(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】穀物乾燥機
(51)【国際特許分類】
F26B 17/14 20060101AFI20220705BHJP
F26B 9/06 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
F26B17/14 C
F26B9/06 B
(21)【出願番号】P 2021129152
(22)【出願日】2021-08-05
(62)【分割の表示】P 2020085173の分割
【原出願日】2016-11-15
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西野 栄治
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 啓市
(72)【発明者】
【氏名】森川 英昭
(72)【発明者】
【氏名】岩井 通和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 廉
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-127552(JP,A)
【文献】特開2016-118305(JP,A)
【文献】特開2016-061522(JP,A)
【文献】特開2015-105790(JP,A)
【文献】実開昭54-051177(JP,U)
【文献】特開2005-315496(JP,A)
【文献】実開平06-059798(JP,U)
【文献】実開平02-030890(JP,U)
【文献】実開昭51-088575(JP,U)
【文献】特開平07-208861(JP,A)
【文献】特開2017-110828(JP,A)
【文献】穀物用循環型乾燥機ドライボーイ,https://i-next.iseki.co.jp/data/pdf/pdf_seihin/to_torisetu/to_gcl40_45_50_60.pdf
【文献】ドライボーイGCLシリーズ,https://i-next.iseki.co.jp/data/pdf/pdf_seihin/ct_catalog/2399_7084_200_2399_0_20131030.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 17/14
F26B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体の機壁内に穀物を貯留する貯留部(2)と乾燥部を上下に構成し、乾燥部(3)の前側に操作パネル(P)を備え、
乾燥部(3)は、熱風供給部(6)からの熱風を受ける熱風室(11)と、吸引排気部(40)と接続する排風室(12)と、熱風室(11)と排風室(12)の間にあって貯留部(2)から受けた穀物を案内する穀物乾燥通路(13)とを設け、
穀物乾燥通路(13)は、乾燥部(3)の前後方向にわたって構成すると共に、熱風が透過する乾燥網で構成され、
穀物乾燥通路(13)の前壁(31)に開閉可能な清掃窓(B)を設けたことを特徴とする穀物乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の穀物乾燥機は、乾燥部の排風室内に遠赤外線放射体を設けた例であり、また、特許文献2に記載の穀物乾燥機は、貯留室上部の搬送樋に底部シャッタを設けて穀物循環後の残留物を除去可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5228844号公報
【文献】特許第4042591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乾燥部の塵埃除去のための点検保守作業のためには、穀物乾燥機の最上部、または、乾燥部の内部等の困難な作業が避けられないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、乾燥部の塵埃除去の作業簡易化を可能とする穀物乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、
