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特許7100028セレブロン系のヘテロ二量体化可能なキメラ抗原受容体
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  • 特許-セレブロン系のヘテロ二量体化可能なキメラ抗原受容体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】セレブロン系のヘテロ二量体化可能なキメラ抗原受容体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20220705BHJP
   A61K 31/436 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20220705BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20220705BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20220705BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20220705BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220705BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220705BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20220705BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20220705BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20220705BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
A61K31/436
A61K31/454
A61K31/4545
A61K31/496
A61K31/5377
A61K35/17 Z
A61K35/76
A61K39/395 T
A61K39/395 U
A61K45/00
A61K47/68
A61K48/00
A61P35/00
A61P35/02
C07K16/28
C07K19/00
C12N5/0783
C12N5/10
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019521065
(86)(22)【出願日】2017-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 US2017057474
(87)【国際公開番号】W WO2018075820
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-10-14
(31)【優先権主張番号】62/410,822
(32)【優先日】2016-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509307635
【氏名又は名称】セルジーン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】シュイチャン シュ
【審査官】中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-506293(JP,A)
【文献】特表2017-513862(JP,A)
【文献】SCIENCE,2015年,VOL 350, ISSUE 6258, aab4077
【文献】BRITISH JOURNAL OF HAEMATOLOGY,2013年,Volume 164, Issue 6,Pages 811-821
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K1/00-19/00
C12N15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キメラ抗原受容体(CAR)であって:
(a)第一のポリペプチドであって:
抗原結合ドメイン;
膜貫通ドメイン;
セレブロン結合化合物に結合することができるセレブロンまたはその機能部分;及び
一次細胞シグナル伝達ドメイン、
を含み、共刺激ドメインを含まない、前記第一のポリペプチド;ならびに
(b)第二のポリペプチドであって:
膜貫通ドメイン;
セレブロン結合化合物と結合することができる、Aiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機能部分;及び
共刺激ドメイン、
を含む、前記第二のポリペプチド、を含み、前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドが、前記セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する、前記CAR。
【請求項2】
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記膜貫通ドメイン、前記セレブロンまたはその機能部分、及び前記一次細胞シグナル伝達ドメインを含み;かつ
前記第二のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記膜貫通ドメイン、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosもしくはその機能部分、及び前記共刺激ドメインを含む、請求項1に記載のCAR。
【請求項3】
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記セレブロンまたはその機能部分、前記膜貫通ドメイン、及び前記一次細胞シグナル伝達ドメインを含み;かつ
前記第二のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosもしくはその機能部分、前記膜貫通ドメイン、及び前記共刺激ドメインを含む、請求項1に記載のCAR。
【請求項4】
前記一次細胞シグナル伝達ドメインが、CD3ζである、請求項1~3のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項5】
前記一次細胞シグナル伝達ドメインが、免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)であるか、またはこれを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項6】
前記ITAMが、FcRγ、FcRβ、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD20、CD79a、CD79b、CD278(ICOS)、FcERI、CD66d、DAP10、及びDAP12のうちの1つ以上に由来するシグナル伝達ドメインである、請求項5に記載のCAR。
【請求項7】
前記共刺激ドメインが、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、活性化NK細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、CD2、CD7、CD27、CD30、CD40、CDS、ICAM-L LFA-1(CD11a/CD18)、B7-H3、CDS、ICAM-1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、DAP10、DAP12、CD83のリガンド、MHCクラスI分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、及びシグナル伝達リンパ球活性化分子のうちの1つ以上の機能的シグナル伝達ドメインを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項8】
前記共刺激ドメインが、CD28または4-1BB(CD137)の機能的シグナル伝達ドメインを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項9】
前記膜貫通ドメインが:T細胞受容体のアルファ鎖、T細胞受容体のベータ鎖、T細胞受容体のゼータ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、またはCD154由来の膜貫通ドメインである、請求項1~8のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項10】
前記抗原結合ドメインが、その抗原の受容体である、請求項1~9のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項11】
前記抗原結合ドメインが、その抗原と結合する抗体またはその結合フラグメントである、請求項1~9のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項12】
前記抗原結合ドメインが、一本鎖Fvフラグメント(scFv)である、請求項1~9のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項13】
前記抗原が、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である、請求項1~12のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項14】
前記TAAまたはTSAが、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及びビメンチンのうちの1つ以上である、請求項13に記載のCAR。
【請求項15】
前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドが、T細胞またはNK細胞内で発現され、ヘテロ二量体化すると、前記CARが、前記T細胞またはNK細胞を活性化することができる一次活性化シグナルを伝達する、請求項1~14のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項16】
前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドが、T細胞またはNK細胞内で発現され、ヘテロ二量体化すると、前記CARが、一次活性化シグナル及び共刺激シグナルを伝達し、前記一次活性化シグナル及び前記共刺激シグナルが、前記T細胞またはNK細胞を活性化することができる、請求項1~14のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項17】
前記セレブロン結合化合物が、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、請求項1~16のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のCARの前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドをコードする核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
【請求項19】
請求項18に記載のポリヌクレオチドを含む、細胞。
【請求項20】
免疫細胞である、請求項19に記載の細胞。
【請求項21】
T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、請求項19に記載の細胞。
【請求項22】
免疫細胞を活性化させる方法であって、請求項1~17のいずれか一項に記載のCARの前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドを発現するように修飾された免疫細胞を(a)抗原結合ドメインがそれに対し特異的である抗原、及び(b)セレブロン結合化合物と接触させることを含み、前記セレブロン結合化合物は、前記第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの二量体化を引き起こし、前記免疫細胞を活性化させる、前記方法。
【請求項23】
前記免疫細胞が、T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記セレブロン結合化合物が、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、請求項22または23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.分野
本明細書において、本開示は、免疫学の分野に関し、より具体的には、Tリンパ球または他の免疫細胞の修飾に関する。
【背景技術】
【0002】
2.背景
Tリンパ球(T細胞とも呼ばれる)等の免疫系の細胞は、受容体または受容体複合体を介して特定の抗原を認識しかつこれらと相互作用し、かかる抗原を認識またはこれらと相互作用すると、これら受容体または受容体複合体は当該細胞の活性化を引き起こす。かかる受容体の一例は、8つのタンパク質の複合体である抗原特異的Tリンパ球受容体複合体(TCR/CD3)である。該T細胞受容体(TCR)は、Tリンパ球の表面で発現する。不変構造を有する一成分であるCD3は、リガンドによるTCRの占有後の細胞内シグナル伝達に関与する。抗原-CD3複合体(TCR/CD3)に対するTリンパ球受容体は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のタンパク質によってそれに提示される抗原性ペプチドを認識する。MHCとペプチドの複合体は、抗原提示細胞及び他のTリンパ球標的の表面で発現する。TCR/CD3複合体の刺激は、Tリンパ球の活性化及びその結果として抗原特異的免疫反応をもたらす。該TCR/CD3複合体は、エフェクター機能及び免疫系の調節において中心的な役割を果たす。
【0003】
Tリンパ球は、完全に活性化するために第二の、すなわち、共刺激シグナルを必要とする。かかるシグナルなしでは、Tリンパ球は、TCRへの抗原結合に反応しないか、またはアネルギー性になる。かかる共刺激シグナルは、例えば、抗原産生細胞上のCD80及びCD86と相互作用するTリンパ球タンパク質であるCD28によって提供される。別のTリンパ球タンパク質であるICOS(誘導性共刺激分子)は、ICOSリガンドに結合した時に共刺激シグナルを提供する。
【0004】
キメラ抗原受容体(CAR)は、TCR複合体の必須の抗原結合、シグナル伝達、及び刺激性機能を含むように遺伝子操作されたポリペプチドである。かかるCARを有するTリンパ球は、一般にCAR-T細胞またはCAR-Tリンパ球と呼ばれる。しかしながら、CARはTリンパ球を特定の腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原に効果的に標的化することができるが、かかる抗原を同様に発現する正常な健康細胞もまた標的化され得る。本明細書に記載するのは、現在のCAR設計のこの欠点を克服する修飾キメラ受容体である。
【発明の概要】
【0005】
3.概要
1つの態様において、本明細書に提供するのは、(a)セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド及び(b)セレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第二のポリペプチドを含むキメラ抗原受容体(CAR)であり、該第一のポリペプチドもしくは第二のポリペプチド、または両方のポリペプチドは、CARのさらなる成分、例えば、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞シグナル伝達ドメイン、及び/または共刺激ドメインを含む。該CARの該第一及び第二のポリペプチドは、セレブロン結合化合物(例えば、本明細書に記載される)の存在下、免疫細胞中(例えば、Tリンパ球中)で一緒に発現されると、該第一のポリペプチドの該セレブロン(または、例えば、本明細書に記載される通り、その機能部分)及び該第二のポリペプチドのセレブロン関連タンパク質(または、例えば、本明細書に記載される通り、その機能部分)は、該セレブロン結合化合物と結合し、CAR機能を有するヘテロ二量体の形成をもたらす。従って、本明細書に記載のCARの活性(例えば、インビボ活性)は、該CARの該第一及び第二のポリペプチドを発現する細胞(例えば、当該CARを発現するように操作されたTリンパ球)をセレブロン結合化合物と接触させることによって選択的に制御することができる。免疫細胞で発現された該CARがセレブロン結合化合物と接触され、該CARが抗原、例えば、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原に結合すると、該CARは、一次シグナル及び共刺激シグナルの両方を伝達し、これにより該免疫細胞を活性化する。
