(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】有孔被覆シートを備えた石膏ボードおよびそれを製造するためのシステムならびに方法
(51)【国際特許分類】
B28B 1/30 20060101AFI20220705BHJP
B28B 5/02 20060101ALI20220705BHJP
E04C 2/04 20060101ALI20220705BHJP
B26F 1/08 20060101ALI20220705BHJP
B26F 1/24 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
B28B1/30 101
B28B5/02
E04C2/04 E
B26F1/08 A
B26F1/24
(21)【出願番号】P 2019512762
(86)(22)【出願日】2017-09-08
(86)【国際出願番号】 US2017050587
(87)【国際公開番号】W WO2018049093
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-01
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596172325
【氏名又は名称】ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】デール・エム・シューバート
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・イー・シェンク
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・グレゴリー・ローランド
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・マシュー・ウィリー
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0141304(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104453150(CN,A)
【文献】特表2005-537149(JP,A)
【文献】特開平08-258021(JP,A)
【文献】特開平05-148001(JP,A)
【文献】特開平10-235628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 1/30
B28B 5/00 - 5/12
E04C 2/04
B26F 1/08
B26F 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏ボードを製造するためのシステムであって、前記石膏ボードが、石膏コアと、第1の被覆シートと、第2の被覆シートと、を有し、前記石膏コアが、前記第1の被覆シートと前記第2の被覆シートとの間に介在し、前記システムが、
成形ステーションであって、前記石膏ボードが所定の厚さ範囲内にあるように、前記石膏ボードを成形するように適合された、成形ステーションと、
コンベアであって、前記コンベアが、前記石膏ボードを
機械方向に沿って前記成形ステーションから離れて搬送するように適合されており、前記コンベアが、前記石膏ボードを、前記石膏ボードの前記第1の被覆シートが前記コンベア上に置かれるように支持するように構成されており、前記コンベアが、前記
機械方向および
機械横断方向に沿って延在し、前記
機械横断方向が、前記
機械方向に垂直である、コンベアと、
被覆シート穿孔器システムであって
、前記被覆シート穿孔器システムが、穿孔器ローラ、ローラ支持フレーム、および
駆動モータを含み、
前記穿孔器ローラが、前記
機械方向に沿って前記成形ステーションの下流側に配設されており、前記穿孔器ローラが、前記ローラ支持フレームに、前記穿孔器ローラが回転軸を中心として回転可能であるように回転可能に装着されており、
前記ローラ支持フレームが、前記穿孔器ローラを、前記回転軸が前記
機械横断方向に沿って延在するように支持し、前記ローラ支持フレームが、前記穿孔器ローラを前記コンベアによって搬送された前記石膏ボードの前記第2の被覆シートと接触する関係に置くように適合されており、
前記駆動モータが、前記回転軸を中心として前記穿孔器ローラを回転させるように前記穿孔器ローラとともに配置され、前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを回転させて、前記石膏ボードが前記穿孔器ローラを通過して移動するときに前記第2の被覆シート内に一連の穿孔穴を生成するように適合されて
おり、
前記ローラ支持フレームが、ローラブラケットを含み、前記穿孔器ローラが、前記回転軸を中心とした回転用に前記ローラブラケットに軸止され、前記ローラブラケットが、前記ローラブラケットが係合ポジションと収容ポジションとの間で進行範囲にわたって回転可能であるように枢動可能に移動可能であり、前記穿孔器ローラが、前記ローラブラケットが前記係合ポジションにあるときに前記コンベアによって搬送されている前記石膏ボードと接触する関係にあるようにポジショニングされ、前記穿孔器ローラが、前記ローラブラケットが前記収容ポジションにあるときに前記コンベアによって搬送されている前記石膏ボードと接触しない関係にあるようにポジショニングされる、
被覆シート穿孔器システムと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記穿孔器ローラが、外周を有し、前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを、前記穿孔器ローラの前記外周と前記第2の被覆シートとの間の接触点で前記石膏ボード
とともに一方向に回転させるように適合されている、請求項1に記載の製造するためのシステム。
【請求項3】
前記コンベアが、前記石膏ボードを前記
機械方向に沿ってライン速度で搬送するように適合されており、前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを、前記穿孔器ローラの前記外周が接線速度を有するように回転させるように適合されており、前記接線速度が、前記ライン速度に実質的に等しい、請求項2に記載の製造するためのシステム。
【請求項4】
前記穿孔器ローラが、シャフトと、前記
シャフトから突出する複数の穿孔ピンと、を含み、前記穿孔ピンが、前記穿孔器ローラの前記外周を画定する、請求項
2または3に記載の製造するためのシステム。
【請求項5】
前記ローラ支持フレームが、前記穿孔器ローラを前記コンベア
の上
方で、前記穿孔器ローラと前記コンベアとの間で測定されたオフセット距離が、前記石膏ボードの前記第2の被覆シートへの前記穿孔器ローラの貫通の深さを選択的に調節するために可変であるように調節可能に支持するように適合されており、前記オフセット距離が、前記
機械方向および前記
機械横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って測定される、請求項1または3に記載の製造するためのシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のシステムを使用して石膏ボードを製造する方法であって、
前記方法が、
前記石膏ボードを
機械方向に沿って成形ステーションから離れて穿孔器ローラへと搬送することであって、前記石膏ボードが、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在するコアを有し、前記コアが、水性石膏スラリーを含み、前記石膏ボードが、前記
機械方向および
機械横断方向に沿って延在し、前記
機械横断方向が、前記
機械方向に垂直であり、前記穿孔器ローラが、前記
機械方向に沿って前記成形ステーションの下流側に配設されている、搬送することと、
前記石膏ボードを前記
機械方向に沿って前記穿孔器ローラの下に通過させることであって、前記穿孔器ローラが、前記石膏ボードの前記第2の被覆シートと接触する関係にある、通過させることと、
前記石膏ボードが前記
機械方向に前記穿孔器ローラを通過して移動するときに、前記第2の被覆シートに一連の穿孔穴を生成するために、前記穿孔器ローラを駆動モータを介して、前記
機械横断方向に沿って延在する回転軸を中心として回転させることと、を含む
、方法。
【請求項7】
前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを、前記穿孔器ローラの外周と前記第2の被覆シートとの間の接触点で前記石膏ボード
とともに一方向に回転させ、前記石膏ボードが、前記
機械方向に沿ってライン速度で前記成形ステーションから離れて搬送され、前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを、前記穿孔器ローラの前記外周が接線速度を有するように回転させ、前記接線速度が、前記ライン速度に実質的に等しい、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記穿孔器ローラと前記コンベアとの間で測定されたオフセット距離を変更することによって、前記石膏ボードの前記第2の被覆シートへの前記穿孔器ローラの貫通の深さを調節することをさらに含み、前記オフセット距離が、前記
機械方向および前記
機械横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って測定される、請求項6または7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記石膏ボードの前記コアが、コア層、および濃縮層、を備え、前記コア層が、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形され、前記濃縮層が、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形され、前記増強添加剤が、前記コアスラリー中よりも前記濃縮スラリー中に、より濃縮された重量パーセント量で存在し、前記コア層が、前記第2の被覆シートと前記濃縮層との間に法線軸に沿って介在し、前記法線軸が、前記
機械方向および前記
機械横断方向の両方に垂直である、請求項6または7に記載の製造方法。
【請求項10】
石膏ボードであって、
第1の被覆シートと、
第2の被覆シートと、
コアと、を備え、前記コアが、前記第1の被覆シートと前記第2の被覆シートとの間に介在し、前記コアが、コア層、および濃縮層、を含み、前記コア層が、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形された凝固石膏を含み、前記濃縮層が、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形された凝固石膏を含み、前記増強添加剤が、前記コアスラリー中よりも前記濃縮スラリー中により濃縮された重量パーセント量で存在し、
前記第2の被覆シートが、その中に一連の穿孔穴を画定
し、
前記濃縮層が、前記第1の被覆シートと連続しており、前記コア層が、前記濃縮層と前記第2の被覆シートとの間に介在しており、前記コア層が、前記第2の被覆シートと連続している、石膏ボード。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、連続石膏ボード製造処理に関し、より詳細には、有孔被覆シートを備えた石膏ボードを製造するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
多くの種類のセメント質物品では、凝固石膏(硫酸カルシウム二水和物)は、多くの場合主要構成成分である。例えば、凝固石膏は、伝統的なプラスター(例えば、プラスター表面の内部建物壁)、また建物内装壁および天井の典型的な乾式壁建築に使用される表面を有する石膏ボードの使用によって作成される最終製品の主要成分である。加えて、凝固石膏は、例えば、米国特許第5,320,677号に記載されるように、石膏/セルロース繊維複合板および製品の主要成分である。典型的には、かかる石膏含有セメント質製品は、セメント質スラリーを成形するのに適切な、焼き石膏(硫酸カルシウムアルファまたはベータ半水和物および/もしくは無水硫酸カルシウム)、水、ならびに他の成分の混合物を調製することによって作製される。セメント質スラリーおよび所望の添加剤は、例えば、米国特許第3,359,146号に記載されるように、多くの場合、連続混合器中で混ざられる。
【0003】
典型的な石膏ボード製造処理では、石膏ボードは、(一般的に「スタッコ」と称される)焼き石膏を水中に均一に分散させて、水性焼き石膏スラリーを成形することによって生成される。水性焼き石膏スラリーは、典型的には、スタッコおよび水および他の添加剤を、内容物を撹拌するための手段を含有する混合器に挿入することによる連続的な様式で生成され、均一な石膏スラリーを成形する。スラリーは、連続的に混合器の排出口に向けられ、その排出口を通って、混合器の排出口に接続された排出導管に向けられる。水性発泡体は、水性焼き石膏スラリーと混合器内および/または排出導管内で組み合わせられ得る。発泡スラリーのストリームは、排出導管であって、そこから成形テーブルによって支持される被覆シート材料の移動するウェブ(すなわち、正面シート)上にスラリーが連続的に堆積される、排出導管を通過する。発泡スラリーを前進する正面シート上に広げることができる。被覆シート材料の第2のウェブ(すなわち、背面シート)を塗布して発泡スラリーを覆い、連続壁板予備成形のサンドイッチ構造を成形する。壁板予備成形は、所望の厚さを得るように、従来の成形ステーションなどで成形に供される。
【0004】
焼き石膏は、壁板予備成形で水と反応して結晶性水和石膏または硫酸カルシウム二水和物のマトリクスを成形し、コンベアが壁板予備成形を製造ラインの下方に移動させるときに凝固する。焼き石膏の水和は、凝固石膏のインターロッキングマトリクスの成形を提供し、それによって、石膏含有製品中の石膏構造に強度が付与される。石膏スラリーは、結晶マトリクスが成形されて所望の形状を保持するにつれて固くなる。
【0005】
予備成形が十分に凝固したラインに沿った点で壁板予備成形が成形ステーションの下流側のセグメントに切断された後、セグメントはひっくり返され、(例えば、キルン内で)乾燥されて過剰な水を追い出し、所望の寸法の最終壁板製品の提供へと進む。水性発泡体は、凝固石膏中に空気間隙を生成し、それによって、同様のスラリーを使用するが発泡体なしで作製された製品と比較して最終製品の密度を減少させる。
【0006】
石膏壁板の生成に関連付けられた一部の操作上の問題に取り組むための従来のデバイスおよび方法は、参照により本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,683,635号、同第5,643,510号、同第6,494,609号、同第6,874,930号、同第7,007,914号、および同第7,296,919号に記載されている。当該技術分野において、セメント質板の生成を向上させるためのさらなる解決策を提供するための継続的な必要性である。例えば、水和処理後に残っている過剰な水を追い出すために、効果的な様式でセメント質板を乾燥させるための技術に対する継続的な必要性がある。
【0007】
この背景の説明は読み手を助けるために本発明者らによって作成されたものであり、示される問題のうちのいずれもそれら自体が当該技術分野において理解されたという指示としてみなされるものではないことが理解されるであろう。記載される原理は、いくつかの態様および実施形態では、他のシステムに固有の問題を軽減することができるが、保護される革新性の範囲が、添付の特許請求の範囲によって定義され、本明細書に記される任意の特定の問題を解決するいかなる開示された特色の能力によっても定義されないことが理解されるであろう。
【発明の概要】
【0008】
一態様では、本開示は、有孔被覆シートを有する石膏ボードを製造するためのシステムの実施形態を対象とする。一実施形態では、石膏ボードを製造するためのシステムは、成形ステーション、コンベア、および被覆シート穿孔器システムを含む。石膏ボードは、石膏コアと、第1の被覆シートと、第2の被覆シートとを有する。石膏コアは、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在する。
