(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】決済システム、決済情報管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/32 20120101AFI20220705BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220705BHJP
【FI】
G06Q20/32 330
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2018130224
(22)【出願日】2018-07-09
【審査請求日】2021-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515039797
【氏名又は名称】TFペイメントサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】石川 真司
(72)【発明者】
【氏名】鳥山 顕宏
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-097662(JP,A)
【文献】特開2011-210171(JP,A)
【文献】特開2001-244545(JP,A)
【文献】特開2012-083913(JP,A)
【文献】特開2009-053999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と決済用記録媒体と店舗側決済端末と決済情報収集サーバと決済サーバと売上管理サーバとを含んで構成される決済システムであって、
前記店舗側決済端末は、
前記店舗側決済端末に設けられた非接触式読取部によって前記決済用記録媒体
を読み取ることで、非接触通信を利用した決済処理を行う第1決済処理部と、
前記第1決済処理部による決済情報を前記決済情報収集サーバへ送信する第1送信部と、
前記店舗側決済端末に設けられた出力部によって出力される機械読取コードが、端末装置によって読み取られることで、前記ユーザ端末に対して機械読取コードを用いた決済処理を行う第2決済処理部と、
を有し、
前記決済情報収集サーバは、
前記第2決済処理部による決済処理が行われたことに応じて前記決済サーバから送信される決済結果を取得する機械読取コード決済状況収集部と、
前記店舗側決済端末から受信した前記第1決済処理部による決済情報と、前記機械読取コード決済状況収集部によって取得した決済結果とを前記売上管理サーバに送信する第2送信部
を有する決済システム。
【請求項2】
前記店舗側決済端末は、
前記第2決済処理部によって行われた決済処理に応じた決済情報を前記決済情報収集サーバへ送信する第3送信部を有し、
前記決済情報収集サーバは、
前記第2決済処理部による決済情報を前記決済サーバに送信する第4送信部を有し、
前記機械読取コード決済状況収集部は、
前記第4送信部によって決済情報が前記決済サーバに送信されることに応じて当該決済サーバから送信される決済結果を取得する
請求項1記載の決済システム。
【請求項3】
前記機械読取コード決済状況収集部は、
前記第2決済処理部による決済処理に応じて前記ユーザ端末から前記決済サーバに決済情報が送信されることに応じて当該決済サーバから送信される決済結果を取得する
請求項1または請求項2記載の決済システム。
【請求項4】
ユーザ端末と決済用記録媒体と店舗側決済端末と決済情報収集サーバと決済サーバと売上管理サーバとを含んで構成される決済システムにおける決済情報管理方法であって、
前記店舗側決済端末は、
第1決済処理部が、
前記店舗側決済端末に設けられた非接触式読取部によって前記決済用記録媒体
を読み取ることで、非接触通信を利用した決済処理を行い、
第1送信部が、前記第1決済処理部による決済情報を前記決済情報収集サーバへ送信し、
第2決済処理部が、
前記店舗側決済端末に設けられた出力部によって出力される機械読取コードが、端末装置によって読み取られることで、前記ユーザ端末に対して機械読取コードを用いた決済処理を行い、
前記決済情報収集サーバは、
機械読取コード決済状況収集部が、前記第2決済処理部による決済処理が行われたことに応じて前記決済サーバから送信される決済結果を取得し、
第2送信部が、前記店舗側決済端末から受信した前記第1決済処理部による決済情報と、前記機械読取コード決済状況収集部によって取得した決済結果とを前記売上管理サーバに送信する
決済情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システム、決済情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードや二次元コード等の機械読取コードを用いた決済方式がある(例えば、特許文献1参照)。ユーザは、自身が所有するスマートフォン等の携帯端末の表示画面に識別情報を機械読取コードで表示し、店舗に設置された決済端末にカメラ等で読み取らせ、識別情報に関連付けられた例えば銀行口座から支払金額に応じた金額を引き落とすことで、店舗に支払うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、店舗においては、ICカード等の決済用記録媒体と非接触通信を行うことで決済を行う決済方式など、機械読取コードを用いた決済とは別の決済方式も利用されている。
ここで、店舗によっては、機械読取コードを用いた決済方式と非接触通信を用いた決済方式の両方の決済方式を導入している店舗もある。このような店舗において、売上の管理をしようとすると、機械読取コードを用いた決済方式による決済結果と、非接触通信を用いた決済方式の決済結果の両方を収集する必要がある。
機械読取コードを用いた決済方式と非接触通信を用いた決済方式とでは、一般に、これらの決済サービスを提供している決済サービス会社が異なり、また、決済方式が同じであっても、決済サービス会社が複数ある場合もあるため、店舗では、それらの決済サービス会社からそれぞれ決済結果を入手し、これらの決済結果をとりまとめる必要があり、売上管理にかかる負担が大きい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、異なる決済方式であっても、簡単に売上管理をすることができる決済システム、決済情報管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、ユーザ端末と決済用記録媒体と店舗側決済端末と決済情報収集サーバと決済サーバと売上管理サーバとを含んで構成される決済システムであって、前記店舗側決済端末は、前記店舗側決済端末に設けられた非接触式読取部によって前記決済用記録媒体を読み取ることで、非接触通信を利用した決済処理を行う第1決済処理部と、前記第1決済処理部による決済情報を前記決済情報収集サーバへ送信する第1送信部と、前記店舗側決済端末に設けられた出力部によって出力される機械読取コードが、端末装置によって読み取られることで、前記ユーザ端末に対して機械読取コードを用いた決済処理を行う第2決済処理部と、を有し、前記決済情報収集サーバは、前記第2決済処理部による決済処理が行われたことに応じて前記決済サーバから送信される決済結果を取得する機械読取コード決済状況収集部と、前記店舗側決済端末から受信した前記第1決済処理部による決済情報と、前記機械読取コード決済状況収集部によって取得した決済結果とを前記売上管理サーバに送信する第2送信部を有する。
【0007】
