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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】香味源ユニット及び香味吸引器
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20220705BHJP
【FI】
A24F47/00
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019519534
(86)(22)【出願日】2018-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2018016948
(87)【国際公開番号】W WO2018216430
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2019-07-10
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2017104173
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】新川 雄史
(72)【発明者】
【氏名】秋山 健
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】田村 佳孝
【審判官】林 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-518204(JP,A)
【文献】特開平11-164679(JP,A)
【文献】特開2000-41654(JP,A)
【文献】国際公開第2016/075749(WO,A1)
【文献】米国特許第4967774(US,A)
【文献】特開2016-185158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼型香味吸引器の香味源ユニットであって、
複数の香味片によって構成される柱状塊体と、
前記柱状塊体を収容する筒体とを備え、
前記筒体は、空気の流入端を構成する第1筒体端面と、空気の流出端を構成する第2筒体端面と、前記第1筒体端面の外周と前記第2筒体端面の外周とを接続する筒体側壁とを有しており、
前記柱状塊体は、空気の流入端を構成する第1塊体端面と、空気の流出端を構成する第2塊体端面と、前記第1塊体端面の外周及び前記第2塊体端面の外周に連続する塊体側面とを有しており、
前記柱状塊体は、前記筒体側壁の内面のいずれかの部分と前記塊体側面が接触することによって、前記筒体側壁の内側空間を塞ぐように配置されており、
前記第1筒体端面と前記第1塊体端面との間及び前記第2筒体端面と前記第2塊体端面との間の少なくともいずれか一方には第1スペースが設けられる、香味源ユニット。
【請求項2】
前記第1筒体端面の側において前記筒体側壁の内側空間を区画する第1端壁と、
前記第2筒体端面の側において前記筒体側壁の内側空間を区画する第2端壁とを備え、
前記第1端壁と前記第1塊体端面との間及び前記第2端壁と前記第2塊体端面との間の少なくともいずれか一方には、前記第1スペースの一部を構成する第2スペースが設けられる、請求項1に記載の香味源ユニット。
【請求項3】
前記第1端壁及び前記第2端壁のうち、前記第2スペースに面する壁体はフィルタを含む、請求項2に記載の香味源ユニット。
【請求項4】
前記塊体側面は、前記筒体側壁の内面に固定される、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項5】
前記第1端壁及び前記第1塊体端面が接触しており、かつ、前記第2端壁と前記第2塊体端面との間に前記第2スペースが設けられる、請求項2、請求項2を引用する請求項3又は請求項4に記載の香味源ユニット。
【請求項6】
前記筒体は、香味吸引器の本体に機械的に接続される接続部分を有しており、
前記第1スペースは、前記接続部分と隣接する、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項7】
前記第2スペースの体積は、前記第1端壁、前記第2端壁及び前記筒体側壁によって囲まれる空間の容積の5~90%である、請求項2、請求項2を引用する請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項8】
前記第1筒体端面の形状及びサイズは、前記第2筒体端面の形状及びサイズと同じである、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項9】
前記第1塊体端面の形状及びサイズは、前記第2塊体端面の形状及びサイズと同じである、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項10】
前記第1筒体端面の側において前記筒体側壁の内側空間を区画する第1端壁と、
前記第2筒体端面の側において前記筒体側壁の内側空間を区画する第2端壁とを備え、
前記第1端壁及び前記第2端壁の少なくともいずれか一方は、前記柱状塊体と接触するように前記第1スペースを埋めている、請求項1に記載の香味源ユニット。
【請求項11】
前記柱状塊体は、前記複数の香味片の圧縮体である、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項12】
前記複数の香味片は、香料及びバインダの少なくともいずれか1つを含む、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項13】
前記柱状塊体の嵩密度は、前記複数の香味片のゆるめ嵩密度の130~160%である、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項14】
前記柱状塊体の嵩密度は、前記複数の香味片のかため嵩密度よりも大きい、請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項15】
前記複数の香味片の圧縮度は、22~34%の範囲である、請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項16】