【0009】
成形ステーションは、石膏ボードが所定の厚さ範囲内にあるように、石膏ボードを成形するように適合されている。コンベアは、石膏ボードをマシン方向に沿って成形ステーションから離れて搬送するように適合されている。コンベアは、石膏ボードを、石膏ボードの第1の被覆シートがコンベア上に静止するように支持するように構成されている。コンベアは、マシン方向およびマシン横断方向に沿って延在する。マシン横断方向は、マシン方向に垂直である。
【0010】
被覆シート穿孔器システムは、穿孔器ローラ、ローラ支持フレーム、およびモータを含む。穿孔器ローラは、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されている。穿孔器ローラは、ローラ支持フレームに、穿孔器ローラが回転軸を中心として回転可能であるように回転可能に装着されている。ローラ支持フレームは、穿孔器ローラを、回転軸がマシン横断方向に沿って延在するように支持する。ローラ支持フレームは、穿孔器ローラをコンベアによって搬送された石膏ボードの第2の被覆シートと接触する関係に置くように適合されている。駆動モータは、回転軸を中心として穿孔器ローラを回転させるように穿孔器ローラとともに配置されている。駆動モータは、穿孔器ローラを回転させて、石膏ボードが穿孔器ローラを通過して移動するときに第2の被覆シート内に一連の穿孔穴を生成するように適合されている。
【0011】
別の態様では、本開示は、有孔被覆シートを有する石膏ボードを製造する方法の実施形態を記載する。一実施形態では、石膏ボードを製造する方法は、石膏ボードをマシン方向に沿って成形ステーションから離れて穿孔器ローラへと搬送することを含む。石膏ボードは、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在するコアを有する。コアは、水性石膏スラリーを含む。石膏ボードは、マシン方向およびマシン横断方向に沿って延在する。マシン横断方向は、マシン方向に垂直である。穿孔器ローラは、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されている。
【0012】
石膏ボードは、マシン方向に沿って穿孔器ローラの下を通過する。穿孔器ローラは、石膏ボードの第2の被覆シートと接触する関係にある。穿孔器ローラを、駆動モータを介して、マシン横断方向に沿って延在する回転軸を中心として回転させて、石膏ボードがマシン方向に穿孔器ローラを通過して移動するときに第2の被覆シート内に一連の穿孔穴を生成する。
【0013】
さらに別の態様では、本開示は、有孔被覆シートと、強化層を備えたコアとを有する石膏ボードの実施形態を対象とする。一実施形態では、石膏ボードは、第1の被覆シート、第2の被覆シート、およびコアを含む。コアは、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在する。コアは、コア層および濃縮層を含む。コア層は、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形された凝固石膏を含む。濃縮層は、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形された凝固石膏を含む。増強添加剤は、コアスラリー中に存在するものよりも濃縮スラリー中の方が(重量パーセントで)より濃縮された量で存在する。被覆シートのうちの少なくとも1つは、該被覆シートがその中に複数の穿孔穴を画定するように穿孔される。
【0014】
開示される原理のさらなる代替の態様および特色は、以下の詳細な説明および添付の図面から理解されるであろう。理解されるように、本明細書に開示される有孔被覆シートを備えた石膏ボードを製造するためのシステムおよび技術は、他のおよび異なる実施形態において実施および使用することができ、様々な点で修正することができる。したがって、前述の概要および以下の詳細な説明は両方とも例示的かつ説明的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の原理に従って構築された石膏壁板製造ラインの形態の水性セメント質スラリーから作製されたセメント質板を製造するためのシステムの一実施形態の部分概略側面図であり、本システムは、本開示の原理に従って構築され、成形ステーションと切断ステーションとの間の製造ラインに沿った所定の位置にポジショニングされている被覆シート穿孔器システムの一実施形態を含む。
【
図2】
図1の被覆シート穿孔器システムおよび
図1の製造システムのコンベアによって支持された石膏ボードの平面図であり、説明のためにローラ支持フレームが部分的に破断されている。
【
図3】
図1の被覆シート穿孔器システムの端面図であり、説明のためにローラ支持フレームが部分的に破断されている。
【
図4】
図1の被覆シート穿孔器システムのローラブラケットの側面図である。
【
図7】
図1の卵形VIIで示されるように、位置決めロッドが装着されたローラブラケット、および
図1の製造システムのコンベアに装着されるように適合されたブラケットストップの拡大部分端面図である。
【
図8】
図7と同様の図であるが、位置決めロッドとブラケットストップとの間に介在するストップパッドを示す図である。
【
図9】本開示の原理に従って構築された石膏ボードの一実施形態の部分概略横断面図である。
【0016】
図面は必ずしも縮尺通りではなく、開示される実施形態は時々概略的におよび部分図で示されることを理解されたい。ある特定の例では、本開示を理解するのに必要ではない、または他の詳細を認識することを困難にする詳細は、省略されている可能性がある。本開示は、本明細書で説明される特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、石膏ボードを製造するためのシステムおよび方法であって、例えば、石膏壁板を含む様々なセメント質製品の製造に関連して使用され得る石膏ボードの被覆シートを穿孔するための手段およびステップを含む、方法の様々な実施形態を提供する。本開示の原理に従う石膏ボードを製造するためのシステムおよび方法の実施形態では、被覆シート穿孔器システムは、穿孔器ローラ、ローラ支持フレーム、および駆動モータを含み得る。
【0018】
穿孔器ローラは、穿孔器ローラがその長手方向軸を中心として回転可能であるように、ローラ支持フレームに回転可能に装着されている。ローラ支持フレームは、穿孔器ローラをコンベア上で、穿孔器ローラの長手方向軸がコンベアのマシン横断方向に沿って延在するように支持し、マシン横断方向は、マシン方向であって、それに沿ってコンベアが石膏ボードを板ラインの湿端から切断ステーションに向かって運ぶ、マシン方向に垂直である。実施形態では、ローラ支持フレームは、マシン方向およびマシン横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って穿孔器ローラのポジションをコンベア上で選択的に変更して、石膏ボードの被覆シートへの穿孔器ローラのピンの貫通の深さを選択的に調節するように適合され得る。実施形態では、被覆シート穿孔器システムは、石膏ボードに残っている過剰な水のキルン内での乾燥を容易にしながら、乾燥処理中に板内での蒸気の成形を防止する(または板内に成形された任意の蒸気のための出口を提供する)ことを助ける、後部被覆シート内の穿孔穴を生成するように構成され得る。
【0019】
実施形態では、駆動モータは、穿孔器ローラをその長手方向軸を中心として可変的に回転させるように穿孔器ローラとともに配置されている。実施形態では、駆動モータは、穿孔器ローラを、穿孔器ローラがその外周において、マシン方向に沿って板ラインの湿端から切断ステーションのナイフに向かってコンベアによって運ばれる石膏ボードの公称ライン速度に実質的に等しい接線速度を有するように回転させるように制御され得る。
【0020】
本開示は、第1の被覆シート、第2の被覆シート、およびコアを有する石膏ボードの実施形態を対象とする。コアは、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在する。コアは、コア層および濃縮層を含む。コア層は、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形された凝固石膏を含む。濃縮層は、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形された凝固石膏を含む。増強添加剤は、コアスラリー中に存在するものよりも濃縮スラリー中の方が(重量パーセントで)より濃縮された量で存在する。被覆シートのうちの少なくとも1つは、該被覆シートがその中に複数の穿孔穴を画定するように穿孔される。
【0021】
実施形態では、濃縮層は第1の被覆シートと連続しており、コア層は濃縮層と第2の被覆シートとの間に介在している。実施形態では、第2の被覆シートは穿孔される。実施形態では、第2の被覆シートは、穿孔される第2の被覆シートと連続している。
【0022】
実施形態では、本開示の原理に従って作製された石膏ボードは、石膏ボードのコア層を作製するために使用されたスラリーの配合とは異なる配合を有するスラリーから作製された少なくとも1つの層を含む。実施形態では、濃縮層を成形するスラリー配合物は、コアスラリー配合物中の同じ強化添加剤の量よりも(重量パーセントで)より濃縮された量で強化添加剤を含み得る。実施形態では、濃縮層は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2015年6月24日に出願された米国特許出願第62/184,060号、2016年2月2日に出願された同第62/290,361号、2016年6月17日に出願された同第15/186,176号、2016年6月17日に出願された同第15/186,212号、2016年6月17日に出願された同第15/186,232号、および2016年6月17日に出願された同第15/186,257号に記載される技術およびセメント質スラリー配合物を使用して作製される「濃縮層」を含み得る。
【0023】
ここで図に移ると、本開示の原理に従って構築された石膏ボード25を製造するためのシステム20の一実施形態が
図1に示されている。図示の石膏ボード25は、第1の被覆シート27、第2の被覆シート28、ならびにコア層30および濃縮層31を有する石膏コアを含む。石膏コア30、31は、第1の被覆シート27と第2の被覆シート28との間に介在する(
図9も参照)。
【0024】
図示のシステム20は、湿端システム34、成形ステーション35、コンベア37、被覆シート穿孔器システム40、および切断ステーション45を含む。湿端システム34および成形ステーション35は、所定の公称厚さを有する連続石膏ボード25が成形ステーション35からコンベア37に沿ってマシン方向50に切断ステーション45に向かって送出されるように、構成物材料を一緒に混合および組み立てるように構成されている。コンベア37は、石膏ボード25をマシン方向50に沿って被覆シート穿孔器システム40を通過して切断ステーション45に向かって移動させるように適合されている。石膏ボード25は、マシン方向50に沿って延在する一対の縁部を有する。縁部は、マシン方向50に垂直であるマシン横断方向51に沿って互いに側方に隔置された関係で配設されている。被覆シート穿孔器システム40は、それを通過して石膏ボード25がマシン方向50に沿って切断ステーション45に向かって移動するときに、(マシン横断方向51に沿って測定された)第2の被覆シート28の所定の幅にわたって第2の被覆シート28を穿孔するように適合されている。切断ステーション45は、石膏ボード25を(マシン方向50に沿って測定された)所定の長さの板セグメントに周期的に切断するように適合されている。
【0025】
図示の実施形態では、湿端システム34は、石膏壁板湿端システムとして構成されている。湿端システム34は、石膏ボード25を成形する構成物材料を混合および/または組み立てるように適合された任意の好適な機器を含み得る。図示の実施形態では、湿端システム34は、石膏ボード25のコア層30を成形するコアスラリーと濃縮層31を成形する濃縮スラリーとを生成するように適合されたセメント質スラリー混合分注システム72を含む(
図9も参照)。実施形態では、コアスラリー30は、少なくとも水および(一般的に「スタッコ」と称される)焼き石膏を含む。実施形態では、コアスラリー30は、水、スタッコ、および水性発泡体を含む発泡石膏スラリーを含む。実施形態では、濃縮スラリー31は、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む。増強添加剤は、コアスラリー30中に存在するものよりも濃縮スラリー31中の方が(重量パーセントで)より濃縮された量で存在する。実施形態では、コアスラリー30および濃縮スラリー31は、任意の好適な様式で成形され得る。
【0026】
被覆シート材料の第1のロール74は、第1の被覆シート27が第1のロール74からスラリー混合分注システム72の上流側で分注され、スラリー混合器および分注システム72と成形ステーション35との間に延在する成形テーブル上で運搬されるように、選択的に分注されるように構成されている。被覆シート材料の第2のロール75は、第2の被覆シート28が第1の被覆シート27上のスラリー混合分注システム72と成形ステーション35との間のポジションで第2のロール75から分注され、濃縮層31およびコア層30がスラリー混合分注システム72から分注されるように、選択的に分注されるように構成されている。石膏ボード製品は、典型的には、成形テーブル上を進行する第1のロール74から分注された第1の被覆シート27が完成した石膏ボード25の「正面」被覆シート27として機能するように「正面下向き」で成形される。
【0027】
図示の実施形態では、スラリー混合分注システム72は、主混合器80、主排出導管82、および発泡体注入システム85を含む。主混合器80は、石膏ボード25のコア層30を成形するように構成されているコアスラリーを成形するための水およびセメント質材料(例えば、スタッコ)を攪拌するように適合されている。主混合器80は、主排出導管82と流体連通している。水および焼き石膏の両方は、当該技術分野において既知である1つ以上の入口を介して主混合器80にそれぞれ供給され得る。実施形態では、セメント質製品を製造する当該技術分野で既知であるように、任意の他の好適な石膏スラリー添加剤を主混合器80に供給することができる。
【0028】
任意の好適な混合器(例えば、ピン混合器)をスラリー混合分注システム72とともに使用することができる。実施形態では、主混合器80は、石膏ボード製造技術分野で既知であるように、例えば、両方ともカナダのオンタリオ州のGypsum Technologies Inc.またはJohn Broeders Machineから入手可能なものなど、好適な市販の混合器であり得る。
【0029】
実施形態では、主混合器80は、混合チャンバであって、その中に回転可能な攪拌機が配設されている、混合チャンバを画定する。攪拌機は、マシン方向50およびマシン横断方向51の両方に垂直である法線軸52に沿ってポジショニングされた略垂直駆動シャフトが取り付けられた半径方向に延在するディスクを含み得る。駆動シャフトは、主混合器80の上部壁を通って延在し得る。駆動シャフトは、例えば、主混合器80の混合チャンバの内容物を混合するために攪拌機を回転させるのに適切な好適な速度(例えば、275~300rpm)で駆動シャフトを回転させるためのモータなどの従来の駆動源に接続され得る。この回転は、得られた水性スラリーを、時計回りの外側スパイラルのような略遠心方向に向ける。攪拌機に関するこの説明は、当該技術分野において既知の石膏スラリー混合チャンバにおいて一般的に用いられている攪拌機の基本原理を示すことのみを意味することを理解されたい。ピン、パドル、プラウ、リングなどを用いるものを含む代替の攪拌機設計が企図される。
【0030】
主排出導管82は、主混合器80と流体連通しており、コアスラリー30の主流を、主混合器80の下流側からさらなる製造ステーション(例えば、