【0006】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分であり、セレブロン結合化合物に結合することができる、該セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分であり、セレブロン結合化合物と結合することができる、該セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARであり、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0007】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0008】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び膜貫通ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0009】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能部分であり、セレブロン結合化合物に結合することができる、該セレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分であり、セレブロン結合化合物と結合することができる、該セレブロンまたはその機能部分は、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARであり、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0010】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0011】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び膜貫通ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0012】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0013】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0014】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0015】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0016】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一または第二のポリペプチドが一次細胞シグナル伝達ドメインを含む場合、該ポリペプチドはCD3ζである。特定の実施形態において、該細胞シグナル伝達ドメインはヒトである。
【0017】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一または第二のポリペプチドが一次細胞シグナル伝達ドメインを含む場合、該一次細胞シグナル伝達ドメインは、免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)の一次細胞シグナル伝達ドメインであるか、またはこれを含む。特定の実施形態において、該ITAMは、以下のうちの1つ以上に由来する:FcRγ、FcRβ、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD20、CD79a、CD79b、CD278(ICOS)、FcεRI、CD66d、DAP10、及び/またはDAP12。特定の実施形態において、該細胞シグナル伝達ドメインはヒトである。
【0018】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドが共刺激ドメインを含む場合、該共刺激ドメインは、以下のうちの1つ以上に由来する:CD28、4-1BB(CD137)、OX40、活性化NK細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、CD2、CD7、CD27、CD30、CD40、CDS、ICAM-L LFA-1(CD11a/CD18)、B7-H3、CDS、ICAM-1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、DAP10、DAP12、CD83のリガンド、MHCクラスI分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、及び/またはシグナル伝達リンパ球活性化分子。特定の実施形態において、該共刺激ドメインはヒトである。
【0019】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCARの該第一のポリペプチド及び/または第二のポリペプチドの膜貫通ドメインは、T細胞受容体のアルファ鎖、T細胞受容体のベータ鎖、T細胞受容体のゼータ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、またはCD154由来の膜貫通ドメインを含む。特定の実施形態において、該膜貫通ドメインはヒトである。
【0020】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、受容体を含む。
【0021】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、抗体またはその結合フラグメントを含む。特定の実施形態において、該抗体の結合フラグメントは、一本鎖Fvフラグメント(scFv)である。
【0022】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する抗原は、腫瘍細胞上の抗原である。特定の実施形態において、該抗原は、固形腫瘍細胞の抗原である。別の特定の実施形態において、該抗原は、血液がん細胞の抗原である。
【0023】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合さする抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である。特定の実施形態において、該TAAまたはTSAは、以下のうちの1つ以上、またはそのフラグメントである:4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチン。
【0024】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARをコードする核酸、すなわち、本明細書に記載のCARの第一のポリペプチドをコードする核酸及び第二のポリペプチドをコードする核酸である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの第一のポリペプチドは、第一の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされ、本明細書に記載のCARの第二のポリペプチドは、第二の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARの該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの両方をコードする核酸(ポリヌクレオチド)である。
【0025】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARのポリペプチドをコードする核酸は、核酸ベクター内に含まれる。特定の実施形態において、該ベクターはレトロウイルスベクターである。別の特定の実施形態において、該ベクターはレンチウイルスベクターである。
【0026】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARのポリペプチドをコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結される。特定の実施形態において、該プロモーターは、T細胞特異的プロモーター、ナチュラルキラー(NK)細胞特異的プロモーター、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーター、または構成的プロモーターである。
【0027】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARをコードする核酸及び/またはベクターを含む細胞(本明細書では「CAR細胞」と呼ばれる)である。該細胞としては、原核(例えば、細菌)細胞及び真核(例えば、哺乳類)細胞が挙げられる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARを含むT細胞、例えば、CD4+、CD+T細胞、Tエフェクター細胞、またはT記憶細胞である。別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARを含むナチュラルキラー細胞である。
【0028】
本明細書に提供するCAR細胞、例えば、本明細書に記載のCARをコードする核酸(複数可)を含むT細胞、または本明細書に記載のCARを発現する(すなわち、本明細書に記載のCARの該第一及び第二のポリペプチドを発現する)T細胞は、(i)該CARが特異的である抗原(すなわち、該CARの抗原結合ドメインによって認識される抗原)及び(ii)セレブロン結合化合物に接触された場合に活性化され得る。従って、別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARを含む、及び/またはこれを発現する細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を活性化する方法であり、該方法は、CARの抗原結合ドメインと結合する抗原に該細胞を接触させること、及び該細胞をさらにセレブロン結合化合物と接触させることを含む。特定の実施形態において、該細胞は、該抗原及び該セレブロン結合化合物とインビボで接触される。すなわち、接触は、該細胞を対象に投与した後に生じる。別の特定の実施形態において、該細胞は、対象に投与され、当該CARが特異的である抗原を見つけて接触するための特定の時間が与えられ、続いてセレブロン結合化合物が該対象に投与される。
【0029】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCAR細胞は、さらに、アポトーシス誘導ドメイン及び二量体化ドメインを含む人工細胞死ポリペプチドを含み、該人工細胞死ポリペプチドは、二量体化剤を用いて二量体化可能であり、該人工細胞死ポリペプチドが二量体化されると、該ポリペプチドは、当該細胞にてアポトーシス誘導シグナルを生じる。特定の実施形態において、該二量体化剤は、ラパマイシンまたはラパマイシンの類似体(ラパログ)である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤はAP1903(rimiducid)である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤は、セレブロン結合化合物ではない。特定の実施形態において、該二量体化ドメインは、FK結合ドメインまたはその類似体である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤は、該FK結合ドメインに結合する抗体である。
【0030】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する抗原を発現する標的細胞を死滅させる方法であり、該方法は、(i)本明細書に記載のCARを含む/発現する細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)に該標的細胞を接触させること、及び(ii)該CARを発現する細胞をセレブロン結合化合物に接触させることを含み、該抗原及び該セレブロン結合化合物の存在下で該CARを発現する細胞が活性化する。特定の実施形態において、該標的細胞は、がん細胞、例えば、血液がん細胞または固形腫瘍細胞である。別の特定の実施形態において、該標的細胞は、以下の抗原のうちの1つ以上、またはその抗原フラグメントを発現する:4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチン。
【0031】
別の態様において、本明細書に提供するのは、がんを治療する方法であり、該方法は、(i)本明細書に記載のCARであって、当該CARが、がん抗原(例えば、TSAまたはTAA)に対して特異的な抗原結合ドメインを含む、当該CARを含む/発現する(例えば、本明細書に記載のCARをコードする核酸(複数可)を含む、または本明細書に記載のCARを発現する)本明細書に記載のCAR細胞、例えば、T細胞またはNK細胞の集団を対象(例えば、ヒト対象)に投与すること、及び(ii)セレブロン結合化合物を含む組成物を該対象に投与することを含む。特定の実施形態において、該細胞の集団が最初に該対象に投与され、その後、該細胞集団の投与後の特定の時点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で、セレブロン結合化合物を含む該組成物が投与される。特定の実施形態において、該CARが結合する該抗原は、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンである。
【0032】
特定の実施形態において、本明細書に記載のがんを治療する方法に従って対象に投与されるセレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0033】
本明細書に記載の治療方法に従って治療することができるがんの限定されないリストには、リンパ腫、白血病、肺癌、乳癌、前立腺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、メラノーマ、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、粘液腫、線維腫、及び脂肪腫が含まれる。例示的なリンパ腫及び白血病としては、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、結節性周辺帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大B細胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、悪性NK細胞性白血病、成人Tリンパ球性白血病/リンパ腫、結節外NK/Tリンパ球性リンパ腫、鼻型、腸症型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、または非ホジキンリンパ腫が挙げられるがこれらに限定されない。
【0034】
別の態様において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む第一のポリペプチドならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びAiolos(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体であり、該セレブロン(またはその機能部分)及び該Aiolos(またはその機能部分)の両方が、セレブロン結合化合物と結合することができ、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下で二量体を形成し、アポトーシス誘導シグナルを生じる。特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0035】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0036】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)セレブロン(またはその機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0037】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0038】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0039】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供する二量体化可能な人工細胞死受容体のアポトーシス誘導ドメインは、カスパーゼである。特定の実施形態において、該カスパーゼは、カスパーゼ9、カスパーゼ8、またはカスパーゼ3である。
【0040】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコードする核酸、すなわち、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチドをコードする核酸及び第二のポリペプチドをコードする核酸である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチドは、第一の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされ、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第二のポリペプチドは、第二の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの両方をコードする核酸(ポリヌクレオチド)である。
【0041】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコードする核酸は、核酸ベクター内に含まれる。特定の実施形態において、該ベクターはレトロウイルスベクターである。別の特定の実施形態において、該ベクターはレンチウイルスベクターである。
【0042】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結される。特定の実施形態において、該プロモーターは、T細胞特異的プロモーター、ナチュラルキラー(NK)細胞特異的プロモーター、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーター、または構成的プロモーターである。
【0043】
別の態様において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコードする核酸及び/または本明細書に記載のベクターを含む細胞(本明細書では「細胞死受容体細胞」と呼ばれる)である。該細胞としては、原核(例えば、細菌)細胞及び真核(例えば、哺乳類)細胞が挙げられる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体を含むT細胞、例えば、CD4+、CD8+T細胞、Tエフェクター細胞、またはT記憶細胞である。別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体を含むナチュラルキラー細胞である。