前記複数の香味片のゆるめ嵩密度は、0.40~0.54g/cm3の範囲である、請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項17】
前記複数の香味片のかため嵩密度は、0.68~0.71g/cm3の範囲である、請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項18】
前記複数の香味片のそれぞれのサイズは、0.2~1.4mmである、請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の香味源ユニット。
【請求項19】
請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の香味源ユニットを備える香味吸引器。
【請求項20】
前記香味源ユニットを着脱可能に保持する本体を備える、請求項19に記載の香味吸引器。
【請求項21】
前記香味源ユニットよりも上流に設けられる霧化ユニットを備える、請求項19又は請求項20に記載の香味吸引器。
【請求項22】
前記香味源ユニットは、ユーザが咥える吸口を含む、請求項19乃至請求項21のいずれかに記載の香味吸引器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香味源ユニット及び香味吸引器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、香味源ユニットを有する香味吸引器が知られている。香味源ユニットは、複数の香味片を収容する筒体と、通気性を有する1対の端壁とを有する。1対の端壁は、筒体の両端部に設けられる。例えば、1対の端壁及び筒体で区画される空間において、複数の香味片の充填率は95%以上である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/179388号
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴は、香味源ユニットであって、複数の香味片によって構成される柱状塊体と、前記柱状塊体を収容する筒体とを備え、前記筒体は、空気の流入端を構成する第1筒体端面と、空気の流出端を構成する第2筒体端面と、前記第1筒体端面の外周と前記第2筒体端面の外周とを接続する筒体側壁とを有しており、前記柱状塊体は、空気の流入端を構成する第1塊体端面と、空気の流出端を構成する第2塊体端面と、前記第1塊体端面の外周及び前記第2塊体端面の外周に連続する塊体側面とを有しており、前記柱状塊体は、前記筒体側壁の内面のいずれかの部分と前記塊体側面が接触することによって、前記筒体側壁の内側空間を塞ぐように配置されており、前記第1筒体端面と前記第1塊体端面との間及び前記第2筒体端面と前記第2塊体端面との間の少なくともいずれか一方には第1スペースが設けられることを要旨とする。
【0005】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記第1筒体端面の側において前記筒体側壁の内側空間を区画する第1端壁と、前記第2筒体端面の側において前記筒体側壁の内側空間を区画する第2端壁とを前記香味源ユニットが備え、前記第1端壁と前記第1塊体端面との間及び前記第2端壁と前記第2塊体端面との間の少なくともいずれか一方には、前記第1スペースの一部を構成する第2スペースが設けられることを要旨とする。
【0006】
第3の特徴は、第2の特徴において、前記第1端壁及び前記第2端壁のうち、前記第2スペースに面する壁体はフィルタを含むことを要旨とする。
【0007】
第4の特徴は、第1の特徴乃至第3の特徴のいずれかにおいて、前記塊体側面は、前記筒体側壁の内面に固定されることを要旨とする。
【0008】
第5の特徴は、第2の特徴、第2の特徴を引用する第3の特徴又は第4の特徴において、前記第1端壁及び前記第1塊体端面が接触しており、かつ、前記第2端壁と前記第2塊体端面との間に前記第2スペースが設けられることを要旨とする。
【0009】
第6の特徴は、第1の特徴乃至第5の特徴のいずれかにおいて、前記筒体は、香味吸引器の本体に機械的に接続される接続部分を有しており、前記第1スペースは、前記接続部分と隣接することを要旨とする。
【0010】
第7の特徴は、第2の特徴、第2の特徴を引用する第3の特徴乃至第6の特徴のいずれかにおいて、前記第2スペースの体積は、前記第1端壁、前記第2端壁及び前記筒体側壁によって囲まれる空間の容積の5~90%であることを要旨とする。
【0011】
第8の特徴は、第1の特徴乃至第7の特徴のいずれかにおいて、前記第1筒体端面の形状及びサイズは、前記第2筒体端面の形状及びサイズと同じであることを要旨とする。
【0012】
第9の特徴は、第1の特徴乃至第8の特徴のいずれかにおいて、前記第1塊体端面の形状及びサイズは、前記第2塊体端面の形状及びサイズと同じであることを要旨とする。
【0013】
第10の特徴は、第1の特徴において、前記第1筒体端面の側において前記筒体側壁の内側空間を区画する第1端壁と、前記第2筒体端面の側において前記筒体側壁の内側空間を区画する第2端壁とを前記香味源ユニットが備え、前記第1端壁及び前記第2端壁の少なくともいずれか一方は、前記柱状塊体と接触するように前記第1スペースを埋めていることを要旨とする。
【0014】
第11の特徴は、第1の特徴乃至第10の特徴のいずれかにおいて、前記柱状塊体は、前記複数の香味片の圧縮体であることを要旨とする。
【0015】
第12の特徴は、第1の特徴乃至第11の特徴のいずれかにおいて、前記複数の香味片は、香料及びバインダの少なくともいずれか1つを含むことを要旨とする。
【0016】
第13の特徴は、第1の特徴乃至第12の特徴のいずれかにおいて、前記柱状塊体の嵩密度は、前記複数の香味片のゆるめ嵩密度の130~160%であることを要旨とする。
【0017】
第14の特徴は、第1の特徴乃至第13の特徴のいずれかにおいて、前記柱状塊体の嵩密度は、前記複数の香味片のかため嵩密度よりも大きいことを要旨とする。
【0018】
第15の特徴は、第1の特徴乃至第14の特徴のいずれかにおいて、前記複数の香味片の圧縮度は、22~34%の範囲であることを要旨とする。
【0019】