図1に示される成形ステーション35)へ送達するように構成されている。コアスラリー30は、実質的にマシン方向50に沿って出口流れ方向に主排出導管82から排出され得る。石膏ボードの形態のセメント質板を生成するために使用され得る図示の実施形態では、主排出導管82は、第1の被覆シート27がセメント質スラリー混合分注システム72と成形ステーション35との間に延在する成形テーブルによって支持されている位置でマシン方向50に前進する第1の被覆シート27上にコアスラリー30を堆積させるように適合されている。
【0031】
主排出導管82は、任意の好適な材料から作製され得、当業者に既知の任意の好適な従来の排出導管を含む異なる形状を有し得る。いくつかの実施形態では、排出導管は、可撓性導管を含み得る。実施形態では、主排出導管82は、例えば、発泡体注入システム85の発泡体注入本体、流れ修正要素、およびスラリー分注器など、当業者によって理解されるであろう任意の好適な排出導管構成要素を備え得る。
【0032】
実施形態では、1つ以上の流れ修正要素は、排出導管82に関連付けられ得、主混合器80から排出導管82を通って排出されるコアスラリー30の流れを修正するように適合され得る。実施形態では、流れ修正要素は、主混合器80から排出導管82を通るセメント質スラリーの流れの流れ方向に対して、排出導管82および水性発泡体供給導管の一部である発泡体注入本体の下流側に配設されている。流れ修正要素(複数可)を使用して、排出導管82を通って移動するコアスラリー30の流れの動作特徴を制御することができる。好適な流れ修正要素の例としては、例えば、米国特許第6,494,609号、同第6,874,930号、同第7,007,914号、および同第7,296,919号に記載されるものを含む、体積制限器、減圧器、圧縮弁、キャニスタなどが挙げられる。
【0033】
実施形態では、主排出導管82は、可撓性ホースの形態の導管または一般的に「ブーツ」と称される構成要素の長さなど、従来の排出導管の任意の好適な末端部分であり得るスラリー分注器を含み得る。実施形態では、ブーツは、多脚排出ブーツの形態であり得る。さらに他の実施形態では、排出導管82のスラリー分注器は、例えば、米国特許出願公開第2012/0168527号、同第2012/0170403号、同第2013/0098268号、同第2013/0099027号、同第2013/0099418号、同第2013/0100759号、同第2013/0216717号、同第2013/0233880号、および同第2013/0308411号に示され説明されているものと同様であり得る。かかる実施形態のいくつかにおいて、排出導管82は、主混合器80からのコアスラリー30の主流を、スラリー分注器において再度組み合わせられる2つの流れに分裂させるための好適な構成要素を含み得る。
【0034】
実施形態では、発泡体注入システム85は、主混合器80およびスラリー排出導管82のうちの少なくとも1つとともに配置されている。発泡体注入システム85は、発泡体源90(例えば、当該技術分野で既知であるように構成された発泡体発生システムなど)、発泡体供給導管92、および好適な発泡体注入本体を含み得る。
【0035】
実施形態では、任意の好適な発泡体源90を使用することができる。好ましくは、水性発泡体は、発泡剤と水との混合物のストリームが発泡体発生器に向けられており、得られた水性発泡体のストリームが発生器から出て、石膏スラリーに向けられ、石膏スラリーと混合される連続的な様式で生成される。実施形態では、任意の好適な発泡剤を使用することができる。好適な発泡剤のいくつかの例は、例えば、米国特許第5,683,635号および同第5,643,510号に記載されている。
【0036】
実施形態では、水性発泡体供給導管92は、主混合器80および排出導管82のうちの少なくとも1つと流体連通し得る。発泡体源90からの水性発泡体は、発泡石膏スラリーを成形するために、排出導管82内の主混合器80および/または主混合器80自体の下流側の任意の好適な位置で発泡体供給導管92を通して構成物材料に添加され得る。
【0037】
実施形態では、発泡体注入本体は、主混合器80およびスラリー排出導管82のうちの少なくとも1つの一部を備える。例えば、実施形態では、水性発泡体供給導管92は、例えば、米国特許第6,874,930号に記載されるように、排出導管82に関連付けられた注入リングまたはブロックの形態であり得る、発泡体注入本体内のいくつかの発泡体注入ポートに発泡体を供給するためのマニホールド型の配置を有する。実施形態では、流れ修正要素は、混合器80から排出導管82を通るコアスラリー30の流れの流れ方向に対して、発泡体注入本体および水性発泡体供給導管92の下流側に配設されている。
【0038】
実施形態では、発泡体供給導管92は排出導管82と流体連通することができ、主混合器80と流体連通する1つ以上の二次発泡体供給導管を設けることができる。さらに他の実施形態では、水性発泡体供給導管(複数可)92は、主混合器80のみと流体連通することができる。実施形態では、発泡体注入本体は、混合器80の出口に装着された(一般的に「ゲート」と称される)トランジションピースの一部であり得る。当業者には理解されるように、スラリー混合分注アセンブリ72内のセメント質スラリー中に水性発泡体を導入するための手段は、アセンブリ内でのその相対位置を含めて、変更および/または最適化されて、その意図された目的に当てはまる板を生成するようにコアスラリー30中に水性発泡体の均一な分散剤を提供することができる。
【0039】
実施形態では、石膏ボード25の被覆シート27、28のうちの1つまたは両方を、所望であれば、多くの場合、当該技術分野で「スキムコート」と称される、(板コアを作製したコアスラリー30と比べて)比較的高密度の石膏スラリー層で処置することができる。そのために、実施形態では、主混合器80は、排出導管82から堆積されたコアスラリー30よりも比較的高密度である濃厚水性セメント質スラリーのストリームを堆積させるように適合された補助導管を含み得る。
【0040】
実施形態では、背面被覆シート28にスキムコート層を堆積させるために補助導管を設けることができる。例えば、実施形態では、主混合器80は、主排出導管82から分注された発泡コアスラリー30の主流よりも比較的高密度である補助導管(すなわち、「背面スキムコートストリーム」)を通して水性焼き石膏スラリーの流れを向けることができる。背面スキムコートステーションは、例えば、第2のロール75から分注される第2の被覆シート28がそれらの間に配設されるように支持要素上に配設された背面スキムコートローラのような背面スキムコートを塗布するための好適な機器を含み得る。補助導管は、当該技術分野において既知であるように、第2のロール75から分注される第2の被覆シート28にスキムコート層を塗布するように適合されている背面スキムコートローラの上流側(第2の被覆シート28の移動方向)で移動する第2の被覆シート28上に背面スキムコートストリームを堆積させることができる。
【0041】
実施形態では、主排出導管82から分注されるコアスラリー30の密度よりも大きい密度を有する、石膏スラリーの好適な前部スキムコートストリームを生成することができる。実施形態では、スラリー混合分注システム72は、当業者は容易に理解するように、硬質縁部を有する石膏ボードを生成するための好適な機器を含む、第1の被覆シート27に前部スキムコートを塗布するためのスキムコーティング機器の任意の好適な配置を含み得る。
【0042】
図示の実施形態では、濃縮スラリーを使用して、第1の被覆シート27と連続している濃縮層31および石膏ボード25の端部層95(それらのうちの1つを
図9に示す)を成形する。他の実施形態では、端部層(複数可)95に使用されるものとは異なるスラリー源を使用して、正面被覆シート27の領域にわたって濃縮層31を成形することができる(
図9も参照)。かかる実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、石膏ボード25の縁部層(複数可)95は、板25の領域において、コア層30を生成するために使用されたコアスラリーおよび濃縮層31を生成するために使用された濃縮スラリーのうちの少なくとも1つとは異なる配合物を有するスラリーから作製され得る。
【0043】
実施形態では、濃縮スラリー31は、任意の好適な供給源を介して提供され得る。実施形態では、濃縮スラリー31の供給は、2015年6月24日に出願された米国特許出願第62/184,060号、2016年2月2日に出願された同第62/290,361号、2016年6月17日に出願された同第15/186,176号、2016年6月17日に出願された同第15/186,212号、2016年6月17日に出願された同第15/186,232号、および2016年6月17日に出願された同第15/186,257号に記載される技術によって提供される。
【0044】
実施形態では、1つの混合器を使用してコアスラリー30および濃縮スラリー31の両方を生成することができる。例えば、実施形態では、主混合器80は、濃縮スラリー31の供給源となり得る。かかる実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、補助排出導管は、主混合器80と流体連通することができ、主混合器80から補助排出導管を通してスラリーの流れを向けるように適合させることができる。強化スラリーを成形するために、主混合器80から来る補助排出導管内のスラリーに1つ以上の強化添加剤を添加することができる。
【0045】
図示の実施形態では、濃縮スラリー31の供給源は、第2の排出導管99と流体連通する第2の混合器97を備える。実施形態では、第2の混合器97は、構成物成分を濃縮スラリーの均一な水性分散剤に混合して濃縮層31を作製し、および少なくともいくつかの実施形態では、縁部層95を作製して、意図された目的に当てはまる板を生成するように適合された任意の好適な混合器であり得る。実施形態では、濃縮スラリー31を生成するために使用される第2の混合器97は、全体的な動作原理および構築において主混合器80と同様であり得るが、石膏ボード25を生成するために使用される濃縮スラリー31の量が、コア層30を生成するために主混合器80から排出されるコアスラリー30の量よりも少ないため、主混合器80よりも小さい混合体積容量を有する。
【0046】
実施形態では、混合器80、97は、直列に接続されていても、互いに独立していてもよい。図示の実施形態では、第2の混合器97は、主混合器80とは独立して動作する。第2の混合器97は、当業者には既知の任意の好適な技術を使用して、濃縮スラリー31の配合物を含む構成物成分を第2の混合器97へ送達するために、独立した成分送出部および入口を含む。他の実施形態では、混合器80、97を直列に接続することができ、スラリーを、補助導管を介して主混合器80から第2の混合器97へ送達し、主混合器80からのスラリーをさらに処理して濃縮スラリー31を生成することができる。
【0047】
第2の排出導管99は、動作原理および構築の点において主排出導管82と同様であり得る。実施形態では、第2の排出導管99は、当業者には既知の任意の好適な排出導管構成要素を含み得る。実施形態では、第2の排出導管99は、2015年6月24日に出願された米国特許出願第62/184,060号、2016年2月2日に出願された同第62/290,361号、2016年6月17日に出願された同第15/186,176号、2016年6月17日に出願された同第15/186,212号、2016年6月17日に出願された同第15/186,232号、および2016年6月17日に出願された同第15/186,257号に記載されるように、ローラの上流側の地点で濃縮スラリー31を分注するように適合されている。
【0048】
他の実施形態では、別々の補助導管を主混合器80に接続して、1つ以上の別々のストリームを正面被覆シート27に送達することができる。(補助混合器などの)他の好適な機器を補助導管内に設けて、例えば、スラリー中の発泡体を機械的に破壊させることによって、および/または好適な入口を通して補助導管(複数可)へ挿入された好適な消泡剤の使用を通じて発泡体を化学的に破壊させることによって、内部のスラリーをより高密度にするのに役立たせることができる。他の実施形態では、補助導管は、本明細書に記載されるように、濃縮層および/または縁部層(複数可)として使用するために好適なスラリーを成形するために、スラリーを主混合器80から第2の混合器97へ向けることができ、かつ/または、コアスラリー30中よりも濃縮スラリー31中の方がより濃縮されている少なくとも1つの成分を有する強化スラリーを成形するように、内部に少なくとも1つの増強添加剤を組み込むための好適な入口を含むことができる。
【0049】
実施形態では、縁部成形アセンブリを提供することができ、縁部成形アセンブリは、板25のコア層を生成するために使用されるコアスラリー30の配合物とは異なる配合物を有するスラリーから作製された層を含む石膏ボード25の少なくとも1つの縁部を成形するように適合されている。実施形態では、縁部成形アセンブリは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年7月25日に出願された米国特許出願第62/366,492号に記載される原理に従って構築することができる。
【0050】
実施形態では、縁部成形アセンブリは、各々が濃縮スラリー31から作製された層95を含む石膏ボードの縁部を成形するように適合されている。実施形態では、濃縮スラリー31は、石膏ボード25のコア層30を作製したコアスラリー30中よりも、縁部層95を作製した濃縮スリラー31中の方が(重量パーセントで)より濃縮されている量で少なくとも1つの増強添加剤を含む(
図9も参照)。
【0051】
図1を参照すると、図示の実施形態では、縁部成形アセンブリは、コーティングローラアセンブリ100を介して石膏ボード25の側方縁部に縁部層95を設けるとともに、フェース被覆シート27にわたって濃縮層31を設けるように適合されている。2016年7月25日に出願された米国特許出願第62/366,492号に示され説明されているように、縁部成形アセンブリはまた、縁部ビード調整システム、各縁部ビード用の縁部層成形デバイス、および第1の被覆シート27の各縁部用の被覆シート重畳システムを含み得る。
【0052】
図1を参照すると、図示の実施形態では、コーティングローラアセンブリ100を設けて、濃縮スラリー31を正面被覆シート27の幅を実質的に横切って塗布して濃縮層31を成形し、濃縮スラリー31の一対の縁部ビードを正面被覆シート27の縁部にそれぞれ向けて一対の縁部層95を成形する(例えば、
図9参照)。図示の実施形態では、縁部層95は、コアスラリー30から成形された板コア層よりも高密度であり(
図9も参照)、かつ少なくともいくつかの実施形態では、濃縮層31と同じ密度を有することができる。
【0053】
実施形態では、コーティングローラアセンブリ100は、コーティングローラ101、ローラシャフト、およびモータを含む。コーティングローラ101は、その長手方向軸LAを中心として回転させるために次に軸止されるローラシャフトに装着されている。モータは、長手方向軸LAを中心としてコーティングローラ101を選択的かつ可変的に回転させるようにローラシャフトとともに配置されている。
【0054】
図示の実施形態では、第2の混合器97から排出された濃縮スラリー31は、濃縮スラリー31の一部をコーティングローラ101の一対の端部の周りに向けて縁部ビードを生成することによって、および濃縮スラリー31の別の部分をコーティングローラ101の頂部の上に向けて濃縮層31を正面被覆シート27に塗布することによって、濃縮層31および縁部層95の両方を成形する。コーティングローラ101は、マシン横断方向51に沿って正面被覆シート27の縁部の間で測定される正面被覆シート27の幅よりも少ない、マシン横断方向51に沿った一対の端部の間で測定された長さを有するように構成されている。
【0055】
実施形態では、濃縮スラリー31の供給源は、濃縮層31として濃縮スラリー31の層を移動する正面被覆シート27の幅を実質的に横切って塗布し、コーティングローラの長さが移動する正面被覆シート27の幅よりも小さいことによって、移動する正面被覆シート27の外周部に縁部ビードを画定するように適合されているコーティングローラ101の上流側で正面被覆シート27上に濃縮スラリー31を堆積させることができる。コーティングローラ101は、濃縮スラリー31が第2の排出導管99から正面被覆シート27に堆積する部位の下流側、およびコアスラリー30が主排出導管82から正面被覆シート27に堆積する部位の上流側に堆積する(濃縮層31は、コアスラリー30と正面被覆シート27との間に法線軸51に沿って介在する)。2016年7月25日に出願された米国特許出願第62/366,492号に記載されるような、縁部ビードを縁部層95に変換するように適合された他の機器を設けることができる。
