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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20220705BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20220705BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
H01F27/29 123
H01F17/00 B
H01F17/04 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020000973
(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公開番号】P2021111656
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】安念 一規
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 克文
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-32715(JP,A)
【文献】特開2017-112130(JP,A)
【文献】特開2012-114363(JP,A)
【文献】特開2015-70122(JP,A)
【文献】特開2017-152500(JP,A)
【文献】特開2011-71457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/29
H01F 17/00
H01F 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長辺と短辺とを有する長方形状の底面と、前記底面と反対側に位置する上面と、前記底面と前記上面とを繋ぐ長辺側の側面と短辺側の側面とを有する磁性体基板と、
前記上面上に形成された絶縁層及び前記絶縁層内に形成されたコイルを有する積層体と、
前記底面に設けられた外部電極と、
を備え、
前記磁性体基板は、前記底面の角部に設けられた凹部を有し、
前記外部電極は、前記底面において前記凹部の周囲に設けられた電極本体部を有し、
前記電極本体部は、複数の金属層が積層されてなり、前記複数の金属層の内で前記積層体の積層方向において最も内側に位置する下地層を有し、
前記下地層は、前記底面において、前記底面と前記短辺側の側面との間の短辺側稜線部から離れた位置に形成されている、コイル部品。
【請求項2】
前記複数の金属層は、前記下地層上に前記下地層よりも電気的抵抗が低い低抵抗層を有し、
前記低抵抗層は、前記底面において、前記短辺側稜線部から離れた位置に形成されている、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記外部電極は、前記凹部に設けられ、前記コイルと前記電極本体部とを電気的に接続する接続部を更に有する、請求項1又は請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記接続部は、前記電極本体部と一体に構成され、前記電極本体部から前記凹部と前記短辺側の側面との間の凹部稜線部上まで形成されている、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記接続部は、前記電極本体部と同一の積層構造である、請求項3又は請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記複数の金属層は、前記低抵抗層上に被膜層を有する、請求項2又は請求項2を引用する請求項3から請求項5の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記低抵抗層は、銅を含む金属層であり、
前記被膜層は、ニッケルを含む金属層を有する、請求項6に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記積層体上に形成された磁性層を更に有し、
前記磁性体基板と前記積層体と前記磁性層とを積層した積層物とした場合に、前記積層物は積層方向の長さが0.23mm以下、前記積層方向と直交する方向の内で前記短辺に沿った方向の長さが0.3mm以下、前記積層方向と直交する方向の内で前記長辺に沿った方向の長さが0.45mm以下である、請求項1から請求項7の何れか1項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記凹部と前記短辺に沿った方向において隣り合う前記電極本体部の内で、前記凹部から前記短辺に沿った方向において離れた位置の端部を遠方端部とした場合に、
