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特許7100044注射デバイス向けのフレキシブルモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】注射デバイス向けのフレキシブルモジュール
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20220705BHJP
   A61M 5/31 20060101ALI20220705BHJP
   A61M 5/24 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
A61M5/168 514C
A61M5/31 520
A61M5/24
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019540444
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2018051811
(87)【国際公開番号】W WO2018138192
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-19
(31)【優先権主張番号】17153398.7
(32)【優先日】2017-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ-アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー・ハーメン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・クレム
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/136564(WO,A1)
【文献】特表2015-518747(JP,A)
【文献】国際公開第2016/019375(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/166338(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61M 5/24
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射デバイス(102)に取り付けるためのモジュール(104)であって:
表面の幾何形状にかかわらず、注射デバイス(102)の表面に取り付けられるように構成されたフレキシブルキャリア箔(122b)と;
第1の位置でフレキシブルキャリア箔(122b)に取り付けられており、注射デバイス(102)の透過壁を通って第1の位置に基づく方向に光信号を発するように構成された少なくとも1つの発光ダイオード(124a、124b)と;
第1の位置に対して第2の位置でフレキシブルキャリア箔(122b)に取り付けられた少なくとも1つのフォトダイオード(126a、126b)であって、第2の位置に基づく方向から光信号の少なくとも一部分を検出するように構成され、光信号に基づいて、マイクロプロセッサ(128)へ電気信号を発するように構成された少なくとも1つのフォトダイオード(126a、126b)とを含み;
ここで、マイクロプロセッサ(128)は、フォトダイオード(126a、126b)によって発せられる電気信号を受け取り、該電気信号に少なくとも一部基づいて、ストッパ(109)の位置および注射デバイス(102)内の流体の量を判定するように構成され、
モジュールは、フレキシブルキャリア箔を注射デバイスの表面に取り付けるように構成された接着剤層をさらに含む、前記モジュール(104)。
【請求項2】
少なくとも1つのフォトダイオード(126a、126b)は、第2の位置の方向に注射デバイス(102)のストッパ(109)によって反射された光信号の一部分を検出するように構成され、ストッパ(109)は、流体の一部分を排出するようにシフトするように構成され、したがってストッパ位置が注射デバイス(102)内の流体の量に関連付けられる、請求項1に記載のモジュール(104)。
【請求項3】
ストッパ位置は、バリア原理に基づいて判定される、請求項1に記載のモジュール(104)。
【請求項4】
ストッパ位置は、反射原理に基づいて判定される、請求項1に記載のモジュール(10
4)。
【請求項5】
モジュールはフレキシブルである、請求項1~のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項6】
マイクロプロセッサ(128)は、キャリア箔(122b)に取り付けられる、請求項1~のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項7】
表面の部分は、平面でない幾何形状を画成する、請求項1~のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項8】
表面の部分は実質的に湾曲している、請求項1~のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項9】
マイクロプロセッサ(128)はシリコン系であり、モジュール(104)の弾性を維持するように構成される、請求項1~のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項10】
第1の位置および第2の位置は、注射デバイス(102)の両側にある、請求項3に記載のモジュール(104)。
【請求項11】
第1の位置および第2の位置は、注射デバイスの長手方向軸に対して実質的に平行な線を画成する、請求項4に記載のモジュール(104)。
【請求項12】
ストッパは、光信号を反射するように構成される、請求項1に記載のモジュール(104)。
【請求項13】
モジュールは、フレキシブルモジュールの弾性を維持するように構成された電源(134)を含む、請求項に記載のモジュール(104)。
【請求項14】
電源(134)は、一体型のフレキシブル電池またはスーパーキャパシタのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のモジュール(104)。
【請求項15】
フレキシブルモジュールの弾性を維持するように構成された構造を有する近距離通信(NFC)アンテナを含み、該NFCアンテナは、電源のためのエネルギーを獲得するように構成され、流体の量を外部プロセッサへ送信するように構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項16】
外部プロセッサは:
注射デバイス内の流体の量を表示することと;
注射デバイスによって送達予定の用量を示すユーザ入力を受け取ることとを含む動作を実行するように構成される、請求項15に記載のモジュール(104)。
【請求項17】
NFCアンテナは、時間間隔をあけて流体の量を送信するように構成される、請求項15に記載のモジュール(104)。
【請求項18】
フレキシブルモジュールの弾性を維持するように構成された温度センサ(132)を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項19】
機械的保護層を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項20】
注射デバイス内の流体の量を表示するように構成されたデジタルディスプレイを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載のモジュール(104)。
【請求項21】
流体送達システムであって:
流体を収納および投薬するように構成された注射デバイスであって、光透過壁を有し、流体の一部分を排出するように構成されたストッパを含み、したがってストッパ位置が注射デバイス内の流体の量に関連付けられる、注射デバイスと;
表面の幾何形状にかかわらず、注射デバイスの表面に取り付けられるように構成されたフレキシブルモジュールとを含み、該フレキシブルモジュールは:
表面に取り付けられるように構成されたキャリア箔と、
第1の位置でキャリア箔に取り付けられており、第1の位置に基づく方向に光信号を発するように構成された少なくとも1つの発光ダイオードと、
第1の位置に対して第2の位置でキャリア箔に取り付けられた少なくとも1つのフォトダイオードであって、第2の位置に基づく方向から光信号を検出するように構成され、光信号に基づいて電気信号を発するように構成された少なくとも1つのフォトダイオードと、
電気信号に基づいて、注射デバイス内の流体の量を判定するように構成されたマイクロプロセッサとを含
モジュールは、フレキシブルキャリア箔を注射デバイスの表面に取り付けるように構成された接着剤層をさらに含む、前記システム。
【請求項22】
注射デバイスの流体リザーバに取外し可能に取り付けるためのモジュールであって:
表面の幾何形状にかかわらず、流体リザーバの表面に取り付けられるように構成されたフレキシブルキャリア箔と、
第1の位置でキャリア箔に取り付けられており、流体リザーバの透過壁を通って第1の位置に基づく方向に光信号を発するように構成された少なくとも1つの発光ダイオードと、
第1の位置に対して第2の位置でキャリア箔に取り付けられた少なくとも1つのフォトダイオードであって、注射デバイスのストッパによって第2の位置の方向に反射された光信号の一部分を検出するように構成され、反射された光信号に基づいて電気信号を発するように構成され、ストッパが、流体の一部分を排出するように構成され、したがってストッパ位置が注射デバイス内の流体の量に関連付けられる、少なくとも1つのフォトダイオードと、
電気信号に基づいて、注射デバイス内の流体の量を判定するように構成されたマイクロプロセッサとを含
モジュールは、フレキシブルキャリア箔を注射デバイスの表面に取り付けるように構成された接着剤層をさらに含む、前記モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、注射デバイス向けのモジュールに関する。詳細には、本開示は、注射デバイス内の流体の量を判定するフレキシブルモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤の注射による治療を必要とする様々な疾病が存在する。そのような注射は、医療従事者または患者自身によって適用される注射デバイスを使用して実行することができる。一例として、1型および2型の糖尿病は、たとえば1日1回または数回のインスリン用量の注射によって、患者自身が治療することができる。たとえば、充填済みの使い捨てインスリンペンまたは自動注射器を、注射デバイスとして使用することができる。別法として、再利用可能なペンまたは自動注射器を使用することもできる。再利用可能なペンまたは自動注射器は、空の薬剤カートリッジを新しいものに交換することを可能にする。いずれのタイプのペンまたは自動注射器にも1組の一方向針が付属しており、これらの針は使用前に毎回交換される。多くの技術領域では、いわゆるスマートラベル(たとえば、インテリジェントラベル)の形態のトランシーバおよびレスポンダを含むラベルが使用される。従来のラベル、たとえば印刷された純粋に光学的に可読のラベルとは対照的に、スマートラベルに関連付けられた情報は、電子的に送信することができる。加えて、光学的に認識できる情報を適用するために、スマートラベルの可視面に刻印することができ、たとえば印刷または刻印することができる。