【0044】
本明細書に提供する細胞死受容体細胞、例えば、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコードする核酸(複数可)を含むまたは本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体を発現する(すなわち、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一及び第二のポリペプチドを発現する)T細胞またはNK細胞は、セレブロン結合化合物と接触された場合に、例えば、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンと接触された場合に、誘導されてアポトーシスを受け得る。
【0045】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供する細胞死受容体細胞はさらに、CAR、例えば、第一世代のCAR、第二世代のCAR、または第三世代のCARを含む。特定の実施形態において、該CARは、2つ以上の細胞外抗原標的ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該CARは、T細胞活性の負の調節因子であるインターロイキンに結合する細胞外ドメイン、及びT細胞活性の正の調節因子であるインターロイキン受容体由来の細胞内ドメインを含む。別の特定の実施形態において、アポトーシスは、人工細胞死受容体及びCARを含む細胞において、該細胞をセレブロン結合化合物、例えば、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンに接触させることによって誘導される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
3.1.図面の簡単な説明
図1】CAR T細胞活性を調節するためのセレブロン結合化合物(例えば、ポマリドミド)の使用。ポマリドミド及び腫瘍抗原への曝露後に活性化されるT細胞上の分割CARの概略図を示す(腫瘍抗原結合ドメイン、CD28等の共刺激ドメイン、及びセレブロンを含む第一のポリペプチド、ならびにCD3ζ等のITAM及びAiolos等のセレブロン関連タンパク質を含む第二のポリペプチドを備える)。ここで、ポマリドミドは、分割CARの二量体化を誘導することによってCAR活性を調節する。CRBN:セレブロン、POM:ポマリドミド、Costim.Domain:共刺激ドメイン。
【発明を実施するための形態】
【0047】
4.詳細な説明
潜在的に毒性をもたらすCARを発現する治療的免疫細胞によって媒介される標的上であるが腫瘍外の効果は、活性化のために一次及び共刺激シグナルの両方を必要とする調節可能なCARをかかる細胞において発現させることによって低減または除去することができる。本明細書に開示するこの分離は、2つの人工ポリペプチドを含むCARの使用によって達成される。ここで、(i)第一のポリペプチドは、セレブロン(またはその機能部分)を含み、第二のポリペプチドは、セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含み、(ii)活性化に必要とされる該CARの成分は、2つのポリペプチドに分けられ、(iii)該CARは、セレブロン及び該セレブロン関連タンパク質と結合するセレブロン結合化合物の存在下で活性化される。
【0048】
CARが媒介する標的上、腫瘍外効果は、二量体化可能な人工細胞死受容体の使用によっても低減または除去することができる。これは、かかる受容体を発現する細胞を要求に応じて死滅させる。本明細書に記載のかかる二量体化可能な人工細胞死受容体は、アポトーシス誘導ドメイン及び二量体化ドメイン、例えば、セレブロン(またはその機能部分)を含む第一のポリペプチド、ならびにアポトーシス誘導ドメイン及び相補的二量体化ドメイン、例えば、セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む。かかる二量体化可能な人工細胞死受容体を発現する細胞は、該第一及び第二のポリペプチドを二量体化することができるセレブロン結合化合物とそれらを接触させることによって、従って、該アポトーシス誘導ドメインを活性化することによってアポトーシスを受けさせることができる。
【0049】
4.1.キメラ抗原受容体及びそれらの使用
4.1.1.キメラ抗原受容体構築物
本明細書に提供するのは、(a)セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド及び(b)セレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第二のポリペプチドを含むキメラ抗原受容体(CAR)であり、ここで、該第一のポリペプチドもしくは第二のポリペプチド、または両方のポリペプチドは、CARの残りの成分、例えば、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞シグナル伝達ドメイン、及び/または共刺激ドメインを含む。該CARの該第一及び第二のポリペプチドは、セレブロン結合化合物の存在下、免疫細胞中(例えば、Tリンパ球またはナチュラルキラー細胞中)で一緒に発現されると、該第一のポリペプチドのセレブロン(またはその機能部分)及び該第二のポリペプチドの該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、該セレブロン結合化合物に結合し、CAR機能を有するヘテロ二量体の形成をもたらす。従って、本明細書に記載のCARの活性(例えば、インビボ活性)は、該CARの該第一及び第二のポリペプチドを発現する細胞(例えば、当該CARを発現するように操作されたTリンパ球)をセレブロン結合化合物と接触させることによって選択的に制御することができる。本明細書で使用される、「膜貫通ドメイン」としては、該膜貫通ドメインを含むタンパク質が細胞内及び細胞外ドメインの両方を含むパススルー膜貫通ドメイン、ならびに該膜貫通ドメインを含むタンパク質が細胞内ドメインを含むが細胞外ドメインは含まない膜アンカードメインが挙げられる。
【0050】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分であり、セレブロン結合化合物に結合することができる、該セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分であり、セレブロン結合化合物と結合することができる、該セレブロン関連タンパク質またはその機能部分)、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARであり、ここで、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0051】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0052】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び膜貫通ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0053】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能部分であり、セレブロン結合化合物に結合することができる、該セレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分であり、セレブロン結合化合物と結合することができる、該セレブロンまたはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARであり、ここで、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)である。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。別の特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0054】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0055】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び膜貫通ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。別の特定の実施形態において、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含み、該第一のポリペプチドは、共刺激ドメインを含まない。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0056】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0057】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0058】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、膜貫通ドメイン、セレブロンまたはその機能部分、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0059】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)N末端からC末端の順に、抗原結合ドメイン、セレブロン関連タンパク質またはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第一のポリペプチド、ならびに(b)N末端からC末端の順に、セレブロンまたはその機能部分、膜貫通ドメイン、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチドを含むCARである。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。別の実施形態において、該セレブロン(またはその機能部分)及び該セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)は、両方ともセレブロン結合化合物と結合することができ、ここで、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0060】
セレブロン及びセレブロン関連タンパク質
本明細書に提供するCARは、セレブロンもしくはその機能部分またはセレブロン関連タンパク質(例えば、AiolosまたはIkaros)もしくはそのいずれかの機能部分を含むポリペプチドを含む。本明細書で使用される、セレブロンまたはセレブロン関連タンパク質の「機能部分」という用語は、セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロンまたはセレブロン関連タンパク質の一部と定義される。いくつかの実施形態において、セレブロンまたはセレブロン関連タンパク質の機能部分は、該セレブロンまたは該セレブロン関連タンパク質の全ポリペプチドコード配列を含む。他の実施形態において、セレブロンまたはセレブロン関連タンパク質の機能部分は、それぞれ、該セレブロンまたは該セレブロン関連タンパク質の切断短縮されたものを含む。当業者には、機能を維持するために必要な、及び/またはセレブロン結合化合物への各タンパク質の結合を確保するために必要な各タンパク質の成分が認識されよう。他の実施形態において、セレブロンまたはセレブロン関連タンパク質の機能部分は、それぞれ、該セレブロンまたは該セレブロン関連タンパク質由来のペプチド配列を含む。当業者には、機能を維持するために必要な、及び/またはセレブロン結合化合物への各タンパク質の結合を確保するために必要な各タンパク質の成分が認識されよう。
【0061】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供するCARは、セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロンまたはその機能部分を含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提供するCARは、セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロン関連タンパク質(例えば、AiolosもしくはIkaros)またはその機能部分を含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に提供するCARは、セレブロン結合化合物と結合することができるAiolosまたはその機能部分を含むポリペプチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に提供するCARは、(i)セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、及び(ii)セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロン関連タンパク質(例えば、AiolosもしくはIkaros)またはその機能部分を含む第二のポリペプチドを含む。
【0062】
セレブロンは、タンパク質「精神遅滞、非症候性、常染色体劣性、2A」、CRBN、MRT2、MRT2A、及びAD-006としても知られる。セレブロンをコードする例示的な核酸は、例えば、Genbank遺伝子ID51185として提供されている。例示的なセレブロンのアミノ酸配列は、例えば、UniprotのID Q96SW2-1として提供されている。当業者には、組み換え操作を用いたセレブロン含有ポリペプチドの作製及び使用方法が容易に理解されよう。
【0063】
本明細書で使用される、「セレブロン」という用語は、天然に存在するセレブロンタンパク質またはその部分、及び天然に存在するセレブロンタンパク質またはその部分に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性または配列同一性を含むポリペプチドを指し、ここで、該配列は、例えば、本明細書に記載のセレブロン結合化合物の存在下で、セレブロン関連タンパク質と結合することができる。
【0064】
本明細書で使用される、「セレブロン関連タンパク質」は、セレブロンの基質としての機能を果たす、例えば、セレブロン結合化合物の存在下で、例えば、セレブロンに結合することができる及び/またはセレブロンと会合することができるタンパク質(またはその部分)を指す。例えば、Gandhi et al.,2014,Br.J.Haematol.164(6):811-821を参照されたい。
【0065】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARで使用される該セレブロン関連タンパク質はAiolosである。Aiolosは、「IKAROSファミリージンクフィンガー3」、「ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、3」、及びZNFN1A3としても知られる。Aiolosをコードする例示的な核酸は、Genbank遺伝子ID22806として提供されている。例示的なAiolosのアミノ酸配列は、例えば、UniprotのID Q9UKT9-1として提供されている。当業者には、組み換え操作を用いたAiolos含有ポリペプチドの作製及び使用方法が容易に理解されよう。本明細書で使用される、「Aiolos」という用語は、天然に存在するAiolosタンパク質またはその部分、及び天然に存在するAiolosタンパク質またはその部分に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性または配列同一性を含むポリペプチドを指す。
【0066】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARで使用される該セレブロン関連タンパク質はIkarosである。Ikarosは、「IKAROSファミリージンクフィンガー1」、IKZF1、IK1、LYF1、LyF-1、CVID13、PPP1R92、PRO0758、ZNFN1A1、及びHs.54452としても知られる。Ikarosをコードする例示的な核酸は、例えば、Genbank遺伝子ID10320として提供されている。例示的なIkarosのアミノ酸配列は、例えば、UniprotのID Q03267-1として提供されている。当業者には、組み換え操作を用いたIkaros含有ポリペプチドの作製及び使用方法が容易に理解されよう。本明細書で使用される、「Ikaros」という用語は、天然に存在するIkarosタンパク質またはその部分、及び天然に存在するIkarosタンパク質またはその部分に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の相同性または配列同一性を含むポリペプチドを指す。
【0067】
抗原結合ドメイン
本明細書に提供するCARの抗原結合ドメインは、抗原に結合する任意のポリペプチドドメイン、モチーフ、または配列であり得る。
【0068】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、受容体の抗原結合部分である。特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、腫瘍細胞によって産生されるリガンドに対する受容体である。
【0069】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、抗体の抗原結合部分である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、抗体、抗体鎖、一本鎖抗体、もしくはその抗原結合部分、Fcドメイン、グリコホスファチジルイノシトールアンカードメイン、またはscFv抗体フラグメントである。
