(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】車両前部構造
(51)【国際特許分類】
B60R 19/24 20060101AFI20220705BHJP
B60R 19/34 20060101ALI20220705BHJP
B62D 25/08 20060101ALI20220705BHJP
B62D 21/15 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
B60R19/24 Q
B60R19/34
B62D25/08 D
B62D21/15 C
(21)【出願番号】P 2020509839
(86)(22)【出願日】2019-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2019009833
(87)【国際公開番号】W WO2019188225
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】P 2018066996
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 美香
(72)【発明者】
【氏名】田中 達也
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-143793(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115579(WO,A1)
【文献】特開2013-216169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/24
B60R 19/34
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向の両側で車両の前後方向に延びるサイドメンバと、
車両上下方向に延びるとともに、前記サイドメンバの前端部に接合される延伸部材と、
前記サイドメンバの車両前方に配置されるクラッシュボックスと、
前記クラッシュボックスの車両前端に接合され、車幅方向に延びるバンパービームと、を有し、
前記バンパービームは、前記サイドメンバに対して車両上下方向の一方側にオフセットして配置されており、
前記クラッシュボックスは、車両上下方向の他方側の面が車両前方に向かうに連れて前記一方側へ傾斜するとともに、一方側の面が車両前方に向かい水平方向に延びる、若しくは前記他方側へ傾斜しており、前記他方側の面の車両後端が前記サイドメンバの車両上下方向の幅内に位置し、前記一方側の面の車両後端が前記サイドメンバの車両上下方向の幅よりも前記一方側に位置するとともに前記延伸部材に接合され
、
前記サイドメンバの前記一方側で車両の前後方向に延びる骨格部材を有し、
前記延伸部材は、前記骨格部材に接合される、
車両前部構造。
【請求項2】
前記クラッシュボックスの前記一方側の面は、略水平方向に延びている、
請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項4】
前記骨格部材は、前記サイドメンバの下方に位置するサスペンションクロスメンバである、
請求項
1に記載の車両前部構造。
【請求項5】
前記サイドメンバの前記一方側の面が、前記バンパービームの前記上面と前記下面との間に位置している、
請求項
3に記載の車両前部構造。
【請求項6】
前記クラッシュボックスは、前記延伸部材若しくは前記サイドメンバと接合されており、
前記クラッシュボックスと前記延伸部材若しくは前記サイドメンバとの接合部の剛性を高める補強部材を有し、
前記補強部材は、前記クラッシュボックスの前記他方側の面に設けられる、
請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項7】
前記補強部材は、前記クラッシュボックスの前記他方側の面と車幅方向両側部とを一体的に被覆する、
請求項
6に記載の車両前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の衝突時に発生する衝撃荷重を吸収するために、バンパービームをサイドメンバの前端にクラッシュボックスを介して設ける構成が知られている。このような構成では、車両の衝突などによりバンパービームに衝撃荷重が入力されると、クラッシュボックスが車両の後方に向かって潰れながら衝撃荷重を吸収しつつ、サイドメンバに衝撃荷重が伝達される。