【0003】
スマートラベルのこれらの特性は、たとえば運送業界における商品の追跡、製品の物流、盗難防止の領域、偽造商品対策に、医療連続体(healthcare continuum)、および他の技術領域で活用されている。たとえば、米国食品医薬品局は、偽造医薬品対策として、無線周波識別(RFID)技法の使用を推薦している。加えて、輸送容器上にセンサ機能を含むスマートラベルとともに、感温性の薬剤が使用されることが多い。温度記録は、たとえば、輸送条件の違反を文書化することができ、したがって不法に輸送された医薬品または医療用製品から患者を保護することができる。医療用注射デバイスに取り付けられたスマートラベルはまた、注射デバイスの動作に関する情報を医療提供者と共有するために使用することができる。スマートラベルを使用して医療情報を共有する結果、医療の最適化および改善を得ることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実装は、医療連続体内でデータを共有するように構成されたフレキシブルモジュールおよびシステムを含み、このデータは、フレキシブルスマートラベル(モジュール)によって判定され、フレキシブルスマートラベルが関連付けられた注射デバイス内の流体の量に対応する。本発明の一態様によれば、フレキシブルモジュールは、表面の幾何形状にかかわらず、注射デバイスの表面に取り付けられるように構成されたフレキシブルキャリア箔と、第1の位置でフレキシブルキャリア箔に取り付けられており、注射デバイスの透過壁を通って第1の位置に基づく方向に光信号を発するように構成された少なくとも2つの発光ダイオードと、第1の位置に対して第2の位置でフレキシブルキャリア箔に取り付けられた少なくとも2つのフォトダイオードであって、注射デバイスのプランジャによって第2の位置の方向に反射された光信号の一部分を検出するように構成され、反射された光信号に基づいて電気信号を発するように構成され、プランジャが、流体の一部分を排出するように構成され、したがってストッパ位置が、注射デバイス内の流体の量に関連付けられる、少なくとも2つのフォトダイオードと、電気信号に少なくとも一部基づいて、注射デバイス内の流体の量を判定するように構成されたマイクロプロセッサとを含むことができる。
【0005】
いくつかの実装では、表面の部分は、平面でない幾何形状を画成することができる。表面の部分は、実質的に湾曲させることができる。マイクロプロセッサは、シリコン系とすることができ、モジュールの弾性を維持するように構成することができる。第1の位置および第2の位置は、注射デバイスの両側とすることができる。ストッパ位置は、バリア原理に基づいて判定することができる。第1の位置および第2の位置は、注射デバイスの長手方向軸に対して実質的に平行とすることができる線を画成する。ストッパ位置は、反射原理に基づいて判定することができる。ストッパは、光信号を反射するように構成することができる。モジュールは、フレキシブルモジュールの弾性を維持するように構成された電源を含むことができる。電源は、一体型のフレキシブル電池またはスーパーキャパシタのうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
他の実装では、モジュールは、フレキシブルモジュールの弾性を維持するように構成された構造を有する近距離通信(NFC)アンテナを含むことができ、NFCアンテナは、電源のためのエネルギーを獲得するように構成され、流体の量を外部プロセッサへ送信するように構成される。外部プロセッサは:注射デバイス内の流体の量を表示することと、注射デバイスによって送達予定の用量を示すユーザ入力を受け取ることとを含む動作を実行するように構成することができる。NFCアンテナは、時間間隔をあけて流体の量を送信するように構成することができる。モジュールは、フレキシブルモジュールの弾性を維持するように構成された温度センサを含むことができる。モジュールは、接着剤層を含むことができる。モジュールは、機械的保護層を含むことができる。モジュールは、注射デバイス内の流体の量を表示するように構成されたデジタルディスプレイを含むことができる。
【0007】
本発明の別の態様によれば、流体送達システムが、流体を収納および投薬するように構成された注射デバイスであって、光透過壁を有し、流体の一部分を排出するように構成されたプランジャを含み、したがってストッパ位置を注射デバイス内の流体の量に関連付けることができる、注射デバイスと、表面の幾何形状にかかわらず、注射デバイスの表面に取り付けられるように構成されたフレキシブルモジュールとを含むことができ、フレキシブルモジュールは:表面に取り付けられるように構成されたキャリア箔と、第1の位置でキャリア箔に取り付けられており、第1の位置に基づく方向に光信号を発するように構成された少なくとも2つの発光ダイオードと、第1の位置に対して第2の位置でキャリア箔に取り付けられた少なくとも2つのフォトダイオードであって、第2の位置に基づく方向から光信号を検出するように構成され、光信号に基づいて電気信号を発するように構成された少なくとも2つのフォトダイオードと、電気信号に基づいて、注射デバイス内の流体の量を判定するように構成されたマイクロプロセッサとを含む。
【0008】
本発明のさらに別の態様によれば、注射デバイスの流体リザーバに取外し可能に取り付けるためのモジュールは:表面の幾何形状にかかわらず、流体リザーバの表面に取り付けられるように構成されたフレキシブルキャリア箔と、第1の位置でキャリア箔に取り付けられており、流体リザーバの透過壁を通って第1の位置に基づく方向に光信号を発するように構成された少なくとも2つの発光ダイオードと、第1の位置に対して第2の位置でキャリア箔に取り付けられた少なくとも2つのフォトダイオードであって、注射デバイスのプランジャによって第2の位置の方向に反射された光信号の一部分を検出するように構成され、反射された光信号に基づいて電気信号を発するように構成され、プランジャが、流体の一部分を排出するように構成することができ、したがってストッパ位置を注射デバイス内の流体の量に関連付けることができる、少なくとも2つのフォトダイオードと、電気信号に基づいて、注射デバイス内の流体の量を判定するように構成されたマイクロプロセッサとを含むことができる。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、注射デバイスのリザーバ内の流体の量を検出する方法が、フレキシブルキャリア箔を流体リザーバの表面に、表面の幾何形状にかかわらず、取り付けることと、第1の位置でキャリア箔に取り付けられた少なくとも2つの発光ダイオードによって光信号を生成することであって、光信号が、流体リザーバの透過壁を通って第1の位置に基づく方向に誘導される、生成することと、第1の位置に対して第2の位置でキャリア箔に取り付けられた少なくとも2つのフォトダイオードによって、注射デバイスのストッパによって反射された光信号の一部分を受け取ることと、少なくとも2つのフォトダイオードによって、反射された光信号に基づく電気信号を発することと、マイクロプロセッサによって、電気信号に基づいて、注射デバイス内の流体の量を判定することとを含む動作を実行することによって行われる。
【0010】
本開示によるシステムは、本明細書に記載する態様および構成の任意の組合せを含むことができることが理解される。すなわち、本開示による方法は、本明細書に具体的に記載する態様および構成の組合せに限定されるものではなく、提供される態様および構成の任意の組合せも含む。
【0011】
本開示の1つまたはそれ以上の実施形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に示されている。本開示の他の構成および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本開示によるデバイスの例の分解図である。
図1B】本開示によるデバイスの例の分解図である。
図1C】本開示によるデバイスの例を示す概略図である。
図1D】本開示によるデバイスの例を示す概略図である。
図1E】本開示によるデバイスの例を示す概略図である。
図2】本開示の実装を実行することができる例示的なシステムアーキテクチャのブロック図である。
図3図3Aおよび図3Bは、本開示によるデータ共有を示す図である。
図4】中央データベース内に記憶するために物品レベルデータを暗号化するために実行することができる例示的なプロセスを示す流れ図である。
図5】本開示の実装を実行するために使用することができる例示的なコンピュータシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【0014】
フレキシブルモジュール(たとえば、フレキシブルスマートラベル)を注射デバイスの表面に取り付けて、医療データの共有を容易にすることができる。たとえば、医療提供者は、フレキシブルスマートラベルを注射デバイスに取り付け、注射デバイス内に収容されて注射デバイスによって送達される流体医療製品(薬剤と呼ばれることがある)に関連付けられた複数のパラメータを連続して監視することによって、医療処置を最適化し、期限が切れたまたは誤って収納された薬剤の使用を回避し、医療供給の不足を回避することができる。注射デバイス内に収容されて注射デバイスによって送達される流体の量を含むデータは、医療連続体(たとえば、あらゆるレベルおよび強度の治療に及ぶ包括的な一連の健康サービスによって患者の医療処置を経時的に支持、案内、および追跡するシステム)内のより多くの医療提供者および他のエンティティのうちの1つと共有することができ、その医療提供者またはエンティティは、その情報を使用することができる(たとえば、医療供給を補充するため)。
【0015】
図1Aおよび図1Bは、医療連続体にわたってデータを共有するために使用することができるフレキシブルスマートラベル104を有する注射デバイス102を含む例示的な流体送達システム100の分解図を示す。図1Aで、フレキシブルスマートラベル104は、カートリッジ106に取り付けられる。図1Bで、フレキシブルスマートラベル104は、注射デバイス102のハウジング110の表面に取り付けられる。注射デバイス102は、充填済みの使い捨て注射ペンとすることができ、または注射デバイス102は、再利用可能な注射ペンとすることができる。注射デバイス102はハウジング110を含むことができ、カートリッジ106を収容し、カートリッジ106には、針113を含むニードルアセンブリ115を取り付けることができる。ハウジングの一部分および/またはカートリッジ106は、可視および赤外スペクトルの光ビームに対して透過性の材料(たとえば、ガラス)から作られる。