また、本発明は、ユーザ端末と決済用記録媒体と店舗側決済端末と決済情報収集サーバと決済サーバと売上管理サーバとを含んで構成される決済システムにおける決済情報管理方法であって、前記店舗側決済端末は、第1決済処理部が、前記店舗側決済端末に設けられた非接触式読取部によって前記決済用記録媒体を読み取ることで、非接触通信を利用した決済処理を行い、第1送信部が、前記第1決済処理部による決済情報を前記決済情報収集サーバへ送信し、第2決済処理部が、前記店舗側決済端末に設けられた出力部によって出力される機械読取コードが、端末装置によって読み取られることで、前記ユーザ端末に対して機械読取コードを用いた決済処理を行い、前記決済情報収集サーバは、機械読取コード決済状況収集部が、前記第2決済処理部による決済処理が行われたことに応じて前記決済サーバから送信される決済結果を取得し、第2送信部が、前記店舗側決済端末から受信した前記第1決済処理部による決済情報と、前記機械読取コード決済状況収集部によって取得した決済結果とを前記売上管理サーバに送信する決済情報管理方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、非接触通信決済処理部による決済情報については、店舗側決済端末から情報収集サーバに送信し、機械読取コードを用いた決済処理の決済結果については、ユーザ端末と店舗側決済端末との間で行われた機械読取コードを用いた決済処理が行われたことに応じて決済サーバが決済処理を行い、その決済処理の結果を、決済情報収集サーバが当該決済サーバから取得し、これらの決済結果を決済情報収集サーバが売上管理サーバに送信するようにした。これにより、決済方式が異なる決済サービスを対象として売上管理をする場合であっても、統括して管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の一実施形態による決済システム1の構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】ユーザ端末10の機能構成を説明する機能ブロック図である。
【
図3】店舗側決済端末20の機能構成を説明する機能ブロック図である。
【
図6】決済情報収集サーバ40の機能構成を説明する機能ブロック図である。
【
図7】第1決済処理に基づく決済処理を行う場合における決済システム1の動作を説明するシーケンス図である。
【
図8】売上管理サーバ50に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図9】第2決済処理に基づく決済処理を行う場合における決済システム1の動作を説明するシーケンス図である。
【
図10】ICカード15と店舗側決済端末20との間において非接触通信を用いて決済処理を行う場合における決済システム1の動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による決済システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による決済システム1の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、決済システム1は、ユーザ端末10、IC(integrated circuit card)カード15、店舗側決済端末20、ネットワーク30、決済情報収集サーバ40、売上管理サーバ50、ブランドサーバ60a、ブランドサーバ60b、ブランドサーバ60c(以下、特に識別しない場合には単にブランドサーバ60と称する)、プリペイド口座サーバ80a、クレジット口座サーバ80b、銀行口座サーバ80c、店舗側管理端末90を含んで構成される。
【0011】
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、携帯電話等であり、ユーザによって携帯される。この実施形態においては、ユーザは商品またはサービスの購入をする者である場合を一例として説明する。
ユーザ端末10は、店舗側決済端末20またはブランドサーバ60との間で情報の受け渡しを行うことで決済を行う決済機能を備える。
ここで、
図2は、ユーザ端末10の機能構成を説明する機能ブロック図である。ユーザ端末10は、例えば、撮像部101、表示部102、入力部103、制御部105、通信部106を含んで構成される。
撮像部101は、店舗側決済端末20の画面に表示された機械読取コード(例えば、二次元バーコード)を撮像する。店舗側決済端末20の画面に表示された機械読取コードは、商品またはサービスの購入に対応して決済用として発行される情報である。機械読取コードは、決済を行う対象のブランドのブランドサーバ60によって発行してもらうことができ、あるいは、ユーザ端末10にインストールされた決済用のアプリケーションソフトウェアを実行し、このアプリケーションソフトウェアによって発行することができる。
この機械読取コードには、種々の情報を含むようにすることができる。例えば、機械読取コードには、決済する金額である決済金額、ユーザ端末10を利用するユーザを識別するユーザ識別情報、店舗側決済端末20が設置された店舗を識別する店舗識別情報、又は店舗側決済端末20を識別する決済端末識別情報、決済するブランドを識別するブランド識別情報、決済処理を個別に識別する決済識別情報などを含むようにすることができるが、これらの情報の全てを必ずしも用いる必要はない。
【0012】
表示部102は、機械読取コードを用いた決済を行なう際に必要な情報を入力するための入力画面を表示する。例えば、ユーザ端末10において、決済金額を入力する必要がある場合には、決済金額を入力する入力画面が表示される。入力部103は、表示部102に表示された入力画面における入力欄に対するデータ入力を受け付ける。表示部102と入力部103は、タッチパネルによって構成されてもよいし、表示部102を液晶表示装置によって構成し、入力部103をテンキー等の入力ボタンによって構成するようにしてもよい。
【0013】
制御部105は、ユーザ端末10内の各部を制御する。制御部105は、店舗側決済端末20に表示された機械読取コードを撮像部101により撮像し、機械読取コードに応じた決済を行なうための処理を行なう。
制御部105は、例えば、決済情報収集サーバ40を介して、ブランドサーバ60に対して、機械読取コードを用いた決済処理を行う。これにより、制御部105は、プリペイド口座サーバ80a、クレジット口座サーバ80b、銀行口座サーバ80c等において予め登録されたユーザのチャージポイントまたはチャージされた現金、銀行口座またはクレジット口座のいずれかを利用した決済を行なうことができる。
制御部105は、ユーザ端末10を利用するユーザを識別するユーザ識別情報を、自身に設けられたメモリ領域に記憶する。このユーザ識別情報は、決済システム1の利用を開始する際にユーザ登録をすることで割り当てられる。このユーザ識別情報は、ユーザを個別に識別することができればよいため、ユーザ端末10の電話番号、ユーザ端末10の個体識別番号等を用いてもよい。また、ユーザがユーザ端末10とICカード15との両方を利用する場合には、ICカード15に記憶された媒体IDをユーザ識別情報として用いることもできる。媒体IDは、ICカード15に個別に割り当てられた情報であり、ICカード15を識別する識別情報として用いることができる。例えば、ユーザ端末10の個体識別番号とICカード15の媒体IDとを対応づけてユーザ情報として決済情報収集サーバ40、ブランドサーバ60、売上管理サーバ50の少なくともいずれかに記憶しておくことで、ユーザ端末10とICカード15のいずれを利用したとしても、利用したユーザを一意に特定することでユーザを識別することができる。
通信部106は、外部の各機器と通信を行なう。
【0014】
次に、
図3は、店舗側決済端末20の機能構成を説明する機能ブロック図である。店舗側決済端末20は、通信部201、撮像部202、入力部203、出力部204、制御部205、記憶部206、非接触式読取部207を含んで構成される。この店舗側決済端末20は、1つの店舗に1つ設置されるようにしてもよいし、1つの店舗に複数設置されるようにしてもよい。
ここでいう店舗は、店舗側決済端末20が設置される施設である。この店舗は、例えば、小売店、交通機関の各駅、駐輪場、駐車場、ゲームセンター等である。ここで、店舗は、商品の販売やサービスの提供の少なくともいずれか1つを目的とした施設に限られるものではなく、少なくとも商品の販売やサービスの提供が可能な施設であればよい。例えば、複数店舗が収容された複合商業施設やテーマパークなどの施設であってもよい。
なお、ここでいう施設とは、法人毎に統括される施設であってもよいし、各地域の支店毎に統括される施設、または建物毎に統括される施設であってもよく、施設が統括される単位や、施設の規模等は任意である。
【0015】
店舗側決済端末20は、
図3において1つある場合について説明しているが、決済システム1において複数設けることができる。この店舗側決済端末20には、それぞれを識別する決済端末識別情報が割り当てられている。また、店舗側決済端末20には、店舗識別情報を割り当てることもできる。この決済端末識別情報と店舗識別情報は、両方割り当てられてもよいし、いずれか一方のみ割り当てられてもよい。両方が割り当てられている場合には、店舗毎であってかつ店舗側決済端末20毎に売上の集計を行うことができる。