【0056】
実施形態では、濃縮スラリー31は、主混合器80によって生成されたコアスラリー30の配合物とは異なる配合物を有し得る。実施形態では、濃縮層を成形する濃縮スラリー31の配合物は、コアスラリー30の配合物中の同じ強化添加剤の量よりも(重量パーセントで)より濃縮された量で強化添加剤を含み得る。濃縮層31(および関連する縁部層(複数可)95)は、増強添加剤、水、およびスタッコなどのセメント質材料を含む強化スラリーから成形されることができ、連続結晶マトリクス中の凝固石膏などの水和セメント質材料を成形する。実施形態では、濃縮スラリー31は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2015年6月24日に出願された米国特許出願第62/184,060号、2016年2月2日に出願された同第62/290,361号、2016年6月17日に出願された同第15/186,176号、2016年6月17日に出願された同第15/186,212号、2016年6月17日に出願された同第15/186,232号、および2016年6月17に出願された同第15/186,257号に記載されるように、濃縮層31が「濃縮層」を含むように配合され得る。
【0057】
実施形態では、濃縮スラリー31は、所望の強度特性を提供する増強添加剤を含むように配合され得る。実施形態では、増強添加剤は、本明細書で論じるように、板コアスラリー30中(および/または板製品中に得られる層中)よりも濃縮スラリー31中の方でより濃縮されている。強度を提供するのを助ける好適な増強添加剤の例としては、例えば、デンプン、ポリビニルアルコール、ホウ酸、石膏セメント、ナノセルロース、ミクロセルロース、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本明細書における増強添加剤という単数形の用語の使用は、便宜上使用されるが、当業者が容易に理解するように、複数形、すなわち、組み合わせた2つ以上の増強添加剤を包含することが理解されるであろう。したがって、増強添加剤は、デンプン、ポリビニルアルコール、ホウ酸、石膏セメント、ナノセルロース、および/またはミクロセルロースのうちの1つ以上を含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、増強添加剤は、デンプンなどの成分を含まない板25の強度に対して石膏ボード25の乾燥強度を(例えば、増加した圧縮強度、釘抜き抵抗性、曲げ強度、コア硬度、または他の強度パラメータを介して)増加させるのに有効なデンプンなどの成分を含む。デンプンに関しては、ヒドロキシエチル化デンプンもしくはヒドロキシプロピル化デンプン、またはそれらの組み合わせなどのヒドロキシアルキル化デンプン、未調理デンプン、あるいはコア強度の増強ではなく、概して紙-コア結合の増強を提供する酸修飾移動性デンプンよりも概して好ましいアルファ化デンプンを含む、任意の好適な強度増強デンプンを使用することができる。しかしながら、所望であれば、いくつかの実施形態では、酸修飾移動性デンプンを増強添加剤とともに含めることができる。
【0059】
デンプンは調理されていても未調理であってもよい。未調理デンプンは冷水不溶性であり、半結晶構造を有することを特徴とする。典型的には、未調理デンプンは湿式粉砕によって得られ、調理デンプンの場合のように湿潤デンプンを加熱することによって修飾されない。調理デンプンは、冷水可溶性であり、非結晶構造を有することを特徴とする。調理デンプンは、湿潤デンプンを加熱することによって調製され、例えば、押出技術によって調製され得る。押出技術が参照により組み込まれる、例えば、米国特許出願第14/494,547号、同第14/044,582、および同第13/835,002号を参照されたい。
【0060】
調理デンプンは、デンプン顆粒の結晶構造が溶融し、偏光を用いた顕微鏡下での複屈折の消失によって特徴付けられるデンプンゼラチン化をもたらすので、時々アルファ化デンプンと称される。好ましいデンプンは、調理されたものでも未調理のものでも、酸修飾移動性デンプンであって、同じ強度特性を与えず、それらがそれらの鎖長が小さいために紙-コア界面に移動する際に紙-コア結合の増強のために当該技術分野で使用される、酸修飾移動性デンプンとは異なる。酸修飾移動性デンプンは、より低い分子量、典型的には、約6,000ダルトン未満の分子量を有する。いくつかの実施形態では、本開示の実施形態による好ましいデンプンは、より高い分子量、例えば、少なくとも約30,000ダルトンを有する。
【0061】
例えば、いくつかの実施形態では、濃縮スラリー31に添加されるデンプンは、約30,000ダルトン~約150,000,000ダルトン、例えば、約30,000ダルトン~約150,000,000ダルトン、約30,000ダルトン~約100,000,000ダルトン、約30,000ダルトン~約50,000,000ダルトン、約30,000ダルトン~約10,000,000ダルトン、約30,000ダルトン~約5,000,000ダルトン、約30,000ダルトン~約1,000,000ダルトン、約30,000ダルトン~約500,000ダルトン、約30,000ダルトン~約100,000ダルトン、約50,000ダルトン~約150,000,000ダルトン、約50,000ダルトン~約100,000,000ダルトン、約50,000ダルトン~約50,000,000ダルトン、約50,000ダルトン~約10,000,000ダルトン、約50,000ダルトン~約5,000,000ダルトン、約50,000ダルトン~約1,000,000ダルトン、約50,000ダルトン~約500,000ダルトン、約50,000ダルトン~約100,000ダルトン、約100,000ダルトン~約150,000,000ダルトン、約100,000ダルトン~約100,000,000ダルトン、約100,000ダルトン~約50,000,000ダルトン、約100,000ダルトン~約10,000,000ダルトン、約100,000ダルトン~約5,000,000ダルトン、約100,000ダルトン~約1,000,000ダルトン、約100,000ダルトン~約500,000ダルトン、または約100,000ダルトン~約100,000ダルトンなどの分子量を有し得る。
【0062】
未調理デンプンの特性は冷水中で低粘度(すなわち、77°F(25℃)の温度)を有することを含む一方で、アルファ化デンプンの特性は冷水中で瞬間高粘度を有することを含む。未調理デンプンは、修正された急速粘度分析器の方法に従って測定した場合、冷水中で約10センチポアズ以下(例えば、約3センチポアズ~約7センチポアズなど、約1センチポアズ~約10センチポアズ)の粘度を有する傾向がある。急速粘度分析器の方法は、Deffenbaugh,L.B.およびWalker,C.E.、「Comparison of Starch Pasting Properties in the Brabender Viscoamylograph and the Rapid Visco-Analyzer」、Cereal Chemistry、Vol.66、No.6、pp.493-499(1989)の本文において説明されており、以下のように試料調製および試験プロファイルに関して本明細書で定義されるように修正されている。デンプン(20g、乾燥)を、Waringブレンダー(モデル31BL92)中の水(180g)中に、低速で15秒間混合しながら添加する。デンプン溶液(28g)を測定カップで秤量する。急速粘度分析器のパドル速度を160rpmに設定する。試験プロファイルを25℃の初期温度で10分間設定する。15℃/分の加熱速度で93℃に加熱する。5分間、温度を93℃に保つ。-15℃/分の冷却速度で50℃に冷却し、50℃で1分間保つ。30秒で測定した粘度値をデンプンの粘度として使用する。
【0063】
アルファ化デンプンは、デンプンが水中に瞬間的に溶解する傾向があるので、冷水中で「瞬間」高粘度を有する。調理デンプンまたはアルファ化デンプンは、修正された急速粘度分析器の方法に従って測定した場合、少なくとも約100センチポアズ(例えば、約350センチポアズ~約1000センチポアズなど、約50センチポアズ~約1000センチポアズ)の冷水粘度を有する傾向がある。
【0064】
いくつかの実施形態では、未調理デンプンは、それらが水と混合しやすいので選択される。これは水中での粘度が低いためである。アルファ化デンプンは、時々、混合中に水溶液中に成形される1つ以上の大きな塊によって特徴づけられる状態である「フィッシュアイ」を引き起こす可能性がある。任意の特定の理論に縛られることは望まないが、混合処理中に、大きな塊がデンプンの急速な吸水によって引き起こされ、塊の水の貫通を防止する、塊の表面に粘性膜を成形すると考えられる。未調理デンプンは、それらの冷水不溶性のためにフィッシュアイ状態を回避すると考えられており、これは、デンプン顆粒の分離をもたらす。しかしながら、アルファ化デンプンは、それらがデンプンと石膏結晶との間の水素結合を可能にする官能基の露出のために望ましい限り、本開示の実施形態に従って使用され得ることが理解されよう。
【0065】
好適な未調理デンプンの例としては、例えば、トウモロコシデンプン(通常、ワックス状、かつ/または高アミロース)、A型小麦デンプン、B型小麦デンプン、エンドウマメデンプン、少なくとも約30,000ダルトンの分子量を有する酸修飾デンプン、デンプンヒドロキシル基上に置換基(例えば、アセテート、ホスフェート、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル)を有する置換デンプン、またはそれらの任意の組み合わせを含む特定の代表的な例とともに、天然穀類デンプン、天然根デンプン、天然塊茎デンプン、および/または化学修飾デンプンのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、未調理デンプンは、エンドウマメデンプンを含まない。
【0066】
任意の好適なアルファ化デンプンは、調製方法および内部に記載される望ましい粘度範囲を含む米国特許出願公開第2014/0113124号および同第US2015/0010767号に記載されるように、増強添加剤中に含まれ得る。含まれる場合、アルファ化デンプンは、任意の好適な粘度を呈し得る。いくつかの実施形態では、アルファ化デンプンは、当該技術分野において既知であるVMA方法に従って測定され、かつ例えば、VMA方法が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0113124号に記載されるような中程度粘度のデンプンである。
【0067】
いくつかの実施形態に従った望ましいアルファ化デンプンは、例えば、水中の15重量%のデンプン溶液中で測定されたとき、約20センチポアズ~約700センチポアズ、例えば、約20センチポアズ~約600センチポアズ、約20センチポアズ~約500センチポアズ、約20センチポアズ~約400センチポアズ、約20センチポアズ~約300センチポアズ、約20センチポアズ~約200センチポアズ、約20センチポアズ~約100センチポアズ、約30センチポアズ~約700センチポアズ、約30センチポアズ~約600センチポアズ、約30センチポアズ~約500センチポアズ、約30センチポアズ~約400センチポアズ、約30センチポアズ~約300センチポアズ、約30センチポアズ~約200センチポアズ、約30センチポアズ~約100センチポアズ、約50センチポアズ~約700センチポアズ、約50センチポアズ~約600センチポアズ、約50センチポアズ~約500センチポアズ、約50センチポアズ~約400センチポアズ、約50センチポアズ~約300センチポアズ、約50センチポアズ~約200センチポアズ、約50センチポアズ~約100センチポアズ、約70センチポアズ~約700センチポアズ、約70センチポアズ~約600センチポアズ、約70センチポアズ~約500センチポアズ、約70センチポアズ~約400センチポアズ、約70センチポアズ~約300センチポアズ、約70センチポアズ~約200センチポアズ、約70センチポアズ~約100センチポアズ、約100センチポアズ~約700センチポアズ、約100センチポアズ~約600センチポアズ、約100センチポアズ~約500センチポアズ、約100センチポアズ~約400センチポアズ、約100センチポアズ~約300センチポアズ、約100センチポアズ~約200センチポアズなどの中程度粘度を有し得る。
【0068】
いくつかの実施形態に従って、アルファ化デンプンを、例えば、押出方法が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2015/0010767号に記載されるような押出機において1つのステップでデンプンがアルファ化および酸修飾によって調製される押出デンプンとして調製することができる。手短に言えば、任意の好適な押出機、例えば、一軸スクリュ押出機(例えば、イリノイ州サウスベロイトに位置するAmerican Extrusion Internationalから入手可能なAdvantage50)、または二軸スクリュ押出機(例えば、カンザス州サベサに位置するWengerから入手可能なWenger TX52)を使用することができる。概して、いくつかの実施形態では、(a)アルファ化デンプンの前駆体、すなわち、非アルファ化デンプン、(b)カルシウムイオンをキレート化することを実質的に回避する弱酸および/または少量の強酸の形態の酸、ならびに(c)水が混合され、押出機内へ送出される。いくつかの実施形態では、追加の水が押出機に添加されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、硫酸アルミニウム(ミョウバン)が、カルシウムイオンのキレート化を実質的に回避するため、湿潤デンプンの調製で使用するのに適した弱酸である。
【0069】
例えば、いくつかの実施形態では、弱酸は、デンプンの重量に基づいて、約0.5重量%~約5重量%の量で含まれる。強酸の量は、デンプンの約0.05重量%以下、例えば、約0.0001重量%~約0.05重量%など、比較的少ない。本開示のいくつかの実施形態に従って使用される強酸の量は、例えば、デンプン35gに対して少なくとも約2gの硫酸を使用した従来のシステムに含まれていたものよりもかなり小さい。いくつかの実施形態では、上記のような少量の強酸が、本明細書に記載されるように、ミョウバンなどのカルシウムイオンをキレートしない弱酸と組み合わせて使用され得る。
【0070】
押出機中にある間、加熱要素および機械的剪断の組み合わせがデンプンを融解およびアルファ化し、弱酸がデンプンを本明細書に記載されるような望ましい粘度によって示される所望の分子量に部分的に加水分解する。例えば、湿潤デンプンは、約150℃(約300°F)~約210℃(約410°F)の温度でダイを有する押出機内でアルファ化および酸修飾され得る。押出機内部の圧力は、押し出されている原料、水分含量、ダイ温度、およびスクリュ速度によって決定され、これは、当業者によって認識されるであろう。例えば、押出機内の圧力は、少なくとも約2,000psi(約13,800kPa)、例えば、約2,000psi~約5,000psi(34,500kPa)であり得る。押出機中の条件はまた、機械的エネルギーのため、デンプン分子を分解させ、これは酸修飾の同じ効果を部分的にもたらす。いくつかの実施形態に従った押出機中の条件(例えば、高い反応温度および高圧)がこの化学反応を促進するため、弱酸および/または少量の強酸が使用され得ると考えられる。
【0071】