【0016】
針は、内側ニードルキャップ116および外側ニードルキャップ117によって保護され、内側ニードルキャップ116および外側ニードルキャップ117は、キャップ118によって覆うことができる。カートリッジ106は、流体薬剤を収容するように構成することができる。収容されている薬剤の用量は、投与量ノブ112を回すことによって、注射デバイス102から発することができ、次いで選択用量は、たとえばいわゆる国際単位(IU)の倍数で、投与量窓114を介して表示され、1IUは、約45.5マイクログラムの純結晶インスリン(1/22mg)と生物学的に同等である。投与量窓114内に表示される選択用量の一例は、図1Aに示すように、たとえば30IUとすることができる。いくつかの実装では、選択用量は、異なる形で、たとえば電子ディスプレイによって表示することができる(たとえば、投与量窓114は、電子ディスプレイの形態をとることができる)。
【0017】
投与量ノブ112を回すことで、機械的クリック音を引き起こし、音響フィードバックを使用者に提供することができる。投与量窓114内に表示される数字は、ハウジング110内に収容されるスリーブ上に印刷することができ、スリーブは、ねじ108の端部に固定されたプランジャヘッド108aと機械的に相互作用し、カートリッジ106のストッパ109を押す。プランジャヘッド108aは、カートリッジ106内に収容されているストッパ109を変位させることによって、流体の一部分を排出するように構成され、したがってストッパ109の位置が、注射デバイス102内の流体の量に関連付けられる。針115が患者の皮膚部分に突き刺されて、次いで注射ボタン111が押されたとき、表示窓114内に表示されるインスリン用量を、注射デバイス102から発することができる。注射ボタン111が押された後、注射デバイス102の針115が特定の時間にわたって皮膚部分内に留まると、用量の大部分は実際に患者の体内へ注射される。インスリン用量の放出は、機械的クリック音を生成することができ、この音は、投与量ノブ112を使用したときに生じる音とは異なることができる。以下にさらに詳細に説明するように、フレキシブルスマートラベル104は、接着剤層122aおよびキャリア層(またはキャリア箔)122bを含むことができる。キャリア層/箔122bは、ストッパ位置および/またはカートリッジ106内の薬剤の量などの注射デバイス102の特徴を感知するために使用することができるLEDおよびフォトダイオードなどの電子構成要素を含むことができる。可撓性および接着性により、異なる寸法、たとえば可変の直径の注射デバイスにモジュールを取り付けることが可能になる。
【0018】
注射デバイス102は、カートリッジ106が空になるまで、または注射デバイス102の有効期日(たとえば、最初の使用から28日後)に到達するまで、数回の注射プロセスに使用することができる。注射デバイス102を最初に使用する前、カートリッジ106および針115から空気を除去するために、たとえばインスリンの2単位を選択し、針115を上向きにして注射デバイス102を保持しながら注射ボタン111を押下することによって、いわゆる「プライムショット」を実行することが必要な可能性がある。
【0019】
フレキシブルスマートラベル104は、注射デバイス102内に収容されて注射デバイス102によって送達される流体の量を連続的または周期的に監視するために、平面および非平面の幾何形状(たとえば、湾曲、傾斜、またはこれらの組合せ)を含む様々な表面の幾何形状に取り付けられるように構成することができる。フレキシブルスマートラベル104は、識別子に関連付けることができる。識別子は、物品とともに含まれる無線周波識別(RFID)データ、2次元(2D)バーコード、および/またはQRコードなどの機械可読媒体内で符号化することができる乱数rとすることができる。乱数rは、フレキシブルスマートラベル104に関連付けることができ、フレキシブルスマートラベル104およびリポジトリ内に記憶されている対応するフレキシブルスマートラベルレベルデータを一意に識別するために使用することができる。
【0020】
フレキシブルスマートラベル104は、可撓性、表面硬度、熱伝導率、比誘電率、耐摩耗性、透光率、透磁率、化学的安定性、結合強度、および他の特性などの強化された機械的、熱的、電気的、光学的、および物理的な特性を保持するように構成することができる。たとえば、フレキシブルスマートラベル104は、約0.5~約5GPaのヤング係数、約2~約5の比誘電率、および約35~約120のロックウェル硬度を有することができる。フレキシブルスマートラベル104は、接着剤層122aおよびキャリア層/箔122bを含むことができる。接着剤層122aは、フレキシブルスマートラベルを注射デバイス102の表面に取外し可能に取り付けるように構成することができる。接着剤層122aは、ウレタン樹脂系、シリコン樹脂系、ビニル樹脂系、ポリエステル樹脂系、合成ゴム系、および天然ゴム系の接着剤などとすることができる。いくつかの実装では、接着剤層は、注射デバイス102からのフレキシブルスマートラベル104の取外しを有効にするために、取付け可能でない隅部を含むことができる。
【0021】
複数のフレキシブル構成要素をキャリア層/箔122bに取り付けることができる。フレキシブル構成要素は、フレキシブルスマートラベル104を画成する電子機器を印刷する機能的インクを使用して生成される印刷された電子機器を含むことができる。複数のフレキシブル構成要素は、発光ダイオード(LED)124aおよび124b、フォトダイオード126aおよび126b、マイクロプロセッサ128、アンテナ130、温度センサ132、電源134、ならびにディスプレイ136を含む。LED124aおよび124bは、円、長方形、および/またはストライプ(一方の辺が他方の辺より著しく大きい)などの様々な幾何形状を有することができる。いくつかの実装では、単一のLED124aを使用することができる。単一のLEDは、ストライプとすることができる。他の実装では、複数のLED124aおよび124bを、少なくとも2つのLEDを含むLEDのアレイとして配置することができる。LED124aおよび124bのアレイは、線形アレイまたは方形アレイとすることができる。
【0022】
LED124aおよび124bは、LED124aおよび124bの長手方向(図1A)または径方向(図1B)の配置を画成することができる第1の位置で、キャリア箔に取り付けることができる。LED124aおよび124bは、カートリッジ106(図1A)またはハウジング110(図1B)の光透過壁を通ってフォトダイオード126aおよび126bの方へ、第1の位置に基づく方向に光信号を発するように構成することができる。いくつかの実装では、LED124aおよび124bは、不可視光信号(たとえば、赤外スペクトル内)を発することができる。
【0023】
フォトダイオード126aおよび126bは、長方形および/またはストライプ(一方の辺が他方の辺より著しく大きい)などの様々な幾何形状を有することができる。円形および方形のフォトダイオード126aおよび126bは、数10μmの画素サイズを有することができる。ストライプフォトダイオードは、ねじ108またはカートリッジ106の長さより短い数ミリメートル程度の長さを有することができる。いくつかの実装では、単一のフォトダイオードを使用することができる。単一のフォトダイオード126aは、ストライプ(たとえば、自動注射器)とすることができる。他の実装では、複数のフォトダイオード126aおよび126bを、少なくとも2つのフォトダイオード(たとえば、4つ、6つ、または数百のフォトダイオード)を含むフォトダイオードの列またはアレイとして配置することができる。フォトダイオード126aおよび126bは、フォトダイオード間に等しい距離をあけて規則的なパターンで配置することができる。フォトダイオード126aおよび126bは、フォトダイオード間に2つの距離を有することができる不規則なパターンで配置することができ、検出精度を増大させるために、距離の一方が他方の距離の2分の1である。
【0024】
フォトダイオード126aおよび126bは、LED124aおよび124bの第1の位置に対して第2の位置でキャリア箔に取り付けられており、フォトダイオード126aおよび126bの長手方向(図1A)または径方向(図1B)の配置を画成することができる。LED124aおよび124bの各々ならびにフォトダイオード126aおよび126bの各々の配置およびサイズは、所望の照明パターンに基づくことができる。LED124aおよび124bならびにフォトダイオード126aおよび126bの配置およびサイズは、注射デバイス102の1つまたはそれ以上の特徴(たとえば、幾何形状、サイズ、LED124aおよび124bによって発せられる光に対する透過性など)に依存することができ、カートリッジ内の流体の量(たとえば、薬物単位レベル)に関連付けられたデータの分解能および精度を目的とすることができる。
【0025】
たとえば、第1および第2の位置は、LED124aおよび124bならびにフォトダイオード126aおよび126bが、バリア原理に基づいて薬剤の量を判定するために、カートリッジ106(図1A)またはハウジング110の両側に配置されるように選択することができる。この文脈例の範囲内で、LED124aおよび124bによって生成される光信号は、カートリッジ106が満杯である(たとえば、各フォトダイオード126aおよび126bが光信号を受け取る)ときは、ストッパ109を横断しないが、カートリッジ106が部分的に満杯である(たとえば、第1の知られている位置にある少なくとも1つのフォトダイオードが光信号を受け取らない)ときは、ストッパ109の一部分を横断し、カートリッジ106が空である(たとえば、第2の知られている位置にある少なくとも1つのフォトダイオードが光信号を受け取らない)ときは、第2の部分または実質的にすべての光信号がストッパ109を横断する。
【0026】
別の例として、第1および第2の位置は、LED124aおよび124bならびにフォトダイオード126aおよび126bが、反射原理に基づいて薬剤の量を判定するために、カートリッジ106またはハウジング110(図1B)の同じ側、部分的に重複する側、または別個の側に配置されるように選択することができる。この文脈例の範囲内で、LED124aおよび124bによって生成される光信号は、カートリッジ106が満杯である(たとえば、各フォトダイオード126aおよび126bが光信号を受け取る)ときは、ストッパ109によってほとんどまたは実質的に完全に反射され、カートリッジ106が部分的に満杯である(たとえば、第1の知られている位置にある少なくとも1つのフォトダイオードが光信号を受け取らない)ときは、ストッパ109によってフォトダイオード126aおよび126bから離れる方へ部分的に反射され、カートリッジ106が空である(たとえば、第2の知られている位置にある少なくとも1つのフォトダイオードが信号を受け取らない)ときは、ストッパ109によってフォトダイオード126aおよび126bから離れる方へ部分的または実質的に完全に反射される。フォトダイオード126aおよび126bは、ストッパ109によって吸収または反射された後に第2の位置に到達する光信号を検出するように構成することができる。ストッパ109は、吸光性(たとえば、黒色の材料から作られる)または反射性を有するように構成することができる。フォトダイオード126aおよび126bは、検出された光信号に基づいて電気信号を生成するように構成することができる。フォトダイオード126aおよび126bによって生成される電気信号は、マイクロプロセッサ128へ送信される。