第16の特徴は、第1の特徴乃至第15の特徴のいずれかにおいて、前記複数の香味片のゆるめ嵩密度は、0.40~0.54g/cm3の範囲であることを要旨とする。
【0020】
第17の特徴は、第1の特徴乃至第15の特徴のいずれかにおいて、前記複数の香味片のかため嵩密度は、0.68~0.71g/cm3の範囲であることを要旨とする。
【0021】
第18の特徴は、第1の特徴乃至第17の特徴のいずれかにおいて、前記複数の香味片のそれぞれのサイズは、0.2~1.4mmであることを要旨とする。
【0022】
第19の特徴は、香味吸引器であって、第1の特徴乃至第18の特徴のいずれかに記載の香味源ユニットを備えることを要旨とする。
【0023】
第20の特徴は、第19の特徴において、前記香味源ユニットを着脱可能に保持する本体を香味吸引器が備えることを要旨とする。
【0024】
第21の特徴は、第19の特徴又は第20の特徴において、前記香味源ユニットよりも上流に設けられる霧化ユニットを香味吸引器が備えることを要旨とする。
【0025】
第22の特徴は、第19の特徴乃至第21の特徴のいずれかにおいて、前記香味源ユニットは、ユーザが咥える吸口を含むことを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施形態に係る非燃焼型香味吸引器1を示す断面図である。
図2図2は、実施形態に係る電源ユニット10を示す断面図である。
図3図3は、実施形態に係る第1カートリッジ20を示す断面図である。
図4図4は、実施形態に係る第1カートリッジ20の内部構造を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る第2カートリッジ30を示す側面図である。
図6図6は、実施形態に係る第2カートリッジ30の分解斜視図である。
図7図7は、実施形態に係る筒体31を示す断面図(図5に示すA-A断面図)である。
図8図8は、実施形態に係る筒体31を示す断面図(図7に示すB-B断面図)である。
図9図9は、実施形態に係る第2カートリッジ30を示す断面図である。
図10図10は、実施形態に係る第2カートリッジ30を示す断面図である。
図11図11は、変更例1に係る第2カートリッジ30を示す断面図である。
図12図12は、変更例2に係る第2カートリッジ30を示す断面図である。
図13図13は、変更例3に係る第2カートリッジ30を示す断面図である。
図14図14は、変更例4に係る第2カートリッジ30を示す断面図である。
図15図15は、変更例5に係る第2カートリッジ30の装着方法を説明するための図である。
図16図16は、変更例5に係る第2カートリッジ30の装着方法を説明するための図である。
図17図17は、変更例5に係る第2カートリッジ30を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。
【0028】
従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
【0029】
[開示の概要]
背景技術で記載した香味源ユニットでは、複数の香味片の充填率が95%以上である。従って、複数の香味片の量が少なくてもよいケースにおいては、95%以上の充填率を実現するために、香味源ユニットのサイズも小さくする必要がある。しかしながら、香味源ユニットの製造し易さ及び香味源ユニットの取り扱い易さを考えると、香味源ユニットの過度な小型化は好ましくない。
【0030】
一方で、95%以上の充填率が実現されないと、ユーザが吸い込む空気が均一に複数の香味片と接触しない可能性がある。これは、香味片が充填されていない部分を通過する空気の流れが生じ、結果として複数の香味片と接触しない空気が増えるためである。複数の香味片が塊体(例えば、凝集物)である場合には、塊体部分(香味片が充填されている部分)と香味片が充填されていない部分との通気抵抗差が大きくなるため、塊体の内部に位置する香味片と空気が接触せず、塊体の内部に位置する香味片によって香味が空気に付与されにくい。
【0031】
開示の概要に係る香味源ユニットは、複数の香味片によって構成される柱状塊体と、前記柱状塊体を収容する筒体とを備える。前記筒体は、空気の流入端を構成する第1筒体端面と、空気の流出端を構成する第2筒体端面と、前記第1筒体端面の外周と前記第2筒体端面の外周とを接続する筒体側壁とを有する。前記柱状塊体は、空気の流入端を構成する第1塊体端面と、空気の流出端を構成する第2塊体端面と、前記第1塊体端面の外周及び前記第2塊体端面の外周に連続する塊体側面とを有する。前記柱状塊体は、前記筒体側壁の内面のいずれかの部分と前記塊体側面が接触することによって、前記筒体側壁の内側空間を塞ぐように配置されている。前記第1筒体端面と前記第1塊体端面との間及び前記第2筒体端面と前記第2塊体端面との間の少なくともいずれか一方には第1スペースが設けられる。
【0032】
開示の概要によれば、柱状塊体は、筒体側壁の内面のいずれかの部分と塊体側面が接触することによって、筒体側壁の内側空間を塞ぐように配置されている。このような構成によれば、塊体側面と筒体側壁の内面との間にできる隙間を通る空気の流れを抑制することができ、柱状塊体の内部に位置する香味片によって香味を空気に付与しやすい。
【0033】
開示の概要によれば、第1筒体端面と第1塊体端面との間及び第2筒体端面と第2塊体端面との間の少なくともいずれか一方には第1スペースが設けられる。このような構成によれば、香味源ユニットの過度な小型化が抑制され、香味源ユニットの製造し易さ及び香味源ユニットの取り扱い易さが向上する。
【0034】
上述したように、開示の概要に係る香味源ユニットによれば、香味源ユニットの過度な小型化を抑制しながらも、香味を空気に付与する効率を高めることができる。
【0035】
[実施形態]
(香味吸引器)
以下において、実施形態に係る香味吸引器について説明する。図1は、実施形態に係る香味吸引器1を示す断面図である。図2は、実施形態に係る電源ユニット10を示す断面図である。図3は、実施形態に係る第1カートリッジ20を示す断面図である。図4は、実施形態に係る第1カートリッジ20の内部構造を示す図である。但し、図4では、後述するリザーバ21が省略されていることに留意すべきである。図5は、実施形態に係る第2カートリッジ30を示す側面図である。図6は、実施形態に係る第2カートリッジ30の分解斜視図である。図7は、実施形態に係る筒体31を示す断面図(図5に示すA-A断面図)である。図8は、実施形態に係る筒体31を示す断面図(図7に示すB-B断面図)である。但し、図5及び図6では、後述する柱状塊体(香味源)が省略されていることに留意すべきである。
