(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】アミンとシランとの間の脱水素カップリング反応の触媒作用
(51)【国際特許分類】
C07F 7/10 20060101AFI20220705BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220705BHJP
【FI】
C07F7/10 F
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2019534333
(86)(22)【出願日】2017-11-29
(86)【国際出願番号】 US2017063590
(87)【国際公開番号】W WO2018125477
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-10-19
(32)【優先日】2016-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521208055
【氏名又は名称】ナタ セミコンダクター マテリアルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ディー・レッケン
【審査官】二星 陽帥
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-536276(JP,A)
【文献】特開2011-207876(JP,A)
【文献】特開昭53-031626(JP,A)
【文献】特開2015-164917(JP,A)
【文献】特開平08-134078(JP,A)
【文献】T. Tsuchimoto, et al.,"Zinc-Catalyzed Dehydrogenative N-Silylation of Indoles with Hydrosilanes",Chemistry - A European Journal,2012年,Vol.18, No.31,pp.9500-9504
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 7/10
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY/CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シランとアミンとの脱水素カップリング方法であって、前記方法が、(a)
窒素原子と結合した水素原子を有する脂肪族アミンと;(b)
ケイ素原子と結合した水素原子を有するシランと;(c)ZnX
2(式中、Xは、アルキル、クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、トシレート、メタンスルホネート、またはxが1~10の整数であるO
3S(CF
2)
xCF
3である)である触媒とを
、溶媒を含まない状態又は反応混合物に対して5重量%以下のニトリル溶媒を含む状態において、接触させる工程を含む方法。
【請求項2】
前記脂肪族アミンが、窒素原子に結合した1個のみの水素原子を有し、2~20個の炭素原子を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シランが、1~10個のケイ素原子を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(a)、(b)および(c)が、40~180℃の温度で加熱される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記脂肪族アミンが、構造NR
1R
2H(式中、R
1およびR
2は独立して、C
1-C
10脂肪族有機置換基であり、R
1およびR
2は、相互に連結して環構造を形成してもよい)を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
シランとアミンとの脱水素カップリング方法であって、前記方法が、(a)
窒素原子と結合した水素原子を有する脂肪族アミンと;(b)
ケイ素原子と結合した水素原子を有するパーヒドリドシランと;(c)ZnX
2(式中、Xは、アルキル、クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、トシレート、メタンスルホネート、またはxが1~10の整数であるO
3S(CF
2)
xCF
3である)である触媒とを
、溶媒を含まない状態又は反応混合物に対して5重量%以下のニトリル溶媒を含む状態において、接触させる工程を含む方法。
【請求項7】