【0027】
マイクロプロセッサ128は、演算および論理ユニットアレイとすることができる。マイクロプロセッサ128は、図4を参照して詳細に説明するように、半導体基板上に設けることができ、受け取ったデータ上で動作を実行して出力データを生成するように、フォトダイオード126aおよび126bならびにアンテナ130に相互接続することができる。マイクロプロセッサ128は、電気信号に少なくとも一部基づいて、注射デバイス内の流体の量を判定し、流体の量を含むデータをアンテナ130およびディスプレイ136へ送信するように構成することができる。いくつかの例では、マイクロプロセッサ128は、マイクロコントローラ、たとえば単一のパッケージ内に形成されたマイクロプロセッサ構成要素および他の構成要素の組合せである。
【0028】
アンテナ130は、フレキシブル構造を有する近距離通信(NFC)アンテナとすることができ、フレキシブルスマートラベル104の弾性を維持するように構成された導電透過材料から作ることができる。アンテナ130は、電源134のためのエネルギーを獲得するように構成することができる。アンテナ130は、マイクロプロセッサ128および外部プロセッサへ信号を送信するように構成することができる。アンテナ130によって送信される信号は、カートリッジ106内の流体の量、温度センサ132によって測定された温度、およびフレキシブルスマートラベル104の識別子を含むことができる。アンテナ130は、たとえば846kHzでマンチェスタビット符号化およびOOK負荷変調を使用して、たとえば106kb/秒、212kb/秒、または424kb/秒のデータ率でデータを送信するように構成することができる。複数のフレキシブル構成要素の各々に、電源134によって給電することができる。電源134は、一体型のフレキシブル電池またはスーパーキャパシタとすることができる。電源134は、流体送達システム100がNFCフィールド160内にあるときなどの特定の条件下で、フレキシブルスマートラベル104のフレキシブル構成要素へエネルギーを供給するように構成することができる。NFCフィールド160は、呼掛器162によって生成することができる。呼掛器162は、RFモジュール164、送信器166、受信器168、およびプロセッサ170を含むことができる。呼掛器162は、フレキシブルスマートラベル104から受け取ったデータを表示するように構成された外部デバイス172と通信するように構成することができる。
【0029】
図1Cおよび図1Dは、光検出器と変調符号化との間に追加のデジタル機能を含むそれぞれ基本的な構成および複雑な構成におけるフレキシブルスマートラベル104の例のブロック図を示す。図1C図1D、および図1Eに示すフレキシブルスマートラベル104は、電子印刷ラベルとすることができる。フレキシブルスマートラベル104は、遠隔識別および遠隔測定を提供することができる。フレキシブルスマートラベル104は、エネルギーハーベスティングおよびデータ転送モジュール138ならびに機能的電子モジュール140を含むことができる。
【0030】
エネルギーハーベスティングおよびデータ転送モジュール138はアンテナ130を含み、アンテナ130は、NFCフィールド160内にあるときにエキサイタ信号を受け取るように、フレキシブルスマートラベル104内に取り付けられる。アンテナ130は、NFCフィールド160の呼掛器162内の送信器166によって生み出されたNFCフィールド160(たとえば、呼掛フィールド)から、エネルギー(たとえば、無線周波(RF)エネルギー)を受け取ることができる。いくつかの実装では、アンテナ130に接続されたインピーダンスをスマートラベル104内の電子コード生成器回路133によって周期的に変調させることができる変調RF後方散乱の機構によって、スマートラベル104は、そのエネルギーの一部を、コード化された応答信号の形態で、呼掛器162内の受信器168へ返す。アンテナ130は、クロック142、周波数同調モジュール146、および整流器/調整器148などの機能的電子モジュール140内の複数の構成要素へ信号を生成する。アンテナ130からの信号が周波数同調モジュール146へ送信され、周波数同調モジュール146はアンテナ130の周波数を同調させる。アンテナ130からの信号がクロック142へ送信され、クロック142は、分割器および同期モジュール144に対する入力としてクロック信号を生成する。分割器および同期モジュール144は、変調符号化150に対する循環的に送信されるデータストリームの順序付けを制御し、変調符号化150は、信号の振幅および/または周波数を変調してから、その信号を整流器148へ通信することができる。
【0031】
整流器148は、電子コード生成回路の動作の開始または電子コード生成回路のための電力の提供の目的で、アンテナ130から信号を受け取り、アンテナ130によって受け取った信号の一部分を直流電流に変換する。次いで、調整されていない電圧は、フレキシブルスマートラベル104内に収容されているデジタル回路に給電するために、事前設定された電圧レベルに調整される。たとえば、整流器148は、デジタル電子機器を保護するように電圧を制限し、LED124aおよび124bへ信号を送信して光信号を生成する。
【0032】
図1Cに示すように、機能的電子モジュール140によって生成されるデータ152は、注射デバイス102内の流体の量を示すフォトダイオード152aによって生成される電気信号に関連付けられたデータ、識別子152b、および温度センサ152cによって生成されるデータを含むNビットデータとすることができる。フォトダイオード152aによって生成される電気信号は、単一の薬物単位を表すことができ(たとえば、カートリッジが満杯もしくは空であることを示す)、または電気信号は、薬物単位の下位部分を表すことができる(たとえば、カートリッジが部分的に満杯であることを示す)。いくつかの実装では、図1Dに示すように、機能的電子モジュール140は、データ152をフォーマットするための追加の要素を含むことができる。たとえば、フォトダイオード152aによって生成される電気信号に関連付けられたデータは、ISO14443タイプAのRFID規格に従って、送信されるデータの量を最小まで低減させるために、デジタルシフトレジスタおよびカウンタを使用してフォーマットすることができる。たとえば、フォトダイオード152aによって生成される電気信号は、数Nビットシフトレジスタ152d内に記憶されている列パターンでフォーマットすることができる。初期状態で、数Nビットシフトレジスタ152dの出力は、「0」に設定することができる。アンテナ130がNFCフィールドへの近接を検出したとき、アンテナは、Nビットシフトレジスタ152dに印加されるシフトパルスと同期して、数mビットカウンタのカウントアップ入力へパルスを供給し、フォーマットされたデータ152eを生成する。図1Dに示す複雑な構成を使用するとき、フレキシブルスマートラベル104によって生成されるデータは、フォーマットされたデータ152e、識別子152b、および温度センサ152cによって生成されるデータを含むことができる。いくつかの実装では、データ152はまた、タイムスタンプ、場所、および注射デバイス102のための状況特有データ(たとえば、薬剤の輸送、収納、または注射)を含むことができる。いくつかの実装では、フォトダイオード152aが、フォトダイオードの配置に関連付けられたアナログ出力値を生成する。カートリッジ内の流体の量を表すデータは、アナログ/デジタル変換器152f(図1E)を使用してアナログデータからデジタルデータ152eへの変換を実行し、デジタル信号の振幅を、カートリッジ内の流体の知られている量に対応する事前設定された値と比較することによって判定することができる。
【0033】
図2は、本開示の実装を実行することができる例示的なシステム200のブロック図である。システム200は、n個のエンティティ(その例として、エンティティ214、216、218、220が挙げられる)が、ネットワーク202によって、中央データベース212および中央サーバ210を含む中央コンピュータ206へ転送およびアクセスすることを有効にする。
【0034】
図2の例では、エンティティ(たとえば、エンティティ214、216、218、220)は、医療連続体222内に位置する薬剤供給者、医療施設(たとえば、医療提供者)、または患者とすることができる。たとえば、エンティティ214は、医療連続体222内でエンティティ216の前に位置する。エンティティ218は、医療連続体222内でエンティティ220の前に位置する。医療連続体222は、物品204を製造、収納、輸送、および使用することができる。物品204は、追加の構成要素(たとえば、RFIDフレキシブルスマートラベル224)とともに、治療プロセス中に医療連続体222内の複数のエンティティ間で(たとえば、薬剤供給者から、医療施設内で働く医療提供者および患者へ)移送することができる。
【0035】
物品204(たとえば、図1Aおよび図1Bを参照して説明した流体送達システム100)は、付属の機械可読媒体(たとえば、図1Aおよび図1Bを参照して説明したフレキシブルスマートラベル104)を含むことができる。図示の例では、機械可読媒体は、RFIDフレキシブルスマートラベル224を含む。物品204のためのRFIDフレキシブルスマートラベル224上に、一意の識別番号を記憶することができる。医療連続体222における各エンティティは、物品204が製造、輸送、収納、および使用されるとき、物品204に関連付けられた物品レベルデータを生成および転送することができる。物品レベルデータは、中央データベース212内に記憶するために物品の一意の識別番号に関連付けることができる。物品レベルデータを別のデバイス(たとえば、中央コンピュータ206の中央データベース212)へ転送する1つの可能性は、ISO14443タイプAのRFID規格の一部に準拠するNFCバーコードに類似している。RFIDフレキシブルスマートラベル224は、読取り専用のタグトークファースト(TTF)モードで動作することができる。物品レベルデータは、たとえば846kHzでマンチェスタビット符号化およびオンオフキーイング(OOK)負荷変調を使用して送信することができる。
【0036】
