(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】非常灯の電子制御を備えるモータサイクル
(51)【国際特許分類】
B62J 27/00 20200101AFI20220705BHJP
B62J 6/26 20200101ALI20220705BHJP
B62J 6/01 20200101ALI20220705BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20220705BHJP
【FI】
B62J27/00
B62J6/26
B62J6/01
B62J45/00
(21)【出願番号】P 2019503307
(86)(22)【出願日】2017-07-19
(86)【国際出願番号】 IB2017054372
(87)【国際公開番号】W WO2018025109
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】102016000082345
(32)【優先日】2016-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512185877
【氏名又は名称】ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Viale Rinaldo Piaggio, 25, I-56025 Pontedera, PI,Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・ドナート・サントゥッチ
(72)【発明者】
【氏名】オノリーノ・ディ・タンナ
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-107949(JP,A)
【文献】特開2014-213660(JP,A)
【文献】米国特許第6263282(US,B1)
【文献】特開2009-12554(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0033644(KR,A)
【文献】再公表特許第2012/132830(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 27/00, 6/00-6/26,45/00,99/00,
B60Q 1/52, 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータサイクル(1)であって、
前部(2)、尾部(4)、および前記前部(2)と前記尾部(4)との間に構成された中央部(3)を備える
モータサイクル本体(2、3、4)と、
前輪(5)および後輪(6)を備える、前記
モータサイクル本体(2、3、4)に拘束された少なくとも二つの車輪(5、6)と、
前記
モータサイクル本体(2、3、4)に拘束され、前記車輪(5、6)の少なくとも一つに動作可能なように接続された駆動エンジン(7)と、
前記
モータサイクル本体(2、3、4)に固定され、前記
モータサイクル(1)の後ろに続く車両によって見ることができるように配置され、向けられた少なくとも一つの光学非常信号装置(64)と、
前記光学非常信号装置(64)に動作可能なように接続された前記光学非常信号装置(64)の電子制御ユニット(100)と、を備え、
前記
モータサイクル(1)は、路面に対する前記
モータサイクル(1)の前記車輪(5、6)の少なくとも一つのタイヤのグリップの喪失および/またはグリップの喪失のおそれを検出するように調整された検出システム(101、102)を備え、前記検出システムは、前記電子制御ユニット(100)に接続され、または少なくとも部分的に一体化され、
前記電子制御ユニット(100)は、前記検出システム(101、102)が前記グリップの喪失および/または前記グリップの喪失のおそれを検出した場合、前記光学非常信号装置(64)を作動させるように調整され、構成されている、ことを特徴とし、
前記検出システム(101、102)は、ABS制動システム(101)を含み、
前記検出システム(101、102)は、トラクション制御システムTCS(102)を含み、
前記電子制御ユニット(100)は、前記
モータサイクル(1)のECU(エンジン制御ユニット)であり、前記
モータサイクル(1)の前記駆動エンジン(7)並びに前記ABS制動システム(101)及び前記トラクション制御システムTCS(102)を制御するように構成される、
モータサイクル(1)。
【請求項2】
前記電子制御ユニット(100)は、断続的に前記光学非常信号装置(64)を作動させるようなものである、請求項1に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項3】
前記光学非常信号装置(64)の前記断続的な点灯は、消灯持続時間と異なる点灯持続時間を備えるデューティサイクルを有する、請求項2に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項4】
前記点灯持続時間は、前記消灯持続時間の倍または半分である、請求項3に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項5】
前記電子制御ユニット(100)は、前記
モータサイクル(1)の速度を第1の閾値速度と比較し、前記
