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特許7099768めまいの診断装置並びに遠隔めまい診断プログラム及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】めまいの診断装置並びに遠隔めまい診断プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20220705BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
A61B10/00 W
A61B3/113
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021199059
(22)【出願日】2021-12-08
【審査請求日】2021-12-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521537461
【氏名又は名称】園部 敦史
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】伏木 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】野田 昌生
(72)【発明者】
【氏名】園部 敦史
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-041067(JP,A)
【文献】特開2009-005904(JP,A)
【文献】特表2011-501844(JP,A)
【文献】国際公開第2021/111567(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/080311(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
A61B 3/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の頭部に装着可能な撮影装置によって撮影された、前記対象の眼の動きを含む映像を受信可能な映像受信部と、
前記対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を、少なくとも前記映像に基づいて判別可能な疾患判別部と、
前記可能性に基づいて疾患候補の出力を指令可能な出力指令部と、
前記可能性の判別を機械学習可能な機械学習部と、
を備え、
前記疾患判別部は、前記映像と前記機械学習とに基づいて前記可能性を判別可能であり、
前記対象が入力した服薬履歴の情報を受信可能な情報受信部をさらに備え、
前記映像受信部は、互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像を受信可能であり、
前記出力指令部は、前記複数の映像それぞれに関する前記疾患候補それぞれと前記服薬履歴とを時系列で関連付けた出力を指令可能である、
めまいの診断装置。
【請求項2】
前記疾患候補に関する助言を外部に送信可能な助言送信部をさらに備える、請求項1に記載の診断装置。
【請求項3】
前記映像に基づいた、前記疾患の可能性に関する所見を受信可能な所見受信部をさらに備え、
前記機械学習部は、前記映像と前記所見とを用いて前記可能性の判別を機械学習可能である、請求項1から2のいずれか1項に記載の診断装置。
【請求項4】
対象の頭部に装着可能な撮影装置と接続可能な端末に、
前記対象の眼の動きを含む映像を撮影するよう前記撮影装置を制御可能な撮影制御ステップと
前記映像を外部に送信可能な映像送信ステップと、
請求項1から3のいずれか1項に記載の診断装置によって出力された前記疾患候補を受信可能な疾患候補受信ステップと、
を実行させることが可能な、遠隔めまい診断プログラム。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項に記載の診断装置と、
前記診断装置とネットワークを介して通信可能な端末と、
対象の頭部に装着可能な撮影装置と、
を含んで構成され、
前記撮影装置は、
前記対象の眼の動きを含む映像を撮影可能な撮影部と、
前記映像を前記端末に提供可能な提供部と、
を備え、
前記端末は、前記撮影装置から提供された前記映像を前記診断装置に送信可能な映像送信部を備え、
前記映像受信部は、前記撮影装置から前記映像を受信可能である、
遠隔めまい診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めまいの診断装置並びに遠隔めまい診断プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
眼の動き(「眼球運動」とも称する。)を用いてめまいによって例示される各種の症状を含む疾患を診断することが行われている。しかしながら、微細な動き及び/又は素早い動きを含み得る眼の動きを解析し、疾患を診断することは、熟練を要し、容易ではない。そのため、眼の映像を用いて眼の動きを自動的に解析し、診断に活用することが行われている。
【0003】
眼の映像を自動的に解析することに関し、特許文献1は、被検者の右眼および左眼の少なくとも一方と、前記被検者の顔の表面上の比較対象(例えば、被験者の顔の所定位置に取り付けられた所定の形状を有する1以上のシール。)とを含む動画像を撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影された前記動画像上における前記被検者の前記右眼および前記左眼の少なくとも一方と前記比較対象との関係に基づいて、前記被検者の前記右眼および前記左眼の少なくとも一方の眼球の運動を解析する解析部とを備える、眼球運動解析システムを開示している。
【0004】
特許文献1の技術によれば、赤外線光源を用いて角膜に投影した鏡面反射像であるプルキンエ像を使用する必要なく、事前にキャリブレーションを行う必要なく、撮影部と被検者との距離が変化した場合であっても被検者の眼球の運動を高精度に解析し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-141762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、めまいに関する疾患の診断に関し、めまいを有する患者は、外出に困難を覚え得る。また、めまいを有する患者は、外出における事故等のリスクが健康な者より高くなり得る。したがって、めまいに関する疾患の診断では、患者が医師を訪ねて診断を受けることに困難が生じ得る。そのため、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいてめまいに関する疾患の診断を行う遠隔診断の要望がある。
【0007】
特許文献1の技術は、被検者の顔にシール等の比較対象を取り付ける必要がある。めまいが視覚等に悪影響を及ぼし得るため、めまいを有する患者は、医師等の助力を必要とすることなく比較対象を患者の顔の適切な位置に取り付けることに困難を覚え得る。そのため、特許文献1の技術は、遠隔地にいて医師等の補助を得られない患者を被検者とする場合、比較対象が適切に取り付けられず、適切な解析が行われないリスクがあり得る。したがって、特許文献1の技術は、遠隔診断に用いる点において、なおいっそう改善の余地がある。
【0008】
めまいに関する疾患の診断に関し、解析に基づいて被検者がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別し、診断することは、熟練を要し得る。特許文献1の技術は、プルキンエ像を使用する必要なく、事前にキャリブレーションを行う必要なく、撮影部と被検者との距離が変化した場合であっても被検者の眼球の運動を高精度に解析し得るにとどまる。したがって、特許文献1の技術は、被検者がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別して診断を支援する点において、なおいっそう改善の余地がある。