冷水溶解性は、室温(約25℃)で水中に任意の量の溶解性を有するアルファ化デンプンに関する。いくつかの実施形態では、アルファ化デンプンは、部分的に加水分解され、約70%~約100%、約75%~約100%、約80%~約100%、約85%~約100%、約90%~約100%、約95%~約100%、約70%~約99%など、約75%~約99%、約80%~約99%、約85%~約99%、約90%~約99%、約95%~約99%の所望の冷水溶解性を有し得る。いくつかの実施形態では、アルファ化デンプンは、粘度がC.W.を使用して測定されるブラベンダー法に従って測定される約10BU~約120BUの冷水粘度(10%固形分、25℃)を有する。Brabender Viscograph、例えば、動的測定のために反作用トルクを使用するViscograph-Eを使用して測定される。例えば、冷水粘度は、例えば、約20BU~約110BU、約30BU~約100BU、約40BU~約90BU、約50BU~約80BU、または約60BU~約70BUであり得る。本明細書で定義されるように、ブラベンダー単位は、75RPMで700cmgのカートリッジを用いて、16液量オンス(約500cc)の試料カップサイズを使用して測定されることに留意されたい。ブラベンダー単位が、センチポアズ(例えば、測定カートリッジが700cmgの場合、cP=BU×2.1)またはクレブス単位などの他の粘度測定値に変換され得ることも当業者は容易に認識するであろう。
【0072】
いくつかの実施形態では、デンプンは、2番スピンドルを有し、30rpmの回転速度でのブルックフィールド粘度計で測定されるように、25℃で測定されたときに約60cP~約160cPの水中のデンプンの10%スラリーの冷水粘度を有する。例えば、25℃で測定されたときの水中のデンプンの10%スラリーの冷水粘度は、約60cP~約150cP、約60cP~約120cP、約60cP~約100cP、約70cP~約150cP、約70cP~約120cP、約70cP~約100cP、約80cP~約150cP、約80cP~約120cP、約80cP~約100cP、約90cP~約150cP、約90cP~約120cP、約100cP~約150cP、または約100cP~約120cPであってもよい。
【0073】
含まれる場合、増強添加剤として本明細書に記載される任意の種類のデンプンは、任意の好適な量で存在し得る。いくつかの実施形態では、デンプンは、縁部層95および/または濃縮層31を成形するための濃縮スラリー31中に、スタッコの約5重量%~約40重量%、例えば、スタッコの約5重量%~約35重量%、スタッコの約5重量%~約30重量%、約5重量%~約25重量%、約5重量%~約20重量%、約5重量%~約15重量%、約5重量%~約10重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約10重量%~約20重量%、約10重量%~約15重量%などの量で存在する。デンプンは、板コアを成形するコアスラリー30中に、スタッコの約0重量%~約4重量%、例えば、スタッコの約0.1重量%~約4重量%、スタッコの約0.1重量%~約3重量%、スタッコの約0.1重量%~約2重量%、スタッコの約0.1重量%~約1重量%、スタッコの約1重量%~約4重量%、スタッコの約1重量%~約3重量%、スタッコの約1重量%~約2重量%などの量で存在し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、デンプンの有無にかかわらず、増強添加剤は、強度を増強するためにポリビニルアルコールおよび/またはホウ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリビニルアルコール、ホウ酸、およびデンプンがすべて存在する。理論に縛られることは望まないが、ホウ酸はポリビニルアルコールおよびデンプンに対する架橋剤として作用してデンプンをさらに増強させると考えられる。いくつかの実施形態では、縁部層95および/または濃縮層31中のポリビニルアルコールおよび/またはホウ酸の濃度は、正面紙の強度に肯定的に影響を与えると考えられ、これは、本明細書に記載されるように正面紙にポリビニルアルコールおよび/またはホウ酸を浸透させることによって複合され得る。
【0075】
含まれる場合、ポリビニルアルコールおよびホウ酸は、任意の好適な量で存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリビニルアルコールは、スタッコの約1重量%~約5重量%の量で濃縮スラリー31中に存在し得る。さらに、ポリビニルアルコールは、スタッコの約0重量%~約1重量%の量で板コアスラリー30中に存在し得る。ホウ酸は、スタッコの約0.1重量%~約1重量%の量で濃縮スラリー31中に存在し得、スコッタの約0重量%~約0.1重量%の量で板コアスラリー30中に存在し得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、増強添加剤は、任意選択で、強度、例えば、釘抜き抵抗性または他の強度パラメータを増強するために、ナノセルロース、ミクロセルロース、またはそれらの任意の組み合わせを含む。含まれる場合、ナノセルロース、ミクロセルロース、またはそれらの組み合わせは、例えば、濃縮スラリー31中に、例えば、スコッタの約0.01重量%~約2重量%、例えば、約0.05重量%~約1重量%の量、および板コアスラリー30中に、例えば、スコッタの約0重量%~約0.5重量%、例えば、0重量%~約0.01重量%の量など、任意の好適な量で存在し得る。
【0077】
増強添加剤は、いくつかの実施形態では、強度、例えば、釘抜き抵抗性または他の強度パラメータを増強するために、石膏セメントを含み得る。石膏セメントは、任意選択であり、任意の好適な量で存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、それは、スタッコの約5重量%~約30重量%の量で濃縮スラリー31中に含まれ得、スコッタの約0重量%~約10重量%の量で板コアスラリー30中に存在し得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、濃縮層31(および/または縁部層95)を成形するための濃縮スラリー31は、板コア層30を成形するためのコアスラリー30と比較して、増強添加剤の少なくとも約1.2倍、例えば、少なくとも約1.5倍、少なくとも約1.7倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍などの濃度を含有し、これらの範囲の各々は、必要に応じて、例えば、約60、約50、約40、約30、約20、約10、約9、約8、約7、約6.5、約6、約5.5、約5、約4.5、約4、約3.5、約3、約2.5、約2、約1.5などの任意の好適な上限を有し得る。本明細書で使用される場合、「より高い濃度」とは、成分の総量とは対照的に、(スタッコの重量で)増強添加剤の相対量を指すことが理解されよう。板コア層30は、濃縮層31および/または縁部層95によるバルク体積および厚さの寄与と比較して、より高い寄与を板25に提供するので、任意の特定の添加剤が板コアスラリー30中のより高い総量、例えば、ポンドまたはキログラムで提供され、さらに例えば、重量パーセント(重量%)で、濃縮スラリー31中のものと比較して、より低い重量パーセント濃度、すなわち、より低い相対量で提供され得ることが可能である。
【0079】
実施形態では、濃縮スラリー31は、濃縮層31(および実施形態では、縁部層95)が板25のコア層30よりも大きい密度を有するように配合され得る。実施形態では、濃縮スラリー31は、濃縮スラリー31によって生成された濃縮層31および/または縁部層95が、コアスラリー30によって成形された板コア層30よりも少なくとも約1.1倍高い密度を有し、いくつかの実施形態では、約0.02インチ(約0.05cm)~約0.2インチ(約0.5cm)の厚さを有するように配合されている。板コア層30は、好ましくは、濃縮層31の厚さ(および存在する場合には、縁部層95の各々の厚さ)よりも大きい厚さを有する。
【0080】
実施形態では、濃縮スラリー31の配合および生成は、その他の点で、2015年6月24日に出願された米国特許出願第62/184,060号、2016年2月2日に出願された同第62/290,361号、2016年6月17日に出願された同第15/186,176号、2016年6月17日に出願された同第15/186,212号、2016年6月17日に出願された同第15/186,232号、および2016年6月17日に出願された同第15/186,257号に記載される「濃縮層」の配合および生成と同様であり得る。実施形態では、コアスラリー30の配合および生成は、その他の点で、2015年6月24日に出願された米国特許出願第62/184,060号、2016年2月2日に出願された同第62/290,361号、2016年6月17日に出願された同第15/186,176、2016年6月17日に出願された同第15/186,212号、2016年6月17日に出願された同第15/186,232号、および2016年6月17日に出願された同第15/186,257号に記載される「板コア」を生成するために使用されるスラリーの配合および生成と同様であり得る。
【0081】
図1を参照すると、実施形態では、湿端システム35は、正面被覆シート27の縁部の各々を重畳して、縁部壁105、および正面被覆シート27と後部被覆シート28とを接続する際に使用するための接続フラップ107を画定するように適合された被覆シート重畳システム104を含み得る(
図9も参照)。実施形態では、被覆シート重畳システム104は、かかる目的のために、当業者には既知の任意の好適な機器を含み得る。当業者には理解されるように、被覆シート重畳システム104は、正面被覆シート145の各縁部114に隣接して配設された折り目110、111を使用して板縁部壁105および接続フラップ107の成形を容易にすることができる(
図9も参照)。実施形態では、折り目110、111を、当業者には既知の任意の好適な折り目を付ける機器および技術を使用して、被覆シート27の各側方縁部114に隣接して成形することができる。
【0082】
図1を参照すると、成形ステーション35は、石膏ボード25が所定の厚さ範囲内にあるように、石膏ボード25を成形するように適合されている。当該技術分野では既知であるように、成形ステーション35は、その意図された目的のために好適な任意の機器を備え得る。例えば、実施形態では、成形ステーション35は、マシン方向50およびマシン横断方向51に実質的に垂直である法線軸52に沿って互いに隔置された関係で一対の成形プレートまたはロールを含み得る。セメント質板25は、垂直に離間した成形プレート/ロールを通過してセメント質板25の厚さを決定する。成形プレート/ロールは、石膏ボード25の厚さをさらに洗練するために(および板の公称厚さが変更される場合、例えば、半インチの厚さから5/8インチまたは3/8インチの厚さの板に変更される場合に)互いに対して調節可能に移動させることができる。背面被覆シート28を正面被覆シート27に固設するために接着剤を塗布する機器を設けることができる。
【0083】
コンベア37は、石膏ボード25をマシン方向50に沿って成形ステーション35から離れて搬送するように適合されている。コンベア37は、石膏ボード25を、石膏ボード25の第1の被覆シート27がコンベア37上に静止するように支持するように構成されている。コンベア37は、マシン方向50、およびマシン方向50に垂直であるマシン横断方向51に沿って延在する。コンベア37は、石膏ボード25をマシン方向50に沿ってライン速度で搬送するように適合されている。実施形態では、コンベア37は、(例えば、石膏ボード25の生成速度を増加/低下させるため、および/または名目上半インチの厚さの石膏ボードを名目上5/8インチの厚さの板にすること、もしくはその逆により変更する場合など、生成される板の厚さを変更するために)ライン速度を変更することができるように構成され得る。
【0084】
コンベア37は、石膏ボード25の縁部がマシン方向50と実質的に平行な関係で延在するように構成され得る。実施形態では、コンベア37は、セメント質板25をきれいに切断することができるように、切断ステーション45に到達する前に、マシン方向50に沿って測定された、コア30、31を構成するスラリーを適切に凝固させるのに十分な長さを有するように構成され得る。
【0085】
当該技術分野では既知であるように、コンベア37は、その意図された目的のために好適な任意の機器を備え得る。図示の実施形態では、コンベア37は、支持表面を画定する複数の支持部材120を含む。図示の実施形態では、コンベア37の支持部材120は、回転用に軸止されたローラを備える。実施形態では、コンベア37の少なくとも一部分は、ローラ120の間に及ぶセメント質板25を支持するのを助け、平滑表面を備える正面被覆シート27を有する石膏ボード25を生成するのを助けるように、ローラ上に重なる関係で成形ベルトを装備することができる。
【0086】
図1を参照すると、被覆シート穿孔器システム40は、第2の被覆シート28内に一連の穿孔穴125を生成するように適合されている(
図9も参照)。実施形態では、被覆シート穿孔器システム40は、それを通過して石膏ボード25がマシン方向50に沿って切断ステーション45に向かって移動するときに、(マシン横断方向51に沿って測定された)第2の被覆シート28の所定の幅にわたって第2の被覆シート28を穿孔するように適合されている。実施形態では、被覆シート穿孔器システム40は、石膏ボード25に残っている過剰な水のキルン内での乾燥を容易にしながら、乾燥処理中に板25内での蒸気の成形を防止する(および/または板25内に成形されたあらゆる蒸気のための出口を提供する)ことを助ける、後部被覆シート28内の穿孔穴125をある穿孔穴パターンで生成するように構成され得る。
【0087】
実施形態では、被覆シート穿孔器システム40は、可変穿孔穴パターンを生成するように構成され得る。例えば、実施形態では、被覆シート穿孔器システム40は、異なる穿孔穴密度(単位面積当たりの穴)、開口面積(単位面積当たりの穿孔穴の合計面積)、行ピッチ(マシン横断方向51に沿った一列の隣接する穿孔穴間の距離)、および穴の間隔(マシン横断方向51に沿った一列の穿孔穴とマシン方向50に沿った隣接する一列の最も近い穿孔穴との間の距離)、ならびに異なる穿孔穴バーの距離(隣接する穿孔穴間に延在する被覆シート材料のウェブの距離)を有する穿孔穴パターンを生成するように構成され得る。
【0088】
図1~
図3を参照すると、図示の被覆シート穿孔器システム40は、穿孔器ローラ150、ローラ支持フレーム152、モータ154、アクチュエータアセンブリ157、およびコントローラ159を含む。穿孔器ローラ150は、マシン方向50に沿って成形ステーション35の下流側に配設されている。穿孔器ローラ150は、穿孔器ローラ150が回転軸RAを中心として回転可能であるように、ローラ支持フレーム152に回転可能に装着されている。ローラ支持フレーム152は、回転軸RAがマシン横断方向51に沿って延在するように穿孔器ローラ150を支持する(
図2および3参照)。ローラ支持フレーム152は、コンベア37上をライン速度で移動する石膏ボード25の第2の被覆シート28と接触する関係に穿孔器ローラ150を置くように適合されている(
図1および3参照)。駆動モータ154は、回転軸RAを中心として穿孔器ローラ150を回転させるように穿孔器ローラ150とともに配置されている。駆動モータ154は、石膏ボード25が穿孔器ローラ150を通過して移動するときに、穿孔器ローラ150を回転させて、第2の被覆シート28内に一連の穿孔穴125を生成するように適合されている(
図2参照)。
【0089】
図2および3を参照すると、穿孔器ローラ150は、ローラ直径Dを備える外周170を有する。穿孔器ローラ150は、シャフト172、およびシャフト172から突出する複数の穿孔ピン175を含む。シャフト172は、穿孔器ローラ150の回転軸RAを画定する。穿孔ピン175は、穿孔器ローラ150の外周170を画定する。実施形態では、シャフト172によって画定される回転軸RAを中心として円周方向へのおよび回転軸RAに沿って軸方向への穿孔ピン175の配置を変更して、上で論じられるように、穿孔器ローラ150が回転軸RAを中心として回転するときに穿孔器ローラ150によって生成される穿孔穴パターンを変更することができる。
【0090】
例えば、実施形態では、穿孔ピン175は、穿孔器ローラ150がマシン横断方向51に沿って、および各々がマシン方向50に沿って隔置された関係で延在する穿孔穴125の列181、182を生成するように、シャフト170を中心としてかつそれに沿って配置され得る。実施形態では、