【0070】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインは、ペプチド系の高分子抗原結合剤、例えば、ファージ提示タンパク質である。
【0071】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインによる抗原結合は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に関連した抗原提示に限定される。ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインによる抗原結合は、MHCに限定されない。
【0072】
本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する/認識する抗原は、任意の目的の抗原であり得る。特定の実施形態において、該抗原は、細胞(例えば、固形腫瘍細胞または血液がんの腫瘍細胞等の腫瘍細胞)の表面で発現される抗原である。
【0073】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する/認識する抗原は、腫瘍細胞上の抗原であり、例えば、該抗原は、TSAまたはTAAである。本明細書に記載のCARが認識し得る(すなわち、CARの抗原結合ドメインが結合する)例示的な腫瘍細胞抗原としては、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及びビメンチンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0074】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する/認識する抗原は、リンパ腫/白血病、肺癌、乳癌、前立腺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、メラノーマ、例えば、悪性メラノーマ、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経膠芽腫、粘液腫、線維腫、脂肪腫等の腫瘍細胞で発現されるまたはこれと関連する抗原である。
【0075】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する/認識する抗原は、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、結節性周辺帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大B細胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、悪性NK細胞性白血病、成人Tリンパ球性白血病/リンパ腫、結節外NK/Tリンパ球性リンパ腫、鼻型、腸症型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、または非ホジキンリンパ腫の腫瘍細胞で発現されるまたはこれと関連する抗原である。
【0076】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する/認識する抗原は、非腫瘍関連抗原または非腫瘍特異的抗原である。ある特定の実施形態において、該抗原は、腫瘍の状況、例えば、腫瘍環境に関連する。例えば、腫瘍は、当該腫瘍を囲む組織において炎症状態を誘導することができ、また、当該腫瘍の中及び当該腫瘍の周辺で血管新生を促進する血管新生成長因子、インターロイキン、及び/またはサイトカインを放出し得る。従って、ある特定の実施形態において、該抗原は、成長因子、サイトカイン、またはインターロイキン(例えば、血管新生もしくは血管形成に関連する成長因子、サイトカイン、またはインターロイキン)である。かかる成長因子、サイトカイン、及びインターロイキンとしては、血管内皮成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インスリン様成長因子(IGF)、及びインターロイキン-8(IL-8)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0077】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する/認識する抗原は、腫瘍が引き起こす傷害の局在に反応して、正常組織によって放出される傷害関連分子パターン分子(DAMP、アラーミンとしても知られる)である。本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合することができる例示的なDAMPとしては、熱ショックタンパク質、クロマチン関連タンパク質高移動度群ボックス1(HMGB1)、S100A8(MRP8、カルグラニュリンA)、S100A9(MRP14、カルグラニュリンB)、血清アミロイドA(SAA)、デオキシリボ核酸、アデノシン三リン酸、尿酸、及びヘパリン硫酸を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0078】
膜貫通ドメイン
本明細書に記載のCARの膜貫通ドメインは、膜貫通ドメインとして機能することが当技術分野で知られる、例えば、CARとの関連で機能することが当業者に知られる任意の分子を含むことができる。本明細書に記載のCARの膜貫通ドメインは、任意の膜貫通タンパク質の膜貫通ドメインから得られ得、またはそれに由来し得、かかる膜貫通ドメインのすべて、または一部を含み得る。
【0079】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドの膜貫通ドメインは、T細胞受容体から得られるか、またはこれに由来し、例えば、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドの膜貫通ドメインは、T細胞受容体のアルファ鎖、T細胞受容体のベータ鎖、T細胞受容体のゼータ鎖から得られるか、またはこれに由来する。
【0080】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドの膜貫通ドメインは、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137もしくはCD154、サイトカイン受容体、インターロイキン受容体、または成長因子受容体から得られるか、またはこれに由来する。
【0081】
シグナル伝達ドメイン
本明細書に記載のCARの一次細胞シグナル伝達ドメインは、細胞シグナル伝達ドメインとして機能することが当技術分野で知られる、例えば、CARとの関連で機能することが当業者に知られる任意の分子を含むことができる。特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの細胞シグナル伝達ドメインは、一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む。
【0082】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの一次細胞シグナル伝達ドメインは、ZAP-70もしくはそのシグナル伝達変異体であるか、それを含む。
【0083】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの一次細胞シグナル伝達ドメインは、ITAMであるか、それを含む。特定の実施形態において、該ITAMは、FcRγ、FcRβ、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、20 CD79a、CD79b、CD278(ICOS)、FcERI、CD66d、DAP10、またはDAP12のITAMである。
【0084】
共刺激ドメイン
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドは、共刺激ドメインを含む。本明細書に記載のCARの共刺激ドメイン(複数可)は、共刺激ドメインとして機能することが当技術分野で知られる、例えば、CARとの関連で機能することが当業者に知られる任意の分子を含むことができる。
【0085】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドの共刺激ドメインは、共刺激CD27ポリペプチド配列、共刺激CD28ポリペプチド配列、共刺激OX40(CD134)ポリペプチド配列、共刺激4-1BB(CD137)ポリペプチド配列、または共刺激誘導性T細胞共刺激性(ICOS)ポリペプチド配列から得られるか、またはこれに由来する。
【0086】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドの共刺激ドメインは、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、活性化NK細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、CD2、CD7、CD27、CD30、CD40、CDS、ICAM-L LFA-1(CD11a/CD18)、B7-H3、CDS、ICAM-1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、DAP10、DAP12、CD83のリガンド、MHCクラスI分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、またはシグナル伝達リンパ球活性化分子であるか、これを含む。
【0087】
他の修飾
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドはさらに、調節剤(すなわち、セレブロン結合化合物以外の薬剤)に反応する二量体化ドメインを含む。
【0088】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドはさらに、T細胞生存モチーフを含む。該T細胞生存モチーフは、抗原による刺激後のTリンパ球の生存を促進する任意のポリペプチド配列またはモチーフであり得る。ある特定の実施形態において、該T細胞生存モチーフは、CD3、CD28、IL-7受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン(IL-7R)、IL-12受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-15受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-21受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、または形質転換成長因子β(TGFβ)受容体の細胞内シグナル伝達ドメインであるか、またはそれに由来する。
【0089】
4.1.2.CARのポリペプチド修飾
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCARの該第一及び/または第二のポリペプチドは、例えば、アシル化、アミド化、グリコシル化、メチル化、リン酸化、硫酸化、SUMO化、及び/またはユビキチン化(または他のタンパク質修飾)によって修飾される。
【0090】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCARの該第一及び/または第二のポリペプチドは、検出可能なシグナルを提供することができる標識、例えば、放射性同位体または蛍光化合物で標識される。
【0091】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCARの該第一及び/または第二のポリペプチドの1つ以上の側鎖は誘導体化されており、例えば、リシニル及びアミノ末端残基のコハク酸もしくは他のカルボン酸無水物による誘導体化、または例えば、イミドエステル、例えば、メチルピコリンイミデート、ピリドキサールリン酸、ピリドキサール、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O-メチルイソ尿素、2,4ペンタンジオン、及びグリオキシル酸とのトランスアミナーゼ触媒反応による誘導体化である。ある特定の実施形態において、カルボキシル側鎖、アスパルチルまたはグルタミルは、カルボジイミド(R-N=C=N-R’)、例えば、1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリニル-(4-エチル)カルボジイミドまたは1-エチル-3-(4-アゾニア-4,4-ジメチルペンチル)カルボジイミドとの反応によって選択的に修飾され得る。
【0092】
4.1.3.核酸
本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARをコードする核酸、すなわち、本明細書に記載のCARの該第一のポリペプチドをコードする核酸及び該第二のポリペプチドをコードする核酸である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの第一のポリペプチドは、第一の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされ、本明細書に記載のCARの第二のポリペプチドは、第二の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARの該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの両方をコードする核酸(ポリヌクレオチド)である。
【0093】
本明細書に記載のCARの製造に有用な核酸には、DNA、RNA、及び核酸類似体が含まれる。核酸類似体は、その塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格で修飾され得、デオキシチミジンに対するデオキシウリジン置換、デオキシシチジンに対する5-メチル-2’-デオキシシチジンまたは5-ブロモ-2’-デオキシシチジン置換を挙げることができる。糖部分の修飾としては、リボース糖の2’ヒドロキシルの2’-O-メチルまたは2’-O-アリル糖を形成する修飾を挙げることができる。デオキシリボースリン酸骨格は、各塩基部分が6員のモルホリノ環に結合するモルホリノ核酸を製造するように、または該デオキシリン酸骨格がプソイドペプチド骨格で置換され、4つの塩基が保持されるペプチド核酸を製造するように修飾され得る。例えば、Summerton and Weller(1997)Antisense Nucleic Acid Drug Dev.7:187-195、及びHyrup et al.(1996)Bioorgan.Med. Chain.4:5-23を参照されたい。さらに、該デオキシリン酸骨格は、例えば、ホスホロチオエートもしくはホスホロジチオエート骨格、ホスホロアミダイト、またはアルキルホスホトリエステル骨格で置換され得る。
【0094】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARのポリペプチドをコードする核酸は、核酸ベクター内に含まれる。例えば、目的の細胞、例えば、Tリンパ球は、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドをコードする核酸(ポリヌクレオチド)を含む合成ベクター、レンチウイルスもしくはレトロウイルスベクター、自律複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)等を用いて形質転換することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドを含むベクターは、レトロウイルスベクターである。別の特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該第一及び/または第二のポリペプチドを含むベクターは、レンチウイルスベクターである。細胞、例えば、Tリンパ球の形質転換に適するレンチウイルスベクターとしては、米国特許第5,994,136号、第6,165,782号、第6,428,953号、第7,083,981号、及び第7,250,299号に記載のレンチウイルスベクターが挙げられるがこれらに限定されない。細胞、例えば、Tリンパ球の形質転換に適するHIVベクターとしては、米国特許第5,665,577号に記載のベクターが挙げられるがこれらに限定されない。
【0095】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARのポリペプチドをコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結される。特定の実施形態において、該プロモーターは、T細胞特異的プロモーター、ナチュラルキラー(NK)細胞特異的プロモーター、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーター、または構成的プロモーターである。
【0096】
4.1.4.細胞
本明細書に提供するCARは、CARの発現が有用な細胞において発現させることができ、すなわち、細胞は、該細胞において当該核酸が発現すると、該細胞が本明細書に記載のCARを発現するように、本明細書に提供するCARをコードする核酸を含むように操作される。例えば、本明細書に記載のCARは、Tリンパ球またはナチュラルキラー細胞において発現され得る。本明細書に記載のCARを発現する本明細書に提供する細胞は、「CAR細胞」と呼ばれる。
