(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】画素収集回路及びオプティカルフローセンサー
(51)【国際特許分類】
H04N 5/345 20110101AFI20220705BHJP
【FI】
H04N5/345
(21)【出願番号】P 2020552018
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2018088260
(87)【国際公開番号】W WO2019205217
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-11-25
(31)【優先権主張番号】201810380023.8
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520363281
【氏名又は名称】オムニビジョン センサー ソリューション (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ショウシュン
【審査官】大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-085549(JP,A)
【文献】特開2000-316127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0125994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
H04N 5/30-5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素収集回路であって、
照射される光信号の強度を表す第1電信号をリアルタイムに出力する光強度検出器と、
第1入力端子が光強度検出器にカップリングされ、第1出力端子が行請求線にカップリングされ、第2出力端子が列請求線にカップリングされ、第1電信号の変化が所定の条件を満たすと、トリガー状態に入り、該トリガー状態を記憶し、トリガー状態ではそれぞれ行請求信号及び/又は列請求信号を行請求線及び列請求線に送信し、さらにトリガー状態ではパルス信号を該画素収集回路の
上、下、左、右の4つの隣接する隣接画素収集回路の少なくとも1つに送信する第1状態記憶モジュールと、
第1入力端子が
前記隣接画素収集回路の少なくとも1つにカップリングされ、出力端子が前記第1状態記憶モジュールにカップリングされ、
前記隣接画素収集回路の少なくとも1つからのパルス信号を受信すると、受動トリガー状態に入り、該受動トリガー状態を記憶し、前記第1状態記憶モジュールがそれぞれ行請求信号及び/又は列請求信号を行請求線及び列請求線に送信するように、受動トリガー状態では通知を前記第1状態記憶モジュールに送信する第2状態記憶モジュールと、
第1入力端子が前記光強度検出器の出力端子にカップリングされ、第2入力端子が前記第1状態記憶モジュールにカップリングされ、第3入力端子が前記第2状態記憶モジュールにカップリングされ、該画素収集回路の状態に応じて第1電信号を光強度信号として記憶して出力する光強度信号収集及び記憶モジュールと、
第1入力端子が時間信号ラインにカップリングされ、第2入力端子が前記第1状態記憶モジュールにカップリングされ、第3入力端子が前記第2状態記憶モジュールにカップリングされ、該画素収集回路の状態に応じて対応する時間信号を記憶して出力する時間情報記憶モジュールと、
を備える画素収集回路。
【請求項2】
入力端子が前記光強度検出器の出力端子にカップリングされ、前記第1電信号を前処理して第2電信号を生成する光強度変化アンプと、
出力端子が前記光強度変化アンプの出力端子にカップリングされ、第2電信号の変化が所定の条件を満たすか否かを判断するデュアル閾値フィルタと、をさらに備え、
前記第1状態記憶モジュールはデュアル閾値フィルタにカップリングされ、第2電信号の変化が所定の条件を満たすと、トリガー状態に入る請求項1に記載の画素収集回路。
【請求項3】
前記光強度信号収集及び記憶モジュールはさらに、
該画素収集回路が非トリガー状態であると、前記第1電信号をリアルタイムにサンプリングし、
該画素収集回路がトリガー状態に入ると、第1状態記憶モジュール又は第2状態記憶モジュールを経由して伝送された行応答信号を受信するまで、サンプリングされた第1電信号を記憶し、この期間に記憶された第1電信号を光強度信号として出力する請求項1又は2に記載の画素収集回路。
【請求項4】
前記時間情報記憶モジュールはさらに、
該画素収集回路が非トリガー状態であると、時間信号ラインからの第1時間信号をリアルタイムにサンプリングし、
該画素収集回路がトリガー状態になると、第1状態記憶モジュール又は第2状態記憶モジュールを経由して伝送された行応答信号を受信するまで、サンプリングされた第1時間信号を記憶し、この期間に記憶された第1時間信号を時間信号として出力する請求項1~3のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【請求項5】
前記第1状態記憶モジュールは、第2入力端子が行応答線にカップリングされ、第3入力端子が列応答線にカップリングされ、さらに同時にそれぞれ行応答線及び列応答線からの行応答信号及び列応答信号を受信すると、トリガー状態を解除し、
前記第1状態記憶モジュールは、第3出力端子が光強度変化アンプにカップリングされ、さらに該画素収集回路がトリガー状態に入る又はトリガー状態を解除すると、リセット信号を前記光強度変化アンプに送信する請求項2~4のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【請求項6】
前記第1状態記憶モジュールは、
第2電信号が所定の条件を満たすと、セットされ、且つ行応答信号及び列応答信号を同時に受信すると、リセットされる第1ラッチを備え、
前記第1状態記憶モジュールはさらに、前記第1ラッチがセット又は被リセットされると、リセット信号を光強度変化アンプに送信する請求項5に記載の画素収集回路。
【請求項7】
