(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】移動通信ネットワーク及び基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 4/08 20090101AFI20220705BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20220705BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220705BHJP
【FI】
H04W4/08
H04W92/18
H04W72/04
(21)【出願番号】P 2018059936
(22)【出願日】2018-03-27
【審査請求日】2020-01-23
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度総務省「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発~複数移動通信網の最適利用を実現する制御基盤技術に関する研究開発~」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】599108264
【氏名又は名称】株式会社KDDI総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】堅岡 良知
(72)【発明者】
【氏名】北川 幸一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤本 貴
(72)【発明者】
【氏名】趙 兵選
(72)【発明者】
【氏名】柚木 克夫
(72)【発明者】
【氏名】新保 宏之
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503259(JP,A)
【文献】特開2014-154987(JP,A)
【文献】特表2015-508943(JP,A)
【文献】特表2017-528067(JP,A)
【文献】特表2016-521069(JP,A)
【文献】特表2014-533910(JP,A)
【文献】国際公開第2014/017476(WO,A1)
【文献】特開2015-073258(JP,A)
【文献】特表2016-541201(JP,A)
【文献】国際公開第2016/056152(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信ネットワークが提供するセルに在圏し、デバイス間通信を行う複数のユーザ装置を、少なくとも2つのユーザ装置を含む1つ以上のグループにグループ化するグループ化手段と、
グループに属するユーザ装置に、当該グループのグループ識別子を通知するグループ通知手段と、
前記複数のユーザ装置に前記デバイス間通信で使用する無線リソースを通知するリソース通知手段と、
を備えており、
前記リソース通知手段は、グループに属するユーザ装置には、前記デバイス間通信で使用する無線リソースを
、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のダウンリンク制御情報(DCI)によりマルチキャストで通知することを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項2】
前記リソース通知手段は、グループに属さないユーザ装置には、デバイス間通信で使用する無線リソースをユニキャストで通知することを特徴とする請求項1に記載の移動通信ネットワーク。
【請求項3】
前記グループ化手段は、前記複数のユーザ装置の位置に関連する位置関連情報に基づき前記グループ化を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動通信ネットワーク。
【請求項4】
前記複数のユーザ装置の位置関連情報は、前記複数のユーザ装置が前記移動通信ネットワークから受信する基準信号の受信電力に基づく値を含むことを特徴とする請求項3に記載の移動通信ネットワーク。
【請求項5】
前記複数のユーザ装置の位置関連情報は、前記セル内に設置されたスモール基地局が提供するスモールセルへの前記複数のユーザ装置の在圏情報を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の移動通信ネットワーク。
【請求項6】
基地局と、サーバ装置と、を有する移動通信ネットワークであって、
前記サーバ装置は、
前記基地局が提供するセルに在圏し、デバイス間通信を行う複数のユーザ装置を、少なくとも2つのユーザ装置を含む1つ以上のグループにグループ化するグループ化手段と、
前記グループ化手段によるグループ化の結果を前記基地局に通知する結果通知手段と、
を備えており、
前記基地局は、
前記結果通知手段から通知されたグループ化の結果に従い、グループに属するユーザ装置に、当該グループのグループ識別子を通知するグループ通知手段と、
前記複数のユーザ装置に前記デバイス間通信で使用する無線リソースを通知するリソース通知手段と、
を備えており、
前記リソース通知手段は、グループに属するユーザ装置には、前記デバイス間通信で使用する無線リソースを
、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のダウンリンク制御情報(DCI)によりマルチキャストで通知することを特徴とする移動通信ネットワーク。
【請求項7】
移動通信ネットワークの基地局であって、
前記基地局が提供するセルに在圏し、デバイス間通信を行う複数のユーザ装置を、少なくとも2つのユーザ装置を含む1つ以上のグループにグループ化するグループ化手段と、
グループに属するユーザ装置に、当該グループのグループ識別子を通知するグループ通知手段と、