モータサイクル(1)の前記速度が前記第1の閾値速度より高い場合のみ、前記光学非常信号装置(64)を作動させるように調整され、構成される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項6】
前記第1の閾値速度は、5km/h以上である、請求項5に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項7】
前記
モータサイクル(1)は、二つの後部方向指示器(64)を備え、前記光学非常信号装置は、前記後部方向指示器(64)を備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項8】
前記光学非常信号装置(64)の作動後、前記電子制御ユニット(100)は、少なくとも一つの論理的停止条件が満たされたと検出した場合、前記光学非常信号装置(64)を自動的に止めるように調整され、構成される、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項9】
前記少なくとも一つの論理的停止条件は、前記路面に対する前記タイヤの前記グリップの喪失および/または前記グリップの喪失のおそれの中断条件を示す論理的に体系化された条件である、請求項8に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項10】
前記少なくとも一つの論理的停止条件は、前記グリップの喪失および/または前記グリップの喪失のおそれの中断からある時間間隔の経過後、満たされる、請求項8又は請求項9に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項11】
前記時間間隔は、3秒以上である、請求項10に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項12】
前記
モータサイクルは、二輪スクータである、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の
モータサイクル(1)。
【請求項13】
前記
モータサイクル(1)は、操舵し傾斜する車輪である二つの前輪を有する三輪自動車である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の
モータサイクル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、自動車の技術分野に関し、特に非常灯の電子制御を備えるモータサイクルに関する。
【背景技術】
【0002】
モータサイクルの安全な使用を可能とする灯火システムは、長い間、モータサイクルに取り付けられてきた。モータサイクルは、前照灯、尾灯、方向指示器、少なくとも一つの制動灯などを実際に設けられている。前照灯は、モータサイクルの正面にある地面の領域を明るくすること、およびモータサイクルがモータサイクルの正面にいる人々を視認することを可能にする。尾灯は、モータサイクルの後方の車両にモータサイクルを視認させる。制動灯は、後方の車両とモータサイクルとの衝突を防ぐために、またはできる限りそのような衝突の危険性を減らすために、前述の車両に制動中であることを知らせるために使用される。特に、モータサイクルの制動灯は、運転手がモータサイクルのブレーキレバーおよび/またはブレーキペダルを作動させるとき自動的に作動される。モータサイクルはまた、運転手によって手動で作動され得る非常灯を設けられる。通常、そのような非常灯は、同じ後部方向指示器および同じ前部方向指示器からなり、当該方向指示器は信号スイッチを手動で作動することによって同時に、断続的に且つ同期された方法で作動される。
【発明の概要】
【0003】
モータサイクルは、様々な理由で、例えば四輪自動車のようなその他の車両よりも、後方の車両による衝突のおそれにさらされている。例えば、制動システムおよび制動灯は、運転手によって遅れて作動される可能性があり、またはたとえそのような灯火をタイミングよく作動したとしても制動の強さに関する情報を提供しない。さらに、そのような場合、後方の車両がモータサイクルをはねることを防ぐために、より効果的に後方の車両にモータサイクルの存在を知らせる必要がある。
【0004】
本明細書の大まかな目的は、先行技術の問題を克服する、または少なくとも部分的に減らすことを可能とする非常灯の電子制御を有するモータサイクルを利用できるようにすることである。
【0005】
本目的およびその他の目的は、最も一般的な形態で請求項1にて定められるような、およびいくつかの特定の実施形態で従属請求項にて定められるようなモータサイクルを用いて得られる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は、例としてなされ、その結果として決して添付図面に限定するものではない、下記の実施形態の詳細な説明によってより理解される。
【0007】
【
図1】
図1は、
モータサイクルの非限定的な実施形態の側面図を示す。
【
図3】
図3は、
図1での
モータサイクルの電子制御システムの例として与えられている実施形態の機能ブロック図を示す。
【0008】
添付図面での類似または同等の要素は、同じ符号を用いて示されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
モータサイクル1の実施形態が添付図面に示されており、特定の実施例では、この記載によって何ら限定するものではないが、前輪5および後輪6を有する二輪自動車1、および特に二輪スクータ、からなる。
【0010】