前記パーヒドリドシランが、1~10個のケイ素原子を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アミンが、窒素原子に結合した1個のみの水素原子を有し、2~20個の炭素原子を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(a)、(b)および(c)が、40~180℃の温度で加熱される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
シランとアミンとの脱水素カップリング方法であって、前記方法が、(a)アミンと;(b)シランと;(c)ZnX
2(式中、Xは、アルキル、クロリド、ブロミド、ヨージド、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、トシレートまたはメタンスルホネートである)である触媒とを接触させる工程を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミンとシランとの間の脱水素カップリング反応の触媒方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トリフル酸亜鉛によって触媒される脱水素カップリング反応は、T.Tsuchimotoら,Chem.Eur.,2012(18)9500に報告されているように、非常に限定された範囲の化合物について公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明によって解決される課題は、より広い範囲の化合物に有用な脱水素カップリング方法の必要性である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、シランとアミンとの脱水素カップリング方法を提供する。本方法は、(a)脂肪族アミンと;(b)シランと;(c)ZnX2(式中、Xは、アルキル、クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、トシレート、メタンスルホネート、またはxが1~10の整数であるO3S(CF2)xCF3である)である触媒とを接触させる工程を含む。
【0005】
本発明は、シランとアミンとの脱水素カップリング方法をさらに提供する。本方法は、(a)アミンと;(b)パーヒドリドシランと;(c)ZnX2(式中、Xは、Xは、アルキル、クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、トシレート、メタンスルホネート、またはxが1~10の整数であるO3S(CF2)xCF3である)である触媒とを接触させる工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
百分率は、重量百分率(重量%)であり、温度は、特に明記しない限り℃単位である。操作は、特に明記しない限り室温(20~25℃)で行われた。有機置換基は、1~20個の炭素原を有し、そして水素、酸素、窒素、硫黄、リンおよびハライドを除けば他の原子を全く含まない基である。脂肪族有機置換基は、芳香環を全く持たない有機置換基である。脂肪族ヒドロカルビル基は、水素原子の除去によってC1-C20脂肪族炭化水素から誘導される置換基である。好ましくは、脂肪族ヒドロカルビル基は、直鎖または分岐である。アルケニル基は、少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有する脂肪族ヒドロカルビル基である。好ましくは、アルケニル基は、1個の炭素炭素二重結合を有する。アルキル基は、直鎖または分岐であってもよい飽和のC1-C20ヒドロカルビル基である。脂肪族ヘテロヒドロカルビル基は、少なくとも1個のメチレン基がO、SまたはNR(ここで、Rは脂肪族ヒドロカルビル基または置換脂肪族ヒドロカルビル基である)に取って代わられている脂肪族ヒドロカルビル基である。置換脂肪族ヒドロカルビル基は、1つ以上のアルコキシ、トリメチルシリル、ジアルキルアミン、チオール、アルキルチオールおよびジアルキルホスフィノ基で置換された脂肪族ヒドロカルビル基である。
【0007】
脂肪族アミンは、窒素原子に結合した置換基の一部である芳香環も、芳香環の一部である窒素原子も含有しない。脂肪族アミンは、窒素原子に結合した少なくとも1個の水素原子を有する。好ましくは、脂肪族アミンは、窒素原子に結合した1個のみの水素原子を有する。好ましくは、脂肪族アミンは、1~20個の炭素原子;好ましくは少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、好ましくは少なくとも5個;好ましくは15個以下、好ましくは12個以下、好ましくは10個以下、好ましくは9個以下の炭素原子を含む。好ましくは、脂肪族アミンは、1個のみの窒素原子を含む。好ましくは、脂肪族アミンは、構造NR1R2H(式中、R1およびR2は独立して脂肪族有機置換基であり、R1およびR2は、相互に連結して環構造を形成してもよい)を有する。