからの指針2aの指示位置の割合によって、指針式計器2はチャージ量を報知する。つまり、指針2aがゲージ中間位置Nよりも時計回りに移動すればするほど、報知対象のチャージ量が増加する。
【0019】
また、指針式計器2は、後述の発光表示部31aにより、軸線AXを中心とした円周方向に沿って円弧状に延びる帯状光を視認させる。具体的には、指針式計器2は、第1の範囲R1においては、ゲージ中間位置Nから指針2aの指示箇所にわたって円弧状に延びる第1帯状光L1(
図5参照)を発光表示する。また、指針式計器2は、
図1に示すように、第2の範囲R2においては、ゲージ中間位置Nから指針2aの指示箇所にわたって円弧状に延びる第2帯状光L2を発光表示する。このように、指針式計器2は、指針2aの移動に応じてゲージ中間位置Nから円弧状に延びる第1帯状光L1又は第2帯状光L2を発光表示する発光装置を含み、斬新で見栄えの良い表示を実現する。なお、後述するように、指針2aが丁度、ゲージ中間位置Nに位置した際には、第1帯状光L1及び第2帯状光L2は視認されないことになる。また、指針式計器2は、後述の燃料表示部32により車両の残燃料を報知する。
【0020】
スピードメータ3は、
図1に示すように指針式計器2の左隣りに設けられ、指針3aの指示箇所に応じて、車速を報知する。ディスプレイ4は、指針式計器2及びスピードメータ3の一部(指針2a及び指針3aの各々の回転中心部近傍)を表側から覆うように設けられ、車両に関する各種情報を画像により報知する。ディスプレイ4は、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diode)などから構成されてい
る。
【0021】
以下では、複合計器1の構成のうち、発光装置を含む指針式計器2に関連する構成を中心に説明する。
【0022】
複合計器1は、
図2に示す回路基板10、インナーケース20、板部30、及び発光用部品群100と、
図5及び
図6に示すリアケース40と、を備える。また、複合計器1は、図示しないレンズと見返し部材を、板部30よりも表側に備える。
【0023】
回路基板10は、各種回路が形成されたプリント回路板から構成されている。回路基板10に実装されるか、回路基板10と電気的に接続される制御部(図示せず)によって、複合計器1の全体動作が制御される。回路基板10は、
図5及び
図6に示すように、リアケース40の表側に位置する。回路基板10の裏側には、指針2aを回転させるためのモータ11が実装されている。モータ11は、例えばステッピングモータから構成されている。モータ11の回転軸11aは、回路基板10の基材を貫通して回路基板10の表側へと突出している。回転軸11aの先端部に指針2aが取り付けられていることにより、モータ11の動作に伴い指針2aが軸線AXを中心に回転可能となっている。回路基板10と電気的に接続された制御部は、車両のECU(Electronic Control Unit)から取得したチャージ量及びアシスト量に応じて、モータ11を介し、指針2aを回転させる。
【0024】
回路基板10の表側には、後述の発光表示部31aを発光させるための光源12が実装されている。また、回路基板10の表側には、指針2aを発光させるための指針用光源13も実装されている。光源12と指針用光源13の各々は、例えば、LED(Light Emitting Diode)から構成されている。光源12は、例えば複数あり、指針2aの回転範囲に概ね対応して、
図2に示すように回転軸11aを中心に円弧状に配列されている。指針用光源13は、例えば複数あり、光源12よりも回転軸11aの近傍に配列されている。
【0025】
発光表示部31aを発光させるための光源12は、例えば、複合計器1の起動中においては常時点灯している。この実施形態では、複数の光源12の点灯を個別に制御することによってではなく、後述する発光用部品群100などの機械的要素により、第1帯状光L1及び第2帯状光L2を、指針2aの回転に追従するように発光させる。
【0026】
インナーケース20は、
図5及び