図2に示されるように、穿孔穴125の隣接する列181、182を、一列181の穿孔穴125が穿孔穴の各隣接する列182の穿孔穴125に対して対応するオフセット関係にあるように互い違いに置くことができる。一実施形態では、マシン横断方向51に沿った列ピッチは1/2インチであり、マシン方向50に沿った列間隔は1/2インチであり、隣接する列181、182は1/4インチのオフセットで互い違いに置かれている。実施形態では、マシン横断方向51に沿った列ピッチおよびマシン方向50に沿った列間隔を変更することができる。他の実施形態では、穿孔穴125を、マシン横断方向51に沿って、隣接する列の穿孔穴125とそれぞれ整列した穿孔穴125を有する列に配置することができる。
【0091】
実施形態では、穿孔器ローラ154は、穿孔される石膏ボード25の部分および/または穿孔穴125のパターンを変更することができるように構成され得る。例えば、図示の実施形態では、穿孔ピン175は、シャフト172の周りに配設された一連の円筒形セグメント191、192、193、194、195に装着されている。実施形態では、異なる穿孔ピン配置を有する(またはピンがない)異なる円筒形セグメントをシャフト172に装着して、穿孔器ローラ150によって第2の被覆シート28内に生成される穿孔穴パターンを変更することができる。
【0092】
図3を参照すると、穿孔器ローラ150は、(マシン横断方向51に沿って測定した場合)石膏ボード25よりも幅が広い。図示の実施形態では、穿孔器ローラ150は、(マシン横断方向51に沿って測定した場合)第2の被覆シート28の全幅を実質的に横切る穿孔穴のパターンを与える。他の実施形態では、石膏ボード25の中央領域(例えば、板25のテーパ状縁部間のマシン横断方向51に沿った側方距離)のみが穿孔される。例えば、石膏ボード25の(マシン横断方向51に沿った)公称幅が4フィートである実施形態では、石膏ボード25の幅の約3/4である中央領域部分を穿孔することができる。
【0093】
図3を参照すると、穿孔器ローラ150は、法線軸52に沿って石膏ボードの上に配設されている。法線軸52は、マシン方向50およびマシン横断方向51の両方に垂直である。
【0094】
穿孔器ピン175は、穿孔器ローラ150のシャフト172から半径方向外方に延在する小さなロッドである。各穿孔器ピン175は、実質的に同じであり得、第2の被覆シート28を通って穿設されて穿孔穴125を生成するように適合された遠位穿設点を含み得る。実施形態では、穿孔ピン175は、(穿孔ピン175の長手方向軸に対して垂直に測定された場合)各穿孔ピン175が、その遠位端において、穿孔器ローラのシャフト172に近い基部よりも小さい横断面積を有するように略円錐形である。実施形態では、穿孔器ピン175は、任意の好適なテーパ角を有し得る。
【0095】
実施形態では、穿孔器ローラ150は、(穿孔器ローラ150の回転軸RA(例えば、シャフト172の半径方向中心)と石膏ボードの第2の被覆シート28との間の法線軸52に沿って測定された)オフセット距離200が可変であるように、ローラ支持フレーム152によって調節可能に支持されている。穿孔器ローラ150と第2の被覆シート28との間のオフセット距離200を変更することによって、第2の被覆シート28内に得られる穿孔穴125の円周サイズを変更することができる。オフセット距離200を低下させると、テーパ穿孔ピン175によって生成された穿孔穴125の面積は増加する(すなわち、テーパ穿孔ピン175は石膏ボード25内により深く貫通する)。オフセット距離200を増加させると、テーパ穿孔ピン175によって生成された穿孔穴125の面積は低下する(すなわち、テーパ穿孔ピン175は石膏ボード25内により浅く貫通する)。
【0096】
実施形態では、穿孔ピン175は、第2の被覆シート28を貫通して石膏ボード25の凝固石膏スラリー内に貫通し得ることを理解されたい。実施形態では、オフセット距離200は、穿孔器ローラ150の直径Dの1/2未満であり、その結果、穿孔ピン175は、それがマシン方向50に沿って穿孔器ローラ150を通過するときに第2の被覆シート28に穿設するように、石膏ボード25の第2の被覆シート28と干渉する関係にある。
【0097】
実施形態では、穿孔ピン175は、例えば、金属などの任意の好適な材料から作製され得る。実施形態では、穿孔ピン175は、それらが第2の被覆シート28と断続的に行う接触に応答して、穿孔ピン175がわずかに屈曲することを可能にする金属から作製されている。十分に可撓性であることによって、穿孔ピン175は、石膏ボード25との接触ラインにおける穿孔器ローラの接線速度および板25がマシン方向50に沿って移動しているライン速度におけるいくつかの変動に適応し得る。
【0098】
図1~3を参照すると、ローラ支持フレーム152は、コンベア37上で穿孔器ローラ150を支持するように構成されている。ローラ支持フレーム152は、コンベア37がそれらの間に介在するように、マシン横断方向51に沿って互いに隔置された関係で配設された第1および第2の側部フレームアセンブリ211、212と、側部フレームアセンブリ211と212との間でコンベア37上にマシン横断方向51に沿って延在する横断支持レール214と、側部フレームアセンブリ211と212との間でそれらのそれぞれの頂部端部に延在する頂部フレームアセンブリ217と、ローラブラケット220とを含む。
【0099】
側部フレームアセンブリ211、212は、実質的に同じ構築物を有し、互いに鏡像である。各側部フレームアセンブリ211、212は、マシン方向50に沿って互いに隔置された関係で配設された一対の直立部223、224と、法線軸52に沿った中間点においてそれぞれの直立部223と224との間でマシン方向50に沿って延在する長手方向ローラブラケット支持レール225とを含む。
【0100】
図3を参照すると、直立部223、224は、好適な装着ブラケット227を介して床(または他の支持表面)に固設され、法線軸52に沿って延在し得る。頂部フレームアセンブリ217は、直立部223、224のそれぞれの上部端部229に装着されている。
図1~3を参照すると、長手方向ローラブラケット支持レール225を使用して、一対のベアリング234、235(例えば、ピローブロックベアリングなど)を介してローラブラケット220を枢動可能に支持することができる。
【0101】
図2を参照すると、横断支持レール214は、法線軸52に沿った中間点で第1および第2の側部フレームアセンブリ211、212の上流側直立部223の間に延在する。横断支持レール214は、横断支持レール214およびローラブラケット220の両方に接続されたアクチュエータアセンブリ157のための装着部として使用され得る。
【0102】
図1~3を参照すると、ローラブラケット220は、穿孔器ローラ150を回転可能に支持する。
図2および3を参照すると、穿孔器ローラ150は、回転軸RAを中心とした回転用にローラブラケット220に
軸止されている。図示の実施形態では、穿孔器ローラ150のシャフト172は、ローラブラケット220に装着された一対のベアリング231、231(例えば、ピローブロックベアリング)によって、穿孔器ローラ150のシャフト172がベアリング231と232との間に延在して回転軸RAを画定するように回転可能に支持されている。
【0103】
図1を参照すると、ローラブラケット220は、ローラブラケット220が、(
図1に示される)係合ポジションと(
図1において破線で示される)収容ポジションとの間で進行範囲にわたって回転可能であるように枢動可能に移動可能である。穿孔器ローラ150は、ローラブラケット220が係合ポジションにあるときにコンベア37によって搬送されている石膏ボード25と接触する関係にあるようにポジショニングされている。穿孔器ローラ150は、ローラブラケット220が収容ポジションにあるときにコンベア37によって搬送されている石膏ボード25と接触しない関係にあるようにポジショニングされている。
【0104】
図示の実施形態では、ローラブラケット220は、第1および第2の側部フレームアセンブリ211、212にそれぞれ装着されたベアリング234、235を介してローラ支持フレーム152に枢動可能に装着されている。ローラブラケット220は、(例えば、
図2および3に示されるように)その本体241から延在する一対の枢動シャフト238、239を含む。枢動シャフト238、239は、ローラブラケット枢動軸BAを画定するようにベアリング234、235にそれぞれ挿入されている。
【0105】
図4~6を参照すると、ローラブラケット220は、ローラ支持フレームの残部から分解されて示されている。ローラブラケット220のこの例示的な実施形態に関するさらなる詳細は、当業者には明らかであろう。他の実施形態では、ローラブラケットは異なる構築物を有し得ることを理解されたい。
【0106】
図3を参照すると、実施形態では、ローラ支持フレーム152は、穿孔器ローラ150をコンベア上で、穿孔器ローラ150とコンベア37によって支持されている石膏ボード25の第2の被覆シート28との間で測定されたオフセット距離200が石膏ボード25の第2の被覆シート28への穿孔器ローラ150の穿孔ピン175の貫通の深さを選択的に調節するために可変であるように調節可能に支持するように適合されている。例えば、
図7を参照すると、実施形態では、支持フレーム152は、ポジショニング要素270およびブラケットストップ272を含む。ポジショニング要素270は、ローラブラケット220に装着されている。ブラケットストップ272は、コンベア37に、ブラケットストップ272がコンベア37に向かう一方向275へのローラブラケット220の回転移動を限定して係合ポジションを画定するためにポジショニング要素270と干渉する関係にあるように装着されている(例えば、
図1参照)。
【0107】
図7を参照すると、実施形態では、ポジショニング要素270は、ローラブラケット220に、ポジショニング要素270の遠位端部277をヒンジブラケット220から可変距離278でポジショニングするために、ヒンジブラケット220が係合ポジションにあるときに穿孔器ローラ150とコンベア37との間で測定されるオフセット距離200が石膏ボード25の第2の被覆シート28への穿孔器ローラ150の貫通の深さを選択的に調節するために可変であるように調節可能に装着されている。図示の実施形態では、ポジショニング要素270は、ローラブラケット220に固設された装着体282とねじ山係合されたねじ山付きロッド280を含む。遠位端部277は、ねじ山付きロッド280に装着された半球形の接触ボタンの形態である。ねじ山付きロッド280は、ねじ山付きロッド280をその長手方向軸を中心として固定された量だけ回転させることによって、接触ボタンを所定の量だけ前進/後退させるように、精密公差を備えるねじ山付き表面を有し得る。ねじ山付きロッド280を所望のポジションに係止するためにジャムナット284を設けることができる。
【0108】
実施形態では、ブラケットストップ272は、任意の好適な構築物を有することができ、これにより、ポジショニング要素を使用して石膏ボード25の第2の被覆シート28に対して穿孔器ローラ150を調節可能に位置決めすることを可能にするように、ポジショニング要素270の移動を阻止することが可能である。図示の実施形態では、ブラケットストップ272は、平坦な支持端部287を有する支柱を備える。支持端部287は、ポジショニング要素270の遠位端部277が支持端部287上に静止してローラブラケット220の係合ポジションを画定するようにポジショニングされている。
【0109】
図2および5を参照すると、図示のローラ支持フレーム152は、ローラブラケット220の下流側の隅に装着された一対のポジショニング要素270、271と、コンベア37のいずれか一方の側に装着された一対の関連するブラケットストップ272、273とを含む(例えば、
図1および3参照)。ポジショニング要素270、271およびそれぞれの関連するブラケットストップ272、273は、それぞれ同様の様式で構築され得る。
【0110】
図7および8を参照すると、実施形態では、支持フレーム152は、所定のパッドの厚さを有するストップパッド290を含む。ストップパッド290は、ポジショニング要素270とブラケットストップ272との間に介在して、パッドの厚さに相関する量で係合ポジションのポジションを徐々に調節するように適合されている。実施形態では、パッドの厚さは、2つの製品の厚さの増分差であり得る。例えば、実施形態では、ストップパッド290のパッドの厚さは、システム20によって生成された2つの厚さの種類の石膏ボード25の間の製品の厚さの差に相関され得る。実施形態では、ストップパッド290を使用して、1/2インチの厚さの板から5/8インチの厚さの板へ変更を加えることができる。
【0111】
図示の実施形態では、ストップパッド290は、枢動ブロック292を介してブラケットストップ272に枢動可能に装着されている。
図7を参照すると、ストップパッド290は、それがローラブラケット220の係合ポジションをさらに画定するために使用されていないように、ブラケットストップ272の支持端部から離れて枢動する。枢動ブロック292をブラケットストップ272の側部と接触させて、支持端部287から離れるストップパッド290の移動を限定する。
図8では、ストップパッド290は、支持端部287上の所定の位置で、ストップパッド290がポジショニング要素270とブラケットストップ272との間に介在して、穿孔器ローラ150がコンベア37から離れる距離をさらに増加させるように枢動している。
【0112】
図1および2を参照すると、駆動モータ154は、穿孔器ローラ150の外周と第2の被覆シート28との間の接触点で、石膏ボード25とともに一方向295に穿孔器ローラ150を回転させるように適合されている。駆動モータ154は、穿孔器ローラ150を、穿孔器ローラ150の外周170が、石膏ボード25が移動しているライン速度と実質的に等しい接線速度を有するように回転させるように適合されている。石膏ボードが移動しているライン速度が実施形態における公称ライン速度であることを当業者は理解するであろう。公称ライン速度は、オペレータによる動作入力として確立され得る。いくつかの実施形態では、公称ライン速度は、成形ステーション35および/または切断ステーション45の近くに位置するものなどのライン速度センサ測定値に基づき得る。
【0113】
実施形態では、モータ154は、その意図された目的のために好適な任意の好適なモータであり得る。実施形態では、モータは、穿孔器ローラ150をある範囲の回転速度にわたって回転させるように構成された好適なギアモータおよび可変周波数駆動(VFD)を備える。
【0114】
穿孔器ローラ150の接線速度と石膏ボード25が進行するライン速度とが互いに十分に異なってくると、穿孔穴125の形状は円形から卵形に変化し得る。実施形態では、モータ154の動作は、所定の形状プロファイル公差に適合する形状を有する穿孔穴125を生成するように制御され得る。実施形態では、視覚システムを設けて、穿孔穴のための所望の形状を維持するようにモータ154の動作を制御するのを助けることができる。
【0115】
図1を参照すると、アクチュエータアセンブリ157は、係合ポジションと収容ポジションとの間の進行範囲にわたってローラブラケット220を選択的に移動させるように適合されている。アクチュエータアセンブリ157は、リニアアクチュエータ310と、リニアアクチュエータの電源312とを含む。実施形態では、リニアアクチュエータは、支持フレーム152の少なくともローラブラケット220に装着されている。図示の実施形態では、リニアアクチュエータ310は、ローラブラケット220およびローラ支持フレーム152の横断支持レール214に装着されている。実施形態では、リニアアクチュエータは、収容ポジションと係合ポジションとの間の進行範囲にわたってローラブラケットを選択的に回転させるように構成された任意の好適なアクチュエータを含み得る。リニアアクチュエータの電源312は、リニアアクチュエータ310が進行範囲にわたってローラブラケット220を移動させるように、リニアアクチュエータ310を選択的に動作させるように構成されている。図示の実施形態では、リニアアクチュエータ310は空気シリンダを備え、電源312は圧縮空気の供給源を備える。