好ましくは、R1およびR2は、C1-C10脂肪族有機置換基、好ましくはC1-C6、好ましくはC1-C4脂肪族有機置換基である。好ましくは、R1およびR2は独立して、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルまたは置換ヘテロヒドロカルビルである。好ましくは、R1およびR2は独立して、C1-C10置換基、好ましくはC1-C6、好ましくはC1-C4置換基である。好ましくは、R1およびR2は独立して、それぞれ1~10個の炭素原子を有するアルキル置換基(C1-C10アルキル);好ましくは少なくとも2個の炭素原子;好ましくは8個以下、好ましくは6個以下、好ましくは4個以下の炭素原子を有するアルキル置換基である。
【0008】
シランは、実験式SinH2n+2(式中、1個以上の水素原子が有機置換基で取って代わられていてもよい)を有する化合物である。好ましくは、有機置換基は、少なくとも2個の炭素原子;好ましくは15個以下、好ましくは12個以下、好ましくは9個以下、好ましくは6個以下の炭素原子を有する。好ましくは、有機置換基は、水素および酸素以外の非炭素原子を全く持たず;好ましくは3個以下、好ましくは2個以下の酸素原子を有する。好ましい実施形態において、有機置換基は脂肪族である。別の好ましい実施形態において、有機置換基は、芳香族、好ましくはアリールまたはアラルキルである。好ましくは、シランは、1~10個のケイ素原子、好ましくは少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個;好ましくは8個以下、好ましくは6個以下、好ましくは5個以下のケイ素原子を有する。とりわけ好ましいシランには、シラン、ジシラン、トリシランおよびネオペンタシランが含まれる。パーヒドリドシランは、ケイ素および水素のみを含有するシランである。
【0009】
「アミン」には、当該用語が、(a)アミンと;(b)パーヒドリドシランと;(c)ZnX2(式中、Xは、アルキル、クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、トシレート、メタンスルホネート、またはxが1~10の整数であるO3S(CF2)xCF3である)である触媒とを接触させる工程を含む方法を記載するのに用いられるところでは、それらのどちらも、少なくとも1個の水素原子がアミン窒素原子に結合していなければならない、脂肪族アミンおよび芳香族アミンが含まれる。好ましくは、アミンは、1~30個の炭素原子;好ましくは少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個、好ましくは少なくとも5個;好ましくは20個以下、好ましくは15個以下、好ましくは12個以下、好ましくは9個以下の炭素原子を含む。好ましくは、アミンは、1個のみの窒素原子を含む。好ましくは、アミンは、本明細書に定義されるような脂肪族アミンである。
【0010】
好ましくは、触媒がZnX2(式中、Xは、O3S(CF2)xCF3である)である場合、xは、少なくとも2、好ましくは少なくとも3;好ましくは9以下、好ましくは8以下、好ましくは7以下、好ましくは6以下、好ましくは5以下である。Xがアルキルである場合、好ましくはアルキル基は、少なくとも2個の炭素原子;好ましくは10個以下、好ましくは6個以下、好ましくは4個以下の炭素原子を有する。好ましくは、触媒は、ZnX2(式中、Xは、アルキル、クロリド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホネートまたはビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド;好ましくはアルキル、クロリド、ヨージドまたはビス(トリフルオロメタン)スルホンイミドである)である。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、シランとアミンとの脱水素カップリング方法は、(a)アミンと;(b)シランと;(c)ZnX2(式中、Xは、アルキル、クロリド、ブロミド、ヨージド、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、トシレート、メタンスルホネート、またはxが1~10の整数であるO3S(CF2)xCF3である)である触媒とを接触させる工程を含む。好ましくは、シランは、少なくとも2個のケイ素原子、好ましくは少なくとも3個;好ましくは10個以下、好ましくは8個以下、好ましくは6個以下、好ましくは5個以下のケイ素原子を有する。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、シランとアミンとの脱水素カップリング方法は、(a)アミンと;(b)少なくとも2個のケイ素原子を有するシランと;(c)ZnX2(式中、Xは、アルキル、クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド、トシレートまたはメタンスルホネートである)である触媒とを接触させる工程を含む。触媒はまた、xが1~2;好ましくは1の整数であるO3S(CF2)xCF3に等しいXを有してもよい。好ましくは、シランは、少なくとも3個のケイ素原子を有する。