いくつかの実装では、中央コンピュータ206は、外部サービス提供者に位置する。医療連続体222内のエンティティ間の共有データは、中央データベース212内に暗号化して記憶することができる。医療連続体内の各エンティティ(医療連続体222内のn個のエンティティ)は、共有データを外部サービス提供者へアウトソーシングすることができる。加えて、外部サービス提供者は、記憶されている共有データへのアクセスを管理することができる。たとえば、中央データベース212は、クラウドストレージとすることができ、中央コンピュータ206は、第3者またはサービス提供者がホストとして働くクラウド計算システムとすることができる。クラウドストレージサービス提供者は、中央データベース212を管理および維持することができ、エンティティ214、216、218、220は、エンティティ214、216、218、220間で共有および交換できるように、物品レベルデータを記憶することができる。
【0037】
各エンティティ(たとえば、エンティティ214、216、218、220)は、製品204(たとえば、薬剤の注射に関連する)を使用する際に医療連続体222によって使用される物品のための物品レベルデータを、中央データベース212内に暗号化および記憶することができる。中央データベース212は、各物品のための一意の識別番号と、その物品のための1つまたはそれ以上のタプルとを含むことができ、各タプルは、医療連続体内のエンティティによって提供される物品レベルデータを含む。いくつかの実装では、物品のためのRFIDフレキシブルスマートラベル(図2を参照して説明した)または2Dバーコード内に含まれる乱数「r」を、その物品の識別番号とすることができる。識別番号は、物品のための物品レベルデータのすべてを含むデータベースへの索引として使用することができる。
【0038】
医療連続体内の各エンティティ(医療連続体222内のn個のエンティティ)は、それらの暗号化された物品レベルデータを外部サービス提供者へアウトソーシングすることができる。医療データを所有するエンティティ(たとえば、患者および/または医療提供者)は、暗号化鍵を使用および維持することによって、他のエンティティ(たとえば、薬剤供給者)ならびにサービス提供者による暗号化されたデータへのアクセスを管理することができる。これにより、エンティティは、複数のエンティティおよびサービス提供者によって使用することができるアウトソーシングされたデータベースのセキュリティおよび検索可能な暗号化に関係する暗号化方式を提供することが可能になる。
【0039】
中央データベース212に対するセキュリティ要件は、中央データベース212の観察者が、中央データベース212内の物品を追跡することを防止することができる。セキュリティ要件は、中央データベース212を連続して監視する攻撃者が、中央データベース212内に記憶されているデータに関する何らかの情報を判定することを防止することができる。加えて、中央データベース212内に含まれるデータを所有するエンティティ(データ所有者)は、その物品のための物品レベルデータへの様々なレベルのアクセス制御を実施することができる。たとえば物品204に関して、データ所有者(たとえば、患者)は、別のエンティティ(たとえば、医療提供者)との関連付けに基づいて、物品204に対する物品レベルデータへのアクセス制御をその別のエンティティへ提供することができる。
【0040】
いくつかの実装では、患者は、中央データベース212内に物品204に対して記憶されている物品レベルデータの各タプルに対して、個々のアクセスを医師に提供することができる。データアクセス制御により、患者が物品レベルデータの個々の各タプルにアクセスレベルを設定することが可能になる。いくつかの実装では、医療管理者は、医療施設が一度は保有した物品のための物品レベルデータのすべてのタプルへの医療提供者アクセスを提供することができる。たとえば、医療管理者は、物品レベル追跡のためにアクセス制御を使用することができる。医療管理者は、その物品を一度は保有したまたはその物品に関連付けられた可能性のある他のエンティティへの物品の可視性を、物品ごとに許可または制限することができる(たとえば、対応する患者へ送達される特定のタイプの医療処置に関連付けられた医療提供者のみに、データへのアクセスが与えられるはずである)。これにより、1つのエンティティ(たとえば、医療管理者)は、個々の各エンティティへの物品レベルデータの各タプルのアクセス制御を個々に設定する必要なく、物品レベルデータアクセスを他のエンティティへ提供することが可能になる。たとえば、医療管理者を含むエンティティは次いで、個々の各物品またはエンティティに関する微妙なまたは機密の情報を直接または推測によって開示するリスクを伴うことなく、互いに物品のための公正なデータ共有合意に関与することができる。
【0041】
いくつかの実装では、医療管理者または患者は、物品レベルデータのすべてのタプルへのエンティティのアクセスを提供することができる。たとえば、エンティティは、物品レベルデータのすべてのタプルへの完全なアクセスを有する信頼できる第3者(たとえば、患者、医療提供者、薬剤供給者、または他の第3者)とすることができる。中央データベース212を、クラウドストレージとすることができ、中央コンピュータ206を、第3者またはサービス提供者がホストとして働くクラウド計算システムとすることができる場合、このアクセスレベルは、フレキシブルスマートラベル224によって生成されるデータに基づいて、サービス提供者が中央データベース212を管理および維持し、自動補充を提供することができるように、医療管理者または患者とサービス提供者との間で使用することができる。
【0042】
各エンティティは、エンティティ間の物品レベルデータの安全な取扱いを有効にするために、暗号プロセスおよびアルゴリズムを利用することができる。暗号手法は、悪意のある敵対者の存在下で安全な通信を有効にすることができる数学的技法の設計および分析を伴う。データ所有者によって暗号プロセスおよびアルゴリズムを使用することで、望ましくないエンティティが中央リポジトリ内に記憶されている物品レベルデータにアクセスするのを防止することができる。いくつかの実装では、対称暗号化は、通信エンティティが、通信エンティティ間で交換されるデータを暗号化および復号化するときに使用するための内密および真正の鍵材料に合意することを伴うことができる。たとえば、対称暗号化は、通信エンティティ間で交換されるデータの各タプルに対して使用することができる。いくつかの実装では、非対称暗号化により、通信エンティティが真正であるが内密でない鍵材料を交換する公開鍵方式を使用することができる。各エンティティは、公開鍵と、エンティティによって内密にされている関連する秘密鍵とを含む単一の鍵ペアを選択する。鍵ペアは、エンティティ間で交換されるデータの各タプルに関連付けることができる。上述したように、対称および非対称の暗号化の使用により、各エンティティの各タプルに対する鍵または鍵ペアを仮定する。エンティティは、データを共有するとき、共有されるデータの各タプルに対する鍵または鍵ペアを交換するはずである。たとえば、医療連続体は、数百の医療連続体パートナー(エンティティ)を利用して数百万の物品を作り出すことができ、その結果、各タプルに対する暗号鍵が各エンティティに対するエンティティ間で交換されるはずであるため、多数の暗号鍵を使用する。
【0043】
いくつかの実装では、エンティティ間の物品レベルデータの安全な取扱いを有効にしながら、暗号鍵の数を低減させるために、暗号方式により、2つの暗号鍵とともに、物品のための一意の識別子として乱数rを使用することができる。通信エンティティは、暗号鍵の1回の交換を実行することができ、新しいまたは追加の物品またはタプルは、通信エンティティ間の新しい暗号鍵の交換を必要としないはずである。加えて、暗号化された物品レベルデータは、信頼できるエンティティおよび信頼できないエンティティの両方によってアクセス可能な中央リポジトリ内に記憶することができるが、あらゆる信頼できないエンティティおよびさらには第3者のサービス提供者によるアクセスから保護することができる。
【0044】
各フレキシブルスマートラベルは、識別子に関連付けることができる。たとえば、乱数rは、物品とともに含まれる無線周波識別(RFID)データ、2次元(2D)バーコード、および/またはQRコードなどの機械可読媒体内で符号化することができる。乱数rは、特定のフレキシブルスマートラベルに関連付けることができ、フレキシブルスマートラベルおよびリポジトリ内に記憶されている対応するフレキシブルスマートラベルレベルデータを一意に識別するために使用することができる。いくつかの場合、医療連続体におけるフレキシブルスマートラベルレベルデータの共有によって、保険規則の順守または最善の事業慣行を推測することができ、1つの医療エンティティは、他の医療エンティティ(たとえば、医療提供者または患者)に対して制御をもたず、他の医療エンティティは、自身のフレキシブルスマートラベルデータへのアクセスを有することができる。
【0045】
医療連続体内のフレキシブルスマートラベルに対して医療エンティティによる物品レベル追跡を使用することで、医療エンティティは、注射デバイスによって注射予定の流体に関する情報を機械可読媒体から収集することが可能になる(たとえば、RFIDフレキシブルスマートラベルを走査することによる)。機械可読媒体は、フレキシブルスマートラベルのための一意の識別子、カートリッジおよび/または注射デバイス内の流体の量、タイムスタンプ、場所、ならびにフレキシブルスマートラベルが取り付けられた注射デバイスに対する状況特有データを含む一続きの要素を提供することができる。医療エンティティは、医療提供者に対するデータリポジトリ内の物品レベルデータとして、これらの要素を「タプル」内に記録または記憶することができる。いくつかの実装では、データリポジトリは、医療施設内に位置することができる。いくつかの実装では、データリポジトリは、医療施設の外に位置することができる。たとえば、データは、クラウドサービス提供者によって提供されるデータリポジトリ内に記憶することができる。これらの実装では、医療提供者は、医療連続体内で特定のエンティティに対して一部またはすべてのフレキシブルスマートラベルデータへのアクセス制御を実施することができる。データを共有する医療連続体内のエンティティは、複数の医療提供者によって提供されるデータへのアクセスを得ることが必要になることがある。クラウドサービス提供者を含む実装では、クラウド内に提供される中央データリポジトリ内に、複数の医療提供者のフレキシブルスマートラベルデータを記憶することができる。
【0046】
したがって、いくつかの実装では、医療連続体内の医療提供者は、物品レベルデータのための中央リポジトリとして使用するための共通のデータベースを共有することができる。サービス提供者または第3者は、共有される中央リポジトリの資源を管理することができる。中央共有リポジトリを使用するとき、フレキシブルスマートラベルデータを所有する医療提供者は、そのデータへのアクセスを制御することができなくなる。医療連続体内の医療提供者間で共通データベースを共有することで、医療提供者が多数のフレキシブルスマートラベルのための物品レベルデータを集めるとき、データベースの問合せ性能を改善することができる。しかし、各医療提供者が、自身の所有するフレキシブルスマートラベルデータへのアクセスを監視および制御し、そのデータを所有していない医療連続体内の他のエンティティのアクセスを少なくとも部分的に遮断したいと考えたとき、共通データベースを共有することで、セキュリティの問題が生じる可能性がある。