箱体の機壁内に穀物を貯留する貯留部(2)と乾燥部を上下に構成し、乾燥部(3)の前側に操作パネル(P)を備え、
乾燥部(3)は、熱風供給部(6)からの熱風を受ける熱風室(11)と、吸引排気部(40)と接続する排風室(12)と、熱風室(11)と排風室(12)の間にあって貯留部(2)から受けた穀物を案内する穀物乾燥通路(13)とを設け、
穀物乾燥通路(13)は、乾燥部(3)の前後方向にわたって構成すると共に、熱風が透過する乾燥網で構成され、
穀物乾燥通路(13)の前壁(31)に開閉可能な清掃窓(B)を設けたことを特徴とする穀物乾燥機とする。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の効果】
【0011】
本発明により、穀物乾燥通路内の塵埃の除去を行うことができる。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図13】清掃窓部(閉鎖時)周りの斜め下方から見た斜視図
【
図14】清掃窓部(開放時)周りの斜め下方から見た拡大斜視図
【
図15】清掃窓部(閉鎖時)の要部側面図(a)とそのS-S線断面図(b)
【
図16】清掃窓部(開放時)の要部側面図(a)とそのS-S線断面図(b)
【
図17】清掃窓部(全開時)の斜め下方から見た拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
【0015】
(穀物乾燥機)
穀物乾燥機1は、その外観構成斜視図を
図1に示すように、貯留室2と乾燥部3とを上下に構成し、乾燥部3から貯留室2に穀物を移送するエレベータ5を機体正面部に備えて穀物を循環乾燥する。また、乾燥部3の正面側に操作パネルPと機器制御のコントローラCを備える。
【0016】
(内部構成)
乾燥部3は、穀物乾燥機1の正面視による内部構造図を
図2に示すように、熱風室11と排風室12および、これら熱風室11と排風室12とに挟まれる穀物乾燥通路13を備える。熱風室11は正面側に構成した熱風供給部6の不図示のバーナによる熱風を受け、排風室12は遠赤外線放射体23を補助熱源として備えるとともに、機体背面側に構成した吸引排気部40の排風ファン40aによって吸引排気され、
(機器伝動系)
穀物乾燥機1の内部機器は、その伝動構成斜視図を
図3に示すように、乾燥部3の下部搬送螺旋樋18により穀物をエレベータ5に移送し、上部の搬送螺旋樋19によって穀物を貯留室2に投入し、乾燥部3のロータリバルブ14により一定速度で穀物を循環しつつ、この乾燥部3の背面側の排風ファン40aが吸引する熱風によって穀物を乾燥する。
【0017】
上記循環行程を維持するために、上部の搬送螺旋樋19の底面部に開閉シャッタ21を電動制御可能に備えて残留穀物を貯留室2に排出可能に構成し、また、乾燥部3内の塵埃除去のために、前壁31に清掃窓Aを形成して開閉蓋33bを電動制御可能に設ける。
【0018】
(開閉シャッタ)
搬送螺旋樋19の開閉シャッタ21は、拡大側面図を
図4に示すように、電動駆動部21aによって回動するアーム21bによって搬送螺旋樋19の底板を貯留室2側に開閉制御可能に構成する。
【0019】
(清掃窓)
また、乾燥部3の前壁31には、その要部斜視図、正面図および側面図を順に
図5~
図7に示すように、熱風室11および排風室12の塵埃除去のために、駆動部36aから延びる進退ロッド36bと連結して手動スイッチ36cにより電動開閉制御可能な開閉蓋33b付きの清掃窓Aをそれぞれ設け、さらに、開閉蓋33bと開閉シャッタ21のいずれかを選択する切換スイッチ37を設ける。
【0020】
前壁31の清掃窓Aは、機体内部の空気流線の斜視図を
図8に示すように、開閉蓋33bを開いた場合に、排風ファン40aの吸引力により、清掃窓Aから吸引排気部40に至る空気流線Fに沿って排風室12内の堆積塵埃Tを排出することができる。
【0021】