前記第2状態記憶モジュールは、第2入力端子が行応答線にカップリングされ、第3入力端子が列応答線にカップリングされ、さらに同時にそれぞれ行応答線及び列応答線からの行応答信号及び列応答信号を受信すると、受動トリガー状態を解除し、
前記第2状態記憶モジュールはさらに、該画素収集回路が受動トリガー状態を解除すると、第1状態記憶モジュールを介してリセット信号を光強度変化アンプに送信する請求項2~6のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【請求項8】
オプティカルフローセンサーであって、
請求項1~7のいずれか一項に記載の画素収集回路を複数備える画素収集回路アレイと、
前記画素収集回路アレイからの行請求信号に応答し、さらに行応答を得た行アドレスを出力する画素行信号通信ユニットと、
前記画素収集回路アレイからの列請求信号に応答し、さらに列応答を得た列アドレス及び対応する光強度信号、時間信号を出力する画素列信号通信ユニットと、
時間信号ラインを介して前記画素収集回路アレイに第1時間信号を出力する時間制御ユニットと、
行アドレス、列アドレス、時間信号及び光強度信号の出力を制御する中央調整及び制御ユニットと、
を備えるオプティカルフローセンサー。
【請求項9】
前記画素行信号通信ユニットは、
前記画素収集回路アレイ中の少なくとも1つの画素収集回路からの行請求信号を受信し、行応答信号をそのうちの1つの行請求信号に出力する行信号応答通信モジュールと、
行応答を得た行の行アドレスのコードを出力する行アドレス収集ユニットと、を備える請求項8に記載のオプティカルフローセンサー。
【請求項10】
前記画素列信号通信ユニットは、
前記画素収集回路アレイ中の少なくとも1つの画素収集回路からの列請求信号を受信し、列応答信号をそのうちの1つの列請求信号に出力する列信号応答通信モジュールと、
列応答を得た列アドレスをコード化出力する列アドレス収集モジュールと、
光強度信号、時間信号及び列アドレスの出力順序を制御する列出力選択制御モジュールと、を備える請求項8又は9に記載のオプティカルフローセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像収集の技術分野に関し、特に画素収集回路及びオプティカルフローセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術の継続的な発展に伴い、コンピュータビジョン及び画像情報処理はますます重要となっている。その中で、オプティカルフロー法は画像情報に基づいて対象物の運動状況を決定することができる。軍用航空、交通監視、情報科学、気象や医学等の様々な分野に適用できる。
【0003】
オプティカルフローの概念は、1950年にGibsonによって最初に提出された。実物は感光素子によってイメージング可能である。形成された画像中の点は実物の点に一対一対応している。対象物が三次元シーンで運動する場合、対応する画像フレームシーケンス中の画像輝度モードが流れを示す。このような画像輝度モードの流れはオプティカルフローと呼ばれてもよい。長年の研究の結果、オプティカルフローアルゴリズムは様々なバージョンで改善されているが、オプティカルフロー拘束方程式は依然として主な拘束条件である。オプティカルフロー拘束方程式中のパラメータはオプティカルフロー計算対象の画素点の横方向勾配値、縦方向勾配値及び相対的な短い時間差内の該画素点の光強度変化を備える。従来のオプティカルフロー法の計算はほとんどフレーム計算に基づいて行われ、視野内の背景が静止している又は変化が非常に小さい場合、フレーム計算には大量の冗長なデータ情報が発生し、オプティカルフロー計算によって横方向勾配値、縦方向勾配値及び光強度変化値を取得する際に、すべての画素情報が処理され、その結果、画像処理に大量の並行演算が増加し、目標物体の運動の分析速度が低下してしまう。特に高速運動物体の場合、短時間の遅延によって分析結果と物体の運動との間に大きなずれが生じ、従って、高速運動の目標物体に対して分析速度の向上は重要になる。
【0004】
上記理由に鑑みて、新たなオプティカルフロー収集方案が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の少なくとも1つの課題を解決又は少なくとも軽減するために、画素収集回路及びオプティカルフローセンサーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、画素収集回路を提供し、照射される光信号の強度を表す第1電信号をリアルタイムに出力する光強度検出器と、第1入力端子が光強度検出器にカップリングされ、第1出力端子が行請求線にカップリングされ、第2出力端子が列請求線にカップリングされ、第1電信号の変化が所定の条件を満たすと、トリガー状態に入り、該トリガー状態を記憶し、トリガー状態ではそれぞれ行請求信号及び/又は列請求信号を行請求線及び列請求線に送信し、さらにトリガー状態ではパルス信号を該画素収集回路の少なくとも1つの隣接画素収集回路に送信する第1状態記憶モジュールと、第1入力端子が少なくとも1つの隣接画素収集回路にカップリングされ、出力端子が前記第1状態記憶モジュールにカップリングされ、少なくとも1つの隣接画素収集回路からのパルス信号を受信すると、受動トリガー状態に入り、該受動トリガー状態を記憶し、前記第1状態記憶モジュールがそれぞれ行請求信号及び/又は列請求信号を行請求線及び列請求線に送信するように、受動トリガー状態では通知を前記第1状態記憶モジュールに送信する第2状態記憶モジュールと、第1入力端子が前記光強度検出器の出力端子にカップリングされ、第2入力端子が前記第1状態記憶モジュールにカップリングされ、第3入力端子が前記第2状態記憶モジュールにカップリングされ、該画素収集回路の状態に応じて第1電信号を光強度信号として記憶して出力する光強度信号収集及び記憶モジュールと、第1入力端子が時間信号ラインにカップリングされ、第2入力端子が前記第1状態記憶モジュールにカップリングされ、第3入力端子が前記第2状態記憶モジュールにカップリングされ、該画素収集回路の状態に応じて対応する時間信号を記憶して出力する時間情報記憶モジュールと、を備える。
【0007】