【0013】
好ましくは、反応剤(a)、(b)および(c)は、40~180℃の温度;好ましくは少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃;好ましくは150℃以下、好ましくは120℃以下の温度で加熱される。好ましくは、加熱時間は、1~48時間、好ましくは3~18時間である。適切な加熱時間は、装置、他のパラメータなどに基づいて容易に決定され得る。好ましくは、生成物は、蒸留によって精製される。好ましくは、アミン反応剤対シラン反応剤のモル比は、0.98:1~2:1、好ましくは0.98:1~1.5:1、好ましくは1:1~2:1、好ましくは1:1~1.5:1、好ましくは1.1:1~2:1、好ましくは1.2:1~2:1、好ましくは1.3:1~2:1である。
【0014】
好ましくは、(a)、(b)および(c)を含む反応混合物は、反応剤以外の溶媒を実質的に含まない;すなわち、それは、5重量%以下の溶媒、好ましくは1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下の溶媒を含む。好ましくは、(a)、(b)および(c)を含む反応混合物は、ニトリル溶媒、例えば、アセトニトリルを実質的に含まない;すなわち、それは、5重量%以下のニトリル溶媒、好ましくは1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下のニトリル溶媒を含む。
【0015】
本発明は、フィルム形成用の組成物であって、この組成物が、本発明の方法の生成物と、不活性ガス、水素分子、炭素前駆体、窒素前駆体、および酸素前駆体の少なくとも1つとを含む組成物にさらに関する。
【0016】
本発明は、基材上へのシリコン含有フィルムの形成方法であって、この方法が、シリコン含有フィルムを基材上に形成するために、本発明の方法の生成物を含むシリコン前駆体の蒸気を基材の存在下で蒸着条件にかける工程を含む方法にさらに関する。本発明は、この方法に従って形成されたフィルムにさらに関する。
【0017】
本明細書に開示される方法のいずれかの生成物は、例えば、物理蒸着、原子層堆積(ALD)、または化学蒸着(CVD)などの、公知の技術によってシリコン-ヘテロ原子フィルムを形成するために使用され得る。物理蒸着法は、スパッタリングを含み得る。好適なスパッタリング法には、直流(DC)マグネトロンスパッタリング、イオンビームスパッタリング、反応性スパッタリング、およびイオンアシストスパッタリングが含まれる。典型的には、蒸着方法は、ALDまたはCVDを含む。好ましくは、ヘテロ原子は、炭素、酸素および窒素から選択される。
【0018】
好適なALD法には、プラズマ原子層堆積法(PEALD)、空間的原子層堆積(SALD)法および熱原子層堆積(TALD)法が含まれる。PEALD法が用いられる場合、プラズマは、既知のプラズマのいずれか1つであってもよい。プラズマは任意選択的に、窒素分子またはアルゴンガスなどのキャリアガスをさらに含有してもよい。プラズマは、窒素分子と水素分子との混合物を含んでもよい、プラズマ形成ガスから形成される。
【0019】
好適なCVD法には、シンプルな熱蒸着、プラズマ化学蒸着(PECVD)、電子サイクロトロン共鳴(ECRCVD)、大気圧化学蒸着(APCVD)、低圧化学蒸着(LPCVD)、超高真空化学蒸着(UHVCVD)、エアロゾル支援化学蒸着(AACVD)、直接液体注入化学蒸着(DLICVD)、マイクロ波プラズマ化学蒸着(MPCVD)、リモートプラズマ化学蒸着(RPECVD)、原子層化学蒸着(ALCVD)、ホットワイヤ化学蒸着(HWCVD)、ハイブリッド物理-化学蒸着(HPCVD)、高速熱化学蒸着(RTCVD)、および気相エピタキシー化学蒸着(VPECVD)、光アシスト化学蒸着(PACVD)、およびフレームアシスト化学蒸着(FACVD)が含まれる。
【実施例】
【0020】