図6に示すように、リアケース40に表側から嵌め合わされ、リアケース40と共に各種部品を収納する。インナーケース20は、裏側において回路基板10を保持し、表側において板部30を保持している。なお、インナーケース20は、表側においてディスプレイ4なども保持している。インナーケース20は、板部30と回路基板10との間に位置している。
【0027】
インナーケース20には、
図2に示すように、軸線AXを中心とした略円形の孔20aが設けられている。このように設けられた孔20aによって、発光用部品群100の配設スペースが確保されている。
【0028】
また、インナーケース20には、孔20aを囲むようにして、
図4に示すように、円弧状の仕切り部21が形成されている。仕切り部21は、回転軸11aの円周方向に沿って配列された複数の仕切りを有する。当該複数の仕切りによって、仕切り部21には、円周方向に沿って配列された複数のセグメント22が形成される。これらセグメント22により、帯状光(第1帯状光L1及び第2帯状光L2)の発光範囲が規定される。
【0029】
各セグメント22には、光源12から発せられた後に、発光用部品群100を介して、回転軸11aの外径方向に出射された光を、表側に向けて効率良く反射させる斜面22aが形成されている。このため、インナーケース20は、反射効率の良い白色に所定の樹脂材から形成されている。なお、インナーケース20において、少なくとも斜面22aに反射率の高い塗装を施すなどしても良い。
【0030】
板部30は、
図2に示すように、指針2aに指示される指標部31と、燃料表示部32とを有する。板部30は、インナーケース20の表側に設けられている。板部30は、例えば、ポリカーボネート等の透光性板材の表面と裏面との少なくとも一方に印刷層を形成したものであり、板材の広範囲に渡って遮光性印刷層が形成されている。板部30は、軸線AXを中心とした略円形の開口部30aを有する。この開口部30aによって、回転軸11aに取り付けられた指針2aは、板部30の表側において回転することが可能となっている。
【0031】
板部30の指標部31は、発光表示部31aと、意匠部31bと、を有する。
【0032】
発光表示部31aは、インナーケース20の仕切り部21に対応して円弧状に形成されている。発光表示部31aは、仕切り部21の各セグメント22に対応して、回転軸11aの円周方向に沿って配列された複数の透過窓31cを有する。これら透過窓31cは、板部30において遮光性印刷層が施されていない部分により形成され、透光性を有している。これにより、1つの透過窓31cは、当該透過窓31cに対応する1つのセグメント22の斜面22aで反射し、表側に向かう光を透過させることができる。
【0033】
意匠部31bは、例えば印刷層により形成され、文字、図形、記号などから構成されている。この実施形態に係る意匠部31bは、発光表示部31aの役割を示すために設けられ、車両のモータによるアシスト量を示す「POWER」という文字と、チャージ量を示す「CHARGE」という文字と、指針2aの回転範囲を示すとともに「POWER」と「CHARGE」の境界を示す略円弧状の図形とを有している。
【0034】
燃料表示部32は、車両の残燃料をバーグラフ状の発光により報知する。燃料表示部32は、例えば、板部30において遮光性印刷層が施されていない部分により形成され、透光性を有している。これにより、回路基板10に実装された燃料表示用の光源により発光可能となっている。
【0035】
発光用部品群100は、
図3に示すように、導光体110と、ガイドケース120と、遮光キャップ130と、導光部140と、を備える。
【0036】
導光体110は、光源12から受けた光を内部に導き、回転軸11aの外径方向に向かって出射する。導光体110は、例えばアクリル樹脂などによって透明に形成された導光部材である。導光体110は、指針用光源13からの光を指針2aに向けて導く導光部分とともに一体で成形されている。なお、導光体110は、当該導光部分と別体であってもよい。導光体110は、例えば、回路基板10の基材に公知の手法で固定されている。
【0037】
導光体110は、