本発明に係る画素収集回路では、入力端子が前記光強度検出器の出力端子にカップリングされ、第1電信号を前処理し、第2電信号を生成する光強度変化アンプと、出力端子が光強度変化アンプの出力端子にカップリングされ、第2電信号の変化が所定の条件を満たすか否かを判断するデュアル閾値フィルタと、をさらに備え、第1状態記憶モジュールはデュアル閾値フィルタにカップリングされ、第2電信号の変化が所定の条件を満たすと、トリガー状態に入るようにしてもよい。
【0008】
本発明の別の態様によれば、オプティカルフローセンサーを提供し、複数の前記画素収集回路を備える画素収集回路アレイと、画素収集回路アレイからの行請求信号に応答し、さらに行応答を得た行アドレスを出力する画素行信号通信ユニットと、画素収集回路アレイからの列請求信号に応答し、さらに列応答を得た列アドレス及び対応する光強度信号、時間信号を出力する画素列信号通信ユニットと、時間信号ラインを介して画素収集回路アレイに第1時間信号を出力する時間制御ユニットと、行アドレス、列アドレス、時間信号及び光強度信号の出力を制御する中央調整及び制御ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明の方案によれば、オプティカルフローセンサーの画素収集回路アレイ中の画素ユニットは視野内の光強度変化をリアルタイムに検出し、感知された光強度変化が所定の条件を満たすと、画素ユニットが能動トリガー状態に入るようにトリガーする。トリガーされた画素ユニットがその周辺の4つ以上の画素ユニットにパルス信号を同時に送信し、非トリガー状態の周辺画素ユニットをトリガーして受動トリガー状態にする。画素ユニットがトリガーされる時刻において、該画素ユニット及びその周辺の受動トリガーされた画素ユニットの光強度情報及び時間情報がサンプリング、記憶され、後続の画像収集システムに出力される。
【0010】
該オプティカルフローセンサーに基づいて、視野内の目標運動物体のある時刻における対応する画素ユニットの光強度及び必要な周辺画素ユニットの光強度並びに同一画素ユニットの異なる時刻における光強度値を収集でき、それによってオプティカルフローアルゴリズム中のオプティカルフロー拘束方程式パラメータ、すなわち画素ユニットの時間領域、空間領域勾配値を取得する。このように、ハードウェアによってアルゴリズムパラメータの抽出を実現し、リア端のデータ処理における並行演算を低減させる。高速運動物体の識別処理速度を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上記及び関連目的を実現するために、本願において、以下の説明及び図面を参照しながらいくつかの例示的な態様を説明し、これらの態様は本願に開示されている原理を実施できる様々な形態を示し、且つすべての態様及びその同等態様は請求された主題の範囲に属する。図面を参照しながら以下の詳細説明を読むことにより、本開示の上記及びほかの目的、特徴及び利点がさらに明らかになる。本開示を通して、同一符号は通常、同一部材又は要素を示す。
【0012】
【
図1】
図1は本発明のいくつかの実施例に係るオプティカルフローセンサー100の模式図を示す。
【
図2】
図2は本発明のいくつかの実施例に係る画素収集回路200の模式図を示す。
【
図3A】
図3Aは本発明のいくつかの実施例に係る光強度検出器210の模式図を示す。
【
図3B】
図3Bは本発明のいくつかの実施例に係る光強度検出器210の模式図を示す。
【
図3C】
図3Cは本発明のいくつかの実施例に係る光強度検出器210の模式図を示す。
【
図4A】
図4Aは本発明のいくつかの実施例に係る光強度変化アンプ260の模式図を示す。
【
図4B】
図4Bは本発明のいくつかの実施例に係る光強度変化アンプ260の模式図を示す。
【
図4C】
図4Cは本発明のいくつかの実施例に係る光強度変化アンプ260の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例をさらに詳細に説明する。図面には本開示の例示的な実施例が示されているが、ここで説明される実施例に限定されることなく、様々な形態で本開示を実施できると理解すべきである。その反面、これらの実施例は本開示をよりよく理解でき、且つ本開示の範囲を当業者に完全に伝えることができるために提供されている。
【0014】
図1は本発明のいくつかの実施例に係るオプティカルフローセンサー100の模式図を示す。該オプティカルフローセンサー100は高速運動物体の検出及び追跡シーンに適用でき、オプティカルフローアルゴリズムパラメータを抽出する。一実施形態では、該オプティカルフローセンサー100は外部の画像収集システムにカップリングされ、抽出されたオプティカルフローアルゴリズムパラメータを外部画像収集システムに伝送し、さらなる計算を行う。本発明の実施例ではこれを限定しない。
図1に示すように、該オプティカルフローセンサー100は少なくとも、画素収集回路アレイ110、画素行信号通信ユニット120、画素列信号通信ユニット130、時間制御ユニット140、及び中央調整及び制御ユニット150を備える。
【0015】
本発明の実施形態によれば、画素収集回路アレイ110は一次元又は二次元の複数の同じ画素収集回路(又は「画素ユニット」という)からなり、画素収集回路の構造は
図2に示される。
図1は1つの3×3画素収集回路アレイを示すが、これに限定されない。各画素収集回路は視野内の光強度情報をリアルタイムに検出し、光強度に相対変化が発生し、且つ所定の閾値を超えると感知すると、本画素収集回路がトリガーされ、画素収集回路に検出可能な光強度変化の閾値はハイパスフィルタによって異なる応用シーンに応じて調整されてもよく、それによって特定の閾値に達する光強度変化のみが「運動」とみなして検出されることを確保する。このようにトリガーされた画素収集回路は能動トリガーされた画素ユニットという。能動トリガーされた画素ユニットはその周辺の4つ以上の画素ユニットにパルス信号を送信し、非トリガー状態の周辺画素ユニットを受動トリガー状態にする。
図1に示すように、画素ユニット(i,j)はトリガー状態であり、周辺の上、下、左、右の4つの画素ユニットにパルス信号を送信し(