【0116】
図1を参照すると、コントローラ159は、リニアアクチュエータの電源312およびモータ154とともに動作可能に配置されている。実施形態では、コントローラ159は、コントローラ159によって受信されるコマンド信号に応答して、リニアアクチュエータの電源312を選択的に動作させて、ローラブラケット220を係合ポジションから収容ポジションへと移動させるように構成されている。実施形態では、電源312から空気シリンダ310への加圧空気の流れは、好適な弁システムを介してコントローラ159によって制御される。実施形態では、コントローラ159は、モータ154の動作を制御するようにプログラムして、穿孔器ローラ150の回転速度を可変的に変更することができる。実施形態では、コントローラ159を使用して、その接線速度が、石膏ボード25がマシン方向50に沿って移動しているライン速度の所定の公差内になるように穿孔器ローラ150を動作させるのを助けることができる。
【0117】
図1を参照すると、切断ステーション45は、マシン方向50に沿って成形ステーション35の下流側に配設されている。切断ステーション45は、コンベア37が切断ステーション45を通過して石膏ボード25を運ぶようにコンベア37に対して配置されている。切断ステーション45は、セメント質板25がマシン方向50に沿って切断ステーション45を通過して移動するときに、一連の板セグメントを画定するようにマシン横断方向51に沿って石膏ボード25を周期的に切断するように構成されたナイフを含み得る。実施形態では、ナイフは、当業者に一般的に知られているような回転ナイフであり得る。
【0118】
実施形態では、被覆シート穿孔器システム40の穿孔器ローラ150は、マシン方向50に沿って切断ステーション45の上流側に位置する。図示の実施形態では、被覆シート穿孔器システム40の穿孔器ローラ150は、成形ステーション35と切断ステーション45との間でマシン方向50に沿って配設されている。
【0119】
実施形態では、コントローラ159は、切断ステーション45の回転ナイフの動作を制御するように構成され得る。実施形態では、コントローラ159は、(例えば、好適なセンサによって検出されるような)板ラインのライン速度に基づいて回転ナイフの回転速度を調節して、異なるライン速度条件下で実質的に同じ長さの板セグメントを生成し得る。
【0120】
実施形態では、セメント質板25を製造するためのシステム20は、他の構成要素およびステーションを含み得る。例えば、実施形態では、システム20は、板反転器を含む伝達システムと、キルンと、結束機およびテーピングステーションとを含み得、すべて切断ステーション45の下流側にある。
【0121】
本開示の原理に従って石膏ボードを製造する方法の実施形態では、本開示の原理に従って構築された被覆シート穿孔器システムを使用して、本明細書で論じられる有孔被覆シートを有する石膏ボードを作製する。実施形態では、本開示の原理に従って石膏ボードを製造する方法を、本明細書で論じられる原理に従って石膏ボードを製造するためのシステムの任意の実施形態で使用することができる。
【0122】
例えば、実施形態では、本開示の原理に従って石膏ボードを製造する方法は、石膏ボードをマシン方向に沿って成形ステーションから離れて穿孔器ローラへと搬送することを含む。石膏ボードは、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在するコアを有する。コアは、水性石膏スラリーを含む。石膏ボードは、マシン方向およびマシン横断方向に沿って延在する。マシン横断方向は、マシン方向に垂直である。穿孔器ローラは、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されている。
【0123】
石膏ボードは、マシン方向に沿って穿孔器ローラの下を通過する。穿孔器ローラは、石膏ボードの第2の被覆シートと接触する関係にある。穿孔器ローラを、駆動モータを介して、マシン横断方向に沿って延在する回転軸を中心として回転させて、石膏ボードがマシン方向に穿孔器ローラを通過して移動するときに第2の被覆シート内に一連の穿孔穴を生成する。本開示の原理に従って石膏ボードを製造する方法の実施形態では、駆動モータは、穿孔器ローラを、穿孔器ローラの外周と第2の被覆シートとの間の接触点で石膏ボードとともに一方向へ回転させる。
【0124】
実施形態では、石膏ボードは、マシン方向に沿ってライン速度で成形ステーションから離れて搬送される。駆動モータは、穿孔器ローラを、穿孔器ローラの外周がライン速度と実質的に等しい接線速度を有するように回転させることができる。
【0125】
実施形態では、本方法は、穿孔器ローラとコンベアとの間で測定されたオフセット距離を変更することによって、石膏ボードの第2の被覆シートへの穿孔器ローラの貫通の深さを調節することをさらに含む。オフセット距離は、マシン方向およびマシン横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って測定される。実施形態では、オフセット距離は、石膏ボードの厚さの変化に相関する量で徐々に変化する。
【0126】
実施形態では、本方法は、石膏ボードがマシン方向に沿って切断ステーションを通過して移動するときに、一連の板セグメントを画定するように石膏ボードを周期的に切断することをさらに含む。切断ステーションは、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されている。穿孔器ローラは、マシン方向に沿って成形ステーションと切断ステーションとの間に介在する。実施形態では、穿孔器ローラは、第2の被覆シートを穿孔する前にコアを含む水性石膏スラリーを凝固させるのに十分な距離だけ、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されている。
【0127】
実施形態では、本方法は、穿孔器ローラが石膏ボードと接触しない関係に置かれるように、穿孔器ローラを収容ポジションへ移動させることをさらに含む。石膏ボードの穿孔を再開することが所望される場合、穿孔器ローラを係合ポジションの所定の位置に戻すことができる。
【0128】
実施形態では、石膏ボードのコアは、コア層、および濃縮層を備える。コア層は、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形され、濃縮層は、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形されている。増強添加剤は、コアスラリー中よりも濃縮スラリー中に、より濃縮された重量パーセント量で存在する。
【0129】
実施形態では、コア層は、第2の被覆シートと濃縮層との間に法線軸に沿って介在する。法線軸は、マシン方向およびマシン横断方向の両方に垂直である。
【0130】
図9を参照すると、本開示の原理に従って作製された石膏ボード25の一実施形態が示されている。石膏ボード25は、第1の被覆シート27、第2の被覆シート28、および石膏コア29を含む。石膏コア29は、第1の被覆シート27と第2の被覆シート28との間に介在する。石膏コア29は、コア層30および濃縮層31を含む。コア層30は、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形された凝固石膏を含む。濃縮層31は、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形された凝固石膏を含む。増強添加剤は、コアスラリー中に存在するものよりも濃縮スラリー中の方が(重量パーセントで)より濃縮された量で存在する。被覆シート27、28のうちの少なくとも1つは、該被覆シートがその中に複数の穿孔穴125を画定するように穿孔される。図示の実施形態では、第2の被覆シート28が穿孔される。
【0131】
実施形態では、コア層30は、第2の被覆シート28と濃縮層31との間に介在する。図示の実施形態では、コア層30は、第2の被覆シート28と連続している。実施形態では、スキムコート層を、第2の被覆シート28と、コア層30を作製したスラリーよりも密度が高いスラリーから作製されたコア層30との間に介在させることができる。
【0132】
実施形態では、コア層30は、濃縮層31よりも法線軸52に沿って第2の被覆シート28に近い。法線軸52は、マシン方向50およびマシン横断方向51の両方に垂直である。
【0133】
実施形態では、コア層30は、第1の配合物を有する水性石膏スラリーから成形されている。石膏ボード25は、第1の配合物とは異なる第2の配合物を有するスラリーから成形された、マシン方向50に沿って長手方向に延在する一対の縁部層95を有する(そのうちの1つを示す)。縁部層95は、マシン方向50に垂直であるマシン横断方向51に沿って互いに側方に隔置された関係で配設されている。各縁部層95は、横断断面が概してC字形である。縁部層95は、正面被覆シート27およびコア層30と結合する関係にある。
【0134】
実施形態では、各縁部層95は、縁部層95が石膏ボードの一方の正面27(この場合は、前部正面)から石膏ボード25の縁部壁105の周りに延在するように、石膏ボード25の正面被覆シート27に塗布され得る。図示の実施形態では、縁部層95は、縁部層95が前部被覆シート27の接続フラップ107の少なくとも一部分と結合する関係にあるように、縁部壁105の周りに延在する。
【0135】
実施形態では、縁部層95は、法線軸52に沿って測定された石膏ボードの公称厚さの半分未満の厚さを有する。このようにして、各縁部層95は、C字形断面をとり、コア層30の一部分315は、法線軸52に沿って縁部層95の一対の正面部分320と321との間に介在する。正面部分320、321は、正面被覆シート27および接続フラップ107にそれぞれ接続されている。縁部層95の壁部分325は、石膏ボード25の縁部壁105に結合されている。正面部分320、321は、マシン方向50およびマシン横断方向51に沿って延在する。壁部分325は、マシン方向50および法線軸52に沿って延在する。
【0136】
実施形態では、石膏ボード25は、縁部層95の間で側方に延在する濃縮層31を含む。図示の実施形態では、濃縮層31は、縁部層95を伴って第2の配合物を有するスラリーから成形されている。濃縮層31は、縁部層95と実質的に連続している。濃縮層31は、正面被覆シート27およびコア層30に対して結合している。濃縮層31は、実質的に縁部層95の間でマシン横断方向51に延在する。
【0137】
背面被覆シート28は、任意の好適な技術を使用して正面被覆シート27に接続され得る。例えば、図示の実施形態では、背面被覆シート28は、好適な接着剤によって接続フラップ107に接続されている。
【0138】
本開示の原理を以下の例示的な実施形態によってさらに説明する。しかしながら、本開示の範囲は、以下の実施形態によって限定されない。
【0139】
実施形態1。石膏ボードを製造するためのシステムであって、石膏ボードが、石膏コアと、第1の被覆シートと、第2の被覆シートとを有し、石膏コアが、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在し、システムが、成形ステーションであって、石膏ボードが所定の厚さの範囲内にあるように石膏ボードを成形するように適合されている、成形ステーションと、コンベアであって、コンベアが、石膏ボードをマシン方向に沿って成形ステーションから離れて搬送するように適合されており、コンベアが、石膏ボードを、石膏ボードの第1の被覆シートがコンベア上に静止するように支持するように構成されおり、コンベアが、マシン方向およびマシン横断方向に沿って延在し、マシン横断方向が、マシン方向に垂直である、コンベアと、被覆シート穿孔器システムであって、穿孔器ローラ、ローラ支持フレーム、およびモータを含む、被覆シート穿孔器システムとを備え、穿孔器ローラが、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されており、穿孔器ローラが、ローラ支持フレームに、穿孔器ローラが回転軸を中心として回転可能であるように回転可能に装着されており、ローラ支持フレームが、穿孔器ローラを、回転軸がマシン横断方向に沿って延在するように支持し、ローラ支持フレームが、穿孔器ローラをコンベアによって搬送された石膏ボードの第2の被覆シートと接触する関係に置くように適合されており、駆動モータが、回転軸を中心として穿孔器ローラを回転させるように穿孔器ローラとともに配置され、駆動モータが、穿孔器ローラを回転させて、石膏ボードが穿孔器ローラを通過して移動するときに第2の被覆シート内に一連の穿孔穴を生成するように適合されている、システム。
【0140】
実施形態2。穿孔器ローラが、外周を有し、駆動モータが、穿孔器ローラを、穿孔器ローラの外周と第2の被覆シートとの間の接触点で石膏ボードとともに一方向へ回転させるように適合されている、実施形態1に記載の製造するためのシステム。
【0141】
実施形態3。コンベアが、石膏ボードをマシン方向に沿ってライン速度で搬送するように適合されており、駆動モータが、穿孔器ローラを、穿孔器ローラの外周が接線速度を有するように回転させるように適合されており、接線速度が、ライン速度に実質的に等しい、実施形態2に記載の製造するためのシステム。
【0142】
実施形態4。穿孔器ローラが、シャフトと、ローラから突出する複数の穿孔ピンとを含み、穿孔ピンが、穿孔器ローラの外周を画定する、実施形態1に記載の製造するためのシステム。
【0143】
実施形態5。ローラ支持フレームが、穿孔器ローラをコンベア上で、穿孔器ローラとコンベアとの間で測定されたオフセット距離が石膏ボードの第2の被覆シートへの穿孔器ローラの貫通の深さを選択的に調節するために可変であるように調節可能に支持するように適合されており、オフセット距離が、マシン方向およびマシン横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って測定される、実施形態1に記載の製造するためのシステム。
【0144】
実施形態6。ローラ支持フレームが、ローラブラケットを含み、穿孔器ローラが、回転軸を中心とした回転用にローラブラケットに軸止されており、ローラブラケットは、ローラブラケットが係合ポジションと収容ポジションとの間で進行範囲にわたって回転可能であるように枢動可能に移動可能であり、穿孔器ローラが、係合ポジションにあるときにコンベアによって搬送されている石膏ボードと接触する関係にあるようにポジショニングされ、穿孔器ローラが、収容ポジションにあるときにコンベアによって搬送されている石膏ボードと接触しない関係にあるようにポジショニングされている、実施形態1に記載の製造するためのシステム。
【0145】
実施形態7。被覆シート穿孔器システムが、アクチュエータアセンブリを含み、アクチュエータアセンブリが、係合ポジションと収容ポジションとの間の進行範囲にわたってローラブラケットを選択的に移動させるように適合されている、実施形態6に記載の製造するためのシステム。
【0146】
実施形態8。アクチュエータアセンブリが、リニアアクチュエータと、リニアアクチュエータの電源とを含み、リニアアクチュエータが、支持フレームの少なくともローラブラケットに装着されており、リニアアクチュエータの電源が、リニアアクチュエータが進行範囲にわたってローラブラケットを移動させるように、リニアアクチュエータを選択的に動作させるように構成されている、実施形態7に記載の製造するためのシステム。
【0147】
実施形態9。ローラ支持フレームが、ポジショニング要素およびブラケットストップを含み、ポジショニング要素が、ローラブラケットに装着され、ブラケットストップが、コンベアに、ブラケットストップがコンベアに向かう一方向へのローラブラケットの回転移動を限定して係合ポジションを画定するためにポジショニング要素と干渉する関係にあるように装着されている、実施形態6に記載の製造するためのシステム。
【0148】
実施形態10。ポジショニング要素が、ローラブラケットに、ポジショニング要素の遠位端部をヒンジブラケットから可変距離でポジショニングするために、ヒンジブラケットが係合ポジションにあるときに穿孔器ローラとコンベアとの間で測定されるオフセット距離が石膏ボードの第2の被覆シートへの穿孔器ローラの貫通の深さを選択的に調節するために可変であるように調節可能に装着されており、オフセット距離が、マシン方向およびマシン横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って測定される、実施形態9に記載の製造するためのシステム。