前記凹部と前記遠方端部との前記短辺に沿った方向における距離が、25μm以下である、請求項1から請求項8の何れか1項に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コイル部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品は、種々の電子機器に搭載されている。その電子部品の1つとして、例えば積層型のコイル部品が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のコイル部品では、基板の底面における四角に外部電極が設けられる。外部電極は複数の金属層で構成されている。また、特許文献1のコイル部品では、バレル研磨を実施して基板等の稜線部を面取りしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013-031880号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなコイル部品では、バレル研磨等により面取りを実施すると、実施時における外部電極の表層部分が基板の底面上を伸びる虞がある。このように、外部電極において伸びが存在すると、当該部位に応力が集中し易くなり、実装リフローなどによる高温処理を実施した場合に、基板の割れや電極のクラックが発生する虞がある。このように、信頼性の面で改善の余地が残されている。
【0005】
本開示の目的は、信頼性向上に寄与できるコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態であるコイル部品は、長辺と短辺とを有する長方形状の底面と、前記底面と反対側に位置する上面と、前記底面と前記上面とを繋ぐ長辺側の側面と短辺側の側面とを有する磁性体基板と、前記上面上に形成された絶縁層及び前記絶縁層内に形成されたコイルを有する積層体と、前記底面に設けられた外部電極と、を備え、前記磁性体基板は、前記底面の角部に設けられた凹部を有し、前記外部電極は、前記底面において前記凹部の周囲に設けられた電極本体部を有し、前記電極本体部は、複数の金属層が積層されてなり、前記複数の金属層の内で前記積層体の積層方向において最も内側に位置する下地層を有し、前記下地層は、前記底面において、前記底面と前記短辺側の側面との間の短辺側稜線部から離れた位置に形成されている。ここで、「最も内側」とは積層された複数の金属層の内で磁性体基板に最も近い位置のことである。
【0007】
この構成によれば、底面において底面と側面との間の短辺側稜線部から離れた位置に下地層が形成されるため、バレル研磨等により下地層が短辺側稜線部に沿って伸びることが抑えられる。下地層の短辺側稜線部に沿った伸びが抑制されることで当該部位における応力集中を抑えることができる。このため、当該部位周辺における基板の割れや外部電極のクラックの発生を抑えることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のコイル部品によれば、信頼性向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態におけるコイル部品の斜視図。
図2】同実施形態におけるコイル部品の分解斜視図。
図3】同実施形態におけるコイル部品の外部電極の構造を説明するための断面図。
図4】同実施形態におけるコイル部品の外部電極の第1金属層を説明するための平面図。
図5】同実施形態におけるコイル部品の外部電極の第2金属層を説明するための平面図。
図6】同実施形態におけるコイル部品の外部電極の第3金属層を説明するための平面図。
図7】同実施形態におけるコイル部品の外部電極の第4金属層及び第5金属層を説明するための平面図。
図8】同実施形態におけるコイル部品の外部電極の積層構造を説明するための説明図。
図9】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図10】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図11】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図12】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図13】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図14】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図15】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図16】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図17】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
図18】同実施形態におけるコイル部品の製造方法を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について添付図面を参照して説明する。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。また、構成要素の寸法比率は、実際のものと、または別の図面中のものと異なる場合がある。
【0011】
図1に示すように、コイル部品10は、直方体状をなしている。コイル部品10は、第1の基板11と、第2の基板12と、積層体13と、外部電極14a,14b,14c,14dとを有する。第1の基板11と第2の基板12とは、積層体13を挟むように積層される。