また、ここでは、店舗識別情報は、店舗を個別に識別する情報を用いてもよいし、店舗が属する企業を識別する情報を用いてもよいし、両方を含む情報を用いてもよい。例えば、企業がコンビニエンスストアである場合には、コンビニエンスストアを識別する情報と、そのコンビニエンスストアに属する店舗(例えば、コンビニエンスストアAの○○店等)を識別する情報のうちいずれか一方または両方を用いることができる。
【0016】
通信部201は、外部の各機器と通信を行なう。
通信部201は、ユーザ識別情報に関連づけられ商品またはサービスの購入に対応して決済用として発行される機械読取コードを受信する。ここでは、機械読取コードを発行する機械読取コード発行機能は、例えば、ブランドサーバ60、ユーザ端末10、他のサーバ装置のうちいずれかに設けることができる。
また、通信部201は、決済用記録媒体と非接触通信を利用した決済処理に関する決済情報を決済情報収集サーバ40へ送信する機能と、ユーザ端末10に対して機械読取コードを用いた決済処理に応じた決済情報を決済情報収集サーバ40へ送信する機能とを有する。
【0017】
撮像部202は、商品またはサービスの購入に対応して決済用として発行される機械読取コードを読み取る。この撮像部202は、例えばカメラを用いることができる。
【0018】
入力部203は、各種情報を入力する。入力部203は、例えば、入力ボタンであってもよいし、タッチパネルでありタッチ入力を受け付けるようにしてもよい。
【0019】
出力部204は、各種情報を出力する。例えば、出力部204は、例えば液晶表示装置、電子ペーパ、タッチパネル等のうちいずれか1つあるいは複数の表示装置を用いることができる。
また、出力部204は、通信部201によって外部の装置に情報を送信する機能を有する。
また、出力部204は、印刷装置に対して情報を出力して印刷させることもできる。
出力部204は、例えば、機械読取コードを出力する。
【0020】
制御部205は、店舗側決済端末20内の各部を制御する。
制御部205は、複数種類の決済方法に対応して決済処理をすることができる。
制御部205は、ユーザ端末10に対して機械読取コードを用いた決済処理を行う機械読取コード決済処理機能を有する。より具体的に、制御部205は、撮像部202によってユーザ端末10に出力された機械読取コードを読み取り、店舗側決済端末20を識別する決済端末識別情報または店舗識別情報と読み取り結果と金額とに基づく決済受入情報を決済情報収集サーバ40に送信する第1決済処理と、出力部204によってユーザ端末10が読取可能な状態で機械読取コードを出力する第2決済処理とのいずれかによって決済処理を行う。ここでは、第1決済処理と第2決済処理とでは、決済の経路(手順)が異なる。
また、制御部205は、決済用記録媒体に対して非接触通信を用いた決済処理である第3決済処理を行う非接触通信決済処理機能を有する。より具体的に、制御部205は、非接触式読取部207によって外部のICカード15と通信を行うことで、ICカード15を用いた決済処理を行う。
【0021】
ここで、
図4は、第1決済処理の概念を表す図である。第1決済処理においては、ユーザ端末10が機械読取コードの生成に必要な情報(例えば決済金額やユーザ識別情報等)が入力されると、機械読取コードの生成依頼を、本発明における各種決済処理を行う決済サーバ、すなわち決済を行う対象のブランドに対応するブランドサーバ60に送信し、ブランドサーバ60から送信される機械読取コードを受信すると(符号S1)、画面に表示する(符号S2)。店舗側決済端末20は、表示された機械読取コードを撮像し(符号S3)、店舗側決済端末20を識別する決済端末識別情報または店舗識別情報と読み取り結果と金額とに基づく決済受入情報を決済情報収集サーバ40に送信する(符号S4)。この決済処理に応じて決済が完了すると、決済完了通知がブランドサーバ60からユーザ端末10へ送信されるとともに(符号S5)、決済完了通知がブランドサーバ60から決済情報収集サーバ40を経由して店舗側決済端末20へ送信される(符号S6)。
【0022】
図5は、第2決済処理の概念を表す図である。
店舗側決済端末20が、機械読取コードの生成に必要な情報(例えば決済金額や決済端末識別情報など)が入力されると、機械読取コードの生成依頼を決済を行う対象のブランドに対応するブランドサーバ60に送信し、ブランドサーバ60から送信される機械読取コードを受信すると(符号S11)、ユーザ端末10が読取可能な状態で機械読取コードを画面に表示する(符号S12)。
ユーザ端末10は、表示された機械読取コードを撮像し(符号S13)、機械読取コードに含まれる情報等に基づく決済受入情報を決済する対象のブランドに対応するブランドサーバ60に送信する(符号S14)。この決済処理に応じて決済が完了すると、決済完了通知がブランドサーバ60からユーザ端末10へ送信されるとともに(符号S15)、決済完了通知がブランドサーバ60から決済情報収集サーバ40を経由して店舗側決済端末20へ送信される(符号S16)。
【0023】
第1決済処理、第2決済処理、第3決済処理のいずれにて決済を行うかについては、ユーザが選択する場合、決済を行う際に利用するブランドによって定められた決済方法に従う場合、決済処理を行う店舗において定められた決済方法に従う場合、決済を行う金額に応じて定められる決済方法に従う場合のうちいずれであってもよい。この実施形態においては、店舗側決済端末20が設置された店舗において、ユーザが第1決済処理、第2決済処理、第3決済処理のいずれか所望する決済処理を指定する場合について説明する。また、店舗においては、第1決済処理、第2決済処理、第3決済処理のいずれであっても対応可能であり、ユーザの指定に応じていずれかの決済処理にしたがって店舗側決済端末20を利用して決済処理を行う。
【0024】
記憶部206は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部206は、店舗側決済端末20を利用してICカード15との間で行われた決済の履歴を記憶する。また、記憶部206は、自店舗側決済端末20に割り当てられた決済端末識別情報と店舗識別情報を記憶する。
非接触式読取部207は、非接触型のICカードと通信を行う。例えば、非接触式読取部207は、店舗側決済端末20から所定距離内に近づけられたICカード15と無線通信を行う。
【0025】
図6は、決済情報収集サーバ40の機能構成を説明する機能ブロック図である。
決済情報収集サーバ40は、通信部401、機械読取コード決済管理部402、機械読取コード決済状況収集部403、非接触通信電子マネー決済部404、制御部405、記憶部406を有する。
決済情報収集サーバ40は、ユーザ端末10や店舗側決済端末20を利用して行われる決済に関する情報を収集して記憶する機能をする。
【0026】
通信部401は、ネットワーク30を介して他の機器と通信を行う。
通信部401は、店舗側決済端末20から受信した非接触通信を用いた決済処理に関する情報である決済情報と、後述する機械読取コード決済状況収集部403によって取得した決済結果とを売上管理サーバ50に送信する機能、店舗側決済端末20から送信される機械読取コードを用いた決済処理に応じた決済情報を受信し、この受信した決済情報を決済サーバ(ブランドサーバ60)に送信する機能を有する。ここでは、店舗側決済端末20から送信される機械読取コードを用いた決済処理に応じた決済情報を決済サーバに送信することで、決済サーバに、この決済情報に基づいて決済処理を行わせ、決済処理が正常に完了したか否かを表す決済結果を受信することができる。
例えば通信部401は、店舗側決済端末20によって第1決済処理が行われたことに応じて、当該店舗側決済端末20から送信される決済受入情報を受信する機能、店舗側決済端末20から決済受入情報を受信すると当該決済受入情報をブランドサーバ60に送信する機能、決済受入情報を受信したブランドサーバ60によって決済受入情報に基づく決済が行われた結果である決済結果を受信する機能を有する。
また、通信部401は、第2決済処理が行われたことに応じて、ユーザ端末10からブランドサーバ60に機械読取コードに基づく決済受入情報が送信され当該ブランドサーバ60によって決済受入情報に基づく決済が行われた結果である決済結果をブランドサーバ60から受信する機能とを有する。
【0027】