図1中の「
【数1】
」参照)、周辺画素ユニット(i-1,j)、(i+1,j)、(i,j-1)、(i,j+1)を受動トリガー状態にする。能動トリガーされる画素ユニットも受動トリガーされる画素ユニットも、トリガーされる時刻に、その光強度及び時間情報をサンプリングして本画素ユニット内に記憶し、本画素ユニットが選択されるときに読み出す。
【0016】
画素行信号通信ユニット120は行方向において画素収集回路アレイ110を管理し、本行の画素収集回路にトリガーされた画素ユニットがある場合のみ、該行の画素収集回路が選択され、同時に、1行の画素収集回路のみが選択されて読み出すことを確保する。画素行信号通信ユニット120による画素収集回路アレイ110の操作処理は、画素収集回路アレイ110からの行請求信号に応答すること、行応答信号を対応する画素収集回路にフィードバックすること、及び、行応答を得た行アドレスを出力することを含むが、これらに限定されない。
【0017】
本発明の一実施例では、画素行信号通信ユニット120は行信号応答通信モジュール122及び行アドレス収集ユニット124を備える。行信号応答通信モジュール122は画素収集回路アレイ110中の少なくとも1つの画素収集回路からの行請求信号を受信し、行応答信号をそのうちの1つの行請求信号に出力する。行信号応答通信モジュール122はスキャナーを用いて複数の行請求信号を順番応答してもよく、勿論、複数の行請求信号にランダムに応答してもよく、応答方式を問わず、衝突を回避するために、1回あたり1つの行請求信号のみに応答する。行アドレス収集ユニット124は行応答を得た行アドレスをコード化出力する。
【0018】
それに対応して、画素列信号通信ユニット130は列方向において画素収集回路アレイ110を管理し、トリガーされた画素ユニットを処理し、それによって本列の画素収集回路にトリガーされた画素ユニットがある場合のみ、本列の画素収集回路が選択され、同時に、1列の画素収集回路のみが選択されて読み出すことを確保する。また、画素列信号通信ユニット130はさらにトリガーされた画素ユニットに記憶された光強度情報及び時間情報を外部の画像取得システムに報告してもよい。画素列信号通信ユニット130による画素収集回路アレイ110の操作処理は、画素収集回路アレイ110からの列請求信号に応答すること、列応答信号を対応する画素収集回路にフィードバックすること、及び、列応答を得た列アドレス及び対応する光強度信号、時間信号を出力することを含むが、これらに限定されない。
【0019】
本発明の別の実施例によれば、画素列信号通信ユニット130は列信号応答通信モジュール132、列アドレス収集モジュール134及び列出力選択制御モジュール136を備える。列信号応答通信モジュール132は画素収集回路アレイ110中の少なくとも1つの画素収集回路からの列請求信号を受信し、列応答信号をそのうちの1つの列請求信号に出力する。列信号応答通信モジュール132はスキャナーを用いて複数の列請求信号に順番応答してもよく、複数の列請求信号にランダムに応答してもよく、列応答の方式を問わず、衝突を回避するために、1回あたり1つの列請求信号のみに応答する。列アドレス収集モジュール134は列応答を得た列アドレスをコード化出力する。列出力選択制御モジュール136は光強度信号、時間信号及び列アドレスの出力順序を制御する。
【0020】
時間制御ユニット140は時間的に連続した第1時間信号を生成し、時間信号ラインを介して画素収集回路アレイ110に該第1時間信号を出力する。
【0021】
中央調整及び制御ユニット150は上記行アドレス、列アドレス、時間信号及び光強度信号の出力を制御する。中央調整及び制御ユニット150は後続の処理機器のニーズに応じて視野内の目標運動物体の特定の時刻における対応する画素ユニットの光強度を出力するように制御する。
【0022】
以下、
図2を参照しながら画素収集回路アレイ110中の画素収集回路をさらに説明する。
図2は本発明のいくつかの実施例に係る画素収集回路200の模式図を示す。
【0023】
本発明の実施例では、画素収集回路200は少なくとも、光強度検出器210、第1状態記憶モジュール220、第2状態記憶モジュール230、光強度信号収集及び記憶モジュール240及び時間情報記憶モジュール250を備える。第1状態記憶モジュール220は、第1入力端子が光強度検出器210にカップリングされ、第1出力端子が行請求線にカップリングされ、第2出力端子が列請求線にカップリングされ、第2状態記憶モジュール230は、第1入力端子が少なくとも1つの隣接画素収集回路にカップリングされ、出力端子が第1状態記憶モジュール220にカップリングされ、光強度信号収集及び記憶モジュール240は、第1入力端子が光強度検出器210の出力端子にカップリングされ、第2入力端子が第1状態記憶モジュール220にカップリングされ、第3入力端子が第2状態記憶モジュール230にカップリングされ、時間情報記憶モジュール250は、第1入力端子が時間信号ラインにカップリングされ、第2入力端子が第1状態記憶モジュール220にカップリングされ、第3入力端子が第2状態記憶モジュール230にカップリングされる。
【0024】
本発明の別のいくつかの実施例では、画素収集回路200は光強度変化アンプ260及びデュアル閾値フィルタ270をさらに備え、光強度検出器210と第1状態記憶モジュール220との間に順番に配置される。具体的には、光強度変化アンプ260の入力端子が光強度検出器210の出力端子にカップリングされ、デュアル閾値フィルタ270の出力端子が光強度変化アンプ260の出力端子にカップリングされる。このようにして、第1状態記憶モジュール220の第1入力端子がデュアル閾値フィルタ270にカップリングされる。
図2に示される。
【0025】
以下、画素収集回路200の上記構成要素をさらに説明する。
【0026】