開閉シャッタ21および開閉蓋33bは、穀物乾燥機1の運転との関連において、以下のように連動制御可能に構成する。すなわち、穀物張込時、熱風乾燥時、通風乾燥時、穀物排出時の各運転態様に応じて開閉シャッタ21および開閉蓋33bの作動を制御する。
【0022】
(排出連動)
具体的には、操作パネルPの穀物排出運転の排出ボタンS4と連動して排風室12の開閉蓋33bを開くことにより、乾燥運転による排風室12の塵埃、特に外熱風型乾燥機の排風路のゴミ溜りを排出することができ、穀物排出運転の都度、乾燥部の清掃が可能となる。
【0023】
(通風乾燥連動)
また、通風乾燥運転の通風ボタンS2と連動して排風室12の開閉蓋33bを閉じることにより、通風乾燥能力の低下を防止することができ、熱風乾燥運転の乾燥ボタンS3と連動して排風室12の開閉蓋33bを閉じることにより、乾燥能力の低下を防止することができる。
【0024】
(切換スイッチ)
次に、搬送螺旋樋19内の残留穀物の除去については、切換スイッチの接続図を
図9に示すように、切換スイッチ37によって開閉シャッタ21を選択することにより、乾燥部3の塵埃の代わりに、搬送螺旋樋19内の残留穀物の排出が可能となることから、既存のコントローラCの変更を要することなく、必要に応じて、乾燥部3の塵埃排出と搬送螺旋樋19内の残留穀物の排出のいずれについても、上記連動制御の適用が可能となる。
【0025】
(駆動ユニット)
この場合、切換スイッチ37を駆動部36aと一体的に設けてユニット化し、コントローラCとエレベータハーネスの間に中継することにより、自動化ユニットのオプションとして取扱うことが可能となり、また、切換スイッチ37を連動の有無の切換えとして構成することも可能となる。
【0026】
開閉蓋33bの開閉の進退ロッド36bの代わりにワイヤ連結とすることにより、開閉蓋33bと駆動部36aとの連結を分解することなく、開閉蓋33bを取外して機体内の清掃が可能となる。
【0027】
(エアホース)
次に、エアホースを配置した清掃窓部の斜視図を
図10に示すように、開閉蓋33bにエアーブロー清掃用のエアホース38を配し、清掃モードに入って清掃を開始したときに、開閉蓋33bの操作と連動して機体内にエアーブローを行うことにより、排風ファンの風力を補助して清掃性を向上することができる。
【0028】
また、排出ボタンS4による排出運転と連動してエアホース38からエアーブローを行うことにより、常に強力な清掃が可能となる。
【0029】
また、エアホース38は、排風路内部の上部から下方に向けて配置することで、清掃モードに入って清掃を開始したときに、乾燥網部での穀物の流れによる擦れで、埃が穀物中に落下するように促進(相乗効果)して、排風路をエアー清掃することができる。
【0030】
(清掃窓/手動開閉構成)
次に、手動開閉構成の清掃窓について説明する。
【0031】
図11は、穀物乾燥機の乾燥部構造を示す正面透視図、また、
図12は、乾燥部の前側の内部を示す縦断面図である。
【0032】
穀物乾燥機は、張込まれた穀粒を受ける貯留部2と、この貯留部2から穀粒を流下しつつ熱風乾燥する乾燥部3とを上下に配置し、乾燥部3の下部は穀粒を貯留部2に戻すための集穀部4とし、この集穀部4から機体の前面部を通って貯留部2に至るエレベータ5(
図13参照)を備える。
【0033】
機体の前壁31には、バーナー6aを収容したバーナーケースである熱風供給部6、機体の後壁32には排風ファン40aによって排風を分流可能に排出する吸引排気部40を備え、穀粒を循環しつつ乾燥可能に構成される。
【0034】
乾燥部3は、正面側の熱風供給部6の熱風を受ける導入口W,Wを開口した熱風室11と、背面側の吸引排気部40と接続する排風室12と、これら熱風室11と排風室12との間を熱風を透過しつつ貯留部2から受けた穀粒を案内する多孔板による穀物乾燥通路13,13とから構成され、この穀物乾燥通路13,13はその下端に繰出弁14を設けて穀物乾燥通路13,13を流下する穀粒を所定量ずつ集穀部4に繰り出す。
【0035】