【0036】
図1に示すように、香味吸引器1は、非吸口端から吸口端に向かう方向である所定方向Aに沿って延びる形状を有する。香味吸引器1は、燃焼を伴わずに香味を吸引するための器具である。
【0037】
具体的には、香味吸引器1は、電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30とを有する。第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して着脱可能であり、第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に対して着脱可能である。言い換えると、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、それぞれ、交換可能である。香味吸引器1は、インレット4及びアウトレット5を有しており、インレット4からアウトレット5に連通する空気流路を有する。
【0038】
図2に示すように、電源ユニット10は、所定方向Aに沿って延びる形状を有しており、電池11を少なくとも有する。電池11は、使い捨てタイプの電池であってもよく、充電タイプの電池であってもよい。電池11の出力電圧の初期値は、1.2V以上4.2V以下の範囲であってもよい。また、電池11の電池容量は、100mAh以上1000mAh以下の範囲であってもよい。電源ユニット10は、インレット4を構成する孔4A及びユーザのパフ動作を検出する吸引センサ12を有していてもよい。吸引センサ12は、空気流路に設けられる。
【0039】
図3及び図4に示すように、第1カートリッジ20は、所定方向Aに沿って延びる形状を有する。第1カートリッジ20は、リザーバ21と、霧化部22と、流路形成体23と、外枠体24と、エンドキャップ25とを有する。第1カートリッジ20は、所定方向Aに沿って延びるエアロゾル流路として、霧化部22よりも下流側に配置された第1流路20Xを有する。第1カートリッジ20は、インレット4を構成する孔4Bを有していてもよい。
【0040】
以下においては、インレット4からアウトレット5に連通する空気流路において、インレット4に近い側を上流と称し、アウトレット5に近い側を下流と称する。同様に、空気流路の一部を構成するエアロゾル流路において、霧化部22に近い側を上流と称し、霧化部22からアウトレット5に向かって離れる側を下流と称してもよい。
【0041】
リザーバ21は、エアロゾル源21Aを貯留する。リザーバ21は、第1流路20X(所定方向A)に直交する断面において流路形成体23の周囲に位置する。実施形態において、リザーバ21は、流路形成体23と外枠体24との間の空隙内に位置する。リザーバ21は、例えば、樹脂ウェブや綿等の多孔体によって構成されている。但し、リザーバ21は、液体のエアロゾル源21Aを収容するタンクによって構成されていてもよい。エアロゾル源21Aは、グリセリン又はプロピレングリコールなどの液体を含む。
【0042】
霧化部22は、電池11から供給される電力によって燃焼を伴わずにエアロゾル源21Aを霧化する。実施形態において、霧化部22は、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成されており、霧化部22は、1.0Ω以上3.0Ω以下の範囲の抵抗値を有する電熱線によって構成されていてもよい。所定ピッチは、電熱線が接触する恐れのない値以上であり、小さい値であってもよい。所定ピッチは、例えば、0.40mm以下であってもよい。所定ピッチは、エアロゾル源21Aの霧化を安定させるために一定であってもよい。なお、所定ピッチとは、互いに隣接する電熱線の中心の間隔である。
【0043】
流路形成体23は、所定方向Aに沿って延びる形状を有する。流路形成体23は、所定方向Aに沿って延びる第1流路20Xを形成する筒状形状を有する。
【0044】
外枠体24は、所定方向Aに沿って延びる形状を有する。外枠体24は、流路形成体23を収容する筒状形状を有する。実施形態において、外枠体24は、エンドキャップ25よりも下流側に延びるとともに第2カートリッジ30を着脱可能に保持する。
【0045】
エンドキャップ25は、流路形成体23と外枠体24との間の空隙を下流側から塞ぐキャップである。エンドキャップ25は、リザーバ21に貯留されるエアロゾル源21Aが流路20Xや第2カートリッジ30側に漏れる事態を抑制する。
【0046】
実施形態において、第1カートリッジ20は、第2カートリッジ30よりも上流に設けられる霧化ユニットの一例である。
【0047】
第2カートリッジ30は、香味吸引器1の本体に装着される。実施形態では、第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に接続される。詳細には、第2カートリッジ30の一部は、第1カートリッジ20の外枠体24に挿入される。
【0048】
実施形態において、第2カートリッジ30は、複数の香味片によって構成される柱状塊体及び柱状塊体を収容する筒体31を備える香味源ユニットの一例である。
【0049】
図5及び図6に示すように、第2カートリッジ30は、所定方向Aに沿って延びる形状を有する。第2カートリッジ30は、筒体31と、メッシュ体32と、フィルタ33と、キャップ34とを有する。筒体31は、エアロゾル流路として、第1流路20Xよりも下流に配置された第2流路30Xを有する。
【0050】
第2カートリッジ30によれば、霧化部22によって霧化されたエアロゾルが筒体31の内側空間を通ることによって柱状塊体によってエアロゾルに香味を付与する。ここで、実施形態では、柱状塊体を構成する複数の香味片を加熱せずにエアロゾルに香味を付与することができることに留意すべきである。また、香味源31Aから実質的にエアロゾルが発生しないことに留意すべきである。
【0051】