図3に示すように、光源12からの受けた光を回転軸11aの外径方向へと出射する出射部112を備える。具体的には、出射部112は、第1の範囲R1に対応して形成された第1出射部112aと、第2の範囲R2に対応して形成された第2出射部112bと、を有する。つまり、第1出射部112aと第2出射部112bとは、回転軸11aの円周方向においてゲージ中間位置Nを境に隣り合うように位置する。
図5に示すように、第1出射部112aから出射された光が第1帯状光L1となる。
図6に示すように、第2出射部112bから出射された光が第2帯状光L2となる。
【0038】
また、導光体110は、
図5に示すように、第1出射部112aに対応する第1受光部111aを有する。ここで、複数の光源12のうち、第1の範囲R1に対応して配設されたものを第1光源12aとすると、第1受光部111aは、
図5に示すように、第1光源12aと対向する。また、導光体110は、第1受光部111aから内部に入射した第1光源12aからの光を回転軸11aの外径方向に向けて反射させる反射面を有する。第1の範囲R1に着目すると、導光体110は、第1光源12aが発した光を第1受光部111aから受け、反射面を介して、第1出射部112aから出射する。第1出射部112aから出射された光が第1帯状光L1となる。
【0039】
また、導光体110は、
図6に示すように、第2出射部112bに対応する第2受光部111bを有する。ここで、複数の光源12のうち、第2の範囲R2に対応して配設されたものを第2光源12bとすると、第2受光部111bは、
図6に示すように、第2光源12bと対向する。また、導光体110は、第2受光部111bから内部に入射した第2光源12bからの光を回転軸11aの外径方向に向けて反射させる反射面を有する。第2の範囲R2に着目すると、導光体110は、第2光源12bが発した光を第2受光部111bから受け、反射面を介して、第2出射部112bから出射する。第2出射部112bから出射された光が第2帯状光L2となる。このようにして、導光体110は、第1帯状光L1に対応する第1の光路と、第2帯状光L2に対応する第2の光路とを実現する。
【0040】
また、第1出射部112aと第2出射部112bとは、軸線AXに沿う方向において異なる高さに位置し、ゲージ中間位置Nを境として段違いに形成されている。
図5と
図6を対比して分かるように、第1出射部112aは、第2出射部112bよりも板部30の近くに位置する。このように第1出射部112aと第2出射部112bとが段違いに形成されていることにより、第1の光路を進み、第1帯状光L1として視認される光と、第2の光路を進み、第2帯状光L2として視認される光とは、互いに段違いの位置から出射される。
【0041】
ガイドケース120は、後述する第1導光部141と第2導光部142を保持するものである。ガイドケース120は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂から遮光性を有して形成されている。ガイドケース120は、その外周部において、公知の手法により回路基板10に固定されている。また、ガイドケース120は、回転軸11aの近傍部で、導光体110を回路基板10との間で挟持する。
【0042】
ガイドケース120は、
図3に示すように、軸線AXを中心に扇状に形成された第1溝部121及び第2溝部122と、を有する。第1溝部121には、後述する第1導光部141が表側から嵌められる。第2溝部122には、後述する第2導光部142が裏側から嵌められる。また、ガイドケース120は、軸線AXを中心とした円周方向において第1導光部141と第2導光部142とを隔てる遮光壁123を有している。第1溝部121は、第1の範囲R1に渡って設けられている。第2溝部122は、第2の範囲R2に渡って設けられている。遮光壁123は、ゲージ中間位置Nに沿って設けられている。
【0043】