【0003】
このとき、バンパービームの取り付け高さとサイドメンバの高さとがオフセットしていることがある。このような場合には、クラッシュボックスを上下方向に傾斜させる構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、クラッシュボックスが傾斜しているため、衝撃荷重が入力された際にクラッシュボックスが折れて、衝撃荷重を十分に吸収できない虞がある。
【0006】
また、クラッシュボックスとサイドメンバとをオフセットさせることで、バンパービームの取り付け高さとサイドメンバの高さをオフセットさせることも考えられるが、クラッシュボックスとサイドメンバとがオフセットしているので、クラッシュボックスに入力された衝撃荷重を十分にサイドメンバに伝達することができず、衝撃荷重を十分に吸収できない虞がある。
【0007】
本発明の目的は、衝撃荷重を十分に吸収することができる車両前部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明の車両前部構造は、サイドメンバと、延伸部材と、クラッシュボックスと、バンパービームと、を有している。サイドメンバは、車幅方向の両側で車両の前後方向に延びる。延伸部材は、車両上下方向に延びるとともに、サイドメンバの前端部に接合される。クラッシュボックスは、サイドメンバの車両前方に配置される。バンパービームは、クラッシュボックスの車両前端に接合され、車幅方向に延びる。バンパービームは、サイドメンバに対して車両上下方向の一方側にオフセットして配置されている。クラッシュボックスは、車両上下方向の他方側の面が車両前方に向かうに連れて一方側へ傾斜するとともに、一方側の面が車両前方に向かい水平方向に延びる、若しくは他方側へ傾斜しており、他方側の面の車両後端がサイドメンバの車両上下方向の幅内に位置し、一方側の面の車両後端がサイドメンバの車両上下方向の幅よりも一方側に位置するとともに延伸部材に接合される。サイドメンバの一方側で車両の前後方向に延びる骨格部材を有している。延伸部材は、骨格部材に接合される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、衝撃荷重を十分に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の車両前部構造を模式的に示す斜視図。
【
図3】
図1の車両前部構造の一部を分解して示す斜視図。
【
図4】
図3のクラッシュボックスとパッチを分解して示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「車両前部構造の構成」
車両前部構造の構成を
図1~
図5を参照して説明する。
【0012】
車両の前部には、
図1に示すように、サイドメンバ11と、ランプサポート12(延伸部材)と、クラッシュボックス13と、パッチ14(補強部材)と、バンパービーム15と、サスペンションクロスメンバ16(骨格部材)と、ラジエータコアメンバ17(骨格部材)とが設けられている。各図において、車両の前後方向Dh(前方FR、後方RR)に対して、車幅方向Dw及び車両上下方向Dgが規定され、これら三者は互いに直交した位置関係を有している。
【0013】
サイドメンバ11は、
図1~
図3及び
図5に示すように、車幅方向Dwの両側で車両の前後方向Dhに延びるように、一対設けられている。本実施形態では、サイドメンバ11は、鋼材からなり、
図3などに示すように、車両の前後方向Dhで見て、例えば角筒形状に形成されている。
【0014】
ランプサポート12(延伸部材)は、
図1~
図3及び
図5に示すように、車両上下方向に延びるとともに、サイドメンバ11の前端部に接合されるように、一対設けられている。前端部は、サイドメンバ11の前面11cに位置する。本実施形態では、ランプサポート12は、鋼材からなり、
図2及び
図5に示すように、サイドメンバ11と接合されている。ランプサポート12の中央部は、サイドメンバ11の前端縁と溶接によって接合されている。また、ランプサポート12の上下端部は、それぞれラジエータコアメンバ17の前端部、サスペンションクロスメンバ16の前端部と溶接によって接合されている。