所定方向Aにおいて、第2カートリッジ30の最大サイズは、40mm以下であってもよい。さらには、所定方向Aにおいて、第2カートリッジ30の最大サイズは、25mm以下であってもよい。一方で、所定方向Aにおいて、第2カートリッジ30の最小サイズは、5mm以上であってもよい。さらには、所定方向Aにおいて、第2カートリッジ30の最小サイズは、1mm以上であってもよい。所定方向Aに直交する方向おいて、第2カートリッジ30の最大サイズは、20mm以下であってもよい。さらには、所定方向Aに直交する方向おいて、第2カートリッジ30の最大サイズは、10mm以下であってもよい。一方で、所定方向Aに直交する方向おいて、第2カートリッジ30の最小サイズは、3mm以上であってもよい。さらには、所定方向Aに直交する方向おいて、第2カートリッジ30の最小サイズは、1mm以上であってもよい。
【0052】
筒体31は、筒状形状を有しており、空気の流入端(後述する第1筒体端面311)から空気の流出端(後述する第2筒体端面312)まで連続する第2流路30Xを形成する。エアロゾルに香味を付与する柱状塊体は、筒体31の内側空間(第2流路30X)内に収容される。ここで、エアロゾル流路(所定方向A)に直交する断面において、柱状塊体を貯留するリザーバ21の体積を確保するために、第1流路20Xのサイズが小さくてもよい。従って、エアロゾル流路(所定方向A)に亘って一定の断面積を有する外枠体24に第2カートリッジ30が収容されるケースにおいては、結果として、第2流路30Xのサイズは、上述した第1流路20Xのサイズよりも大きくなりやすい。
【0053】
実施形態において、筒体31は、図6及び図7に示すように、エアロゾル流路(所定方向A)に直交する断面において筒体31の上流に設けられる端壁(ここでは、メッシュ体32)の外縁から上流側(実施形態では、流路形成体23或いはエンドキャップ25側)に突出する突出部31Eを有してもよい。突出部31Eは、筒体31の上流に設けられるメッシュ体32の外縁に沿って連続的に設けられていてもよく、筒体31の外縁に沿って間欠的に設けられていてもよい。なお、外枠体24と筒体31との間に隙間が存在する場合には、突出部31Eは、筒体31の上流に設けられるメッシュ体32の外縁に沿って連続的に設けられていてもよい。これによって、テーパ部分31Tの上流部分に形成される空間にエアロゾルが滞留することを抑制することができる。
【0054】
実施形態において、筒体31の外面は、図6及び図7に示すように、上流から下流に向けて広がるテーパ部分31Tを含んでもよい。テーパ部分31Tは、筒体31の外面の一部に含まれていればよい。テーパ部分31Tのテーパ角αは、例えば、3から5度程度である。
【0055】
実施形態において、筒体31の内面には、図7に示すように、上流から下流に向けて所定方向Aに沿って延びるリブ31Rが設けられてもよい。特に限定されるものではないが、リブ31Rの数は2以上であってもよい。リブ31Rの下流端部は、筒体31の下流端面に達していなくてもよい。例えば、所定方向Aにおいて、メッシュ体32からリブ31Rの下流端部までの長さL2は、メッシュ体32から筒体31の下流端面までの長さL1よりも短い。言い換えると、筒体31にフィルタ33が挿入された状態において、リブ31Rの下流端部は、筒体31の下流端部に達せずにフィルタ33と接していてもよい。
【0056】
メッシュ体32は、香味源31Aよりも上流(非吸口側)に配置される。実施形態では、メッシュ体32は、筒体31の上流端部に配置される。非常に小さい筒体31にメッシュ体32を設ける場合には、メッシュ体32の強度を確保する観点から、筒体31及びメッシュ体32が一体成形によって形成されてもよい。すなわち、実施形態において、メッシュ体32は、筒体31の一部である。このようなケースにおいて、筒体31及びメッシュ体32は、樹脂によって構成されてもよい。樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン樹脂及びABS樹脂の中から選択された1以上の樹脂を用いることができる。成形性及びテクスチャの観点では、樹脂がポリプロピレンであってもよい。筒体31及びメッシュ体32は、金型成形や射出成形によって形成される。
【0057】
フィルタ33は、所定繊維によって構成されており、原料片が通過しない程度の粗さを有する。フィルタ33は、柱状塊体320よりも下流に配置される。フィルタ33は、例えば、アセテートフィルタである。キャップ34は、フィルタ33よりも下流(吸口側)に設けられる。キャップ34は、アウトレット5を有しており、ユーザが咥える吸口を構成してもよい。なお、筒体31(ここでは、メッシュ体32を含む)、フィルタ33及びキャップ34は、互いに接着又は溶着されていてもよい。
【0058】
実施形態において、第2カートリッジ30は、図9に示すように、複数の香味片によって構成される柱状塊体320と、柱状塊体320を収容する筒体31とを備える。筒体31は、空気の流入端を構成する第1筒体端面311と、空気の流出端を構成する第2筒体端面312と、第1筒体端面311の外周と第2筒体端面312の外周とを接続する筒体側壁313とを有する。柱状塊体320は、空気の流入端を構成する第1塊体端面321と、空気の流出端を構成する第2塊体端面322と、第1塊体端面321の外周及び第2塊体端面322の外周に連続する塊体側面323とを有する。
【0059】
柱状塊体320は、筒体側壁313の内面のいずれかの部分と塊体側面323が接触することによって、筒体側壁313の内側空間(すなわち、第2流路30X)を塞ぐように配置される。ここで、「塞ぐ」とは、柱状塊体320の内部を通る空気流路を除いて、空気の流入端から空気の流出端に向けて柱状塊体320の内部を通らない空気流路が存在しないように、例えば、筒体側壁313の内面と塊体側面323との間に形成される通気抵抗の低い空気流路が存在しないように、筒体側壁313の内側空間内に柱状塊体320が存在していることを意味する。ここでは、図10に示すように、図9に示すC-C断面において塊体側面323の全体が筒体側壁313の内面と接触している。
【0060】