第1溝部121は、軸線AXを中心に放射状に延びるとともに、表側に向かって突出した複数の壁を有している。このような複数の壁を有していることにより、第1溝部121には、放射状に延びる複数の溝が形成されている。第1溝部121の軸線AX側は、導光体110の第1出射部112aと対向している。第1溝部121の周縁は、インナーケース20の仕切り部21のうち第1の範囲R1に対応する部分と対向している。第1溝部121を構成する溝と、第1の範囲R1におけるインナーケース20のセグメント22とは、一対一で対応するように設けられている。
【0044】
第2溝部122は、軸線AXを中心に放射状に延びるとともに、裏側に向かって突出した複数の壁を有している。このような複数の壁を有していることにより、第2溝部122には、放射状に延びる複数の溝が形成されている。第2溝部122の軸線AX側は、導光体110の第2出射部112bと対向している。第2溝部122の周縁は、インナーケース20の仕切り部21のうち第2の範囲R2に対応する部分と対向している。第2溝部122を構成する溝と、第2の範囲R2におけるインナーケース20のセグメント22とは、一対一で対応するように設けられている。
【0045】
また、ガイドケース120は、
図5に示すように、第1溝部121の裏側に形成された第1空間124と、
図6に示すように、第2溝部122の表側に形成された第2空間125とを有して形成されている。第1空間124は、第1の範囲R1において発光可能な第1帯状光L1の発光時に、第2の範囲R2が発光しないように、漏光をトラップする空間として設けられている。具体的には、第1空間124は、第1帯状光L1の発光時に、後述の遮光キャップ130の窓部132から第2の範囲R2に渡って漏れ出る光を抑制するために設けられている。第2空間125は、第2の範囲R2において発光可能な第2帯状光L2の発光時に、第1の範囲R1が発光しないように、漏光をトラップする空間として設けられている。具体的には、第2空間125は、第2帯状光L2の発光時に、後述の遮光キャップ130の窓部132から第1の範囲R1に渡って漏れ出る光を抑制するために設けられている。
【0046】
遮光キャップ130は、
図5及び
図6に示すように、指針2aの指針キャップ2cと、板部30の開口部30aとの間を塞ぐようにして設けられる。遮光キャップ130は、裏側に向かって開口する蓋状に形成されている。遮光キャップ130は、例えば、ポリカーボネート等からなる透明シートに黒印刷を実施し、圧空成形などで絞り加工を施すことで形成される。なお、遮光キャップ130は、射出成型の後に黒塗装を表面に施すことで形成してもよいし、遮光性を有する樹脂材によって形成してもよい。
【0047】
遮光キャップ130は、回転軸11aに対して固定され、指針2aと共に軸線AXを中心に回転する。例えば、遮光キャップ130は、指針2aの指針キャップ2cに固定されていることで、指針2aに固定されている。
【0048】
遮光キャップ130は、
図3に示すように、回転軸11aの径方向において出射部112と対向して導光体110を覆う円筒状の壁部131を有する。壁部131には、透光性を有する窓部132が形成されている。例えば、窓部132は、遮光キャップ130において遮光性印刷層が無い部分により形成されている。なお、窓部132は、壁部131に設けられた開口部によって形成されてもよい。
【0049】
窓部132は、
図3に示すように、遮光キャップ130の円周方向に沿って、互いに隣り合う第1窓部132a及び第2窓部132bを有する。第1窓部132aと第2窓部132bとは、指針2aの指示部2bを境として、隣り合うように配置されている。
【0050】
また、第1窓部132aと第2窓部132bとは軸線AXに沿う軸方向において異なる高さに、段違いに位置している。
図5と
図6を対比して分かるように、第1窓部132aは、第2窓部132bよりも板部30の近くに位置する。第1窓部132aは、導光体110の第1出射部112aと同じ高さに位置する。第2窓部132bは、導光体110の第2出射部112bと同じ高さに位置する。
【0051】
ここで、