【0149】
実施形態11。支持フレームが、ストップパッドを含み、ストップパッドが、パッドの厚さを有し、ストップパッドが、ポジショニング要素とブラケットストップとの間に介在して、パッドの厚さに相関する量で係合ポジションのポジションを徐々に調節するように適合されている、実施形態10に記載の製造するためのシステム。
【0150】
実施形態12。切断ステーションをさらに備え、切断ステーションが、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されており、切断ステーションは、コンベアが切断ステーションを通過して石膏ボードを運ぶようにコンベアに対して配置されており、切断ステーションは、石膏ボードがマシン方向に沿って切断ステーションを通過して移動するときに、一連の板セグメントを画定するようにマシン横断方向に沿って石膏ボードを周期的に切断するように構成されたナイフを含み、被覆シート穿孔器システムの穿孔器ローラが、成形ステーションと切断ステーションとの間でマシン方向に沿って配設されている、実施形態1に記載の製造するためのシステム。
【0151】
実施形態13。石膏ボードを製造する方法であって、本方法が、石膏ボードをマシン方向に沿って成形ステーションから離れて穿孔器ローラへと搬送することであって、石膏ボードが、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在するコアを有し、コアが、水性石膏スラリーを含み、石膏ボードが、マシン方向およびマシン横断方向に沿って延在し、マシン横断方向が、マシン方向に垂直であり、穿孔器ローラが、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されている、搬送することと、石膏ボードをマシン方向に沿って穿孔器ローラの下に通過させることであって、穿孔器ローラが、石膏ボードの第2の被覆シートと接触する関係にある、通過させることと、穿孔器ローラを、駆動モータを介して、マシン横断方向に沿って延在する回転軸を中心として回転させて、石膏ボードがマシン方向に穿孔器ローラを通過して移動するときに第2の被覆シート内に一連の穿孔穴を生成することとを含む、方法。
【0152】
実施形態14。駆動モータが、穿孔器ローラを、穿孔器ローラの外周と第2の被覆シートとの間の接触点で石膏ボードとともに一方向へ回転させる、実施形態13に記載の製造方法。
【0153】
実施形態15。石膏ボードが、マシン方向に沿ってライン速度で成形ステーションから離れて搬送され、駆動モータが、穿孔器ローラを、穿孔器ローラの外周が接線速度を有するように回転させ、接線速度が、ライン速度に実質的に等しい、実施形態14に記載の製造方法。
【0154】
実施形態16。穿孔器ローラとコンベアとの間で測定されたオフセット距離を変更することによって、石膏ボードの第2の被覆シートへの穿孔器ローラの貫通の深さを調節することをさらに含み、オフセット距離が、マシン方向およびマシン横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って測定される、実施形態13に記載の製造方法。
【0155】
実施形態17。オフセット距離が、石膏ボードの厚さの変化に相関する量で徐々に変化する、実施形態16に記載の製造するためのシステム。
【0156】
実施形態18。穿孔器ローラが石膏ボードと接触しない関係に置かれるように、穿孔器ローラを収容ポジションへ移動させることをさらに含む、実施形態13に記載の製造方法。
【0157】
実施形態19。石膏ボードがマシン方向に沿って切断ステーションを通過して移動するときに、一連の板セグメントを画定するように石膏ボードを周期的に切断することをさらに含み、切断ステーションが、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されており、穿孔器ローラが、マシン方向に沿って成形ステーションと切断ステーションとの間に介在する、実施形態13に記載の製造方法。
【0158】
実施形態20。穿孔器ローラが、第2の被覆シートを穿孔する前にコアを含む水性石膏スラリーを凝固させるのに十分な距離だけ、マシン方向に沿って成形ステーションの下流側に配設されている、実施形態19に記載の製造方法。
【0159】
実施形態21。石膏ボードのコアは、コア層および濃縮層を備え、コア層が、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形され、濃縮層が、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形され、増強添加剤が、コアスラリー中よりも濃縮スラリー中に、より濃縮された重量パーセント量で存在する、実施形態13に記載の製造方法。
【0160】
実施形態22。コア層が、第2の被覆シートと濃縮層との間に法線軸に沿って介在し、法線軸が、マシン方向およびマシン横断方向の両方に垂直である、実施形態13に記載の製造方法。
【0161】
実施形態23。石膏ボードであって、第1の被覆シートと、第2の被覆シートと、コアとを備え、コアが、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在し、コアが、コア層および濃縮層を含み、コア層が、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形された凝固石膏を含み、濃縮層が、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形された凝固石膏を含み、増強添加剤が、コアスラリー中よりも濃縮スラリー中に、より濃縮された重量パーセント量で存在し、第2の被覆シートが、その中に一連の穿孔穴を画定する、石膏ボード。
【0162】
実施形態24。コア層が、第2の被覆シートと濃縮層との間に介在する、実施形態23に記載の石膏ボード。
【0163】
実施形態25。コア層が、第2の被覆シートと連続している、実施形態23に記載の石膏ボード。
【0164】
前述の実施形態は本開示の原理による実施形態の単なる例であることに留意されたい。他の例示的な実施形態は、本明細書の記載全体から明らかである。これらの実施形態の各々が、本明細書で提供される他の実施形態と様々に組み合わせて使用されてもよいことも、当業者には理解されるであろう。
【0165】
本明細書に引用される全ての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個々にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【0166】
本発明を記載する文脈において(特に、以下の特許請求の範囲の文脈において)、用語「a」、および「an」、および「the」、ならびに同様の指示語の使用は、本明細書で別途記載のない限り、または文脈が明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含するよう解釈されるものである。「備えること」、「有すること」、「含むこと」、および「含有すること」という用語は、特に断りのない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むがこれに限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、その範囲内にある各個別の値を個々に参照する簡単な法として役立つことを単に意図し、各個別の値は、あたかも本明細書に個々に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的な用語(例えば、「~など」)の使用は、本発明をよりよく説明することを単に意図し、特に特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる用語も、任意の特許請求の範囲に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠なものとして示すものと解釈されるべきではない。
【0167】
本発明を実施するために本発明者らに既知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書に記載される。それらの好ましい実施形態の変化形は、上記の説明を読むことにより当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変化形を必要に応じて用いることを期待し、本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記載されるものとは別の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用される法律によって許容される、添付の請求の範囲において列挙される主題の全ての修正物および同等物を含む。さらに、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、それらの全ての可能な変化形における上記の要素の任意の組み合わせが、本発明によって包含される。
[付記1]
石膏ボードを製造するためのシステムであって、前記石膏ボードが、石膏コアと、第1の被覆シートと、第2の被覆シートと、を有し、前記石膏コアが、前記第1の被覆シートと前記第2の被覆シートとの間に介在し、前記システムが、
成形ステーションであって、前記石膏ボードが所定の厚さ範囲内にあるように、前記石膏ボードを成形するように適合された、成形ステーションと、
コンベアであって、前記コンベアが、前記石膏ボードを機械方向に沿って前記成形ステーションから離れて搬送するように適合されており、前記コンベアが、前記石膏ボードを、前記石膏ボードの前記第1の被覆シートが前記コンベア上に置かれるように支持するように構成されており、前記コンベアが、前記機械方向および機械横断方向に沿って延在し、前記機械横断方向が、前記機械方向に垂直である、コンベアと、
被覆シート穿孔器システムであって、前記被覆シート穿孔器システムが、穿孔器ローラ、ローラ支持フレーム、および駆動モータを含み、
前記穿孔器ローラが、前記機械方向に沿って前記成形ステーションの下流側に配設されており、前記穿孔器ローラが、前記ローラ支持フレームに、前記穿孔器ローラが回転軸を中心として回転可能であるように回転可能に装着されており、
前記ローラ支持フレームが、前記穿孔器ローラを、前記回転軸が前記機械横断方向に沿って延在するように支持し、前記ローラ支持フレームが、前記穿孔器ローラを前記コンベアによって搬送された前記石膏ボードの前記第2の被覆シートと接触する関係に置くように適合されており、
前記駆動モータが、前記回転軸を中心として前記穿孔器ローラを回転させるように前記穿孔器ローラとともに配置され、前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを回転させて、前記石膏ボードが前記穿孔器ローラを通過して移動するときに前記第2の被覆シート内に一連の穿孔穴を生成するように適合されている、
被覆シート穿孔器システムと、
を含む、システム。
[付記2]
前記穿孔器ローラが、外周を有し、前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを、前記穿孔器ローラの前記外周と前記第2の被覆シートとの間の接触点で前記石膏ボードの方向に回転させるように適合されている、付記1に記載の製造するためのシステム。
[付記3]
前記コンベアが、前記石膏ボードを前記機械方向に沿ってライン速度で搬送するように適合されており、前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを、前記穿孔器ローラの前記外周が接線速度を有するように回転させるように適合されており、前記接線速度が、前記ライン速度に実質的に等しい、付記2に記載の製造するためのシステム。
[付記4]
前記穿孔器ローラが、シャフトと、前記ローラから突出する複数の穿孔ピンと、を含み、前記穿孔ピンが、前記穿孔器ローラの前記外周を画定する、付記1または3に記載の製造するためのシステム。
[付記5]
前記ローラ支持フレームが、前記穿孔器ローラを前記コンベア上で、前記穿孔器ローラと前記コンベアとの間で測定されたオフセット距離が、前記石膏ボードの前記第2の被覆シートへの前記穿孔器ローラの貫通の深さを選択的に調節するために可変であるように調節可能に支持するように適合されており、前記オフセット距離が、前記機械方向および前記機械横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って測定される、付記1または3に記載の製造するためのシステム。
[付記6]
付記1~5のいずれか一つに記載のシステムを使用して石膏ボードを製造する方法であって、
前記方法が、
前記石膏ボードを機械方向に沿って成形ステーションから離れて穿孔器ローラへと搬送することであって、前記石膏ボードが、第1の被覆シートと第2の被覆シートとの間に介在するコアを有し、前記コアが、水性石膏スラリーを含み、前記石膏ボードが、前記機械方向および機械横断方向に沿って延在し、前記機械横断方向が、前記機械方向に垂直であり、前記穿孔器ローラが、前記機械方向に沿って前記成形ステーションの下流側に配設されている、搬送することと、
前記石膏ボードを前記機械方向に沿って前記穿孔器ローラの下に通過させることであって、前記穿孔器ローラが、前記石膏ボードの前記第2の被覆シートと接触する関係にある、通過させることと、
前記石膏ボードが前記機械方向に前記穿孔器ローラを通過して移動するときに、前記第2の被覆シートに一連の穿孔穴を生成するために、前記穿孔器ローラを駆動モータを介して、前記機械横断方向に沿って延在する回転軸を中心として回転させることと、を含む、方法。
[付記7]
前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを、前記穿孔器ローラの外周と前記第2の被覆シートとの間の接触点で前記石膏ボードの方向に回転させ、前記石膏ボードが、前記機械方向に沿ってライン速度で前記成形ステーションから離れて搬送され、前記駆動モータが、前記穿孔器ローラを、前記穿孔器ローラの前記外周が接線速度を有するように回転させ、前記接線速度が、前記ライン速度に実質的に等しい、付記6に記載の製造方法。
[付記8]
前記穿孔器ローラと前記コンベアとの間で測定されたオフセット距離を変更することによって、前記石膏ボードの前記第2の被覆シートへの前記穿孔器ローラの貫通の深さを調節することをさらに含み、前記オフセット距離が、前記機械方向および前記機械横断方向の両方に垂直である法線軸に沿って測定される、付記6または7に記載の製造方法。
[付記9]
前記石膏ボードの前記コアが、コア層、および濃縮層、を備え、前記コア層が、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形され、前記濃縮層が、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形され、前記増強添加剤が、前記コアスラリー中よりも前記濃縮スラリー中に、より濃縮された重量パーセント量で存在し、前記コア層が、前記第2の被覆シートと前記濃縮層との間に法線軸に沿って介在し、前記法線軸が、前記機械方向および前記機械横断方向の両方に垂直である、付記6または7に記載の製造方法。
[付記10]
石膏ボードであって、
第1の被覆シートと、
第2の被覆シートと、
コアと、を備え、前記コアが、前記第1の被覆シートと前記第2の被覆シートとの間に介在し、前記コアが、コア層、および濃縮層、を含み、前記コア層が、少なくとも水およびスタッコを含むコアスラリーから成形された凝固石膏を含み、前記濃縮層が、少なくとも水、スタッコ、および増強添加剤を含む濃縮スラリーから成形された凝固石膏を含み、前記増強添加剤が、前記コアスラリー中よりも前記濃縮スラリー中により濃縮された重量パーセント量で存在し、
前記第2の被覆シートが、その中に一連の穿孔穴を画定する、石膏ボード。