【0015】
クラッシュボックス13は、
図1~
図5に示すように、サイドメンバ11の車両前方に、一対設けられている。本実施形態では、
図5に示すように、クラッシュボックス13の後面は、サイドメンバ11の前方においてランプサポート12と溶接によって接合されており、前面13cは、バンパービーム15と溶接によって接合されている。クラッシュボックス13は、
図3などに示すように、車両の前後方向Dhで見て、角筒形状からなり、クラッシュボックス13の上面13a(他方側の面)は、車両の前方FRに向かって下方に傾斜し、下面13b(一方側の面)は、車両の前後方向Dhに沿って略水平方向に延びている。このため、クラッシュボックス13は、車幅方向Dwから見て、前面13cが先細りした、台形形状に形成されている。
【0016】
クラッシュボックス13は、
図5に示すように、上面13aの車両後端がサイドメンバ11の車両上下方向の幅内に位置し、下面13bの車両後端がサイドメンバ11の車両上下方向の幅よりも一方側に位置するとともにランプサポート12に接合されている。本実施形態では、クラッシュボックス13の後面は、その上端(上面13aの後端)がサイドメンバ11の上面11aと同じ高さに位置し、下端(下面13abの後端)がサイドメンバ11の下面11bよりも下方に位置する。クラッシュボックス13は、車両の前方FRから所定の大きさ以上の衝撃荷重P(
図5)を受けると、車両の前後方向Dhに潰れながら変形して、衝撃荷重Pを吸収する。
【0017】
パッチ14(補強部材)は、
図1~
図5に示すように、クラッシュボックス13とランプサポート12との接合部Kを補強している。本実施形態では、パッチ14は、十分な剛性を備えた鋼材からなり、
図4などに示すように、上部14aと、一側部14b及び他側部14cと、縁部14dとによって、一体的に構成されている。上部14aは、クラッシュボックス13の上面13aの基端部13a1を補強している。一側部14b及び他側部14cは、上部14aから車両上下方向Dg下方に延び、クラッシュボックス13の両側面を補強している。縁部14dは、上部14a、一側部14b及び他側部14cの後端部からクラッシュボックス13の外方に向かい延びている。
図2に示すように、上部14a、一側部14b及び他側部14cは、それぞれクラッシュボックス13の上面13a及び両側面と溶接によって接合されており、縁部14dは、ランプサポート12に溶接によって接合されている。このようにして、パッチ14は、
図2及び
図5に示す接合部Kの車両上下方向Dgの上部と車幅方向Dwの両側部とを一体的に被覆して補強している。これにより、パッチ14は、クラッシュボックス13とランプサポート12との接合部Kの剛性を高めている。
【0018】
バンパービーム15は、
図1~
図3及び
図5に示すように、車幅方向Dwに延びるように設けられており、クラッシュボックス13の車両前端と例えば溶接によって接合されている。バンパービーム15は、サイドメンバ11に対して車両上下方向の一方側にオフセットして配置されている。本実施形態では、バンパービーム15は、鋼材からなり、車幅方向Dwから見て、角筒形状に形成されており、
図5に示すように、その上面15aと下面15bとの間に、サイドメンバ11の下面11bが位置するように、車両上下方向Dgでサイドメンバ11に対して下方へオフセットして設けられている。
【0019】
サスペンションクロスメンバ16(骨格部材)は、
図1~
図3及び
図5に示すように、サイドメンバ11の一方側で車両の前後方向に延び、ランプサポート12と接合されている。サスペンションクロスメンバ16は、サイドメンバ11の下方に位置する。本実施形態では、サスペンションクロスメンバ16は、十分な剛性を備えた鋼材からなり、車幅方向Dwの両側から車両の前後方向Dhに延びた部材と、車両の前方FRにおいて車幅方向Dwに延びた部材とが組み合わされて構成されている。サスペンションクロスメンバ16(車両の前後方向Dhに延びた部材)の前端部は、
図2及び
図5に示すように、ランプサポート12の下端部12bと溶接によって接合されている。
【0020】
ラジエータコアメンバ17(骨格部材)は、
図1~
図3及び