【0012】
図1では、コイル部品10において第1の基板11と積層体13と第2の基板12との積層方向DをZ軸方向とし、Z軸方向から視て、コイル部品10の長辺が延在している方向をX軸方向、コイル部品10の短辺が延在している方向をY軸方向とする。また、Z軸方向について、コイル部品10の外部電極14a~14dが存在する側を下方、その反対側を上方とする。
【0013】
図1及び図2に示すように、第1の基板11は、板状をなしている。第1の基板11は、長方形状の底面11aと、底面11aとは反対側に位置する上面11bとを有する。上面11bはZ軸方向において積層体13側に面し、底面11aはZ軸方向において積層体13とは反対側に面している。
【0014】
図1に示すように、第1の基板11は、底面11aと上面11bとの間を繋ぐとともにX軸方向に面する2つの側面11c,11dと、底面11aと上面11bとの間を繋ぐとともにY軸方向に面する2つの側面11e,11fとを有する。X軸方向に面する2つの側面11c,11dは、互いに反対側に面している。Y軸方向に面する2つの側面11e,11fは、互いに反対側に面している。そして、第1の基板11は、底面11aと側面11c,11dとの間の短辺側稜線部71と、底面11aと側面11e,11fとの間の長辺側稜線部72とを有する。
【0015】
ここで、本明細書において「長方形状」には、長方形の4つの角部の内の少なくとも1つの角部が欠けた形状を含む。すなわち、底面となる底面11aにおいて、短辺側稜線部71と長辺側稜線部72とをそれぞれ延長した4つの角部を、底面11aの中心に向かって円弧状に切り欠いた形状を成し、このような底面11aの形状も長方形状に含まれる。そして、第1の基板11の形状は、この「長方形状」の底面11aを有する直方体状ということができる。
【0016】
さらに、第1の基板11は、底面11aと直交する方向から視て、4つの角部に第1の基板11の中心に向かって窪ませた凹部15a,15b,15c,15dを有する。すなわち、各凹部15a,15b,15c,15dは、各凹部15a,15b,15c,15dは、底面11aにおいて円弧状の接続稜線部73を成すとともに、その円弧の径が上面11bに向かうにつれて徐々に小さくなるように形成されている。
【0017】
第1の基板11は、磁性体基板である。磁性体基板の一例として、フェライトの焼結体である。なお、第1の基板11は、磁性体粉を含有する樹脂の成形体であってもよい。磁性体粉は、例えば、フェライトまたは、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)等の金属磁性材料であり、樹脂材料は、例えば、エポキシ等の樹脂材料である。第1の基板11が磁性体粉を含有する樹脂である場合は、粒度分布の異なる2または3種類の磁性体粉を混在させると樹脂中に磁性体粉が適度に分散されやすくなり、好ましい。
【0018】
図2に示すように、積層体13は、第1の基板11の上面11b上に積層される複数の絶縁層21a~21cと、コイル22a,22bと、接着層23と、を含む。積層体13は、絶縁層21a~21cと、コイル22a,22bと、接着層23とを積層する方向が積層方向D並びにZ軸方向と一致している。なお、積層体13は、例えば絶縁層21a~21cの各層間の界面や他の界面が存在しない場合もある。
【0019】
図2に示すように、絶縁層21a~21cは、Z軸方向において第1の基板11側から、絶縁層21a、絶縁層21b、絶縁層21cの順に並ぶように積層されている。また絶縁層21a~21cは、第1の基板11の上面11bと同じサイズを有している。絶縁層21aの四角には切欠き部C1a~C1dを有する。絶縁層21bの四角には切欠き部C2a~C2dを有する。絶縁層21bは、Z軸方向に貫通するビアホールH1を有する。絶縁層21cの四角の内、Y軸方向における一方側の両端部に切欠き部C3b,C3dを有する。絶縁層21cは、Z軸方向に貫通するビアホールH2,H3を有する。
【0020】
切欠き部C1aと切欠き部C2aとは、Z軸方向において外部電極14aと重なる位置に設けられる。切欠き部C1bと切欠き部C2bと切欠き部C3bとは、Z軸方向において外部電極14bと重なる位置に設けられる。切欠き部C1cと切欠き部C2cとは、Z軸方向において外部電極14cと重なる位置に設けられる。切欠き部C1dと切欠き部C2dと切欠き部C3dとは、Z軸方向において外部電極14dと重なる位置に設けられる。
【0021】
絶縁層21a~21cは、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等の種々の樹脂材料を用いることができる。
コイル22aは、コイル導体31と、引き出し部32,33,34,35,36,37とを有する。
【0022】
コイル導体31は、絶縁層21aと絶縁層21bとの間に設けられており、Z軸方向上側から平面視したときに、時計回りに旋回しながら中心に向かって近づいていく平面渦巻状をなしている。コイル導体31の中心は、Z軸方向から平面視したときに、コイル部品10の中心と一致している。
【0023】
引き出し部32は、コイル導体31の外側の端部に接続されている。また、引き出し部32は、絶縁層21aの切欠き部C1cに引き出されている。引き出し部32は、切欠き部C1cを介して絶縁層21aをZ軸方向に貫通している。引き出し部32は、絶縁層21bの切欠き部C2cに引き出されており、切欠き部C2cに設けられる引き出し部33と繋がっている。