【0009】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであり、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、対象の頭部に装着可能な撮影装置によって撮影された、対象の眼の動きを含む映像と機械学習とに基づいて対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別すること等によって上述の課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、対象の頭部に装着可能な撮影装置によって撮影された、対象の眼の動きを含む映像を受信可能な映像受信部と、前記対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を、少なくとも前記映像に基づいて判別可能な疾患判別部と、前記可能性に基づいて疾患候補の出力を指令可能な出力指令部と、前記可能性の判別を機械学習可能な機械学習部と、を備え、前記疾患判別部は、前記映像と前記機械学習とに基づいて前記可能性を判別可能である、めまいの診断装置を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、映像受信部が受信する映像が対象の頭部に装着可能な撮影装置によって撮影された、対象の眼の動きを含む映像であるため、撮影装置と対象の眼との位置関係が実質的に固定された状態で撮影されたブレ等がない映像を受信できる。したがって、診断装置は、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像を、めまい等に関する疾患の診断等に利用できる。
【0013】
ところで、微細な動き及び/又は素早い動きを含み得る眼の動きを解析し、疾患を診断することは、熟練を要し、容易ではない。第1の特徴に係る発明によれば、診断装置は、対象の眼の動きを含む映像と機械学習部によって行われた機械学習とに基づいて対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別し、判別された可能性に基づいて疾患候補を出力可能である。これにより、診断装置は、疾患候補の出力を介して、めまいに関する疾患の診断を支援できる。
【0014】
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な診断装置を提供できる。
【0015】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記対象が入力した服薬履歴の情報を受信可能な情報受信部をさらに備え、前記映像受信部は、互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像を受信可能であり、前記出力指令部は、前記複数の映像それぞれに関する前記疾患候補それぞれと前記服薬履歴とを時系列で関連付けた出力を指令可能である、診断装置を提供する。
【0016】
めまいに関する疾患の治療においては、服薬に応じた時系列における疾患の変化を用いて治療方針を決定することが行われ得る。第2の特徴に係る発明によれば、診断装置は、互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像それぞれに関する疾患候補それぞれと服薬履歴とを時系列で関連付けて出力できる。したがって、診断装置は、服薬に応じた時系列における疾患の変化を出力し、めまいに関する疾患の診断を支援できる。
【0017】
したがって、第2の特徴に係る発明によれば、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な診断装置を提供できる。
【0018】
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、前記疾患候補に関する助言を外部に送信可能な助言送信部をさらに備える、診断装置を提供する。
【0019】
めまいに関する疾患の治療においては、継続的な服薬及びリハビリテーション等によって例示される、医師等の助言に基づいた継続的な治療が行われ得る。しかしながら、めまいを有する患者は、外出に困難を覚え得る。また、めまいを有する患者は、外出における事故等のリスクが健康な者より高くなり得る。したがって、めまいに関する疾患を有する患者が医師等を訪ねて、医師等の助言に基づいた継続的な治療を行うことに困難が生じ得る。
【0020】
第3の特徴に係る発明によれば、患者等の対象は、疾患候補に関する助言を診断装置から受信できる。これにより、対象は、疾患候補に関する助言を介して、医師等を訪ねることなく、医師等の助言に基づいた継続的な治療を行い得る。これにより、診断装置は、医師等がめまい等に関する疾患の治療等を行うことを支援し得る。
【0021】
したがって、第3の特徴に係る発明によれば、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な診断装置を提供できる。
【0022】
第4の特徴に係る発明は、第1の特徴から第3の特徴のいずれかに係る発明であって、前記映像に基づいた、前記疾患の可能性に関する所見を受信可能な所見受信部をさらに備え、
前記機械学習部は、前記映像と前記所見とを用いて前記可能性の判別を機械学習可能である、診断装置を提供する。
【0023】
第4の特徴に係る発明によれば、機械学習部は、疾患の可能性に関する所見に基づく教師あり学習を行える。これにより、疾患判別部は、教師あり学習に基づくより精度が高い判別を行い得る。したがって、診断装置は、より精度が高い判別に基づく疾患候補の出力を介して、めまいに関する疾患の診断をよりいっそう支援できる。
【0024】
したがって、第4の特徴に係る発明によれば、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な診断装置を提供できる。
【0025】
第5の特徴に係る発明は、対象の頭部に装着可能な撮影装置と接続可能な端末に、前記対象の眼の動きを含む映像を撮影するよう前記撮影装置を制御可能な撮影制御ステップと前記映像を外部に送信可能な映像送信ステップと、第1の特徴から第4の特徴のいずれかに係る診断装置によって出力された前記疾患候補を受信可能な疾患候補受信ステップと、を実行させることが可能な、遠隔めまい診断プログラムを提供する。
【0026】
めまいが視覚等に悪影響を及ぼし得るため、めまいを有する患者は、医師等の助力を必要とすることなく眼の動きを含む映像を撮影し、診断装置に送信することに困難を覚え得る。第5の特徴に係る発明によれば、遠隔めまい診断プログラムが対象の眼の動きを含む映像を撮影するよう撮影装置を制御し、撮影した映像を外部に送信するため、めまいを有する患者等の対象であっても、医師等の助力を必要とすることなく眼の動きを含む映像を撮影し、本発明の診断装置等の外部に送信できる。
【0027】
また第5の特徴に係る発明によれば、遠隔めまい診断プログラムが診断装置によって出力された疾患候補を受信できるため、患者等の対象は、撮影した映像に基づく疾患候補を確認できる。これにより、遠隔めまい診断プログラムは、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援できる。
【0028】
したがって、第5の特徴に係る発明によれば、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な遠隔めまい診断プログラムを提供できる。