【0097】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(i)セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、及び(ii)セレブロン結合化合物と結合することができるセレブロン関連タンパク質(例えば、AiolosもしくはIkaros)またはその機能部分を含む第二のポリペプチドを含むCARを発現するように修飾された細胞(例えば、Tリンパ球またはナチュラルキラー細胞)である。特定の実施形態において、該第一のポリペプチドはさらに、抗原結合ドメイン及び膜貫通ドメイン(ならびに、任意に、共刺激ドメイン)を含む。特定の実施形態において、該第二のポリペプチドはさらに、膜貫通ドメイン及び一次細胞シグナル伝達ドメイン(ならびに、任意に、共刺激ドメイン)を含む。
【0098】
特定の実施形態において、本明細書に提供するCARは、Tリンパ球において発現される。該Tリンパ球は、ナイーブTリンパ球またはMHC拘束性Tリンパ球であり得る。ある特定の実施形態では、該Tリンパ球は、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)である。ある特定の実施形態において、該Tリンパ球は、腫瘍生検から単離されたものであるか、または腫瘍生検から単離されたTリンパ球から拡大されたものである。ある特定の他の実施形態において、該Tリンパ球は、末梢血、臍帯血、もしくはリンパから拡大されたTリンパ球から単離されたものであるか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパから拡大されたTリンパ球から拡大される。
【0099】
特定の実施形態において、本明細書に記載のCARを含む/発現するように操作された細胞(例えば、Tリンパ球)は、該細胞(例えば、Tリンパ球)が本明細書に記載の治療方法の一部として投与される個体にとって自己である。他の実施形態において、本明細書に記載のCARを含む/発現するように操作された細胞(例えば、Tリンパ球)は、該細胞(例えば、Tリンパ球)が投与される個体にとって同種である。同種異系細胞(例えば、Tリンパ球)がCAR細胞を調製するために使用される場合、当該個体における移植片対宿主病(GVHD)の可能性を低減する細胞(例えば、Tリンパ球)を選択することが好ましい。例えば、ある特定の実施形態において、ウイルス特異的Tリンパ球がCAR Tリンパ球の調製のために選択され、かかるリンパ球は、任意のレシピエント抗原に結合し、したがってそれらによって活性化される著しく低減された天然能力を有することが予想される。ある特定の実施形態において、同種異系細胞(例えば、Tリンパ球)のレシピエント媒介性拒絶は、1つ以上の免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、シクロホスファミド等の宿主への共投与により減少され得る。
【0100】
1つの実施形態において、Tリンパ球は、個体から得られ、任意にその後拡大され、次いで本明細書に記載のCARの該第一のポリペプチドをコードする第一のベクター及び本明細書に記載のCARの該第二のポリペプチドをコードする第二のベクターで形質転換され、任意にその後拡大される。二重形質転換体は、例えば、当該ベクターの各々に固有の選択マーカーを用いて選択され得る。
【0101】
別の実施形態において、Tリンパ球は、個体から得られ、任意にその後拡大され、次いで本明細書に記載のCARの該第一のポリペプチド及び本明細書に記載のCARの該第二のポリペプチドをコードするベクターで形質転換され、任意にその後拡大される。該ベクターを含む細胞は、選択マーカーを用いて得ることができる。
【0102】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCAR細胞を生成するために使用されるTリンパ球は、人工共刺激ポリペプチド(共刺激ポリペプチドが使用される実施形態において)に加えて、または該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチド(CAR細胞が該抗原結合シグナル伝達及び共刺激シグナル伝達を分離しているポリペプチドを含む実施形態において)に加えて、天然のTCRタンパク質、例えば、天然のTCR複合体を形成することができるTCR-α及びTCR-βを含む。ある特定の他の実施形態において、該Tリンパ球でTCR-α及びTCR-βをコードする天然遺伝子のいずれかまたは両方は、機能しないように修飾され、例えば、一部またはすべてが欠失しているか、または突然変異が挿入されている。
【0103】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCARの該シグナル伝達ドメイン(複数可)は、該CARを含む/発現する細胞(例えば、Tリンパ球)の増殖及び拡大を促進するために使用され得る。例えば、未修飾のTリンパ球、ならびにCD3ζシグナル伝達ドメイン及びCD28共刺激ドメインを含むポリペプチドを含むTリンパ球は、CD3及びCD28に対する抗体、例えば、ビーズに結合した抗体を使用して拡張することができる。例えば、米国特許第5,948,893号、第6,534,055号、第6,352,694号、第6,692,964号、第6,887,466号、及び第6,905,681号を参照されたい。同様に、シグナル伝達モチーフに対する抗体を、本明細書に記載のCARを含む細胞(例えば、Tリンパ球)の増殖を刺激するために使用することができる。
【0104】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCAR細胞は、必要に応じて実質的にすべてのCAR細胞を死滅させるようにする「自殺遺伝子」または「安全スイッチ」を含む。例えば、本明細書に記載のCAR細胞は、ある特定の実施形態において、ガンシクロビルと接触した際に細胞死をもたらす、HSVチミジンキナーゼ遺伝子(HSV-TK)を含む。別の実施形態において、該CAR細胞は、誘導性カスパーゼ、例えば、誘導性カスパーゼ9(icaspase9)、例えば、カスパーゼ9と特定の小分子医薬を使用した二量体化を可能にするヒトFK506結合タンパク質との融合タンパク質を含む。Straathof et al.,Blood 105(11):4247-4254(2005)を参照されたい。
【0105】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供するCAR細胞は、さらに、アポトーシス誘導ドメイン及び二量体化ドメインを含む人工細胞死ポリペプチドを含み、該人工細胞死ポリペプチドは、二量体化剤を用いて二量体化可能であり、該人工細胞死ポリペプチドが二量体化されると、該ポリペプチドは、当該細胞にてアポトーシス誘導シグナルを生じる。特定の実施形態において、該二量体化剤は、ラパマイシンまたはラパマイシンの類似体(ラパログ)である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤はAP1903(rimiducid)である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤は、セレブロン結合化合物ではない。特定の実施形態において、該二量体化ドメインは、FK結合ドメインまたはその類似体である。別の特定の実施形態において、該二量体化剤は、該FK結合ドメインに結合する抗体である。
【0106】
4.1.5.使用方法
本明細書に記載のCAR細胞、例えば、本明細書に記載のCARを含む/発現するように修飾されたTリンパ球細胞は、該細胞によって標的化される(例えば、死滅させる)ことが望ましい1つ以上の細胞型を有する個体を治療するために使用することができる。
【0107】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載のCARの抗原結合ドメインが結合する抗原を発現する標的細胞を死滅させる方法であり、該方法は、(i)本明細書に記載のCARを含む/発現する細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)に該標的細胞を接触させること、及び(ii)該CARを発現する細胞をセレブロン結合化合物に接触させることを含み、該抗原及び該セレブロン結合化合物の存在下で該CARを発現する細胞が活性化する。特定の実施形態において、該標的細胞は、がん細胞、例えば、血液がん細胞または固形腫瘍細胞である。別の特定の実施形態において、該標的細胞は、以下の抗原のうちの1つ以上、またはそのフラグメント発現する:4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチン。
【0108】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、がんを治療する方法であり、該方法は、(i)本明細書に記載のCARであって、当該CARが、がん抗原(例えば、TSAまたはTAA)に対して特異的な抗原結合ドメインを含む、当該CARを含む/発現する(例えば、本明細書に記載のCARをコードする核酸(複数可)を含む、または本明細書に記載のCARを発現する)本明細書に記載のCAR細胞、例えば、T細胞またはNK細胞の集団を対象(例えば、ヒト対象)に投与すること、及び(ii)セレブロン結合化合物を含む組成物を該対象に投与することを含む。特定の実施形態において、該細胞の集団が最初に該対象に投与され、その後、該細胞集団の投与後の特定の時点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で、セレブロン結合化合物を含む該組成物が投与される。特定の実施形態において、該CARが結合する該抗原は、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンである。
【0109】
特定の実施形態において、本明細書に記載のがんを治療する方法に従って対象に投与されるセレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0110】
本明細書に記載の治療方法に従って治療することができるがんの限定されないリストには、リンパ腫、白血病、肺癌、乳癌、前立腺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、メラノーマ、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、粘液腫、線維腫、及び脂肪腫が含まれる。例示的なリンパ腫及び白血病としては、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、結節性周辺帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大B細胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、悪性NK細胞性白血病、成人Tリンパ球性白血病/リンパ腫、結節外NK/Tリンパ球性リンパ腫、鼻型、腸症型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、または非ホジキンリンパ腫が挙げられるがこれらに限定されない。
【0111】
疾患または障害の治療における、例えば、がんを有する個体の治療における本明細書に記載のCAR細胞の有効性は、当業者に知られる、特定の疾患または障害に特異的な、該疾患または障害の進行を示す1つ以上の基準で評価することができる。一般に、CAR細胞(例えば、CAR Tリンパ球)の疾患/障害(例えば、がん)を有する個体への投与は、1つ以上の該基準が検出可能に、例えば、有意に、疾患状態の値もしくは範囲から、正常値もしくは範囲に、またはそれに向かって動いた場合に有効である。
【0112】
本明細書に記載のCAR細胞は、任意の医薬的に許容される溶液、好ましくは、生細胞の送達に適した溶液、例えば、生理食塩水(リンゲル液等)、ゼラチン、炭水化物(例えば、ラクトース、アミロース、デンプン等)、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等に製剤化され得る。かかる製剤は、好ましくは、CAR細胞の添加の前に滅菌され、滑沢剤、保存剤、安定剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、及び着色剤等の補助剤と混合されてもよい。本明細書に記載のCAR細胞の製剤化に使用するのに適した医薬担体は、当技術分野で知られており、例えば、WO 96/05309に記載されている。
【0113】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCAR細胞(例えば、CAR Tリンパ球)は、個々の用量に製剤化される。該個々の用量は、少なくとも、多くとも、または約1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×10、5×10、1×1010、5×1010、もしくは1×1011のCAR細胞を含む。
【0114】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載のCAR細胞(例えば、CAR Tリンパ球)は、静脈内、動脈内、非経口、筋肉内、皮下、髄腔内、もしくは眼内投与、または特定の器官もしくは組織内投与用に製剤化される。
【0115】
セレブロン結合化合物
本明細書で使用される、「セレブロン結合化合物」という用語は、セレブロン(またはその機能部分)と結合することができ、かつセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)、例えば、Aiolos(またはその機能部分)またはIkaros(またはその機能部分)と結合することができる分子(例えば、小分子またはタンパク質/ポリペプチド(例えば、抗体))を指す。特定の実施形態において、セレブロン結合化合物は、セレブロン(またはその機能部分)及びAiolos(またはその機能部分)の両方と結合することができ、セレブロン(またはその機能部分)及びAiolos(またはその機能部分)の間に関連、例えば、ヘテロ二量体の形成をもたらす。別の特定の実施形態において、セレブロン結合化合物は、セレブロン(またはその機能部分)及びIkaros(またはその機能部分)の両方と結合することができ、セレブロン(またはその機能部分)及びIkaros(またはその機能部分)の間に関連、例えば、ヘテロ二量体の形成をもたらす。
【0116】
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される該セレブロン結合化合物は、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)である。別の特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される該セレブロン結合化合物は、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)である。別の特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される該セレブロン結合化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。別の特定の実施形態において、本明細書に記載の方法に従って使用される該セレブロン結合化合物は、3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。これらの化合物に関連する開示に関しては、例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0162282号を参照されたい。
【0117】
本明細書に記載の方法に従って使用されるセレブロン結合化合物、またはそのエナンチオマーもしくはそのエナンチオマーの混合物、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物、もしくは多形体は、単回投与、例えば、単回ボーラス注入、または経口錠剤もしくは丸剤等として、または徐々に、例えば、時間をかけた持続注入もしくは時間をかけた分割ボーラス投与等として送達することができる。
【0118】
本明細書に記載の方法に従って使用されるセレブロン結合化合物は、静脈内、動脈内、非経口、筋肉内、皮下、髄腔内、もしくは眼内投与、または特定の器官もしくは組織内投与用に製剤化することができる。
【0119】
4.2.人工細胞死ポリペプチド
4.2.1.細胞死ポリペプチド構築物
また、本明細書に提供するのは、セレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、及びセレブロン関連タンパク質またはその機能部分を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体であり、これは、細胞、例えば、Tリンパ球またはNK細胞にて発現された場合、セレブロン結合化合物の存在下で該細胞の死をもたらし得る。セレブロン、セレブロン関連タンパク質、及びセレブロン結合化合物は、上記第4.1節に詳述されている。