実施例1:250mLの高圧Parr反応器(4576 HP/HT Pressure Reactor)に、グローブボックス中で0.25g(0.40ミリモル)のZn(NTf2)2と17.01g(168.10ミリモル)のジイソプロピルアミンとをロードし、次にドラフトに移した。反応器を、ジシランの加圧シリンダー、ヘリウムのシリンダーおよびシュレンク(Schlenk)ラインに接続されたニードルバルブに接続されたTEFLON(登録商標)内張りの、柔軟な金属チュービングに接続した。全ての接続部を、ヘリウムを使用して250psiで圧力チェックした。反応器を次に、ジシランの約15psiまで加圧した。反応器を次に150℃まで1hにわたって昇温した。反応器を150℃に45分間保持した。反応器を70℃まで放冷し、1時間保持し、次に室温まで冷却した。反応器を、室温時に約115psiまで加圧した。過剰の圧力を、シュレンクラインを通して取り除いた。反応器をグローブボックスに持ち込み、そこで内容物を集めた。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0021】
実施例2:250mLの高圧PARR反応器(4576 HP/HT Pressure Reactor)に、グローブボックス中で0.25g(0.40ミリモル)のZn(NTf2)2と17.00g(168.00ミリモル)のジイソプロピルアミンとをロードし、次にドラフトに移した。反応器を、ジシランの加圧シリンダー、ヘリウムのシリンダーおよびシュレンクラインに接続されたニードルバルブに接続されたTeflon(登録商標)内張りの、柔軟な金属チュービングに接続した。全ての接続部を、ヘリウムを使用して250psiで圧力チェックした。反応器を次に、ジシランの約20psiまで加圧した。反応器を次に90℃まで25分にわたって昇温した。反応器を90℃に3時間保持した。反応器圧力は約55psiだけ増加した。反応器を次に3時間100℃に加熱した。反応器を2時間にわたって周囲温度まで放冷した。過剰の圧力を、シュレンクラインを通して取り除いた。反応器をグローブボックスに持ち込み、そこで18.48gの生成物を集めた。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0022】
実施例3:250mLの高圧Parr反応器(4576 HP/HT Pressure Reactor)に、グローブボックス中で0.20g(1.62ミリモル)のZnEt2と17.01g(168.10ミリモル)のジイソプロピルアミンとをロードし、次にドラフトに移した。反応器を、ジシランの加圧シリンダー、ヘリウムのシリンダーおよびシュレンクラインに接続されたニードルバルブに接続されたTeflon(登録商標)内張りの、柔軟な金属チュービングに接続した。全ての接続部を、ヘリウムを使用して250psiで圧力チェックした。反応器を次に、ジシランの約20psiまで加圧した。反応器を次に100℃まで25分にわたって昇温した。反応器を100℃に2時間保持した。反応器を次に110℃まで昇温し、2時間保持した。反応器を次に120℃まで昇温し、1時間保持した。反応器を次に2時間にわたって周囲温度まで放冷した。過剰の圧力を、シュレンクラインを通して取り除いた。反応器をグローブボックスに持ち込み、そこで17.10gの生成物を集めた。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0023】
実施例4:250mLの高圧Parr反応器(4576 HP/HT Pressure Reactor)に、グローブボックス中で0.10g(0.16ミリモル)のZn(NTf2)2と7.01g(69.28ミリモル)のジイソプロピルアミンとをロードし、次にドラフトに移した。反応器を、ジシランの加圧シリンダー、ヘリウムのシリンダーおよびシュレンクラインに接続されたニードルバルブに接続されたTeflon(登録商標)内張りの、柔軟な金属チュービングに接続した。全ての接続部を、ヘリウムを使用して250psiで圧力チェックした。反応器を次に、ジシランの約20psiまで加圧した。反応器を次に90℃まで25分にわたって昇温した。反応器を90℃に8時間保持した。反応器を2時間にわたって周囲温度まで放冷した。過剰の圧力を、シュレンクラインを通して取り除いた。反応器をグローブボックスに持ち込み、そこで7.12gの生成物を集めた。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0024】
実施例5:250mLの高圧Parr反応器(4576 HP/HT Pressure Reactor)に、グローブボックス中で0.25g(0.69ミリモル)のZn(OTf)2と14.02g(138.55ミリモル)のジイソプロピルアミンとをロードし、次にドラフトに移した。反応器を、ジシランの加圧シリンダー、ヘリウムのシリンダーおよびシュレンクラインに接続されたニードルバルブに接続されたTeflon(登録商標)内張りの、柔軟な金属チュービングに接続した。全ての接続部を、ヘリウムを使用して250psiで圧力チェックした。反応器を次に、ジシランの約15psiまで加圧した。反応器を次に100℃まで25分にわたって昇温した。反応器を100℃に2.5時間保持した。圧力が190psiまで上昇した。反応器を2時間にわたって周囲温度まで放冷した。過剰の圧力を、シュレンクラインを通して取り除いた。反応器をグローブボックスに持ち込み、そこで###gの生成物を集めた。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0025】