【0029】
第6の特徴に係る発明は、第1の特徴から第4の特徴のいずれかに係る診断装置と、前記診断装置とネットワークを介して通信可能な端末と、対象の頭部に装着可能な撮影装置と、を含んで構成され、前記撮影装置は、前記対象の眼の動きを含む映像を撮影可能な撮影部と、前記映像を前記端末に提供可能な提供部と、を備え、前記端末は、前記撮影装置から提供された前記映像を前記診断装置に送信可能な映像送信部を備え、前記映像受信部は、前記撮影装置から前記映像を受信可能である、遠隔めまい診断システムを提供する。
【0030】
第6の特徴に係る発明によれば、対象の頭部に装着可能な撮影装置が対象の眼の動きを撮影するため、撮影装置と対象の眼との位置関係が実質的に固定され得る。これにより、対象がシール等の比較対象を顔に取り付けていない場合であっても、対象の眼の動きを含む映像をブレ等がない状態で撮影し得る。そして、端末は、医師等から離れた遠隔地であっても、撮影装置の提供部によって提供された映像を、ネットワークを介して診断装置に送信できる。
【0031】
そして、第6の特徴に係る発明によれば、診断装置は、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像を端末から受信できる。これにより、診断装置は、機械学習を用いて対象が患っている可能性がある疾患候補を出力できる。したがって、診断装置は、患者等の対象が医師及び/又は診断装置等から離れた遠隔地にいる場合であっても、患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援できる。
【0032】
したがって、第6の特徴に係る発明によれば、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な遠隔めまい診断システムを提供できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本実施形態の遠隔めまい診断システムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、映像テーブル221の一例である。
図3図3は、対象情報テーブル421の一例である。
図4図4は、患者端末2で実行される映像送信等処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、診断装置4で実行される診断処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、図5に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
<遠隔めまい診断システムS>
図1は、本実施形態の遠隔めまい診断システムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。図1を用いて、本実施形態の本実施形態の遠隔めまい診断システムSの好ましい構成の一例を説明する。
【0037】
遠隔めまい診断システムSは、少なくとも、撮影装置1と、患者端末2(単に「端末」とも称する。)と、診断装置4と、を含んで構成される。患者端末2と診断装置4とは、ネットワークNを介して通信可能である。
【0038】
必須の態様ではないが、遠隔めまい診断システムSは、診断装置4とネットワークNを介して通信可能であり、医療機関等において利用される医療機関端末3を含むことが好ましい。遠隔めまい診断システムSが医療機関端末3を含むことにより、診断装置4は、医療機関等に医療機関端末3を介して疾患候補を送信し得る。また、診断装置4は、医療機関端末3を介して医療機関等から映像に関する所見を受信し得る。
【0039】
〔撮影装置1〕
撮影装置1は、対象の頭部に装着可能であり、かつ、対象の眼の動きを含む映像を撮影可能である。撮影装置1は、特に限定されない。撮影装置1は、例えば、ネットワークNを介して通信可能であり、対象の眼の動きを含む映像を撮影可能なIoTゴーグル等でよい。
【0040】
撮影装置1は、対象の頭部への装着を可能とする装着部11と、対象の眼の動きを含む映像を撮影可能な撮影部12と、撮影した映像を患者端末2等に提供可能な提供部13と、を備える。
【0041】
[装着部11]
装着部11は、撮影装置1を対象の頭部に装着可能にするものであれば、特に限定されない。装着部11は、例えば、対象の頭部に巻かれるベルト、対象の外耳と頭部との間に挟まれて略固定されるテンプル、対象の鼻に乗せることが可能なパッド、対象が被ることが可能なキャップ、等の1以上を含むものでよい。これにより、撮影装置1は、対象の頭部に略固定された状態で眼の動きを含む映像を撮影できる。したがって、撮影装置1は、ブレ等のない映像を撮影し得る。
【0042】
[撮影部12]
撮影部12は、対象の眼の動きを含む映像を撮影可能であれば、特に限定されず、従来技術のデジタル式カメラ、赤外線を用いて眼の動きを含む映像を撮影可能な赤外線カメラ、等でよい。撮影部12は、撮影した映像をデジタルデータの態様で提供可能であることが好ましい。これにより、撮影装置1は、患者端末2及び診断装置4において処理容易なデジタルデータの態様で映像を提供できる。
【0043】
撮影部12は、患者端末2等の外部の端末から制御可能であることが好ましい。これにより、外部の端末は、対象の眼の動きを含む映像を撮影するよう撮影装置1を制御できる。
【0044】
[提供部13]
提供部13は、撮影部12が撮影した映像を患者端末2に提供可能であれば、特に限定されない。提供部13は、例えば、ネットワークNを介して映像を提供可能な通信装置、患者端末2が読み取り可能な所定の記憶媒体に映像を格納可能な記憶装置等の1以上を含む。
【0045】
提供部13は、なかでも、ネットワークNを介して映像を提供可能な通信装置を含むことが好ましい。これにより、撮影装置1は、撮影部12が撮影した映像を、ネットワークNを介して患者端末2等に提供できる。
【0046】
提供部13が含む通信装置は、特に限定されず、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、Bluetooth(登録商標)規格等に対応した近距離無線装置、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0047】
提供部13は、患者端末2等の外部の端末から制御可能であることが好ましい。これにより、外部の端末は、撮影部12が撮影した映像を送信するよう撮影装置1を制御できる。
【0048】
〔患者端末2〕
患者端末2は、患者等の対象が利用する端末であれば、特に限定されない。患者端末2は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末、パーソナルコンピュータ等の据置型端末等によって例示される各種端末でよい。
【0049】
患者端末2は、端末制御部21と、端末記憶部22と、端末通信部23と、端末表示部24と、端末入力部25と、を備える。
【0050】
[端末制御部21]
端末制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0051】
端末制御部21は、必要に応じて端末記憶部22、端末通信部23、端末表示部24、及び/又は端末入力部25等と協働し、患者端末2のソフトウェア構成要素である、撮影制御部211、映像送信部212、疾患候補受信部213、等を実現可能である。
【0052】
[端末記憶部22]
端末記憶部22は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。端末記憶部22は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0053】