また、通信部401は、所定の送信タイミングが到来すると、記憶部406に記憶された決済結果を売上管理サーバ50に送信する機能を有する。この送信タイミングは、一定時間毎であってもよいし、決められた時刻が到来するタイミングであってもよいし、外部からの送信要求があったタイミングであってもよい。外部からの送信タイミングとしては、売上管理サーバ50等のほかの機器からの送信要求であってもよいし、決済情報収集サーバ40の外部に接続される入力装置から送信指示が入力されたタイミングであってもよい。
【0028】
機械読取コード決済管理部402は、機械読取コードを用いて行われる決済に関する情報を通信部401によって受信し、送信元とは異なる機器に送信する。この機械読取コード決済管理部402は、機械読取コードを用いて決済を行う機器同士の間においてゲートウェイとしての機能も有する。
機械読取コード決済状況収集部403は、決済システム1において、店舗側決済端末20とユーザ端末10との間で機械読取コードを用いた決済処理に関する情報を収集し、通信部401を介して売上管理サーバ50に定期的に送信する機能を有する。この収集は、例えば、店舗側決済端末20とユーザ端末10との間で機械読取コードを用いた決済を行うことに対応して、ブランドサーバ60(決済サーバ)において行われた決済処理の結果を受信することで取得する。
非接触通信電子マネー決済部404は、店舗側決済端末20とICカード15との間において非接触式の通信を行うことで、電子マネーを用いた決済処理を行う機能を有する。
【0029】
制御部405は、決済情報収集サーバ40における各部を制御する。
【0030】
記憶部406は、決済に関する情報等の各種情報を記憶する。決済に関する情報としては、例えば、機械読み取りコードを用いて行われた決済結果と、非接触通信を用いて電子マネー決済を行った決済結果とがある。
機械読み取りコードを用いて行われた決済結果は、通信部401によって受信することができる。この決済結果には、店舗側決済端末20の撮像部202によってユーザ端末10に表示された二次元バーコードが撮像されたことに応じて行われた決済結果と、店舗側決済端末20の出力部204に表示された二次元バーコードがユーザ端末10によって撮像されたことに応じて行われた決済結果とがある。
【0031】
非接触通信を用いて電子マネー決済を行った決済結果は、店舗側決済端末20の非接触式読取部207とICカード15との間で通信が行われたことに応じて非接触通信電子マネー決済部404によって行われた決済結果(非接触通信電子マネー決済情報)を用いることができる。
非接触通信電子マネー決済情報は、店舗側決済端末20を識別する決済端末識別情報と、決済が行われた金額と、決済が行われた日時と、媒体種別と、媒体IDとを示すデータが含まれる。媒体種別は、ICカード15の種別を表す情報であり、例えば、ブランドを識別するブランド識別情報を用いることができる。媒体IDは、ICカード15を識別する識別情報である。決済が行われる毎にこれらの情報を対応づけて記憶部406に非接触通信電子マネー決済情報として記憶するようにしたので、店舗側決済端末20においてICカード15を用いて決済が行われると、非接触通信電子マネー決済部404は、決済処理を行い、決済された結果に関する情報を決済情報収集サーバ40において把握し、管理することができる。
【0032】
この実施形態において、決済情報収集サーバ40は、ICカード15を用いて行われる決済の決済処理を行う機能(非接触通信電子マネー決済部404が実行する決済処理の機能)を有する場合について説明するが、ICカード15を用いた決済処理の機能は必ずしも有する必要はなく、他の機器に設けられるようにしてもよい。この場合、決済情報収集サーバ40は、決済処理をこの他の機器に実行させ、その決済処理の結果を取得するようにしてもよい。
【0033】
また、決済情報収集サーバ40の記憶部406は、非接触通信電子マネー決済情報を記憶する場合について説明したが、決済情報収集サーバ40とは異なる外部サーバに記憶するようにしてもよい。この外部サーバとしては、例えば売上管理サーバ50を用いてもよい。
【0034】
図1に戻り、ネットワーク30は、インターネットやVPN等の各種ネットワークのいずれか1つであってもよいし、2つ以上を用いて構成するようにしてもよい。また、ネットワーク30は、有線であっても無線であってもよいし、有線の区間と無線の区間の両方が含まれていてもよい。
【0035】
売上管理サーバ50は、通信部51と売上情報記憶部52を有する。通信部51は、他の機器とネットワーク30を介して通信する。また、通信部51は、決済が行われた内容を表す決済情報を決済情報収集サーバ40から受信する。
売上情報記憶部52は、受信した決済情報を売上情報として記憶する。この売上情報は、対応するブランドのブランドサーバ60に定期的(例えば、1日毎、または1週間毎)に配信することもできる。この売上管理サーバ50は、サーバ装置、例えば、汎用コンピュータ、またはパーソナルコンピュータ等を含んで構成される。
【0036】
ブランドサーバ60a、60b、60c(以下、特に識別しなくてもよい場合には単にブランドサーバ60と称する)は、各種決済処理を行う機能を有しており、決済サーバとして機能する。決済処理としては、例えば、第1決済処理、第2決済処理、第3決済処理のうちいずれの決済処理に対応する処理であってもよい。
また、ここでは、ブランドサーバ60a、60b、60cの3つのブランドサーバがある場合について説明するが、1つ、2つ、4つ以上のいずれであってもよい。
【0037】
ブランドサーバ60a、ブランドサーバ60b、ブランドサーバ60cは、定期的(例えば、1日毎、または1週間毎)に売上管理サーバ50から送信される決済情報、決済情報収集サーバ40から送信される決済情報(または決済受入情報)、ユーザ端末10から送信される決済受入情報を取得することができる。
【0038】
ブランドサーバ60a、ブランドサーバ60b、ブランドサーバ60cは、各ブランド(決済サービス)を運営する企業によって管理されるサーバ装置である。ブランドとは、例えば、流通系企業や鉄道系企業によって運営されるプリペイド型電子マネーのブランド、クレジット系企業によって運営されるポストペイ型電子マネーのブランド、または、インターネット決済専用のプリペイド型電子マネーのブランド等である。これらのブランドは、機械読取コードを利用した決済、決済情報収集サーバ40から送信される決済受入情報に基づく決済の少なくともいずれか一方に対応している。
これらブランドサーバ60a、ブランドサーバ60b、ブランドサーバ60cのうち少なくとも1つは、機械読取コードを利用し電子マネーによる決済を行なう場合には、機械読取コードに基づいて、当該機械読取コードにユーザを特定するユーザ識別情報を基に、決済を行う対象の口座を特定することで、プリペイド方式またはポストペイ方式にて決済を行うことができる。
【0039】
また、これらブランドサーバ60a、ブランドサーバ60b、ブランドサーバ60cのうち、少なくともいずれか1つは、店舗側決済端末20の非接触式読取部207を利用して決済を行なうブランドが店舗側決済端末20において選択された場合に、店舗側決済端末20の非接触式読取部207によって読み取られたICカード15の識別情報を用いて電子マネーの決済を行なうことができる。
【0040】
ブランドサーバ60a、ブランドサーバ60b、ブランドサーバ60cは、ユーザ識別情報と決済を行なう対象の口座(ポイントまたは現金チャージを行うプリペイド口座、銀行口座またはクレジット決済を行なうクレジット口座)を特定する口座情報とを記憶しており、決済処理を行なう場合に、ユーザ識別情報に基づいて、決済する対象の口座を特定し、特定された口座に対応する口座サーバ(プリペイド口座サーバ80a、クレジット口座サーバ80b、銀行口座サーバ80c)と通信することで決済処理をすることができる。
ブランドサーバ60a、ブランドサーバ60b、ブランドサーバ60cは、決済処理を行うにあたり、決済処理が可能な口座サーバにアクセスして決済を行う。例えば、ブランドサーバ60aは、プリペイド口座サーバ80a、ブランドサーバ60bは、クレジット口座サーバ80b、ブランドサーバ60cは、銀行口座サーバ80cを利用して決済処理を行う。
例えば、ブランドサーバ60aは、ユーザ識別情報に対応付けて、現金に対応するチャージ口座にチャージポイントを記憶しており、ユーザ端末10からのチャージ要求に応じて、ユーザ端末10に対応付けされた銀行口座(例えばプリペイド口座サーバ80aが決済処理を行なう対象の銀行口座)から引き落としをすることで、チャージポイントをチャージする。