実施例6:250mLの高圧Parr反応器(4576 HP/HT Pressure Reactor)に、グローブボックス中での0.25g(0.78ミリモル)のZnI2と14.01g(138.45ミリモル)のジイソプロピルアミンとをロードし、次にドラフトに移した。反応器を、ジシランの加圧シリンダー、ヘリウムのシリンダーおよびシュレンクラインに接続されたニードルバルブに接続されたTeflon(登録商標)内張りの、柔軟な金属チュービングに接続した。全ての接続部を、ヘリウムを使用して250psiで圧力チェックした。反応器を次に、ジシランの約15psiまで加圧した。反応器は、次に102℃まで25分にわたって昇温され、65psiの圧力に達した。反応器を102℃に4.5時間保持した。反応器を次に2時間にわたって周囲温度まで放冷した。過剰の圧力を、シュレンクラインを通して取り除いた。反応器をグローブボックスに持ち込み、そこで14.58gの生成物を集めた。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0026】
実施例7:250mLの高圧Parr反応器(4576 HP/HT Pressure Reactor)に、グローブボックス中で0.22g(1.61ミリモル)のZnCl2と14.02g(138.55ミリモル)のジイソプロピルアミンとをロードし、次にドラフトに移した。反応器を、ジシランの加圧シリンダー、ヘリウムのシリンダーおよびシュレンクラインに接続されたニードルバルブに接続されたTeflon(登録商標)内張りの、柔軟な金属チュービングに接続した。全ての接続部を、ヘリウムを使用して250psiで圧力チェックした。反応器を次に、ジシランの約15psiまで加圧した。反応器を次に150℃まで3時間にわたって昇温した。反応器を150℃に3時間保持した。反応器を次に2時間にわたって周囲温度まで放冷した。過剰の圧力を、シュレンクラインを通して取り除いた。反応器をグローブボックスに持ち込み、そこで生成物を集めた。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0027】
実施例8:250mLの高圧Parr反応器(4576 HP/HT Pressure Reactor)に、グローブボックス中で0.20g(0.55ミリモル)のZn(OTf)2と14.00g(138.35ミリモル)のジイソプロピルアミンと1.00gのd3-アセトニトリルとをロードし、次にドラフトに移した。反応器を、ジシランの加圧シリンダー、ヘリウムのシリンダーおよびシュレンクラインに接続されたニードルバルブに接続されたTeflon(登録商標)内張りの、柔軟な金属チュービングに接続した。全ての接続部を、ヘリウムを使用して250psiで圧力チェックした。反応器を次に、ジシランの約15psiまで加圧した。反応器を次に102℃まで30分にわたって昇温した。反応器圧力は約95psiに達した。反応器を102℃に4.5時間保持した。反応器を次に一晩で周囲温度まで放冷した。次の日、反応器を102℃まで加熱し、5時間保持した。反応器を2時間にわたって周囲温度まで放冷した。最終圧力は180psiであった。過剰の圧力を、シュレンクラインを通して取り除いた。反応器をグローブボックスに持ち込み、そこで赤色生成物を集めた。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0028】
実施例9:還流冷却器および熱電対に接続された100mLのフラスコに、1.00gのネオペンタシラン(NPS)をロードし、1時間還流加熱してガラスを前処理した。フラスコの内容物をデカンテーションし、ガラス製品を30mLのペンタンで3回リンスした。フラスコを真空下で乾燥させた。フラスコに次に、0.157gのZn(NTf2)2と、12.251gのジイソプロピルアミンと、4.616gのNPSとをロードした。フラスコを1.5時間にわたって95℃までゆっくり加熱した。ガス発生は最初に約40℃で観察された。フラスコを95℃に1時間保持した。ジイソプロピルアミンの大部分を留去してジイソプロピルアミン-ネオペンタシランとビス-ジイソプロピルアミノ-ネオペンタシランとを含有する混合物を得た。試料組成をGC-FIDによって測定した。
【0029】
生成物組成を下の表に示す。DiPA(ジイソプロピルアミン)は、常に過剰にある。
【0030】
【0031】
DiPAは過剰にあるので、積分からのそれの除去は、下の表に示されるようなアミノ-ジシランについての転化率値を与える。
【0032】