端末記憶部22には、映像テーブル221、医療機関端末3等から受信した助言、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム等が記憶されている。
【0054】
(映像テーブル221)
映像テーブル221は、撮影装置1が撮影した、対象の眼の動きを含む映像を格納する。映像は、撮影装置1が撮影した、対象の眼の動きを含む映像であれば、特に限定されない。映像の数は、特に限定されない。
【0055】
映像テーブル221は、映像が撮影されたタイミングに関する情報と関連付けて映像を格納可能であることが好ましい。これにより、診断装置4は、疾患候補等を映像が撮影されたタイミングと関連付けて出力できる。
【0056】
映像テーブル221が互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像のそれぞれを格納可能である場合、映像テーブル221は、映像を映像が撮影されたタイミングに関する情報と関連付けて格納可能であることが好ましい。これにより、診断装置4は、複数の映像それぞれに関する疾患候補それぞれを時系列で出力できる。
【0057】
映像テーブル221は、対象が入力した入力情報を映像と関連付けて格納可能であることが好ましい。これにより、診断装置4は、疾患候補に加えて、対象が入力した入力情報を出力できる。
【0058】
入力情報は、対象が入力した情報であれば、特に限定されない。入力情報は、例えば、対象の服薬履歴、対象の自覚症状、体温及び血圧等によって例示される、撮影装置1が撮影した映像以外の対象に関する情報等によって例示される対象に関する情報の1以上を含む。
【0059】
映像テーブル221が互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像のそれぞれを映像が撮影されたタイミングに関する情報と関連付けて格納可能である場合、入力情報は、なかでも、対象の服薬履歴を含むことが好ましい。
【0060】
めまいに関する疾患の治療においては、服薬に応じた時系列における疾患の変化を用いて治療方針を決定することが行われ得る。映像テーブル221が互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像のそれぞれを映像が撮影されたタイミングに関する情報と関連付けて格納可能であり、入力情報が対象の服薬履歴を含むことにより、診断装置4は、互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像それぞれに関する疾患候補それぞれと服薬履歴とを時系列で関連付けて出力できる。したがって、診断装置4は、服薬に応じた時系列における疾患の変化を出力し、めまいに関する疾患の診断を支援できる。
【0061】
映像は、映像を識別可能な映像IDと関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、診断装置4は、映像IDを用いて映像等を格納及び取得できる。
【0062】
図2は、映像テーブル221の一例である。図2に示す映像テーブル221は、映像ID「V0001」と関連付けられた以下の情報を含む:
「12/1朝」に撮影された対象の眼の動きを含む「映像1」及び「12/1昼」に撮影された対象の眼の動きを含む「映像2」等を有する「映像」、
対象の「服薬履歴」及び「自覚症状」等を含む「入力情報」。
【0063】
図2に示す映像テーブル221が映像ID「V0001」と関連付けられた上述の情報を含むことにより、診断装置4は、映像を用いて判別した疾患候補を出力できる。また、診断装置4は、互いに異なるタイミングで撮影された「映像1」及び「映像2」それぞれに関する疾患候補それぞれと服薬履歴とを時系列で関連付けて出力できる。また、診断装置4は、対象の自覚症状等を出力できる。
【0064】
[端末通信部23]
端末通信部23は、患者端末2をネットワークNに接続して診断装置4等と通信可能にするものであれば特に限定されず、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、Bluetooth(登録商標)規格等に対応した近距離無線装置、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0065】
[端末表示部24]
端末表示部24は、疾患候補等を表示可能であれば特に限定されず、ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ、及び有機ELディスプレイ等によって例示される従来技術の表示手段を含むものでよい。
【0066】
[端末入力部25]
端末入力部25は、撮影装置1の制御に関する指示等を入力可能であれば特に限定されず、例えば、キーボード及び音声入力等によって例示される文字入力手段、並びに、マウス、トラックボール、及びタッチパネル等によって例示される位置指定手段の1以上を含むものでよい。
【0067】
〔医療機関端末3〕
医療機関端末3は、医療機関等において利用される端末であれば、特に限定されない。医療機関端末3は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末、パーソナルコンピュータ等の据置型端末等によって例示される各種端末でよい。
【0068】
医療機関端末3は、診断装置4から送信された疾患候補を受信し、表示可能であることが好ましい。これにより、医療機関端末3を利用する医師等は、表示された疾患候補に基づく助言等を行い得る。
【0069】
医療機関端末3が診断装置4から送信された疾患候補を受信し、表示可能である場合、医療機関端末3は、疾患候補に関する助言を診断装置4へ送信可能であることが好ましい。これにより、診断装置4は、医療機関端末3から送信された助言を受信し、患者端末2等に送信できる。
【0070】
医療機関端末3は、映像に関する所見を診断装置4へ送信可能であることが好ましい。これにより、診断装置4は、医療機関端末3を介して送信された映像に関する所見を用いた機械学習を行うことができる。
【0071】
〔診断装置4〕
[装置制御部41]
装置制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0072】
端末制御部21は、必要に応じて装置記憶部42及び/又は装置通信部43等と協働し、診断装置4のソフトウェア構成要素である、情報受信部411、映像受信部412、疾患判別部413、出力指令部414、助言送信部415、所見受信部416、機械学習部417、等を実現可能である。
【0073】
[装置記憶部42]
装置記憶部42は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。装置記憶部42は、ネットワークNを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0074】
装置記憶部42には、機械学習によって更新可能な疾患可能性判別パラメータ、対象情報テーブル421、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム等が記憶されている。
【0075】
(疾患可能性判別パラメータ)
疾患可能性判別パラメータは、患者端末2から受信した映像等に基づいて対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別可能であり、機械学習によって更新可能なパラメータであれば、特に限定されない。疾患可能性判別パラメータは、例えば、決定木、相関ルール学習の相関ルール、畳み込みニューラルネットワーク等のニューラルネットワーク、遺伝的プログラミングの遺伝子型、ベイジアンネットワーク、サポートベクターマシンのパーセプトロン、等でよい。