光強度検出器210は照射される光信号の強度を表す第1電信号をリアルタイムに出力し、つまり、光強度検出器210は検出した光電流を第1電信号に変換し、該第1電信号は検出した光強度変化に応じてその分リアルタイムに変化する。光強度検出器210はトリガー対数光検出器として実現されてもよく、光電流を、対数関係を有する連続時間電圧信号に変換し、負帰還によって光検出器の帯域幅を増加させることができる。本発明の別のいくつかの実施例では、光強度検出器210はパッシブ対数光検出器として実現されてもよく、又は多層のトランジスタを積層する方法によって光検出器にさらに大きな電圧電流変換ゲインを付与する。
図3A~
図3Cはそれぞれ本発明の実施形態におけるいくつかの光強度検出器210の模式図を示す。
【0027】
図3Aに示すように、光検出器210はアノードが接地されるフォトダイオード(PD
1)及び第1トランジスタ(T
1)を備え、第1トランジスタ(T
1)は、ソースがフォトダイオード(PD
1)のカソードに接続され、ドレイン及びゲートが電源(VDD)に接続される。一応用シーンでは、フォトダイオードPD
1は照明信号を受信すると、電流Iを生成する。これをもとに、T
1のソースとゲートとの間に発生する電圧変化はlnIに直線的に関連する。換言すれば、本実施例では、光検出器により出力された第1電信号は入射光信号強度と対数関係を有する。
【0028】
図3Bに示される実施例では、光検出器210はアノードが接地されるフォトダイオードPD
1、第1トランジスタT
1及び第2トランジスタT
2を備える。第1トランジスタT
1はソースが電源VDDに接続され、ゲート及びドレインが第2トランジスタT
2のドレインに接続される。第2トランジスタT
2のソースがフォトダイオードPD
1のカソードに接続される。
【0029】
図3Cに示される実施例では、光検出器210はアノードが接地されるフォトダイオードPD
1、直列接続されるN個のトランジスタ(N≧2)及び第1アンプA
1を備える。第1個のトランジスタのソースがフォトダイオードPD
1のカソードに接続され、第N個のトランジスタのソースが電源VDDに接続され、第2個~第N個のトランジスタのそれぞれのドレインが前のトランジスタのソースに接続され、第2個~第N個のトランジスタのそれぞれのゲートがドレインに接続される。第1アンプA
1はフォトダイオードPD
1のカソードと第1個のトランジスタのゲートとの間に接続される。第1アンプA
1によって、画素収集回路による光強度変化検出の速度を向上させる。
図3CにはN=2の場合における光検出器210の構造のみが示され、これをもとに、当業者はほかの光検出器210(N>2)の構造を容易に想到でき、ここでは詳細説明を省略する。
【0030】
上記複数の光検出器の実施例を除き、本発明はさらに様々な公知の高リアルタイム性の光検出器を採用してもよく、ここでは詳細説明を省略する。なお、従来の光検出技術は通常、コンデンサ充電を行う必要があり、その後、連続露光(コンデンサ連続放電)を行い、さらにコンデンサの残量に応じて累積照明強度を決定する。本発明の光検出器210は光信号強度を示す第1電信号を生成する時、追加の露光時間が必要ではない。従って、光検出器210は遅延なく第1電信号を出力することができる。
【0031】
光強度変化アンプ260は第1電信号を前処理し、第2電信号を生成する。本発明の一実施例では、前処理は直流成分分離及び交流成分増幅の処理を含み、それによって第1電信号を増幅する。光強度変化アンプ260の前処理によって画素収集回路200による光強度検出の感度を向上させる。
【0032】
本発明のいくつかの実施例では、光強度変化アンプ260はスイッチングコンデンサ増幅回路を採用し、フロントエンドの光検出器210の出力電圧の直流成分を隔離し、2つのコンデンサの比を設定することによって交流成分にゲインを提供する。本発明の別のいくつか実施例では、光強度変化アンプ260は抵抗帰還式アンプ又は相関二重サンプリング回路によって実現される。
図4A~
図4Cは本発明のいくつかの実施形態における光強度変化アンプ260の模式図を示す。
【0033】
図4Aに示される実施例では、光強度変化アンプ260は第2アンプA
2、第1抵抗器R
1及び第2抵抗器R
2を備える。第2アンプA
2は、入力正極が光検出器210の出力端子に接続され、入力負極にプルダウン抵抗器である第1抵抗器R
1が接続され、出力端子と入力負極との間に第2抵抗器R
2が接続される。
【0034】
図4Bに示される実施例では、光強度変化アンプ260は相関二重サンプリング回路によって実現される。ドレインが光強度検出器210の出力端子に接続される第3トランジスタT
3と、ドレインが光強度検出器210の出力端子に接続される第4トランジスタT
4と、第1端子が第3トランジスタT
3のソースに接続され、第2端子が接地される第1コンデンサC
1と、第1端子が前記第4トランジスタT
4のソースに接続され、第2端子が接地される第2コンデンサC
2と、ドレインが第1コンデンサC
1の第1端子に接続され、ゲートが第6トランジスタT
6のゲートに接続される第5トランジスタ(T
5)と、ドレインが第2コンデンサC
2の第1端子に接続される第6トランジスタT
6と、入力正極が第5トランジスタT
5のソースに接続され、入力負極が第6トランジスタT
6のソースに接続される第3アンプA
3と、を備える。
図4Bに示すように、初期時刻において、光強度変化アンプ260のトランジスタをオフし、開始動作時、t1時刻において、T
3をオンし、サンプリングされる電圧をコンデンサC
1にサンプリングし、サンプリング時間経過後、T
1をオフし、t2時刻(t2とt1との間の時間差はサンプリング時間よりも大きい)において、T
4をオンし、サンプリングされる電圧をコンデンサC
2にサンプリングし、サンプリング時間経過後、T
4をオフし、t3時刻(t3とt2との間の時間差はサンプリング時間よりも大きい)において、T
5をオンし、第3アンプA
3は正及び負2つの入力電極の電圧差を増幅して電圧を出力する。
【0035】
図4Cに示される実施例では、光強度変化アンプ260は、第4アンプA
4、第3コンデンサC
3、第4コンデンサC
4及び第1スイッチK
1を備える。第3コンデンサC
3は第1端子が光検出器210の出力端子に接続され、第4アンプA
4は入力負極が固定電位に接続され、入力正極が第3コンデンサC
3の第2端子に接続され、第4コンデンサC
4及び第1スイッチK
1は第4アンプA