塊体側面323は、筒体側壁313の内面に固定されてもよい。「固定」とは、通常の使用において柱状塊体320の位置ずれを起こさない程度に柱状塊体320が筒体側壁313の内面に位置決めされた状態であればよく、例えば、塊体側面323と筒体側壁313の内面との間の静止摩擦によって筒体側壁313の内側空間において柱状塊体320の位置がズレないことを意味してもよく、柱状塊体320の粘性によって塊体側面323が筒体側壁313の内面に接着されることにより達成される。或いは、塊体側面323が筒体側壁313の内面に接着剤によって接着されていてもよい。
【0061】
さらに、第1筒体端面311と第1塊体端面321との間及び第2筒体端面312と第2塊体端面322との間の少なくともいずれか一方には第1スペース35が設けられる。図9に示す例では、第2筒体端面312と第2塊体端面322との間に第1スペース35Aが設けられる。一方で、メッシュ体32の外縁から上流側に突出する突出部31Eが設けられるため、第1筒体端面311と第1塊体端面321との間に第1スペース35Bが設けられる。
【0062】
筒体31は、第1筒体端面311の側において筒体側壁313の内側空間を区画するメッシュ体32(第1端壁)と、第2筒体端面312の側において筒体側壁313の内側空間を区画するフィルタ33(第2端壁)とを有する。メッシュ体32と第1塊体端面321との間及びフィルタ33と第2塊体端面322との間の少なくともいずれか一方には、第1スペース35の一部を構成する第2スペース36が設けられる。図9に示す例では、フィルタ33と第2塊体端面322との間に第2スペース36Aが設けられる。すなわち、フィルタ33は、第2スペース36Aに露出しており、第2塊体端面322と接触しないように第2塊体端面322から離間している。すなわち、第2スペース36に面する壁体はフィルタ33(第2端壁)である。一方で、図9に示す例では、メッシュ体32と第1塊体端面321との間第2スペース36が設けられておらず、メッシュ体32は、第1塊体端面321と接触している。
【0063】
上述したように、第2カートリッジ30は、香味吸引器100の本体(第1カートリッジ20)によって着脱可能に保持される。具体的には、筒体31は、第1カートリッジ20の外枠体24に挿入される挿入部分31Iを有する。挿入部分31Iは、香味吸引器100の本体に機械的に接続される接続部分としてテーパ部分31Tを有する。第1スペース35Aの一部を構成する第2スペース36Aは、接続部分(テーパ部分31T)に隣接する。ここでいう隣接とは、接続部分(テーパ部分31T)に囲まれた空間の少なくとも一部と第2スペース36Aが重複することを意味する。
【0064】
第2スペース36の体積は、メッシュ体32(第1端壁)、フィルタ33(第2端壁)及び筒体側壁313によって囲まれる空間の容積(以下、基準容積)の5~90%であってもよい。基準容積に対する第2スペース36の体積の下限は、10%であることが好ましく、20%であることがさらに好ましい。さらには、基準容積に対する第2スペース36の体積の下限は、30%であることが好ましく、40%であることがさらに好ましい。基準容積に対する第2スペース36の体積の上限は、70%であることが好ましく、50%であることがさらに好ましい。基準容積に対する第2スペース36の体積の下限として、5%、10%、20%、30%及び40%の中から選択された任意の値を用いるとともに、基準容積に対する第2スペース36の体積の上限として、90%、70%及び50%の中から選択された任意の値を用いてもよい。
【0065】
第1筒体端面311の形状及びサイズは、第2筒体端面312の形状及びサイズと同じであってもよい。所定方向Aに直交する筒体31の断面の形状及びサイズは、所定方向Aにおける筒体31の全体に亘って同じであってもよい。ここでいう「同じ」とは、形状及びサイズが大幅に変わらなければよいことを意味し、上述したテーパ部分31Tに起因する形状及びサイズの違いを含む概念である。
【0066】
第1塊体端面321の形状及びサイズは、第2塊体端面322の形状及びサイズと同じであってもよい。所定方向Aに直交する柱状塊体320の断面の形状及びサイズは、所定方向Aにおける柱状塊体320の全体に亘って同じであってもよい。ここでいう「同じ」の概念は上述した概念と同様である。
【0067】
柱状塊体320は、上述したように、複数の香味片によって構成される。複数の香味片は、香味吸引器1が発生するエアロゾルに香味を付与する香味片によって構成される。香味片としては、たばこ原料の裁刻によって得られる刻みたばこ、たばこ原料の粉砕によって得られる粒状たばこを用いることができる。香味片としては、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)の裁刻又は粉砕によって得られる原料片を用いることができる。複数の香味片は、香料及びバインダの少なくともいずれか1つを含んでもよい。香料としては、メンソール等を用いることができる。バインダとしては、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、プルラン、CMC(カルボキシメチルセルロース)、CMC-Na等を用いることができる。香料及びバインダの量は適宜設定できるが、例えば香料は5-20重量%、バインダは3-7重量%とすることができる。
【0068】
複数の香味片の圧縮度は22~34%の範囲であってもよい。好ましくは、複数の香味片の圧縮度は29~34%の範囲であってもよい。このような数値範囲の圧縮度で形成された柱状塊体320によれば、柱状塊体320が有する柱状形状の崩れを抑制することができる。複数の香味片のゆるめ嵩密度は、0.40~0.54g/cm3の範囲であってもよい。複数の香味片のかため嵩密度は、0.68~0.71g/cm3の範囲であってもよい。柱状塊体320の嵩密度は、複数の香味片のゆるめ嵩密度の130~160%であってもよい。柱状塊体320の嵩密度は、複数の香味片のかため嵩密度よりも大きくてもよい。複数の香味片のそれぞれのサイズ(刻幅又は粒径)は、0.2~1.4mmであってもよい。
【0069】
ここで、ゆるめ嵩密度(A)は、粗い目開きのふるい(標準1.7mm)の下に壁効果の少ない容器を配置するとともに、ふるいを通して香味片を容器に供給する。続いて、容器に供給された香味片の重量を容器の体積で除算することによってゆるめ嵩密度(A)が算出される。かため嵩密度(P)は、容器にキャップを取り付けるとともに、容器をタッピングしながら香味片を容器に充填する。ここで、タッピングストロークは18mmであり、タッピング回数は180回である。タッピングが終了した後において、容器に充填された香味片の重量を容器の体積で除算することによってかため嵩密度(P)が算出される。圧縮度(C)は、C=(P-A)/P×100(%)の式によって算出される値である。これらの値は、例えば、ホソカワミクロン社製のパウダテスタを用いて測定可能である。