【0047】
いくつかの実装では、医療提供者は、医療連続体内の他のエンティティと交換するために、中央リポジトリ内に記憶されているフレキシブルスマートラベルデータを暗号化することができる。暗号化されたフレキシブルスマートラベルデータは、すべての医療提供者によってアクセス可能な中央リポジトリ内に記憶することができる。たとえば、中央リポジトリは、第3者またはサービス提供者がホストとして働くクラウド計算システム内に含まれるクラウドストレージとすることができる。クラウドストレージサービス提供者は、中央リポジトリを管理および維持することができ、複数の医療提供者およびエンティティは、他のエンティティとの共有および他のエンティティによるアクセスのために、自身のフレキシブルスマートラベルデータを記憶することができる。クラウドベースのデータリポジトリ内に記憶されているフレキシブルスマートラベルデータを暗号化することで、フレキシブルスマートラベルデータを復号化するときに使用するための秘密鍵の知識を有する医療提供者または他の公的エンティティのみが、クラウドベースのデータリポジトリ内に記憶されているフレキシブルスマートラベルデータを読み取ることが可能になるため、データ所有者は、記憶されているフレキシブルスマートラベルデータに対するアクセス制御を判定および実施することが可能になる。いくつかの実装では、サービス提供者は、秘密鍵を知らないことがある。したがって、サービス提供者は、データを復号化することができないはずであり、加えて、意図的であるかどうかにかかわらず、いかなる会社または他の公的エンティティにも秘密鍵を分散させることができないはずであり、それによって記憶されている物品レベルデータの機密性を維持する。
【0048】
医療連続体内の医療施設間でフレキシブルスマートラベルデータを共有および交換することで、データの分析のために様々な応用例の使用を有効にすることができる。たとえば、偽造防止の応用例、医療連続体ベンチマーキングの応用例、ならびに医療規定および規則に対する準拠を識別する応用例では、共有されるフレキシブルスマートラベルデータを使用して、医療連続体内の医療提供者および/またはエンティティへ情報を提供することができる。
【0049】
図3Aは、物品304(たとえば、図1Aおよび図1Bを参照して説明した注射デバイス102)に関連付けられた機械可読媒体(たとえば、図1A図1Dを参照して説明したRFIDフレキシブルスマートラベル104)から提供することができる例示的なデータの図である。RFIDフレキシブルスマートラベル324は、医療連続体全体にわたって変化しないままとすることができる一意のスマートラベル識別子id308と、収納温度条件の変化および物品304内に収容されている医薬品の量の変動とともに医療連続体全体にわたって変化することがある医薬品関連データ306(たとえば、図1Cおよび図1Dを参照して説明したデータ152)とを含むことができる。
【0050】
一意のスマートラベル識別子id308は、物品304に関連付けられた一意の数とすることができる乱数rを含む。たとえば、乱数rは、製造プロセス中または後にRFIDフレキシブルスマートラベル324に書き込むことができる。物品304を保有するエンティティは、たとえばNFCフィールド内にあるとき、一意のスマートラベル識別子id308にアクセスして読み取ることができ、たとえば物品304を使用して、医薬品の量を注射することができ、それにより医薬品関連データ306を変化させる。製造、輸送、収納、および使用プロセス中、医薬品関連データ306(たとえば、図1Cおよび図1Dを参照して説明したデータタイプを含む)を、医療連続体全体にわたって蓄積することができる。医療連続体における各エンティティは、医療連続体内のエンティティによって実行される付加価値工程中に蓄積される医薬品関連データ306を物品レベルデータとして記憶することができる。
【0051】
いくつかの実装では、物品304は、非電子的追跡方法を含むことができる。これらの実装では、物品304のための一意の識別子はまた、物品304に関連付けられて非電子的追跡方法で符号化された乱数rとすることができる。暗号方式におけるタプル(I、D)は、2つの値:すなわち、1つの物品と1つのエンティティの組合せを表す一意の識別子Iと、暗号化された物品レベルデータDとを含むことができる。物品のための一意の識別子Iは、中央リポジトリ内の暗号化されたデータDを特定して識別するために使用することができる。たとえば、一意の識別子Iは、データベースまたは中央リポジトリ内に含まれる暗号化された物品レベルデータのデータテーブルに対する索引として使用することができる。一意の識別子Iは、暗号化されたデータDに関して中央リポジトリに問い合わせるために使用することができる。
【0052】
図3Bは、本開示による物品レベルの医薬品関連データ306の安全な共有のための例示的な工程を示す図である。たとえば、会社302aは、RFIDフレキシブルスマートラベル324を含む物品304を受け取りまたは作製する。会社302aは、医薬品製造日および有効期日などの物品304に関する物品レベルデータを収集する(矢印A)。会社302aは、NFC領域内に位置するように構成することができ、したがって会社302aは、物品304に関する物品レベルデータを自動的に更新することができる。たとえば、会社302aは、特定の温度で特定の持続時間にわたって物品304を収納することができ、物品304に関係する更新されるデータ内に、収納条件を含むことができる。収集されるデータおよび更新されるデータは、記憶のために暗号化し、タプル(I、D)の形態で会社302aから中央コンピュータ314の中央データベース312へネットワーク316を介して送ることができる(矢印B)。
【0053】
会社302aは、物品304を会社302bへ販売および/または発送することができる(矢印C)。会社302bは、NFC領域内に位置するように構成することができ、したがって会社302bは、フレキシブルスマートラベル324を使用して、現在の物品データ(たとえば、一意のスマートラベル識別子id308および物品304内に収容されている流体の量などの医薬品関連データ306)を読み取ることができる。会社302bは、物品データ(たとえば、一意のスマートラベル識別子id308)を使用して、会社302aによって中央コンピュータ314の中央データベース312内に記憶されている物品レベルデータ306および308を問い合わせて復号化することができる(矢印D)。たとえば、会社302bは、医薬品の有効期日および収納中の温度などの以前の収納状態を検証することができる。会社302bは、収納状態および物品304内に収容されている流体の量の変動に関連付けられたデータを含む医薬品関連データ306を自動的に更新するように構成することができる。
【0054】
図4は、中央データベース内の記憶のために物品レベルデータを暗号化するために実行することができる例示的なプロセス400を示す流れ図である。プロセス400は、図1図2、および図3を参照して説明したデバイスおよびシステムによって実行することができる。プロセス400は、物品がNFC領域内に位置するかどうかを識別することによって開始する(402)。たとえば、物品は、NFC領域へのその近接を周期的に検証するように構成することができる。物品は、注射デバイスとすることができ、NFC領域への注射デバイスの近接を検証するように構成された1つまたはそれ以上の構成要素を含むフレキシブルスマートラベルを有することができる。医療提供者は、NFC領域内に位置するように構成された医療施設内にいる間に、注射デバイスを収納および使用することができる。
【0055】
物品がNFC領域内に位置すると判定したことに応答して、物品は、高周波信号が印加されたかどうかを判定する(404)。いくつかの実装では、高周波信号は、物品の使用に応答して自動的に生成される。たとえば、高周波信号は、注射デバイス内に収容されている医薬品の量を注射するために注射デバイスが使用された後、自動的に生成される。
【0056】
高周波信号が印加されたと判定したことに応答して、物品に電源を投入することができる(406)。たとえば、物品に関連付けられた更新データを生成するための準備として、フレキシブルスマートラベル内に一体化された電源を使用して、フレキシブルスマートラベルの1つまたはそれ以上の電子構成要素が通電される(図1A図1Dを参照して説明した)。電源のエネルギーが使い尽くされた場合、物品がNFC領域内に位置する間に電源を再充電することができ、プロセス400を再開することができる。
【0057】
物品の1つまたはそれ以上の構成要素に電源が投入されたことに応答して、図1Aおよび図1Bを参照して説明したように、LED124aおよび124bなどの光源が、標的を照明することができる(408)。フォトダイオード126aおよび126bなどの受信器が、光信号の少なくとも一部分を検出し、光信号の検出部分に関連付けられたデータを生成することができる(410)。たとえば、光信号のうちフォトダイオードによって検出された部分は、ストッパ位置を示すことができ、ストッパ位置は、注射デバイスおよびカートリッジの知られている幾何学的特徴に基づいて、注射デバイス内の流体の量を判定するために使用することができる。物品は、図3Bを参照して説明したように、中央データベース312などのデータベースへデータを送信するように構成することができる(412)。データ送信の成功に応答して、物品は、電源のエネルギーを節約するために、スリープモードを開始することができる(414)。いくつかの実装では、物品は、事前設定された時間間隔に基づいて、プロセスを周期的に再開するように構成される(416)。
【0058】
図5を次に参照すると、例示的な計算システム500の概略図が提供される。システム500は、本明細書に記載する実装に関連して説明した動作のために使用することができる。たとえば、システム500は、本明細書に論じるサーバ構成要素のいずれかまたはすべてに含むことができる。システム500は、プロセッサ510、メモリ520、記憶デバイス530、および入出力デバイス540を含む。構成要素510、520、530、および540は各々、システムバス550を使用して相互接続される。プロセッサ510は、システム500内で実行するための命令を処理することが可能である。1つの実装では、プロセッサ510はシングルスレッドプロセッサである。別の実装では、プロセッサ510はマルチスレッドプロセッサである。プロセッサ510は、入出力デバイス540上のユーザインターフェースのためのグラフィカル情報を表示するために、メモリ520内または記憶デバイス530上に記憶されている命令を処理することが可能である。
【0059】