【0024】
以上のように構成された引き出し部32は、コイル導体31の端部に接続され、且つ、積層体13を構成する絶縁層21aの切欠き部C1cに引き出されている。これにより、引き出し部32は、Z軸方向における下方側から上方側に向かって平面視したときに、凹部15cに露出している。
【0025】
引き出し部34は、ビアホールH1を介して絶縁層21bをZ軸方向に貫通することにより、コイル導体31の内側の端部に接続されている。
引き出し部35は、その第1端側がビアホールH3を介して絶縁層21cをZ軸方向に貫通することにより引き出し部34と接続されている。引き出し部35は、その第2端側が絶縁層21cの切欠き部C3dに引き出されている。引き出し部35は、切欠き部C3dを介して絶縁層21cをZ軸方向に貫通している。
【0026】
引き出し部36は、絶縁層21bの切欠き部C2dに設けられている。これにより、引き出し部36は、引き出し部35の第2端側と繋がっている。引き出し部36は、切欠き部C2dを介して絶縁層21bをZ軸方向に貫通している。
【0027】
引き出し部37は、絶縁層21aの切欠き部C1dに設けられている。これにより、引き出し部37は、引き出し部36と繋がっている。引き出し部37は、切欠き部C1dを介して絶縁層21aをZ軸方向に貫通している。
【0028】
以上のように構成された引き出し部34~37は、コイル導体31の端部に接続され、且つ、積層体13を構成する絶縁層21aの切欠き部C1dに引き出されている。これにより、引き出し部37は、Z軸方向における下方側から上方側に向かって平面視したときに、凹部15dに露出している。
【0029】
コイル22bは、コイル導体41と、引き出し部42,43,44,45,46とを有する。
コイル導体41は、絶縁層21bと絶縁層21cとの間に設けられており、Z軸方向上側から平面視したときに、時計回りに旋回しながら中心に向かって近づいていく平面渦巻状をなしている。すなわち、コイル導体41は、コイル導体31と同じ方向に旋回している。コイル導体41の中心は、Z軸方向から平面視したときに、コイル部品10の中心と一致している。よってコイル導体41は、Z軸方向から平面視したときにコイル導体31と重なっている。
【0030】
引き出し部42は、コイル導体41の外側の端部に接続されている。また、引き出し部42は、絶縁層21bの切欠き部C2aに引き出されている。引き出し部42は、切欠き部C2aを介して絶縁層21bをZ軸方向に貫通している。
【0031】
引き出し部43は、絶縁層21aの切欠き部C1aに設けられている。これにより、引き出し部43は、引き出し部42と繋がっている。引き出し部43は、切欠き部C1aを介して絶縁層21aをZ軸方向に貫通している。
【0032】
以上のように構成された引き出し部42,43は、コイル導体41の端部に接続され、且つ、切欠き部C1aに引き出されている。これにより、引き出し部43は、Z軸方向における下方側から上方側に向かって平面視したときに、凹部15aに露出している。
【0033】
引き出し部44は、その第1端側がビアホールH2を介して絶縁層21cをZ軸方向に貫通することにより、コイル導体41の内側の端部に接続されている。引き出し部44は、その第2端側が絶縁層21cの切欠き部C3bに引き出されている。引き出し部44は、切欠き部C3bを介して絶縁層21cをZ軸方向に貫通している。
【0034】
引き出し部45は、絶縁層21bの切欠き部C2bに設けられている。これにより、引き出し部45は、引き出し部44と繋がっている。引き出し部45は、切欠き部C2bを介して絶縁層21bをZ軸方向に貫通している。
【0035】
引き出し部46は、絶縁層21aの切欠き部C1bに設けられている。これにより、引き出し部46は、引き出し部45と繋がっている。引き出し部46は、切欠き部C1bを介して絶縁層21aをZ軸方向に貫通している。
【0036】
以上のように構成された引き出し部44~46は、引き出し部44によりコイル導体41の端部に接続され、且つ、引き出し部44と引き出し部45を介して繋がる引き出し部46により切欠き部C1bに引き出されている。これにより、引き出し部46は、Z軸方向における下方側から上方側に向かって平面視したときに、凹部15bに露出している。
【0037】
第2の基板12は、板状をなしている。第2の基板12は、底面12aと、底面12aとは反対側に面する上面12bとを有する。底面12aはZ軸方向において積層体13側に面し、上面12bはZ軸方向において積層体13とは反対側に面している。第2の基板12は、例えば磁性層の一例として磁性体基板である。第2の基板12は、例えば第1の基板11で例示した材料からなる。第2の基板12は、接着層23を介して積層体13の上面に接着されている。接着層23としては、例えば熱硬化性のポリイミド樹脂を用いることができる。なお、第2の基板12は磁性体基板以外の磁性層で構成してもよい。
【0038】
各外部電極14a,14b,14c,14dのそれぞれは、電極本体部51と、電極本体部51とコイル22a,22bとを接続する接続部52とを有する。