【0076】
疾患可能性判別パラメータが映像等に基づいて対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別可能であり、機械学習によって更新可能なパラメータであることにより、診断装置4は、映像及び映像に関する所見を用いて映像に基づいた可能性の判別を機械学習し、映像及び機械学習を用いて可能性を判別できる。
【0077】
(対象情報テーブル421)
対象情報テーブル421は、対象の眼の動きを含む映像と、映像の判別結果と、を関連付けて格納する。映像は、特に限定されず、映像テーブル221が格納する映像と同様でよい。
【0078】
判別結果は、映像に基づいて判別された可能性に基づく疾患候補を含むことが好ましい。これにより、診断装置4は、対象情報テーブル421に格納された疾患候補を出力できる。
【0079】
対象情報テーブル421が互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像を格納可能である場合、対象情報テーブル421は、複数の映像のそれぞれを映像が撮影されたタイミングに関する情報と関連付けて格納可能であることが好ましい。これにより、診断装置4は、複数の映像それぞれに関する疾患候補それぞれを時系列で出力できる。
【0080】
対象情報テーブル421は、対象が入力した入力情報を映像と関連付けて格納可能であることが好ましい。これにより、診断装置4は、疾患候補に加えて、対象が入力した入力情報を出力できる。
【0081】
入力情報は、対象が入力した情報であれば、特に限定されない。入力情報は、例えば、対象の服薬履歴、対象の自覚症状、体温及び血圧等によって例示される、撮影装置1が撮影した映像以外の対象に関する情報等によって例示される対象に関する情報の1以上を含む。
【0082】
対象情報テーブル421が互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像のそれぞれを映像が撮影されたタイミングに関する情報と関連付けて格納可能である場合、入力情報は、なかでも、対象の服薬履歴を含むことが好ましい。
【0083】
めまいに関する疾患の治療においては、服薬に応じた時系列における疾患の変化を用いて治療方針を決定することが行われ得る。対象情報テーブル421が互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像のそれぞれを映像が撮影されたタイミングに関する情報と関連付けて格納可能であり、入力情報が対象の服薬履歴を含むことにより、診断装置4は、互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像それぞれに関する疾患候補それぞれと服薬履歴とを時系列で関連付けて出力できる。したがって、診断装置4は、服薬に応じた時系列における疾患の変化を出力し、めまいに関する疾患の診断を支援できる。
【0084】
対象情報は、対象情報を識別可能な対象情報IDと関連付けられて格納されることが好ましい。これにより、診断装置4は、対象情報IDを用いて対象情報を格納及び取得できる。
【0085】
図3は、対象情報テーブル421の一例である。図3に示す対象情報テーブル421は、対象情報ID「P0001」と関連付けられた以下の情報を含む:
「12/1朝」に撮影された対象の眼の動きを含む「映像1」及び「12/1昼」に撮影された対象の眼の動きを含む「映像2」等を有する「映像」、
映像それぞれに関する「タイミング」、「回転なし、両目に眼振」等の動きに関する判別結果、及び「疾患候補」を含む「判別結果」、
対象の「服薬履歴」等を含む「入力情報」。
【0086】
図3に示す対象情報テーブル421が対象情報ID「P0001」と関連付けられた上述の情報を含むことにより、診断装置4は、映像を用いて判別した疾患候補を出力できる。また、診断装置4は、互いに異なるタイミングで撮影された「映像1」及び「映像2」それぞれに関する疾患候補それぞれと服薬履歴とを時系列で関連付けて出力できる。
【0087】
[装置通信部43]
装置通信部43は、診断装置4をネットワークNに接続して患者端末2等と通信可能にするものであれば特に限定されず、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、Bluetooth(登録商標)規格等に対応した近距離無線装置、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0088】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、診断装置4と患者端末2及び医療機関端末3等の各種端末とを通信可能にするものであれば特に限定されず、例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、エクストラネット、インターネット、Wi-Fiネットワーク、携帯電話ネットワーク、あるいはこれらのネットワークを複数組み合わせたネットワーク等が挙げられる。
【0089】
〔映像送信等処理のフローチャート〕
図4は、患者端末2で実行される映像送信等処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。以下、図4を用いて、患者端末2で実行される映像送信等処理の好ましい流れの一例を説明する。
【0090】
まず、患者端末2は、撮影装置1が撮影した対象の眼の動きを含む映像を取得する。
【0091】
撮影装置1が撮影した対象の眼の動きを含む映像を取得することに関し、必須の態様ではないが、患者端末2は、対象の眼の動きを含む映像を撮影するよう撮影装置1を制御する処理(ステップS1からステップS2)を実行することが好ましい。これにより、めまいを有する患者等の対象は、医師等の助力を必要とすることなく眼の動きを含む映像を撮影できる。
【0092】
[ステップS1:撮影を指示されたか判別]
端末制御部21は、端末記憶部22並びに端末通信部23及び/又は端末入力部25と協働して撮影制御部211を実行し、対象等に撮影を指示されたか判別する処理を行う(ステップS1)。指示されたならば、端末制御部21は、処理をステップS2に移す。指示されていないならば、端末制御部21は、処理をステップS3に移す。
【0093】
撮影を指示されたか判別する処理は、特に限定されず、例えば、端末通信部23を介して撮影を指示する情報を受信した場合に撮影を指示されたと判別する手順、端末入力部25を介して撮影を指示する入力がなされた場合に撮影を指示されたと判別する手順、等の1以上を含む処理でよい。
【0094】
[ステップS2:映像を撮影するよう制御]
端末制御部21は、端末記憶部22及び端末通信部23と協働して撮影制御部211を実行し、映像を撮影するよう撮影装置1を制御する処理を行う(ステップS2、撮影制御ステップ)。端末制御部21は、処理をステップS3に移す。これにより、めまいを有する患者等の対象は、医師等の助力を必要とすることなく眼の動きを含む映像を撮影できる。
【0095】
映像を撮影するよう撮影装置1を制御する処理は、撮影された映像を患者端末2に提供するよう撮影装置1を制御する手順を含むことが好ましい。これにより、患者端末2は、撮影された映像を撮影装置1から取得し、取得した映像を患者端末2に読み込ませる作業等を対象に行わせることなく、映像を撮影装置1から取得できる。
【0096】
[ステップS3:送信を指示されたか判別]
端末制御部21は、端末記憶部22並びに端末通信部23及び/又は端末入力部25と協働して映像送信部212を実行し、対象等に映像の送信を指示されたか判別する処理を行う(ステップS3)。指示されたならば、端末制御部21は、処理をステップS4に移す。指示されていないならば、端末制御部21は、処理をステップS5に移す。