図5に示すように、サイドメンバ11の上方に設けられている。本実施形態では、ラジエータコアメンバ17は、十分な剛性を備えた鋼材からなり、車幅方向Dwの両側において車両の前後方向Dhに延びる部材と、車両の前方FRにおいて車幅方向Dwに延びる部材とが組み合わされて構成されている。ラジエータコアメンバ17(車両の前後方向Dhに延びた部材)の前端部は、
図2及び
図5に示すように、ランプサポート12の上端部12aと溶接によって接合されている。
【0021】
「車両前部構造の効果」
車両前部構造の効果を説明する。
【0022】
実施形態によれば、上面13aが傾斜し下面13bが略水平方向に延びたクラッシュボックス13において、上面13aがサイドメンバ11の上面11aと同じ高さで、下面13bがサイドメンバ11の下面11bよりも下方でランプサポート12に接合されている。これにより、クラッシュボックス13の下面13bを伝わる衝撃荷重Pも、ランプサポート12を介してサイドメンバ11に伝達されるため、衝撃荷重Pを十分に吸収することができる。このとき、クラッシュボックス13の上面13aが車両の前方FRに向かうに連れて下方へ傾斜しているので、サイドメンバ11とバンパービーム15とが、車両上下方向Dgでオフセットした状態(バンパービーム15がサイドメンバ11に対して下方に位置した状態)となっているが、クラッシュボックス13の下面13bが水平方向に延びているため、クラッシュボックス13の折れを防止することができる。
【0023】
なお、クラッシュボックス13の下面13bは、車両の前方FRに向かうにつれて上方へ傾斜していても、同様の効果を得ることができる。ただし、水平方向に延びていた方がより効率よく衝撃荷重Pを分散させることができる。車両の衝突により入力される衝撃荷重Pは、多くの場合は水平方向の荷重である。このため、この入力荷重に沿った方向にクラッシュボックス13の下面13bを延ばすことにより、衝撃荷重Pにより下面13bが折れることを防止するとともに、衝撃荷重Pを真っ直ぐランプサポート12に伝達することができる。
【0024】
また、ランプサポート12は、サイドメンバ11とサスペンションクロスメンバ16に接合されている。これにより、クラッシュボックス13の下面13bを伝わる衝撃荷重Pは、車両上下方向Dgに延びたランプサポート12を介してサスペンションクロスメンバ16、及びサイドメンバ11に伝達されるため、車両に入力される衝撃荷重Pをサスペンションクロスメンバ16にも分散させることができる。この結果、衝撃荷重Pを十分に吸収することができ、サイドメンバ11の変形を抑制することができる。
【0025】
なお、バンパービーム15をサイドメンバ11に対して上方に位置させたい場合は、クラッシュボックス13の下面13bを車両の前方FRに向かうにつれて上方へ傾斜させ、上面13aを水平方向に延ばし(若しくは車両の前方FRに向かうにつれて下方へ若干傾斜させ)、ランプサポート12をラジエータコアメンバ17に接合させる。これにより、バンパービーム15をサイドメンバ11に対して上方に位置させつつ、上記構成と同様の効果を得ることができる。
【0026】
実施形態によれば、クラッシュボックス13の上面13aの後端がサイドメンバ11の上面11aと同じ高さに位置している。すなわち、クラッシュボックス13の上面13aと両側面とで形成された稜線の後端が、サイドメンバ11の上面11aと両側面とで形成された稜線の前端と、車両の前後方向Dhで重なっている。サイドメンバ11の稜線は、剛性が高い箇所であるので、ここに衝撃荷重Pを伝達することで、より効率よく衝撃荷重Pを吸収することができる。
【0027】
実施形態によれば、サイドメンバ11の下面11bが、バンパービーム15の上面15aと下面15bとの間に位置している。詳細には、バンパービーム15がこのような位置となるように、クラッシュボックス13の上面13a、下面13bの傾斜角や、下面13b後端のランプサポート12との接合箇所を設定している。これにより、バンパービーム15に入力される衝撃荷重Pを、クラッシュボックス13及びランプサポート12を介して、サイドメンバ11とサスペンションクロスメンバ16とに効率良く分散させることができる。特に、サイドメンバ11の下面11bが、バンパービーム15の上面15aと下面15bの中心又は中心付近に位置している場合、バンパービーム15に入力される衝撃荷重Pを、サイドメンバ11に最も効率良く伝達させて吸収することができる。すなわち、バンパービーム15に入力された衝撃荷重Pは、クラッシュボックス13の各面(上下面及び両側面)と、各面で形成される稜線を通り、サイドメンバ11に伝達されるが、バンパービーム15の上面15aと下面15bの中心付近と、サイドメンバ11の下面11bとの高さを合わせることにより、クラッシュボックス13の両側面を通る荷重が、サイドメンバ11の下面11bと両側面とで形成された稜線に伝達されやすくなり、より効率よく衝撃荷重Pを吸収することができる。