【0120】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む第一のポリペプチドならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びAiolos(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体であり、該セレブロン(またはその機能部分)及び該Aiolos(またはその機能部分)の両方が、セレブロン結合化合物と結合することができ、該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドは、該セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成し、アポトーシス誘導シグナルを生じる。特定の実施形態において、該セレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0121】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0122】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)セレブロン(またはその機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む。別の特定の実施形態において、該第二のポリペプチドは、セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0123】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメインならびにアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0124】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、(a)アポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)及びセレブロン(またはその機能部分)を含む膜貫通タンパク質を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)セレブロン関連タンパク質(またはその機能部分)を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及びアポトーシス誘導ドメイン(またはその機能部分)を含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質を含む第二のポリペプチドを含む二量体化可能な人工細胞死受容体である。特定の実施形態において、該セレブロン関連タンパク質はAiolosまたはIkarosである。
【0125】
該細胞死ポリペプチドのアポトーシス誘導ドメインは、例えば、二量体化された場合にアポトーシス誘導シグナルを当該細胞にて開始する任意のタンパク質またはその部分であり得る。ある特定の実施形態において、該アポトーシス誘導ドメインは、ホモ二量体化する任意のカスパーゼである。特定の実施形態において、該アポトーシス誘導ドメインは、カスパーゼ、例えば、カスパーゼ9、カスパーゼ8、またはカスパーゼ3(例えば、ヒトカスパーゼ9、カスパーゼ8、またはカスパーゼ3)であるか、これを含む。ヒトカスパーゼ9、ヒトカスパーゼ8、及びヒトカスパーゼ3を含めたヒトカスパーゼのアミノ酸配列は、当技術分野で周知である。例えば、ヒトカスパーゼ3は、NCBI遺伝子ID836を割り当てられ、ヒトカスパーゼ8は、NCBI遺伝子ID841を割り当てられ、ヒトカスパーゼ9は、NCBI遺伝子ID842を割り当てられている。ある特定の実施形態において、カスパーゼドメインであるか、またはそれを含む該細胞内ドメイン及び該細胞外ドメインは、CD8αストークまたはCD8βストークによって結合され、その少なくとも一部は、膜貫通ドメインとして機能することができる。
【0126】
4.2.2.核酸
本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコードする核酸、すなわち、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチドをコードする核酸及び第二のポリペプチドをコードする核酸である。ある特定の実施形態において、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチドは、第一の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされ、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第二のポリペプチドは、第二の核酸(ポリヌクレオチド)によってコードされる。特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの両方をコードする核酸(ポリヌクレオチド)である。
【0127】
本明細書に記載の人工細胞死受容体の製造に有用な核酸には、DNA、RNA、及び核酸類似体が含まれる。核酸類似体は、その塩基部分、糖部分、またはリン酸骨格で修飾され得、デオキシチミジンに対するデオキシウリジン置換、デオキシシチジンに対する5-メチル-2’-デオキシシチジンまたは5-ブロモ-2’-デオキシシチジン置換を挙げることができる。糖部分の修飾としては、リボース糖の2’ヒドロキシルの2’-O-メチルまたは2’-O-アリル糖を形成する修飾を挙げることができる。デオキシリボースリン酸骨格は、各塩基部分が6員のモルホリノ環に結合するモルホリノ核酸を製造するように、または該デオキシリン酸骨格がプソイドペプチド骨格で置換され、4つの塩基が保持されるペプチド核酸を製造するように修飾され得る。例えば、Summerton and Weller(1997)Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 7:187-195、及びHyrup et al.(1996)Bioorgan.Med.Chain.4:5-23を参照されたい。さらに、該デオキシリン酸骨格は、例えば、ホスホロチオエートもしくはホスホロジチオエート骨格、ホスホロアミダイト、またはアルキルホスホトリエステル骨格で置換され得る。
【0128】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の人工細胞死受容体をコードする核酸は、核酸ベクター内に含まれる。例えば、目的の細胞、例えば、Tリンパ球は、本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一及び/または第二のポリペプチドをコードする核酸(ポリヌクレオチド)を含む合成ベクター、レンチウイルスもしくはレトロウイルスベクター、自律複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)等を用いて形質転換することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一及び/または第二のポリペプチドを含むベクターは、レトロウイルスベクターである。別の特定の実施形態において、本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一及び/または第二のポリペプチドを含むベクターは、レンチウイルスベクターである。細胞、例えば、Tリンパ球の形質転換に適するレンチウイルスベクターとしては、米国特許第5,994,136号、第6,165,782号、第6,428,953号、第7,083,981号、及び第7,250,299号に記載のレンチウイルスベクターが挙げられるがこれらに限定されない。細胞、例えば、Tリンパ球の形質転換に適するHIVベクターとしては、米国特許第5,665,577号に記載のベクターが挙げられるがこれらに限定されない。
【0129】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載の人工細胞死受容体をコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結される。特定の実施形態において、該プロモーターは、T細胞特異的プロモーター、ナチュラルキラー(NK)細胞特異的プロモーター、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーター、または構成的プロモーターである。
【0130】
4.2.3.細胞
本明細書に提供する人工細胞死受容体は、発現が有用な細胞において発現され得、すなわち、細胞は、該細胞において当該核酸が発現すると、該細胞が本明細書に記載の人工細胞死受容体を発現するように、本明細書に提供する人工細胞死受容体をコードする核酸を含むように操作される。例えば、本明細書に記載の人工細胞死受容体は、Tリンパ球またはナチュラルキラー細胞において発現され得る。本明細書に記載の人工細胞死受容体を発現する本明細書に提供する細胞は、「細胞死受容体細胞」と呼ばれる。
【0131】
特定の実施形態において、本明細書に提供する人工細胞死受容体は、Tリンパ球において発現される。該Tリンパ球は、ナイーブTリンパ球またはMHC拘束性Tリンパ球であり得る。ある特定の実施形態では、該Tリンパ球は、腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)である。ある特定の実施形態において、該Tリンパ球は、腫瘍生検から単離されたものであるか、または腫瘍生検から単離されたTリンパ球から拡大されたものである。ある特定の他の実施形態において、該Tリンパ球は、末梢血、臍帯血、もしくはリンパから拡大されたTリンパ球から単離されたものであるか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパから拡大されたTリンパ球から拡大される。
【0132】
特定の実施形態において、本明細書に記載の細胞死受容体細胞は、該細胞(例えば、Tリンパ球)が本明細書に記載の治療方法の一部として投与される個体にとって自己である。他の実施形態において、本明細書に記載の細胞死受容体細胞は、該細胞(例えば、Tリンパ球)が投与される個体にとって同種である。同種異系細胞(例えば、Tリンパ球)が人工細胞死受容体を含む/発現する細胞を調製するために使用される場合、当該個体における移植片対宿主病(GVHD)の可能性を低減する細胞(例えば、Tリンパ球)を選択することが好ましい。第4.1節を参照されたい。
【0133】
1つの実施形態において、Tリンパ球は、個体から得られ、任意にその後拡大され、次いで本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一のポリペプチドをコードする第一のベクター及び本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第二のポリペプチドをコードする第二のベクターで形質転換され、任意にその後拡大される。二重形質転換体は、例えば、当該ベクターの各々に固有の選択マーカーを用いて選択され得る。
【0134】
別の実施形態において、Tリンパ球は、個体から得られ、任意にその後拡大され、次いで本明細書に記載の人工細胞死受容体の該第一のポリペプチド及び該第二のポリペプチドをコードするベクターで形質転換され、任意にその後拡大される。該ベクターを含む細胞は、選択マーカーを用いて得ることができる。
【0135】
ある特定の実施形態において、本明細書に提供する細胞死受容体細胞を生成するために使用されるTリンパ球は、人工共刺激ポリペプチド(共刺激ポリペプチドが使用される実施形態において)に加えて、または該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチド(該細胞が該抗原結合シグナル伝達及び共刺激シグナル伝達を分離しているポリペプチドを含む実施形態において)に加えて、天然のTCRタンパク質、例えば、天然のTCR複合体を形成することができるTCR-α及びTCR-βを含む。ある特定の他の実施形態において、該Tリンパ球でTCR-α及びTCR-βをコードする天然遺伝子のいずれかまたは両方は、機能しないように修飾され、例えば、一部またはすべてが欠失しているか、または突然変異が挿入されている。
【0136】
本明細書に提供する細胞死受容体細胞、例えば、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体をコードする核酸(複数可)を含むまたは本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体を発現する(すなわち、本明細書に記載の二量体化可能な人工細胞死受容体の第一及び第二のポリペプチドを発現する)T細胞またはNK細胞は、セレブロン結合化合物と接触された場合に、例えば、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンと接触された場合に、誘導されてアポトーシスを受け得る。
【0137】
本明細書に提供する細胞死受容体細胞はさらに、CAR、例えば、腫瘍特異的抗原結合ドメインを含むCARを発現するように操作され得る。該CARは、例えば、第一世代のCAR(唯一のシグナル伝達ドメインがCD3ζである)、第二世代のCAR(CD3ζからのシグナル伝達ドメイン及びCD28からの共刺激ドメインを含む)、ならびに第三世代のCAR(CD3ζからのシグナル伝達ドメイン及びCD28からの共刺激ドメインならびに4-1BB等の別のタンパク質を含む)から選択され得る。特定の実施形態において、本明細書に提供する細胞死受容体細胞のCARは、2つ以上の細胞外抗原標的ドメインを含む。別の特定の実施形態において、本明細書に提供する細胞死受容体細胞の該CARは、T細胞活性の負の調節因子であるインターロイキンに結合する細胞外ドメイン、及びT細胞活性の正の調節因子であるインターロイキン受容体由来の細胞内ドメインを含む。別の特定の実施形態において、アポトーシスは、人工細胞死受容体及びCARを含む細胞において、該細胞をセレブロン結合化合物、例えば、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンに接触させることによって誘導される。
【0138】
4.2.4.使用方法
本明細書に提供する人工細胞死受容体及びCARを含む本明細書に提供する細胞、例えば、Tリンパ球、は、本明細書に記載の細胞によって標的化されることが望まれる1つ以上の細胞型、例えば、死滅させる1つ以上の細胞型を有する個体を治療するために使用することができ、該細胞死受容体細胞の活性は、セレブロン結合化合物の投与によって制御され得る。特に、該細胞死受容体細胞は、それらのCAR成分の効果としての治療に使用することができ、それらの細胞死受容体成分の効果として、必要に応じて死滅させられ、該細胞死は、該細胞死受容体細胞をセレブロン結合化合物と接触させることによって達成される。
【0139】
特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、標的細胞の制御された死滅方法であり、該方法は、(i)当該標的細胞を、本明細書に提供する人工細胞死受容体及びCARを含む細胞死受容体細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)と接触させること、及び、正当な場合、(ii)該細胞死受容体細胞を、セレブロン結合化合物と接触させることを含み、ここで、該セレブロン結合化合物の存在下、該細胞死受容体細胞を死滅させ、例えば、該細胞死受容体細胞はアポトーシスを受ける。特定の実施形態において、該標的細胞は、がん細胞、例えば、血液がん細胞または固形腫瘍細胞である。別の特定の実施形態において、該標的細胞は、以下の抗原のうちの1つ以上、またはそのフラグメントを発現する:4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチン。
【0140】
別の特定の実施形態において、本明細書に提供するのは、がんを治療する方法であり、該方法は、(i)本明細書に提供する人工細胞死受容体及びCARであって、当該CARが、がん抗原(例えば、TSAまたはTAA)に対して特異的な抗原結合ドメインを含む、当該CARを含む細胞死受容体細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)の集団をがんと診断された対象(例えば、ヒト対象)に投与すること、及び正当な場合、(ii)該細胞死受容体細胞を、セレブロン結合化合物と接触させることを含み、ここで、該セレブロン結合化合物の存在下、該細胞死受容体細胞はアポトーシスを受ける。特定の実施形態において、該細胞の集団が最初に該対象に投与され、その後、該細胞集団の投与後の特定の時点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で、セレブロン結合化合物を含む該組成物が投与される。別の特定の実施形態において、セレブロン結合化合物を含む該組成物は、最初に該対象に投与され、その後、セレブロン結合化合物を含む該組成物の投与後の特定の時点で、例えば、セレブロン結合化合物を含む該組成物の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で、該細胞集団が投与される。
【0141】
特定の実施形態において、該CARが結合する該抗原は、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンである。
【0142】
特定の実施形態において、本明細書に記載のがんを治療する方法に従って対象に投与されるセレブロン結合化合物は、ポマリドミド、サリドマイド、レナリドミド、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0143】
本明細書に記載の治療方法に従って治療することができるがんの限定されないリストには、リンパ腫、白血病、肺癌、乳癌、前立腺癌、副腎皮質癌、甲状腺癌、上咽頭癌、メラノーマ、皮膚癌、結腸直腸癌、類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、末梢性原始神経外胚葉性腫瘍、固形胚細胞腫瘍、肝芽腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟部組織肉腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、粘液腫、線維腫、及び脂肪腫が含まれる。例示的なリンパ腫及び白血病としては、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫)、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、脾臓辺縁帯リンパ腫、形質細胞性骨髄腫、形質細胞腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、結節性周辺帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大B細胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tリンパ球前リンパ球性白血病、Tリンパ球大顆粒リンパ球性白血病、悪性NK細胞性白血病、成人Tリンパ球性白血病/リンパ腫、結節外NK/Tリンパ球性リンパ腫、鼻型、腸症型Tリンパ球リンパ腫、肝脾Tリンパ球リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性Tリンパ球リンパ腫、末梢性Tリンパ球リンパ腫(不特定)、未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、または非ホジキンリンパ腫が挙げられるがこれらに限定されない。