前記複数のユーザ装置に前記デバイス間通信で使用する無線リソースを通知するリソース通知手段と、
を備えており、
前記リソース通知手段は、グループに属するユーザ装置には、前記デバイス間通信で使用する無線リソースを
、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のダウンリンク制御情報(DCI)によりマルチキャストで通知することを特徴とする基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信ネットワークのユーザ装置のデバイス間通信のための無線リソース制御に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信ネットワークのユーザ装置(UE)同士が基地局(BS)を介さずに直接通信を行うデバイス間(D2D:Device to Device)通信が提案されている。非特許文献1及び非特許文献2は、このD2D通信のための無線リソース制御を開示している。以下、非特許文献1及び非特許文献2が開示するD2D通信のための無線リソース制御について説明する。
【0003】
図6(A)は、BSがUEに送信する物理チャネル(下りリンクチャネル)を示し、
図6(B)は、UEがBSに送信する物理チャネル(上りリンクチャネル)を示している。
図6(A)において、PDCCHは、下りリンクの制御チャネルであり、BSがUEに対して使用する無線リソースを通知するため等に使用される。また、
図6(A)において、PDSCHは、下りリンクの共有チャネルであり、UEへのデータの送信及び制御情報の送信に使用される。また、
図6(B)において、PUCCHは、上りリンクの制御チャネルであり、UEがBSに対して無線リソースの割り当て要求を行うため等に使用される。また、
図6(B)において、PUSCHは、上りリンクの共有チャネルであり、UEからBSへのデータの送信及び制御情報の送信に使用される。
【0004】
非特許文献1及び非特許文献2によると、下りリンク及び上りリンクと同様に、D2D通信のための物理チャネルとして、制御チャネルと共有チャネルが設けられる。D2D通信のための制御チャネルは、サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)と呼ばれ、D2D通信のための共有チャネルは、サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)と呼ばれる。
図6(B)に示す様に、PUSCHの一部がPSCCH及びPSSCHに割り当てられる。なお、以下の説明において、PSCCH及びPSSCHを纏めてサイドリンクチャネルと呼ぶものとする。
【0005】
D2D通信を行うUEが移動通信ネットワークのサービス提供範囲内に存在する環境では、移動通信ネットワークがD2D通信のための無線リソース、つまり、サイドリンクチャネルを管理する。非特許文献1及び非特許文献2によると、BSは、当該BSへのPUSCHのどの領域をサイドリンクチャネルとするかをSIB(System Information Block) Type 18で、在圏するUEに通知する。なお、
図6(A)に示す様に、SIB Type 18は、PDSCHで搬送される。また、以下の説明において、SIB Type 18で通知される領域を、サイドリンク無線リソースプールと呼ぶものとする。
【0006】
SIB Type 18により、UEは、サイドリンク無線リソースプールを認識するが、UEがD2D通信のために、サイドリンク無線リソースプールのどの領域(どのサイドリンクチャネル)を使用するかについて、非特許文献1及び非特許文献2は、モード1とモード2の2つの方法を規定している。モード2とは、UEが、サイドリンク無線リソースプールから使用するサイドリンクチャネルを自律的に選択するモードである。一方、モード1とは、BSが、D2D通信を行う各UEにサイドリンク無線リソースプールのどのサイドリンクチャネルを使用するかを通知するモードである。この通知は、
図6(A)に示すPDCCHのDCI(Downlink Control Information) format 5で搬送される。なお、DCI format 5では、D2D通信に使用するPUSCH内の無線リソース位置を、PUSCHの絶対的な位置で指定するのではなく、サイドリンク無線リソースプールの所定位置を基準とする相対的な位置で指定する。つまり、モード1において、UEは、自装置がD2D通信に使用するサイドリンクチャネルを、SIB Type 18で通知されるサイドリンク無線リソースプールと、DCI format 5で通知される相対位置の両方を使用して特定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】3GPP,TS36.213,v14.4.0
【文献】3GPP,TS36.212,v15.0.0
【文献】3GPP,TS36.211,v14.5.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
モード1では、UEがD2D通信に使用するサイドリンクチャネルを移動通信ネットワークが指定するためD2D通信における干渉を抑制することができる。しかしながら、モード1において、DCI format 5による通知は、D2D通信を行うUEそれぞれに対して個別に行われるため、D2D通信を行うUEの数が増加するに従い、PDCCH内のこの通知に使用する無線リソース量が増加する。PDCCHは、UEとBSとの通信の制御にも使用され、かつ、その無線リソース量は基本的には一定であるため、D2D通信を行うUEの数が増加すると、PDCCHの無線リソース量が不足し、UEに対する必要な通知が適切なタイミングで行われなくなる。なお、非特許文献3は、PDCCHの枯渇対策として、PDSCHの一部をPDCCHとして使用することを開示しているが、PDSCHの無線リソース量が減少し、よって、UEへのデータ送信に影響を及ぼす。