図4に示すように、指針2aの指示部2bが丁度、ゲージ中間位置Nに位置しているときには、軸線AXを中心とした径方向において、第1窓部132aと第1出射部112aとは重ならず、且つ、第2窓部132bと第2出射部112bとは重ならない。つまり、指示部2bがゲージ中間位置Nに位置しているときは、第1出射部112aは、壁部131のうち第1窓部132aと同じ高さにある部分と対向し、壁部131によって塞がれた状態となる。また、指示部2bがゲージ中間位置Nに位置しているときは、第2出射部112bは、壁部131のうち第2窓部132bと同じ高さにある部分と対向し、壁部131によって塞がれた状態となる。
【0052】
指針2aの指示部2bがゲージ中間位置Nから反時計回りに回転すればするほど、第1窓部132aのうち、第1出射部112aと重なる領域が増加していく。つまり、指針2aの指示部2bがゲージ中間位置Nから反時計回りに回転すればするほど、第1出射部112aから出射され、第1窓部132aを通過する光の量が増加していく。このような機構により、第1の範囲R1においては、後述するように第1帯状光L1が回転移動する指針2aに追従して発光表示される。
【0053】
指針2aの指示部2bがゲージ中間位置Nから時計回りに回転すればするほど、第2窓部132bのうち、第2出射部112bと重なる領域が増加していく。つまり、指針2aの指示部2bがゲージ中間位置Nから時計回りに回転すればするほど、第2出射部112bから出射され、第2窓部132bを通過する光の量が増加していく。このような機構により、第2の範囲R2においては、後述するように第2帯状光L2が回転移動する指針2aに追従して発光表示される。
【0054】
以上のように、第1窓部132aは、指針2aがゲージ中間位置Nから反時計回りに移動すればするほど、光を通過させる部分の面積が増加する。また、第2窓部132bは、指針2aがゲージ中間位置Nから時計回りに移動すればするほど、光を通過させる部分の面積が増加する。
【0055】
導光部140は、ポリカーボネートなどの透明樹脂からなり、
図3に示すように、第1導光部141と、第2導光部142と、を有する。
【0056】
第1導光部141は、
図3に示すように、ガイドケース120の第1溝部121に表側から嵌められる。第1導光部141は、導光体110の第1出射部112aから出射され、第1窓部132aを通過した光を、インナーケース20の仕切り部21のうち第1の範囲R1に対応した部分に、効率良く導くために設けられる。第1導光部141は、軸線AXを中心として放射状に延びるとともに、軸線AXの円周方向に複数配列された櫛歯状に形成されている。第1導光部141を構成する複数の歯は、第1溝部121を構成する複数の溝に対応して形成されている。
【0057】
なお、第1導光部141を構成する櫛歯は、一体に形成されてもよいが、複数の部材を組み合わせることで構成されてもよい。例えば、第1導光部141は、
図7(a)、(b)に示すように、第1の櫛歯状導光体141aと、第2の櫛歯状導光体141bとを組み合わせることによって構成されてもよい。この場合、第1の櫛歯状導光体141aを構成する複数の歯のうち、隣り合うもの同士の間に生じさせた間隔に、第2の櫛歯状導光体141bを構成する複数の歯が挿入可能なようにして、第1の櫛歯状導光体141aと第2の櫛歯状導光体141bとを組み合わせればよい。このようにすることで、金型を用いた成形の制約を回避しつつ、細かな櫛歯形状を実現することができる。これは、第2導光部142についても同様である。
【0058】
第2導光部142は、
図3に示すように、ガイドケース120の第2溝部122に裏側から嵌められる。第2導光部142は、導光体110の第2出射部112bから出射され、第2窓部132bを通過した光を、インナーケース20の仕切り部21のうち第2の範囲R2に対応した部分に、効率良く導くために設けられる。第2導光部142は、軸線AXを中心として放射状に延びるとともに、軸線AXの円周方向に複数配列された櫛歯状に形成されている。第2導光部142を構成する複数の歯は、第2溝部122を構成する複数の溝に対応して形成されている。
【0059】
複合計器1の構成は以上である。続いて、指針式計器2の発光動作を説明する。
【0060】