4の入力正極と出力端子との間に並列接続される。第1状態記憶モジュール220からのリセット信号を受信すると、第1スイッチK
1をオンする。
【0036】
なお、上記複数の光強度変化アンプ260の実施例を除き、本発明はさらにほかの公知の光強度変化アンプを採用してもよく、当業者が既知の又は容易に想到できる光強度変化アンプの実施形態はすべて本発明の保護範囲に属し、ここでは詳細説明を省略する。
【0037】
デュアル閾値フィルタ270は光強度変化アンプ260により処理された第1電信号(すなわち、第2電信号)の変化が所定の条件を実粕か否かを判断する。本発明の実施形態では、デュアル閾値フィルタ270は時間連続コンパレータによって実現でき、正及び負方向閾値を設定することで、光強度の増減を検出する。
【0038】
所望の構成に応じて、デュアル閾値フィルタ270は2つの電圧コンパレータを設置することで、第2電信号が負方向閾値よりも低いか否か、又は正方向閾値よりも高いか否かを判断し、第2電信号が負方向閾値より低く、又は正方向閾値よりも高いと、第2電信号の変化が所定の条件を満たすと判断する。ここでは詳細説明を省略する。
【0039】
本発明の実施形態では、各画素ユニットは、能動トリガー状態、受動トリガー状態及び非トリガー状態の3種の状態を含み、能動トリガー状態及び受動トリガー状態はトリガー状態と総称される。第1状態記憶モジュール220は画素ユニットの能動トリガー状態及び非トリガー状態を記憶し、第2状態記憶モジュール230は画素ユニットの受動トリガー状態及び非トリガー状態を記憶する。
【0040】
デュアル閾値フィルタ270によって処理後の第1電信号(すなわち、第2電信号)の変化が所定の条件を満たすと判断されると、画素ユニットはトリガーされて能動トリガー状態に入り、このとき、第1状態記憶モジュール220は能動トリガー状態に入り、該能動トリガー状態を記憶する。本発明の一実施例では、画素収集回路と周辺回路との通信は第1状態記憶モジュール220によって行われる。第1状態記憶モジュール220は能動トリガー状態で行請求信号を行請求線に送信する。上記のように、オプティカルフローセンサーの画素行信号通信ユニット120は行請求信号を受信した後、受信した多行の画素回路の行請求から1行をランダムに選択して応答する。本発明の一実施例では、第1状態記憶モジュール220は第2入力端子が行応答線にカップリングされ、第3入力端子が列応答線にカップリングされる。トリガー状態(能動トリガー状態又は受動トリガー状態)では、第1状態記憶モジュール220は画素行信号通信ユニット120からフィードバックされる行応答信号を受信すると、列請求信号を列請求線に送信すると同時に、光強度信号収集及び記憶モジュール240に第1電信号を光強度信号として出力することを通知し、時間情報モジュール260に対応する時間信号を出力することを通知する。
【0041】
本発明のさらに別の実施形態では、第1状態記憶モジュール220はトリガー状態では該画素収集回路の少なくとも1つの隣接画素収集回路にパルス信号を送信し、その周辺の非トリガー状態の画素収集回路を受動トリガー状態にする。本発明の一実施例では、第1状態記憶モジュール220はトリガー状態では該画素ユニットの上、下、左、右の4つの隣接する画素ユニットにパルス信号を送信し、その上、下、左、右の4つの隣接する画素ユニットを受動トリガー状態にする。
【0042】
本発明のまたさらなる別の実施形態では、第1状態記憶モジュール220はさらに、それぞれ行応答線及び列応答線からの行応答信号及び列応答信号を同時に受信すると、トリガー状態を解除し、すなわち、非トリガー状態に入る。
図2に示すように、第1状態記憶モジュール220は第3出力端子が光強度変化アンプ260にカップリングされ、該画素収集回路がトリガー状態に入る又はトリガー状態を解除すると、リセット信号を光強度変化アンプ260に送信する。所望の構成に応じて、第1状態記憶モジュール220はトリガー状態及び非トリガー状態を記憶する第1ラッチを備える。第2電信号が所定の条件を満たすと、該第1ラッチがセットされ、すなわち、画素ユニットがトリガー状態に入り、行応答信号及び列応答信号を同時に受信すると、該第1ラッチがリセットされ、すなわち、画素ユニットが非トリガー状態に入り、第1ラッチがセット又はリセットされるごとに、第1状態記憶モジュールはリセット信号を光強度変化アンプ260に送信する。
【0043】
少なくとも1つの隣接画素収集回路からのパルス信号を受信すると、画素ユニットは受動トリガー状態に入り、このとき、第2状態記憶モジュール230は受動トリガー状態に入り、該受動トリガー状態を記憶する。画素ユニット同士は第2状態記憶モジュール230によって通信する。本発明の一実施例では、各画素ユニットはその周辺の上、下、左、右の4つの画素ユニットと通信し、その周辺の上、下、左、右の4つの画素ユニットのうちの少なくとも1つの画素ユニットのパルス信号を受信すると、本画素ユニットは受動トリガー状態に入る。受動トリガー状態では、画素ユニットはほかの画素ユニットにパルス信号を送信しない。且つ、受動トリガー状態の画素ユニットは光強度変化を感知し続けることができ、行応答を受信する前、トリガーされて能動トリガー状態に入ることができる。
【0044】
第2状態記憶モジュール230は受動トリガー状態では通知を第1状態記憶モジュール220に送信し、それによって第1状態記憶モジュールはトリガー状態では行請求信号を行請求線に送信する。上記のように、オプティカルフローセンサーの画素行信号通信ユニット120は行請求信号を受信した後、受信した多行の画素回路の行請求から1行をランダムに選択して応答する。
【0045】
本発明の一実施例では、第2状態記憶モジュール230は第2入力端子が行応答線にカップリングされ、第3入力端子が列応答線にカップリングされる(
図2では不図示)。トリガー状態では、第2状態記憶モジュール230は画素行信号通信ユニット120からフィードバックされる行応答信号を受信すると、第1状態記憶モジュール220を介して列請求信号を列請求線に送信すると同時に、光強度信号収集及び記憶モジュール240に第1電信号を光強度信号として出力することを通知し、時間情報モジュール260に対応する時間信号を出力することを通知する。