以下、本明細書にて、一般的なモータサイクル1を参照するが、以下の記載は、
モータサイクル本体2、3、4と、
モータサイクル本体2、3、4に拘束された少なくとも二つの車輪5、6と、
モータサイクル本体2、3、4に拘束され、且つ車輪5、6の少なくとも一つに動作可能なように接続された、例えば熱または電気またはハイブリッドの、駆動エンジン7と、
を備えるカテゴリLのモータサイクル1の任意の種類に一般に適用できることを意味する。
【0011】
例えば、前述のモータサイクル1は、例えばスクータ若しくはモータバイクのような二輪自動車、少なくとも二つの前輪がかじを取り、傾ける三輪自動車、または2対の傾斜可能な車輪を備え、その少なくとも二つがかじを取る四輪自動車である。
【0012】
モータサイクル本体2、3、4は、長手方向軸L-Lに沿って広がり、長手方向軸L-Lは、モータサイクル1の走行軸に並行である。モータサイクル本体2、3、4は、前部2、尾部4、および前部2と尾部4との間に構成された中央部3を有する。
【0013】
中央部3は、モータサイクル1の部分であり、モータサイクル1の通常の使用および運転状態でモータサイクル1にまたがるように、および/またはモータサイクル1上に座るように配置された、モータサイクル1の部分の上に運転手の体がある。実施例では、中央部3は、台35、下側サドル支持36、サドルの前方部37を備える。実施例では、前部2は、フロントシールド21、ステアリングハンドルバー22、制御ダッシュボード70、前輪5、前輪の制動装置51、二つの制動レバー10、前部泥よけ23、二つの前部方向指示器62、前照灯12を備える。
【0014】
実施例では、後部4は、サドルの後方部47、荷物棚45、一つまたは二つの後方サスペンション41、後輪6、後輪の制動装置61、駆動エンジン7、二つの後部方向指示器64、後部泥よけ43、制動灯15を備える。
【0015】
制動灯15は、例えば、尾灯14のランプとは異なる、LEDまたは白熱灯を備える。代替的な実施形態において、制動灯15は、尾灯14のランプと一体化され、尾灯14は、例えば、制動灯として機能することを意図されている専用のフィラメントを備える。
【0016】
制動灯15および尾灯14は、例えば、後方ライトクラスタと称される、モータサイクル本体2、3、4の尾部4に固定された同一のライトクラスタに一体化される。
【0017】
前照灯12は、前部2に固定され、尾灯14は、尾部4に固定され、前照灯12について反対方向に向けられる。ステアリングハンドルバー22が回転されていない状況では、すなわち、前輪5と後輪6が長手方向軸L-Lに沿って整列されている状態では、前照灯12は、長手方向軸L-Lに沿って主に中央に合わされて、且つモータサイクル1に関して正面に配置されている地面の一部へ向けられて、光ビームを放つようなものである。尾灯14は、無指向性の光学的放射を放つようなものであり、モータサイクル1の後ろに続く車両に起こりうる幻惑を避けるために、一般的に尾灯自体の高さに集中される。
【0018】
モータサイクル1は、モータサイクルの本体2、3、4に固定され、モータサイクル1の後方に続く車両、すなわち、モータサイクル1の後方、によって見ることができるように配置され、向けられた少なくとも一つの光学非常信号装置64、および光学非常信号装置64に動作可能なように接続された、光学非常信号装置54の電子制御ユニット100を備える。非限定的な実施形態によると、前述の光学非常信号装置64は、二つの後部方向指示器64を備える。非限定的な実施形態によると、前述の光学非常信号装置は、二つの後部方向指示器64に関する付加的な装置であり得る。そのような光学非常信号装置64は、一つ以上の光源を備えてもよい。非限定的な実施形態によると、前述の光学非常信号装置は、二つの後部方向指示器64と二つの前部方向指示器62の両方を備える。この場合、車両の正面の任意の歩行者および/または車両は、潜在的な非常事態を知らされ得る。非限定的な実施形態によると、前述の光学非常信号装置は、二つの後部方向指示器64と制動灯15の両方を備える。
【0019】
モータサイクル1は、電子制御ユニット100に接続された、または少なくとも部分的に一体化された、モータサイクル1の二つの車輪5、6の少なくとも一つのグリップの喪失および/またはグリップの喪失のおそれを検出するように調整された検出システム101、102を備える。電子制御ユニット100は、検出システム101、102が、モータサイクル1の二つの車輪5、6の少なくとも一つのグリップの喪失および/またはグリップの喪失のおそれを検出した場合、光学非常信号装置64、すなわち、本明細書に記載されている非限定的な例では、後部方向指示器64および任意選択的に前部方向指示器62、を作動させるように調整され、構成される。これは、モータサイクル1との衝突のおそれをモータサイクル1の後ろに続く車両、すなわち、後方の車両、に示すために存在する。信号はまた、一台より多くの車両が後方にいる場合、後方の複数の車両によって検出され得るため、語句「車両への信号」は、「単一の車両への信号」という意味の限定として解釈されてはならない。実施形態によると、前述の光学非常信号装置64は、モータサイクル1の加速または減速からは独立して作動される。
【0020】