また、ブランドサーバ60aは、ユーザ端末10から決済の要求があった場合、またはユーザ端末10を利用し店舗側決済端末20を介して決済の要求があった場合には、決済する金額に応じたチャージポイントをユーザのチャージ口座からチャージポイントを減算することで、決済を行なう。
ブランドサーバ60aは、例えば、プリペイド方式にて決済を行う。
【0041】
プリペイド口座サーバ80aは、ブランドサーバ60aを介して行なわれる決済処理に応じた金額をプリペイド口座から引き落とし処理を行なうことでプリペイド決済を行なう。プリペイド口座サーバ80aは、例えばブランドサーバ60aに接続され、決済処理を行う。プリペイド口座サーバ80aは、プリペイド方式にて決済を行う。
【0042】
クレジット口座サーバ80bは、店舗側決済端末20を利用した決済であって、クレジットカードによる支払を行なう決済方式にてクレジット決済を行なう。クレジット口座サーバ80bは、例えば、ブランドサーバ60bに接続され、決済処理を行う。
クレジット口座サーバ80bを利用して決済を行う場合には、例えば、ポストペイ方式にて決済を行う。すなわち、ブランドサーバ60bにおいて決済処理が行われた後に、ブランドサーバ60bからの請求に応じて、決済する金額に対応する金額を、決済するユーザのユーザ識別情報に対応したクレジット口座から引き落とす。
【0043】
銀行口座サーバ80cは、ブランドサーバ60cに接続され、ブランドサーバ60cを介して行なわれる決済処理に応じて、決済を行うユーザ識別情報に対応する銀行口座から決済する金額を引き落とすことで決済を行う。この銀行口座サーバ80cを利用して決済を行う場合には、例えば、ポストペイ方式にて決済を行う。すなわち、ブランドサーバ60cにおいて決済処理が行われた後に、ブランドサーバ60cからの請求に応じて、決済する金額に対応する金額を、決済するユーザのユーザ識別情報に対応した口座から引き落とすものであり、クレジット決済の一種であるともいえる。また、銀行口座サーバ80cは、チャージポイントを用いず、ユーザの銀行口座から、購入金額に対応する金額を引き落とす決済処理を行うことで、いわゆるデビット決済に沿った決済を行なうことができる。
ユーザは、ユーザ端末10またはICカード15を用いて、店舗側決済端末20にて決済を行なうことで、クレジット口座、またはプリペイド口座から支払をすることもできる。
【0044】
店舗側管理端末90は、店舗側決済端末20が設けられた店舗に設けられる。店舗の管理者は、この店舗側管理端末90を利用することで、店舗側決済端末20を利用して行われた決済の履歴を参照することができる。店舗側管理端末90は、例えば、店舗側決済端末20の記憶部206に記憶された決済の履歴を参照することができる。また、売上管理サーバ50に記憶された売上情報のうち、自店舗において決済が行われた売上情報を参照することができる。このように、店舗側管理端末90は、自店舗において行われた非接触通信電子マネー決済の履歴と、機械読取コードを用いた決済の履歴の両方を参照することができる。また、機械読取コードを用いた決済の履歴は、第1決済処理と第2決済処理の両方の決済履歴を参照することができる。
【0045】
次に、上述した決済システム1の動作を説明する。
図7は、第1決済処理に基づく決済処理を行う場合における決済システム1の動作を説明するシーケンス図である。決済システム1における第1決済処理、第2決済処理、第3決済処理のいずれにて決済処理を行ってもよいが、この例では、ユーザの指定に応じて第1決済処理にて決済する場合について説明する。
ユーザ端末10は、ユーザにより決済用アプリケーションソフトウェアが起動されると、決済機能における画面において決済する金額のユーザ入力を受け付ける(ステップS101)。この金額の入力方法については、どのような方法であってもよいが、例えば、3つの方法がある。すなわち、店舗側決済端末20が設置された店舗において、商品が陳列される商品陳列棚に取り付けられた棚札に商品の価格を表す情報を含む商品コードをユーザ端末10によって読み取り、読み取った商品コードから価格の情報を制御部105が抽出することで入力されるようにしてもよい。この商品コードの読み取り対象は、棚札だけではなく、商品に取り付けられたバーコードを商品コードとして読み取るようにしてもよい。そして、購入対象の商品が複数ある場合には、それぞれの商品に対応した棚札の商品コードをそれぞれ読み取り、その合計値を算出することで金額入力を受け付けるようにしてもよい。
また、金額の入力方法として、Web上において購入対象の商品を選択入力することで、その選択された商品に対応する金額を抽出するようにしてもよい。例えば、ユーザが店舗に来店し、購入対象の商品を手にとり、当該店舗が提供するWebページにユーザ端末10によってアクセスし、購入対象の商品が掲載されたページに移動し、その商品あるいは商品の価格を入力部103から入力することで、金額の入力を受け付ける。
また、この2つの金額の入力方法以外に、金額をユーザ自身が入力部103から入力することで、この金額の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0046】
金額が入力されると、ユーザ端末10の制御部205は、決済用機械読取コードの生成依頼と、自ユーザ端末10のユーザ識別情報とを、決済を行う対象のブランドに対応したブランドサーバ60に送信する(ステップS102)。決済を行う対象のブランドは、決済を行う店舗において利用可能なブランドが複数ある場合には、その中からユーザが選択してもよし、その店舗において利用可能な特定のブランドが定められている場合には、そのブランドが選択される。このブランド選択は、ユーザ端末10のブランド選択画面においてユーザによって選択入力される。
【0047】
ブランドサーバ60は、機械読取コードの生成依頼を受信すると、ユーザ端末10のユーザ識別情報と決済識別情報とブランド識別情報を用いて機械読取コードを生成するための機械読取コード生成用データを生成し(ステップS401)、生成依頼元のユーザ端末10に機械読取コード生成用データを送信する(ステップS402)。決済識別情報は、1つの決済処理を個別に識別する情報であり、ブランドサーバ60において生成される。この決済識別情報を用いることで、決済手続を個別に特定することが可能である。ブランド識別情報は、自ブランドサーバ60のブランドを識別する情報である。このブランド識別情報は、各ブランドサーバ60に割り当てられている。
ここで、ブランドサーバ60は、ユーザ識別情報と決済識別情報とブランド識別情報を用いて機械読取コード生成用データを生成する場合について説明したが、ユーザ端末10が機械読取コードの生成依頼をブランドサーバ60に送信する際に、決済する金額をユーザに入力してもらい、その金額も機械読取コードの生成依頼とともに受信するようにしてもよい。これによりブランドサーバ60は、ユーザ識別情報と決済識別情報とブランド識別情報の他に、金額も含めて機械読取コード生成用データを生成することもできる。
【0048】
ユーザ端末10の制御部105は、機械読取コード生成用データを受信すると、受信した機械読取コード生成用データとステップS101において入力された金額に基づいて機械読取コードを生成する(ステップS103)。
ここでは、機械読取コードの生成依頼をブランドサーバ60に対して行うことで得られる機械読取コード生成用データを用いる場合について説明したが、ブランドサーバ60と通信を行うことなく、ユーザ端末10の制御部105がユーザ識別情報と金額とブランド識別情報を用いて機械読取コードを生成するようにしてもよい。この場合ブランド識別情報は、決済する金額を入力する際にブランドを選択入力するようにしてもよい。
【0049】
ユーザ端末10は、機械読取コードが生成されると、生成された機械読取コードを表示部102に表示する(ステップS104)。ユーザは、機械読取コードが表示されると、ユーザ端末10の表示部102を店舗側決済端末20の撮像部202の撮像可能な範囲に向ける。
【0050】
店舗側決済端末20の撮像部202は、ユーザ端末10の表示部102に表示された機械読取コードを撮像する(ステップS201)。店舗側決済端末20の制御部205は、撮影された機械読取コードと自店舗側決済端末20に割り当てられた決済端末識別情報を決済受入情報として決済情報収集サーバ40に送信するか、撮像された機械読取コードから金額とユーザ識別情報と決済識別情報とブランド識別情報を抽出し、抽出されたそれぞれの情報と決済端末識別情報を決済受入情報として決済情報収集サーバ40に送信する(ステップS202)。