【実施例
【0144】
5.実施例
本実施例は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む修飾Tリンパ球の生成及び使用を記載する。該CARは、腫瘍特異的抗原に特異的な抗原結合ドメイン、共刺激ドメイン、及びセレブロンを含む第一のポリペプチド、ならびにセレブロン関連タンパク質(例えば、Aiolos)、及びCD3ζ免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)の一次細胞シグナル伝達ドメインを含む第二のポリペプチドを含む。
【0145】
CAR構築物
図1に示すCARを標準的な方法を用いて調製する。
【0146】
第一のポリペプチド、腫瘍抗原結合タンパク質(例えば、抗HER2 scFv、抗PSCA svFv、または抗BCMA scFv)セレブロン(CRBN)系のCAR、すなわち、抗腫瘍抗原抗体のscFv、CD28膜貫通(TM)ドメイン、CD28共刺激ドメイン、及びCRBNを含む「第一のポリペプチド」をコードする第一のポリヌクレオチドを構築する。該第一のポリヌクレオチドをレンチウイルスベクターにクローニングする。
【0147】
第二のポリペプチド、Aiolos系のITAM CAR、すなわち、CD28膜貫通(TM)ドメイン、Aiolos、及びCD3ζ ITAMドメインを含む「第二のポリペプチド」をコードする第二のポリヌクレオチドを構築する。該第二のポリヌクレオチドをレンチウイルスベクターにクローニングする。
【0148】
T細胞におけるCAR構築物の発現
上記CAR構築物のT細胞による発現を調べる。T細胞を単離するため、末梢血単核細胞(PBMC)を健常ドナー血から分離する(例えば、Ficoll-Paque Plus(商標)密度勾配遠心法(GE Healthcare,Piscataway,NJ)を用いて全血から得たバフィーコートからPBMCを分離する)。汎T細胞は、PBMCから陰性選択する(例えば、製造業者の指示に従って汎T単離キットII(Miltenyi Biotec,Cambridge,MA)を用いて)。
【0149】
該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドのCARをコードする構築物を含むプラスミドを(例えば、エレクトロポレーションにより)一次T細胞に導入し、このエレクトロポレートされたT細胞を次に培地(例えば、RPMI-10)中で一夜培養する。該CARの抗原結合ドメインの発現を検出し、該第一のポリペプチドをコードする構築物によるT細胞の安定なトランスフェクションを確認する。例えば、T細胞をエレクトロポレーションの24時間後に採取し、染色して、該第一のポリペプチドの抗原結合ドメインを検出する(例えば、抗HER2の検出のためには、HER2-ヒトIgG-Fcキメラタンパク質で染色し、その後、APCと結合した抗ヒトIgG-Fc抗体で染色する)。染色した細胞をフローサイトメトリーで分析する。該第二のポリペプチドをコードする構築物によるT細胞の安定なトランスフェクションを確認する。例えば、該T細胞を、ポマリドミドまたはレナリドミドを追加した培地(例えば、RPMI-10)中で一夜培養する。T細胞をエレクトロポレーションの24時間後に採取し、溶解し、その後、該第一のポリペプチドの抗原結合ドメインと結合することができる薬剤で免疫沈降させる(例えば、抗HER2の検出のためには、HER2-ヒトIgG-Fcキメラタンパク質)。免疫沈降物を、該第二のポリペプチドのAiolosまたはCD3ζドメインを検出及び標識することができる薬剤(例えば、抗ヒトAiolos抗体または抗ヒトCD3ζ抗体)で処理する。標識された免疫沈降物をELISAで分析し、該第二のポリペプチドを検出し、該第二のポリペプチドをコードする構築物によるT細胞の安定なトランスフェクションを確認する。
【0150】
CAR T細胞活性をがん患者において制御するためのポマリドミドまたはレナリドミドの使用
T細胞上の該第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドのCARは、ポマリドミドまたはレナリドミド及び腫瘍抗原への曝露で活性化される。ポマリドミドまたはレナリドミドは、ヒトにおいて良好な耐容性を示す。
【0151】
第一及び第二のポリペプチドのCARの機能評価
T細胞における該第一及び第二のポリペプチドの機能評価を行う(例えば、HER2-CARの機能評価、以下参照)。T細胞を該第一及び第二のポリペプチドで安定にトランスフェクトし、ポマリドミドまたはレナリドミドの非存在下もしくは存在下、固定化した腫瘍抗原Fcキメラタンパク質で刺激する。CD28共刺激の陽性対照として、CD3ζ ITAM細胞内ドメインの包含及びセレブロンの除外を除いて該第一のポリペプチドとして設計されたCAR構築物と同一である別の構築物を生成する。陰性対照として、第一のポリペプチドのモックトランスフェクション(すなわち、第二のポリペプチドのみトランスフェクトする)、第二のポリペプチドのモックトランスフェクション(すなわち、第一のポリペプチドのみトランスフェクトする)、及び第一及び第二の両ポリペプチドのモックトランスフェクション(すなわち、第一及び第二のポリペプチドのいずれもトランスフェクトしない)を行う。
【0152】
T細胞の刺激を評価するため、T細胞活性化マーカーであるCD69及びCD71の発現を、刺激の48時間後、フローサイトメトリー及び/またはELISAによって調べる。CD69及びCD71の発現の上方制御は、T細胞の刺激を示す。該第一及び第二のポリペプチドをコードする構築物ならびに陽性及び陰性対照のポリペプチドをコードする構築物でトランスフェクトされたT細胞をCD69及びCD71の発現に関して試験する。該第一及び第二のポリペプチドをコードする構築物でトランスフェクトされたT細胞におけるCD69及びCD71発現の、陰性対照細胞で観察されたCD69及びCD71発現に対する上方制御は、該第一及び第二のポリペプチドをコードする構築物でトランスフェクトされたT細胞の刺激を示す。
【0153】
乳癌の治療
ある個体は、少なくとも1つの所属リンパ節に広がっているステージ3の乳癌を呈している。がん組織の切除手術後、この個体に、第一及び第二のキメラ受容体(上記の第一及び第二のポリペプチド等)を含む、10~1010個の修飾Tリンパ球の200mL生理食塩水溶液を30分間静注により投与する。該第一のキメラ受容体は、HER2に結合する細胞外抗原結合領域、膜貫通ドメイン、CD28の細胞内共刺激ドメイン、及びセレブロンドメインを含む。該第二のキメラ受容体は、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質(例えば、Aiolos)、及びCD3ζ由来のシグナルトランスフェクションドメインを含む。
【0154】
この個体に、該第一及び第二のキメラ受容体を含む修飾Tリンパ球の投与後の特定の時点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で、ポマリドミドまたはレナリドミドを投与する。
【0155】
別の方法として、この個体に、ポマリドミドまたはレナリドミドを最初に投与し、その後、第一及び第二のキメラ受容体を含む該修飾Tリンパ球を、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後の特定の時点で、例えば、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で投与する。
【0156】
この個体を、投与後30、60、90、及び180日で、残りの乳房組織の、及び他のリンパ節に広がった乳癌に関して評価する。
【0157】
前立腺癌の治療
ある個体は、所属リンパ節にも他のリンパ節にも広がっていないステージT2の前立腺癌を呈している(N0、M0)。組織学的グレードはG2と確定されている。全体的に見て、この個体はステージIIの前立腺癌を有すると確定されている。この個体に、該第一及び第二のキメラ受容体(上記の第一及び第二のポリペプチド等)を含む、10~1010個の修飾Tリンパ球の200mL生理食塩水溶液を30分間静注により投与する。該第一のキメラ受容体は、PSCAに結合する細胞外抗原結合領域、膜貫通ドメイン、細胞内共刺激ドメインCD28、及びセレブロンドメインを含む。該第二のキメラ受容体は、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質(例えば、Aiolos)、及びCD3ζ由来のシグナルトランスフェクションドメインを含む。
【0158】
この個体に、該第一及び第二のキメラ受容体を含む修飾Tリンパ球の投与後の特定の時点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で、ポマリドミドまたはレナリドミドを投与する。
【0159】
別の方法として、この個体に、ポマリドミドまたはレナリドミドを最初に投与し、その後、第一及び第二のキメラ受容体を含む該修飾Tリンパ球を、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後の特定の時点で、例えば、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で投与する。
【0160】
投与後30、60、及び90日で、この個体を前立腺癌のステージ及びリンパ節に広がった前立腺癌について再評価し、生検前立腺組織の組織学検査を行う。
【0161】
多発性骨髄腫の治療
ある個体は、ステージIIIの多発性骨髄腫(国際分類システムまたはDurie-Salmonシステムによる)を呈しており、少なくとも1回の治療過程、例えば、レナリドミドまたはポマリドミドで以前に治療されている。この個体に、該第一及び第二のキメラ受容体(上記の第一及び第二のポリペプチド等)を含む、10~1010個の修飾Tリンパ球の200mL生理食塩水溶液を30分間静注により投与する。該第一のキメラ受容体は、BCMAに結合する細胞外抗原結合領域、膜貫通ドメイン、細胞内共刺激ドメインCD28、及びセレブロンドメインを含む。該第二のキメラ受容体は、膜貫通ドメイン、セレブロン関連タンパク質(例えば、Aiolos)、及びCD3ζ由来のシグナル伝達ドメインを含む。
【0162】
この個体に、該第一及び第二のキメラ受容体を含む修飾Tリンパ球の投与後の特定の時点で、例えば、該細胞集団の投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で、ポマリドミドまたはレナリドミドを投与する。
【0163】
別の方法として、この個体に、ポマリドミドまたはレナリドミドを最初に投与し、その後、第一及び第二のキメラ受容体を含む該修飾Tリンパ球を、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後の特定の時点で、例えば、ポマリドミドまたはレナリドミドの投与後30分、1時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間で投与する。
【0164】
投与後30、60、及び90日で、この個体を多発性骨髄腫のステージについて再評価する。
【0165】
均等物
本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態によって範囲を限定されるものではない。実際には、本明細書に説明されるものに加えて、本明細書に提供する主題の様々な修正は、前述の説明から当業者には明らかとなるであろう。かかる修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0166】
様々な刊行物、特許、及び特許出願が本明細書に引用されており、これらの開示は、参照することによりそれらの全体が組み込まれる。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
(a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及びセレブロン結合化合物に結合することができるセレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、セレブロン結合化合物と結合することができるAiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含む第二のポリペプチドを含む、キメラ抗原受容体(CAR)であって、前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドは、前記セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する、前記キメラ抗原受容体(CAR)。
(態様2)
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記膜貫通ドメイン、及び前記セレブロンまたはその機能部分を含み、前記第二のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記膜貫通ドメイン、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosもしくはその機能部分、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む前記ポリペプチドを含む、態様1に記載のCAR。
(態様3)
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記セレブロンまたはその機能部分、及び前記膜貫通ドメインを含み、前記第二のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosもしくはその機能部分、前記膜貫通ドメイン、及び一次T細胞シグナル伝達ドメインを含む前記ポリペプチドを含む、態様1に記載のCAR。
(態様4)
前記第一のポリペプチドが、さらに共刺激ドメインを含む、態様1~3のいずれかに記載のCAR。
(態様5)
前記第二のポリペプチドが、さらに共刺激ドメインを含む、態様1~4のいずれかに記載のCAR。
(態様6)
前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドが、共刺激ドメインを含む、態様1~5のいずれかに記載のCAR。
(態様7)
(a)抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、セレブロン結合化合物に結合することができるセレブロンまたはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含むポリペプチドを含み、共刺激ドメインを含まない第一のポリペプチド、ならびに(b)膜貫通ドメイン、セレブロン結合化合物と結合することができるAiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機能部分、及び共刺激ドメインを含む第二のポリペプチド含むCARであって、前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドは、前記セレブロン結合化合物の存在下でヘテロ二量体を形成する、前記CAR。
(態様8)
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記膜貫通ドメイン、前記セレブロンまたはその機能部分、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む前記ポリペプチドを含み、前記第二のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記膜貫通ドメイン、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosもしくはその機能部分、及び前記共刺激ドメインを含む、態様7に記載のCAR。
(態様9)
前記第一のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記抗原結合ドメイン、前記セレブロンまたはその機能部分、前記膜貫通ドメイン、及び一次細胞シグナル伝達ドメインを含む前記ポリペプチドを含み、前記第二のポリペプチドが、N末端からC末端の順に、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosもしくはその機能部分、前記膜貫通ドメイン、及び前記共刺激ドメインを含む、態様7に記載のCAR。
(態様10)
一次細胞シグナル伝達ドメインを含む前記ポリペプチドが、CD3ζである、態様1~9のいずれかに記載のCAR。
(態様11)
一次細胞シグナル伝達ドメインを含む前記ポリペプチドが、免疫受容活性化チロシンモチーフ(ITAM)であるか、またはこれを含む、態様1~9のいずれかに記載のCAR。
(態様12)
ITAMを含む前記ポリペプチドが、FcRγ、FcRβ、CD3ζ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD20、CD79a、CD79b、CD278(ICOS)、FcERI、CD66d、DAP10、及び/またはDAP12のうちの1つ以上に由来するシグナル伝達ドメインである、態様11に記載のCAR。
(態様13)