実施形態によると、検出システム101、102は、アンチブロックシステム、ABS101を備える。知られているように、ABS制動システム101は、例えば、モータサイクル1のそれぞれの車輪5、6に関連付けられた(例えば、フォニックホイールのような)少なくとも一つの速度センサによって提供される電気信号に基づいて、車輪の、より厳密に言えば路面に関する車輪のタイヤのグリップの喪失によって引き起こされる、制動中にモータサイクル1の車輪5、6のブロックを検出すると能動的に介入する。代替的にまたは付加的に、検出システム101、102は、トラクションコントロールシステム、TCS102を備える。知られているように、トラクションコントロールシステム、TCSは、アンチスピンシステムとも呼ばれ、加速中に車両の駆動輪の滑りを防ぎ、何よりもモータサイクルのために、アンチウィリーシステムとして同様に使用され得る、能動的な電子的に制御されたシステムである。
【0021】
ABSシステムおよびTCSシステムは現在、当業者によく知られた制御システムであり、この理由のためそのようなシステムは、より詳細な説明を必要とされないと考える。そのような制御システムは一般的に、例えば駆動エンジンおよび/または制動システムに作用する、補正動作を実行するためにセンサによって提供されたデータを取得し、処理するように調整された一つ以上のセンサ、並びに処理および制御ユニットを設けられる。
図3の実施例では、そのようなシステム101、102は、電子制御ユニット100の外部のシステムとして示されているが、当該システムはまた、電子制御ユニットの外側への取り付けを必要とする想定されるセンサを除いて、部分的に電子制御ユニット内に一体化され得る。
【0022】
好ましいが限定するものではない実施形態によると、電子制御ユニット100は、
モータサイクル1のECU(エンジンコントロールユニット)であり、
モータサイクル1の駆動エンジン7を同様に制御するようなものである。
図3の実施例では、電子制御ユニット100はまた、例えば、前照灯12および尾灯14、前部方向指示器62、ABS制動システム101および/またはTCSトラクション制御システム102のような、
モータサイクル1のその他の装置および/またはシステムを制御するようなものである。
【0023】
好適な実施形態によると、電子制御ユニット100は、断続的に点灯する光学非常信号装置64を作動させるようなものである。
【0024】
好適な実施形態によると、光学非常信号装置64の前述の断続的な点灯は、消灯時間と異なる点灯時間を備えるデューティサイクルを有する。好ましくは、点灯時間は、消灯時間の倍または半分のいずれかである。例えば、点灯時間は、1秒と同等であり、消灯時間は0.5秒と同等である。
【0025】
例えば、電子制御ユニット100はまた、光学非常信号装置15、64も同様に、モータサイクル1のバッテリ110から電力を供給される。
【0026】
好適な実施形態によると、電子制御ユニット100は、
モータサイクル1の速度を第1の閾値速度と比較し、
モータサイクル1の速度が第1の閾値速度より高い場合のみ、光学非常信号装置64を作動させるように調整され、構成される。このために、例えば、
図3に関して、電子制御ユニット100は、例えば、
モータサイクル1への搭載を想定された、または作動可能に接続された速度センサ103から、
モータサイクル1の速度と相関がある情報を伝える電気信号を受けるようなものである。非限定的な実施形態によると、第1の閾値速度は、5km/h以上である。しかしながら、第1の閾値速度は、0km/hであってもよく、すなわち、光学非常信号装置64は、
モータサイクル1が動かないとき作動されることを意味する。
【0027】
さらなる実施形態によると、光学非常信号装置64の作動後、電子制御ユニット100は、少なくとも一つの論理的停止条件が満たされたと検出した場合、光学非常信号装置64を自動的に停止するように調整され、構成される。例えば、そのような論理的条件は、グリップの喪失および/またはグリップの喪失のおそれの中断条件を示す論理的に体系化された条件である。例えば、そのような論理的条件は、検出システム101、102によって、例えば、ABS制動システム101によって、および/またはTCSシステム102によって、提供される信号を用いて検出される。
【0028】
例えば、前述の論理的停止条件は、ある時間間隔がグリップの喪失および/またはグリップの喪失のおそれの中断から経過した場合、満たされる。例えば、そのような時間間隔は、3秒以上である。
【0029】
さらなる実施形態の変形にて、上述された光学非常信号装置64の作動に加えて、電子制御ユニット100はまた、例えば二つの前部方向指示器62および/または制動灯15のような、その他の信号装置を、上述されているように、例えば断続的に、作動させる。さらに、付加的な(聴覚的、視覚的または触覚的な)信号装置75、76は、例えば、ABS制動システムの作動を知らせることを想定される、ダッシュボード70上に図式的な警告表示灯または警告灯75、および/またはTCS102の作動を知らせることを想定される、制御ダッシュボード70上の専用の図式的な表示灯または警告灯76のような、モータサイクル1の運転手にグリップの喪失を知らせるものを想定され得る。
【0030】
上記説明に基づいて、どのようにして上述された類いのモータサイクル1が先行技術に関する上記された目的を達成することを可能にするかを理解することがこのように可能である。実際、光学非常信号装置の自動的な作動によって、グリップの喪失が生じた場合、モータサイクル1の運転の安全性を、大いに向上させることが可能である。
【0031】
本発明の原理にもかかわらず、実施形態および詳細は、添付の特許請求の範囲で定められるような本発明の保護の範囲から逸脱することなく、単なる非限定的な例として本明細書に記載され、示されたものに関して大きく変化され得る。