ここでは、ブランド識別情報は、機械読取コードに含まれている場合について説明したが、機械読取コードに含まれていなくてもよい。この場合、店舗側決済端末20が、撮像部202によって機械読取コードを撮影する際に、店舗側決済端末20の出力部204に表示されるブランドのなかから、決済を行う対象のブランドを選択入力してもらうようにしてもよい。そして、選択入力されたブランドのブランド識別情報を機械読取コードから得られた情報とともに決済情報収集サーバ40に送信するようにしてもよい。
また、決済する金額は、機械読取コードに含まれている場合について説明したが、機械読取コードに含まれていなくてもよい。この場合、撮像部202によって機械読取コードを撮影する際に、店員が店舗側決済端末20の入力部203から決済する金額を入力するようにしてもよい。
また、決済受入情報に含まれる決済端末識別情報は、店舗側決済端末20によって設定される場合について説明したが、ユーザ端末10において決済端末識別情報を設定するようにしてもよい。例えば、ユーザ端末10は、金額を入力する際に、商品陳列棚に取り付けられた棚札の商品コードに決済端末識別情報(あるいは店舗識別情報)を含むようにすることで、金額を入力する際に決済端末識別情報も入力するようにしてもよい。また、Web上において購入対象の商品を選択入力する際に、Webページに決済端末識別情報(あるいは店舗識別情報)を設定しておくことで、金額の選択入力の際に、決済端末識別情報(あるいは店舗識別情報)をWebページから抽出することで入力するようにしてもよい。
【0051】
また、ユーザ端末10の表示部102に機械読取コードを表示する際に、決済する金額を数字についても表示するようにしてもよい。この場合、店舗側の店員は、その表示部102に表示された金額が正しいか否かを確認した上で、店舗側決済端末20にて読み取りをさせるようにしてもよい。この場合、決済する金額が正しいことを確認した上で、機械読取コードの読み取りを実施することができるため、誤りの無い金額にて決済処理を進めることができる。
【0052】
決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済管理部402は、決済受入情報を受信すると、受信した決済受入情報を記憶部406に記憶するとともに決済受入情報に含まれるブランド識別情報に対応するブランドのブランドサーバ60に、この決済受入情報を送信する(ステップS301)。
【0053】
ブランドサーバ60は、決済情報収集サーバ40から決済受入情報を受信すると、決済受入情報に含まれるユーザ識別情報と金額に基づいて、決済を行う。例えば、決済受入情報を受信したブランドサーバ60がプリペイド方式で決済をするブランドである場合には、決済受入情報に含まれるユーザ識別情報に対応するチャージ口座を特定し、決済受入情報に含まれる金額に対応するチャージポイントをそのチャージ口座から引き落とす処理である引き落とし処理を実行する(ステップS403)。
ブランドサーバ60は、正しく引き落とし処理が行われると、引き落とし処理が正しく終了したことを表す決済完了通知を、決済受入情報に含まれる決済識別情報とともに決済情報収集サーバ40に送信する(ステップS404)。さらにブランドサーバ60は、決済受入情報に含まれるユーザ識別情報に基づいて、ユーザ識別情報に対応するユーザ端末10を送信先として決済完了通知を決済識別情報とともに送信する(ステップS405)。
【0054】
決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済管理部402は、ブランドサーバ60から決済完了通知と決済識別情報とを受信すると、記憶部406を参照し、受信した決済識別情報に対応する決済受入情報を特定し、特定された決済受入情報に含まれる決済端末識別情報を特定し、その決済端末識別情報に対応する店舗側決済端末20に対し、決済完了通知と決済識別情報を送信する(ステップS302)。さらに、決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済管理部402は、特定された決済受入情報に決済完了を示す情報を対応づけて記憶部406に記憶する(ステップS303)。
そして、決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済状況収集部403は、所定の送信タイミングが到来すると、記憶部406に記憶された決済受入情報と決済方法が機械読取コードであることを表す決済方法情報と決済完了を示す情報を含む売上情報を売上管理サーバ50に送信する(ステップS304)。売上管理サーバ50は、通信部51によって売上情報等を受信すると、受信した売上情報を売上情報記憶部52に記憶する(ステップS501)。
この売上管理サーバ50には、例えば、
図8に示すように、ユーザ識別情報、金額、ブランド識別情報、決済端末識別情報、日時、商品情報、決済方法等が対応づけて記憶される。
日時の情報は、決済情報収集サーバ40が決済完了通知を受信した時刻であってもよく、決済情報収集サーバ40が売上情報に含めて売上管理サーバ50に送信してもよい。
また、商品情報は、例えば、ユーザ端末10が、ステップS101において金額入力の過程において、入力部103を介してユーザに金額を入力してもらう段階において、商品陳列棚等の商品コードを読み取った際に商品コードに含まれる商品情報を取得し、この商品情報を用いるようにしてもよいし、Web上において購入対象の商品を選択入力された際にWeb上のデータから得られる商品情報を用いるようにしてもよい。そして、ユーザ端末10は、ステップS103において、得られた商品情報を含めた機械読取コードを生成するようにしてもよい。そして、決済受入情報に商品情報を含めるようにすることで、売上管理サーバ50に売上情報として記憶することができる。
決済方法は、非接触通信を用いた電子マネーによる決済(例えばNFC(Near Field Communication))、機械読取コードを用いた決済等、のいずれかの決済方法を表す情報が含まれる。これらの情報は、機械読取コードを用いた決済では、決済情報収集サーバ40が決済結果(売上情報)に含めて送信することができ、非接触通信を用いた電子マネーによる決済では、店舗側決済端末20が決済結果(売上情報)に含めて送信することができる。
【0055】
店舗側決済端末20は、決済情報収集サーバ40から決済完了通知と決済識別情報とを受信すると、生成した決済受入情報に決済完了を表す情報を対応づけて記憶部206に記憶し、出力部204によって決済完了通知に基づく決済完了を示す情報を表示する。例えば、出力部204の表示画面に、「決済が完了しました」等のメッセージを表示するとともに、LED(発光ダイオード)等の発光素子を所定回数だけ点滅させる。これにより、店舗の店員は、決済が完了したことを確認した上で、商品等をユーザに引き渡す(ステップS205)。
【0056】
一方、ユーザ端末10の制御部105は、ブランドサーバ60から決済完了通知を受信すると、読取された機械読取コードに対応する決済が完了したことを表示部102の画面上に表示する(ステップS105)。
【0057】
ブランドサーバ60は、決済完了通知を決済情報収集サーバ40とユーザ端末10に送信すると、決済した金額を店舗側決済端末20の店舗の口座への支払処理を行なう(ステップS404)。
【0058】
図9は、第2決済処理に基づく決済処理を行う場合における決済システム1の動作を説明するシーケンス図である。
店舗側決済端末20は、決済する金額と決済方法とブランドの選択入力を受け付ける(ステップS251、S252)。例えば、店舗側決済端末20の出力部204の表示画面には、決済金額の入力欄と、機械読取コードを利用する決済と電子マネーを利用する決済とのいずれの決済方法を指定するかの選択肢と、利用可能なブランドを指定する選択肢とが表示される。ユーザは、その表示画面を参照し、決済する金額を入力するとともに、決済方法、ブランドを選択し、選択内容を入力する。金額は、購入対象物を基に算出された金額を店員が入力してもよいし、あるいはPOS(Point of sale system)から出力される金額情報を取り込むようにしてもよい。また、決済方法、ブランドは、店員がユーザから聞き取り、店員が入力してもよい。
【0059】