【0009】
本発明は、デバイス間通信で使用する無線リソースを通知するための無線リソース量の増加を抑える技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によると、移動通信ネットワークは、移動通信ネットワークが提供するセルに在圏し、デバイス間通信を行う複数のユーザ装置を、少なくとも2つのユーザ装置を含む1つ以上のグループにグループ化するグループ化手段と、グループに属するユーザ装置に、当該グループのグループ識別子を通知するグループ通知手段と、前記複数のユーザ装置に前記デバイス間通信で使用する無線リソースを通知するリソース通知手段と、を備えており、前記リソース通知手段は、グループに属するユーザ装置には、前記デバイス間通信で使用する無線リソースを、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のダウンリンク制御情報(DCI)によりマルチキャストで通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、デバイス間通信で使用する無線リソースを通知するための無線リソース量の増加を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態による移動通信システムの構成図。
【
図2】一実施形態によるサイドリンクチャネル通知のためのシーケンス図。
【
図4】一実施形態によるセルとスモールセルとを示す図。
【
図5】一実施形態によるサーバ装置及び基地局の構成図。
【
図6】上りリンク及び下りリンクの物理チャネルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明を実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0014】
図1は、本実施形態による移動通信システムの構成図である。移動通信ネットワークは、コアネットワーク2及びBS3を含んでいる。BS3は、コアネットワーク2に接続される。また、BS3は、セル5内のUE4にサービスを提供する。コアネットワーク2は、サーバ装置1を有している。サーバ装置1は、UE4と移動通信ネットワークとの事前のネゴシエーションにより、どのUE4とどのUE4がD2D通信を行うのかを認識している。
【0015】
本実施形態において、サーバ装置1は、BS3がサービス提供を行うセル5に在圏し、かつ、D2D通信を行うUE4をグループ化する。なお、以下の説明においてはD2D通信を行うUE4が処理対象であるため、D2D通信を行うUE4を単にUE4と呼ぶものとする。グループ化の詳細については後述するが、同じグループに属するUE4が同じサイドリンクチャネルを使用しても、それぞれが行うD2D通信に与える影響が小さくなる様に、各グループに属するUE4は選択される。
【0016】
図2は、本実施形態におけるサイドリンクチャネルの各UE4への割り当て処理のシーケンス図である。上述した様に、S10で、サーバ装置1は、UE4のグループ化を行う。S11で、サーバ装置1は、グループ化の結果を示すグループ化情報をBS3に通知する。グループ化情報は、各UE4が属するグループを示す情報である。BS3は、S12で、各UE4に対して、属するグループを通知する。例えば、この通知には、
図2に示す様にSIB Type 20を使用することができる。SIB Type 20は、マルチキャスト通信のためのG-RNTI(Group-Radio Network Temporary ID)をUEに通知するためのものである。このG-RNTIにより、各UE4に、自装置が属するグループID(GID)を通知することができる。
【0017】
BS3は、S13で、サイドリンク無線リソースプールをSIB Type 18で各UE4に通知し、S14で、DCI format 5により、各グループが使用するサイドリンクチャネルを通知する。より詳しくは、通常のDCI format 5では、各UE4それぞれに対して個別に使用するサイドリンクチャネルが通知される。なお、UE4は、C-RNTI(Cell-RNTI)で指定される。C-RNTIとは、BS3に接続した際に各UE4に割り当てられるUE4の識別子である。一方、本実施形態において、グループに属するUE4に対しては、G-RNTIにより、当該グループに属するUE4が使用するサイドリンクチャネルを、同じ無線リソースを使用して纏めて通知する。したがって、同じグループに属するUE4は、同じサイドリンクチャネルを使用してD2D通信を行う。しかしながら、上述した様に、同じグループに属するUE4が同じサイドリンクチャネルを使用しても、それぞれが行うD2D通信に与える影響が小さくなる様に、各グループに属するUE4は選択されているため影響は小さい。この構成により、サイドリンクチャネルを通知するために使用するPDCCHの無線リソース量を抑え、これにより、PDCCHが枯渇することを防ぐことができる。
【0018】
続いて、サーバ装置1が行うUE4のグループ化について説明する。
図3の四角は、セル5に在圏するUE4を示し、G1、G2及びG3は、それぞれ、グループを示している。つまり、G1と表記された四角形がグループ#1に属するUE4を示し、G2と表記された四角形がグループ#2に属するUE4を示し、G3と表記された四角形がグループ#3に属するUE4を示している。なお、文字のない白抜きの四角は、グループに属さないUEを示している。つまり、サーバ装置1が行うグループ化は、セル5に在圏するUE4の総てをいずれかのグループに属する様にする必要はなく、セル5に在圏するUE4のうちの一部を少なくとも2つのUE4を含む1つ以上のグループにするものとすることができる。なお、グループに属さないUE4に対しては、C-RNTIを使用して、個別に使用するサイドリンクチャネルを通知する。この場合でも、サイドリンクチャネルを通知するために使用するPDCCHのリソース量を抑えることができる。