各外部電極14a,14b,14c,14dの電極本体部51は、第1の基板11の底面11a(底面)において、各凹部15a~15dの周囲に形成されている。より詳しくは、外部電極14aの電極本体部51は、凹部15aの周囲に形成されている。外部電極14bの電極本体部51は、凹部15bの周囲に形成されている。外部電極14cの電極本体部51は、凹部15cの周囲に形成されている。外部電極14dの電極本体部51は、凹部15dの周囲に形成されている。
【0039】
各外部電極14a,14b,14c,14dの接続部52は、第1の基板11の各凹部15a~15dに形成されている。より詳しくは、外部電極14aの接続部52は、凹部15aに形成されている。外部電極14bの接続部52は、凹部15bに形成されている。外部電極14cの接続部52は、凹部15cに形成されている。外部電極14dの接続部52は、凹部15dに形成されている。
【0040】
各外部電極14a,14b,14c,14dは、第1の基板11の底面である底面11aの四角に形成されている。各外部電極14a,14b,14c,14dは、コイル部品10を実装する実装基板のランドパターンに対してはんだ等により接続される。
【0041】
各外部電極14a,14b,14c,14dは、Z軸方向における下方側から上方側を視た場合に長方形状をなすように構成される。外部電極14a,14b,14c,14dの短手方向と第1の基板11の底面11aにおける短手方向とは一致している。また、外部電極14a,14b,14c,14dの長手方向と第1の基板11の底面11aにおける長手方向とは一致している。ここで、外部電極14a,14b,14c,14dの各辺部が直線である場合や各辺部が多少蛇行している場合も含む。また、外部電極14a,14b,14c,14dの長手方向と底面11aにおける長手方向とが一致しない構成であってもよい。また、外部電極14a,14b,14c,14dの短手方向と底面11aにおける短手方向とが一致しない構成であってもよい。
【0042】
各外部電極14a,14b,14c,14dのそれぞれは、何れも複数の金属層を積層して構成される。
図3に示すように、複数の金属層は、第1金属層61と、第2金属層62と、第3金属層63と、第4金属層64と、第5金属層65とを含む。ここで、各外部電極14a,14b,14c,14dの接続部52は、各外部電極14a,14b,14c,14dの電極本体部51と同一の積層構造である。すなわち、電極本体部51が第1金属層61と、第2金属層62と、第3金属層63と、第4金属層64と、第5金属層65を備える場合、接続部52も同様に第1金属層61と、第2金属層62と、第3金属層63と、第4金属層64と、第5金属層65を備えている。
【0043】
第1金属層61は、第1の基板11の底面11a上に設けられる。第1金属層61は、各金属層61~65の内でZ軸方向において最も内側に位置している。すなわち、第1金属層61は、下地層に相当する。第1金属層61は、チタン(Ti)を主成分とした金属薄膜である。第1金属層61は、例えばスパッタ工法により形成される。第1金属層61は、例えば100nm以上、200nm以下の厚さを有する。
【0044】
図4に示すように、電極本体部51の第1金属層61は、第1の基板11の短辺側稜線部71と離れた位置に形成されている。このとき、電極本体部51の第1金属層61は、第1の基板11の長辺側稜線部72と接した位置に形成されている。
【0045】
第2金属層62は、第1金属層61上に設けられる。第2金属層62は、第1金属層61よりも電気的抵抗が低い材料で構成される。より具体的には第2金属層62は、銅(Cu)を主成分とした金属薄膜である。第2金属層62は、例えばスパッタ工法により形成される。第2金属層62は、例えば100nm以上、200nm以下の厚さを有する。
【0046】
図5に示すように、電極本体部51の第2金属層62は、第1の基板11の短辺側稜線部71と離れた位置に形成されている。このとき、電極本体部51の第2金属層62は、第1の基板11の長辺側稜線部72と接した位置に形成されている。なお、電極本体部51の第2金属層62は低抵抗層に相当する。
【0047】
第3金属層63は、第2金属層62上に設けられる。第3金属層63は、第1金属層61よりも電気的抵抗が低い材料で構成される。より具体的には第3金属層63は、銅(Cu)を主成分とした金属膜である。第3金属層63は、例えば電解めっき法により形成される。第3金属層63は、例えば10μm程度の厚さを有する。
【0048】
図6に示すように、電極本体部51の第3金属層63は、第1の基板11の短辺側稜線部71と離れた位置に形成されている。このとき、電極本体部51の第3金属層63は、第1の基板11の長辺側稜線部72と接した位置に形成されている。なお、電極本体部51の第3金属層63は低抵抗層に相当する。
【0049】
図6に示すように、接続部52の第3金属層63は、接続部52全体を覆うように形成されている。このとき、第3金属層63は、短辺側稜線部71から上面11bに向かう方向に連続する凹部15a~15dの凹部稜線部74と重なる位置まで形成されている。また、第3金属層63は、長辺側稜線部72から上面11bに向かう方向に連続する凹部15a~15dの稜線部75と重なる位置まで形成されている。
【0050】