指針2aの指示部2bが第1の範囲R1にあるときは、遮光キャップ130の第1窓部132aは、導光体110の第1出射部112aから出射される光を通す状態となる。このとき、当該光は、
図5に示す第1の光路に沿って進行可能な状態となる。
【0061】
図5に示すように、第1光源12aからの光は、導光体110の第1受光部111aから内部に入射し、第1出射部112aから軸線AXを中心とした外径方向に出射される。第1出射部112aから出射された光は、ガイドケース120の第1溝部121内にある第1導光部141に導かれて、インナーケース20に形成されたセグメント22の斜面22aで反射する。斜面22aで反射した光は、表側へと向かい、板部30に形成された透過窓31cを透過し、第1帯状光L1として視認される。
【0062】
この際、指針2aがゲージ中間位置Nよりも反時計回りに移動すればする程、第1窓部132aを通過する光の量が増加し、第1窓部132aからは、ゲージ中間位置Nから反時計回りに拡がる扇状の光が出射される。扇状の光が拡がれば拡がる程、櫛歯状の第1導光部141によって回転軸11aの外径方向へと導かれる光も、ゲージ中間位置Nから反時計回りに拡がっていく。そして、第1導光部141の櫛歯を構成する複数の歯先の各々からは、対応するセグメント22に向けて光が出射される。結果として、ゲージ中間位置Nから指針2aの指示部2bが指示している位置に渡って板部30の透過窓31cが発光し、ゲージ中間位置Nから反時計回りに、円弧状に延びる第1帯状光L1が視認される。透過窓31cは、発光表示部31aにおいて円弧状に複数配列されているため、第1帯状光L1は、第1の範囲R1において円弧状に増減するバーグラフのように視認される。
【0063】
一方、指針2aの指示部2bが第2の範囲R2にあるときは、遮光キャップ130の第2窓部132bは、導光体110の第2出射部112bから出射される光を通す状態となる。このとき、当該光は、
図6に示す第2の光路に沿って進行可能な状態となる。
【0064】
図6に示すように、第2光源12bからの光は、導光体110の第2受光部111bから内部に入射し、第2出射部112bから軸線AXを中心とした外径方向に出射される。第2出射部112bから出射された光は、ガイドケース120の第2溝部122内にある第2導光部142に導かれて、インナーケース20に形成されたセグメント22の斜面22aで反射する。斜面22aで反射した光は、表側へと向かい、板部30に形成された透過窓31cを透過し、第2帯状光L2として視認される。
【0065】
この際、指針2aがゲージ中間位置Nよりも時計回りに移動すればする程、第2窓部132bを通過する光の量が増加し、第2窓部132bからは、ゲージ中間位置Nから時計回りに拡がる扇状の光が出射される。扇状の光が拡がれば拡がる程、櫛歯状の第2導光部142によって回転軸11aの外径方向へと導かれる光も、ゲージ中間位置Nから時計回りに拡がっていく。そして、第2導光部142の櫛歯を構成する複数の歯先の各々からは、対応するセグメント22に向けて光が出射される。結果として、ゲージ中間位置Nから指針2aの指示部2bが指示している位置に渡って板部30の透過窓31cが発光し、ゲージ中間位置Nから時計回りに、円弧状に延びる第2帯状光L2が視認される。透過窓31cは、発光表示部31aにおいて円弧状に複数配列されているため、第2帯状光L2は、
図1に示すように、第2の範囲R2において円弧状に増減するバーグラフのように視認される。
【0066】
なお、第1帯状光L1と第2帯状光L2との発光色を変えたい場合には、(i)複数の光源12のうち、第1光源12aと第2光源12bの発光色を変えてもよいし、(ii)遮光キャップ130の第1窓部132aと第2窓部132bとに互いに色違いの透光性着色層を設けてもよいし、(iii)板部30の発光表示部31aにおいて、第1の範囲R1にある透過窓31cと、第2の範囲R2にある透過窓31cとに、互いに色違いの透光性着色層を設けてもよいし、(iv)これらの組合せにより実現してもよい。
【0067】
また、指針2aの回転に対する、バーグラフ状に視認される第1帯状光L1及び第2帯状光L2の点灯タイミングは、遮光キャップ130における、第1窓部132a及び第2窓部132bの各々の回転軸11aの円周方向に沿う長さを変化させることで、調整することが可能である。