【0070】
複数の香味片の圧縮により柱状塊体320を形成することで、柱状塊体320の形状を維持することができ、また、柱状塊体320の内部における香味片の偏りを防ぐことができる。さらに、複数の香味片又は複数の香味片によって構成される一次圧縮体を筒体31内で圧縮することにより柱状塊体320を形成することで、筒体側壁313の内面と塊体側面323との間における隙間の形成を防ぐことができる。
【0071】
(作用及び効果)
実施形態によれば、柱状塊体320は、筒体側壁313の内面のいずれかの部分と塊体側面323が接触することによって、筒体側壁313の内側空間を塞ぐように配置されている。このような構成によれば、塊体側面323と筒体側壁313の内面との間にできる隙間を通る空気の流れを抑制することができ、柱状塊体320の内部に位置する香味片によって香味を空気に付与しやすい。
【0072】
実施形態によれば、少なくとも第2筒体端面312と第2塊体端面322との間に第2スペース36Aを含む第1スペース35が設けられる。第1筒体端面311と第1塊体端面321との間に第1スペース35が設けられてもよい。このような構成によれば、第2カートリッジ30の過度な小型化が抑制され、第2カートリッジ30の製造し易さ及び第2カートリッジ30の取り扱い易さが向上する。
【0073】
上述したように、実施形態に係る第2カートリッジ30によれば、第2カートリッジ30の過度な小型化を抑制しながらも、香味を空気に付与する効率を高めることができる。
【0074】
実施形態によれば、複数の香味片が柱状塊体320を構成する。このような構成によれば、筒体側壁313の内側空間を柱状塊体320が塞いでいる状態が維持されるため、香味を空気に付与する効率の低下が抑制される。
【0075】
実施形態によれば、塊体側面323は、筒体側壁313の内面に固定されてもよい。このような構成によれば、筒体側壁313の内側空間内における柱状塊体320の移動が抑制され、柱状塊体320の崩れを抑制することができる。従って、筒体側壁313の内側空間を柱状塊体320が塞いでいる状態が維持されやすい。
【0076】
実施形態によれば、フィルタ33と第2塊体端面322との間に第2スペース36が設けられる。このような構成によれば、第2カートリッジ30の過度な小型化をさらに抑制することができる。さらに、フィルタ33が柱状塊体320と接触しないため、フィルタ33の着色及び目詰まり、柱状塊体320からフィルタへの成分移行が抑制される。また、第2カートリッジ30全体の大きさを変えることなく、所定方向Aにおけるフィルタ33のサイズを小さくすることができる。
【0077】
実施形態では、メッシュ体32(第1端壁)は、第1塊体端面321と接触している。このような構成によれば、筒体31内に配置された複数の香味片又は複数の香味片の一次圧縮体をメッシュ体32に押し当てながら圧縮することによって、塊体側面323と筒体側壁313の内面との隙間を効率的に塞ぐことができる。
【0078】
実施形態によれば、第1スペース35Aの一部を構成する第2スペース36Aは、接続部分(テーパ部分31T)に隣接する。従って、香味吸引器100の本体に第2カートリッジを装着する際に接続部分にかかる応力に伴う柱状塊体320の崩れを抑制することができる。従って、筒体側壁313の内側空間を柱状塊体320が塞いでいる状態が維持されやすい。
【0079】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0080】
具体的には、実施形態では、フィルタ33(第2端壁)と第2塊体端面322との間に第2スペース36Aが設けられており、メッシュ体32(第1端壁)は、第1塊体端面321と接触している。
【0081】
これに対して、変更例1では、図11に示すように、フィルタ33と第2塊体端面322との間に第2スペース36Aが設けられており、メッシュ体32と第1塊体端面321との間に第2スペース36Bが設けられる。第2スペース36Bは、第1筒体端面311と第1塊体端面321との間に設けられる第1スペース35Bの一部を構成する。
【0082】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0083】
具体的には、実施形態では、フィルタ33(第2端壁)と第2塊体端面322との間に第2スペース36Aが設けられており、メッシュ体32(第1端壁)は、第1塊体端面321と接触している。
【0084】
これに対して、変更例2では、図12に示すように、フィルタ33と第2塊体端面322との間に第2スペース36が設けられずに、フィルタ33は第2塊体端面322と接触する。一方で、メッシュ体32と第1塊体端面321との間に第2スペース36Bが設けられる。第2スペース36Bは、第1筒体端面311と第1塊体端面321との間に設けられる第1スペース35Bの一部を構成する。
【0085】
図12では、対比の容易性の観点から図9と同様の構成を用いて説明したが、変更例2はこれに限定されるものではない。第1端壁は、メッシュ体32ではなく、フィルタ33であってもよい。一方で、第2端壁は、フィルタ33ではなく、メッシュ体32であってもよい。
【0086】
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0087】
具体的には、実施形態では、第2流路30X(所定方向A)に直交する断面は、塊体側面323の全体が筒体側壁313の内面と接触する断面を含む。
【0088】
これに対して、変更例3では、図13に示すように、第2流路30X(所定方向A)に直交する断面は、塊体側面323の全体が筒体側壁313の内面と接触する断面を含まない。但し、変更例3においても、柱状塊体320は、筒体側壁313の内面のいずれかの部分と塊体側面323が接触することによって、筒体側壁313の内側空間(すなわち、第2流路30X)を塞ぐように配置される。すなわち、上流から下流に向けて柱状塊体320を通らない空気流路が存在しない。