図7に示す第4金属層64は、第3金属層63上に設けられる。第4金属層64は、ニッケル(Ni)を主成分とした金属膜である。第4金属層64は、例えば電解めっき法により形成される。第4金属層64は、例えば3μm程度の厚さを有する。第4金属層64の短手方向における長さは72μmであり、寸法公差は10μmである。底面11aの短辺側稜線部71に沿った第4金属層64の伸びは11μm以下である。より好ましくは5μm以下であることが好ましい。第4金属層64は、低抵抗層を構成する第3金属層63上に設けられる被膜層に相当する。ここで、被膜層とは低抵抗層を構成する第3金属層63を覆って保護するものである。すなわち、第4金属層64をニッケルで構成することで第3金属層63における所謂銅喰われの発生を抑えることができる。
【0051】
図7に示す第5金属層65は、第4金属層64上に設けられる。第5金属層65は、スズ(Sn)を主成分とした金属膜である。第5金属層65は、例えば電解めっき法により形成される。第5金属層65は、例えば3μm程度の厚さを有する。第5金属層65の短手方向における長さは75μmであり、寸法公差は10μmである。底面11aの短辺側稜線部71に沿った第5金属層65の伸びは13μm以下であることが好ましい。
【0052】
上記のように構成されたコイル部品10は、第1の基板11と積層体13と第2の基板12とを積層した積層物とした場合に、前記積層物は積層方向D(Z軸方向)の長さが0.23mm、積層方向Dと直交する方向の内で短手方向であるY軸方向の長さが0.3mm、積層方向Dと直交する方向の内で長手方向であるX軸方向の長さが0.45mmである。なお、前記3軸方向における長さの公差は±0.02mmである。
【0053】
図8に示すように、凹部15cと底面11aの短辺に沿った方向において隣り合う電極本体部51の内で、凹部15cから前記短辺に沿った方向において離れた位置の端部を遠方端部51aとした場合に、凹部15cと遠方端部51aとの短辺に沿った方向における距離L1が、25μm以下であることが好ましい。詳述すると凹部15cから電極本体部51の内で第3金属層63の遠方端部63aまでの距離L1が、25μm以下であることが好ましい。なお、凹部15c並びに凹部15c周囲の電極本体部51に着目して説明しているが、他の凹部15a,15b,15d並びに他の凹部15a,15b,15dの周囲の電極本体部51においても前述したような距離L1に設定することが好ましい。
【0054】
図8に示す、底面11aの長手方向における、短辺側稜線部71から電極本体部51までの距離L2が、3.3μm以上、16.7μm以下であることが好ましい。なお、図8では凹部15cの周囲の電極本体部51並びに短辺側稜線部71に着目して説明しているが、他の凹部15a,15b,15dの周囲の電極本体部51並びに短辺側稜線部71においても前述したような距離L2に設定することが好ましい。このとき、各凹部15a,15b,15c,15dに対応する各距離L2は、それぞれ同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
【0055】
図8に示すように、凹部15cの半径R1は、第4金属層64形成後で62μmであり、寸法公差は±15μmである。また、凹部15cの半径R1は、第5金属層65形成後で55μmであり、寸法公差は±15μmである。なお、図8は模式的に示しており、半径R1の原点位置は実際のものと異なる場合がある。また、凹部15cの半径R1に限らず他の凹部15a,15b,15dについても半径R1に設定することが好ましい。
【0056】
以上のように構成されたコイル部品10の動作について以下に説明する。外部電極14a,14cは、入力端子として用いられる。外部電極14b,14dは、出力端子として用いられる。
【0057】
外部電極14a,14cにはそれぞれ、位相が180度異なる第1の信号及び第2の信号からなる差動伝送信号が入力される。第1の信号及び第2の信号は、デファレンシャルモードであるので、コイル22a,22bを通過する際にコイル22a,22bに互いに逆向きの磁束を発生させる。そして、コイル22aで発生した磁束とコイル22bで発生した磁束とは互いに打ち消し合う。そのため、コイル22a,22b内では、第1の信号及び第2の信号が流れることによる磁束の増減が殆ど生じない。すなわち、コイル22a,22bは、第1の信号及び第2の信号が流れることを妨げる逆起電力を発生しない。よって、コイル部品10は、第1の信号及び第2の信号に対しては、非常に小さなインピーダンスしか有さない。
【0058】
一方、第1の信号及び第2の信号にコモンモードノイズが含まれている場合には、コモンモードノイズは、コイル22a,22bを通過する際にコイル22a,22bに同じ向きの磁束を発生させる。そのため、コイル22a,22b内では、コモンモードノイズが流れることによって、磁束が増加する。これにより、コイル22a,22bは、コモンモードノイズが流れることを妨げる逆起電力を発生する。よって、コイル部品10は、第1の信号及び第2の信号に対しては、大きなインピーダンスを有している。
【0059】
次に、コイル部品10の製造方法を図9図18を用いて説明する。