【0028】
実施形態によれば、パッチ14を用いて、クラッシュボックス13とランプサポート12との接合部Kの剛性を高めている。パッチ14は、クラッシュボックス13の上面13aに設けられている。パッチ14の作用について、
図5を用いて説明する。車両が衝突した場合、衝撃荷重Pが車両の後方RRに伝達されることから、クラッシュボックス13の上面13aの終端に位置する基端部13a1に応力が集中する。すなわち、クラッシュボックス13の上面13aが傾斜しているため、衝撃荷重Pの入力により上面13aが車両の後方RR斜め下方に折れ曲がろうとする。これにより、基端部13a1には、車両の前方FR斜め下方に荷重(T1)が発生する。又、船舶を用いて車両を運搬する場合(タイダウン)、船の床面と車両とを繋ぐことから、クラッシュボックス13の先端を車両の前方FR斜め下方に引っ張るような荷重(T2)が加わり、上面13aの終端に位置する基端部13a1に車両の前方FR斜め下方の荷重が集中する。このようなことから、車両が衝突した場合及び船舶を用いて車両を運搬する場合、クラッシュボックス13の基端部13a1には、ランプサポート12から剥離されるような応力が生じる。そこで、パッチ14を用いて、クラッシュボックス13の基端部13a1と、ランプサポート12との接合部Kの剛性を高めて、その接合部Kの接合状態を維持する。
【0029】
実施形態によれば、パッチ14は、クラッシュボックス13の上面13aと車幅方向両側部とを一体的に被覆して補強している。これにより、船舶を用いて車両を運搬する場合、クラッシュボックス13が前方に加えて左右方向に引っ張られても、パッチ14の上部(上方)に加えて両側部(左右方向)によって接合部Kの剛性を維持して、その接合部Kの接合状態を維持することができる。特に、パッチ14は、上部14aと、一側部14b及び他側部14cと、縁部14dとによって、一体的に構成され、縁部14dが上部14aと、一側部14b及び他側部14cのフランジとして機能することから、衝撃荷重Pを4面で分散して吸収することができる。
【0030】
「変形例」
なお、本発明を実施するに当たり、具体的な態様を種々に変更して実施できる。
【0031】
上記した実施形態においては、サイドメンバ11の前端縁と、ランプサポート12とを接合している。これに代えて、サイドメンバ11の前端部の上下面(上面11aの前端部及び下面11bの前端部)や側面と、ランプサポート12とを接合する構成としてもよい。この場合、クラッシュボックス13は、サイドメンバ11の車両上下方向Dgの幅内に位置する箇所に関してはサイドメンバ11に接合され、サイドメンバ11の車両上下方向Dgの幅よりも外側に位置する箇所に関してはランプサポート12に接合される。
【0032】
また、上記した実施形態においては、ランプサポート12は、サイドメンバ11に加え、サスペンションクロスメンバ16とラジエータコアメンバ17にも接合されている。これに代えて、ランプサポート12は、サイドメンバ11と、クラッシュボックス13のサイドメンバ11の車両上下方向Dgの幅よりも外側に位置する箇所がある側の骨格部材(上記した実施形態においてはサスペンションクロスメンバ16)とにのみ接合されていればよい。
【符号の説明】
【0033】
11…サイドメンバ、11a…上面、11b…下面、11c…前面、12…ランプサポート(延伸部材)、12a…上端部、12b…下端部、13…クラッシュボックス、13a…上面(他方側の面)、13a1…基端部、13b…下面(一方側の面)、13c…前面、14…パッチ(補強部材)、14a…上部、14b…一側部、14c…他側部、14d…縁部、15…バンパービーム、15a…上面、15b…下面、16…サスペンションクロスメンバ(骨格部材)、17…ラジエータコアメンバ(骨格部材)、K…接合部、P…衝撃荷重、T1,T2…荷重。