【0089】
[変更例4]
以下において、実施形態の変更例4について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0090】
具体的には、実施形態では、メッシュ体32(第1端壁)と第1塊体端面321との間及びフィルタ33(第2端壁)と第2塊体端面322との間の少なくともいずれか一方には、第1スペース35の一部を構成する第2スペース36が設けられる。
【0091】
これに対して、変更例4では、メッシュ体32及びフィルタ33の少なくともいずれか一方は、柱状塊体320と接触するように第1スペース35を埋めている。図14に示す例では、フィルタ33は、柱状塊体320と接触するように第1スペース35を埋めている。すなわち、フィルタ33と第2塊体端面322との間に第2スペース36が設けられていない。
【0092】
[変更例5]
以下において、実施形態の変更例5について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0093】
図15及び図16に示すように、第2カートリッジ30は、エアロゾル流路を区画するように香味吸引器100の本体(第1カートリッジ20)に装着される。具体的には、図15に示すように、第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に設けられるガイドリブ26に沿って第1カートリッジ20に挿入される。これによって、図16に示すように、エアロゾル流路は第2カートリッジ30によって区画される。図16に示す例では、第2カートリッジ30の上面が空気の流入端であり、第2カートリッジ30の下面が空気の流出端である。
【0094】
図17に示すように、筒体31は、空気の流入端を構成する第1筒体端面311の側において筒体側壁313の内側空間を区画する第1端壁32Xと、空気の流出端を構成する第2筒体端面312の側において筒体側壁313の内側空間を区画する第2端壁33Xとを有する。第1端壁32X及び第2端壁33Xはメッシュ体又はフィルタである。
【0095】
ここで、第1筒体端面311と第1塊体端面321との間には第1スペース35Bが設けられる。第1端壁32Xと第1塊体端面321との間には、第1スペース35Bの一部を構成する第2スペース36Bが設けられる。変更例5においても、柱状塊体320は、筒体側壁313の内面のいずれかの部分と塊体側面323が接触することによって、筒体側壁313の内側空間(すなわち、第2流路30X)を塞ぐように配置される。
【0096】
このように、第2カートリッジ30の単体として空気が流れる向き(第1筒体端面311から第2筒体端面312まで連続する第2流路30Xの向き)は、上述した所定方向Aの向きと異なっていてもよい。このような場合であっても、上述した実施形態と同様に、塊体側面323と筒体側壁313の内面との間にできる隙間を通る空気の流れを抑制することができ、柱状塊体320の内部に位置する香味片によって香味を空気に付与しやすい。
【0097】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0098】
実施形態では、筒体31は、上流側に設けられる第1端壁としてメッシュ体32を有する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。第1端壁は、フィルタ33であってもよい。すなわち、第2スペースに面する壁体は第1端壁であってもよい。筒体31は、下流側に設けられる第2端壁としてフィルタ33を有する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。第2端壁は、メッシュ体32であってもよい。
【0099】
実施形態では、第2端壁がフィルタ33であるものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。第2端壁は、フィルタ33に加えて他の部材を含んでもよい。例えば、第2端壁は、フィルタ33及びキャップ34であってもよい。
【0100】
実施形態では、筒体31は、香味吸引器100の本体に機械的に接続される接続部分としてテーパ部分31Tを有する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。接続部分は、香味吸引器100の本体に機械的に接続される部分であればよく、香味吸引器100の本体に第2カートリッジを装着する際に応力がかかる部分である。接続部分は、香味吸引器100の本体に第2カートリッジを係止するための段差であってもよく、香味吸引器100の本体に第2カートリッジをネジ止めするための雄ネジであってもよい。
【0101】
実施形態では、メッシュ体32の外縁から上流側に突出する突出部31Eが設けられるため、第1筒体端面311と第1塊体端面321との間に第1スペース35Bが設けられる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。メッシュ体32(第1端壁)が第1筒体端面311を含んでおり、第1筒体端面311と第1塊体端面321との間に第1スペース35Bが実質的に存在しなくてもよい。
【0102】
図9図11図14においては、筒体31がキャップ34を含まないケースが例示されているため、キャップ34が省略されている。しかしながら、実施形態及び変更例はこれに限定されるものではない。例えば、筒体31がキャップ34を含む部材であると考えてもよい。このようなケースにおいて、第2筒体端面312は、キャップ34の上流端面によって構成される。実施形態で説明したように、第2筒体端面312の形状及びサイズは、第1筒体端面311の形状及びサイズと同じであってもよい。
【0103】
なお、日本国特許出願第2017-104173号(2017年5月26日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
【産業上の利用可能性】
【0104】
一態様によれば、過度な小型化を抑制しながらも、香味を空気に付与する効率を高めることを可能とする香味源ユニット及び香味吸引器を提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17