メモリ520は、システム500内に情報を記憶する。1つの実装では、メモリ520はコンピュータ可読媒体である。1つの実装では、メモリ520は揮発性メモリユニットである。別の実装では、メモリ520は不揮発性メモリユニットである。記憶デバイス530は、システム500のための大容量記憶を提供することが可能である。1つの実装では、記憶デバイス530はコンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装では、記憶デバイス530は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイスとすることができる。入出力デバイス540は、システム500のための入出力動作を提供する。1つの実装では、入出力デバイス540は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含む。別の実装では、入出力デバイス540は、図1図4を参照して説明したように、使用者が収集、記憶、および問合せされる物品に関係するデータにアクセスすることを有効にするグラフィカルユーザインターフェースを表示する表示ユニットを含む。
【0060】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物を説明するために本明細書において使用される。以下に説明されるように、薬物または薬剤は、1つまたはそれ以上の疾患を処置するための、様々なタイプの製剤の少なくとも1つの低分子もしくは高分子、またはその組合せを含むことができる。例示的な薬学的に活性な化合物は、低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえばホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖類;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(裸およびcDNAを含む)、RNA、アンチセンスDNAおよびRNAなどのアンチセンス核酸、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドを含むことができる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに組み込むことができる。これらの薬物の1つまたはそれ以上の混合物もまた、企図される。
【0061】
「薬物送達デバイス」という用語は、薬物の体積を人間または動物の体内へ投薬するように構成された任意のタイプのデバイスまたはシステムを包含するものとする。体積は、典型的には、約0.5ml~約10mlの範囲とすることができる。限定されるものではないが、薬物送達デバイスは、薬物の皮下、筋肉内、または血管内の送達のために構成されたシリンジ、針安全システム、ペン注射器、自動注射器、大容量デバイス(LVD)、ポンプ、潅流システム、または他のデバイスを含むことができる。そのようなデバイスは、針を含むことが多く、針は、小ゲージ針(たとえば、約24ゲージより大きく、27、29、または31ゲージを含む)を含むことができる。
【0062】
特有の薬物と組み合わせて、本明細書に記載するデバイスはまた、必要とされるパラメータの範囲内で動作するようにカスタマイズすることができる。たとえば、特定の時間期間(たとえば、注射器に対して約3~約20秒、およびLVDに対して約5分~約60分)の範囲内で、低レベルまたは最小レベルの不快さ、または人的要因、保管寿命、有効期限、生体適合性、環境的考慮などに関係する特定の条件の範囲内とすることができる。そのような変動は、たとえば薬物の粘性が約3cP~約50cPの範囲に及ぶことなどの様々な要因によって生じることがある。
【0063】
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスで使用するように適用された主要パッケージまたは「薬物容器」内に含むことができる。薬物容器は、たとえば、カートリッジ、シリンジ、リザーバ、または1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物の保存(たとえば短期または長期保存)に適したチャンバを提供するように構成された他の容器とすることができる。たとえば、一部の場合、チャンバは、少なくとも1日(たとえば1日から少なくとも30日まで)の間薬物を保存するように設計することができる。一部の場合、チャンバは、約1ヶ月から約2年の間薬物を保存するように設計することができる。保存は、室温(たとえば約20℃)または冷蔵温度(たとえば約-4℃から約4℃まで)で行うことができる。一部の場合、薬物容器は、薬物製剤の2つまたはそれ以上の成分(たとえば薬物および希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を別々に、各チャンバに1つずつ保存するように構成された二重チャンバカートリッジとすることができ、またはこれを含むことができる。そのような場合、二重チャンバカートリッジの2つのチャンバは、ヒトまたは動物の体内に投薬する前、および/または投薬中に薬物または薬剤の2つまたはそれ以上の成分間で混合することを可能にするように構成することができる。たとえば、2つのチャンバは、これらが(たとえば2つのチャンバ間の導管によって)互いに流体連通し、所望の場合、投薬の前にユーザによって2つの成分を混合することを可能にするように構成することができる。代替的に、またはこれに加えて、2つのチャンバは、成分がヒトまたは動物の体内に投薬されているときに混合することを可能にするように構成することができる。
【0064】
本明細書において説明される薬物送達デバイスおよび薬物は、数多くの異なるタイプの障害の処置および/または予防に使用することができる。例示的な障害は、たとえば、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病に伴う合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症を含む。さらなる例示的な障害は、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチである。
【0065】
糖尿病または糖尿病に伴う合併症の処置および/または予防のための例示的な薬物は、インスリン、たとえばヒトインスリン、またはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1類似体もしくはGLP-1受容体アゴニスト、またはその類似体もしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、または薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、またはそれらの任意の混合物を含む。本明細書において使用される用語「誘導体」は、元の物質と構造的に十分同様のものであり、それによって同様の機能または活性(たとえば治療効果性)を有することができる任意の物質を指す。
【0066】
例示的なインスリン類似体は、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28-B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0067】
例示的なインスリン誘導体は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(N-リトコリル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン、およびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。例示的なGLP-1、GLP-1類似体およびGLP-1受容体アゴニストは、たとえば:リキシセナチド(Lixisenatide)/AVE0010/ZP10/リキスミア(Lyxumia)、エキセナチド(Exenatide)/エクセンディン-4(Exendin-4)/バイエッタ(Byetta)/ビデュリオン(Bydureon)/ITCA650/AC-2993(アメリカドクトカゲの唾液腺によって産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(Liraglutide)/ビクトザ(Victoza)、セマグルチド(Semaglutide)、タスポグルチド(Taspoglutide)、シンクリア(Syncria)/アルビグルチド(Albiglutide)、デュラグルチド(Dulaglutide)、rエクセンディン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド(Langlenatide)/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン(Nodexen)、ビアドール(Viador)-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド(Exenatide)-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
【0068】
例示的なオリゴヌクレオチドは、たとえば:家族性高コレステロール血症の処置のためのコレステロール低下アンチセンス治療薬である、ミポメルセン(mipomersen)/キナムロ(Kynamro)である。
【0069】
例示的なDPP4阻害剤は、ビルダグリプチン(Vildagliptin)、シタグリプチン(Sitagliptin)、デナグリプチン(Denagliptin)、サキサグリプチン(Saxagliptin)、ベルベリン(Berberine)である。
【0070】
例示的なホルモンは、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストを含む。
【0071】
例示的な多糖類は、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩を含む。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。ヒアルロン酸誘導体の例としては、HylanG-F20/Synvisc、ヒアルロン酸ナトリウムがある。
【0072】
本明細書において使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。免疫グロブリン分子の抗原結合部分の例は、抗原を結合する能力を保持するF(ab)およびF(ab’)フラグメントを含む。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、組換え型、キメラ型、非免疫型またはヒト化、完全ヒト型、非ヒト型(たとえばマウス)、または一本鎖抗体とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、Fc受容体と結合する能力が低く、または結合することはできない。たとえば、抗体は、アイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは変異体とすることができ、Fc受容体との結合を支持せず、たとえば、これは、突然変異したまたは欠失したFc受容体結合領域を有する。
【0073】