【0068】
また、以上では、板部30へ向かう出射光を得るため、インナーケース20の斜面22aを用いたが、第1導光部141及び第2導光部142の先端部を延長し、当該先端部の底面に反射面を設けることで、第1導光部141及び第2導光部142に導かれた光を板部30に向かって反射させる構成を採用してもよい。この場合、インナーケース20の仕切り部21を省いても良い。
【0069】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0070】
(1)以上に説明した指針式計器2に含まれる発光装置は、回転軸11aの円周方向に延びる帯状光を視認させる。発光装置は、光源12と、光源12から受けた光を回転軸11aの外径方向に出射する出射部112を有する導光体110と、回転軸11aの径方向において出射部と対向する壁部131を有し、回転軸11aを中心に回転可能な遮光キャップ130(遮光部の一例)と、遮光キャップ130を回転させるモータ11(駆動部の一例)と、を備える。壁部131は、出射部112から出射された光を通過させる窓部132を有する。この発光装置では、遮光キャップ130の回転に応じて、出射部112のうち窓部132から覗く部分の大きさが変化することによって、帯状光の発光範囲が変化する。
このようにしたので、遮光キャップ130の回転に応じた斬新な発光表現を行うことができる。
【0071】
なお、帯状光は、円弧状に視認されるものに限られず、扇状に視認されてもよい。また、発光装置は、指針式計器2に含まれていなくてもよい。また、出射部112は、互いに段違いに形成された第1出射部112a及び第2出射部112bを有していなくともよい。また、窓部132は、互いに段違いに形成された第1窓部132aと第2窓部132bを有していなくともよい。
【0072】
(2)また、出射部112は、第1出射部112aと、第1出射部112aと回転軸11aに沿う方向(軸線AXに沿う方向)において異なる高さに位置する第2出射部112bと、を有する。窓部132は、第1出射部112aから出射された光を通過させる第1窓部132aと、第2出射部112bから出射された光を通過させる第2窓部132bと、を有する。帯状光は、第1窓部132aを通過した光に対応して視認される第1帯状光L1と、第2窓部132bを通過した光に対応して視認される第2帯状光L2と、を含む。遮光キャップ130の回転に応じて、第1出射部112aのうち第1窓部132aから覗く部分の大きさが変化することによって第1帯状光L1の発光範囲が変化し、第2出射部112bのうち第2窓部132bから覗く部分の大きさが変化することによって第2帯状光L2の発光範囲が変化する。
このように遮光キャップ130の回転に応じて、第1帯状光L1と第2帯状光L2の発光範囲を変化させることができるため、斬新な発光表現を行うことができる。
【0073】
(3)また、遮光キャップ130における第1窓部132aと第2窓部132bとは互いに、回転軸11aの円周方向において重ならない位置に設けられ、遮光キャップ130が第1の方向(例えば、反時計回り)に回転するに従って、第1出射部112aのうち第1窓部132aから覗く部分が大きくなることによって、第1帯状光L1の発光範囲が増加し、遮光キャップ130が第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、時計回り)に回転するに従って、第2出射部112bのうち第2窓部132bから覗く部分が大きくなることによって、第2帯状光L2の発光範囲が増加する、ようにしてもよい。
【0074】
(4)また、第1出射部112aと回転軸11aの径方向において対向し、第1窓部132aを通過した光を回転軸11aの外径方向へと導く第1導光部141と、第2出射部112bと回転軸11aの径方向において対向し、第2窓部132bを通過した光を回転軸11aの外径方向へと導く第2導光部142と、を備え、第1導光部141から出射された光に対応して第1帯状光L1が視認され、第2導光部142から出射された光に対応して第2帯状光L2が視認される、ようにしてもよい。