穀物乾燥通路13,13は、乾燥部3の前後方向にわたって構成すると共に、乾燥部3の左右方向にわたって複数列を配置し、隣接する2つの穀物乾燥通路13,13の下端部を合流構成し、該下端部に正逆転する繰出弁14を設けて2つの穀物乾燥通路13,13の穀粒を交互に定量繰出を行う。
【0036】
これら両穀物乾燥通路13,13の内側を排風室12とし、両穀物乾燥通路13,13の外側にはそれぞれ熱風室11,11を構成する。また、両穀物乾燥通路13,13の入口側にはそれぞれ菱形状で多孔板による分流部13a,13aを設けて広い範囲の穀粒を受けつつ長い乾燥経路を確保する。
【0037】
熱風室11,11の内部には、排風利用によって高速乾燥するために、吸引排気部40から熱風供給部6に連通する排風戻し通路15,15を設ける。また、排風室12の前端部には、遠赤外線によって穀粒内部の水分移行を促進する遠赤外線放射体23を設けてその両側方に臨む2つの穀物乾燥通路13,13に遠赤外線を放射する。
【0038】
機体の前壁31には、遠赤外線放射体23の直下位置に排風室12の清掃窓Aを開閉可能に構成する。また、穀物乾燥通路13,13、熱風室11,11についても、それぞれ清掃窓B,Cを開閉可能に構成し、さらに、後壁32についても同様に清掃窓A,B,Cを開閉可能に構成する。
【0039】
集穀部4は、繰出弁14の下方で排出穀粒を集合するための左右の傾斜板17,17と、その集合した穀粒をエレベータ5に移送する下部移送螺旋18とによって構成する。
【0040】
(清掃窓)
清掃窓Aについて詳細に説明すると、清掃窓部(閉鎖時)周りの斜め下方から見た斜視図を
図13に示すように、窓Aに開閉部材33を設け、熱風供給部6の下方に延びる開閉操作用のロッド34を連結する。
【0041】
開閉部材33は、清掃窓部(開放時)の斜め下方から見た拡大斜視図を
図14に示すように、外気流通可能な多数のスリットまたはパンチ孔を形成したスリット板33aを蝶ナットや固定レバー等の固定具33cによって前壁31に着脱可能に取付け、このスリット板33aを開閉可能に盲板33bを軸支し、この盲板33bにロッド34を連結し、熱風供給部6の下部にロッド保持部材35を取付けけて盲板33bを開閉調節可能に構成する。
【0042】
盲板33bは、排風ファン40aの吸引力によってスリット板33aを閉じることができ、必要により、盲板33bを磁気吸着可能に構成する。
【0043】
ロッド34は、清掃窓部(閉鎖時)の要部側面図(a)とそのS-S線断面図(b)を
図15に示すように、先端にグリップ34aを屈曲加工等により形成し、また、盲板33bを位置決め保持するための2つの折曲げ部P1,P2を形成する。
【0044】
詳細には、盲板33bがスリット板33aを閉じる位置までロッド34を押込んだ時に、熱風供給部6の前端より奥側にグリップ34aを配置するとともに、前側の折曲げ部P1がロッド保持部材35に位置決め保持されるように配置する。
【0045】
また、清掃窓部(開放時)の要部側面図(a)とそのS-S線断面図(b)を
図16に示すように、ロッド34を引出して盲板33bがスリット板33aを開いた時に、熱風供給部6の前端より前側にグリップ34aを配置するとともに、後側の折曲げ部P2がロッド保持部材35に保持されるように配置する。
【0046】
上記構成の穀物乾燥機1は、ロッド34の前後方向の操作によって盲板33bを開くことにより、排風ファン40aの吸引力により、スリット板33aから排風室12に外気が直接流れ込んで遠赤外線放射体23の直下の堆積塵埃を含め排風室12の塵埃を排出することができる。
【0047】
次に、排風室12の内部清掃について説明すると、清掃窓部(全開時)の斜め下方から見た拡大斜視図を
図17に示すように、スリット板33aの固定具33cを緩めて開閉部材33を一体に前壁31から取外すことにより、全開した清掃窓Aから清掃用具を入れて排風室12を清掃することができる。
【0048】
同様に、穀物乾燥通路13,13、熱風室11,11についても、前壁31と後壁32それぞれの清掃窓B,Cを開くことにより、乾燥部3の塵埃を清掃することができるとともに、正面側と背面側から、清掃具によるメンテナンスが可能となる。