用語「フラグメント」または「抗体フラグメント」は、全長抗体ポリペプチドを含まないが、抗原と結合することができる全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を依然として含む、抗体ポリペプチド分子(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)由来のポリペプチドを指す。抗体フラグメントは、全長抗体ポリペププチドの切断された部分を含むことができるが、この用語はそのような切断されたフラグメントに限定されない。本発明に有用である抗体フラグメントは、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、直鎖抗体、二重特異性、三重特異性、および多重特異性抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)などの単一特異性または多重特異性抗体フラグメント、ミニボディ、キレート組換え抗体、トリボディまたはバイボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュラー免疫薬(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体を含む。抗原結合抗体フラグメントのさらなる例は、当技術分野で知られている。
【0074】
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、特異的抗原認識を仲介する役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。用語「フレームワーク領域」は、CDR配列ではなく、CDR配列の正しい位置決めを維持して抗原結合を可能にする役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、通常、当技術分野で知られているように、抗原結合に直接的に関与しないが、特定の抗体のフレームワーク領域内の特定の残基が、抗原結合に直接的に関与することができ、またはCDR内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が抗原と相互作用する能力に影響を与えることができる。
【0075】
例示的な抗体は、アンチPCSK-9mAb(たとえばアリロクマブ(Alirocumab))、アンチIL-6mAb(たとえばサリルマブ(Sarilumab))、およびアンチIL-4mAb(たとえばデュピルマブ(Dupilumab))である。
【0076】
本明細書において説明される化合物は、(a)化合物または薬学的に許容されるその塩、および(b)薬学的に許容される担体を含む医薬製剤において使用することができる。化合物はまた、1つまたはそれ以上の他の医薬品有効成分を含む医薬製剤、または存在する化合物またはその薬学的に許容される塩が唯一の有効成分である医薬製剤において使用することもできる。したがって、本開示の医薬製剤は、本明細書において説明される化合物および薬学的に許容される担体を混合することによって作られる任意の製剤を包含する。
【0077】
本明細書において説明される任意の薬物の薬学的に許容される塩もまた、薬物送達デバイスにおける使用に企図される。薬学的に許容される塩は、たとえば酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩は、たとえば、HClまたはHBr塩である。塩基性塩は、たとえば、アルカリもしくはアルカリ土類金属、たとえばNa+、もしくはK+、もしくはCa2+、またはアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1からR4は互いに独立して:水素、場合により置換されたC1~C6-アルキル基、場合により置換されたC2~C6-アルケニル基、場合により置換されたC6~C10-アリル基、または場合により置換されたC6~C10-ヘテロアリール基を意味する)から選択されるカチオンを有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、当業者に知られている。
【0078】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物またはメタノラート(methanolate)またはエタノラート(ethanolate)などのアルカノラート(alkanolate)である。
【0079】
本発明の概念の完全な範囲および精神からから逸脱することなく、本明細書に記載する物質、構成、装置、方法、システム、デバイス、および実施形態の様々な構成要素に修正(たとえば、調整、追加、または削除など)を加えることができ、本発明は、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。
【0080】
記載した構成は、デジタル電子回路内、もしくはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア内、またはこれらの組合せで実施することができる。この装置は、プログラム可能プロセッサによる実行のために、情報キャリア内で有形に実施されるコンピュータプログラム製品内、たとえば機械可読記憶デバイス内で実施することができ、方法工程は、プログラム可能プロセッサが、入力データ上の動作および出力の生成によって、記載した実装の機能を実行するための命令のプログラムを実行することによって、実行することができる。記載した構成は、有利には、データ記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスとの間でデータおよび命令を受け取り、データおよび命令を送信するように連結された少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能な1つまたはそれ以上のコンピュータプログラム内で実施することができる。コンピュータプログラムは、特定の動作を実行しまたは特定の結果をもたらすために、コンピュータ内で直接または間接的に使用することができる1組の命令である。コンピュータプログラムは、コンパイルまたは解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書き込むことができ、計算環境での使用に好適な独立プログラムまたはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくは他のユニットを含む任意の形態で導入することができる。
【0081】
命令のプログラムの実行に好適なプロセッサには、例として、汎用および特殊目的の両方のマイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のコンピュータの単独のプロセッサまたは複数のプロセッサのうちの1つが含まれる。概して、プロセッサは、読取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリ、または両方から、命令およびデータを受け取る。コンピュータの不可欠な要素は、命令を実行するプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶する1つまたはそれ以上のメモリである。概して、コンピュータはまた、データファイルを記憶する1つもしくはそれ以上の大容量記憶デバイスを含み、またはそのような大容量記憶デバイスと通信するように動作可能に連結され、そのようなデバイスには、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁石光学ディスク、ならびに光ディスクが含まれる。コンピュータプログラム命令およびデータを有形に実施するのに好適な記憶デバイスには、例としてEPROM、EEPROM、およびフラッシュ記憶デバイスなどの半導体記憶デバイス、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、磁石光学ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、すべての形態の不揮発性メモリが含まれる。プロセッサおよびメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補足することができ、またはその中に一体化することができる。
【0082】
使用者との対話を提供するために、これらの構成は、使用者に情報を表示するCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどの表示デバイス、ならびに使用者がコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびマウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータ上で実施することができる。
【0083】
これらの構成は、データサーバなどのバックエンド構成要素、アプリケーションサーバもしくはインターネットサーバなどのミドルウェア構成要素、グラフィカルユーザインターフェースもしくはインターネットブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンド構成要素、またはこれらの任意の組合せを含むコンピュータシステム内で実施することができる。システムの構成要素は、通信ネットワークなどの任意の形態または媒体のデジタルデータ通信によって接続することができる。通信ネットワークの例には、たとえばLAN、WAN、ならびにインターネットを形成するコンピュータおよびネットワークが含まれる。
【0084】
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは概して互いから遠隔に位置し、典型的には記載したようなネットワークを介して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、コンピュータプログラムがそれぞれのコンピュータ上で実行され、互いに対してクライアントとサーバの関係を有することによって生じる。
【0085】
加えて、図に示した論理フローは、望ましい結果を実現するために、図示の特定の順序または順番を必要としない。加えて、他の工程を提供することができ、または記載したフローから工程を削除することができ、他の構成要素を記載したシステムに追加することができ、または記載したシステムから除去することもできる。したがって、他の実装も以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【0086】
本開示の複数の実装について記載した。それにもかかわらず、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができることが理解されよう。したがって、他の実装も以下の特許請求の範囲の範囲内である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5