【0097】
送信を指示されたか判別する処理は、特に限定されず、例えば、端末通信部23を介して送信を指示する情報を受信した場合に送信を指示されたと判別する手順、端末入力部25を介して送信を指示する入力がなされた場合に送信を指示されたと判別する手順、等の1以上を含む処理でよい。
【0098】
[ステップS4:映像を送信]
端末制御部21は、端末記憶部22及び端末通信部23と協働して映像送信部212を実行し、ステップS3において送信を指示された映像を診断装置4に送信する処理を行う(ステップS4、映像送信ステップ)。端末制御部21は、処理をステップS5に移す。
【0099】
必須の態様ではないが、患者端末2は、疾患候補を受信する処理(ステップS5からステップS6)を実行することが好ましい。これにより、患者等の対象は、撮影した映像に基づく疾患候補を確認できる。
【0100】
[ステップS5:疾患候補を受信したか判別]
端末制御部21は、端末記憶部22及び端末通信部23と協働して疾患候補受信部213を実行し、疾患候補を受信したか判別する処理を行う(ステップS5、疾患候補受信ステップ)。受信したならば、端末制御部21は、処理をステップS6に移す。受信していないならば、端末制御部21は、処理をステップS1に移し、ステップS1からステップS6の処理を繰り返す。
【0101】
疾患候補を受信したか判別する処理は、診断装置4から疾患候補を受信したか判別する手順、及び/又は、医療機関端末3から疾患候補を受信したか判別する手順を含む処理でよい。
【0102】
疾患候補を受信したか判別する処理が診断装置4から疾患候補を受信したか判別する手順を含むことにより、患者等の対象は、機械学習によって判別された疾患候補を確認できる。
【0103】
疾患候補を受信したか判別する処理が医療機関端末3から疾患候補を受信したか判別する手順を含むことにより、患者等の対象は、機械学習によって判別された疾患候補に基づく医師等の説明等を、医療機関端末3を介して受信し、当該説明等に含まれる疾患候補を確認できる。
【0104】
[ステップS6:疾患候補を表示]
端末制御部21は、端末記憶部22及び端末表示部24と協働して疾患候補受信部213を実行し、疾患候補を端末表示部24に表示する処理を行う(ステップS6)。端末制御部21は、処理をステップS1に移し、ステップS1からステップS6の処理を繰り返す。
【0105】
めまいが視覚等に悪影響を及ぼし得るため、めまいを有する患者は、医師等の助力を必要とすることなく眼の動きを含む映像を撮影し、診断装置4に送信することに困難を覚え得る。患者端末2が上述の流れの映像送信等処理を実行することにより、めまいを有する患者等の対象であっても、医師等の助力を必要とすることなく眼の動きを含む映像を撮影し、診断装置4等の外部に送信できる。
【0106】
また、患者端末2が上述の流れの映像送信等処理を実行することにより、患者等の対象は、撮影した映像に基づく疾患候補を確認できる。これにより、患者端末2において実行される遠隔めまい診断プログラムは、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援できる。
【0107】
したがって、患者端末2が上述の流れの映像送信等処理を実行することにより、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援できる。
【0108】
〔診断処理のフローチャート〕
図5は、診断装置4で実行される診断処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。図6は、図5に続くフローチャートである。
【0109】
診断装置4が異なるタイミングで撮影された複数の映像を受信可能である場合、診断装置4は、服薬履歴を受信する情報受信ステップ(ステップS11からステップS12)を実行可能であることが好ましい。
【0110】
めまいに関する疾患の治療においては、服薬に応じた時系列における疾患の変化を用いて治療方針を決定することが行われ得る。診断装置4が異なるタイミングで撮影された複数の映像を受信可能である場合において、診断装置4が服薬履歴を受信する情報受信ステップを実行可能であることにより、診断装置4は、互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像それぞれに関する疾患候補それぞれと服薬履歴とを時系列で関連付けて出力できる。したがって、診断装置4は、服薬に応じた時系列における疾患の変化を出力し、めまいに関する疾患の診断を支援できる。
【0111】
[ステップS11:服薬履歴を受信したか判別]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して情報受信部411を実行し、患者端末2から服薬履歴を受信したか判別する処理を行う(ステップS11)。受信したならば、装置制御部41は、処理をステップS12に移す。受信していないならば、装置制御部41は、処理をステップS13に移す。
【0112】
[ステップS12:服薬履歴を格納]
装置制御部41は、装置記憶部42と協働して情報受信部411を実行し、ステップS11で受信した服薬履歴を対象情報テーブル421に格納する処理を行う(ステップS12)。装置制御部41は、処理をステップS13に移す。
【0113】
[ステップS13:映像を受信したか判別]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して映像受信部412を実行し、患者端末2から対象の眼の動きを含む映像を受信したか判別する処理を行う(ステップS13、映像受信ステップ)。受信したならば、装置制御部41は、受信した映像を対象情報テーブル421に格納し、処理をステップS14に移す。受信していないならば、装置制御部41は、処理をステップS16(図6に記載)に移す。
【0114】
[ステップS14:疾患を患っている可能性の判別を実行]
装置制御部41は、装置記憶部42と協働して疾患判別部413を実行し、ステップS13で受信した映像及び装置記憶部42に格納された疾患可能性判別パラメータに基づいて、疾患を患っている可能性を判別する処理を行う(ステップS14、疾患判別ステップ)。装置制御部41は、処理をステップS15に移す。
【0115】
疾患を患っている可能性を判別する処理は、疾患を患っている可能性に基づく疾患候補を判別する手順を含むことが好ましい。これにより、診断装置4は、判別された可能性に基づいた疾患候補を出力できる。
【0116】
[ステップS15:判別の結果を格納]
装置制御部41は、装置記憶部42と協働して疾患判別部413を実行し、ステップS14における判別の結果を対象情報テーブル421に格納する処理を行う(ステップS15)。装置制御部41は、処理をステップS16(図6に記載)に移す。
【0117】
診断装置4は、疾患候補等の出力を指令する出力指令ステップ(ステップS16からステップS19)を実行する。
【0118】
[ステップS16:出力するか判別]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して出力指令部414を実行し、対象情報テーブル421に格納された判別の結果等を出力するか判別する処理を行う(ステップS16)。出力するならば、装置制御部41は、処理をステップS17に移す。出力しないならば、装置制御部41は、処理をステップS20に移す。
【0119】