図9に示すように、マザー積層体M13内のコイル導体31,41との位置合わせを行って、マザー基板M11の底面M11a上にフォトレジストPR1の凹部15a,15b,15c,15dに対応する位置を露光する。このとき、凹部15a~15d以外の部位にマスクMkを配置することで、前述のようにフォトレジストPR1の凹部15a,15b,15c,15dに対応する位置を露光できる。マザー積層体M13は積層体13となるものであって、第1の基板11となるマザー基板M11と、第2の基板12となるマザー基板M12との間に配置される。以下では、マザー基板M11、マザー基板M12及びマザー積層体M13とで構成されたものをマザー本体Mとして説明する。マザー積層体M13は、コイル導体31,41に加え、引き出し部32~37,42~46となる導体部M13aを含む。
【0060】
次に、図10に示すように、フォトレジストPR1を現像する。これにより、フォトレジストPR1は、凹部15a,15b,15c,15dに対応する位置を露光した箇所に開口PR1xを有する。
【0061】
次に、図11に示すように、フォトレジストPR1の開口PR1xを介して例えばサンドブラスト工法によって、マザー基板M11に対して凹部15a,15b,15c,15dが形成されるべき位置に貫通孔H15を形成する。このとき、マザー積層体M13には、貫通孔H15と対応する位置である導体部M13aに切り欠き部Nを形成してもよい。なお、貫通孔H15は、サンドブラスト工法以外に、レーザ加工法によって形成されてもよいし、サンドブラスト工法及びレーザ加工法の組み合わせによって形成されてもよい。
【0062】
次に、図12に示すように、フォトレジストPR1を例えば有機溶剤により除去する。
次に、図13に示すように、マザー本体M(マザー基板M11)の底面M11aの全面に対して、第1金属層61及び第2金属層62をスパッタ工法により成膜する。
【0063】
次に、図14に示すように、底面M11aの貫通孔H15周囲の平面部分にフォトレジストPR2を形成する。すなわち、フォトレジストPR2は、貫通孔H15と対応する位置に開口PR2xを有する。
【0064】
次に、図15に示すように、第1金属層61及び第2金属層62を給電膜として用いて、電解めっき法により、第3金属層63を形成する。
次に、図16に示すように、フォトレジストPR2をフォトレジストPR1と同様に有機溶剤により除去する。そして、例えばウェットエッチング等により、第3金属層63から露出する第1金属層61及び第2金属層62を除去する。
【0065】
次に、図17に示すように、マザー基板M12を研削又は研磨等により薄板状に形成する。
次に、図18に示すように、マザー本体Mから各コイル部品10毎の大きさとなるように切断線CL上で切断する。これにより、マザー積層体M13の導体部M13aが各引き出し部32~37,42~46となる。切断後、バレル研磨等による面取りを実施する。このとき、本例の第3金属層63は、短辺側稜線部71から離れた位置に形成されるため、第3金属層63が短辺側稜線部71に沿って伸びることが抑制される。
【0066】
次に、第4金属層64、第5金属層65の順で電解めっき法により形成することで外部電極14a,14b,14c,14dが形成されてコイル部品10が完成する。第4金属層64及び第5金属層65の形成時において、前述したように第3金属層63における短辺側稜線部71に沿った伸びが抑えられているため第4金属層64及び第5金属層65についても同様に短辺側稜線部71に沿った伸びが抑えられることとなる。
【0067】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)底面11aにおいて底面11aと側面11c,11dとの間の短辺側稜線部71から離れた位置に下地層としての第1金属層61が形成されるため、バレル研磨等により第1金属層61が短辺側稜線部71に沿って伸びることが抑えられる。第1金属層61の短辺側稜線部71に沿った伸びが抑制されることで当該部位における応力集中を抑えることができる。このため、当該部位周辺における第1の基板11の割れや外部電極14a,14b,14c,14dのクラックの発生を抑えることができる。
【0068】
(2)底面11aにおいて、短辺側稜線部71から離れた位置に第2金属層62及び第3金属層63が形成されるため、バレル研磨等により第2金属層62及び第3金属層63が短辺側稜線部71に沿って伸びることが抑えられる。第2金属層62及び第3金属層63の短辺側稜線部71に沿った伸びが抑制されることで当該部位における応力集中を抑えることができる。このため、当該部位周辺における第1の基板11の割れや外部電極14a,14b,14c,14dのクラックの発生を抑えることができる。
【0069】
(3)外部電極14a,14b,14c,14dは、凹部15a,15b,15c,15dに設けられるとともにコイル22a,22bと電極本体部51とを電気的に接続する接続部52を更に有する構成においても第3金属層63の短辺側稜線部71に沿った伸びが抑制されることで当該部位における応力集中を抑えることができる。このため、当該部位周辺における第1の基板11の割れや外部電極14a,14b,14c,14dのクラックの発生を抑えることができる。
【0070】