店舗側決済端末20の制御部205は、金額と決済方法とブランドが入力されると、決済用機械読取コードの生成依頼と、金額、決済方法、入力されたブランドのブランド識別情報、自店舗側決済端末20の決済端末識別情報とを、決済情報収集サーバ40に送信する(ステップS253)。
決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済管理部402は、決済用機械読取コードの生成依頼と、金額、決済方法、ブランド識別情報、決済端末識別情報を受信すると、これらを対応づけて記憶部406に記憶し、ブランド識別情報に対応するブランドサーバ60に送信する(ステップS351)。
ブランドサーバ60は、これらの情報を受信すると、決済端末識別と決済識別情報とブランド識別情報を用いて機械読取コードを生成するための機械読取コード生成用データを生成し(ステップS451)、決済情報収集サーバ40に送信する(ステップS452)。
決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済管理部402は、機械読取コード生成用データを受信すると、依頼元の店舗側決済端末20に機械読取コード生成用データを送信する(ステップS352)。
店舗側決済端末20は、機械読取コード生成用データを受信すると、機械読取コードを出力部204の画面上に表示する(ステップS254)。ここでは、表示画面上に、「支払を行なう端末装置で二次元コードを読み取って下さい」とのメッセージを表示するようにしてもよい。
【0060】
ユーザは、店舗側決済端末20の画面に表示されたメッセージを確認すると、自身が携帯するユーザ端末10の決済機能を起動することで、ユーザ端末10に設けられたカメラ機能を起動し(ステップS151)、店舗側決済端末20に表示された機械読取コードを撮像する(ステップS152)。
ユーザ端末10は、機械読取コードを読み取ると、読み取った機械読取コードと、ユーザ識別情報を含む決済受入情報を生成し、生成した決済受入情報を、機械読取コードに含まれるブランド識別情報に対応するブランドサーバ60に送信する(ステップS153)。ここでは、機械読取コードをそのまま送信してもよいし、機械読取コードを解析し、ブランド識別情報、金額、決済端末識別情報、決済識別情報を抽出して送信するようにしてもよい。
【0061】
ブランドサーバ60は、ユーザ端末10から決済受入情報を受信すると、決済受入情報に含まれる機械読取コードを解析することで、ブランド識別情報、商品識別情報、金額、決済端末識別情報、決済識別情報を抽出し、ユーザ識別情報に対応するユーザのチャージ口座から、決済する金額に基づくチャージポイントを減算することで、引き落とし処理を行うことで決済を行なう(ステップS452)。
ブランドサーバ60は、正しく引き落とし処理が行われると、引き落とし処理が正しく終了したことを表す決済完了を含む決済完了通知を、決済受入情報に含まれる決済識別情報とともに決済情報収集サーバ40に送信する(ステップS453)。さらに、ブランドサーバ60は、決済受入情報に含まれるユーザ識別情報に基づいて、ユーザ識別情報に対応するユーザ端末10を送信先として決済完了通知を決済識別情報とともに送信する(ステップS454)。
【0062】
決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済管理部402は、ブランドサーバ60から決済完了通知と決済識別情報とを受信すると、記憶部406を参照し、受信した決済識別情報に対応する決済受入情報を特定し、特定された決済受入情報に含まれる決済端末識別情報を特定し、その決済端末識別情報に対応する店舗側決済端末20に対し、決済完了通知と決済識別情報を送信する(ステップS353)。さらに、決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済管理部402は、特定された決済受入情報に決済完了を示す情報を対応づけて記憶部406に記憶する(ステップS354)。
【0063】
店舗側決済端末20の制御部205は、決済情報収集サーバ40から決済完了通知と決済識別情報とを受信すると、ステップS253において決済情報収集サーバ40に送信していた、金額、決済方法、ブランド識別情報、決済端末識別情報に対応づけて、決済完了通知と決済識別情報を記憶部206に記憶し、出力部204によって決済完了通知に基づく決済完了を示す情報を表示する。例えば、出力部204の表示画面に、「決済が完了しました」等のメッセージを表示するとともに、LED(発光ダイオード)等の発光素子を所定回数だけ点滅させる。これにより、店舗の店員は、決済が完了したことを確認した上で、商品等をユーザに引き渡す(ステップS255)。
【0064】
一方、ユーザ端末10は、ブランドサーバ60から決済完了通知を受信すると、撮像部101によって撮影された機械読取コードに対応する決済が完了したことを画面上に表示する(ステップS155)。これによりユーザは、自分が行なった決済処理手続に対する決済が完了したことを確認することができる。
【0065】
そして、決済情報収集サーバ40の機械読取コード決済状況収集部403は、所定の送信タイミングが到来すると、記憶部406に記憶された決済受入情報と決済方法が機械読取コードであることを表す決済方法情報と決済完了を示す情報を含む売上情報を売上管理サーバ50に送信する(ステップS355)。売上管理サーバ50は、売上情報を受信すると、売上情報を売上情報記憶部52に記憶する(ステップS551)。
【0066】
ブランドサーバ60は、決済完了通知を決済情報収集サーバ40とユーザ端末10に送信した後、決済した金額を店舗側決済端末20の店舗の口座への支払処理を行なう(ステップS453)。
【0067】
以上説明した実施形態によれば、第1決済処理と第2決済処理のように異なる決済経路にて決済が行われた場合であっても、決済の履歴を決済情報収集サーバ40において集約され、定期的に売上管理サーバ50に記憶される。特に、機械読取コードを用いた決済処理を行うにあたり、売上管理を行う対象の項目に該当する情報(例えば、決済金額、ユーザ識別情報、ブランド識別情報等のうちいずれかの情報)が店舗側決済端末20に通知されない状態で決済処理が行われた場合であっても、決済情報収集サーバ40がこれらの情報を収集するようにした。これにより、店舗の管理者は、決済する経路が異なる場合であっても、決済情報収集サーバ40が収集した情報を利用することで、決済の履歴を一括で集約することができ、売上情報として把握することができる。これにより、売上管理が簡便になる。
【0068】
なお、上述した実施形態において、決済情報収集サーバ40は、ブランドサーバ60に対してネットワーク30を介して通信を行う場合について説明した。複数のブランドサーバ60のうち少なくとも1つのブランドサーバ60については、仲介サーバを介して他の機器と通信を行う場合もある。このような場合、決済情報収集サーバ40は、決済受入情報を送信する対象のブランドサーバ60に接続された仲介サーバに送信することで、ブランドサーバ60に決済受入情報を送信する。そして、決済情報収集サーバ40は、決済受入情報に応じて決済処理された結果である決済結果を仲介サーバを介してブランドサーバ60から受信する。これにより、決済情報収集サーバ40は、仲介サーバを介して通信を行うブランドサーバ60に対しても、仲介サーバを介することで通信を行い、決済結果を収集することができる。
【0069】
また、上述の実施形態においては、異なる決済経路として第1決済処理と第2決済処理について説明したが、ICカード15を対象として店舗側決済端末20の非接触式読取部207を用いて行われる第3決済処理についても、決済情報収集サーバ40が決済に関する情報を収集し、売上管理サーバ50に記憶するようにしてもよい。これにより、機械読取コードを用いた複数種類の決済方式の他に、他の決済方式についても対応可能な決済システムを構築したとしても、売上情報を一括して簡単に管理することができる。
【0070】
図10は、ICカード15と店舗側決済端末20との間において非接触通信を用いて決済処理を行う場合における決済システム1の動作を説明するシーケンス図である。
店舗側決済端末20は、決済する金額と決済方法とブランドの選択入力を受け付ける(ステップS261、S262)。ここでは、金額入力方法やブランド選択方法は、
図9のステップS251、S252と同様に行うことができる。決済方法は、非接触通信を用いた決済が選択入力される。