出力するか判別する処理は、特に限定されず、例えば、患者端末2及び/又は医療機関端末3等の端末から出力を指示された場合に出力すると判別する手順、現在時刻が所定のタイミングであれば出力すると判別する手順、判別の結果が所定の条件を満たす場合に出力すると判別する手順、等を含む処理でよい。
【0120】
出力するか判別する処理は、出力対象を指定する手順を含むことが好ましい。出力対象を指定する手順は、特に限定されず、例えば、患者端末2及び/又は医療機関端末3等の端末から受信した出力対象に関する情報を用いて出力対象を指定する手順等を含む手順でよい。
【0121】
必須の態様ではないが、診断装置4は、複数の映像及び服薬履歴を利用可能である場合に、複数の映像及び服薬履歴を時系列で関連付けた出力を行うよう指令する時系列出力指令ステップ(ステップS17からステップS18)を実行可能であることが好ましい。
【0122】
めまいに関する疾患の治療においては、服薬に応じた時系列における疾患の変化を用いて治療方針を決定することが行われ得る。診断装置4が時系列出力指令ステップを実行可能であることにより、診断装置4は、互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像それぞれに関する疾患候補それぞれと服薬履歴とを時系列で関連付けて出力できる。したがって、診断装置4は、服薬に応じた時系列における疾患の変化を出力し、めまいに関する疾患の診断を支援できる。
【0123】
[ステップS17:複数の映像及び服薬履歴を利用可能か判別]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して出力指令部414を実行し、複数の映像及び服薬履歴を利用可能か判別する処理を行う(ステップS17)。利用可能だと判別したならば、装置制御部41は、処理をステップS18に移す。利用可能であると判別しなかったならば、装置制御部41は、処理をステップS19に移す。
【0124】
[ステップS18:時系列で関連付けた出力を指令]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して出力指令部414を実行し、ステップS17で利用可能であると判別された複数の映像に関する判別結果及び服薬履歴を時系列で関連付けた出力を指令する処理を行う(ステップS18)。装置制御部41は、処理をステップS20に移す。
【0125】
時系列で関連付けた出力の態様は、特に限定されない。時系列で関連付けた出力の態様は、例えば、カレンダー等によって例示される、複数の所定期間を出力し、複数の映像及び服薬履歴等の情報を出力された複数の所定期間のうち当該情報と関連する特定期間と関連付けて出力する態様、時系列を軸にとるグラフによって例示される、判別結果及び/又は服薬履歴に関する数値の時系列における変化を出力する態様、等の1以上でよい。
【0126】
出力を指令する処理は、特に限定されない。ステップS16において実行された出力するか判別する処理が端末から出力を指示された場合に出力すると判別する手順を含む場合、出力を指令する処理は、出力を指示した端末に出力を指令する手順を含むことが好ましい。これにより、診断装置4は、端末を介して行われた出力の指示に応じて、時系列で関連付けた出力を当該端末において行える。
【0127】
[ステップS19:疾患候補の出力を指令]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して出力指令部414を実行し、対象情報テーブル421に格納された疾患候補の出力を指令する処理を行う(ステップS19)。装置制御部41は、処理をステップS20に移す。
【0128】
出力を指令する処理は、特に限定されない。ステップS16において実行された出力するか判別する処理が端末から出力を指示された場合に出力すると判別する手順を含む場合、出力を指令する処理は、出力を指示した端末に出力を指令する手順を含むことが好ましい。これにより、診断装置4は、端末を介して行われた出力の指示に応じて、時系列で関連付けた出力を当該端末において行える。
【0129】
ステップS18及び/又はステップS19において判別結果を出力する処理は、疾患を患っている可能性に基づいて疾患候補を出力する手順を含む。これにより、診断装置4は、疾患候補の出力を介して、めまいに関する疾患の診断を支援できる。
【0130】
ステップS18及び/又はステップS19において判別結果を出力する態様は、ステップS14において判別された可能性に基づく疾患候補を含む出力を行うものであれば、特に限定されない。判別結果を出力する態様は、例えば、疾患候補と疾患を患っている可能性とを関連付けて出力する態様、疾患候補と当該疾患候補の判別に用いた映像が撮影されたタイミングとを関連付けて出力する態様、及び/又は疾患候補と当該疾患候補の判別に用いた映像に関する対象情報とを関連付けて出力する態様、等でよい。
【0131】
必須の態様ではないが、診断装置4は、助言を送信することに関する処理(ステップS20からステップS21)を実行可能であることが好ましい。
【0132】
めまいに関する疾患の治療においては、継続的な服薬及びリハビリテーション等によって例示される、医師等の助言に基づいた継続的な治療が行われ得る。しかしながら、めまいを有する患者は、外出に困難を覚え得る。また、めまいを有する患者は、外出における事故等のリスクが健康な者より高くなり得る。したがって、めまいに関する疾患を有する患者が医師等を訪ねて、医師等の助言に基づいた継続的な治療を行うことに困難が生じ得る。
【0133】
診断装置4が助言を送信することに関する処理を実行可能であることにより、患者等の対象は、疾患候補に関する助言を診断装置4から受信できる。これにより、対象は、疾患候補に関する助言を介して、医師等を訪ねることなく、医師等の助言に基づいた継続的な治療を行い得る。これにより、診断装置4は、医師等がめまい等に関する疾患の治療等を行うことを支援し得る。
【0134】
[ステップS20:助言を送信可能か判別]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して助言送信部415を実行し、患者端末2に疾患候補に関する助言を送信可能か判別する処理を行う(ステップS20)。送信可能だと判別したならば、装置制御部41は、処理をステップS21に移す。送信可能であると判別しなかったならば、装置制御部41は、処理をステップS22に移す。
【0135】
助言を送信可能か判別する処理は、特に限定されない。助言を送信可能か判別する処理は、例えば、医療機関端末3から指定された患者端末2に送信する助言を受信した場合に助言を送信可能であると判別する手順を含むことが好ましい。これにより、医療機関端末3を利用する医師等は、診断装置4を介して患者端末2に助言を送信できる。
【0136】
助言を送信可能か判別する処理は、診断装置4において機械学習等によって生成された助言を送信可能である場合に助言を送信可能であると判別する手順を含んでもよい。これにより、診断装置4は、医師等に助言を行う労力等を費やさせることなく、助言を送信できる。
【0137】
[ステップS21:助言を送信]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して助言送信部415を実行し、ステップS20において送信可能であると判別された助言を患者端末2に送信する処理を行う(ステップS21、助言送信ステップ)。装置制御部41は、処理をステップS22に移す。
【0138】
助言を送信可能か判別する処理が医療機関端末3から指定された患者端末2に送信する助言を受信した場合に助言を送信可能であると判別する手順を含む場合、助言を送信する処理は、当該患者端末2に助言を送信する手順を含むことが好ましい。これにより、医療機関端末3を利用する医師等は、診断装置4を介して患者端末2に助言を送信できる。
【0139】