【0046】
なお、第2状態記憶モジュール230は第1状態記憶モジュール220に直接カップリングされてもよく、トリガー状態では、第1状態記憶モジュール220を介してそれぞれ行応答線及び列応答線からの行応答信号及び列応答信号を受信する。つまり、画素ユニットの内部の応答信号はほかの各モジュールを介して行応答線及び/又は列応答線に直接接続されることで取得されてもよく、第1状態記憶モジュール220によってバッファされた後、各モジュール(例えば、第2状態記憶モジュール230、光強度信号収集及び記憶モジュール240、時間情報記憶モジュール250)に統合的に割り当てられてもよいが、本発明の実施例ではこれを限定しない。
【0047】
本発明のまたさらに別の実施例では、第2状態記憶モジュール230がそれぞれ行応答線及び列応答線からの行応答信号及び列応答信号を同時に受信すると、画素ユニットは受動トリガー状態を解除する。且つ、該画素ユニットが受動トリガー状態を解除すると、第2状態記憶モジュール230は第1状態記憶モジュール220を介してリセット信号を光強度変化アンプ260に送信する。所望の構成に応じて、第2状態記憶モジュール230は受動トリガー状態及び非トリガー状態を記憶する第2ラッチを備える。少なくとも1つの隣接画素収集回路からのパルス信号を受信すると、第2ラッチがセットされ、画素ユニットが受動トリガー状態に入り、行応答信号及び列応答信号を同時に受信すると、第2ラッチがリセットされ、画素ユニットが非トリガー状態に入り、第2ラッチがリセットされると、第2状態記憶モジュール230がリセット信号を光強度変化アンプ260に送信する。
【0048】
光強度信号収集及び記憶モジュール240は該画素収集回路の状態に応じて第1電信号を光強度信号として記憶して出力する。画素収集回路が非トリガー状態であると、光強度信号収集及び記憶モジュール240は第1電信号をリアルタイムにサンプリングし、画素収集回路がトリガー状態(能動トリガー状態又は受動トリガー状態)に入ると、第1状態記憶モジュール220又は第2状態記憶モジュール230を経由して伝送される行応答信号を受信するまで、光強度信号収集及び記憶モジュール240はサンプリングした第1電信号を記憶し、この期間に記憶された第1電信号を光強度信号として出力する。
【0049】
時間情報記憶モジュール250は画素収集回路の状態に応じて、対応する時間信号を記憶して出力する。画素収集回路が非トリガー状態であると、時間信号ラインからの第1時間信号をリアルタイムにサンプリングし、画素収集回路がトリガー状態(能動トリガー状態又は受動トリガー状態)に入ると、第1状態記憶モジュール220又は第2状態記憶モジュール230を経由して伝送される行応答信号を受信するまで、時間情報記憶モジュール250はサンプリングした第1時間信号を記憶し、この期間に記憶された第1時間信号を時間信号として出力する。
【0050】
以上のように、本発明の方案によれば、オプティカルフローセンサー100の画素収集回路アレイ中の画素ユニットは視野内の光強度変化をリアルタイムに検出し、感知された光強度変化が所定の条件を満たすと、画素ユニットが能動トリガー状態に入るようにトリガーする。トリガーされた画素ユニットがその周辺の4つ以上の画素ユニットにパルス信号を同時に送信し、非トリガー状態の周辺画素ユニットをトリガーして受動トリガー状態にする。画素ユニットがトリガーされる時刻において、該画素ユニット及びその周辺の受動トリガーされた画素ユニットの光強度情報及び時間情報がサンプリング、記憶され、後続の画像収集システムに出力される。
【0051】
該オプティカルフローセンサーによれば、視野内の目標運動物体の特定の時刻における対応する画素ユニットの光強度及び必要な周辺画素ユニットの光強度並びに同一画素ユニットの異なる時刻における光強度値を収集でき、それによってオプティカルフローアルゴリズム中のオプティカルフロー拘束方程式パラメータ、すなわち画素ユニットの時間領域、空間領域勾配値を取得する。このようにして、ハードウェアによってアルゴリズムパラメータの抽出を実現し、リア端のデータ処理における並行演算を低減させる。高速運動物体の識別処理速度を効果的に向上させることができ、それによって運動物体の運動速度及び方向を効率よく分析し、衝突防止システム、ドローン、無人地上車両等による視野内の高速運動物体の分析の遅延課題を解決し、システム判断の効率及び正確性を向上させる。
【0052】
ここで提供される明細書では、大量の詳細が説明されている。それにもかかわらず、本発明の実施例はこれらの詳細なしで実施されてもよいと理解できる。いくつかの例では、本明細書の理解の曖昧さを回避するために、公知の方法、構造及び技術は詳細説明されていない。
【0053】
同様に、本開示を簡略化し各発明の態様の1つ又は複数を理解するのを助けるために、以上の本発明の例示的な実施例についての説明では、本発明の各特徴は単一の実施例、図、又はその説明にグループされてもよいと理解すべきである。それにもかかわらず、該開示されている方法は、主張する本発明は各請求項に明確に記載される特徴よりも多くの特徴を必要とすることを反映するものではないと理解すべきである。より正確には、以下の特許請求の範囲に反映されるように、発明の態様は前に開示された単一の実施例のすべての特徴よりも少ないことにある。従って、具体的な実施形態に準拠する特許請求の範囲は該具体的な実施形態に明確に組み込まれており、各請求項自体は本発明の単独な実施例である。
【0054】
当業者であれば、本明細書に開示されている例における機器のモジュール又はユニット又はアセンブリは該実施例に説明されている機器に配置され、又は該例における機器と異なる1つ又は複数の機器に置換可能に位置決めされるようにしてよいと理解すべきである。上記例におけるモジュールを組み合わせて1つのモジュールを形成してもよく、さらに複数のサブモジュールに分けてもよい。
【0055】