【0049】
穀物乾燥通路13,13については、乾燥部3の要部透視による斜視図を
図18に示すように、乾燥網の一部41を開閉可能とし、止め具によって押さえつけるように構成することにより、乾燥網の内部の塵埃清掃が可能となり、また、網の上部を蝶番によって開閉可能に構成することにより、ボルトや網を機内に落とすことなく、網の開閉が可能となる。
【0050】
次に、乾燥機の清掃モードにおいて、排風ファン40aのみが作動するモードを設け、または、排風ファン40aとバルブ14のみを作動させ、さらに、エレベータ5とバルブ14のオン/オフを切替え可能に構成することにより、運転箇所の切替等、他の穀物循環系機器の停止下で、乾燥網等の清掃作業の安全を確保することができる。
【0051】
上記において、運転箇所の切替に対応して駆動中の機器を7セグ表示し、また、液晶表示を備える場合については、駆動中の機器を液晶表示することにより、乾燥網等の清掃作業の安全を確保することができる。
【0052】
次に、清掃窓の開閉部材33について、固定のスリット板に可動スリット板を重ねてスリット部の開閉を電動制御可能に構成することにより、清掃モードに移行するとともにスリット部を開くことができ、また、スリット部を開いた上で排出運転に移行することにより、効率よく清掃することができる。
【0053】
上記電動開閉制御可能な開閉部材は、機体中央の排風路の前面および後面に開口した掃除口に設けるとともに、内部にLEDライトを配置してスイッチで点灯可能に構成し、または、開閉部材が開くとLEDライトを連動して点灯し、さらには、清掃モードになるとLEDライトを連動して点灯する制御を設けることにより、排出運転時の外気導入によって効率よく清掃が可能となる上に、点灯によって中の確認が容易となる。
【0054】
また、乾燥運転において、排風温度が所定の基準温度まで上昇しない場合に、掃除口の閉鎖の確認のための異常表示行うことにより、乾燥運転における掃除口の締め忘れを防止することができる。
【0055】
(構成上の要点)
上記構成による穀物乾燥機について構成上の要点をまとめると以下のとおりである。
【0056】
排風室12の前壁31に外気供給用の開閉蓋33bを開閉制御可能に設けるとともに、上部搬送螺旋樋19の底部を貯留室2に開放する開閉シャッタ21を開閉制御可能に設け、これら開閉蓋33bと開閉シャッタ21をまとめて開閉する一括開閉制御を設けたことから、排風室12の開閉蓋33bを開くことによる排風室12内の塵埃除去と、上部搬送螺旋樋19の開閉シャッタ21を開くことによる上部搬送螺旋樋19の残留穀物の除去とが同時にできるので、上部搬送螺旋樋19と乾燥部3を必要に応じて同時清掃することができる。
【0057】
熱風室11の前壁31に外気供給用の開閉蓋33bを開閉制御可能に設けるとともに、上部搬送螺旋樋19の底部を貯留室2に開放する開閉シャッタ21を開閉制御可能に設け、これら開閉蓋33bと開閉シャッタ21をまとめて開閉する一括開閉制御を設けたことから、熱風室11の開閉蓋33bを開くことによる熱風室11内の塵埃除去と、上部搬送螺旋樋19の開閉シャッタ21を開くことによる上部搬送螺旋樋19の残留穀物の除去とが同時にできるので、上部搬送螺旋樋19と乾燥部3を必要に応じて同時清掃することができる。
【0058】
排風室12の前壁31に外気供給用の開閉蓋33bを開閉制御可能に設けるとともに、上部搬送螺旋樋19の底部を貯留室2に開放する開閉シャッタ21を開閉制御可能に設け、これら開閉蓋33bと開閉シャッタ21のいずれかを選択する切換スイッチ37と、この切換スイッチ37による選択側を開閉制御する開閉操作スイッチ36cを設けたことから、切換スイッチ37により、上部搬送螺旋樋19と乾燥部3のいずれかを選択して必要な方だけを開閉操作スイッチ36cにより清掃することができる。
【0059】