図3に示す様に、サーバ装置1が行うグループ化処理の基本的な考え方は、あるUE4が行うD2D通信のための送信信号が、同じグループに属する他のUE4のD2D通信に影響を与えない様に、同じグループに属するUE4間の距離をできるだけ遠くするというものである。
【0019】
このため、サーバ装置1は、UE4が移動通信ネットワークに通知するCQI(Channel Quality Indicator)を使用することができる。CQIは、UE4がBS3から受信する基準信号の受信電力に基づく値である。ここで、一般的には、BS3に近いUE4は、基準信号の受信電力が高くなり、BS3から遠いUE4は、基準信号の受信電力が低くなる。したがって、2つのUE4のCQIの差が大きいことは、当該2つのUE4の距離が離れていることを示していると考えることができる。したがって、同じグループ内の任意の2つのUE4のCQIの差が所定値以上となる様にグループ化を行うことができる。
【0020】
また、サーバ装置1は、セル5内にあるスモール基地局(SBS)へのUE4の在圏情報をグループ化に使用することができる。
図4に示す様に、BS3が提供するセル5内に、複数のSBSが設けられる場合がある。なお、
図4では、4つのSBSが設けられ、各SBSにより、スモールセル51、52、53及び54が提供されている。SBSと通信しているUE4は、当該SBSが提供するスモールセル内に位置し、かつ、SBSのカバレッジは大変短いため、移動通信ネットワークは、SBSと通信しているUE4は、当該SBSの近傍にいると判定できる。例えば、
図6のスモールセル51、52、53及び54の任意の2つのスモールセルの最短距離が、D2D通信に影響を与えない程度に離れているとすると、スモールセル51、52、53及び54に在圏する4つのUEを1つのグループとすることができる。
【0021】
さらに、サーバ装置1は、各UE4がGPS等により取得した位置情報を各UE4から取得して、当該位置情報に基づきグループ化を行うこともできる。また、BS3がUE4から受信する信号の強度及び方向に基づきUE4の大まかな位置を判定できる場合、BS3が判定するUE4の位置情報をグループ化に使用することもできる。
【0022】
なお、
図1では、1つのBS3と1つのサーバ装置1のみを示しているが、通信ネットワークには、複数のBS3が存在し、サーバ装置1は、これら複数のBS3それぞれについて上述したグループ化を行い、各BS3にグループ化情報を通知する構成とすることができる。また、複数のサーバ装置1を設け、各サーバ装置1が、所定の1つ以上のBS3に対するグループ化処理を行う構成とすることもできる。さらに、1つのBS3と1つのサーバ装置1とを1対1で対応させることもでき、この場合には、上述したサーバ装置1の機能をBS3に組み込むこともできる。さらに、コアネットワーク2の他の機能と同じコンピュータ上にサーバ装置1の機能を組み込むこともできる。
【0023】
図5は、サーバ装置1及びBS3の構成図である。サーバ装置1のグループ化部11は、BS3が提供するセル5に在圏するUE4をグループ化する。ここで、グループ化部11は、上述した様に、各UE4の位置に関連する位置関連情報に基づきグループ化を行う。位置関連情報は、例えば、UE4がGPSにより取得してBS3経由でサーバ装置1に通知する緯度及び経度とすることができる。また、BS3が、UE4から受信する信号強度及び方向から判定した位置とすることができる。また、各UE4がBS3に通知するCQIとすることができる。さらに、BS3が提供するセル内のスモールセルへのUE4の在圏情報とすることができる。なお、グループ化部11は、必要な位置関連情報を、移動通信ネットワークの各機能ブロックから取得できる様に構成される。通知部12は、グループ化部11によるグループ化の結果をBS3に通知する。
【0024】
BS3の通信部34は、サーバ装置1からグループ化の結果を受信すると、当該結果をリソース割当部32に出力する。リソース割当部32は、まず、このグループ化の結果に基づきグループにグループの識別子(GID)を割り当てる。そして、通知部32は、無線通信部31を介して、各UE4にグループの識別子を通知する。この通知は、例えば、SIB Type 20を使用することができる。また、リソース割当部33は、グループに属するUE4にはグループを単位として、グループに属さないUE4には個別にサイドリンクチャネルを割り当てる。そして、通知部32は、無線通信部31を介してサイドリンクチャネルの割り当て結果を各UE4に通知する。ここで、グループに属するUE4に対しては、GIDを使用して、当該グループに属するUE4が使用するサイドリンクチャネルをマルチキャストで通知する。一方、グループに属さないUE4に対しては、例えば、UE4の識別子を使用して、当該UE4が使用するサイドリンクチャネルをユニキャストで通知する。
【0025】
なお、サーバ装置1をBS3に組み込む場合には、グループ化部11は、BS3に設けられる。
【0026】
なお、本発明によるサーバ装置1は、コンピュータの1つ以上のプロセッサで実行されると、当該コンピュータを上述したサーバ装置1として動作させるプログラムにより実現することができる。同様に、本発明によるBS3は、BS3の1つ以上のプロセッサで実行されると、当該BS3を、上述したBS3として機能させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
【符号の説明】
【0027】
11:グループ化部、33:リソース割当部、32:通知部