必須の態様ではないが、診断装置4は、映像を医療機関端末3等に送信する映像送信ステップ(図示せず)と、所見を受信することに関する処理(ステップS22)とを実行可能であることが好ましい。これにより、機械学習部417は、疾患の可能性に関する所見に基づく教師あり学習を行える。これにより、疾患判別部413は、教師あり学習に基づくより精度が高い判別を行い得る。したがって、診断装置4は、より精度が高い判別に基づく疾患候補の出力を介して、めまいに関する疾患の診断をよりいっそう支援できる。
【0140】
[ステップS22:所見を受信したか判別]
装置制御部41は、装置記憶部42及び装置通信部43と協働して所見受信部416を実行し、ステップS13で受信した映像に関する所見を医療機関端末3から受信したか判別する処理を行う(ステップS22、所見受信ステップ)。受信したと判別したならば、装置制御部41は、処理をステップS23に移す。受信したと判別しなかったならば、装置制御部41は、処理をステップS11に移し、ステップS11からステップS23の処理を繰り返す。
【0141】
[ステップS23:可能性の判別を機械学習]
装置制御部41は、装置記憶部42と協働して機械学習部417を実行し、対象がめまいに関する疾患を患っている可能性に関し、ステップS13で受信した映像に基づいた可能性の判別を機械学習する処理を行う(ステップS23、機械学習ステップ)。装置制御部41は、装置記憶部42に格納された疾患可能性判別パラメータを機械学習によって更新し、処理をステップS11に移し、ステップS11からステップS23の処理を繰り返す。
【0142】
診断装置4がステップS22の所見受信ステップを実行し、所見受信ステップにおいて所見を受信した場合、機械学習ステップは、ステップS13で受信した映像とステップS22において受信した所見と、に基づいて、可能性の判別を機械学習する手順を含むことが好ましい。これにより、機械学習部417は、疾患の可能性に関する所見に基づく教師あり学習を行える。これにより、疾患判別部413は、教師あり学習に基づくより精度が高い判別を行い得る。したがって、診断装置4は、より精度が高い判別に基づく疾患候補の出力を介して、めまいに関する疾患の診断をよりいっそう支援できる。
【0143】
映像受信部412が受信する映像が対象の頭部に装着可能な撮影装置1によって撮影された、対象の眼の動きを含む映像であるため、撮影装置1と対象の眼との位置関係が実質的に固定された状態で撮影されたブレ等がない映像を受信できる。したがって、診断装置4は、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像を、めまい等に関する疾患の診断等に利用できる。
【0144】
ところで、微細な動き及び/又は素早い動きを含み得る眼の動きを解析し、疾患を診断することは、熟練を要し、容易ではない。診断装置4が上述の流れの診断処理を実行することにより、診断装置4は、対象の眼の動きを含む映像と機械学習部417によって行われた機械学習とに基づいて対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別し、判別された可能性に基づいて疾患候補を出力可能である。これにより、診断装置4は、疾患候補の出力を介して、めまいに関する疾患の診断を支援できる。
【0145】
したがって、診断装置4が上述の流れの診断処理を実行することにより、医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援できる。
【0146】
<遠隔めまい診断システムSの使用例>
続いて、本実施形態における遠隔めまい診断システムSの使用例を説明する。
【0147】
〔撮影装置1の装着〕
まず、患者等の対象は、装着部11を用いて撮影装置1を対象の頭部に装着する。
【0148】
〔眼の動きを含む映像を撮影〕
患者等の対象は、撮影装置1の撮影部12に対象の眼の動きを含む映像を撮影するよう患者端末2を介して指示する。撮影装置1は、撮影部12を用いて対象の眼の動きを含む映像を撮影し、提供部13を用いて当該映像を患者端末2に提供する。
【0149】
〔眼の動きを含む映像を送信〕
患者端末2は、撮影装置1が撮影した対象の眼の動きを含む映像を診断装置4に送信する。診断装置4は、当該映像を受信し、対象情報テーブル421に格納する。
【0150】
〔服薬履歴を送信〕
患者等の対象は、患者端末2を介して服薬履歴を診断装置4に送信する。診断装置4は、服薬履歴を受信し、対象情報テーブル421に格納する。
【0151】
〔対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別〕
診断装置4は、対象情報テーブル421に格納した映像と疾患可能性判別パラメータとを用いて、対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を判別し、対象情報テーブル421に判別結果を格納する。
【0152】
〔疾患候補を出力〕
診断装置4は、患者端末2及び/又は医療機関端末3等の端末からの指示に応じて、対象情報テーブル421に格納された判別結果を出力するよう、指示を行った端末に指令する。診断装置4が互いに異なるタイミングで撮影された複数の映像と服薬履歴とを受信している場合、診断装置4は、受信した複数の映像それぞれに関する疾患候補それぞれと服薬履歴とを時系列で関連付けて出力するよう、指示を行った端末に指令する。
【0153】
〔映像を送信〕
診断装置4は、医療機関端末3に映像を送信する。医療機関端末3は、映像を受信し、表示する。
【0154】
〔所見を送信〕
医療機関端末3を利用する医師等は、医療機関端末3を介して受信した映像に関する所見を診断装置4に送信する。診断装置4は、所見を受信する。
【0155】
〔可能性の判別を機械学習〕
診断装置4は、受信した所見等を用いて、対象がめまいに関する疾患を患っている可能性の判別を機械学習し、疾患可能性判別パラメータを更新する。
【0156】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0157】
S 遠隔めまい診断システム
1 撮影装置
11 装着部
12 撮影部
13 提供部
2 患者端末
21 端末制御部
211 撮影制御部
212 映像送信部
213 疾患候補受信部
22 端末記憶部
221 映像テーブル
23 端末通信部
24 端末表示部
25 端末入力部
3 医療機関端末
4 診断装置
41 装置制御部
411 情報受信部
412 映像受信部
413 疾患判別部
414 出力指令部
415 助言送信部
416 所見受信部
417 機械学習部
42 装置記憶部
421 対象情報テーブル
43 装置通信部
N ネットワーク
【要約】
【課題】医師等から離れた遠隔地において患者自らが撮影した眼の動きの映像に基づいて、めまい等に関する疾患の診断等を支援可能な手段を提供すること。
【解決手段】本発明の診断装置4は、対象の頭部に装着可能な撮影装置1によって撮影された、対象の眼の動きを含む映像を受信可能な映像受信部412と、対象がめまいに関する疾患を患っている可能性を、少なくとも映像に基づいて判別可能な疾患判別部413と、判別された可能性に基づいて疾患候補の出力を指令可能な出力指令部414と、可能性の判別を機械学習可能な機械学習部417と、を備え、疾患判別部413は、映像と機械学習とに基づいて可能性を判別可能である。本発明の診断装置1は、映像に基づいた、疾患の可能性に関する所見を受信可能な所見受信部416をさらに備え、機械学習部417は、映像と受信した所見とを用いて可能性の判別を機械学習可能であることが好ましい。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6