当業者であれば、実施例における機器のモジュールを適応的に変更し、該実施例と異なる1つ又は複数の機器に設置するようにしてもよいと理解できる。実施例におけるモジュール又はユニット又はアセンブリを組み合わせて1つのモジュール又はユニット又はアセンブリを形成してもよく、さらにそれらを複数のサブモジュール又はサブユニット又はサブアセンブリに分けてもよい。このような特徴及び/又はプロセス又はユニットの少なくとも一部が相互に矛盾する以外、本明細書(添付する特許請求の範囲、要約書及び図面を備える)に開示されるすべての特徴及びこのように開示されているいずれかの方法又は機器のすべてのプロセス又はユニットを任意に組み合わせることができる。特に断らない限り、本明細書(添付する特許請求の範囲、要約書及び図面を備える)に開示されている各特徴は同一、同等又は類似目的を提供する代替特徴によって代替されてもよい。
【0056】
本発明はさらに以下のように開示している。
【0057】
A8、第2状態記憶モジュールは、少なくとも1つの隣接画素収集回路からのパルス信号を受信すると、セットされ、行応答信号及び列応答信号を同時に受信すると、リセットされる第2ラッチを備え、前記第2状態記憶モジュールはさらに前記第2ラッチがリセットされると、リセット信号を光強度変化アンプに送信するA7に記載の画素収集回路。
【0058】
A9、前処理は直流成分分離及び交流成分増幅の処理を含むA2-8のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【0059】
A10、光検出器は、アノードが接地されるフォトダイオード(PD1)と、ソースがフォトダイオード(PD1)のカソードに接続され、ドレイン及びゲートが電源(VDD)に接続される第1トランジスタ(T1)と、を備えるA1-9のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【0060】
A11、光検出器は、アノードが接地されるフォトダイオード(PD1)と、ソースが電源(VDD)に接続され、ゲート及びドレインが第2トランジスタ(T2)のドレインに接続される第1トランジスタ(T1)と、ソースがフォトダイオード(PD1)のカソードに接続される第2トランジスタ(T2)と、を備えるA1-9のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【0061】
A12、光検出器は、アノードが接地されるフォトダイオード(PD1)と、直列接続されるN個(N≧2)のトランジスタであって、第1個のトランジスタのソースがフォトダイオード(PD1)のカソードに接続され、第N個のトランジスタのソースが電源(VDD)に接続され、第2個~第N個のトランジスタのそれぞれのドレインが前のトランジスタのソースに接続され、第2個~第N個のトランジスタのそれぞれのゲートがドレインに接続されるN個のトランジスタと、フォトダイオード(PD1)のカソードと第1個のトランジスタのゲートとの間に接続される第1アンプ(A1)と、を備えるA1-9のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【0062】
A13、光強度変化アンプは、入力正極が前記光検出器の出力端子に接続され、入力負極にプルダウン抵抗器である第1抵抗器(R1)が接続され、出力端子と入力負極との間に第2抵抗器(R2)が接続され、前記光検出器により出力された第1電信号を前処理する第2アンプ(A2)を備えるA2-12のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【0063】
A14、光強度変化アンプは、ドレインが前記光強度検出器の出力端子に接続される第3トランジスタ(T3)と、ドレインが光強度検出器の出力端子に接続される第4トランジスタ(T4)と、第1端子が第3トランジスタ(T3)のソースに接続され、第2端子が接地される第1コンデンサ(C1)と、第1端子が第4トランジスタ(T4)のソースに接続され、第2端子が接地される第2コンデンサ(C2)と、ドレインが第1コンデンサ(C1)の第1端子に接続され、ゲートが第6トランジスタ(T6)のゲートに接続される第5トランジスタ(T5)と、ドレインが第2コンデンサ(C2)の第1端子に接続される第6トランジスタ(T6)と、入力正極が第5トランジスタ(T5)のソースに接続され、入力負極が第6トランジスタ(T6)のソースに接続される第3アンプ(A3)と、を備えるA2-12のいずれか一項に記載の画素収集回路。
【0064】
また、当業者であれば、ここに記載されるいくつかの実施例はほかの特徴ではなく、ほかの実施例に含まれるいくつかの特徴を備えるにもかかわらず、異なる実施例の特徴の組み合わせは本発明の範囲内に属し且つ異なる実施例を形成すると理解できる。例えば、以下の特許請求の範囲では、主張する実施例のいずれかを任意な組み合わせ方式で使用してもよい。
【0065】
また、前記実施例のうちのいくつかは、ここでは、コンピュータシステムのプロセッサ又は前記機能を実行するほかの装置に実施可能な方法又は方法の要素の組み合わせとして説明されている。従って、前記方法又は方法の要素を実施するための必要な命令を有するプロセッサは該方法又は方法の要素を実施するための装置を形成する。また、装置の実施例のここで記載される要素は、該発明の目的を実施するための要素によって実行される機能を実施するための装置の例である。
【0066】
ここで使用されるように、特に断らない限り、「第1」、「第2」、「第3」等の序数詞を使用して普通の対象を説明する場合、単に係る類似対象の異なる例を示し、このように説明される対象が必ず時間、空間、ランキング又はほかの任意の方式での特定の順序を有することを暗示しない。
【0067】
限られた実施例を参照しながら本発明を説明したが、以上の説明からわかるように、当業者は、ここで説明される本発明の範囲を逸脱せずに、ほかの実施例を想到し得ると理解できる。また、なお、本明細書に使用される言語は主に可読性及び教示の目的のために選択され、本発明の主題を説明又は限定するためのものではない。従って、添付特許請求の範囲の範囲及び精神を逸脱せずに、当業者には種々の修正や変更が明らかになる。本発明の範囲について、本発明は制限的ではなく例示的に開示されており、本発明の範囲は添付特許請求の範囲によって定められる。