貯留室2に穀物を貯留制御する張込運転スイッチS1と、乾燥部3の通風作動により通風乾燥制御する通風運転スイッチS2と、乾燥部3の熱風作動により熱風乾燥制御する乾燥運転スイッチS3と、穀物を排出制御する排出運転スイッチS4とを設けるとともに、この排出運転スイッチS4により開閉蓋33bと開閉シャッタ21とを開閉する排出連動制御を設けたことから、この排出連動制御により、開閉蓋33bと開閉シャッタ21が排出連動で開閉されるので、排出運転に合わせて上部搬送螺旋樋19と乾燥部3の清掃が可
能となる。
【0060】
開閉蓋33bおよび開閉シャッタ21の乾燥通風連動制御により、乾燥運転スイッチS3または通風運転スイッチS2の操作と連動して開閉蓋33bおよび開閉シャッタ21を閉鎖制御することから、開閉蓋33bおよび開閉シャッタ21の閉め忘れを防止して乾燥運転または通風運転に入ることができる。
【0061】
穀物を排出制御する排出運転スイッチS4を設けるとともに、この排出運転スイッチS4により切換スイッチ37による選択側を開閉制御することから、排出運転スイッチS4に連動して、上部搬送螺旋樋19と乾燥部3のいずれか必要な方だけを清掃することができる。
【0062】
排風室12と熱風室11の少なくとも一方にエア供給用のノズルを設け、排出スイッチによってエアを供給する排出連動エア制御を設けたことから、この排出連動エア制御により、排出運転時に排風室12と熱風室11の少なくとも一方のエア供給によって乾燥部3の清掃を促進することができる。
【0063】
排風室12の前壁31側に遠赤外線放射体23を備え、その直下位置に開口した窓Aにスリット板33aとそのスリットを開閉可能な盲板33bとを設けることにより、乾燥部3の清掃の際は、排風ファン40aの作動下で盲板33bを開放位置にすると、前壁31の窓Aのスリット板33aから外気が直接流入して遠赤外線放射体23の直下を通過することから、遠赤外線放射体23の下方おける塵埃の堆積を防止することができる。
【0064】
スリット板33aと盲板33bは一体で着脱可能に前壁31に支持することにより、排風室12内の点検の際に、窓Aの開放と復旧が容易となる。
【0065】
前壁31の窓Aの上方に張出して熱風供給部であるバーナケース6と、このバーナケース6の下方を前後方向に延びて盲板33bと連結するロッド34とを設け、このロッド34の前後方向操作によって盲板33bを前後回動可能にスリット板33aに軸支することにより、バーナケース6の下方を前後方向に延びるロッド34の前後操作によって前壁31の窓Aの開閉を容易に調節操作することができる。
【0066】
ロッド34は、その中間部をバーナケース6の底部にスライド可能に支持するとともに、前下がりに傾斜して前端にグリップ34aを設けることにより、中間部をバーナケース6の底部に支持しつつ、ロッド34の先端のグリップ34aにより盲板33bを容易に開閉操作することができる。
【0067】
グリップ34aは、盲板33bがスリット板33aを閉じる位置の時にバーナケース6の前端より後方位置に、盲板33bがスリット板33aを開く位置の時にバーナケース6の前端位置より前方位置に構成することにより、ロッド34のグリップ34aの位置が盲板33bの開閉と対応し、特に、盲板33bの締め忘れがあれば、グリップ34aがバーナケース6の前端から飛び出すので、目に付きにくい盲板33bの状態を容易に認識することができる。
【0068】
盲板33bを開閉駆動する駆動手段を設け、穀物乾燥運転後の穀物排出運転と連動して盲板33bを開動作制御することにより、穀物排出運転の都度、盲板33bが開いて当該乾燥運転で遠赤外線放射体23の下方に堆積した塵埃を次の乾燥運転に先立って排出することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 穀物乾燥機
2 貯留室
3 乾燥部
11 熱風室
12 排風室
19 上部搬送螺旋樋
21 開閉シャッタ
31 前壁
33b 開閉蓋
36c 開閉操作スイッチ
37 切換スイッチ
41 乾燥網の一部
S1 張込運転スイッチ
S2 通風運転スイッチ
S3 乾燥運転スイッチ
S4 排出運転スイッチ
A 清掃窓(排風室)
B 清掃窓(穀物乾燥通路)
C 清掃窓(熱風室)