【0075】
なお、第1導光部141及び第2導光部142を設けない構成を採用してもよい。例えば、ガイドケース120の第1溝部121及び第2溝部122に、導光体110から出射される出射光を効率よく回転軸11aの外径方向へ導くため、反射率の高い塗装を施しても良い。
【0076】
(5)また、回転軸11aの円周方向において第1導光部141と第2導光部142とを隔てる遮光壁123を備えていてもよい。
このようにすれば、第1帯状光L1の発光領域と、第2帯状光L2の発光領域との境界を明瞭にすることができる。
【0077】
(6)また、第1導光部141及び第2導光部142の各々は、回転軸11aの円周方向に配列された複数の歯を有して櫛歯状に形成されていてもよい。
このようにすれば、櫛歯を構成する複数の歯先から、帯状光の基となる光を出射することができるため、セグメント状に分割された発光が可能であり、より斬新な発光表現が可能である。
【0078】
(7)また、以上に説明した車両に搭載される指針式計器2は、前記の発光装置と、指標部31が形成された板部30と、遮光キャップ130とともに回転軸11aを中心として回転しつつ指標部31を指示する指針2aと、を備える。
このようにしたので、遮光キャップ130及び指針2aの回転に応じた斬新な発光表現を行うことができる。
【0079】
なお、指針式計器2が搭載される車両は、以上に例示したハイブリッド車に限られず、ガソリン車、電気自動車、水素自動車など様々な車両であってもよい。また、指針式計器2が搭載される乗り物は、車両に限られず、航空機、船舶、農耕機械などであってもよい。また、指針式計器2が報知する対象もチャージ量及びアシスト量に限られず、任意である。指針式計器2は、スピードメータ、タコメータ等として機能するものであってもよい。
【0080】
(8)また、指針式計器2では、遮光キャップ130及び指針2aの回転に応じて、指針2aの回転方向における一方側に第1帯状光L1が視認され、指針2aの回転方向における他方側に第2帯状光L2が視認される。
このように第1帯状光L1及び第2帯状光L2が指針2aの回転方向に応じて発光するため、より斬新な発光表現を実現することができる。
【0081】
(9)また、指針式計器2では、板部30は、回転軸11aの円周方向に沿って形成された透過窓31cを有し、第1帯状光L1は、透過窓31cのうち回転軸11aの円周方向に沿う第1の範囲R1を透過して視認され、第2帯状光L2は、透過窓31cのうち回転軸11aの円周方向に沿う第2の範囲R2を透過して視認されてもよい。
【0082】
なお、以上の実施形態では、複数の透過窓31cがセグメント状に円弧に沿って配列された例を示したが、これに限られない。透過窓31cの形状は任意であり、円弧に沿って形成されていなくともよいし、セグメント状に分割されていなくともよい。
【0083】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【符号の説明】
【0084】
1…複合計器
2…指針式計器、3…スピードメータ、4…ディスプレイ
2a…指針、2b…指示部、2c…指針キャップ、AX…軸線
R1…第1の範囲、R2…第2の範囲、N…ゲージ中間位置
L1…第1帯状光、L2…第2帯状光
10…回路基板
11…モータ、11a…回転軸
12…光源(12a…第1光源、12b…第2光源)
20…インナーケース
20a…孔、21…仕切り部、22…セグメント、22a…斜面
30…板部、30a…開口部、32…燃料表示部
31…指標部
31a…発光表示部、31b…意匠部、31c…透過窓
40…リアケース
100…発光用部品群
110…導光体
111a…第1受光部、111b…第2受光部
112…出射部(112a…第1出射部、112b…第2出射部)
120…ガイドケース
121…第1溝部、122…第2溝部、123…遮光壁
130…遮光キャップ
131…壁部、132…窓部(132a…第1窓部、132b…第2窓部)
140…導光部、141…第1導光部、142…第2導光部