(4)接続部52の第3金属層63は、少なくとも短辺側稜線部71から上面11bに向かう方向に連続する凹部15a~15dの凹部稜線部74と重なる位置まで形成されている。すなわち、凹部15a~15dにおいては第3金属層63及び第3金属層63を含む接続部52を広い範囲に形成することができる。このため、コイル部品10を実装基板にはんだにより接続する際にはんだと凹部15a~15dの接続部52との接続信頼性向上に寄与できる。
【0071】
(5)接続部52は、電極本体部51と同一の積層構造であるため、電極本体部51と同一の製造工程において形成することができる。
(6)複数の金属層61~65は、低抵抗層を構成する第3金属層63上に被膜層としての第4金属層64を有する。第3金属層63において短辺側稜線部71に沿った伸びが抑制されることで第4金属層64においても同様に短辺側稜線部71に沿った伸びが抑制される。
【0072】
(7)低抵抗層を構成する第3金属層63は、銅を含む金属層であり、被膜層である第4金属層64は、ニッケルを含む金属層を有する。ニッケルを含む第4金属層64において短辺側稜線部71に沿った伸びが抑制されることで第4金属層64による第1の基板11の浸食を抑えることができるため、外部電極14a,14b,14c,14dと第1の基板11との密着性向上に寄与できる。
【0073】
(8)第1の基板11と積層体13と第2の基板12とを積層した積層物とした場合に、積層物は積層方向Dの長さが0.23mm以下、積層方向Dと直交する方向の内で短辺に沿った方向の長さが0.3mm以下、積層方向Dと直交する方向の内で長辺に沿った方向の長さが0.45mm以下である。このように、小型なコイル部品において前述したように短辺側稜線部71に沿った伸びを抑えることができる。
【0074】
(9)凹部15a~15dから凹部15a~15dと短辺に沿った方向において隣り合う電極本体部51の遠方端部51aまでの距離L1が、25μm以下であるため、電極本体部51同士が近接することを抑えることができるため、リーク電流の発生を抑えることができる。これにより、L値が向上するため、ノイズキャンセル性能が向上する。
【0075】
(10)短辺側稜線部71から電極本体部51までの距離L2が、3.3μm以上、16.7μm以下とすることで、電極本体部51における短辺側稜線部71に沿った伸びを好適に抑えることができる。
【0076】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0077】
・上記実施形態では、外部電極14a,14b,14c,14dを5層の金属層61,62,63,64,65で構成したが、これに限らず、4層以下又は6層以上としてもよい。
【0078】
・上記実施形態では、4つの角部に凹部15a,15b,15c,15dを設ける構成としたが、これに限らない。例えば、第1の基板11の底面11a中央に凹部を追加する構成を採用してもよい。また、凹部15aと凹部15cとの間や凹部15bと凹部15dとの間に別の凹部を追加する構成を採用してもよい。
【0079】
・上記実施形態では、短辺側稜線部71から第3金属層63を離した位置に形成したが、これに加えて長辺側稜線部72から第3金属層63を離した位置に形成してもよい。
・上記実施形態では、コイル部品10は4つの外部電極14a,14b,14c,14dを有する構成としたが、これに限らない。6つの外部電極を有する構成を採用してもよい。この場合、コイル部品10の長手方向(X軸方向)に並ぶ外部電極14aと外部電極14cとの間に1つの外部電極を有し、コイル部品10の長手方向(X軸方向)に並ぶ外部電極14bと外部電極14dとの間に1つの外部電極を有する。
【0080】
・上記実施形態では、平面螺旋状のコイル導体を備えるコイル部品10を採用したが、これに限らない。例えば、積層方向Dに螺旋が進行する立体螺旋状(ヘリカル状)のコイル導体を備えたコイル部品としてもよい。
【0081】
・上記実施形態では、下地層としての第1金属層61と、低抵抗層としての第2及び第3金属層62,63を短辺側稜線部71から離れた位置に設ける構成を採用したが、これに限らない。例えば下地層のみを短辺側稜線部71から離れた位置に設ける構成を採用してもよい。
【0082】
・上記実施形態では、低抵抗層を第2金属層62と第3金属層63との2層で構成したが、これに限らない。低抵抗層を1層又は3層以上で構成してもよい。
・上記実施形態では、接続部52を電極本体部51と同一の積層構造としたが、これに限らず、接続部と電極本体部とを異なる積層構造としてもよい。例えば、接続部と電極本体部とで積層数が異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…コイル部品、11…第1の基板(磁性体基板)、11a…底面(底面)、12…第2の基板(磁性層)、13…積層体、14a,14b,14c,14d…外部電極、15a,15b,15c,15d…凹部、21a,21b,21c…絶縁層、22a,22b…コイル、51…電極本体部、51a…遠方端部、52…接続部、61…第1金属層(下地層)、62…第2金属層(低抵抗層)、63…第3金属層(低抵抗層)、63a…遠方端部、64…第4金属層(被膜層)、65…第5金属層、71…短辺側稜線部、74…凹部稜線部、L1,L2…距離。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図18