店舗側決済端末20の制御部205は、金額と決済方法とブランドが入力されると、ICカードを店舗側決済端末20に近づけるようメッセージを出力部204の表示画面に表示する(ステップS263)。
ユーザは、このメッセージを見て、非接触式読取部207に対してICカード15を読み取り操作する(ステップS161)。すなわち、ユーザは、自身が有するICカード15を店舗側決済端末20の非接触式読取部207と通信可能な範囲に近接させる。
店舗側決済端末20の非接触式読取部207は、近づけられたICカード15から媒体IDを読み取り(ステップS264)、金額と決済方法とブランドを示すブランド識別情報と媒体IDと自店舗側決済端末20の決済端末識別情報と決済識別情報を決済受入情報として決済情報収集サーバ40へ送信することで、引き落とし要求をする(ステップS265)。
決済情報収集サーバ40の非接触通信電子マネー決済部404は、決済受入情報を受信すると、受信した決済受入情報を記憶部406に記憶するとともに決済受入情報に含まれるブランド識別情報に対応するブランドのブランドサーバ60に、この決済受入情報を送信する(ステップS361)。
【0071】
ブランドサーバ60は、決済情報収集サーバ40から決済受入情報を受信すると、決済受入情報に含まれる媒体ID(ユーザ識別情報)と金額に基づいて、決済を行う。例えば、決済受入情報を受信したブランドサーバ60がプリペイド方式で決済をするブランドである場合には、決済受入情報に含まれるユーザ識別情報に対応するチャージ口座を特定し、決済受入情報に含まれる金額に対応するチャージポイントをそのチャージ口座から引き落とす処理である引き落とし処理を実行する(ステップS461)。
ブランドサーバ60は、正しく引き落とし処理が行われると、引き落とし処理が正しく終了したことを表す決済完了通知を、決済受入情報に含まれる決済識別情報とともに決済情報収集サーバ40に送信する(ステップS462)。
決済情報収集サーバ40の非接触通信電子マネー決済部404は、ブランドサーバ60から決済完了通知と決済識別情報とを受信すると、記憶部406を参照し、受信した決済識別情報に対応する決済受入情報を特定し、特定された決済受入情報に含まれる決済端末識別情報を特定し、その決済端末識別情報に対応する店舗側決済端末20に対し、決済完了通知と決済識別情報を送信する(ステップS362)。ここでは、ブランドサーバ60が決済完了通知とともに決済端末識別情報を送信する機能を有する場合には、決済情報収集サーバ40の非接触通信電子マネー決済部404は、この受信した決済端末識別情報に対応する店舗側決済端末20に対して決済完了通知と決済識別情報を送信してもよい。
【0072】
決済情報収集サーバ40の非接触通信電子マネー決済部404は、特定された決済受入情報に決済完了を示す情報を対応づけて記憶部406に記憶する(ステップS363)。
【0073】
そして、決済情報収集サーバ40の非接触通信電子マネー決済部404は、決済受入情報と決済方法が非接触通信を用いた電子マネー決済(NFC)であることを表す決済方法情報と決済完了を表す情報とを含む決済結果を、通信部401によって売上管理サーバ50に送信する(ステップS364)。ここでは、この決済結果は、売上情報として送信することができる。
【0074】
売上管理サーバ50は、通信部51によって売上情報を受信すると、売上情報を売上情報記憶部52に記憶する(ステップS561)。これにより、非接触通信を用いた決済については、決済情報収集サーバ40に履歴として記憶される。
【0075】
一方、店舗側決済端末20は、決済情報収集サーバ40から決済完了通知と決済識別情報とを受信すると、生成した決済受入情報に決済完了を表す情報を対応づけて記憶部206に記憶し(ステップS267)、出力部204によって決済完了通知に基づく決済完了を示す情報を表示する(ステップS268)。例えば、出力部204の表示画面に、「決済が完了しました」等のメッセージを表示するとともに、LED(発光ダイオード)等の発光素子を所定回数だけ点滅させる。店舗の店員は、決済が完了したことを確認した上で、商品等をユーザに引き渡す(ステップS270)。
ブランドサーバ60は、決済完了通知を決済情報収集サーバ40に送信すると、決済した金額を店舗側決済端末20の店舗の口座へ支払うための支払い処理を行なう(ステップS462)。
【0076】
以上説明したように、非接触通信を用いた決済処理については、ICカード15と非接触通信を行った店舗側決済端末20と決済情報収集サーバ40との間で決済処理を行い、決済情報収集サーバ40とブランドサーバ60との間で決済処理を行うようにした。
一方で、機械読取コードを用いた決済処理については、機械読取コードを用いた決済処理を行った店舗側決済端末20と決済情報収集サーバ40との間で通信を行い、決済情報収集サーバ40がブランドサーバ60との間で通信を行うことで、決済情報収集サーバ40は、機械読取コードを用いた決済処理の決済結果を得ることができる。
ここで、機械読取コードを用いた決済処理には、決済する金額を表す情報が決済情報収集サーバ40や店舗側決済端末20を経由せずに決済が完了する決済経路がある。例えば、機械読取コードを用いた決済のうち、上述した
図5における第2決済処理の場合の変形例を検討すると、店舗側決済端末20の表示画面に機械読取コードを表示し、ユーザ端末10によって機械読取コードを撮像し、ユーザ端末10において決済金額を入力し、ブランドサーバ60へ決済受入情報を送信する場合もある。このような場合には、決済処理を進める段階においては金額に関する情報が、店舗側決済端末20を経由しない。このような場合であっても、決済情報収集サーバ40は、ブランドサーバ60から機械読取コードを用いた決済処理の決済結果を取得するようにしたので、決済結果を収集することができる。
このように、決済方法によって決済経路が異なっていたとしても、決済情報収集サーバ40が決済情報を収集するようにしたので、非接触通信を用いた決済処理と機械読取コードを用いた決済処理の両方について、決済情報を得て売上管理サーバ50に送信することができ、売上情報を統括して管理することが可能となる。
なお、ここでは、ブランドが複数あったとしても、各ブランドのブランドサーバ60から決済結果を得ることができるため、売上情報を簡単に統括することができる。
このように、決済方法が異なる場合には決済経路も異なるが、そのような場合であっても、本実施形態によれば、決済情報収集サーバ40を活用することで、いずれの決済経路が利用されたとしても、売上管理サーバ50に売上情報を集約することができる。
【0077】
また、売上管理サーバ50において売上情報が集約された後、この売上情報に含まれる店舗識別情報を利用し、店舗識別情報毎に売上情報を集計することで、非接触通信を用いた決済処理、機械読取コードを用いた決済処理のそれぞれの決済処理毎に集計して売上を管理することができる。
1つの店舗に複数の店舗側決済端末20が設置されている場合においては、その店舗に設置された複数の店舗側決済端末20のそれぞれの店舗識別情報を元に、店舗側決済端末20毎に売上情報を集計することも可能である。
【0078】
なお、売上情報には、決済日時を用いるようにしてもよい。例えば、店舗側決済端末20が決済処理を行う際に、その時点における日時情報を決済結果等に付加するようにしてもよい。これにより、売上日に基づく集計を行うことができる。
【0079】
上述した実施形態における店舗側決済端末20または決済情報収集サーバ40をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0080】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0081】
10…ユーザ端末、15…ICカード、20…店舗側決済端末、30…ネットワーク、40…決済情報収集サーバ、50…売上管理サーバ、51…通信部、52…売上情報記憶部、60,60a,60b,60c…ブランドサーバ、80a…プリペイド口座サーバ,80b…クレジット口座サーバ,80c…銀行口座サーバ、90…店舗側管理端末、101,202…撮像部、102…表示部、103,203…入力部、105,205,405…制御部、106,201,401…通信部、204…出力部、206,406…記憶部、207…非接触式読取部、402…機械読取コード決済管理部、403…機械読取コード決済状況収集部、404…非接触通信電子マネー決済部