態様4~12のいずれかに記載のCARであって、前記共刺激ドメインが、1つ以上の共刺激ドメインであり、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、活性化NK細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、CD2、CD7、CD27、CD30、CD40、CDS、ICAM-L LFA-1(CD11a/CD18)、B7-H3、CDS、ICAM-1、ICOS(CD278)、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8α、CD8β、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、DAP10、DAP12、CD83のリガンド、MHCクラスI分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、及び/またはシグナル伝達リンパ球活性化分子のうちの1つ以上の機能的シグナル伝達ドメインを含む、前記CAR。
(態様14)
前記膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ鎖、T細胞受容体のベータ鎖、T細胞受容体のゼータ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、またはCD154由来の膜貫通ドメインである、態様1~13のいずれかに記載のCAR。
(態様15)
前記抗原結合ドメインが、前記抗原の受容体である、態様1~14のいずれかに記載のCAR。
(態様16)
前記抗原結合ドメインが、前記抗原と結合する抗体またはその結合フラグメントである、態様1~14のいずれかに記載のCAR。
(態様17)
前記抗体が、一本鎖Fvフラグメント(scFv)である、態様17に記載のCAR。
(態様18)
前記抗原が、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である、態様1~17のいずれかに記載のCAR。
(態様19)
前記TAAまたはTSAが、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンのうちの1つ以上である、態様18に記載のCAR。
(態様20)
態様1~19のいずれかに記載のCARであって、前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドが、T細胞またはNK細胞内で発現され、ヘテロ二量体化されると、前記CARが一次活性化シグナル、または一次活性化シグナル及び共刺激シグナルを伝達し、T細胞またはNK細胞を活性化することができる、前記CAR。
(態様21)
態様1~20のいずれかに記載のCARを構成する前記第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの一方または両方をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド。
(態様22)
ポリヌクレオチドベクター内に含まれる、態様21に記載のポリヌクレオチド。
(態様23)
前記ベクターが、レトロウイルスベクターである、態様22に記載のポリヌクレオチド。
(態様24)
前記ベクターが、レンチウイルスベクターである、態様22に記載のポリヌクレオチド。
(態様25)
前記核酸配列が、NK細胞特異的プロモーターのT細胞特異的プロモーターに作動可能に連結される、態様20~23のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(態様26)
前記核酸配列が、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーターに作動可能に連結される、態様20~23のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(態様27)
前記核酸配列が、構成的プロモーターに作動可能に連結される、態様20~23のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(態様28)
態様21~27のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む細胞。
(態様29)
細菌細胞である、態様28に記載の細胞。
(態様30)
哺乳類細胞である、態様28に記載の細胞。
(態様31)
前記細胞がT細胞である、態様30に記載の細胞。
(態様32)
前記T細胞がCD4+T細胞である、態様31に記載の細胞。
(態様33)
前記T細胞がCD8+T細胞である、態様31に記載の細胞。
(態様34)
前記T細胞がTエフェクター細胞である、態様31に記載の細胞。
(態様35)
前記T細胞がT記憶細胞である、態様31に記載の細胞。
(態様36)
前記細胞がナチュラルキラー細胞である、態様30に記載の細胞。
(態様37)
T細胞またはNK細胞を、(a)抗原結合ドメインが特異的である抗原、及び(b)セレブロン結合化合物と接触させることを含む、前記T細胞またはNK細胞を活性化する方法であって、前記T細胞は、態様1~20のいずれかに記載のCARの前記第一及び第二のポリペプチドを発現するように修飾されており、前記セレブロン結合化合物は、前記第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドに二量体化を引き起こし、前記T細胞またはNK細胞を活性化させる、前記方法。
(態様38)
前記抗原結合ドメインが、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンのうちの1つ以上に対して特異的である、態様37に記載の方法。
(態様39)
標的細胞を死滅させる方法であって、前記標的細胞を、態様37または態様38に記載の活性化T細胞またはNK細胞と接触させることを含む、前記方法。
(態様40)
前記標的細胞が、がん細胞である、態様39に記載の方法。
(態様41)
前記がん細胞が血液がん細胞である、態様40に記載の方法。
(態様42)
前記がん細胞が固形腫瘍細胞である、態様40に記載の方法。
(態様43)
前記標的細胞が、4-1BB、5T4、8H9、B7-H6、腺癌抗原、α-フェトプロテイン、B細胞成熟抗原(BCMA)、BAFF、B-リンパ腫細胞、C242抗原、CA9、癌胎児抗原、CA-125、カルボニックアンヒドラーゼ9(CA-IX)、CCR4、CD3、CD4、CD19、CD20、CD22、CD23(IgE受容体)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD33、CD38、CD40、CD44v6、CD44v7/8、CD51、CD52、CD56、CD74、CD80、CD123、CD152、CD171、CD200、CD221、CE7、CEA、C-MET、CNT0888、CTLA-4、DRS、EpCAM、ErbB2、ErbB3/4、EGFR、EGFRvIII、EphA2、EGP2、EGP40、FAP、胎児AchR、フィブロネクチンエキストラドメイン-B、葉酸受容体-a、葉酸受容体1、G250/CAIX、GD2、GD3、グリコプロテイン75、GPNMB、HER2/neu、HGF、HLA-AI MAGE A1、HLA-A2 NY-ES0-1、HMW-MAA、ヒト細胞分散因子受容体キナーゼ、IGF-1受容体、IGF-I、IgGl、IL-6、IL-13、IL-13受容体a2、IL-11受容体a、インスリン様成長因子I受容体、インテグリンa5I31、インテグリンavI33、カッパ軽鎖、L1-CAM、ラムダ軽鎖、ルイスY、メソテリン、MORAb-009、MS4A1、MUC1、MUC16、ムチンCanAg、NCAM、N-グリコリルノイラミン酸、NKG2Dリガンド、NPC-1C、PDGF-R a、PDL192、ホスファチジルセリン、前立腺特異的がん抗原(PSCA)、前立腺癌細胞、PSMA、PSC1、RANKL、RON、ROR1、SCH 900105、SDC1、SLAMF7、sp17、TAG72、テネイシンC、TGF β2、TGF-I3、TL1A、TRAIL-R1、TRAIL-R2、腫瘍抗原CTAA16.88、VEGF-A、VEGF受容体、VEGFR-1、VEGFR2、TEM1、TEM8、及び/またはビメンチンのうちの1つ以上を発現する、態様39~42のいずれかに記載の方法。
(態様44)
(a)アポトーシス誘導ドメイン、及びセレブロン結合化合物に結合することができるセレブロンまたはその機能部分を含む第一のポリペプチド、ならびに(b)アポトーシス誘導ドメイン、及びセレブロン結合化合物に結合することができるAiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機能部分を含む第二のポリペプチドを含む、二量体化可能な人工細胞死受容体であって、前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドは、前記セレブロン結合化合物の存在下で二量体を形成し、アポトーシス誘導シグナルを生じる、前記二量体化可能な人工細胞死受容体。
(態様45)
前記第一のポリペプチドが、膜貫通ドメインならびに前記アポトーシス誘導ドメイン及び前記セレブロンを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、態様44に記載の細胞死受容体。
(態様46)
前記第一のポリペプチドが、前記セレブロンまたはその機能部分を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び前記アポトーシス誘導ドメインを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、態様44に記載の細胞死受容体。
(態様47)
前記第二のポリペプチドが、膜貫通ドメインならびに前記アポトーシス誘導ドメイン及び前記AiolosまたはIkarosを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、態様44に記載の細胞死受容体。
(態様48)
前記第二のポリペプチドが、前記Aiolosもしくはその機能部分または前記Ikarosもしくはその機能部分を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び前記アポトーシス誘導ドメインを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、態様44に記載の細胞死受容体。
(態様49)
前記第一のポリペプチドが、膜貫通ドメインならびに前記アポトーシス誘導ドメイン及び前記セレブロンを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質であり、前記第二のポリペプチドが、膜貫通ドメインならびに前記アポトーシス誘導ドメイン及び前記AiolosまたはIkarosを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、態様44に記載の細胞死受容体。
(態様50)
前記第一のポリペプチドが、前記セレブロンまたはその機能部分を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び前記アポトーシス誘導ドメインを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質であり、前記第二のポリペプチドが、前記Aiolosもしくはその機能部分またはIkarosもしくはその機能部分を含む細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び前記アポトーシス誘導ドメインを含む細胞内ドメインを含む膜貫通タンパク質である、態様44に記載の細胞死受容体。
(態様51)
前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドの前記アポトーシス誘導ドメインが、カスパーゼである、態様44~50のいずれかに記載の細胞死受容体。
(態様52)
前記カスパーゼが、カスパーゼ9である、態様51に記載の細胞死受容体。
(態様53)
前記カスパーゼが、カスパーゼ8である、態様51に記載の細胞死受容体。
(態様54)
前記カスパーゼが、カスパーゼ3である、態様51に記載の細胞死受容体。
(態様55)
態様44~54のいずれかに記載の細胞死受容体の前記第一のポリペプチド及び前記第二のポリペプチドの一方または両方をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド。
(態様56)
ポリヌクレオチドベクター内に含まれる、態様55に記載のポリヌクレオチド。
(態様57)
前記ベクターが、レトロウイルスベクターである、態様56に記載のポリヌクレオチド。
(態様58)
前記ベクターが、レンチウイルスベクターである、態様56に記載のポリヌクレオチド。
(態様59)
前記核酸配列が、NK細胞特異的プロモーターのT細胞特異的プロモーターに作動可能に連結される、態様55~58のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(態様60)
前記核酸配列が、T細胞またはNK細胞内で機能する誘導性プロモーターに作動可能に連結される、態様55~58のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(態様61)
前記核酸配列が、構成的プロモーターに作動可能に連結される、態様55~58のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
(態様62)
態様55~61のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む細胞。
(態様63)
細菌細胞である、態様62に記載の細胞。
(態様64)
哺乳類細胞である、態様62に記載の細胞。
(態様65)
前記哺乳類細胞がT細胞である、態様64に記載の細胞。
(態様66)
前記T細胞がCD4+T細胞である、態様65に記載の細胞。
(態様67)
前記T細胞がCD8+T細胞である、態様65に記載の細胞。
(態様68)
前記T細胞がTエフェクター細胞である、態様65に記載の細胞。
(態様69)
前記T細胞がT記憶細胞である、態様65に記載の細胞。
(態様70)
前記哺乳類細胞がナチュラルキラー細胞である、態様64に記載の細胞。
(態様71)
前記細胞が、さらにキメラ抗原受容体(CAR)を含む、態様62~70のいずれかに記載の細胞。
(態様72)
前記CARが、態様1~20のいずれかに記載のCARである、態様71に記載の細胞。
(態様73)
前記CARが、第一世代のCARである、態様71に記載の細胞。
(態様74)
前記CARが、第二世代のCARである、態様71に記載の細胞。
(態様75)
前記CARが、第三世代のCARである、態様71に記載の細胞。
(態様76)
前記CARが、2つ以上の細胞外抗原標的ドメインを含むCARである、態様71に記載の細胞。
(態様77)
前記CARが、T細胞活性の負の調節因子であるインターロイキンに結合する細胞外ドメイン、及びT細胞活性の正の調節因子であるインターロイキン受容体由来の細胞内ドメインを含む、態様71に記載の細胞。
(態様78)
アポトーシス誘導ドメイン及び二量体化ドメインを含む人工細胞死ポリペプチドを含む態様28~36のいずれかに記載の細胞であって、前記ポリペプチドは、二量体化剤を用いて二量体化可能であり、前記ポリペプチドが二量体化されると、前記ポリペプチドは、前記細胞にてアポトーシス誘導シグナルを生じる、前記細胞。
(態様79)
前記二量体化剤が、セレブロン結合化合物ではない、態様78に記載の細胞。
(態様80)
前記二量体化剤が、ラパマイシンまたはラパマイシンの類似体(ラパログ)である、態様79に記載の細胞。
(態様81)
前記二量体化剤が、AP1903(rimiducid)である、態様80に記載の細胞。
(態様82)
前記二量体化ドメインが、FK結合ドメインまたはその類似体である、態様80または態様81に記載の細胞。
(態様83)
前記二量体化剤が、前記二量体化ドメインに結合する抗体である、態様80に記載の細胞。
(態様84)
細胞を死滅させる方法であって、前記細胞は、態様44~54のいずれかに記載の人工細胞死受容体を発現するものであり、前記細胞をセレブロン結合化合物と接触させることを含む、前記方法。
(態様85)
前記細胞が、態様62~77のいずれかに記載の細胞である、態様84に記載の方法。
(態様86)
細胞を死滅させる方法であって、前記細胞は、態様78~83のいずれかに記載の細胞であり、前記細胞を二量体化剤と接触させることを含む、前記方法。
(態様87)
前記二量体化剤が、ラパマイシンまたはラパマイシンの類似体(ラパログ)である、態様79に記載の方法。
(態様88)
前記二量体化剤が、AP1903(rimiducid)である、態様80に記載の方法。
(態様89)
前記二量体化ドメインが、FK結合ドメインまたはその類似体である、態様80または態様81に記載の細胞。
(態様90)
前記二量体化剤が、前記二量体化ドメインに結合する抗体である、態様80に記載の細胞。
(態様91)
前記セレブロン結合化合物が、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、態様1~20のいずれかに記載のCAR。
(態様92)
前記セレブロン結合化合物が、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)、ポマリドミド(4-アミノ-2-[(3RS)-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、態様37~43のいずれかに記載の方法。
(態様93)
前記セレブロン結合化合物が、サリドマイド((RS)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)、レナリドミド(3-(4-アミノ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)、ポマリドミド(4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン)、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、または3-(4-((4-((4-(2,4-ジフルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、態様44~54のいずれかに記載の細胞死受容体。
図1